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アルダワ魔王戦争1-E〜祝え! 真のモフ王のモフみを!

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争 #もふもふ

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●モフモフモフモフ
 モフモフ……。
 モフモフ……モフモフ……。
 モフッ……モフッモフッ……。

 モフッモフ……モ……zzz……。

●心奪いのキノコ森~怠惰の迷宮~
「皆さん、お疲れ様です!」
 ローズウェル・フィリンシア(太陽と月の神子・f09072)が明るい声で猟兵達に挨拶をした。
「ご存知の通り、地下迷宮アルダワにて大迷宮が発見されました。大魔王を倒すべく、私達はこの『ファーストダンジョン』を探索、制覇しなければなりません。私からも一つ、観測出来た場所がありますので、どうかご協力下さい!」
 深々と一礼をすると、では! と元気に頭をあげ、ローズウェルは早速説明に取り掛かった。
「皆さんに向かって頂くのは、不思議なキノコに囲まれた迷宮です。キノコの胞子が充満しているのですが、それには精神に悪影響を与える効果があるようなのです」
 迷宮に足を踏み入れた瞬間、その空間にいる者達は何かしらの『感情』が増大し、どうしても抑えきれなくなるという。
「込み上がる感情を堪えたり抑える事も不可能ではありませんが……それには多大な精神力が必要になるので、戦闘が難しくなるでしょう。それだけ胞子の力が強すぎるようですね」
 では、その抑えきれなくなる感情とは?
「私が案内するキノコの迷宮では、『怠惰』……どうしてもだらけてしまいたくなる感情を強く植え付けられるようです」
 ある者はやる気を失い、眠気に襲われ、戦意すら失ってしまうだろう。辛い戦いになると予測されるのだが……。
「でも、安心して下さい! この胞子、災魔にも効果を発揮するのです! つまり相手も同じ感情を植え付けられているって事ですよ!」
 ローズウェルの声は生き生きとしていた。

「そしてそこには……眠気、だらけ、モフみがパワーアップしたモフィンクスの王、『モフ王』が待っているのです!」

 一部の猟兵達に何かの電流が流れた。モフィンクスの王、だと……?
「モフ王の前で『怠惰』の感情が大きくなれば……恐らく皆さんは抑えきれなくなるでしょう……! そうです、『あのモフみに包まれてだらけたい』と……!」
 心地良い温かさ、柔らかな肌触り、そしてモフモフ。触れれば忘れられなくなるだろう。
「戦場で怠惰となってしまう……確かに胞子の影響は恐ろしいものです。ですが、どうやら与えられた感情を爆発させると良い事が起こる……との報告を聞いております」
 という事はつまり!
「全力でだらけてモフ王にモフモフしたら、何か良い事が起きるかもしれませんよ!」
 ナ、ナンダッテー!?
「とはいえモフ王も災魔の一匹です、油断は禁物ですからね! ……あと、ちゃんと倒して下さいね……!」
 忘れてはならない、これは戦争なのである。時間は有限だ。自分達は先へ進まなければならないのだ。
「では、私からの説明は以上です。『怠惰』の感情と上手く付き合い、この戦いを制して下さい! 頑張って下さいね!」
 ローズウェルは輝くような笑顔を見せ、グリモアを発動させた。


ののん
 お世話になります、ののんです。
 こやつ、モフみがすごい。

 ●状況
 『アルダワ魔王戦争』の戦争シナリオとなります。
 1章で完結します。

 ●戦場ルールについて
 猟兵、災魔問わず全員が『怠惰』の感情を植え付けられます。
 それに抵抗する事は不可能ではありませんが、戦闘行動を行う事が難しくなりますので注意して下さい。

 ちなみに『オープニングで指定した感情を爆発させる』事を行えばプレイングボーナスとなります。
 本シナリオの場合は全力で『怠惰』の感情に心を預けてみると良いかもしれません。
 だらけるついでにモフ王をモフモフしてもしなくても、どちらでもどうぞ。

 ●プレイングについて
 受付期間は特に設けておりません。

 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。

 申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『モフ王』

POW   :    モ?・・・フゥ
自身が戦闘で瀕死になると【玉座から降り、次の順番待ちモフィンクス】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    モッ、フ~~ン
【相手が触れた衝撃に対してモフモフぬくぬく】を籠めた【モフモフボディの反動】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦意ややる気】のみを攻撃する。
WIZ   :    モーーフゥゥゥゥン
【眠気やだらけ】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。

イラスト:RAW

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 キノコに囲まれた迷宮を進むに連れ、猟兵達の心や体から『やる気』が失われていく。足取りも重く、今にもだらけてしまいそうだ。
 そんな辛い探索を続けて10分程だろうか。ヤツと出会うまでにそう長い時間は掛からなかった。

「モフ……モフ……」
 猟兵達の視界に突然、玉座にずんぐりと座ったモフィンクスが映った! やった! 会えた!
「モフ……モフ……?」
 モフィンクスの王、モフ王もキノコの胞子の影響を受けているらしく、玉座に腰掛けたまま眠気と戦っていた。もはや猟兵の存在に気付いているのかすら分からない。
 倒すチャンスではあるが、こちらも精神的に限界だ。どんどんと心が『怠惰』に飲まれていく。

 やる気は出ない。そして目の前には至高のモフモフの塊。
 なんだこれは……『怠惰』なのに別の強い欲求が込み上げてくる……気がする!
真幌・縫
(胞子のせいでいつも以上にふわふわ)
わ〜なんだかぬいぐるみさん達とだらだらごろごろしたい気分になるね。これが胞子の影響かな〜。

モフ王さん名前の通りモフモフだね〜。
わ〜モフモフしたいなぁ。
モフモフするね〜。
(モフモフ)
わぁ、すごくモフモフ〜。

ここにぬいぐるみさんが加わったら最高だよね。
うん、ということでUC【ぬいぐるみさん行進曲】〜。
ぬいぐるみさん突撃〜。
わ〜とっても可愛いね!
(でもしっかりぬいぐるみさんは攻撃してる)

アドリブ連携歓迎です。



 モフ王は玉座に座ったまま、そこから動くという行為など決してしない。故にダラダラし放題なのである。
 それに比べてこちら猟兵達は今までダラダラしたいという欲求と戦いながら迷宮を歩き回り、モフ王を探していた。故にまだ戦ってもいないのに疲労がすごかった。

「わ〜、なんだかぬいぐるみさん達とだらだらごろごろしたい気分になるね。これが胞子の影響かな〜」
 真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)は普段からほんわりとした女の子だが、今回は胞子の影響も加わり更にほんわり感が(ダメな方向に)増していた。モフ王を見るなり、ふわふわした足取りのまま躊躇なく歩み寄る。
「モフ王さん、名前の通りモフモフだね〜。モフモフしたいなぁ」
「モファァ……モーーフゥゥゥゥン……」
「わ~大きなあくび、モフモフな、あく、び……ふぁ……」
 あくびが移り、縫も口に手を当てあくびを一つ。全身が脱力してまぶたも重くなってきた。
「わ~モフ王さん、やっぱり強いなぁ。お返しにモフモフするね~」
 大きく両腕を広げると、モフ王のお腹の辺りに向かって縫は思い切り倒れた。

 もふわわぁぁん……。
「わぁ、すごくモフモフ~。モフも……ふぅ……」
 モフ王と言われるだけあって、至高のモフモフだった。寝息で動く温かいお腹がより眠気を強くさせる。こんなの覚えたら普通の毛布が使えなくなってしまいそうだ……いやそれどころかここから一生動きたくなくなってしまう……。
「モフモフだぁ……あ、そうだ~。ここにぬいぐるみさんが加わったら……最高だよね~……」
 (モフ王と共に)睡魔と戦いながら、縫はぴこーんと思い付いた名案を早速実行する。
「ぬいぐるみさん突撃~。ぬいと一緒に……あ、今回は、ダメかも……」
 ほよん、ほよん。まるまるふわふわした可愛いらしいぬいぐるみ達が次々と召喚され……え、なんか多すぎない……?
 中隊レベルの数のぬいぐるみ達は縫とモフ王を囲み、モフ王をぽこぽこ叩く。縫もモフ王に体を埋めながら両手でにぎにぎもふもふして攻撃してやった。
 それはそれは、怠惰で幸福で平和な時間が流れたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マックス・アーキボルト
意気揚々とダンジョン攻略に繰り出してみたら、「だらけ」で敵と戦うことに…
強制的にだらけることになるし、いいのかな…?

ここは【操り機械人形】を召喚、だらけて敵に接近、モフった数分後に攻撃を開始するようにしよう

僕がだらけていたとしてもマリオネッターが僕をそうさしてモフおうをあ~なんかどんどんやるきなくしてきた
ヘッドホンでおんがくかけながらもふったれ

あとはまりおねったーがなんとかしてよ、ぼくじぶんからなにもやんないよ



 意気揚々としていたのは最初だけだった。こんなはずではなかった。
 そう、想像以上にすごくだらけたくなってしまうのだ。それは機械の体を持つ彼にも、例外なく。

「見つけた……」
 マックス・アーキボルト(ブラスハート・マクスウェル・f10252)はふらふらとした足取りのまま、モフ王へと近付く。モフ王はそんな事お構いなしにうとうとしていた。
「モフ……モフ……」
「何を言っても無駄だ、僕にはマリオネッターがついているんだ」
 マックスの背後には操り機械人形が寄り添っていた。このAI搭載ガジェットに身を預ける事で、自分の体を操って貰うという作戦を用意したようだ。
 『操って貰う』という事は……つまり、そういう事だ。
「逃がさない、覚悟!」
 マックスはモフ王に向かって、顔から思い切り突っ込んだ!

 もっふうううう……ふわぼよん。

 モフ王の体に一瞬マックスの体が吸収された。いや、柔らかすぎて飲み込まれてしまったのだ。一瞬消えた体はすぐさま現れたが、それは既にモフ王の攻撃(?)を喰らってしまった後だった。
「あ、あれ……おかしいなこしょうかな……」
 モフ王のモフみをぎゅうぎゅうと全身で味わうマックス。しかし何やら故障が起きた様子。
 どうやらモフモフボディの反動を受けると、怪我などしないが戦意ややる気が削ぎ落されてしまう効果があるようだ。つまり、怠惰な感情を増幅させてしまうという事だ。
「まぁいいや、あとでマリオネッターが僕をそうさしてモフおうを……あ~なんかどんどんやるきなくしてきた」
 こんな事されたら嫌でも感情を爆発させられる。マックスは全力でモフ王をモフった。顔が埋まって息苦しい気もするが、ミレナリィドールなので息ができなくても大丈夫だ、多分。

 今は全力でこの温かいモフモフとだらだらしたい。
「あとはまりおねったーがなんとかしてよ、ぼくじぶんからなにもやんないよ」
 とうとうヘッドホンで耳を塞ぎ、好きな音楽を大音量で聴き始めるマックス。これで外の音もシャットダウンしてやった。最高である。
 モフ王は最初の一度以降、攻撃(?)をしてくる事はなく、マックスと共に怠惰でモフモフなな時間を過ごした。

 ……数分後、予定時刻を過ぎた為、設定された内容を実行したマリオネッターがマックスを操り始めたのだが、彼はとても悲しそうな表情でモフ王をぺんぺんと叩いていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三上・チモシー
アドリブ連携歓迎

あーなんかやる気出なーい
だらだらしたーい
あっ、こんな所にステキなクッションが! おじゃましまーす

モフ王に乗っかり、安定する位置でゴロゴロ
ついでにモフモフ
だらだらしつつモフれるとか最高だよね(モフモフ)
ここが極楽か(モフモフ)

小腹すいてきたし、持ってきたお菓子食べよう
モフ王さまも食べる? はい、あーん

あれ? もうお菓子無くなっちゃった
『甘糖充実』でモフ王の頭上にお菓子量産
プリンがいいなぁ。噛まなくても食べられるし
あー、移動しないと自分もプリンに埋まっちゃうなぁ
……まあいっか。移動めんどくさい



「あーなんかやる気出なーい、だらだらしたーい」
 三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)は今回参加した猟兵達全員が思っている(思わされている)心境を大声で代弁した。戦争の一環である事は分かっているのに、もうそれどころじゃないのである。
「モフ王ー、モフおーぅ……あっ、こんな所にステキなクッションが!」
 モフ王の御前に着いてからわざとらしく再び叫んだチモシー。おじゃましまーす、と猫のようにモフ王の上へぴょんと乗る。この行動によって彼に残っていた最後の『やる気』は消え去った。
 ごろごろモフモフ、モフ王の体を手でこねこねしながら安定するベストな場所を探す。
「あー……ここが極楽か……」
 まるで湯舟にでも入っているかのような感嘆の声。丁度良い場所を陣取りゴロゴロ。
「この、首? 背中? の辺り……モフモフな上にもちもちしててすごい……」
「モフ……モ……モーーフゥゥゥゥン」
 モフ王は大きなあくびをした。空気を吸うにつれて体が大きく膨れ上がり、空気を吐いた勢いでそれがしぼんでいく。上に乗ってるチモシーの体も静かに上下する。
 先にだらける感情を爆発させたのはモフ王の方だった。モフ王の戦闘力は急激に増大したのだが……。
「……あれ? モフ王、大きくなってる……?」
 気付けばモフ王の体は先程よりも大きくなっていた。そう、モフ王の体も一緒に増大したようだ。
「モフモフ範囲が広くなっちゃった……もう駄目かもー……」
 お手上げだー、と言いたげにチモシーはモフ王の上で夢の中へ入ろうとした。

 ……ぐう。

 チモシーのお腹が小さく鳴った。そう言えばまだ今日はおやつを食べていなかった。
「小腹すいてきた……モフ王さまも食べる?」
 横たわりながらごそごそと持ってきたお菓子を出し、モフ王に話し掛けてみると。
「モフッ……モフゥ……」
 返事が返ってきた。相変わらずモフ王もだらだらしているのだが、鼻の辺りがヒクヒク動いているように見える。気になっているのだろう。
「あ、でも、このお菓子残り少ない……んー、それならこうしちゃおっかー」
 チモシーは人差し指を天井に向けて指す(文字通り、横たわったまま指だけを動かしている)と、空間が歪み、何かが降り注いできた。
「今日のお菓子は……プリンがいいなぁ」
 それは決して不思議な魔法なんかではない。ユーベルコードだ。空間から大量のプリンが降り注いできたではないか!
 モフ王は目の前に落ちて来るプリンを眠りながらだらだらと食べていた。例え顔やお尻にプリンが当たっても、何処となく幸せそうだった。
 勿論、モフ王の背中に乗っているチモシーにもプリンが降って来る。しかしプリンの雨は止まる事を知らない。このまま移動しないとモフ王と共にプリンに埋まってしまいそうだが。
「……まあいっか。移動めんどくさい」
 チモシーは何となく気分がスッキリするまで、プリンを食べてモフモフだらだらする事にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミモザ・クルセイル
※アドリブ、共闘歓迎

◆心情
キノコの所為で何だか…年甲斐もなく朝から休みたいのですが
ああ、モフ王さんもご一緒に

え、モフ?俄然やる気が湧いてきました
何って主に埋まって撫でてお昼寝したい方です!

◆行動
WIZ
モフ王さんのモーフゥゥゥゥンに合わせて
UC「元素周期幻想曲」で攻撃を…

ああっこの大きさ、極上の毛並み!そして襲い来る眠気には勝てません
抱き着かせてください!あとモフらせて下さい!
技能「ダッシュ」で思いっきり加速をつけて飛びつきます
子供は寝て育つんです
むにゃむにゃ、スヤァ…あと1時間…
はっ、今何時ですか?いい夢を見た気がします
すっきりした所で零距離射撃→UCを
暴発しても大きいので何とかなりそうです!



 目を擦りながらミモザ・クルセイル(みもざいく・f00333)はモフ王の元へ一目散に駆ける。
「抱き着かせてください! あとモフらせて下さい!」
 もう眠気も気力も限界なんですと言わんばかり、最後の力を振り絞りモフ王へ飛び付いた。
 極上の柔らかい毛並みと温かさがミモザの全身を包み込む。モフモフに埋もれて思わず幸福を通り越してしまいそうだ。
「あぁ、世の中が大変なのは分かっている、のに……」
 分かっている、全員が分かっている。これはキノコの胞子とモフ王のせいだ。
「全部、災魔と迷宮が、悪いんです……」
「モフ、モフ?……モーーフゥゥゥゥン」
「ふぁ……そうですね、子供は寝て育つんです……」
 モフ王の大きなあくびにつられてミモザも小さくあくび。一人と一匹は完全に脱力すると、
「……モフフ……」
「すやや……」
 夢の中へと入ってしまった。戦争という言葉とは裏腹の世界だった。誰が敵で誰が味方なのか、ここにはそんなもの、ないのかもしれない……。

 しかし現実は残酷だった。残念ながらこのモフ王とも一時の時間でしか触れ合えない。
 悲しきかな、何であいつは災魔なのだろうか。解せぬ。
「……はっ、いい夢を見た気がします」
 かくん、と何かの拍子に目が覚めたミモザ。ただ、意識が戻ってもやる気は戻る訳ではない。
「また、寝ちゃいそうです……うぅん」
 うとうと眠気に負ける前にと、ミモザはモフモフに抱き着き直しながら、そっとユーベルコードを発動した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エンティ・シェア
俺は仕事に来たはずなんだが
まぁ、いいか。たまには休み休みやるか

でかいもふもふに包まれるのもそりゃ楽しいだろうよ
でもこっちにもころころの小さいもふもふが居んだわ
餌時で狼の小さいのを喚んどく
一部を適当に合体させて大きく育てて埋もれられるサイズにしとこう
モフィンクスが空いてなくても大丈夫なように自前で枕を確保したし
存分にもふもふしてだらけてくるわ
あーーー……(もふもふもふもふ)

うんまぁ、倒せって言われてるし、程々のとこで狼達にもじゃれつかせる
攻撃しなくてもいいぞ。じゃれろじゃれろ。噛んだり引っ掻いたりして遊べ
俺も気力があれば加勢するから
気力が…あれば…
…うん、任せるわ

もうこれ倒さなくても良くね?



 おいおい、と最初は眉にしわを寄せていたエンティ・シェア(欠片・f00526)も、時間が経つに連れてどんどんとやる気を失っていった。
「俺は仕事に来たはずなんだが」
 と、ぶつくさ言いつつ重たい足を引き摺るように歩き、モフ王へ近付く。
「あー、これがモフ王……」
 なるほどな、とエンティはモフ王を眺め頷くと、
「これは駄目だわ」
 勝てそうにない事をあっさり認めた。今の自分の心身の状態、そこにこのモフ王が現れた。まさに『人をダメにするモフクッション』コンボだ。
「でかいもふもふに包まれるのもそりゃ楽しいだろうよ……でも、こっちにもころころの小さいもふもふが居んだわ」
 『喚ぶ』というやる気を失う前にと、エンティはユーベルコードを発動する。すると何処からか、ころころと体の小さなもふもふ幼獣がたくさん現れたではないか。
「ん、なんか幼体すぎないか……?」
 確かにこの幼獣、こてんと転びながら覚束無い足取りでエンティの足元へ頑張って近付いては、くっついて離れない。この姿……まさか召喚者のやる気と比例しているのか?

「まぁいいわ」
 もふもふ出来れば何でもいい。幼獣を数匹合体させ、少しだけ成長した狼に育て上げ終えると、エンティのやる気はゼロになった。
 育てた狼を枕代わりにし、モフ王の隣で倒れるように寝転がる。体という体の上や横に幼獣達がわらわらもふもふと集う。難しい事を考えず全身で味わうモフモフは、やはり格別だ。
「いや、俺じゃなくて……モフ王とじゃれて来いって……言っただろ……」
 そうは言うが気分はまんざらでもない。とりあえず堪能していると、ちらりと見えたのはモフ王のお腹と尻尾。エンティは何となく腕を伸ばし、モフ王のお腹を指先で突いてみる。

 ……モフ、ほよん。

 なんか一瞬人差し指が飲み込まれた気がした。けど反動で返ってきた。というか何ださっきの感触は。突いただけなのにやばいモフモフだった気がする。やばい。
「……」
 仰向けだった体を少しだけ起こしたエンティ。獣達は何だ何だとぐるぐる回る。
「……よし、俺も加勢するぞ……攻撃はしなくていいから、じゃれろじゃれろ」
 ずるずると四つん這いでモフ王に近付き、彼はとうとう上半身を思い切り突っ込んだ。
「あーーーー……」
 温もりがやばい、肌触りもやばい。やる気と語彙力が吸収されてマイナスになっていく。
 動かなくなったエンティに代わり、獣達は元気にモフ王と戯れる。獣達は楽しそうにじゃれついていたが、モフ王は若干嫌そうにしていたという。
「……うん、加勢は……気力あれば……もうこれ倒さなくても良くね?」
 悲しいけどこれ戦争なのよね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルス・レヴィナス
※アドリブ等OK

怠惰か
一日中寝て過ごせるなら幸せの極みだがそんな暇は…

・対処
なるほどモフ王とやらを堪能してから撃てば良いんだな?
適度な温度に上質そうな毛皮に眠気を誘う環境なら利用させ…(欠伸)
すまない…ここんとこ寝不足だったんd…

【SPD】
やる気?戦意?「オーラ防御」で守る以前にどっか行ったぜ
良いから俺の寝具になってくれ!寝たい!!後、包まれたい(真顔)
覚悟なら後だ、先制攻撃で良い感じの場所を確保する
出来れば腹とか二の腕とかあの辺の隙間が良い

まあ他にも寝たい奴は沢山いるだろうから適度に切り上げて
隙を見て【ヘッドショット】で借りた部位に礼を込めた一撃を放つ
援護は任せろ

…あの毛皮持ち帰れないのか?



 ざ、ざ、がちゃり。地を踏み歩く音と銃の音。長身の男がキノコの迷宮を歩いていた。
 男の名はシルス・レヴィナス(黒雲穿つ銃手・f25116)。世界の夜明けを護る為に戦う中年……と、よく間違えられてしまう21歳だ。
 今日も煙草(に似た菓子)を口に銜えながら、彼は戦場に参上した。例えどのような条件が定められていようとも、彼は屈しないと心に決めていた。ここに来るまでは。
「怠惰か。寝て過ごせるなら幸せの極みだが、そんな暇は……」

 あった。

「モフゥ……」
 恐らく猟兵にならなければ出会う事などなかったであろう存在。見た事のない怠惰の王が偉そうに玉座に座り込んでいるではないか。
「これが、モフ王……」
 シルスは驚きを隠せなかった。見た事もない存在であった事よりも、そのふかふかそうな毛並みの塊に驚いたようだ。
「道中耳にはしたが、確かに立派な毛だ……」
 モフ王の魅力に惹き込まれつつあるシルス。一歩一歩と歩み寄りながら、彼は呟く。
「あの毛皮を持ち帰れれば良いんだが」
「!!?」
 モフ王の体が若干揺れたような気がした。そして若干眉間にしわが寄っているようにも見えたが気のせいだろう。
 そんなモフ王を気にする事なく、シルスは今にも怠惰に押し潰されそうな心身に鞭を撃ち、銃を片手にモフ王へと接近する!

「良いから俺の寝具になってくれ! 寝たい!!」
 銃を持つ手がだらりと垂れ落ちると共に、シルスの体はそのままモフ王の体へ吸収された。そう、自ら飛び込んだのである。
 ここ数日寝不足だったせいもあっての事か、彼の心は疲れ切っていた。もう限界。そんな所にこんな良いものが目に入ったのならば、もう飛び込むしか選択肢はない。
 モフ王の大きな体が戦意ややる気を吸収している気がするが、そんな事はどうでいい。優しい肌触り、丁度良い温かさ、寝息で静かに上下するお腹、そしてモフモフ。全てが彼にとって初体験だ。
「こ、これは……」
 昔では想像すらしていない事だ。モフ王に肩を抱かれ、モフ王の大きなお腹を全力で抱いている自分がいるだなんて。
「これは、まずいな……」
 いろんな意味で癖になりそう、という意味で。
「怠惰の感情が抜けきった訳ではないが……一時の休憩をありがとうな」
 これ以上怠惰に堕ちてしまう前にと、シルスは未だ重い体を動かし、モフ王から這って少しだけ離れる。モフ王は半分眠っている為か、離れた事には気付いていない様子。
 シルスは名残惜しそうにしつつも、嫌になってしまう前に銃口をモフ王のお腹……だと心が痛んだので、怪我をしないよう毛だけを狙い、銃弾を放った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤカ・ホワイトケープ
あれが、モフ王…
災魔の玉座に座ったモフィンクスが座った事で力を得たと聞く、あの…
何故か目撃情報がほとんど無かった希少な災魔…
ああ…モフィンクスよりもモフモフしてそう…!
よし、全力でモフるわ!(でもダンジョンを進むために、モフ王を倒さないと…)

と言う訳でモフ王さまー、お邪魔しまーす…(全身ダイブで堪能する)
あっ、なにこれ、いい…すごくいい…モフィンクスも良かったけど、こっちはそれを何倍も上回ってて…
う、なんだかわたしも眠くなって…ああ、ちょっとだけモフ王さまクッションでお休みしようかな…
でも、モフ王さまも眠そうだし、何か歌ってみようかしら?(ここでUCを使ってさりげなくモフ王に攻撃する感じで)



「あれが、モフ王……」
 やる気も何もかも失いつつあったアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)。目的のモフ王を発見した途端、目に輝きが戻る。
「災魔の玉座に座ったモフィンクスが座った事で力を得たと聞く、何故か目撃情報がほとんど無かった希少な災魔……!」
 玉座に座るのが面倒くさいんじゃないんですかね、多分。
「兎にも角にも……発見したからにはやるしかないわね!」
 まさに『やる気はないのにやる気が出た』という何ともおかしな状態と化しているアヤカであった。

「と言う訳でモフ王さまー、お邪魔しまーす……えいっ!」
 最初は静かにモフろうと思ったのだが、いざ近付いてモフモフを目の前にすると耐えきれなくなってしまった。全力で休みたい。そんな心の叫びと共にアヤカは思い切りモフ王の胸へ飛び込む。
 もふううぅぅぅん。
「モフウウゥゥゥン」
 モフ王があくびをする為に大きく息を吸い込む。それと共に大きく膨らむモフモフの体。アヤカの全身は徐々にモフモフに沈んでいく。
「あっ、なにこれ、いい……すごくいい……」
 この柔らかさと温かさに飲み込まれてしまったら、間違いなく色々と駄目になってしまう……! 危機と分かっていても、全身の力が抜けてしまって動かないし、心ももう動きたくないと放棄している。キノコの胞子のせいなのか、それとも本心がそうなのか、それを考える事すら面倒になってきて……あぁ……。
「……モフウウァァァァン……」
 と、飲まれながら一人思いに耽るアヤカだったが、すぐに危機(?)は脱する事は出来た。モフ王は息を吸い込み一瞬ぴたりと止まると、再び大きく口を開き、息を吐き出した。大きくなった体はそのまま、膨れた胸やお腹が急激にしぼんでいき、アヤカの体がモフモフから姿を現す。お陰でモフモフ窒息死にならずに済んだようだ。
 ……だからと言って離れるなんて選択肢、ある訳がなく。
「あぁ……さっきのでわたしも眠くなって……うぅ、でも戦い……うぅん……」
 一応、戦わなければならないという意識は微かに残っている。かと言って行動に移す気力なんてさらさらない。もうこのままでも良いやとさえ思える。怠惰の本心には逆らえない。
「そうだ、モフ王さま……眠いのなら、何か歌ってあげましょうか……? わたしも途中で、眠っちゃうかも、しれないけれど……」
 眠気に勝てず、途切れ途切れ話すアヤカ。モフ王は再び大きな深呼吸を行った。それを答え代わりとし、彼女は小さな声で歌い始める。
 ぽつぽつと周囲に現れたのは歌声の炎。否……ゆらりゆれる蝋燭の如き小さな火と呼ぶ方が正しいのかもしれない。熱くもなければむしろ丁度温かい。
 小さな火が揺れる様子を眺め、アヤカの歌を静かに聴き、大きな安心感を覚えたモフ王は完全に眠ってしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

柔らかなモフみ溢れる毛並み…なんと素晴らし…
…い、否。宵に良い所を見せねばならん故俺は斯様な誘惑には負けて居られんのだ…っ
そう抗わんと震えながらも、モフみ溢れる毛並みに引き寄せられるかの様に足が向いてしまう
…俺だけでなく宵も埋もれれば幻滅されずにすむか…?
そう判断すれば宵行くぞと。そう宵の手を引き一直線にモフ王へ共に飛びつきに行こう
矢張り宵には見透かされていたかと照れくさそうな笑みを向けつつ
もっふりとした毛並みに身を預け宵と共に思う存分怠惰に過ごす…も
途中転がり落ちかければついぞ漏れ出た【穢れの影】ががっちりとモフ王を掴んでしまうやもしれん
…仕方ない…宵。その、攻撃は頼んだぞ?


逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と

あぁ、すばらしきモフみ……
それは天上の雲のようにやわらかくふわわかで、天女の羽衣のように肌触りすばらしく、ひと目見た瞬間触れずにはいられないのです……
モフ王さまを眺めつつうっとりと讃えていれば手を引かれ
モフ王さまにもふーーんとモフりに行くことでしょう

ふふ、ザッフィーロ君が何を考えているかはオミトオシでしたよ
モフ王さまをモフりたくて仕方がなかったんでしょう?
モフりたければモフルと良いのです……ともっふもっふその羽毛の如き柔らかさを堪能しつつも
声をかけられればごろんと転がり落ちてから頷いて
【天撃アストロフィジックス】でぽてんぽてんとモフ王さまに流れ星を落としましょう



「ザッフィーロ君」
 その呼び掛けで振り向いたのは何度目の事だったか。
「な、なんだ……」
「いえ、あまり見ない面白い表情をしていたもので」
 そう揶揄ってみたものの、そうなってしまう気持ちは痛いほど分かる。
 怠惰の感情を植え付けられて、こんなものを目の前にすれば、誰だって変わってしまうだろうから。

「モフウウゥーーーーン……」
 なんて立派なもふもふだ。それ以上でも以下でもない、まごう事なき立派なもふもふ。
 これがモフ王。想像以上に手強そうな相手だ。流石『王』の称号に恥じない立派な容姿だ。
「(いや、しかし)」
 ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)はモフ王を見つめながら、キノコの胞子の影響で回転が鈍くなった脳を無理矢理フル回転させようとする。
「(宵に、良い所を見せねばならん故、俺は……斯様な誘惑には負けて居られんのだ……っ)」

「ザッフィーロ君」
 再びの呼び掛けが背後から耳に入る。……ん、背後から?
「そんなにモフりたくて仕方がないのですね」
 置いていかれた逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は苦笑いを見せた。否、面白くて普通に微笑んだつもりなのだが、怠惰の感情のせいでそう見せてしまうらしい。どうしても乾いた笑いが意図せず口に出てしまう。
 だって、あまり見掛けない顔付きのままモフ王へ一人引き寄せられている様子を見てしまったら、笑えない訳がない。
「ふふ、ザッフィーロ君が何を考えているかは、既にオミトオシです。モフりたければ、思う存分モフれば良いのです……」
「……違うのだ宵、これは無意識に……っ!」
「何を慌てているのです? ふふ、では僕も謁見しましょうかね……」
 ちょっと怖そうにそう呟きつつ、宵も怠く重い体を引き摺るように歩き出し、ザッフィーロの後を追う。いざ彼もモフ王の前へ足を止めると。
「あぁ、すばらしきモフみ……」
 溜め息混じりに囁く宵。心なしか目が輝いているようにも見えてくる。
「天上の雲のようにやわらかくふわわかで……きっと天女の羽衣のように肌触りもすばらしいのでしょう。ふふ……」
「……」
 モフ王の姿にうっとりする宵に、ザッフィーロは横から驚きの視線を向けた。もしかして自分と同じくらい(或いは更に上かもしれない)モフり欲が強かったのではないか? と。
 さっきは『僕よりモフ王を取るんですね浮気者』的な叱りかと思っていたが、どうやら違うようだ。少しだけ安心したザッフィーロであった。

 にしても、モフ王を前に戦意は一向に湧き出ない。見ていると全てがどうでも良くさえ思えてしまう。が、モフりたいという欲求だけは何故か消えていかない。不思議だ。
「モ……モフ……モーーフゥゥゥゥン」
 そんな事を考えていたら、突如起こったのはモフ王の大きなあくび。間の抜けたそれを思い切り喰らってしまった二人から、力という力が急激に抜けていく。
 まずい、いくら『怠惰を爆発させろ』と言われても、モフれずこの場でだらけて倒れてしまうのはよろしくない、駄目だ。後悔の残る戦いなど行いたくはない!
「宵行くぞ」
 ならば全てを投げ出す前に、と。ザッフィーロは突然宵の腕を掴み、その体を力強く引っ張った。
「な、何を」
 もっふううううううううううん。

「……こ、これは……」
 宵は目を丸くした。気付いた時にはもふもふとした巨大な何かに全身を包まれていたのだから。
 手から、頬から、もふもふふわふわとした温かく柔らかい毛の感触が伝わってくる。
「これが、モフ王だ」
 隣に倒れるザッフィーロは頷いた。宵の腕を掴んだまま、何処か恍惚そうな表情を浮かべながらもふもふを味わう。もしかするとこのまま永眠してしまいそうな気がした。
「これは……何とも強敵ですねぇ……」
 こうなってしまったのはキノコの胞子のせいだ。今はそういう事にしておこう。宵も考える事をやめ、モフ王のもふもふに勤しんだ。

 しかし残念ながら怠惰の時間は長くは続かず。それは神の悪戯か、それとも――。……と書いたが彼らはヤドリガミだった。神だった。
 原因は背の高さであった。モフ王へ寄せている身が少しずつずれてきていた頃。とん、とザッフィーロのつま先が床へ当たった。
 瞬間、足元から現れたのは黒い影。複数の腕へと形を変え、何かを求めて伸びて行く。
 モフモフモフモフ。モフモフモフモフ。
 勿論、黒い影の腕が行き付く先はモフ王だった。捉えているというかすごいもふもふしているように見える。
「ザッフィーロ君……それはもふもふへの罪と穢れですか……?」
「……宵。その、攻撃は頼んだぞ?」
 少し頬を赤らめたザッフィーロを横目に、
「やれやれ、ですね」
 ずるりと体を少しだけずらし、宵は流れ星を呼び寄せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

阿瀬川・泰史
なるほど。
なるほどなるほど。
これはいいもふもふですねぇ、だらけたくなるのも無論ですが、あのもふもふに埋もれてだらけたい欲求がマッハですねぇ。
というか埋もれさせてくださいもふもふに包まれて寝たい寝るぞ。

ということでモフ王のもふにもたれかかって酒盛りです。
「こんな具合のいい布団があるってなったら、埋もれるのが人間の正しい姿ってもんですよねぇ」
徳利の中の日本酒をきゅーっとやりながら、もふ王のもふもふにもふっ
「あぁ、至福……」
このままふーよふーよ、と宙に浮かんでいたいですねぇ
ということでサイコキネシスでモフ王を浮かべて迷宮の壁にドシーンとぶつけましょう。
戦闘ですよ、えぇ。

連携・アドリブ歓迎です



「なるほど……なるほどなるほど」
 阿瀬川・泰史(酒と杯さえあればよし・f02245)は満足するかのように何度も頷いてみせた。
「これはいいもふもふですねぇ」
 勿論、彼が眺めているのはモフ王だ。文句の言いようのない大きさ、どっしりとした容姿、そしてあのモフみ。良かった、ここまで苦労して来た甲斐があったというものだ。
 植え付けられた怠惰の感情のせいで既に疲労困憊だ。モフ王と出逢えたからにはさっさとだらけてしまいたい。
「さて、今回の肴はもふもふ……さぞかし酒も美味いでしょうねぇ」
 穏やかそうな口調にも限界が垣間見える。嫌になる前にと早口早足でモフ王へと近付き、手の届くところまで辿り着けば、くるりとモフ王に背を向け、
「では、失礼」
 背中から思い切り倒れてみせた。モフ王の体は快く受け入れてくれたようで、泰史の体はどんどんもふもふ沈んでいく。
 触り心地は言わずもがな。何とってもこの柔らかさが素晴らしい。寝息で微かに動くお腹など、触れているだけで自分も眠くなってしまいそうだ。やる気というやる気が消えていくのが自分でもよく分かる。
「あぁ、いやはや……こんな具合のいい布団があるってなったら、埋もれるのが人間の正しい姿ってもんですよねぇ。……ですが」
 完全にやる気がなくなる前に……『いつもの』は準備しておかないと。

 ことん。手の届く丁度良い場所に置かれた徳利とお猪口。徳利から注がれるそれは日本酒。零れないようお猪口をゆっくり運べば、まずは一口。
「……ふぅ、強くなく終始爽やかな味わい。これは肴と相性ばっちりですね」
 片手にお猪口、もう片手でモフ王のもっちりお腹をもふもふ。そう、これを実現する為にここまで来たのだ。これでミッションはクリアしたも同然だ。
 もし寝落ちてもモフ王のもふもふでもふもふしてもふもふ眠れる。それだけ好き勝手に過ごせるだなんて、一時とはいえなんと至福な時間だろうか。

 サクラミラージュ産の日本酒が良い具合に進んだ中、程良いもふもふ温もりが泰史の眠気を促進させる。
「すみませんねぇモフ王……今日の僕は寝相が悪いかもしれません。先に謝っておきますね」
 そうモフ王に話し掛けると、泰史は完全に眠る体勢に入ってしまった。モフ王は気にせず寝息を立てていると。
「……モ、モフ……?」
 何か違和感を感じ始めた。少しだけ夢から現実へ戻って来ると……なんと自分の体が空中に浮いているではないか。
 玉座から離れてしまったモフ王(それはただのモフィンクスかもしれないがあえてそう呼び続ける)は慌てる……なんて事はなく、寧ろ揺られて気持ち良さそうだった。空中に浮かぶ泰史の体はモフ王の背中の上に着地し、埋もれていくのだった。

 その後、泰史が寝ぼけたのか、モフ王だけが突然ドシーン! と玉座の上へ落ちてしまい、角に当たった腰を痛めて何処かへ消えてしまったのは内緒である。残された玉座には順番待ちをしていたモフィンクスが玉座に座ったので、まだ暫くもふもふタイムは続いていくようだ。やったね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

あらぁ、また立派なもふもふだコト~
ふふ、だらける怠けるは大得意~

握った手の内から【黒嵐】起こし、影狐のくーちゃんを喚ぶわネ
もふさならこのコも負けてない……あ、攻撃はまだダヨ
たぬちゃんの後をてこてこついていき
モフ王へもふっと背から寄りかかる
そうしてお腹側にくーちゃんを乗せればもふもふサンドイッチの完成
あ~最高~
たぬちゃんも死なない程度にねぇ~

にまにまうとうとしながらモフ王のモフ腹をむにむに
気付いたら傍にいたたぬちゃんもいっしょにもにもに
ふふふ~、じゃあくーちゃん
適当なところでぐるっと回って旋風起こしといてね
寝ながらがじがじ齧りついて『生命力吸収』くらいは出来そうねぇ


火狸・さつま
コノf03130と!!

「もふぃーー!!
元気良く、モフ王へ突撃!!
もふもふもふーっと堪能
だら~~んくて~~~ん
「おれ、ずと、ここ、うもれとく……
その言葉を最後に
ぽひゅりと狸のような色合いの狐姿に変化
そうなれば人語も話せず
きゅャ~ん
こャ~ん
と甘えた声で
すりすりもふもふだらだらうとうと………
!(ハッ!コノちゃんが、もふぃ、撫でて、る!)
きゅ…!!(俺も俺も…!)
立ち上がるのも億劫なれば
ころころん転がってコノの手元へ
きゅ……(もふって
今、冬毛もふもふ、だよ
にくきゅーでてちてちたっち

きゅ…
幸せごろごろだらだら
きゅヤ…(『おやすみ』)
【安息を】

きゅ…?(代替わり?)
新なモフィが来たらまたもふるもふる
大歓迎



 強制的にだらけてしまうと分かっているのならば、最初からその心意気で挑めば良いだけだ。
 だらけるのは大得意! と意気揚々に迷宮に挑んだのはコノハ・ライゼ(空々・f03130)と火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)。
 最初のうちはまだ気持ちに余裕があったのだが……進むにつれて怠惰の感情が強くなっていき、途中では『モフ王も別にいいかな……』なんて一瞬考えてしまった事もあったけれど。待望のモフ王と出逢えた瞬間、二人の(心の中の)耳と尻尾がぴこーんと真っ直ぐに立ち上がった。
「もふぃーー!!」
 疲れた、もう何もしたくないと言わんばかりに真っ先に突撃したのはさつま。コノハよりも先にモフ王を堪能すべく背中へダイブ。一瞬にしてもふもふに飲み込まれていった。
「あらぁ、また立派なもふもふだコト~。ちょっとたぬちゃんズルくない?」
「もふぃ~~……」
 コノハの声は聞こえているのかそうでないのか。普段よりも更にやる気と語彙力が失われたさつまは、
「おれ、ずと、ここ、うもれとく……」
 ぽひゅり。遺言を残して巨体は消え、小さな狸色の狐だけがそこに残されていた。
「あらまぁ……う~ん、そしたらアタシはこうしちゃおうかしら?」
 おいで、とコノハが呼び出したのは影狐のくーちゃん。何処となく毛並みがふわふわしているのは……冬毛だからだろうか?
「どうせだらけるなら思いっきり! もふさならこのコも負けてない……あ、こらこら攻撃はまだダヨ」
 ぎゅ、とくーちゃんを抱っこすると、コノハはモフ王へ近付き背中からダイブ。もっふりと体が包まれていく。
「うわぁなにこれ……やわらか、あったか……あ~モフモフ最高~……」
 背中にはモフ王、そして腕の中にはくーちゃん。至高のもふもふサンドイッチにコノハは思わず意識が何処かへ飛んで行きそうになったという。

「こャ~ん……みャ~……」
 一方、モフ王の背中に何かが沈んでいた。狐姿のさつまである。己の心の赴くまま、自由奔放にもふもふごろごろと体を転がしていた。しかし、体を動かしていたのも束の間、突然さつまの体は動かなくなる。
「み……きゅャ……」
 あまりの気持ち良さに眠気が襲ってきたらしい。さつまはうとうとと夢の世界へ入ろうとしていたのだが。
「……!」
 ふと偶然、コノハの頭部が視界に入った。いや、決して忘れていた訳ではない、決して……なんて思いつつ、だるい体を這うように動かし、上からコノハを見下ろしてみる。
「!」
 コノハがモフ王のお腹をもふもふしているではないか! しかもくーちゃんも居て、全身もふもふに包まれている!
「きゅ……!!」
 俺はここだと叫びたいが、狐姿では言葉を話す事は出来ない。かと言ってもう叫ぶ気力は残っていない。どうするべきか。

「ずっとこのままだと良いのになぁ~」
 なんで敵側なの? とコノハは文句を吐きながらひたすらモフ王をもふもふした。くーちゃんの頭もめいっぱいなでもふしてあげた。
「あぁ、こうやって足止めするから敵側なのかしら? それじゃあ仕方ないわね~」
 なんて一人で話し掛け続けていると、そこへ突然、ぽてん、と何かが頭上へ落っこちて来たではないか。
「きゅ……」
「あらお帰り、たぬちゃん」
 正体はさつまだった。転がり続けてコノハの元へ落ちて来たようだ。さつまはコノハの頭上でぺたんと潰れると、小さな手で頬を叩き始めた。
 相変わらず言葉は発せない。しかし、鳴き声と仕草さけでもコノハには全てが伝わる。
「はーいはい、たぬちゃんも良い冬毛ね~。モフ王の上はどうだったの?」
 頭や首元、背中を撫でられるさつま。思わず気持ち良さそうな声を漏らし、とても満足気な笑顔を浮かべる。そうなってくるとやはり再度訪れるのは眠気。さつまは無意識に浄化の炎を召喚すると、モフ王や自分達の周囲を優しく照らしたまま眠りについた。

 その後、右手で頭上のさつまを、左手でくーちゃんをモフり、そして背中(ほぼ埋まっているので全身とも言える)でモフ王を味わい続け……。コノハはこれまでにない至高の怠惰を満喫したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェル・ドラグニエル
うーん…。かなり迷宮を探索したからか、ものすっごくだらけたーい…。大の字になって寝転んでぐっすりねたーい…。

って、あれがモフ王…!?
モフィンクスはさっきお風呂に行った時に見かけて戯れたりしたけど…モフ王…とっても大きぃ…。モフ王を枕にして?寝たらさぞ気持ちいいんだろうなぁ…。

あ、でもここは戦わないと…でも、モフ王でもふりながら寝たいかも…
えぇい!何はともあれ、ユーベルコード"竜技・天竜飛槍撃"を発動!
鎧姿に変身して突げ…ぐぬぬぬ。眠気に抗えな…い…zzz(スヤァ…)



 フェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)も他の猟兵達と同様、心身共に疲れ切っていた。迷宮そのものは複雑ではないのだが、『怠惰』という感情が酷く探索の邪魔をしてくるのだ。
「うーん……ものすっごくだらけたーい……。今すぐ大の字になって寝転んでぐっすりねたーい……」
 もうモフ王なんて……諦めちゃおうかなぁ?
 フェルが頭の片隅でそんな禁忌を過らせていたその時だった。

「モフウウァァァァン……」
「! この声は……!」
 聞き覚えのある鳴き声が聞こえれば、俄然やる気も少しだけ回復したというもの。もう少しで会えるかもしれないとフェルは大急ぎで走る。そして、とうとう発見してしまった。
「モフウゥン……モフゥ……」
「うわっ、あれがモフ王……!?」
 見た目だけなら『玉座に座ったモフィンクス』なのだが、普通のモフィンクスと比べて高級感が溢れているような、そして体も大きいような……。
「あのもふもふを枕にして寝たら……さぞ気持ちいいんだろうなぁ……」
 ふらふらと無意識に動くフェルの足。モフ王に引き寄せられるように近付いていくのだが……。
「……あ、でもここは戦わないと……!」
 ぴたりと足が止まった。そう、これは戦争の一環なのである。モフ王は倒さなければならない存在なのだ。
「うぅ、早くユーベルコードを……えぇい!」
 と、威勢良く掛け声だけは出してみるものの。
「……あぁやっぱり駄目だぁ、眠気が……」
 怠惰を振り切る事など出来なかった。そのままふらりとモフ王の方へ倒れてもたれ掛かる。
 もっふうううううん……。
「えっ? なにこれ、なに、これ……もふ……すごい……!?」
 フェルは覚えてしまった。モフィンクスの王、モフ王のモフみを。
 柔らかく、温かく、そしてもっちり。そんなモフ王の体に自分自身が包まれているのだ。モフィンクスにはないもふもふがここにはあった。
「わぁ、こんなの……ダメだっ、て……」
 至高のもふもふに竜騎士は骨抜きにされてしまった。ほんの僅かに残った最後の抵抗として銀竜槍でちくちく突いてみたのだが……聞いているのかどうかは分からなかった。

 短い時間ではあったが、フェルはモフ王と共に怠惰で平和な睡眠時間を過ごすのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミスト・ペルメオス
【WIZ】

感情を爆発させる。
つまり今回は…すごいもふもふを相手に、思い切りだらけろと…!?(そわそわ)

歩兵装備を纏って参戦。オブリビオンとの戦闘なので、何であれ備えはしっかりと。
…とはいえ、今回は装備が活かせるかどうかは別。
敵との遭遇後、戦場の特性ゆえに欠けてしまっている戦意がさらに無くなるのを感じつつ。

もふもふだ…ッ! もふもふだろう!? もふもふなら、もふもふさせろ…ッ!

(なんかよくわからないことを口走りつつ)ふらふらと敵に迫り、
そのままダイブするかのようにもふる。盛大にもふる。
遂には【サイキック・プレッシャー】で敵の身動き封じてまでもふろうとする。

※他の方との共闘(?)等、歓迎です



 どのような戦場であろうと、装備だけは怠らない。しっかりと準備を整えてから迷宮に挑んだミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)だったが、想像以上に膨らんでいく怠惰の感情に、とうとう弱音を吐いてしまう。
「……こんな状態で、戦いなんて……」
 何故ぼくは普段通りの装備で来てしまったのか。武器一つで他はいらなかったんじゃないのか。いや、寧ろ戦うフリをしてだらけてしまえばいいのではないのか? そうとさえ思ってしまうほどミストの戦意は一歩一歩進む毎に削れていった。
 自問自答を繰り返しながら歩く事10分と少し。奴は現れた。
「モフ……モフ……」
 玉座に座った大きなモフィンクス。間違いなく今回の目標、モフ王だ。
 ミストはモフ王を見るなり、今まで重かった足取りに最後の鞭を撃ち、全力を振り絞りモフ王へと突撃する。
「もふもふだ……ッ! もふもふだろう!? もふもふなら、もふもふさせろ……ッ!」
 頭の中と欲求がもふもふ一色へと変わってしまった。もう自分でも満足するまで止める事は出来ない。
 普段ならば、敵の目の前でこんな無防備なダッシュなど行わないだろう。かと言って相手をなめている訳でもない。『そうせざるを得ない』のだ。
「お、っと」
 疲労のせいか、ふらついていた足がもつれてミストは転んでしまった。ただ、幸いな事に転んだ先にはモフ王のお腹がどっしりと待ち構えていた。
 もっふううぅーーーん。
 戦場で転ぶなど決して起こしてはいけない行為の一つだろう。転んで幸せだった……なんて思う事のは、モフィンクスかモフ王が相手である時くらいかもしれない。
「うわっ……これが、モフ王のもふもふ……ッ!」
 お腹に埋もれてもふもふする姿に戦士の面影はなく。そこにはただ、年相応の少年がいるだけだ。
「もう少しだけ……いや、ずっとこのままで……」
 丁度良い温かさが眠気を促進させる。いずれは離れなければならない事は分かっていながらも、心身が言う事を聞いてくれない。
「モファ……モ、モフ……?」
 しかし、もふられ続けているモフ王は自身の体に違和感を感じていた。寝る体勢を変えようとしたのだが、妙な事に体が動かない気がするのだ。
 その原因はミストのユーベルコードによるものだったが……モフ王もミスト本人も、それに気付く事は最後までなかったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
ふあぁ…すっごく眠い…
恐るべしもふもふの魔力(そっちじゃない

翼の【空中浮遊】でふよふよ接近
もふ王さんー、お口開けて?
従ってくれたら甘くて美味しい★Candy popを一口
えへへ、美味しい?僕のとっておき手作りキャンディ
気に入ってくれたかな?
それじゃあちょっとお願いがあるんだけどぉ…

もふ王さん、上に乗って一緒にまったりしてもいいですか?

許されたならありがたく埋もれさせてもらいはにゃーんな幸せ顔
はぁ…しあわせですぅ…♪
ご機嫌のままに奏でる【催眠歌唱】の子守歌で【指定UC】
いっぱい眠ろう
安らかに、幸せなまま
【優しい祈り】は風の流れを穏やかにさせる
痛みなど感じさせないまま
【破魔】の輝きで暖かな浄化を



 我慢できないあくびを何度も見せ、目を擦りながらモフ王へと近付く栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。ふわふわと飛んでいるが、文字通りふわふわふらふらと少々危なっかしい飛び方をしている。
「うぅ、すっごく眠くて……恐るべしもふもふの魔力……」
 キノコの胞子? なんですかそれは。あれもこれも全部モフ王のせいですよ、間違いない。
「ねぇもふ王さんー、お口開けて?」
「モフ?」
 澪が顔を近付け声を掛けると、モフ王は素直に口を大きく開けてみせた。そこへ手に持った小瓶から一粒、可愛らしい飴玉を取り出しモフ王の口の中へと優しく投げ込んだ。
 あむ、とモフ王は口を閉じると、少しの間口をもごもごと動かし……
「……モッフウウウゥン」
 大きな鳴き声を空間中に響かせた。眠たそうな表情は相変わらずだが、鳴き声の雰囲気からは満足気である事が窺える。その証拠に澪に向かって口を開き続けている。次の飴玉を待っているようだ。
「美味しかった? 僕のとっておき手作りキャンディなんだ、気に入ってくれたようで良かった」
 素直な嬉しさとモフ王の可愛らしさに、えへへ、と思わず微笑む澪。
「うん、何個でもあげるよ。ただそのぉ……ちょっとお願いがあるんだけどぉ……」
 もじもじと体を揺らす澪。そう、忘れてはならない。彼はもう限界だった。目の前にして我慢なんてもう出来ない。あぁ、早く……!

「もふ王さん……上に乗って一緒にまったりしてもいいですか?」

「モーーフゥゥゥゥン……」
 モフ王は返事代わりに大きなあくびを澪に思い切り浴びせると、もふもふもこもこと体を膨らませ始めた。更に大きくなった体を少しだけ屈めるような動きを見せると、澪に向かって再度口を開いて飴玉を待ち始めた。
「ふあぁ……乗って良いの……? えへぇ嬉しいなぁ、ありがとう……♪」
 あくびを移された澪は新しい飴玉をモフ王の口へと差し出すと、ふわふわと飛び上がりモフ王の背中へとダイブする。
 待ちに待ったモフ王のもふもふ。そんな柔らかい毛並みに沈んでいく自分の体。こんな極上のものに手足なんて全く出せない……物理的にも……。
「はぁぁ……しあわせですぅぅ……♪」
 それでも良いと、心の底から彼は思った。今は、今だけは、モフ王と共に何もせず、ただ惰眠を貪りたいと……。

 モフ王が3個目の飴玉を楽しみ終えた頃、モフ王の周囲には一面の花畑が広がっていた。背中の上で寝転がる澪の子守歌に合わせて、花達は頭を揺らし、花びらを宙に浮かせる。
 ゆらりゆらりと花達を眺めていると、徐々に穏やかな気持ちになっていく。今このまま眠れば、とても気持ち良く眠れるだろう。モフ王は澪に再び飴玉を催促すると、口の中でころころと転がしながら、夢の中へと飛び立ってしまった。

 どれくらい経ったかは覚えていない。気付いた頃にはモフ王の姿は何処にもいなかった。どれだけ探しても玉座すら見当たらない。あのもふもふは何処へ行ってしまったのか? それとも幻影だったのか?
 そうだったとしても、猟兵達ははっきりとこれだけは覚えていた。あのもふもふの感触と温かさを。モフ王と再び何処か別の形で出会える事を願い、猟兵達は戦争という名の現実へと戻るのだった。

 モフ王は消えても怠惰の感情は消えず、迷宮から抜け出すのに酷く苦労したのは……また別のお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月08日


挿絵イラスト