もっちもちの餅つき祭り
ぺったんぺったんとリズミカルな音が寒空に響く。
ハイッ、イヨッ、ハイッ、イヨッ!
交互に掛け声を発しながら大きな臼に入ったもち米を杵で叩き、濡れた手で餅を引っくり返す。
その威勢の良い様子を眺める観客が集まり、餅が出来上がっていく様子を楽しんでいた。周りを見ればそんな餅つきがあちこちで行われている。
雪かきされた村の広場には多くの臼と杵が用意され、湯気の立つ蒸しあがったもち米が次々と運ばれてくる。
今日は正月初めの餅つき祭りが開催されていた。
出来立ての餅はよく伸び、祭りでは伸びれば伸びるほど良いとされている。
用意されたお雑煮に入れたり、ぜんざいに入れたり、そのままきな粉や餡子で食べても蕩けるように美味しい。
もっちもちの餅を腹いっぱい味わおうと、村の人間だけでなく、この祭りに参加しようと余所からの旅人も来るほど、美味い米を作る村の祭りは評判だった。
餅をついて出来立てを食べる。そうして新年の稲の豊作を祈ったり、しっかり伸びる餅から生命力を得て健康を願うお祭りとされていた。
●
「みんな! あけましておめでとうー☆」
餅つきの様子を映すグリモアベースで、ぺこりとお辞儀したラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が猟兵達に新年の挨拶をする。
「みんなお正月は何を食べたかな? やっぱりおもちの人が多いのかな? 今日はサムライエンパイアの村でおもちつきのお祭りがあるって聞いて、みんなに紹介にきたんだよ!」
ぱっと顔を上げたラフィロワが餅つきするように手を振るって、サムライエンパイアでのお祭りを紹介する。
「お祭りだから自由に参加できるんだよ! 自分でおもちをついてできたてを食べられるんだって!」
道具やもち米は用意されている。お雑煮やぜんさい、きな粉に餡子まで用意されているようだ。他にも白い餅だけでなく、ヨモギやエビに黒糖と好きな味の餅をつく事も出来る。
「できたてのおもちってすごーく伸びるんだって! 食べたことないけど、すごそうだよね!」
こーんなに伸びるのかなと、ラフィロワは両手をいっぱいに広げてみせた。
「お正月におもちを食べると健康になれるんだって! きっとお祭りでもっちもちのおもちを食べたら、新しい年もずーっと元気に過ごせるよ! だからみんな美味しいおもちをついてね☆」
美味しいだけでなく新年を健康に過ごす願掛けにもよい祭りだと、ラフィロワはお祭りの場へ続くキラキラ光る道を繋げた。
天木一
新年あけましておめでとうございます。今年もまたよろしくお願いいたします。今年初めは餅つき祭りへのご招待となっております。
餅つきの道具や基本的な材料は用意されてあります。好みの味や色の付いた餅をつきたい場合は持参です。美味しく食べられるものにしましょう!
人が作ったものを食べるだけの参加も歓迎されます。大いに食べてください。食べっぷりの良い人物は豊穣の祭りで喜ばれます。
複数人数でご参加の方はお名前かグループ名をご記入ください。
お誘いがあればラフィロワも参加します。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
では正月のお餅つきをお楽しみください!
第1章 日常
『サムライエンパイアの冬を楽しもう』
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POW : 体力の限りを尽くし、力いっぱい、サムライエンパイアの冬を楽しむ
SPD : 遊びに参加したり、料理や作品を作ったり、クリエイティブに冬を楽しむ
WIZ : 恋人や友達と一緒に、サムライエンパイアの冬を幸せに過ごす
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャルロット・クリスティア
フィア(f24116)さんと
……あの、フィアさん?ギルドからの調査依頼って聞いて来たんですけど?
これ、明らかにただの新年のお祭りですよね……?
……うーん、なんか良いように丸め込まれた気もしますが。
ただ、流石に麦で代用は無理でしょうねぇ、これは……やはり米が育つ環境じゃないと厳しいでしょうkってちょっと待って押さないで押さないで。
というか、予想はしてましたけどやっぱり調査にかこつけて遊びたかっただけですよね?ね??
(杵で手の甲うりうり。流石に叩くのは良心が咎めた)
……はぁ、まぁいいです。仕事ばかりも気疲れしますしね。
楽しむのは良いですけど、喉詰まらせないように気を付けてくださいよ?
ラフィア・ミセルス
シャルさん(f00330)と餅つき
お餅ってさ、ダークセイヴァーの食糧事情の改善になんかヒントをくれそうじゃないかなって思ったの
だからこれはれっきとした調査なんだって
ほら、頭で色々考えても実際の経験に勝るものなんてなんだからやろうよシャルさん(ぐいぐいぐい)
いざ向こうの人達に教える時に、私達がやり方知らないと困っちゃうでしょう?
じゃあ私がお餅をこねってする方やるからシャルさんぺちってやる方ね
いやまあ、美味しいお餅食べたいって所が本音なのは正直認めるけどってあうあうあうそのぺちってやるので手の甲うりうりしないで地味に痛いからあああ
まあまあ、私チョコ持ってきたからつきたてのお餅にこれ包んで食べよう!
●お祭り
ぺったんぺったんとリズミカルに餅をつく音が村中に響く。
「おーい、こっちに新しいもち米をくれー!」
「さあさあ、餅がつけたよー!」
人々は餅をついたり、出来立てのよく伸びる餅を味わったりと、広場は祭りらしく賑わっていた。
「……あの、フィアさん?」
周りを見渡したシャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)が、笑顔で餅つきを眺めているラフィア・ミセルス(ルミノックス・f24116)に訝し気な顔を向けた。
「ギルドからの調査依頼って聞いて来たんですけど? これ、明らかにただの新年のお祭りですよね……?」
どこからどう見ても平和な祭りが行われているようにしか見えないと、シャルロットは疑問符を浮かべて今回の話を持ってきたラフィアに問い詰めるように尋ねる。
「お餅ってさ、ダークセイヴァーの食糧事情の改善になんかヒントをくれそうじゃないかなって思ったの。だからこれはれっきとした調査なんだって」
うんうんと真剣そうな顔を作ったラフィアが頷き、それっぽい理由付けをして丸め込む。
「……うーん、なんか良いように丸め込まれた気もしますが。ただ、流石に麦で代用は無理でしょうねぇ、これは……やはり米が育つ環境じゃないと厳しいでしょうkってちょっと待って押さないで押さないで」
「ほら、頭で色々考えても実際の経験に勝るものなんてなんだからやろうよシャルさん」
難しい顔で思案するシャルロットの背中をラフィアがぐいぐいぐいっと押して、餅つき祭りの中へと入っしまう。
「いざ向こうの人達に教える時に、私達がやり方知らないと困っちゃうでしょう?」
勢いで押し切ろうとラフィアは用意しておいてもらった臼に熱々のもち米を入れ、杵をシャルロットに押し付ける。
「じゃあ私がお餅をこねってする方やるからシャルさんぺちってやる方ね」
そう言って自分は手を洗って水に手をつけ、火傷しないようにもち米をこねた。
「……というか、予想はしてましたけどやっぱり調査にかこつけて遊びたかっただけですよね? ね??」
「いやまあ、美味しいお餅食べたいって所が本音なのは正直認めるけどってあうあうあう、そのぺちってやるので手の甲うりうりしないで地味に痛いからあああ」
どう見ても餅つきをしたかっただけだろうとシャルロットがジト目を向けると、ラフィアが本音を漏らしてイイ笑顔を見せる。半眼となったシャルロットは杵でラフィアの手の甲を叩こうかとも一瞬思ったが、良心が咎めてうりうりと押さえつけるに留めた。
「まあまあ、私チョコ持ってきたからつきたてのお餅にこれ包んで食べよう!」
「……はぁ、まぁいいです。仕事ばかりも気疲れしますしね。楽しむのは良いですけど、喉詰まらせないように気を付けてくださいよ?」
無邪気な笑顔で悪びれないラフィアに、シャルロットは諦めたように深い息を吐き、杵を持ち上げてぺったんと餅をつき始めた。
「さあ、どーんときてって掛け声! 掛け声を入れようよ!」
シャルロットが無言でぺったんぺたんと連続で杵を振り下ろし、あわや手が餅になるところだったとあわててラフィアが手を引っ込める。
「……確かに、これは日頃のストレス発散にいいかもしれませんね」
やり始めるとなかなか楽しいと、シャルロットが杵を振り下ろし続ける。
「だから掛け声えええ!」
何とか合間に手を入れて、餅をこねながらラフィアは悲鳴を上げた。
「こんなものですかね?」
シャルロットが杵でぺったんぺったんと餅をついていると、もち米が潰れ餅らしく粘度が上がってもっちもちになっていた。
「じゃあこれで完成! チョコを包んじゃうよ」
ラフィアがやわやわの餅を千切って持参したチョコを包み込む。
「ほら、まだあつあつだよ。シャルさんも一緒に食べよう」
「では一ついただきますね」
2人で大きく口を開けて餅を食べる。餅の熱で溶け始めていたチョコソースがとろりと餅と絡み口の中に甘みが広がる。
「……餅とチョコレートが合いますね」
「でしょでしょ!」
予想よりもずっと美味しいとシャルロットが驚くと、ラフィアが得意気な顔を見せた。
「仕方ありませんね。今日騙されたことはこれで許してあげます」
「もっちもち、うまああああ!」
そう言ってシャルロットが顔を向けると、ラフィアは食べるのに夢中で聞こえていないようだった。
「そんなに急いで食べると喉に詰まらせますよ」
「もぐもぐ、大丈夫だいじょ――んぐっ!?」
心配するシャルロットに余裕の笑みを返していると、ラフィアが急に喉を押さえる。
「ああっ、だから言ったのに!」
慌ててシャルロットが背中を叩いてやると、咳込んでラフィアが落ち着きを取り戻す。
「は~……一年の健康どころか危うく逝っちゃうところだったよ」
「洒落になりませんね。はい、お茶です。今度はゆっくり噛んで食べるんですよ?」
2人はお茶を飲んで、よく伸びる餅をゆっくり味わうことにした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ハルア・ガーラント
餅つき……ですか?わあ、やってみたいです!
【POW行動】
ラフィロワさんも一緒に餅つき、しませんか?
どれ、やり方を教わったので早速……うっ、杵って結構重いんですね。え、え、本当に重い……えええ、これ力持ちさん用?!
わー!ごめんなさいどいてくださーい!!
ラフィロワさんの可愛い餅つき姿を眺めほっこりしつつ毛羽だった翼の手入れを。散った羽根がお餅に入らなくて何よりです……。
あとはお雑煮の食べ比べをしてみたいです。お出汁やつゆの違うお雑煮をちょっとづつ。
ラフィロワさん、気に入ったお餅の食べ方はありました?
あ、遅れました、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!
共闘・アドリブ歓迎です!
霧島・絶奈
◆心情
無病息災を願うのは万国共通ですね
折角です、楽しみましょう
◆行動
ラフィロワ・ベルシルトさんをお誘いしたいと思います
あけましておめでとう御座います、ベルシルトさん
今日はお誘いを有難う御座います
では早速餅を搗こうと思うのですが…相方をお願い出来ますか?
…そういえば搗くのはどんな餅にしましょう?
私はシンプルな白餅で良いのですが、ベルシルトさんが食べたいお餅があれば折角ですし其方を搗きましょう
自分達で作ったお餅は苦労の分、もっと美味しいと感じられる筈ですよ
無事に搗けたら食べましょうか
…ああ、そう言えば餅ははじめてでしたか
喉に詰まらせると危ないので口を湿らせてから召し上がって下さい
お味は如何ですか?
●もっちもち
「無病息災を願うのは万国共通ですね。折角です、楽しみましょう」
正月らしい餅つきの祭りを見た霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が、一年の始まりにはちょうどよい祭りごとだとラフィロワを招く。
「あけましておめでとう御座います、ベルシルトさん。今日はお誘いを有難う御座います」
「あけましておめでとう! えへへ、お礼をいうのはボクの方だよっ。今日は来てくれてありがとう☆」
頭を下げて新年の挨拶を交わし、絶奈とラフィロワは互いに感謝の言葉を伝えて笑顔を浮かべる。
「では早速餅を搗こうと思うのですが……相方をお願い出来ますか?」
「うん! やってみるよー! もちつきもちつき♪ 今日はみんなでもっちもち~♪」
お餅つきの歌を即興で歌いながらラフィロワは祭りの中に足を踏み入れる。するとそこに見知った姿を見つけた。
「餅つき……ですか? わあ、やってみたいです!」
大人も子供もみんながぺったんぺったんと餅をつく様子に、ハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)は目を輝かせていた。
「あ! ハルアさーん!」
「ラフィロワさん!」
ラフィロワが人混みからぴょんぴょん跳んで手を振ると、それに気づいたハルアも手を振り返す。
「あのね、これからおもちつきをするんだけど、ハルアさんもいっしょにやろー!」
「いいんですか?」
ハルアがラフィロワについて歩いてきた絶奈にも尋ねると、絶奈は穏やかに微笑んで頷いた。
「今日はお祭りですから、皆で賑やかに過ごしましょう」
「ではご一緒させてください!」
「みんなでおもちつき~♪」
3人が用意されている臼の前に行くと、蒸したばかりの熱いもち米が入れられた。
「この杵で餅をつくんだよ。杵は水で濡らしてね、餅がついちゃうから! それとついたらああやって手で返すんだよ。手もしっかり濡らしてな、熱いから気をつけてやるんだよ!」
村の老人がそう説明して忙しなく次のもち米を蒸しに戻って行った。
「ありがとー☆」
「ありがとうございます!」
その離れた背中にラフィロワとハルアが大きな声で感謝の言葉を送った。
「……そういえば搗くのはどんな餅にしましょう? 私はシンプルな白餅で良いのですが、ベルシルトさんやガーラントさんが食べたいお餅があれば折角ですし其方を搗きましょう」
「ボクはねー、あのピンクのおもちがついてみたいな~」
絶奈の質問を受けてラフィロワが指さしたのはエビの入った餅だった。
「わたしは白いお餅がいいです」
ハルアは絶奈と同じシンプルな餅を選ぶ。
「では二種類の餅を搗くことにしましょう。自分達で作ったお餅は苦労の分、もっと美味しいと感じられる筈ですよ」
「うん!」
「はい!」
まずは色の付かない白い餅からと絶奈がもち米を半分に分けて杵を手にする。
「どれ、やり方を教わったので早速……うっ、杵って結構重いんですね。え、え、本当に重い……えええ、これ力持ちさん用?!」
同じように杵を持ったハルアは思ったよりも重いと体勢を崩す。
「わー! ごめんなさいどいてくださーい!!」
そのままハルアが他所の人々に突っ込もうとすると、素早く近づいた絶奈が腰に手を回して支えた。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。ありがとうございます」
はー、と安堵の息を吐いたハルアが振り向いて絶奈に頭を下げた。
「杵は重心が先端にありますから重く感じるのです。片手は先端の方に添えれば楽に持てますよ」
「こうですか? わー、本当に持てました!」
恐る恐るハルアがアドバイス通りに杵を持つと、普通に持つ事ができた。
「ハルアさんだいじょうぶー?」
「はい、大丈夫です! では仕切り直して餅つきを始めましょう」
心配そうなラフィロワにハルアは笑顔を返し、杵を振り上げて餅つきを始めた。ハルアと絶奈が杵を交互に振り下ろし、その合間にラフィロワがよいしょっと餅を引っくり返す。そうして楽しくぺったんぺったんとついているといい具合に米が潰れて白い餅が出来上がる。
「次は海老入りの餅ですね」
「えーっと、もち米にこの小さなエビを入れるといいんですね」
絶奈とハルアがもち米を入れ替えエビを投入した。
「よーし! じゃあ今度はボクがつくね☆」
んーしょと杵を振り下ろし、ぺたん、ぺたんとラフィロワが餅をつき始め、絶奈が餅を引っくり返す。
「疲れたら変わりますからね」
その可愛らしい様子にハルアはほっこりしながら、毛羽だった翼の手入れをする。
「散った羽根がお餅に入らなくて何よりです……」
餅をついている時に気になっていたが、大丈夫そうだと安心した。
「ハルアさーん! もう持ち上がらないよー!」
そこで疲れてついたまま杵が上がらなくなったラフィロワのヘルプが入る。
「はーい! 任せてくださいね」
杵をラフィロワから受け取ったハルアが、慣れたようにリズムに乗ってもち米をぺったんぺったんとつき始めた。
「絶奈さん! ボクも引っくり返すの手伝う!」
「では交代でやりましょう」
ラフィロワと絶奈がもち米を引っくり返していくと、その度につかれる餅がどんどんと赤く色を鮮やかに変えていった。
「かーんせーい!」
両手を挙げたラフィロワが出来たと、もっちもちの白とピンクの餅を前に笑顔を零す。その子供らしい様子に絶奈とハルアも笑顔となる。
「これってこのまま食べていいの?」
「……ああ、そう言えば餅は初めてでしたか。喉に詰まらせると危ないので口を湿らせてから召し上がって下さい」
絶奈はラフィロワに温かなお茶を渡す。言われるがままに口を湿らせたラフィロワはエビ餅を食べる。すると餅が長々と伸びた。
「あはははははっ! すごーい☆」
それが楽しくなりラフィロワは切れるまで引っ張る。
「お味は如何ですか?」
「とーーーってもおいしいよ!」
ご機嫌なラフィロワを見ながら、絶奈も出来立ての柔らかく温かな餅を味わった。
「そのまま食べるのもいいですが、お雑煮の食べ比べをしてみましょう」
ハルアは出汁や味噌といった違うつゆのお雑煮をちょっとづつみんなの分を用意する。
「は~、温まります」
「ほっかほかだよ~」
「そうですね。この時期はやはり汁物が美味しいものです」
3人が揃って正月らしくお雑煮を楽しみ、他にもあんこやきな粉をつけて餅を堪能する。
「ラフィロワさん、気に入ったお餅の食べ方はありました?」
「うん! この白いお雑煮が甘くて一番好きかも! エビのおもちを入れるとキレイだし!」
ラフィロワは白味噌仕立てのお雑煮をお代わりしていた。
「それは白味噌仕立てのお雑煮ですね。紅白は正月らしい目出度い色合いですよ」
絶奈は澄まし仕立てのお雑煮を食べながら正月の説明をする。
「あ、遅れました、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」
大事な事を思い出したとハルアは箸を置くと、姿勢を正して頭を下げる。
「うん! あけましておめでとう! 今年もよろしくね☆」
「あけましておめでとう御座います。今年もよろしくお願いします」
改めて3人で新年の挨拶を交わし一年の始まりを祝う。
「今年もこうして楽しいことがいーっぱいあるといいね☆」
「そうですね、またこうして一緒に楽しみましょう!」
「ええ、きっと楽しい一年になると思いますよ」
ラフィロワ、ハルア、絶奈はよく伸びる餅から一年を元気に過ごす力を貰い、笑顔で年初めを過ごした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベイメリア・ミハイロフ
幽兵さま(f20301)と
幽兵さま!折角でございます
お餅つきに参加してみませんか?
幽兵さまは杵でおつきくださいませ
わたくしタイミングを合わせてお餅をひっくり返します!
(腕をまくって)
流し目と仰られましても
思わず声が出てしまいますね
はい!はい!はい!…
え?わたくしめも杵を、でございますか?
うっ、少し重うございますね
でも!わたくし頑張ります!
つきたてのお餅、わたくしはぜんざいに入れて食べたく
幽兵さまはどのお召し上がり方になさいます?
そういえば、マスクでいらっしゃいますね
いかがして召し上がられるのでしょう
んん!こえはよふほひはふへ!(※これはよく伸びますね)
…頂きながらお話するものではございませんね
花屋敷・幽兵
ベイメリア(f01781)と
ふ…餅つきか。いいだろう、参加しよう。
クールポコさながらの高速ピストンを見せてやろう。
ひっくり返しの合図は流し目で頼むぞ…!
ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!タイミングを合わせていくぞ!
ある程度やったら代わろう。俺もそれやってみたいしな。
このさりげない気遣い。流石俺。
俺は黄な粉(砂糖プラス)と海苔巻いて醤油で食べる。
マスクだから食べにくいが、食事用のマスクというのがあってだな…。
…食べながら喋るのも構わないと思うぞ?昔知っていた少女がそんな感じでな。
気ままにゆっくり食べようじゃないか。
●新年
よいさ、ほいさ、もいっちょ、ほいさ!
村は祭りらしく人々が活気づいて賑やかに餅つきをしている。その様子を興味深くベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)は眺め、隣へと顔を向ける。
「幽兵さま! 折角でございます。お餅つきに参加してみませんか?」
「ふ……餅つきか。いいだろう、参加しよう」
誘われた隣に立つ花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)は恰好をつけるように仰々しく頷いた。
「道具はここに置いとくからねー」
杵と水を用意した村の男が、臼に熱く蒸されたもち米を入れて去っていく。
「ありがとうございます。では幽兵さまは杵でおつきくださいませ。わたくしタイミングを合わせてお餅をひっくり返します!」
腕をまくったベイメリアが手を濡らして熱々のもち米を引っくり返す準備をした。
「クールポコさながらの高速ピストンを見せてやろう。ひっくり返しの合図は流し目で頼むぞ……!」
杵を持ち上げた幽兵は、剣でも構えるように振りかぶる。
「流し目と仰られましても……」
「ソイヤッ!」
どうしたものかとベイメリアが困っていると、掛け声と共に幽兵が杵を振り下ろし、ぺったんと餅をついた。
「はい!」
反射的に返事をしたベイメリアが餅を引っくり返す。
「思わず声が出てしまいますね……」
「タイミングを合わせていくぞ!」
ソイヤッ! はい! ソイヤッ! はい! ソイヤッ! はい!
最初は慎重だったが、息が合い始めるとどんどんリズムに乗ってスピードが上がり、つく度にもち米が潰れて粘りが出て餅に近づいていく。
「そろそろ代わろうか、俺もそれやってみたいしな」
つくのを止めた幽兵がそう言って杵を差し出す。
「このさりげない気遣い。流石俺」
自画自賛しながら幽兵は杵を手渡す。
「え? わたくしめも杵を、でございますか?」
突然の提案に驚いたベイメリアは押し付けられるように杵を受け取った。
「うっ、少し重うございますね。でも! わたくし頑張ります!」
重心が偏っている杵は見た目よりも重く感じ、ベイメリアの持つ手が震えるが、気合を入れてぐっと握ると杵を構えた。
「ではいきます!」
「いつでもこい!」
立場を入れ替えてまたぺったんぺったと餅をつく。先ほどよりもペースは落ちているが、互いのリズムを掴んだように元気に掛け声をかけて、笑顔で餅つきを楽しんだ。
「このくらいで完成でしょうか?」
「そうだな、これだけ伸びれば十分だろう」
ベイメリアと幽兵がこねられた餅を引っ張ってみると、長ーく伸びてしっかりと餅らしくなっていた。
「わたくしはぜんざいに入れて食べようと思いますが、幽兵さまはどのお召し上がり方になさいます?」
「俺は黄な粉(砂糖プラス)と海苔巻いて醤油で食べる」
ベイメリアがぜんざいを椀に入れて尋ねると、幽兵はきな粉に砂糖を混ぜ、海苔と醤油を用意していく。その様子を見てベイメリアははたと気付いた。
(「幽兵さまはマスクでいらっしゃいますが、どのようにしてお食事なさるのでしょう?」)
マスクの口の部分が開いたりするのだろうかとベイメリアは想像しながら、ぜんざいに入れたよく伸びる餅を口にした。
「そういえば、マスクでいら……んん! こえはよふほひはふへ!(これはよく伸びますね)」
食べながら喋ろうとするが、餅が椀から伸びても切れずに目を丸くして悪戦苦闘する。
「んむ、マスクだから食べにくいが、食事用のマスクというのがあってだな……ふっ」
幽兵も海苔で巻いた餅に醤油をつけてぽいっと口に入れ、返答をしようとしたが、それどころではないベイメリアの様子を見てマスクの下で愉快そうに笑う。
「……頂きながらお話するものではございませんね」
ようやく餅が切れて、ベイメリアは柔らかくもっちもちの餅に絡まったぜんざいの甘い汁を堪能する。
「……食べながら喋るのも構わないと思うぞ? 昔知っていた少女がそんな感じでな。気ままにゆっくり食べようじゃないか」
ここでは行儀を気にする人間など居ないと、幽兵が辺りを見渡せば誰も彼もが楽しそうに声を上げて笑い、餅を伸ばして頬を膨らませていた。
「そうですね。少々お行儀は良くありませんが、今日はお祭りでございますものね」
その様子にベイメリアも自然と笑みを浮かべ、また餅を伸ばしてぜんざいを味わう。
「しかし出来立ての餅というのは柔らかくて美味い。来たかいがあったな」
新しい餅にしっかりと甘いきな粉をまぶして口に入れながら、幽兵は穏やかに晴れ渡る空を見上げる。
「そうでございますね。それに自分達でついたからでしょうか? 特別に美味しく感じてしまいますね」
ベイメリアが甘く温かいぜんざいを口にするとほっと息を吐き、寒さなど忘れるように身体が内から温まる。
「今年は良い年になりそうだ……」
「はい、きっと良い年になると思います」
健康を願うよく伸びる餅を新年早々に食べ、二人は新しい年を祝った。
ぺったんぺったんと、日が陰り祭りが終わるまで餅をつく音は村に響き続け、人々の笑い声は新年に福を呼び込むように空に昇った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵