フォートレス・アンド・タンク
#アポカリプスヘル
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●オブリビオン・フォートレス
アポカリプスヘルの赤茶けた広大な荒野に、ぽつんと明かりが灯るかのように一つの基地が存在する。その名はベルグリシ陸軍基地。
ベルグリシ陸軍基地は、かつてはアポカリプスヘルに存在する最先端の軍事基地だった。
だが、数年前から多発するようになったオブリビオンストームによって人類の文明が崩壊し、今ではわずかに生き残った軍人や民間人たちが寄り集まって暮らす拠点(ベース)となっていた。
分厚いコンクリートの壁に囲まれた基地内には、戦車や軍用車両の格納庫が立ち並んでいる。住民たちが生活するプレハブ小屋や、基地の備蓄食糧を細々と配る配給所の存在も見て取れた。
そして何より目立つのが、基地の中央に聳え立つ小山ほどの大きさの巨大要塞だ。ベルグリシ(山の巨人)という名前の由来ともなった禁忌のオーバーテクノロジーの産物たる巨大要塞からは、無数の砲門がハリネズミのように伸びており、人類の旧文明の高度さを象徴していた。
文明崩壊後、何度となく押し寄せるゾンビや略奪者(レイダー)たちを撃退し続けられているのも、ひとえに軍事基地の防壁と、残された銃火器や戦車といった兵器群、そして巨大要塞の火力のおかげであった。
――そのベルグリシ陸軍基地に地響きとともに激しい爆発音が響く。
今、このベルグリシ陸軍基地はオブリビオンの軍勢に包囲され攻撃を受けているのだった。
だが基地がオブリビオンに攻撃されていても軍人や住民たちは平静を保っている。これまで幾度となく敵を退けてきた基地の守りを、守護神ベルグリシを信じているからだ。
「報告します! 基地を包囲している敵戦車から防壁への砲撃を確認! 被害は軽微です!」
「そうか。女子供は念の為、ベルグリシ要塞内部に避難させておけ。民間人の自警団は戦車部隊の後方から迫撃砲で援護だ。ベルグリシの要塞砲の砲撃とともに戦車部隊を出撃させる!」
指揮車両に乗り込みながら、軍服を着た壮年の男が伝令兵に答える。指揮車両から戦車隊に出撃の指示を出そうとした、その時。
ベルグリシ陸軍基地を激しい地震が襲った。
「な、なんだ!? 敵の攻撃か!?」
慌てて指揮車両から飛び出した男が見たのは、巨大要塞が変形し二足歩行で動き出す姿。
ベルグリシ要塞が足を踏み出すたび、基地は大地震に見舞われたかのように激しく揺れる。振動に合わせて装甲車が跳ね、耐震性の低い建物が倒壊していく。要塞に踏み潰された格納庫からは火の手が上がり、人々の悲鳴が木霊する。
「ば、ばかな……。ベルグリシの最終形態は、禁忌として封じられていたはず……」
『報告します! ベルグリシ要塞の全隔壁がロックされ、内部に侵入できません! メインコンピュータも外部からの制御を受け付けません! 繰り返します……』
――軍服の男が最期に見たのは、燃え盛る基地の炎に照らし出されたベルグリシ要塞の要塞砲から雨のように降り注ぐ砲弾だった。
この日、ベルグリシ陸軍基地と、そこに住んでいた人々は、アポカリプスヘルから跡形もなく姿を消したのだった。
●グリモアベース
「皆さん、お集まりいただき、どうもありがとうございます。今回はアポカリプスヘルの拠点が壊滅させられるのを防いでいただきたいのです」
グリモアベースでアイ・リスパー(f07909)が猟兵たちに頭を下げて予知の説明を始める。
アイがホロキーボードを操作すると、事件の舞台、ベルグリシ陸軍基地の立体映像が空間に投影された。ドーム球場のような形をした要塞を中心に広がる軍事基地で、格納庫やプレハブ小屋などが立ち並ぶ区画を含めて、長大なコンクリート壁によって囲まれていることが見て取れる。
「この防壁は通常の戦車砲程度では破壊できない強度を持っています。なので、普通は簡単に陥落するような拠点ではないのですが――」
アイの操作によって、基地の中央に位置する巨大要塞が拡大表示された。
「ベルグリシ陸軍基地の象徴たるベルグリシ要塞。いつからオブリビオン化していたのかは不明ですが、この要塞が巨大オブリビオンとして起動し、内部からの攻撃で基地を壊滅に追いやることが判明しました」
このまま巨大要塞を放置しては、多くの人々が命を落とすことになる。
「ですが、今からアポカリプスヘルに向かえば、このベルグリシ要塞が起動するタイミングに間に合います。予知のような結果になる前に、ベルグリシ要塞を破壊してください」
猟兵たちが現場に到着するのは、ちょうどベルグリシ要塞が起動するタイミングになる。
ベルグリシ要塞は、禁忌のテクノロジーによって手足が生えた形態に変形するが、猟兵たちと戦っている間は派手には動かない。基地への被害は最小限で済むだろう。
また、要塞内部に人間はおらず、民間人や軍人は放っておいても安全な場所に避難するので、避難誘導の必要はない。
ベルグリシ要塞からの攻撃で基地の建物などに被害が出るかもしれないが、多少の物的被害は許容するしかないだろう。
「ベルグリシ要塞はとても強固な要塞なので、現地の軍人たちが使う武器などが通用しない『ほぼ無敵』状態ですが、猟兵である皆さんの武装やユーベルコードなら通用するはずです」
もちろん、なるべく要塞の弱点をつくような攻撃であるほど効果は高い。
だが、要塞も全ての出入り口の隔壁を下ろしているので、内部への突入などは難しいだろう。また、要塞は完全にオブリビオン化しているので、メインコンピュータへの干渉も厳しいと思われる。
「ベルグリシ要塞を沈黙させたら、基地の外部を包囲している敵との戦闘になります。こちらには、基地の戦車部隊の皆さんが協力してくれます」
ベルグリシ要塞戦で、なるべく基地に損害が出ないように戦っていると、戦車部隊からの十全な支援を受けることができるだろう。
「包囲している敵部隊を倒すと、オブリビオン軍団を率いている親玉が姿を現すはずです。予知では姿が見えなかったのですが――嫌な予感がしますので、どうか気をつけてくださいね」
そういうと、アイはグリモアを輝かせてアポカリプスヘルへのゲートを開く。
「ベルグリシ陸軍基地は、人口、物資、軍事力的にも恵まれた拠点です。アポカリプスヘルの文明復興のためには、こうした拠点を守る必要があります。皆さん、期待していますので、よろしくお願いします」
そう言うと、アイは猟兵たちに深く頭を下げるのだった。
高天原御雷
オープニングをご覧いただき、どうもありがとうございます。高天原御雷です。
アポカリプスヘルの二本目のシナリオをお届けします。壊滅の危機に陥っている拠点をどうか救ってください。
そして、敵のボスは一体、何戦車なんでしょう……!
以下、シナリオ詳細です。
●目的
オブリビオンを撃破し、拠点を救うこと。(被害の有無は不問です)
●一章:ボス戦
『無敵要塞・ベルグリシ』との戦いになります。大きさはドーム球場くらいをイメージしてください。
『ほぼ無敵』とありますが、猟兵の装備やユーベルコードならダメージは与えられます。でも硬いです。弱点を突くようなプレイングにはプレイングボーナスが付きます。
なお、オブリビオン化しているため、コンピュータへの干渉は難しいと思ってください。
周囲にあまり被害を出さないで倒すことができたら、二章の全てのプレイングにプレイングボーナスが入ります。
●二章:集団戦
基地を包囲して砲撃してきている戦車っぽい敵との集団戦です。
基地の戦車部隊が無事なら、猟兵たちをサポートしてくれます。
●三章:ボス戦
基地を攻めてきているボス敵との戦闘です。なんとなく戦車っぽい気がします。
特定の章のみの参加や、途中参加も大歓迎ですので、お気楽にご参加ください。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにしています。
第1章 ボス戦
『無敵要塞・ベルグリシ』
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POW : 砲煙弾雨のウォーキングフォート
自身の【装甲材と砲台が、内部に搭載された動力コア】が輝く間、【あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になり、砲台】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : マジノウォー
全身を【囲む、砲台で攻撃しつつ、身体を防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : ジークフリートモード
【あらゆる攻撃に対しほぼ無敵の、殲滅モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
イラスト:100
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シスカ・ブラックウィドー
【POW】
大きいな......。ポカリ(アポカリプスヘルの略)の敵はこんなやつばっかりか。毒も魅了も効くか怪しいし。ここは弱点でも探そうかな。
あの砲塔の隙間から漏れてる光......なんだろ。弱点かな。狙ってみようかな。
【ティコ】に乗ってオブリビオンの体の近くまで接近!基地の建物の影を上手に使って気付かれないように迂回しながら敵の砲塔に取り付くぞ。砲塔から弾が発射される瞬間を狙って【ファンシー・ミサイル】発射!
砲塔の内側で砲弾を誘爆させる!
中で光ってた機械まで爆風が届けばいいな!
※アドリブ歓迎
フォルク・リア
ベルグリシを見渡して
「見る程にその異様が際立つな。
戦う前から頑強さは伝わってくるが。
攻略法もない訳じゃない筈だ。」
冥雷顕迅唱を使用して雷でダメージを与え
雷の衝撃で電気系統にトラブルを起こす事を狙い。
その隙に龍翼の翔靴を使った【早業】【ダッシュ】で
敵の上部まで駆け上がり
そこからは極力動かずに【全力魔法】を使った
冥雷顕迅唱を使用。
「此れだけ巨大なら攻撃を外す事だけはなさそうだ。
それに電撃で制御系に損傷を与える他に
内部にあるだろう火薬や燃料に引火して爆発でも
起こせば更に破壊を拡大させられる。」
その為には装甲の薄そうな砲の近くを集中的に攻撃。
それが上手く行かなくても砲が破壊できれば良しとする。
ミスタリア・ミスタニア
ベルグリシ要塞か、見たところ歩行型陸上戦艦っぽいな
流石に帝国の二足歩行戦車とは比べものにならない大きさと火砲の数だな
しかし、起動したタイミングとはいえ向こうはまだ要塞が敵になったと断定出来てなさそうだが、要塞攻撃して敵と誤認されねぇか?
見たところ、直上はまだ砲の数が少なそうだな
なら、上空から急速降下をかましてやる!
大気圏内だろうと鎧装騎兵を舐めるな!真上向いた要塞砲が早々当たるもんかよ!大気圏内なら対空砲さえ真上は命中率微妙だろうに!
取り付いたら対艦攻撃用パイルバンカーで隔壁吹き飛ばして侵入だ
おら、内部からの攻撃には弱いだろ!
アームドビットとメガビームランチャーで内から蹂躙してやる!
天城・千歳
【SPD】
アドリブ、絡み歓迎
可変移動要塞とはまた、一種の浪漫兵器ですね。
とは言え民間人の居る所でいつまでも暴れさせる訳にはいきませんし、早急に撃破しなくては。
自身の赤外線センサー、電磁波計測、光学観測等による【情報収集】で得た情報を元に【戦闘知識】による解析を行い、比較的脆くなっている部分を特定。特定した部位に対し、A-1、A-1E及びUCで呼び出したエレクトロレギオンと共同で19式複合兵装ユニットの【誘導弾】ブラスターライフルの【スナイパー】で攻撃を行う。
特定した脆い部分の情報は戦闘用義体を通じて他の猟兵に連絡、情報を共有させる。
「この事態が敵の能力によるものだったりすると、少し厄介ですね」
防人・拓也
SIRD共同参加
UCを発動し、戦闘ヘリ『スーパーバイパー』を操縦しながら登場。
「おいおい…前にデカブツ戦車を相手にしたが、こんな奴までいるのか」
と少々驚きながらも、交戦開始。
敵より高く高度を上げた後、真上から敵に目掛けてダイブしながらロケット弾、ミサイルを発射。その後、離脱していく一撃離脱戦法をとる。
砲台を優先的に潰していき、敵の攻撃力を下げていく。コアが露出したら、そこを狙う。
敵に近づこうとする味方がいたら
「こちらリーパー、援護する」
と言って、味方を狙いそうな砲台を上記の戦法で破壊する。
航空支援を頼まれたら
「了解、支援する」
と言って、攻撃が必要な場所を上記の戦法で攻撃する。
アドリブ・連携可。
オウァテオウルミス・クリブラトゥス
正式名オウァティオウェルミス・クリブラトゥス。名前の字数が足りなかったんだ。
俺は無力だ。巨大な要塞を前に己の矮小さに怒りを覚える。その怒りがこの身を巨大化させていく。だが、それでもすべての被害を抑えられるわけではない。そのことに、己の不甲斐なさにさらなる怒りを覚えそれを戦闘力へと変えていく。
その迫力のある見た目でベルグリシの注意を惹こう。
砲撃を出来る限り念動力で逸らしつつ体当たりを行い、グラップルの組技で体勢を崩しつつ一撃必殺の灰燼拳を叩き込んでやろう。
まぁ、すべての砲撃は逸らせまい、俺が接敵するのが先か集中砲火で沈むのが先か。だが、この場には他に猟兵がいる、隙を作れれば彼等に任せていいだろう
主・役
魔法少女モチーフのVR弾幕シューのアバターと同期。マスコットキャラ風オプションユニットがお供。
はっはー、VR弾幕シューのルナティックモードを初見プレイクリア出来るえにっちゃんをその程度の攻撃密度で捉えられると思うてか。序盤は気合い避けしつつパターン化を進め、貫通ショットとお供からのホーミングレーザーで反撃だよ。アバターの性質上かすり回避でショットの威力アップだ☆
パターン化を終えたらバリア剥がしのボムを撃って防御モードが切れた所に一気呵成に集中砲火。このボムはゲーム内ではヒット数の得点で増えるタイプだから、防御モードが戻っても再度撃てるよ☆
攻撃パターン変更されたらまたパターン化からやり直しだね。
クリスティーヌ・エスポワール
まさか、要塞自体がオブリビオン化するなんて……!
でも……近代戦では要塞なんて戦略的価値がないってことを、教えてあげるわ!
旧帝国の早期警戒機De108Eに乗って、高速で要塞上空に侵入
敵UCジークフリートモードを誘発して、【情報収集】で敵火砲の位置を把握しつつ、【操縦】【空中戦】でできるだけ回避、回避しきれない分は少しでも【念動力】で弾く……!
「流石に、火線が濃密……!でも、航空戦はどうかしら!」
要塞の運用思想的に、天面の装甲は薄くなるはず
その上で、大型火砲の発射直後にパイロンからUC【始まりの言葉は鎖となる】を射出、砲から内部に攻撃を届かせる【破壊工作】よ!
一撃を加えたら、一気に離脱ね
寺内・美月
SIRD共同参加
アドリブ・連携歓迎
UC〖直轄総軍行動命令〗にてUC〖特別集団〗(3個鉄道連隊と列車砲部隊、増強14個高射師団【以下AAD】)とUC〖打撃戦力〗(増強12個砲兵軍団【以下AC】)を召喚。
・列車砲部隊は鉄道連隊と協力し射場を設置、30cm以上の大口径列車砲20門を用いて最初から要塞中心部に砲撃。
・ACは砲口が30~10㎝の火砲(ロケット砲・迫撃砲含む)を1万数千門運用、要塞の砲台と外部装甲を全体的に破壊した後に内部を砲撃。
・AADはC-RAM(砲弾迎撃システム)を運用、13個は列車砲部隊とACの防空配備、要塞火砲に晒される列車砲部隊とACに迫る砲弾を迎撃。残り一個は美月の直轄。
緋薙・冬香
「うわー、面倒…」
なんなのよ無敵要塞って
常時ほぼほぼ無敵じゃないの
泣き言言ってる場合じゃないわね
さっさと行くとしましょう
戦闘の場所もなるべく被害の少ない場所に誘導したいし
攻撃の砲弾は出来るだけ基地の外へ流したいわ
空ならそれが出来るはず!
だから血統覚醒からのスカイステッパーで空中戦へ
息継ぎの足場は目の前にあるしね
空中を素早く動きながら『血筋に眠る浄化の炎』で牽制
私と炎と、どちらも素早く動けば囮には充分!
そしてデカかろうが動いている以上必ず隙間があるはず!
そこを見切って『人の『闇』を狩る者』からの、ナールでの一刺し!
「冬の香りがもたらすのは、お前の死よ?」
まだまだ油断できないけどね!
九十九・白斗
『SIRD』
「こいつはでけえな」
人間ならミンチにしてしまう威力の12.7mm劣化ウラン弾を撃ち込むも、まるで効いた様子はない
まさに蚊に刺されたようなものであろう
なら狙いは一つだ
ほぼ無敵と言っても、周囲を把握するためのセンサーの類は繊細にできているはずだ
アンテナ、カメラを見つけて壊していく
「寺内、正面のセンサーを破壊した、兵を展開するならそっちから展開すれば楽なはずだ。防人、ヘリに空きはあるか?ちょっと乗せてくれ。移動して反対側のセンサーも破壊する」
後は仲間と協力してデカブツにダメージを与えていく
めどが付いたら、タバコで一服
「まったく、要塞が変形とかアニメだな」
ピンとタバコをはじき、そう呟いた
マーリス・シェルスカナ
(アドリブ連携絡み歓迎)
…Wao、基地と言うよりコテコテのWar Machine化してマスね。
このワールド的な神秘、というモノなのでしょうカ…?
トニカク基地で暴れられても駄目ネ、ちゃんと寝てて貰うヨ。
【エレクトロレギオン】を呼び出してかく乱作戦デスヨ。
どうやら動く者を無差別に狙うから、レギオン達の半分は
基地に被害を出さない位置で、ばらけて陽動してもらうヨ。
その隙に残りの半分とMeは裏手に回り、足の付け根・手の付け根
みたいな所を狙い撃ちマス。
稼働する部分が硬すぎると動けナイから、関節部分は案外脆いネ。
こういう部分から打ち壊すと効果的だと思うのデス。
マリー・シュバルツ
やれやれ、面倒な事態だね
ま、中に人が入る前に間に合ったってのは気が楽だ
ほら、そこのアンタら、死にたくなければとっとと逃げるんだね
それにしてもでかいね
仕方ない、少し無理するか
「レスキューダイバー、人型になりな!」
乗ってきた装甲救急車を人型に変形させ、サイズ差はあるけれど、ベルグリシの足に取りつかせる
「デカブツをつぶすには、脚からってな」
オレはダイバーに乗ったまま砲撃から身を守り、取りついたらそこで表に出る
そして脚部の関節と狙ってデッドマンズスパーク
「一本くれてやる、ありがたく受け取りな!」
左腕ごと関節を吹き飛ばすよ
…ん?腕かい?
ダイバーの中に予備の腕くらいあるから、終わったら縫い合わせるさね
アムリタ・リシ
※見た目は身長120cm位の女の子です
みらいをまもるためのものが、みらいにたちふさがるものに…
とてもかなしいことですが、ここはみらいのためにも
あなたを、いましめましょう…
装甲は強固ですが、つけ入る「隙間」はありそうなので
兵器形成・偽神で腕を対物狙撃銃へ変え
敵の隙間…いくつもある砲口を狙います
砲口以外にも
関節部や他の仲間がつけてくれた傷の部分も狙い
ダメージを稼げるようにもしていきます
また、可能ならば
味方や自分への砲撃の迎撃もしていきます
攻撃した後はできるだけ同じ場所には留まらないようにして
敵の的を絞らせないようにします
ジークフリートモード時は
あえて誰もいない空中に弾丸を撃ち狙いを引き付けます
●
「やれやれ、面倒な事態だね」
二足で立ち上がった要塞を見上げ嘆息するのは、金髪の美女のマリー・シュバルツ(死神をチェーンソーでバラバラにする女・f24670)だ。救急車の運転席に座ったマリー。その褐色の肌と顔には無数の縫合跡があり、彼女が死から蘇った不死者、デッドマンであることを物語っていた。
「ここまで乗せてくれてありがと。ええ、面倒なのは完全に同意ね……」
救急車の助手席に座るのは、黒髪の美女、緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)である。冬香もマリーと同様にうんざりしたような声を上げる。無敵要塞の巨体を前にして、戦う心が折れたのかと思いきや――。
「要塞が相手じゃ、いい声で鳴いてもらえないじゃない」
声フェチである冬香は、機械が相手であることがご不満らしかった。
だが、泣き言を言っている場合でもない。救急車のドアを開けて助手席から降りた冬香は、赤いフレームのメガネの奥に鋭い眼光を宿し、その長く艷やかな黒髪をかきあげる。
一方のマリーは、救急車の運転席でひとりごちる。
「ま、要塞の中に人が入る前に間に合ったってのは気が楽だ。ほら、そこのアンタら、死にたくなければとっとと逃げるんだね」
救急車の窓から顔を出し、マリーは避難していく民間人たちに発破をかけた。
生前の記憶のないマリーだったが、ひとつだけはっきりしていることがある。自分のなすべきことは、どんなことをしても人を癒やすこと。治療のためには人を殺すことすら厭いはしない。ましてや、人々を傷つけ医療の邪魔になるオブリビオンは見つけ次第殺す。
そんなマリーにとって、巨大要塞ベルグリシは、治療不可能な患者――死者を生み出すだけの存在。何を置いても破壊すべき対象だ。
「仕方ない、少し無理するか」
マリーは覚悟を決めた真剣な声を出し。
「それじゃ、さっさと行くとしましょうか」
冬香は豊満なバストを大きく揺らしながら、アスファルトを蹴って駆け出した。
「……Wao、基地というよりコテコテのWar Machineと化してマスね。このワールド的な神秘、というモノなのでしょうカ……?」
マーリス・シェルスカナ(宇宙(そら)飛ぶマーリンレディ・f15757)は巨大要塞の威容を見て感嘆の声を上げる。『神秘』や『魔法』を物理的に解明することを目的としている『宇宙の魔女』にとっては、アポカリプスヘルの禁忌のオーバーテクノロジーも解明対象の『神秘』にあたるのかもしれない。とんがり帽子にローブを纏った魔女の服装をした電脳魔術士は、その青い瞳を輝かせて二足歩行の巨大要塞を見上げてつぶやく。
「Umm、本体の重量を支えるにハ、脚部の耐久性が足りないと思うのデスガ……」
物性物理学の常識を覆すような巨大要塞の構造は、マーリスにとっては魔法にも等しい神秘であった。その超テクノロジーは研究に値するものだろう。
『可変移動要塞とはまた、一種の浪漫兵器ですね』
蒼い装甲をしたウォーマシンの天城・千歳(ウォーマシンの電脳魔術士・f06941)がバイザータイプのカメラで要塞を観測しながら、外部スピーカーでマーリスに答える。巨大要塞とは比較にならないとはいえ、240cmにも達する二足歩行ロボットの千歳もマーリス同様、アポカリプスヘルの禁忌のオーバーテクノロジーには興味をひかれていた。
だが、興味を持ってばかりでもいられない。千歳は鋼鉄のボディに搭載された赤外線センサー、電磁波計測、光学機器などにより、巨大要塞を観測し情報を分析していく。
「ケド、トニカク基地で暴れられても駄目ネ、ちゃんと寝てて貰うヨ」
『ええ、民間人のいるところでいつまでも暴れさせるわけにはいきませんし、早急に撃破しなくては』
まだ民間人の避難が完了していない状態で巨大要塞に暴れられては困ると、二人の電脳魔術士は【エレクトロレギオン】で機械兵器を呼び出す。召喚された機械兵器の数は、二人合わせて500機近く。
基地に大規模展開された機械兵器たちが、主からの指示を待ち巨大要塞と対峙する。
「ふむ、見るほどにその異様さが際立つな」
基地の格納庫の屋上に立ったダンピールのフォルク・リア(黄泉への導・f05375)が要塞を眺めて呟く。フォルクは魔法の念糸で編まれた純白のローブをまとい、フードを目深にかぶって素顔を隠している。彼は生死に関する呪術に造詣の深い術士であり、また研究者でもある。フィールドワークと称してこのように戦場に足を運ぶことも珍しくはない。
「これだけの相手であれば、俺の術の実験台にちょうどいいだろう」
フォルクは顔の大半を覆うフードの下に不敵な笑みを浮かべると、格納庫の屋根から屋根へと飛び移りながら要塞へ向かって駆け出した。
フォルクが跳躍していった格納庫の下には、鯱のぬいぐるみを抱えた金髪のダンピール、シスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)がいた。
「大きいな……。ポカリの敵はこんなやつばっかりか」
先日、アポカリプスヘルの依頼で巨大な戦車と戦ってきたばかりのシスカが、巨大要塞を見上げて呆れたような声をあげた。なお、ポカリというのは、アポカリプスヘルの略らしい。
緑色の肩出しロングドレスを着たシスカは金色の長髪を風になびかせると、ひらりと鯱のぬいぐるみ『ティコ』に跨った。ティコはシスカを乗せると悠々と空中を泳ぎ、格納庫の影を伝って巨大要塞に接近していく。
「魅了も毒も効くか怪しいし、ここは弱点でも探そうかな」
ダンピールであるシスカは魅了の魔眼を操ることができる。だが、機械の塊である巨大要塞に魅了が効くとは思えなかった。毒による暗殺も得意とするシスカだが、それも効果は望めないだろう。
「弱点、みつかるといいんだけど……」
白と緑、二人のダンピールが巨大要塞に向かって接近していく。
「まさか要塞自体がオブリビオン化するなんて……!」
スペースシップワールド出身の電脳魔術士、クリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)は、銀河帝国軍から鹵獲した索敵・電子戦用戦闘機『De108E デルタ・アイ』のコクピットで機体を操縦しながら、巨大要塞ベルグリシの威容に目を見張っていた。
巨大要塞の上空を飛行するDe108Eのコックピットには、光学カメラや電磁的観測装置、レーダー測距機など、宇宙世界の最新鋭センサー類で観測したベルグリシの各種データが表示されている。
『こちら、地上の天城千歳です。地上からの観測データを送ります』
「了解、データ、受け取ったわ」
クリスティーヌは、地上の千歳から受け取ったデータとDe108Eで空中から観測したデータを機体の戦術AIで分析し、無敵要塞ベルグリシの全貌を明らかにしていった。
「直径約7km、面積約47000平方メートル、胴体部分は体積にして約124万立方メートルですか……。さらに大小合わせて数百の砲台……」
地上と空中両方から観測することで、ようやく掴めてきた要塞の詳細データ。それは、テクノロジーの発達した宇宙世界出身のクリスティーヌにとっては未知の兵器。居住可能惑星の存在しない宇宙世界には存在しない、重力下における大質量兵器だった。
「De108E、クリスティーヌより各猟兵へ。ベルグリシの観測データを送信するわ」
クリスティーヌは、ベルグリシの構造や砲台の位置などの情報を、各猟兵へと送信する。
「なるほど。このデータからは歩行型陸上戦艦っぽいな。帝国の二足歩行戦車とは比べ物にならない大きさと火砲の数だが」
De108Eに随伴するように飛行する人影から応答が返る。宇宙世界出身の鎧装騎兵であるミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)である。
ミスタリアは身にまとった黒い鎧装のスラスターを全開にし、クリスティーヌの駆るDe108Eに並んで飛翔する。長く伸ばした翡翠色の髪をポニーテールにまとめた鎧装騎兵の少女は、まさに蒼空を駆ける翠の疾風だ。
その手には、ミスタリアの身長よりも巨大な対艦ビーム砲が握られている。本来であれば、宇宙戦闘機――それこそ、並走するDe108Eのような――が装備するようなビーム砲だが、ミスタリアはそれを無理やり個人携帯兵装に改造して持ち運んでいるのだ。重力圏内では重量が重いため取り回しが難しいという無茶な装備だが、機動性を重視した高出力のミスタリアの鎧装が、その携行を可能にしていた。
「よし、それじゃ行くか!」
「ええ。近代戦では要塞なんて戦略的価値がないってことを教えてあげるわ!」
鎧装騎兵と電子戦用戦闘機が、蒼空に白い飛行機雲を生じさせながら巨大要塞に迫る。
「おいおい……前にデカブツ戦車を相手にしたが、こんな奴までいるのか」
【対オブリビオン戦闘ヘリ『スーパーバイパー』】に乗った防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)が、巨大要塞ベルグリシを見て呆れた声をあげる。
拓也が以前、アポカリプスヘルで交戦した巨大戦車も大きかったが、この要塞はそれをさらに上回る巨体を誇っていたのだ。味方の電子戦闘機から送られてきた観測データも、その巨大さを物語っていた。
だが、敵がどれだけ大きかろうと、拓也がとる行動に変わりはない。敵オブリビオンを撃破するという任務をこなすだけだ。
「こちらリーパー。これより作戦行動を開始する」
『ああ、援護は任せときな』
通信機から聞こえてくる声は、拓也と同じ『特務情報調査局』に所属する傭兵、九十九・白斗(傭兵・f02173)のものだ。
白斗は巨大要塞から1km近く離れた見晴らしのいい格納庫の屋上に寝そべり、対物ライフルのスコープを覗き込んでいた。鍛え上げられた筋肉質な肉体を誇る40~50代に見える壮年の男性、白斗だが、その実、50年以上も戦場を渡り歩いた歴戦の傭兵だ。もう70近い老兵だと言われたら誰でも驚愕するだろう。
白斗が要塞に向ける対物ライフルには、12.7mmの大口径劣化ウラン弾が装填されている。人間ならミンチにしてしまう銃弾――UDCアースに存在する狙撃銃としては最大級の威力を誇るそれも、巨大な要塞そのものであるベルグリシには有効打足り得ない。
「でかぶつ相手じゃ、蚊に刺された程度の痛みしかねぇだろうが……身体中を刺されたらどうなるか、みせてやろうじゃないか」
白斗はにやりと笑うと、巨大要塞ベルグリシに設置されているカメラや電子センサーの類をスコープの照準に収める。
『寺内、正面のセンサーは俺が破壊する。兵を展開するならそっちから展開すれば楽なはずだ』
「了解しました、九十九様」
学生服を着た男子中学生、寺内・美月(霊将統べし黒衣の帥・f02790)が手元の書類にサインをする手を休めずに、無線機に向かって返事をする。美月も、拓也、白斗と同じく『特務情報調査局』に所属している猟兵だ。
巨大要塞ベルグリシから離れた地点に幕舎を築いた黒髪の少年は、【特別集団編成命令】を出すための書類の山を処理しながら、【打撃戦力投入】の準備をおこなっていた。UDCアースにて、元一等陸佐の大叔父から部隊運用の手ほどきをうけている美月は、亡霊将兵の大規模部隊の運用を得意とする。今も、部隊展開のための準備をおこなっているのだ。
「直轄総軍指定部隊に命令、事前の指示通り行動開始!」
書類へのサインを終えた美月が立ち上がり、幕舎の外で指示を出す。
【直轄総軍行動命令】によって、瞬時に【打撃戦力投入】と【特別集団編成命令】の指示が発令される。ばっと手を振りかざした美月の目の前に展開される戦力は、3個鉄道連隊と列車砲部隊、増強14個高射師団、それに増強12個砲兵軍団だ。
鉄道連隊は列車砲部隊の射場を設置し、大口径列車砲を巨大要塞へと向けていく。
砲兵軍団はロケット砲や迫撃砲による遠距離攻撃の準備。高射師団は砲弾迎撃システムを運用して、展開した部隊および周囲の民間人や軍人に降り注ぐ可能性のある砲弾の迎撃の準備をおこなう。
「みらいをまもるためのものが、みらいにたちふさがるものに……」
悲しげな瞳で巨大要塞ベルグリシを見つめるのは、アムリタ・リシ(ナノマシン群体型偽神兵器・f25098)。身長120cmくらいの少女だが、その正体は偽神細胞の研究の末造り出された、ナノマシン群体型偽神兵器である。
自身の存在意義を『営みを守り、未来のために動く』と定めているアムリタにとって、人々を守るべく作られた要塞のベルグリシは、本来、自分と同等の存在だ。だが、オブリビオンとなり人を襲う存在に成り下がったベルグリシを見て、アムリタは悲痛な声で呟く。
「とてもかなしいことですが、ここはみらいのためにも、あなたを、いましめましょう」
金色の長髪をなびかせ、アムリタは右腕を偽神兵器へと変形させていった。
こうして、巨大要塞ベルグリシを取り囲むように、猟兵たちが戦闘準備を整えたのだった。
●
まず最初に動いたのは、巨大要塞ベルグリシの脚部を狙う猟兵たちだ。
「レスキューダイバー、人型になりな!」
マリーの指示に、彼女が乗っている装甲救急車レスキューダイバーの超AIが応え、車両の形を変形させていく。ワゴン車が直立したような状態になり、二本の足で大地を踏みしめる。重厚な装甲をもったパワードスーツともいうべき二足歩行救急車。それはマリーがオブリビオンという病魔と戦うための手術着だ。人型のレスキューダイバーの操縦席でマリーが吼える。
「デカブツをつぶすには、まず脚からってな!」
レスキューダイバーを操縦しながら、マリーはベルグリシに突撃していく。
だが当然、自分に近づいてくる敵を見逃すほどベルグリシは甘くない。レスキューダイバーに無数の砲台を向け、砲弾の雨を降らす。砲弾は舗装された道路に着弾し、コンクリートの破片がレスキューダイバーの装甲を叩いていく。
「あら、この私を無視するなんて、ずいぶん素っ気ない態度ね?」
マリーの乗るレスキューダイバーに迎撃が集中するのを見て、冬香の目が細まる。
「ハッ、レスキューダイバーに乗ってても溢れ出すオレの魅力の方が上なんだろ」
「ふぅん、なら、どっちの魅力が上か勝負といこうじゃない」
マリーの言葉に、冬香がメガネを外す。【血統覚醒】を発動した冬香は、瞳を真紅に染めてヴァンパイアの能力に覚醒する。寿命を削ることを代償に、爆発的な戦闘力と運動能力を得ることができるのだ。
「さあ、こっちに向かって来なさい!」
素早く動く冬香を見て脅威と感じたのか、ベルグリシの砲弾が冬香を集中攻撃し始める。
だが、迫りくる砲弾に対して、冬香は虚空を蹴って方向転換。砲撃を回避する。
「緋は火なりて、私はこの世ならざるを薙ぎ、祓うモノなり。目覚めよ……!」
【血筋に眠る浄化の炎】により冬香の腕から放たれた炎の群れが、迫りくる砲弾の雨を迎撃。空中で爆発させた。
「冬の香りがもたらすのは、お前の死よ!」
冬香が豊満な胸の谷間から取り出したのは、鈍色の鎧通し。巨大要塞の攻撃の隙をついて接近した冬香は、砲台の弱点である稼働部を見極めると、そこを一刺しして砲台を機能不全に陥らせる。
「ふふ、機械にも、私の方が魅力的だとわかったみたいね」
胸を派手に揺らしながらも、さらに空中を跳ね回り、冬香は敵の攻撃を引きつけていく。地上への砲撃を防ぐ冬香の行動は、味方の援護のみならず、避難中の民間人を砲撃から守るという大事な役目を果たしたのだった。
「んじゃ、今のうちに進ませてもらうか。行くぞレスキューダイバー!」
冬香が敵砲台の注意を引きつけている間に、マリーはレスキューダイバーを前進させる。
人型に変形したレスキューダイバーにとっては、砲撃で穴だらけになった道路も障害にはならない。めくれあがったコンクリートや、砲撃でクレーターになった場所も難なく乗り越えて、ベルグリシの脚部にたどり着いた。
「ずいぶんと頑丈そうな脚だが、コイツを壊して動きを止めれば、人々が負傷する危険も減るはずだ! レスキューダイバー、脚を押さえときな!」
マリーは、レスキューダイバーに向かってダッシュ。その身体を駆け上ると肩からジャンプしてベルグリシ脚部の関節部に向かって拳を振り上げた。
「腕の一本くらいくれてやる! ありがたく受け取りな!」
左腕に膨大な生体電流をまとわらせたマリー。
「どうせなら、これももっていきなさい!」
そこに、さらに冬香の操る緋色に輝く浄化の炎が宿る。
電撃と炎をまとった拳がベルグリシの左脚の関節部を穿ち――激しい爆発とともに巨大要塞がその動きを止めた。
「なかなかいいサポートだったよ、冬香」
「マリーさんも、なかなかのガッツ……って、ええっ、マ、マリーさんっ、左腕っ、左腕がっ!? 私の炎は敵しか燃やさないようにコントロールしたはずなのにっ!?」
ベルグリシに叩きつけたマリーの左腕が跡形もなく吹き飛んでしまったのを見て、柄にもなく慌てる冬香だが――。
「……ん? 腕かい? ダイバーの中に予備の腕くらいあるから、終わったら縫い合わせるさね」
デッドマンにして闇医者のマリーにとっては、腕の一本がなくなることくらい、日常茶飯事のようだった。
マリーと同じ様にベルグリシの脚を狙う猟兵がいた。バイオモンスターのオウァテオウルミス・クリブラトゥス(バイオモンスターのゴッドハンド・f24768)――正式な名前はオウァティオウェルミス・クリブラトゥスらしい――である。
オウァティオウェルミスは怒りに震えていた。無敵要塞ベルグリシからの雨のような砲撃の嵐。基地を破壊し尽くそうという強大な嵐に対して、自分はなんと無力なのか。武器も持たずに巨大要塞に立ち向かう自分は、なんてちっぽけな存在なのか。こんな自分ではすべての被害を抑えることなど到底できそうもない。
オウァティオウェルミスは自らの無力さに対して憤る。そして、自分自身への怒りを爆発させた。
その瞬間、オウァティオウェルミスの身体が巨大化していく。それは【バイオミック・オーバーロード】。怒りの感情を爆発させることによって、怒りの強さに比例して身体サイズと戦闘能力が増大するのだ。
自身への激しい怒りによって目覚めたスーパーオウァティオウェルミスは、全身を黄金色のオーラで包むと、猛スピードで巨大要塞の脚部へと突撃していく。降り注ぐ砲撃の雨程度では、激しい怒りによって真の力に目覚めたスーパーオウァティオウェルミスを止めることはできない。あらゆる砲撃は黄金のオーラによって遮られる。
そして、スーパーオウァティオウェルミスは、ついに巨大要塞の脚部へと体当たりを敢行し、マリーと冬香が与えたダメージのダメ押しをすることに成功したのだった。
(あ、ちなみに書き忘れていましたが、オウァティオウェルミス・クリブラトゥスの外見はカンブリア紀に生息していた葉足動物の姿をしていて、無数の脚が生えたゾウのような生き物です。バイオモンスターだからって、緑色の肌をした人間とか、二足歩行の亀ニンジャとか、怪獣みたいな外見を想像して読んでた人は検索してみましょう。シリアスっぽい文章が急にギャグになります)
巨大要塞の左脚側でマリーと冬香(とオウァティオウェルミス)が激闘を繰り広げていた頃。
右足側では、マーリスと千歳が巨大要塞と対峙していた。
エレクトロレギオンで呼び出した機械兵器を操るマーリスは、ベルグリシに対する撹乱を狙っていた。
「どうやら動くものを無差別に狙うみたいネ」
マーリスはレギオンの半数に、基地に被害が出ない位置でバラけて行動するように命令する。
民間人がいない開けた場所で動き回るレギオンたち。それをセンサーで捉えたベルグリシは、砲弾の雨を降らせていく。驟雨の如く降り注ぐ砲弾をエレクトロレギオンたちは回避していくが、それでも徐々に弾が命中し機体が爆散する機体が現れる。少しずつ倒されていくエレクトロレギオン。だが、敵の砲台を引きつけるという目的は達成し、民間人の避難と猟兵たちの攻撃のための隙を造り出すことに成功する。
「計算通りネ。ミスティックチャージャー起動ヨ!」
『はい、マーリスさん。電脳接続、開始します』
マーリスが掲げた杖。それは神秘・魔法を再現し発動させるデバイスだ。それが千歳の演算装置と接続され、電脳魔術士二人分の解析能力を発揮する。
『ベルグリシ脚部の構造解析完了です』
「弱点、発見ネ!」
マーリスの眼前に透明な仮想ウィンドウが開き、ベルグリシの脚部の中でも構造的に脆い部分が示された。
「そこにAttackデス!」
マーリスのエレクトロレギオンたちが、ベルグリシの右脚の付け根などの関節部狙い撃っていく。爆発とともに動きが鈍っていく右脚。
『こちらも攻撃です』
千歳も『A-1E型歩行工作車』、『試製歩行戦車A-1型』といった軍事車両や自身の『19式複合兵装ユニット改1型』のミサイルと『ブラスターライフル』を放つことで、ベルグリシの脚部にダメージを負わせていく。
「これでトドメネ!」
マーリスが全エレクトロレギオンを突撃させ、近距離からの攻撃を決めることで、ベルグリシはその動きを止めることになるのだった。
一方、巨大要塞ベルグリシの上空。戦闘ヘリ『スーパーバイパー』に乗った拓也は、要塞の対空砲が届かない高高度に到達していた。
「こちらリーパー。これより急降下攻撃を開始する」
スーパーバイパーは、機首を下にむけて一気に高度を下げつつ、操縦席のモニターに映るロケット弾の照準を要塞の砲台にセット。拓也がトリガーを引くと、無数のロケット弾がスーパーバイパーのランチャーから発射され、要塞の各所の設置された砲台が赤い炎に包まれた。
さらに、スーパーバイパーから発射されたレーザー照準式のミサイルが推進薬の光を放ちながら要塞に命中。砲台を叩き潰す。
「リーパー、命中確認。これより一時離脱する」
機体を立て直し、スーパーバイパーは要塞から距離を取ろうとする。
だが、ベルグリシも敵を黙って見逃しはしない。無事な対空砲台でスーパーバイパーに集中砲火を浴びせかける。
「リーパー、回避機動に入る」
敵からの集中砲火を浴びながらも、拓也は冷静だった。熟練の操縦テクニックで粘り強く砲撃の隙間をかいくぐり、紙一重で砲弾を避けていく。それはまさに神業だ。
攻撃が当たらないことに苛立ったかのように、ベルグリシの正面にある光学センサや電子センサがフルオープンし、スーパーバイパーの動きを捉えようとする。
「よし、防人、作戦通りの動きだ」
その瞬間を狙っていたのは対物ライフルでセンサー類に照準を合わせていた白斗。
白斗が対物ライフルの引き金を引くと、大口径劣化ウラン弾が発射される。1km近くの距離を飛翔した銃弾は、強化素材で作られた光学センサーを撃ち抜き、沈黙させた。これだけの遠距離狙撃が成功したのは、白斗の並外れた狙撃の技術ゆえである。
ボルトアクションで銃弾を装填すると、白斗は次のセンサーに狙いを定め、アンテナやカメラといったセンサー類を次々と撃ち抜いていく。
「防人、ヘリに乗せてくれ。この位置からじゃ狙えないセンサーも破壊する」
『こちらリーパー、了解した。こちらも砲台を破壊しよう』
狙撃ポイントまで下がってきたスーパーバイパーに白斗が乗り込むと、巨大要塞ベルグリシに再度接近していく。
「まったく、要塞が変形とかアニメだな」
対物ライフルを撃ちながら白斗がぼやく。
センサーがなくなり、スーパーバイパーの姿を捉えられなくなったベルグリシは、対空砲を無闇に撃ちまくるが、そのような攻撃に当たる拓也ではない。
スーパーバイパーはロケット弾を発射して、確実に砲台を沈めていった。
「よし、寺内。正面のセンサーと迎撃システムは破壊した。砲撃するなら今がチャンスだぜ」
一仕事終えた白斗はポケットからタバコを取り出して口にくわえ、火をつけようとし――。
「白斗、機内は禁煙だ」
拓也から注意を受けるのだった。
「九十九様と防人様は作戦通りにいったようですね。では、次は私の番です」
要塞ベルグリシの前面に列車砲部隊と砲兵軍団を展開し終えた美月が、白斗からの連絡を受けて攻撃命令を出す。
「全打撃部隊に発令……『地獄雨』発動!」
砲兵軍団がロケット砲と迫撃砲を一斉発射する。発射された火砲の砲弾は巨大要塞の表面装甲に命中。要塞はまるで花火のようにその装甲から爆煙を吹き上げていく。
白斗によってセンサーを潰され、拓也によって対空砲を破壊されたベルグリシには、その砲撃を迎撃する手段はなかった。だが、ベルグリシもただ砲撃されるだけではない。砲撃方向から美月の部隊が展開している位置を割り出すと、砲台による砲撃をおこなう。
美月の部隊と、その周囲――軍事施設の立ち並ぶ区画に降り注ぐ砲弾の雨。
だが、美月が展開していた高射師団による砲弾迎撃システムがベルグリシの砲弾を迎撃する。美月の部隊と周辺施設、およびそこにいる軍人や民間人たちを守り抜いていく。
「これ以上、皆さんを危険な目にあわせるわけにはいきません」
ベルグリシの装甲を剥ぎ、本命の攻撃の有効性を高めるための前準備は完了した。今こそ、本命の大口径列車砲の出番である。
「列車砲、撃ち方始め」
鉄道連隊によって敷設された射場から、大口径列車砲20門が次々と巨大要塞に砲弾を撃ち込んでいく。地上最大級の破壊力を持つ砲弾には、さしものベルグリシの装甲も耐えきれるものではない。その装甲が次々と炸裂し、内部構造が露出していく。
列車砲が砲弾を撃ち尽くしたときには、巨大要塞ベルグリシは装甲の半数以上を失っていた。
「どうやら、味方の砲撃によって装甲が破れたようね。これなら!」
早期警戒機De108Eに乗って上空から戦局を分析し、味方に伝達していたクリスティーヌは、今こそ攻撃の機会と判断し、巨大要塞ベルグリシに接近する。だが、多数のセンサーと砲台を破壊されたとはいえ、まだベルグリシには多数の対空砲が残っている。
「くっ、戦艦でいえば中破レベルのダメージを負っているはずなのに、こんなに火線が濃密なんて……! でも、これなら回避は可能っ!」
高速で飛行しながら、熟練の操縦テクニックでクリスティーヌは対空砲火を回避していく。命中しそうになった砲撃も、念動力を使用して弾き飛ばす。
「ここはあの大型火砲が狙い目ね!」
要塞に上空から接近したDe108E。クリスティーヌは【始まりの言葉は鎖となる】を放つ。
「電脳世界のはじまりの言葉、0と1……世界を支える言葉の力、受けなさい!」
大型火砲が発射された直後。それを回避したクリスティーヌは、機体から0と1で編まれた鎖を放つ。それは要塞の大型火砲の内部へと命中し、爆散させた。
「あとは……任せたわっ!」
「おうっ! ここまで連れてきてくれて助かったぜ!」
要塞の大型火砲を破壊したクリスティーヌは、De108Eを急旋回させ、対空砲の間合いから一気に離脱していく。
一方、De108Eが離脱する直前に、その翼上から飛び降りた人影があった。対艦ビーム砲を構えたミスタリアである。
「近接戦闘で鎧装騎兵に適うと思うなよ!」
ビームセイバーを振るい、砲台を斬り裂いていくミスタリア。高機動型鎧装による三次元機動の前には、対地・対空攻撃に特化した要塞の砲台の動きでは対応できないのだ。さらに自律稼働するアームドビットによって周囲の砲台を薙ぎ払っていく。
「おらよっ!」
ミスタリアは、要塞の全面で滞空すると、対艦ビーム砲の銃身下部に装着されたパイルバンカーを構える。
そして突撃の勢いを乗せ、クリスティーヌの攻撃でボロボロになった大型火砲の跡にパイルバンカーを突き刺した。突撃のエネルギーと、接触と同時に撃発されたパイルバンカーのインパクトの衝撃。さらにインパクトと同時に発射した対艦ビーム砲。そのエネルギーの奔流の前に、要塞の全面装甲は完全に崩壊し、内部に隠していた駆動炉を露出させることになった。
「このまま一気に撃ち抜きたいところだが……銃身の冷却が追いつかねぇか」
ミスタリアは残念そうに、アームドビットで周辺の砲台を破壊しながら一時退避していくのだった。
「あの光、なんだろ?」
鯱のぬいぐるみのティコに乗って飛びながら巨大要塞に接近してきたシスカ。味方が破壊したセンサーや砲台の死角を突き、至近距離まで近づいたところで、ミスタリアの攻撃で露出した駆動炉の光に気がついた。
「要塞の奥に隠されてたみたいだし、弱点かな? 狙ってみようかな」
シスカはドレスの裾をつまみあげる。すると、そこから無数のぬいぐるみたちが飛び出した。
「行け、ボクのぬいぐるみ達!」
【ファンシー・ミサイル】によって飛び出してきたぬいぐるみたちは、一斉に巨大要塞の駆動炉に殺到する。
だが、巨大要塞ベルグリシも、そのような怪しいぬいぐるみを近づけさせはしない。ぬいぐるみたちを迎撃しようと砲台で狙いをつける。
「あわわっ、やばっ!」
慌てるシスカだが、ぬいぐるみは急には止まれない。
ぬいぐるみたちに向かって砲撃が開始されそうになり――。
「上天に在りし幽世の門。秘めたる力を雷と成し。その荒ぶる閃光、我が意のままに獣の如く牙を剥け」
フォルクが【冥雷顕迅唱】の呪文を詠唱する。晴天にも関わらず、突如として巨大要塞ベルグリシに激しい落雷が落ち、そこから周囲に雷弾が拡散する。
通常時であれば、落雷に対する耐性のある巨大要塞ベルグリシだが、今は装甲の多くが破壊され、電気系統の配線もむき出しになった状態だ。このような時に落雷を受ければどうなるか――それは火を見るよりも明らかだった。
電気系統にショートを起こしたベルグリシは一瞬動きを止め、シスカの人形たちの侵入を許してしまう。
「ふむ、どうせなら、完全な状態での電撃耐性を見たかったものだが……しかたないだろう」
フォルクはそのまま巨大要塞の上部まで駆け上がると、再び【冥雷顕迅唱】を放ち、ベルグリシに雷を落としていく。
「此れだけ巨大なら攻撃を外す事だけはなさそうだ」
相手は超巨大な要塞。攻撃が外れる心配はない。命中した雷はベルグリシの制御系に深刻なダメージを与えていき、さらに弾薬庫の爆薬などに引火。巨大要塞内部から断続的な爆発音が響き渡る。
そして、光を放つ駆動炉にたどりついたシスカのぬいぐるみたちは、そこで派手に連鎖自爆していく。この自爆攻撃によって、巨大要塞ベルグリシの駆動炉に損傷を与えることに成功したのだった。
「はっはー、VR弾幕シューのルナティックモードを初見プレイクリアできるえにっちゃんにシューティングで勝てると思わないことだ!」
魔法少女モチーフのVR弾幕シューティングゲームのアバターと同期したバトルゲーマーの主・役(エクストリームアーティスト・f05138)が、自信満々で現れた。お供はマスコットキャラ風のオプションユニットだ。
ファルクの雷撃によって暴走状態となったベルグリシは、近づいてくる役に向かって砲弾を撃ちまくる。それはもはや、シューティングゲームのルナティックモードなどとは比べ物にならないくらい難しい難易度となっていた。
「攻撃パターンさえ読めれば……って、ちょっ、なんでパターンがないのさっ!」
それは、制御系が壊れて暴走しているのと、飛んでくる砲弾が砲台から発射されるものの他に、弾薬庫が爆発してランダムに飛び出してきているものが混ざっているからだ。
なお、なぜか砲弾は全部、役に向かってきており、周囲には被害は出ていないから安心だ。
「これじゃあ、気合い避けしてパターン化することもできなくない!?」
ベルグリシは、もはや、ゲームとして見ることすらできない地獄と化しているのであった。
役は、貫通ショットとお供からのホーミングレーザーで砲台を破壊していく。だが、その程度では弾幕が薄くなることはなかった。
だが、この弾幕を避けきれているのは流石と言えるだろう。普通であれば、この砲撃の嵐の中をかすりながらとはいえ回避することは不可能だろう。
「こうなったらボムで攻撃だ☆」
役は巨大要塞に向けてボムを放つ。だが、今は要塞内で弾薬庫が爆発している最中だ。そんな中に爆弾を放り込んだらどうなるか――。
要塞はさらなる爆発とともに、大量の砲弾を役に放ってきた。
その砲弾の嵐に役が飲み込まれるかと思った瞬間――。
「きずつけさせは、しません」
役を飲み込もうとしていた砲弾の嵐を、アムリタの偽神兵器による激しい一撃が吹き飛ばした。
心強い援軍の登場に、役が礼を言う。
「ふう、ありがと、助かったよ☆」
「わたしでつくられたしなをもって、あなたを、いましめましょう」
さらにアムリタは、【兵器形成・偽神】により、その腕を変形させていく。幼い少女の右腕は対物狙撃銃型の偽神兵器――オブリビオン・ストームを燃料とする巨大な動力兵器へと形を変える。
「えんご、します」
「任せたわよ☆」
再び要塞に向かって進軍を始める役。迎撃用の要塞の砲台は、今度はアムリタの対物狙撃銃が次々と狙撃。沈黙させていく。
そうなれば、この程度の弾幕、役にとっては敵ではない。
「弾薬庫の爆発? ならば、それもパターン化して避けてみせましょう。パターン化が無理なら、未来予知をすればいいだけのこと☆」
「ばくはつも、ふせぎます」
アムリタも、弾薬庫を意図的に狙撃することで、爆発のタイミングをコントロール。役が回避しやすくする。
「ふふふ、どうかな、この二人プレイ体制は! 最強コンビよね☆」
役が貫通ショットとレーザー、ボムで攻撃しつつ、後方からはアムリタが対物狙撃銃で援護をおこなう。アムリタの攻撃により、要塞の砲台が吹き飛び、弾薬庫が爆発し、巨大要塞ベルグリシの装甲が崩れていく。
そして、遠距離からでも狙える形で、巨大要塞の駆動炉が姿を現した。
「あれ、ですね――」
アムリタは、対物狙撃銃を巨大要塞ベルグリシの駆動炉に向けて引き金を引いた。
偽神兵器が生み出す破壊の力は、狙撃銃の弾丸の形に圧縮されて放たれて、光を放つ駆動炉へと吸い込まれていき――。
オブリビオン・ストームに匹敵する破壊を撒き散らし、駆動炉を破壊した。
――こうして、巨大要塞ベルグリシは機能を停止したのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『ウォーキングタンク』
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POW : 機銃掃射
【砲塔上部の重機関銃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 対猟兵弾
【対猟兵用の砲弾を装填した主砲(連続砲撃)】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : キャニスター弾
単純で重い【散弾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:良之助
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵たちの活躍により、無敵要塞ベルグリシは撃破された。
基地に対する人的、物的被害も最低限で済んでいる。理想的な結果と言えるだろう。
「あんたら、流れの奪還者たちか?」
声をかけてきたのは、軍服を着た壮年の男性だ。
「俺はこの基地で軍をまとめてるモンだ。まあ、軍と言ってもオブリビオン・ストームが起こる前と比べたら、新兵の寄せ集めみたいなもんだがな」
軍人の説明によると、ベルグリシによる軍や民間人の死者はゼロ。軍も民間人の自警団も存分に動ける状態らしい。
「で、現在、この基地は戦車軍団に包囲されて攻撃を受けている。本来は要塞の力で迎撃する作戦だったんたが……」
まさかオブリビオンになっちまうとはな、と苦笑する。
「今の基地には独力で戦車軍団を撃退する力はない。すまないが、もう少し我々に力を貸してはくれないだろうか。基地に住む大勢の人々を守るために」
軍人の男は、奪還者――猟兵たちに対して深々と頭を下げ、助けを乞うのだった。
「今、基地を囲んでいる敵戦車軍団の後方に、巨大な戦車の姿が見えたっていう報告がある。そのデカブツに合流されると厄介だ。その前に敵戦車軍団を撃破するため、全軍をもって打って出る!」
猟兵たちよ、基地を包囲する戦車軍団を速やかに撃退せよ!
●マスターより
一章にて、基地への被害が最小限で済んだので、二章では基地の軍人による戦車隊、民間人の自警団による砲兵隊の支援が受けられます。
通常兵器による支援なので、それほどあてにはできませんが、指示を出せばその通りに動いてくれるでしょう。
なお、特に指示がなければ、自動的に後方から支援砲撃をしてくれます。(プレイングボーナスの形で自動的に適用されます)
高村・恭子
「相手は、二足歩行が可能な戦車ですか。それでは、こちらも戦車で対抗しましょう。」
戦闘中は、戦車に【騎乗】して戦います。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は他の方に合わせた【援護射撃】で【制圧射撃】の【鎧無視攻撃】の【破魔】を付けた【集中砲撃】で、『ウォーキングタンク』達を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【オーラ防御】【地形の利用】で、ダメージの軽減を試みます。
「できる限り相手の攻撃を引き受けて、他の方の攻撃のチャンスを。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
マーリス・シェルスカナ
(アドリブ連携絡み歓迎)
…Tankに足が生えてルヨ。(遠い目)
誰ですカ、あのゲテモノの設計をしたオブリビオンは…?
神秘と言えバ神秘ですガ、正直アレを神秘と認めたくナイネ。
散弾の射程には気を付けツツ、Meは足を絡めとる様二
【UC】を撃ちマス。
足に上手に絡められたラ、支援部隊にHeadへの砲撃支援を頼むヨ。
ダメージは期待してないネ、砲撃の衝撃と足を動かせナイ状態
を合わセテ、あのTankを転倒させるヨ。
そうすればのHeadへの届く様になるカラ、其の儘追撃デス。
…モシモ普通のキャタピラーだったら出来なかった作戦デス。
あの脚は文字通り【蛇足】でアル事、身を持って教えてあげるネ。
クリスティーヌ・エスポワール
どう考えてもバランス悪いわね、あの戦車!?
開発者は何を考えてこうしたのかしら……
とは言え、これを利用しない手はないわ!
まずは戦車隊や砲兵隊に準備砲撃を行ってもらって、戦車の足を文字通り止める
その間に、レギオンに戦車との距離を一気に詰めて、足元に飛び込ませるわ!
あのデザインでは、足元がどうしてもお留守になる
転ばせたり、車体底部の装甲を抜かせたりして、着実に無力化させていくわよ!
「人型兵器は汎用性が売りなのに、あの戦車はそれを無視してるわね……。とは言え、隙は見せたほうが負けなのよ!レギオン第一・第二中隊攻撃開始!」
あとは敵味方の動きに応じて前進後退を繰り返して消耗させるわ
連携アドリブ他歓迎
●野戦 第一陣
陸軍基地を攻める敵戦車軍団を見た猟兵たちの反応は……微妙だった。
「……Tankに足が生えてルヨ」
遠い目をするマーリス・シェルスカナ(宇宙(そら)飛ぶマーリンレディ・f15757)のハイライトが消えた青い瞳に、戦車のボディに腕と脚が生えた二足歩行型戦車とでもいうべき存在が映っていた。ウォーキングタンクというオブリビオンの軍団は、機械の脚でガションガションと荒野を踏み鳴らしながら進軍してきて、長い鼻のように伸びた砲塔から戦車砲を撃って猟兵や陸軍基地の防衛軍に攻撃してくる。
なお、自然の緑が消えて茶褐色の荒野が広がるアポカリプスヘルでは、ウォーキングタンクの緑色の迷彩色は逆に目立ちまくっていた。
「誰ですカ、あのゲテモノの設計をしたオブリビオンは……? 神秘と言えバ神秘ですガ、正直アレを神秘と認めたくナイネ」
「同感ね。どう考えてもバランス悪いわね、あの戦車!? 開発者は何を考えてこうしたのかしら……」
異世界の神秘や魔法を研究・究明したいという知的欲求を持つマーリスでさえも探究心を折られ、その言葉にクリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)も深く同意する。
「Oh、ユーもそう思いますカ」
「ええ。人型兵器は汎用性が売りなのに、あの戦車はそれを無視してるわね……」
クリスティーヌは、銀縁フレームのメガネ――拡張現実デバイスにウォーキングタンクの情報を表示しながら呟くと、電脳魔術を行使する。【エレクトロレギオン】で呼び出すのは225体の機械兵器の軍団だ。
召喚された機械兵器たちは、クリスティーヌの指示の下、第一中隊、第二中隊に分けられて布陣。ウォーキングタンクの軍勢と対峙する。
「第一・第二中隊、布陣完了。戦車隊と砲兵隊は砲撃で敵戦車の足止めをお願いするわ」
「Meは敵の足元を狙うネ。コチラからモ支援部隊には砲撃支援を頼むヨ」
マーリスが構えるのは【ChainLighting・Program】で電脳世界から実体化させた電気でできた鞭だ。鞭を一振りすると、大気をプラズマ化させ絶縁破壊を起こす轟音とともに、地上を激しい雷が荒れ狂う。機械の塊であるウォーキングタンクが雷鞭を受ければ、内部の電子回路はひとたまりもないことだろう。
マーリスが陸軍基地の戦車部隊と砲撃部隊に要請した支援は、攻撃力としては期待していない。この雷鞭を命中させるため、敵の足止めをしてくれれば十分なのだ。
『相手は二足歩行が可能な戦車ですか。それではこちらも戦車で対抗しましょう』
ウォーキングタンクの軍勢に攻撃をしかけようとしていたマーリスとクリスティーヌの元に、高村・恭子(ハイカラさんの戦車乗り・f24524)からの無線通信が届く。『特参号戦車』――サクラミラージュの戦車を改造した空挺戦車――に乗った軍服姿の恭子は、頭に被った黒い軍帽のつばを直すと、戦車を最前線に飛び込ませた。
『敵の攻撃は、こちらで引き受けます。みなさんはその隙に攻撃を』
恭子の通信に、マーリスとクリスティーヌが応える。
「助かるネ。ヨロシクたのんだヨ」
「敵の軍勢は私のレギオンが相手をするわ。マーリスさんは各個撃破をお願いするわね」
こうして、猟兵たちとウォーキングタンクとの戦いの第一陣が開始されるのだった。
●
猟兵たちの後方から、陸軍基地の戦車隊と砲兵隊による支援砲撃が開始された。
戦車砲の轟音とともに、ウォーキングタンクの足元の地面が抉れる。さらにそこに降り注ぐのは、ロケットランチャーや迫撃砲といった個人携行装備による支援砲撃。だが、ウォーキングタンクたちはその二本の足を器用に動かして攻撃を回避していく。
「Umm、機敏に動きまわッテ回避すルTankとか、Meは見たくなかったネ……」
「けど、これは大きな隙よ! レギオン第一・第二中隊攻撃開始!」
クリスティーヌがレギオンの軍勢に対して指示を下す。敵のウォーキングタンク軍団に第一・第二中隊を突撃させていく。
支援砲撃の回避に気をとられていたウォーキングタンクにとって、突撃してきたレギオンの軍団にまで対処するのは難しかった。
レギオン第一・第二中隊は、ウォーキングタンクの足元から、戦車としての構造的弱点――車体下部に向かって機銃を掃射する。戦車の正面装甲は抜けない機銃だが、弱点である車体底部であれば話が別だ。機械兵器たちの機銃はウォーキングタンクの装甲を撃ち抜き、内部の燃料や弾薬に引火。その車体を次々と内部から爆発させていく。
だが、ウォーキングタンクたちも黙ってやられているだけではない。ウォーキングタンクたちが、味方の足元に取り付いたレギオン部隊たちに向かって主砲塔から砲弾を発射した。空をつんざくような砲撃音とともに放たれた砲弾はキャニスター弾。内部に無数の散弾を内蔵した砲弾である。キャニスター弾は空中で散弾を放出。ウォーキングタンクの足元にまとわりついたレギオンたちをまとめて貫いていった。
「第一・第二中隊ともに、無事な機体は敵の脚部を攻撃しながら後退! マーリスさん、恭子さん、任せたわ!」
キャニスター弾の攻撃に耐えた機械兵器たちは全身から激しくスパークを散らしながらも、クリスティーヌの指示に従い後退していく。その際、両手の機銃から嵐のようにウォーキングタンクたちの脚部へと鉛玉を撃ち込む。脚部もまたウォーキングタンクの装甲の薄い箇所だ。機械兵器たちの機銃によって脚部を撃ち抜かれたウォーキングタンクたちは脚部関節から火花を散らす。その車体重量を支えきれなくなったウォーキングタンクは、次々と地面に倒れていった。
後退してくるレギオンと入れ替わるように、マーリスが前に出る。三角帽子に魔女のローブという格好のマーリスが掲げるのは、雷光のように輝く電気の鞭だ。
「暴れると痛いですヨ? 大人しくしてネ!」
マーリスによって振るわれた雷鞭が、まだ立っているウォーキングタンクたちの足元を薙ぎ払った。激しい雷光と共に戦場を疾走った電気の鞭が、ウォーキングタンクの脚に絡みつき、その金属の構造体に電流を流し込んでいく。
マーリスの電気鞭によって脚部の電気回路をショートさせられたり、モーターを焼き切られ、ウォーキングタンクたちは大きな地響きを轟かせながら大地に這いつくばった。
「Headが見えたかラには、そこを狙わせてもらうネ」
転倒したウォーキングタンクたちは、マーリスに向けて上面装甲を晒している。そこは、前面装甲や側面装甲とは異なり、戦車の装甲の中でも薄い部分だ。マーリスが振るう雷鞭がウォーキングタンクの上面装甲を叩き、その内部へと膨大な電流を流し込んだ。
激しい電流を流されたウォーキングタンクは、その制御コンピュータから煙を上げ動きを止める。さらに他のウォーキングタンクに攻撃をおこなうマーリス。放った電撃がウォーキングタンクの燃料に引火し、爆発、炎上した。
「モシモ普通のキャタピラーだったら出来なかった作戦デス。あの脚は文字通り『蛇足』でアル事、身を持って知ってもらったヨ」
マーリスは次々と倒れたウォーキングタンクを撃破していく。
だが、ウォーキングタンクたちは横転した体勢のまま、無理やり砲塔をマーリスへと向け、主砲を発射した。空中で散弾となったキャニスター弾が、マーリスに襲いかかる。
「ChainLighting!」
とっさに放った電撃の鞭でマーリスは散弾を叩き落とした。
だが、これでウォーキングタンクの攻撃は終わりではない。さらに二発、三発とキャニスター弾が放たれ――。
『そうはさせません』
恭子の駆る『特参号戦車』がマーリスの前に飛び出し、キャニスター弾を側面装甲で受け止めた。『戦車用超重装甲』によって強固な守りを誇る上に、『念動力式防御装甲』を用いて恭子の精神力で装甲が強化されている『特参号戦車』にとって、散弾程度の攻撃では装甲を抜かれることはない。
「助かったネ」
『マーリスさんは、このまま私の戦車の影から攻撃を』
恭子は倒れたウォーキングタンクたちに向かって、戦車の7.7mm車載重機関銃を掃射。上面装甲を貫き、戦車を蜂の巣に変えていく。
『この特参号戦車の装甲と火力、甘く見ないでいただきましょう』
ウォーキングタンクの散弾を弾きながら、恭子は次々と敵を撃ち抜き、爆散させていく。
しかし、ウォーキングタンクの主砲から発射できるのはキャニスター弾だけではない。『対猟兵弾』――それは、猟兵を倒すことに特化した高威力の戦車砲弾だ。直撃したら、熟練の猟兵でも無事では済まない威力を持つと言われている。
ウォーキングタンクの一台が、両腕を使って体勢を立て直し、恭子の乗る特参号戦車に向かって戦車砲を構える。キャニスター弾とは比較にならない火薬量で飛び出した戦車砲・対猟兵弾が、音速を越えた速度で特参号戦車に迫り――回避を許す間もなく命中。大爆発を起こした。
もうもうと立ち上る黒煙と、漂う焦げ臭いにおい。激しい爆発によって爆心地である特参号戦車がいた場所は高温になり、陽炎が立ち上っていた。
「恭子サン……!?」
電撃の鞭で戦っていたマーリスが不安の眼差しを向けた先。黒煙が晴れていき――。
そこには高熱で装甲板が赤熱しながらも、無事な特参号戦車の姿があった。
『攻撃は、嵐の如く』
特参号戦車は恭子の操縦で対猟兵弾を放ったウォーキングタンクへと向き直る。その37mm戦車砲『三十七粍戦車砲』が敵戦車を捉え、戦車砲の砲弾を撃ち出した。
真っ直ぐに飛翔する戦車砲は、ウォーキングタンクの正面装甲に命中する。――が、ウォーキングタンクの装甲の中でも最も硬い装甲を誇る正面装甲は、さすがの37mm戦車砲でも貫くことができなかった。その装甲表面に砲弾がめり込んだまま止まってしまったのだ。
ウォーキングタンクのレーザーサイトが、まるで勝ち誇ったかのように赤く光り、恭子に向かって再度『対猟兵弾』を放とうと装弾をおこなう。
『特参号戦車の砲撃が一発だと誰が言いましたか?』
特参号戦車の戦車砲から、再度砲弾が放たれる。
その攻撃は効かないとばかり、ウォーキングタンクは正面から戦車砲を受け止めようとし――初撃で装甲にめりこんだ砲弾に二発目が寸分たがわず命中。そのままウォーキングタンクの装甲をぶち抜いて爆発炎上させた。
『特参号戦車の集中砲撃を耐えきれると思わないでくださいね』
こうして、恭子、マーリス、クリスティーヌの三人によって、ウォーキングタンクの軍勢の第一陣は退けられたのだった。
大成功
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シスカ・ブラックウィドー
お、今度はフツーのサイズの戦車だね。ちょうどいいや。新しく開発中のユーベルコードの実験台になってもらおう。
指定UCを発動!盾として使うのではなく、念動力でコントロールして手裏剣のように飛ばして敵を焼き切る!上半身と下半身のつなぎ目が脆そうだからそこを狙ってみよう!
基地の軍人さん達がピンチになったら本来の用途である盾として使用して庇ってあげよう。
「気にしなくていいよ。大事な人を守る練習だからさ♪」
※アドリブ歓迎
主・役
いーやっふー☆引き続き魔法少女風弾幕シューアバターで。
ショットは3wayショットに変更。お供は引き続きホーミングショット。
ボム(ゲーム用語としての回数制限付きの攻撃無効化&範囲攻撃の意。爆弾ではありません)は雷魔法タイプ。詰んだ時に使用。
さて、Alに楽しむなんて概念はないだろうし、であるならばえにっちゃんがこうして弾幕シューのように動いていればコマ落ちのごとくウォーキングタンク動きが鈍るだろうねぇ。
後はおまかせー。
●野戦 第ニ陣
猟兵たちによってウォーキングタンクの第一陣は撃退された。だが、それはベルグリシ陸軍基地に侵攻してきているウォーキングタンクのごく一部を倒したにすぎない。いま、ウォーキングタンクたちの第二陣が基地へと迫っていた。
「お、今度はフツーのサイズの戦車だね。ちょうどいいや。新しく開発中のユーベルコードの実験台になってもらおう」
ガションガションと二脚で侵攻してくる手足の生えた戦車を見て、翠色のドレスを着た金髪のダンピールが妖艶な笑みを浮かべた。人形遣いのシスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)は、ぬいぐるみを抱えたまま、紫の瞳をすっと細めた。
「いーやっふー☆えにっちゃんも協力するよ♪」
主・役(エクストリームアーティスト・f05138)がシスカに並んで気合いの声をあげる。身体にフィットした紫色のミニワンピース――いわゆるボディコン風の服を着て、そのナイスバディを強調する役は、服と同色のマントを翻して楽しげな笑みを浮かべた。
役は、ゲームのアバターを憑依させて人格を同調し、キャラの技を使って戦うバトルゲーマーである。彼女が今回選んだのは、巨大要塞戦に引き続き、魔法少女風弾幕シューティングだ。
懐から取り出した自作のゲーミングスマートフォンを起動すると、そこに浮かび上がるのは魔法少女風弾幕シューティングゲームの画面。役は迷わず玄人向けの高機動・高火力型魔法少女キャラを選択する。
「バリアは薄いけど、当たらなければ意味はない、ってね☆」
役が身にまとうボディコン服がポリゴンになって消滅し、魔法少女服として再構築されていく。
「魔法少女えにっちゃん、惨状♪」
ビシッとポーズを取った役の肩に、ちょこんとマスコットのオオサンショウオが乗って、ゲコと鳴いた。
「えっ、オオサンショウオって、そんな声で鳴くの!?」
「まーまー。マスコットなんだから気にしない気にしない♪」
シスカのツッコミをマイペースにかわした役は、マスコットを肩に乗せたまま、赤茶けた荒野を疾走していく。数々のエクストリームスポーツを体得しスカイダンサーの域にまで昇華させた役は、まるで空を飛ぶかのように軽やかに跳躍してウォーキングタンクの群れに突っ込んでいった。
「みんなも、この弾幕シューを楽しんでね♪ ごにゃーぽ☆」
役が【エクストリームタイム☆】を発動させる。これにより、戦場にいるリアル弾幕シューティングゲームを楽しんでいない対象の動きが5分の1に低下するのだ。
自律行動するとはいえ、感情のないウォーキングタンクは【エクストリームタイム☆】の効果によって動作が緩慢になっていった。
「なるほど、そういうことか。みんな、戦いを楽しむつもりでいくよっ!」
役の【エクストリームタイム☆】の効果を理解したシスカが、戦車隊や砲兵隊たちに声をかける。
だがシスカの言葉に、軍人や民間人たちは戸惑う。自分たちの住む場所を。家族を守るための戦いを楽しめと言われて、そう簡単に楽しむことができるだろうか。
「まあ、それもそうだよね……しょうがないなぁ、出てきて人形たちっ!」
シスカの指示に従って現れたのは、いざというときのために戦車隊や砲兵隊に紛れ込ませておいたシスカの人形だ。
デフォルメされた二頭身のシスカ人形――ところどころ糸がほつれていて、お世辞にも器用な人間が作ったとは思えない――を先頭に、クマや鯱、カンガルー、ライオン、カエルのぬいぐるみが飛び出し、戦車隊と砲兵隊に向かって愉快なダンスを踊り始める。
それによって緊張がほぐれた戦車隊と砲兵隊は、役の繰り広げる、あたかもゲームかのような光景に見惚れ、楽しむことにより、【エクストリームタイム☆】の効果対象から抜けて通常動作速度に戻っていった。
こうなれば、ウォーキングタンクたちだけが一方的に行動速度が遅いという、猟兵側にとって圧倒的に有利な状況が生じる。
戦車隊と砲兵隊たちは、動きの遅くなったウォーキングタンクたちに向かって砲撃を行い、砲弾の雨を降らせるのだった。
「よーし、これでもくらえー☆」
ウォーキングタンクの群れに突っ込んだ役は、ウォーキングタンクの手前で高々と跳躍。手に持った魔法の杖から3方向に打ち出される魔法弾でウォーキングタンクの上面装甲を貫き爆散させた。
だが、その攻撃に対してウォーキングタンクたちも反撃してくる。動きが5分の1になるといっても、ウォーキングタンクたちはまったく動けないわけではない。狙いを定めもせずに対猟兵弾が連続砲撃され、弾幕となって役に迫る。
「さすが弾幕シュー。攻撃が半端じゃないね☆」
速度が5分の1になるのは、あくまでウォーキングタンク本体だけだ。その戦車砲から放たれた砲弾は通常の速度で役に迫りくる。
役はとっさに雷魔法を放って弾幕を消し去ると、手持ちの雷魔法の残弾を確認する。残り2発。
「お前もいっけー♪」
肩のオオサンショウオをむんずと掴んだ役は、それを無造作に放り投げる。飛んでいったオオサンショウオはホーミング弾としてウォーキングタンクの下部から装甲を貫いて、その動作を停止させた。
縦横無尽に跳躍する役の攻撃を、動作速度が低下したウォーキングタンクたちが回避することができるはずもない。次々と撃破されていくウォーキングタンク。
役はウォーキングタンクの残骸の山を築いていくが、出鱈目に放たれる弾幕を避けれれない場合も出てくる。それを雷魔法で打ち消すが、雷魔法の残弾は残り一発。
そこに、さらなる弾幕が迫りくる。――ここで雷魔法を使うか否か。
だが、役に迫った砲弾は、その手前で見えない壁に当たったかのように爆発した。
「ボクの分も残しておいてよね!」
役に迫った対猟兵弾を防いだのは、シスカの【幻想の光楯(アインシュタイン・レンズ・イマージュ)】である。太陽光を収束して作り上げた超高熱の光の楯が、迫りくる砲弾を一瞬の内に加熱・誘爆させたのだ。
誘爆によって生じる爆風すらも、光楯の高熱によって急速膨張した空気が生み出した真空の壁が侵攻を遮断する。光の壁の向こうに立ち上る陽炎は、まさしく幻想のような光景だった。
「この楯はね、こういう使い方もできるんだよ!」
シスカは念動力で光の楯をコントロールすると、ウォーキングタンクたちに向けて射出した。
高速回転する光の楯は、動きの遅くなっているウォーキングタンクたちの上半身と下半身のつなぎ目に命中。その脚を切断する。
ウォーキングタンクたちは砲塔上部の重機関銃で迎撃しようと試みるが、動きの遅くなった状態ではブーメランのように自由自在に宙を飛ぶ高熱の円盤は捉えきれない。次々と脚部を切断されていく。
脚部を切断されて動けなくなり砲塔の可動域が狭まれば、必然的に役に対する弾幕も薄くなる。
「ナイス☆」
跳躍した役が、弾幕の隙間をすり抜けるように跳びながら、ウォーキングタンクの上部装甲にショットを撃ち込んで破壊していった。
さらに、脚部を切断されて動けなくなったウォーキングタンクの上空から、砲撃部隊による榴弾の雨が降る。対空砲撃手段を持たず、動くこともできないウォーキングタンクたちは、次々と榴弾の餌食になって爆散していく。
一方のウォーキングタンクたちも砲撃部隊に反撃しようと機銃掃射で銃弾の嵐を吐き出した。
「おっと、させないよっ!」
だが、その攻撃はシスカが展開する光の楯によって防がれる。味方に迫った銃弾は構成材質の鉛の沸点を越えて蒸発して、跡形もなく消滅した。
シスカは、感謝の声を上げる砲撃部隊に振り向いて、ウィンクをしながら微笑む。
「気にしなくていいよ。大事な人を守る練習だからさ♪」
おおおっー、と女神のような微笑みに士気を高める砲撃部隊員だが、彼らはまだシスカの性別を知らないのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マリー・シュバルツ
千切れた左腕を予備に繋ぎ直して動作確認しながら、ダイバーに軽口叩いてるよ
「手足の生えた戦車か。お前の同類だな、ダイバー」
不満そうな反応だね?
何か言いたい事があるなら、次は言語機能の実装も考えるか
ま、冗談はそれくらいにして
ダイバーの操縦席に乗り込んで戦闘開始
「ダイバー、砲戦モード」
戦車隊や砲兵に援護を指示しておいて、オレは最大火力で前線に突っ込む
ダイバーの両腕や胸のガトリング、肩やバックパックのミサイルポッド、両肩から伸びるキャノン砲、全ての火器を駆使してマルチロックオンから、面で制圧するように一斉射だ
「世界を蝕む病原体は、まとめて消毒しないとな!」
全弾撃ち尽くすまでヒット&アウェイで駆け回る!
アムリタ・リシ
いとなみをはばむものが、あんなにも…
といてとめることは…できないよう、ですね…
しかたありません…あのかたたちも、いましめましょう…
兵器形成・偽神で片足を大砲に変え牽制の砲撃
その後片腕をワイヤー付きの杭に変え
敵(可能なら装甲が薄そうな脚の部分)に撃ち込み
撃ち込んだ敵に急速接近します
その際はもう片方の腕を盾に変え、防御しつつ接近
その勢いのまま体当たりでひるませ、その隙に両腕をドリルに変え追撃
装甲を破りつつ、中枢破壊を狙います
その間に別の敵に狙われたら
髪を盾に変え防御
仲間が狙われていたら
脚を大砲に変えて敵に撃ち、攻撃を妨害
1体倒したら、別の敵にまた牽制砲撃後、杭を撃ち接近
そうやって各個撃破を狙います
●野戦 第三陣
猟兵達によって物言わぬスクラップとなった二足歩行戦車の残骸が荒野に散らばっていた。だが、残骸を文字通り二本の足で踏み越えながら、ウォーキングタンクの第三陣が迫りくる。ウォーキングタンクの群れは、二脚の上部に搭載された戦車砲塔から絶え間なく対猟兵弾を連続砲撃する。
降り注ぐ対猟兵弾は地面に着弾すると、激しい轟音とともに地面を震わせ、巨大なクレーターを作り出す。
まだ対猟兵弾の有効射程の外のため、敵の攻撃は戦車部隊や砲兵隊に被害を出していないが、これ以上の接近を許せば味方に大きな損害が出ることだろう。
アムリタ・リシ(ナノマシン群体型偽神兵器・f25098)とマリー・シュバルツ(死神をチェーンソーでバラバラにする女・f24670)は、戦車隊や砲兵隊の人々を守るため前線へと赴く。
「いとなみをはばむものが、あんなにも……」
幼い少女の姿をしたアムリタが、憂いを帯びた金色の瞳で迫りくる人型戦車の群れを見つめる。
ナノマシン群体型偽神兵器。それがアムリタの本当の姿だ。だが、彼女の中には『営みを守り、未来のために動く』という行動原理が残っている。自分と同じ兵器である人型戦車だが、人の営みを阻む以上はアムリタの敵だ。
「といてとめることは……できないよう、ですね……」
悲哀に満ちたアムリタの呟きに、装甲救急車両『レスキューダイバー』の影からマリーの声が飛ぶ。
「諦めな。もうアイツらはただのオブリビオン。人々を傷つけるだけの害悪さ。それより、ちょっと手伝ってくれないかい」
首をかしげながら救急車両の影に回り込んだアムリタは、マリーの姿を見て息を飲んだ。
マリーの左腕は先の巨大要塞戦において、肘から先が消し飛んでいたのだ。ナノマシンの群体であるアムリタならともかく、人間にとっては致命傷とまではいかずとも、今後の生活にも支障が出るほどの重傷だった。
「そのうででは、もう……」
猟兵として戦うことはできない。後方に下がるべきだ。そう告げようとしたアムリタの眼前に、マリーが右手で何かを突き出した。
「ちょっとソレを傷口に当てててくれないかい?」
突き出されたものは、人間の左腕。肘から先の部分だ。
「は、はい……」
慌てて左腕を受け取ったアムリタは、マリーに言われた通りに左腕を彼女の傷口にあてがった。
「ああ、助かるよ。自分の右手で持ってたら、予備の腕の縫合もできないもんでね」
マリーは手に持った太い針と糸で、左腕の肘の部分を縫い合わせていく。粗い糸目で縫っただけの適当な縫合だが、一応、マリーの左腕が繋ぎ合わされた。
「けど、こんなてあてじゃ……」
そうアムリタが言った瞬間。マリーがぐるぐると勢いよく左腕を振り回した。そして、左手を二度・三度、ぐっと握っては開く動作を繰り返す。
「よっし、左腕も治ったし、こっちからも攻撃といくかね!」
死から蘇生し驚異的な復元力を持つデッドマンであり、闇医者でもあるマリー。
彼女が腕をあっさりと治療したのを目の当たりにし、アムリタは目を白黒させるのだった。
「じゃあ、オレはダイバーで前線に突っ込むとするかね。戦車隊と砲兵隊は援護を頼むよ。アムリタはどうする?」
マリーはレスキューダイバーに乗り込みながら、アムリタに問いかけた。
「わたしも……たたかいます。それがわたしの、やくめです」
アムリタは強い意志の光を込め、ウォーキングタンクたちを見渡した。あの歩行戦車たちを放置しては、人々の被害が広がるだけだ。
「それじゃ、世界を蝕む病原体をまとめて消毒といこうか!」
叫びながら、マリーはレスキューダイバーのアクセルを踏み込んだ。
●
「それにしても、手足の生えた戦車ねぇ。お前の同類だな、ダイバー」
運転席に座るマリーの軽口に、車両が激しく上下する。タイヤが人型戦車の残骸を踏んだのだ。まるでマリーの言葉に対する文句として車両がわざと残骸に突っ込んだようにも見えた。
「おやおや。不満そうな反応だね? 何か言いたい事があるなら、次は言語機能の実装も考えるか」
その言葉に対して、装甲救急車両は喜びを表すかのように激しくドリフトしたかと思うと、上空から降ってきた対猟兵弾を回避。爆風を置き去りにして戦場を疾走していく。
「わたしも、えんごします……」
敵陣に飛び込んでいくレスキューダイバーを見て、アムリタは【兵器形成・偽神】で右脚を大砲型の偽神兵器に変形させる。
オブリビオン・ストームを内燃機関でエネルギー変換した偽神兵器から放たれるのは、高密度エネルギーの砲弾だ。次々と撃ち出される砲弾は、ウォーキングタンクの群れに着弾。何体かの人型戦車を大破させつつ、爆風と衝撃とで敵の軍団の動きを止めた。
アムリタによる砲撃の爆風を物ともせずに荒野を疾走するレスキューダイバー。その運転席でマリーが叫ぶ。
「ダイバー、砲戦モード!」
マリーの指示によって荒野の高台から飛び出したレスキューダイバーが空中で人型形態に変形する。重厚な二本の脚で地面を削り取りながら着地したレスキューダイバーは、ガシャンという金属音を響かせながら武器を構えた。両腕・胸部のガトリング、肩部・バックパックのミサイルポッド、両肩から伸びるキャノン砲が、ウォーキングタンクの群れに向けられる。
「ダイバー、敵対勢力をマルチロックオン!」
レスキューダイバーの操縦席のモニターが、マリーの視線を検知し、対象をロックオンしていく。モニターを赤いロックオンマークが埋め尽くしたところで、マリーが【全武装展開広域殺菌殲滅砲撃(デストロイ・ヘビーアームズ)】の指示を下す。
「ダイバー、全武装展開! 広域殺菌殲滅砲撃!」
レスキューダイバーのガトリング砲が火を吹き二足歩行戦車を蜂の巣にする。
ミサイルポッドから発射されたミサイル群が敵を爆散させる。
キャノン砲が大気を震わす轟音とともに遠方の戦車を撃ち貫く。
それは、まさに広域を殺菌消毒するかのような激烈な砲撃だ。
「よし、この調子で全弾撃ち尽くすまでヒット&アウェイでいくよ」
ダイバーを人型から車両モードに戻すマリー。
だが、ダイバーが変形のために動きを止めた一瞬。残った敵からの対猟兵弾の一斉砲撃が迫る――。
「させま……せん……」
ダイバーへと迫る砲撃へと身を投げ出したのはアムリタだ。片腕をフック付きワイヤーに変えてダイバーの車体に絡ませたアムリタは、ワイヤーを一気に巻き上げることで、敵の攻撃に割り込んだのだ。
「アムリタ!?」
マリーの驚愕の声と同時。アムリタが対猟兵弾の砲撃をその身で受け、激しい爆発に包まれた。
――だが、爆煙が晴れた時、その中から姿を見せたのは左腕を盾型の偽神兵器に変形させたアムリタの姿だった。
オブリビオン・ストームすら燃料とする偽神兵器。それは対猟兵弾の爆発のエネルギーすらも内燃機関の動力源として取り込み、攻撃用エネルギーの充填をしていた。
「あれだけの爆発でも無傷なんて、こりゃあ闇医者も商売上がったりだね」
ほっとしたような声で呟くマリー。
アムリタは、吸収したエネルギーを両足の裏から射出し、ジェット噴射の要領でウォーキングタンクとの間合いを詰める。そして両腕をドリルの形に変形させたかと思うと、高速回転する小型オブリビオン・ストームを動力源としてドリルを回す。アムリタの両手のドリルがウォーキングタンクの鋼鉄のボディに触れた瞬間、その鋼鉄の装甲を紙切れのように穿ち貫いた。激しい回転に晒された人型戦車は、その機体を無残に撒き散らしていった。
やられたウォーキングタンクのお返しとばかりに対猟兵弾がアムリタに向かって放たれるが、アムリタは今度は髪を盾に変えてそれを防御。爆発のエネルギー吸収する。
そして、右腕のワイヤーを射出して敵に接近。そのまま左腕のドリルでウォーキングタンクを貫き撃破する。
「いましめるしか、ないのですね……」
呟きながら、アムリタは次々とウォーキングタンクを打ち破っていった。
「さて、こっちも負けてられないよ、ダイバー!」
再度、荒野を高速機動で駆け抜けながら、レスキューダイバーは対猟兵弾の砲撃をかいくぐっていく。そして、敵の中心に達すると砲撃形態となり、銃火器を一斉射。荒野に激しい花火を咲かせていった。
治療のためには、まず、怪我の原因を撲滅すべし。そのためには、自分の身を危険に晒すことも厭わない。それはまさに闇医者としてのマリーの信念が伺える戦い方だった。
――こうして、ウォーキングタンクの第三陣も、猟兵たちによって撃破されたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フォルク・リア
「力を貸して貰いたいのはこっちも同じだよ。
敵は多いけど力を合せれば倒せない相手じゃないからね。」
冥空へと至る影を使用。
強化した月光のローブやプロテクションフィールドで守りを固め
多少の被弾覚悟で敵陣に攻め込む。
【残像】を発生させて攪乱させつつ敵を【挑発】。
散弾を無駄打ちさせると共に乱戦の中で同士討ちを狙う。
基地の人達には乱戦に陥り混乱した敵への銃撃を頼み
更に混乱を拡大させる。
但し、基地に向かう敵は先に迎撃して
自分達の安全確保を優先して貰う。
攻撃は【2回攻撃】を使い
拘鎖塞牢で拘束した後
デモニックロッドの闇の魔弾を確実に当てる。
対象は基地へと向かう敵を優先
それ以外では隙の大きい敵を優先して仕留める。
緋薙・冬香
とりあえずスカイステッパーで上空まで上がって急降下飛び蹴り!
着地したら軽く演技ね
「美女は空から降ってくる……なんてね?」
冗談はこれくらいにして全力で行くわよ!
『魅せる脚』を攻撃回数重視で仕掛けるわ
まずは敵の態勢を崩すとしましょう
低い体勢から体を回転させて足払い
隙が出来たらジャンプしながら膝蹴りを叩き込み
そのまま足場にして低空スカイステッパーで掻き乱しましょう
残像も残して撹乱していくわよ!
タンクの機銃掃射は低空スカイステッパーでかわしつつ
時折着地からのスライディングで同士討ちを狙ってみたり
もちろん蹴りも叩き込んでいくけどね
ハイキック、回し蹴り、踵落とし
どれがお好み?
「さぁ、踊ってちょうだい?」
●防衛戦
猟兵たちが前線に出てウォーキングタンクを撃退していた頃。
後方に控える陸軍基地の戦車隊の軍人、砲兵隊の民間人たちを狙い、密かに後方に回り込む二足歩行戦車たちの一群がいた。
戦闘の混乱に乗じて後方から近づいたウォーキングタンクがその主砲を民間人たちに向け――。
「はーい、おいたはそこまでよっ!」
上空から降ってきた緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)の急降下飛び蹴りによって、その砲塔を真下に向けさせられ砲撃。自らの砲弾の爆発に巻き込まれて四散した。
二足歩行戦車を蹴った勢いで再び上空に舞い上がった冬香は、ひらりと爆発を回避。空中でウィンクしながら軽やかに――胸はたゆんと揺らしつつ――地面に着地する。
「美女は空から降ってくる……なんてね?」
冬香は身体にフィットしたミニスカートから眩い脚を覗かせつつ、妖艶な笑みを浮かべた。
一方、民間人たちは、突如現れた敵に浮足立っていた。どんな戦況でも恐慌に陥らないよう訓練を受けた軍人たちと違い、武器を持ったとは言え彼らは所詮民間人。自分の身に死が襲いかかってきたら、恐怖に足が竦んでしまうのも仕方のないことだろう。
だが、その民間人たちを守るように、白いローブをまといフードを目深にかぶった青年が姿を現した。
「敵は多いけど力を合わせれば倒せない敵じゃないさ」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)が、民間人を安心させるように友好的な口調で語りかける。
その姿に、民間人たちも落ち着きを取り戻していった。
「敵を倒すために力を貸してもらいたい。これから敵を混乱させるので、攻撃を頼めるかな」
軍人と民間人たちは武器を握りしめ、フォルクの言葉に強く頷くのだった。
●
「あら、私の脚を見たいのかしら? 魅せられないように気をつけなさい?」
ウォーキングタンクの群れの中心に飛び込んだ冬香。タンクたちは冬香に機銃を向けるも、味方との同士討ちを気にして発砲することができない。
その隙を見逃す冬香ではない。身体を深く沈めて地面すれすれのところで回転。足払いを放つ。
脚部を蹴られた二足歩行戦車はバランスを崩して胴体から倒れ込むが、そこに冬香の膝蹴りが突き刺さった。カウンターとして車体を揺らした膝蹴りにより、ウォーキングタンクはセンサーに不調をきたし、あらぬ方向に向けて主砲を発砲。そこにいた味方ウォーキングタンクを爆散させた。
「同士討ち狙い――同じことを考えている人がいたようだね」
フォルクも敵戦車の群れの中に飛び込みつつ、【冥空へと至る影】により冥界の魔力を身にまとう。冥界の魔力によって、フォルクが纏うローブや霊布が強化され、敵の攻撃を弾く強靭な護りとなった。
ウォーキングタンクがフォルクに向けてキャニスター弾から散弾を放つが、そこにはフォルクの残像があるだけだ。散弾はフォルクの残像を突き抜けて――その先にいる味方に命中。スクラップへと変える。
残像を残しながら低空を踊るように跳躍する冬香。冥界の魔力でローブの加護を強めて攻撃を防ぎつつ、やはり残像を発生させて撹乱するフォルク。
二人の行動により、ウォーキングタンクの群れには敵と味方の判別もつかないくらいに混乱が広がっていた。残像に対して砲撃をしてはその先の味方を誤射し、誤射を恐れて動きを止めれば冬香の蹴りでバランスを崩され、そこをフォルクが放った闇の魔弾に撃ち抜かれていく。
「へえ、あなた、なかなかいいリズムで踊るじゃない」
「そちらこそ、いい動きですね」
黒く艷やかな髪をかきあげた冬香は、激しく動いたにも関わらずまったく呼吸を乱していない。白いフードから口元だけを出したフォルクも同様だ。二人はうなずき合うと、再び敵陣の撹乱のために駆け出す。
「動きを封じます」
フォルクが棺桶型の拘束具『拘鎖塞牢』により、ウォーキングタンクを拘束する。
「それじゃあ、これはサービスよ」
冬香が動きの止まった戦車の車体底部にハイキックをお見舞いする。装甲の薄い箇所を貫かれ、ウォーキングタンクは動作を停止した。
さらにフォルクが闇の魔弾で注意を引きつけた敵の砲塔に、冬香が回し蹴りを入れる。ぐるぐると回った砲塔からは、明後日の方向に砲弾が発射され、別のウォーキングタンクが轟音とともに炎に包まれた。
冬香とフォルクによって混乱の極みに陥ったウォーキングタンクの群れ。それは、基地の戦車隊と砲兵隊にとって絶好のチャンスだ。
戦車に乗った軍人たちは、主砲に砲弾を装填すると、その狙いをウォーキングタンクに定める。砲兵隊たちは、個人携行用ロケットランチャーや迫撃砲を構えて二足歩行戦車を睨みつけた。
「そろそろですね」
「わかったわ」
フォルクと冬香が、残像を残しながらウォーキングタンクの群れから素早く距離を取る。
そして、それを見届けた戦車隊と砲兵隊が一斉に攻撃を開始しした。
ウォーキングタンクの群れを戦車砲、ロケットランチャー、迫撃砲の雨が襲い、大爆発を起こし――。
奇襲をかけてきた敵の全滅を確かめた人々は歓声をあげてフォルクと冬香に感謝の言葉を送るのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
防人・拓也
【SIRD】
スーパーバイパーを着陸させた後、指定したUCを発動。ゴスホークへ乗り換えて白斗や他に乗る人を乗せたら離陸。UC『マイ・バディ・ソルジャー』を発動し、分身にミニガンへついてもらう。ミニガンは誰でも使用可。
「さて、大掃除の時間だ。ロックンロール!」
と手始めにミサイルやロケットを敵に発射。戦闘中も継続的に発射する。
「ガンズ、敵の重機関銃を黙らせろ!」
と分身に指示。ミニガンで制圧射撃させる。
ノーマークの敵集団を見つけたら
「こちら、リーパー。ノーマークの敵集団を確認。位置情報を送る。奴らを何とかしてくれ」
と味方に連絡。余裕があればヘリをそちらへ向ける。
今回のヘリは喫煙可。
アドリブ・連携可。
九十九・白斗
【SIRD】
「明らかにバランスの悪そうな戦車だな。
転ばせてしまうのが一番のように思うが、危険なのはあれでバランスよく軽快な動きをした場合、一気に話が変わってくる
膝立ち、四つん這い、仰向け、好きな射角がとれる戦車という事になる
さっきも要塞が立ち上がってたし、あのタンクも色々物理法則を無視した動きができそうだ
まあ、とはいえ、真上を飛ぶヘリを撃墜するのはタンクでは無理だろう
また防人のヘリに乗って上空から12.7mm劣化ウラン弾を叩きこんでやろう
後はヘリの武装も使って、徹底的に上空から攻撃してやる
タンクに対してヘリは負ける要素がないからな
ところでこのヘリも禁煙か?
寺内・美月
SIRD共同参加
アドリブ・連携歓迎
・追加でUC〖作戦機動群〗(二個戦車軍団と一個機械化歩兵軍団【以下OMG】とUC〖航空戦力〗(十二個航空爆撃軍団【以下AC(B)】))
・先の【AC】は引き続き戦車に長距離砲撃を行う。【AAD】は【AC】の直接防御に六個、【OMG】に三個(各軍団に一個)配置、残りは予備。鉄道部隊は敵主力(ボス)を砲撃できる位置で待機。
・【AC(B)】は高高度からの精密爆撃(電子的妨害を受ける場合は自由落下爆弾の収束爆撃)により敵戦車の上空(重機関銃の射程外)から攻撃。
・【OMG】は【AC】および【AC(B)】による攻撃の一時終了後に突撃、脚部や砲身を集中的に狙い破壊する。
●野戦 第四陣
第三陣を撃破され、ようやくウォーキングタンクの軍勢も勢いが衰え始めてきた。恐怖を知らぬ二足歩行人型戦車も、猟兵に対する警戒を強め、無理な攻撃に出るのを躊躇い始める。
「敵の進軍が停滞した今こそ、こちらも総攻撃で打撃を与える時でしょう」
漆黒の軍服を着た寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)がその怜悧な瞳をウォーキングタンクの軍勢に向け、丁寧ながらもよく響く声で指示を下す。
美月が従えるのは、先の要塞戦で指揮していた14個高射師団、12個砲兵師団、3個鉄道連隊に列車砲20門だ。
だが、冷静沈着にして隙がない美月が用意したのはそれだけではない。物量を支えに攻めてくる敵に対して、それを上回る物量を用意する。
「作戦機動群に発令……『韋駄天』発動!」
美月が召喚した作戦機動群は、二個戦車軍団と一個機械化歩兵軍団からなる地上部隊だ。戦車軍団の高火力と不整地踏破性に、随伴機械化歩兵による対歩兵戦闘能力を有する機動部隊は、陸上戦では敵なしといえるだろう。
だが、美月はさらなる戦力を呼び出した。
「続けて全航空部隊に発令……『明烏』発動!」
轟音と共に遥か遠方の空より飛来するのは、12個航空爆撃軍団だ。美月が指令所からの航空管制に専念するために前線に出られなくなるという欠点はあるものの、その広域破壊力は随一だ。
美月によって指揮された軍団は、ウォーキングタンクの群れを撃退すべく進軍を開始する。
一方、要塞戦でロケット弾と空対地ミサイルを撃ち尽くした戦闘ヘリ『スーパーバイパー』に乗った防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は、陸軍基地の戦車隊、砲兵隊が展開する前線にヘリを着陸させた。
「ふう、ようやくタバコが吸えるな」
まずヘリから降りてきたのは、対物ライフルを担いだ九十九・白斗(傭兵・f02173)だ。大きく伸びをすると、くわえたタバコに火を付けてうまそうに煙を吐き出した。皺の刻まれた色黒の顔に笑みが浮かぶ。
「白斗、ゆっくりしてる場合じゃないぞ。美月の航空部隊の攻撃に合わせて俺たちも出る」
『スーパーバイパー』の操縦席から降りた拓也は、対オブリビオン多目的戦闘ヘリ『ゴスホーク』の操縦席に乗り換えると、白斗に声をかけた。
ゴスホークはスーパーバイパーに比べて大型のヘリだ。スーパーバイパーの搭乗人員が2名までなのに対し、ゴスホークが搭乗可能人員10名以上ということからも、その巨大さがわかるだろう。武装もスーパーバイパーに劣らず、ガンポッド、対地ミサイル・ロケット、ドアガンなど、強力な兵装が満載されていた。
「ん、今度のヘリも禁煙か?」
「いや、コイツは喫煙可だ」
拓也の返事に、白斗はタバコをもみ消そうとする動作を途中で止め、くわえタバコのままゴスホークに乗り込んだ。
そして、ゴスホークは巨大なローターを勢いよく回転させ、大空へと飛び立っていった。
●
「一見するとバランスの悪そうな戦車だが、さて……」
ウォーキングタンクの群れの上空を飛ぶゴスホークから対物ライフルの狙撃スコープを覗いた白斗がひとりごちる。
戦車に無理やり手足をつけた面白兵器のように見えるウォーキングタンクだが、デザインコンセプトによっては危険な相手になる危険性を白斗は危惧していた。
「もしあの手足でバランス良く軽快な動きが可能だとしたら、膝立ち、四つん這い、仰向けと好きな射角が取れることになるな……」
アポカリプスヘルのオブリビオンであれば、それくらいやってのけても不思議ではない。そして、もしそれが可能だった場合、相手は通常の戦車を越えた脅威度を持つことになる。
実際のところ、白斗の心配は杞憂に終わるのだが、さすがは歴戦の傭兵。白斗の洞察は正解に近い予測だった。ウォーキングタンク、それは地上戦闘での有効性を求めたものではなく、閉所での機動性と火力・装甲を追求したデザインコンセプトであった。――猟兵たちがそのことを知るのは、もうしばらく先の話であるが。
「まあ、とはいえ、真上を飛ぶヘリを撃墜するのはタンクでは無理だろう」
白斗はゴスホーク内で対物ライフルを構えると、地上のウォーキングタンクをスコープ越しに狙う。白斗がくわえたタバコから灰がポトリと落ちた瞬間、対物ライフルの引き金が静かに引かれ、12.7mm劣化ウラン弾が発射された。
撃ち出された大口径弾は、その圧倒的な運動エネルギーによって二足歩行戦車の上部装甲を撃ち抜くと、内部駆動系を破壊し尽くしスクラップに変える。
上空からの攻撃に気付いたウォーキングタンクたちが対猟兵弾を装填した主砲を連発してくるが、ゴスホークは俊敏な機動により砲撃を回避していった。
「なあ、もうちょっと静かに避けられねぇのか? これじゃ、まともに敵を狙えねぇぞ」
「文句を言うな。これでも最低限の動作で回避している」
拓也に注文をつけながらも、白斗が対物ライフルの引き金を引くたびに、12.7mm劣化ウラン弾はウォーキングタンクの装甲の薄い箇所にピンポイントで着弾。敵を無力化していく。
一方の拓也も、その言葉通りに紙一重の機動で戦車砲と重機関銃の砲撃をかいくぐっていた。
「さて、白斗にばかり良い格好はさせられん。ガンズ、敵の重機関銃を黙らせろ!」
「ガンズ、了解!」
拓也の言葉に答えたのは、【マイ・バディ・ソルジャー】によって呼び出された拓也の分身だ。
分身はドアガンからの機銃掃射でウォーキングタンクの重機関銃を攻撃し、沈黙させていく。
「さて、大掃除の時間だ。ロックンロール!」
ゴスホークの火器管制システムに表示されたターゲットサイトに敵歩行戦車をロックオンし、拓也はロケット弾の発射スイッチを押し込む。
ゴスホークから勢いよく飛び出したロケット弾は、推進剤を激しく噴出させながらウォーキングタンクに迫り、最高速度に達したところで敵装甲に命中。成形炸薬弾頭を炸裂させ、二足歩行戦車の装甲を貫通・爆散させた。
さらに、遠方の敵には誘導ミサイルを撃ち込み、これも撃滅していく。
「これで敵の布陣は把握できたな。こちらリーパー。敵集団の位置情報を送る。こちらは上空に退避して射撃誘導に移る」
ゴスホークに搭載したロケット、ミサイルなどの対戦車装備を撃ち尽くした拓也は、機体の高度を上げていく。
衛星情報が使えないアポカリプスヘルでは、目視での射撃誘導こそが効果的だ。拓也は分身に命じると、敵軍団の位置を後方の美月へと伝えていった。
「ありがとうございます、防人様。全航空部隊、攻撃開始!」
後方の指揮所で敵軍の位置情報を受け取った美月は、虎の子の航空爆撃軍団に発進指示を出した。
敵戦車砲の有効射程外である高高度を飛行する航空爆撃部隊が戦場に爆弾を投下していく。
拓也からの観測データを元にして計算され尽くした軌道でおこなわれる精密爆撃は、ウォーキングタンクたちに高精度で命中。その装甲に包まれた車体を吹き飛ばしていく。
「続けて砲兵師団、長距離砲撃開始!」
砲兵師団によるロケット砲、迫撃砲がウォーキングタンクの群れに降り注ぐ。
『位置修正用の誤差情報を送る』
砲兵師団の第一射の誤差情報を観測していたゴスホークからデータが送られてくる。それを受け取った美月は素早く砲兵師団に指揮を下した。
「照準調整、第二射、発射!」
誤差情報を元に調整を施された射撃が再度、二足歩行戦車に迫り戦場にいくつもの花火があがる。これによって敵陣の二足歩行戦車の大多数が行動不能に陥っていた。
「砲撃中止、作戦機動群、突撃!」
美月の指示で、二個戦車軍団と一個機械化歩兵軍団からなる陸戦兵力が投入され、残った敵の駆逐が行われていった。
「さて、あとは敵主力でしょうか」
敵主力――遠くに霞んで見える巨大な物体を睨みながら、美月は鉄道部隊に命じて列車砲が発射可能体勢になるよう準備を急がせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天城・千歳
【POW】
アドリブ、絡み歓迎
歩行する戦車、はいいのですがとても不格好な兵器ですね。あれでよく主砲発射時に転倒しないものです。まあ、今から鉄屑にするので関係無いですが。
「さて、本艦の記念すべき初陣です。派手に行きましょう。」
陸上戦艦のCIC内部の専用区画に収まり、艦の全機能を掌握。
【情報収集】で艦の索敵、通信システムを立ち上げUCで呼んだ斥候部隊及び他の猟兵から敵の距離、分布情報を収集。
【戦闘知識】で目標の優先度を判定し、通信を介して他の猟兵にも連絡。
連絡後、各艦載兵装を【先制攻撃】で【一斉発射】し【範囲攻撃】による【制圧射撃】で殲滅する。
敵の攻撃は【オーラ防御】【盾受け】で防御する。
ミスタリア・ミスタニア
歩行戦車なぁ?
帝国の二足歩行戦車とはやりあってたが、アレに比べると随分バランス悪そうというか数だけが頼りの量産機って感じだな
さて確かあぁいう砲塔持ってた戦車は戦闘ヘリって奴が天敵だったか?
脚の可動域で無限軌道よりはマシだろうが対空の射角には限度があるだろ
ならヘリ以上の空戦能力を持つ鎧装騎兵もまた天敵だろうよ
ハッ!上空からアームドビットもダガービットも展開して、ついでにレーダービットも飛ばして電子戦だ!
そのまま【フルバースト・マキシマム】で空から一斉射でなぎ払ってやるぜ!
メガビームランチャーを撃ちながら動かして文字通り上からなぎ払って溶解させてやる
強制冷却して2回攻撃で続けてぶっ放してやるよ!
●野戦 第五陣
軍事基地に攻め寄せるウォーキングタンクも、いよいよその数を減らしていた。
基地の戦車隊・砲兵隊の面々の顔にも勝利への希望が浮かんできている。これも猟兵たちの活躍の賜物に他ならない。
一気にウォーキングタンクを撃滅せんと、猟兵たちが二足歩行戦車の群れに突撃していく。
『さて、本艦の記念すべき初陣です。派手に行きましょう』
空気を震わす轟音と大地を揺るがす振動とともに、天城・千歳(ウォーマシンの電脳魔術士・f06941)の陸上戦艦『愛鷹』が姿を現した。全長260メートルにも及ぶ巨大陸上戦艦は、ホバー移動でその巨大な艦体を浮上させつつ戦場へと前進していく。
千歳自身は愛鷹の戦闘指揮所内部にある専用区画に収まり、ただ一機で艦の全機能を掌握。コントロールしている。完全なワンマンコントロールシステムが実現された巨大陸上戦艦、それが愛鷹のコンセプトだ。
「宇宙戦艦と違って陸上を走る戦艦ってのは、なかなか面白いコンセプトだな」
愛鷹の甲板上で翠色の髪を風にたなびかせているのは、ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)だ。露出度の高い高機動型鎧装を身にまとい、手には巨大ビーム砲・メガビームランチャーを構えている。
「それにしても歩行戦車なぁ? 帝国の二足歩行戦車とはやりあってたが、アレに比べると随分バランス悪そうというか、数だけが頼りの量産機って感じだな」
ミスタリアの呟きを集音マイクで拾った千歳が、甲板上のマイクを通して同意する。
『そうですね。歩行する戦車、はいいのですが、とても不格好な兵器ですね。あれでよく主砲発射時に転倒しないものです。まあ、今から鉄屑になるので関係ないですが』
千歳の強気な発言に、ミスタリアもにやりと笑う。
「ああ、景気よく敵の掃討といこうじゃねえか!」
エネルギーをフルチャージしたメガビームランチャーを掲げ、ミスタリアが気合いの声を上げた。
●
「斥候部隊、発進」
千歳が愛鷹の格納庫ハッチを展開する。そこに並ぶのは、偵察用義体だ。その数は500体。
500体の偵察用義体は千歳本体と電脳的に接続され、五感を共有している。義体が見聞きした情報はすべて千歳によって統合・分析され、まさに群体として機能するのである。
偵察用義体たちは、千歳の指示に従い、戦艦の周囲や戦場各所に散らばって索敵・情報収集をおこなっていく。
『ミスタリアさん、本艦からの敵の相対位置情報をお送りします』
千歳はミスタリアに対し、敵の距離、分布情報、戦術的優先度などの情報を送っていった。
「こちらミスタリア。情報受け取ったぜ」
ウォーキングタンクの情報をホロディスプレイに表示しつつ、ミスタリアは鎧装の脚部装甲を愛鷹のデッキに固定した。愛鷹の甲板上に備え付けられたそれは鎧装騎兵用リニアカタパルトだ。
『では、カウントダウン開始します。10、9、……』
「待てるかよ、ゼロだ、行っけ―!」
ミスタリアの鎧装からの緊急発進命令を受けたリニアカタパルトが起動する。超伝導リニアモーターによって爆発的な加速度を与えられ、カタパルトに押し出されるようにミスタリアの全身の速度が増加していき――愛鷹のデッキから戦場の空へと弾き出された。
「ひゃっっほーーー! 大気圏内でのカタパルト発進、いいじゃねーか!」
一瞬のうちに最高速度に達したミスタリアが、鎧装の可変ウィングを稼働させて上下左右に自由な飛翔をおこなう。
陸上戦艦から発進した人型機動兵器らしきものを迎撃しようと、ウォーキングタンクたちが重機関銃を乱射するが、すでにトップスピードに入っているミスタリアの姿を捉えることすらできない。
「さぁて、確かああいう砲塔持ってた戦車は戦闘ヘリってやつが天敵だったか? 脚の可動域で無限軌道よりはマシだろうが対空の射角には限度があるだろ! なら、ヘリ以上の空戦能力を持つ鎧装騎兵もまた天敵だろうよ!」
ウォーキングタンクたちの頭上から、ミスタリアは無線飛行型の自立砲アームドビットと電磁短剣ダガービットを展開し、さらに小型情報収集用兵装レーダービットも展開する。
ダガービットの刃がウォーキングタンクの脚部を斬り裂き動きを止めたところに、アームドビットから放たれた砲撃が命中。二足歩行戦車の装甲を溶解させていく。
「このまま、一気に薙ぎ払ってやんぜ!」
『サポートはお任せください』
レーダービットが収集した情報と偵察用義体が集めた情報を千歳が統合。その優れた演算能力により未来予測に近い精度で数秒後の敵位置を推定する。
千歳によって演算された敵予想位置が、ミスタリアの眼前にホロディスプレイとして表示される。ミスタリアの視線の動きに連動し、ターゲットサイトが赤くロックされていき、ディスプレイを赤いマークが埋め尽くした。
「全武装一斉射、いっっけええ!」
翼状に展開された鎧装に装着された砲台、空中に浮かぶ無数のアームドビット、そしてミスタリアの身長ほどもある巨大なメガビームランチャー。それらがロックオンした対象にむけて一斉に砲撃をおこなう。
『こちらも合わせます!』
さらに千歳の陸上戦艦からも、二基の41㎝3連装電磁加速砲、無数の対空砲塔群、垂直発射式多連装ミサイルランチャーが発射された。
ミスタリアのビーム砲撃と、陸上戦艦の無数の兵器群が二足歩行戦車の群れに直撃。巨大な爆炎が吹き上がる。
「まだまだぁっ、こいつで、とどめだっ!」
ミスタリアは射撃による発熱で赤くなった砲身を冷却材で強制冷却。空になったエネルギーパックを強制イジェクトし新しいエネルギーパックを装着。そのまま二発目のメガビームランチャーを発射した。
ミスタリアは砲身を動かしながら射線上の敵を薙ぎ払っていき――。
――激しい爆発が収まったときには、ウォーキングタンクたちは残っていなかったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『超重戦車』スーパーモンスター』
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POW : ウルトラ・ザ・キャノン
【旧文明の国際条約の破棄】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【主砲の砲弾を大都市を一撃で消滅させる砲弾】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 加農・ファランクス
レベル分の1秒で【全砲門に砲弾を再装填し、連続で砲弾】を発射できる。
WIZ : ゴールキーパー
【連続で射撃攻撃を行う、大口径の車載機銃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
イラスト:8mix
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二足歩行戦車の群れを撃退し、安堵の息をつく猟兵たち。基地の軍人や自警団の民間人たの表情も明るい。
「奪還者たちの助力があれば、このまま勝てるな」
軍人のリーダー格の壮年の男が呟いた瞬間。
――基地から離れた荒野が、突如として大爆発を巻き起こした。
爆音が人々の耳を打ち、吹き荒れる熱風が頬を叩く。弾けとんだ瓦礫が降り注ぎ、人々に驚愕の表情を浮かばせた。
それは、ウルトラ・ザ・キャノン――あまりの威力のため旧文明の国際条約で使用を禁じられた禁忌のオーバーテクノロジーによるものだった。
巻き起こる爆煙のはるか彼方に見えるのは、この大砲を発射した戦車だ。だが、その大きさは通常の戦車をはるかに越える。全長数百メートルにもおよぶ戦車は、もはや陸上戦艦とも呼ぶべき存在だった。
それと同時に先程の敵が何故二足歩行だったのかを猟兵たちは理解する。二足歩行戦車の役割は戦車ではない。あの超巨大戦車、『超重戦車スーパーモンスター』の随伴歩兵だったのだと。
「どうやら、まだあの大砲の有効射程外みたいだが……」
苦虫を潰したように軍人が声を絞り出す。もし基地が主砲の有効射程に捉えられたら、跡形も残らず破壊されることだろう。
「あの巨体には俺たちの兵器は通用しそうにない。すまないがあんたたち奪還者だけが頼りだ……」
己の無力さにうちひしがれながら、軍人は猟兵たちに頭をさげて懇願する。強く握りしめられた男の拳からは血が滴り落ちていた。
「俺たちは基地に戻り、女子供の避難にあたる……。虫のいい話だとはわかってるが、あの巨大戦車をなんとかしてくれないだろうか……」
幸い、スーパーモンスターの移動速度は非常に遅い。猟兵たちが迎撃に出れば、基地を有効射程に捉えられる前に戦いを挑むことができるだろう。
基地に住む人々の命運は猟兵たちに託された。
フォルク・リア
「あのでかいのが最後か。
最初のに負けず壊しがいが有りそうだ。」
敵から距離を取り進路や砲の向きを見極め
真羅天掌で溶解属性の砂嵐を発生させる。
砂嵐で敵の視界を遮り外装を徐々に溶かすと同時に
大きい砂粒で外装をヤスリで削る様にダメージを与える。
微小な砂粒は外装の傷や砲口、装甲の継ぎ目などから
内部に侵入させ内部から溶解させる。
敵の射撃には十分警戒し
自分は一か所に留まらずに敵の狙いを定めさせず
砲口の向きをよく見て射撃範囲からできるだけ外れるが。
射撃された場合は砂嵐を集中し、弾丸を溶解させて防ぐ。
「これだけの兵器をただ破壊するのは勿体ない気もするけど。
背に腹は代えられないか。やるなら徹底的に行こう。」
シスカ・ブラックウィドー
「ちょっと大変だと思うけどアレを丸ごとチョコレートにしちゃって下さい★」
「断る。疲れるから嫌じゃ。自分でがんばれ、坊や」
わー。またでっかいのが来たなー。とはいえ、コイツを倒せばさすがに敵は打ち止めだよね。最後はボクらしく、キュートに戦うよ!
ボクと契約した悪魔っ娘、【悪魔王ショコラ】を召喚!
ちょっと大変だと思うけどアレをチョコレートにしちゃって下さい★
ああ、帰らないで!後で好きなだけこの世界のスイーツをご馳走するから!
(スカートにしがみつく)
なんとかショコラをなだめて一部だけでもチョコレートに変えてもらおう。チョコレートに変化して脆くなった所をぬいぐるみ達で攻撃だ!
マーリス・シェルスカナ
(アドリブ連携絡み歓迎)
Yeah、ヤッパリTankとはかく在るべきデス!
足生えた奴トハ大違いネ♪…壊す前にデータ取っておくのデス。
(生き生きとした目でデータを採取しながら)
…と、先ずは戦車のウィークポイントを『情報収集』ネ
アノ大きさ、闇雲な攻撃では通らないカラ
起爆できる心臓部分とかないカ、走行薄い所とか無いかを見るヨ。
この情報はスピード命デス、分かり次第…皆と共有するヨ。
Meの『選択UC』はコピーする能力デスが
コピーと言うより、正確には戦車の機銃機能を解析する事で
機銃自体を乗っ取り(ハッキング+操縦)して自滅破壊させたい所ネ。
機銃が無くなれば、内部侵入も楽になるのデハ?
●魔女と嵐とチョコレート
「Yeah、ヤッパリTankとはかく在るべきデス! 足生えた奴トハ大違いね♪」
黒い三角帽子にローブを纏ったマーリス・シェルスカナ(宇宙(そら)飛ぶマーリンレディ・f15757)が、超重戦車スーパーモンスターを見上げて歓声をあげた。マーリスの顔前には『神秘』を記録・解析するための電脳端末『ミスティックサーチャー』が浮き上がり、コンソールに超重戦車の膨大なデータを表示させていた。
通常の戦車の数十倍という巨体を誇る超重戦車。大型砲門だけでも6門、中型の砲門を加えると十数本の砲門を持っている。稼働に使うのは、通常の戦車全体ほどの高さがある無限軌道だ。赤茶けた荒野を削りながら、牛の歩みのような速度で着実に進軍してくる。
「さっきのFortressもソウでしたガ、この巨体の重量をドウ支えているのカ、Mysteryデス」
居住可能惑星が失われた宇宙世界スペースシップワールドでは、重力環境下での動作を想定した超巨大兵器は存在しない。おそらく銀河帝国が支配していた過去には存在したのだろうが、現在では完全なロストテクノロジーである。
『神秘』を解明して宇宙世界に貢献するのが目的のマーリスにとって、超重戦車の『神秘』――アポカリプスヘルの禁忌のオーバーテクノロジーは興味深い研究対象だった。
「このTankが自重で崩壊しないtheoryが分かれバ、高重力惑星に人が住めるようニなるかもネ。人が住むのは無理デモ、無人Factoryは可能カモ!」
マーリスは活き活きと青い瞳を輝かせて超重戦車の情報を収集していく。
「あのでかいのが最後か。最初のに負けず壊し甲斐がありそうだ」
白いローブを纏いフードで顔を隠したフォルク・リア(黄泉への導・f05375)が不敵に笑う。
魔術の実験のためにフィールドワークに出てきたフォルクにとって、敵が強ければ強いほど魔術の実験台にふさわしい。
「Oh、チョット待って欲しいのネ、まずはTankのウィークポイントを調べるヨ。アノ大きさ、闇雲な攻撃では通らないカラ、装甲薄い所とか無いか情報収集するのネ」
白き半吸血鬼の魔術士に対し、黒き宇宙の魔女が制止の声をかけた。
「確かに、装甲の継ぎ目とか弱い部分を狙う必要がありそうだね。これだけの兵器をただ破壊するのは勿体ない気もするけど。背に腹は代えられないか。やるなら徹底的に行こう」
「Umm、確かにただ壊すのハもったいないデス。その前にデータ取っておくヨ」
マーリスが手元の端末を操作すると、超重戦車の3次元ホログラフが空間に投影された。
「わー、すごーい、これがあの戦車の立体映像かー」
マーリスが投影した精緻なホログラフを見て、金髪ダンピールのシスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)が感嘆の声を上げた。猟兵たちの目前に立ちはだかる超重戦車そのままの姿を3Dモデリングし、あらゆる角度から分析できるようにしたホログラフ上には、超重戦車の構造上の弱点が表示されていく。
「コイツを倒せばさすがに敵は打ち止めだよね。最後はボクらしく、キュートに戦うよ!」
シスカはエメラルドグリーンのドレスを翻し、八重歯を見せて笑う。見上げる先には巨大な戦車。その攻撃力もまさに災厄級。だが、この敵を倒せば片がつく。
「ああ、俺も俺のやり方でやらせてもらうとしようか」
フードの下に笑みを浮かべたフォルクも、超重戦車を見上げて両手に魔力を集中させていた。
「Meも後方から援護するネ」
ミスティックサーチャーを操作して情報を集めつつ、マーリスは解析した情報を味方の猟兵たちに共有していく。
●
「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯。人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ」
フォルクの両手に集まるは森羅万象を司る純粋なる魔力の光、【真羅天掌】。フォルクの魔力操作によって、その光が鈍色に変わっていく。それはあらゆるものを溶かす溶解属性の魔力だ。フォルクは溶解属性の砂嵐を自身の周囲に発生させると、赤い大地を蹴り、超重戦車へと駆け出していく。
接近してくるフォルクに気付いた超重戦車が大口径の機銃を向け、銃弾の嵐を吐き出した。
「その攻撃は想定通りだ」
地を蹴り左右にジグザグに駆けるフォルクの動きは、あたかも雷のよう。その俊敏な動作で機銃掃射を避け、当たりそうになった銃弾は、身にまとった溶解属性の砂嵐を集中させて盾にする。
砂嵐の盾に触れた機銃弾は、砂に触れた瞬間に煙を吹き上げてその形を失っていく。嵐を抜けるまでには、銃弾は跡形もなく消滅していた。
「このまま接近させてもらおう」
フォルクは銃弾を避け、溶解させながら、超重戦車を砂嵐の射程に収めようと接近していく。
「さあ、悪魔の王が来るぞ!」
その言葉とともに、シスカが持つ悪魔の格好をしたぬいぐるみのお腹を突き破り、本物の悪魔が姿を現した。幼い少女の姿をした悪魔――真名を明かさないのでシスカはショコラと便宜上呼んでいる――が尊大な態度でシスカを見下ろすように空中に浮かぶ。
「さあ、悪魔王ショコラ! ちょっと大変だと思うけどアレを丸ごとチョコレートにしちゃって下さい★」
「断る。疲れるから嫌じゃ。自分でがんばれ、坊や」
シスカの命令をすげなく断り、魔界に帰ろうとするショコラ。
そのショコラのスカートにシスカがすがりつく。
「ああ、帰らないで! 後で好きなだけこの世界のスイーツをご馳走するから!」
シスカが提案した条件に、悪魔っ娘のショコラに瞳がきらーんと光る。
「ふむ。嘘じゃあるまいな?」
「ほんとほんと!」
シスカの言葉を聞いて、ショコラはようやく重い腰を上げた。
「ふむ、ならば今回は坊やの願いを聞き届けてやるとしよう。敵をチョコレートに変えればいいんじゃ……な……?」
振り返ったショコラの目に映るのは、見上げるような高さの超巨大戦車。そのあまりの大きさに唖然としたショコラの額に大粒の汗が流れた。
「悪魔王ショコラにかかれば、あの程度の大きさ、どうってことないよね★」
「も、もちろんじゃとも!」
悪魔王ショコラ(チョコレート・デーモン)は、泣きそうな顔で『超重戦車スーパーモンスター』へと向かっていく。
だが、そんなシスカとショコラの二人を放置しておく超重戦車ではない。
超重戦車の機銃がシスカとショコラを蜂の巣にしようと照準に捉え……。
「Analyze And Reproduction!」
マーリスの声と共に超重戦車の機銃の動きがピタリと停止した。
「ふう、解析が間に合いましたネ」
マーリスの【Analyze And Reproduction】が超重戦車の車載機銃の機能を解析してハッキング。その動きを止めたのだ。
「助かったよ!」
マーリスが機銃の動きを止めている間に、シスカとショコラが超重戦車に接近する。
「二人とモ、Tankのウィークポイントはここネ!」
フォルクとシスカの眼前にホログラフが現れ、装甲の最も弱い箇所が赤く表示された。
「わかった、真羅天掌!」
超重戦車に向かって溶解属性の砂嵐を放つフォルク。それは鈍色の輝きを纏った微粒子の暴風。マーリスから示された戦車の装甲の弱点に細かい砂が叩きつけられていく。ざあっと金属を叩く音とともに、砂嵐の命中した箇所が徐々に溶けていく。大きな砂粒が戦車の装甲をヤスリで削るように表面を粗くしていき、細かい砂粒がセンサーや銃火器、砲口といった精密兵器に損害を与えていく。
さらに装甲の継ぎ目から超重戦車の内部に入り込んだ砂粒が、その車体内部を蹂躙していく。砂粒は電子系や精密機器を溶解させていき、使い物にならなくさせる。
「よーし、ボクたちもいくよ、ショコラ、おねがい!」
「了解じゃ、代償を忘れるでないぞ」
悪魔っ娘のショコラが、チョコレート化の術を行使する。それは対象を問答無用でチョコレートに変えるという強力な術だ。
ショコラの手のひらから放たれた甘い香りの漂うチョコレートの波動が超重戦車の装甲に命中する。それが命中した箇所は茶色いチョコレートへと変化し、その装甲を無力化し、機銃を飾りにしていく。
「どうじゃ、この悪魔王の力!」
「って、戦車の一部しかチョコになってないけどっ!?」
胸を張る悪魔っ娘に、シスカが抗議の声を上げた。
「仕方なかろう、さすがに対象が巨大すぎじゃ。全部をチョコにするには、もっと代償をよこすのじゃな」
「くーっ、この鬼っ、悪魔っ!」
シスカとショコラのやり取りを眺めつつ、マーリスは超重戦車のデータを取得し更新する。
「Yes、二人の攻撃で、敵の守りに隙が出来たヨ」
早速、その情報は猟兵たちに共有されるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
主・役
イーターちゃんアバターと人格同期して事象の地平線へと変身。見た目は人型に開いた空間の穴から宇宙っぽい何かがかいま見える。
加農・ファランクスの砲撃を捕食して外宇宙へと一度送る。外宇宙に送り込んだ砲弾がいっぱい貯まったらホーキング放射で乱れ撃ち蹂躙してくれよう。外宇宙でたっぷりと慣性エネルギーを溜め込んだ砲撃だ、装甲も余裕でぶちやぶれるでしょ(鎧砕き/鎧無視攻撃/破壊工作)。
『ひゃはー!俺様も逝くぜ逝くぜ!』
おっと外宇宙の愉快な仲間彗星さん達もホーキング放射されてきたぞ?ま、本人やる気だしいっか、自己責任自己責任って自爆はやめー!いや、敵のあのでかさだと味方まで届かんのか、よしGO!
●人型ブラックホール
「でっかいボス敵ね。けど、このえにっちゃんの前には敵じゃないよね☆」
身体にピッタリとフィットするワンピースを着たバトルゲーマー、主・役(エクストリームアーティスト・f05138)が、にししと自信ありげに笑う。眼前の超重戦車の並外れた巨体など、気にした様子もない。
「あの程度のサイズ、ゲームじゃよくいるボス敵だしね♪」
ゲーム的な発想の中で生きている役にとっては、超重戦車など二番煎じ三番煎じだ。これまで何度も倒してきている。――ゲームの中では。
「というわけで、今回使うのは、この『イーターちゃん』アバターよ!」
『イーターちゃんはおなかがすきました』
役がゲーム機を操作して、ゲームキャラ【イーターちゃん】を選ぶと、キャラ選択台詞が再生された。それと同時に、バトルゲーマーである役の姿がゲームキャラクターに同調。姿が『イーターちゃん』のものに書き換わっていく。『イーターちゃん』、それは全身が事象の地平線で構成されているという設定のキャラクターだ。
――今、役の身体が事象の地平線へと変貌し、現実世界へと顕現する。
●宇宙物理学講座『事象の地平線』
事象の地平線とは何か。
アインシュタインの一般相対性理論から存在が予想されているブラックホール。その周囲に広がる、一度捕らわれたら光ですら脱出できない境界線、それが事象の地平線だ。別名、シュヴァルツシルト半径とも呼ばれている。
一般相対性理論の光速度不変の原理によれば、この世界で最も早いのは光だ。その光ですら脱出できずにブラックホールに飲み込まれてしまうということは、事象の地平線の内部に足を踏み入れたら最後、どのような存在であっても理論上戻ってこられないということである。
事象の地平線の内部に吸い込まれた物体がどうなるかは不明である。なにせ、内部の光が出てこられない以上、事象の地平線の外から内部のことを知ることはできないからだ。ブラックホールに吸い込まれて無限圧縮されるのかもしれないし、一説にはブラックホールと対になるホワイトホールから吐き出されるとも言われている。
『イーターちゃん』の能力は、『事象の地平線とそこから至る外宇宙の特性を利用する』というものなので、ここではホワイトホール仮説を採用し、『イーターちゃん』の事象の地平線の先は、外宇宙にあるホワイトホールに繋がっているとしよう。
ここで注意が必要なのは、ブラックホールからホワイトホールは一方通行であり、ホワイトホールからブラックホール側に戻ってくることは光の速度であっても不可能ということである。
なお、ブラックホールに吸い込まれる際、あらゆる物質はブラックホールの潮汐力によりクォークレベルまで分解されるのだが、まあ、そこはユーベルコードなので深くは触れないことにしよう。
●
「なんか、一瞬、小難しい説明が流れたような気がするけど、きっと気のせいよね♪ 敵の攻撃はこの事象の地平線で捕食して外宇宙に送ってあげる☆」
全身を事象の地平線へと変えた役が超重戦車に目を向ける。なお、役の姿は周囲からみるとブラックホールのように漆黒だ。事象の地平線である役の内側からは光すら出てこられないので、当然の帰結である。ゲームのアバターの外見では宇宙っぽい何かが見えてたような気がするが、現実に顕現させるとそのようなものが見えるはずもないのだ。
そんな怪しげな漆黒の存在が荒野の中心に立っている。超重戦車が脅威に思わないはずもなかった。
主砲『ウルトラ・ザ・キャノン』を役の方へと向ける。
『ウルトラ・ザ・キャノンの使用禁止を定めた国際条約を破棄。主砲弾頭をウルトラ弾頭に換装。ターゲットロック。ウルトラ・ザ・キャノンの発射承認。対象周囲の味方へ即時退避を勧告』
超重戦車から大音量の機械音声が流れる。この周囲一帯を消し飛ばすことを一方的に告げ、その主砲から特殊弾頭が発射された。
役へと飛翔する特殊弾頭。それは大都市をも一撃で消滅させる威力を持つ、禁忌のオーバーテクノロジーだ。弾頭が役へと衝突し、荒野一帯に破壊の嵐が吹き荒れる――かと思われた。
だが、役の身体は事象の地平線だ。役の身体に触れた物質はブラックホールを通して外宇宙のホワイトホールから吐き出されただけだった。
「よーし、それじゃあ、ホーキング放射で反撃だよ!」
●宇宙物理学講座『ホーキング放射』
ホーキング放射とは何か。
それは宇宙物理学者スティーブン・ホーキングが予言した理論であり、ブラックホールから熱放射がおこなわれるというものである。
ホーキング放射の簡単な説明はこうである。事象の地平線の近傍では、量子力学的なエネルギー揺らぎにより、正のエネルギーを持った素粒子と負のエネルギーを持った素粒子が対生成される。このうち、負のエネルギーを持った粒子は事象の地平線に吸い込まれ、正のエネルギーを持った粒子が事象の地平線のギリギリ外側から飛び出してくるのだ。この際の放射温度は100万分の1ケルビン以下という、ほぼ絶対零度に近い温度だ。
だが、ここではユーベルコードであるため、熱エネルギーの低さについては置いておこう。
●
荒野に立つ、事象の地平線へと姿を変えた役の身体から、ホーキング放射による熱放射がおこなわれる。
本来は絶対零度近い温度しか持たないホーキング放射だが、役のホーキング放射はユーベルコードによって操作されたものだ。360度全立体角に対して放たれるはずのホーキング放射を前方の限られた立体角に集中させることによって、数千度にまで達する熱線へと昇華させる。
放たれた熱線は超重戦車の巨体に命中すると、命中箇所の装甲――チョコレート化した部分――を溶かし、車体内部を高温に包み込んだ。役が狙ったのは、味方から送られてきたデータにあった弾薬庫の近く。そこを高熱で狙い撃ったことで、弾薬庫の弾薬が誘爆し、超重戦車の一角から爆炎が吹き上がった。
「ふっふー。えにっちゃんの攻撃なら、ざっとこんなものね」
誘爆によって次々と爆発音を響かせる超重戦車を見上げながら、役はアバターとの融合を解除して、銀髪をかきあげて笑みを浮かべるのだった。
『ひゃっはー! 俺様も逝くぜ逝くぜ』
なお、ブラックホールと繋がっていたホワイトホールの近辺では、愉快な仲間彗星たちがやる気になって自爆していたが、ホワイトホールからブラックホールには出てこられない。
この彗星の爆発の光が外宇宙から届くのは、何億年も先の話である。
成功
🔵🔵🔴
アムリタ・リシ
あれだけのものが、みらいをやきはらおうと…
…ゆきましょう。
…せめて、あのかたがのこしたものが、みらいのいしずえになりますように…
片腕を大砲に、もう片方の腕を蛇腹剣へと変え
ストーム・ランページを発動
※味方は狙いません
大型化させた大砲で車載機銃や各砲門を攻撃し
武装の破壊を狙います
その際は攻撃の兆候がある武装を優先
また、可能なら攻撃の迎撃も行います
迎撃の際は、鞭状にした蛇腹剣も使います
残る武装がウルトラ・ザ・キャノンだけになった
あるいはそちらの発射の兆候が見られたら
そちらへの攻撃を優先
大砲での砲撃に加え、蛇腹剣を直剣状にして攻撃阻止&破壊を狙います
全ての武装の破壊が完了したら、本体の破壊を行います
●守るものと壊すもの
「あれだけのものが、みらいをやきはらおうと……」
6歳くらいの外見の小柄な少女、アムリタ・リシ(ナノマシン群体型偽神兵器・f25098)が、超重戦車を見上げて小さな声でつぶやいた。金色の長髪を風になびかせ、黄金の瞳を悲しげに超重戦車に向ける。
アムリタは偽神細胞の研究の末造り出された、ナノマシン群体型偽神兵器だ。普段、人間の少女の姿をとっているが、その本来の姿はオブリビオン・ストームをも動力源とする偽神兵器である。同じ兵器として生み出されながらも『人々の営みと未来のため』に行動するアムリタにとって、超重戦車のあり方は許容できるものではなかった。
「……わたしたちは、ひとびとをきずつけるために、うまれたのでは……ありません」
アムリタが決意を秘めた眼差しを超重戦車に向ける。
「……ゆきましょう。……せめて、あのかたがのこしたものが、みらいのいしずえになりますように……」
右腕を大砲に変形させながら、アムリタは超重戦車に向かって荒野を駆けていった。
●
「……くうっ」
超重戦車に接近しようとするアムリタだが、敵からの攻撃は想像以上だった。超重戦車はコンマ1秒を切る速度で全砲門に砲弾を装填すると、接近するアムリタに対して連続して砲弾の雨を降らせる。
降り注ぐ砲弾によって太陽の光が遮られ、アムリタの周囲に影が広がった。空気を切る音とともに、重力に引かれた砲弾が落ちてくる。
「……このていど……」
アムリタは左腕を蛇腹剣に変形させた。刀身の中心を通るワイヤーを緩めると、刀身を構成するパーツの結合が緩み、鞭のように自在にしなる遠距離攻撃形態へと形が変わる。遠心力をつけて振り払われた蛇腹剣が勢いよく砲弾へと叩きつけられ、降り注ぐ鉄の弾を片っ端から弾き飛ばしていった。
通常の剣で受け止めようとしたら、砲弾の運動エネルギーを殺し切ることはできなかっただろう。また、いくら遠心力を利用したとはいえアムリタが見た目通りの華奢な少女だったら、蛇腹剣で砲弾を弾くという離れ業を実現することはできなかっただろう。
空中を閃く蛇腹剣により、甲高い金属音を上げながら砲弾が弾き飛ばされた現実。それは、アムリタがヒトならざるもの――偽神兵器であることを物語っていた。
「……とらえ……ましたっ」
砲弾の雨をかいくぐったアムリタが、超重戦車から42メートルの位置にまで接近した。
――ここからがアムリタの距離だ。
接近を許した超重戦車は主砲での迎撃をあきらめて、アムリタに機銃をむける。
だが、アムリタは敵に迎撃の余裕など与えはしない。【ストーム・ランページ】によって、アムリタの右腕の大砲が巨大化していく。
巨大化した大砲の砲身に集まるのは偽神兵器の動力源たるオブリビオン・ストームのエネルギーだ。アムリタは、すべてを飲み込むオブリビオン・ストームのエネルギーを逆流させ、砲弾を打ち出す動力へと組み替えていく。
そして、激しいオブリビオン・ストームの解放と共に、アムリタの右腕の大砲から砲弾が撃ち出された。
放たれた砲弾はオブリビオン・ストームを伴いながら超重戦車の大砲に命中。それを根本から叩き折る。さらにそこでオブリビオン・ストームの破壊の力が解放。着弾点近くの機銃や装甲を破壊していった。
「……まだまだ、だよ……」
アムリタの攻撃はこれで終わりではない。大砲から次々と砲弾を撃ち出し超重戦車の武装や装甲を壊していきつつ、蛇腹剣を直剣状に変形させて直接攻撃を仕掛けていく。アムリタは荒野を蹴って跳躍。超重戦車の機銃に剣を突き立てそれを破壊。さらに超重戦車の装甲を蹴ってその巨体を駆け上り、その頭頂部に設置されているウルトラ・ザ・キャノンへと剣を突き立てた。
「さすがにかたいですね……」
キィンという音と共に蛇腹剣は弾かれたものの、超重戦車の主砲には確かに幼き守護神によって傷が刻まれたのだった。
成功
🔵🔵🔴
クリスティーヌ・エスポワール
なっ……何あれ!
あの巨大なオープントップ車両が自走してるって、どんな技術なの!?
ここの技術水準ってわからないわ(頭抱え)
でも、あの火力、特にウルトラ・ザ・キャノンだっけ、あれは脅威すぎるわ
拠点が射程圏内に入るまでに、何とかする!
新UC【電影の鞘は剣を抜く】使用
De108Eの機体下部に懸架する形でバンカーバスターを顕現!
そのまま【操縦】【空中戦】で砲弾を躱しつつ上空へ
「位置補正よし、降下ルートクリア、増設ダイブブレーキ異常なし……行くわよ!」
天頂方向から急降下、ジェリコのラッパを鳴らし、急降下爆撃で命中精度を上げて爆撃よ!
狙いは足回り!
当たらなくても、地面を抉り、穴にハマれば動きは止められる!
ミスタリア・ミスタニア
超巨大戦車つーか陸上戦艦とかの類だろう、ありゃ
あ?あれ砲塔回るのか?側面や後方配置の砲はあるみてぇだが主砲やそれ次ぐ砲は前面固定に見えるぞ
さて、飛んで側面か後方に回り込むか、それとも
……ハッ、バカみたいだが真正面から打ち破ってみたくもあるなっ!
ウルトラ・ザ・キャノン、対拠点用の巨砲か。大都市を一撃ってのは大した性能だな
だが、オレの砲も大したもんだぜ。ベースの砲では仕様外だがオレのならこういう用途もあるんだぜ!まっ大気圏内じゃ初使用だがな
地面に片膝ついて正面から捨て身でウルトラ・ザ・キャノンを狙うぜ
対宇宙艦隊用と対大都市用、どっちが上かな
いくぜぇ!【メガビームランチャー・オーバードライブ】だぁ!
九十九・白斗
【SIRD】
試射を行ってきやがったな。次の一撃はかなり前進して撃ってくるだろうな。で、外しても三発目は完全に夾叉できる場所を得るだろうな
「夾叉弾ではないようだったが」
威嚇するつもりもあるんじゃねぇか。なんにしろあれだけの砲弾だ、次弾を撃つまでにかなり時間がかかるはずだ。予想移動経路に持ってきたありったけのTNT火薬を仕掛ける。防人のゴスホークに詰め込ませてもらうぜ
50キロほどのTNT火薬が入った袋を、ポイポイと20袋ほどゴスホークに積み込む
よし、俺はポイントまで防人に運んでもらって爆薬を仕掛ける
寺内にはサポートを頼みたい
仕掛けた爆薬の上に戦車が来たら、起爆させる
終わったら酒でも飲むか
乾杯で〆だ
寺内・美月
SIRD共同参加
アドリブ・連携歓迎
「『アルダワに戦雲の兆し有り』か。…全軍に動員準備と出動待機を発令、此方は最低限の戦力で敵を討つ」
・列車砲と1個鉄道連隊、2個AAD、ACから抽出した1個砲兵師団【AD】、1個AC(B)、OMGから抽出した護衛戦力を残し完全撤退。残余を持って敵主力と対峙。
・【AAD】は避難民や味方戦力、防人・九十九両名への砲火を相殺、【AD(榴弾砲・迫撃砲主体)】は敵主力の防御機能を破壊。
・味方のTNTの爆発を確認次第、此方も総攻撃(列車砲・【AC(B)】)を開始。
・此でも進撃する場合は〔特殊電磁投射砲〕(アームドフォート)から核砲弾を投射、一撃で葬り去る(非常時のみ使用)。
防人・拓也
補給や白斗の爆弾を積み終えたら、再度ゴスホークで出撃。分身は引き続きガンズをやる。
「やはりでかいな。スーパーバイパーは全長18m、こいつだって20mあるのにな」
と敵を見て呟く。
「美月、降下地点までのサポートを頼む」
と無線で言い、白斗を降下地点まで連れて行く。分身に爆弾設置を手伝わせる。設置が終わり次第、白斗と分身を回収。その後は機銃や砲台をミサイル・ロケット、ミニガンで破壊。射撃観測も希望があればやる。
爆弾が起爆して敵が動きを止めたら、ガンズにレーザーポインターを投げ渡して
「ガンズ、そいつで一番大きい主砲をマーキングしろ!」
と指示し、近接航空支援『ストライクボルトⅡ』を発動。
アドリブ・連携可。
天城・千歳
【POW】
アドリブ、絡み歓迎
敵は陸戦艇と言うより、列車砲ベースの巨大移動砲台と言う所ですか。ならば運動戦に持ち込んで引き摺り廻し、味方の攻撃の支援を行いましょう。
引き続き愛鷹艦内CICの専用ブースで操艦を行い、主砲で砲撃を行いつつ相手の横に回り込む機動をします。
敵の側面に回り込んだら同航戦に移行、一定の距離を保ちつつ主砲、副砲の【一斉発射】による【制圧射撃】と並行して煙突型VLSから【誘導弾】のよる足回りへの【部位破壊】を行い、敵の動きを止めます。
味方猟兵との連絡はリモート義体に行わせます。
砲戦を行いつつ、自身と味方からの観測による【情報収集】を行い【戦闘知識】で状況判断してUCを使用します。
緋薙・冬香
戦車群を相手にしてわかったことがあるわ(何故かカッコつけながら
「鉄相手に蹴りも炎も効率が悪い!」
というか足が痛い!
超重戦車相手に分が悪そう
だから、ね
「臨機応変も出来る女の条件」
「これが私の新しい切り札(ジョーカー)よ!」
地面に固定設置した、大型ニードルガトリングガン『ラヴィーネ』
機動力ゼロだけどその分威力は折り紙付きよ!
ラヴィーネのエンジンスタートしつつ
同時に『美女の重火器』発動
「雑にいくわよ!覚悟しなさい!」
前方かつ超重戦車の上部を狙って攻撃
敵の砲弾もニードルで撃ち落とす
「鉄の雪で全て埋め尽くしてあげる!」
味方を狙うつもりはないけど
もし当たりそうになったらごめーん
「うまくかわしてね♪」
マリー・シュバルツ
でかいね
やれやれ、今回の病巣は手間がかかりそうだ
けど、ま、この大地のガン細胞を摘出するのは、医者の役目ってね
それじゃ、いくよ、ダイバー!
大手術の始まりだ!
「ダイバー、砲戦モードのまま自立戦闘」
レスキューダイバーを戦闘車両モードに変形させて、戦車砲やミサイルなどで自立戦闘させつつ、オレはその中で機会を待つ
ダイバーの走りで攻撃を避けつつ撹乱し、ダイバーの砲撃で牽制しつつ、接近したら、メスを片手に天窓から上に出る
「さて、まずはそのバカでっかい大砲から切除だな」
ダイバーを走らせながら、狙う箇所に近づくごとにメスを振るい、【強制切断手術】で次々と摘出していこう
最後はもちろん本体も
「真っ二つにしてやるよ」
●超重戦車との決戦
「なっ、何あれ!? あの巨大なオープントップ車両が自走してるって、どんな技術なの!?」
高空を飛行する、銀河帝国モデルの早期警戒機『De108E デルタ・アイ』の操縦席でクリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)が驚きの声をあげた。本好きゆえにSF作品はもちろん、軍事系の書籍にも一通り目を通してはいる。だが、あのような巨大陸上戦車など軍事資料どころか正統派SFにも存在しない。出てくるとしたら、少し不思議系のSF作品だろうか。それが遥か眼下の地上に実在することに目を疑い、クリスティーヌはアポカリプスヘルの技術水準に頭を抱えた。その拍子に操縦桿がガクンと傾き、De108Eの高度が下がる。
「こちらゴスホークのリーパー。De108E、飛行軌道が安定していないが大丈夫か?」
De108Eの隣を飛行する対オブリビオン多目的戦闘ヘリ『ゴスホーク』から通信が入る。ゴスホークを操縦する防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)からの音声は心配そうな声音だった。
仲間に心配かけまいと、クリスティーヌはDe108Eの姿勢を戻しながら通信を返す。
『あ、ええ。大丈夫。ちょっと目眩がしただけだから』
「……いや、飛行機乗りが目眩してちゃダメじゃねぇか?」
呆れたような声で答えたのは、ゴスホークに同乗している九十九・白斗(傭兵・f02173)だ。
皺に包まれた顔にニヒルな笑みを浮かべながら、白斗はタバコをくわえてライターを取り出し……。
「おい、白斗。今回の『荷物』を忘れたのか? 空中でドカンは勘弁だぞ」
「っと、いけねぇいけねぇ、つい癖で、な」
ゴスホークを操縦する拓也から注意を受け、慌ててライターをしまった。
ゴスホークが地上で燃料と弾薬の補給を受けている間に、白斗は機体内に大量のTNT火薬を運び込んでいた。その量、50キロの火薬20袋。TNT火薬1トン分だ。
「へぇ、随分な火力を用意したじゃない。おねーさん、派手なのは好きよ?」
補給中にゴスホークに乗り込んだ緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)が、くすくすと楽しそうな笑みを浮かべてTNT火薬の山を眺める。
「まぁな。初期の原爆がTNT火薬換算100トン程度だから、核兵器とまではいかねぇが、戦車一台を吹き飛ばすには十分な火力のはずだ。どうだい、ねえさん。この戦いが終わったら今度俺と酒でも一杯……」
「ふふ、悪いけど私、炎で燃やすのは好きだけど、火遊びはしない主義なの。オ・ジ・サ・マ」
「そいつぁ残念。旨い酒を出す店を知ってるんだがなぁ」
豪快に笑う白斗と、妖艶に微笑む冬香。
そしてそれを眺めるミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)が、自身の身長ほどの巨大ビーム砲を調整しつつ、ぽつりと呟く。
「お前たち、そんなこと言っててフラグ立ってもしらねぇぞ?」
ヘリの中でビーム砲を調整し、リミッターを解除できるように設定しているミスタリアが一番フラグを立てている気がするが、きっと気のせいだろう。
「しっかしアレ、超巨大戦車っつーか陸上戦艦とかの類だろう? あれ砲塔回るのか? 側面や後方配置の砲はあるみてぇだが、主砲やそれに次ぐ砲は全面固定に見えるぞ」
確かにミスタリアの感想は最もだ。超重戦車の主砲や大口径砲は全面に集中しており、回転機構を持っていない欠陥品に思えた。
超長距離射撃に特化した砲撃専用の設計なのだろう。戦車というよりも動くミサイル発射場というべきか。
「さて、飛んで側面か後方に回り込むか、それとも……ハッ、バカみたいだが真正面から打ち破ってみたくもあるなっ!」
にやりと笑うミスタリア。やはり一番フラグを立てているのは彼女のような気がするのだった。
「しかし、敵さん、試射を行ってきやがったな。次の一撃はかなり前進して撃ってくるだろうな。で、外しても三発目は完全に夾叉できる場所を得るだろうな」
「夾叉弾ではなかったようだが」
白斗の言葉に、拓也が疑問を差し挟む。
「まぁ、威嚇するつもりもあるんじゃねぇか? なんにしろあれだけの砲弾だ。次弾を撃つまでにかなり時間がかかるはず。そこまでが勝負だな」
地上で敵と交戦して進軍を遅らせている仲間の姿を見ながら白斗が分析する。
先程も、ウルトラ・ザ・キャノンが発射された轟音が聞こえたが、爆発は観測されていない。おそらく仲間が何らかの形でその砲撃を食い止めたのだろう。
『ええ、あのウルトラ・ザ・キャノンの火力は脅威すぎるわ。拠点が射程範囲に入るまでに、なんとかする!』
クリスティーヌもその脅威を意識し、電子観測を強化。味方と情報連携をおこなう。
「それでは、ゴスホークは作戦通りのポイントに着陸する。天城、美月、降下地点までのサポートを頼む」
拓也は呼び出した分身にドアガンによる牽制射撃を担当させ、ゴスホークの高度を下げていった。
●
『こちらは陸上戦艦・愛鷹の天城千歳。サポート要請、了解です』
空から超重戦車へと接近するDe108Eとゴスホークに合わせ、地上でも天城・千歳(ウォーマシンの電脳魔術士・f06941)が制御する『陸上戦艦 愛鷹』が、その260メートルに及ぶ巨体で進軍していた。
赤茶色の大地をホバー移動する愛鷹の巨体は、敵の超重戦車スーパーモンスターにも引けを取らない。とはいえ、ウルトラ・ザ・キャノンの直撃を受けては、愛鷹といえども耐えきれるものではないだろう。
『敵は陸戦艇というより、列車砲ベースの巨大移動砲台というところですか。ならば運動戦に持ち込んで引きずり回し、味方の攻撃の支援を行いましょう』
愛鷹の戦闘指揮所の専用ブースに収まった千歳が愛鷹の操艦を行う。愛鷹は大きく敵側面に回り込み方向転換をおこなった。敵の側面であれば、最大の脅威たるウルトラ・ザ・キャノンを受ける心配はない。
『これより、本艦は敵戦車に対して同航戦をおこない、その注意を引きつけます。寺内さん、援護は頼みます』
「了解しました、天城様」
愛鷹の戦闘指揮所に立つ寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)が漆黒の軍服を翻す。
千歳一人で制御可能な愛鷹だが、その戦闘指揮所は味方を乗せることも考慮して広めに作られていた。各種モニターが並び、愛鷹の外部の様子を映し出している。
「このようなタイミングでアルダワに戦乱の兆し有り、か。そちらに部隊を回さなければならなくなったので、天城様にご助力いただけるのは助かります」
『いえ、こちらこそ、本艦だけでは戦闘能力に不安が残るので、同乗いただきありがとうございます』
他世界で発生した大規模な戦いのために戦力の大半を帰還させざるを得なかった美月。彼が現在率いているのは、2個高射師団、1個砲兵師団、1個航空爆撃軍団、および機械化歩兵軍団による護衛戦力のみだ。
だが、千歳の陸上戦艦に乗り込むことによって、部隊を少数精鋭にした意味が出てきた。今、愛鷹には美月とともに、2個高射師団、1個砲兵師団、機械化歩兵が乗っていた。陸上戦艦にとっては十分な戦力だ。
(いざとなれば特殊電磁投射砲による核弾頭の使用も辞さない覚悟でしたが、これならば使わずにすむかもしれませんね)
美月が漆黒の瞳で見つめるモニターに、超重戦車と並走しながら砲撃戦に移行する愛鷹の様子が映し出される。
『これより同航戦に移行します。愛鷹、主砲、副砲、一斉射撃。ミサイル斉射』
「愛鷹の砲撃に合わせ、砲兵師団攻撃開始!」
愛鷹の41㎝3連装電磁加速砲と対空砲塔群から撃ち出された砲弾が超重戦車の側面に襲いかかる。さらに垂直発射式ミサイル群が敵戦車をターゲット。推進剤を吹き出して一直線にターゲットに向かっていく。
それに加え、愛鷹の甲板に展開した砲兵師団がロケット砲と迫撃砲を構えてトリガーを引く。無数のロケット弾、榴弾が飛翔し超重戦車に命中した。
愛鷹からの一斉攻撃により、超重戦車が激しい閃光と爆音に包まれる。
『この攻撃なら、さすがに……!』
『まだです、天城さん!』
千歳の言葉に、上空から敵の状態をモニタリングしていたクリスティーヌが警戒の声を飛ばす。超重戦車はいまだ健在だ、と。
クリスティーヌの警告と同時に、超重戦車の無数の砲塔が愛鷹へと向けられる。耳をつんざく音とともに、反撃の砲弾の雨が愛鷹へと降り注ぐ。
「高射師団は砲弾迎撃システムを利用し敵砲弾の迎撃!」
美月の指示によって、高射師団が展開していた砲弾迎撃システムが、迫りくるロケット弾や榴弾を迎撃する。
「機械化歩兵は被弾箇所の消化と応急修理にあたれ!」
迎撃システムでは防ぎきれなかった砲弾には、機械化歩兵たちが対応にあたる。
『助かります、寺内さん。これならば十分に時間を稼げます』
「ええ、時間を稼ぐだけでなく、可能な限り打撃も与えましょう」
愛鷹と超重戦車は、並走しながら互いに砲弾を撃ち合っていく。
●
「でかいね。やれやれ、今回の病巣は手間がかかりそうだ」
超重戦車と砲撃戦を繰り広げている陸上戦艦・愛鷹の主砲の上に立ち、マリー・シュバルツ(死神をチェーンソーでバラバラにする女・f24670)が敵戦車の巨体をみつめる。
「けど、ま、この大地のガン細胞を摘出するのは医者の役目ってね」
金髪を風になびかせ、マリーは縫い目の目立つ顔に不敵な笑みを浮かべた。闇医者たるマリーにとっては、破壊と死を振りまく超重戦車は、まさにガン細胞だ。放置しておくわけにはいかない。
マリーは愛鷹の主砲から跳躍し、遥か下方の大地に向かって落下していく。
陸上戦艦である愛鷹の主砲は地上数十メートル以上の高さがある。そのまま落下したら、いかにデッドマンのマリーといえどもタダでは済まない。
――だが、次の瞬間、愛鷹の甲板から飛び出してきた人型ロボット形態のレスキューダイバーが空中でマリーをキャッチ。その肩の上に載せた。
「それじゃ、いくよ、ダイバー! 大手術の始まりだ!」
『愛鷹、装甲損耗率30%を突破……』
「高射師団の砲弾迎撃システムも壊滅ですか……。よくもったというべきですが」
戦闘指揮所で千歳と美月がモニターに映る超重戦車を見つめる。
愛鷹の武装と美月の部隊による攻撃で超重戦車側面の砲塔を多数破壊することには成功した。だが、圧倒的な巨体を誇り無数の砲塔を持つ超重戦車の砲塔を破壊しきるには至っていない。残った砲塔が愛鷹へと砲撃を乱射し、甲板から火の手が上がる。
『第三艦橋大破……寺内さん、ここもいつまで保つか分かりません。避難してください』
「いえ、避難するなら天城様も一緒です」
戦闘指揮所は厚い装甲で守られた場所に存在する。だが、それゆえに愛鷹のそこに重要な施設があることは敵に見抜かれているということでもあった。
戦闘指揮所のモニターに、APFSDSが装填された超重戦車の砲塔が映る。それははっきりと愛鷹の戦闘指揮所のある中枢区画を狙っていた。超重戦車の砲塔からAPFSDSが発射されて愛鷹に迫り――。
愛鷹に迫るAPFSDSを、ロボット形態のレスキューダイバーの両腕に装着されたガトリングガンが迎撃した。
「ここまでタダ乗りさせてもらったお礼ってな!」
レスキューダイバーの肩に乗ったマリーが風に白いコートをなびかせて、にやりと笑う。
「ダイバー、砲戦モードのまま自立戦闘」
レスキューダイバーは、両腕のガトリングガン、両肩、両脚、バックパックのミサイルポッドで超重戦車の砲塔を次々と破壊していく。
さらに両肩のキャノン砲も叩き込むことで、超重戦車の側面にある砲塔を沈黙させることに成功した。
『これなら作戦通りに敵戦車を誘導可能です』
千歳は、砲撃による妨害がなくなった超重戦車の側面に愛鷹を体当りさせる。
それにより、超重戦車の進軍ルートが微調整され、予定通りのポイントへと誘導されていくのだった。
●
「よし、予定通りに来たみてぇだな」
超重戦車が誘導されたポイント。そこでは、白斗が作業を終え、タバコで一服していた。
「一旦下がるぞ、白斗」
「ああ、仕掛けは上々ってな」
拓也の声に応えて白斗がゴスホークに乗り込むと、ゴスホークは緊急離陸。ミサイルやロケット砲で超重戦車を攻撃しつつ距離を取る。
ゴスホークを追うように超重戦車が進行を続け、白斗が立っていた場所まで差し掛かる。
「こちらリーパー。標的の作戦地点への侵入を確認、ロックンロール!」
拓也の通信により、超重戦車破壊作戦が開始された。
●
まず反応したのは千歳だ。
『愛鷹は作戦範囲より離脱。天城航空隊、指定座標に支援攻撃を要請します』
255機の艦載機、天城航空隊が愛鷹の格納ハッチから飛び立つ。
千歳の航空部隊は超重戦車の上空から爆撃による攻撃を浴びせかけ、その装甲に花火を咲かせていく。重装甲を誇る超重戦車の装甲を破ることはできないまでも、その動きを一時的に止めるには十分だった。
「これは人の夢と欲望と業の残滓……でも、今はこれを借りさせてもらうわっ!」
次に動いたのは、上空から電子偵察で味方の支援をしていたクリスティーヌだ。
電脳魔術【電影の鞘は剣を抜く】で電脳世界のアーカイブから破壊兵器バンカーバスターを顕現させるとDe108Eの下部に連結。超重戦車の上空に迫る。
「位置補正よし、降下ルートクリア、増設ダイブブレーキ異常なし……行くわよ!」
クリスティーヌはDe108Eを駆ると、戦車の高射砲も届かない死角、天頂方向から機体を急降下させた。機体が風を切る音が虐殺と破滅の音――ジェリコのラッパを鳴らす。絶叫を思わせる音と共にバンカーバスターを切り離すと、De108Eは上昇飛行に戻り、高射砲の射程圏外まで急速離脱した。
De108Eから切り離されたバンカーバスターは、テールのロケットブースターに点火。超重戦車のキャタピラを狙った爆撃は敵戦車の左前方の無限軌道に命中。爆散させた。
左前方のキャタピラを失い、思うように動けなくなった超重戦車の前に、レスキューダイバーの肩に立ったマリーが立ちふさがる。
「さて、その邪魔なキャタピラを切除だな。いくぞ、ダイバー!」
マリーを載せたダイバーが、超重戦車の左側面のキャタピラの周囲を駆ける。
閃くはマリーが手にしたメス。メスが振るわれるたびに真空波が発生し、超重戦車のキャタピラを断絶していく。これこそマリーの【強制切断手術】だ。
「もちろん、本体も真っ二つにしてやるよ」
メスが一閃。戦車の車体を斬り裂いた。
動けない超重戦車に対し、空中のゴスホークから拓也の分身がレーザーポインターを照射する。
「こちらリーパー。ターゲットをマーキングした。近接航空支援を要請する」
拓也が呼び出したのは【ストライクボルトⅡ】。4機の攻撃機だ。
攻撃機はターゲッティングされた対象に対して無数の対地ミサイルと対艦ミサイルを放つ。
白煙を吹いて飛翔するミサイルは超重戦車に命中。その車体を爆炎で包み込んだ。
続いて、ゴスホークから飛び降りてきたミスタリアが、巨大なビーム砲を構えた。
「よーしっ、次はオレの番だなっ! ウルトラ・ザ・キャノン、大都市を一撃で消滅させるっていう対拠点用の巨砲と、対宇宙艦隊用のオレのメガビームランチャー、どっちが上か勝負と行こうじゃねぇか!」
ミスタリアは地面に片膝を付いた体勢でメガビームランチャーを構え――。
「出力リミッターカット、ジェネレーター最大稼働……」
メガビームランチャーのリミッターを解除し、オーバードライブモードに移行させた。
臨界を越えたメガビームランチャーのエネルギーが荒れ狂い、黄金色のスパークを発生させる。
「エネルギー充填率、40%……50%……」
そのミスタリアを脅威と感じたのか、超重戦車は主砲をミスタリアに向けると、ウルトラ・ザ・キャノンの発射体勢に入る。
『ウルトラ・ザ・キャノンの使用禁止を定めた国際条約を破棄。主砲弾頭をウルトラ弾頭に換装。ターゲットロック。ウルトラ・ザ・キャノンの発射承認要求……省略。対象周囲の味方への勧告……省略』
「ハッ、いいぜ、真っ向勝負、受けて立ってやらぁ! 90%……100%……まだまだぁっ! 鎧装機能停止、全エネルギーをメガビームランチャーに集中!」
ミスタリアは全身を包む黒色の鎧装のエネルギーもすべてメガビームランチャーにまわすと、ビーム砲の許容エネルギーを越えたチャージをおこなう。
一方の超重戦車はミスタリアをターゲットし、その砲身から大都市をも消滅させるウルトラ弾頭を撃ち出した。
超高速の弾頭がミスタリアへと迫る。
「よっし、エネルギー充填120%! メガビームランチャー・オーバードライブっ! これで、いっちまえよやぁぁぁぁぁぁ!」
ミスタリアがメガビームランチャーの引き金を引くと、極太の荷電粒子の奔流が解き放たれた。
荷電粒子のビームは真っ直ぐに超重戦車へと向かうと、ウルトラ弾頭と正面から激突。弾頭を一瞬で蒸発させる。そしてそのまま超重戦車の主砲を包み込み、それを消滅させた。
だが、メガビームランチャーをオーバードライブ状態にした代償は大きかった。
許容量を越えたエネルギーを放ったメガビームランチャーのジェネレータが暴走し、激しい閃光に包まれ――。
「ダイバー、盾になりな!」
マリーの声とともにミスタリアの元に駆けつけたレスキューダイバーが、暴走したメガビームランチャーを空中に放り投げ、ミスタリアに覆いかぶさる。
直後、激しい爆音。周囲に暴風が吹き荒れた後、背部装甲を焦がしたレスキューダイバーの下から、ミスタリアが這い出してきたのだった。
「あーっ、俺のメガビームランチャーがっ!」
――なお、メインパーツは無事だったため、後日、修理できたという。
「どうやら、あっちは無事みたいね。じゃあ今度は私の番ね」
高空を飛ぶゴスホークから、ひらりと飛び降り、軽やかに着地した美女は冬香だ。もちろん着地とともに柔らかそうな豊かな胸が揺れた。
「人型戦車を相手にして分かったことがあるわ! 鉄相手に炎も蹴りも相性が悪い! というか足が痛い!」
「そりゃ、当たり前だろ……」
冬香がタイトスカートから伸びるスラリとした脚を強調して立ちつつ自信満々に言うと、それに対してマリーからの適切なツッコミが入った。
「超重戦車なんかに炎や蹴りで戦うのは分が悪そう……だから、ね」
メガネをくいっと上げて、知的なポーズ。
「臨機応変も出来るオンナの条件! さあ、例のものを下ろして!」
「こちらリーパー。了解した」
冬香からの要請に答え、ゴスホークがずっとヘリの下部に吊り下げていたものを地上に落とした。
轟音とともに地面に落ちてきたのは、銀色に輝き陽光を反射する巨大な固定式ニードルガトリングガンだ。
「これが私の新しい切り札(ジョーカー)、ラヴィーネよ!」
「なあ、これ、移動させられないんじゃ……?」
マリーの言葉を聞き流す冬香。いいのだ。動けなくても威力は折り紙付き。威力イズパワー!
「さあ、ラヴィーネ、起動よ!」
大型ニードルガトリングガンのエンジンをスタートさせた冬香は、その銃口を超重戦車に向けてセットする。
「雑に行くわよ! 覚悟しなさい! 鉄の雪ですべて埋め尽くしてあげる!」
冬香が発動するのは【美女の重火器】。ラヴィーネの銃身が焼き付くまでニードル弾をばら撒き、周囲44メートル以内の全員を無差別に攻撃する技だ。
……無差別?
「って、おい、オレもいるんだぞっ!?」
「オレも巻き込むつもりかっ!?」
文句をいうマリーとミスタリアに、冬香はぺろっと舌を出す。
「ごめーん。うまくかわしてね♪」
マリーとミスタリアが慌ててレスキューダイバーの影に隠れ、痛そうな顔をしながらレスキューダイバーは頑張って我慢した。
猛烈なニードルの嵐が止んだときには、超重戦車の装甲はニードルによって穴だらけになっていた。
「よし、敵は満身創痍だ、今こそ総攻撃!」
そこに、美月が残存戦力を投入する。
航空爆撃軍団へと指示を出すと、高空からの爆撃によって超重戦車に絨毯爆撃。巨体を爆発に包み込む。
「列車砲、発射!」
さらに、このポイントに照準を合わせておいた列車砲による砲撃を指示する。轟音とともに撃ち出された大口径砲が超重戦車に命中、その車体をスクラップに変えていく。
「んじゃ、これでトドメだ。帰ったら酒で乾杯しようや」
上空を飛ぶゴスホークから戦場を眺めていた白斗が、くわえていたタバコをピンと投げ捨てた。
ゴスホークから落下したタバコは、導火線に点火。地中を伝って燃えていき、超重戦車の下の地面に埋められた大量のTNT火薬に着火。きのこ雲が生じるほどの大爆発を起こして、超重戦車スーパーモンスターを残骸も残さずに吹き飛ばしたのだった。
●エピローグ
猟兵たちがベルグリシ陸軍基地に帰還すると、勝利に沸き立つ軍人や民間人たちが出迎えた。皆、無事に敵を撃退できた喜びでこれ以上ない笑顔であった。
壮年の軍服の男が代表して猟兵たちに礼を述べる。
「奪還者の方々、この度はなんとお礼を言えばいいのか。こうして我々が無事なのも、全て皆さんのおかげです」
猟兵たちの活躍により、基地の人的、物的被害は最小限に抑えられた。任務は大成功だ。
「巨大要塞を失ったのは痛いですが、この基地には、まだ頑丈な防壁や戦車、武器弾薬があります。なんとか化け物どもの侵入は防いでみせますよ」
陸軍基地の食料はまだ余裕があるし、武器弾薬も豊富。人々の士気も高い。
この基地の人々なら、アポカリプスヘルの文明復興の先駆けとなるかもしれない。
――そんなことを考えながら、猟兵たちは基地を後にするのだった。
大成功
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