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いちごの香りがする触手

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●混沌を呼ぶために
 一見、その男はごく普通の観光客に見えた。
 宇宙船同士を繋ぐ連絡船に乗り、彼が訪れたのはリゾートシップとして名高い「ぱらいそ号」である。
 着崩したスーツにジャケットを纏い、スーツケースの乗ったカーゴを鼻歌交じりに押すその姿は、どこからどう見ても、ようやく休暇の取れたサラリーマンといった様子。
 が、その実――彼の正体はオブリビオン銀河帝国の放ったスパイである。
 その任務は、リゾートシップ「ぱらいそ号」を混沌の渦へと陥れること。
 がたごと、と揺れるスーツケースを見て、彼は任務成功を確信してにやりとほくそ笑むのであった。

●世界を越える存在、それは――
「暫く見ないと思っていたらこうよ。さ、みんな、集まってちょうだい」
 どこかぷりぷりと怒った様子を見せながら猟兵たちを集めるニコラ。彼女の背後に映し出されているのは、スペースシップワールドのリゾート宇宙船「ぱらいそ号」の姿だ。どうやら、今回はかの宇宙世界へと出撃の予定らしい。
「この手の依頼って、世界の種別を問わないのね……というわけで、お仕事よ猟兵さん。とりあえず、初期段階での任務は、触手生物の掃討になるわ」
 げんなりとした様子でため息を吐きながらニコラは猟兵たちに任務の第1フェーズを提示する。
「現在……といっても、あなた達が乗り込むタイミングとほぼ同時くらいに、リゾートシップ『ぱらいそ号』の中でこの触手が爆発的に増殖を開始するわ。現場は大混乱だと思うけれど、避難誘導の類はぱらいそ号の乗務員たちに任せて、あなた達は触手の排除に注力してちょうだい」
 このまま猟兵が介入しない場合、ぱらいそ号の内部はこの触手生物で埋め尽くされ、とてもではないがリゾートとしては活用できなくなってしまうらしい。
「ある程度触手を掃討したら、元凶を叩いてもらうことになるわね。触手の数が減れば、発生源へはニコラがナビゲートできるから安心してちょうだい」
 その言葉と共に猟兵たちに図示されるのは、奇妙な造形をした……スパゲッティモンスターである。
「こういう、その――ええ、独特なセンスの奴が元凶よ。これを叩けば、触手の増殖は解決できるはず」
 説明に困ったニコラがとうとう独特なセンスという万能の言葉で片付ける程度には形容しがたいモンスターである。これを見せられる猟兵の方も、コメントに困ることだろう。
「ただ、ぱらいそ号にこういう生き物は自生していないわ。持ちこんだ輩がいるはず……くれぐれも注意してちょうだいね」
 そこから先は予知の範囲にない、と猟兵たちに注意を喚起するニコラ。どうやら、触手増殖事件が予知のメインになっており、真の原因については予知できていないらしい。
「説明は以上となるわ。今回はぱらいそ号の内部に直接転移するけど――リゾートを楽しむのは、またの機会にね?」
 最後のウィンクはいつも通りに。猟兵たちを鼓舞するポーズを取り、ニコラは転移ゲートの用意を開始した。


Reyo
 3度目の触手依頼はスペースシップワールドでお届けします。このフラグメントを投稿して下さった方には惜しみない拍手を。

 さて、早速ですがシナリオ全体と各章についての注意点をお知らせします。

●本シナリオについて
 拙作「脱衣、スライム、そして媚薬(の原料)」や「邪神が降臨するので儀式会場に凸しよう」と同じく、お色気演出ありの依頼となります。各プレイヤー様におかれましては、スタイリッシュに触手をぶっ飛ばしたい方、触手にいやんな目に合わされたい方と様々だと思われます。触手が登場する1-2章におきしては各プレイングに大まかな方針を記載するようお願いします。

●第1章:冒険「未知の触手生命体」
 触手です。えっちぃです。かっこよくぶっ飛ばすことを宣言すればぶっ飛ばせます。触手の量に限りはほぼありません。どんと来い。(注)第六猟兵は全年齢対象のゲームです。

●第2章:集団戦「空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター」
 爆破されるといい感じに脱げるらしいですよ? 味の固定概念に疑問を持つとこのスパゲッティはきっと美味しくいただけますね。あと出来立てパスタのゆで汁って結構ぬるぬるしてるんですよ。あとは判るな?

●第3章:ボス戦「???」
 こちらの詳細は章の到達をお待ちください。
 一言だけ書き添えるとすれば、純戦闘ですので手を抜くなよ、です。触手依頼の〆はスタイリッシュに行きましょう。

 以上です。
 どうぞよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『未知の触手生命体』

POW   :    触手を斬り裂き、生命体を力づくで駆除する

SPD   :    触手の動きをかわしながら、生命体の弱点をつく

WIZ   :    宇宙船を制御し、冷却用ガスで触手を凍らせたり、宇宙空間に触手を排出したりする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロッシュ・フェローチェス
(SPD行動)
キモイ、って言うかキモイ。
もう消えろよ、今すぐ早急に。
って言うか消してやるよ。

不意打ちは【野生の勘】と【カウンター】で、蹴って撃って対処。
基本は【早業】で避けよう。
弱点を【見切り】終えたなら好都合、
【ダッシュ】で詰め寄って、この魔改造ドス(短刀)を突き立ててやる。

っていうか……どんだけ出てくるんだコイツ?
まあ良いか――置き去りにしてやるよ、お前も、何もかも。
【選択したUC】で更に弱点を突くことでね。

――あとこちらには「加速式」もある。
【ダッシュ】から生まれる【逃げ足】の速さ、意外と自信あるよ?
……スピーディに決めていくか。



●ストレイト・ソニック
 ぱらいそ号の内部、比較的目立たぬ路地裏形成された転移ゲートを真っ先に潜り抜けたのはフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)だった。いつもはヘアバンドのようにしているゴーグルをきちんと掛けたその姿は、速度に狂った狩人としての一面である。
「――スピーディーに決めるか」
 ゲートから飛び出た勢いもそのままに、彼女の目についた触手が神速の蹴りで吹き飛ばされる。蹴り飛ばす勢いで空中で一回転、フロッシュは壁面に着地し、そこを足場にまた次の跳躍――今度は手に持った魔改造ドスが閃いて触手をなます切りにする。
 ここまでが瞬きひとつのうちに繰り広げられる超高速戦闘。神速者の名乗りは伊達ではない。
「っていうか――キモい。果てしなくキモい。どんだけ出てくるんだ、コイツら」
 愚痴りながらまたもやドスが一閃。蹴りは2発。フロッシュを手篭にしようとしていた触手がまたもや消し飛んだ。
「まあ良いか――置き去りにしてやるよ、何もかも」
 スゥ、と自然な形でフロッシュがクラウチングスタートの構えを取る。それを合図に彼女の履いた機械靴が変形し、その機能を次々と稼働させ――。
「目視なんてさせると思う? ――飛べ!」
 刹砲「トリニダード・スコーピオン」が起動。フロッシュがただ走るだけで巻き起こすソニックブームで、ゲート周辺の触手生物が軒並み吹き飛ばされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
初宇宙!宇宙世界を満喫したかったな
「未知の触手生命体」って、うう、いやな相手...
しかも、えっちぃんですか...

大きさや形から色々いますね。
経験上、触手は音波に弱かったはず!
動きをかわしつつ、近づいてきた触手生命体を獣奏器で音波攻撃を!

どんどん無効化できてます!
―あれ?さっき倒したはずの生命体が消えた?
きゃっ!!スカートの中に何か入ってきました!!まさか、復活!?

「ひゃん!スカートの中入ってきちゃだめですよ!?」
「お尻触っちゃいやだよ...足とかにも絡みつかないで!!」
これじゃ、演奏どころじゃないよぉ...


(ピンチ中リボンが光り出して)〔オーラ防御〕
触手生命体が怯みました!今のうちに反撃です!



●初体験・イン・宇宙
 神速の猟兵がソニックブームで一掃した結果、ある程度の安全が確保された転移ゲート周辺。
「初宇宙! です!」
 転移ゲートから降り立ち、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)はポーズを取っていた。今回のような触手事件でなければもっと宇宙世界を堪能できたのかなぁ、などと考えつつ、彼女は早速討伐任務へと向かう。
「未知の触手生命体って、いやな相手ですけど――これまでの経験上、これでいけるはずです!」
 自分を誤魔化すように気炎を上げつつ、ルナはパトロールするようにリゾート街を歩き回る。片手には獣奏器……経験上、触手生物に効果の高い音律を奏でながらのローラー作戦だ。
「ふふん、どんどん無効化できてますね!」
 彼女が歩きまわる後には、触手生物の遺骸だけが残っている――少なくとも無効化には成功しているようにはみえるその道中。
 だが……彼女の奏でる音が聞こえる範囲を越えると、倒したはずの触手生物が少しずつ復活しつつある。倒し切れては、いないようだ。
「――あれ?」
 ふと振り返った時に、ルナもそれに気付く……自分が倒した筈の触手がいないと。
「さっき、倒したはずなのに――ひゃっ、スカートの中に何か!?」
 だが、気付いた時にはもう遅い。ルナの音律に耐性を得た一部の触手が彼女の足へと絡みつき、そしてスカートの中へとその先端を伸ばしていく。
「やだぁ、お尻触らないで! パンツの中もダメぇ!」
 やだやだと身じろぎしても、触手が逃してくれるはずもない。しかも、演奏の手も止まってしまって通常の触手までもがルナににじり寄ってくる状況だ。
 ああ、こんなところで……とルナが全てを諦めかけたその時、身に付けていたリボンが光り輝き、一瞬とはいえバリアフィールドを形成して触手たちを弾き飛ばした。
「い、今のうちに――!」
 装備のおかげで九死に一生を得て反撃しつつ、ルナはなんとかゲート周囲の安全圏まで後退するのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アルテミス・カリスト
【お色気】

「リゾートシップに増殖する触手は
この正義の騎士アルテミスが(フラグメント投稿したPLという意味で)責任をもって退治しましょう!」

【聖なる大剣】で触手を切り裂く力を付与した大剣を構え
触手を力任せに駆除していきましょう!

「触手ごとき、この私の敵ではありません!」(フラグ)

ですが、【聖なる大剣】の副作用でお約束のピンチに陥るのでした。

「って、ちょっと触手の量、多くないですかーっ!?
やっ、触手が服の中にーっ!」

全身を触手によって絡め取られて身動きが取れなくなります。
そしてスカートの裾や上着の襟元から触手に侵入され下着の中にまで入られて、
触手に全身を這い回られてしまうのでした。



●宇宙でも旗を立てる騎士
 一方、また別方面にて。
「リゾートシップに増殖する触手はこの正義の騎士アルテミスが責任をもって退治しましょう!」
 ぱらいそ号のスタッフたちが住民の避難に奔走する所へ、1人の騎士猟兵が姿を現していた。彼女の名はアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)――オブリビオン退治の使命を帯びて、ついにはスペースシップワールドに降り立った女騎士である。
「今こそ、聖騎士としての力を解放する時!」
 宣言と共に大剣を抜刀。避難の流れに逆らうようにして触手の群れに立ち向かうアルテミスの姿は、まさに救国の……いや、救船の英雄それそのものだ。
「触手ごとき、この私の敵ではありません!」
 その宣言もさるもの。ユーベルコード「聖なる大剣」の効果を付与された斬撃は触手の群れをまるで紙切れのように引き裂いていく。大軍を相手に単騎殿軍、避難民を守るべく剣を振るうはまさに騎士の誉れだ。
 だが……。
「って、ちょっと触手の量、多くないですかーっ!?」
 ――そう、いかな彼女がトップクラスの実力を持つ猟兵といえど、触手は群体であり、彼女は個人である。その圧倒的な物量差が、避難の時間を稼いだ彼女へと襲いかかる。
「やっ、触手が服の中にーっ!」
 1合、2合――切り結ぶうちに、その大剣を振りまわすという行為そのものの隙を付いて触手が少しずつアルテミスの体を絡め取っていく。
 まずは手足を。
 そして鎧の隙間やスカートの中へ。
 アルテミスの全身が、少しずつぬらつく触手に覆われていく。
 びりびり、という音は、触手が押しこまれることによって許容量を越えた服が裂てしまった音だろう。
「い、いやぁああ、あああ!? ――あっ……!」
 哀れ、女騎士の悲鳴と嬌声は、触手以外に聞き届ける者のないままただ拡散した。

 ――満身創痍。ある区画の触手を全滅させ、そうとしか表現できないあられもない姿でアルテミスが転移ゲートに帰還したのは、およそ1時間後のことだったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャオ・フィルナート
いちご…触手、食べれる?(首傾げ)

★罪咎の剣を使用
【暗殺】能力で素早く立ち回り
触手をサクッと拝借

小食故少し齧り判断
<美味しい>
持ち帰り分確保…
右眼を★金星眼に
【催眠、生命力吸収】でまとめて弱体化
【UC】の氷の津波で凍結
ある程度斬り取ったら
氷の【属性攻撃】によるカマイタチで破壊

<美味しくない>
空気中の水分で背中に★ange de verre形成
翼から氷の弾丸を【一斉発射】
まとめて蜂の巣にした後氷の津波で凍結後破壊

<お色気お任せ。含む場合>
ふぁっ、ちょ…ん…ダメ…ッ……

体を捩り抵抗
しつこい
または触手が増えたら

触、な…って…言ってるだろ…!!
【UCによる氷の竜巻+範囲攻撃】

※本人真面目
※儚い雰囲気



●可食触手を求めて
 転移ゲートを抜けて、シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)はきょろきょろと周囲を見回した。
「いちご……触手、食べれる?」
 首を傾げながらシャオが見るかぎり、ゲート周辺は既に触手の掃討が終わったあとのようだ。愛用装備の罪咎の剣を引き抜き、シャオはするりとリゾート街の中へ姿を隠す――どのような術を使ったのか、その儚げな姿は一瞬で街並みに紛れてしまった。
 街並みを暫く行けば、漸く触手の一群とシャオが接触……とはいえ、触手の側はシャオに気付いた様子はまるでない。
「――とりあえず、一口」
 いかにして触手の隙と死角を判じたのか。ともかく――その「暗殺」は筆舌に尽くし難い技量を持って瞬時に執行された。
 スパン、と触手が刈り取られ、そのうちの一本をむんずと掴み、シャオは無表情のままそれに齧りつく。
「……」
 残念ながら、この触手はただの触手だ。いちご味ではない。
 それを理解した瞬間、シャオの背中から氷の華が――いや、翼が形成される。そして、鋭利な先端を持つその羽根が一斉に放たれ、シャオの背中側に居た触手たちを一瞬で串刺しにした。
「美味しくない――」
 ゆらり、と串刺しになった触手たちを振りかえり、放つのはユーベルコード「absolute zero」による絶対零度。極低温の津波を受けて、触手たちが一斉に砕け散る。
「――ん? ふっ、ちょっ……だめっ……」
 不意に上がるシャオの声。彼の範囲殲滅から零れた触手が、一矢報いようとシャオの体へと纏わりついたのだ。少数とはいえ、ぬらりとしたその感触は言いようのないおぞましさをシャオに覚えさせ――。
「触、るな……って……言ってるだろ!!」
 パリン、と。シャオの体に触れていた触手が一斉に凍りつき、直後、砕け散る。
「はぁ――はぁ――」
 拙い怒りを表出させて肩で息をしながら、シャオはユーベルコードの力で凍り砕けた触手の残骸をぱさりと払う。
 きらきらと宙に舞う触手の粉末は、どこかダイアモンドダストのように見えなくもなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】のネウィラさんと
(色気控えめに)

いちごの香りの触手って聞いただけで、私かなり微妙な気分なんですけれども…
私も武器として私に憑いてるUDC由来の触手使いますし…(苦笑

ともあれ巻き込まれないように気を付けつつ排除していきましょう
…とは思ったんですけど、さすがに数が多い
ネウィラさんと2人で絡まれて
「うぅ…私の服の中にまで……ネウィラさんは大丈夫ですか…?」
彼女を助けようともがきますが、何か余計なものまで掴んでしまったりととらぶるあったり…
「こうなったら、宇宙船を壊さない程度に…!」
【フォックスファイア】を呼び出し、少しずつ触手を燃やしていきましょう
なんとか2人とも服が無事なうちに!


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】いちごさんと共に
※色気控えめ、匂わせる程度

「なぜ、触手からいちごの匂いが…」
「あっ、ごめんなさい、呼び捨てにしたのではなくて、その、いちごというのは要するにいちごのことであっていちごさんのことではなく…」
いちごがゲシュタルト崩壊しかけるも、臨戦態勢

〈見切り〉を利用しつつ〈属性攻撃〉で火の魔法を撃とうと試みます
奮闘虚しく絡まれてしまったら…
「しまった!?は、離してくださいっ!いちごさん、助けて…」
と言うものの、いちごさんの手が私の胸を掴んでいることに気づくと、恥ずかしさと怒りで絶叫
「い、いちごさーーーーんっ!!!」
思わず《ウィザード・ミサイル》を全力で(なぜか)触手に見舞ってしまうかも



●それもまた青春
 少女の猟兵が2人、転移ゲートからぱらいそ号へ降り立つ。どうやら現場でタッグを組んだタイプの即席パーティーではないらしく、転移ゲートから降りる際に妖狐の猟兵がエルフの猟兵に手を差しだしていた。
「しかし、いちごの香りの触手って聞くと……微妙な気分ですねぇ」
 そう苦笑するのは妖狐の猟兵――彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)である。
「ええ、なんで触手からいちごの匂いが――」
 応えるエルフの猟兵の名はネウィラ・カーレンベート(銀の矢・f00275)という。
「――あっ、ごめんなさい、呼び捨てにしたのではなくて、その、要するにいちごのことであっていちごさんのことではなくて……」
「ふふ、わかってますよ」
 呼び捨てにしてしまったように聞こえる、と慌てるネウィラの様子をみて、いちごはくすりとほほ笑んだ。
「私も、武器としてUDC由来の触手を使いますしね、今回の依頼はちょっとややこしいです――ともあれ、巻き込まれないように気をつけて、です」
「ええ――」
 いちごの言葉で落ちついたネウィラ、そして周辺の気配を探るいちごが2人とも臨戦態勢に入る。
 けれど。
「――思っていたより」
「ええ、触手の数が少ない……?」
 ネウィラの呟きに慎重に応えるいちご。陣形は背中合わせ、互いを信じる万全の構えで。
「――いちごさん!」
「――ネウィラさん!」
 故に、互いの死角を狙い飛来した触手に気付いたのはほぼ同時。
 まるで、これまでの小規模遭遇が嘘のような襲来。気付けば2人はほぼ全周囲を触手に囲まれており、四方八方から伸びてくるそれらは瞬く間に2人の処理能力をオーバーフローさせた。
「しまった!? は、離して下さいっ!?」
 まずはネウィラが触手に捕らえられる。
「うう……私の服の中にまで……ネウィラさんは、大丈夫ですか……?」
 それに続き、いちごの四肢も束縛され宙吊りに。その際、服の一部がはだけて、いちごが「男」である証が僅かに覗いた。
 そんな状況であっても、まず真っ先に気にかけるのはパートナーのことであり、いちごは周囲の気配を頼りに手を伸ばし。
「――この、感触は?」
「い、い――いちごさぁぁぁぁん!?」
 いちごと同じく、四肢を拘束され宙吊りになっていたネウィラ。
 ただ、位置関係が悪く、いちごが手を伸ばした先は丁度……宙吊りになった所為で胸を強調するようなポーズになっていたネウィラの胸元だったのだ。
 ぽよん、というふくよかな感触がいちごの手へ返り。
 ――一瞬遅れて、いちごを拘束していた触手たちが、ネウィラの操るウィザード・ミサイルの一斉射で蒸発した。
「ネウィラさん、落ちついて……! く、こうなったら、宇宙船を壊さない程度に……!」
 触手に捕らえられた姿勢のまま、ウィザードミサイルを乱射し続けるネウィラ。その様子に、まずは街並みのことを案じていちごもまた攻勢に入る。呼び出すはフォックスファイア、いちごの手指の延長のように動くそれは瞬く間にネウィラを拘束する触手を焼き払い、彼女を救出する。
「ネウィラさん!」
「――っ! いちご、さん……」
 そして、落下するネウィラをいちごがキャッチ。姿勢は、自然とお姫様抱っこへ。
「服は――無事ですね! 移動は私に任せて、ネウィラさんは周囲の掃討を!」
「は、はいっ!」
 ――その後、機動力と殲滅力を分担した彼らは、このフェイズに参加した猟兵たちの中でも指折りの戦果をマークすることとなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●元凶のすぱげってぃ(いちご味)
 ――リゾート街で戦い続ける猟兵たちの元へ、一通の通信が入る。
「オブリビオンの位置を特定、各猟兵は指定ポイントへ」
 十分数の触手が討伐されたことで、発生源となっているオブリビオンの位置を特定できたようだ。グリモア猟兵からのナビゲート通信である。
 指定されたポイントはリゾートブロックの端にある、観光船発着場となっているスペースポート。
「対象オブリビオンは集団規模の模様。他のオブリビオンを目撃した場合、早急な報告を」
 オブリビオンの規模、そして現場からの情報を求める通信が追加で着信。
 ……いちごスパゲッティのオブリビオン以外の敵がいる?
 不確定の情報を脳裏に留めながらも、猟兵たちはそれぞれの思惑に沿って行動を開始するのであった。
フロッシュ・フェローチェス
会いたかったよ?すぱげってぃ――もとい触手。
さっさと潰し、生ごみにして捨ててやる。
何らかの元凶がいるようだし、お前になんざ構ってられないから。

触手は数が多い上に軟体だけど、ドスで斬り続けるのは近寄られた時。
散弾銃を【早業】でばら撒きつつ、【ダッシュ】で回避と移動を兼ねよう――馬鹿正直に走らずジグザグに。
近寄られかけたなら……【二回攻撃】の斬撃でバラバラにしつつ、【逃げ足】発揮して仕切りなおそう。

ん、反撃してきたね?
悪いけど爆破も触手も食らうか……それは【残像】だ。
【カウンタ-】で逆に喰らってやるよ。右眼から飛ぶこの【選択したUC】でね。
まあキモいから、呑み込み切らず肉塊吐き出して蹴とばすかな。


シャオ・フィルナート
今度こそ…いちご…?
初めて知った美味しいっていう言葉

思い出しながら触手を見つめ
…おみやげ分、よろしく…

★雹燕の【属性攻撃】による氷の鎌鼬で切り刻む
WIZで跳ばれたらすかさずUCで氷の津波を起こし
周囲の触手とまとめて氷結
逃すわけ…ないでしょう…?

水分纏ってるなら…
凍らせやすくて、助かるね…

★金星眼の【生命力吸収、催眠】で弱らせ
数体の触手の頭を蹴るように跳びながら
敢えて敵陣のど真ん中に着地
体ごと回転させ
氷の鎌鼬+UCで発生させた氷の竜巻で
まとめて斬り刻む

※脱げるのは気にしないが万一絡まれた場合
っ…だ、から…しつこいってば…!
(UCで氷柱の雨+範囲攻撃で蜂の巣)

触手の残骸は美味しければ回収
お土産…



●悪魔的酔狂
 グリモア猟兵からの通信で、ある程度の群が居ると指定されたスペースポート、そのうちの1ブロックにて。
 最速でそこに到着したのは、2人の猟兵であった。
 1人は言うまでもない、速度特化のスピード狂、フロッシュ。もう1人は美味しい触手を探すシャオだ。
「アタシはあいつらをさっさと生ごみに投げ込む予定だけど?」
「……美味しかったら、持って帰る。おみやげ分は、残しておいて」
「あ、そ」
 会話は短く。行動は素早く。行き会ったもう1人の猟兵の都合を尋ねながら、フロッシュは素早くブロックへと繋がる非常口を蹴り飛ばした。
 派手な音を立てて吹き飛ぶ鉄扉。一瞬の呼吸で連携を取る猟兵2人。
 薄暗いスペースポートの一角へと飛び込んだフロッシュが流れるような動作で散弾銃を連射。その後を追い、援護するようにしてシャオの氷扇から真空刃が飛ぶ。
 吹き飛んだ鉄扉に気を取られていたスパゲッティモンスターの一部がその連携攻撃で蜂の巣にされ、あるいは細切れのペンネへと姿を変える。その攻撃から逃れた輩もシャオの放つ真空刃に付随する極低温の冷気によって凍結し、最初の一手は完全に猟兵側が抑える形となった。これについては、汁気たっぷりなどと標榜してわざわざ凍りやすいモノを纏っていたスパゲッティ側の非も大きいか。
 とはいえ、スパゲッティモンスターには数の利がある。凍らされずペンネにされず、あるいは散弾で吹き飛ばされなかったスパゲッティがわらわらと2人の猟兵に向けて飛びかかる。
 ――ケヒヒヒヒヒヒヒヒ!?
 奇怪な笑い声を上げながら殺到するスパゲッティ。空中で複雑に軌道を変えながら2人に迫るその動きはまさに異界の怪物そのものであり。
「他に元凶がいるようなのに、お前になんざ構ってられるか――!」
 ズパン、と有無を言わさぬフロッシュの斬撃がそのうちの何体かを纏めて切り飛ばす。ジグザグなダッシュをしながらの斬撃である、スパゲッティ側は彼女の姿を捉えることすらできないでいた。
「そっちから、来るのは、好都合」
 シャオの側も金瞳の視線で迫りくるスパゲッティを催眠・撃墜し、その上敵陣中央に飛び込んでの氷嵐で広範囲を殲滅しにかかる。すれ違い際の抵抗とでもいうように茹で汁を投げつけてくる奴もいるが、その大半はシャオに迫るだけで凍結されて彼に届くことはない。
 破れかぶれのようにして何匹かのスパゲッティモンスターが爆破のユーベルコードを2人に対して投げつけるが。
「――悪いけど、爆破も触手も喰らってやる理由が無くてね」
 フロッシュの右眼が妖しく輝き、スパゲッティモンスターのユーベルコードを喰らい尽くす大顎と化す。異形の大顎は周辺一帯を喰らい尽くすと最後に「スパゲッティモンスターだったもの」を吐き出して消え、残るのはスパゲッティモンスターに中指を立てるフロッシュだけだ。
 片やシャオは、というと――
「……今、何かした?」
 もともとがこのスパゲッティモンスターを美味しいと評していた彼に、そのユーベルコードはほとんど効果を表さない。ただ隙を晒すだけになったスパゲッティをシャオの氷竜巻が切り刻む。
「ん――凍らせても、結構いける」
 刻まれたスパゲッティモンスターの一部を齧ってシャオは一言。おみやげにしよう、とごそごそと周辺の冷凍スパゲッティを拾いはじめるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルテミス・カリスト
【お色気】

「うう、さっきは酷い目に遭いました……
けど、今度こそ正義の騎士としての任務を全うします!」

いったん転移ゲートまで戻った私は
シャワーを浴びて新しい服に着替えてから再度出撃します。

「あなたたちはこの私が退治します!」

大剣を構え、スパゲッティモンスターたちを斬り捨てていきます!

「どんなに数が多くても私には無意味です!」(フラグ)

その時【騎士の責務】のため、お約束が発生。
パスタの汁気を頭から浴びてしまいます。

「……ふぇっ!?」

摩擦がゼロになった身体。
それにより、身にまとった鎧や服、下着が重力に引かれてずり落ちて、全裸になってしまい……

「きゃあああっ!」

悲鳴を上げて地面にしゃがみこむのでした。


ウルフシャ・オーゲツ
 おお、宇宙バイクでリゾート地を楽しんでおったら、不届き者なスパゲティがおるのう。
 しかしイチゴ味か……ターバンを巻いてナイフを持っておけば相手にすごいダメージを与えられたりできんじゃろうか……。
 何はともあれ、こちらはあんこ入りパスタライスを叩きつけ相手をさらなる混沌に貶めるほかあるまい!
「そちらのカオスとこちらのカオスどっちがかってもこの地に平穏なし!素直に共倒れじゃ覚悟せい!」
 貶めた後は
「ウルフシャの辞書に逃走は無いことじゃー!」
 とでも言いながら【ゴッドスピードライド】で轢いてから敵とは逆方向に前進じゃな!
 逃げておらんぞ、前進じゃ。


ルナ・ステラ
安全圏に戻れたと思ったら、今度は赤いうねうねですか...
爆破されないように気をつけます

早速甘い香りが...

箒で上のほうに避難して―!?空まで追ってきました!!
でも、触手攻撃には当たりません!

ひゃん!ゆで汁!?
ぬるぬるしてて気持ち悪いよぅ...
上手く動けない...

あう...纏わりつかないで...
きゃあ!?ぬるぬる出さないでください!!

うう...なんか変な感じがするよぉ...
(ぬるぬると触手で参ってしまいそうです)

―するっ(摩擦抵抗がなくなりパスタから抜け出す)
あれ?なんかうまく抜け出せました?
チャンスです!!酷い目に合わされたお返しです!
〔全力魔法〕〔2回攻撃〕


アドリブ、アレンジなど歓迎です!



●バイクで来た! with女騎士&魔女っ子
 リゾート船というだけあって、休暇でこのぱらいそ号に乗船している猟兵も少なからず存在した。ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)は、そんな現地合流猟兵の1人である。
「宇宙バイクでリゾート地を楽しんでおったのに……しかし、イチゴ味とは。ターバン巻いてナイフ持っておけば最強じゃな」
 愛用の宇宙バイクに乗って、ついに探し当てたのは転移ゲート。丁度良い、と降りてグリモア猟兵から情報提供を受けようとしたところに、タイミング良く転移ゲートから猟兵……着替えを済ませたアルテミスが姿を現し、さらには他の地区から撤退してきた猟兵……ルナが合流する。
「うう、さっきは酷い目に遭いました……」
「ふぅ、ようやく安全圏です」
「おや、これは丁度良い所に――おおーい」
 どうやら既にグリモア猟兵から説明を受けてそうな猟兵2名。ウルフシャが見逃すわけもない。声を掛けられたアルテミスとルナも、宇宙バイクという高速移動手段を持つウルフシャの存在は渡りに船である。
 一言二言、状況を共有してしまえば、あとは方針もすぐに定まる。
「なるほどなるほど、つまり、うちはあんこ入りパスタライスを叩きつけにスペースポートへ行けばよいんじゃな!」
「ええ――良ければ私たちを乗せてもらえると」
「わたし、安全なルートも判るからまかせて!」
「がってん承知じゃ!」
 かくして、バイク一行がここに成立するのであった。

●前進あるのみ
 スペースポートまでの道中で、猟兵ごとに1ブロックを担当しようという提案が決議されてから暫く。
 ウルフシャはスペースポート中央を貫く大通りに居た。
 アルテミスとルナはスペースポート入口で下車済みであり、此処に居るのはウルフシャただ一人。目の前には、何者かがバラまいた触手の元凶、いちご味スパゲッティモンスターが多数。
 宇宙バイクに跨り、エンジンの音も高らかに。既に突撃準備は万全である。
「――そちらのカオス、こちらのカオス。どっちが勝ってもこの地に平穏なし! 素直に共倒れじゃぁ!」
 ……いや、そこは猟兵として平穏をもたらして欲しいのだが。ともかく、大声に反応してスパゲッティモンスターがぞろりと視線をウルフシャに向ける。
「覚悟せい!」
 宇宙バイクのタイヤが過去最高の回転を披露する。大通りの床を噛む派手な音と共にウルフシャを乗せた宇宙バイクは一瞬でトップスピードを叩きだし、痛烈な突撃で何体ものスパゲッティモンスターを跳ね飛ばした。
「そしてぇ!」
 巧みなドライビングテクニック。一瞬で鋭いターンを決め、先の突撃に加えて「ゴッドスピードライド」のユーベルコードが発動してウルフシャは宇宙バイクとさらなり一体化を見せる。
 一体、どんな突撃が来る――!?
 スパゲッティモンスター達がどう動くか判断しかねたその一瞬の隙を突き――
「ウルフシャの辞書に逃走はないのじゃー!」
 ターンの角度は180度。ついでとばかりに何体かのスパゲッティモンスターを轢きながら、ウルフシャは後方に向かって全速前進するのであった。
 ――とはいえ、完全に無傷のまま、戦果そのものは上々。ウルフシャが駆け抜けた後にスパゲッティモンスターの残る数は少なかった。

●女騎士の受難パスタ
 アルテミスが担当することになったのは、スペースポート左側の1ブロック。どうやらショッピングモールが入っていた位置なのか、ブロック内も多数の店舗に区切られていて障害物が多い。うぞうぞとそこかしこに姿を見せるスパゲッティモンスターに、アルテミスの緊張も高まる。
「先ほどのような失態は見せません――今度こそ、正義の騎士として、任務を全うします!」
 アルテミスの宣言にスパゲッティモンスターたちがぞろぞろと集まりだす。
「あなたたちは、この私が退治します!」
 そして、これ幸いと突撃するアルテミス。大軍の中へと突っ込むことをトリガーに彼女のユーベルコード「騎士の責務」が発動し、圧倒的な能力を得たその一閃で何体ものスパゲッティモンスターが切り飛ばされる。
「見たか! どんなに数が多くても、私には無意味ですよ!」
 もし、彼女のその台詞を聞く者がいたら、どうして自分からフラグを立てにいくのか、と説教をしていたかもしれない。
 大剣を閃かせ、華麗に戦うアルテミス――だが、ただやられるだけのスパゲッティモンスターではない。
 ――パスタァデキタテェ!
 切り飛ばされる仲間の体を盾にして、数体のスパゲッティモンスターがアルテミスへと肉薄。四方八方からユーベルコードによって発生した汁を彼女へと浴びせかける。
「くっ、この程度……!」
 パスタの茹で汁のようにやや白濁したそれを全身に浴びつつ、アルテミスの返す一閃で、その汁を放ったスパゲッティモンスターたちも斬り伏せられ――
「あ、ら――?」
 その勢いで、アルテミスの手から大剣がぬるりと抜けだした。全力で振りかぶられていたソレは、見事な勢いで周囲一帯を薙ぎ倒す投擲へと変じ、残るスパゲッティモンスターをずんばらりと一刀両断する。
 が……思わず投げる形となってしまった大剣を見送るアルテミスの体では異変が起きつつあった。
 ――べちゃり。パスタの汁気を帯びて真っ先に地面に落ちたのはアルテミスの下着である。
「あっ、やっ!?」
 ――かしゃあん。摩擦係数が限りなくゼロになった結果、続けて鎧がアルテミスの体から脱落する。
「き――」
 ――ずるり、べちゃん。体を覆う服が最後まで残ったのは僥倖と言うべきだろう。
「きゃあああ!?」
 悲鳴を上げるアルテミスの周囲には、パスタの汁気まみれになった彼女の服。生まれたままの姿で、アルテミスは地面にしゃがみ込むのであった。

●全力のタライ
 ルナが担当することになったのは、スペースポート中央大通りから1本右へずれた1ブロック。おそらくコンテナ等を運ぶための業務ブロックだったのだろう、一般客立ち入り禁止の扉を越えれば、コンベア等のあるスペースが丸々スパゲッティモンスターの巣窟となっている。
「爆破、されないように気をつけて――」
 バイクに乗せて運んでもらった愛用の箒に騎乗。スパゲッティモンスターたちに気付かれぬよう、ルナはゆっくりと高度を上げていく――コンテナを積み上げるスペースも必要なのか、担当した箇所の天井が高いことはルナに有利に働いた。少なくとも、スパゲッティモンスターたちがルナに気付く頃には十分な高度を確保できたのだ。
「これで、触手攻撃にはあたりませんよ!」
 意気揚々とユーベルコードを起動するルナ。気持ちに余裕があるお陰か100本のシューティングスターは無事召喚され、次々とスパゲッティーモンスターたちを射抜いていく。
 ――が、スパゲッティモンスターの数はその100本で撃ち抜かれてなお多い。そのうちの何体かは、ルナに近づくことを放棄して即座に遠距離攻撃……汁気を纏ってそれを飛ばすという手段に出はじめる。
「ひゃん!? これは……ゆで汁? ぬるぬるしてて気持ち悪いよぅ……」
 その汁気攻撃の一部はルナを捉え、普段とは異なる滑り具合が途端にルナの動きを縛る形で働く。ふらふら、と高度を下げてしまったルナを責めることはできまい。
「あうあう……纏わりつかないでぇ!」
 そして高度が下がってしまえばスパゲッティモンスターの攻撃範囲である。ルナの元に次々とスパゲッティモンスターが殺到し、汁気やいちご風味の爆発を投げつけてどんどんルナを汚していく。
「いやあぁ!」
 しかし、スパゲッティモンスターは忘れていた。摩擦係数を減らし過ぎると己の攻撃が通用しづらくなることを。必要以上に汁気を浴びたルナの体はもはや摩擦係数がほぼ0の状況だ。爆破するために、あるいは汁気を浴びせるためにスパゲッティモンスターが絡みつこうとすれば、つるりとルナの体が逃げてしまう。
「あれ? なんだかうまく抜け出せました……?」
 そして、何やらスパゲッティモンスターの攻勢が手詰まりであることをルナも感じ取る。その理由がどうであるかまでは判らないものの――
「酷い目に合わされた、お返しです! いっけぇえ!」
 今がチャンス、とばかりの全力詠唱。途中、少しばかり口が滑って詠唱呪文を間違えてしまうが、その効力は衰えることなく魔法が発動した。
 ――カコォン!
 空より振るは、流星ではなく金ダライ。それも、1個や2個ではない――都合100個の金ダライの雨が、スパゲッティモンスターたちを容赦なく打擲し、場合によってはイチゴスパゲッティのタライ盛りのような形にしながら打倒していく。
「――うう、なんか変な感じです」
 このブロックに居たスパゲッティモンスターたちを悉くタライで打ちのめした後、ルナは全身汁まみれの感触にそう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】のネウィラさんと

「前にも見ましたけど、なんでスパゲティがこうなるんでしょうねぇ…」
ネウィラさんの言葉に苦笑して答えつつ
【フォックスファイア】で燃やしていきます

「ネウィラさん、そちらは大丈夫です…か?!」
なんか様子がおかしいんですけど
え、いちごの匂いに酔ってるんです?
まさかそんな、って落ち着いて正気に戻ってー?!
彼女に抱きしめられこちらも赤面して、あたふたしながらもなんとか狐火のコントロールだけはっ
私の匂い嗅がないでってかそんなに密着したら胸の感触とかいろいろとー?!

なんとか引き剥がし(その時どこに触れたかは言うまい)落ち着かせて
「い、いえ、気にしてませんから…」
気まずいですけどもっ


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】いちごさんと共に引き続き
※色気控えめ、匂わせる程度

「うっ、少々気持ちの悪い見た目ですね…」
モンスターたちを見て一言。
しかし、そんなことも言っていられません。とにかく数減らしを。
〈範囲攻撃〉で最も近いあたりに魔法を撃ち込もうと試みます。

が、漂うほのかないちごの香りによって、徐々に本能がいちごさんに向いてしまい。
「い、いちごさん」
と、理性を押しのけていちごさんに倒れかかるように抱きついてしまいます。
「いちごさん、いい匂いです…」

そんなこんなで、少々とらぶるもありましたが、なんとか我に返った後は《炎神召喚》で召喚した炎神にモンスターを焼いてもらいます。

も、もう、私ったら、なんてことを…



●甘いだけでなく、甘酸っぱく
 他のブロックが制圧されつつあるという情報を元に、グリモア猟兵が示した最後の1ブロック。
「うっ、少々気持ち悪い見た目をですね……」
「しかし、前にも見ましたけど、なんでスパゲッティがこうなるんでしょうねぇ……?」
 スパゲッティモンスターを目前にしたネウィラといちごは、そんな感想を抱きながらも堅実に敵の数を減らしていた。
 互いを背中合わせにするようにしておけば、自然と出来上がるのが全周囲への警戒網だ。互いの背中を狙うスパゲッティモンスターを互いに撃墜し、今のところ防御は万全。攻撃面についてはネウィラの範囲魔法やいちごの合体フォックスファイアといった手段が確実にスパゲッティモンスターを討つ。
 ――ネウィラが、あまりにも甘ったるいいちご味スパゲッティモンスターの匂いに酔ってしまうまでは。
 その異変に最初に気付いたのはいちごである。
「ネウィラさん……?」
 預けた背中にかかる重さが増している。ネウィラの担当する側で何か異変が起きたのか、といういちごの心配ももっともだ。
「ん、んぅ……い、いちごさん――」
 ネウィラを案じて僅かに振り返ったいちごの視界に飛び込んできたのは、半身になりながらいちごの方へと倒れかかっているネウィラの姿。いちごの背中に凭れかかるネウィラの表情はどこか蠱惑的であり、ここが戦場でさえなければいちごもその表情に応えていたかもしれない。
「まさか、いちごの匂いに酔って――?」
 だが、ここは戦場だ。そうやっていちごの背に凭れかかるネウィラの背後から、これ幸いと踊りかかるスパゲッティモンスターの姿。ネウィラの姿に動揺しつつもすんでのところでフォックスファイアの制御を離さず、自分たちを囲うような防御陣を構築したいちごの腕前は相当なものだろう。
「いちごさん……」
「ネ、ネウィラさん!? 落ち着いて!!」
 きゅ、とネウィラの腕がいちごの胴体を抱き寄せ密着する。ネウィラの豊かな胸がいちごの胴体に沿うようにして歪んだ。
「――いい匂いです……」
「嗅がないでっていうかそんなに密着したら胸の感触とかいろいろとぉ!?」
 円を描くように制御されたフォックスファイアの防御陣はなんとかスパゲッティモンスターを寄せ付けずにいるが、それも長くは持たないだろう。
「ネウィラさん、正気に、戻って……!」
「やんっ――」
 ネウィラの肩を持ち、申し訳なさと一抹の寂しさを覚えつついちごは力技で彼女を引きはがす。そこまでされればさすがにネウィラも我に返り――自分が戦場で何をしていたのかに気付いて耳まで真っ赤になった。
「も、もう――私ったら、なんてことを……!」
 そして、己への様々な感情をないまぜにし、起動されるのは「炎神使役」のユーベルコード。
 いちごがなんとか守り抜いた安全圏に顕現した炎の巨人は、ネウィラの照れを昇華するべく周辺一帯のスパゲッティモンスターを一掃しにかかるのであった。
「ご、ごめんなさい、いちごさん……」
「い、いえ……気にしてませんから……」
 スパゲッティモンスターが壊滅していく中、互いに謝りあって、気まずさからついつい顔をそむけあってしまう2人。
 片や柔らかな感触を、片や甘い匂いを脳裏に浮かべるその姿は、いちご味スパゲッティよりも余程甘酸っぱさを感じさせるものであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『帝国エージェント』

POW   :    ゴールドアイ
【金色の瞳】に覚醒して【歴戦の白兵戦型ウォーマシン】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    仕込み帽子
自身が装備する【鋭利な刃を仕込んだ帽子】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ハッキング
対象のユーベルコードに対し【電脳魔術のハッキング】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠グロリア・グルッグです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エージェント宣戦布告
『まったく、困るんだよねぇ。こういうことをされると』
 最後の1ブロックを完全制圧。その知らせをグリモア猟兵がいままさに受け取ったその時。
 ぱらいそ号内部、ありとあらゆるディスプレイにその男の姿が映った。
『もう少しでこの船を制圧できたというのに。君たちイェーガーの所為で、作戦はパァだ』
 忌々しい口調で語る男……着崩したスーツの襟元を正しながら語るその姿に、猟兵たちはある直感を得るだろう。
 ――こいつが、オブリビオンだと。
『このまま去るのも業腹だ。それに、またこうやって邪魔されちゃあ堪ったもんじゃない。私自ら、君たちイェーガーの相手をさせて貰う事にした』
 キュ、と最後にネクタイを締めあげれば、その画面に映るのは異形の頭を持つ帝国エージェントの姿。
『1人でも集団でも構わん。私と戦う勇気があるというのなら、かかってきたまえ』
 エージェントが中指を立てる。直後、ディスプレイに表示されるのはスペースポートの一角……ついさっきまで猟兵たちがスパゲッティモンスターを相手にしていたところから程近いブロックだ。
 場所は示した――どこからでも掛って来い。
 おそらく、そのエージェントはそうするだけの実力を持っているのだろう。

 グリモア猟兵から猟兵たちへの通信は短く一言。
「あいつがこの事件の黒幕だ――頼む」
 それ以上は不要、とでもいうような激励であった。
アルテミス・カリスト
「うう……下着までぬるぬるで気持ち悪いです……
こんな目に遭わせてくれた帝国エージェントは、
この正義の騎士アルテミスが倒しますっ!」

摩擦ゼロの効果は切れたものの、ぬめぬめのままの服を身にまとい
黒幕がいるというポイントに駆けつけます。

「あなたの放った触手は退治しました!
あとはあなたを倒すだけです!」

大剣を構えて、帝国エージェントに切っ先を向けます。
散々恥ずかしい目に遭わせてくれたお礼はしてあげましょう!

「受けてくださいっ!
恥ずかしい目に遭わされた乙女の怒りの一撃をっ!」

大剣による【渾身の一撃】を放ちます。

「やりましたかっ?!」

なお、鋭利な刃で服を切り裂かれたりしないように気をつけますね!(フラグ)


ルナ・ステラ
まだ、ぬるぬるしてて気持ち悪いです...
それに爆発のせいで服が...
この状態少し戦いづらいです

うねうねたちの黒幕というから、もっと嫌な感じなのが出てくるのかと思ったら意外に普通?ですね
でも、危険な感じもします

魔法は見られていたかもだからハッキングされないようにやめた方がいい?
危ないかもだけど近づいて攻撃かな?

帽子から刃!?
きゃっ!!服がっ!?
いやっ...恥ずかしいよ...
(意外とこの黒幕も触手とかと同じでえっちぃ?)

これ以上破かれたら...

うまく近づく方法はないかな?
素早いライオンさんに騎乗して攻撃を避けつつ、コメットブースターとかで攻撃するのがよさそうですね

ライオンさんと一緒だと心強いね!



●エジェント・ザ・リッパー
 真っ先に黒幕の元に辿りついたのはユーベルコードで呼び出したライオンに騎乗したルナである。そして、それにやや遅れるようにして濡れて重い足音を響かせながらアルテミスが続く。
 未だぬるぬるの残る服のせいで羞恥を覚えつつ、戦場と言う事もあって意識は既に切り替わっている2人。その戦意を感じてか、椅子に深く腰掛けていたエージェントがゆっくりと立ち上がった。
「――2人か」
「あなたが、あんな目に遭わせてくれた帝国エージェントですね……あなたの放った触手は退治しました、あとはあなただけです!」
「あんな目? ああ、あの愉快な目にあっていたのはお前か」
 抜き放たれた大剣を突きつけられ、それでもなおエージェントは余裕の姿勢を崩さず。その機械頭からどこか愉快そうな笑みを感じるのは気のせいか?
「覚悟して下さい! あなたはこの正義の騎士アルテミスが倒します!」
「はっ、正義か――大きく出たものだな」
「うねうねたちの黒幕にしては――でもっ」
 どこまでも猟兵に対して余裕の態度を崩さないエージェントに気圧されつつも、アルテミスはじっくりと間合いを図る。
 その横でエージェントの隙を伺いつつ構えるルナもまた、エージェントから感じる危険な圧力に冷や汗が流れるような状況。あんな触手を呼び出した奴にしては普通な外見をしている、などと考えに耽る余裕はとてもではないが無さそうだ。
 
 ――互いに間合いを測り、隙を窺う静寂が猟兵とオブリビオンの間を満たす。

「――やぁっ!」
 先にその静寂を破ったのはアルテミス。ぬめついた服と鎧の重さを感じさせない素早い踏み込みから、大剣をコンパクトに使った鋭い突き。
 迎撃するエージェント側はそれに対してジャケットを投げつけて互いの視界を塞ぐようにして応じる。
 アルテミスの突きがジャケットを切裂く頃には――その影で機械頭に灯る金のライトが禍々しい戦闘モードとなったエージェントの姿。
「ハッキング、されないように――!」
「それだけが私の能力ではありませんよ?」
 ユーベルコードの相殺を恐れてライオンとともに接近戦を挑んだルナ目掛け、エージェントがいつの間にか帽子を投擲している。一瞬にして30を越える数に分裂したそれが、ルナだけでなくアルテミスに対しても刃を剥く。
「帽子から仕込み刃!? ――きゃっ、服が!?」
 アルテミスはその投擲帽刃を大剣で受け流すが、ルナは回避しきれなかった刃に服を切り裂かれることとなる。
「触手と同じで、意外とえっちぃ、ですか?」
「ハン、あんな低級生物と一緒にしないでもらいたい」
「喋ってる余裕が、あるのですか!」
 投擲帽刃を弾いた動きから繋げ、アルテミスは大きく振りかぶった大剣でエージェントへと切りかかる。
 鋼のぶつかり合う派手な音。素手で刃を迎え撃ったエージェントの腕が僅かに軋んだ。
「――その通りですが、何か?」
「何をッ!」
 僅かな拮抗の時間をエージェントの操る投擲帽刃が終わらせた。念力操作によってブーメランのように弧を描き、アルテミスの背後から投擲帽刃が襲いかかる。
「くっ――!」
「アルテミスさん!」
 既に戦場を共にすること幾度か。互いの名と顔は一致している。アルテミスを襲う投擲帽刃をライオンとの連携でいくつか叩き落とすルナだが、その数に押されて全てを防ぎきるまではいかない。
「「きゃああああっ!」」
 触手たちの攻撃とはまた異なる、明確すぎる殺意と共に猟兵を襲う刃。エージェントにとって、彼女らの服が無残に破け飛ぶのはダメージを与えた結果に過ぎずない。
 1つとなって帰還した投擲帽刃を頭に据え、エージェントは明らかに嘲る声音で笑い声を上げる。
「これで触手を一掃とは――帰還したら、兵器についてはレポートせねば。しかし、ずいぶんと『大活躍』なされたようですねぇ、イェーガー?」
 裸体を晒す寸前まで切り刻まれた服や鎧を手で押さえながら、アルテミスとルナは余裕を見せるエージェントを睨みつける。
「――よくも……!」
 それでもなお、片手で大剣を構えエージェントへ挑むアルテミス。ルナも騎乗したライオンに体を押し付けるようにして裸体を隠し、戦意を途切らせる様子は見せない。
 一瞬の目配せ。それだけでアルテミスがメイン、ルナが補助の連携を確定させる。
「行くよ、ライオンさん!」
「恥ずかしい目に遭わされた乙女の怒りの一撃をっ! 受けてくださいっ!」
「何っ!?」
 速度で撹乱するルナ、そしてそこへとユーベルコードの効果を受けて威力が増大された一撃を叩き込むアルテミス。
 ここに来て漸く、猟兵側の一撃がエージェントを捉えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】のネウィラさんと

先ほどのいちごスパとの戦闘中の事で少しぎくしゃくしつつ…あの感触は忘れて、集中しましょう、ええ

これが触手使いですか…なんかイメージと違いますね
「なぜ襲ってきたのかは今さら聞きません。でも、何で触手なのかは聞きたい気はします」
少しだけ呆れたような、先程を思い出し恥ずかしいような表情になってます…

「ネウィラさんこそ、気を付けていきましょう」
彼女の魔法攻撃と合わせるように、私も歌声の衝撃波攻撃です
【天使のような悪魔の歌声】です

敵の攻撃に対しては、ネウィラさんをかばうように動きます

チャンスとみれば【異界の抱擁】の触手で敵を拘束して
「今です!」とネウィラさんに攻撃促しますね


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】引き続きいちごさんと

「いちごさん、さっきは本当にごめんなさい」
恥ずかしがりながら何度も頭を下げますが、黒幕が視界に入ると突然真面目に。

1人だというのにあの不敵な態度…きっと自信の表れなのでしょうね。
心して掛からなければ。
「あなたが元締めなのですね」
「あなたに仕事があるのと同じように、私たち猟兵にも仕事があります。お覚悟を」

顔の形から、電気が有効であると推測し、牽制として〈属性攻撃〉ウィザードロッドから雷の魔法を繰り出します。
「いちごさん、気をつけてくださいね」
その後は、無理には行かず、〈見切り〉からの〈カウンター〉で《賢者の影》を放ちます。
質問は…
「あなたの目的は何なのですか?」



●狙いを暴け
 いちごとネウィラが到着した時、鋼の音が高らかに戦場へと響いていた。それは、先の猟兵2名が痛打をエージェントへと叩き込んだ音である。
「もう、始まっていましたか……」
 その音を聞いて、先ほどまで体のそこかしこに残っていたネウィラの柔らかな感触の事を振りはらういちご。
「――いちごさん、さっきは本当にごめんなさい」
 そして、切り替えるための一言として、先のことを詫びて僅かに会釈するネウィラ。
 既に猟兵たちの激戦の跡がある。黒幕であるエージェントは臨戦態勢である。蕩けた雰囲気を反芻するのは、全てを終わらせてからでも遅くはない。
「ふん、また2人か――だが、それでも結果は変わらない!」
 既に戦闘状態にある猟兵たちを片手であしらいながら、エージェントも新たに到着した猟兵であるいちごとネウィラへ意識を向けてくる。
 いちごにとって、その姿はぱらいそ号に触手を放った張本人だと言われてもピンとこない程度にはイメージとずれていたが――
「何故触手なのです?」
 ……一体何の目的で触手を用いたのか。桃色ハプニング、その引き金となったモンスター……思い出す情景にいちごの頬も緩みかけるが、なんとか呆れ顔へと補正。
「答える必要があるとでも?」
「――それもそうですね」
 エージェント側は答えをはぐらかすのみ。そう易々と口を割るはずもないといちごも引きさがる。
「あなたが元締めなのですね?」
「今更そこを偽って意味があるとでも? ――そうだとも」
 会話をしながら隙を見せないエージェントを前に、猟兵たちの攻勢が一度止まる。
「では――あなたに仕事があるのと同じであるように、私たち猟兵にも仕事が仕事があります……お覚悟を」
「お互い様だな、イェーガー!」
 改めて戦いの火蓋を切って落としたのはエージェント。一瞬にして30を越える投擲帽刃がいちごとネウィラへと襲いかかる。
「ネウィラさん――!」
「いちごさん――!」
 それに応じるようにして、ネウィラといちごは広範囲攻撃でもって迎撃に出る。特にいちごが放つのはユーベルコード「天使のような悪魔の歌声」による衝撃破。
「このような歌は不本意ですけれど……」
 スゥ、と大きく息を吸い込んだ直後。
「私の歌声、お聴かせしますね?」
 笑みと共に放たれるそのユーベルコードが1個1個ではなく複数個の投擲帽刃をまとめて叩き落とし、そしてその隙間をぬってネウィラの雷撃がエージェントへと届く。
「多少は――腕があるようだな!」
 都合、戦場に居る猟兵は4人。2名の相手もあり、エージェント側の余裕は少しずつ削られている。先ほどまでのような一方的な展開はない。
「だが……まだ甘い」
 指運ひとつで投擲帽刃の動きを一斉に操るエージェント。攻撃パターンが変更され、撃ち落とされてもなお両手に余る数の帽子が一斉にネウィラへと刃を向け――
「ネウィラさん!」
 そこへといちごが割り込んだ。数発の刃がいちごを直撃し、その服をずたずたに切裂き、ネウィラの悲鳴が戦場にこだまする。
 何よりほくそ笑んだのはエージェントである。防御を主に担当していた猟兵をこれで獲った。あとは、先ほどからちまちまと雷撃を当ててくる猟兵を狩れば……
「なんて、油断でもしましたか?」
 数発の刃がいちごを直撃――即ちその数発分、エージェントの防御に孔が出来る。
「ふんぐるい、ふんぐるい――」
「貴様ッ!」
 いちごの詠唱を耳にしたエージェントが慌てて投擲帽刃を呼び戻し、ハッキングで邪魔を試みる――が、既にいちごは一瞬の利を得ている。
 ネウィラの雷撃……いちごの背後から撃たれたそれによってできた影は、エージェントに近い部分に生じている。投擲帽刃による防御はない。ハッキングを許すほどの隙も与えていない。
 
「今です!」
 いちごの影から飛び出た無数の触手がエージェントの脚を絡め取った。投擲帽刃による切断など意に介さぬ触手の濁流だ。短くもない時間、エージェントの動きが拘束され――
「ええ、任せて下さい!」
 そのこじ開けられた防御と触手の影を伝ってネウィラの影が伸びる――ユーベルコード「賢者の影」だ。
「――あなたの目的は何なのですか?」
「答える必要が、あるとで、もっ!?」
 先のいちごの問いを繰り返すかのようなネウィラをあざ笑おうとして、エージェントはその声を引きつらせた。
 ――真実を語らなかったエージェントの体躯を、伸びた影槍が深々と貫いたのである。
「何、だと――?」
 たかが4人の猟兵、その個々人であれば己が圧倒出来る筈の相手。それに圧倒されつつあることを認められないとでもいうようにエージェントは低い唸りを漏らした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種子島・友国
オジサンはお呼びじゃない?
そうだね、時代遅れだしね
違うかな?

基本的には他の人に前に出てもらい、【援護射撃】でその後背を守ろう
僕は飛んだり跳ねたりは苦手だからね

それ以外は【選択したUC】での射撃メインにするが、
敵から「時代遅れ」とか「古臭い」といった単語が出てきたら
錬成出来る限界数を全力でぶん回して攻撃に転じるね

情報を聞き出すことを最大目標としたいけど、無理と判断したら「手が滑った」ことにして元凶を始末しよう


フロッシュ・フェローチェス
お前に聞くことなんてないね、何一つ。
だから【先制攻撃】で頭部へ一発、銃弾を叩き込んでから【ダッシュ】で距離を取る。
オブリビオンは「死ね」――それだけだ。
存分に【早業】で銃撃を叩き込んでやるよ、触手へ真面に使えなかった分もね。

アイツを焦らす為に【フェイント】を入れたり、【残像】込みで挑発しよう。
先までの【地形の利用】も船内ならそのまま使えるね。
アタシの「神速」を見せつけてやる。
遅い、お前が攻撃する間にアタシは【2回攻撃】出来るんだ。

さあ【選択したUC】で反撃ごと蹴散らし、踏み潰してやる。
――ただ忘れるなよ?
馬よりバイクより特急より……アタシの方が速い。
本命の一撃は槍の如き――加速からの1蹴りだ。



●戦車突撃
「あり得ぬ――たかがイェーガーごときに、この私が遅れを取るなど……!」
「――その程度の速度で? 遅れてるのはお前だ。笑わせるんじゃないよ」
 4人の猟兵から距離をとり立て直しを図るエージェント。だが、そのバックステップを無意味とあざ笑うように1台のチャリオットが戦場へと乱入した。巨大な機械馬2頭に曳かれ、刃という形に殺意を載せたそのチャリオットに騎乗するのはフロッシュ・フェローチェス――今、この戦場において最速を誇る女猟兵。
 バックステップなど知ったことか、という速度で突貫するチャリオットをエージェントは寸でのところで回避。しかし、通りがけの駄賃とでもいうようにフロッシュが撃ち込む弾丸は狙いを誤らない。互いの位置が交差する一瞬で、響く着弾の音は3つ。まさに神速の早業でエージェントの機械頭に弾痕が生成される。
「こりゃあ、オジサンはお呼びじゃないかな?」
 フロッシュのチャリオットに同乗する形で現場へと到着した種子島・友国(ヤドリガミのアーチャー・f08418)も、冗談めかした口調から的確な援護射撃を放ち他の猟兵の支援に入る。
「オッサン、背中は任せたよ!」
「――時代遅れでも、頼られるのはうれしいものだねぇ」
 鋭角ターンするチャリオットから友国を振り落とすのは事前の打ち合わせ通り。降ろす際にフロッシュの掛ける声に、友国は斜に構えながらも謝辞を投げた。

●栄光を唱え去る者
 強力な援軍を得て勢いを増す猟兵たち。先ほどまでの余裕や拮抗はどこへやら、またたく間にエージェントは劣勢に追い込まれていく。
「そんなカビの生えた単発銃で何ができる!」
「……言ったね?」
 そんな中、単発という欠点を持ちながらも高い威力を持つ援護射撃に業を煮やしたエージェントの挑発が友国の逆鱗を撫でた。
「狙いや背後関係を吐かせようと思っていたけど――これは手が滑ってしまう」
 ずるり、と空間に滲み出る火縄銃。その数、10丁。
 構え――撃つ。完成されたその動作が、これまで以上の精度でエージェントを追い詰めにかかる。
 そして、排莢動作の存在しない旧式銃であることは、この瞬間メリットへと変わった。
 スムーズな動作で弾切れになった火縄銃を投げ捨て、次の1丁を手に取る。それを構え、撃つまでの時間は下手な連発銃の発射間隔よりも短い。幾度となく繰り返したが故に、友国の体に染み込んでいる達人の技だ。
 投げ捨てられた火縄銃は地に落ちる前に掻き消え、代わりに装填済みの1丁が新たに生成される――単発、されど高威力。数さえ揃えれば、装填のデメリットなど存在しない。これぞヤドリガミの本領発揮。
「くっ……!」
「おっと、そっちばかりに気を取られてると……死ぬぜ?」
「イェーガーごときが……吠えるなっ!」
「ハンッ……遅い遅い。遅すぎて――そらっ!」
 にわかに密度を増した火縄銃のつるべ撃ちに対処を迫られるエージェントに向け、フロッシュが挑発しながら突撃を敢行。対処を迫られ、反撃としてエージェントが帽刃を投擲――する瞬間にフロッシュの銃撃が放たれる。神速のカウンターに、増殖する暇すら与えられず帽刃が撃墜された。
「なっ――!?」
「オブリビオンは、死ね――アタシからは、それだけだ」
 最後の抵抗も空しく、絶句するエージェント。
 その瞬間、チャリオットをカタパルト代わりに宙を駆けたフロッシュの足底がエージェントの機械頭を槍のように穿つ。
 鋼が強引に捻じ切られる鈍い音。神速で放たれたフロッシュの蹴りがエージェントの機械頭をサッカーボールのように吹き飛ばしたのだ。
「ぎ、ぎぎぎ、銀河、帝国に……栄光、アレェ!」
 断末魔は、これまでの饒舌さが嘘のように途切れ途切れ。
 機械頭が床をバウンドする、カコォン、という間抜けな音。それが戦闘の決着を告げるのであった。

●事の顛末
 猟兵たちの働きもありぱらいそ号の内部に放たれた触手は一掃され、それをここに持ち込んだエージェントも倒された。かのエージェントが何を目的としていたか――それは結局聞き出せなかったが、少なくとも害意を元にこの事件が引き起こされたことは疑う余地がないだろう。
 戦闘の余波で崩れた部分については、この船のスタッフたちが一丸となって修理を開始している。多少、しつこく粘つく汚れもあるが……そう遠くないうちに、ぱらいそ号はリゾートシップとしての活動を再開できる見通しだ。
 その結果に満足しつつ、猟兵たちは転移ゲートをくぐりグリモアベースへと帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト