Holynight,LonelyFight
キマイラフューチャーの空を、一つの影が翔けてゆく。
「ホーウ、ホーウ、ホーウ」
機械仕掛けのトナカイが牽く、機械仕掛けのソリに乗って。機械仕掛けのサンタがやって来た。
だが…常ならば呑気そうな、或いは大らかそうな笑い声は、何やら焦りを帯びていた。
その原因が、地上から彼を追いかける。
「逃すなぁ!絶対に、絶対にあいつを捕まえろぉ!」
ヒステリックな少年の声、その命令に駆り立てられるかの如く、バウムクーヘン頭の怪人達が街を駆ける。
バウムクーヘン頭。つまりオブリビオンである。
彼らを嗾ける少年もまた然り。据わった目で上空のサンタを睨みながら、叫ぶ。
「寄越せ、寄越せよぉ!僕を愛してくれる人をぉ!」
少年の叫びに唱和するかの如く、バウムクーヘン頭の怪人達も、彼女を、嫁を、と求める声を上げる。その様は何というか、こう…切ないというか物悲しいというか。
だが、続く少年の叫びは、些か穏当ではないものだった。
「僕を、僕を愛してくれるあの人を…オブリビオン・フォーミュラを寄越せよぉぉ!!」
●
「皆様、メカサンタ様をお助けくださいませ」
グリモアベースに集った猟兵達への、プフェルトラム・メーベルナッハ(千夜の踊り手・f00012)…通称プッフィの第一声はそれだった。
メカ…サンタ…?
なんだそれは。唖然呆然、目が点となる猟兵さえいるその様相に、プッフィは説明する。
「メカサンタ様とは、この時期のキマイラフューチャーの風物詩たる存在。メカトナカイが牽くメカソリに乗り、キマイラフューチャーの空を飛び回ります。そして、彼を捕まえた人に一つだけプレゼントをくれる…というものですわ」
全部メカなの何故、とか、捕まえるのかよ、とか様々なツッコミが入るが。プッフィは「まあキマイラフューチャーですので」の一言にて封殺した。
「既に多くのメカサンタ様が現地住民の皆様に捕獲され、プレゼントを渡していったのですが…問題はここからです。住民が捕獲しきれなかったうちの一体が、オブリビオン達に追われているのです」
オブリビオンもプレゼントが欲しいのだろうか。そんな疑問を思い浮かべる猟兵もいるようだが。
「単なるプレゼントなら良かったのですが…どうやら、彼らが願おうとするプレゼントは…新たなオブリビオン・フォーミュラらしいのです」
続くプッフィの言葉には、流石に猟兵達もざわめいた。かつてのバトル・オブ・フラワーズにて総力挙げて撃破した、強大なるオブリビオン・フォーミュラ。それを再び生み出されては堪ったものではない。
が、そもそもそんなプレゼントはアリなのか?との疑問を浮かべる猟兵もまたいた様子。
「それは分かりませんが、もし可能であれば大変なコトとなりますし…そうでなくとも、オブリビオン達を、それらに追われるメカサンタ様を放置する訳には参りません。皆様、どうかよろしくお願い致します」
答え、頭を下げるプッフィであった。
「私の予知した処によりますと、メカサンタ様を追うオブリビオンは『ドゥマンデ』という名の犬型キマイラの男の子…のオブリビオンですわね」
曰く彼は生前愛されることないままに死を遂げた存在とのこと。メカサンタを追うのは、己を愛してくれるオブリビオン・フォーミュラを求めて、という部分もあるようだ。ただ、女性を見ると、自分を愛してくれるよう些か暴力的な行為に及ぶので、特に女性猟兵にとっては危険な存在である。
「それと配下として『バウムクーヘン怪人』なるオブリビオンの群れを従えております。名前通り頭がバウムクーヘンになった怪人オブリビオンですわね」
彼らは「仲のよかった女性が他の男性と結婚した悲しみ」から生まれたオブリビオンであり、敵を見ればその悲しみをぶつけるような攻撃をしてくる模様。
…なんというか、どちらも割とこう、ある意味この時期らしいオブリビオンという印象である。
「尚、此度のお仕事は、メカサンタ様を追うオブリビオン達を、皆様が更に追う…という形になります」
つまり、敵は基本メカサンタを追うことを優先する。そのため、敵の追跡を妨害するなりしてメカサンタの安全を確保するような行動はより効果が高いだろう。
「お仕事が片付きましたらば、丁度現場近くの公園にてクリスマスダンスフェスが開催されておりますので、折角ですし其方に参加なされるのは如何でしょうか」
何でも、クリスマスとか冬とかをテーマとしたダンスフェスらしい。それっぽい音楽を流したり、それらしい格好(コスプレ含む)で踊ったり。踊るだけでなく、飲み食いしたり他の参加者と語らうのも良いだろう。
「私も参加致しますので、宜しければお声掛け下さいませればと」
何処かそわそわした様子のプッフィ。本業踊り子の血が騒ぐ模様。
「以上となります。それでは、皆様宜しくお願いしますね」
グリモアが輝き、猟兵達をキマイラフューチャーへと送り出してゆく。
五条新一郎
些か早いですがメリークリスマス。
五条です。
さて此度のシナリオはキマイラフューチャー、オブリビオン達に追われるメカサンタを救出するのが目的でございます。
比較的ライトな戦闘シナリオ+ダンスフェス、という形になりましょうかと。
●戦場
キマイラフューチャー市街地、日中。ビル街の中を疾走していく感じです。
●第一章
メカサンタを追うオブリビオン達を更に追いかけるチェイスを繰り広げつつ『バウムクーヘン怪人』を殲滅します。
メカサンタから危険を遠ざけるような行動があるとより良いかと。
●第二章
オブリビオンの一団のリーダー『ドゥマンデ』との対決です。
彼は女性猟兵に対しては無理矢理自分を愛させようとしてきます。方向性についてはプレイングで指定頂ければそのように、なければマイルドに描写させて頂きます(勿論全年齢の範囲で)。
因みに男の娘は基本一発で看破します。ご了承ください。
尚、彼を倒せば残るバウムクーヘン怪人も全員逃亡します。
●第三章
時刻は夕方〜夜。
近くの公園にて行われるクリスマスダンスフェスに参加できます。公園全体がイルミネーションに覆われ、中央にメインステージが設えられてます。
ダンスの際は、ジャンルか音楽の方向性を併記頂けると描写しやすいですが、具体的なタイトルや歌詞(オリジナル含む)は採用できませんので避けてください。
ダンスせずともイルミネーションを楽しみながら飲食したりするのもOKです。飲食物はその辺コンコンコンすれば出てきます。
プッフィことプフェルトラムも参加しておりますので、もし絡みたい方おりましたらお気軽にどうぞ。
それと、メカサンタが助けてくれたお礼に、猟兵一人につき一つずつ、プレゼントを贈ってくれます。
何が欲しいかはプレイングでご指定ください。
※ただしあくまでフレーバーであり、実際のアイテムとして発行はされません。ご了承ください。
それでは、ご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『バウムクーヘン怪人』
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POW : 結婚したのか…俺以外の奴と…
【青春時代の甘酸っぱい思い出】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【バウムクーヘンに仕込んだ苦い涙】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : お前と結婚するのは俺だと思ってた…
【失恋の嘆きをたっぷり含んだバウムクーヘン】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 涙のバウムクーヘンエンド
【引き出物の入った紙袋】から【涙で濡れているバウムクーヘンの包み】を放ち、【憐れみを誘うこと】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:里桜
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
メカサンタもドン・フリーダムが作ったのだろうか?
気になる処だがメカといえども困った人を助けないとな
怪人共を全力で追いつつ、追いついたら斧や槍を、
追いつけない時は落ちている石ころを拝借して、
それぞれ闘志を込めて攻撃し『溢れ出る戦士の猛り』で
サンタよりもオレを狙う様囮になるぜ
「性別のないメカよりも同性のオレを見やがれ!」
怪人達が悲しみの涙を流させない様に変顔になったり自分のお尻を叩いて挑発して怒らせるぞ
「やーいやーい、恋をしたことがないメスガキにいい様に悪口言われて悔しくないのかー?」
怒りの涙ならUCが弱体化すると期待して攻撃を避け
サンタから遠ざかった頃合いに隙を見てカウンターでぶっ倒していくぜ
メカサンタが空を翔け、オブリビオンの一団がそれを追って地を駆ける。
それを更に追いながら、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は思案する。
(メカサンタもドン・フリーダムが作ったのだろうか?気になる処だが…)
現在のキマイラフューチャーの創造主とも言えた、かつてのオブリビオン・フォーミュラ、ドン・フリーダム。確かに彼女ならば、メカサンタのようなものを創造できてもおかしくないかもしれない。今となっては、その真偽を問う術も最早無いが…。
「…まあいいや。メカといえども、困った人は助けないとな!」
思考を過去ではなく今へ。小柄な肢体に不釣合いな程に巨大な肉果を揺さぶりながら、グァーネッツォは疾走の速度を上げていく。
「待てぇぇぇ、待てぇぇぇ」
「俺にもぉぉ、俺にも幸せをぉぉぉ」
バウムクーヘン怪人達が、口々になんとも悲しげな声を上げながらメカサンタを追う。その様はまさしく愛の亡者。妄執が、彼らの足を速めていく。
そしてその手が、メカサンタの乗るメカソリに追いつこうとした、その時。
バウムクーヘンが、爆発した。
「ぐわぁぁぁ!?何だぁぁ!?」
「何だ、何が起こっ、ぐわぁぁぁ!?」
いや、まだ残ってた。焦げ目のついたバウムクーヘンが並走する一体を見れば、何処からか石が飛来しバウムクーヘンに命中。そして彼も爆発。
この石が元凶か。だが何処に!?
「そこまでだ、怪人共!」
声と共に飛び込んできたのは褐色の肉弾――グァーネッツォだ。降下の勢いを乗せた朧な龍槍を振り下ろし、最も手前にいたバウムクーヘン怪人を打ち据えると、これがまたも爆発した。
「何だ、何だお前はぁ!」
「お前も俺達を笑いに来たってのかよぉ!」
涙声で被害妄想混じりの誰何の声を上げる怪人達に、小さな四肢から溢れ出さんばかりの闘志を漲らせ、言い放つ。
「性別のないメカよりも、異性のオレを見やがれ!」
堂々たる宣言。胸を張り、巨大な乳果が揺れる様を見せ付ける。
戸惑う怪人達。だが、その心に、悲しみとは異なる感情が溢れ出してくるのが感じられる。それは――闘志!
「うぉぉぉぉ!やってやるっ、やってやるぞぉぉ!」
「俺だって、俺だってやる時はやるんだぁぁ!」
彼女のユーベルコードにより、まんまと闘志を煽られた怪人達は、次々にグァーネッツォへ向かっていき……殴り飛ばされる。
「やーいやーい、恋をしたこともないメスガキにいい様にされて悔しくないのかー?」
胸に負けじと巨きな褐色の尻朶を怪人達に向け、叩いてみせる。波打つそれを見せつけながら更に挑発するグァーネッツォ。
「ち、ちくしょぉ!こんなガキに負けるかぁ!」
「絶対にわからせてやるぅ!」
まんまと乗らされ怒りのままに向かってゆく怪人達。闘志と怒りが青春の思い出を霞ませて、彼らのユーベルコードもうまく機能しない。
そのまま殴り合いを続けながら、グァーネッツォはメカサンタが飛び去っていくのを横目に見送った。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
え…何こいつら…僕まで涙が止まらなくなりそうなんですが
ええい!それでもばうむくうへんってUDCとかでもある美味しい御菓子ですよね!
なら美味しく食べるのみです!
何より…色々終わったらプッフィと色々楽しく遊ぶといましょうか!(未来に向けての欲望を滾らせる
ユベコ発動
飛行モードへと移行して怪人達とメカサンタの間の空中へと先回りし妨害もかねて襲い掛かる
【盗み・盗み攻撃】により襲い掛かり猛攻と共に美味しい状態のバウムクーヘンを盗みます
ええい泣いてたら美味しい御菓子も美味しくなくなるでしょうが!
そんな嘆きなんて虎っぽい名前の奴とか諸々だって経験してそれでも生きてるんだ!他にも美女は多いわっ!!!
「待てぇぇ、俺にも幸せ寄越せぇぇ」
「俺も彼女が、彼女が欲しいんだぁぁ」
哀れを誘うような声を上げながらメカサンタを追うバウムクーヘン怪人達。彼らの姿を捉えたカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、何とも居た堪れない気持ちに襲われていた。
「え…何こいつら…僕まで涙が止まらなくなりそうなんですが」
この少年にも、何か失恋の思い出の一つでもあるのだろうか。だが泣いてる場合じゃない。
「…ええい!それでも『ばうむくうへん』ってUDCアースとかでもある美味しいお菓子ですよね!なら美味しく食べるのみです!」
悲しみを食欲に変えて。少年は走り出す。
「何より…色々終わったらプッフィと色々楽しく遊ぶとしましょうか!」
後かのグリモア猟兵に対する性欲にも変えて。少年は走り出す。
「大いなる根源よ!我が魂…我が情動に応えその力を示せ!」
カシムの全身が極大の魔力のオーラに包まれると共に、その身が飛翔を開始する。
実にヒーローめいた様相であるが、このユーベルコードの名は『欲望大飛翔』。そして力の源は『性欲』である。
性欲漲る少年は飛んでいく。メカサンタを追う怪人達のもとへ。
「ぶべらっ!?」
「な、どうし…お前、頭…!?」
突如背後からの攻撃を受け倒れ込む怪人。その後ろに続いていたもう一体が見れば、その頭の一部が欠けていた…!
「もぐもぐ…うん、美味しいじゃないですか。涙で濡らすには勿体無い」
前方から声。見れば、オーラを纏ったカシムがバウムクーヘンを食べていた。怪人の頭から掠め取ったというのか。
「な、なんだお前はぁ!よくも俺の頭をぉ!」
「何故邪魔をするぅ!お前、俺達と似た匂いがするのにぃ!」
「ええい黙らっしゃい!!」
喚く怪人達を、バウムクーヘンを食べ終えたカシムが一喝する。
「泣いてたら美味しいお菓子も美味しくなくなるでしょうが!そんな嘆きなんて、虎っぽい名前の奴とか諸々だって経験してそれでも生きてるんだ!」
後半は何でか妙に悔しげなカシムである。
「他にも美女は多いわっ!!!」
「「だったら俺達に紹介してくれよぉ!!」」
なんとも悲痛な声を上げて襲い掛かる怪人達、迎え撃つカシム。その様は何処か青春漫画のひとコマじみているようにも見えたとか。
尚、その間にメカサンタは逃げることができたようだ。
成功
🔵🔵🔴
言葉・栞
【アドリブ・連携歓迎です】
折角楽しいクリスマスなのに…なんだか悲しいですね
でも、オブリビオン・フォーミュラなんてプレゼントさせれませんよね
僅かですが助力させて頂ければ幸いです
か、悲しい攻撃です…
こほん!同情している場合じゃありませんね
囲まれないように気をつけて動きましょう、私はよく躓きますから気をつけますね
前を向いて下さい、貴方達の人を好きになった気持ちをダメにしないでください
【図書迷宮の館】を発動し、書架で作られた迷宮に迷って貰います
足止めと敵をバラバラに出来れば良いのですが…
それに、もしかしたら収められている本に興味を持ってもらえるかも!
悲しい気持ちは本を読んで晴らしましょう!
「な、なんだお前はぁ!?」
「邪魔するなぁ!俺達は幸せが欲しいんだよぉ!」
バウムクーヘン怪人達の前に、一人の猟兵が立ち塞がる。飛び去っていくメカサンタを背後の空へ見送り、言葉・栞(開巻有益・f14552)は怪人達へ向き直る。
(折角楽しいクリスマスなのに…なんだか悲しいですね)
頬に指を当て小首を傾げる。涙目で喚く彼らの姿には、なんとも哀れみを覚えるところではあるが。
(でも、オブリビオン・フォーミュラなんてプレゼントさせられませんから)
彼らの望みを叶えさせるわけにはいかない。そのために微力を尽くす。改めてその意志を確かめて。
「皆さん、どうか前を向いて下さい。貴方達の、人を好きになった気持ちを…ダメにしないでください」
そう、彼らに訴える。叶わなかったとはいえ、誰かに恋した気持ちは尊いものだと。
「うるせぇっ!お前に俺達の何が分かるってんだよぉ!」
「この気持ちはなぁ…もう、何処にも行けないんだよぉ…!」
だがバウムクーヘン怪人達は口々に喚きながら、手に持つ紙袋から何かを取り出した。それは包み紙…彼らの頭を形作るバウムクーヘンを包んでいたと思しき紙。それは、涙で濡れてふやけ果てていた。
(はうっ!?か、悲しい攻撃です…)
その様を見た栞に、胸を締め付けるような憐憫の情が襲い掛かる。ただの包み紙が、ここまで哀れみを誘うものであろうとは。
「この悲しみを埋められる彼女を、俺達にくれぇぇぇ!」
あまりに悲しい光景に、栞が足を止めさせられているその隙を突き、怪人達は彼女の脇を抜け再びメカサンタを追いかけようとする。
「…こ、こほん!同情している場合じゃありませんね…!」
それに気付いた栞は咳払いを一つ。気を取り直すと、徐に両手を広げ宣ずる。
「貴方達の行き先は、そちらではありませんよ…!私が挟まれた無数の図書、その記憶を書架に!」
直後、怪人達の行く手を、地面から迫り出してきた書架が塞ぐ。それだけではない。彼らを包囲し、分断するかのように、次々と書架が迫り出しては、複雑な迷宮を形成していく。その全てに、無数の書物がぎっしりと詰め込まれている。
それは栞の記憶が形作りし迷宮図書館。書に挿まれ、書と共に在り続けた「栞」、ヤドリガミと変じた彼女に宿る、数多の書物の記憶の集積である。
「な…なんだよこれぇ!?お、俺達は本なんて…」
「…あれ、この本ってもしかして…」
仲間と分断され、幾つもの小集団となって閉じ込められた怪人達。多くは戸惑うばかりだが、一体の怪人が、配架された本に興味を示したかそれを手に取る。
大まかな内容だけを見ようとしているのか、大雑把にページを何度か捲っていく怪人…そして暫くして。
「……うわあああああああああ!!どうせ、どうせ俺なんてぇぇぇ!!」
「どうした!?い、一体この本に何が……うわあああああああ!!」
突如号泣を始めた怪人。仲間の怪人が何事かと取り落とされた本を見て…彼もまた号泣した。
…その本は恋愛をテーマにした文学作品。それも、幼馴染の男女が甘酸っぱい青春を経て結ばれていくという、彼らのトラウマにダイレクトアタックするかの如き一品であった。
別の場所からも似たような号泣が響く。断続的に館外まで届くその声を聞き、栞は戸惑う。
「…悲しい気持ちを、本を読んで晴らせれば…と思ったのですが…」
手に取った本が悪かった、としか言いようがない。
尚、彼女の狙い通り本を読み耽っていた怪人もいた、ということは書物を愛する彼女の為にも書き添えておくべきであろう。
成功
🔵🔵🔴
ミア・ミュラー
あれが、メカサンタさん……メカで空を飛んでて、かっこいい……!ん、メカサンタさんは、みんなにプレゼントを配る、いい人。助けてあげないと、ね。
わたしは「視力」でメカサンタさんと敵を見ながら、「ダッシュ」で追いかけるのに集中する、よ。【プリンセス・ホワイト】で呼んだ白鳥さんたちに、わたしが見つけた敵を数匹で通せんぼするように動いてもらう、ね。
攻撃も白鳥さんたちに、任せる。翼で叩いて攻撃して、敵のバウムクーヘンは食べちゃって、いいよ。わたしも傘で防ぎながら、ちょっと食べてみよう、かな。失恋の、味。ん、悲しいからって、無理なお願いはサンタさんに、迷惑。残念だけど、ここは通さない、から。
「あれが、メカサンタさん……メカで空を飛んでて、かっこいい……!」
前方の空を翔ぶメカサンタを疾走しながら見上げ、ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)は大きな藍の瞳をきらきら輝かせていた。メカサンタという全く未知のその概念に、純粋な驚嘆を覚えているようだ。
「…ん、メカサンタさんは、みんなにプレゼントを配る、いい人。助けてあげないと、ね」
そして視線を地上、メカサンタに追いすがらんとするオブリビオン達に移し、改めて決意を固める。かつて己が猟兵にして貰ったことを、己も猟兵となったが故に。
そんなミアの周りには、いつの間にか白く美しい白鳥が群れを成して飛んでいた。その数、実に53羽。翼に『1』の刻印が入っている。彼女のユーベルコードによって呼び出された白鳥達だ。
ミアの藍瞳が、メカサンタの周囲と地上に散らばる敵の間を忙しなく動き回り、妨害すべき敵を見定める。
「…ん、あっちの路地と、そっちの通り。みんな、通せんぼ、お願い、ね?」
ミアの願いに応え、数羽の白鳥が群れを離れ、敵へと向かっていく。
「うわぁぁ!?な、なんだこいつ!」
「痛てっ、た、叩くんじゃね、ぐわぁぁぁ!?」
「喰うなぁ!?俺の頭を喰うなぁぁ!!」
バウムクーヘン怪人達の悲鳴がそこかしこから聞こえてくる。怪人達の前に降り立った白鳥達は、彼らの身を翼で打ち据え、頭のバウムクーヘンを啄ばんでいく。見る間に抉れ、小さくなっていくバウムクーヘンは、輪をかけて悲しく哀れなものであった。
「く、くそう!いい加減に離れろよぉぉ!」
しかし怪人達もやられっ放しではない。紙袋から溢れ出した失恋の嘆きたっぷりのバウムクーヘンを撒き散らして反撃する。見た目以上に強力なその攻撃に、何匹かの白鳥が耐え切れず消滅してしまった。尚、既に白鳥にしこたま頭を食われた怪人も、巻き添えとなって消滅してしまったようだ。
「ん、仲間を巻き添え、あんまり、良くない」
自分のところまで飛んできたバウムクーヘンを傘で防ぎながら、ミアは呟く。丈夫な魔法の傘は、この程度の攻撃ではびくともしない。疾走を続けながら、そのバウムクーヘンを拾い上げ、一口。
「…ん、失恋の、味。苦い」
彼らの涙をたっぷり含んだバウムクーヘンは、苦かった。これが失恋か。大人の階段を一段上ったような、そうでもないような。
ともあれ走り続けるうち、生き残った白鳥達の啄みから逃げ回る怪人へと追いついた。
「やめろっ、やめろぉぉ!どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだよぉ!」
己の身の不幸を訴える怪人に、ミアはきっぱりと言ってみせる。
「ん。悲しいからって、無理なお願いは、サンタさんに、迷惑」
ここは通さない、ミアの意思を示すかのように、彼女に追従していた白鳥達が次々とバウムクーヘン怪人を取り囲んでいく。
「う、うわああああああ!?」
哀れ、バウムクーヘン怪人はその頭を食べ尽くされ、首無しの状態で骸の海へと還る羽目になったとさ。
成功
🔵🔵🔴
ヘザー・デストリュクシオン
なんだか来なきゃいけない気がして来てみたけど…サンタさんにもらうプレゼントってそういうものなの?
クリスマスはいつも遠くから見てるだけだったから、今回楽しみにしてたの。
だからクリスマスのじゃまするやつは壊すの!
リボンを解いて速さを上げてダッシュでバウムクーヘンたちに一気に近づいてその勢いのまま攻撃するの。
わたしも片思いしてるから、失恋のなげきはなんかすごく悲しいようなせつないような気持になるけど…。
だからってそんな変なものサンタさんに頼んでいいことにはならないの!
攻撃されるのも気にせず捨て身の一撃を食らわせるの!
遠くに見えるあの人が敵のボス?
なんだかだれかに似てる気がするけど…よくわかんないの。
逃げるメカサンタ、追うオブリビオン。それを更に追いかけながら、ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)は色々戸惑っていた。
(…サンタさんにもらうプレゼントって…そういうものなの?)
かつての境遇が境遇であったが故、自らクリスマスに参加するのは今年が初めてとなるヘザー。そのクリスマス初体験がメカサンタとなれば、戸惑いも人一倍であろう。
とはいえ、これまでは遠くから楽しむ様を見ているしかなかったクリスマス。楽しみだったことに変わりはない。故に。
「クリスマスのじゃまするやつは壊すの!」
胸元のリボンを解き、以て己が速度の限界を引き上げる。加速する白猫兎が、瞬く間にオブリビオンの一団へと追いつき。
「壊れちゃえっ!」
その手に生えた猫の爪が、加速の勢いを乗せて振るわれれば。
「ぎゃあぁぁっ!?頭っ、俺の頭ぁぁ!?」
バウムクーヘン頭が半ばばかり抉れ、怪人が絶叫を上げてのたうつ。
「な、何だこいつはぁ!?逃げろ、逃げろぉぉ!!」
他の怪人達はその様に半ば恐慌しつつも、本来の役目を果たさんとメカサンタの追走を続行。以てヘザーからの逃走を試みるが。
「逃がさないのっ!」
戦の熱狂に昂ぶるこの白猫兎から逃げるには、あまりに速度が足りない。その爪が振るわれるたび、バウムクーヘンが削れ飛び絶叫が上がる。
「ち、ちくしょぉ!邪魔をするなよぉぉ!」
怪人達も無論黙ってはおらず、紙袋から取り出した大量のバウムクーヘンを、一斉にばら撒いていく。その弾幕を以て、足止めを図らんとする。
だが。
「ぅくっ、痛いの…でも、こんなの気にしないの!」
バウムクーヘンが命中し、ヘザーの表情が歪む。効いてはいる。効いてはいるが…彼女は、止まらない。
バウムクーヘンに染み付いた失恋の嘆き。片恋の最中にあるヘザーにとって、他人事ではない結末。溢れる悲しみが、切なさが、胸を締め付ける。彼らの悲哀が、理解できる気がする。けれど。
「だからって、変なものサンタさんに頼んでいいことにはならないの!」
鈍りかけた脚を今一度叱咤し、再加速。一気に怪人の眼前まで飛び込んでいく。
「ひぃぃぃ!?」
振り下ろされた爪が、涙染み込むバウムクーヘンを真っ二つに斬り裂いた。
そうしてバウムクーヘン怪人達を相手に大立ち回りを繰り広げる最中、ヘザーは見る。
(…あれは…)
怪人達の群れの中心に垣間見える、犬の耳と尻尾を持つ少年。何事か喚き散らしながら、怪人達に指示を出している。
(なんだか、だれかに似てる気がするけど…)
記憶の片隅を過ぎる『誰か』の記憶。あの少年の姿と、重なるような、重ならぬような…
(……よくわかんないの)
それ以上の思考を打ち切り、ヘザーは再び怪人達を駆逐していく。
成功
🔵🔵🔴
彩波・いちご
なんかいろんな意味で火に油注ぎそうな私です…(苦笑
ひとりで来てよかった…
怪人には女子と思ってもらった方がいいかしら…それで襲われても困るのですけどっ
メカサンタ逃がすために私に注目させないといけませんしね!
女装はいつも通りですが、サンタガールのコスプレです
「そこのおにーさん、クリスマスなのに何しょぼくれてるんですか?」
にこっと笑顔で誘惑&私を女だと思ってもらう催眠術ですっ
メカサンタが遠くに離れるまで私に惹きつけますねっ
十分惹きつけたり、貞操的な危機になったら攻撃っ
「皆さんにプレゼントですっ」
【幻想よりきたる魔法の演者】で生み出すはプレゼント箱のような魔法のオブジェクト
触ったら、爆発、です♪
「独りは、独りは嫌なんだぁぁぁ」
「俺にもクリスマス一緒に過ごす彼女をぉぉぉ」
メカサンタを追いかけ続けるバウムクーヘン怪人達を横目に、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は只管に苦笑いしていた。
(なんか、いろんな意味で火に油注ぎそうな私です…ひとりで来てよかった…)
何しろこのいちご、猟兵として活動する傍らでとある猟兵用女子寮の管理人をやっている――即ち日常的に多くの女性と交流しているのである。のみならず、そのうちの複数の女性が、彼に対し好意を向けているのだ。怪人達が知れば発狂するだろう、という予測は強ち間違いでもあるまい。
(女子と思ってもらった方がいいかしら…それで襲われても困るのですけどっ)
それでいて、恐らくその女性猟兵達と比べても見劣りせぬ程の可愛らしい容姿。知らなければ確実に女性と間違うレベルである。即ち女性に飢えた怪人達に襲われる危険性も考慮すべきということであるが。
(メカサンタ逃がすために、私に注目させないといけませんしね!)
その目的のためならば許容すべき危険であると結論付け、気合を入れ直す。
「そこのおにーさん、クリスマスなのに何しょぼくれてるんですか?」
「う、うるさいっ!俺達だって好きでそんな……おおっ!?」
徐にバウムクーヘン怪人達へとかけられる声。怪人達が振り向けば、そこには藍の髪の可愛らしいサンタガール。屈託の無い笑みを、涙目な怪人達へと向けて見せて。
「な、なんて愛らしい…天使だ!天使がいるぞ!」
「き、聞いてくれよぉ!俺は、俺はぁ…!」
自分達に好意を向けてくれる少女がいる。その事実に崇拝の念まで覚えてしまう者、思わず己の過去というか生前の悲しい経験を語ってしまう者。程度の差はあれ、皆すっかりこのサンタ少女へ魅了されてしまっていた。
(第一段階はセーフ…ですね)
無論、この少女はいちごである。持ち前の容姿に少女としての誘惑術、そもそも男ではと疑う思考を封じる催眠を駆使し、怪人達へ己に対する好意を抱かせるに至らしめたのだ。
が、何やら怪人達の様子がおかしい。いちごを見る目が、やけに熱っぽいような。
「俺と!俺と付き合ってくれぇぇ!」
「ばっ、抜け駆けするんじゃねぇ!俺が結婚するんだよぉ!!」
いちごに対し我先にと迫りくる怪人達。その目は完全に据わっており、正直ちょっと怖い。
(こ…これは危険ですね…!)
このままだと貞操が危ない。そちらの趣味はないいちごとしては死活問題である。そろそろ足止めは限界か。
「で、ではそんな皆さんにプレゼントですっ」
さりげなく一歩退き彼らから距離を取りつつ指を振れば、彼が元いた場所には幾つもの大きなプレゼントボックス。いちごサンタからの贈り物だ。
「お…おぉ、うおぉぉぉぉ!!」
「俺の、俺のためのプレゼントぉぉ!!」
「ば、馬鹿言うな俺のためだろぉぉ!!」
先を争って自分達のためのプレゼントへ手を伸ばす怪人達。その手がボックスに触れた、次の瞬間。
プレゼントが、爆発した。
「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」
黒煙棚引かせ、黒焦げのバウムクーヘン達が吹っ飛んでゆく。斯くして、彼らの一時の恋はしめやかに爆発四散したのであった。
成功
🔵🔵🔴
深護・刹那
子供たちに夢を与える存在
そして子供たちに害をなさない存在
そうであるなら、正体とか謎とか些細なこと
深く気にせず、オブリビオンを倒すとしましょう
「ではでは。不肖、深護・刹那、参ります♪」
しかしなんといいますか
相対してみるとなんかとても悲しいのですが
あの、元気出してくださいませね?(肩ぽむ)
それはそれとしてバウムクーヘンは嫌いではないのですが倒しますわね?
『からくり仕掛けのセツナ』で仕掛けますわ
徒手空拳でていやーっと倒していく感じで
バウムクーヘンからの反撃はなんか食らうのがまずそう(たぶん愚痴り始める)なので
徒手空拳で叩き落としていくとしましょう
凌ぎきれは後は真っ正面からパンチ!
ぶっ飛ばしますわよ!
己の頭上を飛び越えていくメカサンタ、其を見遣る深護・刹那(花誘う蝶・f03199)はこう考える。
(子供達に夢を与える存在。そして子供達に害をなさない存在。そうであるなら、正体とか謎とか些細なこと)
在り方にさえ問題がないならば、本質が何であれ大きな問題ではない。それ故、彼女はメカサンタについて深くは気にせず、オブリビオンを掃討することとした。
「ではでは。不肖、深護・刹那、参ります♪」
やがて、メカサンタを追ってバウムクーヘン怪人達がやって来る。
「はい、皆様ここでお待ちくださいまし?」
行く手を遮る刹那に、怪人達が抗議の声を上げる。
「な、なんだよお前はぁ!通してくれよぉ!」
「じゃ、邪魔をするなぁ!俺達だって幸せになりたいんだよぉ!」
涙声で喚く怪人達の様相は何とも哀れであり、染み付いた悲しみを否応なく感じさせてくるもので。
(なんといいますか…相対してみると、なんかとても悲しいですわね)
かつて多くの持ち主に愛された人形のヤドリガミたる刹那である。愛されなかった苦しみ、哀しみは、何となくでも理解できるものなのかもしれない。
「あの…元気出してくださいませね?」
思わずその肩…はないので腕の付け根あたりに手を置き励ますが。
「うるせぇ!同情なんていらねぇよぉ!」
「同情するなら愛をくれぇぇぇ!!」
悲しいことだが、理解できても分かり合えるとは限らないのであった。ヤケになった怪人達はそのまま刹那を突破しようと仕掛けてくる。
「…仕方ありませんわね。バウムクーヘンは嫌いではないのですが、倒しますわね」
応えるが早いか、刹那の背後にからくりの繰り手が出現。己の身体の操作権をそれへ委ねる。
「夢はうつつ。うつつの私はヒトガタ。ヒトガタは繰られ夢を見る。これが、人形の、刹那の、夢」
操られる身体は通常以上の速度で稼動、己の横を通り抜けんとした怪人の横っ面…バウムクーヘンの側面に拳を叩き込む。
「ぶべぇっ!?」
「んなっ!?ち、ちくしょう、やる気かよぉ!」
「無論ですわ、貴方達の夢を叶えさせるわけには参りませんもの」
身体は徒手空拳の大立ち回りを続けつつ、口は巧みに。己の目的を宣言してみせる。
「く、くそぉっ!だったらこれでも食らえぇ!」
怪人達も黙ってやられる気はないようで、紙袋から取り出したバウムクーヘンを手当たり次第にバラ撒いて反撃する。
「…あれを食らうのはまずそうですわね、色んな意味で」
食らったら多分、愚痴が止まらなさそう。己をそう分析する刹那。繰り手もそれに応えて彼女の身を操作、飛来するバウムクーヘンを片っ端からチョップやら裏拳やらで叩き落としていく。
「んなっ!?」
「ぶっ飛ばしますわよ!」
凌ぎきれば後は反撃。一瞬で怪人の懐へ潜り込んだ人形が正拳突きを繰り出し、バウムクーヘンを路地の奥まで吹っ飛ばした。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『愛を求める者・ドゥマンデ』
|
POW : 僕の邪魔をするな!
【自身が殺害した者】の霊を召喚する。これは【愛を貪る行為】や【爪と牙】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 僕の言うことを聞け!
【手枷と】【足枷で拘束し、】【拷問器具で痛み、あるいは快感を与える攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 僕を愛してくれる?
対象への質問と共に、【自身の愛に飢えた心】から【もう一人の自分】を召喚する。満足な答えを得るまで、もう一人の自分は対象を【愛を求める行為】で攻撃する。
イラスト:麻風
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ヘザー・デストリュクシオン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
徐々に数を減らしていくバウムクーヘン怪人達。やがて、怪人とは異なるオブリビオンが猟兵達の前に姿を現した。
「くそっ、追いつけない…!どうなってるんだよ…!って、お前ら…!?」
それは犬の耳と尻尾を持つ少年…キマイラにも見えるが、猟兵達から見ればそれがオブリビオンであることは明白である。
苛立ち混じりの驚愕の表情を見せた少年は、然し、その多くが女性であるのを見れば笑みを浮かべる。媚びるような、それでいて後ろ暗い欲望を滲ませるような笑みだ。
「…そっか、そっかぁ…。僕へのクリスマスプレゼントは、こっちだったのかぁ…♪みんな…僕のこと、愛してくれるために来たんだよねぇ…」
甘えるような上目遣い。だがその一方で、両手に持つのは凶悪なる拷問具の数々。
「ほら、愛して、僕のこと愛してよぉ…。僕の全部を、受け入れてよぉ!」
彼の云う『愛』が、尋常のものでないことは最早明白。己の欲望をぶちまけんとばかり、少年――『愛を求める者・ドゥマンデ』が、猟兵達に迫り来る…!
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
バウムクーヘン怪人さえしなかった初めて会う女性にまで
愛を求めるなんて怖すぎだぞ…
危険すぎるからきっちり倒さないと!
「そんなに愛を貪りたいなら腹下すまで与えてやる、来い魅魔!」
UCでサンタ(つけひげあり)仮装した魅魔を召喚し
ぎゅーって抱き締めあって精気をこれでもかと渡して強くなって貰うぜ
敵の霊は悪い子には贈り物あげないと愛ある叱りをして無力化して貰うぜ
ドゥマンデにはトラバサミやトゲトゲも我慢して
優しく、でも彼を守る様に強く抱きしめてあやしてあげて貰うぜ
「よかったな、『パパ』に愛されて」
あ、中性的な容姿だけど今回召喚した魅魔は男性だぜ♪
正体バラしても逃さない様により強く抱き締め上げて貰うぜ!
「初めて会う女性にまで愛を求めるなんて怖すぎだぞ…」
己を愛せと迫るドゥマンデの姿に、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)はドン引きしていた。先のバウムクーヘン怪人達でさえ、初見でいきなりそこまでの行動には出なかったというのに。
「そんなの関係ないよ…僕を愛してくれればそれでいいもん。だからさ、ほら…」
彼女の様子に気付かない…否、気付く気もないドゥマンデ。その背後に揺らめく、女性の霊体。彼の愛を求める行為の末に命を失ったと思しき女性の霊だ。
(危険すぎる…!こいつはきっちり倒さないと…!)
グァーネッツォの背筋を冷たいものが走る。これは想像以上に危険な敵であると。
「そんなに愛を貪りたいなら、腹下すまで与えてやる!」
故に、彼をびしりと指差し宣言する。その反応にドゥマンデが一瞬だけ怯んだのは、奪うことには慣れていても与えられることには慣れていないが故か。
「来い、魅魔!」
そして呼び出したるは、己のユーベルコードによって成る使い魔。
長く美しい黒髪を靡かせ、細くしなやかな肢体を紅白のサンタ衣装に包んだサンタレディ…もとい魅魔。軽やかに彼女の傍らへと降り立つ姿はすらりと長身、小柄ながら豊満なグァーネッツォと並ぶとより際立つ。
「やあ、呼んだかな?」
付けヒゲまできっちり装備した美貌に柔和な笑みを浮かべ、流麗なアルトボイスで応える魅魔に、早速グァーネッツォは命令を下そうとする…が。
「ああ、あの子にお前の愛を思いっきり教えてや…んむむぅぅ!?」
「な!?何やってんだよお前らぁ…!?」
その唐突な行動に、グァーネッツォのみならずドゥマンデも驚愕する。魅真はグァーネッツォの小さな体を徐に抱え上げると、その瑞々しい唇に自らのそれを押し付けたのだ。そしてそのまま始まる濃厚ディープキス。
始めは激しくばたついていたグァーネッツォの四肢が、徐々に動きを鈍らせ、ただぶら下がるのみとなっていく。魅魔に精気を吸われているのだ。
「…ぷぁ♪ふふ、貴女の精気、確かに頂いたよ♪」
「…あぁ、はぁ、はぁ…」
離した唇に銀糸を残しながら、魅魔が告げる。対して紅潮した顔を恍惚と蕩かせ、息も絶え絶えといった様子のグァーネッツォ。このユーベルコードの代償として、グァーネッツォは己の精気を魅魔に渡さねばならず。
「…ぼ、僕を無視するなぁ!お前ら、あいつらを捕まえろ!」
「おっと駄目だよ、大人しくしてて?良い子にしてたら、後で素敵なプレゼントをあげるからね?」
流れに置いていかれたことに業を煮やしたドゥマンデと、彼が嗾けようとした霊達に優しい言葉と流し目。ただそれだけなのに、霊達は胸の高鳴りを感じ動けなくなってしまう。
この魅魔の能力は、グァーネッツォが与えた精気の量に比例する。意識を保てるギリギリまで彼女から精気を奪った魅魔の力は、それらの霊なら流し目一発で魅了できるレベルまで高まっていた。
「ぐっ…!?お、おいお前ら、何ぼーっと突っ立って…!」
「愛して欲しくて仕方ないと言うのはキミだね?」
ドゥマンデをも狼狽させたところで、一気に彼の眼前まで詰め寄る魅魔。そして徐に、彼をその両腕にて抱き締める。
「なっ…!?」
「寂しかったでしょう?存分に私に甘えると良いよ。全部受け止めてあげるからね…♪」
犬耳生える頭を撫でながら、優しく、しかし強く。守るように抱き締める魅魔。包み込むような温もりに、ドゥマンデもその胸板へ…。
…胸板?
「…よかったな…『パパ』に愛されて」
傍の地面でぐったりしながら、してやったり、と言わんばかりの顔でグァーネッツォ。
そう、この魅魔はグァーネッツォの意思に応えて毎回異なる姿を持って召喚される。そして今回の魅魔は、容姿こそ中性的であれど、れっきとした男性型なのだ。
「…ち、違う!?ぼ、僕は男なんか…!」
うろたえるドゥマンデ。どれだけ美しく装っていようが男なら一発で看破できる彼の目をも欺く程、魅魔の魅力は凄まじかった、ということだろうか。
「性別の違いなど些細なことだよ、ママみたいに愛してあげるよ?」
「や、やめ、止めろ離せぇぇ!!」
両腕のトラバサミで魅魔の腕を食い千切らんとするドゥマンデだが、しこたま精気を得た魅魔に対してはなかなか歯が立たず。漸く引き剥がした頃には、彼もまた相応に精気を吸われ弱っていたとか。
大成功
🔵🔵🔵
言葉・栞
【アドリブ・連携歓迎・描写NG無しです】
悲しいですね、一方的で自分本位…それは本当に愛なのでしょうか?
私には貴方を受け止める事が出来ません
だからこそ、一方的に求める貴方を止めてみせます!
錬成カミヤドリ…魔力の籠った栞です!
ダメージは少ないですけど、他の猟兵の皆さんの支援にはなるはずです
相手の視界を奪うように栞を操作します
拘束対策は…第六感頼りで避ける様に頑張ってみます!
それに、拘束されても貴方を愛するつもりはありません
求める気持ちは分かりますが、それだけではダメなんです
だからサンタさんは諦めてください!
ミア・ミュラー
まるでオウガみたいな、嫌な笑い方、ね……。こうなっちゃったら、倒すしか、ない。
わたしじゃ何を言っても、あの人を満足させることはできないと、思う。(自分の胸を見て)他の人たちみたいに、包容力?もないし。きっぱり断って二人と戦う、ね。あなたみたいな乱暴な人は、いや。
動きが速そうだけど、空は飛べない、かな?傘で空を飛んで攻撃を避けて、【陽はまた昇る】を使う、ね。詠唱はしないし、太陽は動かせるから、わたしの口とか動きを封じられても、平気。あの人も心の闇も浄化して、あげる。光はみんなを強くもできるから、広範囲に光を当てるようにする、ね。
ん、あなたを愛してくれる人は、ここにはいない、よ。骸の海に、帰って?
愛を求める、というにはあまりに粘着質でギラギラとしたドゥマンデの視線。それを受けるミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)は嫌悪感を露としていた。
「まるでオウガみたいな、嫌な笑い方、ね…」
かつてかの迷宮において、己を喰らわんと追い回していたオウガ。あの時の恐怖或いは嫌悪、そうした過去の感情を想起させるが故、というのもあろうか。
「悲しいですね、一方的で自分本位…それは本当に、愛なのでしょうか?」
一方の言葉・栞(開巻有益・f14552)は、彼の様相を悲しげな表情で評する。真の愛を知ることなく死を遂げたが故に、歪んだ愛しか知らぬ彼への憐憫、なのかもしれない。だが受け止めることもできない。
「…だからこそ、一方的に求める貴方を止めてみせます!」
「…あなたを、満足させることはできない、と思うし。倒すしか、ない」
それぞれ抱く感情は異なれど、その意志は同じ。彼を止めてみせる。決然と言い放つ。
…その間、ミアが己と栞の胸元を見比べつつ、少しだけしょんぼりしたような様子を見せたというのは気にしない方向で。
「なんでそんなこと言うの?照れなくたっていいのに」
が、そんな二人の決意も、ドゥマンデの歪んだ思考の前では単なる照れ隠しとしか映らぬようで。
「ほら、愛してくれていいんだよ、『僕を愛してくれるよね?』」
その問いと共に、彼の身から禍々しく瘴気が溢れ出す。それはドゥマンデ自身と寸分違わぬ姿を形作り…元々いる彼に加え、二人のドゥマンデがその場に姿を現した。
「素直になれないなら、お手伝いしてあげるね!」
本体の意思に応えるかのように、二人の分身ドゥマンデが、それぞれミアと栞へ飛びかかっていく。
「あなたみたいな乱暴な人は、嫌」
ミアは跳躍し、魔法の傘を広げ滞空。以て分身の手を逃れるが。
「きゃぁっ!」
そうした回避の術を持たぬ栞は、分身によって押し倒されてしまう。
「あは、ふかふかであったかぁい…♪」
「やっ、やめ、ダメですぅ…っ。こんなことされても、愛するつもりは…っ」
着衣を大きく押し上げる豊かな胸元へ顔を捻じ込み、柔らかな温もりを堪能する分身ドゥマンデ。何とか逃れようとする栞だが、がっちり組み敷かれてうまくいかない。
「…ん、ぴんち。色んな意味で」
その様を空中から目にしたミア。生命のみならぬ貞操の危機。これは助けねばならぬ。傘の横から、上空へ手を伸ばす。
「諦めなければ、誰にもきっと、光は射す――」
するとその手の先に形作られる、眩い光を放つ光球。更なる上空に輝く太陽には及ばずとも、強い浄化の魔力を放つ魔法の太陽だ。
「「「ぐあ…っ!?」」」
放たれる光は、ミアの敵――即ちドゥマンデ達の身を焦がし。
「…い、今です…っ!」
大地を優しく照らし、味方――即ち栞に力を与える。分身がダメージで怯んだ隙を狙い、彼女はその下から這い出し脱出。
「あっ…!?ダメだよ、まだ離れちゃ…!」
気付いて追いすがろうとする分身だが、太陽の力を得た栞に思うように追いつけない。巧みにその手を逃れる栞がミアの方を見ると、今度は彼女にピンチが訪れていた。
「それ眩しすぎるよ!消してっ、ねえ消してぇ!」
「きゃぅ!?」
もう一体の分身が本体と共にミア目掛けて鎖つきのトラバサミを投擲、彼女の足や腰を絡め取ったのだ。そのまま地面へ引きずり倒されるミア。
「かは…っ」
「へへっ、あっちの眩しくないところへ行こうね…っぷ!?」
全身を強かに地へ打ち付けられ動けぬミアを、分身と二人がかりで暗がりへ連れ込もうとするドゥマンデだったが。その顔面に複数の紙が張り付き視界を奪う。
「これは…栞?」
ミアが見たそれは、勿忘草が描かれた栞。それは即ち。
「ミアさん、ご無事ですか…!」
駆け寄ってきた栞の周りに浮かぶも、同一の栞。それはヤドリガミたる栞の本体、数多の書物に挿まれてきた栞。ユーベルコードの力以て複製されたそれらが、彼女の意思のままにミアを救ったのである。
「だ、大丈夫、ありがと…!」
尚降り注ぐ太陽の光の助けも得て、力取り戻し立ち上がるミア。太陽の光が、更にその力を強める。
「求める気持ちは分かりますが、それだけではダメなんです!サンタさんは諦めてください!」
「ん、あなたを愛してくれる人は、ここにはいない、よ。骸の海に、還って?」
ドゥマンデの一方的な愛に対する、二人の拒絶の言葉。陽光と共に浴びせられたそれが分身達を焼き払い、ドゥマンデ自身をも苛んでゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
深護・刹那
「そぉい!」(そこら辺にある投擲可能なものを那由多と同時に投げつける行為)
え?これじゃない?
愛、愛ですかー…とりあえず物理で愛を語る方向で
「不肖、深護・刹那、参ります!」
『からくり那由多演舞』で仕掛けますわ
ドゥマンテも自分を召喚するでしょうし
わたくしは那由多で応戦しますわ
あらあら、なかなかに激しい愛(攻撃)
ではこちらも仕掛けましょう!
「人形の攻撃をかわすような腑抜けに語る愛など持ちませんわー!!」
と真っ正面から本体にガード無しで那由多ぱんちを受けさせる罠
そして物理的にぶっ飛ばし
ちなみにほとんど嘘です
もちろん人形を粗末にする人は嫌いですけども、ね♪
愛を語るならもっと情熱的にしてくださいませ
「そぉい!!」
「うわぁっ!?な、何するんだよ!?」
突如ドゥマンデ目掛けて投げつけられる石とか金属片。深護・刹那(花誘う蝶・f03199)が相棒たる人形、那由多と共に投げつけたものだ。大したダメージは与えられないものの、ドゥマンデを驚かすには十分だった様子。
「え?これとは違いますの?」
「何とだよ!…あ、そうか照れ隠しなんだね!それなら分かる」
すっとぼける刹那であるが、ドゥマンデの曲解ぶりが更に上を行った。何でも自分の都合の良いように解釈できるタイプはこういう時に強い。
「うーん、これはちょっと予想外ですわね。でもまあ、とりあえず物理で愛を語る方向で」
「カラダで愛を語るってことだよね、いいとも!それで『思いっきり僕を愛してくれるんだよね?』」
更なる曲解の上でドゥマンデが放った問い、愛を求める心が分身を生み出し刹那へと迫っていく。
「ええ、ええ、勿論ですとも。…わたくしではなく那由多が、ですけれども」
敢えて訂正することなく応えた刹那の姿が黒子と変じ、那由多の姿形がより華やかに、女性的に飾られていく。
「さあ、存分に愛をお語りくださいまし?――不肖、深護・刹那、参ります!」
宣言するが早いか、那由多の掌が分身ドゥマンデの振るったトラバサミをかち上げて逸らす。逆手のトラバサミはかわせず、二の腕を咬まれるが、黒子に徹する刹那の援護を受けた俑体はそれだけでは傷つかぬ。
反撃の拳が分身ドゥマンデを怯ませ、返しに繰り出されたトラバサミの牙が那由多の衣を裂く。人形の拳と凶器の拳によって交わされる殴り合い。
「くっ、邪魔だよこの木偶!さっさと壊さなきゃ…!」
「あらあら、なかなかに激しい愛。では此方も仕掛けましょうか」
それまで分身の戦いを見守りながら刹那に迫る隙を窺っていたドゥマンデ本体だが、やはり那由多がいる限り彼女には近づけぬと判断。分身と二人がかりで破壊せんと近づいて――そこで刹那も動いた。
「人形の攻撃をかわすような腑抜けに語る愛など持ちませんわー!!」
「!?」
愛など持たない、その言葉に一瞬ドゥマンデが怯む。刹那はその隙をこそ狙っていた。振りかぶられた那由多の拳は分身から逸れ、近づいていたドゥマンデ自身へと真っ直ぐ叩き込まれる。
「ぐわぁぁっ!?」
思いっきり吹っ飛んでいったドゥマンデ。あまりのダメージ故か分身も消えてしまった。
「まあ、殆ど嘘ですけれど。ですが、もちろん人形を粗末にする人は嫌いですわよ?」
何とか起き上がろうとするドゥマンデを見下ろしつつ、刹那は断言した。人形のヤドリガミとして、至極尤もな見解である。
「愛を語るなら、もっと情熱的にしてくださいませ?」
成功
🔵🔵🔴
彩波・いちご
※相変わらずサンタガール&女性と思わせる催眠継続中
…こちらに惹きつけるためにも女性の振りは続けるのですが
愛を求める行為って、嫌な予感しかしませんよねぇ?!
私自身も喰らいたくないですが、女性が喰らってるのを見たくもないのでっ
こちらでギリギリまで惹きつけつつ
「無理矢理押し付けるのは愛なんかじゃありませんっ!」
【異界の抱擁】で私の影から、詠唱省略で踵を鳴らして触手を召喚して拘束、そのまま締め上げますっ
「ましてや、誰でもいいから欲望をぶつけるような真似を、愛だなんて言わないでくださいっ!」
満足な答えなどあげません
その代わり、この触手が、貴方がしようとした愛の行為を貴方に返してあげますっ
「ねえ、どうしたの?ほら、愛してよぉ。僕のことをいっぱい、さぁ…」
じりじりと迫り来るドゥマンデを前に、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は嫌な予感で背筋を思いっきり震わせていた。彼が為そうとしている行為、それが意味するところを察したが故に。
催眠によって彼に女性と思い込ませることには成功しているが、それ故にいちご自身も彼の欲求の対象となってしまっている。嫌な予感をしきりに感じるのは、そのせいもあるだろう。女性がその欲求の対象となるのはそれ以上に避けたい事態ではあるので、覚悟の上…という部分もあるにはあるが。
「ほら、ほらぁぁっ!僕の全部を受け入れてよぉ!『僕のこと、愛してくれるよねぇ!?』」
問いによって現れた分身と共に、二人がかりでいちごへ迫りゆく。囚われれば組み敷かれ欲望を注がれる器と扱われるは必定であろう。
そして二人がいちごへ圧し掛からんと、彼の影へ二つの足が踏み込んだ――まさにその時。
「無理矢理押し付けるのは愛なんかじゃありませんっ!」
「!?」
叫ぶと同時に踵を鳴らす。直後、いちごの影から噴出したのは大量の触手。ドゥマンデとその分身へ一斉に襲い掛かり、これを拘束する。いちごはまさにこの瞬間のために。迫るドゥマンデを引き付け、迫る恐怖に耐えていたのだ。
「ぐ…ぅっ、抱き締めてくれるのは、普通の腕がいいな…っ」
四肢を猛烈に締め上げられ、息苦しそうにしながらも尚そんなことを宣うドゥマンデ。
「お断りですっ!誰でもいいから欲望をぶつけるような真似を、愛だなんて言わないでくださいっ!」
それは多くの人々の愛を受ける、いちごの在り方が故の怒りか。ローカルとは言えどアイドルとして、また女子寮の管理人として。斯様に下劣なる所業を愛などと認めれば、それは即ち己に愛を与えてくれる人々への侮辱であるが故に。
満足な答えを得ること無きままに分身は消失、ドゥマンデも己の骨の軋む音を耳にしながら拘束され続けていた。
「これが貴方のしようとした愛の行為ですっ、こんなものは愛じゃないと理解できましたか!」
「どうしてそんなこと言うの…っ、僕は愛して欲しいだけなのにっ。捕まえて、締め上げて、閉じ込めるんだよぉぉ!早く、早くぅぅぅ!」
いちごの剣幕に比例し強まる触手の絞撃、苦悶しながらもなお己の愛を振りかざすドゥマンデ。太く強靭な触手は今の所びくともしないものの、油断すれば忽ちにこれを抜け出してしまいそうな気迫…ないしは妄執を感じる。
果てしなく平行線を辿る押し問答は、そのまま暫く続いた。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
あー…微妙にお前の欲望は解らないでもないですよ
でもまぁ…趣味趣向に関してはどうやら相いれないようですね
僕は普通の楽しく互いに気持ち良くの方が楽しいので
お前は僕の欲望を満たす為の礎として…散れ
【医療】で肉体の動きから行動の予測と癖の把握
更に拷問器具の方向性も捕捉
…お前がナイスバディの美少女に性転換してくれたら喜んでたっぷりと愛してあげたんですけどね
【属性攻撃】
光属性を全身に付与して光学迷彩により見えにくく
【迷彩】も利用して更に捕捉されづらくする
【溜め攻撃・盗み・盗み攻撃】で拷問具などの武装強奪とダメージ狙い
不意打ちでわたぬき発動
盗み攻撃で武装を
絶技で「肺の一部」を強奪
ああ、息苦しくないですか?
尚も女性猟兵に迫らんとするドゥマンデの前に、少年猟兵が一人立ち塞がる。
「なんだよお前!そこどけよぉ!」
繰り出されるトラバサミの咬撃をかわしながら、少年――カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は何処か複雑そうな表情を浮かべる。
「あー…微妙にお前の欲望は解らないでもないですよ」
「何だとぉ!?お前に僕の何が解るってんだよぉ!」
カシムとしても、異性に愛されたいという気持ちはある。それ故の言葉であったが、ドゥマンデにとっては軽々しい共感としか感じられなかったらしく。更なる激昂と共にトラバサミを繰り出す。身を捻って回避するカシム。
「でもまぁ…趣味趣向に関してはどうやら相容れないようですね。僕は普通の楽しく互いに気持ち良くの方が楽しいので」
「僕だって普通に楽しく愛し合いたいのに!邪魔するなよ!」
己の行為が明らかにその真逆を行っていることにも自覚のないまま、ドゥマンデは言葉と鉄牙を放つが、カシムはその懐へ潜り込みつつ回避。そして。
「お前は僕の欲望を満たす為の礎として…散れ」
「!?」
驚き飛び退いたドゥマンデの胸元を、カシムの手の中のダガーが掠めた。漏れ出る血液。不意打ちはかわされたか。
「ちっ、思ったより反応が早いですね」
距離を取り仕切り直す両者。しかしドゥマンデがカシムの欲望を満たす為の礎とは、何のつもりなのであろうか。
「くそっ、お前の相手はこいつだ!」
苛立ちも露にドゥマンデが叫ぶと、その背後に揺らめく霊体。それは徐々に人の形を取っていき。
「お前がナイスバディの美少女に性転換してくれたら、喜んでたっぷりと愛してあげたんで…すけ、ど…?」
光魔術を用い、自らに擬似光学迷彩を施しつつ漏れるカシムの軽口が、徐々にその勢いを失っていく。何しろ、その霊体の姿というのが――ショートカットの銀髪に童顔、不釣合いな程に豊かな胸と尻。まさしくナイスバディの美少女であったが故。
「…ぼ、僕と愛し合いませんかーーーー!!」
そして自ら飛び込んでいったカシムである。擬似光学迷彩は早くも解けた。
「おぉ、霊体なのにこの柔らかさ…!冷たいのは残念ですけど!」
胸元に顔を埋め、その感触を堪能する。背中に思いっきり爪を立てられているが気にしていないようだ。
「ふん、じゃあお前も冷たくしてやるよ!」
その間に背後へ回ったドゥマンデ、隙だらけと見えるカシムの首筋に鉄牙を突き立てんとトラバサミの口を開き――。
直後、胸に伝わる違和感。広がる痛み。そして息苦しさ。
「―――!?」
あまりの苦痛に、胸を押さえ膝をつくドゥマンデ。見れば、いつの間にか伸びたカシムの指が、ドゥマンデの胸を捉えていた。そこには肉の一片――よくよく見ればそれは、肺の一部だ。
「…ああ、あまりに煩かったのでつい手が。息苦しくは、ないですか?」
いけしゃあしゃあと言ってのけるカシム。改めて霊体の感触を堪能せんと向き直れば――彼女の姿は、消え失せていた。
成功
🔵🔵🔴
ヘザー・デストリュクシオン
「来たんだね、ヘザー。僕の腹違いの妹」
妹?わたしにお兄ちゃんなんて…。
昔お父さんに愛人がいるって聞いたの…。
でも彼はオブリビオンでわたしの兄弟じゃない。わかってるの。
でも…わたしは…。
猟兵全員の攻撃後、彼に言うの。
いいの。愛してあげる。
もちろん、気持ちいいことは好きな人としたいの。
でも、だれにも助けてもらえず愛してもらえずに死んでしまった彼の寂しさはわたしにもわかる。
お父さんが何をしてもだれも助けてくれなかったから。
だから彼が満足するまで何をされても受け入れるの。
だいじょぶよ、お兄ちゃん…わたしと生きよう?
彼が満足したら頭を猫の頭に変えて甘噛みで生命力吸収。
これでもう、一人ぼっちじゃないの。
「ぐ…っ、ぅ…なんだよ…なんなんだよぉ…!どいつもこいつも…!」
猟兵達との交戦を重ね、最早満身創痍のドゥマンデ。涙目で、覚束ぬ足取りで歩むその姿だけを見れば、虐げられ孤独に震える哀れな少年と。そう見えるかもしれない。
その彼の前に、今一人、新たな猟兵が姿を現した。
「もうボロボロみたい。きっちり、トドメ刺してあげるの」
「……!?お前…は…!?」
ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)。彼女の顔を視界に収め、認識したドゥマンデの表情が、驚愕とも、歓喜ともつかぬ色を帯びる。
「そう…か…。ヘザー…来たんだね…。…僕の、腹違いの妹…」
そして漏れ出たうわ言めいた言葉。ヘザーの耳に届けば、一瞬訝しげな表情を浮かべるも。
(妹?わたしにお兄ちゃんなんて…。…あ)
思い至ったのは、かつて虐げられていた頃の記憶。父が語っていた愛人の存在。つまり彼は…。
爪を収め、構えを解く。彼はオブリビオン。生きていた頃の彼が真に腹違いの兄であったとしても、目の前の彼とは別の存在。それは理解している。しているが…。
「…いいの。来て」
「…ヘザー…」
両手を広げ、兄を呼ぶ妹。妹へ歩み寄る兄。その意味するところは。
「…愛してあげる。…お兄ちゃん」
ヘザーのしなやかな四肢に、無骨な枷が食い込む。ドゥマンデの欲望が、彼女を貫き抉り回す。
不浄の地にまで異物が食い込み、聖域を白い焔が灼き焦がす。
それが快楽なのか、苦痛なのか。ヘザーには解らない。或いは、その両方かもしれない。
本当は、好きあう者と為すべき行い。その認識はヘザーにも有る。ならば、何故か。
「…っぁ、っは、あうぅ…っ。寂しかったよね、お兄ちゃん…!いいの、わたし、わたし、いるから…っ!」
柱から吊るされ、美しく実った果実を握り捏ねられ、甘く噛まれる。流れる涙は苦痛が故か、憐憫が故か。解らない。けれど、確かに解ることがある。
父に虐げられ、周りの誰もが目を逸らし、離れていった。誰にも顧みられず、手を差し伸べて貰えない――孤独。
己は猟兵となり、仲間を得た。友を得た。未だ片恋ながら、愛する人も。だが、彼は。
「はぁ、はぁ、ぅあぁぁ…っ!ヘザー、ヘザー…っ!!」
妹を獣が如く四つ這いとさせ、柔らかに曲線描く臀部を幾度となく打ち据えながら、孤独を、飢餓をぶち撒ける兄。
最後まで孤独なままに死んでいった兄。彼の孤独を癒せるのは、きっと己しかいないから――故に、妹はその身を捧げた。
如何なる苦痛も。如何なる穢濁も。彼の願うまま、望むままに受け入れると。願わくば、彼の心が満たされんことを――。
幾度目かの兄の咆哮。溢れ出る熱で、その身を白く穢されていきながら。妹は、嬌喚と共に祈った。
気付けば日は傾き、路地裏は薄闇に包まれる。
その片隅で、犬の耳尾持つ兄と、兎耳猫尾の妹は、生まれたままの姿で抱き合っていた。
「ヘザー…ああ、ヘザー、ヘザー…」
兄――ドゥマンデの表情は、先刻出会った頃より随分と穏やかで。然しながら、発する声は僅かに震えて。
「だいじょぶよ、お兄ちゃん…」
妹――ヘザーは理解していた。彼はオブリビオン、己は猟兵。迎える結末は決まっている。この兄妹において、それが意味する処を。だから。
「もう、一人ぼっちにはさせないの…わたしと、生きよう?」
その頭部が、猫のそれへと変貌してゆく。生じた牙を、ドゥマンデの首筋に突き立て――はせず、甘噛みに留める。それだけでも、用は足りる。
「あ…ぁ、あぁ……っ……」
ドゥマンデの身が震え、身体から力が抜けていく。他の猟兵達との戦いで受けた負傷、欲望と共にヘザーへ浴びせかけた精気。最早残り僅かとなった彼の生命の灯火を、吸い上げ、取り込んでゆく。
完全に力を失い、ヘザーへ凭れ掛かるドゥマンデの身体。別離の時。――否、約束の時。
「…これでずっと、いっしょなの。…お兄ちゃん」
人の形へ戻った貌で、ヘザーが告げれば。
「…ありがとう…ヘザー…僕の、たったひとりの――」
返す言葉は、皆まで言えず。ドゥマンデの姿は形を失い、霧散していく。
もう、骸の海で独り震えることはない。ヘザーの中に、永遠に在り続けることだろう。最後の最期で出会えた、妹と共に。
「――いっしょに、いこう…お兄ちゃん」
ヘザーの頬を、一筋の涙が伝い、落ちていった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『ダンシングオールナイト!』
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POW : フィジカルを活かしたパワーパフォーマンスで差をつけろ!
SPD : 鋭くテクニカルなスピードパフォーマンスで魅せつけろ!
WIZ : 秒刻みで組まれた精密なブレインパフォーマンスで圧倒しよう!
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「うわぁぁぁぁ!もう駄目だぁぁぁぁ!!」
「ちくしょぉぉ!俺達は、俺達はぁぁぁ!!」
メカサンタを追い回していたオブリビオンの一団は、その頭目たるドゥマンデが斃れたことで壊滅。生き残ったバウムクーヘン怪人達も、泣きながら逃げていった。任務完了である。
「お疲れ様でした、皆様」
やってきたグリモア猟兵、プフェルトラムが猟兵達を労う。
「丁度、フェスの準備も整った処でございます。参りましょうか」
そしてやってきたクリスマスダンスフェス会場の公園。既に日は落ち、煌めくイルミネーションが会場を明るく彩る。
『メェェェ~~リィィィィクリッスマァァァーーーースゥ!Yeaaaaaaaaar!はっはっはーーーっ♪みんなーっ、今年もクリスマスがやってきたよぉーーーーっ♪チキンは食べた?ケーキは食べた?メカサンタさんからプレゼントは貰ったーっ?』
響き渡るはやたらめったらハイテンションな司会のマイクボイス。丁度フェスのオープニングの時間だったらしい。
『超ゴキゲンでイカしたナンバー満載でやっていくから、全力ブチアガって聖なる夜を楽しんでイこうねぇ!HeaaaaaaaaaarWeeeeeGooooooooo!!』
合図と共に超爆音で流れ出すハイスピードでアップテンポなハッピーハードコアナンバー。思い思いに踊り出す住民達。これはなかなか、楽しいフェスになりそうな感じだ。
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。ココニイタカネ、イェーガーサンタチ」
そんな中でもよく通る、老人っぽいロボボイスが猟兵達の耳へ入る。見れば、先程オブリビオン達に追われていたメカサンタがそこにいた。
「ツカマッタワケジャナイケド、タスケテクレタオレイダヨ。イェーガーサンタチニ、プレゼントヲアゲヨウ」
一人につき一個、猟兵達にプレゼントをくれるというメカサンタ。とりあえず形のあるモノなら何でも良いようなので、好きなものをお願いしてみよう。
※改めてご注意:プレゼントはあくまでフレーバーです。実際のアイテム発行はされませんのでご了承ください。
言葉・栞
【アドリブ・連携歓迎・描写NG無し】
POW
もう少し運動できるようにならないと…
先の戦闘は仲間の猟兵さんの助けが無いと危うかったです
運動苦手ですが頑張らないとですね
そうです!
あの、プッフィさん…踊りをご教授頂けませんか?
と誘わせて頂きます
衣装や曲、ダンスの種類はプッフィさんにお任せしますね
折角のクリスマスですからどんな事にも挑戦大丈夫です!
多少恥ずかしくても気にしません!
頑張って踊ってみますが少し気恥ずかしいですね…
でも新鮮で楽しいって…わ!すみません!
うぅ、こけたりぶつかったりしちゃいました…
プレゼントは…頂けるのならバランスボールと運動用衣服でしょうか
あれなら読書と運動が同時に出来ますよね!
ダンスフェス会場にて、思い思いにダンスを踊るキマイラ達の姿を眺めつつ、言葉・栞(開巻有益・f14552)は先程の戦いを反省していた。
(先の戦闘は仲間の猟兵さんの助けが無いと危うかったです…)
先のドゥマンデとの戦闘にて、栞は迫り来た彼の攻撃をかわせず、されるがままになっていた。仲間の助けがあったが故に大事には至らなかったものの、そうでなければどうなっていたことか。
運動は苦手な栞だが、もう少し運動できるよう自分なりに努力しなくては…そんな気持ちが固まりつつあった。しかしどうするか。思案している処に、褐色に銀髪の妖狐が此方へ歩み寄るのが見え…閃いた。
「そうです!」
「私にダンスの指南を?」
「はい、私、運動が苦手でして…それを少しでも克服できればと」
その人物――グリモア猟兵のプッフィことプフェルトラムに、栞は踊りを教授して貰えないかと頼み込んでいた。
栞の事情を聞けば、プッフィも請け負うが。さてどうしたものかと思案する。この場で初心者向けのダンスとなると。
「折角のクリスマスですし、どんな事にも挑戦大丈夫です!…その、多少恥ずかしいことでも!」
拳を握り、普段より4割増くらいの勢いで決意を語る栞を見て、プッフィの口角が吊り上がった。
「それでしたら…♪」
数分後。
「…あ、あの。流石にこれはちょっと…大胆すぎでは?」
「いえいえ、大変お似合いですわよ。それに、私よりは控えめですし♪」
会場内の更衣室から出てきた二人の姿は、この時期ならではのサンタ衣装。ただし栞は肩周りの露出するミニスカワンピ。プッフィに至ってはビキニ姿である。寒いのに。
「踊っていれば寒さは気にならなくなりますわ。さて、予定では次の曲から…」
丁度、先程まで会場内に流れていたトランスが終わり。続いて流れてきたのは、軽快かつアップテンポなユーロビートだ。
「この曲でしたら、初心者向けのダンスがありますわ。では私の動きを真似するように、動いてみてくださいませ」
「は、はい…!頑張ります!」
プッフィが右手を上げれば栞は左手を。プッフィの左手が上がれば栞は右手を。丁度鏡写しのように、栞はプッフィの手の振りを真似ていく。その間、足はリズムに合わせて左右移動を繰り返す。足の動きが単純かつリズムが明快なので、初心者にも踊り易かろう、とプッフィは判断していた。
尤も、栞はダンス自体が初体験。動きがぎこちなかったり、間違えた焦りから変な動きになってしまうのは致し方のないことである。
「どうですか、栞様?」
「や、やっぱり少し気恥ずかしいですね…。でも新鮮で楽しいです」
軽く汗ばんだ顔に笑みを浮かべ応える栞。その声音は心なしか楽しく弾んでいるように感じられる…が、その時。
「って、あわわっ!?」
「あらっ?」
足が縺れてしまい、バランスを崩す栞。そのままプッフィの方へ倒れこみ…ビキニに覆われたのみの褐色の胸元へ顔から飛び込んでしまう。
「あうぅ…って、あ!す、すみません…!」
「いえいえ、減るものでもなし。栞様さえよろしければ、もっと埋まって頂いても♪」
気付き、赤面しながら慌てて離れる栞。プッフィの答えに、更に顔が赤くなってしまったとか。
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。メリークリスマス、イェーガーサン」
BGMが変わり、一休みしていた栞のもとへ、メカサンタがやってきた。
「あ、メカサンタさん。ご無事でよかったです」
「イェーガーサンタチノオカゲダヨ。サテ、アナタノホシイプレゼントハナニカナ?」
問われて思案する栞。折角だし何か貰っておきたいところだが。
「…そうですね、頂けるのであれば、バランスボールを。あれなら読書と運動が同時に出来ますよね!」
運動もしたいが、できれば読書も一緒にしたい、と考えるのが栞らしい。
「イイトモ、イイトモ。サア、プレゼントダヨ」
勿論、とばかりに快く応えるメカサンタ。そして袋をごそごそと漁ると…明らかに袋より大きなバランスボールが現れた。
「あ、ありがとうございます…」
どうやって入れていたんだろう。そんな疑問を感じつつも受け取る栞であった。
大成功
🔵🔵🔵
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ふぅ、怪人もドゥマンデも強敵だった
でも勝てたからパーティー楽しむぞ!
まずは精気養う為に飯だ飯♪
司会もオススメしてるローストチキンも各種ケーキをいっただきま~す♪
「はぐはぐ、もぐもぐ……どれもおいしいし食べ放題、キマイラフューチャーさいこーだぜ♪」
腹ごしらえが出来たらメカサンタにプレゼントをお願いするぞ
「ダンスフェスで盛り上がるためのアフロのカツラがほしいぞ!」
アフロカツラを被ったらレッツダンシング!
リズムにあわせて全身をダイナミックに躍らせて最初からフルスロットル
特に一番盛り上がるサビでは何度も高速回転
フィニッシュはアフロが地面につかない高さまでバク宙だぞ!
「いえーい、今夜は徹夜するぞー!」
「怪人もドゥマンデも強敵だった。でも勝てたからパーティ楽しむぞー!」
ダンスフェス会場の入口で、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は小さな身体をいっぱいに広げて楽しむ意思を漲らせた。
が。そこで盛大に鳴り響くは腹の虫。
「…けど、まずは精気養うために飯だ飯」
何しろドゥマンデとの戦いの際、魅魔にしこたま精気を渡したのだ。動くには問題ないとはいえ、フェスを楽しもうと思ったらもっと活力が欲しい。
近くの参加者から聞いた情報をもとに会場の一角をコンコンすると、早速ほどよく焼けたローストチキンが出てきた。
「あぐっ、むぐむぐ…美味い!食べ応え抜群だな!」
みっちり肉の詰まったローストチキンを平らげると、今度は会場外れの木をコンコン。出てきたのはクリームたっぷりのショートケーキだ。
「もぐもぐ…おぉっ、甘くて美味いな!イチゴの酸味もいいアクセントだぜ」
その後も会場内外を回り、チーズケーキやモンブラン、ブッシュ・ド・ノエルと様々なケーキを食べ比べていくグァーネッツォであった。
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。イイタベップリダネ、イェーガーサン」
そうして腹拵えが済んだところに、ちょうどメカサンタがやってきた。
「おおう、メカサンタ!無事でよかったぜ!あ、プレゼントもらえるんだったか?」
「イェーガーサンノオカゲデネ。プレゼントハ、ナニガイイカナ?」
メカサンタに問われ、少しの間逡巡したグァーネッツォ。ふと視線が会場の中心に向いて…閃いた。
「いやっほーう!盛り上がっていくぜー!」
ダンスフェス会場の中心に飛び込んできた小柄な褐色肉弾、頭には大きなアフロ。グァーネッツォだ。
メカサンタにお願いしたアフロカツラを被り気分はブチアゲ、後はBGMに乗せて踊るのみ!
流れるは腹に響く重低音がリズムを刻むハードコアナンバー。その力強さに乗せるかのように、腕を大きく振るい、足を上げ、小さな身体を目一杯動かし踊る。それとは裏腹に巨きく豊かな双乳が、動きに合わせダイナミックに揺れ弾む。
周囲の参加者達も、自分のダンスを続けながら、彼女の激しい動きに見入っていた。小柄さを感じさせぬ力強い動きだ。
曲の盛り上がりに合わせ、グァーネッツォの身体が高速で回転していく。常人ならば間違いなく目を回す速度も、彼女にとっては朝飯前だ。
全ての音が集束し、曲がクライマックスへと向かっていく。グァーネッツォの回転は尚も速度を増し、音楽が最高まで高まったところで…彼女は高く、高く跳んだ。
褐色の肢体が空中で弧を描き、天を仰ぎながら一回転。過つことなく地へ降り立つと同時に、曲が終わった。
見事なパフォーマンスぶりに、周囲の参加者から拍手が巻き起こる。口笛を吹く者も。
「いえーいっ!決まったぜ!」
グァーネッツォも彼らに応え、更に盛り上がっていく彼らの輪に入っていく。今夜は徹夜で楽しもう、そんな意気込みと共に。
大成功
🔵🔵🔵
彩波・いちご
サンタガール姿で参加します
さてどうしましょう…
…アイドルとしてのダンスパフォーマンスでいいならやってみたいですけど、ステージに空きはありますかねー?
とりあえずは音楽を聴きながらのんびりとイルミネーション眺めて
なんとなく曲に合わせて即興で歌詞を作って歌っていたら、プッフィさん見かけたので声をかけてみます
「お久しぶりです♪」
前に会ったったのが依頼後の温泉の中だった事を思い出してちょっと赤面しつつ…今一人で時間あるならダンスに誘ってみましょう
「1曲お付き合いいただけますか?」
丁度チークダンスの曲に変わったので、2人で手を取ってのダンスを楽しみます
…躓いてとらぶるとかは…しませんよね?(フラグ
BGMはいつしかアイドルポップめいた曲となり、ダンスフェス会場中心のステージでは一人のダンサーが注目を集めていた。
彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。元々地元のローカルアイドルとしても活動している彼である。この手のBGMによるダンスパフォーマンスは十八番と言えよう。
サンタガール姿でステージ狭しと跳ね回り、観客にアピールするかのように大きく手を振ったり差し伸べたりするような振り付けを見せる。その姿は大変に愛らしく、彼が男だと知っていても忘れてしまいそうな勢いだ。
動きに合わせて揺れ靡く妖狐故の耳尻尾も、キマイラ達にとっては親しみを覚える処ゆえか。既に彼のファンになったかのように声援を送る参加者の姿もちらほら。ステージ下で即興のオタ芸めいたパフォーマンスに走る者も。
いちごのアイドルらしいパフォーマンスで会場は大いに沸き上がっていた。
やがて曲が変わり、ステージを下りたいちご。会場を彩るイルミネーションを眺めつつ、今のBGM――自分の得意とする処ではないが好みではあるテクノポップに耳を傾けていた。
いつしかその唇から、即興で紡がれた歌詞が流れ始める。静かにフェスの雰囲気を楽しんでいた処に、前方を横切ってゆくグリモア猟兵の姿が見えた。
「プッフィさん、お久しぶりです♪」
駆け寄り声をかける。プッフィもまた「お久しゅうございます、いちご様♪」と応え微笑む。その褐色の肢体、寒空の下でも変わらぬ踊り子としてのスタイルに、以前の任務で同道した際の――温泉の中での事を思い出し赤面してしまいつつも。
「あの、お時間ありましたら、一曲いかがですか?」
BGMが唐突に、チークダンスじみたムーディなものに変化する。司会曰く『その辺の気になる子と踊って一気に距離詰めちゃおー☆』だそうだ。
そういう関係ではないのだが、と苦笑しつつも、いちごはプッフィの手を取り、互いに踊りだす。身長はプッフィの方が15cm程高いので、傍目にはお姉様にリードされる少女とも見えてしまいそうだが。しっかりとリードしながら肌を合わせて。
ただそうすると、顔の下側にどうしても柔らかな感触が当たるのが気になってしまう。言わずもがな、プッフィの豊満な褐色肉果である。彼女の頭ほどもあろうかという張りのある膨らみが、断続的にいちごの顔を掠めるのだ。健全な男子であれば平常心を保てぬのも無理はあるまい。
そしてそこにいちごの体質が合わされば――いちごの足がプッフィの足に引っかかり、転倒させ。自らもプッフィに引っ張られるように引き倒され。結果、彼女を押し倒すような形で転んでしまうのは、必然であった。
「わわっ…!?す、すみませんっ」
「あんっ♪…ふふ、宜しいですのよ?もっとなさって下さっても」
プッフィの双丘へ完全に顔が埋まり、手は丘を鷲掴むかのように。最早狙っているようにも見えてしまうとらぶるぶりだがあくまで偶然である。
謝罪するいちごをプッフィは笑って許す――どころか更なる行為に誘う。そういう女である。
「し、しませんよっ」
そこは常ならば良識あるいちご、はっきり断り起き上がる。そしてダンスを再開し、この一時を楽しんだ。
大成功
🔵🔵🔵
ミア・ミュラー
プレゼント?いいの?(きらきらした会場を見て)……んー、じゃあ、わたしはこの楽しい風景を残せるものがほしい、な。でじかめ?ん、ありがと。
もらったデジカメで、きらきらした景色とか、楽しそうに踊ってる人たちを撮ろう、かな。食べ物と、ティーセットで淹れた紅茶を持って行ってあげて、代わりに楽しそうなみんなを写真に撮らせてもらう、ね。できればメカサンタさんにも、わたしと一緒に写真撮ってほしい、な。
(適当に飲み食いしながら)ん、いい写真が、撮れた。みんなが楽しそうで、わたしも嬉しい。昔の記憶はないけど、これからこうやって素敵な思い出を作っていけばいい、よね。
「プレゼント?いいの?」
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。イイトモイイトモ。タスケテクレタオレイダヨ。サア、ナニガホシイカナ」
メカサンタの問いを前に、ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)は思案する。これといって欲する品はない、或いはメカサンタに願うものではないが――視線を流せば目に映る、色とりどりのイルミネーション。ダンスに興じる楽しそうな人々。きらきらした眺め。
「…んー、じゃあ。わたしは、この楽しい風景を残せるものがほしい、な」
「ホホウ。デハ、コレハドウカナ」
ミアの答えにサンタが取り出したのはデジカメ。シンプルで操作しやすく、ズームやタイマーといった基本的機能は一通り備えた一品である。
「ん、ありがと。じゃあ早速…メカサンタさん、わたしと一緒に、撮らせてくれる?」
「フム?オヤスイゴヨウダヨ」
受け取ったミア、最初の一枚はメカサンタとのツーショットから。
メカサンタと別れたミアは会場を巡り、あちこちにファインダーを向けてゆく。イルミネーションに彩られたツリー、活気に満ちたフェス会場。
次の被写体を探して視線を向けた先に、休憩中と思しきキマイラやテレビウム達。
「ね、そこの皆、一緒させてもらっていい、かな」
自前のティーセットと、コンコンして調達したお菓子を手に彼らのもとへ。快くミアを受け入れた彼らに、早速紅茶を淹れてあげる。明らかにさっきまで空っぽだったティーポットから紅茶が湧き出し、注がれていく様子に、彼らは驚き興奮する。
「良かったら、写真、撮らせてもらっていい、かな?」
ティーセットとお菓子に舌鼓を打つ彼らに願えば、ふたつ返事で承諾。ティータイムを楽しむ様子と、休憩を終え再び踊り出した様子と。その笑顔もばっちりと捉えてみせた。
「…ん、いい写真。いっぱい撮れた」
一通り会場を巡り、撮らえた画像を見返して。コンコンして手に入れたホットミルクを啜りつつ、数多収めたフェスの様子に満悦げなミア。画像の中の人々は、皆とても楽しそうな顔をしている。ミアにとっては、何よりそれが一番嬉しかった。
アリス適合者としてかの世界へ召喚されたミアは、それ以前の記憶を持たない。けれど悲観はしない。白紙のダイアリーには、素敵な思い出を綴っていけばいい。空白の記憶は、きらきらするもの達で満たしていけばいい。
ダンスフェスはまだ続く。もう少し、思い出を増やせるだろうか。ホットミルクを飲みきったところで再び立ち上がると、賑わいの中へと戻っていった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
結局彼は幸せな最期を迎えたようですね
それも善しですか
プレゼント
折角なら媚薬的な物がいいですが流石に厳しいでしょうかね?
基本プッフィと遊ぶつもり
これでも盗賊やってたんです
踊って魅せましょう
とは言え割とハードですねっ!
それでも此処まで来ることが目的だったんですから力は尽くすっ!
ジャンル
ストリートダンス
こういうアクロバティックな動きは割と合ってる気がしますね(スピーディに
BGMのジャンルはお任せします
休憩時にたっぷりとじゃれつきましょう
考えてみればこうしてじゃれるの初かもですね(もふもふ
色々溺れきっちゃって
受け入れられたらすっかりすりすりしちゃってまったり
うん、クリスマスを祝うのは初ですが良い物です
「結局彼は幸せな最期を迎えたようですね。それも善しですか」
伝え聞いたドゥマンデの最期を、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はそう評した。思う処が無いではないが、悪い結末ではないだろう。
それより今はプレゼントだ。媚薬的なものを所望した彼に、メカサンタはすんなりとそれっぽい小瓶を取り出してみせた。間違いなく良い子向けの品ではないが良いのだろうか。
「これでプッフィさんと遊べれば…♪」
「あら、私と遊ぶのでしたらそのようなものは必要ないのでは」
メカサンタを見送り、薬の用途を思案するカシムの背後からいきなり声。プッフィである。
「ぷ、プッフィさんー!?」
「はいプッフィですわ♪カシム様ってば厭らしい…うふふ♪」
慌てるカシムに、しなを作って見せるプッフィ。誘っているのか。
「そ、それはともかく!今夜は僕と遊んでくれませんか!」
照れ隠しなのかいっそストレートにいったつもりなのか。思い切った調子で言うカシムに、プッフィは頷いた。
「これでも盗賊やってたんです、踊って魅せましょう!」
ダンスフェス会場のメインステージ前までやってきたカシムは宣言する。
「ええ、期待させて頂きますわね」
見守る構えのプッフィ。この期待には応えねばと意気込むカシムであるが。
(とは言え割とハードですねっ…!)
何しろ戦闘をこなしてきた直後である。体力の消耗もそれなり以上だ。
(それでも此処まで来ることが目的だったんですから、力は尽くす…っ!)
そのためにバウムクーヘン怪人との戦いから参加していたカシム。律儀というかなんというか。
そこで丁度BGMが切り替わる。軽快なヒップホップ。ならば自分の得意なダンスでいける。意を決して踊りだす。
その動きは所謂ストリートダンスに近い。アクロバティック且つリズミカルに。足を大きく振り上げ、突き上げ、スピーディに踊りこなす。
最後は前後開脚での着地でフィニッシュ。プッフィのみならず、付近で見ていた他の参加者からも拍手が上がった。
「お疲れ様でした。とっても素敵でしたわよ…あんっ♪」
「んー…プッフィさん…♪」
ダンスの輪を離れるカシム。迎えたプッフィに抱きつき、じゃれつく。
「ふふ、カシム様ってば♪」
「こういうこと、今までずっとやりたかったのにやれてなかった気がして…」
豊かに膨れた双の膨らみに顔を埋め、感触を堪能する。プッフィも拒むことなく受け入れ。
「では、あちらで一休みしつつゆるりと…♪」
案内されるまま片隅の休憩場所へ。思うさま、褐色の柔らかさに包まれたカシムであった。
大成功
🔵🔵🔵
深護・刹那
はふー、終わりましたわねえ
これでひと安心ですわ
この後は確かダンスフェス…せっかくですし、寄って行ってみましょうか
……ふっ、音楽性の違いがここまですごいとは
しかしわたくしも音楽を嗜む身
引き下がるわけには
「不肖、深護・刹那、参ります♪」
っとその前に
メカサンタさん、ご無事でしたのね
あら、プレゼント頂けますの?
ではそうですねえ
キマフューで流行りの美味しいケーキとか!
クリスマスですし!
さて那由多はちょっとお留守番にして
今宵はわたくしのダンスパフォーマンスで戦う(?)としましょう
フェイントや咄嗟の一撃や世界知識なんかも活用したらたぶんなんとか人の目の前に出してもお見苦しいものにはならないはず!………はず。
「メカサンタさん、ご無事でしたのね」
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。イェーガーサンノオカゲダヨ」
メカサンタの無事を認め安堵する深護・刹那(花誘う蝶・f03199)。ドゥマンデと交戦している間は姿が見えなかったので少々不安ではあったが、無事ならば全て良しだ。
「オレイニプレゼントヲアゲヨウ。ナニガイイカナ?」
「あら、プレゼント頂けますの?では、そうですねえ…」
少々考え込む刹那。特に欲しいものはない、或いは彼に願うようなものではないが。
「…キマフューで流行りの美味しいケーキとか!クリスマスですし!」
「ウム、イイトモ。…サア、ドウゾ」
その答えを受けたメカサンタ、プレゼント袋を暫し探ると…取り出してきたのはクリームたっぷり苺乗せ、シンプルなショートケーキだった。
何しろ流行り廃りの物凄く激しいキマイラフューチャーである。常に安定して支持される王道こそ流行では?と見る向きもあるようだ。
「ありがとうございます♪…ええ、美味しゅうございますわ♪」
「ホーウ、ホーウ、ホーウ。ヨロコンデクレタナラナニヨリダヨ。デハ、ヨイクリスマスヲ!」
美味しいのでアリか。そう考え直しつつメカサンタを見送った刹那。暫し、ケーキを堪能した。
「はふー。美味しゅうございました♪ダンスフェスの方も、折角ですし寄って参りましょうか」
ケーキを平らげた後はフェス会場の中心、ステージ方面へ。歌や踊りが趣味であり、また思い入れもある彼女であるが故、興味はあったのだが。
「…ふっ、音楽性の違いがここまですごいとは。バンドでしたら脱退解散待ったなしですわね」
流れる音楽はジャンルに細かな差異こそあれど、テクノ系のサウンドが中心。どちらかというと伝統的な音楽を好むのか、刹那としては些か畑違いであったようだ。
「しかしわたくしも音楽を嗜む身。引き下がるわけには」
それでも、ここまで来た以上は一曲踊っていかねば花誘う蝶の名が廃るというもの。丁度、BGMが和風テクノといった雰囲気の音楽になった。これならいけるか。
「不肖、深護・刹那、参ります♪」
ステージへと上がっていく刹那。相棒たる那由多は此度はステージ脇にてお留守番。
アップテンポでハイスピードなBGMに乗せて激しく、しかし優雅に舞い踊る。腕を上げると見せて横に払う、動きが緩やかになってきたと思えば急速に激しさを増す、そんな予測不能な動きは参加者達の視線を釘付けにする。
キマイラが多数を占めるこの世界らしく、動物をモチーフとした振り付けも取り入れてみたりしつつ、即興で様々な動きを披露。
何とか人前に出しても見苦しくないものを。そんな気持ちでステージに上がっていた刹那ではあったが、一曲踊りきれば周囲からは拍手も巻き起こるほど。
己の矜持はしっかり保てた気がする。一安心の刹那であった。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年12月31日
宿敵
『愛を求める者・ドゥマンデ』
を撃破!
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