オアシスシティ奪還戦~人を喰う夢~
#アポカリプスヘル
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
●アポカリプス・ナウ
かつて栄えた街があった。
中心部に聳え立つホテル。広大な地下街。街と街を繋ぐ地下鉄。
そんな街を、オブリビオン・ストームは一瞬で廃墟に変えた。オブリビオン・ストームを生き抜いた僅かな生存者もオブリビオンから隠れ、強かに日々を生きている。
今、その街を闊歩するのは無数のオブリビオン。
生存者の中にはオブリビオンの奴隷へと墜ちた者もおり、街はオブリビオンの治める地獄と化した。
過去に奪われた街を取り戻すべく立ち上がる人々も――程なく、無為に死ぬ。
それはアポカリプスヘルの日常風景。猟兵が抗うべき世界の終わり。5人のグリモア猟兵が予見したとある街の悲劇。
これは、ささやかな日常を取り戻すための奪還戦である。
●ホテル・オアシス
砂嵐の舞う荒野。文明の滅びから数年、ろくなメンテナンスのされていないうらぶれた高層ビル。グリモアベースに映し出されているのは、まさに滅びに瀕した世界の景色だ。
「お集まりいただき、感謝するわ……新世界アポカリプスヘル、そこで街1つを救うのが今回のオーダーよ」
ニコラがグリモアを操作して投影するのは、とある高層ビルを中心とした街の1区画。ワイヤーフレームで描写される三次元マップからは高層ビルの地下にある様々な施設も見て取れた。
「ここにはもともと、数百人の住人が暮らしていたわ。中心のビルは宿泊施設で、ホテル・オアシスと呼ばれているみたい」
ニコラの言葉と共に、件のホテルがクローズアップされる。地上十数階、客室数に換算すれば数百部屋。このホテル1つで賄うことのできる生活空間はアポカリプスヘルにおいてこの上なく貴重である。
「けれど、それもしばらく前までの話。今はこのホテルだけでなく、ホテルを中心とする街そのものがオブリビオンに支配されているわ」
人類の生存領域がオブリビオンに奪われるなど、アポカリプスヘルでは日常茶飯事。そういった領域の奪還は今後もよく見かける仕事になるだろう。
だが。
「今回奪還するのはホテル・オアシスを中心とした街――オアシスシティ。現地までの転移を担当するのはニコラを含めて5人」
広大な市街1つが対象ともなればグリモア猟兵1人には手に余る規模。故に、展開されるのは同時期にオアシスシティに関する予知を行った複数人による大規模作戦。
各グリモア猟兵が担当する転移先には付近一帯を統制するボス級オブリビオン。それらを倒し、街の人々が暮らすための場所を奪還することが共通の最終目標となる。
「幸いなことに、街を支配するボス級オブリビオン同士はそこまで組織化されてないわ。最善は5か所全ての奪還……けど、どこか1か所でも取り戻すことが出来れば今後の活動拠点としては十分ね」
作戦概要は以上、とひと息いれるニコラ。その場に集った猟兵を見回した後に口に出すのは、ニコラが担当について。
「ニコラがご案内するのはホテル・オアシス中層部、客室がメインとなるフロア。オブリビオン・ストームの影響で崩れたりした部分を突破し、道中でオブリビオンに捕らえられた人々を救いながら上層を目指してもらう形になるわ」
奴隷となった人々を救い出せばボス級オブリビオンを討伐する際に有利となる情報を貰えることもあるだろう。そうでなくても、人的資源の救済はアポカリプスヘルでの重要事項だ。
「最上階にはホテルを支配下に置き、人々を奴隷化し精気を奪い続けている夢魔リリスが居る筈……どうか、皆の力を貸してちょうだい」
目標を提示し、ニコラは現地へと飛ぶ猟兵を募るのであった。
Reyo
はじめましての方ははじめまして。そうでない方はいつもありがとうございます。今回は連携シナリオとして5名のマスターで1つの街を舞台とした奪還戦をお送りします。
Reyoの担当は街の中央に位置するホテル、そこを牛耳る夢魔リリスとの対決です。
他の連動シナリオを見なくても問題なくお楽しみいただけますが、余裕のある方は是非ともご覧ください。より一層シナリオを楽しんでいただけると思います。
さっそく、シナリオを通じての注意点をお伝えします。
●第1章:ルートを開拓せよ
ホテル・オアシス内へ転移後、夢魔リリスの座す上階を目指します。ホテル内部を移動可能なルートを探し出すことが目標となります。
●第2章:ロスト・レイダーズ
上階には夢魔リリスの食糧とされている奴隷たちと、それらが逃げ出さないよう見張っている武装したレイダーが居ます。奴隷を助け出すことが出来れば、最上階へと続くルートや夢魔リリスの居室などの情報を得ることが出来るでしょう。
●第3章:夢魔リリス
ホテル最上階で猟兵を待ち受けています。彼女を撃破することでホテル上層部を牛耳るオブリビオンの一団は瓦解することでしょう。
以上です。
では、滅びゆく世界に小さな希望の灯を届けに参りましょう!
第1章 冒険
『ルートを開拓せよ!』
|
POW : 勘で方向を定め、力づくで障害を排除する
SPD : 移動量で広い範囲をカバーし、あらゆる障害を振り切る
WIZ : 旧世界の資料を元に道を選び、魔法を駆使して障害を排除する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
種子島・友国
【SPD行動を選択】
【心情】
ちょっと待って欲しい
移動量で範囲をカバーして障害を振り切る?振り切るってことは駆けっこしなきゃならないって事かな?
僕は火縄が無かったらただのおじさんだよ?人選間違ってない?
【行動】
指定のUCで【視力】を伸ばして周囲に注意を払いつつ、【戦闘知識】で戦闘の痕跡等を追い、人や物の流れを見つけようと思う
駆けっこはしたくないけど危険が迫ったら走って逃げて探索を優先するよ
●頑固親父、終末世界へ
種子島・友国(時代遅れの狙撃手・f08418)は頑固親父である。自称しているわけではないが、己の分け身たる火縄銃――アポカリプスヘルにおいては、骨董品どころではない――への拘りは、頑固おやじと呼ばれるに十分なものだろう。
だが、それでも彼はここにいる。オブリビオンに支配されたオアシスシティという地獄に、猟兵の1人として馳せ参じた。この場にいる理由を本人の口以外から告げるのは野暮という物だろう。
「まったく、僕は火縄がなかったらただのおじさんだよ……滅びゆく世界はちょっとばかり荷が重すぎないかい?」
口に上がるのは文句ばかり。だが、己がこの場で為せることに手は抜かず。
「その上、バカ広いホテルで走り回れって……人選間違ってない?」
古めかしい形の眼鏡をクイと正す、その動作が詠唱を肩代わりした。本来であれば一撃必中の精密狙撃を為すためのユーベルコードを転用して行うのは些細な違和感も見逃さない観察だ。
「ほぉん、なるほどなるほど。連中、掃除は嫌いみたいだね」
そして見つけ出すのは、レイダーたちの通り道。
掃除が嫌い、と評したのは一見するとただの薄汚れた通路に残された足跡だ。ほんの少し、それこそ1mmに満たぬ程度の厚さの違い。あるいは、絨毯についた僅かな踏み跡の差。決して少なくない人や物が行き来した結果として残されるありとあらゆる痕跡が、友国の目にはありありと見えている。
「汚れている場所だからこそ、そういうのはきちんとしないと。おじさんみたいなのがこうやって見つけちゃうんだからさ」
顔の皺を深め、友国は笑う。友国の老練で狡猾な眼に映っているのは、痕跡という青臭さを隠しきれないオブリビオンの未熟さなのだ。
故に、引き際もまた鮮やか。
「っと、いけないいけない。まだやり合う時間じゃあないからね」
遠く聞こえた微かな足音に、友国はそそくさと別の通路を目指して逃げを躊躇わず。
レイダーたちの行動範囲を詳らかにしつつ、老兵はただ静かにホテル上層へと浸透していくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ラティナ・ドラッケンリット
オブリビオンに困っている無辜の民の為とあらば
それを救い助けることが冒険者の仕事だ
本職のスカウトではないが私も冒険者の端くれ
ダンジョン探索や屋内戦闘も出来ないことはない
そもそもオブリビオン・ストームで崩れていたとしても
元はホテルならダンジョンほど複雑な構造はしていまい
上層階に登る為の階段が瓦礫に埋もれていれば
屠竜刀『まかろん』で軽くUCを放ち撤去する
やり過ぎてしまった時は豆の木を使って足場にすればいい
道中で一般人を見付けたら通って来た経路を伝え
避難誘導を促す
可能であれば交換に知っている限りの最上階への経路を質問しよう
探索で拙い部分は脚力と腕力で押し通る
登っていれば目的地に近付いているはずだ
●Time for Work
滅びを経験した世界において、冒険者としてできることは何か。
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)の中にある一つの回答は「無辜の民を助けること」である。
そしてそこに付随するのは苛烈な攻勢こそを良しとする家訓。先んじて倒す、悉く倒す――実力がなければ取れない強者の選択。攻撃こそ最大の攻撃という座右の銘にもある通り、強烈な力押しによるルート確保がラティナの選んだ攻略法だ。
「ダンジョンと比べれば、構造は随分と簡単だな」
愛用の屠龍刀「まかろん」を振りラティナは独り言ちる。
放たれるのは、ただ単純に「武器を振るう」という動作を突き詰めた一撃。ただそれだけで、オブリビオン・ストームに由来する瓦礫が吹き飛んだ。一撃の余波は僅かに外壁を崩し、しかし崩れた箇所から瓦礫が流れて道が開く。
瓦礫に塞がれていた階段に一歩を踏み込み荷重。崩壊の危険性や己の一撃が構造の深い部分へと影響を与えていないことの確認だ。
「支えは不要、と。力加減が上手く行ったようだな」
ダンジョン内での安全確保技術は冒険者にとっての基礎教養。スカウトと称される専門家程ではないものの、ラティナもそういった技術は一通り修めている。
確認は慎重に、行動は大胆に。安全を確保した後、ラティナは駆け足で階段を上る。瓦礫で塞がれた階段を強引に開通させての移動……繋がる先の情報が得難いというその行動が呼び込んだのは幸運であった。
「さて――これはアタリだな」
呟いたラティナの先に居るのは驚きと警戒を半々に含んだ表情の生存者たち。落ちくぼんだ目元から理解できる生気のなさから見て、夢魔リリスの奴隷たちだろう。
「あ、あんたは……」
「猟兵――いや、奪還者と名乗った方がいいか? ともかく、助けに来た」
単純明快なラティナの言葉にどよめきが広がる。
「だが、上にも下にもレイダーが……」
「私と仲間たちでどうにかする。安心してくれ」
先ほど以上に広がるのは安堵の溜息。
「助かる……この街を頼んだ、奪還者」
「ああ、任せてくれ」
生存者を勇気づけるように頷くラティナ。
安全地帯を生存者たちに示し、代わりに頂戴するのは上層部へと続く経路について。情報交換を手短に済ませて生存者は下へ、ラティナは上へ、それぞれの道を行くのだった。
成功
🔵🔵🔴
棒・人間
ここがアポカリプスヘルか
確かにこれは歴代でも最大級の被害規模だな
流石に捨て置くわけにもいくまい
上を目指すのだろう?こういう所には登るための設備があるが使えないのが常だ。かといって階段を使うのは時間がかかる。
よし。勇者たるもの伸縮自在でなければな。バウンドボディを使って身体を伸ばして上階の窓まで手をかけるか。その後に収縮して登れば短縮ができるな
あ?窓が閉まっていて中に入れない?だったら窓をぶち壊せばいいだろ。勇者はツボを壊そうが棚を壊そうが咎められないからな。破壊するのが一番だ。そうだろう?
●自称勇者の進攻路
ホテル・オアシスの外壁を影が征く。びよん、と上層部を目指して丸い輪を帯びた一本の影が伸び、最大限に伸びきったところで適当な引っ掛かりを得る。伸びた時に数倍する速度でバチコーンと派手な音を立てながら縮めば、反動でややずり下がってもホテルの1階分程度の高さは余裕で稼ぎ出した。
そして、投げ輪のように見えた輪の部分こそ棒・人間(真の勇者・f18805)の頭部。極限まで簡略化された人体を模した彼の姿は、ユーベルコードを併用すればホテル外壁の登攀にうってつけだ。
「こうやって見ると、これまでの世界と比べても最大級の被害規模だな」
外壁に突き出た突端――おそらくは、何かの受信機であるアンテナ――に頭部をひっかけてブラブラしつつ、人間は呟く。
今、彼の目――最も、どちらが前か判らない容姿だが――に映っているのはアポカリプスヘルの一般的な風景。オアシスシティ全体を見下ろすこともできる高さから見えるのは、徹底的に破壊され滅びを迎えようとしている世界の一部である。
「俺は、勇者だ……これを捨て置くわけには、流石にいくまい」
短い休憩を終え、人間は視線をホテル外壁に戻す。探すのは内部への進入路だが、外壁からのルートでは手早と引き換えに内部に入る手段は少ない。オブリビオン・ストームで破壊された箇所もあれど、猟兵1人が通ることのできる箇所となれば限られた。
そこで外壁を伸び縮みしながら登りゆく人間が選んだ解決策は――
「そぅらよっ!」
人間の持つ価値観において、勇者に許された特権がいくつかある。
1つは破壊への許可。ツボにしろ棚にしろ、勇者の2文字を示せば壊しても咎められない物は多い――少なくとも、人間の知る範囲では。
派手な破砕音が響く。バウンドボディで勢いをつけられた人間の体は、オブリビオン・ストームを耐えた窓ガラスに見事にトドメを刺したのだ。
「やはり、閉まっている窓はぶち壊すに限る。勇者的にな」
細かな破片が人間の体に残るが、人間にとって多少の破片など問題にならない。暫くすればブラックタールの柔らかな体からパラパラと煌めく破片が落ちた。
「さて、ここいらでレイダーなり、生存者なりに会えれば良いのだが」
探索はこれから。人間は薄暗いホテル内部に、何処にあるかわからない目を凝らすのであった。
成功
🔵🔵🔴
イヴ・クロノサージュ
@
●私は
私の名前は、キュア・サージュ
ヒーローズアースからやってきた魔法少女なの!
この世界では悪い夢魔さんがいるって噂!大変なの!
だから、やっつけるために頑張るよ!
●説明しよう!
彼女の正体は実はイヴ・クロノサージュ!
恥ずかしいので正体を隠しているが、猟兵の皆さんにはバレバレだ!
お察してあげよう!
●冒険フラグメントの行動(WIZ)
魔法少女に変身して
ホテル・オアシス中層から上層に向けて移動する際に
技能【空中浮遊、ジャンプ、地形の利用、ダッシュ】(24) を使用し
空中を浮遊しながら行動します
回避及び飛翔能力はUCに順じます
難しい事は特に何も考えてません
『足りない部分は、頼りになる猟兵さんに頼るの!』
●魔法少女、参上!
廃墟とまではいかずとも、ホテル・オアシスの内装には最盛期の見る影もない。
故に、イヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)の姿はよく目立った。そして、もしも魔法少女然としたその姿を見る者があれば自然とこう呼ぶだろう――キュア・サージュと。
とはいえ、イヴと同じくユーベルコードを扱う猟兵からすればキュア・サージュの正体は丸わかりである。最も、お約束を了解した多くの猟兵もキュア・サージュの呼び名を使うため、彼女のことをイヴと呼ぶ(書く)のは地の文くらいなのだが。
さておき。
「私の名前はキュア・サージュ♪ ヒーローズアースからやって来た魔法少女♪」
ふよふよと空中を滑るように動くイヴが口ずさむのは即興のテーマソング。メロディラインに聞き覚えがあるのは彼女の出自にも拠るところが大きい。
「あらゆる世界にマジカルワープ♪ オブリビオンをやっつけろ♪」
敵地での行動ということを踏まえてか、歌のボリュームは控え目に。ただでさえ目立つ姿もあり、声で敵を惹きつけないように注意しているのだろう……これまでの経験的になんとなくそうしているだけで深い考えはないのかもしれないが。
即興の歌は時折鼻歌の間奏を挟みつつ、気付けばまた元の歌詞へと。間奏を挟む度に僅かにリズムやメロディが変化するのは即興ならではだろう。
「さぁ、歌いましょう、アース・クロノサージュを♪」
しかし、それでも変わらぬ節が1つだけ。イヴの抱える2つの思いが込められたユーベルコード、その名を冠した節は毎回どこか切ない調子で歌われる。それは、滅びからの年月が未だ浅いアポカリプスヘルの人々が滅びる以前の世界を望むのとよく似た、元の世界へと帰りたいという思いの籠ったフレーズ故に。
「頑張れキュア・サージュ♪ 時を操り、皆を助けろキュア・サージュ♪」
そしてそんな歌詞の中には己に向けたものもあり、それらを歌い上げつつイヴの動きは淀みなく。徒歩であれば詰まりそうな瓦礫を華麗な飛翔能力で躱し、上へ、上へ。
助けを求める者と倒すべき敵を探し、キュア・サージュの終末世界行は続く。
成功
🔵🔵🔴
塚杜・無焔
【POW】
……本当は、総当たりというのは非常に『宜しく無い』のだが。
誰かがやらねば進めない以上は、私がやっておこうか。
まず、こういう手合は非常階段までを
開拓した方が良いように思える。
特にエレベーターなどは機能していないだろうし、
障害物は【ドーピング】して肉体の限界を越えられるように
【限界突破】出来るような準備はしておきながら、
ひたすらにどかしたり破壊したり蹴破ったり――
に、なるだろうな。
非常に行儀が悪いのは承知の上なんだが。
私が動くことで他の者の体力が温存できるならば、
幾らでもこの身を酷使しよう。
この先の相手はとても体力が要りそうだからな……色んな意味で。
※アドリブ連携可
●ヴォルテック・パワー
ガラガラと瓦礫の山が崩れ落ちる。非常階段へと繋がる通路を塞いでいた有象無象は、ただ1人の猟兵が素手で取り払ってみせた。
「さて、これで最後だな」
隆々と盛り上がった筋肉はヴォルテックエンジンの賜物。死より舞い戻ったデッドマンたる塚杜・無焔(無縁塚の守り人・f24583)の出力は重機の如く。
その力を十全に振るう場所として無焔が選んだのは、ブリーフィングで確認した非常階段の数々。生存者の退路としても、あるいは猟兵が上層を目指すにも使える経路として図面に記された非常階段の全てを虱潰しに回り、昇降が可能な箇所全てを使用可能な状態へ復帰させた丹念さは賞賛に値するだろう。
「これで、他の皆は内部の経路開拓に専念できる。本当なら総当たりというのは効率面から宜しくない、が」
瓦礫という障害の取り除かれた非常階段で一息。無焔が見上げるのは、既に複数の仲間たちが先行しているであろうホテル・オアシスの上層部だ。
「そういった力仕事こそ私の役割だ。路は、これで成った」
満足気な鼻息と共に土埃で汚れた外套を手荒に払う無焔。力押しともなればそこに伴う行儀の悪さは言うまでもなく、全身に纏わりつく汚れの数々はそれだけの荒行をこなしてきた証である。彼の単独行にかかった労力は筆舌に尽くしがたいものだろう。
「エレベーターの類が機能いていないのは予想通り……私が拓いた非常階段も、造りつけられていた数からすれば半分程度」
指折り数えるのは、これまでに確保した非常階段の数。片手の指を折り伸ばして一往復するかどうかの数は、ホテル・オアシスの規模を考えればかなり少ない。
「退路は限られるというわけだ。その上――」
非常階段から内部へ。歪んで開閉困難となった扉を怪力で捻じ切り開きっぱなしにしつつ、無焔が脳裏に浮かべるのはホテル上層部に君臨するというオブリビオンの特徴だ。
「体力は貴重になる、色々な意味で」
夢魔。人の精気を吸うオブリビオン。無焔の知る範囲で吸精には往々にして体力消耗がつきもの。一度死んだ身にどこまで効くかはともかく、だからこそ吸精の影響を大きく受けそうな「生きた猟兵」の体力を無焔は重要視した。
「他の者の体力が温存できれば、それでいい」
呟きと共に一歩。巨躯に相応しい重い足音と共に、無焔はホテル・オアシスの上層へと踏み込むのであった。
成功
🔵🔵🔴
ヘザー・デストリュクシオン
アポカリプスヘル、はじめて来たのー!
さいきんクリスマスとかで平和な依頼ばっかりだったから、今回はたくさん壊しあいたいの!
それに、ドレイにされてひどいことされてる人たちもいるみたいだし、早く助けてあげないとね。
野生の勘で早く敵のところに行けるルートを選んで、UCで首元のリボンを解いて速さを上げてダッシュで駆け抜けるの。
崩れてたりするところはジャンプで跳びこえて、なるべく早く進むの。
ああ、早く壊しあいたくてわくわくうずうずしちゃうの!
強いオブリビオンだといいな!
●何見て跳ねる、白猫兎
軽快な足音であった。
道行きに迷いはなく、獣じみた「こっちの方が良さそうだ」という勘も今のところ外れた様子はなく。ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)は現在、ホテル上層を目指す猟兵たちの中で最も上層に居た。
「うふふ、楽しみね、楽しみね! 最近はクリスマスだなんだって平和な依頼ばっかりだったもの。今回はたぁくさん壊しあいたいの!」
どこか浮ついた声は発情期の猫によく似て。声に気付くオブリビオンが居るのなら、むしろ望むところとでもいうようにヘザーはがなり立てる声を抑えない。
「それに――」
ストンと声の調子が変わるのは、猫の瞳に例えれば良いだろうか。
「ドレイにされてひどいことされてる人もいるんでしょ? 早く、助けてあげないと」
先ほどまでの上ずった声とは真逆。低く唸るような声音は不機嫌な兎が漏らす声によく似ている。囚われた人々への同情がヘザーを不機嫌にさせるのは、ヘザーの過去と重なる部分が少なくないからだろう。
「だから、早く、早く、早く早く早くゥ!」
しゅるり。衣擦れの音を立ててヘザーが投げ捨てるのは青い布切れ。襟元を戒めていたリボンは引きちぎるように解かれ、緩んだ服の合わせ目から胸の谷間がちらりと覗いた。
そして――投げ捨てられたリボンが地面に落ちるころにはもう。ヘザーの姿は次の階層にあった。道なき道を駆けるヘザーの体がリボンを外したことで凄まじい加速を果たすのは脱衣によりユーベルコードの効力が増されたが故。
「早く、壊し『アイ』ましょう、オブリビオン!」
倒壊し床のない箇所は飛び越える。床のない部分が長く続けば壁を走る。瓦礫が道を塞ぐのならば、その瓦礫を踏み台にしてさらに早く。野生をまるで抑えず、直観的に選び続けた最短経路をヘザーは駆け抜ける。
「わくわくするの! うずうずしちゃうの! ねぇ、お願いだから強いコで居てちょうだいね、オブリビオン!」
オブリビオン・ストームによる破壊跡をまるでアスレチックのように楽しんで。この後に控えるオブリビオンとの対峙を心待ちにして白猫兎は跳ね飛び回る。
成功
🔵🔵🔴
シズホ・トヒソズマ
◎
人々を奴隷から解放する為にも、頑張っていきましょうか
からくり人形バルのナノマシンを散布しホテル内の地形を◆情報収集
ルートを導き出し進む
持ち上げられそうな瓦礫で塞がっている場所や大穴等は
シュヴェラの◆重力属性光線で瓦礫を◆空中浮遊させてどかしたり
自分達を空中浮遊させ飛び越えたりして突破
持ち上げられそうにない物で狭い場所はUCで全身の摩擦傾向を減らして
スリップして抜けます
『ううん、やはり全身を包まれる感覚はいいですね…♪ おっと雑念が入りました』
監視カメラ等あった場合は
バルの射撃でコード付きの弾丸を打ち込み◆ハッキング
通常通りの画像を映し出させておいて抜けます
●人形遣いの珍道中
人影は3つ。操る者が1つに、操られる物が2つ。アポカリプスヘルに存在する同位体の体を巧みに操り、片手で1体のからくり人形を従えるのはシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)である。
「ようやく、全域散布が終わりましたね……」
シズホの傍らに控えた1体の人形――バルが映し出すのは、つい先ほどホテル・オアシス全域へと行き渡った情報収集用ナノマシンから送り込まれる内部マップであった。
「ふむふむ、一番先を行っている方は結構上の方に居ますね……おや、非常階段も開通しているとは」
階層ごとに表示される平面図を次々と切り替え、シズホは仲間たちの現在位置や彼らの手が入ったことで開通したルートなどを検める。それらを確認しつつ、シズホが目指すのは2体の人形を引き連れて通ることのできるルートの開拓だ。
シズホの操るもう1体の人形――シュヴェラが得意とするのは重力制御。大抵の瓦礫はその能力で無重力下に置けば軽い力で動かすことが出来る。瓦礫を無重力下で再利用し新たなルートを構築できるのはシズホの特権だろう。
バルで収集した情報に基づき、シュヴェラが作るのは瓦礫をリサイクルした上層への直通経路。ホテルのエレベーターシャフトを転用し、数階層を跨ぐ最短昇降路である。
「使われてそうな監視カメラはバルを通じて事前にハッキング、と。これである程度は安全も確保できたでしょう」
仕上げは、エレベーターホールに残されたカメラの対策。
入念な準備を終え、シズホはシュヴェラの能力を己に向けて発動。無重力を得たシズホの体は軽い蹴り出しで宙を舞った。
彼女の体表で僅かに揺れ動くのはボディラインを強調するラバー液。摩擦係数をほぼゼロに帰すラバー液と局所的無重力が組み合わさり、シズホの動きは一切減速する様子を見せない。
「ううん、やはり全身を包まれる感覚は、イイ……」
そして、摩擦係数がなければ如何に狭い通路であれど、幅さえ足りていればシズホを妨げる障害とはならない。むしろ、全身の圧迫感が心地よかったのか通り抜けた際にシズホが漏らしたのは恍惚とした溜息だ。
「これは、帰り際もまた楽しめそうですね」
シズホは帰り道にも楽しみがあることに頬を緩めつつ、オブリビオンとの遭遇に備えて人形たちの武装を臨戦態勢へとスイッチするのであった。
成功
🔵🔵🔴
イデアール・モラクス
@
ほぅ、これが新たな世界アポカリプスヘル!
この退廃と終末の香りはどこか愛しき故郷ダークセイヴァーにも似ているが…こちらは行き着いた涯、似て非なる世界だ。
・行動
まずこの建築物の構造把握を行う。
『範囲攻撃・制圧射撃・薙ぎ払い・世界知識・属性攻撃』を組み合わせ【魔力波によるスキャンとマナの探知により建築物の構造を把握する魔法術式】を構築して場の情報を掌握。
「さて、道は分かった…後は拓くのみ」
UC【使用人召喚】を用いて我がメイド達を呼び、彼女らの優れた『運搬』能力と人海戦術で目的地までの障害物を排除、ルートを確保する。
「ヒトが滅びに瀕した世界か…アイツがいれば、また産めよ増やせよと言いそうだな…クク」
●魔女式人海戦術
荒涼とした大地。人の気配は薄く、その代わりに過去の染みというべきオブリビオンが大手を振って罷り通る終末世界、アポカリプスヘル。
「なるほど、退廃と終末の香り……その2点は確かに愛しき故郷、ダークセイヴァーによく似たものだ」
魔女然とした佇まいはいつも通り。比較的被害の少ない一室に陣取り、ユーベルコードで呼び出したミニスカメイドたち(男女比1:1)にイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)が命じているのは上層へと続く経路確保である。
「だが、こちらは行き着いた涯。よく似ているが故に、違いは余計に目につくな」
呟くイデアールが手を出せば、1人の侍従が意を汲んで紅茶をサーブ。室内に侍る侍従は片手に納まるが、それがイデアールの呼び出した全てではない。
現在、ホテル・オアシス内に放たれた侍従たちの数は60にも及ぶ。もちろん侍従たちの行動は高度に組織化されており、イデアールの声ひとつで十数の侍従たちが一斉に行動する様はまさに数を頼んだ人海戦術である。
「ふむ、第3班の仕事が終わったか。ならば私もそろそろ動くとしよう」
魔術的な繋がりを介した報告にイデアールが目線を動かせば、言葉なき指令を汲んで侍従たちがすぐさま動いた。イデアールの座した椅子……あり合わせの材料で作り上げられた仮初の御輿がすぐさま担ぎ上げられる。
「第1班は引き続き通路の掃除を続けよ。第2班は第3班と合流、私の道に一切の邪魔を残すな」
侍従たちとイデアールを繋ぐ魔術が伝えているのは声だけでない。そこにはイデアールが今もなお放ち続けている魔力波でリアルタイムスキャンされたホテルの内部構造や他猟兵の現在位置といった情報も含まれる。その情報こそ、侍従たちが一切の迷いなく行動出来る理由である。
「第4班は引き続き生存者の探索。第5班は転移ゲート付近を警護し続けろ。他の猟兵が救い出した生存者、1人とて欠けさせるな」
御輿の上で流れるように指示を出すイデアールを侍従たちが素早く運ぶ。
「しかし、ヒトが滅びに瀕した世界、か……アイツが居れば、また産めよ増やせよと煩いことだろうな」
一通りの指示を出し終え、御輿に背中を預けたイデアールが思い出すのは1人の猟兵の口癖。ふと思い出した言葉に口の端を歪める魔女の身体は、薄汚れた絨毯を一歩も踏むことなくホテル・オアシスの上層へ登るのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ロスト・レイダース』
|
POW : バリアブルランチャー・バーストモード
自身の【虚ろな瞳】が輝く間、【背負った四連バリアブルランチャー】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : バリアブルランチャー・イージスモード
【四連バリアブルランチャーの自動迎撃モード】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : レイダース・カムヒア
自身の【略奪物】を代償に、【レベル分の人数のロスト・レイダース】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【四連バリアブルランチャー】で戦う。
イラスト:鋼鉄ヤロウ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
プレイング受付は断章投稿後となります、ご了承ください。
●夢の守り人、もしくは現実の略奪者
ホテル中層部を抜けた先、猟兵たちがたどり着いたのは今やレイダーの拠点と化したホテルの一角であった。
全ての経路が収束したその場所の名は、エグゼクティヴ・フロント。スイートルームを始めとする高級サービスを提供するために設けられたサブフロントである。
在りし日は賓客をはじめとするV.I.P.ら御用達であったと感じさせる瀟洒なデザインや高級調度品の数々も、薄汚れて久しく。今やそこは、暴力と略奪しか能のないレイダーたちの根城と化していた。
「獲物……獲物……」
「……獲物……獲物」
そして、そこを巡回しているのは虚ろな目をしたオブリビオン。ロスト・レイダーズと呼称される彼らは正気を失くした略奪依存症患者だ。
猟兵たちの侵入に気付いた様子もなく、虚ろな声と共にロスト・レイダーズが運んでいるのは様々な物資と……ごくまれに生存者らしき者もちらほら。エグゼクティヴ・フロントの奥まった部分へと運び込まれていく生存者は夢魔リリスの主食と推測できた。
つまり、この場において生存者とは消耗される物資の1つ。物資略奪を第一とするロスト・レイダーズたちが物資である生存者を人質にするような状況は考えにくいだろう。
ブリーフィングで伝えられた通り、生存者の救助は夢魔リリスに関する情報収集にも繋がる。生存者をいかに助け、戦闘の余波から守るのかが課題だ。
ホテル・オアシス奪還戦も折り返し。ついに奪還のための本格的な戦闘が開始されようとしていた。
種子島・友国
「人間であっても資源として扱う、か。全く間違っている訳でもないけど、面白くはないね」
この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。
戦闘中、敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
「撃ち負けはしないさ、当たるのであればね」
ロスト・レイダースの「バリアブルランチャー・イージスモード(SPD)」に対し、指定のユーベルコードと共に【援護射撃】【一斉射撃】を使うことで、相手の攻撃を誘発させ、自分と味方に反撃する隙を作り出すよう試みます。
最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
アドリブや共闘などはおまかせ致します
棒・人間
ふっ、まずは救出対象発見といったところか。俺は勇者だから当然人質は全て返してもらうぞ
ここで戦うのは何も俺一人ではあるまい。ならばまずはユーベルコードで連中の武器を射抜いて気を引くまでよ
さぁデクの棒共よ!そんなに欲しけりゃ俺の武装を奪ってみるがいい!俺を倒せればの話だがな!
敵の高速射撃は同じ位置に留まらない事を基本にどうしても避けられないものは盾で防ごう。
連中との距離が近付いたらこの剣で一閃だ。首を、武器を全て斬り落とすぞ
余裕があれば人質に訪ねてみるか。リリスとは何者だ?何の目的で何を武器にしているのか。聞けるだけ聞いてみよう
●老人と棒勇者
エグゼクティヴ・フロントに銃声が響く。腹の底に響く重低音は、この世界では一部のマニアックな銃手くらいしか使う者のない黒色火薬ならではのものだ。
「……獲物?」
反響する銃声に、ロスト・レイダーズが一斉に振り向いた。
虚ろな視線の先に立つのは――古ぼけた火縄銃から硝煙をくゆらせている友国である。
「やぁ、ノックには少し派手すぎたかい?」
「――獲物ッ!」
剣呑な声を上げ、友国へと向き直るレイダーたち。背中から伸びた機械腕に搭載された機関砲が友国を捉えるまではまさに一瞬。
だが、それよりも早く宙を切り裂く音があった。
「はっはぁ! 勇者の人力制御に、自動制御のモブが叶うものかよ!」
友国の背後。暗がりから射かけられる矢の数はレイダーの構える機銃と同数。今まさに銃弾を放とうとしていた機銃を真っ向から貫き、攻撃の出掛かりを潰していくのは人間の放ったユーベルコードだ。
狙いを定めるのに10秒。友国が火縄銃でレイダーの注意を惹くことを前提に、それよりも早く準備をしていたが故の早撃ちである。
「グッ――獲物、獲物!」
火花を上げて暴発し、あるいは銃口に矢を差し込まれたことで動作不良を起こす機銃。猟兵に対抗する武器を失ってレイダーたちは目に見えて狼狽えていた。
「人は資源、間違っちゃいないけど面白くない。だから、その弾丸は僕の八つ当たりだ」
そして、ロクな応射もできないレイダーたちを友国は丁寧に仕留めていく。
火縄銃とは思えない連発速度を支えるのは、友国に次々と火縄銃を渡す黒い影。友国がヤドリガミとしての自我を得るより昔、彼を扱っていた銃手たちがユーベルコードにより呼び出されて「当時の友国」を次々と手渡しているのである。
「さぁ、デクの棒、武器が封じられて手も足も出ないか? 弓と矢でよけりゃ、ここにもあるぜ? 俺を倒して、もっていきなぁ!」
幸運にも健在な機銃を持つかレイダーたちを翻弄するのは人間の姿。10秒ごとに放たれる正確無比な矢と、間合いを詰めて放たれる剣戟を前にレイダーは次々と倒れていく。
「棒、向こうに資源をお持ちのレイダーだ――3カウントで行くよ」
「ああ、勇者的に合わせるぜ!」
派手な戦闘音で耳目を惹きつけながらも、友国の目は資源……生存者を抱えて離脱しようとするレイダーを見逃さない。人間にそれを知らせつつ、宣言通りの3カウント後に放たれた火縄銃の一撃が件のレイダーの脚を撃ち抜く。
「そいつは、置いていってもらうぜぇ!」
追撃は間髪入れず。脚を撃ち抜かれバランスを崩したレイダー目掛け、人間の持った剣が閃いた。袈裟懸けの一撃で機械腕を2本、返す逆袈裟で残る機械腕と首を両断。しかる後に、レイダーが抱えていた生存者を柔らかなブラックタールボディでキャッチ。自称に違わぬ勇者的活躍だ。
「――こっちも、これで終わりだね」
そんな人間を狙っていたレイダー目掛け、友国の火縄銃が火を噴く。轟音と共に放たれた鉛玉は狙いを過つことなくレイダーの頭を吹き飛ばし、一撃で沈黙させた。
「おう、助かったぜ、種子島」
「これくらいなら、どうってことないさ。当たれば一撃が信条でね」
周囲を警戒しつつ、生存者を守る位置につく2人。
「た、助かりました……まさか、ここまで来てくれる奪還者が居るなんて」
2人に挟まれぺこぺこと頭を振るのは、まだ少年といって差し支えない風貌の生存者。年若い彼の表情にあるのは猟兵への感嘆と救われたことへの安堵だ。
「勇者的に当然だぜ! ……ところで、この上にいるリリスってやつのことで知っていることはないか?」
人間の問いに少年が手早く語るのはリリスの容姿。
「僕と同い年か、もっと若い女の子です。でも、信じられないくらい力が強くて。僕らでは手も足も出ませんでした」
「武器や攻撃方法は分かるか?」
「いえ……でもリリスの部屋に武器らしいものはなかったと思います」
少年がそこまで話したところで、ドタバタと足音が響く。戦闘音を聞きつけた他のレイダーたちが集まりつつあるのだ。
「ありがとう――下の方に安全地帯がある。そこに繋がる階段はあっちだ」
火縄銃による牽制射撃を繰り出しつつ、友国が示すのは自分たちが登ってきた経路。
少年はもう一度頭を下げると、猟兵たちの邪魔にならぬよう階下を目指して走り出す。
「棒、まだいけるよね?」
「当たり前だろ! そっちこそ、腰をいわすなよ?」
老人と勇者の戦いが、再び幕を開けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
イデアール・モラクス
@
ふむ、あれがレイダース…この世界のオブリビオンか。
・救出と殲滅
「まとめて消炭にしてもイイが生存者を助ける必要もある、ここは私の器用さを見せてやろう!」
UC【絶殺武刀】を『全力魔法』と『属性攻撃』で威力を増した上で『高速詠唱』を用い一瞬で行使、不可避の刀による『一斉発射』でレイダース共だけを『串刺し』にして刀身から『吸血』し魔力や魂ごと『生命力を吸収』して完全に搾り殺す。
「女を犯すばかりが触手の使い道では無いのだよ」
同時に私の使役する触手を放ち、略奪されかけている生存者達を絡めて救出、生存者が衰弱しているようなら触手から直接魔力を送り情報を喋れる程度には回復してやる。
イヴ・クロノサージュ
@
●わるいこ、みっけ!
あ!拉致をする悪い子発見です!
これ以上は、させないぞ!何故なら私は――
『魔法少女 キュア・サージュ!
皆の笑顔を守る為に ここに推参だよ!』(決めポーズ☆)
なんやかんやで、上空付近にクロユニの戦艦やら
報道ヘリっぽいのが!(ニチアサ?特撮?)
●せんとーほうしん
たとえ悪い子でも、夢と希望を守る魔法少女は敵を殺しません!
敵を眠らせて捕まってる人々を助けるの!
やっつけたり、トドメさしたりとかは
頼りになる猟兵さんにお願いするの!
●戦闘
攻撃:UCを使用して、敵を眠らせ生存者を救助を行います
回避:常時空中を飛び、直感による回避を行います
技能【空中戦、空中浮遊、第六感、見切り】を使用します
●マジカルな2人
空気の歪む独特な音。合わせて、どこかメルヘンチックなBGMも。その2つが猟兵たちの第2陣が攻勢へと出ると同時に鳴り響いた。
なんだなんだ、とロスト・レイダーズが窓際に集まる。硝子の抜け落ちたところも多い窓枠からホテルの外を見れば、ホテル上空に巨大な影があるのが見えることだろう。
「……獲物?」
「いいえ、違います! あれはクロノトロン=ユニット!」
怪訝そうな声をあげるレイダーたちの背後から声が上がる。突如として現れた声の主に振り向いたレイダーたちの視界を、7色の光が埋め尽くした。
「私は魔法少女キュア・サージュ! 皆の笑顔を守るため、ここに推参だよ!」
上空の影――全長300m近い宇宙戦艦クロノトロン=ユニットから流れていたBGMがイヴの名乗りと共にクライマックスを迎える。呼び出したクロノトロン=ユニットによる華々しい演出と共にイヴが構えるのは浄化聖鍵《イヴハート》だ。
「皆を拉致する悪い子は、キュア・サージュが成敗です!」
アニメを思わせる決めポーズをイヴが取るのと同時に、放たれていた7色の光線――ユーベルコードであるララフィレーナ・トゥインクルスターがその効力を発揮し始める。
「悪い子はおやすみなさい――さ、捕まってる人を助けなきゃ!」
くるくると浄化聖鍵を振り回し、周辺一帯のレイダーが眠りに落ちたのを確認するとイヴは道を急いだ。夢と希望を守るキュア・サージュが目指すのは、敵を殺すことではなく人を救うこと。
故に、それ以上の「処分」は他の猟兵が担うこととなる。
「まったく、随分と甘い猟兵も居たものだ」
この場においてそれを任された、イヴの言葉を借りれば「頼りになる猟兵」となる猟兵の名はイデアール・モラクス――またの名を、大魔女。イヴと入れ替わる形でエグゼクティヴ・フロントへと突入したのだ。
レイダーたちを1人として殺すことなくその場を去ったイヴに、イデアールの下す評価はいささか厳しい。
「だが、その手際は凄まじいな」
しかし、それは認めるところがないという意味ではない。一瞬で多数のオブリビオンを眠らせた手腕にはイデアールも舌を巻いていた。
「キュア・サージュとやらは生存者救出か……なら、今は私がこいつらをきちんと片付けるべきだろうな」
手を掲げ、呟くのは「刀よ」という短い詠唱。ただそれだけで顕現するのはレイダー1体につき十数本もの魔力刀。
生み出されると同時に宙を走った無数の魔力刀が、眠りこけたレイダーたちの命を一瞬のうちに奪う。もちろん、大魔女の術式はただ殺すだけの単純なものではない。命を奪うという文字の通り、魔力刀を赤黒く染めていくのはレイダーから吸い出された生命力そのものだ。
「さて、奥はどうなってる?」
イデアールがゆっくりとイヴの後を追う。道中、イヴの手で眠らされているレイダーたちにトドメを刺しながら歩めばたどり着いた先は生存者たちが隔離されていた一室だ。
「ちょうどいい所に! この人たちを運ぶのを手伝って欲しいの」
「ほぅ?」
先んじて到着していたイヴが抱き上げているのは、ぐったりとした生存者。その背後には、まるでゴミ袋のように積み重ねられた幾人もの生存者の姿もあった。
「早く助けてあげないと、この人たちが死んじゃう! 今はイヴのユーベルコードで眠らせて元気にしてるんだけど……」
今にも命の灯が消えそうな生存者の様子にイヴは焦りを隠せず。ユーベルコードで眠らせることで延命を図っているものの、それでも万全とは言い難いほどにその部屋に詰め込まれた生存者は弱り切っていた――まるで、生きる力そのものを吸い上げられたように。
「はぁん。つまりは夢魔リリスの食べ残しということか」
イヴの言葉と生存者の様子に、イデアールは思い当たる節があるのか掌を打つ。
「ならば、運搬は任せよう。私はこいつらを元気できるアテがあるからな」
「本当!? ならお願いするわ、頼りになる猟兵さん!」
満面の笑顔を浮かべ、イヴは比較的元気そうな者から生存者の運搬を開始する。
その場に残ったイデアールが呼び出すのは道中でオブリビオンの命を吸い上げた魔力刀の数々。イデアールの指鳴りひとつで蠢く触手へと姿を変えたそれらが、生きる屍の如く横たわる生存者たちへと伸びた。
「女を相手にするのだけが、触手の使い道では無いのだよ」
普段であればイデアールが同性と楽しむために使われる触手が、今この場で果たすのは点滴管の役割。触手を通じて生存者へと注ぎ込まれるのは、イデアールがオブリビオンから奪った生命力そのものだ。
「次を運びに来たの!」
「ああ、どんどん運んでくれ」
イデアールが癒した生存者をイヴが次々と運んでいく。
イヴの迅速な行動と、イデアールの魔術知識。2つが組み合わり、本来ならば捨て置かれるしかなかった命が幾つも救われるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘザー・デストリュクシオン
やっと見つけたの、オブリビオン!
でも、ドレイの人たちもいるのね。
あの人たちを傷つけないように気をつけないと。
エモノならここにいるの!って言いながら敵の目の前に飛び出して注意を引きつけてドレイの人たちから引きはなすの。
十分にはなれたらUCで敵ごと床を攻撃して崩して下の階に敵を落として数を減らす。
敵の攻撃をジャンプやダッシュ、スライディングで素早く避けて攻撃して壊す。
落とした敵ももどってきたら同じように素早く立ち回って壊すの。
ドレイの人たちに声をかけて敵の情報も聞くの。
どんな特徴かとかどんな攻撃をしてくるかとかわかるといいの。
ありがとう。他にも助けに来た人がいるから帰り道は安全なの。だいじょぶよ。
シズホ・トヒソズマ
◎
ふむ、人質にはしない人員がいるとなると、肝要なのは
敵の攻撃に巻き込ませない事と、こちらの攻撃を敵だけに当てるようにする事、ですかね
ならばヒーローとして、両方やって見せましょう
バルのナノマシンを散布させておき敵配置や遮蔽物、救出人員位置を把握
連携している場合は必要な味方にも報告
◆早業で行う◆操縦でバルの両手拳銃で射撃
ナノマシンによる◆誘導弾で軌道を変えて遮蔽物や生存者をかわして敵を射撃
連続射撃で敵を生存者から引き離した所で一気に接近
生存者らをデザイアキメラの◆オーラ防御バリアで護らせます
敵の攻撃がバリアに命中したらUC発動
防御させたまま敵の攻撃をバリアから発射させ◆カウンターします
●高層の乱戦
エグゼクティヴ・フロント上層部。最上層であるスイート・フロアへと繋がる部分でロスト・レイダーズは物資整理に勤しんでいた。いつも通りの様子は猟兵と比べれば圧倒的な規模が産む余裕か、それとも正気を失ったが故の怠惰か。
そんなレイダーの目前をキラキラとした何かが通り過ぎる。ちらりとそちらに目をやったレイダーは、しかしそれを埃か何かと判断してすぐに興味を失った。
――故に、キラキラとしたそれがシズホの放った情報端子だと気付くことなく、そのレイダーは首を狩られた。
「見つけたの、オブリビオン!」
レイダーの首を一撃で刈り取ったのはヘザーの鋭爪一閃。勢いあまってなどという表現も生易しく、刈り飛ばされたレイダーの頭部は慣性の法則に従って壁面へ激突し、ヘルメットごとぺしゃりと潰れて前衛的な壁の染みと化した。
壁際に集められていた物資――生存者たちがその染みをみてヒィ、と騒めく。
「――獲物ッ!」
「そうよ、エモノならここにいるのっ!」
そして、ヘザーを物資略奪に来た外敵と判断したレイダーの反応は鋭い。ヘザーが敵意を煽るように叫んだこともそれを後押しした。
『ヘザーさん、聞こえてます? バルのナノマシンで判る範囲の敵はほとんどそっちを向いています。そのまま引き付けておいてください!』
ヘザーの耳元に囁きかけるのは、情報端子を介したシズホの声。2体のからくり人形を操る彼女は、この場において戦況把握の要である。
「うん、任せて! ひとまずこの場から引き離すよ!」
『ええ! 生存者救出はお任せを』
戦友の声に、ヘザーが選ぶのは即座の転進。レイダーを置き去りにしない程度にゆっくりと、しかし追いつかれない程度には素早く、瓦礫を巧みに使った鬼ごっこを開始する。
「さぁ、エモノはこっちよ! おいかけてくるのよ!」
「獲物、獲物!」
そして、略奪依存症であるレイダーたちが新たな略奪対象を追うのは習性だ。ヘザーの狙い通り、生存者周辺に居たレイダーたちが続々と走り始める。
「よし、あれだけ数が減ったのなら――ヒーローの面目躍如といきましょう!」
レイダーたちと入れ替わるようにシズホ本人がからくり人形を連れてエントリー。
「――獲物?」
「残念ですけど、遅い!」
先頭を務めるのは両手に拳銃を構えたバル。2挺の拳銃から放たれる弾幕射撃が生存者付近に残っていた僅かなレイダーたちをその場に釘付けにする。散布済みのナノマシンにより高度に制御された射撃がそれを適えた。
「皆、デザイア・キメラの背後へ!」
足止めしたレイダーの間をすり抜け、シズホは生存者と接触。防御を旨とする人形であるデザイア・キメラにバリアフィールドを張らせて安全領域を作り出す。
「あ、あんたらは……」
レイダーたちを相手取る巧みな戦術に、生存者の1人が問う。
「あなたたちを助けに来た、正義の奪還者ということで」
シズホの返答は茶目っ気たっぷり。ウィンクを添えた返答に生存者はとりあえず頷いて返し、現状について深く考えることを諦めた。
「シズホちゃん、戻ったよ! おまけもたくさんね!」
と、いったところで付近のレイダーもまとめて釣り出してきたヘザーがその場に帰還する。戦況は当初の猟兵が攻め込む図式から逆転し、多数のレイダーがヘザーとシズホ、そして生存者を取り囲むような形となっていた。
「獲物、獲物、獲物ォ!」
レイダーたちの機銃が唸りを上げる。彼らからすれば、逃げ回る略奪対象者を追い詰めたといったところだろう。
が。
「誘い込まれたのは、そっちのほうなの!」
「その通り! キメちゃん、奥義開帳! 倍返しにします!」
ヘザーは身軽な動きで銃撃を回避。
シズホはデザイア・キメラのバリア出力を上げ――バリアへの着弾をコピー。
レイダーが放った数百の弾丸は、まるっとそのままどころか数倍の物量で跳ね返った。
「――獲物!?」
予想外の応射を喰らい、レイダーたちの攻撃が途絶える。
「隙あり、なのっ!」
一瞬とはいえ、隙は隙。デザイア・キメラのバリアから躍り出たヘザーが、振りかぶった拳を床面に叩きつけるのも一瞬だ。
ロクな手入れや補修もされていなかった床はヘザーの一撃で容易く砕けた。そして一箇所が砕けてしまえば連鎖的に床が崩れ、レイダーたちを飲み込んでいく。
崩れ落ちる床面に飲み込まれ行くレイダーを、あるいは崩れた床の瓦礫そのものを踏み台に。大穴の端にひっかかっていたレイダーを足蹴にしてヘザーがシズホの側に戻るころには、レイダーたちは下層で仲良く瓦礫の下敷きになっていた。
「いやぁ、派手ですねぇ」
「ふふ、シズホちゃんの反撃もすごかったの」
作戦成功のハイタッチ。劇的な救出作戦に呆然としていた生存者たちも、猟兵たちにぱちぱちと拍手を送った。
「さ、他にも助けに来た人がいるから、帰り道は安全なの」
「ええ、とぅるんと滑れる道がありますからね」
目指す先はシズホの作った直通経路。リリスがスイート・フロアの最上階を丸々根城にしていることなどを聞き取りつつ、ヘザーとシズホは生存者の護送も終えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラティナ・ドラッケンリット
狭い廊下での戦闘を覚悟していたが
広間で戦えるならまだ足が使えるな
敵の視界、敵の射角の外へ外へと回り込みながら走り
銃口と敵の瞳の輝きから射撃タイミングを読んで躱す
避け切れなかった分は
断山戦斧『しゅとれん』と守護者『しょこら』で受ける
間合いに入ったら『しゅとれん』を
横薙ぎか斬り上げで床を避けてUCを発動
接近に手間取るようなら
『しゅとれん』と『しょこら』を投擲して敵集団に隙を作る
その場合は穿竜槍『たると』か屠竜刀『まかろん』でUCを発動する
接近戦の間合いに入ってしまえば、こちらのものだ
あとは手近な敵から手数による連撃で斬り伏せていく
生存者を人質に取られないようなら広間の制圧が優先だ
塚杜・無焔
……人から物を奪う事しか考えられなくなったか。
心が死んでしまっては
『生きる』のも難しいというのに、な。
仕方あるまい。
この身を賭してでも『引きつける』のが屍人の役目だ。
あえて突貫し、弾幕へ身を晒そう。
【ドーピング】した肉体は激痛など、
軽く人間の限界を突破する。(【限界突破】【激痛耐性】)
【オーラ防御】もあるにはあるが、
屍人の肉体を止められはしない。
――数を与えた所で、俺が死ぬとでも思ったか。残念だ。
【デッドマンズ・スパーク】を放射することで
【属性攻撃】【マヒ攻撃】で相手の動きを封じ込め、
まだ動く五体の【怪力】【鎧無視攻撃】を以て
『分からせて』やろう。
――お前達は、此処までだとな。
※アドリブ連携可
●戦士、推して参る
戦場は次第にスイート・フロアの下層に移っていた。1階あたりに部屋はあってもせいぜい片手で収まる程度。これまでと比べて圧倒的に広い部屋はロスト・レイダーズの飽和射撃を困難にし、猟兵の機動力を生かすのにもってこいの立地だ。
そして。
「ふん、甘いなっ!」
ラティナはそういった機動力を生かす戦いをする猟兵だ。そもそも断山戦斧『しゅとれん』を始めとした近接武器を扱う上で、敵の懐へと踏み込むのは大前提。十全に足を使うことが出来る戦場こそ、ラティナの本領である。
「視線誘導か、あるいは……ともかく、見てから撃つのであればいくらでも避けようがあるというものだ!」
そもそも銃とは銃口を向けた先に弾を叩き込む武器だ。レイダー1人あたり4本の機銃があろうと、視線や銃口といった攻撃の前触れを見切る程度ラティナはやってのける。見切ることさえできれば、速度の乗ったラティナにとって回避など容易い。
「――獲った!」
機動力で銃撃を掻い潜りしゅとれんの間合いに捉えた際の行動もまた、素早い。
守護者『しょこら』を投擲して強引に射線を切り、踏み込むのはレイダーの真正面。低く構えたしゅとれんを逆袈裟に切り上げて一閃。レイダーの装甲服がまるでバターのように切り裂かれる。
が、レイダーを切り伏せるその一瞬だけは体重と機動力を刃に乗せるために動きが鈍らざるをえず。投擲したしょこらを即座に回収し、次の一歩を踏もうとするラティナ目掛けて幾本もの火線が集中し――
「どうした、屍人の肉体はその程度では止められんぞ」
――1つの巨体が、着弾を許さぬ壁となった。
「無焔か……借りが出来たな」
「問題ない。こうやって引きつけることこそ、私のような屍人の役目だ」
レイダーの集中砲火をものともせず立つのは無焔と呼ばれたデッドマン。背後に庇ったラティナを一瞥し、レイダーの方を振り向きもせずに放つのは紅い雷撃。火線を辿るようにして放たれた雷撃がレイダーの装備を一瞬で沈黙させた。
「数を揃えた程度で、俺が死ぬとでも思ったか」
沈黙したレイダーの方をゆっくりと振り向き、一言。ヴォルテック・エンジンに由来する高出力電流は敵対するオブリビオンのみならず無焔の片腕を焦がしていたが、当の本人はそれを気にする素振りも見せない。
「ともかく、援護はありがたい。アテにさせてもらうぞ?」
「ああ、問題ない。お前の邪魔はさせん」
ラティナの言葉に無焔が頷き――意思が通じた次の瞬間にはラティナの身体がレイダーたちに向けて走り出している。
無焔の援護があればラティナの機動戦も万全。弾幕を意に介さずズンズンと踏み込んでいく無焔が居ることで、そもそも向けられる弾幕の密度が低減されていることもラティナの足を軽くした。
「他に何も考えられず、心が死んでしまっては生きるのも難しかろう」
そして、ラティナの壁を引き受けた無焔はただそこに在るだけではない。心の底からレイダーたちを憐れむ表情と共に連射されるのは、先に見せた紅の雷撃。放つたびに無焔の腕を黒く焦がしていくそれはレイダーに届くと同時に機械装備の大半を沈黙させ、仮に装備が無事でも動きを縛るには十分な痺れを与えていく。
動作せぬ機械装備に、痺れた体躯。もはや攻撃どころか防御や回避も困難なレイダーなどラティナからすれば訓練場の木人よりも切り伏せやすい相手だ。
「私はこのまま上層部への通路を確保する! 後ろは頼んだぞ」
「ああ、心得た」
スイート・フロアの最上階に続く通路がある広間へと躍り出るラティナ。無焔の援護もあり、この戦場に残った最後のレイダーたちが屯する場所への進撃はラティナの想像よりよほど早く果たされた。
「獲物っ!?」
広間に残っていたのは夢魔リリスの近侍らしき数体のレイダーのみ。慌てふためく彼らの銃撃を巧みに掻い潜り、ラティナが全てを切り伏せるまでに1分と必要とせず。
一方、ラティナの背を狙ったレイダーたちは、
「――お前達は、此処までだ」
掌の怪力でヘルメットごと頭部を握り潰され、あるいは巨躯から放たれた拳で装甲を紙のように貫かれ。無焔曰く「屍人である私よりも死んでいる」レイダーたちは次々とその終焉を理解させられていた。
――夢魔リリスの座す最上階スイートルームへの通路を確保した、という報告が猟兵たちにもたらされるまでそう長い時間はかからなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『夢魔リリス』
|
POW : エナジードレイン
【盗み攻撃/大食い/騎乗/奉仕/誘惑】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【性癖と習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 夢魔の楽淫
【あの子を快楽漬けにしてエナジーを貪りたい】という願いを【自分のSNSを利用する人々】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
WIZ : 夢魔の籠絡
自身が操縦する【夢魔のテクニック】の【誘惑/おびき寄せ/大食い/盗み攻撃/奉仕】と【騎乗/大食い/盗み攻撃/奉仕/継戦能力】を増強する。
イラスト:黒江モノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アリス・セカンドカラー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●人を喰う夢
その小さな影は、のそりとベッドから身体を起こした。
「もぉ……まだご飯の時間じゃないのに」
夢魔リリス。淫らな夢を介して人から精気を奪うオブリビオン。
本来であれば食料である人が死なぬ程度に精気を奪うのだが、人類が滅びつつあるアポカリプスヘルではそういった「つまみ食い」は不可能。
故に、人を喰い殺してしまうことも多々。
故に、常に空腹。
「くんくん……あら、とってもいいエナジーの匂い」
そんな彼女にとって、猟兵とはただ人とは比べ物にならない上質なエナジーの塊だ。
「ふふ、久々にお腹いっぱいになれそう」
枕の下から取り出すのは、華奢なナイフが一本。たかがナイフ一本とはいえ、人を喰うために鍛えられた体術と合わされば油断は禁物。それに加え、あらゆる場所が「夢魔としての食事」のために整えられたスイートルームはまさにリリスのための戦場だ。
注意するべきは接近戦。迂闊な踏み込みはリリスに喰われることと同義。しかし、そこを乗り越える策があれば好機に変えることもできるだろう。
猟兵を迎えるは寝室の主。
人を喰う夢の住人を打ち破り、今こそホテル・オアシスを夢から現へ奪還せよ。
種子島・友国
【心情】
今のこの世界にあっては産めよ増やせよというところで、実にキレイなお嬢さんが相手のようだね。でも悪いけど僕は生涯童貞でいようって決めてるんだ。すまないね。
【行動】
指定UCを使用して能力を増強し戦いに臨む。同行する仲間の行動や射撃に合わせて【一斉発射】【援護射撃】【スナイパー】でのサポートを行いつつ、【視力】【戦闘知識】【情報収集】で敵の動きの癖などを情報共有していこう
【射撃を行う時】
「こっちは生まれる前から童貞を捨ててたからね、なかなか捨てたもんじゃないよ?」
イデアール・モラクス
@
クク…この世界にも淫魔がいるのか、味見をしたくなってしまうなぁ。
さてどうするか…。
・行動
「遠距離から大魔法で消炭にするのがセオリーなのだが、それも無作法というものだろ」
相手の土俵に乗るのは愚策、しかして確実に仕留めるなら肉を切らせて骨を断つ必要もある。
UC【色欲の触手】を『全力魔法』で数を無数に増やした上で『高速詠唱』を用いて素早く召喚、秘術『武器改造』で私の肉体と融合させてから無数の触手を『一斉発射』し同時に多方向から対象を絡め拘束。
「ナイフ一本で全て捌き切れるとでも?」
拘束したら触手で穴という穴を『蹂躙』し『吸血』して弱らせ、隙を突いて魔剣で『串刺し』にする。
「喰われるのは…お前だ!」
●火縄と魔剣
スイートルームの絨毯は踵を受け止めて柔らかく鳴いた。
「あらァ、そちらから踏み込んでくれるなんて」
「何、こんな世界にも淫魔が居るとなれば味見を我慢できなくてな」
肌も顕わな装いとハイヒール。凛として踏み込んだのはイデアール。陽炎のように燻る高密度の魔力は彼女が臨戦状態であることを如実に表していた。
「へぇ、味見……」
対するリリスはかくりと首を傾げる。イデアールの姿は女のもの。夢を通じるならばともかく、現実において淫魔の味見をするための器官が備わっているとは見えず。
「不作法なセオリーは置いてきた、楽しませてもらうぞ!」
リリスが疑問に捕われた瞬間、イデアールが動いた。
絨毯を抉る勢いで一歩を踏み込み、全身に纏っていた魔力に指向性を与える。魔法陣として結実したそれらはイデアールの身体に幾本もの触手を生やし、走り出した勢いそのままにリリス目掛けて射手していく。
「まぁ、これで私を召し上がりたいのね?」
1本、2本。イデアールに並ぶ軽装をしたリリスはひらりひらりと触手を回避。続く3本、4本は片手に持ったナイフで切り捨てて。
「ご名答だが――ナイフ一本で捌き切れるとでも!?」
「逆に、出来ないとお思いかしら?」
イデアールが次々と放つ触手を空いた手で受け止めるリリス。荒野を生き抜いてきた身体能力は伊達ではないという事だろう。触手による拘束を狙っていたイデアールと、その触手を捕まえたリリスとの間で戦況が拮抗した。
だが。
「いやぁ、実にキレイなお嬢さんが相手のようだけど……」
「何!?」
言葉とともに轟音がひとつ。リリスの肩口が割れ爆ぜ、赤い血肉がスイートルームに散らばる。イデアールとの拮抗で動きの止まったリリスを、離れたところに潜んでいた友国が狙い撃ったのだ。
「生まれる前に○○を捨ててるんだ、そう惑わないよ」
「本当かしら? 未経験の匂いがするのだけれど……!」
友国の○○は「人殺しの経験」という意味。肉体経験で言うのであれば、リリスの言う意味で友国は○○だ。
ともあれ、友国の介入で拮抗が崩れ、戦況が動き出す。
「援護、助かる!」
肩口を撃たれ姿勢を崩したリリスにイデアールが付け込んだ。切り捨てられた触手も膨大な魔力で再生させ、縦横無尽に放ち拘束を狙う。
「そう簡単に!」
踊るようなステップ、閃く剣閃。リリスの身体捌きは先ほどまでと変わらないが、負傷に引きずられてかナイフの手数は減る。
加えて――
「確かにそっちの意味では○○だけどさ。悪いけど、生涯貫くつもりなんだ」
「くぅ!?」
友国の援護射撃もある。連射力は皆無な代わりに威力は絶大。急所に掠ればそれだけで勝負の行方を決めかねない友国の火縄銃に、リリスの動きはどうしても制限された。
「そこのオジサマ、とっても熟成されて美味しそうなのにっ!」
悔しそうな声音で叫ぶリリス。
同族や配下と繋がるソーシャルネットワークを利用して地力を強化しようにも、2人の猟兵が繰り出す連携攻撃を前にしては悠長に情報端末を使う暇もないのだ。
「○○もなかなか捨てたもんじゃないね? ――モラクス、左だ」
「……信じるぞ!」
そして、回避パターンを見切った友国の鋭い一声がイデアールを導く。
右に放つはリリスを動かすための囮の触手。本命の1本は床を這わせるように低くを飛ばし――友国の読み通りに動いたリリスの脚を絡めとった。
「なっ!?」
「さぁ、喰わせてもらうぞ!」
リリスが逃げ遅れるのは一瞬。しかし、イデアールにはその一瞬で十分。
脚から這い上がる触手がリリスを凌辱するとともに、虚空から呼び出した魔剣がその体を貫き――どろりとした濃い魔力が、リリスからイデアールへと吸い上げられる。
「か、はっ!?」
自由な片脚でイデアールを蹴り飛ばしリリスが逃げるまで1秒足らず。友国の火縄銃は拘束中に間に合わず、しかし追撃として放たれリリスに反撃を諦めさせた。
不利を悟ってかリリスはそのまま一時的に姿を晦ます。1フロアを占めるスイートルームを構成する部屋は何も寝室だけではない。
「ふぅむ、なかなか美味ではないか……」
魔剣に付着した血を舐めとるイデアール。ソムリエじみた血のテイスティングは、ダンピールの性だろう。
「しかし、広いねこの部屋は。血の出具合から見て傷は浅くはなさそうだけど」
リリスの仕切り直しを警戒し、友国は周辺を探り続ける。
――緒戦は猟兵優位。ホテル・オアシスの決戦はスイートルームを動き回るリリスとのチェイスへと様相を変えつつあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
イヴ・クロノサージュ
@
●心情
あなたが、わるい子の "むまさん" ね!
みんなを食べちゃう恐ろしい子は、やっつけちゃうんだから!
●戦闘
『魔法少女の姿』真の姿による能力向上
空を飛びながら戦います
攻撃はビームを放ったり、ピンクのリボンを伸ばして縛ったりです
(空中浮遊、空中戦)
UCで歌を歌い、天より女神様が君臨し奇跡を起こします
(※UC効果/奇跡の内容はアドリブでお願いします)
■
(パフォーマンスプレイング)
イヴ自身が知らない情報
各連携で現れたイヴは『機械人形』であり
複製可能な同一人物
その為、同じ時間帯で活動が可能
本物のイヴは女神であり現象である為
それぞれの事象(オアシスシティ奪還戦/他のMS様のお話)に矛盾は発生しません
■
●クロノサージュ
スゥ、と息を吸い込むイヴ。
現在地点はホテル・オアシス外部、スイートルームに程近い高空。地上から直接飛びあがるには遠く、しかしエグゼクティブ・フロントからならば届く高さ。
「やるよ、イヴハート!」
気合を入れる声と共に魔力を収束。イヴの声と共に聖鍵《イヴハート》の先端に桃色の光が集まっていく。
「――そぉ、れ!」
イヴハートを振るった桃色の軌跡から放たれるのは幅広の光波。扇状に放たれた魔力はスイートルームの外壁に直撃し、一瞬で風穴を開けた。
「見つけた! あなたが、わるい子の "むまさん" ね!」
「もう新手!?」
壁の向こうに倒すべきオブリビオンを見つけたイヴは、迷うことなく飛翔する。
「そうよ、私はキュア・サージュ! みんなを食べちゃう恐ろしい子をやっつける、魔法少女!」
リリスの呻きに対し、イヴの名乗りは堂々と。イヴハートから小刻みに魔力ビームを連射し、一気に間合いを詰めていく。
「魔法少女、って……わざわざ、私に食べられにきてくれたのかしら?」
魔力ビームを回避し、リリスはイヴの名乗りに唇を舐めた。イヴの放つ魔力ビームから良質なエナジーを感じ取ってのことだ。
「食べられたり、しないもん!」
イヴハートを片手持ちに。空いた片手からリリス目掛けて放つのは幾本ものリボン。
「くぅ……!」
リリスのナイフが閃き、リボンを半数までは迎撃。しかしあまりの数に対応しきれず、ついには四肢をリボンで戒められた。
「捕まえました!」
身動きできないリリスを前に、イヴは改めてイヴハートを構える。
「この、程度でッ!」
ぶち、ぶち、と。魔力で織られたリボンを力尽くで引きちぎろうとするリリス。次第にその力が増すのは、千切れたリボンの魔力を吸収しているからか。
だが。
「逃がしません! アース・クロノサージュ、私に、力を下さい!」
唄うは超越次元想界詩。イヴがイヴである根源たる女神を呼ぶ詩。
イヴの背後に姿を見せたもう1人のイヴは随分と「人間らしい」と感じさせた。
現れたもう1人のイヴがキュア・サージュの肩に手を置き、その頬に口付けを降らせて――消える。
「イヴハート、お願いっ!」
口付けに籠められた女神の力を受け、イヴハートが眩く光り輝く。キュア・サージュとしての力を大幅に超える魔力量は、まさに女神の奇跡がもたらしたものだ。
「――いっけぇ!」
極太の魔力砲撃はリリスの全身を真正面から飲み込むだけに飽き足らず、その背後にあった壁をも貫き大穴を開けた。
数秒の照射を終え、しかし倒したはずのリリスの姿は見当たらず。確かに深手を与えたという確信を持ちつつも、イヴは倒しきれなかったことに悔しへな表情を隠せなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ヘザー・デストリュクシオン
むま? とかよくわかんないけど、人を食べるオブリビオンは壊すの!
楽しませてね!
敵がSNSに呼びかけている間に、リボンとショートパンツを脱ぎ捨てて素早さを上げてダッシュで一気に敵に近づくの。
わたしを食べたい? おことわりなの!
フェイントで攻撃するように見せかけて相手の攻撃をさそって、高くジャンプして回避からの攻撃!
攻撃したら素早く後退して回避しつつ、また素早く近づいて攻撃をくり返すの。
相手が弱ってきたら攻撃されるのも気にせず正面から捨て身の一撃をくらわせるの!
えっちな攻撃?!
痛いのよりそっちのほうが苦手だけど、好きな人とするほうがもっと気持ちいいから平気なの!
それより今はもっと壊しあいたいの!
棒・人間
やっと親玉のおでましか。さっさと人質とこのエリアごと返してもらうぞ
さりとて俺も相手をなめているわけではない。魔王の城に構える魔王が強いのと同じ様にここは敵の敷地内であるのだからな
故にまずは遠距離からの攻撃を仕掛けよう。近づくのはそうせざるを得ない場合に留めるのだ
千里眼射ちで敵を常に移動させるぞ。術を行使するためのコンセントレーションをとにかく妨害だ。近づけば接近戦やトドメは……そうだな、最近は腰が痛いから誰かに任せるとするか
敵のユーベルコード?ふははは!俺からエナジーが吸えるか?やれるものならやってみろ!俺はポーカーフェイスを保つのは得意だぞ!ははははは!まぁこれは止むなく食らった場合だがな
●矢と爪とラッキースケベ
戦闘の余波で崩れた瓦礫の陰に、青白い光がある。光を放っているのは薄い板状のデバイス、それを操作しているのは夢魔リリスだ。
「今日に限って、全然拡散されないだなんてっ!」
痛恨の叫び。SNSを通じた自己強化がまるで功を奏さないのだ。
暗がりでは目立つ光と共に、絶叫が猟兵を呼び込むと判っていてもリリスは叫ばざるをえなかった。
そして――
「見ィつけ、たっ!」
瓦礫を砕く豪速の一撃。リリスの叫びをいち早く聞きつけてヘザーが駆けた。リリスも空を切る爪の音に咄嗟の回避を選んだが……速度の乗ったヘザーの踏み込みは深い。リリスに回避を許さず、その頬に一筋の紅を残した。
「人を食べるオブリビオンは壊すの! 愉しませてね!」
「くぅ!?」
瓦礫から飛び出したリリスを相手に、ヘザーが追撃。わざとらしく大きく振りかぶったヘザーに対し、リリスはナイフを突き出す事で反撃を為す。
空振るヘザーの爪。無防備なヘザーの首元へリリスのナイフが滑り込み、しかし。
「勇者とは、仲間のピンチに間に合うものでな!」
「まだ居るの!?」
風切り音と共にリリスのナイフを弾くのは人間の放った矢の一撃。ナイフの切っ先を見事にとらえた一矢がナイフの軌道を逸らし、紙一重になる筈だったヘザーの回避に大幅な余裕を与える。
「助かったの、棒の勇者くん!」
「接近戦を任せる仲間は守るさ――痛む俺の腰を守るのにもな」
次の矢を番えてリリスを狙う人間に対し、ヘザーの言葉は空中から。軽業を見せつけるようにトンボを切り、着地するのは天井。
「さぁ、いくのっ」
「来なさいっ! 食べてあげるわっ!」
「それは、おことわりなの!」
天井を蹴るヘザー。ひらひらと舞い残されるのは青いリボンと白のショートパンツ。如何な手捌きか、一瞬で2枚を脱ぎ捨ててヘザーが得るのは先に倍する速度だ。
「ほぅ、黒か」
ぶつかり合うヘザーとリリスを見やり、ぽつりと勇者が漏らした。それはリリスを狙っていれば自然と目に入ってくるヘザーのパンツの色である。
さておき。
ヘザーの戦法は一撃離脱。速度を乗せた一撃をリリスに放ち、その結果に関わらず即座に離脱しリリスに反撃のタイミングを与えない。適度に広いスイートルームを活用したその戦法を、人間の差し込む援護射撃が支える。
あまりにも素早いヘザーの動きに、リリスは防戦が精いっぱい。隙あらば精気を奪おうとヘザーや人間との接触を目指すも――
「好きな人とスるのと比べれば、まるで感じないの!」
「ふははは! 遠ければ吸精もできまい!」
ほんの一瞬の接触ではヘザーから精気を奪う隙などある筈もなく、人間は人間で常に距離を保つ用意周到さ。即席の連携ながら、2人の猟兵に隙はない。
「あまり長引かせては……!」
戦況は猟兵に圧倒的に有利。
故にリリスが狙うのは仕切り直し。せめて1対1であればと戦場の変更を目論むが、そうは問屋……ではなく勇者が許さない。
「ふっ、逃げるのか?」
矢を番え、放つ。ユーベルコードを介さない連射は狙いこそ甘いが、代わりにこれまでの数倍の密度でリリスを襲い退路を断った。
「――残念だが、勇者からは逃げられない」
「ああもう、ちまちまと鬱陶しい!」
しかも牽制の矢に紛れて放たれる10秒毎の本命は健在だ。
「今だ、ヘザー!」
「わかったの!」
合図は人間から。矢の連射に乗じ、ヘザー自身が1本の矢と化して吶喊。対するリリスは人間が放つ矢の雨に行動を制限され、ヘザーを迎え撃つことを余儀なくされた。
迎撃はヘザーの行動を一撃離脱と読んでもの。
だが、そう思考を誘導することこそが2人の猟兵の作戦。
「今はもっと、壊しあいたいの!」
「何をっ――」
リリスがヘザーの動きに違和感を覚えた時にはもう遅い。
爪は真っ向から真っ直ぐに。守りを捨てたヘザーの肩口をリリスのナイフが掠める代わりに、ヘザーの爪はリリスの脇腹を深々と抉り取るのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シズホ・トヒソズマ
くっ……!まずい、快楽漬けにしてくるだなんて、これは私の性質(ドM)的に相性が悪い相手……!(如何にもシリアスな異能バトルで能力の相性が悪い時みたいな顔)
ですが逃げる訳にも行きません!
快楽漬けになんて絶対ならない!
快楽漬けには勝てなかったよ……
と、びくんびくんしつつもこの状態はUCの発動条件もまた満たしてもいます!
黄金武装を纏ったマジェスで攻撃します
剣には光熱を纏わせ、放射した風で敵の動きを制限し斬りかからせます
敵の攻撃は喰盾で受け止め、◆生命力吸収を発動
マジェスと糸を経由し、奪ったエナジーを返して貰います
◆カウンターで◆光熱属性の喰剣で切り裂きます
快楽で発動できる技もあるとは予想外でしたか?
ラティナ・ドラッケンリット
「お前が首魁か。その首貰い受けよう」
敵を発見すると同時に断山戦斧『しゅとれん』を投擲する
敵が対処している間に穿竜槍『たると』を手にダッシュで接近する
槍の間合いを維持しつつ
盗み攻撃を警戒しながら
正中線上の急所を狙って
鋭く槍で突きを繰り出し続ける
こちらは一撃でも入れればUCが発動できる
ナイフ一本で捌き切れるか試してみるがいい
急所狙いに慣れてきたら
フェイントで四肢を狙い
踏み込んで来たら槍の柄で薙ぎ払う
UCの条件を満たせたら召喚ドラゴンになった『たると』に噛み付かせる
それを追って鞘から屠竜刀『まかろん』を抜き
太刀打ちの間合いからナイフを持つ手首と
首を狙って追撃の斬撃を繰り出す
●夢、墜つ
戦場は1対多の乱戦であった。
1は即ち、腹部に傷を負いつつも『猟兵を快楽漬けにしてエナジーを貪りたい』というSNSの呼び掛けに賛同を得て力を得たリリス。
多は即ち、シズホとラティナ。捨て身の一撃でリリスに手傷を負わせた猟兵と入れ替わり、今の前線を一手に引き受ける2人と1機である。
主攻を担当するはラティナ。シズホはからくり人形を用いてそれの支援。
だが。
「そっちへ行ったぞ、シズホ!」
ラティナが接敵と同時に投げた断山戦斧『しゅとれん』はリリスに回避を強制したが、それ以上は果たせず。ダッシュで間合いを詰めたラティナが繰り出す穿竜槍『たると』の連撃をナイフ1本でどうにか捌き、リリスが狙うのはシズホが主。
「くっ……想定はしていましたが、これは私の性質的に相性が悪い相手ですねっ」
「ええ、一目みて判ったわ。あなたには、苛め甲斐があるって!」
今、リリスの眼中にラティナはない。
何故ならば、シズホも感じている通り被虐性の強さはリリスの吸精が通用しやすいとも言い換えられるが故に。戦闘力維持のためにも、猟兵の美味なエナジーを味わうためにもリリスの最優先目標はシズホになるのだ。
「さぁ、惑いなさい、逃げなさい!」
「いいえ、逃げません! 快楽漬けになんて絶対ならないっ!」
ユーベルコードの後押しを得て強襲するリリスのナイフ。迎え撃つは、シズホの操る五英雄再現戦闘人形『マジェス』の喰盾。
鋭く突き出されたリリスのナイフを喰盾が齧るようにして受け止める。
が、リリスの本命は刃ではなく吸精を果たすための接触。喰盾に喰い止められたナイフを惜しげもなく捨て、マジェスの傍らをするりとすり抜けて。
「つかまえた♪」
シズホの腕を掴んだ。
「はうっ……!?」
精気吸収。シズホの全身を奇妙な虚脱感が襲う。同時に股間から脳天を駆け抜けていくのは膝が震えて崩れ落ちそうな悦楽。脱力したシズホの体は、悦楽に痺れて彼女の意思に従うことなくがくがくと揺れた。
「それ以上はやらせん!」
このまま吸精が続けば命の危機。シズホを救うべく横槍を入れるラティナ。槍の柄を用いた払いでリリスの腕を弾き、流れるような動作で放つのは必殺を期した急所突き。
「おおっと……でも、ごちそうさまよ」
しかし、急所を狙う軌道は読みやすい。精気を得たことで活力を取り戻したリリスは軽やかな身体捌きでラティナの槍を回避した。
「無事か、シズホ?」
「……か」
視線はリリスに向けたまま。問いに戻るのはシズホの呻き声。
とても戦闘続行は無理か、とラティナが一時撤退の算段を考え始めたその瞬間。
「快楽漬けには、勝てなかった――け、れ、ど!」
叩き込まれた快楽をようやく消化し終え、へたりこんだシズホから上がったのは先程の蚊の鳴くような呻き声とは異なる力強い叫び。
「いたぶられるのもまた良し……反撃していきますよ!」
シズホの指が跳ねる。ただそれだけでマジェスが応えた。
纏うは黄金。シズホがいたぶられて得た快楽に応じて強化されたマジェスは光り輝く喰剣から嵐を呼んだ。
「どういうことっ!?」
「快楽で発動できる技もあるとは、予想外でしたか?」
マジェスから放たれた嵐がリリスを捉える。猛る暴風はリリスの身体を壁に押し付け拘束した。
「ラティナさん!」
「応っ!」
シズホの声に応え、ラティナが走る。僅かに遅れ、マジェスもその背後に続いた。
「う、動けない!?」
「俎板の上の鯉、というやつだな」
初撃はたるとによる鋭い突き。槍の穂先がリリスの鎖骨を貫き、ドラゴン『たると』へと変じてリリスの身体を壁に縫い留める。
続くはマジェスの喰剣。袈裟懸けに切り下された一撃はリリスの胴に深々と食い込み、宿った光熱で傷口を灼いた。
「これで!」
ラティナが放つのはダメオシの一撃。屠竜刀『まかろん』を抜き放ち、逆袈裟の切り上げで狙うはリリスの首。
「ぐぅぅぅうぅ!!」
咄嗟にリリスが身を捩ったのは痛みからか、あるいは必殺を悟ってか。しかし生き汚いその身動ぎが、角1本を代償にリリスの首を繋ぎ――猟兵の連撃に耐えかねたスイートルームががらがらと崩れ、リリスを奈落へと飲み込むのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
塚杜・無焔
まぁ、そういう攻撃なのだろう。
……理解したくは無いのだがな。
正直な所勘弁願いたいし、
今更にそういうものに関わる気も無いしな。
とはいえ、向こうにしろ此方にしろ間合いを詰めねばならない。
【属性攻撃】【マヒ攻撃】の赫雷で牽制しつつ、
向こうがまるで『都合よく』踏み込めるように仕掛ける。
勝手に態勢を崩してくれるのならば、僥倖。
【見切り】つつも【早業】で
赫雷を纏わせた拳による【鎧無視攻撃】で【一撃必殺】だ。
――なぁ、
屍人に『乗ろう』とするのが間違いだったと、思わないか?
※アドリブ連携可
●屍人に精なし
スイートルームが崩落し、落ちた先は数階層下。
「く……かはっ」
リリスは既に満身創痍。猟兵から奪った精気も消費した以上に奪い返され、今や立っているのすら精一杯。
「それでよく生きているな……とは、俺の言えたことではないか」
対するは既に死した猟兵、無焔。落下距離を気にせず追撃へ出たのは屍人ならではの頑強さから。崩れた瓦礫を照らし出すのは両腕に纏った赫雷だ。
「まだ、やられ、ないわよ……!」
「そうか」
赫雷を放射。突き出した腕が示すのはリリス本人。しかし、雷撃が向かう先は全くの別方向。無焔の思惑通りに的外れな位置へ放たれた雷撃は瓦礫を粉々に砕く。
「そんな実力じゃあ、無理よ」
しかし、その一撃が無焔の布石であると察せないほどにリリスは切羽詰まっていた。
無焔がわざと外したことを『狙いも付けられない程度の実力』と見て、リリスが選ぶのは即座の踏み込み。
「あなたから精気を吸って、そのまま、上の連中も……!」
踏み込みの勢いを乗せ、リリスは無焔を突き飛ばす。同時に仕掛ける足払いにより無焔の身体は『2人の』思う通りにストンと横になった。
「これでっ!」
マウントポジションを確保するまで1秒足らず。無焔に跨りリリスは勝ち誇った表情を隠そうともせず――しかし、精気を吸い上げられず表情を凍り付かせた。
「まぁ、そういう攻撃なのだろうな。理解したくは無いが」
「あなた、一体何者なの!? 精気を吸い上げられないなんて……」
動いて、喋る、生きているとしか思えない屍人、デッドマン。生者の証たる精気を持たぬ存在にリリスが思い当たる頃には、もう無焔の準備は終わっていた。
「正直、勘弁願いたいし今更そういうものに関わる気も無い」
「クソっ!?」
無焔から逃れようと動いたリリスを、腰をひねり揺り動かす。体格差に翻弄されたリリスは無様にバランスを崩すしかない。
「まぁ――」
無焔の拳に赫雷が宿る。先の布石とは比べ物にならない、赫赫とした雷が。
「屍人に『乗ろう』としたのが間違いだったと、骸の海で反省するといい」
腰の捻りを肩に乗せ、突き出した拳が捉えるのはリリスの頭蓋。
拳に宿った赫雷は打撃と同時に爆裂。無焔の怪力で見事に粉砕されたリリスの頭部を沸騰させ、髪の毛1本残すことなくアポカリプスヘルから消し去った。
後に残るのはリリスの身体。中枢を失ったソレはぐらりと傾いだ後、倒れ伏すよりも早くさらさらと骸の海へと崩れ去る。
「……終わったぞ」
上階へと勝利を告げる声は、随分と落ち着き払っていた。
大成功
🔵🔵🔵