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FIN DE SIECLE~赤き冠たちの戦い~

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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 数多の人類のが死滅し、今なお発生するオブリビオン・ストームが吹き荒ぶこの世の終わりかと思われる世界、アポカリプスヘル。
 そんな荒廃した大地のバラック造りの建屋が僅かばかり集った小さな拠点に、赤いモヒカン姿の珍妙な世紀末的なファッション集団がいた。彼らの名は『レッドターキーズ』絵面的にもこんななりだが、人々からの期待を背負うそこそこ有名な奪還者(ブリンガー)たちなのである。
 絶望的な状況の中でも、彼らは次の得物(資材)の調達の為に、準備に余念がない。ナイフ片手に舌なめずりをしながら、意味不明な拳法を極め、輝かしきも妄想的な未来に思いを馳せ、和気藹々としていたところに、爆音を轟かせながら「奴ら」がオフロードバイクとともに現れたのだ。

 ――悪名高き、野盗(レイダー)『コヨーテヘルズ』

『『イヤッハッハ――ッ!! 出荷だ――!?』』

「や、奴らだ――!?」
「あ、アニキがやられた!?」
「ヒ、ヒ、ヒャ――ッ!?」
「もう駄目だ! おしまいだ――!!」

 哀れ、善良なモヒカンたちは呆気なく略奪されてしまったのである。


「ヒャッハー! よう、兄弟! 早速だが頼みがあるぜ!」
 赤い鶏冠を揺らしながら現れた世紀末ファッション姿なニワトリのキマイラ、ロースト・チキン(チキン野郎・f03598)が、君たちに馴れ馴れしく声を掛けて来た。
「へっへっへ……おい、お前ら!? 仕事だぜ……?」
 なんか最初の勢いとは裏腹に、徐々に低姿勢になりつつあるロースト曰く、新たに発見された世界、アポカリプスヘルのスパイシーカンダマントと呼ばれる荒野に奪還者『レッドターキーズ』たちの小さな拠点があるそうだ。そこに旅人として訪れ、彼らと交流し、拠点の防御などを高めながら、オブリビオン化した野盗の襲撃に備えてほしいそうだ。
「襲撃してくる野盗は、コヨーテヘルズと呼ばれる連中だ! まるで鳥の天敵みたいなチーム名だな……このままじゃ同志たちが……ひっ!?」
 何故か本能的に怯えた様な面で野盗たちの詳細を語るローストだが、今から向かえば襲撃に備える余力はあるとのこと。
「あっ、それでは皆様のご活躍とご無事をお祈りしております。はい」
 最後に、絵面的に違和感しかないぐらいな低姿勢で、縋る様な瞳をした鶏が猟兵たちを見送ったのであった。


プレジデンテ
 こんにちは、いつも心が荒んでいるプレジデンテです。やってきました世紀末。皆さんもお好きですよね? というわけで、モヒカンが襲われるお話です。……え?

 1章は、日常です。奪還者『レッドターキーズ』と交流しながら、襲撃に備えて下さい。レッドターキーズの方々は、全員が赤いモヒカン姿をしており、非常識な格好と言動をしている常識な良い人たちです。旅人として訪れた猟兵たちを歓迎してくれます。絵面的にアレですが決してオブリビオンではありませんので、言わなくてもわかりますよね?

 2章は、集団戦です。『コヨーテヘルズ』と呼ばれる悪名高い野盗(レイダー)たちが襲撃してきます。オフロードバイクに乗ってやってくるヤバい奴らです。

 3章は、ボス戦です。帝王バイクに乗った野盗のボスです。コイツを撃破すれば、野盗集団は壊滅します。

 それでは、皆さんの荒んだプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『拠点防衛力アップ』

POW   :    バリケードを設営したり建物を補強したり、若者に訓練を施して防衛力を上げる

SPD   :    侵入者を防ぐ罠を作ったり、危険を知らせる合図等を準備して被害を未然に防ぐ

WIZ   :    集落の人々の意識を防犯改革を高めたり、非難・防衛計画を作ったりする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アポカリプスヘル、スパイシーカンダマント荒野にガトリングマフラーの鳴り響く音とともに煙が濛々と立ち昇る。そこには、バイクに跨る天を突くような赤きモヒカンの一団が砂塵を巻き上げながら大地を駆けていた。
 彼らが目指していた目的地、自分たちの拠点へと漸く辿り着くと、大勢のモヒカンたちが出迎え、今回の戦果を称えた。

「ヒャ――ッ!! 水だ、水だ――!!」
「食料もあるぜ! 流石、アニキだ!」
「オレ、アニキの為ならたとえ死の中、水の中だぜ!!」

 この数多のモヒカンたちを束ねし、彼らが尊敬してやまない一際ワイルドな肉体のモヒカンがいた。彼こそ知る人ぞ知る奪還者の一団『レッドターキーズ』のリーダーであり、自分の名前をチーム名にしたイタい人、レッド・ターキーズその人であった。

「アニキ! 誰かが近づいてきやす!?」
「何っ!? コヨーテ共か? それともブッチャーか!?」
「いえ、どうやら旅人のようでやす」
「よし、野盗どもじゃねぇな? ならば歓迎してやれ! オイ、おめぇら! おもてなしの心を忘れるんじゃねーぞ!!」

「「ヒャッハ―ーッ!!」」
 
 赤きモヒカンたちは、各々の得物を掲げて、猟兵たちを暖かく出迎えたのである。
ルフトフェール・ルミナ
こんにちは、モヒカンさん! 僕善良な旅人だよ! よろしくね!
みんな疲れてるみたいだけど、何か悪い出来事があったの?

【SPD?】
うーん、僕にはモヒカンさん達を互角に戦えるよう鍛えることは無理そうだし……。
ならば、コヨーテヘルズを弱らせちゃえばいい、かな。罠は単純でも結構効果あるし。
灯を落とし、敢えて侵入しやすそうな隙を作り、そこに落とし穴。
内部は、所々をバリケードとかで塞ぎ、侵入経路を一本道にしてしまうんだ。
で、通路や階段にトラバサミとか、ワイヤーとか設置もいいかな。転んだり、手をついた先にマキビシ。
本拠地の上部に見張りを立てる? 夜なら黒、昼なら屋根や壁の色に似たフード付きマントを着てね。



 砂塵が舞う荒野の一角に一人の旅人が訪れた。彼の名は、ルフトフェール・ルミナ(空を駆ける風・f08308)である。唐突な訪問者の到来に気付いた赤きモヒカンたちは、彼を見るなり、ニタニタと笑いながら、各々得物を手にして取り囲んだのだ。
「こ、こんにちは、モヒカンさん! 僕、善良な旅人だよ! よろしくね!」
「へっへっへ、よく来たな糸目の兄ちゃん! コイツは挨拶代わりだ!!」
 赤きモヒカンがルフトフェール目掛け、まるで斧を扱うかのような動作で何かを振り下ろす。行動と言動から少し身構えるルフトフェール。しかし、目の前に差し出されたのはなんと水筒であった。そう、これは彼らなりのおもてなしの心が籠った歓迎の挨拶なのである。
「ほら水だ! うめぇ~~ぞ!」
「ありがとう」
 ルフトフェールは、モヒカンたちに礼を述べると、拠点の中へと招き入れられ、彼ら『レッドターキーズ』の事や置かれている状況について聞くこととなった。
「そういえば、みんな疲れてるみたいだけど、何か悪い出来事があったの?」
「あぁ……先日、ここらじゃ名の知れたデカいレイダーどもから略奪をしてな。いつ報復されるかと思うと恐くて夜も眠れねぇぜ!」
 よく見れば、ほとんどのモヒカンたちが目が血走っていた。傍目から見ればヤバい奴らである。
「何故そんなことを……?」
「そ、そこに水があったんだから仕方ねぇだろ!」
 あっ、さっきの水ってやっぱり。コイツらオブリビオン相手に、割と無謀な事してました。だってモヒカンだもの仕方ない。行動とか矯正しようにも、一部の猟兵たちを除く、色々ジャンルの異なる世紀末なモヒカンを互角に戦えるよう鍛えることは無理そうだと感じてしまうのだった。だが、待てば甘露の日和ありという格言もある。この世界を生き残るならば、忍耐こそ肝要であり、然るべきことを成し、時を持つことも大事なのだと思いながらモヒカンたちに提案をするのだった。


 レイダーの対策に動いたルフトフェールは、拠点内部に敵が入られた時の為に、罠を作ることにした。
(モヒカンたちがこんな状態ならば、逆にコヨーテヘルズを弱らせちゃえばいい、かな……? それに罠は単純でも結構効果あるし)

 敢えて侵入しやす箇所を作る事で、経路を制限し、落とし穴からはじまり、虎バサミ、ワイヤーなどを設置する。更には転倒時に、マキビシでダメージを与えるという徹底ぶりである。あとは、襲撃時に即座に対応できるように、どこかの建屋の上部に見張りを立てるのもいいだろう。とりあえず、夜は黒と昼はトタン屋根に擬態できるような迷彩色を意識したフード付きのマントや布でも用意できればと。ルフトフェールが様々なことに思案を巡らせている内に、やがて落とし穴を仕掛けた辺りから悲鳴が聞こえてきたのであった。同時に笑い声も聞こえた。

「いでえぇよぉ~~~~!?」

 どうやらモヒカンの誰かが罠に引っかかったようだ。彼らの思考ことを失念していたルフトフェールだが、同時にこれらの罠にレイダーたちが引っかかる可能性に対して、確信を得てしまったのは心の中に留めておきながらも空を見上げつつ、彼らの様子を見に行くことにしたのだった。あくまでも平時に於いてのマイペースは崩さない。それが彼の美点であった。

「まぁ、なんとかなるかな」

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
ヒャッハー!モヒカンの群れだ~ッ!
これこれ!世紀末といえばやっぱモヒカンでござるね!

ガトリングマフラーバイクとはいい趣味でござるね!やはり火力は盛ってこそ至高…!
でもよぅこの拠点、まだパンチが足りない気がしますな
(物を取り出すSE)【軍用機】召喚~!本日のメニューはガンシップでござる
こいつを【武器改造】の要領で解体して拠点に設置しますぞ!どうせUC製だ!必要ならまた作ればよろしい
んんwww
105mm砲、40mm機関砲、25mmガトリングを積まないなんてありえないwww
外壁には剥がした装甲をリサイクルだ!

うーんだいぶ火力は増したでござるが…まだ盛れるよねこれ
この【ヌカッとしたランチャー】をだね



 「ヒャッハ――ッ! モヒカンの群れだ~ッ! これこれ、これを待ってんだよ!? 世紀末といえばやっぱモヒカンでござるねっ! それにぃ、このガトリングマフラーバイクもイイ趣味でござるなぁ!?」
 到着早々、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は、なんか中身が出そうなぐらいに笑みを湛えながらテンションがあがっていたのだ。改造バイクで彼を取り囲んでいたモヒカンたちは、ヒソヒソと話し合った。
(おい、コイツ、絶対ヤバい奴だぞ!?)
(奇遇だな、オレもそう思った。)
(だが、リーダーが旅人はもてなせって……)
(分かってらぁ!?)

 厳選な相談の結果、エドゥアルトは水でもてなされたのである。拠点内に招かれた彼はバラック小屋上部や物見櫓などに設置されたなんかよく分からないけどのイカした感じのイロモノタレット(多分、バリスタ)を見回して思考する。
(やはり火力は盛ってこそ至高! でもよぅこの拠点、まだパンチが足りない気がしますな)
「本日のメニューは……おっと! あったあった!? ガンシップでござる~♪」
 エドゥアルトは、チャンチャカチャンチャンチャーンと口で効果音を鳴らしながら、近未来の世界のとあるロボットが謎のポケットから取り出すかの如くに、あり得ないサイズの軍用機を取り出したのだ。周囲で見ていたモヒカンたちは奇声を上げて興奮する。因みにただのUCの召喚である。彼は鼻歌を歌いながら早速、己の卓越した技量を用いてガンシップを解体していくのだった。
「んんwww 105mm砲、40mm機関砲、25mmガトリングを積まないなんてありえないwww おっと、剥がした装甲は、外壁用にリサイクルだ!」
 解体した資材をモヒカンたちの協力のもと、タレットや資材用として新たに設置、確保していく。どのみち襲撃来るようだし、資材増やしたところで、こっちの戦力はモヒカンなのだから無問題なのである。
「うーんだいぶ火力は増したでござるが…まだ盛れるよねこれ? よし、ならばこのヌカッとしたランチャーをだね……」
 そう呟きながら、更なる拠点の防御増設を試みるのだった。因みに、エドゥアルトは、ランチャーの特殊弾ナニ入れるつもりか考えておいてね。放って置いたらモヒカンたちが大根入れて飛ばすからよ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハルア・ガーラント
こ、これが世紀末!

【WIZ行動】
何が起こるか分かりません、防犯意識は大事です。
とりあえず[白い腰かばん]からお茶セットを出して集まってくれた方に振舞います。みにあひるさん達もお茶運びの手伝い、お願いね。(UC発動)

まずレッド・ターキーズさんに、各所から上がってきた情報や報告のまとめ役・指示役をお願いします。次は緊急の集合場所。ほう・れん・そう、大事ですよね。
「自分は大丈夫」って顔してるそこのモヒカンさん、そういう人が一番危ないんですよ!

時間があれば、避難経路や防衛部隊に参加できる方の把握も。

これは、フライドチキンにされるかされないかの戦いです。く、わたしにも震えが……。

共闘・アドリブ歓迎です!


茜谷・ひびき
アドリブ連携歓迎

モヒカンだ!モヒカンがいるぞ!実在してたんだな!!
あっ、ちょっと興奮しちまったな……いやあまりにも光景が完璧すぎて
でもこの人たちはこのイカれた世界で頑張ってる人達だ
仲良くしたいな

簡単に挨拶を交わしたら一緒に拠点を補強しようか
【怪力】で重いものを運んだり、【野生の勘】で補強が必要そうな部分を見極めたりしよう
力仕事なら任せてくれよ

作業をしつつ雑談なんかもしたいな
普段はどんな事をしてるのかとか
どうしてモヒカンなんだとか
いや、すげー似合ってて格好いいと思うぜ
俺は学校に通ってるからそんなアグレッシブな髪型には出来ないが……
来たばかりの世界だ、現地の人達から色んな話が聞ければ嬉しいぜ



「コールダック、さぁ、出番ですよ! お茶運びお願いね?」
 レッド・ターキーズの拠点を訪れた一人、ハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)は、白い腰かばんから手持ちの茶葉を取り出すと、召喚された純白のふわふわな小型アヒルのコールダックと共にお茶振舞うことにした。お茶の香りが辺りに漂うと即座に反応を見せるモヒカンたちは、下卑た表情を浮かべながらあっという間にハルアを取り囲んだのだ。そんな彼らはこと食料に関しては敏感であった。
「おっ、こいつぁ水以外の飲み物の匂いだぜ!」
「ヒャッハー! もう待ちきれないなぁ! ところであの白い鳥は食料?」
「へっへっへ、おい、てめぇら旅人のお嬢さんが困ってるだろう! 食料は一人一杯と一羽ずつだぞ?」
「……こ、これが世紀末!? って、食べないでください! あと順番に並んでください!」
「「あっ、はい」」
 彼らの外見と言動に引き攣るハルアであったが、この世界の状況に飲まれるわけにはいかないと恐怖を堪えるとグッと手を握ると自分を奮起させ、奮起統制を図ろうとする。それに対して、本能的に逆らってはいけないと感じ取ったモヒカンの群れは、順番に整列すると居直るのだった。
 集った全員にお茶が行き渡り、一息つくと彼女は現状の確認をすることにした。
「はい、まずはそこのあなた! 各所から上がってきた情報や報告のまとめ役と指示役をお願いします」
 ハルアに指を差されたインテリっぽい感じのサングラスを掛けた赤きモヒカンは、居住まいを正す。
「はっ、逆らう汚物は消毒してやります!」
「次は緊急の集合場所! いいですか…? ほう・れん・そう、大事ですよね?」
「「はいっ!」」
(時間があれば、避難経路や防衛部隊に参加できる方の把握も……む?)
 ハルアの教訓に大人しくモヒカンたちだが一部の者は表情がニタニタしていた(尚、当人たちに他意はないらしい)。
「はい、ではそこの自分は大丈夫って顔してるそこのモヒカンさん、そういう人が一番危ないんですよ!」
 指摘を受けたモヒカンは背を反り返るぐらいに居直る。彼女はそれを見ながら、本当に大丈夫なのかとため息をつく。
(このモヒカンさんたち痛い目見ないと分からないような……でもこれは、フライドターキーにされるかされないかの戦いです。く、わたしにも震えが……)
 ハルアも大概、この世界に汚染されているのかもしれないのであった。

「モヒカンだ! モヒカンがいるぞ! 実在してたんだな!!」
 ハルアによって統制されたモヒカンたちを遠巻きに見つめていた茜谷・ひびき(火々喰らい・f08050)は、あまり変化のない表情ながらも何故か鼻息を荒く、リアル世紀末に出会えた感動に打ち震えていた。もし叶うなら自分もモヒカンにな――ないわ。
(あっ、でもちょっと興奮しちまったな……いやあまりにも光景が完璧すぎてな)
しかし、彼らもこのイカれた世界、アポカリプスヘルで懸命に生きている人達なのである。姿格好や言動はどうであれ、人々の為に尽くし、輝く明日を敵から奪還しようとしている事に、内心熱いモノを感じ、仲良くしたいと思うのも自然の流れなのだった。――姿格好がどうであれ。

 ひびきは、それぞれの活動に勤しむ(意味深)モヒカンたちに簡単に挨拶を交わしながら、丁度、バラック小屋の修理をしてい者たちに混じり一緒に拠点を補強することにした。
「や、俺に手伝えることはあるか?」
「おっ、ならそっちにある板金で壁の穴でも防いでくれ! え、やり方? ハハッ! テキトーだろ!」
 まず、ひびきは壁の補強の為に板金の山を力に任せて抱えて持ってくることにした。何故なら、流石世紀末のモヒカンたちと言うべきか、壁の修理が凄く適当だった。よく見なくても壁は穴だらけ、補強が必要な箇所は資材がいくらあっても事足りない有様である。資材足りるか一抹の不安を覚えつつも、最低限、どこを塞ぐか見極めれば、やりがいは十分にあったので、腕捲りをすると作業に取り掛かるのだった。
「ヒャー! こりゃ、スゲー手際だぜ!」
「ハハ、それほどでもあるぜ? ところで、あんたは普段、どんな事してるんだ?」
「ヒャハハッ! そりゃ、略奪(奪還)に汚物の消毒(野盗の掃除)だぜ!」
「へぇ、それじゃそのヘアスタイルは……?」
「ヘヘヘっ、わかるか? コレはレッドターキーズであることの印……いや、オレたちの絆って奴だ! なっ、いいだろ?」
「あぁ、すげー似合ってて、格好いいと思うぜ」
「だろ? あっ、そうだ、お前もモヒカンになれよ! お前なら絶対に似合うって!!」
(俺は学校に通ってるからそんなアグレッシブな髪型には出来ないのだが……まぁ、ある意味浪漫かな)
 ひびきとの会話で気をよくしたモヒカンは、目を輝かせながら、妙に熱意のあるモヒカンヘアー押しをしてくる。その情熱にひびきも心を打たれモヒカンにな――ないわ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
ハハハ、見掛けに反して善人の集まりのようだね。
悪意には悪意を好意には好意を返すべきだろう。

彼等の拠点周りに『創造の魔力』で防壁を創り出す。
「そうだね、この世界なら戦車砲に耐えれる程度の強度は必要か」

その後は、何故、モヒカンなのか?赤に思い入れが?とコミュニケーションを取りながら好奇心を満たします。



 新たな旅人が到来す。シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は、いつものように優雅な佇まいで降り立った。一方、歓迎の為に、彼を取り囲んだモヒカンたちの額からは汗が滝のように地へと流れ落ちていた。そう、モヒカンたちはビビっていた。自らが露骨に敵わないと理解してしまうような圧倒的存在に倦ねていたのだ。少しでも粗相をすれば、世紀末覇者や救世主によろしく、ゴッドハンドな百裂の拳が飛んでくるのではないのかと危惧して。モヒカンは強者に従い、低姿勢になる性のイキモノ。仕方ないことなのである。
「よ、ようこそ! お越しくださり、まこにありがとうございます!」
「「ありがとーす!」」
「ハハハ、見掛けに反して、どうやら善人の集まりのようだね」
 モヒカンたちの対応に苦笑いを浮かべるシーザー。悪意には悪意を好意には好意を返すべきだろうと彼は思っていた。しかし、観察したところ彼らに悪意などはない。むしろ自らの在り方が要因で、彼らからの好意が、畏れや遠慮という形になっているのならば、それはそれで申し訳ないと思っていた。
「どうか私の事は気にせず、気楽にしたまえ」
「い、いえ、そういうわけには……」
「「お客様は神様っす!!」」
「その神は、いったい何をしてこの地上に落とされたのやら」
 ユーモアを交えてモヒカンたちに語り掛けるも、返って畏まってしまったようだ。その証拠に、何か尊いものに献上するかのように差し出された水が物語る。そのことに少し残念に思いつつも彼らから様々な情報を聞き出したのだ。

「さて、一仕事だね」
 シーザーは、レッドターキーズの拠点の周囲を見渡すと、先ずは各要所を絞り込んでいった。
 UC――シドンの栄華。自らの内包魔力をから『創造の魔力』を取捨選択し、魔力を練り込みながら、地上へと浸透させていくことで、白亜の防壁を創り出したのだ。次々と拠点の周囲を囲い込むように地より出でる魔力の壁。ならば、ついでにとこの世界に合ったデザインにすることも余興として忘れてはいない。あとは、壁の強度の調整であるが―。
「そうだね、この世界なら――ふむ、戦車砲に耐えれる程度の強度は必要か」
 シーザーの作業を遠巻きに見ながら唖然とするモヒカンたち。そこへチームのリーダーであるレッド・ターキーズがやって来る。
「おぉ、すげーじゃねか!?」
「なに、貴重な水の返礼だと思ってくれて構わないさ」
「ヒャハハ! 水の対価にしちゃ、こりゃデカい借りだな!」
「そうえいば、後学の為に知りたいのだが何故、モヒカンなのか? それにその統一された赤に思い入れが?」
「あぁ―、赤はぶっちゃけ、オレ様の名からなんだが、ま、敢えて言うなら、この髪と色は、世界の不条理を突く意志と熱? いや、つーか、チームの赤い『絆』だな」
「ハハハ、その恰好で敢えてその『言葉』を語るのかい?」
「ハッ、言わせるな、恥ずかしい! アイツらが見てる」
 レッドはニヤリと照れ臭そうに笑いながら答える。彼の意外な内なる情熱を感じ取ったシーザーはその好奇心を満たすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリロット・エカルネージュ
この世界、大分背水の陣みたいだけど……食文化も荒廃してるのかな?

その場合、何とかそこも復旧しなきゃね。

⚫POW
霊芝餃薬剄法でボク自身の技能強化をして『怪力』で物資を運んだり、バリケードを設営したり建物の補強を出来る範囲でするよ

ご飯時になったら事前に持ち込んだ餃子の材料一式で、フライパンや餃龍蒸籠を駆使して焼き餃子や蒸し餃子を『料理』してモヒカンさんや他の猟兵の人達を中心にご馳走するね

『料理』の際に『情報収集』でこの世界で調達できる食材も調べて置くかな

この拠点で使える食材で餃子に使えそうなのがあれば、ソレも使って良いか聞いて置く感じと

今後の参考も兼ねてだけど

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ローブ・ダンジュ
天を衝くような赤きモヒカン……なんと雄々しく勇ましい方々でしょう
「初めまして、レッドターキーズの皆様。拠点防衛のお手伝いに参りましたローブと申します」
「襲撃に備える……まずは物理的な補強が必要でしょう」
アースジャイアントで大地の巨人を召喚
……身長は私の2倍ですから大した事ありませんが、それでも巨大な文庫本を持たせて当座のバリケードに致しましょう
「皆様、巨人が両手で幾らでも土嚢や瓦礫を支えてくれます。速さに任せて防壁をどんどん積み上げましょう!」
休憩時に『アニキ』様とやらにお願いして、赤いモヒカンを触ってみたいです
命より大事だから他人には触らせないと断られそうではありますが
会話だけでも楽しみます



 腹が減っては戦は出来ぬ。拠点の中央部では、五香粉の芳ばしい香りが辺りを包んでいた。此処を訪れたエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)が、先ず行ったのは、モヒカンたちに食料を使って料理をすることの提案していたのだ。すると食いつくように快諾し、食料を見せてくれた。何故なら彼らはモヒカン、料理をするにも直接、消毒(焼く)以外の調理法を知らないのだ。そして、備蓄された食料を見せてもらったエミリロットは、幾つかの材料を見繕う。餃子の皮に使えそうな強力粉(尚、彼らはコレらの粉モノを、自称小麦粉と称してすーはーすーはーしながら、ヤバい使い方をしていたらしい)、干し肉やにんにくも少しあったようだ。とりあえず、手持ちの餃子材料一式と使いながら、フライパンで焼き餃子、餃龍蒸籠で蒸し餃子を手際よく料理していったのだ。その匂いに誘われるように群がるモヒカンたち。見れば、作業が一段落した猟兵たちも集い、周囲が賑やかになりはじめた。それを物思いな笑みを浮かべて見つめるエミリロット。
(大分背水の陣みたいだけど……この様子じゃ食文化も荒廃してそうかな?)
「な、なんだ!? このウマそうな匂いは! まともに料理されたものを拝めるなんていつ振りだ?」
「ハハッ、料理の神の手とはここにあったか……!?」
「ヒャッハー! 見張りなんてやってられっかよ! もう、我慢できないぜ!」
 おい、持ち場。モヒカンたちは(外見は涎を垂らしながら下卑た)笑みを浮かべながら、調理するエミリロットの姿を眺めていた。途中、調理中のものに手を出そうとして餃心拳をモロに喰らって吹っ飛んでいった者がいたのもご愛敬であり、そんな中、彼女は疑問に思っていたことを情報収集を兼ねて、やや不安があるが彼らから聞き取ることにした。
「そうえいば、ボクはこの辺りのことに詳しくないんだけど、調達できる食材ってないのかな?」
「そりゃ、この荒野でといえば『種もみ』だろう! レイダーたちも狙う一級品だ! アレほどの食い物はねぇ! 」
「えーと、それって」
「生で食ってヨシ! 蒔いてヨシ! 奪ってヨシ!」
 思いっきり、食料概念が世紀末な思考であった。モヒカンだもの。

「はい、レッドターキーズの皆様、慌てなくても全員分あるそうでございます」
 餃子が順次出来上がる中、とあるフェアリーの使用人をしているローブ・ダンジュ(使用人・f23457)は、持ち前の身のこなしで優雅に挨拶をすると、雄々しく勇ましい姿のモヒカンたちを羨望な眼差しで見つめながら、一人一人に給仕していた。そこに近づいてくるここのリーダーであり、モヒカンたちからアニキと慕われるレッド・ターキーズは、エミリロットやローブに礼を述べた。それに対して、ローブは言いにくそうに、天を衝くような赤きモヒカンを見つめながら、ダメもとでレッドにお願いをしてみることにした。
「あの、その赤いモヒカンを触ってみたいです」
「ん? 普段なら触らせねぇが、レッド・ターキーズは恩知らずじゃねぇ。奪う者は敵だが、齎す者は資源だからな。今回は、特別だぞ?」
 そう言って屈むと、頭部の赤いモヒカンをローブへと突き出した。
(なるほど、こ、これは……思った以上にさらさらの髪質!? それに、手入れが行き届いております。それに加え、型崩れがおきても抗うかように元に戻る、もっと詳し―……!?)
「あっ……」
「へへっ、時間だな?」
 レッドは、触れる手からモヒカンを放すと、立ち上がりメタルコームを取り出すと髪を整えながら去って行く。見れば、休憩時間は終わりを告げ、周囲は解散していたのだ。ローブは、短い時間だと思われたが一体、どれだけモヒカンに囚われていたのだろうか?
「……私もお手伝いに参るとしましょうか」

 防衛強化作業が再開され、物理的補強の更なる強化の必要性を感じていたローブは、アースジャイアントを召喚していた。といっても彼女の背はドワーフ故、小さい。召喚された巨人も成人男性よりやや大きかどうかである。しかも、この世界は世紀末。明らかになんかおかしいレベルの背丈の存在は案外多いのかもしれない。それでもそれを補ってもあまりある力を大地の巨人は有しており、彼女は共に作業するモヒカンたちを巨人を操作しながら激励したのだ。
「皆様、巨人が両手で幾らでも土嚢や瓦礫を支えてくれます。速さに任せて防壁をどんどん積み上げましょう!」
「「ヒャッハ――!」」
 其処へ資材集めから戻って来たエミリロットが姿を現す。彼女は先ほどの調理の合間に用意した霊芝餃薬勁法を用いた霊芝入り茸餃子の気の塊を飲み込むことで、自身の身体能力の増強を図っていた。荒野の至る所に破棄されたバリケード代わりになりそうな残骸などは利用価値もあり、これでもかというぐらいに集め、山のようにその身に背負っていたのだ。彼女が資材置き場に到着するとガラガラとそれらを放り投げる。
「ふー、ようやく一息ついたね」
「エミリロット様、お疲れ様です。私の召喚した巨人が引継ぎしますが、少し休憩されたはどうでございましょうか?」
「ボクならまだ大丈夫だよ!」
 ローブの気遣いに、エミリロットは問題ないと元気よく返事をすると、巨大な文庫本を荷台代わりに土嚢を運ぶアースジャイアントやモヒカンに紛れて、バリケード作りに参加するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アレク・アドレーヌ
【選択:POW】
防衛力強化すりゃいいんだな?
なら鍛錬しかあるまい…とはいえただの鍛錬をしただけではいっぱしの戦士になれん。

this is Sparta… つまり今ここでおのれの限界を突破しろ!じゃないと死にゆくだけだぞと言わんばかりの鬼教官の如き実戦訓練でもってして若者どもをいっぱしの戦士に短時間で鍛え上げてやろうじゃないか。

という訳で、だ。100人組み手はするのはともかくとしてもっと実戦寄りにUC使ったうえでガチの戦闘を実戦形式として行います
代償で半分使って二人分になった上で…多分それでも十分すぎるくらい強いだろう

当然ながら訓練といえど容赦はしない…そうしないと成長しないからね


ビッグ・サン
【オリュンポス】
荒廃していて大した組織もありませんし、秘密結社が支配するには良い世界なんじゃないですかね

よし、レッドターキーズって人たちの拠点を足掛かりに、組織の活動拠点を作ってしまいましょう♪


アイちゃんにそんな計画を話ながら行きますよ
実は私、医者でしてね、ケガしてる人とかいたら治しますよ

モヒカンの人たちに秘薬を振りまき怪我人を癒したりして信頼を得ましょう

この薬を飲めばあなたの怪我はたちどころに治りますよ

「ぐわわああ」

「ん?間違えましたかね?」

「こっちでしたかね~。この薬を注射したら、あなたの戦闘能力は飛躍的にアップするはずです」

なんてやりながら、奇跡の村と呼ばれる勢いで頑張りたいですね


アイ・リスパー
【オリュンポス】
「なるほど、レッド・ターキーズさんたち、これでも善い人たちなのですね」

ビッグさんと一緒に彼らの拠点を訪れ、レイダーからの襲撃に備えましょう。

機動戦車オベイロンに乗って、医者のビッグさんと二人組の奪還者という設定で行きましょうか。

「ほら、オベイロンには火炎放射機とか付いてませんから、安心してください」

荷電粒子砲、ミサイルランチャー、ロケットランチャーは付いてますが。

敵襲に備えるため【チューリングの神託機械】で万能コンピューターに接続。
戦術シミュレーションを行い迎撃用の陣形や策を伝授しましょう。

「この作戦を覚えてさえいれば、レイダーなど恐れる必要はありません」(フラグ



「いてえぇぇよぉ~!」
「お、おがぁちゃ~ん!!」

 そこには、阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。数多のモヒカンたちが倒れ伏し、助けを求めるかのように遠くへと手を伸ばしながら、赤子の如く泣き叫ぶ声が拠点内に響いていた。まさか、予想外のレイダーの襲撃か!? コレを成した外道とは一体誰なんだ?

「訓練といえど容赦はしない…そうしないと成長しないからね」 

 その死屍累々の中にあって、不動の構えを見せていた2体のバッタのような外見のミュータントヒーロー。ま、まさか、アレク・アドレーヌ(仮面の英雄・f17347)よ、お前って奴は……。時間は少し戻る。


 砂煙を上げながら、荒野を一台の戦車が駆ける。その中にあって、ホロディスプレ越しに、荒んだ外の世界の様子を眺めていたビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)は、レッドターキーズの拠点を目指し、そこを足掛かりにして、組織活動をしようかとあれこれ思案していた。
「荒廃していて大した組織もありませんし、秘密結社が支配するには良い世界なんじゃないですかね……アイさんはどう思いま―……お?」
 車内が、ガクンと大きく揺れたかと思うと、戦車がブレーキを掛け止まる。どうやら目的地に到着したようだ。今まで、操縦に専念していたアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)が振り返って声を掛けて来た。二人は、組織内での事前の打ち合わせで、奪還者という名目でここを訪れることにしていた。

「ビッグさん、到着しましたよ」
「さて、他の方々よりも少し遅れましたが、まぁ、誤差の範囲ですねー。話に聞いている通りなら、この世界独特の歓迎が……おや、あれはアレクさんですかねー?」

 車外に出たビッグの目線の先には、人だかりがあった。その中央には、一足早く到着していたアレクの姿があったのだ。彼は、到着早々、水と餃子でもてなされ、得物を掲げたモヒカンたちから熱烈な歓迎を受けていた。ならば、彼らにその礼を尽くすのは筋というもの。

「ヒャハハ! それで、どうお礼をしてくれんだ? オレたちはまだ(おもてなしが)足りないぜ? ん、んんん?」
「要は防衛力強化すりゃいいんだな? なら、鍛錬しかあるまい……とはいえ、ただの鍛錬をしただけでは、お前たちは一端の戦士になれん!」

 アレクは、モヒカン一同を見回す。どうみても彼らは、優しく教えて学習するタイプには見えない。それどころか痛い目に遭ってもすぐ忘れそうだ。つまり、今ここで己の限界を突破させてやらなければ、彼らの死に繋がることだろう。ならば、ここは敢えて、死にそうな目に遭わせたとしてでも、鬼教官の如き実戦訓練形式で以って、戦いに挑む心構えというものを身体に教え込み、短時間で世紀末戦士として、鍛え上げてやろうじゃないかと心に決めるのであった。This Is Sparta! それしかない!! アレクは、外骨格から自身の依り代を羽化分裂させると、戦闘力を代償に手数を二人分とする。

「「さぁ、手加減は無用だ!!」」

「「「ヒャッハ――!?」」

 食料不足な世界に於いても、何故か異常に筋肉質なモヒカンたち総勢300余りが、二人のアレクに迫った。しかし、弱体化したとはいえ、猟兵である彼に当然モヒカンが敵う筈も無く――。

「へげえっ!」
「うわばら!」
「ひゃああ!」
「あべし!」
「ひでぶっ!」

 無残にも断末魔をあげながら、次々と宙を舞い、あっという間に全滅したのだ。そして、現在に至る。

「ビッグさん、た、大変です! ケガ人が大量に……いえ、アレクさんが戦っていたところを見ると、まさかあのモヒカンたちがレイダー!? なら、塵も残さずに!」

 アイは、状況を即座に判断すると、機動戦車オベイロンの全武装を解放しようとする。荷電粒子砲が粒子を帯びながらチャージされ、ミサイルランチャーの砲が迫り出し、ロケットランチャーの誘導装置が点灯し、倒れ伏すモヒカンの群れにトドメを刺そうと――待て待て。

「アイさん、ここは私に任せてくれませんかねー?」

 そこに妙案を携えたビッグがフォローに入り、一人のモヒカンへと近づいたのだ。
「……おめぇは?」
「あー、実は私、医者でしてね、ケガしてる人とかいたら治しますよ? この薬を飲めばたちどころに治りますよー」
「そ、そいつはありがて――っ!?」
「ん? 間違えましたかね? ふふふ、心配しなくても大丈夫ですよ。新しい薬の究明ですので! この薬を注射し、成功したら、あなたの戦闘能力は飛躍的にアップするはずです」
「あばばばばばば…ち、治療を!!」
「それにしても、なるほど……活きもいいし、いい締まりをしてますねー、死霊術の材料に丁度――あれ? この薬も違いましたか?」
「ぐわわああぁ~」
 手持ちの怪しい薬をあれこれと試していたビッグは、モヒカンたちに治療と称して、人体実験を繰り返していた。このままでは奇跡が起こる前に、鬼籍に入ってしまうじゃないか。どうやら彼も大概であった。

「どうやら、私の求める薬はまだ遠いですねー」

 アイは、敵襲に備える為、チューリングの神託機械に接続し、万能コンピューターを介して、周辺の状況をホロディスプレイを浮かべていた。地獄の訓練から立ち直ったモヒカンたちは、物珍しさから、それらを食い入るように見つめており、その反応に満足したアイは頷くと、続けて戦術シミュレーションを行いながら、迎撃用の陣形や策を彼らに伝授する。

「ですので、この作戦を覚えてさえいれば、レイダーなど恐れる必要はありません!」
「マジか……!?」
「ヒャッハー! こりゃ、もう勝ったも同然だぜ!」

 だが彼らは所詮はモヒカンである。その場の勢いだけで生きている存在なのだ。だからこそ、この時は、まさかあんなことになろうとは誰も思ってもみなかったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『レイダー』

POW   :    レイダーズウェポン
【手に持ったチェーンソーや銃火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レイダーバイク
自身の身長の2倍の【全長を持つ大型武装バイク】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    レイダーズデザイア
【危険薬物によって身体機能】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スパイシーカンダマント荒野を砂煙をあげながらオフロードバイクやバギーが駆ける。それは強奪、虐殺を欲望の赴くままに行う悪名高きレイダーの群れ。彼らのは名は『コヨーテヘルズ』と呼ばれていた。目指すは、今まで数々の邪魔をし続けた目障りな奪還者『レッドターキーズ』の拠点だ。その中に於いて機械化されたレイダーのリーダーである男が、腕を組みながら、ニヤリを邪悪な笑みを浮かべていた。彼は、配下へと大声で叫ぶ。

「ヒャハハ! 肥えた七面鳥どもを出荷するにはいい日だぜ!! おめぇら、欲望のままに奪え! 殺せ!!」
「「ドナドナ――ッ!!」」


 ――悪しき一団がレッドターキーズへと迫る。
ケイシー・ジョーンズ
※アドリブ共闘大歓迎

少し遅れてしまったけれど、随分と面白そうね。
私も混ぜて貰えないかしら?

向こうからやって来るのなら、わざわざ向かう必要はない。SUGAREEを使うわ。
出口はあえて村側にして、猟兵や協力者たちは壁を通過する許可を出す。
後は直接手を下さなくても、向こうは勝手に溶けて死ぬし、猟兵や協力者たちに倒されるほどに弱体化するはずだわ。
まあ援護程度に榴弾砲を撃ち込んで、【範囲攻撃】。肉片残らず【吹き飛ばし】てあげるわ。

猟兵としてのデビュー戦ではあるけど、いつもと変わらないわ。
たった一つのシンプルな答え、勝利して支配する。
過程や方法なんて、どうでもよかろうなのよ。


アリス・セカンドカラー
新技が出来たのでお披露目に私推参☆
クラジェネたんはいいヒントをくれたわ、自身が動けないなら分身を戦わせればいいじゃない☆
テンマオウハジュンで精神を具象化してレイダーの武器をナーフ化させるわ。銃火器は水鉄砲に、バイクは原付に、チェーンソーはキャラグッズの玩具の剣に☆なお、ナーフ化しなくてもギャグ補正でダメージを無効化できるわよ♪(範囲攻撃で無敵効果を味方全体に広げた結果)
そして、カートゥーンキャラ的な分身(範囲攻撃)を具象化して、リアルでやったらエグさ満載のカートゥーン的な悪戯でレイダーをコロコロするわ。
無敵化して一方的にボコれるとかコレはエロイ(えげつない・ろくでもない・嫌らしい)



 今まさに、悪しきレイダーの集団、コヨーテヘルズが拠点へと襲撃を開始しようとしているところへ、駆けつけていた二人の人物が拠点の出入口の近くでそれを確認していた。
「少し遅れてしまったけれど、随分と面白そうね。私も混ぜて貰えないかしら?」
 ケイシー・ジョーンズ(バイオ・ドクター・f24373)は、紫煙を吹かせながら、レイダーの集団を見つめ佇む。彼女自身、猟兵としての活動はデビュー戦である。傍から見れば、猟兵としての経験不足は否めない。だが、名前以外の過去の記憶のない彼女にとって、確信して言えたことは『いつも通りにやれば変わらない』という自問自答の結果であり、それは、たった一つのシンプルな答えとなって内より木霊していた。勝利して支配する。それだけであった。
「――過程や方法なんて、どうでもよかろうなのよ」
「あら? 私も最近、新技を完成させたばかりなのよ。折角だから便乗しようかしら♪ お披露目に私推参っと☆」
 それを隣の瓦礫の上で、聞き耳を立てていたアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が、足をバタつかせながら楽し気に語る。

 二人の存在に気付いた数多のレイダーたちは、欲望の眼差しで、勢いのままバイクで駆ける。
「「イヤッハッハ――ッ! 女だ!!」」
 ケイシーもアリスもそれに動じるようなことはない。迫る野盗の群を一瞥すると、各々がUCの発動の準備に入った。
「向こうからやって来るのなら、わざわざ向かう必要はないね。それに……私は『患者』を逃がさない」
「じゃあ、私は『私』が代わりに向かうとしようかしら♪ 妙観察智☆」

 ケイシーの展開した腫瘍が、ウイルスを散布させながら、地となり壁となり溢れかえり、大迷宮を築きあげる。その合間を縫うように、迷宮に絡み付きながらアリスの食欲(意味深)に塗れた精神世界が築かれた迷宮内を満たした。やがて、その混沌へと取り込まれるレイダーたち。
「な、なんだ――ぎゃっ!?」
 突然の周囲の変化に動揺を見せるレイダーたち。中には腫瘍の床に操作を取られ、バイクから盛大に転倒するレイダーもいる。転倒した仲間を助け起こそうと立ち止まるレイダーは、転倒し倒れ伏した仲間を見て、直ぐにその変化に気付いた。……溶けている。まるでアルカリ溶液に死体を浸したかのようにじわじわと浸食するように徐々に速度を増しながら溶けて――そして、同時に自分たちの変化にも気づくのだった。
「なっ…!? こ、ここはやべぇ! 直ぐに出口を探すぞ! だが、これじゃ体が―」
「薬だ、薬を飲むんだ! 飲んだらいいから突っ走れ!!」
 彼らは、世紀末の悪党故によくやられるが、同時に生存本能もある意味で高い。そして、彼らに取れる手段は僅かであった。――レイダーズデザイア。全ての身体機能や能力を6倍へと跳ね上げる危険ドラッグ。それを飲み干し、ウイルスへの対抗策としたのだ。
「これだ、こいつぁ~効くぜぇ―!」
「うひゃぁぁぁ、ぎもぢぃぃぃ――――――!?」
 一部、トリップして出口とは正反対のウイルスの濃い場所へ駆けて消えて行った者もいたけどそれはご愛敬。

「もういっちゃうの?」
 にゅっと壁から躰を突き出したのはカートゥーンキャラのようなアリス。ぎょっとするレイダーの集団。
「クラジェネたんはいいヒントをくれたわ、自身が動けないなら分身を戦わせればいいじゃない☆ やぁ、其は六欲天が最上位他化快楽自在天なり♪」
 突如、現れたアリスに得物を掲げて身構えるレイダーたち。しかし、彼らの手や下半身には何故か違和感。何故なら、銃火器やチェーンソーは、水鉄砲や音の出る玩具に、バイクは原付や自転車――果ては三輪車を漕いでる奴までいた。誰だよ、武装にナーフMOD入れた奴は!?あっ、アリスだったわ。レイダーたちが、自身の境遇から、八つ当たりのようにアリスへと玩具の銃や剣を振るうが、無敵状態如何に関わらず、虚しくズギュンと擬音が響くのみ。
「こんなんで戦えるかよっ!!」
「いや、だが水鉄砲なら、服を透かせるワンチャンも……」
「青いフリークスは好みじゃねー! と、兎に角、オレは帰らせてもらうぜ!!」
 あっ、そっち行ったら――。
「ぎゃぁぁ~~!!」
 濃厚なウイルスゾーンに突入し、溶けて消えるレイダー。確かに還りましたね骸の海に。
 仲間の死を見つめて、再びアリスに向き直るレイダーたちは、更に驚く。アリスが『群れ』となって壁から床から生えてきたのだ。コレは、えげつない・ろくでもない・嫌らしい、まさに、エロイ展開しか期待できないことだろう。
「アリスたちと遊びましょう♪」
 
 デフォルメ化されたアリスの群が、レイダーたちを溶解性のウイルスの漂う迷宮内を物理的にコロコロしているところに、トドメとばかりに次なる一手が放たれた。砲撃音が聞こえると、上空からはケイシーが準備した元自走砲の主砲として用いられた榴弾砲の150mm弾が迫り、迷宮内に見事に着弾、炸裂し、レイダーたち諸共に周囲を肉片も残さず吹き飛ばしたのだった。因みに、アリスの群もコミカルに吹き飛んでいた。


「ヒャッハーー!! 脱出だ―――おろっ?」
 パタリ。なんと、あの地獄の迷宮を踏破する猛者なレイダーもいたようだが、不幸だったのは、丁度、あの危険なお薬の効果も無くなり、そのまま倒れて動けなくなってしまった事だ。
「流石、生き汚い世界ね……まさかあの迷路をクリアするとは」
「とりあえず、動けないようだし、やっちゃいましょうか♪ でも、コレはコレで……」
 昏睡するレイダーの頭部をアサルトライフルの筒先でつつくケイシーをよそに、欲望の眼差しをしたアリスは、口に手を当てると、舌なめずりをして、彼へと近づいたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
これはこれは……如何にも世紀末と言った集団だね。
この荒廃した世界には良く似合っている。
まあ、存在を許すかというとそうではないのだが。
大丈夫、無法者の群れが蹂躙される。
それもまた、世紀末の風景としてよく似合っているよ。

空中(空中浮遊×念動力×空中戦)からの『ソドムの終焉』により、コヨーテヘルズに滅びを。
(特に接近戦をやる程の魅力を感じなかった為)

アドリブOKです。



「イヤッハッハ――! 殺せ―!!」
「ヒャッハ――! 活かして返すな!!」

 拠点の出入り口は1つではない。別の場所でも、レッドターキーズのモヒカンたちとコヨーテヘルズのレイダーたちの戦いが行われようとしていた。普段なら、ちょっかい出しては逃げの一手のモヒカンたちであったが、猟兵たちの度重なる強化に真正面から殴り合っても、それなりに戦えるようになっていたのだ。

「これはこれは……如何にも世紀末と言った集団だね。」
 不動の如く、魔力壁の上から遠目にそれを眺めていたシーザーは、両サイドの面子を見ながら興味深そうに呟いていた。傍目から見れば、悪党同士の仲間割れに見えなくもない。ある意味、この荒廃とした世界に於いては似つかわしいのかもしれない。
「……まあ、存在を許すかというとそうではないのだがね」

 そして、シーザーがふわり浮かび上がり、彼らの戦闘の中心に舞い降りると、突然の到来者に双方から驚きの声があがる。しかし、その動揺は一時のもの、即座にシーザーを討たんと散弾銃を構える者や得物を投げつけるように迫る者が出始める。その数や勢いに押されるかに見えたが、余裕を以ってそれらを躱しながらも、徐々に全身を泡沫が包み込むように赤き魔力を満たした。
「やはり邪魔だな――コヨーテヘルズに滅びを」
 そして、ソドムの終焉は発動された。複数の魔力が、爆ぜるように枝分かれしながら、閃光を放つと、次の瞬間にはレイダーたちを穿ち出したのだ。シーザーは、意味深げな慈愛の眼で滔々と語る。
「大丈夫、無法者の群れが蹂躙される。それもまた、世紀末の風景としてよく似合っているよ」

 体勢が崩れるレイダーたち、それが反撃の機会だと判断したモヒカンたちはすぐに追撃を開始する。
「ヒャハハ! いまだ、やっちまえ!!」
「く、くそぉ―!? 奴ら調子に乗りやがっ――!?」

 シーザーは、彼らと接近戦をする魅力を感じられはしなかったが、眼下で行われる赤き棟髪の戦い振りを見下ろしながら、静かに満足そうに頷いた。

「さて、次に期待かね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜谷・ひびき
分かりやすいヒャッハー共だ!こっちも実在してたんだな!
いや、悪党なんて実在してない方がいいんだけども
とにかくドナドナされるのはあんた達の方だぜ

まずは相手の攻撃に対応するか
チェーンソーより銃火器の方が俺とは相性が悪そうだ
だから【ダッシュ】で一気に接近するぜ
攻撃は【野生の勘】で躱しつつ、多少の損傷は【激痛耐性・オーラ防御】と地獄の炎でカバーだ

接近しきったらUC発動
【怪力】で相手の身体を引っ掴み振り回すぞ
【傷口をえぐる】ように掴んだり、【2回攻撃】で複数回振り回したり
思いっきりミンチになっちまえ

掴んだ敵は他の敵へ向けて投げ飛ばしたりもしたいな
上手く【吹き飛ばし】もしていきたい
敵のペースを崩して行くぜ



「「イヤッハッハ――!!」」
「「ヒャッハ―――ッ!!」」
 
「分かりやすいヒャッハー共だ! こっちも実在してたんだな!」
 雄叫びを上げながら、レイダーとモヒカンが双方群れをなしてぶつかりだす。当初、近くで観戦していたひびきは、興奮冷めやらぬ内心で拳に力を込めると、右手の傷跡を覆った包帯を外し出した。因みに、最も分かりやすいのは、味方側のモヒカンだったりするのは敢えて突っ込まなかったのだが。

「――いや、悪党なんて実在してない方がいいんだけども、とにかくドナドナされるのはあんた達の方だぜ」

 戦闘に加わったひびきを待っていたのは、レイダーたちの悪意の洗礼、先ずは敵の攻撃に対応する為に、四方八方から迫り来るチェーンソーの刃を上手く躱して、反撃とばかりに殴りつける。沈む敵越しに見えたのは、散弾銃を放とうとする者たち。
(やばっ!?)
 銃火器との相性の悪さから、一瞬、ひびきは焦りを見せるものの、そこはある程度慣れた手際と多少の被弾も覚悟しながら、一気に駆け出して接近しようとする。
「「――死ねぇ!!」」
 放たれた無数の弾丸がひびきに迫る中、彼は背を低くするように疾駆し、それらを巧みに躱して行くも、避けきれない弾丸もあったようで、躰から弾くように金属の破片を地獄の炎が焼き尽くしていったのだ。だが、勢いは止まず、むしろ加速を増しながら、引き金を引こうとする銃撃者の下へと辿り着くと、手で銃身を上にずらしてみせた。背後から銃撃音が響く中、もう片方の手を力任せに手繰り寄せ、握りつぶすように引っ掴んだ。
「ぎゃ!?」
「手癖が悪いぜ?」
 レイダーは潰れた手の痛みから絶叫が木霊すも、ひびきはそれに構わず、周囲の敵を巻き込みながら叩きつけ、力任せに振り回す。高速でされるがままにされた敵の身体は、すでに血達磨で、最早、原型は留めていなかった。
「やっぱり、俺と銃火器とは相性は最悪だ――ん?」
 一息つくも、まだ重火器で自分を狙う者を遠くに見かけると、仕上げとばかりに、その狙撃手に対して、ソレを投げつけた。振り被った途中、千切れる腕に、一瞬、焦りを見せそうになるが、どうやら上手く敵に当たってくれていたことでホッと胸を撫で下ろすと次の戦場へと駆けていった。

「――さて、この調子で敵のペースを崩していくぜ」

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
特殊弾ってそりゃヌカ飛ばすに決まってるジャンッ!ヌカは持ってて嬉しいコレクションじゃないんでござるよ!
ま、大根飛ばしてもいいけどね!高速で射出してダイコンスレイヴとでも言い張りなさいよ

ヤク中の相手なぞしたくないですぞ!なので煙幕とUCで隠れてるでござるよ
なんで拙者の姿が見えないか分かる?シャブをやっているからよ
本当は【段ボール】に隠れてるだけだが
後は適当に【忍び足】しながらだるまさんが転んだして時間を潰し、昏睡してからはサクッと始末ですぞ!

やっぱ怖いでござるね薬物って
世紀末でも結局フィジカル…!戦いって…最後はフィジカル…!
それはそれとして回収しておきますぞ
別のレイダーを見た時に打ち込むんだ



「ヌフフッ……いい感じ漬かったでござるな!」
「ヒャッハ――! コイツぁビンビンに大きいぜ!!」

 唐突であるが、エドゥアルトとモヒカンはぬか床を準備していた。周囲で戦闘が起きているそんな状況で、訳の分からない事を言っているかもしれないが、その通りなのだから仕方ないのである。一夜漬けですらないのだが、イイ感じにそそり立つ大根を取り出すと、モヒカンたちはヌカの詰まったランチャーにソレをセットする。だが、こう出来れば、軌道上から電磁投射砲で、ダイコンスレイヴとかなんとかいいながら、高速射出で撃ち込みたいものなのだが――胡瓜でもよかったかな。ところで、それ本当にソレ使うの?
「そりゃ飛ばすに決まってるジャンッ! ヌカは持ってて嬉しいコレクションじゃないんでござるよ!」
 
「さぁーて、お次は、いぶし大根でござるぞ!」
 干した大根を吊るしながら、薪に火を点火し、煙で燻すと周囲は煙幕に覆われた。
「ひゃあぁぁぁーーー!? 目が目が――っ!?」
「ご、ごほっごほっ! こ、コレはちょっと煙がヒドイでござるな!? 拙者は、ダンボールの中に避難するでござる!」
 モヒカンは、煙で目を傷め転げまわりながら何処かへ行ってしまい、エドゥアルトはダンボールの中に退避した。だからアレほど未乾燥の薪を使うなと。おっと、お客さんだ。

「イヤッハッハ――ッ! ウリイィィィ――出荷だ!!」
 少しお薬でラリってるコヨーテヘルズのレイダーが姿を現した。見れば、涎を垂らしながら、目が充血し形相が明らかにおかしい。エドゥアルトは、真面に相手にすべきではないと即座に判断する。
(ヤク中の相手なぞしたくないですぞ! どうやら、シャブをやっているから拙者には気づいてないようでござるな!)
 しめしめと忍び足で、だるまさんが転んだをしながら、荒探しする敵の背後へと回り込む。
「ヒャッハー! ドナドナされたい奴は、いねぇかー!? お、なんだこの野菜は?」
「拙者ダイコン、今貴方の後ろにいるの。出荷はまだまってちょ」
「なっ!? ど、どこから……まさか、野菜が喋って!?」
 レイダーは、誰かいないのかどうかを周囲を見回しながら、荒探しをしていた。やかんの中、ぬか床の中、何処を見ても誰もいない。ましてやダンボールの中にいる筈などなく、やはり、ダイコンぐらいしか……。
「実は、貴方のズボンの中にもいるの!」
「ナニッ!?」
 レイダーは、動揺を見せると、慌てて履いていたズボンを下ろし、よくよく凝視していた。
「おぉ、デケェな!」
 など言っている間に時間切れ、下半身を露出したまま昏倒するレイダー。
(……やっぱ怖いでござるね薬物って)
 エドゥアルトは、至極真っ当な内心を吐露しながら、サクッと敵を始末することにした。簡単に倒したかのように見えるが、ここに至るまではある意味、苦労の連続。だが結局の所、世の理を思うと。
「――世紀末でも結局フィジカル…! 戦いって…最後はフィジカル…!」

 そして、ヌカランチャーを担ぐと、改めて、何処か別のレイダーがいないかどうか探しに出かけるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハルア・ガーラント
震えてる?き、気のせいですよ。

【WIZ行動】
まずインテリモヒカンさんに今の状況を教えて貰います。
ニタニタモヒカンさん、この情報を他の猟兵さんにも伝えてください!

敵は[念動力]で[咎人の枷]を動かし、頭や腕など肌が露出している部位へ[マヒ攻撃]。怖いので物陰から。

敵の能力6倍が発動したらわたしもUC発動、皆さんの戦闘力を底上げします。
1分、皆さん1分だけ耐えて下さい!
と[鼓舞]。沢山の人に歌が届くよう空中で[祈り]を込めて全身全霊で歌います。歌と同時に頑丈な[オーラ防御]で攻撃を防ぎます。歌が終わったら脱力して墜落しちゃうかもしれないけど。

モヒカン出荷なんて、させません!

共闘・アドリブ歓迎です!



「震えてる? き、気のせいですよ!」
 遠くから拠点へと迫るレイダーたちを目にした瞬間、ハルアは、震える身体を抑え込むように、自問自答する。欲望を滾らせた悪漢共の視線は、余すことない美を備えたハルアに向けられていたのだ。このまま何も出来ないままの彼女ならば、成す術なく蹂躙されてしまう事だろう。果たしてこの恐怖とは彼らから与えられたものだろうか。いや、かつて猟兵になったばかりの初陣の時を思い出して、そうではあるまいと思う。ならばこれは自分の内なる恐怖であるのだろう。つまり、彼女の自信の無さから生まれ、他から傷つけられまいとする心からの停滞からなのだと。彼女には一歩が必要だった。だが、同時に彼女は一人ではなかった。
「「お嬢!」」
 ――そう、逞き、赤きモヒカンたちがいたのである。彼女は意を固めると一歩を彼らと共に踏み出し、白き翼を広げて覚悟を決めたのだ。そして、情報通のようなインテリっぽいサングラスを掛けたモヒカンに現状を聞き出した。拠点の周囲では、すでに戦闘が展開されており、多勢に無勢で、一部は侵入までされているようだった。幸いな事に、猟兵たちの活躍と強化によって死者はまだ出てはいなかったようだ。ハルアは思案しながら、他の情報も纏めると個別で戦っている猟兵たちへの連絡は必須であると判断し、先刻注意されたモヒカンに伝令を頼むことにした。彼もやる気いっぱいである。因みに人身御供などではない。
「ヒャッハー! 逝ってくるぜ!!」
 やがて到来するだろう敵を前に、不穏な言葉を残しつつも、全力で駆けて行ったのだ。


「イヤッハッハ――!! 出荷だぜ!!」
「も、モヒカンさんたちを出荷なんて、させません!」
 迫るレイダーに、ハルアは真っ向から反論する――物陰から。
(うぅ、、やっぱり、怖いよ……)
 モヒカンたちも各々がレイダーに立ち向かう中、ハルアも翼に巻き付いた咎人の枷で鎖を操作しながら、敵の露出した頭部や腕部へと打ち付けるように叩きつけていた。彼女によって打ち据えられたレイダーたちは、直後、痺れた様に動きが鈍くなる。そこへ空かさずインテリモヒカンが、火炎放射器を担いで敵へと構えて見せたのだ。
「お嬢がやったぞ! それ、今のうちだ。汚物は消毒だ――!!」

 燃え上がる敵らに歓喜するモヒカンたち、このままの勢いで倒しいてしまいたいものだが、相手もそう思うようにいかない。敵は、懐に手を入れ、危険な丸薬を取り出すと投与を開始するのだった。そして、その変化は目に見えて現れることとなる。

「「キタキタキタ―――ッ!!」」
「マズイ! やらせるな!!」

 一人のレイダーを取り押さえる為、複数のモヒカンが斧を掲げて取り囲むも、次の瞬間、宙を舞いながら吹き飛んでいったのだ。その変化にハルアは、僅かに動揺を見せるも、今こそ自分の出番ではないかと、この場にいた味方全員に鼓舞するように声を掛けた。
「皆さん、1分、1分だけ耐えて下さい!」
 その言葉に応えるように、進軍するレイダーを抑えようとするモヒカンたち。ハルアは、すっと空中に舞い上がると、唄を紡ぎ出す。数多の人に届くように、この祈りを込めながら――全身全霊で、それは真の意味での天使の歌が戦場に響き出した瞬間であったのだ。
「わ、わたしがついてます……どうか負けないで!」
 それに気付いたレイダーたちからは、ハルアに向かって銃撃が一斉に放たれるも、詠唱のから生み出された詩は、力となり、弾丸を次々に弾く。天使の言語は変換され、祝福となり、更に歌に力を込める事で、それはやがて加護の域となって、モヒカンたちへ降り注ぎ出した。
「こ、これは……な、なんだか力が、みなぎってきたぜ!」
「これならいけるぞ!」

「「ヒャッハ――――!!」」

 形勢逆転、レイダーを押し返すモヒカンたち。その雄姿を見届けると、一気に脱力して、墜落していくハルア。自分は間もなく地面にぶつかるだろうと思いながら――だが、そうはならなかった。地へと堕ちる瞬間、彼女を受け止めた人物がいた。
「あ、貴方は……!?」
 なんとそれは、あの伝令に出していたどこにでもいそうな外見のモヒカンであったからだ。そして、彼はニヤリとワイルドな笑みを浮かべながら言う。

「その歌、確かに届きましたぜ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリロット・エカルネージュ
【オリュンポス】で参加

●POW
味方の被害を抑える為

『範囲攻撃』でボク自身とアイちゃんとビッグくんとレッドターキーズ達に『オーラ防御』も付与した霊芝餃薬剄法をばら蒔き付与

その後先陣切り『第六感』で敵の攻撃を『見切り』ながら『残像』で回避しつつ地面スレズレ低空で『空中戦』の『ダッシュ』突撃

敵達に『範囲攻撃』で『属性攻撃(薄荷)』で強化した薄荷餃裂拳を『衝撃派』や『グラップル』に込め『残像』で動きつつ全員にお見舞い

お前はもう死んでいる(筋力精神力その他諸々)って感じに敵の全体的な弱体化

後は味方を邪魔しない様
立ち回り

『追跡する』『誘導弾』の『乱れ撃ち』で遠距離武装で援護継続

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ビッグ・サン
【オリュンポス】
敵ですか
レッドターキーズをうまく肉の壁にしようと思ってましたが、よく考えたら彼らを守ってほしいとローストさんが言ってましたね


それより私が興味があるのは彼らが使っている薬物です
あれが欲しいですね
エミリロットちゃんやアイちゃんが派手にコヨーテを退治しているようですから、私は彼らからレイダーズデザイアとか言う薬物をもらっておきましょう

この薬が量産の暁には、レッドターキーズがコヨーテヘルズをあっという間にたたいてくれるでしょう

そんなわけで薬の回収に向かいます

ただ、組織の仲間は結構派手にやりますからね
回収が難しいようなら、私がゴーストをぶち当てて無傷のコヨーテレイダーから薬を回収しますよ


アイ・リスパー
【オリュンポス】
「さて、どうやら敵が来たようですね。
オベイロン、出番ですよ」

『機動戦車オベイロン』の操縦席内で、AIに敵の迎撃を指示します。

「重装甲と高火力を誇る戦車の性能を見せてあげましょう!」

敵のチェーンソーや銃火器の攻撃を戦車の装甲で防ぎつつ
『レーザーガトリング』や『マルチミサイルランチャー』に『多連装ロケットランチャー』を敵陣に向けて乱射します。
砲塔を旋回させ、主砲の『荷電粒子砲』もお見舞いです。

「さて、トドメはこれですっ!」

戦車の上部ハッチから上半身を出し
【超電導リニアカタパルト】でリニアレールを召喚。
絶対零度に冷却したレールから質量弾体としてミサイルの束を高速で発射します。


アレク・アドレーヌ
※アドリブ歓迎並びに連携歓迎(というよりUCの都合連携前提)
さてさて…あんだけスパルタでいっぱしの戦士に鍛え上げて…ないな。死屍累々だったな…まぁ兎も角、あれだけ死を垣間見せたんだから当然モヒカン共ももう死線は潜り抜けただろうから死に物狂いで守り抜こうとするだろう。

その間に俺はさっさと敵の本丸を叩きのめしに行くかね。
だがしかし、ただ叩きのめしても面白味もあるまいって事で、だ。その場にいる全猟兵をとことん『使わせてもらう』ことにするぞ。

何、痛みは一瞬だ。思う存分『武器として』暴れさせてやっから…
ま、七面鳥狩りに来たコヨーテがよもや虫けら、たった一匹の飛蝗に蹂躙されるとは思うめぇわな



 砂塵を上げながら、コヨーテヘルズの本隊が動き出す。その数はこちらの数倍、迎え撃つ勇士たちは、秘密結社オリュンポスのメンバー、エミリロット、アイ、ビッグ、アレク、そして、レッドターキーズの筋肉の逞しきモヒカンたちであった。

「ボクの餃心拳の神髄みせてあげるよ!」
 シャオロンを片手に、戦闘の構えを見せるエミリロット。

「さて、どうやら敵が来たようですね。オベイロン、出番ですよ」
 機動戦車オベイロンを撫でながら、それに搭乗していったアイ。

「レッドターキーズをうまく肉壁にしようと思ってましたが、よくよく考えたら守ってほしいとのことでしたねー、さて、どうしましょうかねー」
 笑いながら腕を組みつつ、不穏な事を口走るビッグ。

「さてさて、あんだけスパルタでいっぱしの戦士に鍛え上げて……ないな。死屍累々だったな」
 モヒカンたちに繰り返し、死線を潜り抜かせていたことを思い出し、彼らを凝視するアレク。 

「「ヒィッ!? ヒ、ヒャッハ――!!」」
 尚、薬の実験台と死の往復運動を繰り返され、幾度も死を垣間見たモヒカンたちは、アレクの視線に気づくと、己の中の慟哭に打ち勝つように自らを鼓舞する。先刻の件でトラウマを抱え、ビッグやアレクに、従う素振りを見せるも、世紀末覇王のように、味方でも容易に近づいてはならないような存在として認識し、ある程度の距離を取っていたのはお察しであった。世紀末的な思考からも、彼らに逆らってはいけないという生存本能が働いた結果が、今の状態なのであろうが、親の心子知らずとはある意味よく言ったものだ。


 両陣営がぶつかろうとする中、レイダーの群に先陣を切って駆け出したのは、エミリロットであった。斧や鈍器の得物を掲げながら、続くモヒカンたち。霊芝餃薬剄法を取り入れた餃子を事前に食していた彼らは、その増強効果とビックの如何わしい薬効により、通常の数倍の戦闘力と気の防護膜のようなものを有していた。敵から群れる世紀末たちに銃火器による弾丸の嵐が放たれるも、誰一人倒れ伏すものなどいない。もし、餃子が無かったら即死だっただろう。それに、あのスパルタ式の訓練に比べれば突貫など造作もないのだから。
「医食同源、食は薬なり……この言葉は餃心拳でも例外は無い、食べた餃子にはこういう効果もあるんだよ。 じゃあ、ボクも一気にいくよ!」
 エミリロットは、モヒカンたちの先頭を切るように進む。彼女を狙って次々と打ち込まれる鉄の洗礼をこれまでに培った修行の成果により巧みに回避していく。当たってもそれは残像であり、彼女は既に敵の目の前を地面スレスレで飛翔しながら突撃していったのだ。途中、銃弾の厚い箇所に突っ込みシャオロンが弾かれ、宙を舞う。だが、ここからが本領発揮でもあった。

「気勢活殺――薄荷餃裂拳っ! お前はもう死んでいる!!」
 
 其は、敵が強敵であればあるほど、その敵に宿る内なる力を代償として自らの力へと還元する妙技。其は、漢方にも用いられる薄荷を餃子に練り込み、その上からオリーブオイルを掛けたような絡み付くも想像し難い膨大な霊力をその手に宿し、一撃として放つもの。つまり、放たれたのは所謂、多重残像からの腕部を利かせた餃子オーラナックルである。内包され肉汁が外に漏れだすように、弾け飛び、そこから衝撃波が起こることで、周りの敵をも巻き込んでレイダーたちが爆散する。割とグロい。
「アポカリプスヘルで築かれた拳術の技術体系は、ホント恐ろしいね……。ぶっつけ本番に近かったけど、まさか薄荷餃霊剣が……こんな技になっちゃうんだから」

「エミリロットさん、突破口より、オベイロンによる蹂躙を開始します。今こそ、この戦車が誇る高性能を見せてあげますね!」
「アイちゃん、了解だよ。ボクは、後ろについて援護にまわってるね」
 そこへ人の波を掻き分けて、アイの駆る機動戦車オベイロンが到来すと、声を掛けられたエミリロットは、後方に下がり飛翔しながら、オベイロンに積んでいた遠距離武装を受け取ると援護を開始した。オベイロンは、その重装甲と高火力によって立ち塞がる敵を慈悲なく曳き潰していく。敵のチェーンソーや銃火器の類は、戦車の装甲によって弾かれるのみ、その侵攻を阻めるものなどいなかった。アイは、車内で迎撃用AIへの指示をホロディスプレイで操作しながら、車速をもう二段階引き上る。高速で走りながら急カーブした車体は僅かに傾くも、敵の波に向かってレーザーガトリングの連射やマルチロックの完了したミサイルランチャー、多連装ロケットランチャーが放つ砲火の反動を利用しながら、最後に主砲を旋回させ、備えられた大型の荷電粒子砲で薙ぎ払うことで姿勢制御をしたのだ。
「さて、トドメはこれですっ!」
 唐突に、戦車の上部ハッチから上半身を出したアイは、UCを発動させる、中空より超伝導リニアカタパルトの先端が徐々に露出する。
「電脳空間からリニアカタパルト展開。エントロピー・コントロール・プログラム、起動。超伝導磁石の絶対零度への冷却確認。。質量弾体を射出します!!」
 絶対零度に冷却したレールから質量弾体のミサイルの束が高速で放たれた。空間を穿つような轟音が響く瞬間、周辺を爆風が包み込む。あっ、コレヤバい奴だ。この衝撃でオベイロンは横転し、大地におおきなクレーターが残されるのだった。因みに、これまでの過程で、地味にオーラとフシギな力で守られていたモヒカンたちは、跳ね飛ばされたり、遠くへ吹き飛ばしたりしていたが、見なかったことにされている。コレでも死なないのだから猟兵の力って凄い。

 
「エミリロットちゃんやアイちゃんが派手にやってますねー」
 戦闘の様子を遠くから観戦するビッグは、衝撃波を受けながら、そう呑気に呟いていた。吹き飛ばされたモヒカンたちが、雨霰のように空から降って来るのを余裕で避けながら、空から目的の物を目聡く見つけ、素早く掴むと満足気に頷く。そして、手元にあった敵らが用いていた『レイダーズデザイア』をまじまじと調べるながら、この危険薬物について興味深く思案していたのだった。
「ペロっ、コレは、使えそうですねー。この薬が量産の暁には、レッドターキーズがコヨーテヘルズをあっという間にたたいてくれるでしょう!」
 いや、そんな状態になったら、やらせはせんぞとか言いながら拠点は落とされるような事態に違いない気がする。だが、そんなことはお構いなしのビッグは、薬の回収に向かうのだった。
「はてさて、コヨーテヘルズのレイダーたちはまだ残っているでしょうかねー?」


 他の猟兵やモヒカンたちが奮戦する中、アレクは一人、敵の本丸を目指しながら、歩を続けていた。彼は、死に物狂いで守り抜こうとするモヒカンらの背を見送りながら、共闘の道を選ばず、自らの見せ場とする為の囮としたのだ。だがしかし……ふと、ここで、ただヒーローとして、自らの活躍を誇示する為だけに、敵の本隊を叩きのめしても面白味もあるまいと考えたのであった。その表情の分からぬ仮面の奥に何を見るのだろうか……。そこへ呑気に、ゴーストをボーリングの弾のようにして投げながら、レイダーたちをピンの如く跳ね飛ばしていたビッグと遭遇する。彼は倒れたレイダーたちの懐を漁るとしめしめとなんかヤバそうな薬を回収していた。そして、アレクの姿に気付くと声を掛けて来た。
「あー、皆さん、ド派手にやってますねー。アレクさんもこれから?」
「あぁ、今の内に、敵の本丸を潰しておこうと思ってな、ま、七面鳥狩りに来たコヨーテがよもや虫けら、たった一匹の飛蝗に蹂躙されるとは思うめぇわな」
「まぁ、結社の方はやりたい放題ですからねー」
「……やりたい放題」
 アレクは、ビッグとの会話から魅力ある言葉を拾ってしまう。そして、白い仮面を着け直すと胸中が徐々に真っ黒に染まっていくのを感じたのだ。
(ハハハッ――!! 俺はこの場にいる猟兵たちをとことん『使わせてもらう』ことにするぞ! ビッグゥゥ――――っ!!)
 きっと、この時の彼は、ヒーローにあるまじき悪い顔をしていたに違いない。流石、秘密結社の英雄であるダークサイドに見事に引き込まれていたようだ。
 思うや否やビッグの背後に回り込むアレクは、彼からマウントを取るとUCを発動するのだった。

 ――武装変幻。其れは、対象の猟兵一人の姿形を代償にし、自身の装備武器の封印を解くことで、一時的に対象の姿を武器に変化させるという割と外聞的にも外法っぽいものあった。所謂、世界を巡る仮面の運転手のアレ。

「何、痛みは一瞬だ。思う存分『武器として』暴れさせてやっからな……?」
「おのれ、アレクゥゥゥ! (棒読み) とでも言えばいいですかね?」

 ちょっと、二人のシチュエーションや構造的にくんずほぐれつなアレのような雰囲気だったが、そんなやり取りをしている内に、ビッグの背が爆ぜ割れながら、内側の肉塊が外側を包み込むように飛び出し、再生蟲と内臓が―……あっ、ちょっと絵面が悪いので変形の過程は割愛。兎に角、自主規制光が収まったアレクの手に握られたのは、ピンク色に蠢く虫のような棒状の何かだった。コレでも十分酷い。ピンクの棒を持った仮面ヒーローってどうよ? だが世の中、代償を他人だけに求めるのならば、自らもそれに応じた別のモノを支払わなければならないという教訓を如実に描いた瞬間でもあったようだ。

「こんなんで戦えるかよ――っ!!」

 アレクは、半ばキレながら、その武器を敵の本丸目掛けて、素早く投げてることで放棄を決めた。だがビッグ棒(意味深)は、敵を鞭打ち、生命をも喰らいながら、何故か見事に、弧を描くように、大回転すると、再び彼の下へと戻って来きたのだ。あっ、ブーメランだったようだ。
「……な、何故だ!?」

「あっ、時間切れの様ですねー」
 武器化から解除されたビッグは、何事も無かったかのように笑いながら再び薬の回収へと戻っていった。アレクはそれを呆然としながら見送るも、直ぐに再起すると支援攻撃していたエミリロットの背後に回り込んだ。
「次だ、次!」
「え、アレクくん!? な、何か用かな?」
「なに、痛みは一瞬だ!」
 うん、コレ事情を知らないと幼女を襲うヤバい仮面だよね。兎にも角にも、猟兵武器化第二弾。今度、彼が手にした武器は巨大な餃子であった。内心、何故か納得しながら頷く。彼は、最早、もう何が起きても迷う事はないだろう。巨大な餃子を鈍器に抱えた孤高の仮面ヒーローが、更に奥へと敵陣の中を進み続ける。無心で敵へと振るい続け、叩く度に餃子の中の肉が波打つように中から肉汁の脂が噴き出す。そして、敵の屍が死屍累々と横たわるこの戦場で、彼と彼の周りを餃子の香りが満たしていたのだった。

「……これじゃないんだ!」

 アレクが次に目をつけたのは、横転してた機動戦車オベイロンをようやく元の状態に戻し、一息ついていたアイだった。
「あれ? アレクさん、一体何を……?」
「ちょっと我慢しろ」
 構造が―……もういいって? 兎に角、第三の武器が彼の手元に収まった。なんと、今までとは格差を感じるほどの近未来的なデザインの巨大なエネルギー砲のようである。
「イロモノじゃない……外見も申し分なし! こ、これならいける」
 アレクは、得もいえぬ感動から小刻みに打ち震えると、砲を構えながら、敵のボスがいるだろう本隊へと照準を合わせたのだ。思えば、これまで彼が払った心労と過程にそろそろ報いるべきではないだろうか。ならば、組織に関わってしまったその象徴として、この砲の名を『オリュンポスキャノン』とでも名付けよう。

「これで終わりだ」

 砲身より閃光が放たれると、一直線に光の粒子の奔流が敵陣を切り裂いていく、そしてコヨーテヘルズのボス目掛けて直撃するかと思われる瞬間――光は自ら避けるように軌道を逸らし、枝分かれしながら、何故か此方側へと戻ってきた。それは戦場に残る敵のレイダーの残党たちを悉く焼き払いながら、ファランクス陣形で自ら肉壁となって防ぐモヒカンたちを吹き飛ばし、一緒にアレクをも吹き飛ばしたのだった。だが、悲しんではいけない。この集団との戦いは、すでに終局を迎えつつある。心の葛藤を抱えながら迷走し、そして、一人戦い続けた者の名を我々は忘れてはならないからだ。だから称えよう、英雄アレク・アドレーヌの名を……。

「生きてるから」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サイバーレイダー』

POW   :    パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スパイシーカンダマントを荒らす、悪しき野盗団コヨーテヘルズを率いるボス、サイバーレイダー、機械化されたその身は、何者も寄せ付けぬほど強靭無比であった。憎悪を宿したその瞳は、猟兵やレッドターキーズの面々へと向けられる。彼らの活躍により、臆したことで、後ずさる部下たちを背後から大槌で、原型も残さず叩き潰す。――そして、舌なめずりをしながら、血に染まった鎚を肩に担ぐと、前へと進むのだった。

『やっぱり、雑魚どもに向かわせずに、最初からオレ様が出るべきだったな!』


 ――コヨーテヘルズとの決着の時は近い。



*:(第3章のプレイングは、1月4日、8:30より受付させて頂きます)
茜谷・ひびき
おいおい、物資が貴重な世界で部下をさっさと殺しちまうのかよ
流石はオブリビオンで略奪者って感じだな
……好きにはさせねぇぞ

相手とはどうしても接近戦になるだろうな
戦いが始まったら【ダッシュ】で一気に相手の懐を目指す
下手に動けばハンマーの餌食だろうな
【野生の勘】も混じえて、敵の攻撃はしっかりと回避していく

接近しきったらUC発動
腕を殺戮捕食態にして攻撃だ
分厚い機械鎧だろうと【怪力・鎧砕き】を乗せた拳で砕いてやる
さっきの奴らと同じく、こいつも見た目は人間に近い
それなら急所も人体のそれだと予測して、胴のあたりや顎なんかを狙ってみようか

命を奪われる方になるのは初めてか?
……これがお前らが散々やってきた事だよ



「おいおい、物資が貴重な世界で部下をさっさと殺しちまうのかよ」

 乾いた呟きが荒野へと漏れる刹那、金属を叩くような激しく打ち合う音が響く、歩みを進めるサイバーレイダーの前に立ち塞がる者の名は、茜谷・ひびきであった。いや、一旦距離を取っていたのが正しい。彼は既に不意打ちのようにして声掛けざまに駆け込むように疾走しながら、相手の懐へと潜り込んでおり、数合の打ち合いを交えていたのだ。敵は即座にハンマーで応戦してみせたことで、内心、驚きつつも、培った技量と勘で巧みに避けていった。その攻撃は一歩間違えれば、こちらが容易に餌食になることは確実であったからだ。そして、勘だけでは回避できない攻撃もあるからこそ、鎚の軌道を流すようにしてなんとか打ち払っていった。血が腕を伝わり地へと落ちる。恐るべきはサイバーレイダーが振り回す鎚の重さに対して、あの速さである。

『ヒャハッハ―! まぁまぁにしてまだまだだな!』
「流石はオブリビオンで略奪者って感じだな……けど好きにはさせねぇぞ」

 だが、一連の攻防で、ひびきはすでに敵の攻撃を見切っていた。あの力や速度任せの攻撃は、確かに目を見張るものがあるものの、単調になりやすく、また機械鎧のせいか決まったような補助的な動きをしてしまうことからも、要所に必ず隙があることが分かったからだ。それに敵の見た目は思った以上に人間に近いならば総じてやりようはある。そして、睨み合う両者は片や豪快に音を立て、片や静かに動き出す。大振りのハンマーを掻い潜るひびき、片腕は包帯が紐解かれ、先ほど流した血を代償に、殺戮捕食態へ移行しながら、先ずはバランスを崩すべく人体の急所となるべき場所を穿つように、もう片腕で胴へと打ち込み、そのまま顎を揺らすように打撃を加えると、僅かに敵の身体が傾く、それがチャンスとばかりに、自身の血液を喰らいながら変化し終えた渦巻く紅き剛腕を敵が身に纏う機械鎧へと叩きつけたのだ。敵の身体が宙を浮くように後方へと吹き飛ぶ。その装甲の一部は陥没し、罅音を立て砕けていったのだった。

『――ガハッ!?』
「命を奪われる方になるのは初めてか? ……これがお前らが散々やってきた事だよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
オド(オーラ防御)を活性化させて戦闘態勢へ。

それで……君は君の言う雑魚と何処か違うのかな?

敵POWUCは戦闘力を増すものの動きが単調で見破りやすい。
動きを見切り、カウンターで『破壊の魔力』を纏わせた手刀で切り裂く。
(見切り×カウンター×カーリーの鏖殺)
これにより態勢を崩れさせて致命の一撃を。
(2回攻撃×カーリーの鏖殺)

帝王バイクを見て
乗ろうとは思わないが……ありかなしかで言うとありだね。



『チッ、たかが粋がった雑魚がやってくれるぜ!』
「――では、今度は私と舞踏でもどうかね?」

 悪態をつきながら、崩れた瓦礫の中から身を起こすサイバーレイダー、そこへ舞い降りた偉丈夫はシーザー・ゴールドマンであった。敵は彼の姿を確認すると、首をゴキゴキと鳴らしながら、想像以上冷静にパワーアシストアーマーを再起動させながら、大槌を片手で担ぐ。そして、次の瞬間には不意を打つように、常人の目では追いきれないほどの急加速を行いシーザーへと急接近し、彼の顔面目掛けて得物を叩きつけたのだ。

『わりぃな! オレがオメェらにこれから味わわせてやるのは、死の舞踏(ダンス)って奴の方だ!』

 あまりの勢いとその余波に砂煙が周囲を包む。確かな手応えに、敵はニヤリと口元を緩めた。

「それで……君は君の言う雑魚と何処か違うのかな?」

 だが視界が晴れた先には片手で大槌を受け止めたシーザーの姿があった。彼は体内のオドを高め、敵の攻撃を防いで見せたのである。敵の戦闘力の向上は確かに脅威ではあった。しかし、それ自体は増すものの、使い手自身の動きが単調であり、シーザーにとっては見破りやすい程度の技量だったのだ。片手で受け止められた大槌を力任せに必死に引き離そうとするも、彼の技巧も相まって、ビクともしない事にサイバーレイダーが焦りを見せる。

「――覚悟は良いかね?」

 シーザーはそう一言告げ、鎚から片手を放すと同時に、赤色の破壊の魔力を手へと纏わせながら敵の身体を手刀で切り裂いていく、敵から噴き出すように、赤黒く迸る鮮血はさながら、血と殺戮の神、カーリーの鏖殺の所業そのものかのようであったのだ。更に体勢を崩したところへ、二度三度と致命となる攻撃を追撃していくと、そのまま停車していた帝王バイクへと敵を叩きつけたのだった。その様を砂埃を払いながら眺めつつ、シーザーは淡々と見据える。

「君の墓標としては勿体ないかね、かと言って、乗ろうとは思わないが……ありかなしかで言うとありだね」

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
サイバーレイダーの略奪を宣言する叫び声を聞いてテンションを上げつつサキュバスのような真の姿を解放。
アストラルエフェクトでの精神の具象化で現世顕現した欲界の中は時間が加速しており、効果時間66秒の間に体感にして一昼夜の経験を与えるわ。(時間稼ぎ/時間属性攻撃/時間への盗み攻撃)。
息をするようにナーフMODでサイバーレイダーを男の娘化して、武装を玩具化させた上で、サイバーレイダーを捕食して蹂躙するわ。その魂も尊厳も身も心もなにもかも盗み攻撃で略奪しつくしてあげる♡
えっちなのうみそおいしいです♡


エドゥアルト・ルーデル
大根ヌカ漬け噛りながら拙者がエントリーだ!

こいつがコッテリチャーシューズのボスでござるか?なんかぶつくさ言ってるでござるね!お話を聞いてみよう!
うーむ【略奪宣言】を聞いて拙者も大共感!略奪いいよね!拙者も大好きだ!
(横目でモヒカン共をちらっと見て)大好きだ!

早速略奪でござるよ!【流体金属】君を身に纏いコールスローサラダズの輩共をグーパンで生命力諸共奪い去るでござるよ
ボス敵はアーマー着てるが問題ないね!隙間から流体金属君がスゥーッとしみてこれは…ありがたい…
ヒャッハー!これが本当の略奪でござる!怯えろ!竦め!アーマーを活かせぬまま死んでゆけ!
死体からかっぱいだ戦利品はモヒカン共にも山分けですぞ



『あぁ! 七面鳥の野郎共、強者を引き込みやがったな!? だが……だからこそ奪い甲斐があるじゃねーか!!』

 声を荒げながらサイバーレイダーは、半壊した帝王バイクから上体を起こす。不安そうに彼の部下たちが見守る中、その瞳はギラつきながらも、聊かの戦意も衰えてなどいなかったのだ。そして、再び立ち上がると、残存するレイダーたちに改めて宣言をする。最後に奪うのは自分たちだと。

(こいつがコッテリチャーシューズのボスでござるか? なんかぶつくさ言ってるでござるね! ちょっとお話を聞いてみよう!)

 そこへモヒカン達と共に、匍匐前進で敵の懐へと潜り込んでいたエドゥアルト・ルーデルが、大根のぬか漬けを齧りながら聞き入る様に敵の様子を伺っていた。

『いいか野郎共、オレたちコヨーテヘルズの教示を忘れるんじぇねーぞ! 殺せ、奪え、焼き尽くせ、だ!!』

 コヨーテヘルズのボスの略奪宣言に、ドッと地獄の底より湧き上がるかのようなレイダーたちの歓声が木霊す。すると、目に見てわかる様に、彼らの雰囲気、いや、力の奔流のようなものが流れ込み、徐々に戦闘力が強化されていく。最早、其処には不安の一欠けらもない略奪者の群があったのだ。その悪しき宣言を前に、エドゥアルトもまた身を震わしながら静かに怒りを――。
(デュフフフ……拙者も大共感! 略奪いいよね! 拙者も大好きだ!)
 違いました。そして、横目でモヒカンたちをチラッと見ると破顔しながら
(大好きだぁ~!)
 実にいい笑顔であった。しかし、モヒカンたちの受けはというと、緊張からか反応はイマイチだったことに、ややガッカリする。だがエドゥアルトは諦めない。この想いを共有できる相手を探すべく、齧りかけのぬか漬けを片耳に押し当てると、何処かの誰かへと脳内通信を開始したのだ。

(こちら拙者、聞こえるか?)
(ふふふ、聞こえているわよ☆)
(――だ、誰でござるか!?)
(私はアリスよ、いま貴方の欲界にいるの。ところで聞いたかしら? 『奪え』ですって☆)
(フフフ、勿の論ですとも! 『奪え』でござるな?)

(デュ(フフフフ……))

 お互い意味合いは異なるが、邪な二人の邪な想いが精神界に響き合う、そこには確かに共有可能な通づるものがある瞬間でもあった。
 そして、片や通信の相手をしていたアリス・セカンドカラーはというと、敵のボスの略奪の宣言の前に、己の中の妄想と欲望が昂り、真の姿を――サキュバスのような権能を解放した。それは蝙蝠のような羽と悪魔のごとき尻尾を出した非常に蠱惑的な姿、ぶっちゃけ、淫紋を各所に瞬かせながら、ほぼ全裸に近い状態で、熱く荒い息をしながら、アストラルエフェクトによる精神世界における欲界の中を漂っていた。最早、痴女――痴幼女である。もし、アリスがあと数年歳を取っていたならば、偉い人がお持ち帰りしたに違いないだろう。アリスは、一息つくと精神世界を伝い敵へと近づいて行くことにした。

「――じゃあ、私もイこうかしら~♪」

 一方、エドゥアルトはというと、敵のレイダーの腹目掛けて、グーパンを喰らわせているところだった。だがその姿は、流体金属生命体を身に纏っていることで、全身怪しい銀色のシルエットマンである。それが、相手の生命力を奪っているのだから、何処か近未来の世界から送り込まれてきた殺人アンドロイドに傍目からは見えなくもない。

「よーしよしよし、いっぱいお食べ……コールスローサラダズのお代わりは、まだあるでござるぞ!」
『うがぁぁぁぁ……こ、コヨーテヘルズだ……』

 菜食系のおかずを否定するような断末魔がレイダーから漏れ、エドゥアルトがそれを見届けると、そのままサイバーレイダーのいる場所へと侵入を果たした。だが彼を待ち受けていたのは衝撃の事実であった。

「なぬっ!?」

『おねぇちゃん、もうやめてよ~』
「ふふふ、まだよ! まだまだよ!! まだ足りないの!! でも時間的に1分もないわね……こうなったら奥手で♪」

 彼を待ち受けていたのは、可愛い男の娘に成り果てたサイバーレイダーがピコピコハンマー片手に、ヨツンバインポジションで、全裸に近い美少女に組み伏され、くんずほぐれつらんでぶーな状態であったのだ。それは身も心も、尊厳や魂さえも奪い尽くすが如くな苛烈なる攻めであったのだ。汚れのない少年となったサイバーレイダーにとって、成すすべなく行われるこの行為は、まさに蹂躙。R指定も真っ青であり、非常にいい趣味であったのだ。

『ふぇぇぇ~~~ん』
「えっちなのうみそおいしいです♡」

 その様子を真顔で眺めていたエドゥアルト。これは紳士として、ご相伴にあずかるべきだろうと考えた彼は、何を血迷ったのか、この一連の行為に参加すべく、その身に纏う銀色の流体金属をサイバーレイダー君のナーフ化された機械鎧の隙間に入り込ませ――下腹部へと伝い。

(スゥーッとしみて……おぉ、こ、これは……ありがたい…!!)

 一瞬、何かの趣向に目覚めそうになった彼は、首を振りながら正気を取り戻そうとする。だが邪なる想いに、理性はあっけなく陥落し、高揚となって表出した。

「ヒャッハー! これが本当の略奪でござる! 怯えろ! 竦め! アーマーを活かせぬまま死んでゆけ! ここの畑の大根は収穫時でござるな!!」
「あら、時間切れー☆」

 楽しい時間というものはあっと言う間に過行くものである。

『――てめぇら、なにしてやがる?』
「「くぁwせdrftgyふじこlp!?」」

 ガタイのいい男に組み付く、幼女とおっさんの構図ってどうよ? だが、その瞬間、この事実を消すかのように、何処からか放たれた光の奔流が彼らの世界を飲み込んでいったのだった。

「勝ったぞ――!!」

 完全に光に飲まれる瞬間、エドゥアルトは自分の勝利を宣言し、せめて自分の死体が残ったらモヒカンたちに戦利品を山分けてやりたいと切に願うのであったのだ。因みに、後に光の奔流の正体と彼らの無事は確認されることとなるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ケイシー・ジョーンズ
※アドリブ共闘大歓迎

機械系は苦手なのだけど。
まあ、やるだけやるわ。

先ずは普通に銃撃で攻撃。なるべく充電をさせないように立ち回るわ。まあ無意味な行為だろうけど、やらないよりましだわ。
狙いはここから。
あえて攻撃を左腕で受けるわ。小柄ですもの、勿論千切れるわね。
だからこそ【戦闘知識】で相手の視界外へ千切れた左腕を、狙って【吹き飛ばす】。
私を動かす活動ウイルスは、50メートル圏内ならまだ動く。
左腕に握ったデッド&カンパニーから指定UCを撃ち込む。
この【だまし討ち】は避けられないでしょう?
左腕なんて後で治せばいいもの、私闇医者だし。

【覚悟】は出来たかしら?私はできていたわ……既に、腕を犠牲にする覚悟を。


アレク・アドレーヌ
やっと親玉か。
さっきはひどい目にあった(自業自得です)がこっからはいつもの調子で行かせてもらうとする。

…まぁ雄たけびを上げて周囲を強化してこようがこっちはこっちでそんなの関係ないと言わんばかりに殴らせていただくとしようか。
幸いなことに周囲への被害を考慮しなくていい周囲が既に荒廃としているから思う存分UCを使えるというもの。

まぁ部下どもは部下どもで夥しい数の飛蝗でも相手して翻弄されとけ。
その間にボコボコにさせてもらうから

…つーか俺がボコボコにせんでもやりたい放題と言わんばかりの面々が大暴れすっけどな。

どっちがマシかって話だが


アイ・リスパー
【オリュンポス】
「相手が生身でないなら、こちらもパワードスーツで対抗ですっ!」

【ビルドロボット】で『機動戦車オベイロン』をパワードスーツ形態に変形させ、それを身にまといます。

「パワードスーツの猛攻、受けきれますか!?」

『多連装ロケットランチャー』『マルチミサイルランチャー』『レーザーガトリング』を発射して相手を攻撃です。
パワーアシストアーマーよりも私のオベイロンの方が優秀だということを思い知らせてあげましょう!

「これで……とどめですっ!」

機動力を生かして敵に接近。
荷電粒子砲をブレード状に変形させた『プラズマブレード』で相手を斬り裂きます。

「この攻撃を受けて耐えきれた者はいません!」(フラグ


ビスマス・テルマール
何か……わたしを引き付ける様な事が、アレクさんによってこの場で行われた様な

取り敢えず『情報収集』で
コレまでに起きた事を調べてから介入を


●POW
『早業』でUC発動
見掛けは真の姿に

シューストレミングス怪人を召喚しパイルバンカーに武装化を

そのままじゃキツいので
『環境耐性』と『属性攻撃(味噌)』を込め

なめろう武装に『武器改造』し運用

味噌でなめろうにすると臭いは結構抑えられ中々美味で

それでも少しキツいけど

『オーラ防御』と『激痛耐性』で備え

『第六感』で『見切り』ながら
『残像』を残しつつ『ダッシュ』で敵に近付き武装化した怪人で『早業』での『鎧無視攻撃』の『2回攻撃』で穿ちますね。

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


エミリロット・エカルネージュ
【オリュンポス】

未来の担い手たるモヒカンさん達を潰させはしない

出荷されるのは貴方の方だっ!

●POW
……ボクは薬は遠慮して置くかな

取り敢えず今回だけでもモヒカンさん達が薬を使う必要ない様に頑張らなくちゃね。

『早業』でUC発動
出来れば敵のUCを途中で止める為にも

皆と連携して猛攻を掛けたいかな

『第六感』で『見切り』
『残像』で回避しつつ

シャオロンに餃子の皮手拭いを巻いて『属性攻撃(氷果)』で強化した【バニラアイスバリア】で覆い

濡れ手拭いの要領で『咄嗟の一撃』の『グラップル』を鞭みたいに叩き込みつつ

味方が攻撃を入れやすい様
動き回りながら撹乱


※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
※濡れ手拭いは達人が使うと凶器と化す


ビッグ・サン
なんだかボスっぽいのが出てきましたね

さっそくさっき奪った薬を量産してみたんでレッドターキーズの皆さんに配りましょう

私たちが帰っても、この薬を置いておけばきっとレッドターキーズはこの先訪れる様々な脅威に立ち向かえると思うのですよ

まあ、死んだらデッドマンにする実験に使いますから安心して戦うといいですよ

あ、エミリロットちゃんやアイちゃん、アレクさんも薬使うなら分けますよ

やっぱり組織で協力するというのは大切ですからね~


あと、なにやら叫んでますがノリノリですね
こっちもテンションが上がりますよ
(レイダーズシャウトに共感する)
レッドターキーズの皆さんも、ノリに乗って、彼らから盗れるもん盗ってしまいましょう



「さっそくさっき奪った薬を量産してみたんで、レッドターキーズの皆さんに配りましょうか」

 ビッグ・サンは、先刻集めていた危険薬物、レイダーズデザイアを元に増産した新薬をホクホク顔を浮かべながら両手に抱えていた。たとえ自分たちが帰った後、この薬をレッドターキーズの面々に渡してさえおけば、例え死の秘孔を突かれ、苦痛に耐えられぬ状況であっても、彼らならば、この先訪れる様々な脅威に立ち向かえると思ったのである。だが、いずれにしても「死」という単語が彼らにつきまとう気がするのはいったいなぜなのだろうか。

「まあ、死んだら死んだで、デッドマンにする実験に使いますから、安心して戦うといいですよー」

 薬の臨床試験の治療と称して、戦闘不能中のモヒカンたちを集めていたかと思ったら、やっぱりそっちかよ。一部のモヒカンたちは、すでに昏睡状態で地に転がっていた。その様子を冷めた瞳で、見つめていたのは、エミリロット・エカルネージュである。彼女は、この世界の未来の担い手であるモヒカンたちを潰させはしないという意気込みで、己の力の限り、今まで様々な頑張りをしてきたのだ。彼らが薬などと使う必要がないようにと……、なのになのに、見てみるがよい。既に味方のよって潰されてしまったモヒカンたちのこの様を……。味方に敵ありとはよく言ったものだ。その横では、心当たりがあるのか現実から目を背けているアイ・リスパーが、機動戦車オベイロンの調整をしていたのだった。

「あ、エミリロットちゃんやアイちゃん、薬使うなら分けますよー?」
「……ボクは薬は遠慮して置くかな」
「あ、あっ、私にはパワードスーツがありますので」
「そうですかー。では、アレクさんにでも……ぶっこ」

 二人の返答を聞いたビッグは、ならばと先程までモヒカンたちと一緒になって転がっていたアレクにでも一つ投薬しようかとキョロキョロと周囲を探し始めるも、彼の姿は無かったのである。結局、猟兵たちへの試薬の件は、仕方ないと諦めたところ、丁度、敵陣の奥から鬨の声があがった。対してビッグは、やはり、組織で協力することは大切であると改めてしみじみと感傷に浸りながらも、敵の鼓舞の内容に不敵な笑みを浮かべつつ、その意気に共感を覚えていたのだった。

「んー、あちらのボスがなにやら叫んでますが、ノリノリですね! じゃあ、こっちもテンションが上がりますよー」

 ビッグが指を鳴らす合図で、試薬済みのモヒカンたちが次々に起きだす。眼が明らかに血走ってヤバいのから何か目が白目剥いてる奴もいる。あっ、まさかこれ既にデッドマ――。そのモヒカンたちの異常な様子を見たエミリロットは、不安げに慌てて止めようとするも、ビッグはスルー。

「では、レッドターキーズの皆さんも、ノリに乗って、彼らから盗れるもん盗ってしまいましょう!」

「「ヒャッハ――!!」」

 一方で、声を掛けられたにも関わらず、何も言わずに組織の仲間たち(?)から背を向け、一人立ち去ろうとするアレク・アドレーヌはというと。

(さっきはひどい目にあったが、そもそもアイツらと一緒にいるのが原因なんだよ! 俺は孤独を嗜む一匹狼、こっからはいつもの調子で行かせてもらうとする!)
 こんな所にはいられるかよという心境で、先の戦いでは、敵本陣を狙うも、章の壁を超えることが出来なかったアレクは、今度こそはと、ただ一人、内なる英雄願望を抱えながら、敵のボスへと狙いを定めていたのだ。だが、この時の彼は気づいていない、自分が再び沼の様な引き返せない深みへと徐々に歩を進めているということに。

 ――敵陣から響く略奪の宣言。それは、総てを鏖、寇掠する悪意の意志であった。

「……まぁ、雄叫びを上げて、そっちがその気なら、こっちはこっちでそんなの関係ないと言わんばかりに殴らせていただくとしようか」

 幸いなことに、周囲は、既に先の件も含め、荒廃しているので、被害を考慮しなくていい。ならば、この場は自分の独壇場、思う存分本気でUCを使えるというものである。そして彼の背後より、雄叫びを上げながら敵に向かう世紀末の群。アレクを追い越していく彼らに一瞥もくれず、地より湧き、無数に舞う漆黒の嵐と共にその真の姿を現したのだ。凶暴性が剥き出しと成ったかのような剛腕、剛脚を備えた黒い巨体は、戦場を睥睨す。それに対し、敵の残党も僅かばかり臆すも、強化されたその意志と能力を以って、不退転の勢いで彼へと殺到する。だが、彼が身に纏う黒き嵐もまたその正体を見せる。それは夥しい数の飛蝗。その群は、一斉にレイダーたちを激流に飲み込むように襲い掛かり、彼の路を開きながら翻弄す。ついでに味方のモヒカンたちも翻弄する。

『『うぎゃあぁぁ~』』
「「いでぇよぉぉ~」」
「……出来ればこいつだけは使いたくなかった……これを使わせたことを地獄で後悔しろ貴様ら!」

 アレクよ、お前マジで言ってんの? コレ、明らかに味方巻き込む事前提で使ったよね。
「とにかくこの間にボコボコにさせて貰うからな!」
 その心意気はよし。それが身の丈に合わない妄想……願望であっても、越えられない壁に挑もうとする意志はヒーローに必要なことである。
(つーか、俺がボコボコにせんでもやりたい放題と言わんばかりの面々が大暴れすっけどな……どっちがマシかって話だが)
 今のはフリですね。表面上で湧き上がる静かな情熱を垣間見せながらも、内心は他人に少しの忖度してしまってるアレク。そんな彼だからこそ、阻むレイダーたちを蹴散らしながら、ついに、このボスのもとまで辿り着いたのである。たとえ、目の前にヨツンヴァインポジションのサイバーレイダーとそれに組み付く半裸幼女と黒髭のおっさんの構図が広がっていたとしてもだ。これは絶好のチャンスである。彼の二人組が、ボスを抑えている(?)間に、今度こそ自分の手で倒してしまうべきだ。彼は、決断するや否や、大型化した翅を広げながら遥か虚空へと飛翔す、地上の目標へと狙いを定め、全ての力を脚部へと集中させた。そして、彗星の矢の如く、己が身を放ったのだ――これは決まった。
 だが、彼のそんな確信とは裏腹に、「やりたい放題」側から、自身を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、突如として、強烈な悪臭を放ちながら、敵のボスに向かって、魚の形をしたナニかが穿たれたのだ。

『「「ぶはっ!?」」』

サイバーレイダーを狙ったソレに、周囲にいたアレクと黒髭の男は、穴という穴から盛大に酸っぱい何かを噴出させながら、やがて絶叫とともに光に飲み込まれた。尚、半裸幼女は生存本能から、いち早く精神世界へと脱出していたらしい。


 ――アレクが、ボスへと挑む少し前。

「ハッ……!? 何か……わたしを引き付ける様な事が、アレクさんによってこの場で行われた様な……説明を求めます!」

 ビスマス・テルマールは、天の神に問いかけた。おぉ、ビスマスよ、アレクは数多の幼女たちを(武器的な意味で)その手にかけ利用するという罪を犯したが、その償いの為に戦っていることだろう。故に、いまの彼の意志を汲み取って「俺ごとやれ!」ということだ。天の声はテキトーに彼女を扇動した。

「くっ……アレクさん、あなたの趣味については少し問い詰めたところですが、それがあなたの選択なんですね! ――『Summon Local Monster』」

 ビスマスは素早く、鎧装にご当地カードの一つを差し込むと、機械音が鳴り響き、最初からクライマックスな蒼鉛竜騎士ロードビスマスと化す。同時に、腹部のディメイション・ローカルドライバーより、召喚されたシューストレミングス怪人が現れた。周囲を得も言えぬ、魚やゴミが腐ったような強烈な悪臭が漂う。何故、よりによってコレを選んだ! 怪人(バイオテロ)って意味なのか!?

「ゔゔうぅ……耐性あってこれって……よ、喚ばれた所悪いですが……少し痒いの我慢して下さいっ!」

 そのまま触るとヤバいのが手に取る様に分かってしまったビスマス。この環境下、早期に適応しなくてはならない為、怪人の背を剥くように、本気(真の姿)で調整し、味噌のオーラを込めながらなめろう武装化を開始する。背に触れ、ドロッとしたナニカが手に付着し、彼女の一生の思い出となった瞬間、その姿を二本の箸状の杭を備えたパイルバンカーへと姿を変え、腕へと納まる。味噌を練り込んで、なめろう状にして多少マシになったとはいえ、尚、悪臭を放つソレ。食べると中々、美味いらしいが、当人が数多の対策していることからも一皮むけば、ただの危険物であることぐらいは、お察しなぐらい、きっと蓋を開ける前の缶詰の如く、濃縮されていることだろう。ってか、その杭、なんかさっきより膨張してない? 酢酸とか酪酸とか硫化水素とか明らかに缶詰のシューストレミングスのように中で発酵し続けている雰囲気が―。

「うわぁぁぁぁ―――っ!?」 

 ビスマスは戦慄を覚えた。この杭の正体は時限爆弾だ。まもなく自分の掛けたあらゆる耐性を天元突破して、真の意味で凶悪なバイオテロを引き起こすものだと瞬時に悟ってしまったのだ。既に彼女の足は、無意識に敵のボスのもとへと駆け出していた。早く手放さなければ。最早、雑魚になど構ってられないとばかりに、阻むレイダーたちを尻目に、残像を残しながら、素早く駆け続ける。――杭からピシリと微かな異臭とともに崩壊の足音が聞こえた。その音を聞くだけで、彼女の元々、青い身体が一層、真っ青になる。チラリとパイルバンカーを見れば、既に杭は箸状から魚(鰊)状に変形し、内側から決壊、暴発寸前だったのだ。このままではマズい。手が届きそうで届かない僅かな希望に縋るビスマスの思いとは裏腹に更に入る亀裂。これ以上はもたないと諦めかけた瞬間、彼女の目の先に、英雄(希望)の姿が映った。そう、我らがアレク・アドレーヌだ。奇しくも彼女の精神的な状態と視点、位置から見て、彼の黒き背中は雄弁にその在り方を物語っていた。「俺ごとやれ!」ならば、もう振り返らない。

「アレクさーん! あなたの犠牲は無駄にはしません!!」

 ――二本の杭は敵に向かって穿たれる。もう誰にも止められない、賽はこうして投げられたのだ。

 
 ――そして、ほぼ同時刻。

「相手が生身でないなら、こちらもパワードスーツで対抗ですっ!」

 アイ・リスパーは、漸く機動戦車オベイロンの調整を終えると、パワードスーツ形態にそれを変形させ、その身に纏っていた。併せて搭載された武装を装備することで、火力重視の白き悪魔のような存在、差し当たり、オベイロンヘビーアームドカスタムモードと化す。これならば、たとえパワーアシストアーマーを用いたサイバーレイダーが相手であろうと負ける気はしないのだ。アイは、早速、火器管制の照準をボスへと向けた。ボスに組み付く二つの影が見えた気がしたが、きっと気のせいであろう。

「ふっふっふ、このパワードスーツの猛攻、受けきれますか!?」

 搭載された多連装ロケットランチャー、マルチミサイルランチャー、レーザーガトリングの照準ロックが一斉に調整されながら、あとはカウント後、実行するだけだ。だが、突如としてオベイロン内に危険アラートが鳴り響いた。それと同時に周囲から強烈な異臭が立ち込めたのだ。

「な、な、な、何ですか!? この魚の腐ったような臭いは!? て、敵の攻撃? ど、ど、何処から!? こ、これは……守ったら負ける! 攻めます!!」

 この異臭騒動で、カウントする間もなく、盛大なフライングをかましたアイは、精神的動揺から、照準の最終調整すらも微妙にズレると重火器の砲火が、天へ向けて曲線を描きながら放たれた。一応、目標に見事に命中してるようだ。命中しているけど……ね?

「これで……とどめですっ!」

 誰に!? そして、何を血迷ったのか荷電粒子砲をブレード状に変形させることで生み出されたプラズマブレードを構えると、オベイロンの機動力を無駄に活かし、敵のもとへと急接近しながら、斬り裂こうとする。あっ、そうえいばアイって運動音痴だったはずだよね? 白兵戦などして大丈夫なの?

「だ、誰ですか!? 今、よ、余計なこと言わないで下さ――っ!?」

 何もない所で転ぶアイ。プラズマブレードは、彼女の制御下を離れ、空中に放り出されると、大回転しながら、敵の下へと向かって大地を切り裂いていく。それは徐々にブレードの刃を巨大化させると、やがて全てのエネルギーを放出するかのように、敵諸共、周囲を光で飲み込んだのだった。

「……ど、どうですか! この攻撃を受けて耐えきれた者はいません!」

 あくまでも技、転んだ事実を無かったことにしたアイは、やがて晴れていくだろう視界に向けて、ビシッと指を差しながら、フラグを立てたのだ。此処までで既にオーバーキルなんだけど、彼女の期待に応えて、魂が肉体を凌駕しちゃったような展開が必要なのではないだろうか。

『くくく、ありがとよ! おかげで、嫌な思い出ごと無かったことに出来たぜ!!』

 濛々と立ち込めていた煙が徐々に晴れていくと、パワーアシストアーマーの所々が溶け、ボロボロとなり、満身創痍ながらも、戦意の未だ衰えぬサイバーレイダーがその姿を現した。敵の様子に驚愕し、やや出遅れたアイ。過負荷されたアーマーから生み出された瞬発と剛腕が、彼女に振り下ろされようとしたその時、逆方向より布状の何かが悪しき腕を巻き取る様に絡み付いた。

「させないよ! 『Chilled Revolution Standby!』餃菓……転身!!」

 絡み付いたソレは、餃子の皮手拭いであった。これを成したのはアナザーチルドモードと化したエミリロット(バニラ味)だった。因みに、その背には、永久封印するようにビッグから没収したヤバい薬を餃龍蒸籠に詰め込んでいた。だが敵もただ成すがままの訳がない。もう片方の腕で、落ちていた鎚を拾い上げると、大きく薙ぎ払うように拘束に抗う。それに対し、彼女は残像を残しながら、後方に大きく飛び退き、そのついでとばかりに、敵の勢いをもそのまま利用すると、皮手拭いを引っ張ることで体勢を崩した。エミリロットは、そこから追撃を仕掛ける。バニラアイスコーティングされた皮手拭いで愛用のシャオロンを氷菓の気で包み込むように強化し、それを何処かの合気柔術中興の祖の如く、目にも止まらぬ速さで、敵のあらゆる箇所へと鞭のように叩き込んでいくのだった。その勢いは、敵の装甲すらを削る程の威力。小柄な少女に翻弄され、装甲の破片が舞う中、最後には大きく吹き飛ばされたのだった。
 ――まだ終わらない。そこに追い打ちを掛けるように、別方向から銃撃が放たれた。破損したアーマーの駆動部を狙うかのように命中した弾丸は、敵の肉体をも同時に穿つ。新たに立ち塞がったにはケイシー・ジョーンズ。

「機械系は苦手なのだけど……まぁ、やるだけやるわ」
『どいつもこいつも好き放題しやがって!』

 ケイシーによる射撃は、狙い通り、敵の標的をを自身に向けることに成功した。弾幕を受けながら距離を詰めてくる敵に対し、彼女は、アシストされた剛腕の一撃を左腕で受け止める。しかし、彼女の小柄な躰は、その猛攻に耐えきれずに、片腕は銃と共に千切れて吹き飛んでしまったのだ。やや顔を歪めながら、もう片腕で銃を構えつつ、一旦距離を取る。攻撃が決まったことに気を良くしたサイバーレイダーは、更に追撃の体勢に入った。

(――私を動かす活動ウイルスは、50メートル圏内ならまだ動く)
『さぁ、もう片腕もいただくとするか!』
「どうかしら? 流星の蒼い炎は悪を焼く……そう、あなたは焼かれるべきなのよ」

 全ては想定の内。敵の視界の内と外とより、二丁一組のデッド&カンパニーの銃口から銃弾が発射される。最初に敵に着弾した弾丸は視界外から、それは敵にとって思わぬ隙を生み、視界内の弾丸も被弾させたのだ。

『こんなの痛くもな――がっ!?』

 だが、ケイシーの弾丸はただの弾丸に非ず、無機物だろうと始末する凶悪なウイルスを内包したカプセルでもあった。それは鮮血と共に、敵の肉体を内側から突き破るように殺戮ウイルスが内包されたガスが噴出する。その衝撃に耐えきれず、地に膝を着けるサイバーレイダー。それらは全身を巡る様に、彼をみるみる弱体化させていく。最早、何をしようとも時間の問題である。ケイシーは、伏したその姿を一瞥すると、吹き飛んだ左腕を回収しつつ、呟くのだった。

「覚悟は出来たかしら? 私はできていたわ……既に、腕を犠牲にする覚悟を……それに、左腕なんて後で治せばいいもの、私闇医者だし――ん?」

「「……い、医者を」」

 気付けば、彼女の足元には、救いを求めるように割と無事な姿で転がる二つの黒焦げオブジェクトが残るのみ。彼女は、それに応えるように見覚えのある薬を懐から取り出すと、いい笑顔を向けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハルア・ガーラント
危うくモヒカンさんにときめくところでした……。

【WIZ行動】
部下にそんなこと……酷すぎます、許せません!

マヒ攻撃も効かなそうです、でも負けたくない!
敵の攻撃は[オーラ防御]で防ぎますが、頑丈な瓦礫の陰にまた隠れつつ。その際[咎人の枷]4つの端のうち2つを瓦礫に巻き付け固定。敵が攻撃の為振りかぶった瞬間を狙い残りを敵の足首に。フルパワーの[念動力]で引っ張って転倒させます。

素早く鎖を翼から抜いてそのままUC発動。略奪を宣言される声になんて、負けません!
天使言語の代わりに「ヒャッハー!汚物は消毒ですー!」って叫び歌い[鼓舞]です。
自分の中に残る恐怖をUCとして全部出します!

共闘・アドリブ歓迎です!



(く、危うくモヒカンさんにときめくところでした……)

 流れ的に彼女に付き従ったモヒカンたちに囲まれながら、何処かの乙女ゲーの主人公(尚、攻略対象は全てモヒカンである)の如く、動悸で脈打つ胸を押さていたハルア・ガーラントの前に、瀕死の重傷で逃れてきたサイバーレイダーが血を流しながら、ふらふらとした足取りで現れた。最早、風前の灯火の命であっても、その力はまだ油断できるようなものではない。ハルアの存在に気付いた彼は、後ずさる僅かに付き従うレイダーたちの一人を引っ掴むと、物を扱うように、こちらへと恐ろしい速度で投げつけてきたのだ。だが、其れが通り抜けた瞬間、後方でトマトが潰れた様な音と共に、ハルアを微かに紅に染める。狙いも定まらない状態で、力一杯投げられたレイダーだったものは、ハルアには当たらず、残骸の壁へとめり込むようにその身を潰していたのだ。

『に、逃げるな! まだだ、まだ略奪は終わっちゃいねぇ! オレが再起するまでの時間を稼げ!!』

「部下にそんなこと……酷すぎます、許せません!」

 敵のボスの部下に対する仕打ちに、反感を覚えたハルアは、彼の前に立ち塞がる。既に感覚すら死に掛け、麻痺している相手に、今更、動きを封じ込めが出来るかどうかも分からない。――しかし、彼女は明確な意志を以って、このような行為を行う者になど負けたくはないのだ。

『死ね――ぇ!!』

 瀕死の敵から放たれる一撃。だがその一撃は脅威、ハルアは、咄嗟に身の危険を感じ取り、瓦礫へと身を隠すも、瓦礫は真っ二つに割れながら吹き飛び、纏わせたオーラをも罅が入る様に突破しようとしたことに驚愕した。更に、追撃が行われようとしたことに気付いた彼女は、翼に巻き付く咎人の鎖、咎人の枷を四つの端のうち二つを操作しながら、先ほど割れた瓦礫へと伸ばし、巻き付け固定する。そして、残りもう二つの端を敵の攻撃が振り被った瞬間を狙って、敵の足首へと罪人を拘束するように巻き付け、全力の念動力を込めて引っ張って転倒させた。

『せめて、お前だけでも――テメェら、あの女を殺せぇ! 殺したら好きにして構わねぇ!!』

 動きを封じられたサイバーレイダーであったが、彼の言葉の力を込めた叫びは、配下のレイダーを嗾け、彼が拘束を振り解く、時間稼ぎをしようとする。――だが、ハルアは一人ではなかった。

「させねぇよ!」
「お嬢、今の内ですぜ!」

 向かってくるレイダーたちに立ち塞がる赤きモヒカンたち。彼女は彼らに頷くと、羽に絡ませた鎖を解き、上空へと飛翔すると普段使う天使言語の代わりに鼓舞するように叫ぶ。

「ヒャッハー! 汚物は消毒ですー!」
「「ヒャッハーー!!」」

 徐々にレイダーたちを圧倒していく赤きモヒカンたちに、自分も応えるように、切り札を切る。彼女が先程感じた恐怖の発現から召喚されるもの、望郷の想いとして実体化した存在は、60羽もの淡く仄かに光る白鷲の群。それらが今にも拘束を振り解こうとするサイバーレイダーへと一斉に殺到していったのだった。

『ががあぁぁぁ――――っ!!」
「あなたのような人は、モヒカンさんたちには近寄らないでください!!」

 ハルアは、死にゆくサイバーレイダーを見つめながら言い放った。だが彼にはその宣告は、最早届かず、意識は此処とは別の場所、骸の海へと至ろうとしているようだった。

『殺せ……奪え……焼き尽くせ……あの聞こえていた声、もう聞こえねぇ……聞こえねぇよ……』





◆終幕

 こうして、サイバーレイダーの死と共にコヨーテヘルズは壊滅した。赤き夕日が荒野を照らすように輝く、そこには、多くの激戦を繰り広げ、この世紀末の戦いを生き残ったレッドターキーズとそれに助力した猟兵たちがいた。やがて、死した敵のボスを足蹴に、高々と片手斧を掲げ、ちゃっかり美味しいとこ取りをしてきた赤きモヒカンのリーダー、レッド・ターキーズがこの戦いの勝鬨を上げ、締めくくったのだった。

「オレたちの勝利だ――!!」
「ヒャッハーーーー!!」 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月28日


挿絵イラスト