●ガチャのもたらすひと時の夢
その日彼は、友人を待ちながら、なんの気なしにガチャを引いた。
「SS確定かー。キャラはいまいちだけど性能いいし、石余ってるし、引いとくかー」
そんな軽ーいノリで、大した期待も情熱もなく引いてみたら、あっけなくアタリが出た。
「えっ……SSS……? あれ、このゲームそんなレアリティあったっけ?」
ノイズ混じりで少しバグった感じの、それでいてやけに重厚な演出ののちに現れたのは、ヴァンパイアのような、サキュバスのような、メドゥーサ要素もちょっと入っているような、見たこともないエロかわキャラだった。
「あっでもわりと好み……えっと『大罪の聖母バビロン』? やっぱ聞いたことな──うわぁっ!?」
首を捻りつつ画面をタップした瞬間、スマホが燦然と輝き始めた。
まるでプロジェクターのように照射される光が、空中に見事なプロポーションを描き出す。
スマホの上に現れたのは、先ほどまで画面に映し出されていたエロかわキャラ。
「あら残念、オトコノコ」
実像を結んだエロかわキャラは、口をパクパクしながら腰を抜かしている彼を見下ろして、すげなく肩をすくめた。
「仕方ないわね、今回は見逃してあげましょう。せいぜいワタクシの器に相応しいオンナノコに噂を広めて頂戴な❤」
男を陥落させるウインク、ほっぺにチュー。
罪深く柔らかな感触を残して、実体化したSSSキャラは煙のように消えた。
しばしの静寂ののち、男子大学生の煩悩に満ち満ちた雄叫びがキャンパスに轟き渡ったのであった。
●グリモアベース:ゲネ
「忙しい中、集まってくれて感謝する! 今回はUDCアースの依頼だ」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は猟兵達に向けて展開したホロモニターに、スマホゲームと思しき縦長のタイトル画面を映し出した。
「現在UDCアースで、とあるスマホゲーにまつわる奇妙な噂が広まりつつある。『公式に存在しない隠しキャラをガチャで引き当てると、そのキャラがスマホの中から実体を持って現れ、持ち主をどこかに連れ去ってしまう』と」
ゲームのタイトルは『ダークネス・サバト』。ちょっと暗めの世界観で美少女がいっぱい出てくる、まあありがちなガチャゲーである。
ただの噂ならば課金爆死者が若干増える程度、ガセネタに踊らされたお前らが悪い、の一言で問題終了だが、どうやらそれでは収まりそうもない。
「厄介なことに、最近人間の「噂」で増殖する新種UDC発見が相次いでいる。こいつもそれだ」
二枚目のモニターに表示されたのは、スマホゲーのキャラでも通じそうな美少女。
「感染型UDC『大罪の聖母バビロン』だ。当然ながらゲームのキャラなんかじゃない。人間の「精神エネルギー」を効率的に集めるために、スマホゲーを利用してやがるわけだ」
感染型UDCは、それを目撃した人間、それについての噂話を口頭やSNSで広めた人間、その噂を知った人間全ての「精神エネルギー」を餌として、大量の配下を生み出すという。
「生み出されるのもUDC、当然人間を襲う。こいつらの出現自体は止められない」
まずは、バビロン第一発見者である男子大学生の周囲に現れる、これら大量の配下を撃退する必要がある。
すると、ひとまず噂由来の現象は鎮静化するので、第一発見者から情報をもらったり調査をしたりガチャを回したりして敵首魁の棲み処を特定、決戦を挑む、という流れになる。
「今回の噂は、ただでさえ射幸心をくすぐるガチャというシステムに、さらに欲望を集めやすくする悪質な構造になっている。その特性上、噂の広がり方も速い。敵ながら巧妙な手口だな……」
しかし感心してばかりもいられない。ゲネはモニターを反転させ、転送術式を輝かせた。
「大至急対処しないと致命的なパンデミックを引き起こしかねん! 出来る限り現場に急いでくれ! いざ、UDCアースへ……!」
そらばる
UDCアース、感染型UDC。
噂の力を借りて人間の精神エネルギーを搾取する敵を倒しましょう!
●第一章:集団戦『リエ・デッドコピー・ルシーズ』
人体ベースのサイボーグの量産型。
ただただ動く者を攻撃するだけの暴走状態です。
噂によって集められた精神エネルギーを餌に顕現します。
第一発見者の通う大学のキャンパスで戦うことになります。
●第二章:冒険『スマホゲーム行方不明事件を追え』
噂は大学を中心に広まっています。
大学内ではすでに行方不明者も出ています。
どうやら大学内に敵の棲み処がある模様。行方不明者もそこに……?
次の大量発生が始まる前に、調査をしたりガチャを回したりして、敵首魁の棲み処を特定しましょう。
(ガチャでアタリを引いても即戦闘にはなりません)
●第三章:ボス戦『大罪の聖母バビロン』
感染型UDC。
噂を利用して精神エネルギーを吸い上げている他、何か悪事を働いている模様。
聖杯の泥で動きを封じたり、七匹の蛇や自ら産み落とした眷属を使役したりして戦います。
執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にどうぞ。
それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
第1章 集団戦
『リエ・デッドコピー・ルシーズ』
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POW : Re-Inicienteration
自身の【残存動力と一定時間後の自壊】を代償に、【再起動させた破損した量産型】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【遠距離からのガトリングガンの一斉発射】で戦う。
SPD : Re-Connect
【眼帯を経由した量産型統合戦術システム】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : Re-Location
自身が【ダメージ・UCによる機能不全の危機】を感じると、レベル×1体の【リエ・デッドコピー・ルシーズ】が召喚される。リエ・デッドコピー・ルシーズはダメージ・UCによる機能不全の危機を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●デッドコピー召喚
「あ~全っ然出ねぇ……!」
かつてスマホ画面から美少女が飛び出してくるというミラクルを体験した男子大学生は、案の定ガチャにのめり込んでいた。
彼は興奮のまま友人達に自身の体験を吹聴して回った。最初は信じてもらえず鼻で笑われたのにも関わらず、しばらくすると大学中に噂が広まっており、その上いつの間にか行方不明の尾ヒレまでついていた。
どこまで事実か知れないが、実際講義に出てこなくなった学生も少なくないようで、噂の信憑性は初期とは比べ物にならないほど高まっている。
にも関わらず、最初の体験者である彼の前には、二度と同じ事象は起こっていない。
これは悔しい。ぜひとも再現してやりたい。
あと単純にあのエロかわキャラにもう一度会いたい……!
そんなダメダメな煩悩を原動力にして、男子大学生の課金とガチャ連打は止まらない。
「んっ!? この演出……!」
何十回目かのガチャで、見覚えのあるノイズと重厚な演出が始まった。
現れたのは……エロかわキャラではなく、メカメカしい見た目の別の美少女である。
ただ、どう考えてもゲーム内の公式キャラではない。
「……てことは……!」
期待に胸を膨らませてタップした瞬間、スマホが燦然と輝き──
周囲に、物騒な武装をした美少女が、大量に現れた。
思っていたのと違う状況に、引きつる男子大学生。
「……えっ」
『命令ノ更新ヲ確認デキズ。全テヲ破壊シマス』
「……えええっ!?」
淡々とした殺意に包囲された大学生の情けない悲鳴が響き渡った。
鍋島・小百合子
WIZ重視
異世界の不思議な板からできる遊戯から女子が出てきて若人を連れ去る事件か…異世界の遊戯も摩訶不思議なものであるよ
「わらわと眷属とで力を併せ彼奴等を仕留めるぞ!」
UC「魔眷属降臨」発動
一舞から召喚せし「キメイエスの眷属」に楼閣の世界(UDCアース)で流行りの甘味を報酬として提示し協力を促す
眷属には剣技による接近戦、わらわは長弓で敵の攻撃阻害と援護を担い、互いに連携を重視す(範囲攻撃、援護射撃、制圧射撃、鎧無視攻撃併用)
眷属が弱らせた敵を優先して頭部狙撃を試みる(視力、スナイパー、目潰し、部位破壊併用)
敵がこちらに攻撃を向いた際は残像で翻弄、懐の小太刀での咄嗟の一撃にて急所部位を串刺しにす
●弦音響かせて
「異世界の不思議な板からできる遊戯から女子が出てきて若人を連れ去る事件か……異世界の遊戯も摩訶不思議なものであるよ」
近代文明の妙に感心しながら、件の大学のキャンパスにいの一番で駆けつけたのは鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)だった。
たどり着いた学生たちの憩いの場になっている屋外広場は、『リエ・デッドコピー・ルシーズ』に埋め尽くされていた。
「わらわと眷属とで力を併せ彼奴等を仕留めるぞ!」
毅然と宣言するや、小百合子は衣を翻した。
魔に奉ずる一舞。その優雅な仕草に、デッドコピー達の注目が一気に小百合子へと集中する。その隙に、腰を抜かしていた男子大学生はそろりそろりと地面を這って危険地帯から脱出していった。
「我は呼び喚く、深淵たる異界に存ずる魔の僕……来い!」
一舞の締めに凛として響く声。応えて現れるのは、細剣携えるキメイエスの眷属。
「報酬は楼閣の世界の流行りの甘味でよかろう?」
小百合子の交渉に、眷属は快諾を示すや即座に細剣を構えて敵群へと突っ込んだ。
『危険因子ヲ検知。該当因子ノ排除ヲ優先』
『排除ヲ優先』
『排除ヲ優先』
眼帯の回路に電光が駆け抜け、デッドコピー達の瞳が輝く。
「させぬよ」
敵のガトリングが火を噴くより早く、小百合子が長弓につがえた矢を放つ。素早く幾度も大量に。
広範囲に広がる矢がデッドコピー達の動きを阻害する。対処が遅れたその隙を突いて、眷属の剣技が敵群の懐へと斬り込み、次々に細剣で突き刺していく。
小百合子はキリリと弓を引き絞り、研ぎ澄ませた眼差しで切っ先の狙いを定めた。
「その目、戴こう」
解き放たれると同時に疾駆する渾身の一矢。
鋭い衝撃と小気味よい命中音。デッドコピーは眼帯をしていない生体の眼球を射抜かれ、スイッチが切り替わったかのように機能停止、パタリとその場に倒れ込んだ。
『……排除対象ノ優先順位ヲ更新』
連携の軸が小百合子にあると察知したらしく、複数のデッドコピー達が標的を変えてガトリングを激しく回転させた。
小百合子は残像を描いて大量の弾丸を回避し、敵を翻弄しながら懐をまさぐった。
「我が得物、弓のみと思うたか!」
死角から駆け込んできた敵が銃器を鈍器として振りかぶったのと、小百合子の手に小太刀が滑り込んだのは、同時。
振り向きざまの鋭い斬撃が、瞬間的に無防備になっていったデッドコピーの胸部に滑り込み、深々と貫いた。
大成功
🔵🔵🔵
波狼・拓哉
…ガチャゲーに紛れ込むってことはシステムに介入してるんだよね。そんな技術あるなら一から作った方がいいのでは。まあ、その辺考えるのは終わってからでいいか。先に出てる奴らからですねっと。
最初は地形の利用、戦闘知識、視力、第六感を利用しつつ衝撃波込めて衝撃波属性攻撃にした弾で相手のガトリングガンを狙って武器落としやスラスター狙って部位破壊したりしつつ目立たないように逃げ回ろう。出来るだけ周りに被害行かないようには善処しておくか。
相手UCを確認次第、秒針弾に化けたミミックを撃ち込んで…流石に一日持つ設定ではないだろうし…そういうわけで化け刻みなミミック。時を冒涜してやりましょう。
(アドリブ絡み歓迎)
久遠・翔
アドリブ絡み歓迎
こんな場所で暴れられたら…他の人に被害が行く
何としてでも止めないと
難しい事ではない
UCを起動させ一気に駆け抜ける
どんなに召喚されようがどんなふうに攻撃されようが…雷の如く駆け抜ければいいだけっす
それに武器が鉄製ならば…電撃はよく通るっすよ?
瞬時に相手の背後に回りUCの電撃を浴びせ機能不全に
それを何体も繰り返すと召喚してくるはずっすけど…これが1体が呼び出したならいいが…複数体だったらその場に埋め尽くされるよう出てきて身動きが取れないか動きづらいはず
そのに電撃を叩き込み一気に駆け抜け残存機をククリナイフで攻撃して討伐する
生憎この程度では雷を止められないって事っすよ?
●雷と成る者、時を操る者
「……ガチャゲーに紛れ込むってことはシステムに介入してるんだよね。そんな技術あるなら一から作った方がいいのでは」
あるいは開発会社に何かあるのか? そんなぼやきを零しつつ現場に到着した波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は、敵群を目前にして気持ちを切り替えた。
「まあ、その辺考えるのは終わってからでいいか。先に出てる奴らからですねっと」
新たな猟兵の出現にデッドコピー達の戦意が分散しかけたその時、別の足音が他方から駆け込んできた。
「こんな場所で暴れられたら……他の人に被害が行く。何としてでも止めないと」
風の如く颯爽と現場に現れた久遠・翔(性別迷子・f00042)は、足を止めることなく一気に敵陣へと突撃した。
「一瞬で、決めます」
紫電のオーラが弾けた瞬間、翔の肉体は常識外の速度へと連れ去られた。
──雷光一閃。
敵陣を、一瞬にして紫色の電撃が駆け抜けた。光に遅れて耳をつんざく雷鳴が轟き、突撃開始地点の対角線上に翔の姿が現れる。
さらに一拍の間を置いて、雷の通り道に配置していたデッドコピー達が、ガトリングを構え直そうとした姿勢のまま電流を発しながら一斉に瓦解、機能停止や爆発が相次いだ。
『危険因子ノ情報ヲ更新』
雷の範囲外にいたデッドコピー達が、感情のない動作でガトリングを差し向け翔を捉えた──その瞬間。
何処かから不意に飛来した一発の弾丸が、ガトリングに着弾するや強烈な衝撃波を巻き起こし打ち据えた。凄まじいインパクトに、デッドコピー本体の腕ごと銃身が弾け飛ぶ。
弾丸は角度を変えて、次々と銃身やスラスターを吹き飛ばし、ひしゃげさせ、爆発させていった。
『狙撃手ノ脅威ヲ検知。外周ヲ警戒セヨ』
「おっとさすがに気付かれるか」
とぼけた声を上げながら、拓哉は植木の陰からモニュメントの陰へと移り、さらなる銃弾を敵陣に叩き込んだ。次々に弾ける衝撃波が、大量の敵から戦う手段を取り上げていく。
『残存動力低下……スリープ状態ノ個体ヲ検知』
これ以上は継戦不能と判断した個体が、すでに破損し沈黙している個体へと走る。自壊を代償に、僚機に再起動をかけるつもりだ。
拓哉はすかさずミミックを変化させた。
「悪いけど、無駄っすよ。……化け刻みなミミック。時を冒涜してやりましょう」
片方の自壊が確定したその瞬間を狙い澄まして、箱型生命体の化けた秒針弾が再起動を開始した個体に着弾した。
瞬間的に膨張した特殊空間が、一日分の時間を吹き飛ばす。再起動シークエンスはふつりと途切れ、その個体が二度と起動することはなかった。
秒針弾が敵陣で跳弾し続け、辺りの時間を次々と吹っ飛ばしていくその間にも、翔の進撃は幾度となく繰り返されていた。
「どんなに召喚されようがどんなふうに攻撃されようが……雷の如く駆け抜ければいいだけっす」
金属部分の多いサイボーグは電撃のいい獲物だ。瞬時に背後に回り、紫電を浴びせて機能不全の個体を量産していく。
『……個体数減少、機能不全深刻化。戦線維持ヲ優先セヨ』
ガトリングを失った個体が、足を損傷した個体が、両手の脱落した個体が、一斉に同型機の召喚を開始した。
次々に現れ、戦場を埋め尽くしていく無傷のデッドコピー達。しかしその密集状態こそが翔の狙いだ。限られたスペースに大量の質量。敵の動きはいっそう制限される。
翔は迸らせた電撃を密集地帯に叩き込むと、動きの鈍い敵群へと迷いなく突撃した。ククリナイフの刀身が閃光の如く鋭い弧を描く。
「生憎この程度では雷を止められないって事っすよ?」
雷と化して駆け抜けた翔の背後で、数多のデッドコピー達がバラバラに解体され、冷たい金属の骸を積み上げていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
ほうほう、公式には存在しないSSSキャラですか
廃課金者のミコさんは非常に興味がありますねー
◆行動
周囲の学生が巻き添えをくっては困るので
レア度UC(偏見)な量産型さん達を軽く煽って
注意を惹き付け私へと【おびき寄せ】ましょう
注意を惹き付けたら【空中戦】の要領で
【第六感】で察知した銃撃は【念動力】で軽く宙を飛んで躱し
すれ違いざまの【カウンター】で【黒竜の闇帳】をお見舞いしましょう
うふふ、貴女達に【暗視】能力が備わっていますか?
早く脱出しないと闇に【生命力吸収】されて消えてしまいますよ?
おぉっとメンテが終わったら新PUが始まるのを忘れてましたよ
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
藤堂・遼子
アドリブ&絡み歓迎
スマホゲームね。云万もそれに注ぎ込むとか正直理解できないわね
というか、大学なんて人の多い所に無差別に人襲う奴らが出てくるとか最悪ね
さて、こうなったら少しでも被害や目撃者が出る可能性を減らすべきね
魔導書の背淫手稿を持って【異界顕現・邪神胎内(クトゥルーノエサバ)】を唱え、邪神を限定顕現させて敵群をその胎内に呑み込むわ
異界たる邪神の内側に取り込めば、一般人や大学に被害は出ないでしょう
……運悪く邪神を見てしまって正気度チェックする奴が出たらご愁傷様だけど
触手迷宮の触手で敵の拘束や妨害をしながら大鎌の狂気を刈るモノやマテバオートリボルバーカスタムのデモンハンターで確実に駆逐していくわ
●名状し難き包囲網
「ほうほう、公式には存在しないSSSキャラですか。廃課金者のミコさんは非常に興味がありますねー」
ワクテカしながら参上したのは、美少女形態の黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)。
「スマホゲームね。云万もそれに注ぎ込むとか正直理解できないわね」
対照的に、藤堂・遼子(狂気を狩る者・f09822)は堅実な感性で首を傾げる。
「というか、大学なんて人の多い所に無差別に人襲う奴らが出てくるとか最悪ね」
「ですね。まずはこちらに注目させましょう」
決めるが早いか、ミコは敵群の前に身を晒し、煽るように声を張り上げた。
「う~ん、どれもイマイチ! 推定レア度UCってところでしょうか。数が多いだけで、大したことはなさそうですね~」
戦意漲る挑発に、デッドコピー達の注目と銃口がたちまち集中する。
『排除優先対象ノ増加ヲ確認。攻撃ヲ集中セヨ』
狙い通り惹きつけに成功したのと同時、ミコは直感に従って念動力を発動させた。
力の爆発と共に高らかに回転するガトリングの爆音。しかし駆け抜けた弾丸が交差したそこに、ミコの姿はすでにない。
高々と宙に跳び上がった小柄な人影は、屠竜の魔女の魔力を敵群の頭上で解放した。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第陸の竜よ!」
すれ違いざま、夜の帳が下りるように、敵群を五感を遮る暗黒が包み込んでいく……
と同時、魔導書の背淫手稿を手に魔術を展開していた遼子も、詠唱を終えようとしていた。
「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん……考えることは同じだったみたいね」
少しでも被害や目撃者が出る可能性を削るため、遼子が選択したのは、邪神の召喚。
暗黒に包まれた敵群を、限定顕現させられた邪神がその胎内へと取り込んでいく。ずぶずぶと胎の肉に溺れるようにして、大量のデッドコピー達が名状し難い触手の迷路の中に囚われていった。
「邪神の胎内は異界そのもの。これなら物理的被害は抑えられるでしょう。……運悪く正気度チェックが発生したら、それはご愁傷様だけど」
辺りでちょこちょこ散発している、大学生たちの常軌を逸した悲鳴に肩を竦める遼子。まあ限定召喚なのだし、発狂しても一時的なものに収まるだろう。たぶん。
『センサーニ異常発生』
『……否定。システムオールグリーン。異常箇所ハ発見デキズ』
『外部妨害ニヨル一時的機能障害ト推定。対処案ノ策定ヲ要請スル』
暗黒と迷路の向こうから、デッドコピー達の声が聞こえてくる。感情もなく淡々とはしているが、どうやら有効な打開策が思いつかずに混乱が広がっているようだ。
「うふふ、貴女達に暗視機能が備わっていますか? 早く脱出しないと闇に生命力吸収されて消えてしまいますよ?」
悦に入ったように触手迷宮の高所に陣取り、文字通りの高みの見物を決め込むミコ。
「見えるようになったとしても、迷宮の触手が逃がしはしないわよ」
遼子は愛用の大鎌とリボルバーを携えて、自ら積極的に迷宮に踏み入っていった。
迷宮に囚われたデッドコピー達を、対UDC用の肉厚な大鎌が薙ぎ払い、対UDC用カスタムモデルのオートリボルバーが撃ち抜き、一体一体確実に駆逐していく。
「おぉっとメンテが終わったら新PUが始まるのを忘れてましたよ」
闇と触手と鎌と銃に蹂躙されていく迷路を尻目に、ミコの課金とピックアップガチャは捗りに捗るのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロ描写NG
POW
美少女に囲まれて嬉しい?
それともそんな余裕ないかしら?
貴方は幸運よ、人間。
今から甘美な花園を見られるんだから♪
男子大学生をからかいつつ【催眠術】で嗅覚を狂わせるわ。
今から悪臭を広げちゃうからね。
メカ美少女達の前に立ち塞がり『芳しき熱愛』で汚泥の姿に。
物理攻撃を無効。何度でも再生。持久戦なら無敵よ!
【念動力】で彼女達を引き寄せ
流動性を得た体で装甲の隙間に侵入。
猛毒と【呪詛】で全身を快楽に染め上げ
オーバーヒートさせつつ【生命力吸収】で無力化
戦闘後は【属性攻撃】で風を操って換気。
催眠術をかけた彼は平気でも、他の学生には地獄だもの。
美少女達の快楽に喘ぐ姿、いかがだったかしら?
●汚泥侵食
「い、いったい何が……」
狂騒の戦場から這う這うの体で抜け出した男子大学生は、校舎の壁際に膝と手をついてへたり込んだまま、もはや身動きとる気力もない。
その頭上に、くすくすとからかうような笑い声が降ってくる。
「美少女に囲まれて嬉しい? それともそんな余裕ないかしら?」
「えっ?」
反射的に見上げると、素晴らしいプロポーションを誇る美少女の悪戯っぽい笑顔。
「貴方は幸運よ、人間。今から甘美な花園を見られるんだから♪」
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は胸元に吸い寄せられている大学生の視線の前に人差し指を突き出して、くるりと円を描いてみせた。
妖しい色香が思考を濁らせ、男子大学生の眼差しがとろりと溶ける。うへへへへ……と虚空を見つめる様は、実際幸せそうである。
ともあれ彼の嗅覚は狂わせた。仕込みを終えて、ドゥルールはいよいよメカ美少女達の前に立ちはだかる。
「愛の言葉はクサいくらいが丁度いいの」
瞬時にドゥルールの姿が輪郭を失った。服が溶け、肉体が変質していく。美少女から……汚泥へ。とんでもない悪臭が辺りに広がっていく……
『……嗅覚遮断プロトコル開始』
サイボーグとしての生身の感覚がまだ残っているのだろう、能面のような顔色を微妙に変化させつつ、すぐに対処して流れるように戦闘に持ち込むデッドコピー達。
しかし大量に撃ち込まれるガトリングの弾丸は、流体状の汚泥に呑み込まれてほとんどが無効化される。接近され、物理的に断ち切られても、飛び散った汚泥同士が集合しあい、瞬く間に再生。
「持久戦なら無敵よ!」
ドゥルールの念動力が美少女達を引き寄せ、汚泥で装甲の隙間に侵入していく。流し込まれる猛毒と呪詛。それは、痛みの寸前の快楽へと、デッドコピーの生身の部分を冒していく。
『ア……ア、ぁ……っ』
溜息にも似た喘ぎ声が連鎖する。機械部分がオーバーヒートし、装甲が剥がれ落ちる。露わになった白い肌が泥にまみれて悶え絡み合う。生体部位から生命力が抜き取られ、背筋が反り返り、白い喉がのけ反り、全身がびくりと大きく痙攣し……すっかり無力化された少女達が次々と地に堕ちていく。
「美少女達の快楽に喘ぐ姿、いかがだったかしら?」
周辺へと悪臭が広がらぬよう換気の風を吹かせながら、いつの間にか元の姿を取り戻していた素肌の美少女は、惨状を背に妖しく微笑んだ。
成功
🔵🔵🔴
十朱・幸也
空亡・柚希(f02700)と
アドリブ大歓迎
ただの噂でも、タチの悪い噂はアウトだけどな
重課金した上に推しも手に入らねぇとか……うっ、頭が……!
(爆死した記憶を不意に思い出し
さっさと終わらせて、オフ会の続きでもするかね
あのサーベル捌きの秘密をM1k……空亡に聞いてみたいしな?
わかるわー、ハンドルネームの方がしっくりくる
からくり人形の『千薙』を手繰り、UC:戦姫を使用
一撃で多く仕留める為に【スナイパー】【なぎ払い】を併用
空亡の所に向かいそうな敵に対しては
『千薙』か俺のどちらか、近い方が【かばう】ぜ
ゲームじゃ、俺が後方から爆破しまくってるしなー
今度、あっちでもポジション変えてみるか?
空亡・柚希
アドリブ歓迎
【十朱・幸也(f13277)さんと共闘】
ただの「噂」ならまだ良かったのに……いや、だとしても爆死はよくないけど。ほんとうに怪物が出るよりは、ね。
オフの途中だったけど、切り替えてこうか。Nagiさ……じゃなかった。幸也、さん。……通話の時の勢いで話しちゃうなぁ(微妙に切り替えられてない)
敵とは一定の距離を保ったまま、近寄られないように銃撃を加えていこう
眼帯を巻き込めるよう、頭に狙いを定めていくね(〈スナイパー〉+〈誘導弾〉)
ゲームだと僕は近接だから、色々逆でなんだか新鮮だね
今度ゲームでも逆にしてみようか。楽しそうだ
●ネットとリアルを入れ替えて
「ただの「噂」ならまだ良かったのに……」
噂が現実と化してしまった現場へと急ぎながら、空亡・柚希(玩具修理者・f02700)は吐息を零した。
「いや、だとしても爆死はよくないけど。ほんとうに怪物が出るよりは、ね」
「ただの噂でも、タチの悪い噂はアウトだけどな」
傍らに並んで走りながら、肩をすくめる十朱・幸也(鏡映し・f13277)。
「例えば重課金した上に推しも手に入らねぇとか……うっ、頭が……!」
爆死の一語に何かの記憶を刺激されたか、どうやら色々と後ろ暗い心当たりがある模様。
一気に駆け上がった階段の先に、多数のサイボーグに埋め尽くされた広場が現れ、二人は即座に身構える。
「オフの途中だったけど、切り替えてこうか。Nagiさ……じゃなかった。幸也、さん」
「さっさと終わらせて、オフ会の続きでもするかね。あのサーベル捌きの秘密をM1k……空亡に聞いてみたいしな?」
「……なんだか通話の時の勢いで話しちゃうなぁ」
「わかるわー、ハンドルネームの方がしっくりくる」
微妙に切り替えられていないお互いを小さく笑い合うと、二人は同時に散開した。
「踊り狂え、千薙」
幸也は前線へと駆け出しながら、怨嗟と呪詛を身に纏い、人形の糸を手繰った。
さらなる速度で幸也の懐から飛び出し敵群へと突撃していく和服人形。携えた薙刀を振るい、凄まじい衝撃波を巻き起こして、大量の敵を大量の弾丸ごとひと薙ぎに斬り伏すと、新たな群れへと突撃する。まさに千の敵をも薙ぎ払うとされるその名に相応しい戦いぶりだ。
『早急ナ排除を要請』
『排除セヨ』
『排除セヨ』
デッドコピー達の戦意が人形の千薙へと集束し、眼帯に電気信号が忙しなく走る。
しかしそれらの眼帯を、死角から狙う銃口があった。
「──借りるよ」
後衛に陣取る柚希は、一本足の兵隊駒を組み替えて作り出した銃の引き金を引き絞った。
正確な直線の軌跡を描き疾る弾丸がデッドコピーの頭部を次々と破壊する。機械の部位が爆発するように弾け飛び、あるいは抉り取られ、機能停止する個体が量産されていく。
遠近それぞれのレンジから同時に攻め立てられ、デッドコピー達も眼帯の量産型統合戦術システムを利用した連携で対応する。
が、そこは幸也と柚希のほうが一枚上手。幸也と千薙へと仕掛けようとする個体を柚希がすかさず撃ち抜き、柚希へと距離を詰めようとする個体を幸也が押し止め、ガトリングを差し向けようとした個体を千薙が仕留める。ゲームで磨いた、息もぴったりの連携だ。
「ゲームだと僕は近接だから、色々逆でなんだか新鮮だね」
「あー、いつもは俺が後方から爆破しまくってるしなー。今度、あっちでもポジション変えてみるか?」
「いいね、逆にしてみようか。楽しそうだ」
大量のリエ・デッドコピー・ルシーズが怒涛の勢いで薙ぎ払われ撃ち抜かれ数を減らしていく殺伐とした戦場に、不釣り合いなほどに和やかな二人の会話が飛び交うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『スマホゲーム行方不明事件を追え』
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POW : マネーパワーでガチャを回しまくり、当たりを引いて囮となる
SPD : 失踪した人の最後の足取りや、周辺の異常に関して調査を行う
WIZ : ゲーム会社の活動内容やゲーム自体について情報を調べる
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●SSSの棲み処を捜して
『リエ・デッドコピー・ルシーズ』が一体残らず消滅し、噂の実現化も一段落。
トラウマものの体験を味わった男子大学生は、ぐったりしつつも猟兵たちに軽く頭を下げて感謝を示すと、訊ねられるまま知っていることを話し始めた。
曰く、『ダークネス・サバト』というアプリゲームは大学のゲーム研のOBに誘われて知ったという。就職先で制作に関わったとかなんとか言っていたそうだ。
付き合いで始めたもののまあまあ面白かったので、課金はそこそこにして、暇な時間にちょこちょこプレイしていた。
例のSSSキャラが現れたのは、大学構内で一人でダラダラしていた時だった。
失踪者は何人か出ていると聞いているが、詳しくは知らない。ただどうも、大学構内で失踪したのでは、という噂もあるらしい。
加えて、SSSキャラを引いても失踪する人間としない人間がいるという話もあるが、やはり真偽は不明。
ちなみに引き当てたはずのSSSキャラは、ゲーム内では別のSSキャラを引き当てた処理に置き換わっており、例のエロかわキャラは影も形もないようだ。
以上が男子大学生の把握している全てである。これ以上は他に調査の手を伸ばしてみるしかない。
ともかく大学構内が怪しいのは確かだ。失踪者の足取りや異常などを聞き込みをしてみるといいだろう。
大学OBの話も少々気になるところ。ゲーム会社やOBについて調べてみるのも有効かもしれない。
そしてある意味究極の手段、当たりを引くまでガチャを引きまくる、という手もなくはない。それなりの資金を溶かす覚悟があれば、いつかは引ける……かもしれない。当たりを引いたからといって即座に戦闘にはならないだろうが、有用な情報を得られる可能性は高いだろう。
かくて、キャンパスに存在するであろう敵の棲み処を捜し当てるため、猟兵たちの調査は始まった。
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
ほっほぅー
つまりは公然とガチャして良いと言うお達しですね
◆行動
【POW】と言う名のガチャ
【世界知識】で知っています、回転数が全てだと(断言)
課金は家賃までと言う弱腰では引くものも引けません(【気合い】充分)
現地UDC組織のおじ様に
【誘惑(おねだり)】して買って貰ったカードもあります
何よりガチャでレアを引くには
そのキャラと縁があるもの…触媒があれば更に確率UPするに違いないのです
何故かは解りませんが(絵師様的に?)
私ならば彼女の求める器に相応しいオンナノコだと思うのです
回せガチャよーハムスターの様にー
湯水の如くー溶かす溶かすー♪
……おや?
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
●課金=パワー
ガチャでSSSを引けば敵に近づける、と聞いた黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)の目は爛々と輝く。
「ほっほぅー。つまりは公然とガチャして良いと言うお達しですね」
すちゃり、と取りいだしたるはもちろん、現代人の神器、スマホである。
「世界知識で知っています、回転数が全てだと」
力強い断言と共に、ダークネス・サバトにログイン。
「課金は家賃までと言う弱腰では引くものも引けません」
こぉぉぉぉ……と何かの波動を帯びていそうな呼気を整え、気合い充分に10連ガチャをタップ!
煮えたぎる魔女の鍋が大写しになり、ドロドロとした紫色の内容物が勢いよく沸騰、名状し難い玉虫色の輝きを画面いっぱいに広げてホワイトアウト。きらんきらんきらんっ、と軽快なSEが連続し、美少女たちが画面を埋め尽くす。
ただし、目的のSSSはなし。
「ふむ、確定のSSにプラスもう一体SSが来ましたか。悪くない流れですねー」
当然、廃課金勢にとってこの程度、痛くも痒くもない。
それに今のミコには、現地UDC組織のおじ様を誘惑……もといおねだりして買って貰ったカードだってあるのだ!
「何よりガチャでレアを引くには、そのキャラと縁があるもの……触媒があれば更に確率UPするに違いないのです。私ならば彼女の求める器に相応しいオンナノコだと思うのです、何故かは解りませんが」
出所不明の奇妙な確信を抱きつつ、ガチャを回す手は止まらない。みるみる目減りしていく現金、忙しなく増減を繰り返すガチャ石。小さな板の中で数字は巡り、経済は廻る。
「回せガチャよーハムスターの様にー湯水の如くー溶かす溶かすー♪ ……おや?」
鼻歌混じりに欲望のままガチャを回しまくって数十回。唐突に画面にノイズが走り、魔女鍋から黒い瘴気があふれ出したのち、ブラックアウトした。
と同時、黒い輝きを放つスマホからエロかわ美少女が立ち昇るように実体化した。
「あら、イイカンジのオンナノコ♪ はい確保ー」
エロかわキャラは有無を言わせず魔術らしき力を開放した。
視界が一瞬で切り替わり、見覚えのない屋内の景色がミコの周囲に広がっていた。
具体的にどこの建物なのかは不明だが……
「おお……棲み処に一発ご招待?」
どうやらこれが、棲み処への最短ショートカットだった模様である。
大成功
🔵🔵🔵
鍋島・小百合子
SPD重視
失踪した者達は最後に遊戯をしたというが…共通できるところはそれだけであろうか?
その者らの足取りが途絶えた事による変化を調べてみるとしよう
「これではまるで師と教え子のようじゃの」
楼閣の世界の「教師」に変装し、UC「侍女招集陣」発動
召喚した65名の幼侍女に「大学構内での失踪者の素性」「げーむをした以外での失踪者達の行動の共通性」「失踪による異常やその他影響の有無」を重点的に5名ずつに班分けしての情報収集と定期的な報告を指示
構内の人間のみならず、構内にいる動物からも聞き込み(動物と話す)を命ず
わらわも自らの足で構内での聞き込み調査を行い、こちらで有力な情報が見つかれば他の猟兵と情報を共有す
●数は力なり
事件のあらましを聞き、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)が引っかかったのは一点。
「失踪した者達は最後に遊戯をしたというが……共通できるところはそれだけであろうか?」
そこから調査すべきポイントを絞り、小百合子は早速準備に取り掛かった。
まず自身は変装。ラフすぎず格式張りすぎない、現代人らしい衣服をまとい、眼鏡で賢さを演出。首からIDカードをぶら下げれば、このUDCアース──小百合子の言うところの『楼閣の世界』の教員の出来上がりというわけだ。
そして召喚術にて侍女達を招集。
「これではまるで師と教え子のようじゃの」
居並ぶ六十五名の幼侍女達を満更でもなく見回すと、小百合子は声を張り上げた。
「重点的に調査すべきは、「大学構内での失踪者の素性」「げーむをした以外での失踪者達の行動の共通性」「失踪による異常やその他影響の有無」、以上三点! 五名ずつ班分けし、構内の人間のみならず動物らからの聞き込みも怠らぬよう。定期的な報告を忘れる出ないぞ。では、散開!」
号に従い一斉にキャンパス全体へと散っていく幼侍女達。愛らしいその容姿は怪しまれることもなく、大学生達はノリノリで質問に答えてくれている。
小百合子も自身の足で構内を歩き回って堅実な聞き込み調査を行い、結果必要な情報は瞬く間に集積していった。
第一に、失踪者の素性について。
「げーむのせいで失踪した可能性が高いのは七名。全員が女学生、学年学部学科全てに共通点なし。容姿優れ、痩せ型の者多し」
第二に、失踪者の行動の共通点。
「全員が噂を聞いたのちに構内で消息を絶ったと目されている。鳥猫が目撃した二例では、構内にてすまほなる板を使っている最中に悪魔のような女が顕現し、その直後姿が掻き消えたとのこと」
第三に、失踪を原因とした影響や異常。
「現状、当該失踪者の安否と単位が危ぶまれる以外に目に見えた影響はなし。警察の捜査も行き詰っているらしく、すなわち只人に感知出来うる異常ではないと推測可能。……事はなべて、水面下で蠢いている段階ということじゃの」
調査の下地として、これ以上のない成果が得られたと言っていいだろう。
これらの情報は、早急に他の猟兵達へと伝達・共有されていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
久遠・翔
アドリブ絡み歓迎
ふむ…失踪者の特徴が分かれば出現パターンも理解できるっすかね?
とにかく聞き込みをして情報を集めるっす
選択UCは勝手に発動…今回は女性を中心に話を聞くっすかね?どうやらSSSキャラは女性を求めているっぽいんで失踪者は女性中心じゃないかと
友人にそう言う人がいないかとか変わった事なかったとか…自分自身も友人がいなくなったので協力してほしいと言いながら
小さな事で構わないので
更に大学のゲーム研にも顔を出します
ここのOBからって事は何かしらの情報はここにあると思いますので
もちろん在籍中のサークル員にも話を聞きます
念の為UC万能の指でパソコンに接続して変な部分がないか確認
ガチャは…無料分だけ
波狼・拓哉
ほむ…大学内だけなのか。となれば外に広がってる可能性は捨てても良さそうだな。取り敢えず足取りを追おうかな。
取り敢えずコミュ力使って聞き込みを。いきなり失踪者が…とか言ってもあれだし…ダークネス・サバトについての記事書いてるってことにして聞き込むか。ここのOBが作ったってことになってるみたいだしここで学生に取材してるのもおかしな話ではないはず。
取り敢えず聞いていってやってる人を探していこう。そのうちそいつ見ないな見たいな話になったら最後みたとことよくいる場所を聞きだして…後はもう自分でいってみるしかねえか。
第六感、狂気耐性で気を付けつつ進もうか。
(アドリブ絡み歓迎)
●足で稼いでたどり着け
「ほむ……大学内だけなのか。となれば外に広がってる可能性は捨てても良さそうだな」
「ふむ……失踪者の特徴が分かれば出現パターンも理解できるっすかね?」
大学生の証言を咀嚼して、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)と久遠・翔(性別迷子・f00042)は図らずも似たような仕草で思考を巡らせた。
そして結論もほぼ同様。
「取り敢えず足取りを追おうかな」
「とにかく聞き込みをして情報を集めるっす」
かくて聞き込みに取り掛かる二人。
拓哉はとにかく片っ端から聞いて回ることにした。
(「いきなり失踪者が……とか言ってもあれだし……ダークネス・サバトについての記事書いてるってことにして聞き込むか」)
コミュ力を駆使しつつ雑誌記者のように振る舞い、「大学のOBが制作に関わっていると聞いた」というのを話の糸口にすると、皆怪しむことなく答えてくれた。
ゲーム研云々OB云々については知っている人物にはなかなか当たらなかったが、噂を試してみた人物にはコンスタントに遭遇した。
「やったやった、全然スカだったけどな」
「女子のほうも意外に盛り上がってたぜ。まあアタリ引いたって話は聞かないけど」
「そういや語学の講義でそこそこ話せる女子、最近見ないんだよなー」
学生の一人がふとぼやくように言った。
「どうも俺が見かけた直後あたりから連絡つかなくなったらしくってさ……関係ないと思いたいけど、例の噂が広がり出した頃だったからなぁ」
思わぬ有力情報だ。拓哉は前のめりに問いかける。
「その人、最後に見たのは何時で、どの辺りでした?」
拓哉は該当する女子学生の消息情報集めに奔走した。目的を絞ると調査の速度は格段に上がった。
最終的に、その女子学生が最後に目撃されたのは、スマホを片手に北東部エリア方面に向かっていく姿だったことが判明した。
一方、翔は一つ気づいたことがあった。例のSSSキャラが、第一発見者に対してどうやら女性を求めているらしい発言をしていた件だ。
「失踪者は女性中心じゃないかと……今回は女性を中心に話を聞くっすかね? あ、すみませーん」
カフェテリアで噂好きそうな女性グループを発見。無自覚に発揮される翔の魅力に惹きつけられて、皆にこやかに応じてくれる。
「ああ、行方不明が出てるって噂の!」
「ええ、それっす。お友達に失踪した方がいらしたりとか、身の回りで変わった事があったりとかしたら、小さな事で構わないので何かあれば教えて欲しいんす。……俺も友人がいなくなったので、どうにかして解決したくて……協力してほしいっす!」
「……それ、必修で同じクラスの子のことかも」
狙い通り、女子ネットワークの情報が次々と上がってきた。
曰く、噂は学内中で流行っており、基本的に大学構外でのSSSキャラ遭遇例はなし。行方不明になっているのは案の定女性ばかり。
また、どうやら構内と言っても、SSSキャラ実体化の目撃事例には場所的な偏りがあるらしい。構内図と照らし合わせてみたところ、どうやら北東部の、年季の入った講堂やサークル棟などが集まった古めかしいエリアを中心に事件が起こっているようだ。
そこには奇しくも、例のゲーム研の部室も存在することが判明した。
拓哉と翔は合流し、次なる目的地が同一であることを確認しあうと、他の猟兵からもたらされた情報も参照しつつ、北東部エリアへと向かった。
翔の提案で、まずゲーム研に顔を出し、在籍中のサークル員に話を聞くと、件のOBの話を聞き出すことができた。
「ああ、その先輩なら二個上だ。暗ーい感じで、あんま話もしなかったからよくは知らんけど」
「いつも時計塔の下でヤニ吸ってたなぁ」
言いつつ、サークル棟の裏手にある時計塔を示された。
大学創立当初に建造されたもので、現在は維持費が馬鹿にならないのと老朽化が深刻なため、取り壊すか残すかで揉めて何年も置物状態とのこと。時計としての機能は停止しており、文字盤の針も動いていない。
部員に礼を言いつつゲーム研の部室を辞して、周囲に人がいなくなったのを確認し、翔は部室のパソコンから万能の指でこっそり引き抜いたデータを展開してみせた。
「これ、例のOBの残したデータだと思うんです」
ダークネス・サバトの草稿と思われるプログラムを走らせると、なぜか唐突に例の時計塔らしきグラフィックが現れ、怪しげな魔法陣のアニメーションが塔に重なるように描き込まれていく……
自然、二人の視線はサークル棟の裏手へと注がれる。
「……後はもう自分で行ってみるしかねえか」
拓哉は狂気への気構えを張り巡らせ、直感を研ぎ澄ませながら、構内にひっそりと佇む古めかしい時計塔を見据えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
空亡・柚希
アドリブ歓迎
【十朱・幸也(f13277)と情報収集も一緒に】
失踪者の条件も色々聞けたし……〈情報収集〉の為に構内でSSS当てに挑戦してみよう
SSSを引いて失踪した人、なにが基準でそうなったんだろうね
まぁ、そもそも引かないとこういうのは確かめられないんだけど。
うん、頑張っていこうね、幸也さん。回転数は正義……たぶん。
あぁ、いいね。動画にするの。ただ回すだけよりはモチベが維持できそう。どんな感じ……?(後ろから覗き込もうと)(爆死結果にこっちも固まる)
追加(課金おかわり)行ってらっしゃい……これ、僕も後で行く感じかなぁ。(こっちの画面にもしっかり爆死結果)
十朱・幸也
空亡・柚希(f02700)と
アドリブ大歓迎
記録用のアプリをインストールして
動画の【撮影】準備完了
課金用のプリペイドカードもたんまり買ってきたし
(訳:グッバイ、俺のなけなしの冬ボーナス)
例のSSSレアのエロかわキャラとやらを当てに行くかー
何が基準かはわからねぇけど……ま、出てくりゃわかるかね
どっちが先に引くか、競争するか?(けらけら
回転数は大正義、出るまで回せば確率は100%って言うしな
折角だし、後で見返して笑う為に動画にしておこうぜ
うし、んじゃ早速……!
(後ろから覗き込まれて、思わず固まる)
ちょっと銀行に行って、追加で金降ろしてくるわ
出るまで回せば勝ちなんだよォォォ!!!(まがおでしゃうと
●ゲーマーの意地
「失踪者の条件も色々聞けたし……情報収集の為にガチャに挑戦してみようか」
「だな。例のSSSレアのエロかわキャラとやらを当てに行くかー」
空亡・柚希(玩具修理者・f02700)と十朱・幸也(鏡映し・f13277)は腹を括り、二人でガチャチャレンジに乗り出すことにした。
失踪者の条件はわかってきたが、敵の思惑は未だ不明のまま。むしろ条件に当てはまらない二人だからこそ、SSSキャラを引くことの意義はあるかもしれない。
二人は広場に腰を落ち着け、ガチャという戦いへの準備を開始した。
「SSSを引いて失踪した人、なにが基準でそうなったんだろうね。まぁ、そもそも引かないとこういうのは確かめられないんだけど」
「確かにな。その辺はさっぱりわからねぇけど……ま、出てくりゃわかるかね。どっちが先に引くか、競争するか?」
けらけらと笑う幸也の手元には、あらかじめ購入しておいた課金用のプリペイドカードがたんまりと。さわやかな笑顔の向こうに、「グッバイ、俺のなけなしの冬ボーナス」という幻聴が聞こえる気がしないでもない。
「回転数は大正義、出るまで回せば確率は100%って言うしな」
「うん、頑張っていこうね、幸也さん。回転数は正義……たぶん」
「折角だし、後で見返して笑う為に動画にしておこうぜ。まぁUDCが絡んでる部分とかは映像に残るか微妙だけどな」
「あぁ、いいね。動画にするの。ただ回すだけよりはモチベが維持できそう」
スマホに録画アプリをインストールして、録画を回しながらいざダークネス・サバトへとログインし……
「うし、んじゃ早速……!」
10連ガチャを同時にタップ。ここに、静かなる戦いは幕を開けた。
初めの内は惜しい!とか全然こねぇ!とか幸也の賑やかな声と、それに応える柚希の穏やかな相槌が飛び交っていたが、徐々に二人とも口数が減り、完全な無言に陥るまでにそうそう時間はかからなかった。
ついつい小さな溜息の漏れる柚希。本来の最高レアリティであるSSは確定枠込みでそこそこ揃っており、ゲームを楽しむぶんにはまあまあのデッキが組めそうな塩梅なのだが……どうにも狙いのSSSにかすめる気配もない。
気になるのは相棒の様子だが……
「どんな感じ……?」
そ……と柚希が後ろから覗き込んだ瞬間、幸也の背中がビシッと固まった。
画面を目撃してしまった柚希も連鎖反応的にピシリと固まる。
……見事居並ぶ最低レアリティキャラの中、唯一輝く確定SSも見事にかぶって屑アイテムに変換されていた。おそらく現状考えうる最悪の大爆死であろう。
しばし、停滞する空気。
「……ちょっと銀行に行って、追加で金降ろしてくるわ」
沈黙ののち、幸也は唐突にバネ仕掛けのように立ち上がり、爆速で駆け出した。
「出るまで回せば勝ちなんだよォォォ!!!」
真顔でシャウトしながらキャンパスを縦断していく爆速幸也に、大学生たちがぎょっとして道を開ける光景を、柚希は遠い目をして見送った。
「追加行ってらっしゃい……これ、僕も後で行く感じかなぁ」
見下ろした自身のスマホの画面にも、似たり寄ったりな爆死結果が表示されているのだった。
そんなこんなで幾度かの課金おかわりを経て、どれほどガチャを回しただろうか?
死んだ目をしてルーチン化したタップ連打を繰り返していた幸也の手元で、スマホが暗く輝いた。ザザザ……ッと演出にしては不自然なノイズが画面に走る──
「きっ……キターーーーーーッ!?」
「え、本当に!?」
あまりに爆死しすぎて半信半疑の歓声を上げる幸也、今度こそガッチリ覗き込む柚希。
画面に表示されたのは、確かにレアリティSSS『大罪の聖母バビロン』。
そしてそれは、画面を突き破るようにたちまち実体化した。
「あらっ、二人ともカワイイお顔! でもオトコノコ! 惜しい!」
エロかわキャラは目をハートにしつつも残念そうに声を上げている。
「でも沢山ガチャを回してくれて有難う❤ もう少々依り代を確保しておきたかったのだけれど、これならば精神エネルギーだけで実体化し続けていられそうだわ」
そう言ってにこやかに手を振ると、エロかわキャラの姿は煙のように掻き消えた。
と同時、カチリとどこかで歯車が噛み合うような音がして、ゴーンゴーンゴーンとけたたましい鐘が鳴り響き始めた。
「幸也さん、あそこ……!」
柚希の指差す先には、うっすらと不気味に光を帯びて十二時を指し示す、時計塔の文字盤があった。
「おいおいおい、さっきまで動いてなかったよな、あの時計!」
「ええ。というか、もう二時過ぎてますし、そもそも故障中って張り紙してありますし……」
二人ははっと顔を見合わせると、同時に、迷いなく駆け出した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『大罪の聖母バビロン』
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POW : 大罪の七つの蛇
自身の【依り代の生命と魂】を代償に、【それぞれが七つの大罪を司る邪悪な蛇達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【噛みつき、司る大罪の毒を流し込むこと】で戦う。
SPD : 大罪に穢れた聖杯
【穢れた黄金の杯】から【大罪の具現たる悪徳の泥】を放ち、【罪と欲望に満ちた泥に沈めること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 大罪の聖母
【自身が産み落とした眷属や邪神達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
イラスト:海李
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「加賀・依」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●受肉する聖母
ゴーンゴーンゴーンゴーン……
時計塔の鐘がけたたましく鳴り響き、でたらめな時を告げている。
その内部、剥き出しの大量の歯車がカチコチと音を立てて動く時計塔の心臓部では、一人のくたびれた青年が膝をつき、真っ黒に隈を帯びて何かにとり憑かれたような両目から感涙を流していた。
「おお……我が女神……」
青年が拝むように見上げるそこには、完全な実体化を成した『大罪の聖母バビロン』の姿があった。
「ふふっ、噂の力というのは大したものね、依り代を介さずともこうして形を得ることができるなんて。この朽ちた時計塔も、おこぼれに与って蘇ったようだわ」
「ようやく……ようやく成りました……! 貴女と出会ったあの日から、どれほどこの時を待ち望んだことか……!」
「よくぞ果たしましたね、我が子羊よ。でももうちょっと排出率高くしてもよくなぁい? もっともっとカワイイオンナノコに当ててもらって、ワタクシが宿るのに相応しい依り代スペアを沢山確保しておきたかったのに」
「いえしかしそれは……正規のシステムに割り込みをかけている手前、あまり派手なことはできません。警察が本格的に介入することになれば、配信停止や構内の出入りが制限されるといった事態にもなりかねませんし」
「あぁ、それは駄目ね、事はこの大学内で済ませなくては。遠い場所から人を拐かそうとすると、せっかく集めた精神エネルギーが赤字になってしまうわ。拐かすには、この時計塔に近ければ近い方がいい」
「それに噂というものは、半端に現実味があるものより、荒唐無稽スレスレぐらいのほうが伝播力や繁殖力があるものなので。体験者や目撃者が多すぎると現実味が増し過ぎて、興味本位より忌避感のほうが勝りかねませんし、噂のレアリティも下がります」
「ふふふ。素晴らしいわ。この限られた状況の中で、貴方は最高の仕事をしてくれたのですね」
バビロンは満足げに微笑むと、褒美を与えるように青年に手を差し出し……その細い指で、青年の喉を掴み上げた。
「ご苦労様でした。貴方の命を最後の贄に、ワタクシは確かにこの現世に受肉し、存在を固着する事でしょう」
「あ、り……がた、き……しあわ…………せ」
喜びの涙とよだれを垂らしながら、青年の首は音を立てて折れ曲がり、全身はみるみるしわがれていった。
その場に猟兵たちがたどり着いたのは、まさにその瞬間。
時計塔の内部に直接連れ込まれた猟兵も、調査でこの場所を探り当てた猟兵も、皆、この時計塔の心臓部に集結する。
狂信の果てに崇拝する邪神を顕現せしめたゲーム研OBの死体を、悪徳の汚泥に呑み込んで、エロかわキャラこと『大罪の聖母バビロン』は穢れた黄金の杯を片手に微笑む。
「あら、さっそくお客様がいらしたわ。ワタクシとまぐわってくださるの?」
くすくすと笑う、この美しくも悍ましい女は、生贄により顕現する邪神。
七大罪を司り、あらゆる悪徳を成し、他者とまぐわい眷属や他の邪神を産み落とす者。
その最終目的は、自身の本体やオブリビオン・フォーミュラの予備を産み落とすことにあるという。
本来は生贄の少女を依り代に顕現する邪神だが、現在の彼女は依り代ではなく噂を介した精神エネルギーによって受肉している。
しかしスマホを通じてパスを繋げた少女達を、スペアの依り代として時計塔のどこかに確保しており、その生命と魂を戦いにも利用しようとしている。
他にも穢れた聖杯の泥や眷属を召喚するなど、かなり厄介な敵になるだろう。
ともあれ、諸悪の根源は目の前だ。
危険な噂を収束させ、まだこの時計塔のどこかで生きているであろう女子学生達を日常へと還す、猟兵達は聖母を騙る悍ましき邪神へと立ち向かう。
鍋島・小百合子
POW重視
哀れな男よ
居もしない神に縋り付いて衰弱死するとはのう
「見ているだけで邪なる姿よ。下手な男子共には見せられぬな」
UC「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を纏い勇気に比例した戦闘力を得たら飛翔能力とダッシュを残像を発しながら一気に接敵
接近戦では薙刀で敵の放つ蛇ごと叩き斬っていく(なぎ払い、範囲攻撃、鎧砕き、破邪、空中戦併用)
蛇の噛みつきには薙刀の武器受けにて防御しつつ、隙を見せれば懐の小太刀で咄嗟の一撃を食らわす
噛みつきを喰らった場合は狂気耐性(環境耐性、継戦能力も併せ)で意地でも自我を保つ
避けられる攻撃は残像を伴う飛翔能力で躱すように回避
機を見て渾身の一撃を叩き込む(串刺し、鎧砕き併用)
波狼・拓哉
あなたが世界を壊すことしないってならまずはデートからな喜ん…まあ、ないと分かっていってますが。しかしまあ、あのOBは上手過ぎだろ。最後に贄にされて良かったような良く無いような…
じゃまずは脱力状態を維持しつつ、蛇や眷属どもを衝撃波込めた弾で戦闘知識、視力、第六感で動き見切りつつ適当に迎撃。泥を確認次第巻き込まれて…衝撃波、地形耐性で物理的な泥の勢い抑えて、狂気・呪詛耐性で罪と欲望の精神的なとこを耐えきって…さ、次はこっちの番です。化け穿ちなミミック!相手の罪、欲望…ついでに狂気も足して世界を染め上げ返してやりましょう。
あとは適当に周りのサポートに回っておきましょうか。
(アドリブ絡み歓迎)
●泥に溺れ、腹を裂く
「哀れな男よ。居もしない神に縋り付いて衰弱死するとはのう」
鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は泥に吸い込まれて消えたOBを憐憫の眼差しで見送ると、バビロンへと薙刀を構えた。
「見ているだけで邪なる姿よ。下手な男子共には見せられぬな」
たちまち小百合子の全身を黄金が覆っていく。それは勇気を力に変える輝き漲る甲冑。
小百合子は飛翔する。掻き消えるほどの速さで、黄金の残像を引き連れながら。
「あら怖い❤」
急激に距離を詰めてくる小百合子へ、バビロンは余裕の笑みで七匹の邪蛇をけしかけた。蛇の顎が開き、凶暴な牙が襲い来る。
小百合子は速度を緩めずに、薙刀の刃で蛇の牙を受け流し、押し返す。残像に釣られて喰らいついた蛇に小太刀の一撃を叩き込み、続けて襲い来る牙を凌ぎ、蛇行飛翔を繰り返して残像で蛇達を攪乱していく。
執拗な蛇どもにかかりきりになる小百合子の姿を悠々と見上げて、バビロンはどこまでも愉快げだ。
「やっぱりオンナノコだと誘われてくれないわねぇ。……ね、そちらのオトコノコはいかが?」
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)へと、バビロンは唐突に話の矛先を変えた。あからさまな夜のお誘い(夜にやるとは言っていない)である。
拓哉は満更でもなく肩を竦める。
「あなたが世界を壊すことをしないってなら、まずはデートからということで喜ん」
「あ、そういうのいらないから。あと世界は壊すわ」
「……まあ、そうくるだろうと思ってましたが」
「ざーんねん」
くすくす笑うバビロンの手の中でくるりと回る杯を、拓哉はちらりと盗み見る。
(「しかしまあ、あのOBは上手過ぎだろ。最後に贄にされて良かったような良く無いような……」)
アプリゲームを利用し射幸心を煽る噂を広げた手管、効率的かつ合理的な精神エネルギー収集の手際、邪神を狂信して全てを捧げてしまえるメンタル。悪事に対してああも有能な男が、生きていれば今後何をしでかしていたかと考えると……ある意味不幸中の幸いだったと言えなくもない。
ただし、目の前の邪神を倒さねば本末転倒だ。
「まぐわって下さらないなら、ワタクシの糧になって頂戴❤」
バビロンは杯の泥を一滴、床に落とした。
泥を吸った床は水面のように波立ち、闇を放射する魔法陣を描き出す。それは召喚の陣。呼びいだされたるは、バビロンと似通った齢十歳前後と思しき少女の姿をした、蛇皮の肌を持つ小悪魔達。
「じゃまずは、様子見といきますか」
拓哉は全身から力を抜き、襲い来る小悪魔達を銃弾で迎撃していった。飛びつき抱き着いてこようとする数多の小さな手を適当にやり過ごし、銃弾の衝撃波で退けていく。
バビロンはさらに、穢れた聖杯を傾ける。
たちまち溢れ出た泥が、津波の如く拓哉へと押し寄せる。拓哉はしつこく纏わりつこうとする小悪魔達を己の周囲からはじき出すと、大量の泥にあえて巻き込まれた。物理的な泥の勢いを衝撃波で抑制し、波間にどうにか一人分の空白地帯を作り出して受け流していく。
「……さ、次はこっちの番です」
精神を浸食する罪と欲望を耐え凌ぎ、汚泥と共に振り払うと、拓哉は傍らに箱型生命体を召喚した。
「化け穿ちなミミック! ヤツの罪、欲望……ついでに狂気も足して世界を染め上げ返してやりましょう」
瞬時にして、ミミックが形を失った。その足元の床を染め変えた影のような黒染みが、凄まじい速度で地を這いバビロンの足元へと伸び迫る──
「まぁ何かしら、怖いわぁ」
こともなげに地を蹴り、空中へ逃れるバビロン。
が、黒染みは宙に伸び上がるや、その体内から大量の汚泥を勢いよく吐き出した。先ほどの汚泥の津波に狂気を上乗せした攻撃が、有無を言わせずバビロンを呑み込んでいく。
甲高い悲鳴が泥の向こうに呑まれた瞬間、七匹の蛇達が一斉に怯んだ。
小百合子は咄嗟に小太刀の反撃を進路上の蛇に叩き込んで、バビロンへと一直線に飛翔した。させまいと執拗に追いすがりかすめる毒牙が焼け付くような痛みを刻み付けてくるが、ありったけの耐性と気力を総動員して、意地でも自我を保つ。
さらに進路に群れ集る小悪魔達を黄金の残像で躱し、後方から撃ち込まれる拓哉の衝撃弾に助けられながら、全てを振り切る速度でバビロンへの軌跡を翔け抜ける──
「あぁこの悪徳と罪と欲望……なんて背徳的なのかしら……嫌だわ、頭が蕩けてしまいそう❤」
汚泥の狂気にどっぷり浸かり愉しみまくって動けないバビロンを、瞬時にその周囲に舞い戻った蛇達が守るように布陣する……が。
「無駄じゃ──その穢れし身に、我が破邪の力、しかと刻むが良い!」
横薙ぎ一閃。
全身全霊を籠めた薙刀の刃が浄化の輝きを放ちながら蛇ごと泥を薙ぎ払い、汚泥の中でだらしなく耽溺しているバビロンの姿を露わにする。
その薄い腹部を、即座に閃いた刃が電光石火で貫いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
ふーむ、首元に巻いたマフラー
従えし蛇と恐るべき毒
ミコさん生贄にガチで儀式をしてたら
本体復活してたかもしれませんねー
◆行動
速攻でお持ち帰りされましたし
【捕食】と言うか暴食な素養がある私ともパスが……
繋がってそうですね、はい
ならば他の子から吸い上げられる生命と魂を
私が出来る限り肩代わりしましょう
まぁ【戦闘知識】と言う名の魔術的な素養と
【生命力吸収】に秀でた私だからこそ出来る裏技ですね
他の方が依り代の方々を救出したら
タイミングを見計らいスマホを壊しパスを絶ちます
トロイの木馬ではありませんが
此れを以て【黒竜の邪智】の証明としましょう
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
●弱点証明
「ふーむ。首元に巻いたマフラー、従えし蛇と恐るべき毒……ミコさん生贄にガチで儀式をしてたら本体復活してたかもしれませんねー」
顕現した大罪の聖母バビロンの姿に、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は考え耽るように呟いた。
幸いそれは成らなかったが、別なる懸案……というか疑惑が浮上する。
「あぁワタクシとしたことがすっかり泥キメてしまったわ。恥ずかしい❤」
バビロンはどくどくと血を流す腹部を放置したまま、薔薇色に染めた頬を抑えながら、蛇達に向けて人差し指を立てた。
その仕草をじっと見守るミコ。
「ガチャのくだりで速攻でお持ち帰りされましたし、捕食と言うか暴食な素養がある私ともパスが……」
バビロンの指先に白く光が灯り、一瞬で黒に反転した──その瞬間、パチリと鋭い痛みがミコの末端神経をかすめた。
「……繋がってそうですね、はい」
致命的な何かを吸い上げられる不快感に顔をしかめつつ、ミコはかえって都合が良いと腹を据える。
「ならば他の子から吸い上げられる生命と魂を、私が出来る限り肩代わりしましょう」
バビロンの黒い指先が蛇達の力を励起していく。代償に使われているのは全てミコの生命力と魂の一部。皮肉な状況だが、背に腹は代えられない。
(「まぁ戦闘知識と言う名の魔術的な素養と生命力吸収に秀でた私だからこそ出来る裏技ですね」)
けろりと自負して、見事に全ての負担を請け負ってみせるミコ。奮迅する仲間の隊列に溶け込み、いっそ目立たぬように気配を潜めながら、機を待った。
「……なんだか小賢しいことをしているヒトがいるみたいだけど、貴女一人の力だけでは足りないのよ?」
バビロンは強引に依り代のパスを手繰り、大学生達の生命力を引き出そうと指で天を指し──
が、その笑顔ははっと強張り、指に灯った光も瞬時に掻き消えた。
どうやら、誰かが依り代達のパスを断ち切ったか救出したかしたらしいと、ミコは直感的に判断する。
「誰だか知りませんが感謝!」
手の中のスマホを魔術で迷いなく破壊するミコ。依り代のパスが糸を切ったように途切れる。
「トロイの木馬ではありませんが、此れを以て【黒竜の邪智】の証明としましょう」
依り代との繋がりなくば機能しない、それが彼女の蛇の弱点。
急速に形成された召喚陣より、かつて竜であった残骸が無数に顕現し、津波の如くバビロンを呑み込んでいった。
大成功
🔵🔵🔵
久遠・翔
アドリブエロ絡み歓迎
純潔死守
くっ…下手に技を使われると捕らわれた人達が被害にあう
ならそっちをどうにかしないと…それまで皆さんお願いします
選択UCで時計台の中をくまなく探索して捕らわれている女性陣を回収し、スマホに向かってUC万能の指を差し込みパスを断ち切ります
女性陣は気絶しているならそのまま、意識あるならUC無自覚の交渉術によりUC小さな日本庭園に匿います
全部終わったら隠密状態からの一撃をバビロンに叩き込みます
ぶっちゃけ救出作業で疲れているので短期決戦がベストっす
俺を依り代にするならやめておいた方がいいっすよ?
だって、俺自身が呪いの塊みたいなもんっすから
憑りつかれたら呪いが敵を食い尽くします
●呪返し
時は遡り、時計塔に到着してすぐのこと。久遠・翔(性別迷子・f00042)は決断に迫られていた。
「くっ……下手に技を使われると捕らわれた人達が被害にあう。ならそっちをどうにかしないと……」
被害を最小限に済ませたい翔は、バビロンが戦闘にかかりきりになったのを見極めて、気配を潜めて戦線を離脱した。
(「依り代の方々は必ず助けるっす。それまで皆さんお願いします……!」)
祈る思いで通用口から内部へ潜入する。塔内に影の追跡者をくまなく走らせて、複雑な構造を把握しながら探索し……
「……いた!」
追跡者の視界に気絶している女性達の姿を捉え、翔は先へ急いだ。
三階層ほど上の階、バビロンの立ち位置のほぼ真上。大量の歯車に囲まれた点検用フロアの中央に、彼女等は寄せ集められていた。ほとんどが気絶しているが、座り込んで朦朧としている者もいる。
「た、すけ……て」
「ええ、すぐに!」
翔は辺りに放り出されていた彼女達のスマホに、片っ端から万能の指を差し込んでパスを断ち切っていった。
途端、朦朧としていた女性がはっと息を呑んで目を瞬いた。
「あれ、私……」
「ごめんなさい、説明してる時間はないんです。ただ、俺を信じてもらえますか……?」
無自覚に振り撒かれる魅力と真摯な言葉に引っ張られて、女性は神妙に首肯し、差し出されたストラップに触れた。
「あぁん、もう、せっかく確保した依り代がいなくなっちゃった~」
猟兵達の攻撃に押し込まれながら嘆くバビロン。
依り代との繋がりを失った蛇が混乱して使い物にならず、小悪魔達を総動員して抗戦するその死角に、刃が閃く。
「──!」
咄嗟に振り向いたバビロンの腹部の傷を、ククリナイフが深々と抉った。
バビロンの懐に潜り込んだのは翔だった。捜索にかなり労力を割いた上、依り代達を避難させた特殊空間を維持し続けているため、見るからに疲労が色濃い。
バビロンの瞳が妖しく輝く。
「その身体、頂戴……!」
たちまち汚泥が翔を巻き取り拘束する。服に入り込む流体の感触に身悶え頬を上気させ悩ましく吐息をつきながら、翔は強い眼差しで対抗する。
「俺を依り代にするならやめておいた方がいいっすよ? だって……俺自身が呪いの塊みたいなもんっすから」
視線と視線が繋がり合い、確かにパスが築かれた、その時。
「く、あ……!?」
翔の呪いがパスを遡り、邪神の身を浸食し尽くしていった。
大成功
🔵🔵🔵
藤堂・遼子
本来は生贄の少女を依り代にする邪神ね
実際の邪神の生贄にされかけた身として笑えないわよ
で聖杯を穢して蛇を纏う女。バビロンってことは聖書由来なんでしょうけど、その符号もまた笑えないわ
【限定顕現・揺籠の君】を使うか迷うけど同類ぶつけるのは悪手よね。というか、こいつの前で邪神の依り代とかダメでしょ
距離をとってデモンハンターとデビルベインの二丁拳銃で戦うわ
蛇が噛みついてきたら腕や脚で受けてるわ。義手義足なら毒の影響は多分ないでしょう
生身部分噛まれても色欲ならゆりゆりの依り代やってる私なら多少は耐性あるでしょ
隙を見て【邪神たる獣の螺旋牙弾】を、ゆりゆりの魔力を宿して放つわ。キャラ被ってるとお怒りよ、ってね
●邪神を撃ち抜く邪神の弾丸
「……あぁ、失敗してしまったわ。他に使えそうなコは、と」
呪いに身を重くしながら、バビロンの眼差しが猟兵達を舐めるように見定める。
その目に留まった藤堂・遼子(狂気を狩る者・f09822)は苦々しく顔を歪めた。
「本来は生贄の少女を依り代にする邪神ね。実際の邪神の生贄にされかけた身として笑えないわよ」
嫌でも目に入るのが、穢れた杯に、七匹の蛇。
「で聖杯を穢して蛇を纏う女。バビロンってことは聖書由来なんでしょうけど、その符号もまた笑えないわ」
「あらら? 同族に唾つけられちゃってる感じかしら?」
くすくすと揶揄うように笑う邪神。遼子の瞳はいっそう据わる。
「そんなところよ。お前に同類の力をぶつけるのは悪手でしょうね」
実際、この場に邪神を降ろすかどうか迷いもしたが……
(「こいつの前で神降ろしの依り代に覚醒するとかダメでしょ」)
というわけで却下。
遼子は十分に距離を取った状態で、両手にデモンハンターとデビルベインを構えた。
「他の邪神の贄のつまみ食いができるなんて素敵❤」
バビロンはノリノリで、一時の混乱から立ち直った蛇をけしかけてくる。新たな強化はできないものの、牙に宿る大罪の毒はまだ生きているようだ。
二丁拳銃を交互に撃って蛇を牽制する遼子。蛇は身体をうねらせ銃弾を潜り抜けながら遼子へと牙を剥く。
遼子は毒牙をあえて腕や脚で受け止めた。威勢よく噛み付いた蛇達が虚をつかれたように蠢く。
「悪いけど、そこはとっくにないのよ」
四肢を補う義手義足に食いついた蛇どもを皮肉げに振り払い、バビロンへと投げつけると、二丁の対UDC用カスタムモデルに邪神の魔力を集束させた。
色欲の蛇毒に浸食された義手義足の付け根が、むず痒い快楽に似た感覚を伝えてくるが、そもそも遼子が依り代を務める邪神が司るのもまた色欲。この程度の大罪、毒のうちにも入らない。
「外宇宙の深淵より来たれ邪なる大神……我が弾丸に宿り、我が敵を討つ牙となれ!」
力強く、引き金が引かれる。
「うちのゆりゆりがお怒りよ。キャラ被ってる、ってね」
爆発するように解き放たれた弾丸は、闇の魔力を渦巻かせ、螺旋を描いて宙を疾る。
咄嗟に展開された付け焼き刃の汚泥の防護を破り裂き、暴かれた邪神の腹を、螺旋纏う弾丸が一挙に貫いた。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
SPD
私好みのお姉様……❤
依り代をお求めでしたら是非、私の体に……❤
真の姿で背中に黒炎の翼。
守護霊の憑依【ドーピング】で更に戦闘力を高め
『無情なる刻』で13.2秒の時間停止。
穢れた黄金の杯と悪徳の泥を
光の【属性攻撃・全力魔法】で浄化・消滅させ
彼女を【怪力】で抱きしめ
濃厚なキスと共に全身を愛撫して【慰め・生命力吸収】
私を迫害した人間達への憤怒
忌々しい者達だけが世界に肯定される嫉妬
永遠の安心感を欲する怠惰
貴女達を愛し愛されたいという色欲と暴食
私だけが貴女達を救えるという傲慢
とうの昔に大罪を背負い
穢れきった私は【呪詛耐性・気合い】で狂わされず
彼女を【誘惑・催眠術】で魅了し、取り込むわ
●神を魅了する者
腹部の傷口から、おざなりに止血をしていた汚泥をどろりと零しながら、バビロンはついでに深い溜息も零した。
「二連続で振られちゃったわ。みんなつれなぁい」
しかしその冴えない様子を、うっとりと眺めている視線が一つ。
「私好みのお姉様……❤ 依り代をお求めでしたら是非、私の体に……❤」
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の思わぬ誘いに、バビロンは目を瞬くと、うっすらと微笑んで舌なめずりをした。
「あら、素敵なお嬢さん。遠慮せずにこちらへいらっしゃい❤」
穢れた聖杯から汚泥が溢れ、ドゥルールを包み込む。
ドゥルールはなされるがまま泥に攫われ、バビロンの元へと運ばれていった。手と手を取り合い、蕩けるような眼差しを絡め合い、ぴたりと身体と唇を寄せ……
ドゥルールの背に、勃然と黒炎の翼が生じた。
瞬時にして守護霊が全身に宿り、溢れた魔力がドレスとなって纏いつく。
「未来さえ、私には追いつけない」
唇の触れ合うその寸前、吐息まじりの詠唱が、周囲の時を止めた。
硬直する時間の中、ドゥルールはただ一人ドレスをたなびかせ、燦然たる光の魔力で一帯を浄化せしめた。汚泥と杯が根こそぎ消滅していく。
時を止めた邪神を、ドゥルールは力いっぱい抱き締める。唇を味わうような接吻は、すぐに舌を絡めた濃厚なものへと発展した。
その最中に時を取り戻し、バビロンは目を見開いて身じろぐが、乙女らしからぬ怪力の拘束が自由を許さず、全身を這う蠱惑的な愛撫が抵抗する力を奪い取っていく……
腕の中の身体がぐったりと抵抗をやめたのを確かめ、ドゥルールは邪神の耳に唇を寄せる。
「私を迫害した人間達への憤怒
忌々しい者達だけが世界に肯定される嫉妬
永遠の安心感を欲する怠惰
貴女達を愛し愛されたいという色欲と暴食
私だけが貴女達を救えるという傲慢」
自分の罪を数えるように確かめるドゥルール。
「とうの昔に大罪を背負い穢れきった私が狂わされることはないわ。相手が邪神であろうとも」
ドゥルールの目が、バビロンの目を覗き込む。
「貴女が、私に狂いなさい」
傲慢なまでの命令にびくりと身体を跳ね上げるバビロン。
「あぁ……お姉様……❤」
ドゥルールを見つめるその瞳は、陶酔と快楽に蕩けていた。
大成功
🔵🔵🔵
空亡・柚希
【十朱・幸也(f13277)と】
アドリブ歓迎
まあ、ガチャ引いたのは自分だし、出なかったのも、貯金が消えたのも自分だけど
後悔しないかって言ったらね。……するよね。
さて、……先程(ガチャ爆死の時)はどうも、バビロンさん
感染源、しっかり絶たせてもらおうかな。あと鬱憤晴らし。
銃を作り出す時の音は戦闘音にどうにか紛れてくれていると思いつつ、回数重視で攻撃していくよ
〈傷口をえぐる〉事を重点に、僕や幸也さんの方に来る蛇を迎撃しつつ、機会があれば本体を狙ってこうか
呪いを分解する〈呪殺弾〉、効果があるといいけど
正直なところ、この武器(手)が壊れるような無茶運用はしにくいんだよね。タップしにくくなるし(切実)
十朱・幸也
空亡・柚希(f02700)と
アドリブ大歓迎
なけなしの冬のボーナスが消えるまでは……
ぶっちゃけ懐事情的に良くねぇけど、まあ良いとしてもだ
――テメェは俺達を怒らせたんだよォ!(八つ当たり
ガチャ爆死の恨みをありったけ込めて
『戦姫』を発動して殴る、兎に角殴り倒す、俺も殴る
【フェイント】込みの【なぎ払い】で
派手に立ち回って、空亡の銃作成時の音を消せればラッキー
空亡への攻撃は俺か千薙、どちらか近い方が【かばう】
……あんまり派手に動くの得意じゃねぇんだよな
マジで筋肉痛になるし、タップする時響くし
アラサーのリーマンにここまでさせたコト
悔やみに悔やんでから、還りやがれ!
あー……明日からの昼飯代どうすっか(まがお
●拳と銃弾に恨みを込めて
「なけなしの冬のボーナスが消えるまでは……ぶっちゃけ懐事情的に良くねぇけど、まあ良いとしても、だ」
十朱・幸也(鏡映し・f13277)は、拳を握り締める。きつく、きつく。ミシミシと音がするほどに。
「――テメェは俺達を怒らせたんだよォ!」
八つ当たりを吼え猛り、一気に敵へと飛び出していく幸也。
「まあ、ガチャ引いたのは自分だし、出なかったのも、貯金が消えたのも自分だけど。後悔しないかって言ったらね。……するよね」
怒りに満ち満ちた相棒の背中へと溜息まじりに同意を送ると、空亡・柚希(玩具修理者・f02700)は今にも幸也に殴り掛かられようとしているバビロンを見据えた。
「さて、……先程はどうも、バビロンさん」
ガチャ爆死の件に棘を込めて呼びかけてみるも、催眠状態のバビロンはとろりと快楽に蕩けた瞳にハートマークを浮かべて上の空。
「あぁ、カワイイオトコノコ達がこっちにクる……❤ ワタクシとねっとりじっくりまぐわってくださる……」
「わけねぇだろッ!!」
幸也が拳を振り上げ飛び掛かると同時、その傍らに召喚される絡繰り人形『千薙』。
ガチャ爆死の恨みをありったけ込めて、主従揃えて振り下ろされる拳。咄嗟に蛇や小悪魔達が割り込みポンコツ状態のバビロンを庇う。幸也と千薙はお構いなしに、片っ端から殴る、殴る、とにかく殴り倒していく。
「踊り狂え、千薙!」
幸也の合図に従い、千薙は小悪魔を殴りつけようとしていた体勢からあっさりと身を退くと、薙刀を豪快に振るった。突発的に荒れ狂う衝撃波に、蛇達が吹き飛ばされ、小悪魔の一部がごっそりと消滅する。
その轟音に隠れて、柚希の準備は完了した。
「……あまり、多用はしたく無いんだけど。感染源、しっかり絶たせてもらおうかな」
柚希の両手から作り出された二丁の銃が、混沌とした戦場へと照準を合わせた。
「あと鬱憤晴らし」
高らかな銃声が轟き、乱射される銃弾が幸也に群がろうとする有象無象達を蹴散らしていく。
小悪魔達が次々と消滅していく中、蛇達は二手に分かれて柚希への攻撃を開始した。が、これを幸也と千薙が阻止し、簡単には前衛を抜かせない。
膠着する戦線。しかし徐々に敵の陣営は薄くなっていく。
「……あんまり派手に動くの得意じゃねぇんだよな。マジで筋肉痛になるし、タップする時響くし」
蛇を撃退しながら肩で息をつく幸也。
「正直なところ、この武器が壊れるような無茶運用はしにくいんだよね。タップしにくくなるし」
積み重なる発砲回数に、両手を武器としている柚希も顔をしかめて似たような愚痴を零す。ゲーマーには切実な問題である。
何度目かのリロード。〈呪殺弾〉がホルスターの内部を呪詛で満たし、ひりりと不快な感覚を柚希に伝える。
「呪いを分解する力……効果があるといいけど」
連続して吐き出された弾丸は、八発。
パスを絶たれ、使い物にならない主の負担を一身に背負い、極限まで消耗した蛇達の傷口を、呪殺弾一発一発が的確に抉り、貫く。畳みかける千薙の薙刀が、動きを完全に止めた七つの首を斬り飛ばす。
ついに拓かれた敵首魁への道を、最後の銃弾と幸也が躊躇いなく突進する。
「アラサーのリーマンにここまでさせたコト、悔やみに悔やんでから、還りやがれ!」
泥と血を垂れ流す女の腹部の傷口を弾丸が抉り、続けざま幸也の拳がだらしなく蕩けている女の顔を骨格が歪むほどの力で躊躇なくぶっ飛ばし、エロかわな全身を思いっきり吹っ飛ばした。
盛大に巻き上がる塵埃の中、幸也は歯車の辺りで上がっている異音を聞き流し、バビロンの行く末を確かめることなく踵を返した。
柚希が穏やかな笑みで迎える。
「おつかれ。……お互いに」
「おう。あー……明日からの昼飯代どうすっか」
どことも知れぬ空の一点をまっすぐに見つめる幸也の表情は、どこまでも平坦な真顔だったという。
●邪神のいない日常
吹き飛ばされたバビロンの肉体は、滑らかに噛み合う巨大な歯車と歯車の隙間にすぽっと挟まった。
そのままゆっくりと、歯車と歯車の絡み合いに引っ張り込まれていき……
「あっ❤ これはこれで新感覚❤」
悩まし気な吐息交じりに相変わらずポンコツな戯れ言を吐きながら、その姿は歯と歯の間に消え、ごきゃり、と不吉な異音を立てて完全に沈黙した。
その衝撃で、時計塔の機能も再び停止した。さっきまでの元気が嘘のように、針が時間を刻むのをやめ、時計塔に静けさが舞い戻った。
何もかも、すっかり元通りに。
かくて時計塔に潜む邪神『大罪の聖母バビロン』の大学を舞台とした企みは潰え、聖母は母になることなく滅した。
無事助け出された行方不明者達はほどなく各々の生活に戻り、これをもって噂の信憑性は一気に薄れていくこととなった。人々は瞬く間に別の話題へと興味を移し、「ガチャを引いたら行方不明になる」云々といった噂は都市伝説にも形骸を残さず静かに消滅していった。
悍ましき邪神の影を払拭した学び舎で、大学生達は今日も、勉学と青春とモラトリアムを謳歌するのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵