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六花の魔法

#アルダワ魔法学園


 アルダワ魔法学園世界、とある迷宮前広場にて。
「よーし、それじゃあ始めるぞー!」
 学生の一人がそう声を上げ、傍らに置かれた蒸気機械の装置に向けて詠唱を開始する。
 すると、機械から真っ白な雪が勢いよく噴き出し、放物線を描いて空へと舞い上がった。
「わあっ、冷たい……!」
 降る雪を浴びた生徒が、ふるりと頭を震わせる。
「うん、見た目は本物の雪にそっくりだ。どうやら上手くいったみたいだね」
「雪だるまとかかまくらとか、作れればいいんだけど」
「俺、雪合戦やりたい! 早くいっぱいに積もらないかなあー、楽しみだぜ!」
 生徒たちはきらきらと目を輝かせながら、広場の地面を白く染め上げてゆく雪を見つめ、『その時』を楽しみに待つ。

 ――しかし、そんな彼らに迷宮から現れたオブリビオンが襲い掛かるのは、そう遠くはない未来の話。

●六花の魔法
「雪遊びしたい人、手伝ってー!」
 グリモアベース内のとある場所、キトリ・フローエ(星導・f02354)は自らの蒸気機関式拡声器を使い、猟兵たちへと呼びかける。
「あのね、アルダワ魔法学園の迷宮に行って、オブリビオンを倒してきてほしいのだけど、お願いできるかしら?」
 集まってくれた猟兵たちへ、キトリは開口一番そう告げる。
 迷宮のオブリビオン――災魔退治と言えば、猟兵たちにとっては日常茶飯事と言っても過言ではないだろう。だが、それと雪遊びと何の関係が? と首を傾げる者もいたかもしれない。
 そうよね、と一つ頷いて、キトリは続ける。
「学生の皆がね、魔法で雪を降らせる降雪マシーンを作ったんですって。で、それを使って実験をしようとした所を、迷宮から出てきたオブリビオンたちに襲われてしまうの」
 学生たちが実験の舞台に選んだのは、迷宮前にある広場。そこに降雪マシーンで雪を降らせる――までは良かったのだが、運悪く、上層へと攻め上がってきた災魔たちが現れ、襲い掛かることが予知されたのだという。
 このままでは、非戦闘員も数多くいる学園施設に侵攻される事態も免れない。
 それを防ぐために、災魔の侵攻阻止及び撃破をお願いしたいのだとキトリは言った。

 迷宮では、まず配下のオブリビオンである、術士の亡霊たちとの戦闘になる。群れをなして襲い掛かってくるが、個の戦闘力はさほどではないとキトリは言う。
「配下たちを倒したら、その次はいよいよボスのお出ましよ」
 ボスのオブリビオンは、禍々しい怨霊を纏う魔導士だ。強敵だが、皆で力を合わせれば決して負けるような相手ではないと告げてから、キトリは大丈夫よ、と笑ってみせた。
「それでね、無事に災魔の侵攻を食い止められたら、『実験』のお手伝いも出来たらしてほしいんですって」
 完成したばかりの降雪マシーンを使い、たくさんの雪を降らせて遊ぶことで、魔法でつくられた雪が天然物の雪と同じかどうかを確認したいのだそうだ。
「あっ、雪遊びって言っちゃったけど、れっきとした実験協力だから! アルダワの未来のために、一仕事お願いね!」
 キトリはそう言って説明を終えると、アルダワ魔法学園への門を開くべく、グリモアを起動させるのだった。


小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 第六猟兵の世界でも、どうぞよろしくお願い致します。

●シナリオの流れについて
 第一章、及び第二章では、オブリビオンとの戦闘になります。
 戦いの舞台となるのは、戦いに支障のない広さを持つ、迷宮の入り口からさほど遠くないフロアです。
 集団戦を制すると、すぐにボスが現れます。
 無事に戦闘を終えられた場合、第三章の日常パートにて雪遊びが出来ます。

 ご一緒される方がいらっしゃる場合は【お相手の名前(ニックネーム可)とID】もしくは【グループ名】をご記載下さい。
 また、第三章ではお声がけ頂いた場合のみ、キトリもご一緒させて頂きます。

 以上となります、ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『精霊をアイした術士の亡霊』

POW   :    『鈴生る月光の姿』で踊れや踊れ
【精霊の光球 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    『躍るエンブ』を我の前に示せ
【吹き荒れる精霊の焔嵐 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    『アナタのシセン』は我と共にある
【『精霊』が視線を 】を向けた対象に、【風鼬乱舞の塊(ウィンド・エッジ)】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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籠目・祷夜
雪景色か
知識としては知っているが、うむ、見たことは…ない
実験に付き合うためにも、俺の初雪見学会のためにも、ここはさっさと倒してしまおうか
いや不純な動機ではない。けっして

前衛で戦う
剣刃一閃で一番弱っているものを狙って攻撃していく
次点で手近なものを
基本的には弱ったいるものを優先して倒していく
数を減らすのが最優先だ
守りは、武器受けでガードする

アドリブ、共闘歓迎


夏目・晴夜
事が上手くいけばきっと世界に褒め称えてもらえる
そのあと実験協力をすれば更に追加で褒めてもらえて、
しかも雪遊びができる
ちょっと良い事尽くめにも程がありますね……
このハレルヤの日頃の行いの良さの賜物でしょうか

まあ、お楽しみの為にも戦闘は全力で挑みますよ
【憑く夜身】で群れ成す亡霊どもの影を一斉に操り、
その動きを一時的に封じて皆様方の攻撃の機を作ります
どうぞ遠慮せず、ご自身の影と仲良く楽しくお遊び下さい

敵の攻撃で回避できそうにないものは
不可視の糸を近くの適当な亡霊の影ではなく本体へと伸ばし、
勢いよく引き寄せて盾にします(技能【敵を盾にする】)
私を守って下さった貴方のことは忘れませんよ、雪遊びするまでは



「……雪景色か」
 この迷宮に足を踏み入れる前に通ってきた広場が、戦いが終わった後には真っ白に染まるのだという。
 一面の銀世界――それを籠目・祷夜は知識として知ってはいるが、まだ実際に自分の目で見たことはない。
 学生たちが作り上げた降雪マシーン。それを用いて行われる、とある『実験』に付き合うためにも、そして何より、祷夜自身の初雪見学会のためにも、猟兵として迫り来る脅威を排除する――ただ、それだけの話だ。
(「いや、不順な動機ではない。決して」)
 そう、雪を見るために敵を倒すのだって、戦う理由としては十分なもの。
 何よりこの戦いには、学園の平穏が掛かっているのだ。猟兵として、負ける訳にはいかない。

 戦いの舞台へ辿り着いた猟兵たちが捉えたのは、揺らめき漂ういくつもの影。
 精霊を従えた亡者の霊の群れが地上へ出るための道を拓こうと、行く手を塞ぐ猟兵たちに襲い掛かってくる。

「さて、ここはさっさと倒してしまおうか」
 手近な一体に狙いを定め、祷夜は刀を手に素早く踏み込んだ。
 刀による一閃、返す手の動きでもう一撃。赤を宿す一刀が瞬く間に亡霊の一体を斬り伏せ、けれど祷夜はそれに目をくれることなく次の一体へ向き直る。
 その時、背後から祷夜へ襲い掛かろうとした一体の動きが強張った。
「――っ、」
 僅かな隙を逃すことなく、祷夜は刀を振るう。
「少しだけ危なかったですね」
「ああ、助かった」
 瞬く間に消え失せた亡者の影を縫い止めたのは、夏目・晴夜の指先から伸びた不可視の操り糸。頷き応じてすぐさま次の敵へと向かっていく祷夜を、そして同じ戦場で戦う猟兵たちを援護すべく、晴夜は操り糸で亡者たちの影を操り、次々にその動きを封じてゆく。
 事が上手くいけば、きっと世界に褒め称えてもらえる。
 学生たちの実験に協力すれば更に追加で褒めてもらえて、しかも雪遊びができる。
「ちょっと良い事尽くめにも程がありますね……このハレルヤの日頃の行いの良さの賜物でしょうか」
 ふふん、と晴夜は心なしか得意げに。そしてその『お楽しみ』のためにも、戦闘は全力で。
「どうぞ遠慮せず、ご自身の影と仲良く楽しくお遊び下さい」
 その時不意に感じた視線は、亡者の一体が従える精霊のもの。それに気づいた晴夜は、直後に舞い上がった風鼬の塊が自身を襲うより先に『糸』を伸ばした。
 憑く夜身の糸が捉えたのは、近くにいた亡者の影ではなくその本体。勢いよく引き寄せられた亡者はそのまま盾となり、風鼬の乱舞を浴びて消え失せる。
「――私を守って下さった貴方のことは忘れませんよ、雪遊びするまでは」
 特に感慨もなくそう告げて、晴夜は未だ残る亡者の群れへ視線を移した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
雪遊び…。じゃなかった。実験の為に、生徒さん達の為に
全力で頑張るっ!

亡霊だけど、精霊使いか…
わたしも、精霊術士としては負けていられないねっ!

でも、大型魔法には時間がかかるから
ここは、時間稼ぎを込めて…

光刃剣の『エレメンティア』と『六源和導』を両手に構えて、二刀流
敵陣に向かって、【空中戦】を取り入れて、三次元機動を行いつつ
【二回攻撃】と【薙ぎ払い】で、纏めて攻撃を行っていくね

ヒット&アウェイで深入りせずに攻撃を仕掛けて行き
敵を半径20m以内に収める形で位置取りをするね

敵のほとんどが半径に入ったら
【高速詠唱】と【全力魔法】の
ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストで
一気に撃ち抜きますっ!


アトシュ・スカーレット
【SPD】

【心情】
さーて、一仕事始めますか!

【戦闘】

【トリニティ・エンハンス】は【炎の魔力】を選択
二丁の銃に炎の魔力を付与し、【属性攻撃】が出来るようにしておく

初手に【クイックドロウ】で攻撃して、自分たちに意識を向けさせる
その後は【誘導弾】で学生たちが逃げる【時間稼ぎ】を行う

避難が完了すれば、【2回攻撃】で手数を稼ぎながら、味方がつけていった【傷を抉る】ように射撃を続ける

「君らの相手はこっちだよ!」
「早くここから離れて!」



「さーて、一仕事始めますか!」
 アトシュ・スカーレットは炎の魔力を付与した二丁の銃を構え、素早く引き金を引いた。
 迷宮前の広場にいた生徒たちには、先んじて避難するよう伝えてある。そして今、この迷宮内には、地上に出ようと地下から這い上がってき亡者の群れちと猟兵たちしかいない状態だ。
 戦いにのみ集中できるこの状況は、却ってアトシュの力を存分に発揮させることとなる。
「君らの相手はこっちだよ!」
 目にも留まらぬ速さで放たれた弾丸に貫かれ瞬く間に消滅した亡霊は、自らが攻撃されていることにも気づかなかっただろう。アトシュはそのまま誘導弾を放ち、亡者たちにとっての敵が『ここ』にいるのだと知らしめる。
「すごーい……! わたしも頑張らなくっちゃ!」
 己を標的と定めた集団に向けて、次から次へ絶えず射撃を続けるアトシュに感嘆の声を零しながら、シル・ウィンディアはエレメンティアと六源和導――それぞれに名を冠した二振りの光の剣を構え飛び出した。
「雪遊び……じゃなかった。実験の為に、生徒さん達の為にわたしも全力で頑張るっ!」
 目の前の敵は、亡霊と言えど精霊使い。同じく精霊と心を通わせる者――精霊術士として負けてはいられないと、シルは空を飛ぶように翔けて敵陣の只中へ躍り出る。
「いくよーっ!」
 一度、二度と振るわれた光刃が敵群を一気に薙ぎ払う。
 前後、そして上下左右と、さながら空中戦の如く自由自在に空間を駆け回りながら、けれど止めを刺すことなく攻撃を繰り出すシル。
 吹き抜ける風の如き少女の動きに翻弄された亡霊たちが、次第に一箇所に――半径二十メートルの『領域』内に集められていることを察した時には、全てが終わっていた。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ――」
 淀みない詠唱の声に応えるように、術式が展開されてゆく。
 そうしてシルが降り立ったのは、円を塗り潰すように集められた敵群の中心部。そのまま、シルはすっと大きく息を吸い込み、編み上げた術式を完成させた。
「――六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 解き放たれたのは、地水火風、そして光と闇の属性を一つにした強力な魔力砲。
 集められた亡霊たちは膨大な魔力の奔流に呑まれ、瞬時にして消滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レクシー・ジー
アルダワの未来の為となれば全力を尽くすほかないものね
……雪遊びだってしてみたい

猟兵仲間とは出来るだけ連携を取れるように努めるの
知り合いはひとりもいないけれど、目的は同じだもの

学習力を発揮して敵の視線や所作を観察し、使う術や標的の選定を推測し見極める
そしてミレナリオ・リフレクションで妨害してあげるの
精霊の協力を得られるのは、あなた達だけじゃないのよ

隙が見えれば精霊銃で連続攻撃を狙うの
身も心も凍る弾丸のお味は如何?
最期は炎の精宿るランプを掲げてエレメンタル・ファンタジアを使用
温かな腕に抱かれて、おやすみなさい


*アドリブ、絡み歓迎


英・明夜
迷宮の外で雪を降らせるなら、色んなものを持って来て楽しめそうだよね!
えへへ、明夜は何をしようかな。

あのね、亡霊たちが姿を現したら、まずはユーベルコードで、白ネズミ様をお呼びするね。かしこみかしこみ!
背に乗って駆けて、亡霊たちを薙刀でバッタバッタなぎ払い、出来ると良いな。

ただ、敵の反撃は、明夜だけじゃなくて周囲の皆も巻き込んじゃうみたいだから。
なるべく皆を巻き込まないような位置に誘き寄せたり(薙刀を目の前に突き付けたり、小石をぶつけて挑発してみる)。
逆に、敵の攻撃範囲内に居るっぽい猟兵たち皆で、「せーの!」で一斉に攻撃したりするね。反撃が一度で済まないかな?



「アルダワの未来の為となれば全力を尽くすほかないものね」
 レクシー・ジーはぽつりと呟き落とし、無表情ながらもほんの少しだけ目元を和らげるように動かして、この戦いの先にある光景を想う。
(「……それに、雪遊びだってしてみたい」)
 レクシーの胸中に小さく灯った願いの光。まるでそれを見つけたかのように金の瞳を輝かせながら、英・明夜はうんっ、と無邪気に頷いてみせる。
「迷宮の外で雪を降らせるなら、色んなものを持って来て楽しめそうだよね! 明夜は何をしようかな?」
 えへへ、と楽しげに笑み零し、けれど今は目の前の敵を倒すべく、明夜は天に向かって唱えた。
「神の御使いたる白ネズミ様、おいで下さいませ! かしこみかしこみ!」
 明夜の朗らかな声に応えてどこからともなく現れたのは、少女よりもはるかに大きなハツカネズミだ。明夜はよいしょ、とその背に乗って、薙刀を手に敵の元へと走り出す。
 一人と一匹、二つの力を一つに合わせて立ち回る明夜と神鼠。
 明夜がバッタバッタと亡霊を薙ぎ払えば、一瞬の隙を突くようにハツカネズミが鋭い前歯で齧りつく。
 レクシーは少女と戦う亡霊たちの様子を静かに観察し、そして明夜へと放たれた吹き荒れる精霊の焔嵐を捉えた。
「……視えた」
 すぐさまレクシーは己の攻撃が届く範囲内へと踏み込み、まるで鏡に映したかのように瓜二つの精霊を喚び出すと、その焔嵐で亡霊の攻撃を相殺する。
 自らの精霊を映された亡者が狂ったように叫ぶ。レクシーはその姿を表情一つ変えずに見つめながら静かに告げた。
「精霊の協力を得られるのは、あなた達だけじゃないのよ」
「レクシー、ありがと! 残りもやっつけちゃおう!」
 満面の笑みと共に礼を告げた明夜は素早く身を翻し、自身に攻撃を仕掛けてきた亡霊ごと群れを薙ぎ払って。
 レクシーも隙を逃さず、明夜が薙刀を振るうのに合わせて、古くも美しい造形の回転式拳銃を模す精霊銃の引き金を引く。
「身も心も凍る弾丸のお味は如何?」
 放たれるは凍てつく嘆き。遠い夜明けを呼び醒ますように、亡霊たちが次々に在るべき場所へと還っていく。
 二人を取り巻く亡霊の数は次第に減ってきていたが、それでもまだ群れと呼べるもので。
 それならとばかりに一つ二つと狐火の炎を踊らせる明夜を見て、レクシーも炎の精宿るランプをそっと掲げた。
 視線を交わし、頷き合う。反撃を試みようと動く亡霊たちへ、二人は編み上げたユーベルコードを同時に放つ。
「せーのっ!」
 明確な意思を持って襲い掛かる狐火の群れを追うように、ランプから躍り出たたおやかな蜜色の灯が奔流となって駆け巡った。
 白の色彩の中で唯一つ、鮮やかな紅で彩られた唇に、レクシーは葬送の言の葉を乗せる。
「――温かな腕に抱かれて、おやすみなさい」
 後には何も残さずに、亡者たちは炎の中に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

橙樹・千織
【TRUMP】の皆さんと

ふふふ、雪遊びなんて何年ぶりでしょうねぇ
と、遊ぶ前に一仕事ですか。随分と手癖の悪い精霊のようですねぇ

櫻宵さんと連携を取りつつ、前衛で刃を振るいます
えぇ、もちろん。愛らしいお二人に怪我をさせるわけにはいきませんからね

敵の足下を【なぎ払い】、【傷口をえぐる】【マヒ攻撃】で後に繋げましょう

2種の刃を振るう我が剣舞、ご覧に入れよう
トドメは『剣舞・櫻雨』

敵からの攻撃は【野生の勘】や【残像】【見切り】等で回避を試みます
転んでもただでは起きないのが私達、猟兵
もし回避できずとも【カウンター】攻撃など次の行動に繋げます

ふふ、愛には色々ありますからねぇ
これから沢山知っていければいいですねぇ


フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【TRUMP】

探検だー!
櫻宵、リルくん、千織ちゃん!行くよ!
櫻宵と手を繋ぎるんるんな足取りで迷宮へ
雪作りしたい!

おばけー!(櫻宵の後ろへ
櫻宵、陰陽師だからやっつけられる?

ボクは空中戦や見切りを使って攻撃を躱し後ろから聖属性を込めた全力魔法で攻撃する!2回攻撃、マヒをのせて支援する
リルくんの歌に聴き惚れてられないね
『黄金色の昼下がり』動きを止める

今だよ!櫻宵、千織ちゃん!
君のアイ(クビ)を塗り(はね)たげる!
2人の剣舞はそれは綺麗でうっとり

アイ
愛って何だろう?
ボクのパパはママをすごーく愛してたそうだけどボクは知らないもん
櫻宵…ボクも櫻宵大好きぎゅ!

だから描きたいと思うんだ
アイを

*アドリブ歓迎


リル・ルリ
【TRUMP】の皆と一緒
*アドリブ等歓迎です

「ふふ、今日は櫻宵と千織、フレズと探検。雪でまた遊べるんだ。楽しみだね」
賑やかなのは楽しいな
ふわりゆらり
迷宮を游ぎ進む
雪は先日初めて知ったもの

「おや亡霊かい?
ふふ、櫻宵、なら思いっきりぶった斬ればいいと思うよ?」
千織と櫻宵が前衛なら僕はフレズと後衛だ
ちび兎さんの子守りはお任せあれ
フレズの事も櫻宵の分まで守るから

【歌唱】を活かした【サウンドオブパワー】で2人の攻撃の支援をするよ
攻撃は【野生の勘】【空中戦】で躱せるようにする
2つの剣舞の為に歌おう
――嗚呼、なんて綺麗なんだろう

「亡霊よ
よくお聴き
これが君の鎮魂歌だよ」

……
(櫻宵とフレズの様子に頬を膨らませる


誘名・櫻宵
🌸【TRUMP】
アドリブ歓迎

フレズったらはしゃいじゃって
転ばないように手を繋ぎましょ
皆で雪遊び楽しそうね
リルと千織と笑顔で話しながら迷宮を行く

あたしは陰陽師だけど術より斬って壊す方が得意なの
可愛いこの子達が傷つけられる前に斬り捨てるわ

行くわよ千織!
リルの歌があたし達を支えてくれてる
第六感を駆使して攻撃を感じ取り、残像や見切りで躱し
破魔と衝撃波を纏わせた刀でなぎ払い
何度も傷を抉り斬り付ける
フレズが動きを止めてくれたなら
一気に距離をつめ絶華でトドメ
さぁ千織
一緒に剣舞といきましょう

亡霊なんかになってないで
潔く散りなさい!

愛ね
あたしはフレズの事大好きよ
これが愛。ダメかしら?

あらリル…頬が膨れてるわよ



「櫻宵、リルくん、千織ちゃん! 行くよ!」
 響くは蜜菓子のような甘さを帯びた朗らかな声。フレズローゼ・クォレクロニカは誘名・櫻宵の手を引きながら、リル・ルリと橙樹・千織を振り返る。
「まあ、フレズったらはしゃいじゃって。皆で雪遊びも楽しそうね」
 櫻宵がねえ、とにっこり笑い、リルも楽しげに肩を揺らす。
「雪でまた遊べるんだ。ふふ、楽しみだね」
 リルにとっての雪はつい先日、初めてその手で触れたものだ。ゆえにまた触れられることも、何より皆と遊べることも楽しみで、空を游ぐリルの尾鰭もふわりゆらりと楽しげに踊る。
「雪遊びなんて何年ぶりでしょうねぇ」
 千織もまた吐息に笑みを交えていたが、不意にその瞳に凛とした光が灯る。
 すると、空間がぐらりと歪み――四人の行く手に、精霊と亡者の群れが姿を現した。
「っ、おばけー!」
 フレズローゼはすぐに櫻宵の後ろへ。自然と庇うように一歩前に出て、櫻宵は隙なく刀を抜いた。
「おや、亡霊かい? ……ふふ、櫻宵、なら思いっきりぶった斬ればいいと思うよ?」
 リルは亡霊たちに臆することなく笑みを浮かべて櫻宵へと。
「櫻宵、陰陽師だからやっつけられる?」
 微かに怯えた様子のフレズローゼに、櫻宵は勿論と頷いてみせる。
「あたしは確かに陰陽師だけどね、フレズ。術よりも、斬って壊す方が得意なの。だから、」
 ――可愛いあなた達が傷つけられる前に斬り捨ててみせるわ。
 言の葉を唇に乗せ、櫻宵は同じくくろがねの刀を抜いた千織へ振り向いた。
「行くわよ千織!」
「えぇ、もちろん。愛らしいお二人に怪我をさせるわけにはいきませんからね」
 頷き交わし、同時に飛び出した櫻宵と千織は軽やかな身のこなしで斬り込んでいく。
 千織の一振りは亡霊たちの足元をなぎ払って動きを封じ、櫻宵は破魔の力を乗せた衝撃波で諸共吹き飛ばす。
「随分と手癖の悪い精霊のようですねぇ」
 向けられた精霊の視線と同時に吹き荒れた風を見切って躱し、千織は亡者ごと精霊を斬り捨てた。
 しなやかに、けれど確かな強さを持って。鮮やかに亡霊たちを斬り伏せてゆく姿は舞を見ているよう。
(「――嗚呼、なんて綺麗なんだろう」)
 そんな二人の剣舞に力を添えるのは、黄金の旋律に乗せてリルが響かせる、玲瓏たる銀細工のような澄んだ歌声だ。
(「亡霊よ、よくお聴き。これが君達の鎮魂歌だよ」)
 リルの傍らには二人の美しい剣舞に魅入るフレズローゼ。ちび兎さんの子守りはお任せあれと口にこそしないものの、櫻宵が前で戦っている間は、彼の分までフレズローゼを守ってみせると心に誓って。
 リルの歌に知らず聴き惚れていたフレズローゼはぱちりと苺月の瞳を瞬かせて我に返ると、負けていられないとばかりに永遠のお茶会を描いたキャンバスを取り出した。
「――君のアイ(クビ)を塗り(はね)たげる!!」
 キャンバスから放たれたのは、きらきら光る蝙蝠と紅茶と砂糖の乱舞の嵐。綺羅星のように空間に散りばめられたそれらは聖なる光を帯びて亡霊たちを捉え、その時間を奪い、『現在』に磔にする。
「今だよ! 櫻宵、千織ちゃん!」
 フレズローゼの絵に魅入られ次々に動きを止める亡者たちへ、櫻宵と千織は切っ先を向けた。
 ――はらりと舞うは、櫻花と面影。共に散らさん、汝が魂。
「我が剣舞、ご覧に入れましょう」
 振るうふたつの刃を無数の八重桜と山吹の花弁に変えて、千織は自らを取り巻く亡者たちを一斉に攻撃する。
「亡霊なんかになってないで、桜のように潔く散りなさい!」
 櫻宵が放つは、空間ごと断ち斬る不可視の剣戟による超高速かつ大威力の一撃。群れる亡者たちの間を駆け抜けた次の瞬間には、全てが終わっていた。

 四人が、そして共に迷宮に挑んだ同胞たちが相見えたのは、精霊を愛してアイした術士の亡霊。躯の海に囚われながら、同じ魂を引き摺り込んで次々に生まれた、誰かの成れの果てのオブリビオンだ。
「――アイ、愛って何だろう?」
 誰にともなく、フレズローゼはぽつりと落とす。
 父は母をとてもとても愛していたというけれど、フレズローゼはそれを知らない。
「……愛、ね」
 ほんの少しだけ考えて、けれど最初から答えは決まっていたとばかりに櫻宵はフレズローゼに優しく告げる。
「あたしはフレズの事が大好きよ。これが愛。ダメかしら?」
「櫻宵……ボクも櫻宵が大好き!」
 己に注がれる想いに、愛に、フレズローゼは笑み綻ばせながら櫻宵にぎゅっと抱きついた。
「……」
 そんな二人を見つめるリルは、知らず頬を膨らませていて。
「あらリル……頬が膨れてるわよ」
「……っ、な、何でもないよっ」
 櫻宵が気づいて柔らかく目を細めるのに、リルはぷいとそっぽを向く。
「ふふ、愛には色々ありますからねぇ。これから沢山、知っていければいいですねぇ」
 愛を知りたいと願う少女に、千織はたおやかに微笑んだ。

 儚くも幼き少女は未だ、本当の愛を知らない。
 けれど、自身に向けられるたくさんの想いがとても優しくてあたたかいものであることを、知っている。
 そして、それもまた愛であると少女は知った。
(「だから描きたいと思うんだ、――アイを」)
 この世界に満ちる、数え切れないほどの。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『怨霊魔導士』

POW   :    死霊兵団
【骸の海に揺蕩う罪人達】の霊を召喚する。これは【血に濡れた近接武器】や【血に汚れた遠距離武器】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    死霊の嘆き
レベル×1個の【呻き声をあげる人魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    死霊の誘い
【昏い視線】を向けた対象に、【忌まわしい幻影と心を抉る言葉】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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 かくして亡霊の群れを撃破した猟兵たちは、その奥に更に悍ましい気配が渦巻いているのを感じ取った。
 迷宮の奥深く、否、そのさらに奥の果てにある混沌、躯の海より現れしもの。
 憎悪、怨み、あるいは嘆き――あらゆる負の感情を取り込んで形を為したオブリビオンが姿を見せる。

 ここから先へ、命の輝き溢れる光の下へ、行かせる訳にはいかない。
 猟兵たちは己が武器と信念を胸に、戦いの舞台へ駆け上がる。
シル・ウィンディア
魔導士の怨霊か…
こんなのを、地上にあげるわけにはいかないよねっ!

ここで仕留めてあげるっ!

光刃剣は二刀流で持って、【空中戦】や【フェイント】を利用して
撹乱しつつ、攻撃を行うよ
魔法使いには、接近して詠唱の隙を与えないように…

でも、詠唱無しでも使える魔法があるみたいだから
それは、回避を試みるけど、間に合わなかったら【オーラ防御】で
軽減をはかるね。

しかし、何でこんなに死霊ばかり…
元は、死霊使いさんだったのかな?
嘆きが来たら、こっちも詠唱開始して
エレメンタル・ファランクスで攻撃を行いますっ!

撃ち落としつつ、相手に攻撃できれば理想だね
使用時は【高速詠唱】と【全力魔法】は忘れずに使うよ


アトシュ・スカーレット
【POW】
うわ、さらに亡霊出してくるの!?
これは大変だ…!!

【戦闘】

銃を剣と刀形態に変形させ、【フェイント】を織り交ぜながら、【2回攻撃】で攻撃していく
後半からはその【傷口をえぐる】ように攻撃する

回避は【絶望の福音】で先読みしながら、【残像】が見える速度で行う
回避が間に合わなければ、【オーラ防御】を試みる



「うわ、さらに亡霊出してくるの!? これは大変だ……!!」
 現れた躯の魔道士に、アトシュ・スカーレットは思わず声を上げる。
「魔導士の怨霊か……こんなのを、地上にあげるわけにはいかないよねっ!」
 そう言った直後、シル・ウィンディアは光刃宿す二振りの剣を手に、怨霊抱く魔導士へ躍り掛かった。
「ここで仕留めてあげるっ!」
 一気に距離を詰め、二つの刃でフェイントを絡めた攻撃を繰り出すシル。
 接近すれば詠唱を妨害できるだろうという目論見だったが、魔道士はシルへ昏い視線を向け、その姿を確りと捉えた。
「――っ、負けないっ!」
 シルを襲う、忌まわしい幻影と心を抉る言葉の数々。シルは咄嗟に全身をオーラで覆い威力の軽減を図るものの、シルの体に、否、心に視えない傷が刻まれる。
「シル、大丈夫!?」
「うん、平気っ!」
 それでもシルが確りと答えを返したことに安堵しつつ、アトシュは改めて魔道士へと向き直り、攻撃へと移った。
 先の戦いでは銃としてその力を存分に発揮していた得物は、いつの間にか剣と刀に姿を変えていて。
 馴染む感触を確りと握り締め、アトシュは一気に畳み掛けてゆく。シル同様にフェイントを織り交ぜ、二本の剣と刀で傷口を抉るように交互に攻撃を重ねて。
「グアアッ……!」
 魔道士が呻きながらも大きく手を振りかぶり、幾つもの呻き声をあげる人魂の炎を踊らせた。それを見たシルはすぐに息を吸い込むと、素早く呪文を紡ぎ上げる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ――」
 掲げた手の中に集う地水火風の四つの力。ありったけの力を込めて、シルは収束させた魔力を解き放った。
「我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 魔道士が人魂の炎を放つ。それはシルに、アトシュに、そして同じ空間で戦う猟兵たちに襲い掛かったが、同時にシルの手中に集められた魔力が無数の砲撃となって放たれ、人魂を次々に撃ち落としていく。
「そう簡単には当たらないねっ!」
 そして、アトシュはその炎が向かう先を予め見たかのように自らへ向けられた炎を回避した。
「でも、何でこんなに死霊ばかり……元は、死霊使いさんだったのかな?」
 シルの呟きに答える声はなく、魔道士は怒りにも似た咆哮を上げながら、猟兵たちに仇なす怨霊を喚び出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夏目・晴夜
このハレルヤが褒められるための糧となって頂きましょうか

【妖剣解放/SPD】での高速移動と衝撃波を活かし、
敵が放つ人魂の炎は回避したり打ち消したり等
極力喰らわない様にしたいところです

喰らって多少燃えようとも、怯まずに突き進んで切り裂き貫きます
ただでさえ貴重な寿命をわざわざ犠牲にしているんです
怯んでいる僅かな時間すらも勿体無いですからね

敵を刺し貫けた際には、全力の【傷口をえぐる】で追い打ちをかけます
呻き声をあげる人魂だなんて随分と趣味が良いんですね
おかげ様で、今この上なく胸糞悪い気分ですよ
次はあなたの呻き声なんかも聞いてみたいです



「さて、このハレルヤが褒められるための糧となって頂きましょうか」
 夏目・晴夜は胸を張ってそう言い放つと、妖刀の怨念を纏って一気に攻め入った。
 すぐさま魔導士が呻く人魂の炎を放って反撃に打って出る。それを時に勘を頼りに躱し、あるいは斬撃による衝撃波で打ち消しながら、晴夜は魔導士との距離を一息に詰めてゆく。
 掠めた炎が体を燃やそうと決して怯むことがないのは、ただでさえ貴重な寿命を犠牲にしているから。
 今の晴夜にとっては、怯んでいる僅かな時間すら惜しいのだ。
「呻き声をあげる人魂だなんて随分と趣味が良いんですね。おかげ様で、今この上なく胸糞悪い気分ですよ」
 声の調子こそ変わらぬものの、そこに籠められたのは紛れもない殺気。
 紫の瞳に魔導士唯一人を映し、あらん限りの力を込めて、晴夜は魔導士の腹を鞘のない刀で刺し貫いた。
 そのままぐるりと手首を回し、深く穿った傷口を更に深く、――深く捩じ込むように抉って。
「――次はあなたの呻き声なんかも聞いてみたいです」
「グアアッ……!!」
 そうして、籠めた力をそのままに一気に刀を引き抜けば、躯も同然の魔導士の口から、苦悶の声が溢れ出た。

大成功 🔵​🔵​🔵​

海月・びいどろ
【絵空】
こうしていっしょに戦うの、
なんだかとっても心強いや
ボクらが夢のキャストなら、
上手く踊って見せなくちゃ
この後に見る雪の魔法のためにも

たくさん喚び出した海月型の機械兵たちで敵を囲んだり
ふわふわ、ゆらゆらとフェイントを仕掛けながら
気を逸らしてサポートしつつ、時間稼ぎを行うよ

ロードの高火力は攻撃のかなめ、ってやつだね
しっかり狙いが定まるように捕まえておかなきゃ
エールのマヒ攻撃と合わせてなら頼もしいな
ボク自身も迷彩を纏って、敵の死角を取れるように

…だいじょうぶ、こわくないからね

昏い視線を振り切って
キミに抉られるようなこころは
残念ながら、持ち合わせていないの


エール・ホーン
【絵空】
自分たちで雪を降らせるなんてとても素敵な夢だ
今日のボクらは彼らの夢のキャストさ
彼らの夢を守るために
君には、この舞台から降りてもらうからね!

出口を塞ぐように連携し戦う

感じる憎悪はちょっとだけ怖いと思ったりもするけれど
今日は友達が一緒だからヘーキ
ボクだけカッコ悪いところなんて、みせられないからね

はじめは盾で攻撃をはじいて少しでもマヒ効果を与えたり
ロード君の攻撃があたりやすいように
君の相手はボクだよ!と煽りつつフェイントを使って
う~んと力を蓄えておく
びいどろ君の海月さんたち、すごい!
彼のサポートを上手く利用して
カウンターを狙えたなら
【一角獣座流星群】を敵に向かって放つよ


ロード・ブラッドリー
【絵空】
おっ、すげーじゃん!
降雪機作るなんてさ
オレも一緒に遊ばせてもらいたいぜ

んで、この敵さんが
白雪を血で染めようってか?
オレは、エールとびいどろみたく華やかなキャストとはいかねえが
掃除くらいは出来るんだぜ
夢を彩るにゃ舞台が必要、裏方が片付けないとなあ?

エールの盾を頼りにさせてもらいながら
攻撃は空を舞うように躱す
びいどろへの攻撃を庇えるようなら
体力と相談してなるべく庇う

大丈夫だぜ二人とも
心細いなら守るからな
敵に視線を向けて、思わず笑みを浮かべる
こんな血が滾る戦い、味わわなきゃ勿体ねえ!

絶好の機会を見定めて
外さぬよう「ドラゴニック・エンド」を打っ放す
……いくぜ、ドラゴン!力を貸してくれ



「自分たちで雪を降らせるなんて、とても素敵な夢だ」
 エール・ホーンは煌めく瞳に未だ見ぬ広場の雪景色を映し、そして、自分たちで雪を降らせる『夢』を叶えた学生たちを想う。
「ああ、すげーじゃん! 降雪機作るなんてさ。オレも一緒に遊ばせてもらいたいぜ。……んで、」
 ロード・ブラッドリーはニッと笑い、それから、その先にいる魔導士を見やる。
「この敵さんが、白雪を血で染めようってか?」
 ロードが魔導士へと向けた瞳は、獲物を見つめる竜のそれ。ああ、と鷹揚に頷きながらエールも確りと敵の姿を捉え、高らかに宣言した。
「今日のボクらは彼らの夢のキャストさ。彼らの夢を守るために、君にはこの舞台から降りてもらうからね!」
「――ボクらが夢のキャストなら、、上手く踊って見せなくちゃ」
 この後に見る雪の魔法のためにもと、海月・びいどろも小さく頷く。
「オレは、エールとびいどろみたく華やかなキャストとはいかねえが、掃除くらいは出来るんだぜ」
 言いながら、ロードは相棒たる小竜を竜騎士の槍へと変化させ、鋭い穂先を魔導士に向ける。
「夢を彩るにゃ舞台が必要、裏方が片付けないとなあ?」

 怨嗟の声を響かせながら、魔導士は骸の海に揺蕩う罪人たちの霊を喚び出した。
 血に濡れた武器で襲い掛かってくる霊に対し、エールが二人の前に出て、その攻撃を一角獣座の光を宿した盾で弾く。
 麻痺を絡めたお返しの一撃が死霊の動きを止めている間に、エールの影から飛び出したロードが地を蹴った。
 空中を何度か蹴り上げて高く跳び上がり、アクロバティックとも言える動きでロードは魔導士へ空から攻撃を見舞う。
 刹那、魔導士と目が合ったような気がして、ロードは真正面からその眼差しを受け止め不敵に笑った。
(「こんな血が滾る戦い、味わわなきゃ勿体ねえ!」)
 すると、びいどろがそっと伸ばした手の先から、機械で出来たたくさんの海月が空の海をぷかぷかと泳ぎ出す。
「こうしていっしょに戦うの、なんだかとっても心強いや」
 ぽつり、びいどろが零す声には、幾許かの安堵が織り交ぜられていて。
 海月たちは自由気ままに泳ぎ回りながら時に魔導士が喚び出した死霊や魔導士自身にぶつかって、儚く消えてゆくばかり。それでも敵の隙を作るには十分で、空泳ぐ海月を見つめるエールの瞳も煌めいて。
「びいどろ君の海月さんたち、すごい! ――ほら、君の相手はボクだよ!」
 魔導士の昏い視線が向けられ、忌まわしい幻影が自身を取り巻くのをエールは感じる。
 それは、少しだけ怖い。けれど、今日は大切な友達が一緒にいるから――怖くない。
(「ボクだけカッコ悪いところなんて、見せられないからね」)
「……だいじょうぶ、こわくないからね」
 同じように魔導士の視線を受けたびいどろの声が、エールの心に優しく沁み渡る。
(「キミに抉られるようなこころは、残念ながら、持ち合わせていないの」)
 びいどろは真っ直ぐに魔導士を見つめ、その昏い視線を振り切った。
「ああ、大丈夫だぜ二人とも。心細いならオレが守るからな」
 ロードもまた力強く言い、盾持つエールと並び立つ。
「――うん、……行くよ、今だ!」
 エールは弧を描く口の端に想いを乗せ、密かに溜めていた力を解き放った。
「頼んだよ、ボクの友達!」
 エールの声に応えて現れたのは、美しく巨大な一角獣の群れ。一斉に魔導士へ襲い掛かるその背を追うようにびいどろも再び海月をつくり出す。
「……いくぜ、ドラゴン! 力を貸してくれ!」
 そして、最大の好機とばかりにロードも声を上げた。
 魔導士との距離を一気に詰め、ロードは槍で躯の体を穿ち串刺しにする。
 同時に現れた『竜』が天地を震わす咆哮を上げながら、魔導士へと襲い掛かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸【TRUMP】
アレンジや他PCとの絡み歓迎

あらやだ……醜くくて怖気が走っちゃう
あんなにも醜くなれるものなのね?
大丈夫よフレズ
悪い霊はあたしがしっかり斬り祓うわ

刃に纏わせるのは破魔と衝撃波
霊達を範囲攻撃や2回攻撃を駆使してなぎ払い、斬り伏せるわよ!
見切りや残像で攻撃を躱して、後衛のフレズやリルを庇うわ
千織の刀にハンドレッドとフレズの援護、リルの歌があるのだもの
最高の舞台よね
幾らでも斬れるのは楽しけれどフレズが飽きちゃうじゃない?
さ、あなたの居るべき場所へ送ってあげるわ
刻むのは「穢華」、蹴散らしたなら厄災の大元を絶華で散らすまで

怨霊であろうとなんであろうと
あたしの愛しい子に手出しはさせないわ!


ハンドレッド・コール
【TRUMP】
ハロー!みんなの宇宙冒険家、ハンドレッドさんだぞ☆
ここからはオレ達も手を貸すぜ!
…ハンドレッドを守るのは、わたしの役目
けど、ありがとう…わたしも、みんなを守れるようにがんばる

オレはフレズ、櫻宵、千織、リルが戦いやすいように、遠方から【援護射撃】、敵の行動を妨害する!
フローラは人魂の炎に【全力魔法】【範囲攻撃】で燃焼を抑えてくれ!

…中途半端におさえるだけじゃ足りない
わたし、【属性攻撃】【2回攻撃】で死霊術師ごと攻撃するわ
フレズ達の攻撃と合わせれば理想よね

魂達が骸の海に戻るよう【祈り】を
今度こそ、悪い死霊術師さんに捕まらないように、ね
…マジで煌めく希望の人生を迎えてほしいよなぁ


フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【TRUMP】
*アドリブ歓迎

櫻宵ーまたおばけ!(耳の毛が逆立つ
負けないんだ!
ボクはボクの大好きな櫻宵を
リルくんや千織ちゃんにハンドレッドくんも!
守るんだから
おばけばっかりだけど負けないんだ

第六感で攻撃を予想し空中戦や見切りで躱すよ!
皆と協力して、霊達は聖属性を乗せた魔法絵具を混ぜ【女王陛下は赤が好き】で牽制・攻撃して、櫻宵や千織ちゃんの刃が怨霊魔導士に届くようにする!
ハンドレッドくんに合わせるように
ボクもマヒ攻撃を乗せた全力魔法を放つよ

リルくんの歌が身も心も癒して闇から連れ出してくれるから大丈夫

恨みも嘆きも憎悪もぜーんぶまとめて塗り替えたげる
煌めく希望と命の光にね!

さぁ
首をはねておしまい!


リル・ルリ
【TRUMP】の皆と一緒
*アドリブ等歓迎です

「嗚呼、これが怨念。櫻宵、息が詰まりそうだ。ねぇ、はやく祓ってしまおう?」

「――大丈夫。君たちは僕が歌で守り癒すよ。これが僕にできる唯一だから」
【野生の勘】を活かして回避
後衛の子守りはおまかせあれとフレズを守る――櫻宵は前を向いていて

ハンドレッドと千織にも守ってもらっているのだから、僕も
彼らの舞台を彩る最高の歌を歌おうか
【歌唱】を活かした【シンフォニックキュア】で心も傷も癒すよ

「幻影も心抉る言葉も
蕩ける歌で、旋律で、かき消そう
絶望を喚ぶならば希望を歌うよ」

怨霊と一緒に斬って祓ってしまって
櫻宵に甘えられるフレズが羨ましいと思ってしまった僕の気持ちごと


橙樹・千織
【TRUMP】の皆さんと
戦闘も連携しながら行います

あらまぁ、次から次へと
美しい歌声を遮り、可愛らしいうさぎさんを怖がらせるのはどちら様?

接近戦なら【野生の勘】で攻撃を【見切り】躱しましょう。
遠距離からのものは被弾する前に【なぎ払い】ますね。

大量の霊は【歌唱】による【催眠術】にて相打ちしていただきましょう。
一体ずつなんて時間がもったいない
彼女達が楽しみにしてる雪遊びの時間が減ってしまうじゃない

あぁ、そうでした
私も巫女の端くれ、【破魔】で霊を祓ってしまおう。
あとは【マヒ攻撃】などで【鎧を砕き】ダメージが通りやすくしましょう。

剣舞が見足りないのならもう一度お見せしよう
今日はとても…心地よく舞えるから



 魔導士は底知れぬ怨霊を抱いたまま、未だこの場に在り続ける。
「櫻宵ー、またおばけ!」
 フレズローゼ・クォレクロニカの兎耳の毛がぴりりと逆立つ。
「大丈夫よ、フレズ。悪い霊はあたしがしっかり斬り祓うわ」
 誘名・櫻宵はフレズローゼに優しく告げると、一転、剣鬼が如き気を纏い、屠桜の刀を手に怨霊抱く魔導士へ向き直った。
「あらまぁ、次から次へと。美しい歌声を遮り、可愛らしいうさぎさんを怖がらせるのはどちら様?」
 魔導士へそっと首を傾げる橙樹・千織は、おっとりとした笑みを崩さずに。けれど、魔導士を見据える眼差しは、既に戦いに身を置く者のそれへと変じていた。
「嗚呼、これが怨念。櫻宵、息が詰まりそうだ。ねぇ、はやく祓ってしまおう?」
「……醜くくて怖気が走っちゃう。あんなにも醜くなれるものなのね?」
 ふるりと尾鰭を揺らすリル・ルリに、櫻宵はそうねと頷いた。
「さて、ここからはみんなの宇宙冒険家、ハンドレッドさんも本気を出しちゃうぞ☆」
 ハンドレッド・コールは快活に笑うと、傍らに『もう一人の自分』を喚び出した。
「……ハンドレッドを守るのは、わたしの役目。けど、ありがとう。わたしも、みんなを守れるようにがんばる」
 ハンドレッドと瓜二つの姿形をしていながらも、宿る人格は『彼』ではなく『彼女』――フローラである。
「おばけばっかりだけど、ボクは負けないんだ!」
 大好きな櫻宵を、リルや千織、そしてハンドレッドを守る。そのために、戦う。
 ――大好きで大切な皆と共に戦場に立つフレズローゼの心に、もう、恐れはない。

「怨霊であろうとなんであろうと、あたしの愛しい子に手出しはさせないわ!」
 櫻宵は破魔の力を刃に纏わせ、魔導士が骸の海より召喚した死霊兵たちを衝撃波で薙ぎ払う。
 同じく前に出た千織は唇に魔力を籠めた歌を乗せ、死霊兵たちの思考を掻き乱していく。
 同士討ちで消えていく霊たちには目もくれず、千織は魔導士唯一人を見据え、目の前に立ち塞がった霊を破魔の力で斬り祓う。
 一体ずつ、なんて時間が勿体無い。何故なら、彼女たちが楽しみにしてる雪遊びの時間が減ってしまうから。
 死霊兵の群れに紛れて、呻き声を上げる人魂の炎が踊る。それを、後方に立つハンドレッドは流星の名を冠した愛用の銃で的確に撃ち落としていく。
「フローラ、燃焼を抑えてくれ!」
 ハンドレッドの声にわかったと小さく頷き、フローラは魂達が骸の海に戻れるよう祈りを込めて、掲げた両手から精霊たちを解き放った。
 膨大な量の水が風に乗って嵐のように空間を渡り、燃え広がる人魂の炎を、そして人魂そのものを呑み込んで消していく。
「今度こそ、悪い死霊術師さんに捕まらないように、ね」
「……マジで煌めく希望の人生を迎えてほしいよなぁ」
 フローラがぽつりと落とした声に、ハンドレッドも頷いた。
 清らかな水の流れは魔導士にまで届き、櫻宵と千織が追撃を掛ける隙を作って。
「ボクも行っくよー! くらえっ!」
 フレズローゼもハンドレッドとフローラ――二人の動きに合わせるように、秘めたる魔力を解き放つ。
「大丈夫。君たちは僕が歌で守り癒すよ。これが僕にできる唯一だから」
 ――だから、櫻宵は前を向いていて。
 宵桜纏う背に向けるのは、願うような眼差し。フレズローゼを守るようにその傍らを泳ぎながら、リルは月光ヴェールの尾鰭を翻し、透き通る歌声を旋律に乗せる。
(「皆に守ってもらっているのだから、僕も」)
 響かせるのは、彼らの舞台を彩り心も傷も癒す最高の歌。
 幻影も心抉る言葉も、蕩ける歌で、旋律で、掻き消そう。
(「絶望を喚ぶならば、僕は、」)
 溢れんばかりの希望を、歌う。
 そして、リルは櫻宵に希った。
(「どうか、怨霊と一緒に斬って祓ってしまって」)
 櫻宵に甘えられるフレズが羨ましいと思ってしまった――『僕』の気持ちごと。

 リルの歌声が身も心も癒して、闇から連れ出してくれる。
 ――だから、大丈夫。
 円な苺月の瞳と凪いだ湖面のように静かに瞬く薄花桜色の瞳が交わったのは一瞬。綻ぶ笑みが、力をくれるから。
 フレズローゼは虹薔薇綻ぶ月色の絵筆で聖属性を乗せた魔法の絵の具を掬い、赤と白の薔薇の花弁を描き上げた。
 ――枯れ木に花を咲かせるように、美しい《赤》の世界を描きだしてみようか!
「さぁ、首をはねておしまい!」
 死霊、人魂、そして怨嗟の魔導士――それら全てを標的としてフレズローゼが放った二色の薔薇の花弁が、触れては爆ぜ、侵食して内部から爆ぜ、空間を濃密な薔薇の香りで満たす。
 開かれた道の先に残るは魔導士唯一人。
「剣舞が見足りないのなら、もう一度お見せしよう」
 今日は、とても心地よく舞えるから。
 そうして千織は凛と、黒鉄の刀と共に舞う。
 刀は忽ちの内に無数の八重桜と山吹の花弁に姿を変えて、一斉に魔導士へと襲い掛かった。
「……最高の舞台よね」
 千織の刀にハンドレッドとフレズの援護、それからリルの歌があれば、無尽蔵に湧いてくる死霊も人魂も幾らでも斬れる――けれど。
 きっと、それではフレズローゼが飽きてしまうから。
 櫻宵は独りごちると、紅に染まった刀の切っ先を向けた。
「――さ、あなたの居るべき場所へ送ってあげるわ。穢れも命も纏めて祓ってあげるから、美しく散りなさい」
 刹那、放たれたのは無数の、破魔を帯びた不可視の斬撃。
 されどまだ、厄災の大元を散らすには至らず。
「小癪ナ……ッ!」
 怒りに満ちた、魔導士の声が響くや否や。
 骸の海に囚われ揺蕩う数多のいのちが、猟兵たちへ襲い掛かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レクシー・ジー
古く美しい物は好きだけれど
現世に仇為すばかりの迷惑な遺物はお断りよ

猟兵仲間との連携は積極的に
髑髏の表情は察し難そうだけれど、所作や詠唱から使う術の推測を
見極められたならミレナリオ・リフレクションで遮るの
仲間の攻撃時は隙を生じさせるべく精霊銃で援護射撃を行うわ
焦げる肌も凍える心もないのなら、風を宿したステッキで拍を刻みエレメンタル・ファンタジアを発動
冥府の入り口までの道を明白に示してあげましょう

嘗ては救えなかったけれど、軈て闇は晴れるのよ
……雪遊びをするなら、明るい空の下が良いものね


英・明夜
暗くて濃くて、心が冷たくなっちゃいそう。
学生さんたちが迷宮で会ったりしなくて良かった!

敵は魔導士だから、接近戦(薙刀でばっさり)に持ち込めたら有利に戦えるのかな…って思うけど、どうやって近付くかだよね。
敵が他の猟兵に相対してるところを後ろから近付いたり、
逆に明夜が敵の正面に立つことで、仲間の皆が隙を突き易いようにするね。

たくさん攻撃を食らう前に、素早く護符を投げて(解釈OKならばクイックドロウ)、七星七縛符。
技を封じるね。

(死霊の誘いを受けたら、お守り袋を握り締め、ぐいと涙拭い)
「こんなの、嘘だもん! 皆、明夜を待っててくれるもん…!」
誰かが幻影に苦しんでたら、大丈夫だよって、声を掛けるね。



 いのちを歪められ、狂わされた死霊の群れと、呻く人魂の炎。
 淀む空気は暗く濃密で、心までもが冷たくなってしまいそうで。
 外で待つ学生たちが迷宮の中で出遭わなくて良かったと心から思いながら、襲い来る死霊を破魔宿す薙刀の一振りで払い、英・明夜は怨霊纏う躯の魔導士との距離を詰める。
 猟兵たちの絶え間ない攻撃に晒され、魔導士は確実にその力を失いつつあるのが感じられる。
 おそらく、あと少しでこの戦いは終わりを迎えるだろう。
 だが、まだ、脅威は完全に消えてはいなかった。
 真正面に陣取った直後、明夜の姿を捉えた虚ろな眼差し。途端に視界に広がる忌まわしき幻影に、明夜は思わず息を呑む。
 同時に浴びせられる、心を切り刻む刃のような言葉たち。明夜は蜻蛉の刺繍が施されたお守り袋をぎゅっと力いっぱい握り締め、ぶんぶんと首を横に振る。
「こんなの、嘘だもん! 皆、明夜を待っててくれるもん……!」
 そこに響いたひとつの銃声と、魔導士へ一直線に収束していく精霊たちの姿。
「――そうよ。あなたを傷つけようとするものが、あなたの大切なものであるはずがないの」
 それから、遠い夜明けを呼び醒ますように優しく明夜の心に響いたのは、レクシー・ジーの声だ。
 レクシーは自身へと向けられた昏い視線を受け止めながら、同じ眼差しで魔導士を見つめ返し、己を襲おうとした忌まわしい幻影と心を抉る言葉たちを相殺する。
「……うん、大丈夫、――明夜は、大丈夫だよっ」
 レクシーの声に確りと頷くと、明夜は溢れた涙をぐいと拭って顔を上げ、魔導士へ護符を飛ばした。
 子供が好みそうな可愛らしい装飾が施された札が魔導士を捕え、縛るようにその動きを封じ込める。
 明夜が、そして共に戦う同胞たちがつくり出した決定的な好機を、逃す筈はなく。
「今だよっ!」
 明夜の声に今度はレクシーが頷き、風を宿したステッキでとん、と拍を刻んだ。
「古く美しい物は好きだけれど、現世に仇為すばかりの迷惑な遺物はお断りよ。だから、冥府の入り口までの道を示してあげましょう」
「ナラヌ、……ナラヌ! 我、ハ……!」
 ――炎を孕んで吹き荒れた旋風が魔導士の躯を呑み込んで、彼方へと翔ける。
「オオオオオッ……!!」
 渦巻く炎の中、全てが淡い光に溶けて消えてゆく。
 骸の海に魅せられ囚われた、一人の男の終焉。
 それを静かに見届けて、レクシーは囁くように言の葉を紡いだ。
「嘗ては救えなかったけれど、軈て闇は晴れるのよ」
 ――だって。
 雪遊びをするなら、明るい空の下が良い。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『雪で遊ぼう!』

POW   :    特大雪だるま、雪像、かまくら、大物も細工物もお手のもの!(遊び方は一例です)

SPD   :    スキー、スノーボード、早さを活かしたウインタースポーツ!(遊び方は一例です)

WIZ   :    雪合戦や、雪面へのお絵かき、雪に埋めるアイスキャンディー、雪活用法あれこれ。(遊び方は一例です)

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 迷宮に入る前にはまっさらな石畳だった広場が、一転、真っ白な雪景色に変わっていた。
 戦いを終えて戻ってきた猟兵たちを労い出迎えるのは、まだ若々しい学生たちだ。
 聞けば、猟兵たちが迷宮へ降りている間に、こっそりと準備をしていたのだという。
 雪はたっぷりと積もっているし、足りないと思ったらいくらでも降らせることが出来る。
 ふかふかとした真新しい雪に足跡を残したら、思い切り雪合戦を楽しむのもいい。
 雪だるまやかまくら、あるいは芸術的な雪像などを作るのであれば、それに必要な道具類も既に準備されている。
 見れば向こうの方にこんもりと山も出来ているので、斜面を滑って遊ぶことも出来るだろう。
 あるいは、ただ雪が降る光景に物思うのだって、悪くない。
「実験へのご協力ありがとうございます、転校生の皆さん」
 猟兵たちを前に、学生の一人がそう切り出して、広大な雪原へと誘う。
「色々楽しんで頂けたら、僕たちも嬉しいです」
都槻・綾
※アドリブ歓迎

雪遊びの賑わいの中
のんびり逍遥

ひときわ大きな雪玉かと思えば
キトリさんの白きお姿

人工雪にも精霊が宿るのかは分かりませんが
皆の弾む声もまた暖かな歌のようですね

話す傍ら
飛び交う雪玉に被弾
目を瞬いたのち
くすくす肩を揺らす

手を振り別れ
静かな方へと散策

木枝に咲く六花
結晶の美しき形に思わず手を伸ばすけれど
触れれば忽ち雫と化す

…斯様に清廉で眩い彩なのに
仕舞うことは叶わないのだな

未だ未だ満ちぬ香炉
虚ろな胸の裡

あえかな笑みは
雪の儚さへか
埋まらぬ器への寂しさか

然れどせめても此の情景を憶えて居ようと
ふと見上げた先の空
舞う雪片は誠の雪?
或いは実験の雪?

何れにせよ
美しく清々しく
冷たいのに胸を潤す暖かな、魔法



 雪遊びに興じる同胞たちの声で賑わう中、都槻・綾が見つけたのはひときわ大きな雪玉――ではなく、己をこの場へ導いた妖精の少女だった。
 他愛ない言葉を交わす間にも、件の降雪マシーンはまだまだと言わんばかりに雪を生み出していて。晴れた空を舞う雪というのも、何だか不思議な心地がするけれど。
「人工雪にも精霊が宿るのかは分かりませんが、」
 皆の弾む声もまた暖かな歌のようだと思えば知らず深まる口元の綻び。
 その時、不意に――。
「……あっ、」
 危ない、とキトリの口が動いたのとほぼ同時。
 どこからか飛来した雪玉が、綾の頭でぽふんと弾けた。
「……」
「……」
 僅かな沈黙。ぱちぱちと目を瞬かせてから、綾はくすくすと肩を揺らし。
「どうやら此処に居たら、私はともかくキトリさんは撃ち落とされてしまうやもしれませんね」
「だっ、大丈夫よ! ……でも、そうね、あなたのそのつやつやの黒い髪が真っ白になるのも良くないものね」
 神妙な顔をして頷き合えば、束の間の邂逅も別れの時間。風邪引かないようにねと言い残し彼方へ飛んでいく小さな白い影を見送ると、綾は賑やかな声から少し距離を置くように、静かな方へと爪先を向けた。
 木の枝に咲く六花の美しい結晶を目にすれば思わず手が伸びるけれど、触れれば忽ち雫となって滴り落ちる。
「……斯様に清廉で眩い彩なのに、仕舞うことは叶わないのだな」
 ぽつり零れた音もまた、雫のように雪に溶けてゆく。
 ふと浮かぶあえかな笑みは、雪の儚さへか、それとも、虚ろな胸の裡――様々な彩りで器を飾ってもなお埋まらず満たされぬ自らの心への寂しさか。
 それでもせめてこの情景を覚えていようと、見上げた先の空に舞う白い六花。
 まことの雪か、つくりものの雪か。その答えはわからない、けれど。
 それは美しく清々しく、凛と冷たいのに胸を潤す、あたたかな――魔法。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レクシー・ジー
降り積もる雪は音を封じこめるものだと思っていたけれど
学生さん達の活気までは覆いきれないみたいね

【WIZ】
キトリさんや猟兵さん、学生さん達もお誘いして一緒に遊びたいの
綺麗に包装した小さなキャンディやチョコレートを入れた雪玉で雪合戦をしましょう
当たった雪玉の中身を貰えるの
ひとつふたつ、光の精霊を紛れ込ませてあるのは宝物よ
宝物を持っている人は精霊にライトアップされて狙われ易くなる仕組み
たくさん当てられてたくさんお菓子を貰った人が勝ちかしら

ただ遊ぶだけの経験なんて初めてね
わたしも幾つかお菓子を手に入れたけれど
皆さんの笑顔が一番の御褒美かもしれない

*アドリブ、絡み大歓迎



 ――降り積もる雪は、音を封じ込めるものだと思っていたけれど。
 学生たちや、転校生である自分たちの活気までは、どうやら覆いきれないようだと――レクシー・ジーは柔らかく目を細めながら賑やかな光景を目に留める。
「さあ、雪合戦をしましょう」
 レクシーの声に、周りにいた猟兵たちや学生たちが続々と集まってくる。
 地面にずらりと並ぶ雪玉に、通りすがりのキトリの目が瞬いた。
「すごい、この雪玉、全部レクシーが作ったの?」
「特製の、魔法の雪玉なの。キトリさん、投げてみて?」
 勧められるまま、えい、と試しに投げてみれば、地面に当たって割れる雪玉。
 すると、その中には丸くて小さな、きらきらとした包みが隠れていて。
「これは?」
「中身はキャンディーや、チョコレート。それから、素敵な宝物。雪玉が当たった人が、その中身を貰える仕組みなの」
 つまり、たくさん当てられてたくさんお菓子を貰った人が勝ちというわけだ。
 幾つかの陣営に分かれて早速始まった戦いは、なかなかに白熱したものとなった。
 受け取れとばかりに雪玉を投げまくる者もいれば、お菓子欲しさに自ら仲間たちの盾となって雪玉を受け止めに行く猛者もいる。
 そんな中、飛び交う雪玉に紛れてキトリもきゃあきゃあ言いながら飛んでいて。
 その時、雪玉を当てられた生徒の体が、淡い光を帯びて輝き出した。
 ――それこそが、レクシーが隠していた『宝物』。
 光の精霊にさながらライトアップされて、皆の的になりやすくなる――そういう、仕掛けである。

「呼んでくれてありがとう、レクシー! すごく楽しかったわ!」
 やがて、手に入れたお菓子を小さな壺のフェアリーランドに忍ばせ、どこへともなく飛んでいったキトリを見送ったレクシーが振り返れば、激戦を終えた皆の晴れ晴れとした笑顔が眩しく映る。
 ただ遊ぶだけの経験は、レクシーにとっては初めてのことで。
 手の中に幾つかのお菓子こそあるけれど、そう、一番のご褒美は――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
チロル(f09776)とキトリと。

チロ、チロどこじゃ。雪に埋もれてどこ……おった!
うう、少々薄着でも大丈夫じゃろ思うとったが、久しぶりの雪、なめとったわちょっとさぶい。
しかし白い……白いとわし、くすんだ色じゃし目立つんじゃー。

チロはかまくらが作りたいと。
ふふ、かまくら職人と言われたわしにそれを尋ねるのか。
よし、作るか。雪を山のようにするんじゃが時々水をぺっと。そして、掘る。簡単じゃ、ただ力仕事……できるのわしだけじゃな。
ソルベ、ほりほりしてくれんかの。頼む。

おしるこ? ふ……わしにぬかりはない。
レトルトじゃがのー、まぁ今日はこれで勘弁しておくれ。
鍋に湯をわかしてあっためたら、しるこじゃ。


チロル・キャンディベル
雪!雪!
故郷でよくみた光景に、思わずテンションMAX
きゃー!って雪の中に全身でソルベと一緒にダイブ
嵐吾(f05366)、キトリ、何する!?
いっぱい動けばあったかくなるの

あ、チロかまくら作りたい!
それならキトリもいっしょできると思うの
嵐吾どうやったら作れるかわかる?しょくにんさん、すごい!
みんなが入れる、おっきなやつがいいのー!
ソルベもてつだってくれるからだいじょうぶ
寒いところでやる気マンマンなの

チロ、かまくら入るのってはじめてー!
あったかいって聞いてたけど、本当なのね
おしることか食べるんでしょ?(わくわく)
わあい、さすが嵐吾
寒いところであったかいもの、幸せね
でも今日のがんばり一等賞はソルベね!


メーリ・フルメヴァーラ
雪遊びの誘惑に勝てなかった…!
(わーんと顔覆い)
一面の雪景色を見るだけでわくわくしちゃう
ミトン型の手袋に包んだ手を空に翳すと
ふわり舞う六花がきれい

雪だるまを作りたいなあって思っててね
まずは小さな雪玉を作るところから…
よいしょよいしょと地道に頑張る
大きすぎると飾り付けも大変だから
自分の腰ぐらいまでの大きさのを作れたらなと

不恰好でも雪だるまが出来たらわーいと歓声
木の枝やボタンで顔を作っていこう
キトリちゃん!って声をかけたい
雪だるまに帽子をかぶせたいんだけど
ニット帽と赤いバケツどっちがいいかな?
勧められたほうを乗せて
枝の腕にミトン手袋を着けたら完成!

雪っていろんな可能性があるねって
嬉しそうに笑った


英・明夜
はい、はい! 明夜、かまくら作りを手伝うー!
あんまり力も背も無いから、ほんとにお手伝いくらいになっちゃうかもだけど。
雪集めとか、掘った雪を運んだり、鋤…えっと、シャベルで、ぺちぺち、固めたりするね。

かまくらの外側が完成したら、内側も。
灯りを用意して(風情が在るのは蝋燭だけど、魔法とかも格好良いよね)、
雪うさぎとか、小さい雪だるまを作って飾りたいなあ。
あとね、なんと言っても、あったかい甘酒だよね。
大丈夫かな、手に入るかな? 駄目なら、お茶とか、こーひーとか。
かまくらを作った皆にお疲れ様。
遊びに来た皆にいらっしゃい。
皆で一緒にほこほこして、笑顔が見られたら、明夜、心もお腹いっぱいだよ!



「雪! 雪!」
 チロル・キャンディベルの目の前に広がるのは、故郷でよく見た懐かしい光景。
 大きく揺れる尻尾も弾む心もそのままに駆け出して、白熊のソルベと一緒に積もった雪の中に全身で飛び込んでいく。
「きゃーっ!」
「――チロ、チロどこじゃ。雪に埋もれてどこ……おった!」
 歓声を上げてはしゃぐチロルの姿を一瞬見失ったらしい終夜・嵐吾が、目を皿のように凝らして見つめれば。
 大きく盛り上がった山のようなソルベがふるふると頭を振って雪を落とすその傍らに、春の芽吹きのような若葉の色が覗くのが見えた。
「チロもソルベも元気じゃのー。小さな子供が元気なのは良きことよきこと。うう、少々薄着でも大丈夫じゃろ思うとったが、久しぶりの雪、なめとったわちょっとさぶい」
 わし、くすんだ色じゃし目立つんじゃー、とふるふる震えながら呟く嵐吾が纏う灰青は、確かに白一色の世界では際立っていると言っても過言ではないだろう。けれどチロルは勿論そんなことは気にしないし、今この場にあっては、嵐吾はある意味、道標のようなものでもあった。
「いっぱい動けばあったかくなるの。嵐吾、何する!? あっ、キトリ! こっち!」
「おーキトリ、お疲れ様じゃの。寒くはないか? ほれ、こっちじゃ」
「嵐吾、チロ! お疲れ様! 嵐吾が見えたから迷わずに来れたわ! それにしても本当に真っ白な世界になってるのね!」
 無事に仕事を終えて飛んできたキトリも、チロと同様、興奮を隠しきれない様子で。
「あのね、チロかまくら作りたい! みんなが入れる、おっきなやつ! それならキトリもいっしょにできると思うの。嵐吾、どうやったら作れるかわかる?」
 チロとキトリのきらきらとした期待の眼差しを受けた嵐吾が、ふっ――と一瞬、得意げな笑みを浮かべてみせる。
「ふふ、かまくら職人と言われたわしにそれを尋ねるのか。よし、作るか」
 雪を山のようにして、時々水をぺいっと掛けて。そして、掘る。
 そうすれば、いつの間にやらかまくらが出来上がる!
「簡単じゃ、ただ力仕事……できるのわしだけじゃな」
「あたしたちも水を掛けるくらいなら出来るわ! あと雪だるまを作ったりとか!」
「できるの! ソルベもてつだってくれるからだいじょうぶ! ソルベ、寒いところでやる気マンマンなの」
 小さな二人がえっへんと胸を張り、ソルベも任せろと言わんばかりに両足で立ち上がったところに、
「はい、はい! 明夜、かまくら作りを手伝うー!」
 もう一人、ぴょこんと狐耳と尻尾を揺らしながら、英・明夜がかまくら作りに立候補。
「明夜、あんまり力も背もないから、ほんとにお手伝いくらいになっちゃうかもだけど……」
 途端にしゅん、と垂れる耳と尾を見て、嵐吾が大丈夫じゃよと笑った。
「ん、嬢ちゃん――明夜がいれば百人力じゃ」

「雪遊びの誘惑に勝てなかった……!」
 メーリ・フルメヴァーラはわーんと両手で顔を覆うも、一面の雪景色にわくわくと逸る心は抑えきれなくて。
(「……きれい、」)
 ミトン型の手袋に包まれた手を空に翳せば、ふわりと舞う六花に目を細める。
「――よし! 私も雪だるま作り、頑張ろう!」
 白熊のソルベがかまくらの穴を掘り進めているのを頼もしげに見やりつつ、メーリは地面にしゃがみ込むと、その手の中にまずは小さな雪玉を作った。
 大きすぎると飾り付けも大変だから、自分の腰くらいまでの大きさを目標に。よいしょよいしょと地道に頑張って、雪玉を丸めて大きくしていく。
 やがて、出来かけのかまくらの傍に、ほんのちょっぴり不恰好な雪だるまが出来上がると――。
「わーい!」
 両手を上げて、喜びもひとしお。けれどまだ、やるべきことは残っていた。
 木の枝で眉と鼻と口を。丸いボタンで両の目を。それからさらに腕代わりの木の枝を刺して、
「あっ、キトリちゃん!」
「はあい! あっ、雪だるまさん! メーリ、この子一人で作ったの?」
 着々と完成に近づいているかまくらの様子を空から見守る煌めきに何かを思いついたように名を呼べば、すぐに返る声と飛んでくる小さな影。
「うん、頑張ったよ! あのね、キトリちゃん、雪だるまに帽子をかぶせたいんだけど、ニット帽と赤いバケツどっちがいいかな?」
「なるほど、責任重大ね? そうね……」
 真剣な顔で考え込むキトリを、真剣な顔で見つめるメーリ。
 しばしの沈黙の後、キトリが出した答え、それは、
「バケツのほうが強そうだけど、ニット帽のほうが、あったかそうな感じがするわ!」
「ニット帽だね、了解っ!」
 メーリは大きく頷いて、雪だるまの頭にニット帽を。それから、枝の腕にミトン手袋を着けて――完成だ。
「雪だるまさんもあったかそうね!」
「本当? よかったあ。……雪って、いろんな可能性があるね」
 そう言って嬉しそうな笑み綻ばせるメーリに、キトリも笑顔で大きく頷いた。

「しょくにんさん、すごい!」
 やがて出来上がったかまくらは、さながら秘密基地のよう。かまくらの外にはメーリが作った雪だるまだけでなく、ソルベが掘り出した雪を使って明夜が拵えたつぶらな瞳の雪うさぎたちや、小さな雪だるまもずらりと並んでいる。
「チロ、かまくら入るのってはじめてー! あったかいって聞いてたけど、本当なのね」
「あとは、ここに蝋燭を置いて……」
 かまくらの壁に作られた小さな窪みは、明夜の手によるものだ。明夜がそこに蝋燭を置いて火を灯せば、薄暗かった内部が仄かな光で照らされる。
「まだ暗い? なら、チロとキトリで光の精霊さんをよぶの」
「まかせて!」
 そうして二人が喚んだ光の精霊たちがふわりと舞い上がり、三つの光によってかまくらの内部が十分な明るさで満たされた。
「雪のお家、すごいね! 雪で出来てるのに、寒くない!」
 水晶透かしたメーリの瞳が、きらきらと煌めいて雪色の空間と皆の顔を映し出す。
「かまくらって、おしることか食べるんでしょ?」
「おしるこ!?」
「わーい! おしるこー!」
 チロルはわくわくと期待の眼差しを迷わず嵐吾に向ける。キトリとメーリも揃って声を上げ、その視線はやはり嵐吾へと。
「あと、甘酒とか、あったかいお茶とか、こーひーとか!」
 そうすれば、冷えた体もあたためられるだろう。明夜も皆にならい、期待を込めた瞳で嵐吾を見つめて。
「ふ……わしにぬかりはない。こんなこともあろうかと……ほれ」
 嵐吾はどこからともなくカセット式のコンロと鍋を取り出し、水を入れて火にかける。そうして、さらに取り出したのは、
「レトルトじゃがのー、まぁ今日はこれで勘弁しておくれ」
 そう、レトルトではあるが、人数分のおしるこであった。ついでに紅茶と緑茶のティーバッグやスティックタイプのインスタントコーヒー、やはり人数分の紙コップなんかもいつの間にか用意されていて。
「すごい、たくさん!」
「わあい、さすが嵐吾!」
 目を丸くしてからきゃあとはしゃぐ明夜と待ってましたと言わんばかりにばんざいするチロルに、嵐吾もそうじゃろもっと褒めていいんじゃよと言わんばかりに頷いていて。
「ああ、あたたまるわ……」
 キトリはすっかりくつろぎモード。
「みんなで飲むから、そのぶん美味しさも倍増だね!」
 メーリは両手で覆うように持ったカップの、手のひらから伝うぬくもりにくすぐったそうに肩を揺らす。
 あたたかいおしること飲み物で、心も体もぽかぽかと。
「えへへ、皆、お疲れ様!」
 皆の顔を彩る笑みに、明夜は心もお腹いっぱいだ。
「寒いところであったかいもの、幸せね。でも今日のがんばり一等賞はソルベね!」
 チロルはかまくらの傍でぺたんと伏せて休憩中のソルベにお疲れ様を。
 そうして、しばし皆で、幸せなひとときとたくさんのぬくもりを噛み締める。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

憂世・長閑
【絵空】
かまくらってそうやって作るんだな
オレは水を汲んでかけるよ
エール、これならみんなで入れそうかな

丁寧に象ったつもりでも
少しだけ歪な雪兎
はっぱと木の実で飾れば完成
兎にみえる?
フユとハルのねこさん、かわいい
一緒に並べて嬉しい気持ち
おっきな君はロードらしい力強さがあって素敵だね

雪だまを投げようとしたら
足をとられて…
うぎゃッと奇妙な声をあげ転ぶ
あは、可笑しいな
勝ち負けなんて気にならなくなっちゃうくらい楽しい

びいどろの優しさには目を細め
(雪の子にも手袋をあげていた君が凍えてしまうから)
大丈夫、ありがとう
オレもみんなと一緒だから
すごくあったかいんだ


ロード・ブラッドリー
【絵空】
かぁーっ!
めっちゃ綺麗な雪だな!!(犬のようにはしゃぐ)
最高の褒美だ!

エールもびいどろも、一角獣も海月も格好良かったぜ
それにキラキラしてた!
戦いで綺麗って初めて思ったぜ!

かまくら作り→雪だるま→雪合戦で遊ぶ
フユの提案でバッチリ遊べそうだなっ
頭良いなー、フユは

オレはかまくら作った事無いけど、力仕事なら任せてくれ
指示通りに動くぞ

雪だるまはデッカイの作りたい!
顔は二の次だっ!
長閑さんのはちっこくて可愛いなー。
もちろん雪兎に見えるぜ!

雪合戦は、はしゃぐぜ投げるぜ!
顔には当てねーように気を付ける
ほらほらどんどん来いっ
びいどろも遠慮なく当ててみろー!

へへっ、こんなはしゃいだのも久々だ
サンキュ、皆!


ミカゲ・フユ
【絵空】のみんなといっしょ
死霊のハルお姉ちゃんも傍にいてね(彼女の福音)

ふわあ、真白でふわふわ
この景色があるのも戦った皆のお蔭なんですね

いっぱい遊びたいけどどんな順番がいいかな?
そうだ、かまくら拠点を作ってから雪遊びをすれば疲れても休憩できます!

ロードくんとエールちゃんのお手伝いをしながら
かまくら周りに飾るゆきだるまもころころ
つめたい……けど不思議な感覚。ね、びいどろくん
僕はお姉ちゃんと一緒にネコ耳付きの雪だるまを作成
長閑さんの雪兔と並べればほら、かわいい

雪合戦もめいっぱい頑張ります
て、ていやー! 負けませんから!

遊び疲れたらかまくらの出番
手は冷たいけれど心は何だかあったかくて
ふふ、楽しいね


エール・ホーン
【絵空】
雪を両手でふわっと空へ放って
めーいっぱい遊んじゃお♪

かまくらつくるっ
協力してくれると嬉しいな
雪を背丈くらいまで積み上げながら
時折水をかけてスコップでぺたぺた
中をくりぬいたら…かんせい!

ロード君の雪だるま、おっきい!
びいどろくんのはきっと綺麗なんだろうなぁ
猫さんと兎さん、かまくらにお出迎えしてるみたいでかわいいね
ね、片っぽはボクの手袋をあげるっ
そうしたら、あったかさも半分こ!

雪合戦!
味方は翼でガードして守るよ
あははっ、つめたいっ
楽しいなあ…ってあれ?
勝ち負けってどうやって決まるんだっけ?

疲れたらかまくらで休憩しよう
皆でぎゅうぎゅうあったかい
いつもより少し近い距離
自然と幸せな気持ちになるね


海月・びいどろ
【絵空】

頑張ったご褒美というやつ、だね
頼もしい二人のおかげさまだよ
次は、うんと楽しまなくちゃ

エールの掛け声に合わせて
大きく広く作っておくんだ
高いところは気をつけて、手伝うよ

つめたい、さむいって
…こういうのを言うんだね
でもきらきらして、すぐ溶けて、ほんとうに不思議
ミカゲのねこみみ雪だるま、お姉さんとの合作かな
…かわいい。でっかい雪の子には
ボクの手袋つけてあげよう

お兄さんなロードには、
手加減は失礼というもの…だよね?
海月のともだちを喚び出して
たくさん雪玉をストック

みんなの白い息が雪に融けて、ふわふわ
長閑、さむくない?
悴んだ手には、ポケットで温めたカイロをどうぞ
いっしょにいれば、もっとあたたかいね



「かぁーっ! めっちゃ綺麗な雪だな!!」
 最高の褒美だと満面の笑みを覗かせながら、ロード・ブラッドリーはさながら犬のように真っ白な雪に足跡をつけていく。
「エールもびいどろも、一角獣も海月も格好良かったぜ。それにキラキラしてた! 戦いで綺麗って初めて思ったぜ!」
 目の前に広がる、真っ白な世界。それが見られるのも、戦いを頑張ったからこそのご褒美だ。
「頼もしい二人のおかげさまだよ。次は、うんと楽しまなくちゃ」
 ロードの言葉に、海月・びいどろもそっと微笑んで。
「ふわあ、真白でふわふわ。この景色があるのも戦った皆のお蔭なんですね」
 ミカゲ・フユは感嘆の声を零しながら、傍らの『お姉ちゃん』――ハルへ振り返る。
 微笑みながらふわふわとミカゲに寄り添っていたハルは、向けられた視線に気づくと、いつものようににっこり笑って両手でピース。
「……いっぱい遊びたいけど、どんな順番がいいかな?」
 かまくらも作りたいし、雪遊びもしたい。
 雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、やりたいことはたくさんある。
 どうすればいいだろうかとミカゲはハルと共に暫し考え込んで――不意にぱちりと瞬くと、そうだ、と手を打った。
「かまくら拠点を作ってから雪遊びをすれば、疲れても休憩できます!」
「頭良いなー、フユは!」
 なるほどと感心したようにロードがうんうんと頷いて、笑った。

 ――両手で掬った雪を、ふわりと空へ放つ。
 空の光に照らされてきらきらと瞬く光にエール・ホーンは目を細め、それから、大切な仲間たちへと振り返った。
「よーし、まずはかまくらをつくるよっ! それから、めーいっぱい遊んじゃお♪」
 スコップを手に、エールはやる気満々。かまくらの作り方も、予め調べてきたほどだ。
 集めた雪を背丈くらいまで積み上げて、時々水を掛けながら、スコップでぺたぺたと固めていく。
「オレはかまくらは作ったことないけど、力仕事なら任せてくれ」
 ロードも、エールの指示通りにてきぱきと雪を積み、水を掛けて確りと固めて――その繰り返しで、次第にこんもりと大きな山が出来上がっていく。
「へえ、かまくらってそうやって作るんだな」
 初めてのかまくら作りに興味津々の憂世・長閑も、見よう見まねで水を掛けつつ、雪を盛っていく。
「高いところは気をつけて、手伝うよ」
「僕も頑張りますっ」
 びいどろとミカゲも、真っ白な雪を運んだり積んだ雪を固めたりのお手伝いを。
 砂浜で作る砂の城よりも遥かに大きな雪山が出来上がったら、少しでも広くなるように均等に中を掘り進めて皆が入れるような空間を確保し、いよいよかまくらの完成だ。
「エール、これならみんなで入れそうかな」
 長閑が問う声に、エールはうんと大きく頷き、晴れやかな笑みを覗かせた。
「うん、大丈夫だと思う! みんな、ありがとう!」

 かまくらが完成したら、次はその周りを彩る雪だるま作りだ。
「雪だるまはデッカイの作りたいぜ! 顔は二の次だっ!」
 ロードは意気揚々と雪玉を転がし、どんどん大きくしていく。
 ミカゲもかまくらの周りに飾る雪だるまを作るべく、ハルと一緒に雪玉をころころ転がして。
「つめたい……けど不思議な感覚。ね、びいどろくん」
 ミカゲが微笑みかけると、びいどろもうん、と頷いた。
「つめたい、さむいって、こういうのを言うんだね。――でも、きらきらして、すぐ溶けて、ほんとうに不思議」
 広げた手のひらに降る、小さな結晶。
 淡く滲むように手の熱で溶けていくそれは、儚くて、でもとても綺麗で。
 一方、長閑は雪うさぎを作ろうと奮闘していた。
 丁寧に象ったつもりでも、少しだけ歪な形になってしまったような気もして。けれど、緑の葉っぱと赤い木の実で飾ればひとまず完成だ。
「雪うさぎなんだけど、うさぎにみえる?」
「もちろん見えるぜ! オレもこれで、完成だっ!」
 ロードが力強く頷けば、良かったと長閑は安堵の息。そして、ロードの大きな雪だるまも無事に完成した。
「えへへ、僕達の猫だるまさんも完成ですっ」
 ミカゲがハルと一緒に作ったのは、猫耳がついた雪だるま。
 ロードの雪だるまの傍に雪うさぎと猫だるまを並べれば、かまくらの入り口でお出迎えしてくれているかのよう。
「……うん、かわいい。でっかい雪の子には、ボクの手袋をつけてあげよう」
「ね、片っぽはボクの手袋をあげるっ」
 大きな雪の子に、自身の手袋を贈るびいどろ。それを見たエールも、片手の手袋を外して反対側の手に。
 ――そうしたら、あったかさも半分こ。

 かまくらの前で待つ雪だるまたちが見つめる中――いよいよ雪合戦が始まった。
「――うぎゃッ!」
 早速丸めた雪玉を投げようとした長閑だったが、雪に足を取られ、奇妙な声を上げながら転んでしまう。
「ほらほらどんどん来いっ!」
 ロードもはしゃぎながら雪玉を素早くたくさん投げていく。けれど、顔は狙わないように気をつけて。
「びいどろも遠慮なく当ててみろー!」
 ロードの言葉に、びいどろはこくりと頷いた。
「お兄さんなロードには、手加減は失礼というもの……だよね?」
 そうして、びいどろが喚び出すのは海月の『ともだち』。その手を借りてたくさん雪玉を作り、
「多勢に無勢じゃねーか! ……よ、よし、受けて立つぜ!」
 それでも勇ましく体を張るロードを、雪玉の雨が襲うのだった――。
「て、ていやー! 負けませんから!」
 ハルが次々に雪玉を拵える傍らで、ミカゲも懸命に応戦する。
「あははっ、つめたいっ! でも、負けないよっ!」
 エールは真っ白な翼を大きく広げて飛んでくる雪玉をガードしつつ、負けじと勢いつけて投げ返し。
 当てても当てられても上がる歓声はどれも楽しげな色に満ちて。
 ――皆でこうやって遊ぶのが、とてもとても楽しくて。
 そこで、大事なことに気づいたエールはあれ? と首を傾げた。
「……勝ち負けってどうやって決まるんだっけ?」
 その頃には皆、雪まみれになっていて、そんな中くすりと零れた誰かの笑みが、皆に広がっていく。
 晴れ晴れとした表情。心が満ち足りていく感覚。
 ――そう。
 勝ち負けなど、最初から関係ないのだ。

 そうして、一通り雪で遊んだ後は、皆でかまくらの中に。
「へへっ、こんなはしゃいだのも久々だ。――サンキュ、皆!」
 年相応の満面の笑みを浮かべるロードに、ミカゲも頷く。
 手は冷たいけれど、心はとてもあたたかくて。
「ふふ、楽しいね」
 皆の白い息が雪に溶けて、ふわふわする。
「長閑、さむくない?」
 そっと首を傾げ、びいどろはポケットから温まったカイロを取り出す。
 それを見た長閑は、びいどろの優しさに目を細めた。
「――大丈夫、ありがとう。オレもみんなと一緒だから、すごくあったかいんだ」
 だって、そのぬくもりを受け取ってしまったら。
(「雪の子にも手袋をあげていた君が、凍えてしまうから」)
 いつもよりも少しだけ近い、皆との距離。
 皆でぎゅうぎゅうくっつけば、その分あたたかさもいっぱいで。
「……あったかくて、幸せ」
 言葉にすれば、幸せな気持ちが更に増えていく心地がして、エールはふわりと笑みを綻ばせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【TRUMP】

ひゃー!櫻宵、千織ちゃん、ハンドレッドくん、リルくん!雪だよーー!
魔法ってすごいねぇ
雪にはしゃぎまわり
それからしゅぴっと宣言

ボクは兎さんのかまくらを作ります!

えへへ
皆、手伝ってくれてありがとう、とご満悦
たくさん雪を集めて固めて
大きな山を作ったならば中をくり抜いて
上にお耳を2つ
4人で入れる立派なかまくらにする
櫻宵!やっぱりレディは力持ちなんだね

かまくらができたなら中でほっこり
櫻宵が作ってくれたホットショコラで一息つくの
リルくん美味しそうに飲むね

お化けは怖いけど
そばに居てくれる皆に感じる楽しくて暖かい思い
これが愛なんだと微笑んで
リルくんの歌に合わせ今日という日を描こう

アドリブ歓迎


リル・ルリ
【TRUMP】の皆と
*アドリブ等歓迎します

「魔法の雪も、本物の雪と同じ。冷たくて綺麗だね」
白の六花に瞳を細め、ゆらりゆらり雪原を游ぐ
雪で滑るのは僕には難しそうだ、何をしようと考えていると……

「かまくら。フレズ、フレズはかまくらを作るの?」
僕はかまくらは初めてだ
櫻宵はか弱いといいつつか弱くない
千織の作り方は変わらずお淑やかだし、ハンドレッドは賑やかで楽しいな
皆が作っているのを興味深そうに眺め
櫻宵に言われて、そうだと兎の耳部分を作りにいく

「こんな感じ?」
皆の力になれたら嬉しい

かまくらの中で櫻宵のホットショコラをこくり
美味しくて嬉しくて
皆と一緒っていいねと微笑む

フレズが絵を描くなら
僕は雪の歌を歌おう


橙樹・千織
【TRUMP】の皆さんと
*アドリブ等歓迎


ふふ、ようやく雪遊びできますねぇ
はしゃぐ様子を見てふわふわ微笑み

着物の袖を襷でまとめて気合い十分
さぁさぁ、私も頑張りましょう
これでも力はある方なんですよ?

うさぎさんのかまくら…せっかくですからお顔もつけてあげませんか?
ほわりと笑って顔の部品になるような木の実や枝を用意しましょう

リルさん、ハンドレットさん、かまくらの周りをうさぎさんで飾ってみませんか?
手のひらにちょこんと乗った雪兎を見せてみます。

あら、櫻宵さんのほっとしょこらですか?
ふふふ、優しい甘さでとても美味しいですねぇ

皆さんに、こんな優しくて暖かい日が沢山訪れますように


ハンドレッド・コール
【TRUMP】
こりゃスゲエ面白い実験だな!
雪がたくさん積もってるぜ!

フレズ達がウサギのカマクラってヤツを作るみたいだなあ
オレも手伝う、力仕事は任せろ!

カマクラが出来たら、オレも一緒に混ざっていいか?
ついでに櫻宵のホットショコラ、オレも飲んでみたい!
あ、フローラの分も一杯頂戴! オレが飲んだら、入れ替わって飲ませてやりたいからさ!

ホント、故郷の人達を思い出すぜ
猟兵になったら、こんな純粋に楽しく遊んだりすることができねえだろうなあと思っていたが
…ありがとうな
あれ、温かくなったせいか、眼から雪解け水が…

…ハンドレッド、変にごまかさないで。カッコ悪い
でも、本当に、温かい。強張った心も、溶けていくみたい


誘名・櫻宵
🌸【TRUMP】
アドリブ歓迎!

きゃあ、これは見事な雪ね!うふふ、童心に変えるみたいにわくわくしちゃうわ
あらフレズ、転ばないようにね!

かまくらなんて素敵ね!
あたしも可愛い子のために、頑張っちゃうわ!
か弱いけれど怪力を活かして雪を集めて固めるわ
あらフレズ、上手ね!褒めるのも忘れない
お耳はリルにお願いしたらどう?
あなた空を游ぐでしょ
千織のお顔もすごく可愛いわ!

みんなお疲れさま!
かまくらができたなら、あたしの作ったホットショコラで一息ついて頂戴
甘くて蕩けるわよ?
1人ずつに配り
美味しいと言われれば嬉しいわと微笑んで

寒いけれど暖かいわね
嬉しげなフレズを撫でて
彼女の、皆の周りに沢山の愛が満ちることを願うわ



「ひゃー! 櫻宵、千織ちゃん、ハンドレッドくん、リルくん! 雪だよーー!」
「これは見事な雪ね! うふふ、童心に変えるみたいにわくわくしちゃうわ。フレズ、転ばないようにね!」
 右を見ても左を見ても、広がるのは一面の銀世界。
 フレズローゼ・クォレクロニカが思わず歓声を上げれば、誘名・櫻宵もきゃあとはしゃいだ声を響かせる。
 これが魔法の力だというのだから、すごいと思わずにはいられない。
 弾む心も声もそのままに、まずは一つ、二つと真新しい雪に軽やかに足跡を刻んで、フレズローゼはその感触を確かめる。
「こりゃスゲエ面白い実験だな! 雪がたくさん積もってるぜ!」
「魔法の雪も、本物の雪と同じ。冷たくて綺麗だね」
 ハンドレッド・コールはひゅう、と口笛を響かせながらまじまじと雪原を見やり、その雪原をゆらりゆらりと游ぎながら、リル・ルリは白の六花に薄花桜の瞳を細める。
「ふふ、ようやく雪遊びできますねぇ」
 皆が楽しげにはしゃぐ様子を、橙樹・千織はふわふわと微笑みながら見守って。
 そんな中、リルはふと思案げに首を傾げた。
「……雪で滑るのは僕には難しそうだ」
 何をしようと考えていると、フレズローゼがその場でくるっと回って皆を見た。
「――ボクはここに、兎さんのかまくらを作ります!」

「かまくら。フレズ、フレズはかまくらを作るの?」
「うん、作るよ! みんなで入れる立派なかまくらをね!」
 かまくらというものをまだ知らないリルは、空に疑問を浮かべながらフレズローゼに問う。
「かまくらね、素敵! か弱いあたしも可愛い子のために、頑張っちゃうわ!」
 そうと決まれば早速とばかりに、華奢でしなやかな体躯に見合わぬ怪力を揮い、雪を集め始めた櫻宵を見て、リルはぽつりと。
「……櫻宵、か弱くない」
「やぁだリル! あたしがか弱くないなんて気の所為よ!」
 ツッコミめいたリルの呟きは何言ってるのとばかりに流そうとするけれど、
「櫻宵! やっぱりレディは力持ちなんだね」
 フレズローゼに褒められたなら、満更でもなさそうな櫻宵である。
「さぁさぁ、私も頑張りましょう。これでも力はある方なんですよ?」
 千織は着物の袖を手早く襷で纏め、気合を新たに。
「オレも手伝う、力仕事は任せろ!」
 ハンドレッドもぐっと拳を握り、それから、スコップでざくざくと雪を集め始める。
「えへへ、皆、手伝ってくれてありがとう!」
 フレズローゼはご機嫌な様子で、一緒に雪を集めて固め、大きな山を。
「あらフレズ、上手ね!」
 櫻宵はそんなフレズローゼをしっかり褒めることも忘れない。
 櫻宵とハンドレッドがどっさりと積み上げ固めた雪を、千織が丁寧に削って形を作っていく。やがて大きな山が出来上がったら、次は中をくり抜いていく。
 楽しげな声に彩られた作業の合間、皆が作っているのを興味深そうに眺めていたリルへ、千織がふと声を掛けた。
「リルさん、かまくらの周りをうさぎさんで飾ってみませんか? 宜しければハンドレッドさんも」
「……可愛い」
「おう、これもうさぎか! 何だか繊細で壊しちまいそうだが、オレも拵えてみるか!」
 千織が二人に見せたのは、手のひらにちょこんと乗った雪うさぎ。リルの瞳が興味深そうに瞬き、ハンドレッドも快活に笑って。
 そうして三人の手で作られたたくさんの雪うさぎが遊びに来たのを見て、櫻宵が、ふと思いついたようにフレズローゼを呼んだ。
「フレズ、お耳はリルにお願いしたらどう? ねえリル、あなた空を游ぐでしょ?」
 櫻宵の『ご指名』にリルの瞳が瞬き、フレズローゼの瞳も煌めいて。
「リルくん! お願いしてもいい?」
 櫻宵とフレズローゼを交互に見やり、リルはこくりと頷く。
「確かに。……うん、やってみる」
 リルは早速、雪を入れたバケツを手にかまくらの屋根の部分へと。
 ゆらゆら游ぎ回りながら、雪を固めて重ねて。二つの耳が出来上がれば、下で見ていたフレズローゼに掛かる声。
「こんな感じ?」
「うん、ばっちり! リルくんありがとう!」
「ふふ、うさぎさんになりましたねぇ。せっかくですからお顔もつけてあげませんか?」
 千織はほわっと微笑みながら、探してきた木の実や枝を用いてうさぎの顔を作っていく。
「千織、うさぎさんのお顔もすごく可愛いわ!」
 櫻宵がうんうんと頷いて、ハンドレッドもスコップを置き、やり切った晴れやかな笑顔でかまくらを見やる。
「よーし、完成っ!」
 フレズローゼが見上げた先、可愛くて大きなうさぎさんのかまくらが、陽の光を浴びて煌めいた。

「みんなお疲れさま! さ、ホットショコラで一息ついて頂戴。甘くて蕩けるわよ?」
 外の冷えた風が遮られてあたたかいかまくらの中。櫻宵は皆にお手製のホットショコラを振る舞う。
「あ、櫻宵のホットショコラ、フローラの分も一杯頂戴! オレが飲んだら、入れ替わって飲ませてやりたいからさ!」
 櫻宵は勿論よと頷き、二人分のホットショコラをハンドレッドへ。
「櫻宵さんのほっとしょこら、優しい甘さでとても美味しいですねぇ」
 千織もほわりと笑み深め、その甘さを楽しむ。
 冷えた体を温めてくれる甘さにフレズローゼは頬を緩め、それから傍らのリルに目を瞬かせる。
「リルくん、美味しそうに飲むね」
「うん、だって、美味しいから。……皆と一緒っていいね」
 美味しくて、嬉しくて。それから、皆と一緒にいられて。
 微笑むリルに、フレズローゼも満面の笑みを咲かせて頷き、櫻宵も嬉しいわと微笑んだ。

 和やかな光景に、ハンドレッドは知らず故郷を重ねていた。
 猟兵になったら、こんな風に純粋に、楽しく遊んだりなど出来ないだろうと思っていたが、今、目の前にある光景と、皆と共有しているこの、時間は――。
「……ありがとうな。あれ、温かくなったせいか、眼から雪解け水が……」
「……ハンドレッド、変にごまかさないで。カッコ悪い」
 少しだけ強引に目元を拭った時には、隠れてしまったハンドレッドの代わりに、フローラが顔を覗かせていた。
 フローラは己のために用意されたホットショコラのカップを両手で持ち、包み込むようにそのぬくもりを感じ取る。
「でも、本当に、温かい。強張った心も、溶けていくみたい」

 お化けはやっぱり怖いと、フレズローゼは思う。
 でも、傍に居てくれる皆が与えてくれる、楽しくてあたたかな、たくさんの想い。
「そっか、……これが、愛なんだ」
「そうよ、きっとね」
 嬉しげに微笑むフレズローゼを櫻宵は優しく撫でながら、彼女や皆の周りにたくさんの愛が満ちることを願う。
「――皆さんに、こんな優しくて暖かい日が沢山訪れますように」
 千織もまた、そうっと願いを重ねて。
 それから徐にスケッチブックと絵筆を取り出したフレズローゼを見て、リルは瞬いた。
「フレズ、絵を描くの? それなら僕は、雪の歌を歌おう」
 リルの紡ぎ奏でる優しい旋律に合わせて、フレズローゼは輝いて煌めく『今日』という日のこの瞬間を、真っ白なキャンバスに描き出す。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
銀の雪に真っ直ぐな足跡つけて
誰もいない、まっさらな場所へ

手に取る雪は冷たくて清冽で、
指先は赤く悴んでしまうけど
どうしてかふれていたくなる
折角だし、雪だるまでも作ってみようか

わらってるの、ないてるの、
羽の生えたの、耳と尻尾の、
とびきりおおきいの……
む、これは一人じゃ少し厳しいみたい

雪だるま(進捗率50%)の影で、
ひっそり蹲って作戦会議
様々な角度から検討した結果、
これが最善!というわけで

ぴょいと影から顔を出して、
誰かが居れば花開くような笑み浮かべ

ね、そこのきみ、雪だるまはすき?

首尾よく出来上がったら、
雪にひっそり名前を刻んでおけるといい
融けて消えるまでの、ほんの少しの間だけ

※アドリブ&絡み大歓迎



 時は少しだけ遡る。
 銀の雪に真っ直ぐな足跡をつけて、境・花世が目指すのは、誰もいない、まっさらな場所。
 両手で掬い上げた雪はとても冷たく澄んでいて、指先はすぐに赤く悴んでしまうけれど――どうしてか、触れていたくなる。
 折角だからと、花世は雪を見つめながら暫し思案顔。それから、宝物を見つけた子供のようにひときわ瞳を輝かせ、手の中の雪をぎゅっと丸め始めた。
 このどこまでも真っ白な、独り占めし放題の雪。折角ならばそれらを使って、雪だるまでも作ってみようかと。

「わらってるの、ないてるの、羽の生えたの、耳と尻尾の、とびきりおおきいの……む、これは一人じゃ少し厳しいかな」
 ひっそり蹲る花世の目の前にはまだ雪だるまとは呼べない雪の塊がひとつ。その進捗率は、およそ半分と言ったところだろうか。
 様々な角度からあれこれ考えつつ作戦会議を続けていた花世だったが、ふと風にそよぐ気配にぱっと顔を上げ、ぴょい、と影から顔を出す。
「ね、そこのきみ、雪だるまはすき?」
「ひゃあっ!?」
 花開くような笑みが向けられた先には、どこかへ向かおうとしていたらしい、通りすがりの妖精の姿。
「……」
「……」
「……すき?」
「ええ、好きよ!」
 びっくりしたと胸撫で下ろすキトリに、花世はにこにこと笑ったまま。
「雪だるまをね、作ってたんだけど。どんな雪だるまがいいかなあって思って」
「なるほど、そうね、それじゃあ……」
 作りかけの雪だるまを前に、今度は二人で思案顔。

 ――やがて。
 小さな妖精と手を振り別れた花世の目の前には、にこにこ笑う雪だるまがひとつ。
 それを見た花世は満足そうに頷くと、ひっそりと雪に名前を刻んで。
 あたたかな想いに触れて、融けて消えるまでの。――ほんの少しの間だけ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


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#アルダワ魔法学園


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト