#アポカリプスヘル
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暗黒の竜巻「オブリビオン・ストーム」によって、人類の大半が死滅した世界「アポカリプスヘル」。
それによって破壊されたものは、オブリビオンに変貌させられてしまう。
僅かに生き残った人類は、禁忌のオーバーテクノロジーを解き放ち、捨て身の反撃を試みようとしている……。
新世界「アポカリプスヘル」の発見。
その世界に興味を示す猟兵達と、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が話をしていて。
「早速、予知をしてみたの。レイダーの拠点攻略をお願いできるかしら?」
それに応じてくれた猟兵達へと、彼女は説明を始める。
オブリビオンの中には、野盗……レイダーなる存在がいる。
レイダーはオブリビオンとなった為、食料や物資の必要はないのだが、破壊活動に興じる彼らは周辺の拠点から物資を奪い、人々をさらって奴隷化するなどやりたい放題しているようだ。
「オブリビオン・ストームの影響か、荒野となり果ててしまった場所に巨大な洞窟があるわ」
荒野にはいくつか入り口があり、緩やかに地下へと続いている。
この洞窟の最深部に拠点を築いているレイダー達は、「ロブスチール団」を名乗っている。
彼らはレイダーの例に漏れず人々の拠点への襲撃を繰り返しており、多くの食料や物資を奪い、労働力となりそうな若い男女を連れ去って奴隷化しているようだ。
「レイダー達の拠点がある洞窟の最奥に向かう為には、どうしても彼らが仕掛けたトラップを越えていく必要があるわ」
いくつかある入り口は全て一つの大きなフロアへと通じている。
そこには、「ロブスチール団」が仕掛けたトラップがフロアいっぱいに仕掛けられている。
トラップは大きく2種。
空中へと網のように張り巡らした鉄線に流した高圧電流と、地面へと巧妙に隠した地雷の2点だ。
「鉄線にばかり気を取られていると、地雷が起爆する可能性があるわ。逆もしかりね」
このトラップ地帯を突破し、レイダー達の拠点へと向かいたい。
敵もこの地点を通っているはずなので、必ず突破する為のルートはあるはずだ。
また、トラップの解除手段も皆無ではないはず。それを踏まえて攻略に当たりたい。
トラップのあるフロアから奥は一本道で、「ロブスチール団」の拠点へと通じている。
団員であるレイダー達と交戦しつつ奴隷を解放し、その後でレイダーのボスとの交戦となる。
レイダーを全て倒し、「ロブスチール団」の拠点を壊滅させたい。
「こうした事件をこつこつ解決していけば、いずれそれが人類の再建に繋がるかもしれないわ」
まずは、予知で発見したレイダーの集団「ロブスチール団」の壊滅を。
説明を終えたセレインは改めて、参加を決めた猟兵達へとそう願うのだった。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
新世界「アポカリプスヘル」の事件解決に力をお貸し願います。
第1章:冒険シナリオ、『荒野の洞窟』の突破を願います。
第2章:『レイダー』との集団戦。
第3章:『サイバーレイダー』とのボス戦です。
まずは、レイダー達の拠点に向かう為、荒野の洞窟にあるトラップフロアを突破してください。
第1章は希望者を多く見込んでおりますので、22日の執筆を予定しています。
22日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章も公開後、加筆を致します。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『荒野の洞窟』
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POW : 正面から突破する事で、力づくで洞窟の探索を強行する
SPD : 罠を解除したり、抜け穴を探して、洞窟の探索を行う
WIZ : マッピングをしたり、洞窟を出入りする痕跡を探る事で、洞窟の全貌を明らかにする
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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アポカリプスヘル。
オブリビオン・ストームが吹き荒れるこの地には、荒野と化してしまった場所はいくつも存在する。
その1つに、とあるレイダーの集団が拠点としている洞窟がある。
洞窟と言われると、真横に進んでいくダンジョンを思い浮かべる人もいるかもしれないが、この荒野のある洞窟は地下道を思わせるような構造になっていた。
入り口は3ヵ所。いずれも弧を描く緩やかな下り坂となっており、同じフロアへと通じている。
そこは大きな空洞となっており、いくつもの柱が地上の荒野を支えていた。
この奥に1本伸びている通路の先にレイダー「ロブスチール団」の拠点がある。
オブリビオンとなり果てた野盗、レイダー。
この「ロブスチール団」も他のレイダーと同様に人々の拠点を襲って物資、食料を奪い取り、そして若い男女を連れ去っていた。
好き放題に破壊活動を行う彼らは自らの拠点へと帰り、酒盛りをする。
オブリビオンである彼らは食べる必要すらないのだが、快楽の為だけに食料や物資や必要な人々を奪ったそれらを貪り食う。
そして、奴隷とした若い男女に身の世話をさせる。少しでも気に食わなければ、レイダーは平然と奴隷とした人々の命すら奪ってしまうのだ。
そんな彼らだが、他者からの侵攻には過敏に反応する。
自らの拠点を守る為、こうした穴倉を住処としているのだが、その手前のフロアに侵入者除けの罠を張り巡らせていた。
空中には視認できる鉄線。太さは1~2ミリ前後で、触れれば高圧電流が侵入者の身を焦がす。
その鉄線を避けようとすれば、地面に仕掛けた地雷が爆発を起こす。火薬はかなりの量だ。下手に踏めば足ごと吹っ飛ばされかねない。
この地帯を越えねば、レイダーの拠点に攻め込むこともできない。
地雷は重量の感知式。鉄線に流れる電流はどこかに起動する装置があるはずだ。
また、それらの配置を考えれば、3つある地上からの入口はどこから突入するか重要になるだろう。
罠はフロア内の空間と地面に設置されている為、フロアに入ってから起動する。その為、地下に降りる通路から様子見することも可能だ。
周囲を観察すれば、罠を避けて通ることも可能なはずだ。なぜなら、レイダー達もこのフロアを通り抜けているのだから。
強引に突破するも、罠の解除をはかるも、罠を避けて通るも猟兵次第。
ともあれ、このトラップ地帯を突破し、レイダー達の拠点へと向かいたい。
(※今回は新世界登場を受け、執筆を優先する為、12月22日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
スピレイル・ナトゥア
やってきました、アポカリプスヘル!
さあ、私の新しい冒険の幕開けです!
ひとやロボットを想定したトラップなど精霊術士には無意味だということを教えてさしあげましょう
土の精霊さんを宿したゴーレムさんを1体だけ先行させて、罠を解除してもらいながら洞窟を進みます
先行しているゴーレムさんが破壊されたら、今度は別のゴーレムさんをまた1体先行させます
地雷はゴーレムさんが踏めば解除できるでしょうし、電流もゴーレムさんには通じないかもしれません
鉄線はゴーレムさんに力任せに破ってもらうとしましょう
ゴーレムさんでも危なそうな場合は、精霊樹の弓を使った【スナイパー】で狙撃して鉄線を破壊します
世界平和のために頑張りましょう
空見・彼方
余所の世界見た時も思ったけど、まるでゲームみたいだ。
けど、現実なんだよなぁ……奴隷になってる人達を助けねぇと。
【怠狼】発動。人格を別人格に変更。
人命に興味はねぇが、盗賊て奴は嫌な匂いがして嫌いだ。
やる事はやるよ。
狼の霊を召喚。
此処をレイダーが通ってるなら狼の嗅覚で捉らえられっか?
第六感、匂いや足跡を頼りにレイダーの通過経路を追跡。
ついでに重量のない霊体なのを活かして地雷のある所を狼霊に
探知してもらい、安全なルートを構築。
捕まえた奴隷や物資を運びこむのに、一々罠を外してまたつけ直す。
なんて、面倒くさがらねぇ慎重な奴らなら面倒だが……
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
ここがアポカリプスヘルとやらか…
自然のない寂しい所じゃ、ご飯を探すのも大変そうじゃのう。
そんな世界での初仕事はおなじみ賊退治じゃな。
(野生の勘+動物使い+動物と話す)
まずは侵入せぬといかんな、このような世界でもネズミくらいは居るものじゃ。
この辺りのネズミに手伝って貰い賊共の足跡や痕跡を追って通路や罠を調べるかの。
通路が判明したら猫に変身して小さな身体を活かして先へ進み、罠は【野生の勘】やネズミ達からの情報で回避して、電流を起動する装置があったら解除を試みるのじゃ。
装置を調べて雷の精霊が一番活発に動いている部分を暴走させて焼ききってやるわい。
これで後続が少しは楽になるかのう?
高階・茉莉
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との協力歓迎
■心情
洞窟に仕掛けられたトラップですか、なかなか厄介ですね。
ですが、そう簡単にトラップに引っ掛かるほど、私は単純では無いですよ。
■行動
洞窟の内部は暗いでしょうから、【暗視】で視覚を補います。
また、【学習力】で覚えておいた道を頼りに
簡易的な地図を作製しながら進みますね。
地雷が設置された箇所は地面が掘り返された跡や、埋められた跡があると思いますので
【視力】で地面を注意しながら進みますね。
あとは、長い木の棒などで地面の安全を確かめつつ移動します。
高圧電流の鉄線も、絶縁体で持った木の棒で、前方を確かめつつ移動。
電流に掛かっても、【電撃耐性】で耐えますね。
露木・鬼燈
よくある洞窟の盗賊を潰す系のお仕事だよね。
A&Wとかと違うところはトラップがハイテクっぽい?
まぁ、機械関係もちゃんと勉強してるからね。
イケルイケル!
帰りのことも考えるとトラップは回避よりは解除していきたい。
んー、魔力文明って感じではないよね?
となると…魔法的な対策はあんまりないのかな?
<骸晶>を展開して地の魔法で地面をサーチ。
地雷のありかはこれでわかるはず。
見つけた地雷は魔法で掘り起こして紋章之秘術に放り込む。
これが安全安心の処理なのです。
鉄線は風の魔法で位置を確認してから切断するです。
地と水の複合魔法でアブレシブジェット加工を再現。
研磨剤は合成した炭化ケイ素を使用。
材料はその辺にあるからね。
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新世界へと足を踏み入れる猟兵達。
中性的な外見の少年、空見・彼方(デッドエンドリバイバル・f13603)はこの世界を一通りに眺め、マイペースに一言。
「余所の世界見た時も思ったけど、まるでゲームみたいだ」
初めて訪れたこの世界だけでない。彼方は猟兵として巡ったいくつかの世界を仮想空間のように知覚してしまう。
「けど、現実なんだよなぁ……」
草木が枯れてひび割れた大地を彼方は踏みしめ、僅かに巻き上がる砂埃によって生じる乾いた土の匂いと肌にそよぐ風を感じ取っていた。
広がる荒野に立つ、長い銀髪のキマイラの少女、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)も、そんな大地や遠方に見える荒れ果てた街を目にして。
「やってきました、アポカリプスヘル! さあ、私の新しい冒険の幕開けです!」
スピレイルは新たな世界での依頼に気合十分だ。
「ここがアポカリプスヘルとやらか……、自然のない寂しい所じゃ、ご飯を探すのも大変そうじゃのう」
そのスピレイルの双子の姉、長い金髪にエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は遠くに巻き起こるオブリビオン・ストームを見つめる。
「そんな世界での初仕事はおなじみ賊退治じゃな」
「よくある洞窟の盗賊を潰す系のお仕事だよね」
エウトティアの一言に、赤髪の羅刹、露木・鬼燈(竜喰・f01316)はのほほんとしながら合いの手を入れる。
今、自分達が立っている荒野の地下にオブリビオンとなった盗賊達……レイダー『ロブスチール団』のアジトがある。
「……奴隷になってる人達を助けねぇと」
彼方の言葉に皆同意し頷くが、生憎とその前に地下にある空洞にレイダー達が仕掛けたトラップ地帯を越えていく必要がある。
「洞窟に仕掛けられたトラップですか、なかなか厄介ですね」
おっとりした眼鏡着用の女司書、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は冷静に状況を確認して。
「ですが、そう簡単にトラップに引っ掛かるほど、私は単純では無いですよ」
茉莉の言葉に、鬼燈は事前情報からこの世界のトラップはアックス&ウィザーズと比べてハイテク化している点を指摘して。
「まぁ、機械関係もちゃんと勉強してるからね。イケルイケル!」
彼はいつも通りに緩い態度で、仲間と共に地下の洞窟へと突入していくのである。
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緩やかな弧を描く下り坂を降り、メンバー達は問題のトラップフロアへと到着する。
3人は慎重な構えを取り、洞窟の……トラップの把握に努める。
地下に全く光が差し込まないわけではなかったが、日の光は遮られて影となる部分は暗くなっていた為、茉莉は【暗視】で視覚を補いつつ、【学習力】で覚えておいた道を頼りに簡易地図を作製しながら進むことにしていた。
彼方はユーベルコード【怠狼】を使い、人格を人狼のそれへと切り替えて。
「人命に興味はねぇが、盗賊って奴は嫌な匂いがして嫌いだ」
やることをやるべく、彼方は狼の霊を召喚する。
「此処をレイダーが通ってるなら、狼の嗅覚で捉らえられっか?」
彼方は【第六感】に加え、匂いや足跡を頼りにレイダーが歩いた経路を追跡していく。
「帰りのことも考えると、トラップは回避よりは解除していきたいね」
この世界が魔力文明という感じではないことを踏まえ、鬼燈は魔法的な対策はあまりないだろうと推測を立てる。
「ここは魔法戦闘形態でいくっぽい」
【化身鎧装<骸晶>】を展開した鬼燈は魔剣を増幅器とした長銃型魔杖を握り、魔導士の姿を取ってフロアの攻略に臨む。
「地雷のありかはこれでわかるはず」
彼は地の魔法を使い、地の魔法で地面をサーチして発見した地雷を魔法で掘り起こす。
そして、【紋章之秘術】を使い、鬼灯の花を模った紋章を描いて地雷をその中へと放り込んでいく。
「これが安全安心の処理なのです」
鬼燈はのほほんとした態度で、地雷を片っ端から撤去していた。
一方で、力技で突破を挑むのはエウトティア、スピレイルのナトゥア姉妹だ。
「まずは侵入せぬといかんな」
先に挑むはエウトティア。姉妹で参加はしているが、特に連携を考えての突破は考えていないようである。
「このような世界でもネズミくらいは居るものじゃ」
エウトティアは洞窟内に日頃から研ぎ澄ませた【野生の勘】を働かせ、レイダー達の拠点に住み着いていたネズミを発見する。
「少し手伝ってもらってもよいかの?」
元々、動物とのコミュニケーション能力には優れていたこともあり、エウトティア【ネズミと話して】すぐに仲良くなる。
さらに、彼女は【動物使い】の技能も使ってレイダー達の足跡や痕跡などを追い、通路や罠を調べ始めていた。
妹、スピレイルもまた、自分にできる手段で突破をはかる。
「ひとやロボットを想定したトラップなど、精霊術士には無意味だということを教えてさしあげましょう」
彼女は呼び出した土の精霊を宿したゴーレムを先行させる。
そのゴーレムに鉄線や地雷の除去を直接行わせながら、洞窟を進んでいくのである。
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猟兵達が侵入してきている状況なのに、レイダー達がこの場に姿を現すことはない。
人々の拠点を襲い、物資を多く手に入れた彼らは奥で酒盛りを始めているのかもしれない。
それをいいことに猟兵達はトラップフロアの踏破に当たる。
彼方は狼の霊にレイダー達の通った後をたどらせ、重量感知で反応する地雷を避けて進めるルートの発見に努める。
「捕まえた奴隷や物資を運びこむのに、一々罠を外してまたつけ直すなんて、面倒くさがらねぇ慎重な奴らなら面倒だが……」
だが、自らの欲望に忠実なレイダー達がそこまで気を回すことはなかったらしく、地面を注意深く見れば擦れた跡が残っていた。
それらをたどり、彼方は安全なルートの構築を進めていく。
茉莉も地面が掘り返された跡、埋められた後を【視力】で見極めようと地雷設置場所の把握に努める。
さらに、茉莉は外で見つけた長い木の棒で地面を突き、安全を確認しつつ移動していく。
とはいえ、鬼燈が地雷を片っ端から撤去している状況もあり、茉莉は空中に張られた高圧電流の鉄線の確認へと移行していた。
「鉄線は目に見える分にはほとんど電流が巡っているようですね」
木の棒にビニールテープを巻き付けて絶縁体とし、茉莉は電流にかからないよう注意して周囲の安全を確保しようとする。
その鉄線は、鬼燈が風の魔法で断ち切っていく。
ただの風の魔法ではなく、彼は地と水も複合させ、アブレシブジェット……超高圧の水の力を魔法で再現していた。なお、合成した炭化ケイ素を使って研磨剤とする。
「材料はその辺にあるからね」
アルケミストのような一面も見せながら、鬼燈は1本ずつ地面へと落としていく。
力任せにゴーレムで地雷を起爆し、吹き飛んだ分は別のゴーレムを先行させて進むスピレイル。
合わせて、空中にある電流が流れる鉄線もまたゴーレムで強引に絡めとり、破っていくが、鉄線の密集地帯に向かえば、さすがに高圧電流でゴーレムが破壊される可能性が高まる。
無駄にゴーレムを破壊されることを厭い、スピレイルは『精霊樹の弓』で風の精霊の力を纏わせた矢を【スナイパー】で狙撃し、鉄線を断ち切っていた。
そして、姉のエウトティアは、猫に変身してフロアを進む。
【野生の勘】とネズミから得た情報を合わせて罠を避け、エウトティアは電流を流す装置へと向かう。
「ふむ、この装置は……」
雷の精霊の働きを確認した彼女はその部分へと精霊を強く作用させて暴走し、装置を焼き切ってしまう。
「これで、後続が少しは楽になるかのう?」
周囲の鉄線を巡っていた電流が止まり、あとは地雷のみ。
地雷もあらかた起爆、撤去され、さらにトラップがないルートもあらかた把握することができた。
それもあり、猟兵一行は程なく奥の通路へと到達する。
「世界平和のために頑張りましょう」
改めて、スピレイルはレイダー達の討伐に意欲を見せ、仲間と共に奥にあるその拠点目指して駆けていくのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『レイダー』
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POW : レイダーズウェポン
【手に持ったチェーンソーや銃火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : レイダーバイク
自身の身長の2倍の【全長を持つ大型武装バイク】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : レイダーズデザイア
【危険薬物によって身体機能】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
イラスト:あなQ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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アポカリプスヘルのとある荒野、地下にある洞窟へと突入した猟兵一行。
入ってすぐのところに仕掛けられた高圧電流の流れる鉄線と地雷地帯の複合エリアをメンバー達は踏破し、奥へと続く長い通路を走っていく。
通路を抜けるとそこはまた開けたフロアとなっており、レイダー達の拠点の集合エリアとなっていた。
さらにそこから複数の小さな穴が奥の壁へと続いていて、個別に住居エリアとなっていたようである。
「ぐははは!」
「げひゃひゃ!!」
その集合エリアで、柄の悪い連中……虐殺と略奪の欲望の権化と化した外道の野盗、レイダーの集団が楽しそうに酒盛りを行っていた。
入れ墨を体に入れ、体にピアスをつけ、奇抜な髪型や格好をした若者の群れ。
いかつい顔にがっちりとした肉体の男女で、ほとんどが男性だ。
「あんだぁ、あのトラップ地帯を突破しただとぉ!?」
「『ロブスチール団』に喧嘩吹っ掛けるたぁ、いい度胸だ!」
そのレイダー達は立ち上がって猟兵達へと向き直り、銃火器やチェーンソーを手にしてくる。
中には危なげな薬を使ってドーピングを行ったり、バイクに乗ったりするレイダーもいたようだ。
この場に『ロブスチール団』のボスらしきレイダーの姿はない。どこか出かけているのか、それとも……。
猟兵達はその穴倉の中を見回すと、明らかに手足を鎖に繋がれて奴隷とさせられた若い男女の姿が。
「た、助けて、ください……」
「「…………」」
弱々しい声で、猟兵達へと訴えかける女性。
傍の男性達も目で同じように助けを請う視線を向けてきていた。
この場には男性2人と女性2人、計3人の奴隷が働かされているが、おそらく奥にはもっと捕らえられた人がいるはずだ。
「うるせぇ!」
奴隷へと拳を叩きつけるレイダー。顔面に裏拳を受けた男性が崩れ落ち、悶絶する。
力無き人々に暴力を振るう連中を許してはおけない。
猟兵達は奴隷達の解放の為、そして、オブリビオンであるレイダーを倒す為、攻撃を仕掛けていくのである。
(※今回は新世界登場を受け、執筆を優先する為、12月25日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
妹のスピレイル・ナトゥア(f06014)と連携
チーム【獣人同盟】で参加するのじゃ。
おお、ここに居おったか。何というか賊はどこの世界でも薄汚いのう。
何か臭そうじゃし世の為お掃除するのじゃ。
スピレイルめは時間稼ぎをするようじゃな。どれ、わしも手伝うかの。
妹と共に【巨狼マニトゥ】に【騎乗】し、距離を取りながら【氷縛の鎖】で絡め取るのじゃ。
捕縛を逃れた『レイダー』には、【風属性】を纏わせた【誘導する矢】でけん制射撃するかの。
時が過ぎ『レイダー』が昏睡したらチャンスじゃな。
一気に距離を詰めてマニトゥの噛み付きと【黒曜石のナイフ】で急所を一突して屠って回るのじゃ。
スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します
お姉様もこの事件に参加していただなんて知りませんでした!
「奴隷さんたちへの乱暴狼藉は許しません!」
オクスリのせいで数秒後に昏睡するというなら好都合です
ユーベルコードを使って、これ以上奴隷さんたちが暴力を振るわれないように、お姉様と力を合わせてレイダーさんたちを捕縛します!
捕縛し損ねたレイダーさんたちは精霊印の突撃銃で一掃します
お姉様。マニトゥに乗せてくださるんですね
マニトゥ。今回もよろしくお願いします
それじゃあ、距離を取りながらみんなのことを【援護射撃】……って、私はか弱いか弱い猫耳巫女娘なんですから、いきなり敵に近づかないでください!
そんなことするんだったら降ります!
露木・鬼燈
奴隷の解放を急がないとね。
ここは一気に斬り込んでヘイトを稼ぐ。
奴隷になにかする余裕なんて与えないのです。
殺人剣理<葬剣>で斬り捨てるっぽい!
首を落とせば確実。
そうでなくても急所を少し深く斬ってやれば、ね。
まぁ、手足の腱を斬って動けなくしてから止めでもいいけどね。
オブリビオンとして強化されていようとも元は人間。
それもただ暴力に長けているだけで武術の方は素人。
集団相手でも難しいことではないのです。
バイクとすれ違う瞬間に斬る程度ならイケルイケル!
寿命を代償に手数を増やして手早く片付けるっぽい。
一撃で死ななくても暴喰之呪法の追撃があるからね。
呪詛を通じで命を喰らうことで回復もできる。
一石二鳥っぽい!
空見・彼方
ッ!…マジで絵に描いたようなレイダーだ。
オーラ防御で弾丸を防ぎつつ、距離を取りネイルガンの呪殺弾でスナイパー、制圧射撃。うまい事奴隷の人達には当らないよう気をつける。
奴隷の人達には当ってくれんなよ…
レイダー達が此方に注意を向けている内に
【バタフライゲート】発動。(物を隠す)
洞窟の闇に紛れる黒揚羽蝶達を洞窟の奥へと飛ばし、
見つけた奴隷達に一体ずつ付くよう指示
後は可能な限り蝶達が奴隷の人達に付くよう時間稼ぎだ。
頃合いを見て、蝶を介して奴隷達に声を届ける
「助けるから目閉じて何も考えない!」
抵抗しない奴隷の人達をUDC空間に引き込み、運搬
黒揚羽蝶を介して安全な処…猟兵達の後方とか洞窟外(可能なら)出す
愛久山・清綱
(背後からの足音)加勢に来た。此処からは俺も戦おう。
さて、盗賊共……覚悟していただこうか?
(にしてもあの者たち、見た事があるようなないような)
■闘
おおいかん、また考えてしまった。戦いが先ね。
さて、刃も銃もあるならば……その両方で戦うとしよう。
60m先から敵の集団目がけて【空薙】を放ち、【範囲攻撃】で
大量撃破を狙うのだ。
放つ際は電光石火の【早業】で抜刀し、発動時間を短縮だ。
敵が斬りかかってきたらその軌道を【見切り】つつ【武器受け】、【カウンター】の太刀で振り払う。
銃口を向けられたら【オーラ防御】を展開、刀を回転させる【武器受け】で弾く。
……むむむ。やはりあの盗賊達、気になる。
※アドリブ・連携歓迎
高階・茉莉
■心情
戦う力無き奴隷を傷つけるなんて、本当に卑劣な相手ですね。
私達は正義の味方です、悪しき者はお仕置きしましょう。
■行動
風に舞う茉莉の領域(UC)を使って戦います。
【おびき寄せ】で敵を寄せ付けて、私の攻撃範囲内に
複数の敵がやってきたら、UCで一掃しますね。
【範囲攻撃】で纏めて攻撃し、【マヒ攻撃】で敵の動きを止めつつ戦います。
敵に囲まれない様に、【第六感】で注意を払いつつ【ダッシュ】で移動し
特に弱っている敵から優先的に倒しますね。
レイダーバイクに対しては
【部位破壊】でバイクのタイヤの部分を狙って、パンクさせておきますね。
敵の攻撃は【見切り】で避けたり
【盾受け】や【武器受け】で防御します。
●
アポカリプスヘルの荒野地下の洞窟を進む猟兵一行。
メンバー達はこの奥にいるレイダー達の拠点を目指していた。
「おお、ここに居おったか」
金髪褐色のキマイラ少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は双子の妹の姿を発見して声をかける。
「お姉様もこの事件に参加していただなんて、知りませんでした!」
銀髪褐色のキマイラ少女、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は姉の姿を視認して思わず叫ぶ。
2人は【獣人同盟】を組み、今回の戦いへと臨むことにしていたようだ。
長い通路を通り抜け、開けた場所へと出た猟兵達。
広い空間で、厳つい格好をした連中が楽しそうに酒盛りをしていて。
「ぐははは!」
「げひゃひゃ!!」
それは、スキンヘッドやモヒカン、鉄製の兜を被った男達。
無駄に筋肉隆々の体の上に革ジャンを着用したり、革製のベルトで肩にスパイクの付いた鉄製の肩当てを止めたりしており、上半身は大きく露出している者が多いのに、下半身はしっかりズボンを穿き、レガースを装着した連中。
彼らは、レイダー。この世界において略奪行為を働くオブリビオンの集団である。
「……ッ! ……マジで絵に描いたようなレイダーだ」
目の前の集団に素直な感想を口にしたのは、邪神と混ざったことで多重人格者となった中性的な少年、空見・彼方(デッドエンドリバイバル・f13603)。
なお、彼方は現状、主人格が表に出ていたようである。
そこで、後ろから足音が聞こえて。
「加勢に来た。此処からは俺も戦おう」
新たに駆けつけてきたのは、長身のキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)だ。
どこかで見たことがあるような敵の姿に、清綱はデジャヴを覚えながらも、相手へと言い放つ。
「さて、盗賊共……覚悟していただこうか?」
彼は刀に手をかけ、レイダーどもを威嚇する。
猟兵達がこの場に現れたことで、明らかに不機嫌そうな表情をして立ち上がったレイダー達はこちらを睨みつけてきて。
「あんだぁ、あのトラップ地帯を突破しただとぉ!?」
「『ロブスチール団』に喧嘩吹っ掛けるたぁ、いい度胸だ!」
表情を歪め、汚らしい言葉を吐きかけてくるレイダー達。
その周囲で、レイダーに連れ去られて奴隷となった3人の若者達が雑用を行っていた。
皆、手首足首に枷を付けられ、体のあちこちに生々しい痣が確認できる。
「た、助けて、ください……」
「「…………」」
弱々しい声で女性が助けを請い、男性2人が視線で自分達の解放を訴えかけてくる。
「戦う力無き奴隷を傷つけるなんて、本当に卑劣な相手ですね」
普段はおっとりのんびりした高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)だが、眼鏡の奥から鋭い視線をレイダー達へと向けて。
「私達は正義の味方です、悪しき者はお仕置きしましょう」
「奴隷の解放を急がないとね」
赤髪の羅刹の青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)は一気に切り込んみ、ヘイトを稼ごうと考える。レイダー達が奴隷達に何かする余裕すら与えぬ構えだ。
「奴隷さんたちへの乱暴狼藉は許しません!」
スピレイルがレイダー達へと叫びかけた。
奴隷達もやってきた猟兵達に希望を見出し、その勝利を祈る。
そんな奴隷達に気を払うことすらせず、レイダー達は舌を垂らして笑い、こちらを威嚇してきた。
「何というか、賊はどこの世界でも薄汚いのう」
目の前の汚物どもの態度に、エウトティアは整った眉を顰め、嘆息してしまう。
「何か臭そうじゃし、世の為、お掃除するのじゃ」
猟兵達はエウトティアの言葉を合図に、この場のオブリビオンの一掃に乗り出すのである。
●
「「ヒャッハアアアアアアアッ!!」」
勢いに乗るレイダー達は武器を手に飛びかかってくる。
一番速く猟兵達へと距離を詰めてきたのは、バイクを乗り回す連中だ。
「竜殺しの業を以って斬り捨てるっぽい!」
竜殺しの力から生成した双剣で、鬼燈が狙うはレイダーの首。
そうでなくとも、頭に当たれば急所となる場所は多い。そこを少し深く切れば、倒すことが十分可能だ。
「まぁ、手足の腱を斬って動けなくしてから止めでもいいけどね」
「何ぶつぶつ言ってやがる!」
飛びかかりながら、鬼燈は刃を切り上げて戦闘のバイク乗りの首を跳ねてしまう。
オブリビオンとして強化されていても、元は人間。それも、ただ暴力に長けているだけで、武術の方は素人だと鬼燈は疑わない。
「集団相手でも難しいことではないのです」
バイクとすれ違う瞬間に鬼燈は刃を振るい、彼は2人目のバイク乗りの体の中心を切り上げ、バイクから浮かして。
「イケルイケル!」
1人目と同様に、首を跳ね飛ばしてしまったのだった。
「……おおいかん、また考えてしまった。戦いが先だな」
しばし、考え事をしていた清綱は後続の敵を……刃や銃を手にしたレイダー達を見据える。
「ならば、その両方で戦うとしよう」
距離を保ったまま、清綱は遠方から敵集団目がけて『心切』を【早業】で居合し、前方【広範囲】の空間を断ち切る。
その一瞬で、清綱は狙ったレイダー達の体を寸断してしまう。
「あばああぁぁっ!!」
「ぶべえええええぇぇ!!」」
血を噴き上げ、レイダーどもは断末魔の叫びを上げて崩れ落ちていく。
だが、それでもまだ敵の数は多く、中には怪しげな薬品でドーピングするレイダーも……。
「フヌウウウウウウ!!」
「オオオオオオオオオオォォォ!!」
目の色を変え、筋肉を肥大させて襲い来るレイダー達は銃火器を掃射し、直接大斧やチェーンソーといった凶器を振り上げて襲い来る。
敢えて彼方は自分の身をさらし、【オーラ防御】で弾丸を防ぎつつ、近距離武器を受けぬように距離を取って『ネイルガン』から【呪殺弾】を発射していく。
【スナイパー】の能力を活かし、彼方は確実にレイダー達を撃ち抜き、場合によっては広範囲に弾丸をばら撒く【制圧射撃】を行って敵の侵攻を食い止める。
ただ、彼方の狙いは別にあった。
「奴隷の人達には当たってくれんなよ……」
密かに使っていた【バタフライゲート】。
洞窟の闇に紛れて飛ぶ黒揚羽蝶達を彼方は周囲へと飛ばす。
後は、蝶達が壁側へと退避していた奴隷達に付き、ユーベルコード製の空間内へと匿うまで時間稼ぎに徹していた。
別方向を向いていた茉莉は敵を誘き寄せていて。
「さあ、こっちですよ」
「げへへ、そんなに遊んでほしいのかぁ!?」
武器を手にするレイダー達は、茉莉の【おびき寄せ】で面白いように近づいてきてくれる。
ある程度、敵が集まったところで、茉莉は自らの魔導書を自身と同じ名である茉莉……ジャスミンの花びらへと変えて【広範囲】へと広がっていく。
「風に舞う茉莉の花々よ、華やかな芳香と共に敵を切り刻みなさい!」
その花びらの香りはレイダー達の身体に作用して【マヒさせて】しまい、花びら自体が鋭い刃となって敵の体を切り裂いていく。
「スピレイル、マニトゥに乗るのじゃ」
その間、【獣人同盟】ナトゥア姉妹はエウトティアの駆る巨狼マニトゥへと一緒に【騎乗】してこのフロアを疾走していた。
「マニトゥ。今回もよろしくお願いします」
スピレイルの挨拶にマニトゥは一声嘶くが、敵へと特攻していくのにはさすがに彼女も面食らったようで。
「私はか弱いか弱い猫耳巫女娘なんですから、いきなり敵に近づかないでください!」
距離をとっての【援護攻撃】を考えていたスピレイルは、近づいて攻撃するくらいなら降りると腹を立てる。
そこで、マニトゥがスピードを上げると、敵は追いかけるのを止め、銃の発砲へと攻撃を切り替えていたようだ。
「奴隷さんたちへの乱暴狼藉は許しません! ライトニングリボンバラージ!」
そいつらへと向け、スピレイルは電撃で構築された無数の巨大な紐を伸ばす。
その紐はレイダー達をリボン巻きにし、感電させて完全に動きを止めてしまう。
紐から逃れた敵には『精霊印の突撃銃』で弾丸を撃ち込み、スピレイルは自由に動くレイダーの数を減らしにかかっていた。
「スピレイルめは時間稼ぎをするようじゃな。どれ、わしも手伝うかの」
エウトティアも氷の精霊を呼び出し、その体を氷の鎖で絡めとっていく。
「ヒャッハァ、そんなんに捕まるかっての!」
中には退避し、飛び退いて鎖から逃れるレイダーもいたが、エウトティアは逃さず【誘導する】【風属性の矢】を射放つことで、敵の動きを牽制していくのである。
●
戦いが進む中、彼方は3人の奴隷達に黒揚羽蝶が付いたことを確認し、蝶を介して奴隷達へと声を届ける。
「助けるから。目閉じて何も考えない!」
呼びかけに応じた奴隷達は体から力を抜いたことで、彼方は抵抗しない彼らをUDC空間へと引き込む。
黒揚羽蝶を介し、彼は奴隷達を外の安全な所へと輸送していった。
レイダー達の動きに統一性は見られず、この場に彼らのボスがいないのは間違いないと猟兵達は改めて確信する。
そんな彼らに異変が起こり始めた。
「う、ううっ……」
「ぐああぁぁ……」
薬を飲んでいたレイダー達が副作用の為か、揃って眠り始めたのだ。
巨狼マニトゥに姉、エウトティアと共に跨っていたスピレイルはこの時を待っていた。
「今がチャンスじゃな」
「オクスリのせいで数秒後に昏睡するというなら、好都合です」
眠ってしまったレイダー達を、スピレイルは纏めて電撃の紐で縛り上げていく。
一気に距離を詰めたマニトゥが眠ったレイダーを噛みつき、エウトティアが首や心臓を狙って『黒曜石のナイフ』を一刺しし、敵を屠って回っていた。
だが、まだ暴れるレイダーは多く、バイクを乗り回したり、武器の威力に任せたりして襲い来る。
「おらああ、消毒してやんぜえええぇぁああ!!」
「くたばりやがれえええ!!」
そいつらに囲まれぬよう、茉莉は【直感】で注意を払って【ダッシュ】で逃れる。
そんな中でも茉莉はしっかりと敵の状態を見極め、向かってくる【バイクのタイヤを斬りつけ】、パンクさせてしまう。
さらに、直接殴り、切りかかってくるレイダーの攻撃をしっかりと【見極め】、茉莉は『光子連結剣』と書杖『ブライク』で敵の攻撃を【受け止める】。
隙を見た茉莉は再び茉莉の花びらを舞わせ、レイダー達を纏めて攻撃していた。
遠距離から銃を発射してくるレイダーの銃弾を、『心切』を回転させて弾いていた清綱。
花びらの及ぼす香りによって相手の動きが鈍れば、清綱も敵の振るってくるチェーンソーやハンマーの軌道を【見切り】やすくなり、【『心切』で受け流す】。
「……むむむ。やはりあの盗賊達、気になる」
何か気に掛けながらも、清綱はそのまま【カウンター】でレイダーを切り裂いてしまう。
そして、鬼燈は自らの寿命を代償として攻撃の手数を増やし、レイダー達の体を次々に切り払っていく。
「おのれぇぇ……!」
レイダーによっては鬼燈の連続切りを避け、唸るチェーンソーを振り上げるのだが、彼は余裕の笑みを崩さない。
斬撃に伴って傷口へと残された【暴喰之呪法】が敵を追撃し、苛み始めたのだ。
「な、なにいいいい!?」
ムカデ型の呪詛がレイダーの傷口を抉り、広げていく。
鬼燈は呪詛を通して生命力を奪い取り、何もせずにそのレイダーを地に這わせてしまう。
「一石二鳥っぽい!」
「ぐあ、あぁぁ……!」
どうやら、鬼燈が倒したのが最後のレイダーだったようで、この場のレイダーは全て、地面を這ってしまっていた。
猟兵達は捕らえられたままとなっている奴隷を解放すべく、奥のフロアへと向かっていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『サイバーレイダー』
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POW : パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
イラスト:鋼鉄ヤロウ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
荒野の地下にある洞窟。
レイダーの集団『ロブスチール団』の拠点を潰した猟兵達は、戦場となった集合フロアから奥に伸びる8本の通路の探索を進める。
レイダー達の住居エリアを見回りながら、猟兵達は通路の1つの奥に捕われの奴隷達が閉じ込められた牢屋を発見していた。
「まさか、助けに来てくれるなんて……」
「ありがとうございます……!」
彼らを牢からダスト、奴隷とされたアポカリプスヘルの男女3名ずつ、計6名がそれぞれ猟兵達へと礼を告げる。
彼らを解放し、猟兵達は集合フロアへと戻っていくと……。
そこに、外に通じる手前の通路から1人……いや、1機というべきか、オブリビオンが戻ってきていた。
「猟兵……か」
それは、禁忌のテクノロジーによって、全身を機械と化したレイダー。
サイバーレイダーと呼ばれるそいつはオブリビオン化し、ボスとしてこの『ロブスチール団』を率いていたのだが……。
「まさか、次の襲撃地点を探っている間に、拠点を襲われていたとはな……」
どうやら、そいつは外へと逃がした奴隷だった3人には気づいていないらしい。うまい具合に行き違いになったのだろう。
ボスは機械音を鳴らしながら、機械化したレイダー軍団を召喚して。
「貴様らが倒したレイダーどもと同じと思うなよ……?」
怪しく瞳を光らせてくるボス、サイバーレイダー。
その迎撃を考える猟兵達へ、解放した若者達が呼びかけてくる。
「皆さん、通路を利用しましょう」
「私達はここに隠れつつ、援護します」
猟兵達がサイバーレイダーと話している間に、若者達は先程猟兵達が倒したレイダー達の残した銃火器を拾っていた。
彼らは援護してくれるとしても、オブリビオンにどれだけダメージを与えられるかを考えれば、戦力としては微々たるものだろう。
とはいえ、奴隷としてこの場で長く働かされていた若者達だ。
下手をすれば、外を動き回っているサイバーレイダーよりもこの場所の地形を熟知していると思われる。
若者達の力を借りれば、サイバーレイダーや彼の召喚した機械化レイダー軍団を楽に倒すことができるかもしれない。
「いくぞ、貴様らの全てを奪ってやる……!」
話しているうちに態勢を整えたサイバーレイダーはハンマーを手に一言叫び、機械化レイダーどもを率いて猟兵へと襲ってくるのである。
(※プレイング受付は、12月30日8時30分までの予定です。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
高梨・依都(サポート)
最近こちらに所属したばかりで、あの、お役に立てるか自信はないのですけれど…
精一杯がんばりますので、よろしくお願いします…っ!
…でも、お化けとか怖いのは苦手なんです
内気で真面目、常に敬語な優等生
でも弱い者をいたぶるような敵には強く憤る面も
■戦闘
指定したユーベルコードでUDC召喚
本人は後方支援型で、戦闘行為はUDCにお任せしてます
傷つく事を恐怖しつつも守るものがある時は厭わずに
公序良俗に反するのはNG
あとはお任せします
よろしくお願いします
パル・オールドシェル(サポート)
二人称は「戦友」「〇〇さん」(〇〇は日本の表記ならば姓、西洋表記なら名)
僕ことパル・オールドシェルは解放軍の多目的汎用型ドロイドを自称する機体です。
自身での戦闘はあまり得意ではないので、解放軍系の兵器を召喚して使役します。
一人称は「僕」で、口調はこんな感じでしょうか。
ヒトの生命を最優先し、ウォーマシンやヤドリガミ等非生物系の戦友以上に生きた戦友や民間人の保護に熱心です。これはアイテム「四則」系に定められた運用原則ゆえのもの。
ヒト(知的生命体)>>>非生物系の民間人>非生物系の戦闘員>>>>自分>指揮下の自動兵器 の順に優先します。
艦隊やドロイド兵を用いた味方の補助、背景の賑やかしが得意です。
●
アポカリプスヘルの荒野地下にあるレイダーの集団『ロブスチール団』の拠点を叩いていた猟兵達。
拠点攻略を行っていたメンバー達を援護すべく、2人の猟兵がサポートに駆けつける。
「最近こちらに所属したばかりで、あの、お役に立てるか自信はないのですけれど……」
長い黒髪、黒い瞳の少女、高梨・依都(カシュマールの帳・f23175)はおどおどした態度でこの場へと現れる。
「僕ことパル・オールドシェルは、解放軍の多目的汎用型ドロイドを自称する機体です」
こちらはピンクの長髪を揺らすウォーマシンの女性、パル・オールドシェル(惑星の守り人・f10995)。
2人は挨拶を交わしてから、転移先のこの場所へとやってきていた。
丁度、戦いはレイダーの集団を率いていたボスとの交戦のタイミング。
入り口方面から現れたレイダーのボス『サイバーレイダー』を彼女達は迎え撃つこととなる。
「猟兵……まさか、拠点を襲われていたとはな……」
禁忌のテクノロジーによって、全身を機械と化したサイバーレイダーは、自らの後方に機械化レイダー軍団を召喚する。
敵意を感じたパルの周囲に、50体弱の護衛型重装ドロイドが現れて。
「さあ戦友、出番が来ました」
ヒトを護り、ヒトに仇なすものを撃滅する。任務は実にシンプル。
「――前進、開始」
「いくぞ、貴様らの全てを奪ってやる……!」
ハンマーを手にしたサイバーレイダーもまた、レイダー達と足並みを揃えて前進してくる。
「こ……この世界の人を、奴隷にしていたんですよね……」
そこで、依都は確認する。丁度、奥側から奴隷となっていた若者達をメインメンバー達が解放し、駆けつけてきたところだ。
「弱い者をいたぶるあなた達を……許してはおけません……っ!」
気弱な態度の中に憤る感情を入り混じらせ、依都はこの場へと多数の蝶を出現させるのである。
●
機械化レイダー集団をけしかけながらも、自らも叫び声を上げてハンマーで殴り掛かってくるサイバーレイダー。
それらに対して、パルも依都も多数を使役するユーベルコードで迎撃に当たっていた。
「進撃、進撃あるのみです」
「「ウオオオッ!!」」
パルのけしかけた護衛型重装ドロイド達は銃を掃射し、機械化レイダー軍団と撃ち合いを始めて。
銃弾飛び交う中、直接ぶつかる個体は鈍器や刃を手にして、ドロイド達は奮闘してくれる。
「さあ、おいで」
そして、依都の意志に応じた蝶々達が鱗粉を飛ばし、レイダー達の体を切り裂く。
敵の放つ弾丸をひらりと変わりながらも、鱗粉がレイダー達の体内へと入って動きを止め、相手の体を裂いて回路を切断する。
そして、ドロイドや蝶々の攻撃はサイバーレイダーにも及ぶ。
自らの装甲を銃弾が削り、鱗粉が入ってくることで意識が奪われかけて。
「おのれ、猟兵め……」
それでも、サイバーレイダーも力任せにハンマーを振るって応戦し、全て蹴散らそうとしてくるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
露木・鬼燈
地形を利用して戦うです。
武器を自由に振れないような通路がいいね。
具体的には天井が低くて幅が狭い通路。
そこで迎え撃って一体ずつ確実に沈める。
<骸晶>を展開。
魔杖長銃に棒手裏剣を装填して電磁投射で撃ち出す。
駆動系を狙っていけばイケルイケル!
地雷の処分もしてしまうですよ。
地雷を材料として分解・再構築。
中央を中空にして先の方に穴を開けた杭を生成。
空洞部分には爆薬を詰めておきくのです。
こいつを電磁投射と重力操作を併用して射出。
そして杭が突き刺さったら爆破するっぽい!
内側から爆破されたら機械化されてても効くよね?
倒したレイダーも素材として利用。
敵が上を通るタイミングで杭に再構築。
串刺しにしてやるですよ。
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
チーム【獣人同盟】で参加するのじゃ。
おっと、ボスのお出ましじゃな。なかなか強そうじゃがどうしたものか…
そこの若者や、『サイバーレイダー』後ろに回れるような通路はないかの?
通路を利用しようと言ってくれた若者に周囲の地形を聞いて、死角から奇襲をかけてみるのじゃ。
【目立たない】よう迂回路を移動し死角へ移動。敵の注意が他所にそれている瞬間を【見切り】、
不意打ちで【水属性】の【津波】で『サイバーレイダー』をレイダー軍団ごと押し流すかの、認識外からの津波じゃ踏ん張れぬずじゃろう?
水に浸かった敵に対して、更に【水属性】の【渦潮】で足を止めるのじゃ。
細工は流々、仕上げは任せたぞ。
スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します
また機械が相手ですか……
アポカリプスヘルの世界は、なんだか機械の敵さんが多い気がします
お姉様。機械が相手なら水浸しにして漏電させてしまうのはどうでしょうか?
え? あーいう機械は防水加工も完璧なはず……ですか
それじゃあ、どうしましょう?
わかりました
お姉様が敵を水浸しにしたら、私が雷を放てばいいんですね
だったら、一般人さんたちを守れるように、雷を帯状にしてサイバーレイダーさんをリボン巻きで拘束しちゃいます!
お姉様が水の精霊さんの力を借りるまでの間、私が精霊印の突撃銃でサイバーレイダーさんを攻撃して、敵の注意を引きつけておきますね
いまです! お姉様! やっちゃってください!
愛久山・清綱
思い出した。奴等は、小さい時に見た漫画の登場人物に
似ているのだ(少ししか見てないから詳しくはない)。
……しかし、以前も思ったが本当に世界は広いものだ。
俺の世界の非現実が、此の世界では現実……ふむむ。
■闘
いや、考えるのは戦いを終えてからにしよう。彼奴を討つのだ。
相手は恐らく強化するだろうが、その分動きが見破られやすくなる。
なれば此方は相手の武器の軌道を【野生の勘】で予測しつつ【見切り】、【残像】を見せながら回避を狙う。
相手の攻撃を凌ぎきったら、俺の新たな技をお見せしよう。
縦一閃に斬ろうとする【フェイント】を見せつつ、【怪力】を
込めた【真爪・剛】を放ち、奴の心臓を突き刺す。
※アドリブ・連携歓迎
高階・茉莉
WIZ判定
アドリブや他猟兵との共闘歓迎
■心情
奴隷たちを助けたのは良いですが、ここでボスの登場ですか。
若者たちが援護してくれるのはありがたいですが
彼らを危険な目には遭わせられませんね。
■行動
無限の文字列(UC)を使用して戦う。
【高速詠唱】で素早く唱え【属性攻撃】で光属性を強化し
【スナイパー】で狙いを定めて【全力魔法】で一気にUCを使用します。
余裕があれば【2回攻撃】や【マヒ攻撃】も織り交ぜつつUCで攻撃。
若者たちには、機械化レイダー軍団の相手をして貰い、
若者たちが狙われたら【かばう】で守りつつ
敵の攻撃を【武器受け】や【盾受け】で防御しますね。
「さあ、今までの悪事の報いを受けなさい!」
●
奴隷を解放した猟兵達が集合エリアへと戻ってくると、サポートメンバーとサイバーレイダーが始まっていて。
「奴隷たちを助けたのは良いですが、ここでボスの登場ですか」
眼鏡着用ののんびり司書、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)はすでに始まった戦いを目にして構えを取る。
色黒な肌をしたキマイラの金髪少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)がサイバーレイダーの姿を認めて。
「おっと、ボスのお出ましじゃな」
「また機械が相手ですか……」
こちらは銀髪、同じく色黒な肌のスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)。
エウトティア、スピレイルは双子の姉妹であり、今回はチーム【獣人同盟】として参戦している。
「アポカリプスヘルの世界は、なんだか機械の敵さんが多い気がします」
そんなスピレイルの言葉を聞きつつ、機械化レイダー軍団を見ていた
やや厳つさも感じさせるキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)が何かを思い出したようで。
「思い出した。奴等は、小さい時に見た漫画の登場人物に似ているのだ」
生憎と清綱は少ししかその漫画を見たことがなく、詳しくはないそうだが、それはさておき。
「……しかし、以前も思ったが、本当に世界は広いものだ」
自分の世界での非現実が此の世界においての現実。清綱はその事実にしばし唸りこんでいた。
そこで、猟兵達はボス、サイバーレイダーが自分達へと怪しく瞳を光らせていたことに気づく。
「貴様らが倒したレイダーどもと同じと思うなよ……?」
「なかなか強そうじゃが、どうしたものか……」
そんな敵を前にエウトティアは考える。
その迎撃を考える猟兵達へ、解放した若者達が呼びかけてきた。
「皆さん、通路を利用しましょう」
「私達はここに隠れつつ、援護します」
若者達もただ、助けられて荷物になる気はない。
援護してくれるという気概は、茉莉もありがたく受け取りはするのだが……。
「彼らを危険な目には遭わせられませんね」
折角奴隷から解放したのに、また傷つけさせてしまってはと、茉莉は彼らを気遣っているのだ。
「そこの若者や、サイバーレイダーの後ろに回れるような通路はないかの?」
エウトティアはそこで、若者に問いかける。
現状、猟兵達はこの洞窟に関して視覚情報としての構造のみ把握している状況ではある。
もしかしたら、奴隷達がレイダーすら知らない隠し通路を知っているのではとエウトティアは考えていたのだ。
「できるなら、死角から奇襲をかけてみたいのう」
「なるほど、でしたら……」
若者達の話によれば、集合フロアを中心として、タコ足のようになった奥側の通路間は移動できるという。
エウトティアは妹スピレイルと共に、その通路の情報について聞くことにしていた。
のほほん赤髪羅刹、露木・鬼燈(竜喰・f01316)がそれを聞いて。
「武器を自由に振れないような通路がいいね」
具体的には、天井が低くて幅が狭い通路で敵を迎撃して、機械化レイダー軍団を1体ずつ確実に沈めたいと鬼燈は語る。
その援護にと、若者1人が鬼燈を案内してくれた。
サイバーレイダーとの本格交戦を前に、猟兵達は若者達と協力しつつ態勢を整えるのである。
●
サポートメンバー達が抑えていた機械化レイダー軍団は徐々に、通路にいる猟兵達の方へとやってくる。
その対処へと鬼燈が真っ先に動き、変身する。
「これが僕の魔法戦闘形態……人呼んで竜骸の魔導士なんて、ね」
若者達へと告げた鬼燈は長銃型魔杖に棒手裏剣を装填し、電磁投射で撃ち出す。
「駆動系を狙っていけばイケルイケル!」
全身にエネルギーを伝達させる回路……首、肩や股部分などを狙い、鬼燈は敵を個別に狙っていく。
【獣人同盟】はなおも作戦会議を続けていた。
「お姉様。機械が相手なら水浸しにして漏電させてしまうのはどうでしょうか?」
とはいえ、ああいう人型機械は防水加工なはずと、スピレイルは戸惑ってしまう。
「それじゃあ、どうしましょう?」
「ふむ、認識外からの津波じゃ踏ん張れぬじゃろう?」
手はずを整えつつ、ナトゥア姉妹はボス、サイバーレイダーを奇襲すべく、通路間を移動していく。
その間にサポートメンバー達を突破し、サイバーレイダーは通路手前側へと出ていた茉莉や清綱が迎え撃つ。
「考えるのは戦いを終えてからにしよう。彼奴を討つのだ」
前に出る清綱がメインとなり、ハンマーを振り上げてくるボスを迎撃する。
「充電完了だ……食らえ!」
相手はこちらに向かってくる間に、充電していたパワーアシスト機能によって戦闘力を強化していた。
「だが、動きは丸見えだ」
清綱はハンマーの軌道を【野生の勘】で予測しつつ【見切って】いき、【残像】を見せながら回避へと当たり、敵の攻撃を凌ぐ。
茉莉もボスに対して攻撃をすべく、『宇宙魔術古代書』を開いてから【高速詠唱】して。
「無限に連なる太古の呪文よ、その力で邪悪なるものを退けなさい!」
詠唱を完了した茉莉は【スナイパー】の技術で狙いを定める。
開いた本に記された文字から放つのは、【光属性】を強化した【全力】の一撃。
「ぐうう……っ!」
光に灼かれたサイバーレイダーは苦しむ様子を見せるが、思った以上に耐久力は高い様子だ。
「お前達、全てを……奪え!」
ボスの叫びを受け、呼び出された機械化レイダー達が一斉に叫びを上げて襲い来る。
それらを、茉莉は武装した若者達へと応戦を頼むのだが、彼らは機械化レイダー達を牽制できるといった程度の戦力でしかない。
この為、茉莉はかなりの頻度で若者達を【かばい】、【『光子連結剣』や書杖『ブライク』を】駆使して守りに当たっていた。
さて、【獣人同盟】の準備も整ったようで。
「わかりました。お姉様が敵を水浸しにしたら、私が雷を放てばいいんですね」
敵に気づかれぬよう別の通路へと移動していた2人。
場所の選択はエウトティアが通路から集合フロアの戦況を確認し、敵の注意が他の通路にそれている場所を【見切って】いた。
「サイバーレイダーさん、お覚悟を!」
「こっちにもいたか!」
敵は姉とは別の通路から飛び出したスピレイルに気づき、ハンマーで殴り掛かろうとする。
スピレイルはサイバーレイダーの気を引くべく、交戦する清綱、茉莉と共に、『精霊印の突撃銃』を発砲して敵の注意を引き付ける。
「いまです! お姉様! やっちゃってください!」
「うむ、行くのじゃ」
準備を整えたエウトティアはスピレイルの合図で飛び出し、相手の不意をついてユーベルコード【精霊の唄】を放つ。
「精霊よ! 幻想のおもむくままに歌え!」
呼び出した【水属性】の【津波】がこの場のサイバーレイダーとレイダー集団へと襲い掛かる。
「「うわああああああああっ!!」」
それもあり、サポートメンバーが入り口側へと退避する中、敵は津波へと飲み込まれていったのだった。
●
多数の機械化レイダーを押し流したが、まだ通路側に残る敵がいたようで。
自分の方へとやってきていた敵を個別に相手していた鬼燈。
「地雷の処分もしてしまうですよ」
彼はここに来る途中で『紋章之秘術』で飲み込んでいた地雷を材料とし、分解・再構築することで杭を生成する。
内部に作った空洞に爆薬を詰め、鬼燈は磁投射と重力操作を併用して射出した。
「「ヒャッハーーー!!」」
銃を掃射してくる機械化レイダー目がけてその杭を打ち込んだ直後、鬼燈は爆破してしまう。
「さすがに効くっぽい!」
彼はしばらく、それを繰り返して敵の数を減らしていた。
集合フロアでは、エウトティアが津波で押し流した敵を【水属性】の【渦潮】で足を止めていて。
「細工は流々、仕上げは任せたぞ」
「はい、手はず通りに……ライトニングリボンバラージ!」
電撃で構築された無数の巨大な紐を放つスピレイルは、サイバーレイダーの体をリボン巻きに拘束していく。
水浸しにした敵へと放った雷。その効果は抜群だ。
「う、ぐぐ……!」
だが、それも一時的なもの。
力を高めた敵は力技で、その拘束を解こうとしていたのだ。
「さあ、今までの悪事の報いを受けなさい!」
そいつめがけ、茉莉は【マヒ攻撃】の効果を加えた光を【連続して】放ち、サイバーレイダーの体力を削っていく。
通路から出てきた鬼燈は、どんどん杭を発して敵を爆破していたが、倒したレイダーをも素材として利用して杭を生成する。
「串刺しにしてやるですよ」
その杭をサイバーレイダーの足元に仕掛け、敵が通ったタイミングで素早く突き出してみせた。
「ぐおおおっ!」
「俺の新たな技をお見せしよう」
最近、新たな刀として使っている『心切』を清綱は縦一閃に振るう。
それに対し、ぎこちない動きで敵はハンマーで応戦するが、一閃した清綱の一撃は【フェイント】。
「……もらったり」
刃を引いた清綱は【怪力】を込め、敵の心臓を突き刺す。
サイバーレイダーの動きが止まりかけたところで、鬼燈が叫ぶ。
「起爆するっぽい!」
仲間達がサイバーレイダーから離れたのを見計らい、彼は足元から敵を貫いた杭を起爆する。
「ぐあああああぁぁぁ……!」
爆破四散するサイバーレイダー。
それによって、彼が呼び出した機械化レイダー軍団も姿を消していき、地下の空洞は静けさを取り戻したのだった。
こうして、レイダー集団『ロブスチール団』を壊滅させた猟兵達。
解放した若者達を連れ、メンバー達は近場にある人々の集まる拠点へと向かう。
再開を喜ぶ人々を確認した猟兵達はその光景に表情を和ませつつ、この場から去っていくのである。
大成功
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