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フライングシャークVSイェーガー🦈the MOVIE

#ヒーローズアース #戦後 #サメ

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#戦後
#サメ


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「サメ映画……それは永遠のフロンティア」
 のっけからワケわかんないことを言い出した美少女グリモア猟兵のメリッサ・ウェルズ(翡翠の吸血姫・f14800)であった。
「ああ、ごめん。ようするにみんなにサメ映画の出演依頼が来てるって話だよ」
 改めてメリッサは今回の召集理由を語り始めた。
「ヒーローズアースでは、先日のアースクライシス終結後、猟兵を使った映画をいくつも作ってるのはもう知ってるよね?
 最初は戦争で活躍したフォーティナイナーズの戦いとか、戦争でのあり得たかもしれないバトルとかの映画が多かったわけだけど、だんだんと猟兵人気に乗っかって、猟兵が出てれば話題性あるからそれだけでいいやって企画も増えてきたんだ。
 そして今回、B級サメ映画で有名なスタジオが、マルチバース構想なんだからこんなのもありだろってことでイェーガームービー社に掛け合って製作が決定してしまったのが、サメ映画というわけだよ」
 うん。説明されてもよくわからないぞ。
「映画のあらすじを簡単に説明すると、サメと一緒に生体兵器として造られたオブリビオンの少女が、お兄ちゃんと呼び慕うサメを引き連れて世界に対して復讐を始めた……って感じなんだけど……監督曰く、ストーリーなんてあってないようなもの!だってさ。
 派手にサメと戦ったり、サメに食われたりする映像を繋いでいけばどうにでもなる……だって」
 まあ、B級サメ映画なのだから、そんなものだろう。
「一応想定されてるシーンとしては3つ。
 ひとつ目は、海でサーフィンしてたらサメに襲われるシーン。
 ほら、アースクライシスでサーフィン魔法ってあったでしょ。一応それっぽい要素もいれてみようかって。
 でもメインとしては、水着で海水浴してたらサメに襲われるって定番シーン。
 一応このシーンではサメは海中から現れるので、水着を着て素手またはサーフボードのみっていう状態でなら、サメに遭遇したあと戦って倒してもいいし、もちろん食われて死ぬのは大歓迎。あと、水着だから多少のお色気はつかみとしてアリだってさ」
 サメはCGだから、実際には食われる演技してもらうだけで、もちろん死んだりはしないよとメリッサは笑って言う。
 それより、このシーンでは一応海中から……ということはつまり。
「ふたつ目は、街中での戦闘シーン。
 もうサメが空飛んだり地面泳いだりするのは当たり前の世界だからね。街中でもサメに襲われるさ。
 このシーンではオブリビオンの少女も出ては来るけど、基本的にみんなが相手をするのは、彼女が呼び出したお兄ちゃん……こと、サメだけだよ。
 街中で飛んで来るサメと派手に戦ってね。
 もちろん派手に食い殺されるのも大歓迎!」
 サメはやっぱりCGなので、どんなサメと戦いたいかは、猟兵のアイデアを最大限叶えてくれる。巨大なサメでも、メカのサメでも、タコと合体したサメでも、頭が複数あるサメでも何でもござれだ。
「あ、前のシーンで死んだ人でも、何の脈絡もなく復活してて構わないからってさ。オトコジュクシステムだとかなんとか……ようするに細かいことはいいんだよ!の精神だって。
 もちろん、食い殺されたことをネタにしてもいいし、しなくてもいい。仲間の猟兵やモブの一般人とかに、お前は死んだはずじゃ……とか驚かれるのも美味しいよね。
 生き返った説明とか、実は死んでいなかったとか、そんな理由一切入れなくても問題ない。あればあるで、それは大歓迎だそうだよ」
 ちなみにオブリビオンの少女については、サメを出すための理由付けの舞台装置でしかないので、全く関わらなくても大丈夫だそうな。当然本物のオブリビオンではなく、ただの子役だし。
「最後のシーンは、少女の本当のお兄ちゃんである、巨大なサメとの戦いだよ。決戦の場所は、ホワイトハウス!……をモチーフにしたオープンセット。
 もちろんサメはCG合成。
 あ、戦いとはいうけど、サメに食われて負けてもいいから。全員サメに食われてのバッドエンドが希望ならそれもありだねって監督は言ってる」
 ほんとにサメが暴れる映画さえ撮れればなんでもいいんだなあ……と思ったり思わなかったり。
「あ、そうそう。せっかくだし、シーン1から継続して参加するなら、最初から最後まで水着で戦うのもアリじゃないかなって、監督は言ってたよ。まあ、猟兵が水着でお色気シーンやってくれれば、それだけで話題になるってことだろうけどね」
 最後はちょっとだけ苦笑しつつ、それじゃよろしくと、メリッサは転移の用意をするのだった。


雅瑠璃
 こんにちは、またはこんばんは。
 雅です。

 というわけでサメ映画ですよサメ映画!
 ノリはあれです、サメ竜巻のシリーズのヒーローズアースバージョン、みたいな!

 1章ではサーフィン魔法で海から現れるサメと戦ってもらいます。まあ、サーフィン魔法使わなくてもいいですが、水着で素手というお約束は守ってくださいね。
 もちろん、サメはあとからCG合成なので、実際には戦う、または食われる演技になります。
 メリッサも言ってましたが、食われるのもありです。食われたいプレイングなら、食われることで🔵がつきます。
 あと水着なので、ポロリとかのお約束もアリです。

 2章は、フラグメントは『ルイン』との集団戦になってますが、実際は彼女が呼び出すお兄ちゃんという名のサメとの戦いです。
 例によってサメはCG合成なので、どんなサメと戦いたいかはプレイングで指定してください。どんな無茶でも、サメ要素があるならOKです。
 もちろん食われるのもアリです。
 メリッサも言ってましたが、1章で食われて死んでも、何の問題もなく2章以降も普通に生き返って参加できます。理由は説明してもいいししなくても問題ないです。
 1章に引き続き水着のままというのを歓迎します。舞台は既に街中ですけど!
 どんな場所で戦うのかの無茶もなんでも聞きます。街の大通りでもデパートでもスタジアムでも地下鉄でも。なんでもありです。

 3章ではルインの本当のお兄ちゃんという設定の『『不滅の炎』適合体・不滅のフランメハイ』とのボス戦ですが、これも前章までとほぼ同じです。
 ホワイトハウスを前に巨大なサメとの最後の戦い……の演技ですね。
 サメはCGだし、食われて死んでもいいし、というのも一緒です。
 最後なので派手にやりましょう!
 もちろん水着のままで、お約束も健在ですよ。

 あと、フォーティナイナーズかどうかは、もう特に関係ないです。猟兵であるだけでみんな有名人なので!

 というわけでB級サメ映画なプレイングをお待ちしてます!
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第1章 冒険 『サーフィン魔法で波を制すのだ!』

POW   :    パワフルでダイナミックな波乗りで波を制す!

SPD   :    テクニカルで華麗な波乗りで波を制す!

WIZ   :    波を読んだ知的な波乗りで制す!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カメオ出演:ライドブロッサムさん

 その日、少女はサーフィンを楽しもうと海水浴場に遊びに来ていた。
 Gカップのグラマラスボディをビキニの水着に包んだ彼女は、ボードと共に沖合いにきて、そして遭遇したのだ。

「きゃーーーー?!」

 突如海中から飛び出した巨大な顎。
 大きく開かれた口の中に見える無数の刃のような歯。
 それは、悲鳴をあげた彼女に頭から食らいつき、そして鮮血が舞った……。

●撮影後
「へぇ……CG被せるとこんな風になるんだ」
「今は簡素な奴ですけどね。最終的にはもっと派手にして見せますよ!
 とにかく、いい死にっぷりでした!
 お疲れさまでした!」

 撮影を終えて、簡単に編集された映像を見ながら、スタッフとカメオ出演の彼女は楽しげに話していた。

「さあ、次は猟兵の皆さんの出番です!
 派手にいきましょうや!」

 そしてスタッフは、水着を着てスタンバイしている猟兵たちに声をかけた。
 常夏の海岸を舞台に、いよいよ最初のシーンの撮影が始まる!
ハル・インフィジャール

イイね、イイね、面白い映画は人生を豊かにしてくれる
そういう事なら俺も喜んで協力するよ
(…俺が犯罪者だった事を覚えてる奴なんて1人も生き残ってねぇ…顔出しても大丈夫だろ)

>水着
紅い海パン

>撮影スタート
フゥー!今日もイイ波来てるね!

まずはゴキゲンでサーフィン波乗りしてる俺を撮ってもらうぜ、チャラ男が調子こいてるシーンはお約束だろ?

あ?なんだ…?うわぁぁぁぁ!

お次はいきなり海中から足を引っ張られてドボン

クソッ!クソッ!なんだよ、何なんだよ!

上半身だけ海面に出してサーフボードでボカすかサメを殴る、まぁ効かないワケだが

助けて、助けてくれ!あぁ!ああぁぁぁー!

最後は海中に引きずり込まれて、デッドエンドさ



●撮影前
「イイね、イイね、面白い映画は人生を豊かにしてくれる!」
「その通りだ! 映画こそ人生! 君はよくわかっている!」
 健康的な褐色肌の細マッチョな青年と、今回の撮影の監督とが、映画について熱く語り、意気投合していた。
「今回は、君たち出演してくれる猟兵のアイデアを最大限活かして、共に熱く面白い映画を作りたいと思ってるんだ。君のような熱い情熱の持ち主は大歓迎だよ!」
「オーケーオーケー!
 そういう事なら俺も喜んで協力するよ! 任せておきな!」
 がっしと熱い握手を交わすふたり。
 ……実のところこの猟兵の青年、過去の出来事が理由で顔バレが不味い立場ではあるのだが……。
(「……俺が犯罪者だった事を覚えてる奴なんて1人も生き残ってねぇ……顔出しても大丈夫だろ」)
 ……映画として大々的に顔は出るが、ともあれ今はヒーローとして憧れられる猟兵なのだ。必要以上に気にすることはあるまい。

●出演者:ハル・インフィジャール(魔導仕掛けのレッドラム・f25053)
「フゥー! 今日もイイ波来てるね!!」
 紅い海パン姿の褐色細マッチョな青年……ハルが、ご機嫌な顔でサーフィンを楽しんでいた。
 まだまだ平和な海水浴場で、人当たりのいい笑顔を見せている、一見チャラ男のハルは、通りすがりの水着美女に声をかけたりと、調子に乗っていた。
「俺の波乗り、見ててくれよ!」
 黄色い声援を受け、沖へと向かう。
 そして波を捕まえて華麗なボードテクを……魅せようかというところで、足元に違和感を覚えた。
「あ? なんだ……?」
 ボードの上に立つハルの足元に、何かが引っ掛かる。それはまるで、黒い三日月のようなものが、海面から飛び出していて……。
「うわぁぁぁぁ!」
 それによってバランスを崩したハルは、ボードから落下して、海中に投げ出された。
「な、なんだ?!」
 なんとか浮上し、ボードに捕まって浮かぶハルの、今度は足首が、何かトゲトゲのものに挟み込まれるような感覚。それが、足首から、脛へ、そして膝へと上がってくる。
「クソッ! クソッ! なんだよ、何なんだよ!?」
 この頃になると、もうハルにもそれの正体が見えていた。
 サメだ。
 サメがハルの下半身に食いついてきている。
 脚が噛まれる痛みに顔をしかめながら、上半身だけ海面の上で動かせる状態のハルは、必死にサーフボードでサメの頭を殴り付けるが、それはなんの効果も与えられなかった。
「助けて、助けてくれ! あぁ! ああぁぁぁー!!」
 そしてハルは、そのままサメに食われて沈んでいき、海面上には静寂と、血で描かれた紅い花だけが残っていた……。

●撮影後
「どうよ、監督! この俺の死にっプリは!」
「最高だ! 最高だよ!
 ほら、見てくれ。簡単に今の映像にCGのサメを被せてみた。実にいい食われっプリだろう」
 撮影後、簡単に編集した映像を見て、ハルと監督は大いに盛り上がっている。
「すげえな、こんな風になるのか。いいデッドエンドじゃねえか」
「これを本物のCGで加工したら、最高のパニックシーンになるよ! 君のおかげだ!」
 自画自賛するハルの肩をバンバンと叩いて喜びを露にする監督であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
メリッサさんのお誘いなら、いかないわけにはいかない(謎の使命感)。

水着は、空色のホルターネックワンピース。
サーフィンは初心者なので、
ソフトのロングボードを使って、ぷかぷか頑張ってるところを、
サメさんに襲われちゃおう。

まずはボードごとがぶーっとやられて、
歯で水着の首紐をを切り裂かれて、見えそうな胸を必死に隠しつつ
半分くらいになっちゃったボードの上で、なぜか甘噛みされてたり。
「歯!歯のトゲトゲで水着がー?
 噛まれるなら女の子がよかっt、じゃなくて……このままだと食べられちゃうー!?」

と、よくわからないツッコミをしても
もちろんさして効果はなく、
ずるずる飲み込まれていっちゃうね。

短い人生だった……?



●撮影前
「メリッサさんのお誘いなら、いかないわけにはいかない、ねー」
 ……という謎の使命感を持ったメカクレの少女が、撮影スタッフと打ち合わせをしている。彼女にとって、今回の話を持ってきたグリモア猟兵は、同じ寮で暮らす仲間である以上に、妙に可愛がりたい衝動に駆られる相手なのだ。
 それはさておき。
「サーフィンは初心者なんだけど、大丈夫かな?」
「問題ない問題ない! 大事なのは襲われた時の演技だからね!」
「それは、がんばる、よー!」
 むんっと気合を入れる少女であった。

●出演者:菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)
「わー、気持ちいい、ねー♪」
 空色のホルターネックワンピースに身を包んだ少女…理緒は、ソフトのロングボードを使って、沖合にぷかぷかと浮かんでいた。
 サーフィンは初心者なのだろう。おっかなびっくり立ち上がろうとして、波に揺られてふらついている。
「おっとと、あぶないあぶない……」
 そんな調子なので、理緒は近づいて来ている黒い三日月……サメの背ビレには気づいていなかった。
「えっ?!」
 気付いた時には、海中から大きなサメの頭が飛び出していた。
 その波で揺れるボードに、理緒は必死にしがみつくが、サメの大きな顎はボートに噛みついて一瞬のうちに噛み砕いてしまう。
「た、たすけてー?!」
 海面に放り出された理緒は、必死に泳ごうともがき、半分くらいになってしまったボードにしがみついて足をバタバタとさせながら助けを求めるが、近くには誰もいない。逆にその叫びがサメを呼び寄せたのか、理緒を飲み込もうと大きな顎を開いてくる。
「歯! 歯のトゲトゲで水着がー!?」
 サメが理緒の方から首のあたりに噛みついた衝撃で、首筋で縛っていた水着の紐がほどけ、理緒の薄い胸が露になりそうになる。
 真っ赤になって胸を押さえ、水着をなおそうとする理緒に、サメは更に噛みついてくる。まるで咀嚼を楽しんでいるかのように、理緒の身体を飲み込みつつ、全身を甘噛みして……。
「噛まれるなら女の子がよかっ……、じゃなくて!
 ……このままだと食べられちゃうー!?」
 ツッコミなのか悲鳴なのかよくわからない叫び声を上げながら、そのまま理緒はサメの大きな口に頭から丸のみにされていくのだった……。

●撮影後
「うわぁ……短い人生だった……」
 撮影後、簡単に編集された映像を見ながら、理緒は自分がサメに食べられ生涯を終えるさまを見て呟くのだった。
「いやいや、どうしてなかなかいい食われっぷりだったじゃないか。
 水着美少女のお色気ハプニングとしても美味しい!」
 監督は、今回の編集に自信があるのか、ニカっと笑ってサムズアップしている。
「そのハプニングの所つかわれるの、ちょーっと恥ずかしいんだけどー!」
 撮影中、サメに食われる演技でジタバタもがいていたら、偶然たまたま水着の紐がほどけるというハプニングが起こっていたのだが、監督はそのシーンをしっかり利用して、サメがひっかけたせいで水着が……というシーンにしてしまったのだ。
「うぅ、カットでやり直しになると思ってたのに……」
「いいシーンだから、カットするなんてもったいないじゃないか!」
 そんなところを使われるのは恥ずかしいので赤面して抗議する理緒だが、一応ギリギリ見えないようには編集してあるのだしと、本気で焦る姿がリアリティを生むからと、説得されて、このシーンは使われることになり、理緒はそれに合わせてアテレコをするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テティス・ウルカヌス
「ふっふっふー。今回のお仕事は映画撮影ですねっ!
この天才的美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんの演技力を披露してあげましょう!」

清楚系アイドルとして、白のワンピース水着を着て颯爽と登場です!
ないすばでぃ(まな板)で映画館の観客を虜にしちゃいますよー!

「まずは、海でサメに襲われるシーンの収録からですねっ!」

サーフィンなら、アイドルとして鍛えたこの運動神経の出番です!(運動音痴)
サーフボードに乗って波乗りを披露しましょう。

「どうですか、この華麗でスタイリッシュなライディングは!」
(へっぴり腰でサーフボードの上に乗ろうとして、立てずに落ちる)

さあ、監督、あとはCGで合成してくださいね!



●撮影前
「ふっふっふー。今回のお仕事は映画撮影ですねっ!
 この天才的美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんの演技力を披露してあげましょう!」
 次に撮影にやってきたのは、現役アイドルだった。
 いや、もちろん猟兵なのだが、この少女、自分が猟兵であるという自覚がない。アイドルのお仕事として現場にいっているという感覚なのだ。戦いの時でも。いつでも。
 まぁ、そんな思い込みの激しい少女ではあるが、今回は本当にアイドルとしてのお仕事なので問題はない。はずだ。
「いやいや、貴方みたいなアイドルが出演してくれると、映画にも箔が付きますからね!」
「任せてくださいっ! 清楚系アイドルのないすばでぃで映画館の観客を虜にしちゃいますよー!」
 自身をもって清楚な白い水着に包まれた胸を叩くアイドル。
 ……ちなみに、ないすばでぃのくだりに対して、監督からのツッコミはなかった。まな板だとかは言ってはいけないのだ。
「今回は歌の仕事じゃないのは残念ですけど、その分演技頑張っちゃいます!」
 歌のシーンがなかったのは、監督の英断だっただろう。ホラーはサメだけで十分という判断だ。いや全くその通り。
「まずは、海でサメに襲われるシーンの収録からですねっ!」
 というわけで、アイドル少女は、意気揚々と撮影に挑む。
 ……ちなみに演技も下手なのは内緒の話だ。
「サーフィンなら、アイドルとして鍛えたこの運動神経の出番です!」
 ……ちなみに運動神経も絶望的にないのは内緒の話だ。
 誰だよ、このアイドル呼んだのは?

●撮影中:テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)
「わーーー! 素敵な海ですね、いい波ですー」
 清楚な白いワンピースを着た少女……テティスが、燦燦と照り付ける太陽の下、広大な海原を見て感嘆の声を漏らしていた。若干台詞がわざとらしいとか言ってはいけない。
 清楚な白いワンピース水着を着てさっそうと登場したテティスは、胸がまな板なのを差し引いても、とても目立つ美少女であるのは間違いないのだが、エキストラの男性陣も、誰も声をかけに近付こうとはしていなかった。本能的にみんな危険を察知しているのだろうか。
「こんな素敵な波ですもの、サーフィンしたくなりますよねー」
 なんだかわざとらしく説明台詞を口走りながら、ボードをもってきたテティスは、そのままボードを抱えて海へと入っていく。
「サーフボードに乗って波乗りを披露しましょうー」
 わざわざ説明的な台詞を言葉を口にしながら。
 そうしてボードに捕まって、バシャバシャと盛大に水飛沫を上げるバタ足を披露しながら沖合へゆっくりのんびりと進んでいく。バタ足は水飛沫を上げるばかりで、とても泳いでいるという感じではなかったため、やたらと時間がかかっていた。
 そして撮影隊がじれた頃にようやく沖合についたテティスは、ちょうどいい波がくるのに合わせて。ボードの上に立ち上がった。見た目にも明らかなへっぴり腰で。
「どうですか、この華麗でスタイリッシュなライディングは!」
 いったいどこでそんなに自信が持てるのか、へっぴり腰でぷるぷると小鹿のように足を震えさせながらボードの上に立ったテティスは、次の瞬間ドボンと海中に落ちていた。結局波がくる以前に、ボードに立つことすらできなかったのである。
 そしてそのまま、がぼがぼがぼと溺れていた。

●撮影後
「さあ、監督、あとはCGでサメを合成してくださいね!」
「あ、ああ、わかったわかった。任せておけ……!」
 まったくサーフィンできずに溺れかかったというのに、いったいなんでそんなに自信満々なのか、テティスはドヤ顔で監督に語り掛けている。
 テティスの脳内では、華麗にサーフィンを決めていたら、突然海中から現れたサメに襲われて喰われて落ちたシーンになっているのだろう。テティスの脳内だけでは。
(「……ボードから落ちて溺れたシーンくらいは使えるか……?」)
 これをどうやって編集して見せようか頭を抱える監督だったが、もちろんテティスはそんな監督の様子には微塵も気づくことなく、最高の演技だったと自画自賛して、今年のアカデミー主演女優賞は間違いないんじゃ、などと考えていたそうな……。
「あ、監督! 主題歌も歌いましょうか?!」
「そ、それは大丈夫! 間に合っているから!

大成功 🔵​🔵​🔵​

マナ・シュテル
サメ映画いいですねえ、(顔には出ないが)テンション上がります。

(以下演技)
あー…徹夜明けで太陽の眩しいこと眩しいこと…。
ちょっと海にでも入ってすっきりしましょうかね。

水着はライトグリーンのビキニ。
布地少なめの際どいヤツです。

フロートに掴まって波間を漂ってます。
胸はフロート上に乗っけて、潰れる様でお色気アピールですよ。

暫くぼーっとしてて気がついたらサメがすぐそこまで。
流石にやべぇと慌てて魔剤注入、全力で岸まで泳いで逃げます。
何とか浜辺まで戻って、これでもう大丈夫…と思って振り返ったら目の前に大口開けたサメが飛び込んできてそのまま食われる、ってオチです。

アドリブ絡み歓迎ですよ。



●撮影前
「サメ映画いいですねぇ」
「おっ。お姉さん、サメ好きかい? テンション上がってるね?」
 無表情のまま撮影スタッフの元までやってきた女性に気が付くと、監督は即座に声をかけた。表情からすると、どう見てもテンションが上がっているようには見えない様子なのだが、そのあたりの微妙な変化に気付く辺りはさすが映画監督の面目躍如か。
「はい。テンション上がります」
 答える女性は、どこがテンション上がっているのかわからないほど淡々としているわけだが。
「サメ映画といえば、襲われる水着美女は必須ですよね」
「当然だ! いい襲われっプリ見せてくれよ!」
 というわけで、監督のサムズアップに送り出されて、水着美女は撮影に挑む。

●出演者:マナ・シュテル(カロチン摂って卵食って干物で懲らしめる系猟兵・f18064)
「あー……徹夜明けで太陽の眩しいこと眩しいこと……」
 アンニュイな感じでカンカン照りの空を見上げる水着美女……マナは、1人海岸を歩いていた。
 着ている水着は、ライトグリーンに輝くビキニの水着。ビキニの布地は少なめで、そのボリュームたっぷりのバストを包むにはかなり際どいデザインではあるが、それ故にその際立ったプロポーションは男の目を惹きつけて離さない。
 とはいえ、徹夜明けのコンディションを考えると、先程から何人も声をかけてきているナンパを、そのたびに適当にあしらうのもめんどくさい。
「……ちょっと海にでも入ってすっきりしましょうかね?」
 サーフィンをやる柄でもないからと、マナは大きなフロートを用意して、波間の上で俯せに横になって甲羅干しをしていた。
 どたぷーんな胸が、柔らかいフロートの上でぐにゅりと潰れ、これでもかとボリュームと重量と柔らかさを、そして何よりも色気をアピールしていた。
 そのまましばらく、波に揺られてのんびりと。
 ……そして、うとうとのんびりとし過ぎていたので、沖合にサメが現れていることに気が付いていなかった。
「……なんです? 何か騒がしいような……?」
 何か悲鳴のような声が聞こえた気がして、ふと目を開けて沖の方に首を向けたルナの、その眼前に、大きな口を開けたサメがいた。
 ルナがうとうととしている間に、こんな傍まで近づいてきていたのだ。
「やべぇ?!」
 思わず口から飛び出すのは、美女には似つかわしくない言葉遣い。だが、それを気にしている場合でもない。
 サメが噛みつくことで、あっという間にフロートに穴が開き、空気が抜けて沈んでいく。
 だが、既にルナはフロートの上にはいない。
 先ほどまでの緩慢な動きがどこへ行ったのやら、水泳選手もかくやという全力の泳ぎでルナは浜辺を目指していく。
「はぁ、はぁ……ここまでくればもう安心……」
 なんとか浜辺の足がつくあたりまで泳ぎ切り、肩で息をして、たわわな胸の果実を揺らしながら、歩いて海から上がろうとするルナは、もう大丈夫だろうと安心して背後を振り返った。
 だが、そこには……。
「きゃーーーーーー?!」
 ぴったりとルナにくっついて追いかけてきていたサメの大きな口が開いていた。
 そして悲鳴を残したまま、ルナは頭から食べられて……。

●撮影後
「いや、さすが猟兵、泳ぎも見事だね!」
「それほどでも」
 実を言うと、【魔剤注入】による強化ドリンクを飲んでいたからの身体能力なのだが、まぁそのあたりはどうでもいい話だろう。
「あれだけ早く泳いでも逃げられないってことで、いいパニックシーンが演出で来てる。グッドだよ!」
「うまくできたなら何よりですね。
 それにしても、サメのCG被せたらこんな感じになるんですか」
 簡単に編集した映像には、最後のサメがぱっくりと口を開けたシーンが映っている。既にこの時点で、サメは完全に空中に飛び出して、ルナを頭から飲み込む体制だった。
「この映画のタイトルは、フライングシャークだからな! そろそろ飛ばさないと!」
 ルナのいい食われっプリに、監督はかなり満足しているようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・ツァオ
水着は水着コンのときのサーフパンツとラッシュガードだよ。

サメ映画か……面白そうだな。
とりわけ、演技次第でどうにでもなるというのが面白い。
だが、サメに食べられるのではありきたりだと思う。

ということで、逆にサメを食べる映画にしてみるか。
もちろんかっこよくサーフィンを決めるが、
それ以上にサメとの戦いは正面から
眉間を撃ち抜く感じで一発で仕留めよう。

でもって、サメとの戦いに勝利したらお料理タイム。
サメバーガーにサメの練り物にフカヒレの姿煮に色々作っちゃおう。

え、サメ漁は資源の保護の必要性から禁止だって?
「サーフィン中に襲われて……こ、これは正当防衛だっ!」と叫びながら連行されるかな……。



●撮影前
「サメ映画か……面白そうだな」
「サメ映画はいいぞ。面白いぞ!」
 これまでの撮影を眺めていた金髪でスレンダーな女性の呟きに、監督は即座に反応してアイの手を入れていた。
「そうだね。それに見てる感じだと、演技次第でどうにでもなるというのが、やる側としても面白そうだよ」
「猟兵さんたちの自由な発想こそが、映画を面白くするからな!
 発想と発想をぶつけ合えば、さらなる高みになるってもんだ!」
 彼女の呟きに、我が意を得たりとばかりに熱く語り始める監督である。
「なので、君にも期待しているよ?」
「うん。がんばってみるよ。
 ……ところで、ここまでみんなサメに食われるシーンばかりだったよね。
 このまま全員サメに食べられるのでは、ありきたりだと思う」
「ほほう、ならばどうする?」
「そうだね、それでは……」
 彼女のアイデアに、監督は大笑いをして、そしてゴーサインを出したのだった。

●出演者:アメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)
「ふふ、いいサーフィン日和だね」
 サーフパンツとラッシュガード姿のスレンダーな女性……アメリアが、サーフボードを手に柔らかな笑顔で沖合を見つめていた。
 周りにいたサーファーの男性たちと軽く言葉を交わし、皆で連れ添って沖合へと向かう。
「よしよし、いい波だ」
 周りのサーファーたちと競うように華麗なチューブライディング。クールビューティーな容姿のイメージ通りに、かっこよく決めていた。
 そんなとき、突然あたりが騒がしくなる。
「……ん? 何か騒がしい、なんだ?」
「おい、サメだ、サメが出たぞー!」
 叫び声をあげたのは、周りのサーファーたちだ。
 そして彼らの指さす方向を見ると、沖合で一人サーフィンに興じていた男や、溺れていた少女などが、次々とサメに襲われている。
「くっ……何とかしないと……」
「お、おいあんた、早く浜にあがらねぇと?!」
 周りの男たちが慌てて浜辺へと逃げていく中、アメリアはこの状況を打開すべく、戦う事を決意した。
 足のつくところまで後退し、自分に向かって黒い三日月のような背ビレを走らせてくるサメを迎え撃つ。
 武器になるものなど何もない。今手持ちにあるのはサーフボードだけだ。
 だがそれでも……サメの犠牲者を1人でも減らせるならば……!
 アメリアの眼前に、大きな顎を開けたサメが飛び出してくる。
 それに対し、アメリアは臆さずに正面から、サメの眉間を貫くように、サーフボードで全力の突きをぶち込むのだった。

「あんた、大丈夫だったのかい……?」
「ああ、何とか1匹倒したよ。……どうかな、このままサメ料理で乾杯といかないか?」
 アメリアはそう言うと、ニヤッと笑って、浜に打ち上げられたサメの死体からヒレにナイフを入れていく。
「サメバーガーにサメの練り物にフカヒレの姿煮に……色々作ってあげるよ?」
 今にも料理を始めそうなアメリアの様子に、笑いながら顔を見合わせるサーファーたちだった。

●撮影後
「この後、サメ猟は禁止だとか言われて捕まるのも面白いと思ったんだけど」
「それは確かに面白いがなぁ……どうせこの後、ばんばんサメを殺していくんだ。
 そこでいちいち捕まってたら、映画作りづらいったらないさ」
 アメリアと監督は、撮影に使ったサメ料理を食べながら談笑していた。
 シーンの最後の小道具の為に、本物のサメ料理を用意していたのだ。
「それもそうか、残念。
 これは正当防衛だっ!……とか叫びながら連行されてみたかった」
「がはは。喰われるばかりじゃなく、サメを喰う……ってだけじゃなくて、更にオチも考えるとはやるねぇ。そのアイデア、次も期待しているぞ!」
「任せて」
 アメリアと監督は、この後もいろいろなアイデアを出し合いつつ、サメ料理を楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テルプ・ステップアップ
ほうほう映画ねー。撮ってるところに敵が出たことはあったけどそれ込みでは初めてかも♪それにいっぺん映画って出演してみかったんだよね♪あ、でも自分が血ドバーッは見たくないからやっつけちゃうぞー。
許容ギリの紐白ビキニ(激しく揺れるけど落ちないズレない不思議水着)を着てサーフィンを楽しむ。
バランス感覚はバッチリ!サーフィンもよゆーだね。
サメも板の上でぶっ飛ばしちゃうよ!僕の空中回転蹴りを喰らえー🏊



●撮影前
「ほうほう映画ねー」
 とても興味深そうな笑顔で、露出の高い姿の少女が撮影現場にやってきた。
「撮ってるところに敵が出たことはあったけど、実際に参加するのは初めてかも♪
 いっぺん映画って出演してみかったんだよね♪」
「お、それじゃこれが処女作ってわけだ。そいつはいい絵をとってやらないとなぁ!」
 彼女は自分が映画に出るという事にとてもワクワクしている様子。
 監督ももちろんそんな彼女に好意的で、さっそくどんなシーンにするか打ち合わせを始めていた。
「で、このシーンはサメに襲われるのがメインになるだろうが、どうする?」
「うーん、そうだねぇ。自分が血ドバーッは見たくないから、やっつけちゃうかなー?」
「お、いいねぇ。確かにそろそろサメと戦っていくシーンも欲しい所だしな!」
 というわけでどうやら方針は決まったようだ。

●出演者:テルプ・ステップアップ(超速天然プリマ・f01948)
「ひゅーっ! 気ン持ちいいー♪」
 白い紐のような極細のビキニの水着を身に纏った少女……テルプが、豪快に波乗りを楽しんでいた。
 抜群のプロポーションを隠すには、あまりにも布面積の小さすぎる水着。わずかでもずれたら、胸の先端の色の違う部分が見えてしまう程に際どく、下もほとんど紐に近いハイレグのため、お尻はほぼ見えているような状態だ。
 そんな大胆すぎる水着だが、テルプ本人の抜群のバランス感覚によるものなのか、どんなに激しく波に乗っていても微動だにせずきっちりとギリギリのところでその瑞々しい肌を隠している。
 もちろん、そんな彼女を見つめるサーファーたちの視線は熱い。
 男として仕方ない本能的に目が吸い寄せられているのもあるが、彼女のサーフィンテクニックもまた見事だからだ。大波を巧みに乗り越え、サーフボードの上で揺らいだりせず、そして何よりもとても楽しそうな笑顔で波に乗っている姿は、まさに海上のプリマドンナ。美しく舞う波の上のバレエダンサーがそこにいた。
 だが、にわかに沖合が騒がしくなる。
 テルプに熱い視線と声援を送っていたサーファーたちが、だんだんと悲鳴と怒号を発していた。
「……ん、どうしたのかな?」
 もはや言うまでもない。サメが現れたのだ。
 波を切り裂く黒い三日月。サメの背ビレが勢いよく近付いてくる。
 あたりを見るとすでに、フロートで浮かんでいたセクシー美女やサーフィン初心者の少女なども次々と犠牲になっているようだ。
「サメかー?!」
 さすがに冷めの出現に驚いたテルプだが……しかし彼女は、周りのサーファーたちと違って逃げなかった。
 激しく波に揺れるボードの上に、すっくと立つと、サメが近づいてくるのを待ち構えている。
「平和な海を荒らすサメなんか、僕がぶっ飛ばしちゃうよ!」
 なんとテルプは、サメをこの場で迎撃しようというのだ。
 波間に浮かぶボードの上という不安定な足場で、武器もないというのに、だ。
「おおっ。トビウオみたいだっ」
 しかもサメは、テルプを敵と認めたのか、テルプを視界にとらえるとばしゃあっと水飛沫を立てて海面上に跳びあがってきた。
 そしてそのまま、空中の、空気の中を泳ぐように飛んで迫ってくる。
 ギザギザの刃のような歯をむき出しにした大きな顎を開いて、テルプを頭から齧ろうとばかりに空中から。
「サメなのに空に出たのが運の突きだよ!
 僕の華麗な空中回転蹴りを喰らえー!」
 そしてテルプはそれを迎え撃つべく、水面に浮かぶボードを力強く蹴って跳びあがると、空中で華麗に舞うような回し蹴りをサメの頭にヒットさせるのだった。

●撮影後
「へー、サメの絵を入れたらこんな風になるんだー!」
 簡単に編集された映像を見て、テルプは感心していた。
 サーフボードからジャンプして空中で1回転の回し蹴り。演技の上では単に空中で1人芝居しただけなのだが、そこに蹴り飛ばされるサメの映像を加えると、なかなか迫力のある格闘シーンへと早変わりしていた。
「最終的な感性フィルムでは、このままサメの頭蓋骨が割れるカットインとか入れて、バビューンと浜辺まで吹き飛んでぽくぴく動いたりすればいいかな?」
「いいねいいね! 僕も早くそのシーン見てみたい!」
 海上での格闘シーンをどう演出するか、テルプと監督はこの後もいろいろとアイデアを出し合ったのだった。

 ちなみに激しく動いた時にずれた紐水着も、ちゃんとCGで修正されるので安心してほしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セナ・レッドスピア
サメにいただかれちゃう役、なのですね…

想像してみると結構怖かったり不思議とドキドキだったりですが
メリッサさんのお誘いや、先に撮影してる理緒さんの姿に感化されて
私も参加しちゃいますっ

黒いチューブトップのビキニ(水着UCの物参照)で
素潜りしていたら、水中に光る瞳が…

サメが向かってきてます…!
必死に水面に向かって泳ぎますが
サメの方がずっと早く、一度突進を受けてしまい

口を開けてしまい、海水が口の中に…!
そのまま悶えながら、サメの歯が引っかかって水着が!?

そのままサメの口の中で、歯や舌でもみくちゃにされながら
飲み込まれてしまいます…
その上、飲み込まれた体の中でも…?

でもそこで、左手の刻印が不意に輝き…?



●撮影前
「サメにいただかれちゃう役、なのですね……」
 別にそうと限った話ではないのだが、グリモア猟兵のメリッサから話を聞いた時、彼女がイメージしたのはそういう役割だった。
 しかし彼女、そうしてやられる自分を想像してみると、なんだか怖いよりも、不思議とドキドキを感じてきてしまっていたりする。ある意味やられ慣れている娘である。
「理緒さんも参加したと聞いてますし、私も参加しちゃいますっ」
 同じ寮で過ごす友人に続けと、彼女も監督と打ち合わせに向かうのだった。
 そしてさっそく、友人に感化されたような話をすると、監督はそちらのシーンはもう撮り終えているから、今は単独のシーンになると前置きしつつ、配慮はみせる。
「なるほどなるほどなぁ。今回は別撮りだったが、友達同士なら次は一緒のシーンにしても面白いかもしれないな!」
「あ、でも、理緒さんはもう食べられてしまったんじゃ……?」
 友人の撮ったシーンを思い出すと、今後があるんかどうか疑問に思うセナであるが、監督の返事は実にシンプルだった。
「猟兵がサメに食われたくらいで死ぬわけないだろう?
 次のシーンで出てきても問題ない!」

●出演者:セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)
(「……水の中、澄んでいて気持ちいいですね」)
 蝙蝠を象った黒いチューブトップのビキニを身に纏う少女……セナは、沖合で素潜りを楽しんでいた。
 サーフィンはしないが、代わりに水中散歩。
 まるで人魚になったように魚と一緒になって泳ぎ、海の中の世界を楽しんでいた。
(「……!」)
 だが、水中にいるという事は、水の中に住む魔物……サメの領域の中にいるという事でもある。
 水の中で不気味に輝く瞳。
 セナがそれに気づいた時には、既に瞳……すなわちサメにも気付かれていた。
 そしてもちろん、人が泳ぐよりも、サメが泳ぐ方が早い。
「……ごぼっ?!」
 サメはセナを食べるのではなく、まずはその高速の泳ぎから体当たりをぶちかましてくる。必死に水面にあがろうとしたセナだが、そのまま突進を受けてしまい、身体をくの字に折って肺から貴重な全て吐き出してしまった。
「がぼっ……ごぼぼ……」
 そして開けてしまった口からは、空気の代わりに海水が入り込んでくる。
 海中でもがき苦しみ、溺れて意識が遠くなりそうなセナに、サメは容赦なく大きな口を開けて迫る。
「……っ!!」
 それでもセナは生きることを諦めない。必死に逃れて水面に出ようと、サメの口から逃れようと必死に手足を動かす。
「?!?!」
 もがいた結果、いったんはサメの口から逃れることができたが、代わりにサメの歯に水着のブラが引っかかってしまい、セナの小ぶりながら形のいい乳房が水の中で露わになって揺れる。
 そして、そんな場合じゃないとわかっていても、水着が外れたことで反射的に身体を隠そうとしてしまい、サメから注意を外してしまった。逃げることを中断してしまった。
「がばごぼっ……~~~~~?!?!」
 そしてそのまま、サメの大きな口に丸のみにされてしまった……。

 やがてセナを飲みこんだサメは、海面に上昇して悠々と他の獲物を探していた。
 だが、そんなとき、サメの口の中から赤い光が輝きだす。
 それは……飲み込まれたはずのセナの左腕の刻印が放つ光。
 そしてこの刻印が赤き光を放つとき、セナは暴食者形態となり、左腕が、サメをも逆に喰らう血の獣の顎へと変化する。
 身体の中から逆に食われ、胴体から真っ二つになったサメの中から、左腕を高く掲げて、セナは生還したのだった。

●撮影後
「で、今は簡単なCG被せただけですけど、この後本気で加工したら、かなり全身が血まみれになってしまいますよ? それでも大丈夫ですか?」
「は、はいっ。問題ないですっ」
 編集スタッフに説明され、問題ないと頷くセナ。完成フィルムでは、恐らくサメの血を全身に浴びた凄惨な姿での生還になるに違いない。
「いやー、それにしても、リアルな溺れ方から、左腕を変身させて野ヒーローのような復活、実にカッコよかったよ!」
「あ、ありがとうございますっ。……その、やっぱりそのシーン、使うんですよね……?」
 監督には褒められているが、実際に水着が外れたことに気をとられて本気で溺れかけていたのは内緒だ。
「大丈夫、ギリギリ見えないようにサメのCG被せておくから!」
「お、お願いしますー」
 さすがにスクリーンで胸が丸見えになるのは勘弁してほしいセナだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ルイン』

POW   :    お兄ちゃんがんばれー!
戦闘力のない【少女を守るため、周囲の者達が有効な装備】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【可愛い妹の応援】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    お兄ちゃんたすけてー!
【少女の声を聞いた者達がブチ切れモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    いっけーお兄ちゃん!
【魅了された者達による一斉攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。

イラスト:まつもとけーた

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●子役:ルイン
「お兄ちゃんたち、次は街に攻めていくよ」
 幼い少女が、虚空を泳ぐお兄ちゃんたちに静かに声をかける。
 少女の言うお兄ちゃんたち……それはサメだった。
 少女が呼びかけるごとに、空中を泳ぐサメが次々に現れてくる。
「あたしたちの恨み、絶対に晴らそうね、お兄ちゃん」
 静かに憎悪の念を燃やす少女。
 彼女の人間への恨みが、お兄ちゃんたちにもつたわり、彼女の号令に応えようとその力を燃やしていた。
 かくして物語の舞台は海岸から都会へと移る。
 少女の号令を受けたお兄ちゃんたち……フライングシャークの群れは、街のいたるところを飛び回り、逃げ惑う人たちと次々とその口に捉えていくのだった。

●撮影後~演技打合せ
「えっと、こんな感じの演技でよかったですか?」
「バッチリだよ、ルインちゃん」
 シーンの撮影を終えた子役の少女ルインは、監督に褒められてホッと胸をなでおろした。
 もちろんこのルインという少女は、オブリビオンなんかじゃない。
 普通の子役で、今回のストーリーの悪役として参加しているのだ。
「それにしても、サメがお兄ちゃんってすごい話ですよね。自分で言ってて、ちょっと笑っちゃいそうになっちゃいました」
 先ほどまでのシリアスで冷たく見える姿とはうって変わって、人懐っこそうな顔を見せるルイン。
 彼女は、サメと心を通じ合わせる能力を持ったミュータント。
 かつて兄妹同然に育ったサメとともに、人間によって捕らえられ共に人体実験を受けて死んだ後、オブリビオンとして帰ってきた……という設定だ。
 もっとも監督曰く、あくまでもサメが現れる理由づけに考えただけで本筋じゃない。大事なのは彼女がお兄ちゃんと呼んで大量にサメを召喚して、お兄ちゃんへの声援でサメを強化するという能力だけだ。

 そしてここからは参加する猟兵達のアイデア次第。
「それじゃ、次の撮影現場はどこになりますか?
 何処でも頑張っちゃいますよー!」
「それは猟兵の皆さんの希望を最大限聞いてみようと思う。
 大通りでも、公園でも、ビルでも、スタジアムでも、地下鉄でも、どこでも好きな場所でやってみよう」
 監督はそうやって猟兵達に問いかける。
 そして今後の演技方針も話した。
「あ、そうそう。あくまでもサメとの戦いがメインだから、ルインちゃんとは戦わなくてもいい。
 でも、ルインの設定がらみで面白いアイデアとか思いついたなら、ガンガンやっちゃって!」
「出番が必要なら、あたしも頑張りますね。
 あ、でも、あたしはほんとただの子供ですから、ユーベルコードで攻撃とかされても困っちゃいますからね!」
 ルインも、そういて笑う。
「それじゃ、サメは例によって後からCGで被せるから、皆は、好きな場所で、好きなサメと、好きなように戦う演技を見せてくれ!
 基本はただひとつ、今回のサメは飛んでくることだけだ。フライングシャークだからな!」
「呼び出すサメも、頭が複数あったり、下半身が蛸だったり、竜巻に乗って飛んできたり、メカだったり、超巨大だったり、どんなのでも大丈夫ですよ。
 みんなあたしのお兄ちゃんって設定になりますから!」
「もちろん、さっきみたいに喰われて負けて死んでもいいし、そこは好きなようにしてくれ。
 あ、さっき死んだ人たちも、生き返って出てきて大丈夫だ。生きてる理由とかの説明なんて、あってもなくてもいいからな!」
 監督はそう言って豪快に笑うのだった。
「お、そうだ。猟兵のみんなは、海での戦いからサメを追いかけて街までまっすぐやってきた格好になるから、衣装はそのまま水着でよろしく!
 上に軽く何か羽織るとかはOKだぜ!」

 というわけで、ここから先は猟兵達のアイデアに委ねられたのである。
マナ・シュテル
つまりサメ相手の空中戦ですね。ド派手にやってやりましょう。

(以下演技)
ふう、死ぬかと思いました。
(生きてた理由の説明は無し)
ってかサメがめっちゃ空飛んでんですが。これはマナの封じられた力を解放するしかなさそうですね…

というわけで旋律の死神中二自爆妹発動。
ビル街の中を飛び回りながら、飛んでくるサメを片っ端から大鎌振るって斬り倒していきますよ。
出てくるサメの種類はお任せ。

「こんなこと!したって!世界は!変わらないんですよ!」
※ユーベルコードの効果で言動が中二病っぽくなってます。

最後は超巨大なサメに丸呑み…と見せかけて腹を破り脱出。
した処をビルのガラス割って飛び出してきたサメに食われます。



●撮影前
「つまりサメ相手の空中戦ですね。ド派手にやってやりましょう」
 いまだにセクシーな水着姿のままの女性は、監督と次のシーンの打ち合わせをしていた。
「……あ、ところで、さっきのシーンで私サメに食べられたんですが、そこはどうすれば?」
「特に何もなくても問題ないさ!
 これといって思いつかないなら、サメに食われたシーンでCGを被せるにしても、ギリギリ致命傷にならないようなものにしてやればいいしな!」
 監督はそう豪快に笑い飛ばした。
 細かい事は考えなくてもいいの精神だ。サメ映画だし。
「それなら、特に理由もなく生きてたことにしますね」
「おう、それで行こうか1」

●出演者:マナ・シュテル(カロチン摂って卵食って干物で懲らしめる系猟兵・f18064)
「ふう、死ぬかと思いました……」
 けがをしているのか、それとも返り血なのか、セクシーな水着姿の上に真っ赤に地の利をぶちまけている女性……マナが、そのままの格好で海岸のサメから逃れて、海辺沿いのオフィス街に戻ってきていた。
 ここらは高層ビルが立ち並ぶビル街になっている。
 そしてそのビルの合間を泳ぐように、サメが宙に浮いていた。
「……ってかサメがめっちゃ空飛んでんですが」
 空を見ると無数のサメが浮かんでいる。空中を泳いでいる。
 そしてもちろん泳ぐだけではない。そのまま急降下しては、哀れな通りすがりのサラリーマンらをバクリと人のみにしていた。
 この状況、マナもさすがに自分が逃げるだけでは済まないと覚悟を決める。
「……これはマナの封じられた力を解放するしかなさそうですね……」
 マナは、戦う覚悟を決めると、何処からともなく巨大な刃を持つ大鎌を取り出した。そして自らの姿を愛を唄う死神へと変化させると、心の翼で宙を舞う。
「片っ端から! 御臨終じゃーーーーい!!」
 自らを鼓舞するように大声を上げ、高速で空を飛んでいく愛菜に、四方八方からサメが群がってきた。ホオジロザメからイタチザメといった危険な種から、中にはジンベエザメやシュモクザメまで混じっている。さながらサメの空中博物館だ。
 それを、通りすがりに大鎌を振るって次々と切り裂いていく。
 大鎌が振るわれるたびにサメの巨体が縦に真っ二つになり、胴体が輪切りにされていく。
「やっちゃぇ、お兄ちゃんたち!」
 遠くから少女の声が響き、それに応えるようにさらに激しくサメが群がってくるが、マナはそれを気にすることもなく、ただひたすら大声で叫びながら、大鎌を振るってサメを切り裂いていた。
「こんなこと! したって! 世界は! 変わらないんですよ!」
 果たして、マナは、サメを連れて反乱を起こした少女の事情をどこまでくみ取っているのか。今マナの視界には少女はいない。ただ先程、風に流れてお兄ちゃん……サメを鼓舞する声が聞こえてきただけだ。

 そのうち、まるでクジラのように巨大なホオジロザメが、大口を開けてマナを喰らおうと飛び込んでくる。
 正面から、頭から、マナをひと呑みにして、ビル街を飛ぶ巨大ホオジロザメ。
 ……そのお腹が、内側から伸びてきた巨大な刃で避けていく。
「だっしゃーーーーー!!!」
 叫び声と共に、胃袋の内側から大鎌で切り裂いて、腹を破ってマナが脱出してきたのだ!
 全身血まみれのまま、ビルの窓の反射に照らされているマナの姿は、まるで古代の神々のように雄々しく、そして神々しかった。
「さぁ、次は……えっ?」
 だが、次の瞬間、マナの姿を映していたビルの窓が、内側から破られる。
 不意を突かれ、間の抜けた声を発したマナが最後に見たのは、ビルの窓を突き破って飛び出してきて、自分を喰らおうと大きな顎を開けていたサメの姿だった……。

●撮影後
「さすが猟兵さん。特撮なしで自前で飛び回れるのは撮影が楽でいい!」
「ヘリで空中戦の撮影をしてもらえる経験なんて、なかなかないですから、こちらこそ貴重な体験させてもらいましたよ」
 撮ったフィルムを編集しながら、マナと監督は和やかに話していた。
 今は空中で大鎌を振るっているマナの姿に、サメの姿と血飛沫のCGを合成して言ってるところ。
「あ、ここのシーン、少し大鎌も振るわずにただ空中に静止してますよね。
 この前後で、サメに飲み込まれるってのはいいんじゃないでしょうか?」
「おお、いいね。そのアイデア頂き!
 で、ラストシーンはまた不意をつかれて喰われる感じかな?」
「ええ、それでお願いしますね」
 というわけで、無表情ながら実に楽しそうに、自分が喰われるシーンのアイデアを出していくマナであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・インフィジャール

フゥ、ルインちゃん可愛いねぇ
こりゃヤル気倍増だ、張り切って生き返るとしようか!

>設定
食われたと思いきや禁忌の技術で強化人間となり復活した!
相変わらず紅い海パン

>撮影スタート
く…疼くぜ…俺の右腕が…お前らサメに復讐しろと囁いている…!

いきなり右腕抑えながら登場、チャラ男からの厨二って面白いだろ?

分かる、分かるぞ、お前も強化され禁忌の力を手にした者…俺と同じ、この世にいてはいけない化け物なんだ!

右腕を空にかざして【クライシスゾーン】発動、超次元竜巻でサメ達を薙ぎ払う(マジでやるとヤバいならフリだけすっからCG加工してね監督!)

サメもお前も消えなくてはならない、今日!ここで!

今回は勝ちで次シーンね



●撮影前
 色黒の青年が、子役のルインと和やかにお話していた。
「フゥ、ルインちゃん可愛いねぇ。
 こりゃヤル気倍増だ!」
「えへへ。ありがとうございますっ」
 先ほど青年は、チャラ男としてサメに食われる役を見事に演じたわけなのだが、今度は可愛らしい子役が見ている前だ、カッコいい所を見せたくもなる。
「よぉし! 張り切って生き返るとしようか!」
「頑張ってくださいねっ!」
 ルインの激励を受けた青年は、復活の理由を相談しに監督の下へと向かうのだった。

●出演者:ハル・インフィジャール(魔導仕掛けのレッドラム・f25053)
「ぐああああ……ああああああああ!!!」
 怪しげな施設の中、紅い海パン姿のままベッドに拘束されている青年……ハルが、身体に流されている電流の痛みに悲鳴を上げていた。
 そんな彼を冷たい目で見降ろしている手術着を着た数名の人物。
 やがて彼らは最後に電極を押し付けると、ハルへの施術を終了させた。
 そして……。

「く……疼くぜ……。俺の右腕が……お前らサメに復讐しろと囁いている……!」
 ハルは、相変わらずの海パン姿のまま、海岸から出て、街の中を歩いていた。
 その右腕には、グルグルと何かを封じ込めるように包帯が巻いてあり、ハルはその包帯の上に手を添えて、内から湧き出そうになる何かを必死に抑え込んでいた。
 そんな彼を見かけたのか、ビルの隙間を泳いでいた数多のサメが、次々と大口を開けて急降下してハルに群がってくる。
「……サメか。
 分かる、分かるぞ、お前も強化され禁忌の力を手にした者……」
 海岸でのちゃらちゃらした言動は鳴りを潜め、静かに押し殺すようにハルは呟く。
 事実このサメは、世界に復讐をしようとするオブリビオンの少女によって強化されたお兄ちゃんなのだ。ハルの見立ては間違ってはいない。
「分かるぞ! 俺と同じ、この世にいてはいけない化け物なんだ!」
 そして今や、強化改造されたハルもまた、禁忌の力を手にした存在なのだ。
 ハルは、自らに群がってくるサメたちに向けて、包帯に巻かれた右腕を突き出す。
 そのまま何かに導かれるように包帯はほどけていき、ハルの腕の周りをまわるように、竜巻が発生していく。
「サメよ、お前は消えなくてはならない、今日! ここで!」
 ハルの叫び声とともに、右腕から発生した竜巻は、群がるサメの全てを飲み込んだ巨大竜巻となって、ビル街を突き抜けて天へと昇っていった。
「おにいちゃんたち?!」
 そんな様子を見て、オブリビオンの少女は悲鳴のような声を上げる。
「……お前だな。お前も、サメと共に、消えろ……!!」
 そして、ハルはそのまま竜巻を生み出す右腕を、少女へと向けた。
 竜巻が、少女と、少女の連れているサメを飲み込んでいく……。

●撮影後
「ルインちゃん、大丈夫だったかい?」
「演技だってわかってますから、問題ないです!
 それより、思いっきり負けちゃいましたね、あたし」
 撮影が終わって、ハルとルインは楽し気に話し込んでいた。
 そこへ監督もやってくる。
「おう、お疲れさん。チャラ男から厨二な強化人間に、華麗な転身だったな!」
「へへ、この変化、面白いだろ?」
 監督もこのプランは気に入っているのか、ニカっと笑うとグッと親指を立てた。
「あ、そうだ、監督。
 さすがにクライシスゾーンの超次元竜巻をマジでやるとやばいから、ちょこっとしか出さなかったけど……」
「ああ、わかっているさ。CGで目いっぱい派手な竜巻にしてやるよ。
 それこそビルもまとめて吹き飛ばすくらいにな!」
「それはさすがにやり過ぎじゃ?!」
 もちろんそれは監督の冗談だ。ハルもそれをわかっているので、監督と2人して大笑いするのだった。
 ともあれ今回は、ハルの勝利シーンという形で撮影は終わる。
「それじゃルインちゃんは、この後のシーンも頑張ってな!」
「はいっ。一度撃退されたくらいじゃ、まだまだ終われませんからねっ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

テルプ・ステップアップ
あ、ルイン先輩!今日はよろしくお願いまーす!
こういう業界って先に出演た人は先輩だよね。
じゃなくてです!
でもダンスなら僕のほうが先輩かもしれないから一緒にミュージカルやるときがあったら一緒に楽しく踊ろう。じゃなくて踊りましょう

それじゃミュージックスタート!
街並みに合ったダンスミュージックをかけながら
僕はサメさんたちと対峙。
おっとこっちだよ。っと惜しい惜しい💗
じゃ僕のターンだね。
ビルや建物の壁やサメさんの頭の上に乗って空中へ!
僕と一緒に風の中で踊ってね。
黒鳥姫の群舞!
シュタッと着地も成功10.0~♪

…えーといつ僕のブラ飛んでいったの?
割と最初から?
気持ちよく演じてたからわからなかったー😭



●撮影前
「あ、ルイン先輩! 今日はよろしくお願いまーす!」
 次の撮影に向かう前に、猟兵の少女は子役のルインに挨拶をしていた。
「や、やだな、先輩だなんて」
「いえいえ、こういう業界で先にお仕事してた人ですから、先輩は先輩ですよ」
「な、なんだか恐縮です。
 私なんて、子供ですから、仕事の経験だってそんなにないですし……もしかして、そちらの方がステージ経験とかあるんじゃないですか?」
 ルインは、目の前の彼女が素人には思えずそんなことを聞いてみた。
「ん、そうだねー。ダンスなら僕のほうが先輩かもしれないから。
 一緒にミュージカルやるときがあったら一緒に楽しく踊ろう……じゃなくて踊りましょう」
「いいですねー! その時はぜひ!」
 彼女はもともとはダンスが本業だ。
 なので、そんな話をしながら、彼女は軽やかにステップを舞ってみせた。
 ルインが大喜びで拍手をしていると、そこに監督が通りかかり……。

●出演者:テルプ・ステップアップ(超速天然プリマ・f01948)
「行って! お兄ちゃんたちっ!」
 街の中、劇場や芝居小屋が立ち並ぶ広い路地(ブロードウェイ)で、ルインが空に浮かぶお兄ちゃん……サメたちに号令をかけていた。
 サメたちが空中を泳ぐように動き回る。
 そんなルインやサメたちの前に、瑞々しい肢体を大胆な紐白ビキニに身を包んだ少女……テルプが立ち塞がっていた。
 軽快なBGMが鳴り響く中、まるで踊るようにテルプに群がっていくサメの群れ。
「おっとこっちだよ。っと惜しい惜しい💗」
 それをテルプは、華麗なステップで避け続けている。
 まるでミュージカルを見ているような。
 サメと共にチークダンスを踊っているような。
 大口を開けて迫るサメの、胸ビレを手に取って、くるくるくるくる踊るように軽やかに。華麗なステップのせいか、サメの黒い肌も、まるでタキシードを着こんでいるかのように見えてくる。
「お兄ちゃん、なんで敵と踊ってるのよー?!」
「ふふっ。それは! 今は僕のターンだからさっ!」
 お兄ちゃんをテルプにとられたルインの悲鳴もなんのその。テルプはサメの群れたちをダンスパートナーにして華麗に舞い踊る。
 テルプはそのままサメたちと共に激しいダンスを披露しつつ、まるで天から舞い降りた女神のような秀麗な裸体を輝かせていた。そして群がるサメを階段に見立て、踊りながら一段一段天へと駆けていく。まるで女神が昇天するかのように。
 サメの頭の階段から飛びあがり、ビルの壁でターンして、そして天にて美しき裸体が静止すると、飛んでくるサメたちを巻き込んで、テルプの踊りが風を巻き起こした。
「僕と一緒に風の中で踊ってね♪」
 それはテルプというプリマドンナが紡ぎだす【黒鳥姫の群舞】。サメと共に踊る白きオデットから、サメを闇に還す黒きオディールへと変貌したテルプの舞が、ルインのお兄ちゃんたちを打ち倒していくのだった。

 そして、美しき女神が華麗に地面に舞い降り、幕を閉じる。

●撮影後
「シュタッと着地も成功10.0~♪
 ね、ね、僕の演技どうだった?」
 撮影を終えたテルプは、自らの姿に気付かないまま、撮影スタッフの方へと駆けていった。
 そこに、顔を赤くした子役のルインが何かを持ってやってくる。
「あ、あのですね、これ、落としてましたよ……?」
 それは、ダンスの最中に外れて飛んで言ったテルプの水着のブラであった。
「……え、えーといつ僕のブラ飛んでいったの?」
 さすがに顔を赤くして尋ねるテルプに、ルインは申し訳なさそうに、わりと最初からと答えるのだった。
「気持ちよく演じてたからわからなかったー😭」
 胸を隠して慌てふためくテルプに、監督は、でも美しい絵になったからこのまま使おうと言い出す。
 結局、多少はCGでギリギリ見えないように誤魔化すけれど、裸で舞う女神の絵はそのまま使われることになったのである……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・ツァオ
相変わらずサーフパンツにラッシュガードでサメに戦いを挑むが……
なんで飛んでるんだ?! しかも都会を!!
そうなると食べるのも怪しい、ということで自前のピストルを持ち出して確実に仕留めるよ。
しかも、機械サメか……なるほど、ならこれはどうだ?
賢者の影で1÷0の答えを求めさせる。こんなかんたんな問題なのに、答えは……出せないだろ?
頭脳までコンピューター化してしまったのが間違いのようだな。コンピューターではこの問題はゼロ除算エラーになるから全く解けないのさ。
動きを止めて、ダメージを与え続ける。これが賢者の影よ!
で、急所にピストルで、バァンと。これで倒せるだろう。



●撮影前
「ふむふむ。普通のサメを扱うシーンはもう十分じゃないかな、監督?」
 ラッシュガード姿の出演者が、そう監督に話しかけている。
「ほう、では次はどんなサメを出す?」
「それなんだけど、監督、こういうのはCGで作れるかい?」
 何やら悪だくみをするかのように思いついたアイデアを耳打ちする彼女に、監督は少し頭の中で光景を想像する。
 これを通したら映画のジャンルが変わってしまいそうな気はする、が、どちらにしてもサメ映画なのだ。B級映画なのだ。ならば何を躊躇う必要があるだろうか。
 何よりも面白い絵になることは間違いない。
「よし、それで行ってみよう!」
 かくして撮影は始まった。

●出演者:アメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)
「ふふ、久しぶりのサメ料理は美味しかった。
 ……さて、と?」
 ビーチでサメ料理を堪能していたサーフパンツにラッシュガード姿の彼女……アメリアが、街へと戻ってみると、空にサメが浮かんでいた。
「なんで飛んでるんだ?! しかも都会を!!」
 その心からのツッコミに応えるものは誰もいな……いや、1人だけいた。
 この街にサメを解き放った張本人、ルインだ。
「それは、この街が私とお兄ちゃんを苦しめたから!
 いって! スーパー改造お兄ちゃん!」
 そしてルインは、上空を舞うひときわ大きなお兄ちゃん……すなわち巨大なサメに号令をかける。
 巨大なサメが急降下して自分を襲ってくる光景に、さすがにアメリアも焦りは隠しきれない。それでも戦いを選択したアメリアは、自前のピストルを持ち出し飛んでくるサメにパンパンと発砲する。
「こんな空飛ぶサメ、食べるにも怪しいしな……仕留めさせてもらう!」
 だが、アメリアの放った銃弾は間違いなく狙い違わず命中しているのだが……。
 キィン、キィン。
 どう考えてもサメの身体にあたったとは思えない金属音が響いて弾かれていた。
「なにィ?!
 ……これは、機械のサメか?」
 アメリアの銃弾が当たって弾かれた部分は、サメの地肌のテクスチャが剥がれ、その内部の銀色のメカメカしい躯体が露になっている。
「そうよ! このお兄ちゃんは、お前たち人間の魔改造のなれの果て!
 頭も体も心も全て機械に置き換えられたメカシャークが、お前たちに作られた悪夢が、お前たちに復讐するんだ!」
 ルインの悲痛な叫びとともに、全てのテクスチャを剥がしたメカシャークが、その鋼の巨体を泳がせて、アメリアを喰らおうと迫ってくる。
 ひとたび、ふたたび。
 その大きなチェーンソーのような歯が、アメリアをかみ砕こうと迫るのを、ギリギリの体術でかわし続けるアメリア。
「あははは! 無様ね人間! メカお兄ちゃんの力は思い知った?!」
「ふん。甘いね。機械のサメなら、それはそれで対処法はある!」
 無様に避けるしかないわねとアメリアを笑っていたルインだが、しかしアメリアはただ逃げているだけではなかった。
 銃撃を囮に、アメリアはタイミングを図る。
 それは彼を確実に影で捕らえられるタイミング。
 そして時が来たと思った瞬間、アメリアはその『質問』を口にした。
「1÷0の答えは?」
「えっ、な、何よ急に……そんな答えなんて計算できないじゃ……あああっ?!」
 ルインは突然の質問の意図が分からず疑問符を浮かべつつも回答不能という答えを口にしたルインは、そこでようやく質問の意図に気付いた。
 そしてメカシャークの方を見ると、電脳がエラーを吐き出して暴走しているのか、頭脳の当たりから煙を噴き出している。
「完全に機械化してしまったのがあだになったね!」
 そして回答できなくなったメカシャークに、アメリアの影が……否、【賢者の影】が絡みつき、締め上げていく。機械の体が軋み、その装甲のつなぎ目から煙を吐き出していくメカシャーク。ネジが飛び、装甲が捲れていく。
「これで倒せるだろう?」
 最後は装甲の隙間に銃弾が飛び込み、内側からメカシャークは崩壊していくのだった……。

●撮影後
「とまぁ、こんな感じでどうだろうか?」
 突然のメカ戦かつ頭脳バトルになったので、今までの撮影と雰囲気代わるかな?と少々恐縮気味のアメリアだったが、監督も共演者のルインも、頭脳場とrのアイデアに感心したように寒ずあおっぷと笑顔を返すのだった。
「あとはこれに合わせたカッコいいメカシャークのCGを気合入れて作らないとな!」
「ああ、楽しみにしているよ」
 さすがに簡易編集では普通のサメの映像しかないので、このシーンがどうなるのかは、映画が完成しないとわからない。
 だけどもアメリアは、きっといい映像になると確信するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
しれっと復活。水着も前回と同じ。

少女に連れられ、空を泳いでいるサメに、
「あ、あれは……まさか!?」と、意味深に言いますが、
じつはなにも知りません。

なんで生きているのか、には
「こんなこともあろうかと。」と呟いておくよ。

ルインさんには、説得を試みてみたいな。
応援で強化できるなら、
戦闘をやめさせたりもできそうだよね。

「こんなことしていたら『お兄ちゃん』たち、
最後にはみんなかまぼこにされちゃうよ!」
とか言ってみよう。

説得している間に、
わたしは再びサメに襲われちゃいます。

今度のは触手の生えたサメ×タコっぽいサメ。
触手に絡め取られて、今度は頭から食べられていっちゃうよー。
「えぇぇぇぇ!? またぁ!?」


セナ・レッドスピア
菫宮・理緒(f06437)さんと一緒に撮影

引き続き黒いチューブトップの水着で

うう…理緒さん…
貴方達は…私が倒します!

とサメたちに向かって行きます
…が、冷静さを欠いた私に
下半身がタコのサメの触手が…!

必死にもがくけど、下半身がタコのサメがどんどんやって来て
水着を引きはがされ
さらなる大ピンチに…!

でもそこにどこからか攻撃が飛んできて
サメたちが追い払われていきます

攻撃が飛んできた方向には…

理緒さん…!?

その姿に思わず涙が出そうに…
でもそこにさらにサメたちがやって来ますが
今度は理緒さんと連携して反撃していきます!

(理緒さんとの共闘でテンションが上がってるせいか
あぶない所が丸見えな事を忘れています!?)



●撮影前
「次のシーンは2人一緒に撮影するかい?」
 監督が2人の出演者に向かって声をかけていた。 
 最初のシーンではそれぞれ個別にサメに食べられ、サメと戦っていた2人の少女だったが、同じ寮で暮らす友人同士であることから、次は一緒にしようと監督からの提案だった。
「あ、はい。私は嬉しいですけれど……でも……?」
 あとから撮影に加わった方の銀髪の少女がいいのかなと、先に撮影済ませていた黒髪の少女の方を恐る恐る見る。
「うん、もちろんおっけー! 一緒、しよー!」
 そんな銀髪の躊躇いなどどこ吹く風、黒髪は全然問題なしとあっさり笑顔で応えるのだった。
 かくしてそんな2人のシーンをどうするか、打合せは続いていく。

●出演者:菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)&セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)
「あ、あれは……まさか!?」
 ルインに従って空を飛ぶサメの群れを遠目で眺めていた少女は、何やら意味深に呟き、そして次の瞬間、急がなきゃと駆け出していった……。

「うう……理緒さん……」
 蝙蝠を模した黒いビキニに瑞々しい肢体を包んでいる銀髪の少女……セナは、泣きながら街へと駆けていく。
 彼女の友人である理緒は、彼女が海岸でサメとの戦いを始める前に、既にサメに食われてその命を散らしてしまったのだ。
 友人の救出が叶わなかった悲しみ。友人を失った哀しみ。
 それらを飲み込んで、セナは涙をぬぐう。
「貴方達は……私が倒します!」
 友人の仇を討つために、セナはルインが呼び出すお兄ちゃん……サメへと戦いを挑んでいく。
 ……しかし。
「きたわね。なら、貴方にはこのお兄ちゃんよ!」
 ルインが自信満々に繰り出したお兄ちゃんは、サメであるが、触手だった。
「な、なんですかこれー?!」
 確かにサメなのだ。上半身は。しかしその下半身は巨大なタコとなっている。ルインを生み出し、お兄ちゃんを改造した禁断のテクノロジーが生み出した恐怖のバイオモンスター、シャークトパス!
 しかもそれは1匹ではない。シャークトパスの群れがセナに殺到してきたのだ。
 友人の敵討ちにと冷静さを欠いていたセナに、シャークトパスの触手が次々とからみついていく。瑞々しい肢体を覆うように、タコの触腕が絡みつき、黒いビキニを引き剥がして小ぶりだが形のいい美乳が空気に晒され、その上を触手が這い回る。
「ああっ……こんな、ことって……」
 友人の仇も討てずに、触手に弄ばれて散ることになる……そんな未来が浮かんだセナは、悔しさに涙を流した。
 涙でぼやけた視界には、友人の……理緒の人懐っこい笑顔が浮かんでくる。
 そう、まるでその幻の理緒が、自分を呼んでいるような。
「セナさーーーん!」
「えっ……理緒、さん……?!」
 いや、幻でなかった。
 生きていた理緒が、駆けつけてきたのだった。
 片メカクレの黒い髪も、薄い胸を包む空色のホルターネックワンピースの水着も、間違いなく理緒そのものだった。
 理緒は駆け付けると同時に電脳魔術を駆使して仮想の銃弾を具現化し、セナに絡んでいた触手を撃ち抜いていった。
「セナさん、大丈夫?」
「理緒さん……どうして……?」
 どうして生きているのか、と問いかけるセナに対し、理緒はちょっと悪戯っぽい笑顔を浮かべる。
「こんなこともあろうかと、ね?」
 説明にはまるでなっていないのだが、言い回しは間違いなく理緒だったので、セナは本物だと安堵して涙ぐんだ。
 そんなセナの様子を見て笑顔を浮かべていた理緒だが、次の瞬間、自分たちに再びシャークトパスをけしかけようとしていたルインの方を睨みつけるように、キッと表情を固くした。
「もうやめよう、ルインちゃん!」
 冒頭、ルインの事を知っているように呟いた理緒だ。ルインの行動を、せめてお兄ちゃんへの応援をやめさせようと説得を試みる。
「こんなことしていたら『お兄ちゃん』たち、最後にはみんなかまぼこにされちゃうよ!」
「うるさいうるさいうるさーい!
 そうならないように、人間なんかみんなやっつけてやるんだからぁー!」
 だが、そんな説得を聞くようなルインではない。
 ルインの人間への恨みは、そんな事では消えたりはしない。
 それにルインにとっては、本命以外のお兄ちゃんたちは、ある意味使い捨てなのだから、かまぼこにされたっていいのだ。
「ひゃああーー?!」
 そして怒りのルインは、そのまま理緒にシャークトパスをけしかける。
 せっかく生還した理緒だったが、シャークトパスの触手に絡まれ、ワンピースの水着の隙間から潜り込んだ触手に身体を弄られてしまう。
「えぇぇぇぇ!? またぁ!?」
 そして水着が触手によって千切りとられると同時に、シャークトパスの大きな口が、理緒を頭から飲み込もうとするのだった。
「させませんっ!」
 だが、今度はそれをセナが救う。
 セナの左手の刻印が光って唸り、理緒を救えと輝き叫んでいる。
 刻印が覚醒したセナの一撃でシャークトパスは殴り飛ばされ、理緒は救い出された。
 そして2人はそのままコンビネーションで、シャークトパス軍団を次々と薙ぎ払っていくのだった。

●撮影後
「ああああ、つい興奮して水着脱げていたの忘れてましたー?!」
「わたしもだよー?!」
 撮影を終えた後、セナと理緒の2人は、撮影された映像を確認して真っ赤になっていた。
 何せ2人とも、共闘シーンの撮影に興奮して、水着が脱げていたことを忘れていたのだ。
 ……いやそもそもシャークトパスを敵に指定して、それにやられる演技をしながら、触手に絡まれるのを想定して自ら水着を破損させていたのだけれども。
「「監督! ちゃんと見えないように編集してくださいね!!」」
 2人は声を揃えて監督に詰め寄ったが、のちにシャークトパスのCG映像を被せたこのシーンは、本映画一番のお色気シーンとして、かなりギリギリまで攻めた映像になったという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テティス・ウルカヌス
「華麗にサメから逃げ切った海のシーンの次は、街中でサメに襲われるヒロイン役ですね!
メインヒロインは出番が多くて困っちゃいますねー。
さすがは天才的美少女アイドルのテティスちゃんです」

けど、ただ逃げ回るだけでは二流の役者!
ここはアイドルのダンスで鍛えたキレキレの動きを披露しましょう!

「きゃ、きゃあー、サメがー!」(棒読み

【妖精の輪舞】で踊るように華麗にサメから逃げ回りますよー!
(なお、運動音痴のため、脚をもつれさせて転び、まるで空中のサメを蹴り飛ばすかのような動きになる)

「ふっふっふ、どうですか?
この私の乙女ちっくな逃避行の演技!
これこそ凶暴なサメから逃げるヒロインの動きのお手本ですよね!」



●撮影終了後……?
「よし、それじゃ次のシーン。クライマックスの巨大サメとの戦いの撮影に……」
 街中での戦闘シーンの撮影を終え、クライマックスシーンの撮影のために、ホワイトハウス(を模したオープンセット)へと移動しようとした撮影スタッフ。
 そう、彼らは忘れていたのだ。
 いや、意図的に忘れようとしていたのかもしれない。
 まだ災厄がこの場に残されているという事を。
 そして、その災厄から逃れる術はないという事も。

「華麗にサメから逃げ切った海のシーンの次は、街中でサメに襲われるヒロイン役ですね!」
 そう、ここでビシッと空気を読まずにポーズを決めている歩く災厄、もとい現役美少女アイドルが、まだいたのだ。
 ……そう、まだいたのだ。
 帰ってくれてたらよかったのに……監督以下全スタッフの心は一つになっていた。
「メインヒロインは出番が多くて困っちゃいますねー。
 さすがは天才的美少女アイドルのテティスちゃんです」
「そ、そうだね、さすがアイドルだよね」
 なぜか深く深~~くため息をついた後、監督は、嫌々ながら、実に仕方なさそうに、というか他のスタッフに押し付けようとしたけど誰も反応してくれなくて、たとえパワハラで訴えられることになっても無理矢理他の奴にやらせるべきだったかと後悔している心境を全く隠せていない苦々しい引きつった笑顔で、彼女に話しかけたのだった。話しかけてしまったのだった。
「そ、それで、次はどんなシーンにするの、かな?」
 恐る恐るといった格好で、監督は彼女に尋ねる。
「ふふふ。ただ逃げ回るだけでは二流の役者!
 ここはアイドルのダンスで鍛えたキレキレの動きを披露しましょう!」
 二流の役者の方が遥かにマシだよ、と、監督以下全スタッフの心は再びひとつになっていたのだった。

●カメラ稼働中:テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)
「きゃ、きゃあー、サメがー!」
 相変わらずの棒読みが炸裂していた。
 テティス本人はアカデミー主演女優賞を狙っていると豪語するが、それを信じているのはもちろん本人ばかりなり。なんでこんなに自信満々なんだこの大根役者。
 とにかく、清楚な白いワンピース姿のテティスは、サメから逃げ回るという演技をしているらしく、不気味にグニャグニャとした感じの、例えていうのなら未知の軟体生物のオスがメスの気を惹こうと求愛のダンスをしているような……あ、そうか、これ、ダンスか。
 謎がわかっても、全くダンスには見えない。
 本人曰く、妖精の輪舞だそうだが、先も描写したように軟体生物の不気味な動きにしか見えない。どう考えても美少女に対する形容じゃないぞこれ。
 それでも本人的には、踊るように華麗にサメから逃げ回っているつもりなのだろう。頼むそうだと言ってくれ。
「お兄ちゃんっ! その女をやってしまいなさいっ!」
 半ばヤケクソなのか、必死に気分を盛り上げつつ子役のルインが演技をしている。
 ……役者の鑑ですねぇ。きっとこのルインちゃん、将来は大女優になるよ。どこかのアイドルとは違って。
「あーーーー! たすけてー!」
 そしてやっぱり、わざとやってるんじゃないだろうなと思わせるような気の抜けた、そうまるで映画終盤のシリアスシーンなのに突然意味もなく畑の中で天を仰いで棒読みの叫びをあげてしまったかのような気の抜けた叫び声が響いている。
 そろそろカメラ止めてフィルムの無駄に気を使った方がいいかもしれない。
 それでも役者魂を見せるルインは、サメをけしかける身振りを続けている。CGを被せたらきっと、大量のサメがテティスを襲うシーンにはなるのだろう。
 そして、そんな子役の必死の演技を無駄にするか如く、テティスは脚をもつれさせて転んだ。
 静寂が撮影現場を支配した……。

●撮影後
「ふっふっふ、どうですか?
 この私の乙女ちっくな逃避行の演技!
 これこそ凶暴なサメから逃げるヒロインの動きのお手本ですよね!」
「ソ、ソウダネ」
 やはり自信満々のどや顔で言い放つテティスに、最早気力も尽きたのか機械的な棒読み返事しかできない監督だった。
「ああ、可憐で乙女チックなヒロインの逃避行シーンに、映画館を埋め尽くした観客が滂沱の涙を流す姿が目に浮かぶようです!」
「ソ、ソウナルトイイネ……」
 魂が抜けたような相槌を打ちながら、監督はそれでも今回の撮影の中で使えるシーンはないかと必死に頭を悩ませていた。
 ……まったく出番がないとなると、彼女にばれたらあとで怖いし。

 そして必死に監督以下スタッフが使えるシーンを探した結果。
 テティスが転んだ際に大きく脚が空を蹴っていたので、それを強引に加工して、なんとか空中のサメを蹴り飛ばす美少女がカメオ出演しているようなシーンに編集されたという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『不滅の炎』適合体・不滅のフランメハイ』

POW   :    オレサマ、ミズギビジョ、クイタイ、クイタイ。
自身の身体部位ひとつを【桃色の炎を纏った牙を持つ鮫】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    カワキガ、ノゾミガ、イマ、ミタサレタ!
戦闘中に食べた【水着美女の血肉や水着】の量と質に応じて【水着美女捕食の渇望が満たされ超めっちゃ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    フメツノホノオ、トイウ、ラシイ。
【激痛と灼熱を伴い自身を回復する桃色の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【尾鰭に纏う水着美女を喰いたいという渇望の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。

イラスト:瀬戸川ゆうき

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はゲンジロウ・ヨハンソンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●撮影もいよいよクライマックス
 紆余曲折あって、シーンの撮影もだいぶん進み、残すはクライマックスのシーンだけとなった。
「最後、私はどうなりますか?」
「そうだなぁ……倒されるのでもいいし、あるいは改心して救われるのでもいいし、そのあたりは猟兵さんたちのアイデアもきいてみようか」
 子役のルインと監督が打合せをしている。
 最後のシーンは、ルインの本当のお兄ちゃん、ルインと兄妹同然に育ったサメを改造した、巨大な生体兵器『不滅の炎』適合体・不滅のフランメハイとの戦いになる。
 今までのサメをも上回る巨大なサメなので、CGだけではなく、大きさの見本としての実物大模型も用意されていた。
 その大きさは地上最大のジンベエザメをもはるかに超える、全長30メートル近い巨体だ。ちなみに電車の車両にサメの形をしたガワを付けた特撮用車両である。
 ある程度はロボットで動かすこともできる。

「それじゃ猟兵の皆さん、こいつとどう戦うか、色々アイデアを聞かせてほしい!」
「あと私のラストもどうするか考えてもらえると嬉しいですっ」

 で、そのアイデアがバラバラだったらどうするの?
 誰かがしたその質問に対し、監督は朗らかに言うのだった。

「各自が主役のラストシーンの別バージョンってことで、映画本編に採用できなかったアイデアも、ブルーレイ版の映像特典につけるから、全部のアイデアを撮影するよ!」

 というわけで、自分が考えるこの映画のラストシーンを監督にぶつけてみよう!
ハル・インフィジャール

いよいよクライマックスだな?
なら最後に相応しくド派手にいかせてもらうぜ!

>服
紅い海パン
最終決戦なので紅いシャツを羽織る

>ラストシーン
コイツが…本当のお兄ちゃんだと…く、なんだ…頭が…!

大ボスを前に頭を押さえて苦しむ、コレ伏線ね

お前も俺と同じ炎を操るのか…お前も…お前が……そうか!ルイン!

何かに気づいてハッとする、つかルインて役名もルインでいいの?

ルイン!お前の本当のお兄ちゃんはソイツじゃない…俺だ!

改造された時に脳が取り替えられられてたって設定、こっからはお互い炎をぶつけ合って死闘

俺が!ルインの!お兄ちゃんだぁぁ!

締めは【劫炎爆壊】でドン!まぁCGでね
最後はルインと抱き合ってハッピーエンドさ



●ラストシーン打合せ
「や、監督。いよいよクライマックスだな?」
「ああ、君はやってみたいクライマックスのアイデアはあるかい?」
「もちろん!
 最後に相応しくド派手にいかせてもらうぜ!」
 自信満々に言うハル・インフィジャール(魔導仕掛けのレッドラム・f25053)の言葉に、監督も大いに乗り気になり、そしてルインも交えて演技の打ち合わせに入ったのだった。

●ラストシーン:ハルの場合
「お兄ちゃん、これで最後よ!
 この国を滅ぼしてあげるんだから!」
 ホワイトハウスにやってきたルインは、最愛のお兄ちゃん……フランメハイにそこを襲わせようと号令をかける。
「~~~~~~~~~!!!」
 まるで空気を震わせるように、超巨大な空飛ぶサメ……フランメハイが吠える。
 巨大なサメは、その大きな顎から、炎を吐き出してホワイトハウスを焼いていく。
 それを、ルインは狂乱の笑い声をあげながら見守っているのだった。

 だが、そんな状況を前に駆け付けてくる男がいた。
 紅い海パンと上には紅いシャツを着た褐色の青年……ハルだ。
「コイツが……ルインの本当のお兄ちゃんだと……く、なんだ……頭が……!?」
 炎を吐きホワイトハウスを襲撃しているサメを見て、頭を押さえて苦しむハル。いったい彼に何が起きたのか……それは定かではないが、しかし頭痛くらいで引くわけにはいかない。
 彼は、フランメハイを止めるべく、ホワイトハウスの前へと駆けだしていった。
「やめろー!」
「うるさいうるさい! お兄ちゃん、やっちゃって!!!」
 ルインとフランメハイを止めようと叫ぶハルに不快感を感じたのか、ルインもまた頭痛をこらえるように頭を押さえつつ、ハルに向けてフランメハイをけしかける。
 ハルを狙いに定めはフランメハイは、轟と桃色の炎をハルに向けて吐き出してきた。
「くそ……なんだ、この頭痛は……。
 お前も俺と同じで、炎を操るのか……?」
 頭痛をこらえながらも、ハルはその炎を避けていく。そのうち、フランメハイの白桃色の炎に既視感を覚えていった。
 その炎、どこかで見たことがある。
 そう記憶を探ると、ますます頭痛が酷くなってく。
「お前も……お前が……そうか!」
 そして、頭痛を越えた先に、記憶の扉が開かれた。
「ルイン!」
「な、なに、よ……?」
 ハッと何かに気付いたハルに急に呼びかけられて、ルインは戸惑っている。
 だが、そんな智ア土井もかまわずに、ハルはルインに近付くと、その両肩に手を置いて、そして。
「ルイン! お前の本当のお兄ちゃんはソイツじゃない……俺だ!」
「な、な、なにをいって……?!
 わたしのお兄ちゃんならそこに……!」
 突然のハルのカミングアウトに混乱するルイン。だが、ハルは真剣だ。決して冗談でも、ルインを混乱させるために言っているわけでもない。
「ルイン、お前は俺が改造された時に、サメに作り替えられたと信じ込まされていたんだ!
 だが、真実は違う。俺は、この炎を操る力をサメに植え付けるために身体をいじくられ、そして、俺自身もこの身体に脳を移されてしまっていたんだ!」
「な、なんですって……そんな……?!」
「見ろ、その証拠を見せてやる!
 この炎が、俺がお前のお兄ちゃんである証だあああああ!!!!」
 そう高らかに叫ぶと、ハルは自らも炎を出してフランメハイへと向かっていく。
 フランメハイも、ハルの事を倒さなければならない天敵だと考えたのか、炎を吐きながら向かってきた。
 互いの炎がぶつかり合う。
 サメが炎を吐き、人が炎を纏う。
 そして炎と炎が交錯する。
「お兄ちゃん……、そんな、あの炎は確かに、お兄ちゃんの……」
 見つめるルインの目には、いつしか一筋の涙が流れていた。
「俺が!ルインの!お兄ちゃんだぁぁ!」
 最後はハルの【劫炎爆壊】が、フランメハイを焼き尽くし、こうしてサメの恐怖は終わるのだった。
「……やったぜ、ルイン」
「お兄、ちゃん……お兄ちゃーん!」
 そして再会できた兄妹の抱擁で、物語の幕は下りる……。

●撮影後
「どうよ、監督。最後はいい話になっただろ!」
「ああ、素晴らしいとも!
 他の猟兵のアイデア次第だが、これはかなり有力なエンディングじゃないかな?」
 撮影を終えたハルは、監督と共に語り合っていた。
「お疲れさまでしたー!
 これなら私もハッピーエンドですし、嬉しいですねっ」
「ルインちゃんもお疲れー!
 さ、そんじゃ俺は、他のみんながどんなエンディング作るのか楽しみにさせてもらうよ。
 ルインちゃんも残りの撮影頑張って!」
「はいっ」
 演技を終えても、まるで兄妹のようなハルとルインであったとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テルプ・ステップアップ
◎ 
ラストスパート!
変身真の姿!の!水着ver!
サメ映画での退治の仕方はボンベ・電流・爆弾だね
僕は自前の電脳機雷で
おーいここに水着美女がいるよー。さーお食べー。
と寸前にUCで完全防御
&時限式電脳機雷爆破!
ルインちゃんには悪いけど放っておくと犠牲が
増えるからね。
それに
このサメなんかエロそうだし。SPDのUCが。
故に倒す!

さ、次はルインちゃんの番だけど戦闘能力が無いのは知ってる。
だから選択肢!ここですべてを忘れて人類と共存するか。
それともお兄ちゃんの敵を討つか。でも今じゃない。君は強くなれる。
その時こそ勝負だ。勿論その時には憎しみを捨ててくれることが一番だけどね。
それと襲う時は
最初に僕の所に来てね



●ラストシーン打合せ
「うーん。やっぱり僕としては、ここで和解するのも違うんじゃないかなって思うんだよ」
「ほうほう、だとするとどうするね?」
 テルプ・ステップアップ(超速天然プリマ・f01948)との打ち合わせの最中、テルプがラストの展開についてのアイデアを語り始めた。
「それとさ、やっぱりサメ映画の退治の仕方って言えば、ボンベ・電流・爆弾だね!」
「分かってるな、姉さん……!」
 何やら監督との間に熱い友情が芽生えそうになっているが、ともあれ打合せは順調に進んでいった。

●ラストシーン:テルプの場合
「お兄ちゃん、これで最後よ!
 この国を滅ぼしてあげるんだから!」
 ホワイトハウスにやってきたルインは、最愛のお兄ちゃん……フランメハイにそこを襲わせようと号令をかける。
「~~~~~~~~~!!!」
 まるで空気を震わせるように、超巨大な空飛ぶサメ……フランメハイが吠える。
 巨大なサメは、その大きな顎から、炎を吐き出してホワイトハウスを焼いていく。
 それを、ルインは狂乱の笑い声をあげながら見守っているのだった。

「ラストスパート!」
 だがそこに、豊満なナイスバディを水着に包んだ美少女……もちろんテルプが駆け付けてきた。
「それ以上はやらせない!
 おーいここに水着美女がいるよー! さーお食べー!」
 テルプは、現れるなり自らを囮として、フランメハイの前で舞い踊る。
「お兄ちゃん……?」
 もともとはルインのお兄ちゃんだったこのサメ、水着美女に対する人間的な欲と衝動は決して消えてはいなかったのだ。
 ルインの戸惑いをよそに、テルプの動きに釣られ、ホワイトハウス攻撃そっちのけで、テルプを喰おうと追いかけていく。
「待ってよ、お兄ちゃん、どこに行くの?!」
「ルインちゃん、悪いね。このサメを放っておくと犠牲者が増えるし……それに何かこのサメ……ちょっといやらしそうだしさ?」
 すっかり興奮したのか、速度を上げてテルプの元へと空を泳ぐフランメハイ。その飢えと乾きが、復讐ではなく水着美女へと向いていく。
 テルプを喰らおうと大口を開けて飛び込んでくるフランメハイに対し、テルプは踊るようにそれを紙一重で避けていく。フランメハイの歯がぎりぎり水着をかすめていくが、水着の代わりに彼の口の中に放り込まれるのは、テルプの用意した電脳の機雷。
 次々と機雷を飲み込んでいくフランメハイを前に、テルプの舞もいよいよエンディングを迎えようとしていた。
 そして、【パーフェクト・レヴェランス】、舞のフィナーレのポーズを決めると同時に、フランメハイが飲み込んでしまった時限式の電脳機雷が次々と爆発していく。

「あ、ああ……お兄ちゃん……」
 爆散した兄……フランメハイを目の当たりにして、ルインは膝からがくりと崩れ落ちた。
「さ、次はルインちゃんの番だけど?」
「ひっ?!」
 テルプに声をかけられたルインは、恐怖にひきつった涙目で後ずさりする。
 何せルインには、サメ……お兄ちゃんを呼び出して強化する力しかない、言い換えれば、本人には戦闘能力はないのだ。
「君に戦闘能力がないのは知ってる。
 だからここで選択肢だ」
「な、なにを……変に甚振らないで、殺しなさいよ!」
 これからのルインに選択肢を与えようと語りかけるテルプの姿も、今のルインにとっては、恐怖の対象でしかない。
 しかし、殺せと虚勢を張っては見ても、自分にできることはもうないと、ルインにはわかっていた。
「ここですべてを忘れて人類と共存するか?
 それともお兄ちゃんの敵を討つか?」
 だがそれでも、テルプにこう問われたなら、ルインの答えは一つしかない。
「お兄ちゃんの仇を討つに決まってるわ……!」
「そう。それなら、強くなるといい。強くなったら、その時改めて勝負しよう」
「……情けをかけたこと、後悔させてやるんだから……!」
 憎々しげにそう吐き捨てて、ルインはテルプに逃がされ、この場を立ち去っていく。
 遠くなっていくルインの背中に、テルプは最後に語り掛けるのだった。
「本当は憎しみを捨ててくれることが一番だけどね。
 でもそうできないなら……最初に僕の所に来てね?」

 静かに呟くテルプがフェードアウトして、そして幕が下りた……。

●撮影後
「とまぁ、僕だったらこんな感じかな?」
「いいね、これだと続編も作れそうだ。ルインが今度はさらなる強力なサメと共に帰ってくる……ありだな!」
「その時は、最初に僕のとこに来てって言ったし、また出演させてもらうよ!」
 そのまま続編の構想を練り始める監督とテルプだった。
 なお、現時点ではまだ続編の予定はないので申し添えておこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・ツァオ
※ 相変わらずラッシュガードとサーフパンツの男装水着でいくよ。

何という大きさだ。これだけ大きいと食われたらひとたまりもなさそうだな。
とにかく間合いをとってウィザード・ミサイルで応戦するよ。
ヒットエンドランを心がけ、なるべく障害物を有効活用するつもりだ。

ともあれ、激しい戦いだったな。
で、ルインちゃんに関してはちょっとお叱りの言葉を述べておくが、できれば改心してくれるとよいなということでいろいろ話したりしよう。

最後はフランメハイではないが鮫料理のコースをみんなで食べることにしよう。みんなで食べるとおいしいし、何より倒れていったサメたちの命を無駄にする事はないからね。



●ラストシーン打合せ
「さて、前の人は和解しないラストだったけど、私も和解は難しいかなって思うんだ」
「ふむ。ではどうする?」
 アメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)と監督が打合せを続けていた。
 その話し合いの中に、何故か料理用語が飛び交っていたのだが……はて、これは何の映画だっただろうか……?

●ラストシーン:アメリアの場合
「お兄ちゃん、これで最後よ!
 この国を滅ぼしてあげるんだから!」
 ホワイトハウスにやってきたルインは、最愛のお兄ちゃん……フランメハイにそこを襲わせようと号令をかける。
「~~~~~~~~~!!!」
 まるで空気を震わせるように、超巨大な空飛ぶサメ……フランメハイが吠える。
 巨大なサメは、その大きな顎から、炎を吐き出してホワイトハウスを焼いていく。
 それを、ルインは狂乱の笑い声をあげながら見守っているのだった。

「なんていう大きさだ……」
 ラッシュガードとサーフパンツ姿で男装した女性……アメリアが、ホワイトハウスが焼かれる光景を見て、そしてそれを焼いているフランメハイの巨体を見て、絶句していた。
「これだけ大きいと食いでも……じゃない、食われたらひとたまりもなさそうだな」
 何か微妙に別の本音が漏れていたような気もするが、ともあれ、フランメハイに恐怖するアメリアだった。
 だが、ここで何もしなければ街は蹂躙される。
 なのでアメリアは魔法を使う。魔法の炎が矢となりミサイルとなり、フランメハイへと突き刺さっていった。
「こっちだ! こっちにこいっ!」
 そしてフランメハイの意識を自らに惹きつけ、彼と追いかけっこをしながら街中を駆けていく。
 ウィザード・ミサイルの炎の矢で、フランメハイを攻撃しながら、街の建物を身を隠す盾とし、攻撃を放ってはその場を離れ、場所を変えてまた放つ。ヒットアンドアウェイの戦い方で、フランメハイをおびき寄せ、自分に攻撃を集めつつ、それを避け、そして攻撃を叩きこんでいく。
「私と君と、どちらが先に力尽きるか……勝負だ!」

「お兄ちゃんッ?!」
「……やぁ、ルインちゃん。もう終わったよ。これ以上の戦いは無意味だ」
 激しい戦いの末、ついにアメリアはフランメハイを打ち倒していた。
 ようやく追いついてきたルインが見たものは、地面に横たわって事切れている兄の姿。
「よくも……! よくもぉ……!」
 泣きじゃくり、アメリアに恨み言をぶつけるルインだが、フランメハイを……兄を失ってしまってはもう彼女に戦う力は残されていなかった。
「ルインちゃん、残念だ、お兄さんをこうしてしまったのは、君だよ」
「何言ってるの?! お兄ちゃんを殺したのはアンタじゃない!!」
「……確かに殺したのは私だ。だけど、お兄ちゃんにこんなことを刺せたのは君だ。その意味、よく覚えていてほしい」
「……っ」
 できれば彼女に反省してほしいと、心を鬼にして説教をするアメリアだが……どこまで言葉が通じたのかはわからないまま、ルインはそのまま逃げていき、都会の闇の中へと消えていった。

「やれやれ、仕方ないな。
 それより、この戦いでたくさんのサメが取れたわけだし、サメ料理のフルコースでも振舞おうか?」
 アメリアは、戦いを見守っていた市民たちにそう伝えると、サメの調理を始めるのだった。
「みんなで食べるとおいしいし、何より倒れていったサメたちの命を無駄にする事はないからね?」

 アメリアの作る様々なサメ料理が画面を彩り、スタッフロールに続いていく……。

●撮影後
「この後ルインちゃんはどうなるんだろうね、監督?」(もぐもぐ)
「続編とか作れたら、その時明らかになるかもなぁ」(もぐもぐ)
「続編でどうなるのか、私も演じてみたいです」(ぱくぱく)

 ……映画撮影に使われたサメ料理は、スタッフが美味しくいただきました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マナ・シュテル

ここまで派手にやってきたんですし、最後もド派手に決めましょう。

お兄ちゃんがサメ。そりゃ怖がられたり蔑まれたりもしましょうね。
でも、こんな事をすればますます怖がられるだけ。
『あなた達が本当に守りたいモノは何ですか?』
この問いと共に『答え続けてゆく問い』を発動。天使をサメと戦わせます。

何もサメ達を煽って人を食い散らすコトはないです。二人(?)で静かに、穏やかに暮らせればそれで良い、そうでしょう?
ルインさんが理解してくれたようなら、後は暴れ続けるサメに対してGoldRushを構えて。叫ぶと共にぶっ放します。
「もうやめて!お兄ちゃーーーーん!!」

最後は静かな暮らしに戻る二人を見送ってFin.ですね。



●ラストシーン打合せ
「ここまで派手にやってきたんですし、最後もド派手に決めましょう」
「ほうほう。どんな派手な演出にするかね?」
 監督とマナ・シュテル(カロチン摂って卵食って干物で懲らしめる系猟兵・f18064)は、ラストシーンの方向性を決めるべく打合せをしていた。
「……という感じで。CG飜には新しいCG作ってもらう事になりそうですけど。
 あと……ここまで、だいたいみんなサメは倒して終わってるでしょう?」
「そうだが、どうするつもりだ……?」
「ま、見ててくださいなっ」

●ラストシーン:マナの場合
「お兄ちゃん、これで最後よ!
 この国を滅ぼしてあげるんだから!」
 ホワイトハウスにやってきたルインは、最愛のお兄ちゃん……フランメハイにそこを襲わせようと号令をかける。
「~~~~~~~~~!!!」
 まるで空気を震わせるように、超巨大な空飛ぶサメ……フランメハイが吠える。
 巨大なサメは、その大きな顎から、炎を吐き出してホワイトハウスを焼いていく。
 それを、ルインは狂乱の笑い声をあげながら見守っているのだった。

「お兄ちゃんがサメ。そりゃ怖がられたり蔑まれたりもしましょうね」
 そんなルインの様子を、セクシー水着美女のマナは憐みの視線で見つめていた。
 ルインに対する同情。だけれどもこのままではいけないという強い決意。
 そう、こんな暴れ方をしていたら、いつまでも……。
「これではますます怖がられるだけ」
 だからマナは、ルインに近付いていき、声をかける。
「うるさいっ! この国の人間たちなんか、目いっぱい怖がればいいのよっ!」
 しかしマナの言葉は、ルインには届かないのか?
 いや、だからと言って、ここで諦めるわけにはいかない。
 だからマナは問う。問い続ける。力のある言葉で。
「『あなた達が本当に守りたいモノは何ですか?』」
 これはマナからルインへの問いかけであると同時に、【答え続けてゆく問い】と呼ばれるマナの力。
 それによって現れたのは、顔のない天使たち。
「私の、守りたいもの……」
 ユーベルコードによる力強い言葉は、ルインの心にも届き、ルインは一瞬の戸惑いの後に考え込んでしまう。
 そして、ルインの動きが止まったことで、お兄ちゃん……フランメハイは、マナに召喚された無数の天使たちに襲われていくのだった。
「お兄ちゃん?! 変な事言って、よくも、ルイン達を惑わして!」
 マナの語りかけは、お兄ちゃんを騙し討ちにするためかと激昂するルインだったが、そうではないとマナは優しく諭すように返すのだった。
「そうじゃないです。
 何もサメ達を煽って人を食い散らすコトはないです。2人で静かに、穏やかに暮らせればそれで良い、そうでしょう?」
「それは……」
 マナの言葉に再び逡巡を見せるルイン。
 マナの言葉は、直接ルインやフランメハイの脳内に鳴り響くように浸透していって、本当の望みという答えを浮き彫りにしていく。
 その答えが出るまで、顔のない天使たちは、フランメハイを攻撃していくが……それは決して彼を殺そうとする激しいものではなく。
 やがてルインは、マナに反論することもなく沈黙していき、そしてフランメハイも、空中で動きを止め……。
 マナは、最後の締めとばかりに、荷電粒子砲『Gold Rush』を構えた。
「もうやめて! お兄ちゃーーーーん!!」
「ちょっ?! なんで貴方がお兄ちゃんとかいうのよっ?!」
 ルインは思わずちょっとズレた文句をつけるが、マナはそれには全くかまわずぶっ放した。ちなみにこの荷電粒子砲、同じワードを叫ぶ人が多ければ多いほど威力も上がるという代物らしいが……今回お兄ちゃんと叫んだのはマナと、しいて言うならせいぜいルインだけなので、そこまでの威力は出なかったようだ。
 もっとも、それはそれでマナの予定通りである。
 荷電粒子砲はフランメハイの表面だけを焼いて、そして彼の動きを止めたのだから。

「復讐なんかやめて、せっかく生き残った兄妹なんだもの、2人で生きていくといいわ」
「はい……ご迷惑をおかけしました」
 戦いが終わり落ち着いたあと、本当の願いを取り戻りしたルインとフランメハイは、人里離れた山奥で静かに2人だけで暮らすことにしたと言い、マナに見送られて去っていくのだった。
 そしてその2人を見送るマナの姿がだんだんと遠景になっていき、スタッフロールが流れだす……。

●撮影後
「ところで、私、ご迷惑どころじゃないことしでかしてるんですけど、平和に過ごすエンドでいいんですかね?」
「大丈夫よ、ルインちゃん。綺麗に終わったのだから、そんな細かい事は誰も気にしないわ」
「……適当だな。まぁ、そんなもんだけど」
 撮影後、ルインとマナと監督は、笑いながらラストシーンについて語り合っていた。
「あ、でもこの終わり方じゃ続編とかは無理でしょうかね?」
「いやいや、続編なんてどんな終わり方しようが、作ろうと思えば作れるもんさ。気にすんな!」
 なお、現時点での続編の予定はありません。
 ありませんってば。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セナ・レッドスピア
引き続き理緒さんと
水着も引き続きUCの黒いチューブトップビキニ
(前のシーンの事は気にせず)

なかなかに欲望いっぱいなサメなのですね…
でもそれがルインさんに向けられちゃう予感が…

でもその前に私たちに向けられてますね、その欲望!
それが他の人やルインさんに向けられちゃう前に止めないと!

理緒さんを守る為にそちらに向けられた攻撃を阻止しつつ
(最悪庇って守る事も視野に入れて)
攻撃からの吸血で得られた血を利用し刻印覚醒「血力励起」で
自己強化を重ねながら攻撃!

ED案は
ルインさんそっくりな双子のお兄さんをサメの中から助け出し
兄妹再会を理緒さんと見届けます

…が、そのあと私達にカメラが…
というか水着がまた破れてて!?


菫宮・理緒
水着はフリルビスチェのセパレート。
え?つながり?ナニソレ?

いよいよ対決って……なにこの攻撃?
いろいろだだ漏れなんだけど!?

改造されたのは可哀想だけど。
だいじょうぶか『おにーちゃん』!

捕まっていなかったらいなかったで、
ルインちゃんの身が危なかった気がするよ。

ルインちゃん、ほんとにコレでいいの?
『おねーちゃん』にしない?

戦闘はセナさんとコンビで戦うね。
わたしは【等価具現】で攻撃を無力化していくよ。
さすがにこれは、当たりたくない、当てられない。

ED案。
双子のお兄さんがサメのコアにされていたけど、
倒した際に救出し無事再会!

でもなぜか、
カメラは破れた水着をアップにしてエンドロールへ。
監督、どうした(汗)


テティス・ウルカヌス
「ふっふっふ、ついにクライマックスシーンですねっ!
クライマックスとなれば、なにはともあれ、
ヒロインであるこの天才美少女アイドルであり国民的スターのテティスちゃんの歌声で締めに決まっていますよね!」

え、歌につながる展開?
やですねー、それを考えるのが雅監督と瑠璃脚本家さんのお仕事じゃないですかー!

「私はとにかく歌いますねっ!
さあ、私のヒットソング、【天使の歌】を全国100億人のテティスちゃんファンに届けましょうっ!」

あ、せっかくなので、敵役で活躍したルインちゃんも一緒に歌いましょ。

サメのバックダンスの前で、ルインちゃんと二人でエンディングテーマを歌いますね。

もー、これでまたファンが増えちゃいますね



●ラストシーン打合せ
「ふっふっふ、ついにクライマックスシーンですねっ!」
 などと言いながらない胸を張って高笑いしている人物がいるが、それは完全にスルーして、監督はセナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の2人に話しかけていた。
「お2人さんは、ラストシーンも一緒のつもりかい?」
「はいっ。引き続き理緒さんとやらせてもらえればとっ」
「うんうん。私達のコンビでフィナーレ飾っちゃうよっ」
 という事で、2人は、他の人たちとも違うラストシーンをどう作ろうかと相談を開始する。
 そのために見ているのは、今回の映画の設定資料だ。
 今までは巨大なサメがお兄ちゃんだということに注目して、あまりこのサメ自体の設定を見ていなかった。
 ので……資料をめくってみたのだが。
「なかなかに欲望いっぱいなサメなのですね……?」
「……なにこの攻撃? いろいろだだ漏れなんだけど!?」
 2人が問題にしているのは、フランメハイの攻撃にある、水着美女を捕食したいという渇望の事だ。
「それがルインさんに向けられちゃう予感が……?」
「あはは、さすがにそれは大丈夫ですよ。ええ、妹を襲うお兄ちゃんなんかいません!」
 2人の会話に割り込んできたのは、子役のルインだ。
 あくまでも設定だからと彼女は笑い飛ばす。
「まぁ、そのあたりのは、お色気路線で行くときは使えるかなって考えてな……そのあたり拾ってみるか?」
 監督は、笑いながらそう提案してみる。
 何せこのコンビ、前の撮影では見事に色気担当を演じてしまったのだから。
「う、またまた危なくなっちゃうんですねっ?!」
「そ、それでもいいんですけどーぉ」
 セナと理緒は恥ずかしそうに頬を染めながら顔を見合わせていた。
 そんなこんなで和気あいあいと打合せは順調に進み……。

「ちょっとー! 雅監督ー!
 この超絶美少女天才アイドルのテティスちゃんの提案をいつまで放っておく気ですかー?」

 ……あらゆる意味で終わりを迎えた。
 ていうか、雅監督って誰?俺?みたいな顔をして、監督がギギギっとその声の主のテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)の方を見た。見てしまった。
「まー、テティスちゃんの心は山よりも深く海よりも高いですから、その他の端役の皆さんの打ち合わせも必要だってのはちゃーんとわかってますよ。
 でも、メインヒロインとの打ち合わせも、そろそろ必要な時間じゃないですかっ?」
 そんなことを口走りやがった見た目だけなら可愛いが中身は悍ましい何かが、満面の笑顔で、監督や理緒やセナに近づいてくるのだった。
「ふっふっふ。クライマックスとなれば、なにはともあれ、ヒロインであるこの天才美少女アイドルであり国民的スターのテティスちゃんの歌声で締めに決まっていますよね!」
 言いやがった……ついに言いやがった……こいつ。
 監督は思いっきり頭を抱えるが……テティスは当然のように意に介さず。
 そして、打合せ中だった理緒とセナもテティスに気付いて、つい口にしてしまった。
「あ、他の出演者さん?」
「もしかして、このシーンは3人でやるのでしょうかっ?」
 おい馬鹿ヤメロ。なんでそんな自ら死地に飛び込むような真似をする。
 そうか、この2人は知らないんだ。この女の音波兵器を。
 ここまでの撮影でテティスが見せたのは、へっぽこな演技と絶望的な運動神経だけで、歌に関しては最初のシーンの時に全力で止めていたから、この2人は知らないんだ……。
 ああ、何だろうこの絶望感。
 この悍ましい女だけは隔離してソロでリプレイを書こうと思っていたのに、なぜか気が付いたら一緒になっていた。何を言っているのかわからねーと思うが おれもなんでこんなことをしてるのかわからなかった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ……もっと恐ろしいものの片鱗を、これから味わうのだ。
「アイドルさんなんだよね。主題歌歌うんだ?」
「あ、でも、シーンはどうやって歌につなげましょうか……?」
「え、歌につながる展開?
 やですねー、それを考えるのが雅監督と脚本家の瑠璃さんのお仕事じゃないですかー!」
 理緒とセナが真面目に応対しているというのに、この女は監督と脚本に丸投げである。ていうか誰だよ、雅監督って。脚本家の瑠璃さんって。
 ほら、そこの監督、俺の事じゃないよなーみたいな顔をしてないで、この女を押さえつけて、まともな2人だけで早くシーンを……。
「私はとにかく歌いますねっ!
 さあ、私のヒットソング、『天使の歌』を全国100億人のテティスちゃんファンに届けましょうっ!」
 嗚呼……もう逃げられないのか。
 つーか、お前のファンなんて、36世界全てを漁ったところで1人しかいねーよ!
 ……その1人からもしかして、この2人はテティスの事を素敵なアイドルだとか聞いている可能性はあるんだよな、同じ寮に住んでるんだし……あ、いや、時系列的にはこのシナリオ戦争前だから、まだ未来の話か……?
 まぁ、そんなことは兎も角だ、シーンはじめよっか?
 理緒とセナは……頑張っておくれ。
 一応ヒロインの出番は最後だと言いくるめておいたから、さ。

●ラストシーン撮影:理緒とセナの場合(+乱入するナニカ)
「お兄ちゃん、これで最後よ!
 この国を滅ぼしてあげるんだから!」
 ホワイトハウスにやってきたルインは、最愛のお兄ちゃん……フランメハイにそこを襲わせようと号令をかける。
「~~~~~~~~~!!!」
 まるで空気を震わせるように、超巨大な空飛ぶサメ……フランメハイが吠える。
 巨大なサメは、その大きな顎から、炎を吐き出してホワイトハウスを焼いていく。
 それを、ルインは狂乱の笑い声をあげながら見守っているのだった。

「待ちなさい!」
「これ以上はさせませんっ」
 そんなルインとフランメハイの前に、2人の水着美少女が立ちはだかる。
 可愛らしいフリルビスチェのセパレートがラブリーな理緒。
 ちょっとセクシーな黒いチューブトップビキニが眩しいセナ。
 2人の水着美少女が、これ以上の破壊活動を許さないと、立ち塞がったのだ。
 ビシッとポーズを決めて。

(「ほうほう。テティスちゃんほどじゃないですけど、あの2人もなかなか可愛らしいじゃないですか」)
(「今撮影中だから黙ってて?!」)
 ……なんでこの女、こんな上から目線なんですかね?
 少なくともお前さんのツルペターんな寸胴より、セナさんの方が遥かに均整の取れた美しいスタイルですが??
 いや失敬。撮影に戻ろう。

「ぐがが……オンナ、ミズギのオンナ……」
「えっ。お兄ちゃん?」
 理緒とセナを見たフランメハイは、今までとは違う熱の籠った目になる。
 そう、水着美女への渇望が表に出てしまったのだ。
「そんな、お兄ちゃん、その悪い癖まだ治ってなかったの?」
 ルインがまさかという顔をして、お兄ちゃんことフランメハイの方を見る。
 だが、フランメハイの目にはもう、2人の水着美少女しか映っていないようだった。
「いろいろだだ漏れなんだけど!?
 改造されたのは可哀想だけど、だいじょうぶか『おにーちゃん』!?」
「私たちに向けられてますね、その欲望!
 それが他の人やルインさんに向けられちゃう前に止めないと!」
「うん。捕まっていなかったらいなかったで、ルインちゃんの身が危なかった気がするよ……」
 サメの欲望にぎらついた視線に晒された2人は、若干引いたような呆れ顔をしつつも、それでもサメの欲望が他に向かないように、自分たちで受け止める決意をした。
「さ、さすがに私を襲うとか、お兄ちゃんはしないと思うけど……って、お兄ちゃん、私の言う事を聞いてー?!」
 ルインの制止も振り切って、フランメハイはその巨体を理緒とセナに向けて、大きな顎を広げながら、飛び込んできた。
「ルインちゃん、ほんとにコレでいいの? 『おねーちゃん』にしない?」
「しませんっっ?!」
 ルインを気遣う……というかルインを妹にしたがる理緒に向かって、フランメハイが飛び込んでくる。
「あぶないですっ?!」
 そこに理緒を庇うようにセナが飛び込んできて、フランメハイの歯が、セナの水着に引っかかる。まだ肌を晒すような事にはならないが……それでも布が千切れ、血が飛んだ。
「セナさんっ?!
 うぅ……さすがにこれは、当たりたくない、当てられないなぁ」
 セナがやられたのを見て、さすがに理緒も気合を入れなおす。
 再び大きな顎を広げて襲い掛かってくるフランメハイに対し、理緒の【等価具現】……手にしたタブレットから、先ほど見たフランメハイの攻撃を再現したCGが具現化して飛び出し、攻撃を相殺し、互いの歯で傷つけあったことでフランメハイの大きな口から血が迸る。
 そして、そのタイミングで、一度はやられたかに思われたセナが【刻印覚醒「血力励起」】……フランメハイが流した血を吸う事で覚醒し、立ち上がった。

(「ところでここにもセクシーダイナマイツな水着美女がいるのに、なんであのサメはテティスちゃんを襲わないんですか?」)
(「今いい所だから黙ってろ!」)
 いやほんと、撮影の邪魔しないでくれますそこの人?
 だが、そんな思いとは裏腹に、この女は、あくまでも自分の都合のいいように解釈してしまうのだ。
「あ、いい所、つまりメインヒロインの出番ですねっ!」
「いや、違っ?!」
 テティスはもちろんそんな空気は読まない。
 すたこらと飛び出していってしまうのだった。

「くっ……お兄ちゃん、さっきからあの女たちばかり……」
 セナが復活したことで、理緒とセナとフランメハイのバトルは最高潮に達していた……のだが。
「ルインちゃん! ここは私たちの歌で終わらせましょうっ!」
「えっ?」
「エンディングは、サメがバックダンスする中、メインヒロインの私と敵役ヒロインのルインちゃんの合唱で決まりですっ!」
 おい馬鹿ヤメロ。
 つーかもう完全にそれ台詞でもなんでもないだろ。今撮影中だぞ?
「あ、あの……」
 ほら、子役のルインちゃんも完全に話から取り残されているよ。
 一応今の間は、理緒とセナの戦闘シーンにカメラは向いているわけだけど……。
「では歌いましょー!
 国民的アイドルテティスちゃんのスーパーヒットナンバー!『天使の歌』!」
 あーあ……歌っちゃった。
 誰が【天使の歌】なんて名付けたんだ。
 地獄で唸る魔獣の遠吠えだって、これに比べりゃ極上のミュージックだぜ?

 間近で聞かされてしまったルインはもちろん、監督や撮影スタッフも、全てぶっ倒れて卒倒していた。
 フランメハイの撮影用ロボットは粉々に砕け、中で操縦していた特撮スタッフが投げ出されてぶっ倒れている。
 理緒とセナに至っては、完全に意識は吹っ飛んで倒れているだけではなく、超音波で水着が粉々に砕け散ってすっぽんぽんになってしまっていた。

※あまりにも死屍累々な姿を映すのは忍びないので、しばらく理緒とセナのセクシーなヌードで横たわっている図でもご覧ください。

「もー、これでまたファンが増えちゃいますねー♪」
 そんなわけねぇだろ?
「う、うぅ……」
 テティスがドヤ顔でご満悦な中、ルインはプロ根性でなんとか立ち上がる。
 三半規管が粉々に破壊されているだろうに……この子役すごい。絶対将来大女優になれるよ。
「お、お兄ちゃん、まさか、元の姿に戻れたの……?」
 どうやら、撮影用ロボを操縦していた中の人をお兄ちゃんの本当の姿という事にして、アドリブで芝居を続けるようだ。
「え、俺……?」
 もちろん戸惑っている中の人だが、一応事前打ち合わせで理緒とセナから提案されたエンディング案……サメのコアにされていた兄を助け出してのハッピーエンド……ではあったので、何とか芝居についていく。
「お兄ちゃんが元に戻れたのなら、もういいの。2人で故郷に帰りましょう……?」
 そして、2人が故郷へ向けて旅立つ姿を、やはりプロ根性で立ち上がったカメラマンが撮影し、物語は一応終わりを迎えたのだった。

「うんうん。感動のエンディング、全てはテティスちゃんおおかげですねっ!」
 うるさいよ。

 なお、エンディングロールの間ずっと、理緒とセナが裸で倒れている絵が流れていたという。
「どうしてですか監督?!」
「なんで私達にカメラがー?!」
 わかってやって。あの女を映したくないんだよ……。

●そして完結へ
「……まぁ、いろいろ悍ましい何かもあるし、肌色も多すぎるから、この最後の奴は、ブルーレイ版の映像特典行きだな……」
「あはは……頑張ったのに、ねー?」
「でもでも、あの裸のシーンが映画館の大スクリーンに流れるのはちょっと、ですしっ」
 苦笑しつつも仕方ないかとため息をつく理緒とセナである。

 そしてそれ以外で撮影された各エンディングのどれが、本当のエンディングとして採用されたのかは……実際に映画館で見てほしい。

「もちろん、テティスちゃんの大活躍が真のエンディングですよねっ!」
 ねーよ。

 ともあれ、猟兵達の協力で、映画は無事……無事?に?完成したのだった。
 ハチャメチャでジェットコースターのようなストーリーとサメづくしのバトルで、一部にカルト的な人気が出たそうな。
 めでたしめでたし。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月16日


挿絵イラスト