「疲れてるのかな、俺」
浜辺の散歩を日課にする青年は、顔を引きつらせながら立ち尽くしていた。
「わしは女性用水着が欲しいんだ!」
波打ち際、海に向かって叫ぶのは競泳水着を身にまとい、背負った籠へ大量に他女性用水着を入れたオッサン。手に持った棒にも女性用水着がぶら下がってるのを見ても関わり合いにならない方がよさそうな人物であることは明白であり。
「帰ろう、帰って寝よう」
くるりと回れ右した青年の判断はおそらく間違っていなかった。なぜならそれは変質者ではなく、邪神であったのだから。
「UDCアースの世界で人間の『噂』で増殖する、驚くべきUDCが発見されたのはご存じですか?」
フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)によるとその一体がとある海岸に出現したのだという。
「『感染型UDC』と呼称されたそれは、それを見た人間、それを噂話やSNSで広めた人間、その広まった噂を知った人間全ての「精神エネルギー」を餌として大量の配下を生み出すようなんです。ですから――」
大至急対処しないと、致命的なパンデミックを引き起こしかねない。
「引き受けてくださるのでしたら、申し訳ありませんけどすぐに現場に転送させてもらいます」
時間的猶予がないのだから、仕方ないといえば仕方ないのだが。
「噂を知った人々の精神エネルギーが弱いものの数の多いUDCという形で第一発見者とその周辺に発生するようですので、まずはこれを倒す必要があるんですよ」
もたつけば第一発見者が犠牲になり、第一発見者を殺害したUDCが拡散すれば周囲に被害が出かねない、ということなのであろう。
「最初の戦場は人気のない町はずれの国道になります」
現れるUDCは水中でも空中でも泳ぐことが出来る群体型デビルズナンバー、六二五『デビルズナンバーいわし』だ。
「海が近いことを鑑みると、らしいといえばらしいUDCですよね」
第一発見者を守って首尾よくこのUDCを倒すことができたなら、次は第一発見者から話を聞いて感染型UDCの目撃現場に向かうことになる。
「それで現場である海岸なんですが、既に怪奇現象によって変貌してしまっているようなんです」
なんと、まだ夏には早いというのに魅力的になるという触れ込みで嫉妬教団が正体を隠し海の家で水着を販売しているのだとか。
「水着には海でカップルがイチャつくと鉛の様に重くなり沈むという呪いがこめられてるそうでして――」
噂を聞いて海岸に足を運んだカップルが、暖かくなってきたからと水着を購入して少し早めの海水浴を楽しもうとして溺れかけるといった海難事故が発生しているという。
「この事件を解決するか嫉妬教団メンバーから情報を手に入れてたどれば、大本の感染型UDCと遭遇できるはずです」
水着弁慶というその邪神は、女性用水着を1000枚集めると可愛い男の娘になれると思い込んでおり、海岸やプール等で女性を襲っては水着を奪うのだとか。
「なんでこんなモノの出没する噂を聞いてやってくる人がいるのかは僕もちょっと理解に苦しむんですけど……怖いもの見たさとかなんでしょうかねぇ?」
尚、水着弁慶の理想の男の娘は華奢で中性的な顔立ちで、男女どちらにもモテるタイプだという。
「いずれにしてもと言うか、いろんな意味で放置しておけませんから」
ご協力よろしくお願いしますねとフェリクスは頭を下げたのだった。
聖山 葵
本当にあったかくなってきましたよね。
という訳で、今回は第一発見者を守りとある海岸に発生した感染型UDCとその配下を退治していただくお話となっております。
尚、嫉妬教団については怪奇現象の一部のようなので、感染型UDCが倒されると消滅する模様です。嫉妬教団員から水着を購入していた場合、同様に消滅する可能性もあるかもしれません。
では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『六二五『デビルズナンバーいわし』』
|
POW : 悪魔の魚群(デビルフロック)
全身を【「デビルズナンバーいわし」の群れ】で覆い、自身の【群れの大きさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 悪魔の犠牲(デビルサクリファイス)
対象のユーベルコードに対し【数十匹のデビルズナンバーいわし】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : 悪魔の共食(デビルカニバリズム)
戦闘中に食べた【犠牲となったデビルズナンバーいわし】の量と質に応じて【悪魔の力が体に凝縮され】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:井渡
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高柳・零
WIZ
えーと…これ本当に邪神がやってるんですか?どちらかと言うと、宿敵主が黒幕のような…。
とにかく、先ずは不幸な発見者の方を保護しましょう。
「とうとうRB団はイワシまで使うようになりましたか…。あ、そこの人。ぼっちなので大丈夫だとは思いますが、一応自分の後ろに居てください。そいつらから守りますので」(超失礼)
オーラを発見者にがっちりと被せ、盾で自分の身を守ります。
「な⁈ぼっちまで狙うなんてRB団の風上にも置けませんね。これは全力で成敗しますよ!」
剣でソニックブームを起こし(範囲攻撃)共食いされない様に間引きつつ、天からの光で群れを焼きます。
強化されたら10本の光を纏めて対応します。
アドリブ歓迎
日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません
いわしのUDC!?
まあ、弱い魚って書いて鰯って読むくらいだし、さすがにボクでも勝てるよね?(フラグ
UCを使い、イワシの弱点である大型の魚系モンスターを召喚
しかし、現れたのはカツオ頭で股間に鰹節を生やした筋肉男
『ハッハッハ! アイアム、カツオメェン!
「うわぁ、またこれなの!?(以前に襲われた経験あり
敵の放ったイワシを豪快に食べまくるカツオメェン
しかし、満腹になると満足して攻撃を中止
『ふぅ、それでは食後のエクササイズだ!
「え、ちょっと……うわぁぁぁ!
哀れ、物影に連れ込まれ、『アッー!』なことをされる蒼
尻と口にイワシが突き刺さっても構いません
「えーと……それ本当に邪神がやってるんですか? どちらかと言うと、宿敵主が黒幕のような……」
困惑を道ずれに転送され、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)の視界は切り替わる。耳をすませばどこからか波の音が聞こえてきそうな町はずれ。
「ああ、そうでした。とにかく、先ずは不幸な発見者の方を保護しましょう」
「ん?」
まっすぐ続くアスファルトに立って零が周囲を見回せば、目に留まった青年が声を上げ。
「っ」
何もない場所から、それらが姿を現したのは零が保護対象に近寄り、新たな猟兵が転送されてきた直後であった。
「いわしのUDC!?」
空を泳ぎ群れを成すUDCの形状を見て声を上げたのは、転送されてきたばかりの日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)。
「まあ、弱い魚って書いて鰯って読むくらいだし、さすがにボクでも勝てるよね?」
一瞬驚きに立ち尽くしながらも気を取り直すなりある種のフラグを立て。
「とうとうRB団はイワシまで使うようになりましたか……。あ、そこの人。ぼっちなので大丈夫だとは思いますが、一応自分の後ろに居てください。そいつらから守りますので」
割と失礼なことを言いつつも零は青年の前に盾を構えて立ちふさがる。
「うぅ……今回は、変なのが出ませんように……」
零が保護対象は任せろとばかりに立つのであれば、更にフラグを構築しつつ攻撃に出たのは蒼だった。
『ハッハッハ! アイアム、カツオメェン!』
蒼によって召喚されるなり笑い声をあげたカツオ頭の筋肉男は立てた人差し指で天を指し示し。
「うわぁ、またこれなの!?」
嫌な思い出でもあるのか呼び出した蒼の顔が引きつり身体が仰け反る。
「そういえばイタリア語でカツオって……」
ぼそっと呟いたのは、零に庇われる形になっていた青年であり。
「来ます」
幾人かの注意が謎の魔法生物に向いていた時であった、零が警告を発したのは。飛来するのは数十匹のデビルズナンバーいわし。攻撃される前に潰してしまおうとでもいうのかデビルズナンバー達はカツオメェンへ殺到し。
『カモーン』
魔法生物は手招きしたかと思いきやアスファルトを蹴って飛んだ。
『デェェェリィィィシャス!』
カツオ頭にある口が数十匹の内の一匹にに噛みつき、その身体を噛み千切り、宙を泳ぐかのように振り回された腕は両の手にそれぞれデビルズナンバーいわしを捕まえ、そのまま口元に運ぶ。放たれた群れの一部は潰すどころか、カツオメェンの食材にしかなっていなかったのだ、いや。
『ではおかわりと行こうか!』
ただ、自身に向かってきた相手の排除に留まらず、魔法生物は残るデビルズナンバーいわしを豪快に喰らいながら本体である群れへと向かい。
「な?!」
乱れた魚群の一部が青年に向かうのを見て、とっさに剣を振るいながら零は声を上げた。幸いにも生じたソニックブームが青年を狙ったデビルズナンバーを纏めて消し飛ばしたが、青年が絶対安全圏に居る訳ではないと零に知らしめるには充分であり。
「ぼっちまで狙うなんてRB団の風上にも置けませんね。これは全力で成敗しますよ!」
剣を地に突き立てて両手の指を零はUDCの群れへ向け。
「天よ邪なる力を封じたまえ」
天からの光が容赦なくデビルズナンバー達を焼き、数を減らしてゆく。
「全滅ではありませんが、それなりに数は減らせた筈です」
油断はできないとしても充分な戦果は上げ。
「さてと、あちらは――」
零はもう一人、同じ戦場で戦っていた蒼の方を見る。
『ふぅ、それでは食後のエクササイズだ!』
「え、ちょっと……うわぁぁぁ!」
ちょうどデビルズナンバー達を食すのをやめた魔法生物に蒼が連れ去られるところで。
「ちょっ、無理! 無理だから、やめ、アーッ!」
物陰から悲鳴が上がる。だが、戦いはまだ終わらなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロザリー・ドゥメルグ
【恋華荘】
これがUDCアースの海なんだ。
生まれ育った海とは全然違うよね。
それにしても、新しく入れてもらって
依頼に一緒に行けるなんて思ってもみなかったよ。
って、なんなの、この、イワシの大群は?!
こうなったら【ドレスアップ・プリンセス】で飛翔して
一気に片付けちゃうんだから!
あ、これ、サマードレスがかわいいでしょ?
一気に飛び上がって、イワシの大群に、突撃っ!
って、何? やられた仲間を、食べちゃうの……?
え、さっきまでと、気配が違う……?!!
何か、強くなってる……?!!
なんだかんだで戦いには勝てたけどしっかり濡れてしまって……
まあ着てるのは水着だけど、ちょっと生臭いのが気になるかも。
彩波・いちご
【恋華荘】
水着の季節には早いですけど…今年ももう少ししたら考えないとですねぇ
とはいえ、今はパンデミックを防ぐのが先決
皆さん、行きますよ!
空飛ぶイワシを、私は狐火で撃ち落としてきましょう
【フォックスファイア】を操って散弾のように、あついは纏めて砲弾のように
空飛ぶイワシを的確に撃ち落としつつ、仲間のフォローも
…まぁ、鮫が飛ぶのはある意味慣れてますけど、イワシが飛ぶのは確かに珍しいかも?
なんて考えていたら、攻撃をすり抜けたイワシの水飛沫を浴びてしまい
「皆さん大丈夫ですかっ?!」
と、つい振り向いたら、ずぶぬれで服の透けている咲耶さんやカメリアさんがバッチリ目に入り…
「見てません!すみませんーっ?!」
月灘・うる
【恋華荘】
オーシャンの海とはぜんぜん違うけど。
ここも海ではあるみたいだね。
いちごさん……はお得意様として、
咲耶さんとロザリーさん、カメリア……先生? は。
はじめましてに近いかな。第一印象大事だよね!
って。え? さいきんはいわしもとぶんだ?
そういうのはサメだからいいんじゃないのかな?
それにうーちゃん、いわしよりしらすのほうが好きだな。
まぁ、ここはうーちゃんの印象アップも兼ねて、
がんばって撃ち落としていくしかないね。
【ガイデッドスラッグ】でいわしを撃ち抜いていくけど……。
「数が多いよ!?」
捌ききれずにいわしの突撃をうけちゃいます。
「わ、ちょ、なまぐさっ!?」
……さすがに気持ち悪いかもー……。
天樹・咲耶
【恋華荘】
表人格の咲耶(優等生)
「感染型UDC……パンデミックが起こる前にUDCエージェントとして対処しなくては!」
下宿先の寮の管理人であるいちご先輩たちと一緒に、UDC退治に向かいます。
着ている学生服のジャケットから『リボルバー式拳銃』を取り出し、対UDC用の『銀の弾丸』を込めます。
「この魔弾の威力、受けてくださいっ!」
【魔弾の射手】によってイワシを撃ち抜こうとしますが……
「そんなっ、分身を生み出して相殺っ!?」
銃撃をくぐり抜けてきたイワシの直撃を受けて全身ずぶ濡れのイワシまみれになってしまうのでした。
「ちょ、ちょっと、いちご先輩っ!
こっち見ないでくださいねっ!」(透けたブラウスを隠しながら
カメリア・エスパディア
【恋華荘】
水着を奪っちゃう邪神…しかもそれが伝染しちゃうなんて
あぶないの連鎖間違いなしの予感です…
ここは急いで解決していきましょう!
というわけで、まずはイワシUDCの群れを退治、ですね。
Free&Flexible-Styleで攻撃回数を重視するスタイルをとり
ローレイア&C・トゥームでイワシ達を撃破していきます!
接近されたら武器を魔剣に持ち替えて迎撃!
…していたけど数の多さに捌き切れなくなっちゃって
何度も体当たりを喰らっちゃうかも!?
状況を打破する為、スタイルを攻撃力重視にして
一気に突破を試みます!
何とか蹴散らせましたけど
服が水分を吸ってだいぶ重く…
そこで服を絞っていたら
いちごさんの視線が…!?
「水着を奪っちゃう邪神……しかもそれが伝染しちゃうなんて、あぶないの連鎖間違いなしの予感です……」
グリモア猟兵の説明を思い出し、戦慄するのは、カメリア・エスパディア(先生は魔狩りの魔剣・f21767)。
「これがUDCアースの海なんだ。生まれ育った海とは全然違うよね」
ただ、その国道は海へと続いていた。だから道の先に海が見えたのはある意味当然であったし、あらゆることに興味を持つタイプで、かつ外の世界を知りたがっているロザリー・ドゥメルグ(無鉄砲なおてんば姫・f26431)からすると、興味がそちらに向いてしまうのもまた無理からざるところだった。
「それにしても、新しく入れてもらって依頼に一緒に行けるなんて思ってもみなかったよ」
感慨深げに独言するも、経緯を鑑みれば仕方ないのか。
「オーシャンの海とはぜんぜん違うけど。あそこも海ではあるみたいだね」
同じセイレーンである月灘・うる(salvage of a treasure・f26690)もまた視界に入った海岸の景色は気になったようであるが、そこで終わらない。
「いちごさん……はお得意様として、咲耶さんとロザリーさん、カメリア……先生は。はじめましてに近いかな」
先生の後に疑問符をつけつつも転送されてきた同じ【恋華荘】のメンバーの顔を見回すと、第一印象大事だよねと改めて挨拶しようとし。
「って、なんなの、この、イワシの大群は?!」
キッチリ挨拶したいところだったかもしれないが、状況が状況である。ロザリーが空を泳ぐデビルズナンバーに気づいて声を上げ。
「え? さいきんはいわしもとぶんだ?」
「……まぁ、鮫が飛ぶのはある意味慣れてますけど、イワシが飛ぶのは確かに珍しいかも?」
つられてそちらを見たうるも目を見張る。彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)がフォローしつつ同じ方を見て。
「そういうのはサメだからいいんじゃないのかな? それにうーちゃん、いわしよりしらすのほうが好きだな」
更にうるは好みにまで言及するも、目の前のUDCがプラスチックトレイとラップで梱包されたしらすに変化してくれるかというなら、否だ。
「水着の季節には早いですけど……今年ももう少ししたら考えないとですねぇ」
とのんびり呟く余裕さえ与えてくれそうにないUDCを視界に入れたいちごは、今はパンデミックを防ぐのが先決と気持ちを入れ替える。
「皆さん、行きますよ!」
「そうですね、これの大本は感染型UDC……パンデミックが起こる前にUDCエージェントとして対処しなくては!」
いちごの号令に天樹・咲耶(中二病の二重人格・f20341)の優等生然とした人格が応じ、着ている学生服のジャケットからリボルバー式拳銃を取り出し、対UDC用の銀の弾丸を込めた。
「ええ。ここは急いで解決していきましょう! というわけで――」
まずはイワシUDCの群れを退治ですね、とカメリアも2丁の拳銃をデビルズナンバー達へと向ける。重視するのは、攻撃回数。
「っ」
発砲音とほぼ同時にカメリアの視線の先、空を泳ぎ寄ってくる魚群の一部が爆ぜた。もっとも、一人の射撃でUDCの群れ全てを掃討するには能わず。
「まぁ、ここはうーちゃんの印象アップも兼ねて、がんばって撃ち落としていくしかないね」
うるもまた深く濃い赤色の装飾が施されたラッパ銃を魚群へ向ける。
「いっぺんにいくよ!」
発射された散弾が群れを構成するデビルズナンバー達をごっそりと抉り取った。
「なら、私も」
さらにいちごも狐火を纏めて撃ち出すと散弾の様に命中直前で拡散させ、直撃を受けたデビルズナンバー達が焼き魚のような香ばしさ交じりのいい香りをさせ始め。個体数はかなり減ったはずだった。
「数が多いよ!?」
にも拘わらず未だ生き残って向かってくるUDC達にうるが顔を引きつらせ。
「まだですっ! この魔弾の威力、受けてくださいっ!」
狙撃力と破魔の呪殺弾の威力を高めた咲耶がリボルバー式拳銃を撃つも。
「そんなっ、分身を生み出して相殺っ!?」
当人が漏らした驚愕の声の通りであった。撃ち減らされたにもかかわらず、魚群は数十匹のデビルズナンバーいわしを放つことで魔弾への盾としたのだ。
「こうなったら、飛翔して一気に片付けちゃうんだから!」
このままでは拙いとロザリーは豪華絢爛なドレス姿に姿を変えると、花びらを舞い散らせながら浮かび上がる。
「あ、これ、サマードレスがかわいいでしょ?」
【恋華荘】の仲間の誰かが視線を向けたのか、一言だけコメントし。
「突撃っ!」
有言実行とばかりにロザリーは飛翔し魚群へ突っ込んだ。
「って、何? やられた仲間を、食べちゃうの……?」
そこで目にしたのは、風穴を開けられたり焼き魚にされた仲間に群がり貪るデビルズナンバーいわし達の姿。
「え、さっきまでと、気配が違う……?!! 何か、強くなって――」
共食いを止めたUDC達が最寄りの猟兵、つまりロザリーへと一斉に向き直ったのは、直後のこと。
「き」
殺到するデビルズナンバー達に悲鳴が呑まれ。
「ロザリーさん?!」
メンバーをフォローすることを考えていたいちごがあわてて狐火の砲弾を作って魚群を穿つ。
「っ、ありがとう」
空いた群れの穴から濡れたりちょっとサマードレスを齧られたロザリーが飛び出し。
「良かっ、わぷっ」
注意のそれたところを突かれていちごがデビルズナンバーいわしの洗礼を受ける。生き残ったUDCの先頭集団が到達したのだ。
「いちごさ、きゃあ?!」
すでに接近され、持ち替えた魔剣を振るっていたカメリアも捌ききれなくなり、体にぶつかってきた敵の衝撃に悲鳴を上げ。
「わ、ちょ、なまぐさっ!? きゃぷっ」
今度は散弾で殲滅させきれず、顔スレスレを通って行ったデビルズナンバーいわしに顔をゆがめたうるが突撃をうけ。
「皆さん大丈夫ですかっ?!」
慌てて振り返ったいちごが目にしたのは、なんやかんやでずぶ濡れのイワシまみれになった咲耶。
「ちょ、ちょっと、いちご先輩っ! こっち見ないでくださいねっ!」
「見てません! すみませんーっ?!」
咲耶は慌てて透けたブラウスを隠し、いちごも謝りながら顔を背けるも。
「でしたら、攻撃力重視で――」
スタイルを変え現状打破を試みようとしたカメリアは、まだハプニングに気づかない。
「邪魔をしないでください!」
魔剣をもって再度体当たりしようとしてくるUDCを蹴散らし。他の【恋華荘】の面々もデビルズナンバーいわし達をうち減らしてゆき。
「何とか近くのは倒せたけど、……さすがに気持ち悪いかもー……」
「確かに、ちょっと生臭いのが気になるかも」
うるやロザリーが嫌そうに顔を歪めはするが、感想を口にできるぐらいに余裕ができたともとれ。
「ふぅ、だいぶ重くなって……」
視界に入ったデビルズナンバーいわしを倒し終えたカメリアは水分を吸ってだいぶ重くなった服を絞ろうとして、ふいに顔を上げる。
「あ」
窮地を脱してもう大丈夫と思ったのだろうか。声をかけようとしたと思しきいちごの顔が引きつり。
「いちごさん!?」
「すみませんーっ?!」
空を撃ち漏らしのUDCがまだ泳ぐ中、謝罪の叫びが響いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
備傘・剱
…なんだろうな、夏まで待てなかったんだろうかな
うん、とりあえず、もう少し、普通かつ、健全は方法でRでBな活動を行ってほしいもんだ
さて、それは置いておいて、俺の目の前に海産物がフライングしているわけだな?
しかも、生きがいいと来ていやがるわけだな?
調理開始、発動、さぁ、三枚におろして刺身にしてやる
あ、串打ちして、塩焼きもいいな
さぁ、一仕事前に食べておかないと、体がもたないぞ!
食材が空飛んでこっちに向かってきてくれてるんだ
命に感謝して、全部、食べようね
…お残しは、許しまへんで?
と、まぁ、ここまで言っておいて何だが、こいつら、寄生虫とかいないよな?
まぁ、いても食べるけど
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
「……なんだろうな、夏まで待てなかったんだろうかな」
兵どもが夢の跡もとい、ハプニングの跡に転送されて降り立った備傘・剱(絶路・f01759)はどこか遠くを眺め。
「うん、とりあえず、もう少し、普通かつ、健全な方法でRでBな活動を行ってほしいもんだ」
一つ頷くと嘆息し。
「さて、それは置いておいて、俺の目の前に海産物がフライングしているわけだな?」
疑問の形で海産物としたのは、先の猟兵達に討ち減らされた生き残りのデビルズナンバーいわし達のことであろう。
「しかも、生きがいいと来ていやがるわけだな?」
「あー、まぁ、そうなんじゃないか?」
こう振り返ってカメラ目線っぽく尋ねれば、ハプニングとかで忘れ去られている感のあった青年が少し困惑しつつも応じ。
「なら問題ない。オブリ飯の神髄見せてやるぜ。調理開始、だ」
剱がユーベルコードを用いた直後、青年を除けば、そこに居たのは食材であった。元気いっぱいに立至りで攻撃して来ようとも、UDCであろうとも。
「さぁ、三枚におろして刺身にしてやる。あ、串打ちして、塩焼きもいいな」
調理法に想いを馳せつつ、目にもとまらぬ速さで剱は飛来するデビルズナンバーいわし達を串刺しにし、仕留めて行く。
「食材が空飛んでこっちに向かってきてくれてるんだ」
調理しないという選択肢は、剱にとって存在しない。
「さぁ、一仕事前に食べておかないと、体がもたないぞ!」
と、出来た料理を居合わせた仲間に勧めるためにも量が多いにこしたことはない。
「余ったら余ったで持って帰ればいいしな」
店で出す料理が増えるとする一方で、想像の中の剱は笑顔を浮かべていた。
「命に感謝して、全部、食べようね。……お残しは、許しまへんで?」
などと口にしながら。
「それはそれとして――」
どうやらこれで終わりらしいなとが呟いた時、生き残っていたデビルズナンバーいわしは既に料理か食材に変わり、生きているものは一匹たりとていなかった。無事第一発見者は守り切れたらしい。
「と、まぁ、ここまでしておいて何だが、こいつら、寄生虫とかいないよな?」
串にさし塩を振って焼いたUDCとのにらめっこは数秒。
「まぁ、いても食べるけど」
さっそく試食に取りかかったが、剱がお腹を壊すことはとりあえずなく。
「さてと、話を聞かせてもらっていいか?」
デビルズナンバーいわしの塩焼きを食べ終えた剱は青年から話を聞くことにしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『嫉妬教団の暗躍【夏の浜辺編】』
|
POW : 溺れているカップル達を助け出して情報を得たり、わざと仲間とイチャついて呪いを発動させてみる
SPD : 件の海の家に忍び込み、何かしら手がかりや物的証拠として水着を手に入れ調べてみる
WIZ : ジーク嫉妬!ハイル嫉妬!いちゃつくカップルはさっさと溺れてしまえ!嫉妬教団に紛れ込み情報を得る
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「この道をまっすぐ行くと堤防沿いに砂浜へ降りられる階段が幾つかある。一番近い階段を降りてすぐのことだったと思う」
そんな第一発見者の言葉を頼りに砂浜へ向かった猟兵が目にしたのは、まだ季節外れの海の家であった。
「焼きそばに焼きトウモロコシはいかが? 水着の貸し出しもやってるよー」
にもかかわらず、「しっと」と背にかかれた法被を着て麦わら帽子を被った従業員が団扇で焼き網を仰ぎつつ声を張り上げている。どう見ても営業中の様だ。
高柳・零
WIZ
…何か、
話しかける→52へ
無視する→14へ
戦う→183へ
画面に黒髪おさげの眼鏡っ娘を出す→400へ
(ネタが分からない→プレイング却下)
とか続きそうな感じですが。
まあ、それはともかく情報収集ですね。
「リア充はいねえがあ!」
などと言いながら、海の家に飛び込みます。
オーラ全開でひとしきり暴れた後「なんと!ここがあのRB団のアジトでしたか。海の家なんてリア充の溜まり場だと思って思わず暴れてしまいました。申し訳ありません!」と謝罪して仲良くなります
雑談をしながら水着のの効果を聞き出し、褒め称えたてから入手ルートを聞いてみます。
「ぜひ、フェリ…送りたい人がいるので作り方を教えてください」
アドリブ歓迎
「……何かゲームブックみたいに複数の選択肢から選んで続きそうな感じですが」
零は海の家を眺めながらポツリと呟いた。
話しかける→52へ
無視する→14へ
戦う→183へ
画面に黒髪おさげの眼鏡っ娘を出す→400へ
きっと当人だけにはそんな感じで複数の選択肢が見えているのかもしれず。
「まあ、それはともかく情報収集ですね」
選択肢の少なくとも四分の二が惨事にしかならない気がするミステリーをさらっと流し、零は海の家に向かって歩き出していた。
「高柳くん?」
と呼びかける誰かの幻聴から逃れようとしていたと言う説もあるが、詳しいことはわかっていない。
「リア充はいねえがあ!」
ただ、ただいつしか歩いていた筈が駆け足へと変わり、勢いのままに海の家へと飛び込んでいった。
「な、殴り込みだーッ!」
しっとなんて書かれた法被を着ておらず、シーズンがあっていればという条件付きで日常的な海の家に見えた場所へ突如現れた、非日常。
「時には力技も必要です!」
「ひぃっ、お助けーっ!」
オーラを纏って乱入し、掴んだ業務用冷蔵庫を持ち上げて振り回し暴れ出した零から従業員が悲鳴を上げて逃げ惑う。もうそのまま海の家が終わってしまっても仕方のないような災厄に見舞われた形だったが。
「なんと! ここがあのRB団のアジトでしたか。海の家なんてリア充の溜まり場だと思って思わず暴れてしまいました。申し訳ありません!」
「はぁ」
ひとしきり暴れた後で、零は従業員に土下座していた。こう、し慣れているのか疑ってしまいそうなほどきれいな土下座であった。
「ええと」
また暴れられるとかまわないと思ったのか、リア充を憎むなら同士だと思ったのか。従業員は非難を口にすることはなく、かわりに散らかった海の家の内部に視線をやった。
「わかりました。そもそも自分のやったことですし」
従業員の言わんとすることを察し、店の中の片づけを零は始め。
「しかし、この水着はすごいですね」
店内を片付け終わり、海の家の業務も手伝ってある程度打ち解けたところで賞賛しつつ話を振る。同じリア充を憎む者ということで口の軽くなった従業員から水着の効果も聞き出した後でのことだ。
「ぜひ、フェリ……送りたい人がいるので作り方を教えてください」
「作り方、ねぇ。悪いけどそいつは無理だ。俺、ただの売り子だし」
どうやら政策面にはノータッチの模様であり。とはいえ懐に飛び込めたことに変わりはない。零はそのまま潜入調査を続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
日紫樹・蒼
えっと……この水着を着ると事故に遭うの?
だったら、着なければ安全だよね(フラグその2
とりあえず、溺れているカップルがいないか探します
発見したら、救助に向かいます
こう見えて、使う魔法の属性は水なので、水は怖くありません
「だ、大丈夫ですか……って、うわ、ちょっと!!
まあ、救助スキルは皆無なので、溺れるカップルに抱き着かれて二次災害に遭うのが関の山
仕方なくUCを使って離脱し、水流を使ってカップルを岸まで押し流しますが、液状化したことで水着が脱げて流されてしまい、結果として女の子の姿で全裸状態に!?
「うぅ……は、恥ずかしい……なんで僕がこんな目に……
水着を拾うまで、しばらく海から出られません
臥待・夏報(サポート)
第六猟兵の普通の人担当、夏報さん冒険バージョンだよ。
元々が潜入担当のUDC職員だから、調査任務は得意だよ。
さも一般人ですという顔をして紛れ込み、ニコニコ話を聞き、UCで過去視や念写、緊急離脱を行うのが常套手段だ。
調査向きのUCも多いから、好きなのを選んでね。ああ、【放課後~】は余程の事情がないと使わない。
身体能力は普通の人間なみだから、飛んだり跳ねたり、地形の踏破のような状況は苦手かな。
でも、死なない程度の負傷にはちょっと無頓着。
夏報さんは凡庸だ。
でもそれは、常識に囚われるって意味じゃない。
この界隈じゃ、自分の感性は『少数派』――それを理解していることが、きっと最大の強みになる、んだと思うよ。
備傘・剱
うん、とりあえず、まぎれこんでみようか
…なんだろう?この実家に帰ってきたかの如くしっくりくる感じ
ふふ、爆ぜ散ればいいんだ、カップルなんてな!
あ、おぼれても最悪な事にならない様、遊戯守護者に助けさせるからな!
人死にはいけない、それだけはだめだ
…爆破対象は、いつまでも爆破したいしな
と言うわけで、嫉妬法被をこっそりともらいつつ同化して情報を手に入れよう
なに、こいつらは正当な主張をしているんだ
成敗対象ではない、成敗対象は、こいつらの後ろにいる…ド変態で、いいのかな?
…いや、こいつらが信じてるって事は、俺も信じていいのか?だが、敵は敵なわけで(以降、エンドレス自問自答)
アドリブ絡み、好きにしてくれ
「元々が潜入担当のUDC職員だから、調査任務は得意だよ」
そう言い残して臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)は海の家へ入って行った。既に潜入中の先人が居るのだ。おそらくはそれも従業員の警戒心を緩めていたのだと思われる。
「うん、とりあえず、まぎれこんでみようか」
と、後に続くなった形の剱も海の家の臨時従業員として加わり、少し前から再開された海の家の営業は一般的な海の家とほとんど変わらない。
「焼きそば、三人前頼むよ」
「任せておけ、調理開始だ――」
従業員がしっとと書かれた法被を着ていることと猟兵が数名混じっていることを除けば、恐ろしくごく普通であり。こっそり失敬した法被を着た剱は、鉄板に向き直ると全力で注文の品を作ってゆく。
(「……なんだろう? この実家に帰ってきたかの如くしっくりくる感じ」)
剱はまさに水を得た魚であった。海の家の調理担当としてもではあるが。
「ふふ、爆ぜ散ればいいんだ、カップルなんてな!」
「応とも、アベックに破滅あれ!」
「うんうん、そうだよね」
思想が近しいのだから、演技とか必要がなかった。客の来ない時は元々の従業員とリア充への怨嗟で盛り上がり。相づちを打ち、剱を隠れ蓑にする形で隙を見て、過去視や念写により夏報が情報を集めてゆく。
「こんなところだね」
その後、充分に情報を集め終えた夏報は剱に合図を残してその場を離脱し。
(「なに、こいつらは正当な主張をしているんだ。成敗対象ではない、成敗対象は、こいつらの後ろにいる……ド変態で、いいのかな?」)
残された剱は従業員を敵としてはみなさず、醤油を塗ったトウモロコシとたれを塗ったイカを焼き始めていた。思い浮かべたのはグリモア猟兵の説明に遭った諸悪の根源。
(「……いや、こいつらが信じてるって事は、俺も信じていいのか? だが、敵は敵なわけで」)
思考は迷走し、だが手は迷いなく程よい焼き加減でトウモロコシやイカをひっくり返してゆき。
(「えっと……この水着を着ると事故に遭うの?」)
一部の猟兵が潜入行動を続ける傍ら、海の家の中に並ぶレンタル用の水着を見分していた蒼は呪いの水着から手を離すと、水着を借りることなくその場を去った。
「だったら、着なければ安全だよね」
全く持って道理だというのにフラグを立てているようにしか見えないのは何故なのか。蒼はごく普通な水着に着替えると波打ち際へと向かい。
「どこかに……あ」
首を巡らせ、溺れているカップルがいないか探し始め、見つけたのは海面に上がる水しぶき。
「泳いでるだけかもしれませんけれど」
それならそれで問題はない。
「ぷはっ、助け、水着が重」
だが、近寄れば水しぶきの元は呪いの水着によって溺れている一般人だった。
「だ、大丈夫ですか……」
「助、け」
「って、うわ、ちょっと!! んぶっ」
慌てて泳ぎ寄るもしがみ付かれて蒼までもが海の中へと引き込まれ。
(「うぅ……もう、この姿になるしかないのかなぁ……けど」)
海中で蒼の身体が液状へと変わり、水着から流れ出した少女は人の命には代えられないと海水を操って溺れるカップルの海面に押し上げながら砂浜まで運んで行く。
「ふぅ、助けられてよかっ、あ」
無事カップルは助けられた蒼だったが、一息ついて己の身体を見れば全裸であり。
「うきゃーっ」
悲鳴を上げると頭が沈むまで海に潜り込み。
「うぅ……は、恥ずかしい……なんで僕がこんな目に……」
赤面しつつ流れた水着を探しに蒼は沖へと泳ぎ去るのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
天樹・咲耶
【恋華荘】
表人格の咲耶(優等生)
「うう、すっかり制服が濡れて魚臭くなってしまいました……」
びしょ濡れ透け透けな格好で、両手で身体を抱いて、いちご先輩の視線から身体を隠します。
「ど、どこかで着替えないと……」
海岸の海の家に目をやると、ちょうど水着の貸し出しをしていますね。
早速、水着を借りましょう。
デザインは、大人しいワンピースタイプがいいですね。
更衣室で濡れた制服と下着を脱ぎ、水着を着ようとすると……
うるさんが、いちご先輩を女子更衣室に連れ込んで!?
「きゃ、きゃあっ、先輩っ!
なんで更衣室に入ってきてるんですかっ!」
全裸を見られて真っ赤になって悲鳴をあげます。
「先輩、破廉恥ですっ!」
ロザリー・ドゥメルグ
【恋華荘】
うわー、散々な目にあっちゃった。
あたしの身体に、臭いが残っちゃう!!
ということで、見つけた海の家でシャワーを浴びさせてもらうね。
海の家で新しい水着を手に入れられるというので、
ここはいちごさんに年相応の女の子らしい水着を選んでもらおうかな。
ちょっと露出は抑えたけど、ふりふりのスカートのついた
かわいい感じのタンキニを選んで着替えることに。
着替えた後、早速海に向かって一緒に泳いじゃおって誘うかな。
そして手を引いて海に入るつもり。
でも、海に入って気がついたけど……
なんで、こんなにからだが重いの?!!
せめて、いちごさんは守らなきゃ!
思いっきり力を振り絞って岸に向かうよ。
なんとか、助けなきゃ!
彩波・いちご
【恋華荘】
怪しい海の家ですけど、さっきのでびしょ濡れですし、水着調達しましょう
買うなら私が買ってあげますよ?
と、うるさんの水着選びに付き合っていたら、着替え手伝ってと言う事でそのまま更衣室に連れ込まれて
…着替え中の咲耶さんとカメリアさんとバッタリ(全部見え?!)
2人の白い目に耐えつつ、うるさんに言われるままにビキニの紐を結び…
「え、ええ、可愛いですよ?」
これ以上は気まずいので更衣室から出たら、着替え終わっていたロザリーさんに連れられるまま海へ連れていかれます
気晴らしにロザリーさんと(いちゃつきつつ)海で遊んでいたら…急に体が重くなって、溺れて…ロザリーさんの水着にしがみつきつつ沈んでいきます…
月灘・うる
【恋華荘】
ひどい目に遭った……。
やっぱりしらすのほうがいいね。生しらす!丼!
海の家にはないのかな?
それはそれとして、この生臭さは厳しいな。
水着も必要だし、いちごさんにおねだりしちゃおう。
「うーちゃんのかわいい水着姿、見たいよね!」
水着のデザインは、スタイルを生かして、
ちょっと小さめの三角ビキニ。
買ってもらうんだし、ここはサービスしちゃうよ。
「ね、いちごさーん、ちょっと来てもらえるー?」
と、いちごさんを呼んだら、胸を隠した格好で出てきて、
更衣室の入り口で背中の紐を結んでもらおう。
もちろんサービスの一環だよ!
水着を着せてもらったら、その場でくるんと一回転。
どうどう? うーちゃん可愛い?
カメリア・エスパディア
【恋華荘】
少し絞ったとはいえ、流石にこのままだと色々身体に悪いかも…
着替えが用意出来たらいいのですが…
と、辺りを見回しながらも
いちごさんの方(と反応)をちらちらと見ちゃいます…
そして水着の貸し出しを見つけて、一着借りる事にします
どれにするか迷っていたら、白いビキニ…しかもトップスの方は
胸の真ん中で結ぶタイプをお薦めされて
照れながらも受け取っちゃいます
それもあってちょっと着替えが遅れてしまい
トップスの方から着ていたら…
うるさんがいちごさんを連れてやって来ました!?
顔を赤くして叫ぶ咲耶さんの大事な所が見えちゃわないように
前に出ますが…
その勢いで水着が!?
しかも下をまだ履いてない事を忘れていて…!?
「うう、すっかり制服が濡れて魚臭くなってしまいました……」
【恋華荘】の面々が海岸へ訪れたのは、カップルが助けられてしばし後のこと。咲耶は濡れそぼり学生服の生地越しに肌と下着を透けさせた身体を両腕で抱きつついちごの視線から隠れるように死角に立って呟く。
「うわー、散々な目にあっちゃった。あたしの身体に、臭いが残っちゃう!!」
「だよね。ひどい目に遭った……」
ロザリーもうるも嫌そうな顔をしているが、UDC達の攻撃にさらされた現状を鑑みれば無理もない。
「少し絞ったとはいえ、流石にこのままだと色々身体に悪いかも……着替えが用意出来たらいいのですが……」
「そ、そうですね。どこかで着替えないと……あ」
カメリアがいちごの視線も気になるのか時折そちらも見つつ周囲を見回せば、咲耶も同意し目をとめたのは、この季節にも関わらず営業中の海の家。
「焼きイカ、フランクフルトはいかが? 水着の貸し出しもやってるよー」
助けられたもののカップルが溺れた一件で砂浜の方が騒がしくなってはいたが、海の家の従業員はそもそもが元凶、気にすることもなく声を出して呼びこんでおり。
「ちょうど水着の貸し出しをしていますね」
「怪しい海の家ですけど、さっきのでびしょ濡れですし――」
まるで狙いすましたかのようなタイミングで上がった声、いちごは若干訝しんでは居るようだったが、背に腹は代えられそうになく。
「ということで、見つけた海の家でシャワーを浴びさせてもらうね」
それ以上に、ロザリーはすぐにでもシャワーを浴びたかったのだろう。スタスタと海の家へと歩き出せば。
「やっぱりしらすのほうがいいね。生しらす! 丼! 海の家にはないのかな?」
食い気の方が優先なのかうるは同じ海の家内の食事処の方へと目をやって。
「それはそれとして、この生臭さは厳しいな」
ついと目をそらしたのは、「新メニューオブリ飯」と書かれた張り紙の隣で見覚えのあるデビルズナンバーが串に刺されて焼かれていたからだろうか。
「早速、水着を借りましょう」
と、うるの横を通り過ぎた咲耶がレンタル用の水着が並ぶ一角へ向かい。
「そうですね。着替えればどこかで乾かしておけるかもしれませんし」
借りちゃいましょうとカメリアも同じレンタル水着のコーナーに向かい。
「ええと……目移りしちゃいますね」
「いらっしゃいませ、レンタル水着がご入用ですか? そうですね、お客さんならこれとかおススメですよ」
並ぶ水着を前に迷っているのを見かけたのだろう、手の空いた従業員がやってくると在庫を見てから勧めてきたのは、白いビキニ。
「これって」
「胸の真ん中で結ぶタイプですが、お客さんお綺麗ですし、スタイルもいいですから」
きっとお似合いですよと言われれば、照れながらもそれをカメリアは受け取り。
「デザインは、大人しいワンピースタイプがいいですね。この辺――」
「ワンピース! でしたらこれはいかがでしょう?」
カメリアに水着を受け渡した従業員が咲耶のつぶやきを拾って、すかさず売込みに向かう。
「うーちゃんのかわいい水着姿、見たいよね!」
「ふぅ、さっぱり……って、もう水着決めてるのね。じゃあ、ここはいちごさんに年相応の女の子らしい水着を選んでもらおうかな」
そうして他のメンバーが借りる水着を決める姿を見せられたからだろうか。振り向いたうるとシャワー室から出てきたロザリーの視線をいちごは一度に浴びることとなり。
「……水着の調達は急務ですもんね。買うなら私が買ってあげますよ?」
「ならこっちに来てもらえる?」
一瞬驚きつつもいちごが返せば、ロザリーがいちごの腕を捕まえて水着の並ぶ一角へ誘導する。
「水着も必要だし、いちごさんにおねだりしちゃおう」
なんて考えて居たうるからしてみても、いちごの提案は渡りに船。ロザリーといちごにうるもくっついてゆき。
「両手に花、だと」
恐るべき嫉妬力によっていちごの性別を見破った従業員の一人は笑顔の裏で昏く激しい感情の炎を燃やす。
「なる程」
いちごから勧められたふりふりのスカートのついたタンキニを手にしたロザリーは、かわいい感じねと眺めていた水着を手に更衣室へ歩き出し。
「ね、いちごさーん、ちょっと来てもらえるー?」
「え」
二人が水着を決めたようで自分の役目は終わりだと思ったいちごは、胸を隠しながら更衣室から姿を見せたうるに虚をつかれて更衣室に連れ込まれ。
「「あ」」
更衣室の中で、声が重なる。内一つは水着を着るべく濡れた制服と下着を脱ぎ終えたところだった咲耶のもの。
「うるさんがいちごさんを連れてやって来ました!?」
カメリアの言がまるで誰かに説明するかの様なのは、若干混乱しているからだろうか。それでもとっさに咲耶の身体をを隠すように前に出て。
「きゃ、きゃあっ、先輩っ! なんで更衣室に入ってきてるんですかっ!」
咲耶が非難する声を聞いていた時だった。
「って、水着、が」
はずみで中途半端につけただけだった水着のトップスの方がずり落ちるのを目で追って、カメリアは気づいた。下に何も履いていなかったことに。
「いっ、やぁぁぁぁッ!」
悲鳴が更衣室に響き渡るが無理もない。
「いや、これは事」
「先輩、破廉恥ですっ!」
弁解しようとするも、少々状況が厳しすぎ。
「買ってもらうんだし、サービスしちゃうね」
まだ背中の紐が結ばれていないちょっと小さめの三角ビキニをつけたまま、くるりとうるが背を見せて紐を結んでと言えば、いちごは赤い顔をした咲耶とカメリアの二人から白い目で見られつつリクエストを完遂し。
「どうどう? うーちゃん可愛い?」
「え、ええ、可愛いですよ?」
その場でくるんと回ったうるへの問いに答えるいちごの口元は引きつっていたと言う。
「着替えも終わったし、早速海に向かって一緒に泳いじゃお」
だからこそ、何とか更衣室を出たところでロザリーがかけてくれた声にはいちごも救われた。
「あ、はい」
答えれば手を引かれ、向かった先は海だ。
「それっ」
「きゃっ」
ハプニング続きだったいちごにようやく訪れた平和な時間。陽光に掬って放った海水の飛沫が輝き、歓声が上がる。ただの水の掛け合いも親しい人とであれば楽しくて。
「……急に体が重くなって」
「なんで、こんなにからだが重いの?!!」
だからこそ、失念していたのか。水着の呪いが発動したことで増した重量と言う負荷がかかった二人は顔を海面に出すのも困難になってゆく。
「せめて、いちごさんは守らなきゃ!」
いちごにしがみ付かれたまま、むしろ放さぬように抱きよせ、力を振り絞ってロザリーは浜辺を目指す。
「なんとか、助けなきゃ!」
もし、呪いの水着を勧めた嫉妬教団員にミスがあったとすれば、それは相手がただの一般人でなかったことだろう。辛うじて浜辺にたどり着いたロザリーはいちごと折り重なるように砂浜に倒れこむと意識を失ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『水着弁慶』
|
POW : 水着簒奪杖術
【手にした水着物干し竿】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : わたしこうなりたいんだ
【理想の緑髪の男の娘聖騎士】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 水着は食べ物
【女性用水着が欲しい】という願いを【有無も言わせぬ気迫で周囲】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
イラスト:くらりん
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「山梨・玄信」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「わしの悲願成就も目前だ! 重い水着を着ては溺れてしまうのだからな」
なんやかんやで情報を集め終え導き出された人気のない海水浴場の外れにソレは居た。恐らく呪いの水着を貸し出させていたのは、呪いを恐れて人々が脱ぎ捨てた水着を回収する為とかきっとそんな理由だったのであろう。
「わし……いや、わたしは理想の緑髪の男の娘聖騎士になる! あ、なって見せよぅぞぉぉッ!」
ぐっと拳を握ったかと思えば、歌舞伎の様に見えを切る。その変質者こそが邪神・水着弁慶だった。
火土金水・明
明「富山君、RBがこじれてこんな姿に・・・。」クロ「別人にゃ。」明「てっきり、新しいデザインの柔道着かと。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】し【破魔】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【銀の流れ星】で『水着弁慶』と召喚された『理想の緑髪の男の娘聖騎士』を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」「どこかで見た姫騎士さんが居た気がしますが、気のせいですね。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
「――君」
どことなく憂いを帯びた表情で、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は誰かの名を呼んだ。
「RBがこじれてこんな姿に……」
滲むのは、遣り切れなさと悲しみか。それでも猟兵としての仕事は忘れず、銀の剣を強く握りしめ。
「別人にゃ」
「てっきり、新しいデザインの柔道着かと」
すかさずツッコミを入れてきた使い魔である黒猫のクロに応じながら、明はもう一度邪神の姿を見る。競泳水着に身を包み、頭巾恩かわりに被っているのも女性用水着の上の方、背負った籠の中にも手に持つ棒にも女性用水着が見受けられた。
「いずれにしても放置できない相手みたいですね。流れる星に、魔を断つ力を」
いろいろな意味で危険すぎて、明は相手から見れば唐突に見えるタイミングで、斬撃を放っていた。
「ぎゃあっ」
切り裂かれた場所を手で押さえつつ、邪神カテゴリの見た目変質者は顔を歪めて後退し。
「ぐっ、おのれ、わたしの虚を突いたか。だが――わたしは負けられない、『こう』なるまでは!」
「敵ですか?」
傷に触れていて血の付いたまま拳を握り締めて叫べば、砂浜に変質者の理想は降り立った。緑の髪をなびかせ、本来の性別とは逆の性を思わせるやや華奢な体つき。それでいて身に着けた鎧と手にした剣が、かの人物が戦いに身を置く騎士であることを雄弁に語っていた。
「女性に剣は振るいたく――」
「少しでも、ダメージを与えて次の方に」
何やら前置きしつつも邪神とともに反撃しようとしたようであったが、明が高速で詠唱を終える方が早かった。
「ぐはっ」
「ぎゃあっ」
全力の一撃で召喚された男の娘聖騎士と邪神が纏めて吹っ飛ばされて宙を舞い。
「どこかで見た……騎士さんが居た気がしますが、気のせいですね。さてと」
ちらりと銀の剣を見た明は、付着した血を一振るいすることで払ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
備傘・剱
ミスターフォルクエイン…
こんな姿になって…
え?違う?
……ちっ!
と言うわけで、ぶん殴ってみるわけだが、一つ、実験をしてみたい
八咫導、発動、叩き込んでみるが、どうなるだろう?
俺の予想だと、真っ白に燃え尽きるか、水着を捨て去るか、自分の現状を理解するかのどれかだと思うんだが?
あ、変化なしという可能性もあるから、とりあえず、鎧無視と鎧砕きをつけた衝撃波を零距離射撃と二回攻撃をあわせたもので叩き込んでもおく、主にボディに
後は、オーラ防御は張っておくけど、水着で攻撃するんだろうか…
緑色の髪した聖戦士が召喚されたら、写真を撮っておこう
女性物の水着着てる所、色んな人に見せなきゃな
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
高柳・零
POW
(画面には三つ編みおさげの眼鏡っ娘)……君。よりにもよって、こんな姿に。それだけでも充分にお仕置き対象ですが…まさかその水着、私の妹のだったりしませんよね?
「友達が悪の道に走ったら、止めるのが真の友達ですしね。行きますよ」
幸いこの子はとても頑丈ですし…私もディフェンダーで壁役は慣れております。…誰ですか?私の胸が壁みたいとか思ったのは。
オーラと盾で敵の攻撃を堂々と受けます。味方が居れば庇います。
そして、受けると同時にUCを発動。
…UC名が気になりますが、眼鏡からビームを撃ちます。
「まだやりますか?攻撃すればするだけ、……君の方が痛い目に遭いますよ」
アドリブ、絡み歓迎です。
「ぐっ」
呻いて身を起こす変質者に剱は悲し気な瞳を向ける。
「ミスターフォルクエイン……こんな姿になって……」
この場に送り出したグリモア猟兵が居たなら、全力で否定し、叫んでいたに違いない。
「え? 違う? ……ちっ!」
そんな戦場外からの叫びが聞こえでもしたのか、一瞬キョトンとした剱はなぜか舌打ちし。
「……君。よりにもよって、こんな姿に」
零が画面に三つ編みおさげの眼鏡っ娘を映して現れると、光の速さで土下座に移行した。まるで磁石に吸いつけられる鉄の様に額が地面を求め、弾みで砂浜の砂を吹き飛ばしながら叩頭し、動きを止め。
「それだけでも充分にお仕置き対象ですが……まさかその水着、私の妹のだったりしませんよね?」
剱に気づかないのか、言葉に続きがあったからか。問いに至ったところで零の身体が帯びる謎の圧力が増す。
「これ、答え方を間違えたらヤバい奴だな」
剱は土下座したままそう思った。
「その妹と言うのはここに足を運んだのか?」
邪神は眼鏡っ娘のことなど知らない。そしていちいち水着を奪った相手の個人情報を得たりもしていないのであろう。
「友達が悪の道に走ったら、止めるのが真の友達ですしね。行きますよ」
遠回しの否定によって圧は弱まったが、画面の中の人の勘違いは解消されず。呼びかけられた剱に指摘することなどとてもできなかった。
「行きますよ」
と言われたのであれば、肯定して眼鏡っ娘よりも早く攻撃するだけだ。他の選択肢なんて存在しなかった。
「と言うわけで――正しき道、説き示せ、八咫烏! 悔いも、迷いも、汝が示す光の前には塵に等しい! 太陽の路とは汝の事なり!」
「なぷっ?!」
強力なサイキックエナジーの塊をガントレットに込めると、何かに追われるように駆け出し握り固めた拳を邪神の顔面へ叩き込む。だが、その一撃は、肉体を傷つけるモノではない。劣情や恨み、つらみ、殺意といった負の感情のみを攻撃するモノであって。
「さてと、どうなるか」
半ば実験の様な攻撃に邪神の反応を気にしつつも、剱はもう一方の手を邪神の腹部へと突き出した。それは一撃目の効果がなかった場合の保険であり。
「……悪い夢を見ていたようだ、わたばっ?!」
「あ」
何やら視線を遠くにやった邪神は剱の放った衝撃波を腹部に受けて吹っ飛んだ。吹き飛んだ先で変質者に押し出された砂が四方八方に飛び散り浅いクレーターを形成し。
「しかし、真っ白に燃え尽きるか、水着を捨て去るか、自分の現状を理解するかのどれかだと思っていたんだけどな」
「うおおおっ!」
あれはどの反応だったんだろうかと考える暇もなく、跳ね起きた邪神は水着のぶら下がった棒を手に剱へ襲いかかる。
「っ」
身をオーラで覆っていたので防御は間に合う筈だった。だが、剱が身構えた時既に自身と変質者の間には零が割り込んでいたのだ。
「っく、お返しヌギ!」
「うぎゃーっ!」
水着物干し竿は零の身体を突くも、画面に映った三つ編みおさげの娘の眼鏡から連続で放たれた光線が邪神を打ちのめす。
「あ、ええと」
「怪我はありませんでしたか? 幸いこの子はとても頑丈ですし……私もディフェンダーで壁役は慣れております」
礼を言おうとした剱に尋ねると画面の中の人は何でもないことの様に言い。
「……誰ですか? 私の胸が壁みたいとか思ったのは」
欠片も思ってはいないはずだった、だが。再び高まる圧に、気づけば剱は砂に額をこすりつける勢いで土下座していた。
「ぐ、うっ」
光線に乱打され砂の上に倒れこんだ変質者が呻いたのは直後のこと。
「まだやりますか? 攻撃すればするだけ、……君の方が痛い目に遭いますよ」
「無論だ」
画面の眼鏡っ娘の視線に晒されながらも、満身創痍で身を起こして邪神は笑む。
「思い出したんだ。わたしにはなりたいものがあった、だからここで歩みは止められない」
劣情や恨み、つらみ、殺意を浄化されて尚、邪神を立ち上がらせるもの、それは。
「あれは、わたしの『憧れ』そして『夢』ッ!」
「女性物の水着着てる所、色んな人に見せなきゃな」
吠える変質者の背後に緑色の髪した聖戦士が見えた気がして、思わず剱は取り出したカメラのシャッターボタンを押したのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リスティ・フェルドール(サポート)
援護・治療・盾役として参加いたします。最優先は自分を含む仲間全員の生存と帰還。成功の立役者ではなく、命の守り人として最悪の結果を回避できれば、それ以上に望むことはありません。
真剣な雰囲気は邪魔をせず、仲間同士の険悪な雰囲気はあえて朗らかに。チームワークが生存率を上げる一番の方法として行動します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはマスター様におまかせいたします。よろしくおねがいします!
日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません
うわぁ、変態だ
できれば、あまり近づきたくないよね
離れた場所から水【属性攻撃】の【全力魔法】で攻撃
水着が欲しいって言われても、僕は男だし、関係ないよね?
まあ、確かにそうなのですが、男なのに女にしか見えない蒼は、水着弁慶にとって格好の獲物
紐ビキニやスリングショット水着をロープ代わりにして身体を縛られ、その辺の女性から奪って来た水着を強引に試着させられます
「うわぁぁぁん! こんな格好、恥ずかしいよぉ!
羞恥心の限界に達したところでUC発動
スク水姿のSDサイズの自分を大量召喚し、水着弁慶の集めた水着をビリビリに破かせて、精神的ダメージを与えます
「うわぁ、変態だ」
シャッター音に釣られてそちらを見た蒼が、邪神を認識しての第一声はある意味当然のモノであった。
「はぁ、はぁっ、はぁ……ぐうっ」
「できれば、あまり近づきたくないよね」
幾度となく光線を撃ち込まれ、息も荒い様は思わず蒼が後ずさりつつ同意を求めてしまう程。
「そうですね」
仲間全員の生存と帰還を最優先としつつ応援に駆け付けたリスティ・フェルドール(想蒼月下の獣遣い・f00002)は全面的にこれに同意する。邪神はすでに満身創痍であるのだ。
「守りは任せてください」
「あ、ありがとう」
蒼が畳みかけるならその盾となるべくリスティが蒼の前に進み出て、蒼も礼の言葉を口にした。相手は女性の水着を狙う変態邪神であり、蒼もリスティも男性である。
「水着が欲しいって言われても、僕たちは男だし、関係ないよね?」
まして蒼は近寄るつもりもない。敵は自身が積み上げまくっているフラグだけであろう。
「行くよ」
近寄るつもりはない、ただ、敵を見据えようとしてあまりの視覚的暴力に直視に苦戦しつつも完成した全力の魔法が水着弁慶へと襲い掛かる。
「ぬわーっ?!」
属性は水、そのまま流れていってほしいとかそういう思いが込められているかは定かでないが、満身創痍で動きが鈍っていたのか、蒼の魔法は邪神を飲み込み。
「やった?」
相手は既にボロボロだった。倒れていてくれればという希望的な部分もあったのであろう、だが。
「まだです!」
叫んだのは邪神の反撃を警戒していた、リスティ。
「え」
声に釣られて先ほど邪神のいた場所へ目をやった蒼は固まった。傷だらの変態を緑髪の男の娘聖騎士がお姫様抱っこしていたのだ。どちらも共に濡れそぼってはいたが、思考に一瞬空白を差し込むには充分すぎる光景だった。
「危なかったが、こんどはわたしたちの番だな」
「っ」
反撃を予想し、一瞬身構えてからリスティはからくり人形を前面に立たせつつ体の力を抜き。
「わたしに女性用水着をくれぇぇぇぇぇ!」
変質者は有無も言わせぬ気迫で周囲へと呼びかけた。当然、これには蒼も含む。
「はぁ、はぁ、はぁ……わたしに、わたしに女性用水着をくれぇぇぇぇぇ!」
「うわぁぁぁん! 怖いよぉ!」
残り少ない生命力すら主張につぎ込んでいるかのような迫力だ、十二歳なら泣き出してもおかしくなく。
「「それーっ!」」
恥ずかしいコスプレをしたSDサイズの蒼達は唐突に表れ、そのまま水着弁慶に襲い掛かった。
「てぃっ!」
これに便乗するかのようにリスティは竜騎士の槍を投じ。
「待、やめ、がっ」
「やっ!」
SDサイズの蒼達に群がられ回避どころではなかった邪神に槍が刺さるのを見ると、ドラゴンを召喚して放つ。
「ぬぐぅ、何のこれしき、ぬ、待てそれはわたしの水――」
投槍の一撃に耐えた邪神ではあったが、その注意は邪神の籠から水着を奪い取り破こうとするSD蒼達に逸れ。リスティの放ったドラゴンはそこにさく裂したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロザリー・ドゥメルグ
【恋華荘】
えらいめにあったわ。
って……出たー、変態さんが!!
しかも緑髪男の娘聖騎士……性騎士の間違いかしら?
その体型では可憐な男の娘じゃなくて……
オネエにしかなりませんから、残念!
こんな変態はさっさとやっつけるに限るわ!
ということで【ドレスアップ・プリンセス】で
可憐なサマードレス姿に変身して突撃よ!
低空飛行でちょうど腹パンするがごとくツッコむわ。
って、全部燃やすいちごさんの炎に水着を焼かれてしまうわけで。
邪神は倒せたのはよいけど、よく見たら私たち、全裸じゃない!
とにかく、私のいつもの水着は、どこなのよー!
全裸であたふたしながらいちごさんに押し倒されちゃうわ。
あ、唇と唇がぶつかったような……
彩波・いちご
【恋華荘】
「うるさんなにいってるんですか?!」
っていうか、使用済み水着売るのはダメです!
あと勝手に私の水着を付けたりしない!
もぉ…最後くらい真面目に戦いますよっ
【異界の深焔】で、集めたその水着、さすがに盗られた人ももういらないでしょうから、全部燃やして供養しますっ!
…って、あれ?
苦労してそうな緑髪の人がいたようなっ?!
男の子聖騎士の幻を見て手元が狂い、味方の水着にまで火が…
「ごめんなさいっ?!」
なんとか水着弁慶倒したと思ったら、水着が消えて裸に
わーっ?!
思わず皆の裸を見てしまったり…慌てて【異界の服飾】で衣服作って配ろうとして…勢い余って押し倒したり?
結局最後までとらぶるですかぁ(涙
天樹・咲耶
【恋華荘】
表人格の咲耶(優等生)
「こんなヘンタイと戦いたくないですが……これも仕事です!」
敵に向かってリボルバーを放ちますが……
物干し竿で銃弾を叩き落されました!?
「くっ、これだけは使いたくなかったのですが、仕方ありません……
サクヤ、力を貸してください」
自身の中に眠る裏人格に語りかけ、【封印・解放】でその力を銃に宿します。
「受けてください、この一撃をっ!」
銃から炎の竜を撃ち出し敵を灼き
炎はそのまま、海の家を燃やし尽くし……
「って、ああっ、私たちの着替えがーっ!?」
さらに邪神を倒したことで着ていた水着が消えてっ!?
全裸をバッチリいちご先輩に見られてしまい。
先輩に押し倒され胸を揉まれるのでした。
月灘・うる
【恋華荘】
緑髪の男の娘聖騎士?
青髪の男の娘ならここにいるけど!
たしか、理想の男の娘は華奢で中性的な顔立ちで、
男女どちらにもモテるタイプだったよね。
騎士かどうかは……いちごさん、騎士ってことでいいよね。
ほら、ここに理想の男の娘、いるよ?
髪の色以外かんぺき!
え? だめ?
だとしても、なんで誰かが着たあとの水着なの?
集めればいいだけなら、買えばよかったんじゃないかな?
うーちゃんが買ってきてあげようか? 手数料はもらうけど!
いちごさんのもつけるよ!
じつは使用済みの水着がほしいだけだったり?
なら倒すしかないね【プレシジョンファイア使用】
あ、あれ!?
倒したら水着まで消えちゃうの!?
さすがにサービス過剰だよ!
カメリア・エスパディア
【恋華荘】
た、確かにこういうのが蔓延しちゃうのは
色んな意味で大変な事になっちゃいますよね…
男の娘聖騎士はまだしも…
じゃなくて!
あぶない思い込みの実行も、そんな邪心の蔓延も
ここまでにしないといけませんっ!
男の娘聖騎士の攻撃を捌いてみんなを守りつつ
剣魔覚醒を発動させて、一気に倒しちゃいます!
途中でいちごさんが出した炎が水着に付いちゃって
慌てちゃいますが、今は討伐優先!
何とか討伐したところで覚醒を解除して落ち着きます…
が、案の定水着が無くなってて、またまた慌てちゃいます!?
そのせいでみんながいちごさんに押し倒されちゃうのに
私も巻き込まれてしまい
大事な所をダイレクトにタッチされたり掴まれちゃったり!?
「はぁ……」
えらいめにあったわと口にしつつ、意識を取り戻したロザリーはようやく戦場にたどり着き。
「ぬあああああああああっ、何故だ、何故だぁぁぁっ!」
「って……出たー、変態さんが!!」
砂浜に響く慟哭を耳にしてそちらを向けば、両手と両膝をついて打ちひしがれる競泳水着姿のオッサン。しかも頭に女性用水着の上を頭巾の様に装着までしていれば、ロザリーの反応も無理からぬことであり。
「わたしの……わたしの夢が、緑の髪の可愛い男の娘聖騎士になる夢が……」
泣きながら散らばる残骸を邪神はかき集めるが、既にそれらは水着の形をなしておらず。
「た、確かにこういうのが蔓延しちゃうのは、色んな意味で大変な事になっちゃいますよね……。夢の方の男の娘聖騎士はまだしも……」
直視に耐えない容姿に、視線をそらしつつカメリアは口元を引きつらせ。
「緑髪の男の娘聖騎士? 青髪の男の娘ならここにいるけど!」
ただ、邪神の言葉の一部を耳にしたうるは首を傾げてからいちごを横目で見る。
「たしか、理想の男の娘は華奢で中性的な顔立ちで、男女どちらにもモテるタイプだったよね」
グリモア猟兵からの情報にある変態邪神の理想と確認しつつ視線をうるは邪神に戻し、もう一度いちごを見る。
「騎士かどうかは……いちごさん、騎士ってことでいいよね」
「えっ」
「ほら、ここに理想の男の娘、いるよ? 髪の色以外かんぺき!」
あずかり知らぬところでシンフォニアからジョブチェンジさせられそうになったいちごの驚きを置き去りに、うるは邪神にいちごを示す。
「うるさんなにいってるんですか?!」
「……男の娘?」
流石に黙っていられずにいちごは叫ぶが、邪神はいちごを一瞥してプルプル震えた。
「違う」
続いて短く否定の言葉がポツリと漏れ。
「え? だめ?」
のあげた意外そうな声は、いちごか邪神かどちらに向けたものだったのか。
「だとしても、なんで誰かが着たあとの水着なの? 集めればいいだけなら、買えばよかったんじゃないかな?」
続く疑問の言葉を鑑みると、後者であったのだろうが。
「うーちゃんが買ってきてあげようか? 手数料はもらうけど! いちごさんのもつけるよ!」
「ちょっと、使用済み水着売るのはダメです! あと勝手に私の水着を付けたりしない!」
営業もしくは売り込みを始めるうるの言にすかさずいちごはツッコミを入れ。
「何で黙ってるの? じつは使用済みの水着がほしいだけだったり?」
「うるさん、私の話聞いてます?!」
更に邪神へ問いを重ねるうるへいちごが叫べば。
「違ぁぁう! わたしは見たいんじゃなく、なりたいんだ! ――緑の髪の可愛い男の娘聖騎士に!」
満身創痍の身体にも拘わらず強く頭を振った邪神は、立ち上がると強く砂を踏みつける。
「緑髪男の娘聖騎士……性騎士の間違いかしら?」
だが、邪神の主張もロザリーには冗談にしか聞こえず。
「その体型では可憐な男の娘じゃなくて……オネエにしかなりませんから、残念!」
バッサリと斬って捨て。
「こんな変態はさっさとやっつけるに限るわ!」
「こんなヘンタイと戦いたくないですが……これも仕事です!」
ロザリーが結論へ至れば、邪神との会話も終わりと見て、若干複雑そうな表情をしつつ咲耶も銃を構えた。
「あぶない思い込みの実行も、そんな邪心の蔓延もここまでにしないといけませんっ! 行きましょう」
「ええ。最後くらい真面目に戦いますよっ」
カメリアの言葉に気を取り直したいちごが頷き、戦いは開始された。
「ということで、突撃よ!」
豪華絢爛なドレス姿へと変じたロザリーは、砂の上を滑るように飛びながら邪神めがけて距離を詰め。
「援護しちゃいますね! 『剣魔』の力を、振るいます……!」
銀の髪と紅き翼を持つ剣魔へ姿を変えたカメリアが、炎のように紅き翼を羽ばたかせ、飛び立つ。もっとも、攻撃に移ったのは二人だけではない。
「なんのっ」
「な、防がれました!?」
咲耶も銃撃を行っていたが、邪神が物干し竿を振るえば銃弾は邪神の身体に届かず。
「くっ、これだけは使いたくなかったのですが、仕方ありません……サクヤ、力を貸してください」
苦虫を噛み潰したような表情で咲耶は自身の中に眠る裏人格に語りかけた。
「ふふふ、我が右手に封じられし邪竜よ、今こそ我が武器に宿り、その力を解放せよっ!」
装備武器の封印を解いただけだと言うのに、咲耶のナニカがゴリゴリと削られ。
「がはっ」
ちょうどロザリーの拳が邪神の腹部に突き刺さった直後だった。
「このまま畳みかけちゃいますよ!」
すかさずカメリアが水着弁慶に斬りかかり。
「狙った獲物は逃さないよ」
うるはオックスブラッドを手に引き金へかけていた指を動かし。
「まだだ、まだわたしは――」
血塗れでボロボロになりながら、邪神は吼える。
「がっ」
もっとも、満身創痍の身で【恋華荘】の面々からの集中攻撃に耐えられる筈などなかった。胸を撃ち抜かれれば呻き声とともに口から血が零れ。
「ふんぐるいふんぐるい……、遠き星海にて燃え盛る神の炎よ! 集めたその水着、さすがに盗られた人ももういらないでしょうから、全部燃やして供養しますっ!」
開いた異界の門の向こうに凶つ星を輝かせながらいちごは神の炎を繰り出し。
「受けてください、この一撃をっ!」
銃から咲耶も炎の竜を撃ち出す。邪神の気迫に応えたのか、一刻も早く滅すべきとしたのか、全力の攻撃が邪神へ向かい。いちごとしても、あとはただ放つ神の炎が当たるのを見ているだけの筈だった。
「……って、あれ?」
そんなさなか、いちごは声を上げる。
「苦労してそうな緑髪の人がいたようなっ?!」
最期の力を振り絞り邪神が召喚に成功していたのか、それとも幻だったのか。水着弁慶の傍らに思わずそんな印象を抱いてしまいそうな人影を見た気がして。
「きゃ」
「あ、ごめんなさいっ?!」
手元が狂ったのか神の炎は味方を巻き込んで、慌てていちごは謝罪し。
「っ、今は――」
「ぬわーっ! が」
水着に火が付きながらも構わず、カメリアは炎の竜に飲み込まれつつ叫ぶ人型を斬り捨てる。
「わたしは、わたしは……お」
届かぬモノを求める様に手を伸ばしつつ邪神は崩れ落ち。
「って、ああっ」
咲耶は自身の攻撃が向かった先を見て愕然とする。
「ふぅ、何とか討伐しちゃえまし」
覚醒を解除して落ちつこうとしたカメリアが固まった。ないのだ、着ていた水着が。それは燃え尽きたには早すぎ、よく見るとまだ輪郭をぼやけさせ消滅していっている途中ではあったのだが、気づけというのは酷なモノであろう。
「あ、あれ!?」
「わーっ?!」
うるは自身の身体を二度見し、いちごは顔を赤くして叫ぶ。
「邪神は倒せたのはよいけど、よく見たら私たち、全裸じゃない!」
「倒したら水着まで消えちゃうの!? さすがにサービス過剰だよ!」
ロザリーの言でようやくうるも状況を飲み込むが、手で見えては拙いところを隠すぐらいしかできず。
「邪神を倒したことで着ていた水着が消えてっ!?」
ワンテンポ遅れて自身が全裸であることに気づいたのは、咲耶が別のナニカに気を取られていたからか。
「いっ、やぁぁぁぁっ!」
上がる悲鳴。
「お、おち、落ち着いてください、ユーベルコードで何とかしてみますからっ! 出来た、着替えの時間で、あ」
何とかなだめようとしたいちごは、周囲の無機物を様々な衣服に変えると仲間に渡そうと逸るあまり砂に足を取られ。
「ちょ、いち」
まず、支えを求めて彷徨う手が柔らかな咲耶の何かを掴み。
「きゃあっ」
重力にひかれた身体は踏みとどまれず別の誰かを巻き込んで倒れ込む。
「んぷっ?!」
連続するハプニングのさなか、いちごの唇に何かが触れ。
「ぷはっ、ごめんなさい。今退き――」
「うきゃあっ」
拙いと思って慌てて退こうと動かしたいちごの手が今度はカメリアの何かに触れて女性陣から悲鳴が下がる。
「結局最後までとらぶるですかぁ」
この後のことを考えたのか、しまらない終わり方にかいちごが涙目になる中。
「唇と唇がぶつかったような……」
ロザリーはただ、ぼーっと青空を見上げていた。猟兵達の活躍で事件が終わりを迎え、海の家も消滅した砂浜で。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2020年05月05日
宿敵
『水着弁慶』
を撃破!
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