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ザ・テンタクルス・レイダーズ

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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●略奪する触手
 アポカリプスヘル。オブリビオンの略奪者が闊歩する荒廃した地にて、しかしそれでも人々は、明日への希望を信じて営みを続けている。
 だが、そんな希望さえも摘み取るべく、オブリビオン達は執拗に人類の拠点へと攻撃を繰り返していた。食糧、資源、そして生きた人間でさえも、全ては彼らの略奪の対象なのだ。
「うわぁぁぁっ! 暴れ触手馬だぁぁぁっ!!」
「ちょ、ちょっと! 離しなさ……ひゃぁっ! ど、どこ触ってんのよ!」
 かつてのショッピングモール跡地に設けられた拠点を、今日も怪物が襲撃していた。頭部の代わりに無数の触手を携えた馬は、瞳などないにも関わらず、的確に人々へ襲い掛かり、攫って行く。
 男も女も関係なく、およそ若者と呼ばれる存在は、触手馬が襲撃する度に攫われていった。今となっては、拠点に残されたのは老人と幼い子どもばかり。おまけに、食料も根こそぎ奪われて、彼らは明日も知れない状態だ。
 こんな状態では、次に何かの襲撃があった場合、拠点を守ることは不可能だろう。だが、残された者達に何ができるというわけでもなく、彼らはただ、悲しみに打ちひしがれる他になかった。

●触手要塞攻略指令
「アポカリプスヘル……。相変わらず、この世界は弱い人に容赦ないわよね」
 そんな世界で、今日も略奪者(レイダー)と呼ばれるオブリビオンによって、襲撃される拠点の未来が予知された。幸い、敵の根城にしている要塞の場所は割れているので、今度はこちらから要塞に潜入し、奪われた物資や攫われた人々を取り返して欲しいと、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は軽く溜息を交えながら呟いた。
「拠点を襲う略奪者のオブリビオンは、なんか頭が触手になったキモい馬ね。後頭部が急所なんだけど、それ以外の場所は攻撃しても、あまり効果がないみたい」
 的確に急所を狙撃する手段がなければ、必然的に馬の上に跳び乗って、触手に襲われながら急所を突くことになる。かなり危険を伴うが、他の部位を狙っても効果が薄いのでは仕方がない。
「この馬達は、昔の研究所の跡みたいな場所を要塞に使っているわよ。食糧だけじゃなくて、若い人なら男でも女でも攫って……あ、でも、不思議と子どもは攫わないみたいなの」
 いったい、そんなことをして、彼らに何の得があるというのだろう。怪物の考えることはどうにも理解できないが、しかし彼らが妙に統率されているというのも気にかかる。
 恐らく、要塞には触手馬を率いる親玉のようなオブリビオンがいるのだろう。食糧だけでなく人間を攫わせているのは、彼らを奴隷として扱うためなのかもしれない。男達は鞭の如き触手で叩かれながら強制労働をさせられ、女達は触手に巻かれて、あんなことやこんなことを……ここから先は、もう全て言わずとも分かるはず。
「拠点から若い人が全部攫われたら、残った人はお爺さんやお婆さんと、後は小さな子ども達ばかりになっちゃうわ。そうなったら、もう拠点を守れる大人は誰もいなくなって大ピンチよ」
 そうなる前に、敵の拠点を攻略し、奪われた物資を奪還したり、攫われた人々を救出したりせねばならない。まずは、研究所の跡地近くまで転送するので、上手く潜入して攫われた人々を助け出し、要塞を牛耳る親玉のオブリビオンを撃破する必要がある。
 研究所跡地には謎の液体やガスを噴出する場所があり、それらは要塞の罠として機能しているようだ。触れたが最後、防具を溶解させられたり、神経ガスの作用で変な気分にさせられてしまうかもしれないので、要注意。
「触手を使う敵に、変なガスや液体の罠とか……正直、絶対に嫌な予感しかしないわよね。でも、放っておくわけにもいかないし……力を貸してくれると嬉しいわ」
 こういった事件を地道に解決して行けば、それらはやがて、人類文明の再建に繋がるかもしれない。そう言って、パトリシアは猟兵達を、要塞と化した研究所の跡地へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 荒廃した世界、触手モンスターが発生しました。
 罠だらけの要塞に、触手を使う敵ばかりという時点で、お察し下さい……。

●第一章
 オブリビオンが要塞化した、かつての研究所跡地を探索します。
 内部には奴隷化された人々に加え、怪しいガスが漏れている個所や、謎の液体で満たされている場所があります。
 迂闊に触れてしまうと、罠の効果で酷い目に遭うかもしれません。

●第二章
 触手暴れ馬と要塞内部で戦います。
 周囲に奴隷達がいるので、敵の攻撃から庇いつつ戦って下さい。

●第三章
 要塞のボスと戦います。
 前の章で奴隷達を救出していれば、彼らも武器を手に取り支援してくれます。
 彼らの戦闘力はそこまで期待できませんが、要塞内部の地形を熟知しているので、それらを利用する場合は役に立ってくれるでしょう。
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第1章 冒険 『かつて研究所だった場所』

POW   :    壁や扉などの罠を力任せに破壊し調べていく

SPD   :    少しばかり弄ってやればこんな罠など余裕で解除

WIZ   :    なにも真正面から進むだけが能じゃないよ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロート・カニーンヒェン
「難しいことわがんにゃい!なのでパワー任せでイクゾー!!」(POW)
壁も罠もサイコキネシスで壊しながらガンガン進むよ!罠にかかるかもといわれたけど自分だけなら気にしないね、怪しいガスも謎の液体もドンと来い!フリじゃないぜ!!(アドリブ歓迎です)


阿梨耶・識
若い男女を攫う馬……残されたお年寄りや幼子の為にも早く助けなければ。物資も奪われているなら尚の事、急がないと。
しかし研究所か……ホントにイヤな予感しかしないのだが。

罠は見て分かるのは避けたいところだが、液体やガスだと解除するのは難しそうだな。
だが物理的な拘束力はないだろうし、突っ切るほかないか。
例え呼吸できなくなるような濃度のガス、液体の中であっても【ハイカラさんは止まらない】で乗り切ろうか。
先へ抜けるか、ガスや液体の溜まった先に抜け道でも探すか……
何かに没頭していれば私が止まる事はない。

※アドリブ歓迎 ※他の人との会話は「接客口調」です。


クロエ・アスティン
ここがアポカリプスヘルの世界でありますか?
助けを求める人がいるのであれば、自分、頑張るであります!

まずは敵の拠点の探索でありますね
捕まった人々が心配であります。ここはなるべく見つからないように侵入です!

隠れて研究所の周りを調べて、自分が潜り込めそうな通風孔がないか探してみるであります!
無事見つかればなんとか潜り込んで服が汚れるのも構わず進んでいきます!

匍匐前進で進んでいってると空気がなんだか甘くなって……?
はっ、もしや怪しいガスの排出にも使われて……!?
とっさに息を止めようとするが時すでに遅し
ガスで敏感になったせいで床とこすれた部分が気持ちよくなってきて……

※アドリブや他の方との連携も大歓迎



●潜入、危険な研究所!?
 朽ち果てた壁に、割れた窓ガラス。巨大な墓標の如く聳え立つ研究所の跡地を前に、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は両手の拳を握り締め、まだ見ぬ人々を救うべく動き出した。
「ここがアポカリプスヘルの世界でありますか? 助けを求める人がいるのであれば、自分、頑張るであります!」
 ここは既に敵の領域。迂闊に進めば、まず間違いなく見つかってしまうだろう。
 それならば、こっそりと潜入するのがセオリーというもの。とりあえず、扉や窓の他に入れそうな場所がないか探していると、なにやら通風口のようなものを発見した。
「……ここから入れそうでありますね」
 幸い、周囲に敵の姿はなく、見張りの気配も感じられない。大人であれば入り込むのが難しい通風孔だが、小柄な自分なら、なんとか潜り込むことができそうだ。
 服が汚れるのも構わず、クロエは通風孔の中を這うようにして進んで行った。途中、ネズミかゴキブリにでも出くわすかと思ったが、幸いなことに、アリの子一匹の気配さえしなかった。
「今のところ、順調に進め……って、な、なんでありますか、この匂いは!?」
 だが、気が付くと、クロエの周囲を漂う空気が、なんとも甘いものになっていた。
 もしや、この場所は研究所跡地で生成されている、怪しいガスの排出口だったのではあるまいか。それならば、ネズミ一匹さえいなかったことも納得がいく。彼らは動物の本能で、ここが危険な場所であると察し、敢えて避けていたに違いない。
「んぐぐ……し、しまったで……あります……」
 慌てて呼吸を止めようとしたが、時既に遅し。しかも、どうやらガスは皮膚からでさえも吸収されてしまうようで、どちらにしろ息を止めたところで意味はなかった。
「……ひゃんっ!! か、身体が擦れた部分が……変な感じに……」
 ガスの効果で全身が敏感になったクロエにとっては、今や匍匐前進をすることさえも困難であった。それでも、懸命に快感に抗いつつ進んで行くが、無意識の内に身体を床に擦り付け過ぎていたことが災いし。
「……!? ひゃぁぁぁっ!!」
 老朽化して脆くなっていた個所が、振動に耐えかねて大きく抜けた。同時に、クロエの身体も盛大に通風孔から落下して、眼下に広がる怪しげな部屋の中へと落ちて行った。

●潜入はパワーだぜ!
 敵の要塞と化した、かつての研究所を攻略する任務。重要なのは、いかにして感づかれずに潜入することなのだが……それらをマルッと無視した上で、力技で解決する方法も、ないわけではない。
「難しいことわがんにゃい! パワー任せでイクゾー!!」
 細かいことを考えるのが苦手なロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)は、そう言うや否や、いきなり研究所の壁をサイコキネシスでブチ破った。
「ボロボロの建物だから、壁も脆いね。よ~し、この調子でガンガン進むよ!」
 敵地である以上、どんな罠があるか分からない。しかし、それさえも力技でブチ壊して行けば大丈夫だと、ロートは何ら気にせず進んで行く。
「怪しいガスも謎の液体もドンと来い! 全部まとめて、吹っ飛ばしてやる!」
 ついでに、面倒な探索も壁をブチ抜いてショートカットだ。迷宮なんて、真面目に攻略するのは面倒臭い。ここが荒廃した世界なら、力こそ正義と言えるはず。
 盛大に壁をブチ破りながら、ロートは本能の赴くままに、どんどん奥へと進んで行った。もっとも、その途中でガスや液体を浴びまくり、気が付くと随分と身体が火照っていた上に、衣服もボロボロになっていたのだが。

●秘密の潜入任務
 危険な罠や、怪しげなオブリビオンが待つ研究所跡地。そこに攫われた人々を救うべく、阿梨耶・識(ハイカラさんのパーラーメイド・f22804)は油断なく周囲の様子を警戒しながら歩を進めていた。
「しかし、研究所か……。ホントにイヤな予感しかしないのだが」
 単なる廃ビルならともかく、研究所ともなれば、危険な化学物質が多数残されている可能性もある。それらをオブリビオンが利用して来ることを考えると、下手を打てばミイラ取りがミイラになるのは自明の理。
 残された老人や子どものことを考えると、一刻も早く、攫われた人々を助けねばならなかった。食糧や物資まで奪われているなら、尚更だ。それらなくして、この荒廃した世界の中で、力無き者達が生きる術はない。
「罠、か……。だが、探索に『没頭』していれば、私に攻撃は届かないはずだ」
 後光を激しく輝かせながら、識は敵に発見されないよう注意しつつも、躊躇うことなく施設の中を進んで行く。途中、いくつかのトラップが彼女にガスや液体を浴びせようとしてきたが、それらは全て彼女に届く寸前で、不思議な力によって弾かれた。
「ふむ……ここは何の部屋だ?」
 重たい鉄の扉を開けて、識はそっと中へと足を進める。見たところ、壁に張り巡らされたパイプから、微かにガスが漏れているようだが。
「どうやら、ここが怪しげなガスの生成場所のようだな」
 ここを攻略すれば、もしかすると研究所内のガスを止めることができるかもしれない。後続の者達のことや、これからの戦いを考えると、やっておかない理由はない。
 部屋の中に制御装置のようなものがないか、識は周囲を探して回った。が、彼女が目ぼしい機械を見つけて駆け寄ろうとした瞬間、唐突に天井の板が外れ、何かが悲鳴と共に降ってきた。
「ひゃぁぁぁっ!!」
「……うぐっ!?」
 探索に没頭し過ぎていたことで、識は崩落した天井の直撃を食らってしまった。彼女が防ぐことができるのは、あくまで何らかの『攻撃』のみ。故に、突発的に起きた不慮の事故まで、防ぐことはできないのだ。
「はぁ……はぁ……。こ、ここは……どこでありますか……?」
 落下して来たのは、あろうことかクロエだった。どうやら、通風孔の中を進んで来たようだが……それにしては、随分と顔が赤く、様子も変だ。
「ど、どうしました!? しっかりしてくださ……っ!!」
 慌ててクロエを抱え起こした識だったが、次の瞬間、彼女もまた顔を顰めつつ口元を覆う。通風孔に開いた穴から漏れ出たガスが、気が付けば部屋の中に溢れかえっていた。
「くっ……! 今の私に、『攻撃』は通用しないはずでは……」
 全身に駆け廻る妙な気分に、識の頭はしばし混乱していた。今まで、罠として噴射されたガスは防御できたのに、ここに来てガスの影響を受けてしまうとは。
「そ、そうか……。自然に……溢れ出たガスは……『攻撃』……ではない……。何らかの形で……『進んで攻めて』くるものでなければ……私の後光でも防げない……か……」
 何らかの意思を以て繰り出された技や、敵対者を『攻撃』するために仕掛けられた罠であれば、それらは全て遮断できる。しかし、単に風に乗って流れて来るだけのガスは、そもそも彼女を『攻めようとして』放たれたものではないため、ユーベルコードでも遮断することができなかった。
 このままでは、遠からず全身がガスに蝕まれ、敵と戦うどころではなくなってしまう。なんとかしてガスの流入を止めるしかないのだが、歩く度に身体が痙攣し、凄まじい快感が迸って、抗うことさえ困難だ。
「くぅっ……! こ、こんな……はずでは……」
「ひゃんっ! ふ、服が擦れるだけで……変な感じに……。あぁ……も、もう……ダメでありま……す……」
 識もクロエも、完全にガスに飲み込まれ大ピンチ! もはやこれまで、彼女達も遠からず触手馬の餌食になってしまうのかと思われたが……どうやら、最後の最後で天は二人を見捨ててはいなかったようだ。
「せりゃぁぁぁっ! ……って、あれ? なんか、部屋の中で人が倒れてる?」
 盛大に壁をブチ破り、現れたのはロートだった。壁が破壊されたことで、充満していたガスが部屋の外へ抜けて行く。それにより、少しばかり身体の自由を取り戻した識が、すかさずガスの生成システムのスイッチを止めた。
「……ふぅ、間一髪でしたね。ありがとうございます。助かりました……」
「ん~、なんか知らないけど、助けになったなら良かったよ」
 状況が飲み込めていないのか、ロートは識に向かって首を傾げているが、それはそれ。途中、危ない目に遭いつつも、ガスの生成システムを止められたことで、これから先の探索や戦闘が、楽になったことは間違いないだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
【POW】
囚われの人達を救い出すためにシャーリーと一緒に要塞に挑む。

俺は服を溶かされようがえっちな気分になろうが構わないけど、シャーリーに恥ずかしい思いはさせたくないからトラップが発動したら彼女を【かばう】。
もしシャーリーが服を溶かされたら上着を脱いで渡す。無いよりはマシだろ。

で、怪しいガスでえっちな気分になったら……シャーリーにひどい事する前に【気合い】で乗り切る!
頑張れ! 負けるな! 俺の理性!

(アドリブOK。NGなし)


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
(POW)
奪われたものは奪い返す!
これが海賊の流儀だよっ

廃墟の中を罠を警戒しながらオブリビオンの元を目指す
先行した猟兵のおかげでガスも薄らいでるから楽になったかも?
(※…と油断してたら液体トラップの直撃を受けてスペーススク水が!)

…油断大敵、だね
(※手近なもので体を隠して)
でもこれ以上脱がされる心配はないから後は何が来ても怖くないっ!
(※ところが生成は止まってもガスはまだ残留していた!)
あれ、何だかいいニオイ…?
頭もぼーっとしてきた…
ウィーリィくん、ちょっと一休みしない…?

【アドリブOK NGなし】



●油断は大敵?
 食料や物資だけでなく、人でさえ攫って行く触手馬。荒廃した世界を立て直すことを考えると、人的資源の損失は、ある意味では食べ物を奪われる以上に深刻だ。
「奪われたものは奪い返す! これが海賊の流儀だよっ!」
 相手が略奪者(レイダー)を名乗るなら、こちらもルール無用の海賊流でやらせてもらう。気合を入れて要塞の探索に挑むシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)だったが、その一方でウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は、どうにも嫌な予感でいっぱいだった。
(「俺は服を溶かされようが、えっちな気分になろうが構わないけど、シャーリーに恥ずかしい思いはさせたくないからな……」)
 最悪の時は、自分が盾になるくらいの覚悟は決めていた。もっとも、そんなウィーリィの覚悟など知ってか知らずか、シャーリーは意気揚々と正面から、大胆にも研究所の跡地へと乗り込んで行った。
「先に入った人達が罠を解除してくれたのかな? ガスが出てこないから、安心だね♪」
 先行した猟兵達の活躍もあり、一部のガストラップは機能を停止していたため、シャーリーは解くに警戒することなく研究所の中を進んで行く。途中、罠らしい何かがあっても、ガス欠なのか気の抜けたような音が出るだけで、中からは何も発射されなかった。
「これなら余裕だね。楽勝、楽勝……って、ひゃぁっ!!」
 だが、ガスはなくなっても、怪しい液体が残っているのを忘れてはいけない。案の定、スプリンクラーから散布された謎の化学薬品によって、シャリーの着ていた衣服が瞬くまに溶かされ始めたではないか!
「うぅ……スペーススク水が……」
 慌てて両手で胸元を隠すも、その間にも衣服は溶けている。このままでは下まで完全に溶かされてしまい、一糸纏わぬ丸裸にされてしまう!
「……ほら、これでも着てろよ。ないよりマシだろ?」
 見兼ねたウィーリィが自分の上着を差し出して言ったが、そんな彼自身、今のシャーリーの姿を直視できず、顔を真っ赤にして視線を逸らす他になかった。
「油断大敵、だね。でも、これ以上脱がされる心配はないから、後は何が来ても怖くないっ!」
 スプリンクラーが止まったことで、シャーリーは改めて気合を入れ直して叫んだ。こういった場所で、そんな台詞を吐くこと自体、完全に死亡フラグだということを忘れているようだが、それはそれ。
「よし、さっさと行くぞ。もたもたしてたら、こっちまで服を溶かされ兼ねないからな!」
 これ以上、変な罠に掛かるのは御免だと、ウィーリィはシャーリーの手を引いて、足早に廊下を進んで行く。幸い、この一帯は老朽化が特に進んでいるようで、罠らしい罠もなかったが。
「あれ、何だかいいニオイ……? 頭もぼーっとしてきた……」
「げっ! こ、こいつは……ヤバい! 逃げるぞ、シャーリー!」
 廊下の一角に充満していたガスに気が付き、ウィーリィが口元を抑えた時は、既に遅し。確かに先行した猟兵達によって『ガスの生成』は阻止されたが、それ以前に生成されていたガスや、研究所内のあちこちに充満していたガスに関しては、全く処理がされていなかったのだ。
「ふぅ……なんだか、ちょっと疲れちゃった。ねぇ、ウィーリィくん、ちょっと一休みしない……?」
「ひ、一休み? ……って、こら、シャーリー! それ以上くっつくなって!!」
 ガスの効果で朦朧としたまま倒れかかって来るシャーリーを受け止めながらも、ウィーリィは必至に自分の内なる欲望を、残された僅かな理性で押し留めようと頑張った。もっとも、自分自身もガスにやられている中で、上着の下には何も着ていない少女が胸を押し付けてくる状況では、理性などあってないようなものだ。
(「こ、このままじゃ、理性が負けてシャーリーに酷いことしちまうかも……。く、くそっ……早く、この部屋から抜け出さないと……」)
 もはや歩くことさえ叶わない程に腑抜けてしまったシャーリーを背負い、ウィーリィは辛うじてガスの充満した地帯から脱出した。が、ようやく安全な場所に辿りついた時には、彼の精神は完全に限界を迎え、暴走の一歩手前で力尽きていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルーク・アルカード
ルク(f14346)と一緒。

・心情
けんきゅーしつってなにしてるところなんだろうね?
美味しい物とか楽しい玩具あるのかな?

変な臭いのガスや液体あるし、あぶなさそう。

・行動
早く捕まってる人たすけなきゃね。
……ルク、手、つなご?

ルク?どうしたの?
うわっ(しがみつかれて謎の液体へ倒れ込み、ガスを思いっきり吸引。

ん……へんなきぶんする……。
頭なでなでしてほしい(ルクに頭をスリスリ


ルク・フッシー
ルークさん(f03212)と一緒
アドリブも酷い目も大大大歓迎します

ひええ……罠だらけの研究所…触手のオブリビオン……
命以外が危険すぎる依頼です……(ぐすん、ぐすん)
でも、とにかく探索しないと…ルークさんも一緒ですし、こわくない…こわくない…(怖い)

(どうしても少しずつ変なガスを吸ってしまい、だんだん息が荒くなる)
ぜぇ、ぜぇ…ううっ、ガスが、入っちゃいます…
だ、だいじょうぶですか、ルークさん…

あう…もう、だめぇ……
でも、捕まった人…たすけなきゃ…
あへ、えへへ……あはははは……(ガスでハイになる)
ルークさぁん……(ルークにしがみつく)



●身体がハイになる!?
 忘れ去られた研究所。かつて、この場所でどんな研究が行われていたのか。オブリビオンの巣窟と化した今となっては、それは誰にも分からない。
「ひええ……罠だらけの研究所……触手のオブリビオン……。命以外が危険すぎる依頼です……」
 そんな場所であるからして、ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)はのっけから全身を振るわせながら怯えていた。
 まあ、それも無理のない話だ。なにしろ、ただでさえ危険な触手モンスターが跋扈する場所な上に、変なガスやら液体やらが今も生成され続け、オブリビオンが罠として利用しているのだから。
 仮に命が助かっても、敵に捕まってしまったが最後、死ぬより酷い目に遭わされるに違いない。だからこそ、絶対に油断してはならないのだが、それが却って彼の中に躊躇いの感情を抱かせてしまう。
「早く捕まってる人たすけなきゃね。……ルク、手、つなご?」
 見兼ねたルーク・アルカード(小さな狩人・f06946)が、ルクに手を差し出した。無言のまま頷いて、ルクはそれを握り締める。こうしていれば、少しばかり安心だ。少なくとも、精神的な面に限られるが、何もしないよりマシである。
(「ルークさんも一緒ですし、こわくない……こわくない……」)
 心の中で言い聞かせ続けるルクだったが、しかし内心では未だビビりまくりだった。今のところ、目立って酷い罠はない。触手怪物に襲われると思っていたが、そういったこともなかったので、思っていたよりは順調に探索を進められているようだが。
「……あれ? なんか変な匂いが……?」
「ガス漏れかな? 急ごう、ルク!」
 壁に張り巡らされたパイプに亀裂が走っていることに気が付き、ルークが慌ててルクの手を引いて駆け出した。しかし、それでも既にガスは廊下の中に充満しており、全く吸引せずに通り抜けるのは不可能だった。
「ぜぇ、ぜぇ……。ううっ、ガスが、入っちゃいます……。だ、だいじょうぶですか、ルークさん……」
「な、なんとか……。そういうルクこそ、平気?」
 息を止めたまま走ることで、辛うじて理性を保っていたルークだったが、肝心のルクの方は既にガスが完全に回ってしまい、頭の中までやられてしまったようだ。
「あう……もう、だめぇ……。でも、捕まった人…たすけなきゃ……」
 そのまま静かに崩れ落ち、しかし直ぐに起き上がる。もっとも、その瞳は既に光を失って焦点も定まっておらず、正気を失っているのは明白であり。
「あへ、えへへ……あはははは……ルークさぁん……」
「ルク? どうしたの? うわっ!!」
 そのままルクに抱き着かれたことで、ルークもバランスを崩して倒れてしまった。しかも、あろうことか、今の場所は運悪く研究所内に連絡通路として設置された橋の上。脆くなった手すりにぶつかったことで、そのまま崩れた手すりと共に、真下に流れる怪しい液体の中に落下してしまい。
「ん……ぷはぁ……。あれ? なんかドロドロするけど……まあ、別にいいかな♪ あはは……」
「ん……へんなきぶんする……。頭なでなでしてほしい」
 謎の液体と共に流されて行く二人の頭に、理性の二文字は残っていなかった。唯一の幸いは、液体の流れて行った先が、研究所の外ではなく中だったということか。
 のっけから色々なものを犠牲にして、二人はなんとか研究所内への潜入に成功した。このままでは、意識が戻った際に面倒なことになりそうだが……まあ、それは別の話である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フロウヴェル・ゼフィツェン
【恋華荘】の皆と参加なの。

こんな世界にも触手はあるの。人の業を感じるの。
でもオブリビオンならやっつけるの。

というわけで探索なの。
どんな罠があるか分からないし、気をつけて行くけど…
結局引っかかって服が破れて殆ど裸になっちゃうの。
いちごと、友達の皆しかいないから、気にはしないけど。というかいちごにはもっと見て欲しいの…♪
(頬赤らめて擦り寄り)
ん、いちごの肌すべすべで気持ち良いの♪

その後も暫くは裸のまま進行、いちご共々罠に巻き込まれていくの。いちごに色々触られて喜んじゃったり。
罠を一通り乗り越えたところで、頽廃たる夜会の招待状で服を作って着るの。他に服欲しい子いればあげるけど…ゴスロリ限定なの。


アイ・リスパー
【恋華荘】

「研究所跡地を要塞化した場所ですか。
皆さん、どんな罠があるか分からないので気をつけてくださいね」

【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピュータに接続。
五感を研ぎ澄ませて通路を進んでいきます。
怪しいガスや謎の液体は、成分を分析してみますが……

「なっ、こ、これ、媚薬と溶解液!?」

今は神託機械の副作用で神経伝達が向上し、毒物に弱くなっている状態。
媚薬のせいですぐに足元がふらつき……

足元が大きく崩れて、いちごさんたちと一緒に落下してしまいます。

「痛たた……きゃっ」

溶解液溜まりに落ちて露出した胸をいちごさんに触られて……
『こっちは……床ですかね……?』というコメントに落ち込むのでした。


霧沢・仁美
【恋華荘】の皆と一緒だよ。
アポカリプスヘル、話には聞いてたけど色々過酷そうな場所だよね…。
皆の為にも、頑張らないと。

怪しい罠とかが無いか警戒しつつ進行、何か発見次第念動光弾で破壊。
そんな感じで小さい罠はしっかりかわしていくけど、他のコが起動しちゃった媚薬ガスを吸っちゃってぼーっとした処に床の崩落に巻き込まれる。
何とか大したケガはせずに済むけど…む、胸に何か圧迫感が。

…見てみたら、いちごくんがあたしの胸に埋まってた。
嫌ではないけど、流石にこういうとこではちょっと恥ずかしいな…
(でも自分から退くようには言わない)
…アイちゃんがなんか凄い絶望的な顔してるけど…あ、あまり気を落とさないように、ね?


織笠・アシュリン
【恋華荘】
うぇぇ、触手……ここにもいるんだ……
まぁ、触手なら身内にすっごいのがいるし!
諦めてゴーゴー!(?)

まずは探索……こういう時にはこれだね!
「影の国より出でよ先触れ……我、女王の勅令をもって命ず!」
影の追跡者を召喚、先行させつつ
今足元からカチッって……
あ、影だから質量なくて罠に引っかからないんだって、きゃぁぁぁぁっ!?
思い切りガスの罠に!

あ、いちごぉ……!
再会したら急に愛おしくなって、抱きついちゃう
「そこに罠があるの見つけたよ!(物理で)ね、ね、褒めて?……少しは、胸だっておっきくなったよ……?」
キュンってして、「欲しく」なったけどどうするんだろ……?
本能だけで、分からないなりに迫る!


彩波・いちご
【恋華荘】
「皆さん、罠に気を付けてくださいね?」
何があるかわかりませんし、慎重に探索していきます…が
何故か周りが発動させた罠に巻き込まれて一緒に引っかかってしまいます

仁美さんと一緒に床が抜けて落ちて…気付いたら手や顔にふにふにと柔らかいものが…仁美さんの胸をクッションにして埋まってて
「す、すみません…」
どきたいけどしばらく私も動けなくて…
…固いのは床かと思ったらアイさん?

その後も巻き込まれて、何故かえっちな目に合ったりします
怪しいガスを吸ってふらふらと転んで押し倒して胸を揉んでいたり
怪しい液体で服が溶かされた裸を見てしまったり
などなどことごとく巻き込まれてしまいます
そのたびに赤面して平謝り


マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】
砂塵より故郷の森が恋しいですが、これも猟兵のお勤め
研究所の探索という事で、慎重に参りましょう

…いちごさんに助けられたのも、こんな廃墟でしたわね
あの時のことは、わたくし、思い出すと頬が赤くなります…

怪しげな噴出物は【見切り】も容易ですが
流石に大柄な愛車が通れない室内は歩いて入りませんと…

きゃあっ!?
い、いちごさんが急に覆い被さって…やめてくださいまし!
いきなり押し倒して胸を揉むとか、破廉恥過ぎますわ!

えっ、わたくしの避けたガスを浴びて…?
そうも謝られると、ついつい許してしまいます
(女装込みで)父の面影を感じるからでしょうか

◆愛車:シルフェリオン二世
緑色の大型バイク
六脚の歩行戦車に変形可


アイリス・ヴォルフェルト
【恋華荘】
触手、嫌な予感しかしません
えーと、流石に此処で漢感知と漢解除は無謀ですよね。それをしたら酷い目に遭うことしか想像出来ない
と、とりあえず剣で床とか壁とか叩いて罠の確認をしながら進みましょう
盾はずっと構えておきます。なにか罠が作動してしても盾で防ぎますよ!
って、ガスはダメー!?あ、あぅ、身体が痺れて、動けない……ま、麻痺ガス?
う、うぅ……きゃう!?麻痺って動けないからすっ転んだらいちごさんを下敷きに、しかもいちごさんの顔がお尻に……
う、うわーん!こんなんばっかだと本当にお嫁にいけなくなるよー!
しかも、なんかいちごさんの顔に乗ってるお尻が溶解液でパンツ溶け出してるしー!もう嫌だー!


ヴェール・フィエーニクス
【恋華荘】
うねうねたちと、あぶない液体&ガスの巣窟、です!?
嫌な予感たっぷりですけど、さらわれた人を助ける為、頑張ります、ですっ!

「虚鷲の目」で呼び出した幻影の鷲に研究所を偵察してもらい
あぶなそうな所を出来るだけ回避して進みます

でもどうしても突破しないといけない所に直面して
トラップ解除を試みますが…

それを待ちかまえていたように、あぶない液体が!
それをモロにかぶってしまい、あっという間に服が…

そこに駆け寄ってきたいちごさんに触れられると
いけない声を出しながら悶えてしまいます!?

それによく見たらいちごさんも液体をかぶってて服が…
…そのまま抱き寄せられて
お互いのドキドキが体に響いてきてしまい…



●出撃、恋華荘!
 荒廃した世界を生き抜く者達が、怪物の略奪者によって苦しめられている。話を聞いた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は、自らが管理する女子寮の面々と共に、分隊規模の戦力を引き連れて馳せ参じた。
「皆さん、罠に気を付けてくださいね?」
 自分も入れれば、総勢8名。それぞれが正しい動きさえすれば、一般的な強さのオブリビオンなら余裕で叩き潰せるだけの戦力である。
 だが、それでも、この人の口から『気をつけろ』と言われると、それ自体が死亡フラグになっているような気がするのは、何故だろうか。
「研究所跡地を要塞化した場所ですか……」
 恐らく、内部には未知の化学物質を利用した罠が設置されているのだろうと、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は、早くも覚悟を決めていた。幸い、彼女には毒物を探知したり、化学薬品を分析したりする能力がある。それを以てすれば、仮に何らかの罠にやられても、すぐさま処置ができる……と、思いたいのだが。
「うねうねたちと、あぶない液体&ガスの巣窟、です!?」
「うぇぇ、触手……ここにもいるんだ……」
 ヴェール・フィエーニクス(「涙を拭う手」のアサシン・f00951)と織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)は、要塞内に潜む危険な存在を想像し、早くもドン引きである。
「こんな世界にも触手はあるの。人の業を感じるの」
「……正直、嫌な予感しかしませんね」
 もはや覚悟を決めたのか、フロウヴェル・ゼフィツェン(時溢れ想満ちて・f01233)は淡々とした口調で語っていた。が、その一方でアイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)は、なにやらトラウマでもあるのか、明らかに腰が引けていた。
 だが、ここで諦めてしまっては、攫われた人達を助けられない。食料や物資と共に攫われたのは、若い男女ばかりだという。拠点に残されたのは、力の弱い老人や子どもばかり。これでは、遠からず物資や食料を調達できないまま飢え死にしてしまうか、他の略奪者(レイダー)達の襲撃を退けられず、遠からず全滅させられてしまうだろう。
「アポカリプスヘル、話には聞いてたけど色々過酷そうな場所だよね……」
 色々と意味深な含みを持たせつつ、霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)が研究所を見上げ。
「砂塵より故郷の森が恋しいですが、これも猟兵のお勤め。研究所の探索という事で、慎重に参りましょう」
 マイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)が改めて他の仲間達に告げたところで、恋華荘の面々は、危険な研究所跡地へと足を踏み入れた。

●最初から大ピンチ!?
 崩落の危険に加え、罠まで仕掛けられた敵の要塞。そんな場所を無防備に進めば、ミイラ取りがミイラになり兼ねない。ここは迂闊に歩を進めず、慎重に事を運ぶべきだろう。
「まずは探索……こういう時にはこれだね!」
 最初に罠の場所を探知しておこうと、アシュリンが影の追跡者を召喚する。これに先行させることで、罠の場所を予め特定しておこうという作戦だ。
「影の国より出でよ先触れ……我、女王の勅令をもって命ず!」
 自分の影から分離した黒い塊が、アシュリンに命じられるままに研究所の廊下を走り始めた。今のところ、何らかの罠が起動する気配はない。崩落の心配もないようなので、アシュリンは意気揚々と一歩を踏み出した……のだが。
「よ~し、出発進行……って、今足元からカチッって……?」
 なにやら嫌な予感がした時には、既に遅し。バルブの緩むような音がしたと思ったら、天井から一斉にピンク色のガスが噴き出して来た。
「あ、影だから質量なくて罠に引っかからないんだ……って、きゃぁぁぁぁっ!?」
 哀れ、噴射口の真下にいたことで、アシュリンはガスの直撃を食らってしまった。あまりの濃度に、視界がピンク色に染まって何も見えない。
「ア、アシュリンさん!?」
「のっけから、何やってんの!? 早く助けな……うぅ、こっちにもガスが……」
 慌てていちごと仁美が駆け寄ろうとするも、ガスの濃度が濃すぎるせいで、反対にガスを吸い込んでしまう始末。このままでは二人までやられてしまうと知って、アイリスがガスの成分を分析するも。
「電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン。オペレーション開始し……って、なにこれ!? ガスの成分は媚薬!? それに、原材料は……あわわわ……!!!!」
 分析結果を見るなり、顔を真っ赤にして硬直してしまった。おまけに、分析のために吸収したガスが彼女自身にも回ってしまい、その場にへたり込んでしまった。
「そ、そんな……。皆さん、しっかりしてください!」
 他の3人と比べてもガスを吸った量が少なかったのか、辛うじて正気を保っているいちごがアイリスに手を伸ばす。だが、そんないちご達とは違い、ガスの直撃を食らったアシュリンは、もはや完全に正気を失っている状態だ。
「あ、いちごぉ……!」
 充満したガスを掻き分けて現れるなり、アイリスに手を差し伸べていたいちごの背後から、アシュリンは盛大に抱き着いた。
「ア、アシュリンさん!? いったい何を……」
「そこに罠があるの見つけたよ! ね、ね、褒めて? ……少しは、胸だっておっきくなったよ……?」
 いちごの制止も聞かず、アシュリンはドサクサに紛れて胸を押し付け、そのまま押し倒さんと迫って来る。本能的にやっているのだろうが、それにしても色々とヤバい。特に、目など完全に焦点が定まっておらず、自分で自分がコントロールできていない!
「なんだか、始まったばかりなのに、大ピンチみたいなの」
 そんな中、ガスにやられてパニック状態の面々を、フロウヴェルが静かに見つめていた。どうやら、彼女も何か言いたいことがあるようだが、肝心のいちご達は、それどころではなく。
「あの……いちご? ここ、たぶん長居すると危険なの」
「えぇっ!? い、今、何て……ひゃぁぁぁっ!!」
 フロウヴェルが全てを言い終わる前に、盛大に崩落する研究所の床。構造的に脆くなっていた場所を踏み抜いてしまい、いちご達は下まで真っ逆様! 幸い、下が液体で満たされていたことで、大怪我はしなかったようなのだが。
「うぐぐ……み、皆さん、大丈夫ですか?」
「うん、平気……だけど、む、胸に何か圧迫感が……」
 顔を上げて状況を確かめるいちごと、その下敷きになっている仁美。よくよく見れば、いちごの身体は仁美の上に乗っており、胸元に顔が埋まっているではないか!
「はわわ……! す、すみません!」
 慌てて顔と手を退かしたいちごだったが、仁美は満更でもない様子。もっとも、さすがに他人の前では少しばかり恥ずかしかったのか、自分から攻めに出ることはなかったが。
「えぇと……こっちは……床ですかね……?」
 謎の液体に満たされた空間へ、そっと手を伸ばして歩を進めるいちご。今度は柔らかくないので大丈夫。そう思ってペタペタと探るように触ってみたが……次の瞬間、液溜まりから起き上がって来たアイリスの姿を見て、そのまま硬直してしまった。
「うぅ……酷いです、いちごさん……」
 あろうことか、それは一緒に落下して来たアイの胸だったのだ。だが、いくら小ぶりな胸とはいえ、床と勘違いするなどあんまりだ!
「えっと……その……あ、あまり気を落とさないように、ね?」
 瞳がフォローに入るも、胸の大きな彼女から言われては、アイの傷が抉られるだけだった。おまけに、謎の液体は繊維質を中心に分解する溶解液らしく、衣服の溶かされた状態では、むしろ身体のラインが目立ってしまい追い打ちでしかなかった。
「と、とにかく、早くここから脱出しましょう!」
 両手で顔を覆いながらも、まずは地獄の溶解液溜まりから脱出しようと提案するいちごだったが、媚薬ガスでやられた面々は、それどころではない。
「ねぇ、いちごぉ……なんか『キュン』ってしたんだけど……どうすればいいかなぁ?」
「ん、いちごの肌すべすべで気持ち良いの♪ いちごにはもっと見て欲しいの……♪」
 前からはアシュリンが、後ろからはフロウヴェルが、いちごのことをサンドイッチ!
「ひぇぇぇっ! ふ、二人とも! 今は脱出が先ですよ!」
 もはや、完全に進退窮まった。仕方なく、いちごは彼女達に貼り付かれたまま近くの梯子に手を伸ばすと、滑り落ちないよう注意しつつ、なんとか液溜まりを脱出した。

●暴走、ストロベリー!?
 要塞化された研究所の跡地へと赴いた恋華荘の面々だったが、お約束の如く、早くも大ピンチに陥っていた。
 リーダーであるいちごの服は、既にボロボロで見る影もない。仁美やアシュリン、それにアイやフロウヴェルも同様であり、彼女達に至っては、もはや全裸に近い半裸である。
 まだ、触手もボスも出て来ていないというのに、これは酷い。恐るべきは、アポカリプスヘル。その名が示す通り、この世界は色々な意味で、黙示録に記された地獄である。
「うぅ……ひ、酷い目に遭いました。さ、先を急ぎましょう……」
 全身に付着した溶解液を払いつつ、いちごは気を取り直して探索を再開した。もっとも、次に何らかの罠に掛かれば、その時は自分もただでは済まない。媚薬ガスと溶解液の効果で理性が半壊状態なのに、そこへ更なる追い打ちを食らったら、今度こそどうなるか分かったものではない。
「と、とりあえず、剣で床とか壁とか叩いて罠の確認をしながら進みましょう」
「私も幻影の鷲を飛ばしますね。あぶなそうな所を、出来るだけ回避して進めば……」
 このまま、いちごを生贄にするわけにはいかないと、今度はアイリスとヴェールが身体を張って、罠を見つけんと前に出る。念のため、盾を構えたアイリスを先頭にして進むことで、なんとか罠には引っ掛からずに進めているが。
「えぇと……これ以上、先に行くのは危ない……ですかね?」
 明らかに怪しげなスプリンクラーが大量に設置された天井を見て、アイリスが歩を止めた。
 恐らく、あの下を通ったが最後、媚薬ガスと溶解液の洗礼を浴びるに違いない。さすがに、あの数は盾でも防ぎ切れる保証はなく、そもそも自分以外の仲間を守れるだけの余裕もない。
 ここは、迂回して進むべきか、もしくは罠を解除した方が良さそうだ。ならば、解除は自分がやろうと進み出るヴェールだったが……そうやって罠を解除しに来る者がいることも、オブリビオンは予想済みだったのだろうか。
「え……? これは……二重罠!?」
 天井に伸びているケーブルをヴェールが切ろうとした瞬間、近くの壁が反転し、そこから危険な液体が溢れ出して来た。慌てていちごが駆けよるが、時既に遅し。溶解液で服を溶かされ、ヴェールは殆ど裸に近い状態に!
「だ、大丈夫ですか、ヴェールさん!?」
「はい、なんとか……ひゃんっ! な、なんだか、触られたところが熱くて、変な感じに……」
 心配して差し出されたいちごの手に触れた瞬間、ヴェールの身体を痺れるような感覚が襲った。そのまま、本能に任せて互いに抱き合ってしまう二人。密着状態で身体が擦れ、衣服も更に溶けて行き。
「ちょっと、なにやってるの、二人とも!」
 そのまま放置したら最後、危険な展開になると察してアイリスが駆け寄るが、罠だらけな場所で見境なく走るのは、あまりに迂闊だ。
「……って、ガスはダメー!? あ、あぅ、身体が痺れて、動けない……」
 天井から噴き出したガスを諸に浴びてしまい、アイリスもまた全身が痺れて動けなくなってしまった。しかも、その拍子に転んでいちごと衝突し、気が付けばいちごの顔がアイリスの尻の下敷きに。
「んぐぐ……く、苦しいです、アイリスさん……。それに、なんだか顔に柔らかいものが……」
「え? ひゃ、ひゃぁっ! な、なんか、いちごさんの顔に残ってた溶解液で、パンツ溶け出してるしー!!」
 あろうことか、アイリスは全身の服を溶かされるより前に、ピンポイントで下着だけ溶かされてしまったのだ。おまけに、その真下には、いちごの顔面。このままでは大事なところがいちごの唇と接吻してしまい兼ねないが、慌てて立ち上がったら最後、今度は大事なところが下から丸見えになり兼ねず。
「う、うわーん! こんなんばっかだと、本当にお嫁にいけなくなるよー! もう嫌だー!」
 泣きながら両手で下を抑え、アイリスは慌てていちごの上から離脱した。ギリギリのところで貞操だけは守れたが……しかし、目の前の罠はサッパリ解除されていないので、事態は何ら好転していない。
「皆様、今、お助け致しますわ!」
 見兼ねたマイエが飛び出したが、この状況で前に出るのは、あまりに無謀。普段であれば、愛車に乗って華麗に救出できるはずなのだが、この狭い廊下では、縦横無尽に大型バイクや戦車を乗りこなすわけにもいかず。
「マ、マイエさん……。今、こっちに来たら……ダメ……です……」
 残された僅かな理性を総動員し、いちごは一瞬だけ正気を保ってマイエにダイブ!
 押し倒されたマイエにしてみれば堪ったものではないが、しかし彼女のいたであろう場所に、媚薬ガスが大量に噴射されて来たとなれば話は別だ。
「きゃあっ!? ……やめてくださいまし! いきなり押し倒して胸を揉むとか、破廉恥過ぎますわ!」
 自分の胸元にいちごの手が伸びているのを知ってマイエが悲鳴を上げたが、それでもいちごは止まらない。自分の意思とは反対に、媚薬ガスを浴び過ぎた身体が、本人の制御を外れて暴走しているからだ。
「す、すみません……。マイエさんを守ろうとしたら……代わりにガスを浴びてしまって……」
「えっ、わたくしの避けたガスを浴びて……?」
 そういうことなら仕方がないと割り切るマイエだったが、それにしても酷い物である。潜入開始から1時間と経たず、恋華荘の面々は完全に媚薬ガスと溶解液にやられてしまった。
 もはや、こんな状態では、罠を解除して進むのも難しい。こうなったら、もう自棄である。天井のスプリンクラーは無視して、廊下の端まで一気に突っ走るしかない!
 媚薬ガスも溶解液も、ここまで浴びたら、後はどれだけ浴びても同じことだ。半ばヤケクソになったまま、いちご達は天井や壁から噴き出すガスと溶解液を浴びつつも、廊下をダッシュで走り抜けた。

●誕生、ゴスロリ美少女戦隊!?
 媚薬ガスと溶解液のトラップをくぐり抜けて先へと進んだ恋華荘の面々だったが、その代償は大きかった。
「はぁ……はぁ……。な、なんとか……先へ進めたでしょうか……」
 全身を溶解液でヌルヌルにされた状態で、いちごが身体を斜めに折って倒れ伏した。
「な、なんとか……生きてはいますけど……」
「うぅ……もう、本当にお嫁に行けない……」
 アイもアイリスも、両手で恥ずかしい部分を隠し、顔を真っ赤にして蹲っている。
(「いちごさんに見られても、不思議と嫌ではありませんが……」)
(「さすがに……ちょっと、恥ずかしいかな……」)
 マイエや仁美も、こうも大勢の前で肌を晒してしまうのは、少しばかり恥じらいの方が先立つようだ。
 もっとも、中には完全に暴走している面々もおり、特にアシュリンやヴェールに至っては、もう何がなんだか分からなくなっていた。
「ねぇ、いちごぉ……もっと触ってよぉ……」
「先程から……ドキドキが止まりません……」
 放っておいたら、再びお子様に見せられないような展開になり兼ねない。というか、既に半裸の美少女が謎の研究所内で大量に悶えている時点で、放送コードに引っ掛かる一歩手前な状態だった。
「貴種たるもの、装いはいつだって完璧に、なの。欲しい子がいれば、いくらでもあげるの」
 これ以上は限界だと察し、最後はフロウヴェルがユーベルコードで衣服を生成する。それにより、なんとか事なきを得る恋華荘の面々だったが……フロウヴェルの生み出せるのはゴスロリ服に限られるので、いちごも含めた全員が、ゴスロリに着替えさせられてしまった。
 敵の要塞と化した研究所の中で、似たようなゴスロリ衣装を着た者が8人も並んでいる。謎のゴスロリ美少女戦隊が誕生したところで、いちご達はなにやら奥の方の部屋から聞こえてくる声に導かれ、そのまま先を進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

篁・綾
WIZ分野で。

…別に正直に入り口から入ってあげる義理はないわよね。

少し離れたところから、入り口と関係ない場所を指定UCで分解。通気性を確保して。
人が居ないのを確認したら刀を振って、【衝撃波】を撃ち込むわ。

【第六感】にピンと来るものがあったら、そちらも衝撃波を撃ち込みましょう。
敵が居たら指定UCで殲滅しつつ、進んでいきましょう…。

…まぁ道はよくわからないのだけれど、建造物になっている範囲内の無機物を
端から分解しながら動いていれば大丈夫でしょう。天井まで27間半(50m)はないでしょうし。
生存者が居たら外へ逃し。
自分が何かに囲まれたら【空中戦】で外に逃げるわ。

…閨事にはまだ陽は高いものね



●謎のガスの成分は?
 オブリビオン達によって要塞と化した、かつての研究所の跡地。その内部に仕掛けられた、色々な意味で恐ろしい罠は、侵入者の存在を悉く拒み続けるもの。
 何の準備もなしに突入すれば、それだけで酷い目に遭い兼ねない。現に、先行して要塞へと赴いた猟兵達は、大なり小なりピンチに陥ってしまっていた。
「……別に正直に入り口から入ってあげる義理はないわよね」
 相手の出方が分かっているのに、それに乗ってやる必要はないというのが、篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)の考えだった。罠といっても、仕掛けられているのは殺傷能力の高い代物ではなく、主に精神に作用する類のものだ。それらがガスや液体であるならば、対処の方法はいくらでもある。
「うなり、うなり、荒ぶ春告の風よ……。冬の帳を打ち払うように、闇夜の空を薄紅に染めよ……」
 詠唱と共に手をかざせば、その部分の壁が桜の花弁となって崩れ落ちて行く。彼女のユーベルコードは、無機物を分解して原子レベルで構造を変換してしまうもの。これを使えば壁に穴を開けることはおろか、毒ガスを分解することも容易いはず。
「……まぁ、道はよくわからないのだけれど、大丈夫でしょう」
 この場所が敵の要塞であるならば、中枢へ向かうよう進んで行けば、目的の場所に辿り着ける。途中、敵の襲撃も予想していたが、しかし進めど進めど、敵が現れる気配はない。
 壁を分解し、時に刃でパイプを斬り払って進んだが、妙なガスや液体を噴射する仕掛けがある以外、特に変わったものもなかった。強いて言えば、ガスや液体を分解した際、その全てが分解されることなく、いくらかは残ってしまったことが気掛かりだったが。
「ユーベルコードは問題なく発動している……と、いうことは、このガスや液体には、有機体が使われている?」
 純粋なる化学物質ではなく、何らかの有機物が混入されているのだろうか。残りカスの量は極めて微量であり、それ自体には何ら特殊な効果もなさそうだったので、探索の邪魔にならないのは救いだった。
「なんとも奇妙な場所……何が出て来ても驚かないようにしないといけないわね」
 色々と気掛かりなことはあるが、今は攫われた人々を助けることが最優先。危険な毒物を分解しつつ、綾は朽ち果てた研究所の最深部を目指し、深く、深く進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

イリス・ローゼンベルグ
【POW使用、アドリブ歓迎】

相手は触手の化け物、ね
まあいいわ……悪なら殺す、それだけよ

化け物が相手なら擬態も適当でいいわね
少女の姿はある程度維持しつつ、いつ罠や敵が現れてもいいように腕を【茨の触手】に変化させて研究所を奥へと進行
いちいち罠を解除するのも面倒だわ、正面から叩き潰す
そして、毒があるのは私にとっても好都合、毒系のトラップがあった場合はわざと毒を受けて体内に取り込み
【薔薇は散らず】と【毒耐性】の効果でそれを自身のモノとする

ああ、肝心な事を忘れていたわ
誰か捕まっている人がいれば助けてあげましょう
私は優しいから、ね……フフッ



●綺麗な薔薇には……
 荒廃した世界で、人々を攫う触手の怪物。異形の馬と、それを操る正体不明の親玉がいると聞いて、イリス・ローゼンベルグ(悪を喰らう蠱惑の薔薇・f18867)は思わず苦笑した。
「相手は触手の化け物、ね」
 怪物というなら、自分も同じような姿をしている。もっとも、敵は擬態などするつもりもない上に、その力を悪事にしか用いないということが、イリスとの大きな違いであるが。
「まあ、いいわ……悪なら殺す、それだけよ」
 同じ触手でありながら、悪事に身を窶すのであれば倒すまで。人間が相手でないのなら、こちらも擬態に拘る必要がないのは幸いだ。
「いちいち罠を解除するのも面倒だわ。正面から叩き潰してあげる……」
 巨大な鞭のような姿となった腕を振るい、イリスは研究所跡の窓ガラスを叩き割ると、そこから内部へと侵入した。かつては一面を白い壁に覆われていた研究所は、しかし朽ち果ててから人の手が入らなくなって久しいのか、随分と酷い状況だった。
 薄汚れた壁に、亀裂の入った天井。床も脆くなっている個所があり、それに加えてオブリビオンの仕掛けた罠が、容赦なく侵入者達へと襲い掛かる。
 こんな場所、まともな人間では命がいくつあっても足りはしない。が、罠の類が神経毒に近いものであるのは、イリスにとって好都合。薔薇のバイオモンスターである彼女にとって、毒とは吸収し、そして利用するものでしかない。
「媚薬ガスに、服を溶かす溶解液? まあ、お約束と言えば、お約束だけど……」
 スプリンクラーから散布されるガスや液体を浴びても、イリスは平然とした表情で、反対にそれらを吸収して行く。下手に取り込めば、それだけで精神を侵されてしまう危険なガスだったが、毒に耐性を持つイリスにとっては、単なる空気や水でしかない。
「その程度? なら、期待外れね……」
 ガスと液体の大半を吸収し、イリスは再び探索を開始した。媚薬など吸収して大丈夫なのかと思われるが、彼女はそもそも人の姿に擬態した薔薇といった方が正しい存在のため、人間やそれに準ずる者を想定して調整された媚薬は、そもそも効果の薄いものだった。
「そういえば、捕まっている人がいるんだったわね。……でも、今のところ、それらしき人は見つからないけど……」
 ふと、この場所に赴いた理由を改めて思い出したイリスだったが、何故か人の気配が全くしない。牢屋にでも入れられているか、もしくは大きな部屋に監禁でもされているかと思っていた身としては、少々拍子抜けな展開だ。
 まあ、それでも構わない。敵が要塞の中枢におり、そこに人々が囚われているなら、戦いながら助け出すまで。
 これはもしかすると、久々に殺し甲斐のある外道に出会えるかもしれない。その胸に一抹の期待を抱きつつ、イリスは巨大な鉄の扉に茨の鞭を叩きつけ、強引に蹴り破って歩を進めた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『クリーピング・スタリオン』

POW   :    騎手を嬲る
【頸部の触手群】から【おぞましい形状】の【無数の肉紐】を放ち、【敵対存在の精神を破壊しかねない程の快楽】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    暴れ飛び跳ねる触手馬
【対象を触手で拘束し騎乗させる】事で【吸精暴れ馬状態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    精を啜り喰らう馬
【精気を奪う大量の粘液】を籠めた【背中で蠢く触手】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【快楽中枢】のみを攻撃する。

イラスト:猫背

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地獄の触手工場
 研究所跡に設置された罠を掻い潜り、なんとか中枢へと辿り着いた猟兵達。だが、そこで彼らが見たものは、触手馬達によって繰り広げられる、なんともおぞましい光景だった。
「はぁ……はぁ……」
「も、もう勘弁してくれ……。少し、休ませ……ぎゃぁっ!!」
 鎖のついた首輪を嵌められ、巨大な輪に繋がれた男達が、その輪を自らの手で押すことで、延々と回転させる労働に従事させられていた。少しでも休もうとすれば、それだけで触手馬達の触手が鞭のようにしなり、男達の身体を打つ。中には何度も打ち据えられて、既に傷だらけの者もいるようだ。
 そんな彼らが回している輪の中心からは、巨大な棒が伸びて研究所の発電システムに繋がっていた。奴隷を使って発電させることで、研究所跡に残された様々な設備を起動させているのだろうが……彼らの回す棒の役割は、それだけではない。
「#$▲%&●□?>#!」
「▽&%$●#*!」
 人間には発することのできない奇妙な声で会話をしながら、触手馬達が人々から奪った食料を妙な機械へ投入して行く。その機械も男達の回す棒に繋がっており、投入された食料は内部で磨り潰され、ペースト状になったものがチューブの中に注がれている。
「んぐっ! ぷはぁ……も、もう無理……」
「こ、これ以上は食べられ……むふぅぅぅっ!!」
 そんなペースト状の食料を、触手馬に捕まった女たちが、殆ど強引に口の中へ注ぎ込まれていた。抵抗しても、チューブを強引に口の中へと突っ込まれて食事を流し込まれる。彼女達の扱いは、殆どフォアグラにされるガチョウに等しいものだった。
「グハハハ! ソンナ、痩セタ身体デハ、駄目ダ! モット太レ、女ドモ! ソウスレバ、俺様ノ子ヲ産ムタメノ、母体トシテ扱ッテヤル! 感謝スルノダナ!!」
 触手馬達の中央にいる、背中から触手を生やした醜悪な豚のような怪物が、満足そうな笑みを浮かべて叫んでいた。どうやら、この怪物は攫った女達に自分の子を孕ませ、繁殖母体にしようと目論んでいるようだ。
 見たところ、未だ腹の中に怪物の子を宿した女性がいないのは幸いだった。しかし、このまま放っておけば遠からず怪物の慰み物にされるであろうことは想像に難くなく、それでなくとも彼女達は、酷い辱めを受けていた。
「ひぃっ! そ、それ以上は……ぁぁぁぁっ!」
「も、もうダメ! おかしくな……ひぃぃぃぃっ!!」
 見れば、別の場所では触手馬に捕まった女性達が、なにやら妙な機械を身体の様々な個所に装着させられた状態で、触手による地獄の快楽攻めに遭っていた。そして、絶頂を迎える度に身体の中から色々なものを搾り取られ、それらは機械を通じて一ヶ所に集められた上で、ドラム缶に詰められた状態で運ばれて行く。
 ドラム缶が満杯になると、それらを触手馬が器用に運び、別の機械へと放り込んだ。どうやら、要塞内部に仕掛けられた媚薬ガスや溶解液は、あの機械が作り出しているようだ。つまり……快楽攻めに遭っている女性達は、単に辱められるだけでなく、媚薬の材料を生成するための道具にされているのである。
「……ム? ナンダ、貴様達ハ? ドウヤッテ、ココマデ辿リ着イタ?」
 侵入者の存在に気付いた怪物の親玉が、ゆっくりとこちらを向いた。だが、訝し気な表情は直ぐに消え、その顔は獲物を甚振ることを楽しむ、邪悪で醜悪なものへと変わって行く。
「フン……マア、ソンナコトハ、ドウデモイイ。新シイ奴隷ガ、自分カラヤッテキタノナラ、好都合ダ!」
「▲%#●&□?$:#!」
 怪物の親玉の命令を受けて、一斉に襲い掛かって来る触手馬達。後頭部の急所以外には攻撃が通じ難い、なんとも厄介な相手だが……奴隷とされた者達を救出するためにも、まずはこの怪物を退治しなければ。
 的確に急所を狙い撃って倒すか、危険を顧みず敵の背に飛び乗って急所を刺すか。どちらにせよ、難敵であることに違いはない。おまけに、捕まった人々を助け、時に守りながら戦えば、それだけ自分が危険に晒される可能性も高くなる。
 だが、それでもここまで来た以上、人々を見捨てて帰るわけにもいかない。要塞に捕らえられた人々の未来は、全て猟兵達の手に委ねられていた。
ルク・フッシー
ルークさん(f03212)と一緒
アドリブ歓迎

(薬が効いててテンションがおかしいが、人は助ける)
えへへ〜、気持ちよさそうな触手さんですね〜
でもでも、ちゃんとお仕事しないといけませんね〜

えっとー、じゃあボク【彫像塗装】を使いまーす
捕まった人を塗料で塗り固めて、ガチガチの無敵状態にしますねー
動けなくなっちゃいますけど、背に腹は変えられませんよねー

…あう、ルークさぁん!大丈夫ですかぁ!(触手からルークを引き剥がし、自分が触手に絡まれる)
あ、あううん…き、きもちいいですぅ…!
で、でも…捕まった人を、助けないと…んああっ!


はあはあ…ルークさん、助けてくれてありがとうございます〜(ルークの頭を撫でてあげる)


ルーク・アルカード
ルク(f14346)と一緒。

・心情
うぇ……へんな液体のんじゃった。
クラクラしてフラフラする……。

助けなきゃいけない人多くてやっかいそう。

・行動
触手馬に抜刀して斬りかかるけど、変な液体のせいでフラフラ。
触手の数も多いし厄介。それにベタベタするし斬りにくい……。

「ん……いつもならもっと早く動けるのに……」

うわっ、ベタベタ気持ち悪い……んぐっ!(触手に拘束され、全身に絡みついて口にも入ってくる)
ひっ、や、な、なにこれぇ……んぁ!(感じたことのない感覚に戸惑う

ル、ルク!(ルクが助けてくれたらユーベルコード発動)

ん、撫でられるの、うれし(ポーカーフェイスが若干和らぎ、マフラーに顔埋めて尻尾ふりふり



●触手の洗礼
 媚薬ガスにやられた挙句、謎の液体が流れる水路に落下して、なんとか要塞の中枢に辿り着いたルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)とルーク・アルカード(小さな狩人・f06946)の二人。だが、奇妙な化学物質に全身を侵されてしまったことで、もはやまともに戦えるような状況ではなくなっていた。
「うぇ……へんな液体のんじゃった。クラクラしてフラフラする……」
 媚薬ガスと溶解液のせいで、既にルークは前後不覚だ。おまけに溶解液で服も半分溶かされて、色々と危険な状態に!
「えへへ〜、気持ちよさそうな触手さんですね〜。でもでも、ちゃんとお仕事しないといけませんね〜」
 ルクに至っては、もはや完全に頭をやられ、正気を殆ど失っていた。
 正直、こんな状況で、捕まっている人々を助けられるのだろうか。なんとも不安が残るが……こうしている間にも、多くの女性達が触手馬によって辱められているため、放っておくわけにもいかない。
 迫り来る無数の触手。それらをザクザクと斬り捨てながら、ルークは果敢に敵の本体を仕留めるべく挑んで行く。が、急所を攻められない限りは痛みさえ感じないのか、触手馬達もまた怯むことなくルークのことを包囲し、一斉に触手を伸ばして襲い掛かって来た。
「ん……いつもならもっと早く動けるのに……」
 気が付けば、刀は触手の粘液で滑り、いつもの斬れ味を失っていた。おまけに、触手は斬っても斬っても生えて来るようで、これではまったく埒が明かない。
「▽&%$●#*!!」
 謎の奇声を発し、触手馬が触手を伸ばしてルークを捕らえた。抵抗するルークだったが、触手に四肢を拘束されてしまい、反撃の術も奪われてしまった。
「うわっ、ベタベタ気持ち悪い……んぐっ!」
 暴れ回る触手はルークの身体を抑えつけたまま、彼の口の中にまで入って来た。それだけでなく、衣服の隙間からも侵入し、本能のままに彼の身体を弄り倒そうとして来たのだから、堪らない。
「ひっ、や、な、なにこれぇ……んぁ!」
 触手の先端から放たれたおぞましい紐状の肉塊が、ルークの身体に付着して撫で回し始めた。このままでは、遠からず脳が壊されてしまうが、しかし先程のガスや溶解液の効果が残っている身体では触手や肉紐の攻めに耐えるのは不可能だ。
「……あう、ルークさぁん! 大丈夫ですかぁ!」
 見兼ねたルクが、全身に塗料をぬりたくり、自らの身体を硬化させて突っ込んで来た。あらゆる攻撃が通用しない肉体は、正に特大の質量弾! 思わず、驚いてルークを放り出した触手馬だったが、代わりに今度はルクが触手の海に飲まれてしまい。
「あ、あううん……き、きもちいいですぅ……! で、でも…捕まった人を、助けないと…んああっ!」
 入れ替わるようにして、情け容赦ない触手攻めの嵐による洗礼を受けている。彼の使用するユーベルコードはあらゆる攻撃に対して無敵になるが……感覚まで失うわけではないので、快楽攻めを得意とする敵にとっては良い獲物でしかなく。
「ル、ルク!? 待ってて……今、助けるから!」
 触手から解放されたルークが、慌てた様子で妖刀を拾う。こうなったら、もはや手加減はしない。相手に対する慈悲の心を捨て、敵を殺すための武器を手に取る他にない。
「……ごめんね?」
 その手に握った妖刀を処刑執行形態に変化させ、ルークは横薙ぎに振るってルクを捕らえていた触手を斬り落とした。それだけでなく、触手を失って剥き出しになった敵の急所へ、深々と刃を突き立てた。
「*$▲%#&●□!!!!」
 およそ、人の口から発することができないような雄叫びを上げ、触手馬が傷口から不気味な液体を噴出させながら崩れ落ちて行く。この液体が敵の血液なのか、それとも何か別のものなのかは……正直、あまり考えない方がよさそうだ。
「はあはあ……ルークさん、助けてくれてありがとうございます〜」
「ん、撫でられるの、うれし……」
 ルークの頭を撫でるルクと、マフラーの顔を埋めて尻尾を振るルーク。全身、ベタベタなまま寄り添う二人は、触手馬こそ撃破したものの、しばらく立ち上がる気力も失い茫然としていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴェール・フィエーニクス
【恋華荘】
ベルさんのUC製のゴスロリ服姿です

あぶなすぎるお馬から、捕らわれた人達を助けないと、です…!

急所を「差し伸べる、救いの手」で狙う為
こちらに向かってくるところをすかさずジャンプしてかわして
そこから急所へ攻撃!

…しようとしたら、ギリギリの所を頭の触手に捕らわれてしまい
大事な所を余すところなく、猛攻を受けてしまいます
しかも下の方はスカートをめくられ、下着も剥ぎ取られて
丸見えにされた上での猛攻だったので
悲鳴にも近いいけない声を上げながら
何度も意識を弾けさせてしまいます…

それでも何とかアサシンズエッジの一撃を加えますが
そこにさらなる触手の猛攻が!?

そこでいちごさんと、触手も交えて絡み合う事に…


アイリス・ヴォルフェルト
【恋華荘】
ゴスロリの上に鎧とか装備一式付けてます、ゴスロリ騎士!

騎士として奴隷にされた人々は放置出来ません!
急いで助けにいきます!
剣で拘束具を破壊したり、敵を牽制したりします
そうやって救出の為に動いていたら、いちごさんに押し倒されてスカートめくられました……
し、下着は溶けたままなので丸出しで、ぜ、全部見られたっ
いーやー!もうお嫁いけないー!
で、でも、いちごさんに助けられなかったら触手にやられていたから怒るに怒れないし

そうこうしてたら、いちごさんは他の人の所に行っちゃいました
救出、もうちょっと手伝って欲しかったですけど仕方ないですね
とにかく助けた奴隷の人達を触手から【無敵城塞】で庇って逃がします


アイ・リスパー
【恋華荘】
いちごさんに片想い中
ゴスロリに着替えています(胸はパッド入り)

「くっ、奴隷の皆さんになんて酷いことをっ!」

【チューリングの神託機械】で万能コンピュータに接続。
触手馬の攻略法を計算します。

「急所を攻撃するしかなさそうですが……
運動が苦手な私が急所を攻撃するには――って、ええっ!?」

神託機械が導き出した手法に絶句しますが、今はそれしか!

わざと触手に捕まって背中に乗ることで弱点を攻撃しようとしますが……

「やっ、そんなに暴れられたら電脳魔術が使えませんっ!」

触手馬の背中で触手に貫かれて責められながら激しく揺さぶられ
胸パッドが落ちて胸元が大きく開いて……

胸をいちごさんに触られてしまうのでした。


彩波・いちご
【恋華荘】
ゴスロリ姿で進みます
私はこの衣装好きですよ

触手馬と戦う仲間の援護に【異界の抱擁】の触手を召喚し
馬の脚を捕まえさせます

私自身はアイリスさんと共に奴隷の救出に向かいますが…
救出に気を取られて敵に襲われ
「危ないっ!」
慌てて助けようと押し倒したらスカートをめくってしまい
…先程下着溶かされたとか(汗

すみませんと平謝りした後、今度は別方向から悲鳴が
慌てて駆け付けると、仁美さんが胸丸出しになってて…
馬から振り落とされそうになるのを受け止めに行ったら、手が胸を鷲掴みに…しばらく手が離せなく(ふにふに

その後も、周りに巻き込まれるたびに押し倒したり触手に絡まれたり胸を触ったりとトラブル続きです…(汗


マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】
ベルさん謹製の服は【礼儀作法】でバッチリ
故郷の森でもドレスはよく着ておりましたの♪

元より豚の皆さんですが、コレは非人道的ですの
愛車・シルフェリオン二世で彼らを驚かせます
特殊走法【Infinite Zero】の魅せ場ですわ!

双環形態に【騎乗】して虜囚達の元へ【ダッシュ】
精鎧形態へ変じたら監視役を跳ね飛ばし何名か解放です
※工場内の障害物は【地形耐性】で【見切り】躱す

さて、次の虜囚の元へ双環形態で駆けつけ…
えっ、触手のお馬さん!?きゃあっ!!

ぶつかる寸前で精鎧形態に変じますが
衝撃で騎手が飛んできたので思わず抱えます

…私の胸元に居たのは、いちごさんでした
しかも谷間に頭から…だ、大丈夫ですの?


織笠・アシュリン
【恋華荘】
ベルのUC製ゴスロリ姿
初めて着たけど、フリフリは恥ずかしいってば!

「うぇぇ、もしかしてアポカリプスヘルってこんなのばっかり!?」
初見故に若干偏見気味の見解を述べつつ、【ウィザード・ミサイル】!
狙いは前足!
目的は命中じゃなくて、相手を驚かせること!
棒立ちになったら、後ろ足の間をスライディングして後ろに回り、狙い撃ち!
こ、これが馬並み……じゃなーい!

って、別の所に意識がそれた瞬間に触手が!?
胸元とかおなかとかスカートの間から触手が入ってきて感触に身悶えしてたら、さっき見ちゃってたモノが……
「そ、それはやだー!助けていちごー!」
いちごの触手に捕まって難を逃れるけど、結局色々といじられて……


霧沢・仁美
【恋華荘】の皆と引き続き。

ベルちゃんに作ってもらったゴスロリを着てるけど…ちょっと胸がきつい…かな(※110cmオーバーらしい)
ともあれ、こんな色々な意味で酷いオブリビオンはきっちりやっつけないとね…!

弱点を狙うため、馬の背中に飛び乗って急所を撃とうとするけど、その前に敵のユーベルコードが…!
触手で拘束されて中にまで入られて…
ロデオみたいに揺さぶられて、胸が思い切り揺れる様子を見られて…途中で服の胸元が弾け飛んで胸が露出。
快感感じちゃいつつも、何とか馬の後頭部に念動光弾を撃ち込んで仕留める。
そのまま落ちちゃうところをいちごくんに助けられるけど…む、胸揉んじゃだめっ、気持ちよすぎるからぁ…!


フロウヴェル・ゼフィツェン
【恋華荘】の皆と参加なの。
ん、皆ゴスロリよく似合ってるの。それじゃ、あの変な触手馬をやっつけるの。

リザレクト・オブリビオンで騎士と蛇龍を召喚、蛇龍を馬に絡みつかせて動きを止めさせた後、騎士に後頭部を攻撃させるの。
けど、背中の触手の攻撃を受けて、気持ちよすぎて動けなくなっちゃうの…でも、あんな馬にこれ以上気持ちよくされるのは嫌なの。
そこに来たいちごに、もっと気持ちよくさせてとおねだりするの。いちごの触手も使ってあんなことやこんなこと…。そのまま、何回か絶頂しちゃうくらいまで。

一通りやってすっきりしたら、いちごの触手で足止めされた馬の後頭部へハーロット・イーターを【投擲】して突き刺してやるの。



●イケない、触手馬!
 敵の拠点へと突入した、恋華荘のゴスロリ軍団。だが、目の前で繰り広げられている光景に、彼女達は思わず顔を両手で覆ったまま赤面していた。
 触手に襲われ、ありとあらゆる場所を辱められている女性達の姿。しかも、当然のことながら、彼女達は服など着ていない。
「うぇぇ、もしかしてアポカリプスヘルってこんなのばっかり!?」
 ドン引きした様子で、織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)が溜息一つ。まあ、敵は触手ばかりとは限らない世界だが、跋扈しているのはモヒカンヒャッハーやゾンビなど、碌でもない連中ばかりなので、五十歩百歩なのは正解であり。
「くっ……なんて酷いことをっ!」
「あぶなすぎるお馬から、捕らわれた人達を助けないと、です……!」
 あられもない姿の女性達が視界に入らないよう顔を背けつつも、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)やヴェール・フィエーニクス(「涙を拭う手」のアサシン・f00951)は、人々を助けるべく覚悟を決めた。
「……ちょっと胸がきつい……かな? ともあれ、こんな色々な意味で酷いオブリビオンはきっちりやっつけないとね……!」
 着慣れないゴスロリ服に窮屈さを覚えつつも、霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)もまた拳を握り締めて人々の救出を心に誓う。それを見て、フロウヴェル・ゼフィツェン(時溢れ想満ちて・f01233)は満足そうに頷きながら、その場にいる仲間達に改めて告げた。
「ん、皆ゴスロリよく似合ってるの。それじゃ、あの変な触手馬をやっつけるの」
 フロウヴェルの号令に合わせ、美少女ゴスロリ戦隊、出動だ。もっとも、卑猥なる触手馬達が目の前の少女達を見逃すはずもなく、彼らもまた一斉に奇妙な声を発しながら、蠢く魔の手を恋華荘の面々に向けて伸ばして来た。

●またまた、大ピンチ!?
 触手馬に捕らわれた奴隷の女性達を助けるべく、攻撃を開始した恋華荘のゴスロリ軍団。だが、触手馬は急所以外に攻撃を当てても、大したダメージを与えられない難敵だ。
「急所を攻撃するしかなさそうですが……」
 万能コンピュータにアクセスしつつ、アイは返答を待った。もしかすると、効率よく触手馬を退治するためのヒントが得られるのではないかと期待していたのだが。
「運動が苦手な私が急所を攻撃するには――って、ええっ!?」
 なんと、コンピュータが弾き出した答えは、『騎乗して敵の急所を強引に攻撃する』というものだった。確かに、それが最も効果的な戦い方なわけだが……同時に、最も危険度の高い戦い方でもある。
 だが、それでも背に腹は代えられないと、アイは果敢に触手馬へと飛び掛かった。その雄姿に鼓舞されたのか、仁美とヴェールもそれに続く。もっとも、さすがは触手暴れ馬というだけあり、そう簡単に彼女達に乗り回されるはずもないわけで。
「やっ、そんなに暴れられたら電脳魔術が使えませんっ!」
 案の定、魔法で攻撃する隙さえ与えてもらえず、反対に捕まってしまうアイ。
「ひゃっ! ちょ、ちょっと! 暴れないでってば!!」
 同じく、仁美も瞬く間に触手に捕まってしまい、そのまま四肢の動きを封じられてしまった。
「……させないです。この一撃で……きゃぁっ!!」
 そんな中、敵の突進を華麗に避けてカウンターを食らわせようとするヴェールだったが、彼女の攻撃は密着距離でなければ最大限の効果を発揮できない。その結果、敵に接近し過ぎたことが災いして、技を繰り出すよりも先に捕まってしまった。
「もう! みんな、なにやってるの!!」
 速攻で捕まった仲間達に呆れつつも、アシュリンが炎の矢を炸裂させた。それらは触手馬の身体を射抜くことこそなかったが、しかしそれで良い。アシュリンの目的は、最初から攻撃ではなく牽制だ。火花で驚かせたところで、すかさず後ろ足の間をスライディングして回る込み、そのまま急所を狙い撃ち!
「こ、これが馬並み……じゃなーい!」
 途中、なにやら妙なセルフ突っ込みを入れていたが、それはそれ。まずは一匹、確実に仕留めたのだが、そこで油断したのが拙かった。
「よし、これで一頭……って、きゃぁっ!?」
 後ろから迫る敵に気が付かず、そのままアシュリンも触手に捕まってしまった。早くも四人が拘束されてしまったことで、ゴスロリ軍団の戦力は大幅ダウンだ。
「……こういう時は、自分で手を下さないのが一番なの」
 死霊騎士と死霊蛇竜を召喚し、ちゃっかり攻撃させているフロウヴェルが何かを言っていたが、それはそれ。
 戦闘開始から、僅か数分。恋華荘の美少女ゴスロリ戦隊は、瞬く間に卑猥な触手馬の哀れな獲物と化してしまった。

●これは事故なんです!?
 開幕早々に、触手馬に捕まってしまった恋華荘の面々。そんな彼女達は、今や奴隷とされた女性達と共に、触手に嬲られるだけの状態になっていた。
「やっ……そ、そんなに激しく……ぁぁぁぁっ!!」
「そ、それ以上、揺すられたら……んぅっ! そ、そんなところ、吸っちゃだめぇ!!」
 アイも仁美もスカートの中に入り込んだ触手によって、大事なところを下から攻められ大ピンチ。おまけに、胸元に絡みついて来る触手によって、あちこち吸われて身体から力が抜けて行く。
「ひぃぃぃっ! ダメです! ま、また意識が……いやぁぁぁぁっ!!」
 ヴェールに至っては、もはや下着まで完全に剥ぎ取られ、真下から触手の猛攻を受けて成す術もなかった。幸い、触手が群がっているために危険な部位が丸出しにはならなかったが、それは同時に彼女の大事なところへ触手が凄まじい勢いで殺到していることに外ならず。
「ん……なんか、こっちも捕まっちゃったみたいなの」
 いつの間にかフロウヴェルも捕まっており、これでは救出に向かえる者が近くにいない!
 そうしている間にも、触手馬達は更に興奮した様子で、捕らえた少女達を攻めまくる!
「あ……ダメ……奥まで来て……んぅぅぅぅっ!」
「ひゃんっ! そ、そこは胸の先端……ぁぁぁぁっ!!」
 度重なる責め苦に限界を迎えたアイと仁美の胸元が弾け飛び、ついにその中身が露わになってしまった。
 盛大に吹っ飛ぶアイのパットと、触手に絡みつかれたまま剥き出しにされてしまう仁美の巨乳。なんとも対照的な絵面だが、触手にとっては胸の大小などさしたる問題でもない模様。そのまま先端を吸盤のように大きく広げ、それで胸のあちこちに吸い付いて、強制的に彼女達の精気を奪って行く。
「くぅっ……は、放してよ! こんな触手に感じる趣味なんて……っ!?」
 そんな中、同じく好き放題攻められているアシュリンの顔に、目の前に現れた物体を見て思わず恐怖の色が浮かんだ。
 そこにあったのは、ある意味では触手よりも不気味でおぞましい存在。異界の怪物が誇る、黒光りした肉塊。それを見せつけるようにして触手馬がアシュリンへと迫り、別の触手馬達は、彼女の身体を触手を使って高々と持ち上げ。
「そ、それはやだー! 助けていちごー!」
 強引に足を広げさせられたことで、何をされるのか悟ったのだろう。思わず、アシュリンは寮長である、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)の名を叫んだ。
「この声は……アシュリンさん!? 待っててください! 今、行きますから!」
「こっちは任せて、早く行ってあげてください!」
 迫り来る触手を剣で斬り払いながら、アイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)が、いちごに言った。本当であれば、少しでも一般人の救出を手伝って欲しかったところだが、仲間のピンチとあっては放っておけず。
「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘え……あ、危ない!!」
 深々と頭を下げ、駆け出そうとしたところで、いちごはアイリスの後ろから迫る触手に気付き、アイリスに盛大なタックルを食らわせた。
「すみません。大丈夫ですか?」
「わ、私は平気……って、きゃぁぁぁっ!!」
 いちごの身を呈した行動によって敵の触手攻撃を避けたアイリスだったが、次の瞬間、下半身に違和感を覚え、そして盛大に悲鳴を上げた。
 そう、いちごと一緒に倒れたことで、アイリスはスカートがめくれて中身が丸見えになっていたのだ。しかも、この場所に来るまでに食らった溶解液の影響で、今の彼女はノーパンである。つまり……。
「ぜ、全部見られたっ!? いーやー! もうお嫁いけないー!」
 両手で顔を覆って叫ぶが、見えてしまったものは取り消せない。それに、いちごに庇ってもらわねば自分が触手の餌食になっていたことを考えると、果たしてどちらが良かったのか。
「すみません! 本当にすみませ……あぁっ! また誰かが助けを呼んでます!?」
 何度も頭を下げながら、それでも助けを求める声も無視できず、いちごはアイリスの下を去って行った。本当は、もう少し一般人の救出を手伝って欲しかったのだが、致し方あるまい。
 とりあえず、今まで助けた女性達を、少しでもこの部屋から逃がさなければ。
 自らの身体を、無敵の超防御モードに変えて壁とするアイリス。それにより、女性達は次々に部屋から逃げだして行くが、しかし代わりにアイリスはその場を動けない。
(「よし! これで無事に全員逃げ……って、うひぃぃぃっ! なんでこっちに絡みついて来るんですかぁぁぁっ!!」)
 案の定、お約束の如く触手に襲われ、そのまま好き放題されてしまった。幸い、防御を固めていたことによりダメージこそ受けなかったが……防御を解いた瞬間によりひどい目に遭うことは確実だったので、完全に動けなくなってしまった。

●救出大作戦?
 助けを呼ぶ仲間の声を聴きつけ、いちごは独り、暴れ回る触手馬達の群へと果敢に突撃して行った。
「えぇと……確か、こっちの方から声が……って、あぁっ!?」
 悲鳴が聞こえた方へ向かうと、最初に目に飛び込んで来たのは仁美だった。
「んくっ! ……ぁんっ! そ、それ以上、引っ張らないでぇっ!!」
 触手で下から貫かれつつ、その豊満な胸元を、仁美は絞るように締め付けられている。慌てて助けに向かういちごだったが、しかし仁美も、ただやられているだけではなく。
「このっ……い、いい加減に……!!」
 運よく右手が触手の拘束から抜け落ちたところで、意識を集中させて念動光弾を敵の後頭部に撃ち込んだ。
「●#*▽$&%!!」
 薄気味悪い色の体液をブチ撒けながら、激しく暴れ、そして倒れて行く触手馬。なんとか一頭仕留めた仁美だったが、その反動で彼女もまた馬上から放り出されてしまい。
「きゃぁぁぁっ!」
「ひ、仁美さん!? 危ない!!」
 間一髪、床に叩きつけられる前にいちごが受け止めるも、背中から受け止めてしまったため、自然と両手で仁美の胸を抱えるような形になってしまった。
「やっ……い、今、胸揉んじゃだめっ!? 気持ちよすぎるからぁ……!」
「はわわわっ! ご、ごめんなさい~!!」
 慌てて胸から手を離すいちごだったが、時既に遅し。今までの責め苦に辛うじて耐えていた仁美にとっては駄目押しの一撃であり、彼女は激しく身体を痙攣させ……そして、果てた。
「すみません、仁美さん。でも、他の人達もピンチなんです!」
 気を失っている仁美に申し訳なさそうに謝りつつ、いちごは次にアシュリンの方へと向かった。
「いやぁぁぁっ! 来ないで! やだ! キモいってばぁっ!!」
 見れば、アシュリンの眼前には敵の巨大な肉塊が迫っており、このままでは強引に口の中へ押し込まれ兼ねない状態。いや、下手をすれば、それ以上に酷い目に遭わされて、貞操を完全に奪われてしまう!
「ふんぐるいふんぐるい……、星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
 こうなったら、目には目を、触手には触手をと言わんばかりに、いちごは自らの影から大量の触手生物を召喚する。それらは触手馬の足に、あるいは触手そのものに絡みついて締め上げ、間一髪のところでアシュリンの救出に成功した。
「はぁ……はぁ……。た、助かった……って、なんでこっちまで!? 私は敵じゃなーい!!」
 もっとも、慌てて召喚したためか触手生物には敵味方の区別がついておらず、何故かアシュリンにまで襲い掛かって来る始末。触手馬から逃れることはできたが、結局、別の触手に襲われてしまうのであれば、意味はない。
「す、すみません! でも、殺したりしないはずなんで、ちょっと我慢していてください!」
 本当ならば直ぐにでも助けたい気持ちでいっぱいのいちごだったが、他にも捕まっている者がいるのだから、仕方がない。平謝りに謝りつつ、続けてアイの救出に向かう。彼女もまた、胸を曝け出した状態で触手に捕まっており、おまけに下からも酷い責め苦を受けていた。
「アイさん、今、助けます!」
 今度も触手で敵の足を封じ、それに驚いた敵が放り出したアイを、いちごは見事に空中でキャッチ! もっとも、仁美に比べても随分と小ぶりな胸ではあったが、しかし何故かいちごの両手に、吸い込まれるようにして掴まれてしまい。
「ぁぁっ! い、いちごさん……そこはダメで……ぁぅ……」
 やはり、最後の乳揉みが駄目押しになったのか、ガックリと力尽きて動かなくなってしまった。
「あぁぁぁっ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!!」
 なんだか、先程から救出する度に、むしろ仲間に追い打ちをかけているような気が。これではもう、どちらが敵なのか分からないが、しかしここで歩を止めるわけにもいかないわけで。
「えぇと……後はフロウヴェルさんとヴェールさんで……って、な、なんか今までで一番凄いことに!?」
 次の救出対象へ視線を向けたところで、思わず赤面して硬直するいちご。触手馬に捕まったヴェールは、穴という穴を触手で攻められ、もはや陥落寸前だった。
 これは、いよいよ早急に助けねば拙い事態だ。召喚した残りの触手と共に、いちごはヴェールに救助に向かう。幸い、ヴェールも辛うじて意識は保っていたようで、触手馬の拘束が外れた瞬間、辛うじて必殺の一撃を叩き込み敵を沈黙させたのだが。
「はぁ……はぁ……。や、やりまし……きゃぁっ!?」
「どうしました、ヴェールさ……って、えぇっ!?」
 なんと、別の触手馬がヴェールを解放した隙を狙い、いちご諸共に触手で完全に捕縛してしまった。
「きゃぁぁぁっ! も、もうダメぇっ! これ以上は無理で……んふぅぅぅっ!?」
「ヴェ、ヴェールさん、もう少し離れて……あぁ、ダメです! 触手が絡みついて離れな……ひゃぁぁぁっ!!」
 再び、口の中にまで触手を突っ込まれてしまうヴェールと、一緒に絡みつかれて動けないいちご。だが、恋華荘の者達の受難は、まだまだ、こんなものでは終わりそうにない。

●そろそろ、お開きにします?
 仲間を助けに向かったつもりが、反対に捕まってしまったいちご。触手生物も、残り僅か。このままではヴェール諸共、完全に堕とされてしまい兼ねない。
 そんな中、同じく触手に捕まっているフロウヴェルだったが、そろそろ本気で敵を潰さねばと考えていた。触手の攻めは確かに気持ち良いのだが、できればこんな馬ではなく、いちごに気持ちよくしてもらいたかったので。
(「そろそろ潮時……ああ、丁度良く、援軍が来たみたいなの」)
 見れば、オフロードバイクに乗ったマイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)が、こちらへ突っ込んで来るではないか。
「さぁ参りますよ、“シルフェリオン二世”っ!」
 途中、何体かの敵を跳ね飛ばし、マイエは捕まった女性達を救出して回っているようだった。その対象には、当然のことながら捕まっている仲間達も含まれる。幸か不幸か、マイエの突進によって触手から解放されたフロウヴェルが顔を上げると、マイエは続けてヴェールといちごを捕らえている触手馬に突撃して行くが。
「さて、次は……えっ!? きゃぁっ!!」
 いちご達を捕まえたまま、触手馬はマイエに突進して来た。衝突の寸前でバイクを変形させて難を逃れたマイエだったが、驚いたのは敵も同じだったようで、ヴェールといちごが盛大に放り出されてしまった。
「……あぅ!? これは……い、いちごさん!? だ、大丈夫ですの!?」
 自分の胸の谷間に頭から突っ込んで来たいちごを、マイエは辛うじて受け止める。どうやら、胸がクッションになって衝撃を吸収してくれたようだが、それで受難が終わっていれば、まだマシだった。
「ねぇ、いちご……こっちも、もっと気持ちよくさせて?」
 見れば、呆けた顔をしたフロウヴェルが、いつの間にかいちごの背後に迫っていた。どうやら、今まで受けた触手攻めの効果で、もう色々と我慢できなくなってしまったようで。
「な、何を言ってるんですか!? 今は、そんなことしてる場合じゃ……あわわわ!?」
 いちごの制止も聞かず、彼女の操る触手まで巻き込む形で、色々とねだって来るフロウヴェル。
「ん……気持ちいい……ぁぁ……そこ……もっと、なの……」
 半ば強引に襲い掛かるような形で、フロウヴェルはいちごに自分の欲望をぶつけて来た。その上で、一通り果てて満足したところで、改めて触手馬に狙いを定め。
「無粋な馬……やっぱり、お前なんかといちごじゃ、比べ物にならないの」
 急所を目掛けて拷問具を投擲し、次々に触手馬を仕留めて行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
人間だって家畜相手には同じ様な事をやってるからお互い様と言われたらそれまでだけどさ。
それでも、俺達の仲間をそんな目に遭わされて黙っている訳にはいかないんでな!

俺は真っ向から敵群に突っ込み、シャーリーが狙撃するチャンスを作る。
押し寄せる触手を鉄鍋の【盾受け】で捌きながら【カウンター】で炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】で触手を斬り飛ばす。
いささか分の悪い戦いだけど、シャーリーを信じて耐える。

もしシャーリーが触手の餌食になったら彼女を捕えている触手馬の背中に飛び乗り、【料理の鉄刃】の【部位破壊】で急所を破壊し彼女を救出する。
シャーリーに手を出そうってのなら覚悟しときな!


シャーリー・ネィド
うわぁ、まさに「ジ・女の敵」みたいな相手だよね
やっつけちゃお、ウィーリィくん!

【エクストリームミッション】で飛行してウィーリィくんが敵を押さえている間に空中から【クイックドロウ】+【スナイパー】で敵の急所を狙撃して片っ端からやっつけていく
あと、飛び回りながら地上のウィーリィくんと連携を取り合い触手馬を捕まってる人たちから引き離す方向に誘導して救出担当の仲間の動きをサポートする

周りの敵をやっつけたらウィーリィくんと一緒に捕まった人たちを解放するよ



●集めて一掃、触手馬!
 女性を捕らえ、辱め、道具の如く扱う触手馬達。その、あまりに非道な行いに、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)とウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はドン引きしていた。
「うわぁ……まさに『ジ・女の敵』みたいな相手だよね」
「人間だって、家畜相手には同じ様な事をやってるから、お互い様と言われたらそれまでだけどさ……」
 だが、それでも最低限の尊厳は守って接しているはずだとウィーリィは続けた。確かに、人間も時に家畜の動物達へ苦役を強いることはあるが、しかしそれでも相手の身も心も破壊して、ひたすらに苦しめようとは思っていない。
 こんな触手、野放しにしておくだけで害悪だ。迫り来る敵の攻撃を鉄鍋で防ぎつつ、同時に包丁で触手を斬り落として行くウィーリィだが、しかし敵の触手馬達は、その程度では怯まない。
 やはり、後頭部にある急所を狙い撃たねば、効率よくダメージを与えることはできないのだろう。このままでは触手に巻かれて自分の方が大ピンチになってしまい兼ねないが……それは、ウィーリィの作戦だった。
「よし……今だ、シャーリー!」
「オッケー! 任せて、ウィーリィ君!」
 敵を十分に引き付けたところで、ウィーリィがシャーリーに告げる。それを聞いたシャーリーは軽く頷くと、宇宙バイクを変形させて自らの全身を覆うパワードスーツとし、凄まじいスピードで触手馬達に肉薄した。
「ほらほら、捕まえられるものなら、捕まえてみなよ!」
 擦れ違い様に銃弾を急所へ叩き込み、次々と触手馬を始末して行くシャーリー。最初から、二人の狙いはこれだった。敵を一か所に集め、身動きを取り難くした上で、超高速&正確無比な射撃によって、片っ端から仕留めて行くという作戦だ。
「よし、だいたい片付いたな」
「へっへーん! 楽勝、楽勝♪」
 ブラスターを構え、着地するシャーリー。周囲に転がっているのは、かつては暴れ触手馬だった肉塊ばかり。この調子で行けば、あっという間に要塞を制圧できるだろうと……そう思っていたが、少しばかり甘かったようだ。
「ん……? 危ねぇ、シャーリー!」
「え、なに……って、きゃぁぁぁっ!!」
 なんと、肉塊に紛れて身を潜めていた触手馬が、シャーリーの後ろから襲い掛かって来たのだ。さすがに奇襲には対応できず、シャーリーは触手に捕まってしまった。パワードスーツの力で強引に触手を引き千切ろうとするも、粘液で滑って思うように力が入らない。
「ひゃぁっ! や、やだ……隙間から入って……助けて、ウィーリィ君!!」
 スーツの隙間から入り込もうとする肉紐に、シャーリーは本気で怯えて悲鳴を上げた。このままでは、大事なところを辱められた挙句、貞操まで奪われてしまい兼ねない。
「この野郎! シャーリーを離しやがれ!」
「%$#◇●*▽!?」
 すかさず、ウィーリーが触手馬に飛び掛かり、その急所に包丁を突き立てたことで、事なきを得た。が、敵の放った肉紐は未だシャーリーの鎧の隙間で蠢いており、取り出して捨てるのも一苦労だった。
「うぅ、気持ち悪い……。でも、これでもう、大丈夫だよね?」
「ああ、多分な。雑魚は全部片づけたみたいだし……この要塞の親玉に、改めて落とし前つけさせてやるぜ!」
 これ以上、シャーリーに手を出すようなら容赦はしない。ウィーリーの包丁が空を切り、未だ動きを止めない触手馬の急所へ、再び突き刺さって止めを刺した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『アノマリィ・シング』

POW   :    テイクダウン・オーバーラン
【全身を絡め取る粘液】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超重突進】からの【執拗で徹底的な蹂躙】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    クラッピング・テンタクル
【おぞましい肉疣が蠢く触手】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【種族の特徴】【獲物の感触】【悲鳴の声音】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    マインド・コロージョン
【口吻】から【広範囲】へ【神経毒ブレス】を放ち、【重度の感覚中枢汚染】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はセンジュ・ユニバーサルアイズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最強最悪の触手
 猟兵達の活躍によって、触手馬達は全て一掃され、奴隷として連れて来られた者達も解放された。
 これで後は、この要塞を牛耳るオブリビオンの親玉を倒すのみ。だが、先程の触手馬とは違い、こちらは一筋縄では行かない強敵だ。
「フン……役立タズ、ドモメ!」
 触手馬の死骸を足蹴にしつつ、醜悪な豚のような怪物が猟兵達の目の前に躍り出て来た。
 アノマリィ・シング。かつて、禁断の技術により人類に生み出された、異界の怪物を模した生物兵器。だが、オブリビオンと化した今、その生物兵器はベースとなった怪物の習性まで取り込んで、人類に仇名すモンスターと化していた。
「フッフッフ……コウナレバ、俺様ガ直々ニ、貴様達ノ身体ヲ繁殖母体ニシテクレル!」
 迫り来る異形の怪物。背中から生えた多数の触手は獲物を求めて宙を彷徨い、深いな体臭を発する獣の身体は、その身の丈だけでも成人男性を優に超えている。
 パワー、スピード、そしてなにより欲望も強さまで、触手馬とは桁違い!
 この怪物がいる限り、人々に平穏は訪れない。解放された奴隷達と協力し、諸悪の根源を討伐するのだ!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※最終章は、以下の形でリプレイの作成をさせていただきます。

・前回、プレイングを流してしまった方を優先して描写させていただきます。
・プレイングの受付は、1月20日(月)の午前8時30分からです。それ以前に送られますと、上記の条件を満たす方でも、場合によっては採用できなくなる可能性がありますので、ご注意ください。
・解放された奴隷の方々は、要塞内の地形に熟知しています。媚薬ガスや溶解液の罠も未だ健在なので、彼らの協力があれば、色々と有利に立ち回れるかもしれません。
ロート・カニーンヒェン
「こっからは私が相手だ!」(POW)
ハザードモードになって真っ正面から迎え撃つよ!奴隷の人たちには協力より身の安全を最優先に考えて動いてもらおうかな。触手や攻撃も受け止めて他にシングの意識が向かないように動くよ。今まで散々快楽系の罠や敵とやりあってきたし、そろそろそういう刺激もほしいし・・・私とシング、どちらの欲が勝つかいざ勝負!(アドリブ、お色気歓迎です)



●激突! 異界の怪物VS女戦士!
 触手馬達を退けたことで、ついに本気を出した拠点のボス。醜悪な豚獣人の背中から多数の触手が生えた姿は、どこぞの世界に跋扈するオークを連想させるものだった。
「ひ、ひぃっ! た、助けてくださぃぃぃっ!」
「どうか……どうか、命だけはぁぁぁっ!!」
 敵の恐ろしさを理解しているのか、奴隷の中には既に腰が抜けて動けなくなっている者達もいた。このままでは、彼らが怪物の親玉、。アノマリィ・シングの八つ当たりで、次々と惨たらしく殺され兼ねない。
「そうは行くか! こっからは私が相手だ!」
 そんな中、颯爽と現れたのはロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)だった。
 ここは任せて、早く逃げろ。そう言って奴隷にされた人々を逃がしつつ、ロートは真っ向からアノマリィ・シングに立ち向かう。
「グハハハ! 誰カト思エバ、人間ノ雌カ! 貴様如キガ、コノ俺様ニ勝テルトデモ思ッテイルノカ?」
 ロートの姿を見て、アノマリィ・シングは豪快に笑っていた。彼からすれば、人間の女性など快楽物質を作り出すための家畜か、もしくは繁殖用の母体でしかない。そんな相手に凄まれたところで、恐れるはずもないということか。
 なお、厳密に言うとロートは純粋な人間とは異なるのだが……女と見れば見境なく家畜化しようとするアノマリィ・シングにとっては、些細な問題でしかないだろう。
「……ハッ! 言ってくれるじゃないか! それなら、私とシング、どちらの欲が勝つかいざ勝負!」
「面白イ! 受ケテ立ッテクレル!」
 激突するロートとアノマリィ・シング。体格こそ圧倒的に敵の方が上だが、それでもロートはシングと互いに両手を重ね、負けじと壁際へ押し返して行く。瞬間の瞬発力とパワーだけなら、彼女も負けてはいないのだ。
「どうした? 押し負けてるんじゃないか?」
 敵の腕を捻り上げながら、ロートが言った。だが、力では完全に負けているように思われるアノマリィ・シングだったが、彼もまた不敵な笑みを絶やすことはなく。
「グフフフ……調子ニ、乗ルノモ、ソコマデダ!」
「……なっ! し、しまった!?」
 一瞬の隙を突いて繰り出された触手が、ロートの手足を瞬く間に絡め取る。人の腕程もあるそれの力は、アノマリィ・シングの腕力に勝るとも劣らないパワーを持っており。
「マダマダ、オ楽シミハ、コレカラダァ!!」
 触手の先から謎の粘液を発射してロートの動きを封じると、アノマリィ・シングは強烈な突進を繰り出して彼女のことを押し倒し、そのまま両腕も使って彼女の両手を抑え込んでしまった。
「くっ……こ、こんな触手なんか……」
 先程と同じく、力で対抗しようとするロートだったが、粘液のせいで思うように力が入らず、おまけに触手と腕の両方で抑え込まれては敵わない。ならば、と両足で相手の腹を蹴ろうとするも、それさえも読まれて触手で脚を封じられた上に、大きく股を開かされ、なんとも恥ずかしい恰好にさせられてしまった。
「フッフッフ……サア、モウ逃ゲラレンゾ? 貴様ハ、コノ俺様ガ、直々ニ奴隷トシテ調教シテクレル!」
 獣臭い息をロートの顔面に吐き掛けながら、アノマリィ・シングは背中の触手を一斉に伸ばした。巨大のそれの先端は、しかし複数の細い触手に分かれており、その先は吸盤のような形になってロートの肌に吸い付いたり、更に細い触手を中から競り出させ、それらを使って彼女の敏感な部分に絡みついて来たりした。
「うぅ……ま、負けるもんか! 今まで散々、快楽系の罠や敵とやりあってきたんだ……」
 こんな触手に負けはしない。その強い意志だけで、ロートはアノマリィ・シングの執拗な攻めに耐え続ける。が、アノマリィ・シングは彼女の想像以上にしつこく、そして外道な性格の持ち主だった。
「フン……シブトイ、女ダ! ナラバ、コウイウノハドウダ?」
「なっ……や、やめ……むぐぅぅぅっ!?」
 嫌がるロートの口に触手を突っ込み、その中で細く分かれた先を暴れさせる。同時に、触手の先端を胸元に絡みつかせ、絞るようにして攻め続け、果ては下半身にも大量の触手を這わせることで、彼女の身体に望まぬ快楽を刻んで行く。
「フハハハ! コレデ、終ワリダ! 貴様ハ、コノ俺様ノ繁殖母体、第一号ニシテヤロウ!」
 なんと、この場でロートを屈服させて、そのまま犯そうとするアノマリィ・シング。この獣、どこまでも非道かつ外道だ。このままでは、成す術もなく凌辱されてしまうと思われたが……アノマリィ・シングがロートを貫かんとした瞬間、ロートの顔に笑みが浮かんだ。
「……ナニッ!?」
 思わぬ反応に、訝し気な表情を浮かべるアノマリィ・シング。次の瞬間、ロートは気合で触手を振り払うと、真下からアノマリィ・シングの股間を蹴り飛ばした。
「ハゥァッ! モ、悶絶ゥゥゥッ!?」
 醜悪な化け物であっても、急所は人間と同じだった模様。股間を抑えて悶えるアノマリィ・シングの前に、ロートは口から粘液を吐き出しつつ、指の関節を鳴らしながらゆっくりと迫る。
「さぁて、ようやく周りに奴隷がいなくなったみたいだね。この技、下手に使ったら、周りの人まで巻き込むから面倒なんだよ」
「ナ、ナンダト!? 貴様……マサカ、奴隷ヲ逃ガス、時間ヲ稼グタメニ、ワザト俺ニ襲ワレタト言ウノカ!?」
 驚愕するアノマリィ・シング。まさかと言えば、そのまさかだ。胸も尻も、そして口も好き放題にされたロートだったが、それらは全て、この瞬間を生み出すための布石だったのだ。
「今度はこっちの番だよ。さあ、殲滅タイムだ!!」
 出力最大、パワー全開。本気モードになった今のロートは、もはや誰にも止められない。攻撃力と防御力を上げる代わりに、目に付く全てのものを攻撃してしまう、暴走にも等しいハザードモードになっているのだから。
「グホォォォッ! ア、アバラガァァァッ!!」 
 強烈な拳の一撃が、アノマリィ・シングの脇腹に炸裂する。それは強靭な筋肉に守られた敵の肉体さえも穿ち、その中にある太くて頑丈な骨を、容易く粉砕してみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篁・綾
…エイゴで異常なもの、とかそんな感じかしら。
…まぁ、異常といえば異常よね。

間合いを取りながら、【衝撃波、2回攻撃、目潰し、鎧無視攻撃】で執拗に攻撃するわ。
…近づいても特に良いことは無さそうだし。
近づいてきたら【見切り】で感知し【残像】で逃げ。

…業を煮やした相手が毒を連発し出すと、毒と触手による攻撃で壁際まで追い込まれ、神経毒を受けてしまうわ。
【毒耐性、オーラ防御】で軽減すれど、動きは鈍るわね…。
軽い腰砕けになり、触手で撫で回されたり、壁ドンされたりして着物が乱れるも、睨みつけ。

…このような辱め…殺すわ…!

赤い顔で呪詛を

…その辺りで指定UCが発動。鬼神群が乱入し元凶に情け容赦ない攻撃を加えるわ。



●怒れる桜鬼
 先の戦いで思わぬ反撃を食らい、手痛い傷を受けたアノマリィ・シング。だが、さすがは生物兵器として創造されただけあってか、ダメージからの立ち直りも早かった。
「オノレ……ヤッテクレタナ、雌豚メ!」
 自分のことを棚に上げ、女猟兵達を雌豚扱い。なんとも醜悪かつ悪辣な怪物を、篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)は遠間から覚めた表情で見つめていた。
「アノマリィ・シング……エイゴで異常なもの、とかそんな感じかしら?」
 まあ、異常といえば、異常だろう。猟兵として、あまりに様々な世界を見過ぎて常識の基準がブレてしまいがちだが、それでも普通に考えれば、背中から触手を生やして異種族を母体に繁殖する豚など聞いたことがない。
「ム……貴様モ、侵入者ダナ? 丁度イイ……コノ痛ミ、貴様ヲ凌辱スルコトデ、晴ラサセテモラウ!」
 綾の存在に気付いたアノマリィ・シングが、下賤な笑みを浮かべて彼女に近づいて来た。そのまま触手を伸ばし、綾を捕らえようとするものの、綾は素早い動きで身を翻し、触手の攻撃を軽々と避けた。
「小癪ナ! チョコマカト、逃ゲルナ!!」
「冗談じゃないわ。近づいても良いことなさそうだし、これでも食らってなさい」
 お返しとばかりに、綾はアノマリィ・シングの顔面に、強烈な強烈な衝撃波を叩き込む。この程度で、あの強靭なボディを穿てるとは思っていないが、しかしどんな怪物にも必ず急所は存在する。
「ヌオッ! 目、目ガァッ!!」
 顔面に炸裂した衝撃波は目潰しとなり、アノマリィ・シングの視界を奪った。こうなれば、いくら触手を振り回そうとも、近づかない限り怖くはない。
「クッソォォォッ! ドコダ! ドコニイル、クソアマ!!」
 闇雲に触手を振り回すアノマリィ・シングだったが、その先端が綾を捕らえることはない。人々を恐怖に陥れた怪物も、こうなってしまっては滑稽なもの。
 好機とばかりに、彩は衝撃波を叩き込み続けた。一発、一発の威力はユーベルコードによる攻撃に比べれば劣るものの、連続して食らわせれば、それだけダメージも蓄積するだろう。
「……ここまでね。下賤な豚は、そのままミンチにしてあげ……っ!?」
 だが、最後の一撃を食らわせようとしたところで、綾の身体から唐突に力が抜け落ちた。
 いったい、何が起きているのか。状況を把握しようにも、視界までぼやけて焦点も定まらない。堪らず膝を突いてしまったところで、アノマリィ・シングがゆっくりと綾の前に立ちはだかった。
「フッフッフ……ヨウヤク、俺様ノ毒ガ、効イテキタ様ダナ!」
「ど、毒……?」
 ドヤ顔で佇むアノマリィ・シングを見上げる綾。どうやら、敵も視界を取り戻したようで、今や完全に攻守が逆転してしまっている。
「ソノ通リダ! コノ俺様ガ、何モ考エズニ、触手ヲ振リ回シテイルダケダト、思ッタノカ?」
 先程まで、錯乱したように触手を振り回していたのは、その先端にある口吻から神経毒を撒き散らすためだ。そういうわけで、これから存分に楽しませてもらうと宣言し、アノマリィ・シングは触手で綾の四肢を拘束すると、そのまま壁に叩き付けた。
「……くっ!!」
「グハハハ! サア、ドウスル? 泣キ喚イテ、許シデモ乞ウタラ、ドウダ?」
 強靭な触手が綾の腕を足を押さえ込み、更には着物の中にまで入り込んで、強引に胸元をはだけさせた。それだけでなく、アノマリィ・シングは触手の先端で綾の太股や胸の脇を撫で回しながら、指先で彼女の顎を軽く上げ。
「フッフッフ……シカシ、気ガ強イ女モ、悪クナイ。特別ニ貴様ヲ、俺ノ専属肉便器ニ、シテヤロウ!」
 下劣な笑みを浮かべながら、彼女の頬に舌を這わせようとする。だが、それよりも先に綾が凄まじい怒りの形相で、アノマリィ・シングを睨みつけた。
「……このような辱め……殺すわ……!」
「グハハハ! 殺ス、ダト? コノ状況デ、ドウヤッテ俺様ヲ殺スノダ?」
 両手も両足も使えない状況で、果たして綾に反撃の機会はあるのか。もはや、成す術もなく蹂躙されるだけだろうと勝ち誇るアノマリィ・シングだったが……なにも、彼を殺すのは綾本人でなくとも構わない。
「ぎろり、ぎろり、睨む破幻の瞳よ……野に咲く花を刈り取る悪鬼のその命、閃く鋼で華へと散らせ……」
「アァ? ナンダ、ソイツハ……ギャァッ!!」
 呪詛の言葉を綾が紡げば、途端にアノマリィ・シングの腕に鋭い痛みが走った。見れば、そこには深々と矢が突き刺さっており、それだけでなく多数の殺気が、背後から迫っているのが感じ取れた。
「誰ダ! 俺様ノ、オ楽シミヲ邪魔ス……ナ、ナニィィィッ!?」
 矢を抜いたところで、驚愕するアノマリィ・シング。気が付けば、彼は周囲を屈強な鬼神の集団によって囲まれており、完全に退路を断たれていたのだ。
「ふふ……だから、言ったでしょう? お前を殺すって……」
 鬼神の召喚に成功した綾が、不敵に笑う。総勢、50体以上もの鬼神を前にしては、さしものアノマリィ・シングとて勝てるはずもなく。
「クソッ! コンナ場所デ、殺サレテ、堪ルカ!!」
 触手を神剣で斬り落とされ、身体に無数の矢を浴びせられながらも、媚薬ガスの入ったパイプを圧し折って中身を噴出させ、それを目くらましに逃げ出して行く。後に残されたのは、触手を切断され解放された綾と、それに突き従う鬼神達。
「……逃がさないわ。お前のような下郎、地獄の果てまで追いかけても、必ず成敗してあげる」
 綾の号令と共に、鬼神達の軍勢が一斉に駆け出した。この場から身を隠すか、もしくは全ての鬼神を倒すかしなければ、アノマリィ・シングに逃げ場など残されていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
ルークさん(f03212)と一緒

心情◆はぁ…はぁ……
なんで、ボク、ここにいるんだっけ?

ああ…もう…どうでもいいか…きもちいい……

……でも…ルークさん…くるしそう…です……
…ルークさん…たすけなきゃ…

行動◆薬品と触手責めで、体と心の疲労がピークに達してます。ろくな抵抗もせず触手に絡まれます
それでもルークさんが戦い傷つく姿を見て、どうにかやるべき事を思い出します

【ドラゴニアン・バーサーク】を発動。真の姿になり、紅い翼で高速飛行してオブリビオンに突撃。絵筆での連続打撃で強引に怯ませ、ルークさんを救出します
反撃はそれで精一杯、翼もなくなり気絶、後はルークさんに任せます


ルーク・アルカード
ルク(f14346)と一緒。

・心情
……体の調子戻ってきた。

おっきな敵、すごく力強そうだな。当たらないようにしないと。
そして、変な臭い……マフラーでお口とお鼻隠しておこう。

・行動
触手を『武器受け』で受け流しつつ、隙を探る。
刃こぼれしたり折れたら、武器に『吸血』させて修復。

ルクの行動で大きな隙ができたら『捨て身の一撃』でユーベルコードを使用。

倒れ込んだルクに駆け寄って応急手当をします。
手当の心得はないので包帯でグルグル巻きです。

※触手に絡め取られて、触手の一撃で武器折られて大ダメージ受けながら吹飛ばされるシーンほしいです。



●終わらない大ピンチ
 謎のガスや液体にやられ、おまけに触手馬にも悪戯され。既に、ここに来るまでにボロボロにされていたルーク・アルカード(小さな狩人・f06946)とルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)の二人は、もはや戦うどころの状態ではなくなっていた。
「……体の調子戻ってきた。ようやくだけど……」
 それでも、なんとかルークはいつもの調子を取り戻していたが、問題なのはルクだ。
「はぁ…はぁ……なんで、ボク、ここにいるんだっけ?」
 もはや記憶さえ定かではなく、意識は朦朧とし、失神寸前!
 しかも、間の悪いことに、そんな二人の前に綾の鬼神達から逃れて来たアノマリィ・シングが現れたのだ。
「チッ……アノ、クソアマ! 次ニ出会ッタラ、今度コソ俺様ノ……ン、ナンダァ?」
 ズタボロになりながらも生きていたアノマリィ・シングが、ルクとルークの二人に気付いた。すると、それまで苦々しい表情をしていた豚獣人の顔に、途端に下賤な笑みが浮かんだ。
「ホゥ……今度はクソガキドモカ! 丁度イイ……貴様達ヲ食ラッテ、コノ傷ヲ癒ス、糧トシテクレル!!」
 切断された触手を瞬く間に再生させ、アノマリィ・シングが二人に迫る! さすがは怪物。女を犯すだけでは飽き足らず、今度は直々に獲物の肉を食うことで、体力を回復させるつもりなのだ。
(「おっきな敵、すごく力強そうだな。当たらないようにしないと……」)
 あの触手に捕まったら、それで最後だ。きっと、力では絶対に敵わない。周囲に広がる生臭い空気に顔を顰めつつ、ルークはマフラーで口元を覆いながら応戦する。
「オラオラ、ドウシタ? 貴様ノ、チカラハ、ソンナモノカ?」
「うぅ……思っていた以上に強い、かも……」
 迫り来る多数の触手。その一撃、一撃が凄まじく重たく、ルークは防ぐだけで精一杯。おまけに、触手の粘液が付着して、だんだんと武器の斬れ味も悪くなってきた。
「グハハハ! ナカナカ、ヤルナ、小僧! ダガ……サスガニ、仲間ヲ守ルダケノ余裕ハ、アルマイ!」
 触手の殴打でルークを牽制しながら、アノマリィ・シングは未だ呆けているルクにまで魔の手を伸ばし始めた。慌てて彼を守ろうとするルークだったが……しかし、それこそが悪辣なるアノマリィ・シングの策略だった。
「ルク、危な……うわっ!!」
 突然、ルクを狙っていたはずの触手が起動を変え、一斉にルークへと襲い掛かって来た。その一撃で妖刀は圧し折れ、盛大に壁に叩きつけられてしまう。おまけに、追撃で繰り出された触手が首に絡み付いて、ルークの身体を持ち上げながら締め上げた。
「フフフ……間抜ケナ奴ダ。仲間ナド、気ニ掛ケルカラ、ソウナルノダ!」
「う……ぐぅ……」
 薄れ行く意識の中、ルークの視界に飛び込んで来たのは、触手に捕まったルクの姿。しかし、当のルクは既に頭の中までピンク色に染まっているのか、もはや抵抗する素振りさえ見せず。
「ああ……もう……どうでもいいか……きもちいい……」
 触手に蹂躙されているにも関わらず、完全に虚脱状態になって呆けたまま。それでも、やはり仲間の苦しんでいる姿を目の前にしては、さすがに良心が咎めたのだろうか。
「……でも……ルークさん……くるしそう……です……。ルークさん……たすけなきゃ……」
 朦朧とする意識の中、ルクは辛うじて最後の力を振り絞り、ユーベルコードを発動させた。紅い翼を広げて触手を振り払い、ドラゴニアンとして真の姿を解放する。そのまま、本能に任せた凄まじいスピードで、アノマリィ・シングへと襲い掛かる。
「ぐるるる……うおあああっ!!」
「ヌォッ! ナ、ナンダ、コイツハ!?」
 絵筆による殴打と塗料弾の連続攻撃で、アノマリィ・シングが思わず怯んだ。触手の拘束が緩み、ルークの首から拘束が外れる。それでも、ルクは攻撃の手を休めることなく突っ込んで行くが……さすがに、限界を超える力を発揮した代償は重かったようだ。
「あ……うぅ……」
 半ば暴走に近い形で、それでも敵味方を識別して戦ったことで、彼の肉体は技の負担に耐え切れなかったのだ。そのまま、翼を収納して力無く床に落ちてしまうが……しかし、時間稼ぎとしては十分だった。
「ありがとう、ルク。後は任せて……」
 折れた刃に自らの血を吸わせて再生させ、ルークはアノマリィ・シングを睨み付ける。仲間が命に代えて作ってくれた絶好の機会、絶対に逃してなるものか!
「全部……斬ればいいんだよね?」
 呼吸を止め、肉体への負荷を完全に無視し、ルークは一気にアノマリィ・シングへと距離を詰めた。触手で応戦するアノマリィ・シングだったが、今のルークのスピードは、音速にまで達している。
「ギェェェェッ! オ、俺様ノ、触手ガァァァッ!!」
 ルークを捕らえるどころか、反対に触手をズタズタに斬り落とされてしまい、アノマリィ・シングは思わず逃げ出した。斬られた触手は再生させられるが、その体力とて無尽蔵ではないからだ。
「はぁ……はぁ……。な、なんとか、なったかな……」
 妖刀を納め、ルークは静かに膝を付いた。さすがに、こちらも体力の限界だ。これ以上は、まともに戦えそうにない。
「あ、そういえば、ルクは!?」
 慌ててルクに駆け寄ると、ルークは包帯を取り出して、そのままルクの全身に巻き付けて行く。応急手当の心得などないので、これでは単なるミイラ状態だが……まあ、何もしないよりはマシだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クロエ・アスティン
ここにくるまでに触手馬に酷い目に合わされながらもなんとか倒してボスに相対します!

「盾受け」で触手の猛攻をなんとか防ごうとするが力及ばず拘束され、そのまま胸甲ごと服を破られてあられもない姿に……
触手馬の触手の粘液で濡れていたのを勘違いしたボスになじられ、涙目で否定するが聞いてもらえず「やだやだ」と泣き叫ぶばかり

お前みたいなチビでも猟兵ならば大丈夫だろうとあわや極太の触手で貫かれそうになったところで、
泣いて女神様に救いを求めるだけじゃダメと勇気を振り絞って目の前で【破魔の聖光】を炸裂させるであります!

拘束が緩んだら真の姿である戦乙女の姿(ビキニアーマー)に変身し、顔面にメイスをお見舞してやります!


イリス・ローゼンベルグ
見た目通りの下種な相手、ここまで分かりやすいと笑えてくるわね
思わず笑みがこぼれそうになる口元を押さえながら戦いへ

話からしてこちらを即殺しにくる事はないはず
なら擬態も有効そうね、まずは少女の姿を維持して戦う

「仲間に対しても非道を働くなんて許せません!」
と優等生を演じ【フェイクウェポン】で攻撃
毒ブレスや触手に苦戦するフリ(毒は耐性でカバー)をして油断を誘う
「くっ、体が痺れて……」
「は、離してください!そんなにされたら私、私……あなたを殺したくなってしまうわ」
と本性を現し【狂乱の触葬】を発動
足元から潜行させた触手を鋭く尖らせ、死角から敵を【串刺し】にする
「これで少しは女の気持ちが分かったかしら?」



●絶望の触手地獄
 度重なる連戦によって、体力を大幅に消耗してしまったアノマリィ・シング。だが、幾度となく触手を斬られ、その身に攻撃を叩き込まれようと、彼は未だ死ぬこともなく拠点の研究所を彷徨っていた。
「マッタク……ヤッテクレルナ、アノ連中……」
 さすがに触手を斬られ過ぎたのか、体力の消耗が激しい。生物兵器として造られたが故に、凄まじい回復力を持っているアノマリィ・シングとはいえ、連戦で消耗しないといえば嘘になる。
「コウナッタラ、適当ナ女ヲ、捕マエテ……ンッ、アレハ……?」
 悪態を吐きながら顔を上げたアノマリィ・シングが、なんとも嬉しそうな笑みを浮かべた。彼の目の前にいたのは、何故か全身を粘液でベタベタにされているクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)と、どう見ても無害な少女にしか見えないイリス・ローゼンベルグ(悪を喰らう蠱惑の薔薇・f18867)だったのだから。
「グハハハ! コイツハ、俺様ニモ、運ガ回ッテ来タゾ!」
 この二人を捕らえ、凌辱することで肉体を活性化させれば、再生力も早まるはずだだろうと。
「うぅ……よ、ようやく中枢に辿り着いたでありま……ヒィッ! か、怪物……!」
 出会い頭に遭遇したことで、クロエは思わず腰が抜けてしまった。先程まで、媚薬ガスや溶解液、それに触手馬などにやられていたことも影響していたと思われる。
「フッフッフ……ココデ俺様ニ出会ッタノガ、運ノ尽キダ、小娘!」
 アノマリィ・シングの背中から一斉に触手が伸び、脅えるクロエの身体を掴んで持ち上げた。盾で触手を受け止めようとするクロエだったが、正面からの攻撃は防げても、脇からの攻撃には成す術もなかった。
「あぅぅ……は、離すであります!」
 後ろ手に縛られ、股を広げられた状態で逆様に吊るされ、クロエは懸命にもがくものの、触手の拘束からは逃れられない。逆さ吊りにされたことで頭に血が昇り、ただでさえ朦朧としていた意識が、ますます遠のいて行く気がする。
「ホゥ……貴様、ガキダト思ッテイタガ、既ニ準備万端デハナイカ!」
 粘液まみれなクロエの太股に触手を這わせ、何かを勘違いしたアノマリィ・シングが邪な笑みを浮かべた。
 これは違う。自分は変なことなど考えていないし、何も感じてなどいない。そう、全力で否定しようとするクロエだったが、しかしそんな彼女の言葉など、下賤な獣には届かない。
「フン、ナントデモ言エ! ココカラ先ハ、貴様ノ身体ニ、聞イテヤル!」
「そ、そんな……ひゃぁっ!」
 胸甲ごと服を破られ、悲鳴を上げるクロエ。だが、その悲鳴も直ぐに、快感とも痛みとも取れぬ、喘ぎと呻きが混ざった声に変わって行く。
「ん……ぎ……や、やだぁ……おっぱい……そんなにしちゃ……」
 胸元に殺到する触手が四方八方から、小ぶりな胸を脇から先端まで蹂躙して行く。それだけでなく、太股を這うようにして伝って来る触手もまた彼女の下半身を執拗に攻め立て、それでいていきなり貫くような真似はせず。
「ぁぁ……も、もういやだぁ……そ、そんなとこ……何度も……くぅぅ……」
 引っ張り、吸い付き、撫で回し……それだけで幾度となく身体に、痛みと共に妙な感覚を植え付けられてゆく。抵抗するクロエだったが、彼女の力では強靭な触手の拘束からは、どう足掻いても逃れられず。
「グフフフ……貴様ノヨウナ、チビデモ、猟兵ナラバ大丈夫ダロウ。俺様ノ触手ト……ソシテ、最後ハ俺様自身デ、貴様ノ事ヲ貫イテヤロウ!」
「ひっ! や、やだやだ! やめてぇ! それだけはダメぇ!!」
 股の間にゆっくりと降ろされた極太の触手。そして何より、目の前に現れたアノマリィ・シング自身を象徴する肉塊に、クロエはいつもの敬語さえ忘れて泣き叫んだ。
 このままでは、上と下から文字通り串刺しにされてしまう。それが終わったら、上下を逆転させられて、今度こそ本当に怪物を産むための苗床に……。最悪の未来がクロエの脳裏を掠めたが、絶望は未だ終わらない。

●外道な触手に天罰を!
 己の欲望を満たすべく、女性を辱める非道の怪物。アノマリィ・シングによる凌辱の対象は、猟兵であっても変わらない。
(「見た目通りの下種な相手……。ここまで分かりやすいと、笑えてくるわね」)
 先程から物陰で様子を窺っていたイリスが、思わず苦笑した。敵を調子に乗らせてから寝首をかいてやろうと思っていたが、さすがにこれ以上は、味方を酷い目に遭わせることも憚られた。
「そこまでです! 仲間に対しても非道を働くなんて許せません!」
 敢えて優等生ぶりながら、イリスは何の変哲もない剣を構えてアノマリィ・シングに突撃して行く。だが、お楽しみを邪魔されたにも関わらず、アノマリィ・シングは更なる獲物が現れたと、歓喜の表情を浮かべていた。
「許サヌ、ダト? ソノナマクラデ、俺様ノ触手ニ勝テルト思ッテイルノカ?」
 剣を振るいながら突っ込んで来るイリスに向け、アノマリィ・シングは慌てることなく、触手の先端から毒液を発射した。
「くっ、体が痺れて……」
 早くも毒の効果が現れたのか、その場で膝を付き崩れ落ちるイリス。そこを逃さず、アノマリィ・シングは新たなる触手を伸ばして捕らえると、イリスの背を自分の方へ向ける形で縛り上げた。
「グフフフ……少シ、気ガ変ワッタ。マズハ、コノ女ヲ、貴様ノ前デ犯シ尽クシ……更ナル絶望ヲ、与エテヤロウ!」
 自分を助けに現れた相手が、目の前で堕ちて行く様を瞳に焼き付けろ。どこまでも外道なアノマリィ・シングの行いに、クロエの顔が見る見る蒼褪めて行くが……対するイリスは、懸命にもがきつつも、どこか表情に余裕があった。
「は、離してください! そんなにされたら私……」
「フッフッフ……壊レテシマウ、トデモ言ウツモリカ?」
 ならば、お望み通り壊してやると、触手での愛撫も早々に肉塊を押し付けようとするアノマリィ・シング。だが、次の瞬間、それらの薄汚い物体が身体に触れるよりも早く、イリスの顔に笑みが浮かんだ。
「私……あなたを殺したくなってしまうわ」
「ナ、ナニッ!? ……ギェェェェッ!!」
 突然、アノマリィ・シングが雄叫びを上げ、クロエとイリスを放り出した。何が起きたのか分からず茫然とするクロエだったが、イリスはやはり不敵な笑みを浮かべ、敵の前に仁王立ちしていた。
「これで少しは女の気持ちが分かったかしら? さあ、踊り狂いなさい!」
 軽く指を鳴らせば、床を突き破って更なる茨の如き触手が現れ、アノマリィ・シングの身体を貫いて行く。
 そう、先程からの苦戦は、全てこの攻撃を当てるための布石だった。そもそも、薔薇のバイオモンスターであるイリスは毒に耐性を持っており、敵の触手が放った神経毒など簡単に中和できたのだ。
「オ、オノレェ……。ダガ、コノ程度ノ、コトデ……」
 全身を茨の触手に貫かれながら、アノマリィ・シングはそれでも立ち上がる。なんというか、無駄にタフな相手だ。このままでは遠からず茨を千切って脱出されてしまうだろうが、そこはクロエがさせなかった。
(「いつまでも、泣いていてはダメであります! ここが、勇気を振り絞る時……!!」)
 自らを囮に敵を欺き、そして見事に反撃してみせたイリスの行動に鼓舞されたのだろうか。
 凌辱に次ぐ凌辱で力の入らなくなっていた足を叱咤し、クロエは高々とメイスを掲げた。その全身から放たれるのは、破魔の力に特化した聖なる光。
「悪しき者を払う光あれ! ――ホーリーライト!」
「グゥッ! ナ、ナンダァ!?」
 強烈な閃光に視界を奪われ、アノマリィ・シングが怯んだ。相手が動けない今は、強烈な一撃を食らわせる最大のチャンス。そんな機会を見逃すはずもなく、クロエは高々とメイスを振り被って跳躍し。
「これは、今までのお返しであります!!」
「ナッ……ヒュデブゥゥゥゥッ!!!!」
 ビキニアーマーを纏った真の姿に覚醒しつつ、渾身の力を込めてメイスを振り降ろす。戦乙女の怒りを込めた一撃は、凄まじい打撃音と共に、下劣な獣の脳天を情け容赦なくカチ割った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
【恋華荘】
「これが敵の親玉ですね!
電脳魔術で倒してみせましょうっ!」

【チューリングの神託機械】で情報処理能力を向上。
【ラプラスの悪魔】で敵の触手の動きをシミュレーションして回避します。

「くぅっ!」

躱しきれずに少し掠りましたが問題ありません!
このまま避けつつ【マックスウェルの悪魔】で攻撃すれば……

「って、きゃああっ!」

なっ!?
いきなり敵の攻撃の精度が予測を上回って!?

攻撃されるたびに敵の攻撃が当たるようになってきて
ついには触手に囚われてしまい……

媚薬ガスと神託機械の副作用で敏感になった身体を触手によって貫かれ……

「きゃ、きゃああっ!」

さらにいちごさんが召喚した触手にまで蹂躙されてしまうのでした。


彩波・いちご
【恋華荘】
この世界にもこんなのいるんですか…(頭抱え

【異界の抱擁】で触手を呼び出し奴を拘束しましょう
…周りの仲間を巻き込まないように制御に集中したいですが、立ち止まってるわけにも…ということでマイエさんのバイクにタンデムさせてもらいます

ところが、加速時に身体支えるために前に手を回したら、マイエさんの胸を鷲掴みに(汗
そしてそれに驚いた彼女が事故って、私は投げ出されて仁美さん巻き込みつつ媚薬ガスの罠の中へ
媚薬吸って頭ボーっとする中、手の中の柔らかいものを揉み揉みと
…仁美さんの胸だと気づいても、媚薬のせいか手が離せず揉み続け

そんな事してるとやっぱり触手は暴走して仲間を巻き込んでしまうのでした…


フロウヴェル・ゼフィツェン
【恋華荘】の皆と引き続き一緒なの。
※アドリブ歓迎

…こういうの、アルダワあたりで見た気がするの。偶然じゃない気がするの。
厭らしいのも一緒っぽいし。さっさとやっつけるの…
と言った矢先に神経毒ブレスを食らって、動けなくなっちゃうの。そこに敵の触手が迫ってきて…滅茶苦茶にされちゃうの。
「…いちご以外の触手は、ヤ、なの…」
何とか抜け出そうとするけどうまくいかなくて、結局好き勝手に…

されそうになったところに、いちごが呼び出した触手で助けられるの。
そのまま、今度はその触手に襲われるけど、いちごの触手なら大歓迎なの。大事なとこまであげちゃうの…♪

落ち着いたら、真祖転生・鉄杭典礼を発動、敵を串刺しにしてやるの。


マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】
いちごさんが触手の技に集中したいとの事
では愛車の後側にお乗り下さいませっ
敵も強壮ですが“シルフェリオン二世”なら!
※ユベコ起動、触手を【おびき寄せ】【見切り】躱す

きゃ、んぅっ?!
い、いちごさんの手がわたくしの胸を…
いけない、ガスが…息を止めて下さいっ!

わたくしも振り落とすまいと堪えますが
直後から体は火照り胸も早鐘を打って
吐息まで未知の色を帯び…

ダ、ダメッ!頭の中で、何か、弾けてっ!?
はぁっ、はぁっ…んぅ、ふぁあぁっ!

※出自故に性的知識が乏しい為、ガスの効能や
※ユベコで増した【サイクロン・ドライブ】の
※副作用が性的なモノとは知らない

操縦を誤り、いちごさんが落下?!
申し訳ありませんっ…!


霧沢・仁美
【恋華荘】
…なんでこの世界にまでこんなのがいるのかな…!?
と、ともかくやっつけないと!

念動電光球を5個ずつ合体させた上で放って攻撃。触手を焼いて、変なコトできないようにしてやるんだから…!
でもそこに、何処からかいちごくんが飛んできて。巻き込まれる形でガスの罠の中に飛び込んじゃう。
それは媚薬効果のガスで…一気に身体がうずうずしてきちゃって。
いちごくんに胸を揉まれるのが気持ちよくって…それどころじゃないとは思いつつも、もっとしてとされるがままになっちゃう。

何とか我に返れたら、皆の攻撃とタイミングを合わせて念動電光球を全部合体させた上で叩きつけにいくよ。


アイリス・ヴォルフェルト
【恋華荘】
あれ?此処ってアルダワでしたっけ?
いやいや、流石に気がついたら別世界はないですね
とにかく解放した奴隷の人達に色々聞いて地の利や罠の把握をして戦いの準備をします
が、聞いてきて戻ってきたら皆さんが酷いことに……
あー、やっぱりエロ触手でしたね。巻き込まれないでよかった
でも、これで色々聞いてきたのがパーですね。これじゃ協力して誘導や罠に嵌めるとかも出来ません
と、とにかくツッコミどころが多すぎてツッコミ切れませんので、まずは皆さんの救助です!
剣で触手斬って救助作業をっ!
敵が攻撃してきたらカウンターで【ボルテクスアタック】です!
粘液は盾で防いで、突進にシールドバッシュを合わせて叩っ切ります!


織笠・アシュリン
【恋華荘】
あーもう、やな予感しかしなーい!
どこの世界に行っても触手から逃げられないよー!
(そもそも、いちごと冒険する限り触手から逃げられないのは、考えないことに)

「破邪の呪弾、いっけー!」
ライフルからユーベルコード【呪弾装填】を放つ!
異界の怪物が混じってるなら破邪【属性攻撃】も効くはず……!
【2回攻撃】で素早く装填して再射撃!

って、触手が届くの!?
あっという間にねちっこく絡まれることに!
「こんなの、いちごのに比べたら……きゃぅっ!?」
色々といけない衝動に耐えてるうちに、いちごの触手が助け(?)に
ダメッ、敵味方のダブル責めと罠で、頭が真っ白に……

蹂躙に失神しつつも大事なものだけは死守……


ヴェール・フィエーニクス
【恋華荘】
とうとう親玉登場、です…!
色々おっきい上に、触手てんこ盛りで不安もありますが
それを振り払い、戦いに向かいます、です!

「差し伸べる、救いの手」で攻撃するため
敵に肉薄しようとしますが
それが逆に相手の攻撃を許してしまう事に…

突進や粘液をかわした所にやって来た触手に捕らわれて
そのまま敵本体に蹂躙されてしまいます…

でもそこに、解放された奴隷の人達が
トラップを発動させて、敵に攻撃を!
それでひるんだところを、さらにいちごさんの触手召喚がやって来て
その隙に改めて「差し伸べる、救いの手」を!

何とか敵の魔の手からは逃れられましたが
いけないことされたうずうずは残ってて
そのままいちごさんの召還触手に…!?



●触手はどこにでも住んでいる!?
「クソォ……猟兵ドモメ……」
 触手の先端を再生させながら、アノマリィ・シングは悪態を吐きつつも、しぶとく生き残っていた。
 連戦に次ぐ連戦で、触手の再生も限界に近い。おまけに、本体もあちこち貫かれ、傷口を修復するのも一苦労。
 そんなズタボロのアノマリィ・シングの前に現れたのは、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)を筆頭とする、恋華荘の面々だった。
「この世界にもこんなのいるんですか……」
 どことなく奇妙な既視感を覚えながら、いちごは大きな溜息を吐いた。それは、いちごだけでなく、霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)を始めとした、他の面々にとっても同じだった。
「……なんでこの世界にまで、こんなのがいるのかな……!?」
 ゾンビやモヒカンヒャッハーが跋扈する崩壊世界だと聞いていたのに、いざ訪れてみれば、いつもの如く触手と戦っているという状況。いったい、これはどういうことだ!? 誰でもいいから、説明して欲しくなるわけでして。
「あれ? 此処ってアルダワでしたっけ?」
「……確かに、こういうの、アルダワあたりで見た気がするの。偶然じゃない気がするの」
 アイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)の問いに、フロウヴェル・ゼフィツェン(時溢れ想満ちて・f01233)が深く頷いて答えた。
 気が付いてみれば別世界……さすがに、そんなことはないだろう。というか、別にアルダワ魔法学園は、触手の跋扈する世界ではない!
「あーもう、やな予感しかしなーい! どこの世界に行っても触手から逃げられないよー!」
 どこへ行こうと、触手、触手、また触手。あまりに触手ばかり相手にし過ぎて、早くも織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)が錯乱し始めた。もっとも、いちごと冒険する限り、召喚された触手によってハプニングに巻き込まれる可能性が常に存在するため、逃げられないのも当然といえば当然なのだが、それはそれ。
「こ、これが、敵の親玉……」
「でも、ここで負けるわけにはいきません! 電脳魔術で倒してみせましょうっ!」
 色々と巨大な怪物を前にして思わず怯みそうになるヴェール・フィエーニクス(「涙を拭う手」のアサシン・f00951)を、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)が鼓舞するかの如く叱咤し、宣言する。どうも、彼女達が言うと、それ自体が死亡フラグのような気もするが……細かいことは、気にしたら負けだ。
「では、いちごさん。私の愛車にお乗りください」
 ああいう巨体を誇る相手には機動力勝負が効果的だと、マイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)がいちごに促した。それを聞いて、いちごも頷く。ここまで来て、あんな醜い触手に捕まり、好き放題されてなるものか!
「行きますよ、皆さん! 準備はいいですか?」
 マイエのバイクの後ろに跨り、いちごが他の面々に向かって尋ねた。
 敵は連戦によって弱っている。倒すのであれば、このチャンスに畳み掛けないのは勿体ない。
 恋華荘の人々と、触手を操る下賤な獣人。廃墟となった研究所の跡地で、決戦の幕が切って降ろされた。

●イケナイ、大乱闘!?
 女性を嬲る下賤な触手モンスターに、数の暴力で立ち向かう恋華荘の面々。だが、アノマリィ・シングからすれば、鴨がネギを背負って来たように見え……いや、もしかすると、本当にそうなのかもしれない。
「ふんぐるいふんぐるい……星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
 敵が触手なら、こちらも触手だ。まずは相手の足を止めるべく、いちごが異界より触手モンスター達を召喚する。それらがアノマリィ・シングに殺到したところで、すかさずアシュリンがライフルを構え。
「是こそは、毒持ち邪を退ける、円環の樹の魔力宿せし呪弾! 喰らえええええっ!」
 異界のモンスター要素が入った相手なら、破邪の弾丸も通用するはず。そう踏んでの攻撃だったが……果たして、弾の直撃を食らったアノマリィ・シングは、そこそこのダメージを受けたものの、まだまだ余力が残っており。
「痛ェッ! ……テメェ、ナニシヤガル!!」
 お返しとばかりに、背中の触手をアシュリンへと差し向けて来た。相手が邪悪なる悪魔の類ならいざ知らず、あくまで姿形だけ似せたバイオモンスターのような存在では、彼女自慢の銃弾は命中こそすれど、破邪の力はそこまで効果がなかったようで。
「えぇっ! な、なんで弾が効かな……って、触手が届くの!?」
 かなり遠くから狙撃したにも関わらず、気が付くとアシュリンの眼前には触手が迫っていた。完全に間合いを読み違い、瞬く間に触手に巻かれてしまうアシュリン。しかも、両腕を封じられてしまい、これでは銃による反撃ができない。
「あぁ……いきなり、大変なことに! 今、助けま……きゃぁっ!!」
 見兼ねたヴェールが敵に肉薄して触手の元を断とうとするも、迂闊に接近したことが災いして、彼女もまた触手に捕まってしまった。
「落ち着いてください、皆さん! 今、私が相手の動きを計算します!」
 いかに強靭な触手とはいえ、それでも攻撃パターンは存在するはず。相手の攻撃を的確に見切り、アイは触手の動きをシミュレートしつつ立ち回る。が、このまま避けつつ攻撃すれば勝てると計算が出たはずなのに、何故か触手の方もまた、攻撃の精度が上がって来ているような気が。
「……くぅっ!」
「ホゥ、避ケタカ。ダガ、今ノハ、ホンノ小手調ベダ!」
 間一髪のところで触手の先端を避けたアイに、アノマリィ・シングが不敵な笑みを浮かべながら迫る。続け様に放たれた触手を再び回避しようとするアイだったが、今度は触手の方が、彼女の動きを先読みするかの如く回り込んで来た。
「えぇっ!? そんなの計算にな……って、きゃああっ!」
「グハハハ! 俺様ノ触手ハ、貴様達ノ動キヲ学習スルコトガ、デキルノダ!」
 勝ち誇ったようにして笑うアノマリィ・シングの触手が、ついにアイを捕らえてしまった。両手を塞がれ、そのまま広げられる形で、アイは宙吊りのようにされてしまう。慌てて勝率を計算するが……圧倒的な力の差から、脱出することは不可能だと、絶望的な未来が演算されるだけだ。
「これは、さっさとやっつけないと危ないの」
 アノマリィ・シングの底力に、フロウヴェルは覚悟を決めて、ヴァンパイアの姿へと変身した。だが、そんな彼女に危険な何かを感じたのか、アノマリィ・シングは敢えて近づくことをせず、触手の先端から大量の神経毒を含んだガスを発射して来た。
「……っ!? こ、この煙……あぅ……力が入らない……の……」
 さすがに、飛び込んだ場所へ弾幕の如くガスを巻かれれば、避けようにも避けられない。いかにヴァンパイアの力に覚醒しているとはいえ、神経ガスまで無効にできるはずもなく。
「くっ……こっちの動きもだんだん読まれて……しっかり捕まっていてください、いちごさん!」
 迫り来る触手に追い付かれそうになったことで、今度はマイエがバイクをフルスロットル! しかし、予期せぬ急発進にバランスを崩し、いちごが思わず掴んだ先は……。
「きゃ、んぅっ!? い、いちごさんの手がわたくしの胸を……!?」
「え……ひゃぁぁぁっ!! す、すみません、そんなつもりじゃ!!」
 お約束の如く、操縦しているマイエの胸だった。しかも、それでコントロールが効かなくなったマイエのバイクに、研究所内に仕掛けられていた媚薬ガスの罠が発動してしまい。
「いけない、ガスが……息を止めて下さいっ!」
 せめて、突っ切るまでは呼吸は厳禁だと告げるマイエだったが、そういう彼女自身、何故か身体が火照り、吐息も荒くなって仕方がない。その結果、ますます操縦は荒くなり、振り落とされんと胸にしがみつく、いちごの手にも力が入り。
「ダ、ダメッ! 頭の中で、何か、弾けてっ!? はぁっ、はぁっ……んぅ、ふぁあぁっ!」
 ついに、胸を揉まれることで思考の限界に達してしまったマイエは盛大に転倒! その勢いで、いちごはバイクから放り出されてしまった。
「な、なんてこと!? このままじゃ、あの豚獣人に全滅させられちゃう!」
 次々に倒れて行く味方を前に、仁美が慌てて電光球を合体させた。これで触手を焼き払い、捕まった仲間達を助け出す。切り札を見せるのには少しばかり速い気もしたが、背に腹は代えられない。
「プラズマ展か……って、きゃぁっ!」
 だが、渾身の一撃を見舞おうとプラズマ弾を生成したところで、間の悪いことにバイクから吹っ飛ばされたいちごが仁美に正面衝突! しかも、そのまま互いに絡み合った状態で、運悪く媚薬ガスの漏れていた空間に突っ込んでしまった。
「あいたた……あれ? なんだか、頭がボーッとしますね……。それに、なにか柔らかいものが……」
 本能のままに、いちごは目の前にある物体に手を伸ばし、何の躊躇いもなく揉み始めた。それは仁美の胸だったのだが、しかし仁美も媚薬ガスを吸ってしまっているために、抵抗する意思さえも沸いて来ず。
「あぁ……これ、もしかして仁美さんの……す、すみません……でも、手が勝手に……」
「んぅっ! も、もう、こんな時になにやって……ぁん! だ、だめ……気持ち良くて、変になっちゃう……」
 戦闘開始数分足らずで、この有様。かくして、アノマリィ・シングに挑んだいちごと美少女達は、瞬く間に触手やガスの餌食となってしまったのである。

●エッチな展開なんかに負けたりしない!
 アノマリィ・シングの触手と、室内に仕掛けられていた媚薬ガスの罠。それらをまともに食らってしまった結果、恋華荘の者達の運命は、もはや風前の灯火だった。
「あぁ……そ、そんなとことまで……んくぅっ!!」
「こんなの、いちごのに比べたら……きゃぅっ!?」
 ヴェールもアシュリンも、触手に全身を絡み付かれ、敏感な部分を同時に刺激されていた。胸も、尻も、その全てが触手に巻かれてしまい、もはや触手の塊から首だけ出ている状態。彼女達を包んでいる触手玉の中では、今も現在進行形で、多数の触手による徹底的な凌辱が行われており。
「ひゃぁんっ! そ、そんなに奥まで……い、いやぁぁぁぁっ!」
「んぅぅ……い、いちご以外の触手は、ヤ、なの……」
 アイに至っては恥ずかしい恰好で空中に身体を固定されたまま盛大に触手で貫かれ、フロウヴェルもまた蠢く触手に四肢を拘束されて、貞操を奪われる一歩手前だ。
「あぅぅ……。は、早く……皆さんを助けに行かないと……いけないのに……」
「はぁ……んっ! そ、そんなに強く揉まれたら、また……ぁぁぁぁっ!!」
 その一方で、ガスにやられたいちごは未だ仁美の胸を揉んでおり、仁美もそれを受け入れてしまっている始末。最後に残された希望はマイエだったが、彼女もまたバイクで盛大に転倒したショックで気絶しており、とてもではないが仲間を助けるどころではなくなっていた。
「グハハハ! 脆イ、脆イゾ! 猟兵トハイエ、所詮ハ女! 俺様ノ触手ニカカレバ、造作モナイ!」
 もはや、勝利は目前だと勝ち誇るアノマリィ・シング。このままでは、本当に全滅させられてしまう。あわや、恋華荘の面々は豚獣人の慰み者にされてしまうのかと思われたが……最後の最後で、希望が1つだけ残されていた。
「あー、やっぱりエロ触手でしたね。巻き込まれないでよかった」
 奴隷にされていた人々を逃がしつつ、施設内に設置された罠の場所を聞いて来たアイリスが戻って来たのだ。
「でも、これで色々聞いてきたのがパーですね。これじゃ、協力して誘導や罠に嵌めるとかも出来ません……」
 結局のところ、メリットは人々を安全に逃がせたことと、自分が巻き込まれなかったことくらいか。だが、嘆いていても仕方がない。この状況を打破できるのは、他でもないアイリス以外に存在しないのだから。
「と、とにかく……まずは皆さんの救助です!」
 迫り来る触手を剣で斬り捨て、アイリスは触手に捕まってた面々を救出して行く。さすがに、4人も捕まえていては動きが取れなかったのか、アノマリィ・シングも思うように反撃できなかったのは幸いだ。
「うぅ……ひ、酷い目に遭いました……」
「はぁ……はぁ……た、助かったの? ……って、なんでまだ触手がぁっ!?」
 床に落下し、安堵の溜息を吐くヴェールだったが、それも束の間。アシュリンが悲鳴を上げた方を見れば、そこにはいちごの召喚した触手生物がのたうち回っており、しかもなにやら興奮した様子で、救出されたばかりの少女達に襲い掛かって来た!
「きゃぁぁぁっ! な、なんで、こっちまで襲われるんですか!」
「す、すみません! なんか、媚薬ガスでやられて、触手達も暴走して……」
 悲鳴を上げるアイに平謝りするいちごだったが、その手は未だ仁美の胸元に置かれているので救いようがない。そうこうしている間にも、触手達は救助されたばかりの少女達に飛び掛かり、敏感にされた身体を貪らんと這い上がって来た。
「んぅっ! そ、そんな……今、来られたら……きゃぁっ!!」
「ダメッ! これ以上されたらおかしく……はぁぁぁ💕」
 まずはヴェールとアシュリンが、それぞれ敏感な部分を触手に弄られて気絶した。続けて、アイもまた触手の攻めに耐え切れず陥落したが……そんな中、フロウヴェルだけは別だった。
「ん……いちごの触手なら大歓迎なの。大事なとこまであげちゃうの……♪」
 何故か、この状況を喜んでいるようだが、それはそれ。さすがに、いつまでも楽しんでいるわけにいかないと察してか、フロウヴェルは静かに敵へと手をかざし。
「本当の夜を、教えてあげるの」
 覚醒したヴァンパイアの力を行使して、アノマリィ・シングを真下から鉄杭で串刺しに!
「グェェェッ! 貴様、ヨクモォォォォッ!!」
 怒り狂うアノマリィ・シング。そのまま触手を滾らせ、再びフロウヴェルを捕らえて凌辱しようと迫るが、そこはアイリスがさせはしない。
「させません! これが私の本気の一撃です!」
 盾を構えて突進からの、強烈な斬撃で触手を斬り捨てる。薄汚い粘液が溢れ返り、飛散した液体が頬に付着したことで、アイリスは思わず顔を顰めた。
「んぅっ! こ、これ以上……ぁんっ💕 好き勝手に……させな……ひゃぅっ!! か、覚悟……しなさ……はぁんっ♥♥♥」
 そんな中、未だいちごに胸を揉まれながらも、仁美が悩まし気な声を上げながらプラズマ弾を生成して行く。正直、頭がぼんやりして狙いも定められないが、それでもあの怪物に、一糸も報いぬまま倒れるわけにはいかない。
「プラズマ展開……今度こそ!」
 正真正銘、最大の必殺技だ。出せる限りのプラズマを全て出し、それらを1つに収束させた一撃が、アノマリィ・シングを研究所の端まで吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
お前がここの親玉か。
多くの人々を辱め、何よりシャーリーに恥ずかしい思いをさせた罪は重いぜ!

とはいえ、奴は紛れもない強敵だ。
勝つためには俺達だけじゃなく、奴隷にされていた人達の協力が必要だ。
シャーリーと一緒に予め彼らから聞いておいた要塞内の老朽化した区画へ奴を誘い込み、攻撃を外した様に見せかけて【料理の鉄刃】で壁や柱などを破壊して瓦礫の下敷きにし、動きが封じられたところを狙って炎の【属性攻撃】を付与した大包丁で【料理の鉄刃】を【二回攻撃】で叩き込む!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
出た!「キンブ・オブ・女の敵」!
キミのせいでボクはウィーリィくんの前で…(ごにょごにょ)
や、やっつけちゃお、ウィーリィくん!

ウィーリィくんとニケツで宇宙バイクで要塞内を突っ走る
目指すは奴隷の人たちから聞いた要塞内の老朽化したところ
到着したらボスに熱線銃で攻撃するフリをして天井を支える支柱を【スナイパー】で狙って破壊し、ボスを生き埋めにする
「行くよ、ウィーリィくん!」
そこを狙って【クイックドロウ】で集中攻撃!
ボクの怒り、思い知れーっ!



●最終最後の決戦!
 触手馬の群を退けて、研究所の最奥に辿り着いたウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)とシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。だが、そんな二人の目の前に広がっていたのは、なにやら呆けた顔をして、あられもない恰好のまま粘液でベタベタにされた姿の少女達だった。
「出た! キンブ・オブ・女の敵! キミのせいで、ボクはウィーリィくんの前で……」
 そこまで言ったところで、シャーリーは思わず顔を背け、言葉を濁してしまった。
 触手に巻かれ、衣服を溶かされ、身体の奥まであんなことや、こんなこと。現在進行形で繰り広げられている凄まじい光景を前に、言葉を失うのも無理はない。
「お前がここの親玉か。多くの人々を辱め、何よりシャーリーに恥ずかしい思いをさせた罪は重いぜ!」
 包丁の先を突き付けて叫ぶウィーリィだったが、実際にアノマリィ・シングもまた、それどことろではなくなっていた。
「グヌヌヌ……マタ、猟兵カ! コッチハ、モウ再生力ノ、限界ダト言ウノニ!!」
 これ以上、触手を斬られてしまっては、再生する前に自分の命が尽きてしまう。こうなればヤケクソだと、力任せに襲い掛かって来るアノマリィ・シングだったが、その程度で怯むウィーリィとシャーリーではなかった。
「行くぜ、シャーリー!」
「う、うん! やっつけちゃお、ウィーリィくん!」
 シャーリーの駆る宇宙バイクに乗り、二人は研究所内を縦横無尽に走り回った。その後ろからは触手を滾らせたアノマリィ・シングが追い掛けて来るが、しかし彼の攻撃は二人を捕らえることはなく。
「ほらほら、こっちだぜ?」
「もっと、よく狙わないと、当たらないよ!」
 ウィーリィの包丁が壁を伝わっているパイプを斬り、シャーリーの熱線銃が天井を崩落させて行くため、アノマリィ・シングはそれらを振り払うだけでも一苦労。
「オノレェェェッ! チョコマカト、動クナ!」
 逃げ続ける二人目掛け、アノマリィ・シングは特大の粘液を発射した。さすがに、これは避け切れなかったのか、粘液に滑ってシャーリーのバイクが盛大に転倒してしまった。
「……っ! こ、来ないで!」
 背後からせまる触手の気配を察し、シャーリーが咄嗟に起き上がって熱線銃を乱射した。しかし、慌てて撃ったためか、それらは一発も命中せず、光線は明後日の方向へと飛んで行く。
「チッ……散々、手コズラセヤガッテ! ダガ、遊ビモコレマデダァッ!」
 怒り狂ったアノマリィ・シングの触手が、一斉に降り注いできた。思わず目を伏せてしまうシャーリーだったが、しかしそこはウィーリィがさせなかった。
「そう簡単に、やらせるか! それに、この部屋に来た時点で、お前の負けは決まっているんだからな!」
「……ナンダト?」
 鉄鍋で触手を防ぐウィーリィの言葉に釣られ、アノマリィ・シングが顔を上げた。そして、次の瞬間、先のシャーリーの銃撃が何を狙っていたのかを察したが、気が付いた時にはもう遅い!
「行くよ! ボクの怒り、思い知れーっ!」
「ヌォォォッ! シ、シマッタァァァッ!!」
 そう、シャーリーの銃撃は、別に狙いを外していたわけではない。慌てて乱射したように見せかけて、アノマリィ・シングのいる場所の真上、天井を貫いていたのだ。
「グァァァッ! オ、オノレェェェッ!!」
 止めの一発を受けて崩落する天井に、成す術もなく飲み込まれて行くアノマリィ・シング。事前に、救出した者達から聞いて置いた、研究所内でも特に老朽化の激しい場所。そこに誘い込み、崩落に巻き込んで倒すというのが、最初から二人の狙いだったのである。
「こいつで終わりだ! 研ぎ澄まされた刃と技に、料理出来ないものはない!」
「マ、マテ! ヤメロ! 俺様ガ、悪カ……ギャァァァァッ!!」
 最後は、瓦礫の下から脱出しようとしたところを、ウィーリィの包丁が真っ二つ!
 かくして、アポカリプスヘルに現れた醜悪なる触手生物の拠点は攻略され、人々も無事に救出された。子どもと老人しかいなかった拠点にも平和が戻り、彼らは再び人類文明を復興させるため、未来に向けて歩み出すことだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年01月24日


挿絵イラスト