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虹色宝具~聖夜のクリストバウム

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #勇者 #勇者の伝説探索 #虹色宝具

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 伝説の勇者が『ルーメンの森』で授かったといわれる、伝説の宝具。
 その剣・盾・鎧は、七彩に耀く虹の加護を受けていたという。
 虹色宝具纏う勇者の足取りは、幾つかの街で今も語られているようだけれど。
 はじまりは、ここ――光と森の街『イーリス』だと、知っていたかい?
 今だってそう、それなりの規模を誇るこの城下町は、活気と光に満ちている。
 特にこの時期……イーリスの街も、ルーメンの森も、一等その輝きを増す。
 勇者様の旅立ちを祝うイーリスの『聖夜祭』は、一年で一番賑やかで。
 ルーメンの森の樹木には、イルミネーションの様にキラキラ輝く、七彩の輝石がたわわに実るのだから。

●光と森の街『イーリス』
 アックス&ウィザーズの世界でも、比較的大きな規模だという城下町。
 光と森の街『イーリス』が一年で一番賑わうのは、今の時期なのだという。
 それは、大規模な冬の祭り――『聖夜祭』が開かれているから。

 『聖夜祭』のこの時期、イーリスの街では、沢山の露店が並ぶ大規模な市が開かれる。
 そんな『聖夜市』で手に入るのは、食べ物から雑貨、装飾品、武器や防具等、様々。
 冬やクリスマスを思わせるモチーフのオーナメントやスノードーム、キャンドルやキャンドルホルダー、置物や人形や日用品等……心躍る雑貨の数々。
 また、街の傍にある『ルーメンの森』で採れる名産品、虹色の輝石で作った各種アクセサリーも人気だ。
 それに、祭りに訪れる沢山の人を目当てに、武器や防具の店も並ぶという。
 数多並ぶ賑やかな露店を巡れば、気に入った掘り出し物に出会えるかもしれない。

 そして、祭りの醍醐味といえば――美味しい食べ物や飲み物。
 食欲をそそる香り漂わせた、食べ物の屋台や店もずらり並んで。
 温かい飲み物や酒類、ローストされた肉、パリパリの食感が堪らないソーセージ、温かいスープ、甘くて可愛らしいお菓子等……色々な物が味わえる。
 成人していれば、オレンジピールやシロップを加え温めたホットワインは一番人気で。他にもエールや蜂蜜酒のミード等、酒類も豊富。未成年や酒が苦手な人には、紅茶や珈琲、ホットミルクやココア、少し変わった葡萄や林檎のホットドリンク等も。
 雪がちらつくこともあるこの時期、身体の芯からあたたまる食べ物も沢山。
 焼きたてソーセージを、立ち食いするのも良し、キャベツの酢漬けと共にパンに挟んでもらうのもまた美味。厚切りの豚ハムにマスタードをつけて食べたり、酒のつまみにサラミをいただくのも美味しいだろう。豆やきのこや野菜や肉、好みの具材を入れて貰える口当たりの良いスープを飲むのも、身体の芯からきっとほっこり温まる。
 そんな屋台の食べ歩きも楽しいけれど、賑やかな街を眺めつつ、店でゆっくり食事を取ることもできる。
 露店で食べられるもの飲めるものは勿論、ローストターキーやローストビーフ等を豪勢に頼んでみるのもいいかもしれない。
 それに、甘くて可愛いお菓子もいっぱい。
 甘くて可愛い見た目の、串に刺さったフルーツチョコレート。イチゴやオレンジ、キウイにパイナップルなど様々な種類のフルーツがチョコレートで包まれ、串で売られている。チョコレートもプレーンだけでなく、ミルクやビターやホワイトも選べ、ナッツなどのトッピングも可能のようだ。
 それに、ドライフルーツぎっしりのプディングやパイやケーキなども評判で。
 焼き立てのクレープの中身は、フルーツとクリームの甘い物も、ソーセージや肉やチーズ等甘くない軽食の様な物も、どちらも好みに合わせ選べる。
 食べ歩くのも、景色を眺めながらでも、店で座って堪能するのも良し。
 好みのスタイルやペースで美味しいひとときが楽しめるだろう。
 ふらり散策しつつ、旅芸人の催し物等を楽しむのもいいかもしれない。

 そんな『聖夜祭』だが……はじまりは、旅立つ勇者を称えるものであったという。
 この街の名産物・虹の輝石は、街の傍に広がる『ルーメンの森』で採れるというが。
 森の妖精たちの贈り物だと言われているそれは、森に群生する常緑性の針葉樹に実る。
 月や星の輝く夜に見れば、その輝石光る樹木は、まるでクリスマスツリーの様にキラキラと煌めいて。天然のイルミネーションのような景色であるらしい。
 そして森の最奥で、伝説の勇者は伝説の剣・盾・鎧――虹の加護を受けた宝具を授かったと伝えられているが。
 『ルーメンの森』は今、入り口付近までしか立ち入れないという。
 それは、森の奥へと向かった者が戻らないという事案が起こっている為のようだが。
 煌めき纏う聖夜の森の奥には――人々を脅かす、不穏な影が。

●勇者の伝説:虹色宝具
「光と森の街『イーリス』。アックス&ウィザーズで比較的規模の大きなこの城下町で、虹色宝具纏う勇者の伝説が語られていることがわかった」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は集まってくれた皆に礼を言った後、視た予知の内容を語る。
「遂に、天空に浮かぶ「群竜大陸」へと踏み入る事に成功したが。群竜大陸を目指した勇者の痕跡を引き続き探す事、それは、大陸を発見できたように、帝竜ヴァルギリオスに近づく事にも繋がるかもしれない」
 虹の宝具とそれを纏う勇者に関する伝説は、これまでも何度か予知されているが。
 今回は、その虹の宝具が生まれたという伝説がある街が見つかったという。
 それは比較的規模の大きな城下町、光と森の街『イーリス』。
「この街は人の行き来も活発な大きな街であるが、特に今の時期は『聖夜祭』という祭りが開かれており、沢山の露店が並ぶ『聖夜市』には多くの人が足を運ぶという。この季節ならではな物から珍しい品まで、様々な物が揃っているようであるし。美味な冬の味覚も沢山楽しめるようだ」
 そして、イーリスの街の名産品は、七彩を帯びた虹の輝石だというが。
「これは、イーリスの傍の『ルーメンの森』の樹木に生る、珍しい輝石だというが……勇者が宝具を授かったという森の最奥に、人々を脅かす影がみえた。今、一般人は森への立ち入りが容易にできぬようになっているが。事件解決の為だと許可を得れば、問題なく入れる。ただし許可がおりるのは『聖夜祭』が終わった深夜のみ。なので、それまで『聖夜祭』を楽しんだり、腹拵えをしたり、必要な物を市場で揃えたりできるだろう」
 そして、七彩を帯びた虹の輝石が輝く『ルーメンの森』の樹木は、まるでクリスマスツリーのようで。
 雪もちらつくこの時期、幻想的で美しい聖夜の風景がみられるのだという。
 この森で手に入る虹の輝石も、ひとつふたつであれば持ち帰っても構わない様なので。
 森の奥に潜む不穏な影の調査や対処は勿論、森の妖精の贈り物だといわれている輝石のお裾分けを貰うのも良いだろう。
「規模の大きな城下町で行われる『聖夜祭』は、その祭りや市場の規模も大きく、大変賑やかであるようだ。勇者伝説の調査ではあるが、折角の機会だ、皆も楽しんでくれればと」
 清史郎はそう微笑み、七彩輝く聖夜に皆を導くべく、その掌に満開桜のグリモアを咲かせたのだった。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いします!

 ※ご連絡※ 第1章のプレイングは、12/12(木)朝8:31より受付開始します。
 それ以前に送信のものは流れる可能性があります。

 今回のシナリオの時間帯は夜、内容は以下となっております。

 第1章:王国の城下町(日常)
 第2章:夜空の下で探索を(冒険)
 第3章:木の精霊・まんどらめぇめ(集団戦)

 第1章は、規模の大きな城下町の『聖夜祭』をお楽しみいただける日常を。
 第2章は、七彩の輝石が生る樹木が群生する森の探索を。
 第3章は、集団戦です。
 POW/SPD/WIZは参考程度に遊んでいただいてOKです!

 第1章では、『聖夜祭』をご自由に楽しめます。
 市場で買い物したり、屋台を食べ歩いたり、店で少し贅沢に食事したりできます。
 森への立入り許可を取る等は気にせず、ご自由に楽しんでいただいて構いません。

 第2章では、ルーメンの森の探索です。
 森には、七彩の輝石輝くクリスマスツリーの様な樹木が群生しています。
 その美しく幻想的な聖夜の景色を楽しみつつ、森の奥へと向かっていただきます。

 第3章では、人々の平和を脅かす存在との戦闘になりますが。
 運が良ければ、虹の輝石の装飾や物品を、敵から手に入れられるかもしれません。
 戦闘はプレイング次第ですが、純戦というよりは、イベント寄りになりそうです。

 公序良俗に反する事、他の人への迷惑行為、未成年の飲酒は厳禁です。
 第2章第3章の詳細は、前章の結果を受け、追加OPを記載します。
 締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入お願いします。
 ご記入ない場合、相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが複数人の場合は失効日の関係上、同行者と送信タイミングが離れすぎていたり、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 可能な限り皆様書かせていただきたく思っています。
 どうぞお気軽にご参加ください!
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第1章 日常 『王国の城下町』

POW   :    武器や防具など、装備品を物色する。

SPD   :    食事を楽しんだり、吟遊詩人の歌を聴いたりして楽しむ。

WIZ   :    珍しいマジック・アイテムや書物、アクセサリーなどを探す。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎殿と屋台で食事をするのも数えられなくなってきましたね
服は沢山着込んでいれば寒さも平気ですよ
それに、手も繋いでおりますしね

お酒も体を温めるには良いです
何より良い香りがします、一体何のお酒なのでしょう
ほっとみーど……なるほど、温かい蜂蜜酒ですね

お酒に摘まむものは倫太郎殿に選んで貰います
甘いお酒と一緒に食べる食事も格別ですね
体もお酒のおかげか程好く温まってきて、心地が良いです

りんたろ殿、如何されましたか?
食事はまだまだありますよ
私は、お酒が美味しくて……そちらばかり……

……少し、眠くなってきてしまいました
りんたろ殿、すみません
少しだけ……目を瞑らせてください


篝・倫太郎
【華禱】
祭りつったら屋台だろ……
寒くてもさ

そんな話をしながら夜彦と屋台の並んだ通りを歩く
この賑わいだし、手はちゃんと繋いで

つーか、寒いからこそ温まろうぜ?
酒を振る舞う店からの甘い香りに誘われて

店を覗けば湯気のたつ……あぁ、ミードか
ホットミードはちょっと珍しいかも

パリパリのソーセージ
腹を満たす肉と豆の煮込み
その辺と一緒にホットミードを堪能

夜彦?
甘くて口当たり良いからって
飲み過ぎ……

この人が酔うとニコニコっぷりが普段のン倍マシになるのは知ってる
うんうん……言動も幼くなってる……

戦後処理で今エンパイア大変だから
奔走して疲れてるだろうしな……

肩に凭れて寝落ちる夜彦に
「お疲れさん」
そう小さく囁いて……



 澄んだ冬空の下、普段であれば星が瞬く静かな夜であるのだろうけれど。
 この日の城下町は、人々が数多行き交い、活気に満ち溢れている。
 それもそのはず――今の時期、イーリスの街では『聖夜祭』が行われているから。
 そして、そこかしこからあがるのは、美味しそうな匂いを纏う湯気。
「倫太郎殿と屋台で食事をするのも数えられなくなってきましたね」
 ぐるりと食べ物並ぶ屋台に緑色の視線を巡らせ、言った月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)に。
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は、白い息を吐きながらも返す。
「祭りつったら屋台だろ……寒くてもさ」
 夜彦の言う通り、もう何度もこうやって、色々な世界の祭りの屋台で美味しい物を一緒に食べたけれど。
 その風景や美味しさは、ひとつひとつ違っていて、いつも新鮮で。
 共に過ごしてきた季節もあっという間に巡り、冬がやって来た冬。
 そして倫太郎の言葉通り、すっかり寒くなったけれど。
「服は沢山着込んでいれば寒さも平気ですよ」
 夜彦は、隣の倫太郎へと巡らせていた視線を留めて、微笑んで続ける。
 ――それに、手も繋いでおりますしね、って。
 冬が来て余計に、逸れぬ様にと繋いだ手と手のあたたかさが、じわりと染み渡り伝わって。
 いつの間にか、混ざり合いひとつの体温になる……それは、いつだって嬉しい温もり。
 そしていつも通り会話を交わしながら、屋台が並んだ賑やかな通りをふたり歩いていれば。
「つーか、寒いからこそ温まろうぜ?」
 ふわりと鼻を擽るのは、甘い香り。
 そんな匂いに誘われて、酒を振舞う店を覗いてみると。
「お酒も体を温めるには良いです。何より良い香りがします、一体何のお酒なのでしょう」
「……あぁ、ミードか。ホットミードはちょっと珍しいかも」
 首を傾けた夜彦は、倫太郎の声に、こくりと小さく頷いて。
「ほっとみーど……なるほど、温かい蜂蜜酒ですね」
 湯気のたつ甘い香りの正体に、納得。
 そして酒と一緒に摘まむものをと、倫太郎が選んで買ってきたのは、あたたかくて美味しい食べ物。
 噛めば弾けるようなパリパリのソーセージに、腹を満たす肉、数種類の豆にしっかり味が染みた煮込み。
「甘いお酒と一緒に食べる食事も格別ですね」
 吐く息の白さとは裏腹に、酒も入り腹も満たされてきて、ぽかぽかと程よく温まっている体。
 そして……ほわりとそう心地良さに笑む夜彦を見て、倫太郎は琥珀色の瞳をぱちくり。
「夜彦?」
「りんたろ殿、如何されましたか?」
「甘くて口当たり良いからって、飲み過ぎ……」
 食事はまだまだありますよ、なんて楽しそうにソーセージを差し出すその姿を。
 改めて、倫太郎は見つめながら、くすりと笑む。
(「この人が酔うとニコニコっぷりが普段のン倍マシになるのは知ってる」)
 それに、りんたろ殿、と自分を呼ぶその声も。
(「うんうん……言動も幼くなってる……」)
 次第に甘ったるく、微妙に呂律も回らなくなっていて。
 普段は凛として大人な雰囲気が、途端に、どこか可愛らしく幼くなる。
 そう自分を見つめる倫太郎へと、夜彦は視線を返して。
「私は、お酒が美味しくて……そちらばかり……」
 とろんとした瞳を数度擦って、こてんと倫太郎の肩へと身を預ける。
「……少し、眠くなってきてしまいました。りんたろ殿、すみません」
 ――少しだけ……目を瞑らせてください、って。
 酒も入ってお腹も一杯、そして全身に感じる倫太郎の体温は、とても心地良いから。
 そんな、すうっと寝息を立て始めた夜彦に肩を貸したまま、倫太郎は思う。
(「戦後処理で今エンパイア大変だから、奔走して疲れてるだろうしな……」)
 平和になったはずの故郷を脅かす輩の目論見を打破するために、ここ最近ずっとサムライエンパイアに赴いては奔走しているその姿を、一番近くで見ているから。
 肩に凭れて寝落ちる夜彦を起こさないよう、倫太郎は愛し気にその視線を向けて。
「お疲れさん」
 白い息とともに、そう小さく囁いて――。
 改めて混ざり合うのを感じるのは、寒さなんて忘れるほどに温かい――大切な人と自分の体温。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・還
アメーラ(f03728)の手を取り指を絡めていざ露店巡りだ♪

露店を巡るうちに酒類が豊富で目移りしてるアメーラを可愛いなぁって見つつ、飲み過ぎるとこの後大変になるよって注意

ホットミルクにブランデー入れて貰ったのと食べ物を幾つか買って人気のないとこで二人だけで楽しんじゃおう
家でリラックスする時に飲むのとは違った感じがするの不思議だよねぇ

クレープは二人で半分こ
夢中で頬張ってるのを横で眺めつつ、幸せだなぁって呟いて
ほっぺたにクリームが付いてたら指で拭ってあげる

ふふ、星空やイルミネーションもイイけど、やっぱ俺はアメーラを見てるのが一番だなぁ

うん、アメーラが淹れてくれた珈琲が一番
やっぱこれだけは外せねぇや


アメーラ・ソロモン
ふふふ、還(f02594)とデート♪
還と手を繋いでいれば寒さなんて屁でもないし、まずは思う存分楽しませてもらおうかな!

しかし露店は誘惑が多いねぇ…あ!あそこのクレープ美味しそうだよ!
苺に生クリームとカスタード…あと蜂蜜もたっぷりかけておくれ!還と二人で食べるんだ、ふふふ
肉たっぷりのホットサンドは二人分買って…これでよし

祭りの喧騒から離れて森の近くで二人きりに
虹の輝石に満点の星空…綺麗だねぇ還

じゃあお決まりの味で締めと行こうか!
懐から魔法瓶を取り出して
中身は私が淹れた珈琲と、還が淹れてくれた紅茶
互いにコップへ入れあってほっと一息
星空とイルミネーションを共に眺めながら過ごそう

互いにアドリブ大歓迎



 冬の澄んだ夜空には、いつも通り無数の星が煌めいているけれど。
 今夜の城下町を煌々と照らしているのは、活気溢れた露店に燈された灯り。
 毎年盛り上がりをみせるという、勇者の旅立ちを称えるイーリスの『聖夜祭』。
 今宵の祭りにも沢山の人々が訪れ、大盛況なのは一目瞭然だ。
 そんな中、色の異なる揃いの月長石の煌めきを揺らしながら。
 手と手を繋ぎ、確りと指を絡め合い、露店を巡る終夜・還(終の狼・f02594)とアメーラ・ソロモン(数多の魂を宿す者・f03728)。
 もう季節はいつの間にかすっかり冬になり、吐く息も白いけれど。
 でも、アメーラにとっては寒さなんて、何の問題もない。
(「還と手を繋いでいれば寒さなんて屁でもないし、まずは思う存分楽しませてもらおうかな!」)
 ぎゅっと握り合った手から伝わる相手の体温が、じわりと体中に染み渡って。
 こうやって還とデートをしているひとときは……思わず笑みが零れるほど、楽しくて幸せで仕方がないから。
「しかし露店は誘惑が多いねぇ……」
 そうふたりで並んで歩きながらも、きょろりと忙しなく巡らせる視線。
 露店からあがる湯気からはそれぞれ、魅力的な良い香りを漂わせていて。
 ほかほか作り立ての料理や飲み物は、どれも美味しそうで目移りしてしまうけれど。
 アメーラの視線がぴたりと止まったのは、甘い香りのする露店。
「あ! あそこのクレープ美味しそうだよ!」
 ウキウキと逸る様に、還の手を引いて。
「苺に生クリームとカスタード……あと蜂蜜もたっぷりかけておくれ!」
 ……還と二人で食べるんだ、ふふふ。
 そう、出来立てのクレープを受け取り、嬉しさに笑顔咲かせるアメーラ。
 そしてスイーツだけでなく、お腹を満たせる肉たっぷりのホットサンドも、二人分買って。
 ……これでよし、そう呟くけれど。
 ちらりと目にした豊富な酒類も、ちょっぴり心惹かれる気がする……?
 そんな、色々と目移りしつつも、戦利品をほくほくと抱えるアメーラの姿を見つめて。
 可愛いなぁって、そう思いながらも。
「飲み過ぎるとこの後大変になるよ」
 そう、声を掛けておく還。
 そして還も、温かい湯気たつホットミルクにブランデーを入れて貰って。
 食べ物も幾つか買った後、ふたり手を繋いで向かった先は……祭りの喧騒から離れた森の近くの、人気のない静かな場所。
 そして買ったものを食べながら、これからは、二人っきりの楽しい時間。
「虹の輝石に満点の星空……綺麗だねぇ還」
 眼前の森に煌めくのは、木々に実り七色に光る虹の輝石。
 澄んだ空にだけでなく、地にも輝く星の如き光たち。
「家でリラックスする時に飲むのとは違った感じがするの不思議だよねぇ」
 そんな景色を二人占めしながら口に運ぶものは、やはり何だかちょっぴり特別で。
 仲良く半分こした苺クリームのクレープも、より一層甘い気がする。
 そんな、蜂蜜もたっぷりかけて貰った甘いクレープを、はむりと頬張る隣のアメーラを見つめながら。
 幸せだなぁって、そう呟いて。
「ふふ、星空やイルミネーションもイイけど、やっぱ俺はアメーラを見てるのが一番だなぁ」
 ふいに伸ばした還の指がすいっと掬ったのは、彼女のほっぺたについたクリーム。
 それを拭って、ぺろりと一等甘い味に笑んだ後。
 還は彼女と戦利品を仲良く分け合いながら、沢山存分に堪能して。
「じゃあお決まりの味で締めと行こうか!」
 アメーラが満を持して懐から取り出したのは、魔法瓶。
 その中身は――自分が淹れた珈琲と、彼が淹れてくれた紅茶。
 それを互いにコップへと入れあって、口に運べば……ほっと一息。
 煌めく星空と天然の森のイルミネーションを共に眺めながらも、やっぱり落ち着くのは、いつものこの味。
「うん、アメーラが淹れてくれた珈琲が一番」
 還もそうこくりと大きく頷いて。幸せそうに白い息を星空に吐きながらも紡ぐ。
 ――やっぱこれだけは外せねぇや、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月見里・美羽
この世界の、音楽を聞きたくて

温かなココアとフルーツチョコレートをいただきます
少し欲張りすぎたかしら…
でもフルーツチョコレートはホワイトでナッツのトッピングを
お行儀悪く食べ歩きながら目当ては旅芸人の催し物

音楽の演奏が始まれば食べるのも忘れて曲を聞きます

データに取れば、いつでもこの素敵な曲を聞けるけれども
ライブだからこその「生きている曲」が好き
それを聞くために、世界を回ると言っても過言じゃないです
あれはなんという楽器だろう
この歌詞はきっと『聖夜祭』を祝福しているのね
そんなふうに食べるのも忘れて聞き入って

素敵なご褒美をいただきました
惜しみない拍手を旅芸人さんたちに贈ります

絡み、アドリブ歓迎です



 いつもは夜になればきっと、澄んだ空気と静寂が支配するだろうこの世界。
 けれど、今宵のイーリスの城下町に溢れるのは、様々な活気に満ちた音たち。
 そんな星が煌めく冬空の下、沢山の人々の喧騒をゆく一番星は、月見里・美羽(星歌い・f24139)。
 その手には、ほわり湯気のたつ温かくて甘いココアと、串に刺さったフルーツチョコレート。
「少し欲張りすぎたかしら……」
 青の髪を微かに揺らし、そう美羽は小さく首を傾けるけれど。
 串に刺さった瑞々しいフルーツたちは、ホワイトチョコをたっぷりと纏っていて。
 ぱらりと振りかけた歯応えのあるナッツのトッピングがまた、良いアクセントとなっている。
 寒い身体をぽかぽか温めてくれるココアを口に運べば、広がる優しい甘さ。
 そんな戦利品を、お行儀悪く食べ歩くけれど……祭りで賑わう今宵は、お行儀良くしなくても大丈夫。
 そして何より、美羽のお目当ては――旅芸人の催し物。
 聞こえてくる旋律に誘われるように、城下町の広場へと足を運べば。
 丁度はじまるのは、吟遊詩人が弾き語る生演奏。
 手にしたフルーツチョコレートを食べるのも忘れ、暫しその唄に耳を傾ける美羽。
 そう、美羽がこの地を訪れた目的、それは――。
(「この世界の、音楽を聞きたくて」)
 データに取れば、いつだってこの曲を聴ける。
 それはそれで、素敵なことではあるのだけれど。
(「ライブだからこその「生きている曲」が好き」)
 だから、星歌いの少女はその足で世界を巡るのだ。
 「生きている曲」――その刹那的で特別な音を、この耳で聞くために。
 そして、まるでこの世界の様な、詩の様に流れる歌を聴きながら、美羽はふと吟遊詩人を見つめる。
(「あれはなんという楽器だろう」)
 朗々と歌い上げられる曲調にぴったりな、素朴な音を奏でる見慣れぬ楽器。
 並ぶ露店の中にはきっと、楽器を扱っている店もあるだろう。
 少しそういう店も見て回ろう、なんて思いながらも。
(「この歌詞はきっと『聖夜祭』を祝福しているのね」)
 歌い紡がれる物語は――そう、虹の宝具を授かった勇者の冒険譚。
 またひとつ、「生きている曲」を聴けた美羽は、曲を歌いあげた旅芸人たちに惜しみない拍手を贈る。
 ――素敵なご褒美をいただきました、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェイゼル・ベルマン
ホント賑やかな祭りだな
何か気に入った物が見つかると良いぜ
行くか、焔々
隣で飛ぶ小竜がギャウとひと鳴き

色々な露店を巡り
見ているだけでも面白ぇな
それに活気ある雰囲気に、寒い夜を照らす店の光……
嫌いじゃねぇ(気に入った様子)
そんな事を思いつつ、目に入ったのは防寒グッズを売る店
そういや、マフラーが欲しかったんだよな
焔々も何か欲しい物があれば言えよ
と、良さそうなマフラーを探し始め
お、これなんて良いじゃねぇの
手にしたのはダークグリーン色のマフラー
焔々も欲しい物を見つけ、ギャワ~とワイン色の小さなケープを嬉しそうに持ってきて
それじゃ、これにするか、と購入し

早速マフラーを巻いたり、ケープを着たりして
あったけぇな



 どちらかと言えば、この世界の夜は静寂満ちる印象の方が強い気がするけれど。
 今宵の城下町は、人々行き交う喧騒と並ぶ露店の明かりで満ち溢れている。
「ホント賑やかな祭りだな」
 ……何か気に入った物が見つかると良いぜ、と。
 黒い三白眼の瞳をぐるりと巡らせるのは、ヴェイゼル・ベルマン(焔斬り・f13471)。
 定番の食べ物や酒を売る店は勿論、日用品や雑貨、中にはちょっぴり胡散臭いものを売っている店まで。
 近隣各地から様々な物を買い求め売りに、今宵の『聖夜祭』には沢山の人々が集まっているのだ。
 そして勿論、祭りを見て歩くヴェイゼルの隣には。
「行くか、焔々」
『ギャウ』
 そう張り切ってひと鳴きする小竜、焔々の姿が。
 何気に肉の屋台にふらりつられそうになる焔々と一緒に、色々な露店を巡るヴェイゼル。
「見ているだけでも面白ぇな」
 祭りは祭りでも、この世界ならではな雰囲気満点の『聖夜祭』。
 店の活発な呼び込みの声や、ちょっぴり酔って陽気に歌い出す人々。
 並ぶ露店の品も、珍しくて面白いし。
「それに活気ある雰囲気に、寒い夜を照らす店の光……」
 ――嫌いじゃねぇ。
 そう呟いて瞳細めるヴェイゼルが宿すのは、満足そうな笑み。
 そしてふと、巡らせていた視線を止めて。
 店内へと足を向けたのは……防寒グッズを売る店。
 季節は冬、吐く息もいつの間にか白くなり、吹き抜ける風は思わず肩を竦めるほど冷たくなったから。
「そういや、マフラーが欲しかったんだよな」
 探すのは、寒さを凌げるような、あったかいマフラー。
 ……焔々も何か欲しい物があれば言えよ、と声を掛ければ。
 宙をくるりと回って、ギャウ、とご機嫌なお返事。
 それから早速、色とりどり並ぶマフラーを前に、品定めして吟味してみれば。
「お、これなんて良いじゃねぇの」
 そう口にし、手にしたのは――深く豊かな森の様な、ダークグリーンのマフラー。
 同時に、ギャワ~と鳴き声が聞こえて。
 目をやれば、焔々が嬉しそうに持ってきたのは、漆黒の身体によく似合う、ワイン色の小さなケープ。
「それじゃ、これにするか」
 緑色のマフラーと一緒に、赤いケープもお買い上げして。
 早速マフラーを巻いたヴェイゼルが、焔々にもケープを着けてあげれば。
 ――あったけぇな。
 ふわり並んで感じるのは……そう思わず呟きを零す様な、クリスマスカラーの温もり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
珍しい輝石があるというなら、宝石のヤドリガミ的には無視できないわね。

市場をうろうろしながら、森の不穏な状況についても確認するわね。
噂を集めたりするけど、実際に見たりした人には内容を聞きたいわね。

もちろん、お祭りも楽しむわよ。
珍しいお菓子を・・・じゃなくって珍しいマジックアイテムやアクセサリーを探すわ(すごく残念そうです)



 澄んだ冬空に、数多の星が輝く夜。
 『聖夜祭』の時期を迎えた城下町『イーリス』は、活気溢れる光に満ち溢れている。
 そんな賑やかな喧騒を歩くヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)の色違いのふたつの宝珠にも、沢山の光が映っては流れてゆくけれど。
(「珍しい輝石があるというなら、宝石のヤドリガミ的には無視できないわね」)
 興味を惹いたのは、話に聞いた、虹色の珍しい輝石。
 ざっと見て回っただけでも、この虹の輝石を加工した装飾が売られている店も沢山。
 輝石関連の店だけでなく、大きな城下町の祭りの市場には、沢山のものが売られていて。
(「珍しいお菓子を……じゃなくって珍しいマジックアイテムやアクセサリーを探すわ」)
 漂ってくる甘い香りに後ろ髪引かれるように、ちょっぴり……いえ、すごく残念そうに、そうひとつ息をついてから。
 まずヴィオレッタが足を向けたのは、虹の輝石の装飾品が並ぶ店。
 その店頭で、ふと虹の輝石があしらわれた星型のブローチを手に取り、明かりに翳してみれば……確かに、虹の様な不思議な光が静かに煌めいて。
 同時に、それを見つめる藍と紫の両の目にも宿る、虹の彩り。
 それから、豊富に品が取り揃えられたマジックアイテムショップでも、気になったものを手に取ったりと。
(「もちろん、お祭りも楽しむわよ」)
 折角の機会、楽しむことも忘れません。
 けれど勿論、やるべきことは抜かりなく。
 ヴィオレッタは市場をうろうろと歩きながら、聞こえてくる声にも耳を聳てる。
 そしてふと、ある会話にその足を止めた。
 話しているのは、のんびり座って祭りを楽しんでいる老婆と孫。
「おばーちゃん。わたしも森の精霊さんに、勇者様みたいにプレゼント貰いたいな!」
「確かに、勇者様は森の精霊から虹の装備を授かったけれど……でも今は、森の奥まで入った者の行方が分からなくなっているそうだよ。だから森に近づいちゃダメだ。かわりに、市場で欲しい物を買ってやろう」
「森って、こわいんだね……って、わーい、フルーツチョコたべたーい!」
 ヴィオレッタはそう話すふたりへと近づいて、老婆の方へと声を掛ける。
「ちょっとごめんなさい。その森の話、もう少し聞かせて欲しいわ」
 老婆の話によれば、森の精霊が、生み出した虹の輝石を樹木に飾っているのだと言われていて。
 特に森の最奥にある、一等立派な木に宿る森の精霊に出会えた者は、欲するものを与えられるのだと。
 だがある時を境に、森の奥へと赴いた者が帰って来なくなり、今では許可がないと森の深部には進めないのだという。
 ヴィオレッタは話してくれた老婆に礼を言った後。
 さらに噂を集めんと市場を歩きながらも、宝珠の瞳を細め、少し皮肉めいた響きでそっと呟く。
「欲するものをくれる森の精霊と行方不明の人達……ろくなサンタさんじゃなさそうね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

鬼灯原・孤檻
橘・尊(f13751)と同行している。

これが聖夜祭か。賑わっているな。
この街の名産品は七彩を帯びた虹の輝石と聞いたが…、是非見てみたい。

ふむ。今は折角街の祭だから、祭らしいことを体験してみたいが…
屋台には美味そうなものが置いてあるな。
酒もあるようだが……
一杯くらいなら大丈夫、か? 別に酒に弱いわけでもないし。
気に入った味があったら、土産に買っていってもいいかもしれないな。

…ん、あの串焼きは美味そうだ。
尊、よかったら買いにいかないか? 色々あるから、食べ比べをしてみよう。

美味しいものを食べて腹ごしらえをしてから、森の方に向かおうか。


橘・尊
孤檻と一緒に(f18243)

聖夜祭、か
見るものが初めてづくしで
目移りするきらびやかさだ
それと気になるのが
七彩の輝石…か
一つは欲しいな

その前に腹ごしらえは賛成
一杯くらいなら大丈夫だろ
歩いていれば酒も抜けるだろうし

うー、色々あって何にすれば
いいのやら

孤檻は何食べたい?
お、串焼きか
なら俺は違う種類を買うから
食べ比べような
んー、どっちも美味しいっ

あ、あっちの小物の店とかもみたいし…時間が足りないくらいだ

でも充分に堪能したら
森に行く準備をしないとな

(アレンジ大歓迎です)



 訪れた冬の夜の寒さにも負けないほど、活気に満ち溢れた城下町。
 いつもであれば、これから迎えるのは、静かな夜の時間であるだろうけれど。
 今宵のイーリスの街は、まだまだこれから盛り上がりをみせるところだ。
「これが聖夜祭か。賑わっているな」
 ずらり並ぶ露店、楽しそうな人々の声、漂ってくる美味しそうな匂い。
 鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)は目にするものに興味津々、擽られる好奇心のまま視線を巡らせて。
(「聖夜祭、か。見るものが初めてづくしで、目移りするきらびやかさだ」)
 それは、孤檻と並んで歩く橘・尊(浮雲・f13751)も同じ。
 城下町に溢れる様々な初めての煌めきを、孤檻と一緒に見て回って。
 きょろきょろと周囲を見ながら、白に近い灰色の耳をぴこり。
 賑やかでキラキラした城下町の風景も気になるけれど……それと、もうひとつ。
「七彩の輝石……か。一つは欲しいな」
「この街の名産品は七彩を帯びた虹の輝石と聞いたが……、是非見てみたい」
 尊の声に、孤檻も漆黒の髪を揺らし、こくりと頷く。
 イーリスの城下町の名産物は、虹の彩り纏う珍しい輝石だというが。
 それは、街の傍にある森の樹木に生るのだという。
 名産物というだけあり、そんな輝石を加工した装飾品や土産物を売る店もあるようだ。
 だが、まず孤檻の興味を惹いたのは、やはり。
「ふむ。今は折角街の祭だから、祭らしいことを体験してみたいが……屋台には美味そうなものが置いてあるな」
 祭りといえば、美味しい食べ物!
 そこかしこの店からあがる、ほかほかの湯気が運ぶのは、食欲をそそる良い匂い。
「酒もあるようだが……一杯くらいなら大丈夫、か?」
 ……別に酒に弱いわけでもないし、と。
 豊富な種類の酒を振舞っている屋台にも目を向ける孤檻に。
「輝石を探すその前に、腹ごしらえは賛成。酒も一杯くらいなら大丈夫だろ」
 ……歩いていれば抜けるだろうし、と。
 早速、どんな酒があるか吟味してみる尊。
 その隣で、孤檻も並ぶ酒に視線を落として。
「気に入った味があったら、土産に買っていってもいいかもしれないな」
 色々悩んでふたりが選んだのは、店員おすすめの、オレンジピールやシロップを加えて温めたホットワイン。
 そして祭りを目一杯楽しむべく、お腹を満たせるような美味しいもの……と。
 並ぶ露店をぐるり、見回してみるけれど。
「うー、色々あって何にすればいいのやら……」
 大きな城下町の盛大な祭りというだけあって、見て回り切れないくらいの店や品の数。
 尊はあれもこれもと目移りしてしまって、決めきれずに思わず唸った後。
 ――孤檻は何食べたい?
 そう、すぐ隣で同じ様に店を見ている孤檻に訊ねてみれば。
「……ん、あの串焼きは美味そうだ」
 その視線の先には、じゅうっと音を立てて焼かれている、豪快に串に刺さった肉。
「お、串焼きか」
「尊、よかったら買いにいかないか? 色々あるから、食べ比べをしてみよう」
 そんな孤檻の提案に、尊は勿論、すぐに頷いて。
「なら俺は違う種類を買うから、食べ比べような」
 ぱらりと塩だけ振られた素材の味が楽しめそうな串と、甘辛いタレがついた串の、違った味のものをそれぞれ買って。
 ホットワインで乾杯した後、ふたつの味を交換こ。
 串に刺さった焼きたての肉を、ぱくりと口に運べば。
「んー、どっちも美味しいっ」
 どちらも両方、買ったホットワインにもぴったりな、満足するボリュームや味わい。
 酒も程良く入り、焼きたての串焼きを食べれば、身体もぽかぽかあったかくなって。
 何よりも、他愛のない話をいっぱいしながら、一緒に食べたり飲んだりするひとときは、とても楽しい。
 そしてお腹もいっぱい、再び市場で色々な店を見て回りつつも。
「あ、あっちの小物の店とかもみたいし……時間が足りないくらいだ」
「でも充分に堪能したら、森に行く準備をしないとな」
 やるべきことも勿論、忘れてはいないけれど。
 でもまだもう少し、森に行くための準備をしながらも――楽しい祭りの時間をふたり、楽しめそう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

落浜・語
狐珀(f17210)と

今までも虹色宝具の話は聞いてたけれど、作られていたって伝説があるところまで来ると、大分近づいたような感じがあるなぁ。
とりあえず、お祭りと市を楽しもうか。

露店を冷かしたりしながら狐珀と街歩きを。
普段と違う格好の狐珀に、ちょっとそわそわ。凄く似合ってるよ。
冷やかしとは言ったけれど…やっぱり、うん、甘いものとかは買っちゃうよなぁ。
クレープとか、フルーツチョコとか、美味しそうだし。カラスや仔龍とも分けつつ食べようかな。
仔龍、顔突っ込むなよ。ベトベトになるから、って言ったそばから…!

あー…ちょっと待ってて。こっそり縫いぐるみを一つ。


吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

虹色の宝具を纏った勇者の始まりはこの街だったんですね。七彩の輝石が実るルーメンの森も楽しみです。

まずはお祭りを楽しみましょうか。
せっかくのお祭りだからいつもと違う装い(ステシ自己紹介画像)で来たけどおかしくない、かな?

語さん達と露店を眺めながら街歩き。
甘くて良い匂いがするし、見ていると欲しくなってしまいますよね。
月代、クレープを買って一緒に食べましょうか。
わぁ、このクレープ、果物と生クリームがふんだんに使ってあってすごく美味しいですね!
美味しいですけど…、月代、慌てて食べるとクリームが顔についてしまいますよ。

語さん?
あ、はい。では、ここでみんなと待っていますね。



 以前も星空の下、虹色の伝説の行方を追ってこの世界を訪れて。
 今宵もまた、この地『イーリス』へとやって来たのだけれど。
 静寂が支配する様な冬の夜ではなく、眼前に溢れるのは、賑やかな人々の声や煌々と灯る市場の明かり。
 大きな城下町『イーリス』は『聖夜祭』を迎え、一年の中でも一番の盛り上がりをみせていた。
 そして人々の集まる広場で朗々と吟遊詩人が歌い上げるのは、虹色宝具を授かった勇者の冒険譚。
「虹色の宝具を纏った勇者の始まりはこの街だったんですね」
「今までも虹色宝具の話は聞いてたけれど、作られていたって伝説があるところまで来ると、大分近づいたような感じがあるなぁ」
 その歌声や旋律を耳にしながらも、言葉交わし並んで歩くのは、吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)と落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)。
 これまでも縁あって携わることもあった、虹色宝具の勇者伝説。
 今回は宝具の回収ではないけれど、勇者伝説のはじまりが紐解かれるかもしれない。
 その鍵を握る場所が――『イーリス』の城下町のすぐ傍に広がる『ルーメンの森』。
「七彩の輝石が実るルーメンの森も楽しみです」
 そう少しわくわくした様子で言った狐珀も楽しみにしているこの森に生えているのは、虹の如き珍しい色の輝石がなる樹木。
 けれどその楽しみは、森の奥へと踏み込む許可が下りる夜中まで、一旦お預けだから。
「とりあえず、お祭りと市を楽しもうか」
「はい。まずはお祭りを楽しみましょうか」
 語の声に、こくりと頷く狐珀。
 そしてふたり、物珍しい物が並ぶ露店を冷かしたりしながらふたり、祭りで賑わう街を歩く。
 でもどこか、ちょっぴりそわそわした様子の語。
 それもそのはず――。
「せっかくのお祭りだからいつもと違う装いで来たけどおかしくない、かな?」
 いつものように隣を歩いている狐珀の格好が、いつもとは違うから。
 ひらり風に揺れては花の様に開く、中華風な白のケープと青のプリーツワンピース。
 永遠に枯れぬライラックを咲かせた髪も、くるり綺麗に一部お団子に纏められ、歩く度にゆらり両サイドの三つ編みが揺れている。
 普段和装を着こんでいることの多い彼女の、可憐でそしてちょっぴり解放的な装いは見慣れないけれど。
 語は思った通りに、こう口にする。
「凄く似合ってるよ」
 それからふたりがつい、並ぶ露店の中でも足を向けてしまうのは。
「冷やかしとは言ったけれど……やっぱり、うん、甘いものとかは買っちゃうよなぁ」
「甘くて良い匂いがするし、見ていると欲しくなってしまいますよね」
 ……月代、クレープを買って一緒に食べましょうか。
 そう狐珀が言えば、風に乗る様にくるり宙を飛んで。
 嬉し気にぎゃうっと一鳴きするのは、月白色の仔竜。
 そんな月代と半分こするべく、狐珀が店へと向かおうとしているのを見て。
「クレープとか、フルーツチョコとか、美味しそうだし。俺もカラスや仔龍とも分けつつ食べようかな」
 語がそう呟いた刹那、首回りが白いカラスがばさばさ翼をはばたかせ、襟首の隙間から飛び出した鈍色の仔龍も嬉しそう。
 それからふたり、クレープを買って……みんなで、分けっこ。
「わぁ、このクレープ、果物と生クリームがふんだんに使ってあってすごく美味しいですね!」
 狐珀は口に広がる甘さに、感嘆の声を上げてから。
「美味しいですけど……、月代、慌てて食べるとクリームが顔についてしまいますよ」
 夢中でクレープを食べる月代に、そう声を。
 そしてそれは、月白色の仔竜だけでなく。
「仔龍、顔突っ込むなよ。ベトベトになるから、って言ったそばから……!」
 一歩声届くのが遅く、ずっぽりクリームに顔を突っ込んだ鈍色の仔龍も、甘くデコレーションされてしまいました……!?
 狐珀と並んで、そんな月代や仔龍やカラスたちと、仲良く甘いひとときを堪能していた語であったが。
「あー……ちょっと待ってて」
 そう、ふと立ち上がって。
「語さん? あ、はい。では、ここでみんなと待っていますね」
 首を傾けつつも言った狐珀は、そんな彼を見送りつつ、引き続きクレープをはむり。
 そして語がこっそり向かったのは――狐珀が好きそうな、ゆるかわもふもふな縫いぐるみが売っている店へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
アドリブ・絡み◎
器に誘惑の呪詛宿す呪<呪詛>操るヤドリガミ

ここが虹色宝具はじまりの地、ですか。
これまでの冒険で見つけた宝具、
どうやら今は虹の加護を失っている様子なのですよね
その辺りも何かわかるでしょうか?

祭を見て回りつつ<情報収集>
折角のお祭りの最中、
ホットドッグの様にパンに挟まれた大ぶりなソーセージを
ちょっとはしたないと思いつつもパクリと。
林檎のホットドリンクも頂きつつ、
虹色宝具纏う勇者について唄う吟遊詩人の歌探し耳を傾ける。
露店を見て回る中、
虹の輝き纏う木々を閉じ込めたスノーボールが目に入り、
その美しさについ購入。
…綺麗、ですね。
これはこの時期の森を模しているのでしょうか?



 この世界でも比較的規模が大きいという、賑やかな城下町『イーリス』。
 そんな街は今宵、『聖夜祭』を楽しむ人々の声で、より活気に満ちていて。
 数えきれないほど店が並ぶ市場は、全て見て回れないくらいだ。
 祭りで盛り上がっているそんな喧騒を歩きながら、月宮・ユイ(月城・f02933)の興味は、この街から旅立ったのだという勇者の伝説のこと。
(「ここが虹色宝具はじまりの地、ですか」)
 正確に言えば、勇者が授かったという、虹の加護をもつ3つの宝具。
 これまで、この虹の宝具を持つ勇者の足取りをたどってきて。
 それらしき剣と鎧は、回収したのであるが――。
(「これまでの冒険で見つけた宝具、どうやら今は虹の加護を失っている様子なのですよね」)
 虹色とは程遠い、錆びている宝具。
 何故虹の加護を失ったのか、それを取り戻すことができるのか。
 ……その辺りも何かわかるでしょうか? と。
 ユイは、この街の名産物だという虹の輝石の加工品が並ぶ店に視線を向けながらも思うけれど。
 とりあえず勇者が宝具を授かったと言われる森に入れるようになるまでは、祭を見て回りつつ情報収集をと。
 そして折角だからと、ふと立ち寄って買ってみたのは、パリパリ弾けるような大振りのソーセージの店。
 それを、ホットドッグのように、パンに挟んで貰ってから。
 ちょっとはしたない、と思いつつも……ぱくり。
 けれど今宵は『聖夜祭』、いつもならお行儀悪い食べ歩きも、祭りの醍醐味です。
 季節は冬、吹く風も冷たく寒いけれど……ほかほか湯気の出る林檎のホットドリンクを口にすれば、身体の芯からあたたまる気がして。
 大きな広場で声高らかに吟遊詩人が歌う、虹色宝具纏う勇者の冒険譚に耳を傾けてみる。
 そして再び、店を巡ってみれば……色の異なる両の目に飛び込んできたのは、キラキラ輝くスノーボール。
「……綺麗、ですね」
 それに閉じ込められた虹の輝き纏う木々は、クリスマスツリーの様でもあり。
 ユイはじっとその煌めきと、店の窓の外からも見える、勇者が宝具を授かったという場所へとふと目を向ける。
 ――これはこの時期の森を模しているのでしょうか? と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・咲夜
【比翼月】

虹色宝具…えらい強そうな名前
ゲームやとSSRくらい?
えっくんは主人公より仲間ポジションって感じよね

うちは雑貨が見たいです
アースのクリスマスシーズンみたいに冬のかいらしいもんがぎょうさん
ふと瞳が捉えた雪結晶の刺繍ポーチ
白地に燦めくパールやクリスタルビーズが上品で
わぁ…コスメの持ち運びに良さそうやね
こないだえっくんが買うてくれた硝子ドームの御守をつけたらきっと素敵
ふふ、ええ買い物が出来ました

えっくんのホットドッグから芳ばしいええ匂い
ね、後で一口おくれやす
うちはクリームチーズと蜂蜜のクレープにしよかな
この組み合わせ、最近ハマっとるんよ
旅芸人さんを楽しみながらお腹も満たせますし、ね


東雲・円月
【比翼月】

伝説の武具!
いいですねェ、そういうの大好きですよ
……勇者の武器とか憧れますけど、俺が装備とか絶対無理ですよね
こう、伝承とかで良くある設定的に。そういうのありそうで
ともあれ、興味津々なのは確かです

勇者の伝説を尋ねつつ、のんびり楽しもうか
咲夜は何を見て回る?
俺はとにかく食事ッ!
惜しいなー、俺たちがお酒を飲めるのはまだ一カ月先だな
飲めるようになったらこういう場所でお酒とかも良さそうじゃない?
取り敢えずは暖かいスープと……あ、ソーセージはパンに挟んで貰おう

咲夜は甘いものだよね。んー……店に入る?
ケーキを食べ歩くのはちょっとなんだか勿体ないしね
あ、旅芸人が何かやってるらしいから、あとで行こうよ



 冬の星空の下、得意気に勇者の逸話を語るのは、少し酔ったこの街の人だろうか。
 その勇者は、虹色宝具という武器防具を授かり、この街から伝説が始まったのだといわれているようだ。
「虹色宝具……えらい強そうな名前」
 ……ゲームやとSSRくらい?
 そう首を傾ける東雲・咲夜(詠沫の桜巫女・f00865)のすぐ隣で、瞳を輝かせる東雲・円月(桜花銀月・f00841)。
「伝説の武具! いいですねェ、そういうの大好きですよ」
 伝説の剣や鎧や盾だなんて、男心を擽る浪漫。
 しかも、伝説の勇者が纏って旅立ったなどという箔までついている武具。
 ゲームで欲しくてガチャを何度も回しても、そう簡単に出るような代物ではないかもしれないし。
「……勇者の武器とか憧れますけど、俺が装備とか絶対無理ですよね」
 ……こう、伝承とかで良くある設定的に。そういうのありそうで……なんて。
 うーんと首を傾ける円月に、咲夜は藍眸を細めこくりと頷いて。
「えっくんは主人公より仲間ポジションって感じよね」
 ――ともあれ、興味津々なのは確かです、と。
 装備できるかどうかはさておき、やっぱり伝説の武具は男の子の永遠の浪漫です。
 そんな勇者の伝説の足跡を追い、勇者の逸話を尋ねつつも。
 折角の賑やかな『聖夜祭』……のんびり楽しもうか、と。そう円月は咲夜に視線を移して。
「咲夜は何を見て回る?」
 広い城下町に並ぶ、数え切れない露店をぐるり見回しつつ訊いてみれば。
「うちは雑貨が見たいです」
 早速、聖夜祭の名の通り、冬を思わせるものがずらりと並ぶ雑貨店へ。
「アースのクリスマスシーズンみたいに冬のかいらしいもんがぎょうさん」
 伝説の装備が男心を擽るのならば。
 可愛らしくてキラキラした雑貨たちは、女の子の心を躍らせるから。
 そして色々と目移りするように、今の時期ならではな品を見ていた咲夜の瑞々しい藍眸に、あるものが映る。
 それは――白地に燦めくパールやクリスタルビーズが上品な、雪結晶の刺繍ポーチ。
「わぁ……コスメの持ち運びに良さそうやね。こないだえっくんが買うてくれた硝子ドームの御守をつけたらきっと素敵」
 キラキラ輝く雪の結晶に、咲く桜に円描く月のガラスドームが加われば……きっとそれはまるで、一緒に並んで巡る四季のようだろうから。
「ふふ、ええ買い物が出来ました」
 お気に入りの一品との出会いに、そう満足気に微笑む咲夜。
 そんな嬉しそうな咲夜につられ、笑み宿しながらも。
「俺はとにかく食事ッ!」
 そうぐっと気合十分、円月が満喫しようとしているのはやっぱり、美味しい物!
 先程からずっと漂ってくる色々な美味しい匂いに、逸るように誘われながらも。
「惜しいなー、俺たちがお酒を飲めるのはまだ一カ月先だな。飲めるようになったらこういう場所でお酒とかも良さそうじゃない?」
 美味しいものをつまみながら飲む酒……そんなちょっぴり大人の味を口にしてみるのは、一カ月後のお楽しみに。
 酒は今宵は飲めないけれど、でも、存分に美味しいもの並ぶ露店巡りに勤しむ円月。
「取り敢えずは暖かいスープと……あ、ソーセージはパンに挟んで貰おう」
 寒い冬の季節にぴったりなあったかい豆のスープに、挟んで貰ったパンから大きくはみ出たパリパリの焼きたてソーセージ。
 ……えっくんのホットドッグから芳ばしいええ匂い。
 そう美味しそうな匂いにつられ、横目でちらり、咲夜が円月を見つめて。
「ね、後で一口おくれやす」
「ん、美味しい! 咲夜も食べてみてよ」
 それから……楽し気にそっと、円月は自分のと対になる三日月揺れる耳元で、こう続けるのだった。
 ――頬にケチャップがついたら、また取ってあげる、って。
 ククと笑む円月に、もうっ、と咲夜は仄かに頬を赤くするも。
 慎重にホットドッグをはむりと口にするその姿を見つめながら、続ける。
「咲夜は甘いものだよね。んー……店に入る?」
「うちはクリームチーズと蜂蜜のクレープにしよかな。この組み合わせ、最近ハマっとるんよ」
 可愛い雑貨もですが、甘ーいクレープも女の子の浪漫。
 店に入ってゆっくり食べるのもいいけれど。
「旅芸人さんを楽しみながらお腹も満たせますし、ね」
「あ、旅芸人が何かやってるらしいから、あとで行こうよ」
 これぞ、祭りの醍醐味。
 食べ歩きだったら、広場でこれから何か披露するらしい旅芸人のパフォーマンスも、美味しいものも、両方とも楽しめるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城島・冬青
【橙翠】

こっちにもクリスマスみたいな行事があるんだ
賑やかですね
あ!見て下さい、アヤネさん
これツリーのオーナメントにしたら可愛いくないですか?
指差したのはシマエナガのような丸い鳥のオーナメント
クリスチャンでは無いのですが家では毎年ツリーを飾ってますよ

買食いは中に木苺のジャムが詰まったホットパイをゲット
火傷しない様にはふはふと食べます
ん?アヤネさん、どうしました?(頬に付いたジャムに気付かない)
?!
ひえっ!何するんですかー!?
言ってくれたら自分で拭いますー!


何処からか視線を感じる…
うーん
気のせいかな?
何でもないです
アヤネさん

それにしても森の方が明るいですね
天然のイルミネーション、わくわくします!


アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
気分はすっかりクリスマス
二人でツリーの飾りなど探しに行こう

うわ何それかわいいい!
ツリーにいっぱい丸い鳥が下がっているのは素敵かも!
僕も事務所にでかいツリー買ってきて飾ろうかな
それ以外にも綺麗なオーナメントを見つけて大量に買い込むよ

その後は買い食いコース
食べ物を選んだら天然のイルミネーションを眺めながら並んで食べよう

ソーセージや厚切りハムなどつい肉系を選んでしまう僕

あら?ソヨゴほっぺにジャムついてる
気づいても言わずに
そっと顔を近づけて
ぺろりと舐め取る
ソヨゴあまい
と悪戯っぽく笑うよ

言わないよ
そんなのもったいないじゃない

ん?どうかした?

ここからでも森が淡く輝いて見えるね
側に行くのが楽しみ


薄荷・千夜子
一人で回りつつ【狼兎】と【橙青】のペアを見かけたり

手作りの贈り物のアクセントを探すべく露店を回り
どれも素敵で目移りするけれど贈りたい彼をイメージしたものがいいなとうんうん唸りながら

あ、澪君たち
手もぎゅっとして見てるこっちがドキドキしちゃう仲良しっぷりをこっそり見てしまったり

少し進めばアヤネさんたちが…
にゃっ!?
アヤネさん積極的…あれは真似できそうにもなく!アヤネさんすごい…!!

楽しそうな方々見てるとこうやって素敵な時間を一緒に過ごして隣で笑い合うなら彼がいいなぁ、なんて
思いながら見つけたのは黒の羽飾り
これ!これを下さい!とお買い上げ
…あと、この翠玉も1つ
なんだか翠を持っていてくれたら嬉しいなと


栗花落・澪
【狼兎】

※白ベースのもこもこ冬着

すごーい、どこもキラキラしてる!
お菓子が、お菓子の誘惑がぁ〜

うぅ、はぁい
とりあえず温かいスープと…あ、ソーセージ美味しそうだなぁ

一旦別行動で僕は宣言通りのものを購入
先に買ったら紫崎君を迎えに行くよ
ゆっくり座れそうな場所を見つけるのも忘れずに

買えた?じゃあこっちこっち!
景色が綺麗な場所見つけたんだぁ♪

紫崎君に寄り添いながら
はぁー、あったまるぅ…
思ってたより賑やかだね、クリスマスって

え、いいの?ちょーだい!
んーお肉も美味しいー♪

うんー…いや、ちょっと…
寒い日なのに、紫崎君の手あったかいね
眠い!?(期待に満ちた眼差し
えへへ、じょーだんでーす

後でお菓子も付き合ってよー?


紫崎・宗田
【狼兎】

※冬着の上に黒いロングコート
※薄荷のデバガメは俺も澪も許可済み

はいはい、菓子は後でな
先に普通に飯食うぞ

俺は★クオンにも持つのを手伝わせ肉料理をいくつか
肉は時間かかるだろうからな…
チビが迎えに来たら一緒に並ばせる

チビと並んで腰掛け
クリスマスの催しは、それこそ地域によるからな
賑やかなところもある

お前、そんだけで足りんのかよ
分けてやるから、こっちもちょっと食え

俺の手ごと支えるようにして小さな口で肉を頬張るチビ
だがいつまでも離さないどころか
俺の手をぺたぺたにぎにぎと触り始める様子に

…どうした?
バーカ、睡魔で体温上がるとかガキじゃあるまいし
(逆に、コイツの手は冷てぇな…)

…甘くねぇので頼むぜ



 本来ならば、世界を覆う漆黒の空に、星が静かに瞬く時間。
 けれど今宵の城下町『イーリス』は、夜を迎えても尚、人々の賑やかな声と煌々と灯る露店の明かりで満ち溢れている。
 それもそのはず――今まさに、イーリスで催されている『聖夜祭』。
 それは大きな城下町が、一年の内で一番盛り上がりをみせる祭りなのだから。
 祭りの期間中、街の人だけでなく近隣からも沢山の人々が訪れ、並ぶ店は数えきれず。
 そんな市場に売っているものも、定番の食べ物から珍しい雑貨や日用品まで、多種多様。
 だからきっと、探している手作りの贈り物のアクセントも見つかるだろうって。
 数多の光を宿す翠の視線を巡らせるのは、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)。
 何軒か目ぼしいものがありそうな店を巡ってみた千夜子だが、ふとその足を止めて。
 見つけたアクセサリーパーツの店の前で、うんうんと唸る。
(「どれも素敵で目移りするけれど、贈りたい彼をイメージしたものがいいな」)
 脳裏に宿るその姿に重なる様な、彼に似合ういろ。
 いくつかそれらしいものを手に取ってみながらも、妥協せず探していた千夜子であったけれど。
「……あ」
 人で混み合う市場の中、狩人の少女の瞳がふいに捉えたのは、見知った顔。
「すごーい、どこもキラキラしてる!」
 見上げる澄んだ冬空には満天の星、街を照らす活気あふれた明かりに、すぐ傍にある森に煌めく輝石。
 何よりも、それらをきょろきょろと見つめる栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の瞳は、一等キラキラと輝いていて。
 そんな琥珀の視線が、つい向いてしまうのはやはり。
「お菓子が、お菓子の誘惑がぁ〜」
 ふわり良い香りを漂わせる、甘い誘惑。
 けれどそんな澪に声を掛けるのは、すぐ隣を歩く紫崎・宗田(孤高の獣・f03527)。
「はいはい、菓子は後でな。先に普通に飯食うぞ」
 そんな宗田の声に、微かに後ろ髪を引かれながらも……うぅ、はぁい、と返してから。
 お菓子屋で止まっていたその視線が再び周囲を巡れば。
「とりあえず温かいスープと……あ、ソーセージ美味しそうだなぁ」
 分担してまずは食べ物を買うべく、一旦、澪と宗田は別行動を。
 そして数種類の豆がたっぷり入った作り立てのスープと、パリッと見るからに弾力のありそうなソーセージを買って。
 お目当ての肉の店の列にいまだ並んでいるだろう彼の元へ戻るべく、澪は人々の雑踏の合間をすり抜けつつ歩く。
 でも、その足は真っ直ぐには戻らずに、、巡らせた視線は忘れずに探す。
 ゆっくり座れそうな、良い場所を。
 その頃、宗田は串焼きの店で肉が焼けるのを待っていて。
 傍らには、別の店で先に買った厚切りの豚ハムを抱える、赤い瞳の黒龍の姿が。
 クオンにも持つのを手伝わせながら、宗田は人の雑踏の中、戻ってきた澪を見つけて。
 一緒に並ばせようとした刹那手渡されたのは、良い具合にこんがりと焼き上がった肉。
「買えた? じゃあこっちこっち!」
 ……景色が綺麗な場所見つけたんだぁ♪
 串焼きを買い終わった宗田とお手伝いしているクオンを手招きして。
 澪がふたりを連れて行くのは、森の輝きと城下町の賑わいが一度に楽しめるような、見つけておいた景色の良い場所。
「はぁー、あったまるぅ……」
 白い息を冬空に昇らせ、宗田に寄り添いながらも、街の雑踏を澪は見つめて。
「思ってたより賑やかだね、クリスマスって」
 じわり伝わっては混ざるあたたかい体温に、そっと瞳を細める。
「クリスマスの催しは、それこそ地域によるからな。賑やかなところもある」
 宗田はそんな並んで座る澪に、ちらりと目を向けてから。
「お前、そんだけで足りんのかよ。分けてやるから、こっちもちょっと食え」
「え、いいの? ちょーだい!」
 串焼きを差し出す宗田の手を握って、お肉のお裾分けをぱくり。
「んーお肉も美味しいー♪」
 そんな自分の手ごと支えるようにして。
 小さな口で、はむりと肉を頬張る澪を見つめながらも、宗田はふと首を傾ける。
 握る澪のその手は、いつまでも離れなくて……それどころか、ぺたぺたにぎにぎと自分の手を触り始めたから。
「……どうした?」
 そう訊ねた宗田に、見上げるように視線を返して。
 やはりその手をにぎにぎしつつも、こう答える澪。
「うんー……いや、ちょっと……寒い日なのに、紫崎君の手あったかいね」
 寒い冬空の下でもぽかぽかあったかい、大きな手。
 その温もりの理由を考えてみれば。
 ――眠い!?
 そう、期待に満ちた眼差しを向けるけれど。
「バーカ、睡魔で体温上がるとかガキじゃあるまいし」
 ひとつ大きく息をつきつつも、宗田は感じる。
(「逆に、コイツの手は冷てぇな……」)
 自分の手を這う指の感触の、ひやりとした冷たさを。
 けれど、自分の温もりが、徐々にその冷たさを溶かしているような感覚も、一緒に。
 澪は、眠くはないらしい彼の言葉に、一瞬だけちょっぴり残念そうにしたものの。
「えへへ、じょーだんでーす」
 すぐにいつも通り、ぱっと笑って続ける。
「後でお菓子も付き合ってよー?」
 そして冷たかったその手が、自分の手の温もりとひとつになったのを感じながら。
 宗田は澪が口にした肉の残りを、はむっと頬張りながらも返す。
 ……甘くねぇので頼むぜ、って。
 そんなふたりの姿を、少し遠くの店先から見つけて。
「あ、澪君たち」
 千夜子は瞬間、ぱちくりと瞳を瞬かせてしまう。
(「手もぎゅっとして……見てるこっちがドキドキしちゃう」)
 手をぎゅぎゅっと握り、景色を眺めながら、同じ串の肉を分けっこ。
 そんなふたりの仲良しっぷりをこっそり見てしまった千夜子は、つられるように頬を染めながらも。
 何だか慌てて、別の店へと移動するけれども。
 目が効くのも考え物……? その行先にまた偶然見つけてしまった知り合いの顔に、再び大きく瞳を見開くことに。
「こっちにもクリスマスみたいな行事があるんだ」
 ……賑やかですね、と。
 そうきょろり周囲を見回す城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)と、こうやって並んで、煌めく街を歩けば。
 気分は――すっかりクリスマス。
 アヤネ・ラグランジェ(災魔・f00432)は冬青と共に二人、市場でまずは、ツリーの飾りを探しに。
 そしてふと、色々な店を順に見ていた冬青の視線が止まって。
「あ! 見て下さい、アヤネさん。これツリーのオーナメントにしたら可愛いくないですか?」
 指差されたその方向を追ってみれば。
「うわ何それかわいいい!」
 思わず瞳を見開き、声を上げてしまうアヤネ。
 冬青がみつけたのは、もふもふころんとした、シマエナガのような丸い鳥のオーナメント。
「ツリーにいっぱい丸い鳥が下がっているのは素敵かも!」
 キラキラ輝く色とりどりの光に、ころりとまんまるい鳥さん。確かに、すごく可愛い。
 隣ですっかり、自分の見つけた鳥さんを気に入った様子のアヤネに、冬青は微笑んで。
「クリスチャンでは無いのですが家では毎年ツリーを飾ってますよ」
「僕も事務所にでかいツリー買ってきて飾ろうかな」
 シマエナガさんは勿論、それ以外にも綺麗なオーナメントを見つけては手に取って。
 これだけ飾ればかなり豪華なツリーになるだろうってくらい、大量に色々なオーナメントを買い込むアヤネ。
 それから満足する買い物ができた後は、やはりこれ。
 美味しそうな匂いを漂わせる湯気があがる露店を巡る、買い食いコース!
 つい、ソーセージに厚切りハムにと、肉系を選んでしまうアヤネの隣で。
 はふはふと冬青が口にするのは、焼き立ての木苺のジャムがたっぷり詰まったホットパイ。
 それを火傷しない様に気を付けながら、はむはむと食べるけれど。
 美味しそうに食べるそんな姿を見つめていたアヤネは、ふと気が付く。
(「あら? ソヨゴほっぺにジャムついてる」)
 けれど、敢えてそのことは本人には言わずに。
「ん? アヤネさん、どうしました?」
 そう自分を不思議そうに見つめる冬青に、そっと顔を近づけて――ぺろり。
 頬についているジャムを舐め取ってあげて。
「!? ひえっ!何するんですかー!?」
 わたわたと真っ赤になって慌てる冬青に、アヤネは悪戯っぽく笑う。
 ――ソヨゴあまい、って。
 その言葉にまた、頬についていた苺ジャムよりも顔を真っ赤にさせながら。
「言ってくれたら自分で拭いますー!」
 そう冬青は言うけれど。
 くすりと笑んで、彼女だけを映す緑色の瞳をアヤネは細める。
「言わないよ。そんなのもったいないじゃない」
 冬青は、火照った頬に手を添えながら、もうっ、と目を逸らすけれど。
(「? 何処からか視線を感じる……」)
 何だか、誰かに見られているような気がして、ぐるりと周囲を見回してみるけれど。
「うーん、気のせいかな?」
「ん? どうかした?」
 冬青の様子に気付いたアヤネも、首を傾けるけれど。
 どうやら……気のせい、だったかも?
「何でもないです、アヤネさん」
 冬青はそう気を取り直してから、眼前に広がる煌めきを琥珀色の瞳にも宿して。
「それにしても森の方が明るいですね。天然のイルミネーション、わくわくします!」
「ここからでも森が淡く輝いて見えるね」
 ――側に行くのが楽しみ、と。
 そうふたり、顔を見合わせて微笑み合うのだった。
 そして……冬青が感じた、誰かの視線。
 勿論それは、気のせいではなくて。
「にゃっ!?」
 アヤネたちの姿を見つけた刹那、ぺろりと頬のジャムを舌で拭うその姿を見てしまって。
(「アヤネさん積極的……あれは真似できそうにもなく! アヤネさんすごい……!!」)
 千夜子は驚いたようにさらに瞳を丸くして、何度も瞬かせる。
 そんな二組の楽しそうな様子を、偶然とはいえ目の当たりにして。
(「こうやって素敵な時間を一緒に過ごして隣で笑い合うなら、彼がいいなぁ」)
 ……なんて、『彼』の姿を再び思い描きながら。
 ふと次に千夜子が見つけたのは、今度は、知り合いの姿ではなくて。
「これ! これを下さい!」
 視線に入った瞬間にビビッときた、黒の羽飾り。
 それと、もうひとつ。
「……あと、この翠玉も1つ」
 出会ったその黒にそっと添えるいろは、翠。
 千夜子は、黒の羽飾りと翠玉を一緒に包んでもらいながらも。
 勿論、一緒に楽しく過ごせたら嬉しいけれど……こうやって、誰かを思いながら何かを選ぶのも楽しいから。
 買った翠玉の如く、キラキラ輝かせた瞳を細めるのだった。
 ――なんだか翠を持っていてくれたら嬉しいな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

周・翠々
悟郎様/f19225


わ…わあ!悟郎様見て下さいな
人が沢山いらっしゃいます!


…手、ですか?
確かにこの人の量でしたら迷子になってしまうかもしれませんね
そうなったら大変ですものね

戸惑う事なく手を差し出して
握った手は暖かくて不思議な気持ち

ふふ
悟郎様の手は大きくて暖かいですね
羨ましいです


露店には瞳を煌めかせ

まあまあ!可愛らしい雑貨が沢山ありますね
悟郎様、悟郎様!虹色の輝石ですって
わたくし初めて見ました

ある露店の輝石で出来ている髪飾りに心惹かれて
あれよと購入してくれたことに申し訳なく思いながらもはにかんでお礼を

似合いますか?
髪飾りを自身の髪につけてみる
煌くそれに思わず心が躍りますね
宝物がひとつ、増えました


薬師神・悟郎
翠々(f15969)と

翠々が今日も可愛い
楽しそうな彼女を見て誘って良かったと心から思う

健全、安全性をアピールするのも大切だが
歩調を彼女に合わせ、人にぶつからないよう気を付けながらさりげなくだ、よし

この雰囲気に乗じて手を繋げないだろうか…
いや、それよりも…と、人の多さを理由に「はぐれないように」と言って手を繋ぐ
俺と手の大きさを比べて笑う翠々が可愛い

露店を巡れば雑貨や輝石を見て、目を輝かせる翠々が可愛いすぎる
可愛すぎて攫われたりしないか心配だ

ふと翠々の視線の先、髪飾りがあるのに気付けば
こういうのが好きなのか、似合いそうだなと購入し翠々への贈り物にする
翠々が笑って幸せでいてくれるように、願いを込めて



 今宵輝いているのは、冬の夜空に瞬く満天の星たちだけではない。
 賑やかな露店に灯る明かりに、森の樹木を彩るという珍しい輝石。
 そんな『聖夜祭』の喧騒の中――ひときわキラキラと煌めいているのは。
「わ……わあ! 悟郎様見て下さいな。人が沢山いらっしゃいます!」
 興味深げにあちこちに視線を巡らせる、エメラルドの瞳。
 そんなぐるり色々と視線を移す、周・翠々(泪石の祈り・f15969)とは対称的に。
(「翠々が今日も可愛い」)
 はしゃいだように笑む彼女をじっと見つめるのは、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)。
 そして、楽しそうな彼女を見て心から思う――誘って良かったと。
 それから、自分にこう心の中で言い聞かせる。
(「健全、安全性をアピールするのも大切だが。歩調を彼女に合わせ、人にぶつからないよう気を付けながらさりげなくだ、よし」)
 そうそっと翠々の歩く速度に合わせ、すっとさり気なく並んで歩くことに成功すれば。
 ――この雰囲気に乗じて手を繋げないだろうか……。
 楽しい祭りの賑わいに、キラキラ輝く冬の光たち。雰囲気は満点。
 けれどふと、いや、それよりも……と。
「……人も多いから、はぐれないように」
 そう掌を差し出してみれば。
「……手、ですか? 確かにこの人の量でしたら迷子になってしまうかもしれませんね」
 一瞬きょとりと、瞳と同じエメラルド色の髪を揺らし首を傾けた翠々だけど、人の多さにこくりと納得して。
 ……そうなったら大変ですものね、って。
 戸惑う事なく手を差し出し、悟郎の手をきゅっと握る。
 そして握った瞬間――伝わるのは、互いの体温。
 繋いだその手はあたたかくて、何だか、不思議な気持ち。
「ふふ、悟郎様の手は大きくて暖かいですね。羨ましいです」
 そう隣で手を繋いでいる彼女を見て、再び悟郎はこう思わずにはいられない。
(「俺と手の大きさを比べて笑う翠々が可愛い」)
 そんな彼と手を繋いで歩きながら。
 次に翠々が興味を示したのは、色々な品が並ぶ雑貨屋。
「まあまあ! 可愛らしい雑貨が沢山ありますね」
 それから瞳を煌めかせ、くいくいっと逸る様に握る手を引いて。
「悟郎様、悟郎様! 虹色の輝石ですって。わたくし初めて見ました」
 見つけた虹色の輝きに、わあっと声を感嘆の声を上げる翠々。
 そしてエメラルドに映すもの全てに興味を示す彼女を見つめれば、やはり。
(「露店を巡れば雑貨や輝石を見て、目を輝かせる翠々が可愛いすぎる」)
 ――可愛すぎて攫われたりしないか心配だ……そう、心配してしまうくらいに。
 そんな彼の思いは露知らず、うきうきと虹の輝石の装飾品を眺めていた翠々は。
 忙しなく巡らせていた視線を、ふとあるものに留める。
 それに気づいて、その見つめる先にあるものを、悟郎も追ってみれば――。
「こういうのが好きなのか、似合いそうだな」
「あっ……ありがとうございます、悟郎様」
 心惹かれる様に見つめていた髪飾りを、あれよと購入し贈ってくれた彼に、申し訳なく思いつつも。
 ぺこりと、翠々もお礼を。
 それから嬉しそうに早速、エメラルドの髪に虹の輝きを飾って。
「似合いますか?」
 ……よく似合ってる、そう言ってくれた悟郎に笑み返した後、鏡に映る自分の姿を見つめてもう一度微笑む。
 キラキラと光の加減で七彩に煌くそれに、思わず心も躍って。
「宝物がひとつ、増えました」
 そして、そう笑み綻ばせる、何よりも美しくて可愛い眼前の宝石を飾る虹に。
 悟郎はそっと願いを込める――翠々が笑って幸せでいてくれるように、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
聖夜祭に参加だね。他の猟兵達とも絡みはOKだよ。
次の冒険に備えて、いい装備品がないか
店を回ってみるよ。防具とかも新調したいからね。
帽子とかマントとかもあればよさそうかな。

途中で美味しそうな食べ物が並んでいる
露店とかを見かけて、つい食欲も沸いてきちゃうかな。
でも装備を探すのが一通り終わるまでは我慢だね。

一通り回るかいい物を見つけたら、
休憩して食べ歩きに切り替えかな。
勢いに任せると食べ過ぎちゃいそうだし、
最初はローストビーフとかの肉系がメインで
その後はケーキとかのスイーツ系を食べて回るようにだね。
持ち合わせのお金とも相談しながらかな。

「こういう時は心も躍るよね♪」
「これは是非とも欲しいかな」



 祭りといえば、食べ物や飲み物の店を思い浮かべるけれど。
 今宵『イーリス』の城下町で行われている『聖夜祭』は、そんな普通のお祭りとは規模が違う。
 美味しそうな食べ物や飲み物やスイーツも、沢山目移りするほどあるけれど。
 近隣の村や町からこぞって集まる人たちが店を出す市場には、日用品から珍しい物、ちょっと怪し気な物など、色々なものが手に入るようだ。
 リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は、そんな数多店が並ぶ市場を歩きながら。
 ふと足を運んだのは、武器や防具の店。
(「次の冒険に備えて、いい装備品がないかな。防具とかも新調したいしね」)
 煌めく虹の宝具の勇者伝説が言い伝えられている街なだけあり、機能面よりも派手なものも多かったけれど。
 いくつか掘り出しものを手にし、良さそうなものを吟味して。
 季節は寒い冬、そんな冬の冒険に備え、帽子やマントも試しにいくつか羽織ってみる。
 そして気に入ったものを妥協せず探しに、何軒か店を回っている途中に。
 やはり目を向けてしまうのは、食欲そそる匂い漂わせる店。
 広い市場の店もいくつか巡って、ちょうどおなかもすいてきた気がして。
 つい、食欲も沸いてきちゃうけれど。
(「でも装備を探すのが一通り終わるまでは我慢だね」)
 当初の目的をまずは果たすべく、楽しみはまた後で。
 そして、美味しい物を我慢した甲斐があってか。
「これは是非とも欲しいかな」
 見つけたのは、羽織り具合も軽く機能性も良い上に、さり気なく猫の刺繍がワンポイントしてあるマントと帽子のセット。
 手にしっくりくる武器や丈夫そうな防具もいくつか見繕ってから。
 買い物を済ませれば、先程は我慢した、食べ歩きへと目的を切り替え!
 最初はローストビーフなどの肉をメインに購入して、ある程度おなかを満たした後。
「こういう時は心も躍るよね♪」
 いざ、甘いケーキやスイーツが沢山並ぶ店へ!
 けれど、リリスフィアは逸る心を一瞬抑え、一呼吸置く。
 勢いに任せて、あまり食べ過ぎちゃわないように。
 何よりも――持ち合わせのお金とも、ちゃんと相談しながらかな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレスタイト・ヴェニット
カディ(f01636)と聖夜祭を楽しみに
キラキラ光る街がとても綺麗で
香る匂いがとても魅惑的で
…いけない、またカディの前でお腹を鳴らしちゃう
こっそりお腹に力を込めるよ
あの時みたいに手は繋いで
いっぱいお店を回ろ

目に入ったホットワインが気になれば
カディ、あれ飲みませんか?
とお誘いを
カディがお酒を飲む姿がステキで
見惚れてばかりだけど
ボクも憧れのお酒を一口
大人、の味…
ボクにはまだ早かったみたい
耳羽が項垂れちゃう

手からカップが消えて、甘い匂いのカップ
カディの優しさにじんわり心もあったかい
へへ、ありがとう
ホットレモネードの味は何よりおいしくて甘いから

どうしよう、好きが増えてくよ
真っ赤な顔は耳羽で隠して


カーディナル・レッド
セレスタ(f01381)と聖夜祭へ
付き合ってからは初めてだから…デート、なのかな

だが肝心の彼女は相変わらず美味しい物に目がないようで
お腹を鳴らす可愛らしい様子に思わず笑ってしまうのも、もう何度目か
光る街へとそっと手を引いて

珍しくホットワインなんて言い出すものだから
彼女も成人したことだしと揃いの注文を
シロップが入っているなんて洒落ているね、と飲んでいれば
美味しくないと言いたげな彼女が目に入ってまた笑ってしまう

自分のぶんは早々に飲み干して
苦戦する彼女の裏でこっそりホットレモネードを調達しよう
君には此方の方が美味しいのではないかい?と交換

アルコールは、またいつか
今は甘いカップで聖夜に乾杯するとしよう



 ちらちらと舞い降る雪の中、煌めく城下町の明かりは眩く綺麗で。
 店並ぶ市場には、日用品から珍しい逸品、食欲をそそる美味しそうな食べ物や飲み物。
 そんな『聖夜祭』で賑わいをみせる、イーリスの城下町をふたり、歩きながら。
(「付き合ってからは初めてだから……デート、なのかな」)
 こうやってふたりで並んで歩くことは、今までもあったけれど――想いを交わし合ってからの、初めてのおでかけ。
 カーディナル・レッド(優しい嘘・f01636)はその赤の瞳に、愛らしい彼女の姿だけを、そっと映してみるけれど。
 そんなカーディナルとは逆に、セレスタイト・ヴェニット(優翼・f01381)は、キラキラ光る街の風景にピンク色の視線を巡らせている。
 そして、鼻をくすぐる魅惑的な匂いに、ついつられてしまいそうになりながらも。
(「……いけない、またカディの前でお腹を鳴らしちゃう」)
 こっそり小さく鳴ったお腹に、慌てて力を込める。
 そんな、相変わらず美味しい物に目がないセレスタイトの隣で。
 カーディナルが、お腹を鳴らすその可愛らしい様子に思わず笑ってしまうのも、もう何度目か。
 季節は、雪もちらつき始めた寒い冬。それに、人も沢山いるから。
 カーディナルは彼女の手をそっと取り、優しく引きながら、光る街へとエスコート。
 彼の大きな手から伝わる温もりに笑み咲かせるセレスタイトも、ぎゅっと握り返して。
 ――いっぱいお店を回ろ。
 そう、手と手を繋いで、ふたりで楽しい露店巡りを。
 そしてふと、セレスタイトの興味を惹いたもの。
「カディ、あれ飲みませんか?」
 それは目に入った、ほかほか湯気が立ちのぼるホットワイン。
 珍しいそんな提案に、一瞬瞳をぱちくりとさせたけれど。
 彼女も成人したことだし、と。カーディナルは揃いの注文を済ませてから。
「シロップが入っているなんて洒落ているね」
 そう、スマートにワインを口に運べば。
 そんな彼の姿に、セレスタイトは思わず、見惚れてばかりになってしまう。
 けれど――ボクも……と、憧れのお酒を一口。
 そしてまたカーディナルは、くすりと笑ってしまう。
(「大人、の味……」)
 ……ボクにはまだ早かったみたい、と。
 ワインを口にした瞬間、しゅんと項垂れる耳羽。
 明らかに美味しくないと言いたげな、そんな姿に。
 カーディナルは自分の分のホットワインを早々に飲み干してから。
 大人の味に彼女が苦戦している間に、こっそり店へと足を運んで。
「君には此方の方が美味しいのではないかい?」
 ひょいっと、ホットワインは請け負って。
 消えた彼女のカップと交換したのは――甘い匂い漂う、ホットレモネード。
「へへ、ありがとう」
 手にしたレモネードも、ふわりあたたかいけれど。
 じんわりセレスタイトの心に染みる一番の温もりは、彼の優しさ。
「アルコールは、またいつか」
 大人の味も、彼が言うようにいつか、美味しく飲めるようになれれば嬉しいけれど。
 でも今は――優しい甘さで満ちたカップで、聖夜に乾杯を。
 そして、そっと口にしたホットレモネードの味はやっぱり、何よりおいしくてとっても甘い。
 そんな甘いひとときに、カアッと顔も火照ってしまって。
 セレスタイトは、真っ赤な顔を慌てて耳羽で隠しながらも、ほうっと煌めく冬空に白い息を吐く。
 ――どうしよう、好きが増えてくよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蒼玉・露草
衆芳(栗林・千姫/f18880の渾名)と
祭りか、衆芳がどうしてもと言うから、付いてきてやったのだ
…べ、別に楽しいなどとは言っていないぞ!

しかし横を歩く衆芳が寒そうで震えているのが見えて落ち着かない
我は別に寒くはないが…
ふと通りがかる者が手にする飲み物が目に入って
自分の羽織っていた着物を衆芳の肩にさっさとかけて、
それを買いに行くことにする
風邪でもひかれたら、後で看病が面倒だからな…!
ホットココアとかいう飲み物らしい、それを衆芳に渡してやる
おいしいの一言に安堵したのは…秘密だ

しかし…何故手を握る!?
いや…確かに温かくないとは言わぬが…
そ、そうだ、狐面を被れば顔も温かいはずよな!
(と、赤面を隠そう)


栗林・千姫
露草(f06688)と

わぁ、すごいね露草
提灯みたいな明かりがたくさんで夢の中に来たみたい
ソワソワしてる露草
楽しんでるのがわかって2倍嬉しい

立ち止まると、寒いね
くしゃみがひとつ
うぅん、露草は大丈夫?
本体温めたら寒くないかな?
鏡をギュと抱きしめてみるけど
どうかな…?
なんだか不機嫌な露草に
寒いのかと心配になる…

ふと差し出された飲み物にパチリまたたき
お茶ではなさそう…?
初めての飲み物
飲んでみれば広がる甘い味に
おいしい…っ
かけられた着物の露草の温もりは
嬉しいけど、でも、寒くない?

温めてもらった分、温めるね
……こっちも!
露草の手を握って
ちぃの手でどっちの露草も温まるように
露草?またお面してるっ



 冬の夜空と賑やかな城下町を煌々と照らす、キラキラ輝く沢山の明かり。
「わぁ、すごいね露草」
 ……提灯みたいな明かりがたくさんで夢の中に来たみたい、と。
 自分たちが知っているものとはまた違う、この世界の燈火に瞳煌めかせる栗林・千姫(春水・f18880)。
 今宵は、このイーリスの城下町で、『聖夜祭』という大きな祭りが開かれているという。
(「祭りか、衆芳がどうしてもと言うから、付いてきてやったのだ」)
 そう興味なさそうに装う、蒼玉・露草(小夜曲・f06688)であったが。
「……べ、別に楽しいなどとは言っていないぞ!」
(「ソワソワしてる露草。楽しんでるのがわかって2倍嬉しい」)
 隠しているつもりなのは、本人だけ。
 実はお祭り好きで色々と興味津々な露草は、きょろきょろそわりと明らかに楽し気だ。本人は隠しているつもりですけれど。
 そしてふと千姫が立ち止まれば……くしゅんっとひとつ、口からくしゃみが。
「立ち止まると、寒いね。うぅん、露草は大丈夫?」
 ……本体温めたら寒くないかな?
 そう千姫は、蒼玉光る手鏡をギュと抱きしめてみて。
 どうかな……? そう窺うように、彼を見上げてみるけれど。
 なんだか不機嫌なように見える露草に、寒いのかと心配になってしまう。
「我は別に寒くはないが……」
 露草はそう自分を見つめる千姫に返しながらも。
 そんな、すぐ横を歩く彼女が寒そうで、くしゃみまでしていて。
 震えているのが見えて――落ち着かないのだった。
 内心ハラハラとしながらも、ふと道行く人のその手をみれば……あたたかそうな飲み物が。
 それから露草は、自分の羽織っていた着物をバサリ、千姫の肩にさっとかけてあげてから。
 スタスタと逸るように足を向けるのは、一軒の露店。
「風邪でもひかれたら、後で看病が面倒だからな……!」
 そして、そう言いつつも彼女に差し出したのは。
 ふんわり甘い香りと、ほわりあたたかな湯気が立ちのぼる――買ってきたホットココア。
 そんな、突然渡された飲み物に、パチリと青の瞳を瞬かせて。
「お茶ではなさそう……?」
「ホットココアとかいう飲み物らしい」
 初めての飲み物……そう、そっと千姫が口へと運んでみれば。
 くるり円らなその瞳が、より大きく見開かれる。
「おいしい……っ」
 口いっぱいに広がる、優しくて甘い味。
 ほわほわ零れ落ちたそんな彼女の言の葉に、露草は瞳を細める。
 おいしい、その一言にほっと安堵したなんて……それは、秘密だから。
 そんなはじめてのココアはあったかいし、かけられた露草の着物の温もりはとても嬉しいけれど。
「でも、寒くない?」
 千姫はやっぱり心配気に、改めて彼を見つめて。
「温めてもらった分、温めるね」
 ……こっちも!
 ぎゅうっと、蒼玉の手鏡だけでなく、彼の手も握ってあげる。
 ――ちぃの手でどっちの露草も温まるように、って。
「……何故手を握る!?」
 そんな彼女から与えられる温もりと柔らかく小さな手の感触に、露草は大きく瞳見開くけれど。
「いや……確かに温かくないとは言わぬが……」
 ちらりと、自分の手を握る千姫に、ふと視線を向けてから。
「そ、そうだ、狐面を被れば顔も温かいはずよな!」
「露草? またお面してるっ」
 慌てて露草は、狐面をかぽりとかぶる。
 隣の彼女が、あまりにも可愛らしくて天使で――直視できそうにないから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
【梟】

賑やかで華やか
活気づく城下町はとても眩しく
品々の彩り相まってか冬の白染めゆくよな赤緑金

視線は躍り
眸が捉えるは共に連れ立つ、

花世さん
あっち、飾りありました

指差し向く視線は正しく子供
あれかこれか選ぶひととき
似ていると掲げたられた硝子の猫見れば
ふわりそわり浮足立つ心地は喜色灯し

さて自分もと選ぶはロカジさんイメージの飾り
手に取る赤球に金の蔦巻く品の呼び名はオーナメントボール
見せようと揺らせばちりんと鈴鳴り

これ、ロカジさんっぽいです

決まり満足気かと思えばふと思い立ち
視線移す先に綾さんを見て

あの…もう一個
お土産にいいですか?

紡ぐ控えめなおねだり
ほろ酔い上機嫌な大人達ならば
二つ返事をくれるだろうか?


ロカジ・ミナイ
【梟】

うめぇうめぇ
酒と肉の旨いこと!
…ああ、もちろん雰囲気も楽しんでるよ
酒と肉はその副産物…でも、欲張りな僕は全部楽しむのさ
花世さん、こっちのワインもいけるよ

黒羽の指差す方へ反射的に目を向ける
彼に負けず劣らず少年の様に瞳が光った
わーお、綺麗な飾りだねぇ
綾の店に飾るって?そいつは名案だ!

おや、見てよ
これなんて綾そっくりじゃない?
濃い青と空色の、ガラスの、星形の
光に翳すともーっと綺麗だ
カカカ!綾、これ買って
ヒュー!男前なのは顔だけじゃないんだねぇ!

黒羽の手で揺れる赤い珠みたいに頬が染まってるかもしれない
ほろ酔いだからか素なのか分からないって?そりゃあ、
少年の心は忘れたくないもんでしょ


境・花世
【梟】

今宵ばかりは欲張りでも仕方ない
ロカジと肉を山分けしながらくすくす笑って
次から次へと乾してく美酒の杯
やだなあ綾、酔うのはまだまだこれからだよ
星めいた黄金ワインをきみにも渡して
ほら、祝祭の煌きに一緒に染まろう

すっかりふわふわの足取りで道行けば、
黒い眸へ鮮やかに映るオーナメント
みんなの彩を並べたら、きっときれいだね

――ああ、これがいい

夜空色に透きとおる硝子の猫に、
雪結晶のリボンを結んだ飾り
冬の静けさを精緻な細工で表現した匠の逸品だ
あとね、この仔、黒羽に似てる

少年のかわいいおねだりを叶えてあげられるなら
酔っぱらいも案外わるくないなあ、なんて
綾の手に咲く花のよに薄紅の眦を綻ばせて


都槻・綾
【梟】

ロカジさんも
かよさんも
すっかり酔い加減ですねぇ

軽い揶揄を向けて受け取ったのは温かい葡萄酒
立ちのぼる香気を眼前に翳して
賑わう街を透かし見れば
まるで絵本の中の風景みたいで

辺りの喧噪が、
酒杯を交わすともがら達の陽気な声が、
より一層きらきらと煌いて思える

黒羽さんの示す方を眺め遣り
数多の彩りに瞳を輝かせたのは
きっと皆に違いなく

まるで千紫万紅の花のよう
舗に飾りましょうか

幾つもの爛漫の中
己が目を惹いたのは
薄紅の花が咲く、植物標本めいた玻璃の玉

此方は
かよさんに似ていますねぇ

ロカジさんにも
少年の優しい申し出にもふくふく笑んで

今宵は私が財布になりましょう
勿論――酔っていますからね

なんて
悪戯な笑みも咲かせつつ



 まるで、満天の空から星が降ってきたのかと見紛うような煌めき。
 ちらちらと夜空から舞い降ってきたそのいろは、冬を彩る白。
 雪が降り始めた冬の夜は、吐く息さえ、白にしてしまうけれど。
 普段は白に彩られた静寂の夜も、今宵は活気に満ちた人々の声と鮮やかな色に溢れている。
 賑やかで華やか――そう『イーリス』の城下町の眩しさに青の瞳を細めながら。
 華折・黒羽(掬折・f10471)が次に青の視線を巡らせるのは、市場に並ぶ品々。
 それは冬の白を染めゆくような、赤緑金……聖夜ならではのいろ。
 そしてまたふと別の場所へと目を向ければ、そこには、酒と肉を楽しむ陽気な大人たちの姿が。
「うめぇうめぇ。酒と肉の旨いこと!」
 厚切りの豚ハムはマスタードをつけてピリッと。ローストされた肉は香ばしく、大胆に串に刺さった焼きたての肉は食べ応えも満点。
 それらは勿論、ずらり豊富に並ぶ酒類との相性も抜群。
 黒羽の視線を感じ、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は愉快そうに瞳を細めて。
「……ああ、もちろん雰囲気も楽しんでるよ」
 ……酒と肉はその副産物、と。
 今宵の城下町で催されているのは、年に一度の盛り上がりをみせるという『聖夜祭』。
 ロカジは景気良く手にした酒を口に運んだ後、一等楽しそうに笑む。
 ――でも、欲張りな僕は全部楽しむのさ、って。
「花世さん、こっちのワインもいけるよ」
 そして湯気がほわり立つ熟成の恩恵を受けた一杯を、境・花世(*葬・f11024)にも勧めれば。
 ――今宵ばかりは欲張りでも仕方ない。
 ロカジと肉を山分けしながら、くすくすと花の様に笑うその頬も、心なしかもう、ほんのり色づいていて。
 差し出されたワインも勿論美味しくいただいて、またひとつ、美酒の杯を乾していく。
 そんなほわほわ楽しそうに酒を酌み交わし、肉を頬張るふたりに。
「ロカジさんも、かよさんも、すっかり酔い加減ですねぇ」
 軽い揶揄を向けたはずの都槻・綾(夜宵の森・f01786)であったが。
「やだなあ綾、酔うのはまだまだこれからだよ」
 その酔いどれ仲間に引き入れんとするかのように花世から渡されたのは、星めいた黄金ワイン。
 ――ほら、祝祭の煌きに一緒に染まろう、って。
 受け取った温かい葡萄酒から立ちのぼる香気。
 それをふと澄んだ寒空へと翳し、賑わう街を透かし見れば……まるで絵本の中の風景みたいで。
 楽し気に交わされる会話、子供たちの笑い声、店員の活気に満ちた呼び込み、どこかから聞こえる音楽。
 それに……酒杯を交わす、ともがら達の陽気な声。
 見るもの聞こえるもの、全てがより一層、きらきらと煌いて思える。
 けれど勿論、酒と肉を味わうだけではありません。
 ちょっぴりふわふわしているような気がする歩調の皆と街を歩きながら、踊る青をきょろり黒羽が巡らせれば。
「花世さん。あっち、飾りありました」
 そう指差し、くるりと向く視線は、正しく子供。
「みんなの彩を並べたら、きっときれいだね」
「わーお、綺麗な飾りだねぇ」
 差された指先を辿れば、店に並ぶ鮮やかなオーナメントの数々。
 そしてそれを映したロカジと花世のその瞳は、黒羽に負けず劣らず煌めいていて。まるで、少年少女のよう。
 そんな眼前に耀く、千紫万紅の花のように綻んだそれぞれのいろに瞳を細めながら。
「舗に飾りましょうか」
「綾の店に飾るって? そいつは名案だ!」
 言った綾の提案に、勿論皆も大賛成。
 気合を入れて、あれかこれかと選ぶひとときのはじまり。
 そして数多並んだ飾りに、皆が目移りしている中。
 ――ああ、これがいい。
 花世が手にしたのは、夜空色に透きとおる硝子の猫に、雪結晶のリボンを結んだ飾り。
 美しい煌めきを纏うけれど、それは冬の夜の様な静けさを醸し出していて。精緻な細工が施されたそれは、匠の逸品。
 いや、綺麗で精巧な代物であるということも勿論あるのだけれど。
「あとね、この仔、黒羽に似てる」
 薄紅の瞳が映すのは、ぱちくりと似ていると掲げられた猫さんを見つめている黒羽。
 耳をぴこり、ゆうらり揺れる尻尾を見れば、一目瞭然。ふわりそわり浮足立つ心地に灯るのは喜色。
 そんな黒羽も……さて自分も、と。
 視線を再度オーナメントたちへと向け、ふと腕を伸ばせば。
 赤球に金の蔦巻く品――手にしたのはそう、オーナメントボール。
「これ、ロカジさんっぽいです」
 そうロカジをイメージした飾りを見つけ、見せようと揺らせば、耳に響くのはちりんと鳴る鈴の音。
 そしてロカジも、ピンときた一品を掌に乗せて。
「おや、見てよ。これなんて綾そっくりじゃない?」
 濃い青と空色のガラスの星を、そっと光に翳してみれば。
 キラキラとより輝きを纏う、綺羅星が。
 綾も、幾つもの爛漫の中、目を惹いた飾りを手に取って。
「此方は、かよさんに似ていますねぇ」
 それはまるで植物標本かのような、薄紅の花が咲く玻璃の玉。
 これで、みんなの彩が揃った――のだけれど。
 ふと思い立ち、視線移す先の綾をそっと見つめながら。
「あの……もう一個、お土産にいいですか?」
 ――ほろ酔い上機嫌な大人達ならば、二つ返事をくれるだろうか? なんて。
 そう黒羽が紡ぐのは、控えめなおねだり。
 そして続くロカジも、ちゃっかりとおねだりを。
「カカカ! 綾、これ買って」
「今宵は私が財布になりましょう」
 おねだりされた綾は、そう、ふくふくと笑む。
 ロカジにも、少年の優しい申し出にも……そのどちらにも。
「ヒュー! 男前なのは顔だけじゃないんだねぇ!」
「少年のかわいいおねだりを叶えてあげられるなら、酔っぱらいも案外わるくないなあ」
 花世が視線をふと嬉しそうに向けるのは、そうロカジに茶化される綾の手。
 そしてそこに在る玻璃の玉に咲く花のよに、薄紅の眦を綻ばせて。
 黒羽の手で揺れる赤い珠みたいに染まっているロカジの頬。
「ほろ酔いだからか素なのか分からないって? そりゃあ、少年の心は忘れたくないもんでしょ」
 それは大人の嗜みの酒の所為か、高揚した少年のような心の所為かは、わからないけれど。多分、そのどっちとも。
 そして財布宣言した綾も、悪戯な笑みをふっと咲かせる。
 勿論――私も酔っていますからね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。

久し振りにこの世界に戻って参りましたね。
とは言うものの、森から出たことがありませんでしたし、
この風景も新鮮なはずなのですが・・・何故か落ち着きます。

そう言えば、美味しいホットワインがあるとか。寒いですからね。
書物や伝承も気になります。

先ずは席に着いて、ホットワインを頂きましょう。
ああ、暖かいですわね。
風花さんはどうでしょう、私と旅をしていて楽しいですか?
私は森以外、未だに慣れません。先日も大恥をかくところでしたし。
風花さんがいて、とても助かっておりますわ。
・・・無理に付き合わせていないか、時々心配になるのですが。
今後とも、宜しくお願いしたいところ、です。


七霞・風花
ティーシャ(f02332)の肩で

んーっ、私もこの世界は落ち着きますね
例え森しかいらなくても、気配や空気というのが身体に馴染むのでしょう
少し、羽を伸ばしてはどうですか?

……おさけ。ほっとわいん。
もちろん書物や伝承もわかりますが私はやはりこう……いえ、別に酒好きではないのですけど?

はい、乾杯です
……? 旅が、ですか? 普通に楽しんでますけど……?
えぇと……あの、そんな事、思って、悩んでいたんですか?

嫌であれば、一緒にいないし、離れるし、消えますよ
気にしすぎなのです
むしろ私は誘われて嬉しいのです
ほら、まあ……私は引き篭もりがちなので、あまり自分で動きませんし
だから、はい
これからも、よろしくです



 ひやり冷たい冬の澄んだ空気に、見上げれば満天の星々。
 賑やかな城下町のすぐ傍には、深い煌めきの森が。
 ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)はそんな風景をぐるり、紫の瞳で眺めながら。
「久し振りにこの世界に戻って参りましたね」
 肩の上に乗せている七霞・風花(小さきモノ・f13801)へと視線を移して。
「んーっ、私もこの世界は落ち着きますね」
 すうっと息を吸い込み、風花もこくりと白い髪を小さく揺らし頷く。
 ふわり空から舞い降りはじめた雪と、冷気を帯びた一陣の風。
 そんな馴染み深い雪と風を全身で感じながら言った風花に、ティーシャはふと首を傾けつつも。
「とは言うものの、森から出たことがありませんでしたし、この風景も新鮮なはずなのですが……何故か落ち着きます」
「例え森しかいらなくても、気配や空気というのが身体に馴染むのでしょう」
 ……少し、羽を伸ばしてはどうですか?
 その風花の言葉通り、大きな賑わいをみせる『聖夜祭』を楽しむべく、店を巡ってみることに。
「そう言えば、美味しいホットワインがあるとか。寒いですからね。書物や伝承も気になります」
 ティーシャが興味を惹かれたのは、オレンジピールやシロップを加え温めたホットワインと、この街で手に入る書物や伝承。
 そんな言葉に、ぴくりと風花の翅が一瞬揺れる。
 書物や伝承、確かにそれも、気になるものではあるのだけれど。
「……おさけ。ほっとわいん」
 ぽつりと思わず風花の口から零れる、そんな言の葉。
「もちろん書物や伝承もわかりますが私はやはりこう……いえ、別に酒好きではないのですけど?」
 けれど、やはり気になるのは、ホットワイン。
 ふたりはまずは、心擽られる興味に抗わず、ホットワインがいただける店へ。
 席に着き、ほわりと湯気あがる待望のホットワインが運ばれてくれば。
「はい、乾杯です」
 ふたり仲良く、グラスを重ね合って、乾杯!
 そして口に運べば――身体の芯からぽかぽかあたたかくなる感覚。
 ……ああ、暖かいですわね。
 ティーシャはそう微笑んで、ホットワインを味わいながらも。
 ふと、こう風花へと訊ねる。
「風花さんはどうでしょう、私と旅をしていて楽しいですか?」
 そんな問いに、風花は不思議そうに首を傾けて。
「……? 旅が、ですか? 普通に楽しんでますけど……?」
 青の瞳を、ティーシャへと向ければ。
「私は森以外、未だに慣れません。先日も大恥をかくところでしたし。風花さんがいて、とても助かっておりますわ」
 ……無理に付き合わせていないか、時々心配になるのですが。
 そう、どこか申し訳なさそうないろを宿す瞳で視線を返すティーシャ。
 そんなちょっぴり不安気な様子の彼女に、風花は瞳をぱちくりとさせて。
「えぇと……あの、そんな事、思って、悩んでいたんですか? 嫌であれば、一緒にいないし、離れるし、消えますよ」
 ――気にしすぎなのです。
 はっきりとそう言った後、風花は続ける。
「むしろ私は誘われて嬉しいのです。ほら、まあ……私は引き篭もりがちなので、あまり自分で動きませんし」
 そして、紡がれる風花の言葉に、ティーシャはホッとしたように笑んでから。
「今後とも、宜しくお願いしたいところ、です」
 礼儀正しく、そう、ぺこり。
 風花もつられて、ぺこっと軽く頭を下げながらも。
「だから、はい。これからも、よろしくです」
 またひとくち、美味しくてあったかいホットワインを口に運ぶ。
 ふたり一緒に楽しむ、賑やかな『聖夜祭』の夜に――改めて、乾杯しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アロイス・グレイアム
イーリスの聖夜祭か。
すごい賑わいだな、クーノ(狼)。
虹色の輝石が光る街並みがとても綺麗だ。

クーノに露店で見つけたクリスマスにぴったりの帽子をかぶせてみよう。きっと白い毛並には似合うだろうな。

楽しげな音楽と美味しそうな匂いにつられて店内に入ろうか。
まずはホットワインで暖まって、ローストされた肉や果物のパンケーキをお腹いっぱいになるまで食べようか。
綺麗な景色と音楽と食事。
最高のひと時になりそうだ。


アドリブ改変・絡み歓迎



 大きな城下町が今宵纏う輝きは、七彩の虹のいろ。
「イーリスの聖夜祭か。すごい賑わいだな、クーノ」
 数多の光が入り混じるイーリスの『聖夜祭』は、話に聞いていた以上に活気に満ちていて。
 ちらちらと舞い降りはじめた雪に似たいろの、白銀の毛並みをした狼に、アロイス・グレイアム(雷迅双月の黒竜・f12900)は声を掛けつつも歩く。
 そしてアロイスは、沢山の人が犇めく市場の店を、クーノと共に見て回ることに。
 この街の名産物は、珍しい虹色を纏う輝石なのだというが。
 確かに、巡る市場にも、輝石を加工した装飾品等が店頭に飾られた店が多くみられて。
「虹色の輝石が光る街並みがとても綺麗だ」
 煌々と照る街の明かりがそれに反射し、不思議な色合いを纏っている。
 そんな煌めきの景色の中、クーノと一緒に楽しみながら、盛況な市場をゆけば。
 ふと、目についたのは――様々な色や形をした帽子が並ぶ店。
 その中から、赤と緑を基調とした金の刺繍が施されている、クリスマスにぴったりな一品を見つけて手に取って。
 アロイスはそれをぽすっと、クーノにかぶせてみる。
 そのカラフルな色合いは思った通り、白い毛並みにとてもよく似合っていて。
 心なしか、かぶっているクーノも得意顔。
 そんな、色々な物で溢れている市場を再び歩き始めれば……不意に耳に聞こえてくるのは、楽し気な音楽。
 その旋律に導かれるように、一軒の店に足を向ければ、ふわり漂う美味しそうな匂いが。
 市場巡りで腹も丁度空いた頃合でもあるし、それにつられてふたり、店内へと入って。
 まずは、ホットワインで暖をとるアロイス。
 冬の寒さもどこへやら、ぽかぽかと身体の芯から感じはじめる、あたたかさ。
 そして、ローストされた香ばしい肉や、果物たっぷりな数段重ねのパンケーキを注文して。
 クーノと一緒に、お腹いっぱいになるまで、ぱくりと頬張りつつも。
 窓の外の鮮やかな冬景色を眺め、聞こえる演奏に酔いしれながら。
 アロイスは七彩の煌めき映す金の瞳を細め、改めて思うのだった。
 ――綺麗な景色と音楽と食事。最高のひと時になりそうだ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
刻(f06028)と

聖夜祭の賑わいと
普段お目に掛かれない品々に
露店を落ち着かなくうろうろと梯子する

ねえ、刻。ツリー、って見たことある?
俺、本物はまだ無くて
…けど、クリスマスには家に飾るのが定番らしくて
俺の店にも置いたら皆喜んでくれるかな

其れらしいもの探し巡り
惹かれた置型の淡く灯るランプの中に
樅の木とオーナメントが飾られた少し変わったもの
そしてもう一つ買ったものはこっそりと

買い物後の一休みは
温かいアップルシナモンティーを
ワインを嗜む刻の裾を軽く引っ張って
ずい、と押し付けたのはいつかの兎に似た
サンタの衣装を纏うキーホルダー

目が合っちゃったから
きみが連れて帰ってあげて
…好きでしょ?
問うた目線は悪戯に


飛白・刻
千鶴(f00683)と

千鶴が店に飾る物を物色するというから
後学も兼ねて付いて来てはみたもの
眩い光景に圧倒されて

…俺も見たことはない
クリスマス、を知らなくてな
そうか、飾って楽しむのか
店の皆なら、更に楽しむ方法も知っていそうだな?

あとはといえば
好奇心任せに足を進める店主を追うがやっと
聖夜祭の空気を少しずつ覚えながら

買い物が一段落ついた所
夜風を肌に覚えれば
狙うように掠めたワインの香り
オレンジピールにジンジャー足したロゼひとつ
くい、と裾引かれたかと思えば
目の前には赤い衣装を身に纏うた白兎

…置いて帰れると思うか
選択肢などある筈なく
知ってるといわんばかりの目を向ける確信犯を
軽く小突いたのは照れ隠しか否か



 まるで、澄んだ冬空から星が降ってきたのかと、そう思ってしまうくらいに。
 舞い始めた雪や『聖夜祭』に沸く城下町を煌々と照らすのは、並ぶ露店の燈火。
 そんな、大きな祭りの賑わいと普段お目に掛かれない品々に、紫の視線を忙しく巡らせながら。
 数えきれない程ある市場の店を、落ち着かなくうろうろと梯子するのは、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)。
 そして、店に飾る物を物色すると聞いたから。
 後学も兼ねて付いて来てはみたものの……眩い光景に圧倒されてしまう、飛白・刻(if・f06028)。
 雪が舞う冬の夜は、どちらかといえば静寂の印象が強かったけれど。
 眼前の風景はキラキラと煌めいていて、沢山の人が忙しなく行き交い、活気溢れた声で満ち溢れている。
 そんな、はじめて触れる光の世界に瞳瞬かせる刻は。
「ねえ、刻。ツリー、って見たことある?」
 ……俺、本物はまだ無くて、と。
 耳に響いた千鶴の問いに、ふるり首を横に振る。
「……俺も見たことはない。クリスマス、を知らなくてな」
 クリスマスは、二人にとっては未知のもの。
 でも色々と話に聞いたことは、少しあって。
「……けど、クリスマスには家に飾るのが定番らしくて。俺の店にも置いたら皆喜んでくれるかな」
「そうか、飾って楽しむのか。店の皆なら、更に楽しむ方法も知っていそうだな?」
 目の前に広がる世界を見て、少しだけ、ふたりは納得する。
 きっと……この街の様に、綺麗な煌めきを飾ったりするものなのだろう、って。
 だから店に置けば、皆も嬉しいかもしれないし。
 知っているクリスマスを、もっと教えてくれるかもしれない。
 とりあえず、千鶴はそれらしいものを探しに、市場を巡りはじめて。
 刻はそんな、好奇心任せに足を進める店主を追うのがやっと。
 聖夜祭の空気を……少しずつ、覚えながら。
 そして、これで何軒目になるだろうか。
 立ち寄ったオーナメント並ぶ店の中を、ぐるり千鶴が見回せば。
 紫の瞳にも刹那ふっと燈ったのは、心惹かれた、淡く輝くランプの光。
 その輝きの中には、樅の木とオーナメントが飾られていて。
 少し変わったそれに手を伸ばし、千鶴はようやく出会えた運命の逸品に瞳細めてから。
 こっそりともうひとつ、見つけたものを手に取った。
 そんな広い市場を巡る買い物の後は、暖を取りながら一休み。
 もうすっかり冷気纏う夜風を肌に覚えれば、狙うようにふわり掠めるワインの香り。
 刻は、オレンジピールにジンジャーを足したロゼをひとつ。
 ほわほわ湯気立てるホットワインを注文して。
 まだ酒は飲めないけれど、千鶴が口に運ぶのは、香りが良く温かいアップルシナモンティー。
 そしてワインを嗜み、熟成の賜物を堪能する裾を、くいくいっ。
 軽く引くその手の主に、刻が瞳を向ければ――ずい、と押し付けられたのは、サンタの衣装纏う白兎。
 それは、いつか見たあの兎によく似ているキーホルダー。
 けれどふと首を傾け、交互に白兎と千鶴に、視線を巡らせれば。
「目が合っちゃったから、きみが連れて帰ってあげて」
 ……好きでしょ?
 眼前には、知ってるといわんばかりの目を向ける確信犯。
 いや、悪戯な視線に問われるまでもない。
「……置いて帰れると思うか」
 選択肢などある筈もなく……そっと刻は、赤い衣装を着た白兎を迷わず手にしてから。
 こつんと軽く、自分を見つめる確信犯を小突いたのは――心にふと灯った照れ隠しか否か。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アース・ゼノビア
【白】
ホットワインに少し顔を赤らめ、ふわふわ気味で祝祭の街を眺め。
ルーメンは初めてだけど…なんだか故郷を思い出すんだ
冬は息が凍るほど寒くて、よく暖炉の前で過ごしたよ。

相変わらず男ばかりなのは…まあ、ゆゆしき事態だけど?(笑いつつ)
一人じゃ懐かしすぎて寂しかったと思うから、俺は嬉しいかな。

惨太さん??じいさま、それも東洋の習慣かい?
…成程、誰かの誕生をお祝いとして分かち合う日か。
それなら焼き林檎を頂こうかな。

俺もホットワインでよければ奢るよ。
なにかと寒いのも幾分マシになるさ。伊織と道明も一杯どう?

森に入る前に露店を見てこようかな。
オークに宿る、金のヤドリギが欲しくてさ
この街ならある気がするんだ。


呉羽・伊織
【白】
(ホント興味深いやと見渡して)
今日は祭の活気が暖炉代わりになってくれそーだな

(ふと面子見)
…いややっぱ心が凍えそう!
コレが…ほわいと聖夜…(遠い目)
人数分ある意味寂しさも増してるよネ!
あ、でもたぬこがいるからセーフ…?
ココはせめてたぬこに可愛く着飾って貰お…(動物用の品探し)
(自分はひよこに拒否られ二重に懐が寂しいコトは黙っとく)

惨太は…何か致命的に違…
ってソレ自分が食べたいだけだろ惨太ー!

ウン、ひとまずヤケ酒…じゃなくて乾杯しよーか!(色々有難く頂き)
…惨太はそんな目で見ても知(今ある意味男らしいあ~んもとい給餌を見――なかったコトにして)
そしたらオレはお礼に土産用の菓子でも見るかな!


重松・八雲
【白】
きらきらだのう!
(懐からぴょこっと顔出した嫁もといたぬこさまと輝く笑顔で)
ふむ、アースの故郷に似た空気と聞くと一層興味深いな!

?伊織は何を言うか
人数は多い方が寂しくなかろ!
(アースに頷き伊織を尻目に)
儂らは最高にぬくぬく気分だのうたぬこさま!

さて今宵は儂が特別に惨太さんとやらになるで、気軽にほしいものを言うてみよ!
よしきた林檎じゃな!
後は――あっあのくれーぷも気にならぬか!
(言うや否やまっしぐら!
酒代わりに葡萄ジュース頂き、ほいほいほくほく瞬く間に両手一杯)

む、これ以上持てぬが儂あの串も気になる
誰か!頼む!ぷれぜんと!
(期待の眼差し、からのもご!)(でも満足顔)
まだまだ市探索が捗るのう!


吉城・道明
【白】
追想の光景か
それは目映さも一入
寒くとも、良い場所に生まれたのだな

――ああ、成程
これが音に聞くホワイト苦リスマス
世間は浪漫云々と時めくらしいが、よくわからぬな(何か色々おかしい)
伊織は寂しいならば木彫人形でも買って懐に入れておけ

惨太は寧ろ異国の何かだった気がするが
まぁ(この御隠居を形容する分には)大体合っているのではないか(色々略)

(返答の間もなく駆けた惨太眺め)
……折角の心意気を無下にするのも無粋というもの
其々有り難く頂こう
そしてこの行事は交換が慣例だったか
ならば(ぴゃーぴゃー騒がしい狐と狸に串甘味をむぐりと)

土産……そういえば樹の下に酒と肴を置いといてくれれば良いわ、等と言われていたな


千家・菊里
【白】
新鮮、追憶――誰の目にも目映い光景で良いですね
そして寒さが身に沁みる分、温かい食事も美味しく染み入るというもの
(笑顔で既にちゃっかり焼立てチキンを持っている!)

ほわいと苦りすます?
俺は美味しい食事があれば何でも良いです(ね?とたぬこさまに話しかけ)
あぁ、寂しくて可哀想な伊織には確かにあの人形がお似合いですねぇ
縁結びの品らしいですよ(適当)

惨太さんは夢に溢れた何かでしたっけ
まぁ大体合ってるんじゃないですかねぇ(適当2)
あ、俺も林檎やクレープ頂きたいです(そしてまたちゃっかり)

おやみっちーさんナイス黙らせ方
伊織は男らしさが足りないですねぇ(とことん雑)
ふふふ、お土産も両手一杯になりそうですね



 はあっと吐いた息が白く立ちのぼるような、寒い冬の夜。
 吹き抜ける風は、本来ならば身を竦めてしまうほど、ひやりと冷たいもののはずだけれど。
 アルコールの入った火照った頬には、むしろそのくらいが丁度良い。
 ほわり湯気の立つホットワインを楽しみつつ、ふわふわした心地で。
 アース・ゼノビア(蒼翼の楯・f14634)は、城下町の煌めきを映す月の如き金の瞳を細める。
「イーリスの街やルーメンの森は初めてだけど……なんだか故郷を思い出すんだ」
 ――冬は息が凍るほど寒くて、よく暖炉の前で過ごしたよ。
 そうふと懐古するように紡がれた言葉を聞きながら、呉羽・伊織(翳・f03578)も『聖夜祭』の雑踏を見渡して。
「今日は祭の活気が暖炉代わりになってくれそーだな」
 ……ホント興味深いや、そう呟けば。
 追想の光景か、それは目映さも一入――と。
 アースへと目を遣った吉城・道明(堅狼・f02883)は続ける。
「寒くとも、良い場所に生まれたのだな」
 共に見つめる目の前の景色は、皆同じもののように一見思えるけれど。
 アースにとっては追想の、伊織にとっては新鮮な――そんな風景。
 そして、数えきれない店の明かりや飾られた街並みに、きらきらだのう! と。
 好奇心赴くまま、あっちにこっちにと、きょろきょろ視線を巡らせながらも。
「ふむ、アースの故郷に似た空気と聞くと一層興味深いな!」
 ぴょこっと懐から顔出した嫁……もとい、たぬこさまと一緒に、街の煌めきに負けないほど輝く笑顔を宿すのは、重松・八雲(児爺・f14006)。
「新鮮、追憶――誰の目にも目映い光景で良いですね」
 そんな無邪気な爺様の隣で、そう、同じく上機嫌な様子でにこにこと笑むのは、千家・菊里(隠逸花・f02716)。
 それも、そのはず。
「そして寒さが身に沁みる分、温かい食事も美味しく染み入るというもの」
 笑顔を浮かべる菊里のその手には、やはり既に、ちゃっかり焼立てのチキンが握られています!
 そんな、相変わらずすぎる面子をふと見て。
「……いややっぱ心が凍えそう!」
 ――コレが……ほわいと聖夜……。
 ちらちらと雪まで降ってきた寒空に、伊織は遠い目を向ける。
「人数分ある意味寂しさも増してるよネ!」
 見回す面子は、見事に白一色。まぁ慣れてはいるけれど、真っ白。すごいほわいと。
「相変わらず男ばかりなのは……まあ、ゆゆしき事態だけど?」
 憂いを帯びた伊織の視線に、アースはそう笑いつつも言って。
「一人じゃ懐かしすぎて寂しかったと思うから、俺は嬉しいかな」
「? 伊織は何を言うか。人数は多い方が寂しくなかろ!」
 こてんと不思議そうに首を傾けながらも、アースの言葉にこくこく頷く八雲は。
 白に嘆く伊織を尻目に、やはりキラキラした子どもの様な笑顔で。
「儂らは最高にぬくぬく気分だのうたぬこさま!」
 たぬこさまと、きゃっきゃ!
「ほわいと苦りすます? 俺は美味しい食事があれば何でも良いです」
 ――ね? と。
 いつの間にか追加されているソーセージをはむりと食す菊里も、たぬこさまに話しかけ笑んで。
「あ、でもたぬこがいるからセーフ……?」
 つぶらなおめめのおたぬきさまを、じーっと見つめてみる伊織。
「ココはせめてたぬこに可愛く着飾って貰お……」
 そして賑わう市場で探そうと思ったのは、まんまるふるもっふ癒しぼでぃにぴったりな、動物用の品。
 いえ……寒いから出かけたくないと、そう自分はひよこに拒否られて、実は二重に懐が寂しいだなんてことは……内緒なのです。
 そんな皆の会話を一通り聞いてから。
 ――ああ、成程、と。
 こくりと納得したようにひとつ頷いたのは、道明。
「これが音に聞くホワイト苦リスマス。世間は浪漫云々と時めくらしいが、よくわからぬな」
 ……何か色々おかしい気もするけれど、道明は至って天然……いや、謹厳実直。
 それからふと、憂いを帯びた目をしている伊織へと、こう言葉を投げておく。
「伊織は寂しいならば木彫人形でも買って懐に入れておけ」
「あぁ、寂しくて可哀想な伊織には確かにあの人形がお似合いですねぇ」
 ……縁結びの品らしいですよ、と。
 そう菊里が適当なことを言いつつ目を向けたのは、店にずらり謎に並んでいる、何だかどこかで見たことある気がするようなしないような、埴輪に似た感じの木彫人形。
 いえ、寂しくなんてさせないと言わんばかりに。
「さて今宵は儂が特別に惨太さんとやらになるで、気軽にほしいものを言うてみよ!」
 人肌脱ぐかのように言い放った八雲が担うのは、サンタ……惨太さん!?
 そんな突然爆誕した惨太さんに、アースはぱちくりと瞳を瞬かせるも。
「惨太さん?? じいさま、それも東洋の習慣かい?」
 ……成程、誰かの誕生をお祝いとして分かち合う日か。
 そう納得し、早速、惨太さんにお願いを。
「それなら焼き林檎を頂こうかな」
「よしきた林檎じゃな!」
 めちゃめちゃ張り切った様子で、そう大きく頷く惨太さんであったが。
「後は――あっあのくれーぷも気にならぬか!」
 トナカイ変わりにたぬこさまを連れて、言うや否や、露店にまっしぐら!
 そんな、返答の間もなく駆けていった元気な惨太さんを眺めながらも。
「惨太は寧ろ異国の何かだった気がするが」
 ……まぁ、大体合っているのではないか。
 色々この御隠居を形容する分には――という言葉は飲み込みつつ、言った道明に。
「惨太さんは夢に溢れた何かでしたっけ」
 ……まぁ大体合ってるんじゃないですかねぇ。
 またもや、適当にそう言っておく菊里。
 その隣で、再び遠い目になりながらも。
「惨太は……何か致命的に違……ってソレ自分が食べたいだけだろ惨太ー!」
 嬉々としてクレープに追加トッピングをしている惨太さんに、伊織はそうツッコまずにはいられない。
 そして、アースご所望の林檎と、きっと惨太さんが食べたい甘いクレープ、あとは酒代わりに葡萄ジュースを貰って。
 ほいほいほくほく瞬く間に両手一杯、戦利品を抱えて戻ってくる惨太さん。
「あ、俺も林檎やクレープ頂きたいです」
「……折角の心意気を無下にするのも無粋というもの」
 惨太さんが買ってきた美味しいものをちゃっかりいただかんとする菊里と、其々有り難く頂こうと紡ぐ道明であったが。
「む、これ以上持てぬが儂あの串も気になる」
 惨太さんの興味を惹いたのは、やはり甘いフルーツチョコレート。
 でもいっぱい買ってきた戦利品で両手は塞がってしまっているから。
 ――誰か! 頼む! ぷれぜんと!
 期待の眼差しで惨太さんがトナカイさんと一緒にプレゼントをねだるという、予想斜め上の展開!?
 そんな惨太さんたちを見遣りながら、ふむ、と。
「この行事は交換が慣例だったか」
 道明はおもむろに、チョコがかかった果物の串を購入して。
 ならば――そう、ぴゃーぴゃー騒がしい狐と狸に、串甘味をむぐり。
 もご! と惨太さんは突っ込まれた甘い串に言葉遮られるも……すぐに、もぐもぐ満足顔。
 そして。
「……惨太はそんな目で見ても知――」
 そう言葉を紡がんとした伊織は目をみはる。
 眼前で刹那繰り広げられた、ある意味男らしい、あ~んもとい給餌に。
 それを、そっと見――なかったことにする伊織を横目に。
「おやみっちーさんナイス黙らせ方。伊織は男らしさが足りないですねぇ」
 とことん雑に言い放ってから、あ、みっちーさん串甘味も頂けますか、なんて。
 やはり、食べ物に関してはちゃっかりしている菊里。
 そんな惨太さんから焼き林檎を受け取りつつ、賑やかな皆へと視線を巡らせて。
「俺もホットワインでよければ奢るよ。なにかと寒いのも幾分マシになるさ」
 ――伊織と道明も一杯どう?
 そうアースに勧められ、気を取り直して伊織や道明もホットワインを受け取れば。
「ウン、ひとまずヤケ酒……じゃなくて乾杯しよーか!」
 皆で改めて――乾杯!
 眼前の祭りの喧騒が静寂に変われば、不穏な予知が視えた『ルーメンの森』へと向かうことになるが。
「森に入る前に露店を見てこようかな。オークに宿る、金のヤドリギが欲しくてさ」
 ……この街ならある気がするんだ、と。
 まだまだ、祭りを楽しむ時間は十分にあるから。 
 アースは、神聖な黄金の枝になるという、オークの樹に宿るヤドリギを探しに。
「そしたらオレはお礼に土産用の菓子でも見るかな!」
「土産……そういえば樹の下に酒と肴を置いといてくれれば良いわ、等と言われていたな」
「ふふふ、お土産も両手一杯になりそうですね」
「まだまだ市探索が捗るのう!」
 美味しい食べ物屋飲み物を満喫したその後は……何だか白だらけの修学旅行かのような、市場を巡るお土産タイム。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『夜空の下で探索を』

POW   :    夜目が利くので、己のポテンシャルを生かして探索

SPD   :    効率重視。思いついた策を試してみる。

WIZ   :    地形や痕跡などから、対象を探す

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第2章プレイング送信の受付は、【12/20(金)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを12/19中に掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
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●ルーメンの森
 あれほど賑やかであった『聖夜祭』の市場も、夜が更ければ、元から街にある酒場以外は一旦店じまい。
 露店で朝まで飲んで騒いで……というのも祭りの無礼講、醍醐味のひとつかもしれないけれど。
 規模が大きな城下町である分、治安の面からも、その点は確りと取り締まっているようだ。
 いや、夜が深まると市場を閉めるという決まりは、治安の面だけが理由ではない。
 いつもは静かな夜に、あまり騒ぎすぎると――『ルーメンの森』の精霊たちが、びっくりしてしまうから。

「こちらが森の奥へ立ち入る許可証です、お気をつけて」
 今宵の祭りが終わりを迎えた頃、猟兵たちは、森を管理する役場の役人から、入森許可証を無事に受け取る。
 森の奥へと入っていった者たちが帰って来ないという案件。
 それはやはり、森で採れる虹色の輝石を名産物と謳っている『イーリス』の街にとっても、頭を抱える問題のようで。
 審査などは一応軽くあったようだが、問題解決へと乗り出してくれるような、腕に自信のある者たちは街にとっても有難く、許可証も難なく手にすることができたのである。
 いや、むしろ、この失踪事件を解決してくれそうな者たちは大歓迎のようで、猟兵達は厚い待遇を受けていた。
「森の探索のお代は、森に生る虹色の輝石の原石をどうぞお持ち帰りください」
 あまり乱獲されるのは流石に、ということで、1人3個前後程度でお願いしたいということであるが。
 森の樹木に生る虹色の輝石の原石を持ち帰ってもいいという。
 虹色の輝石は、形はだいたい基本丸型のものが多く、大きさは子供の掌に乗る程度のものが一般的であるというが。
 けれど、やはり天然のもの、その大きさや形や色合いは様々。
 森の奥にいくほど手つかずのため、レアなものも見つかりやすいかもしれない。
 持ち帰りたいと思っているのならば、折角だから、自分の気に入った色合いや大きさや形のものを楽しく選びたいところだ。
 そして、今の季節の森は寒いから。
「森の探索者さんたち用に、お好きな軽食や飲み物をご用意いたしますので。ご入用の際は、酒場でおっしゃってください。荷物にはなりますが、毛皮や毛布、ブーツなどの防寒具も各種多彩に揃えておりますので、必要であればお貸しいたします」
 冒険に出かける前に、対策も万全にしておきたい。
 酒場で用意してくれるというのは、まずは、冷めにくい保温水筒に入れてくれるという飲み物各種。
 成人していれば酒類、ジュース類、珈琲に紅茶、ホットでもアイスでも、好きなものを用意して貰える。
 小腹がすいた時用の軽食も、必要ならば、好きなものを好みの量貰えるようだ。
 市場で売られていた豚ハムやローストされた肉やソーセージ、それらを挟んだサンドイッチ、ポットに用意してくれるあたたかいスープ……勿論、甘いプディングやパイやケーキなどのスイーツでも大丈夫。飲み物と共に、運びやすいバスケットに入れてくれるという。
 また、各種防寒具も、ものによっては荷物になってしまうかもしれないが、貸してくれるというので。
 各々態勢を整え、森へと向かいたい。
「今の『ルーメンの森』の樹木は、たわわに七彩の虹色の輝石を実らせていますからねぇ。まるで煌めく装飾が施されたクリスマスツリーが延々と立ち並ぶようで、他では見られない、幻想的で特別な景色が楽しめますよ」
 満天の星空の下、森に足を踏み入れれば――そこに広がるのは、天然のイルミネーションの煌めき。
 雪もちらつく深い森は、『聖夜祭』という名にも相応しい、美しい虹のいろで溢れているという。
 また、ウサギやテン、キツネやタヌキなど、冬の森に住む夜行性の動物たちとも出会えるかもしれない。
 そんな美しい風景や森の動物たちと出会いもまた、楽しみのひとつ。
 けれど勿論、目的も忘れてはいけない。
「『ルーメンの森』に生る虹色の輝石は、森の妖精たちからの贈り物だと言われていますが。森の最奥には、滅多に出会えないという森の精霊王が宿る特別な樹木があると伝承では伝えられていて。この樹はよほど運が良くないと出会えないかわりに、遭遇した者の欲しいものを生み出してくれると言われています。そして勇者様は、この妖精王の樹から、虹色宝具を授かった……というのが、この街に伝わる伝説です」
 あくまで伝承で、本当かどうかはわかりませんけれど……と役人は付け加えつつ、一通り説明を終えた後。
「森の精霊王は静寂を好むと言われていますし、森の自然や動物たちを傷つけたり驚かせすぎるような行為は禁止ですが。人が失踪する事件のこともあり、油断は禁物とはいえ……私達『イーリス』の民の誇りでもある『ルーメンの森』の聖夜も、楽しんでいらしてくださいね」
 役人は、森へ入るための各種手続きを済ませてから、猟兵たちを森へと送り出す。
 いってらっしゃい、くれぐれもお気をつけて……そう、付け加えて。
 さぁ、まずは森の最奥にいるという精霊王を探して――聖夜のイルミネーションの森の、探索から。
薄荷・千夜子
動物たちもいると聞いて楽しみですね!
と、せっかくならと相棒の彗(鷹)、颯(イタチ)、楓(犬)も一緒に

イルミネーションも見に行きましたが、幻想的な雰囲気と相まってこちらも素敵ですね
天然のイルミネーションを楽しみながら野生の動物たちを見かければ【動物と話す】でおすすめの場所を聞いてみましょう
良ければ貴方達の好きな場所を案内して頂けませんか?
お礼にあまり騒がしくはできませんが『操花術具:神楽鈴蘭』を鳴らしながら動物たちと踊るようにステップを
楽しい一時を過ごしましょう

この森の動物たちは外に連れ出せるのでしょうか?
機会が得られるのならば新しいお友達ができると嬉しいのですが…無理には誘わず



 つい先程までいたイーリスの城下町は活気に溢れ、大いに賑わっていたというのに。
 そのすぐ傍にある『ルーメンの森』に満ちるのは、夜の静寂。
 冬の森の空気は冷たく澄んでいて、耳を澄ませば、夜の森に息づく様々な気配や声が聞こえる。
 楽しい祭りの雰囲気も好きだけど、命の息吹を感じながら森を往くのも好き。
 彗や颯、楓も一緒に。
「動物たちもいると聞いて楽しみですね!」
 慣れた様に夜闇の森を翔けながら、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)は巡らせた緑色の瞳を楽し気に細め、白い息を天へと昇らせる。
 見渡す風景は、知っている森の景色と似ているところもあるけれど。
「イルミネーションも見に行きましたが、幻想的な雰囲気と相まってこちらも素敵ですね」
 千夜子の瞳に煌めくのは、森の樹木に生っている輝石と同じ虹のいろ。
 それはまるで天然のイルミネーションのようで。
 人口の光と雪の反射が美しかった電飾のそれとはまた、全く違った雰囲気を醸し出している。
 そんな幻想的な森の中、ふと何かの気配に気づいて。
 千夜子が夜の闇に目を凝らせば……そこには、まんまるもふもふな白い野兎の姿。
 いや、兎だけではなく、狸の親子や狐も、自分たちの様子を窺うように見ていて。
 千夜子は少し警戒している野生の動物たちに、こう声を掛ける。
「良ければ貴方達の好きな場所を案内して頂けませんか?」
 その声に、森の動物たちはびくりと反応を示したけれど。
 冬の空をバサリと飛ぶ彗や、タタッと動物たちに近づく可愛らしい颯、巻いた風呂敷に街で調達した美味しいものを隠し持っている楓。
 自分たちと同じ動物と共に在る千夜子へと、そろり、近づいて。
 こっちこっち、と言わんばかりに、みんな同じ方向へと駆け始める森の動物さんたち。
 それについていき、暫く歩けば――。
「わぁっ! 綺麗……」
 辿り着いたのは、澄んだ森の泉。
 清らかな水が、舞い降る雪と樹木に実る輝石のいろをキラキラと映して。
 数多の光を宿した水鏡の煌めきが、美しい波紋を描き出す。
 そんなとっておきの場所を教えてくれた動物さんたちへの御礼にと。
 千夜子はしゃらりと、手にした鈴蘭を静かに鳴らして。
 神楽鈴の音に合わせ、動物たちと一緒に夜の輝きの中、踊る様にステップを踏んでいく。
 そして――そんな楽しいひとときを十分過ごした後。
 目的の森の奥へと再び向かおうとした千夜子は、ふとその足を止める。
 それから振り返れば、ぱちりと合う、もちふわな白兎さんとの視線。
 そんな兎さんの目線に屈んで……一緒に来る? そう訊いてみれば。
 ぴょこぴょこ、一生懸命振られるまん丸い尻尾。
 まるでクリスマスツリーのような樹木並ぶ、煌めく夜の森で出会ったのは――可愛らしくて新しいお友達。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
さっそくブーツと外套でちょっともこもこっぽくなるわね。
寒いのあまり好きじゃないのよ?

「静寂を好む、ということだったわね」

なら目立たない5、忍び足5、迷彩4で夜の森をそっと歩くわね。
動物さんをびっくりさせるのは本意じゃないから、動物には気づかれる程度の動きをするけど。
素敵な輝石があれば1個だけ確保するわね。

あとは森の精霊王の樹木を探しましょう。
聞き耳5、暗視4は役に立つかしら?

もし危険そうな存在がいればユーベルコード【インヴィジブル・イグジスト】で透明化。
まずは観察よ。



 ただでさえ寒い、冬の季節だというのに。
 静寂に包まれた森の中は、より一層空気が澄んで、冷たさが増しているような気がする。
 そんな中、はあっと白い息を吐きながら。
「寒いのあまり好きじゃないのよ?」
 もこもこブーツに、もこもこ外套。
 主に寒さ対策に関して重装備、もこもこっぽくなっているのは、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
 吹き抜けるキンと冷気を帯びた風に、ふるりと身を震わせながらも。
 キラキラと輝く天然イルミネーションの景色を、ぐるりとその彩の違った宝珠の瞳で見遣って。
「静寂を好む、ということだったわね」
 思い返すのは、話に聞いた、森の妖精王のこと。
 人が失踪している事件に、伝説の勇者に虹の宝具を授けたといわれている存在。
 気になることは多々あれど……焦らず、目立たぬよう、忍び足で。
 森の風景の色に溶け込む様に、そっと歩くヴィオレッタ。
 けれど、あまりにも気配を消しすぎて、急に遭遇した森の動物さんたちをびっくりさせてしまってはいけないから。
 動物さんたちには気付かれる程度の動きを心掛け、森を進んでゆけば。
「……警戒しないでも大丈夫よ」
 森の中を駆けている狸さん親子も、そんなヴィオレッタの気配に気づいて。
 じっと様子を窺うように、そう静かに声を掛けた彼女を見つめている。
 そして、ふと足元に視線を遣れば……目に飛び込んできたのは、樹木から零れ落ちた虹の輝き。
 そのまん丸い輝石のいろは、藍や紫が混ざった、沢山の青系の彩を宿す虹。
 それをひとつ確保して、落とさないようにしまってから。
 ヴィオレッタは夜の闇の先を拾った輝石と似たいろをした二色の瞳で見据え、耳を澄ませる。
 勇者に虹色宝具を授けたといわれている、森の精霊王の樹木を探すために。
 刹那、ヴィオレッタは何ものかの気配を感じ、素早く『インヴィジブル・イグジスト』を展開して。
 森を包む深い漆黒に溶けるように、その姿を消して暫し様子を窺ってみるけれど。
 眼前にぴょんっと勢いよく飛び出してきたのは……もふもふ尻尾を揺らしながらヤンチャにじゃれ合う、兄弟らしき狐さんたち。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・還
アメーラ(f03728)が珈琲は俺好みのを私が!って譲らずに酒場の片隅で淹れてるのを幸せそうに眺めつつ、俺もアメーラの好きな味の紅茶とお菓子、あとはサンドイッチを用意

そういや帽子持ってきてなかったね
より冷え込むだろうし借りて行こうか。耳痛くなるのは辛いし

森に入って暫くしたら動物を発見。興味本位でアメーラが近づいたら珍しく触れてて、良かったなぁって思う反面、俺以外に触れてるから面白くねぇや
…あ、ごめん、つい殺気飛ばしちゃった★

さ、気を取り直してアメーラの手を取って奥に進もうかな!
珍しい形と色(諸々お任せ)の輝石も見つけられると良いな。丁度同じようなのを

天然のイルミネーションを二人占め…幸せだなぁ


アメーラ・ソロモン
還(終の狼・f02594)の珈琲は私が淹れる!というわけで酒場で場所を借りよう
その焼きたてのアップルパイをおくれ!パイは珈琲と紅茶によく合うからね

借り物の帽子だと還の耳が大変そうだなぁ…早く還のために帽子を作れるようになろう
練習で作った自作の編みマフラーを巻きながら決意

輝石を眺めつつ森を進もう
おや動物が…おいでおいで~
刺激しない程度にモフらせてもらおう
ふふかわいい…もふもふ…
あっ行っちゃった

気を取り直して更に奥へ
実は手袋をしてこなかったんだ。還と手をつなげば温かいからね!

一緒に輝石を眺めながら持ってきた飲み物や食べ物で一服
ふう、温まる…

お土産欲しいなぁちょっと拾っていこうか

互いにアドリブ大歓迎



 賑わいの声をみせていた『イーリス』の城下町に、冬の夜の静寂がようやく訪れた頃。
 アメーラ・ソロモン(数多の魂を宿す者・f03728)と終夜・還(終の狼・f02594)が足を向けたのは、街の酒場に。
 けれど、二人が酒場に立ち寄ったのは、祭りの余韻でもう一杯……という理由ではなく。
 森へと赴く前に、食料や飲み物を調達するためであった。
 森の失踪事件究明へと向かう猟兵たちに対して、街の待遇は厚く、冒険に必要なものは用意してくれるということだったけれど。
 でも、アメーラにとって……どうしても、これだけは譲れない。
「還の珈琲は私が淹れる!」
 ――珈琲は、彼好みのものを自分が淹れる!
 というわけで今、酒場で場所を借り、還の珈琲を淹れているのであった。
 そんな、嬉しそうに自分の珈琲を淹れている彼女の姿を幸せそうに眺めながら、還もバスケットへと詰め込んでいく。
 彼女が好きだと知っている味の紅茶やお菓子、サンドイッチを。
 そして、いつもと同じようにこぽこぽと慣れた手つきで彼の珈琲を淹れつつも、アメーラは酒場のマスターに声を掛ける。
「その焼きたてのアップルパイをおくれ! パイは珈琲と紅茶によく合うからね」
 作り立てほやほやなそれは、きっと良く合うから。
 還好みに淹れたアメーラの珈琲にも、アメーラの好きな味だと還が選んだ紅茶にも。
 それから食べ物や飲み物の調達は万全、森へといざ向かわん……としていた、その時。
 びゅうっと吹き抜けた冬の夜風の冷たさに、思わず微かに肩を竦めてしまったから。
「そういや帽子持ってきてなかったね。より冷え込むだろうし借りて行こうか」
 ……耳痛くなるのは辛いし、と。
 街の中よりももっと森は寒いだろうからと、防寒のための帽子を借りたのだけれども。
 ちらりと、森へと共に歩き出した隣の彼を見上げるアメーラ。
 その金の視線の先には……借りたばかりの還の帽子。
 伸縮性にある程度融通が利くものを選んだから、違和感は一見ないのだけれど。
(「借り物の帽子だと還の耳が大変そうだなぁ……早く還のために帽子を作れるようになろう」)
 やはりちょっぴり窮屈そうにみえる彼の耳を見つめ、そっとそう決意する。
 ぐるりと、練習で作った自作の編みマフラーを巻きながら。
 そして、ふたりが足を踏み入れたのは――『ルーメンの森』。
 キンと冷えた空気は確かに、街で感じたものよりも格段に冷気を帯びている気はするけれど。
 還とアメーラを迎え入れるかのように煌めくのは、澄んだ満天の夜空と樹々に実る数多の虹色の輝石。
 その輝きを一緒に眺めつつ、不思議な彩で満ちる景色を並んで歩んで行きながら。
 アメーラの瞳にふと飛び込んできたのは――。
「おや動物が……おいでおいで~」
 この森の、可愛い住人。
 刺激しないようにと、そのもふもふ狐さんに、そっと腕を伸ばしてみれば……触れた手から伝わる、温もりともふもふ。
「ふふかわいい……もふもふ……」
 そして、興味本位で狐へと近づき珍しく触れてはもふもふしている、そんな彼女の姿を見つめて。
 良かったなぁって、還はほっこりそう思う――反面。
「あっ行っちゃった」
 急にタタッと去っていった狐に、漆黒の髪を微かに揺らしながら首を傾けたアメーラだけど。
(「俺以外に触れてるから面白くねぇや……あ、ごめん、つい殺気飛ばしちゃった★」)
 ……さ、気を取り直して、と。
 還の大きな手が、取ったアメーラのその手を、ぎゅっと握りしめる。
 この手は自分のものだと――そう、いっているかのように。
 そんな繋いだ手から感じるのは、大切な人の温もり。
 いや、帽子を借りた時、実は手袋も進められたのだけれど、敢えて借りなかったのだ。
 だって、ちゃんと知っているから。
(「還と手をつなげば温かいからね!」)
 こうやって手から伝わる温もりが、あったかいということを。
 そして、ちょうどいい切り株に二人仲良く腰かけて。
「ふう、温まる……」
 好みの味の珈琲や紅茶で一服、貰った食べ物を口に運びつつひと休みしながら。
 ふと、ふたりが見つけたのは――赤と金が混ざり合っているような、瞳の如きふたつの輝石。
 そんなお揃いのような輝石を手にし、顔を見合わせ微笑み合い、暖を取りながらも。
 改めて、やっぱり思わずにはいられない。
 ――天然のイルミネーションを二人占め……幸せだなぁ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城島・冬青
【橙翠】

本当に綺麗で幻想的なところですね
石も綺麗で後で忘れずに拾いたいな
おっといけない
私たちはまず失踪事件の手がかりを掴まないと!
でもその前に
私達も迷子になるといけないし手を繋いで進みましょうか(手を差し出し)
私の手冷たいですよね、暖めて下さい(にこにこ)

探索ではUC華やかな野獣で野獣(オコジョ)に変身!
森の動物さんに【動物と話す】で聞き込みをしてみます
【コミュ力】でフレンドリーさも忘れずに

聞きたいことは
妖精王の樹を見たことがあるか?
最近森の奥に人が入って行くのを見たことがあるか?
もしあるならそれは何方の方向だったか?

…何となくですけど
この失踪事件、妖精王の樹が絡んでるような気がするんですよね


アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
失踪事件ネ
森の奥に化け物がいて食べちゃってるとか
物騒な想像をしつつ準備を整えるよ

僕はいつも通りの服に薄手のダウンコートだけど防寒はバッチリ
バスケットを持って探索に向かおう

唇に指を当てて
森の中ではお静かにだそうだネ
話し声も小さくして行こうか

手を?
え、なんか最近ソヨゴが積極的?
こっそり手袋を外して
ぎこちなく手をさしだし
どうぞ
ぎゅっと握りしめ

天然のイルミネーションが
ソヨゴの瞳に映って綺麗
ちらちらと横目で見ながら
記憶の写真機に焼き付けていく

ソヨゴが虹の輝石を欲しがってたな
これでは小さいかな?

森の動物とコミュニケーションを取ってみよう
荷物を一ヶ所にまとめて
UCで黒猫に変身
精霊王はどこにゃーん



 吹き抜ける風は、街の中でも十分に冷たいのだけれど。
 きっと、冬の森はもっと寒いだろうから。
 アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)はいつも通りの服に加え、薄手のダウンコートを着こんで。
 ばっちり防寒対策を取りながらも、ふと思う。
(「失踪事件ネ。森の奥に化け物がいて食べちゃってるとか」)
 ……なんて、そんな物騒な想像をしつつ。
 アヤネは、食べ物や飲み物を入れて貰ったバスケットを持って。
 準備が整えば、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)と共に、いざ『ルーメン』の森へと進路を取る。
「森の中ではお静かにだそうだネ。話し声も小さくして行こうか」
 そう、しーっと言わんばかりに指を当てるアヤネに、冬青はこくりと頷きながら。
「本当に綺麗で幻想的なところですね。石も綺麗で後で忘れずに拾いたいな」
 ぐるり、虹色の光宿す樹木立ち並ぶ風景を見回すけれど。
「おっといけない、私たちはまず失踪事件の手がかりを掴まないと!」
 この森へとやって来た目的は、忘れてはいない。
 でも――その前に。
「私達も迷子になるといけないし、手を繋いで進みましょうか」
 そう、アヤネへと手を差し出す冬青。
 そんな目の前に差し出された手に、思わず瞳をぱちくりと瞬かせて。
「……手を?」
 ――え、なんか最近ソヨゴが積極的?
 そう思いつつも。こっそり手袋を外してから、ぎこちなく手を差し出し返す。
 ……どうぞ、って。
「私の手冷たいですよね、暖めて下さい」
 アヤネは、すぐ隣でそうにこにこと笑んでいる冬青へと、ちらり視線を向けつつ。
 ひやりと冷たい彼女の手を、ぎゅっと握りしめる。
(「天然のイルミネーションがソヨゴの瞳に映って綺麗」)
 そして見つめる琥珀色の瞳が纏うのは……キラキラ煌めく、虹のいろ。
 そんな特別な色の瞳を、ちらちらと横目で見ながら。
 アヤネはひとつひとつ、しっかりと焼き付けていく……記憶の写真機に。
 それから森に足を踏み入れ、暫くふたり並んで歩いていたけれど。
 感じるのは、森にすむ動物さんたちの気配。
 きっと彼ら彼女らであれば、森であったことを、よく知っているだろうから。
 荷物を一ヶ所にまとめて、ふたりは聞き込み開始。
 それぞれ――オコジョという名の野獣と黒猫さんに変身してから。
『妖精王の樹を見たことがありますか?』
 技能を駆使し、まずは、オコジョな冬青が子狐さんに訊ねてみれば。
『ボクは見たことがないけど、おとうさんはあるんだって。森の一番奥で』
『最近森の奥に人が入って行くのを見たことがありますか? もしあるならそれは何方の方向でした?』
『ヒトは最近あまりみないけど。森の奥に行きたいなら、こっちの道だよ』
 そう教えてくれた狐さんに、ありがとう、と礼を言いながらも。
 冬青はオコジョ姿のまま、うーんと考える。
(「……何となくですけど、この失踪事件、妖精王の樹が絡んでるような気がするんですよね」)
 森の奥へと向かった人々が戻ってこない事件と、森の奥にいるという妖精王の樹。
 何となくだけど……無関係ではない気がする。
 そんなオコジョな冬青が思考を巡らせている時、精霊王はどこにゃーん、と。
 黒猫姿のアヤネは、周囲をぐるり見回してみてから。
 ふと何かを見つけ、タタタッと歩み寄る。
 そこには――仄かに琥珀色を帯びた、虹色の煌めきが。
(「ソヨゴが虹の輝石を欲しがってたな」)
 ……これでは小さいかな? なんて思いながらも。
 黒猫なアヤネは、そっとそれ……落ちていた虹色の輝石を大事そうに咥え、戻り始める。
 その輝石に似たいろの瞳を持つ、オコジョな冬青の元に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
強気な性格のリリスで参加するわ
森の中を慎重に調べて失踪した人達
もしくはその痕跡を見つけるわ
迷ったりしないよう周囲の地形はしっかりと把握しながら進むわ
他の猟兵達とも積極的に協力していくわよ

色々な世界はあれども、めったに見れない光景だし
銀猫のリンフォースと一緒に地形把握のついでに見て回りたいわ
動物たちもいるようだし、ウサギやタヌキとかも
リンフォースと仲良くなったりしないかしらね
動物たちから失踪者達の手掛かりに繋がるかも
疲れたら用意してくれホット紅茶と卵が
入ったサンドイッチで一休みね

「クリスマスらしい素敵な光景でリンフォースも嬉しそうね」
「失踪した人達もここが気に入ってという事じゃないわよね?」



 虹の煌めきを纏った、静かな夜の森。
 そんな森の中を、迷ったりしないよう周囲の地形をしっかり把握しながらも。
 銀猫のリンフォースと一緒に、強気な様子で歩むのは、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。
 途中、出会った猟兵たちとも情報を共有しながら。それぞれ、森の中を調べ、見て回る。
 美しい虹色の輝石が成る森。その光満ちる景色は、目を奪われるほど美しいけれど。
 森の奥へと向かった人たちが戻ってこないという事件が起こっているのだという。
「失踪した人達もここが気に入ってという事じゃないわよね?」
 リリスはそうふっと白い息を吐きながらも、青い瞳を周囲に巡らせて。
 森の中を慎重に調べる。失踪した人達、もしくはその痕跡が、何か見つからないだろうかと。
 けれど、勿論やるべきことは忘れないとはいえ。
(「色々な世界はあれども、めったに見れない光景だし。リンフォースと一緒に地形把握のついでに見て回りたいわ」)
 折角の虹のいろを纏う絶景も、楽しみたい。
 リンフォースも、きょろきょろ周囲を見回して、にゃーっと満足そうにひと鳴き。
「クリスマスらしい素敵な光景でリンフォースも嬉しそうね」
 リリスはリンフォースの様子に、そう青の瞳を細めてから。
 ふと何かに気付き、その顔を上げる。
 そこには――ウサギやタヌキ、森の動物たちの姿が。
 そんなこの森の住人たちへと、リンフォースがとてとて近づいてご挨拶すれば。
 すぐに仲良くなって、じゃれ合ったり、森の中を楽しく鬼ごっこ。
 そんな姿に和みながら、リリスは街で用意して貰ったホット紅茶と卵サンドでひと休み。
 戻ってきたリンフォースや動物さんたちにもお裾分けして。
 失踪者達の手掛かりに繋がるかも、と。動物たちに訊ねてみる――何か変わったことなど最近ないか、と。
 そして首を傾げた動物たちは、こう口にする。
 ――森の精霊王を最近見ないんだ。かわりに、似てるけどなんか違うのがいる、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。

森歩きです。
故郷の森とは違いますけれども、やはり安心します。
それにしても綺麗ですわね。
虹色に輝く木々だなんて、自然の恵みには驚くばかりです。

ゆっくり歩きましょう。私たちもこの自然にあやかれますように。
風花さんもどうぞ、私には見られないような風景を楽しんでくださいな。
少し高くから見下ろす森も、さぞかし綺麗だと存じますわ。
その間、私は動きませんから、元の位置は覚えておいてくださいね。

自然の中で不自然な点がないか、痕跡を探しましょうか。
森の動物たちと出会えましたら、
何かおかしなことがなかったか聞いてみましょう。
ただし、優しく丁寧に。びっくりさせないように、です。


七霞・風花
ティーシャ(f02332)と

森を散策
時にはティーシャさんの肩で、時には羽を羽ばたかせ空で
しかし、なんともまあ、不思議な光景
世界が違えば理が違うといいますか、この色とりどりの木々
……3つ、持って帰れるのでしたか
ちょっとばかり品定めしながら、ゆっくりと

あぁ、お気遣いすみません……では少しだけ上空から
空から見下ろす森は、さながら光り輝く星空のようで
上と下と、どちらがどちらか、わからなくなりそう
ふふ、ちょっと酔ったかな――なんてこっそり酒場でもらったお酒をくぴり、と

では動物さんから話を聞いてもらう間、私は警戒をしています
貴方ならそこまで気負わずとも、動物さんは驚いたりしませんよ
優しいでしょう、すごく



 これまで見たことがない風景も、旺盛な好奇心を擽られるけれど。
(「森歩きです。故郷の森とは違いますけれども、やはり安心します」)
 キンと冷気を帯びた冬の森の空気は澄んでいて、夜の森に息づくのは様々な気配や音。
 ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)にとって、この森独特の空気感は、やはりどこか馴染みが深くて。
 けれどやはり、知っている風景とは違っている。
 そんな『ルーメンの森』の景色へと、紫の視線を巡らせながら。
「それにしても綺麗ですわね。虹色に輝く木々だなんて、自然の恵みには驚くばかりです」
 自分の肩の上にちょこんと乗っている、七霞・風花(小さきモノ・f13801)へと声を掛ける。
 ……しかし、なんともまあ、不思議な光景、と。
 風花もこくり頷きつつ、虹のいろを纏う森の樹木を見上げて。
「世界が違えば理が違うといいますか、この色とりどりの木々」
 ……3つ、持って帰れるのでしたか。
 そうきょろりと、ちょっとばかり品定め。
 折角だからやっぱり、気に入った色味や形の虹の輝石を見つけたいから。
 ティーシャは、そんな肩の上の風花へと巡らせていた視線を留めて。
「ゆっくり歩きましょう。私たちもこの自然にあやかれますように」
 ふと、その足を止めてから続ける。
「風花さんもどうぞ、私には見られないような風景を楽しんでくださいな」
 ――少し高くから見下ろす森も、さぞかし綺麗だと存じますわ、って。
「その間、私は動きませんから、元の位置は覚えておいてくださいね」
「あぁ、お気遣いすみません……では少しだけ上空から」
 ティーシャの申し出に、素直にそう甘えてから。
 ふわり、夜風に白の髪を靡かせながら、風花は上から、煌めき纏う森を眺めてみる。
 夜空から見下ろすルーメンの森。
 その景色はさながら――光り輝く星空のようで。
(「上と下と、どちらがどちらか、わからなくなりそう」)
 見渡す限りの光たちに抱かれれば、方向感覚もなくなってしまいそうなくらい。
 そして……ふふ、ちょっと酔ったかな――なんて。
 輝きの中、くぴりと風花が口へと運ぶのは、こっそり酒場でもらったお酒。
 そんなお酒でほんわり仄かに熱を帯びた頬をひやり、冬の夜風とちらちら舞い始めた雪が撫でていく。
 ティーシャは風花が分かるように、その場から動かず彼女の帰りを待ちながらも。
 夜の森の闇へと、瞳を凝らしてみる。
 自然の中で不自然な点がないか、その痕跡を探すために。
 そして、ふと見つけたのは――自分たちを見ている、雪のように真っ白な兎さん。
 それから、ひらりと夜空から戻ってきた風花に、お帰りなさい、と微笑んだ後。
 森の住民である白兎さんに、聞いてみることにする。
 ……何かおかしなことがなかったか、と。
 けれど相手は、野生の動物。あくまで、優しく丁寧に……びっくりさせないように、と。
「ではその間、私は警戒をしていますね」
 風花はそう言った後、周囲が見回せるくらいの高さへと、再び翅を羽ばたかせながらも紡ぐ。
 だって――風花はよく知っているから。
 白兎へと気遣いをみせるティーシャの姿映す青の瞳を、そっと細めて。
「貴方ならそこまで気負わずとも、動物さんは驚いたりしませんよ」
 ――優しいでしょう、すごく、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

橘・尊
孤檻と一緒に(f18243)

「うん、驚いた。凄く綺麗で幻想的で…この場所に来れてよかった」

あまりに綺麗で現実味がないみたいだ。
でも、この瞬間を忘れないように記念に一つだけ、きちんと妖精達にお願いして虹色の輝石をもらおう。

「ああ、勿論。貴重なこの場所を汚されないように解決しないとな」

孤檻の技で探してくれている間に俺も自分の周りにいる精霊達に訊ねてみよう

属性は違えど同じ精霊
何か分かるかも知れないしな


鬼灯原・孤檻
【POW】
橘・尊(f13751)と同行している。

「…世界にはこんな場所があるのか。………綺麗だな」

月並みな言葉だが、本当にそう思う。
森の妖精に断ってから、尊と見たこの煌めく景色の思い出の土産に、キラキラと光る虹色の輝石をひとついただこう。

「…よし。この森を綺麗なままにしておくために、この事件を解決しなくてはな」

精霊王は特別な樹の傍にいる、ということなら、その樹を探すことに専念しよう。運がよくないと出会えないのは理由があるのだろうか。
まずは自分の目に宿る【双銀の孤月】の力を使い、変わった樹がないか探してみよう。
難しそうなら、森の妖精に尋ねてみようかな。

<改変歓迎>



 賑やかなイーリスの街の市場でそのいろを見た時も、綺麗だと。
 確かに、そう思ったのだけれど。
「……世界にはこんな場所があるのか。……綺麗だな」
 ――月並みな言葉だが、本当にそう思う、と。
 感嘆の溜め息と共にそう紡がずにはいられない、鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)。
 活気溢れる『聖夜祭』の街並みも、沢山の光で満ち溢れていた。
 だけど、同じ光溢れる風景でも……眼前のそれはまた、全く印象が違う。
 澄んだ空気の中、静かに数多煌めく七彩の輝き。
 その虹のいろを放つ輝石は、森の樹木に数多生っている。
 橘・尊(浮雲・f13751)も孤檻と共に並んで歩きながら、ぐるりと視線を巡らせて。
「うん、驚いた。凄く綺麗で幻想的で……この場所に来れてよかった」
 ――あまりに綺麗で現実味がないみたいだ。
 そう白い息を、光煌めく風景へと昇らせつつも。
 非現実的だとさえ思ってしまうような輝きのその奥へと、歩みを進めていく。
 そして、この瞬間を忘れないように……記念に、一つだけ。
 尊と孤檻は、樹々の間をそっと飛び回っている森の妖精たちにお願いする。
「虹色の輝石、一つだけ貰ってもいいかな?」
「この煌めく景色の思い出の土産に、ひとついいだろうか」
 刹那――そんなふたりの言葉に応えるかのように、さわさわと虹色纏う樹木が揺れて。
 まるで空から星が降ってきたかのように、たくさんの煌めきが落ちてくる。
 同じ虹色を帯びていても、その色味はどれも違っていて。
 キラキラと輝く数多の虹の中から、揃いの色のものをふたりは選ぶ。
 まるで尊の毛並みのような、孤檻の瞳のような……白銀を帯びた、月の如く円を描いた虹色の輝石を。
 そんな美しいルーメンの森であるが。その森の奥に潜むのは、不穏な影。
 この森の奥へと入っていった者たちが失踪するという事件が起こっているのだというが。
「……よし。この森を綺麗なままにしておくために、この事件を解決しなくてはな」
「ああ、勿論。貴重なこの場所を汚されないように解決しないとな」
 ふたり、顔を見合わせて、こくりと頷き合う。
 この輝き溢れる綺麗な森に、不穏なものなど似合わないから。
 瞬間、孤檻の双銀が森の奥の闇へと向けられる。
 双銀の孤月――その双眸に宿るのは、視野内を見通せる神の力。
 孤檻が月の如き双銀で、変わった樹がないか探している間に。
(「属性は違えど同じ精霊、何か分かるかも知れないしな」)
 尊も周囲の精霊たちと心を通わせ、彼等に訊ねてみる。
 何か変わったことはないか……滅多に出逢えないという、森の精霊王の在り処を辿るために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

落浜・語
狐珀(f17210)と

お祭り、楽しかったな。仔龍の水洗いは余計っちゃ余計だったけどな。
こっからは仕事だけれど、多少楽しんでも罰は当たらないよな。

事前にサンドイッチと、暖かいスープを酒場でもらってから森へ向かう。
寒いけれど、夜のピクニックみたいで楽しいな。
足元の悪いところは手を貸しながら、のんびり歩いて周りの様子を楽しみながら、森の奥へ。
適当なところで、休憩がてらご飯をカラスや仔龍たちも一緒に。今度は顔突っ込むなよ…!
本当に綺麗だな。最奥のは運が良くないとって話だったけれど、きっと綺麗だろうな、
途中で、藍色が多めの輝石があったら一つ、持って帰ろうかな。丸っこいくて、小さめの。


吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

お祭り賑やかで楽しかったですね。
(語さんは大変そうでしたけどクリームまみれの仔龍も可愛かったです)

酒場でバスケットにサンドイッチやデザートを詰めてもらい、温かい飲み物を受け取ったらルーメンの森へ。
失踪事件を解決するのが目的ですけど…。
森の動物や虹色の輝石も楽しみだったり。

差し伸べられた手を嬉しそうに取りながら森を探索。
途中適当な場所を見つけたら景色を眺めながら食事を。
街の装飾も綺麗でしたけど、天然のイルミネーションもすごく綺麗!
きっと最奥の精霊王が宿る特別な樹木はもっと綺麗なんでしょうね。
紫と緑の色が強めの虹色の輝石を見つけたら一つ、今日の思い出に拾って帰ります。



 あれだけ賑やかだったことが嘘のように、冬の夜の静けさが漂う中。
 並んで『ルーメンの森』へと足を踏み入れたのは、落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)と吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)。
 ふたりは静かな森を歩みながらも、つい先程まで楽しんでいた城下町の『聖夜祭』の余韻を口にする。
「お祭り賑やかで楽しかったですね」
「お祭り、楽しかったな。仔龍の水洗いは余計っちゃ余計だったけどな」
 そう、はあっと白い溜息を吐く語に、そっと狐珀は笑んで。
(「語さんは大変そうでしたけどクリームまみれの仔龍も可愛かったです」)
 クリームに顔を突っ込んだ鈍色の仔龍の姿を思い出し、藍色の瞳を楽しそうに細める。
 一緒に露店を眺め歩いた、賑やかな祭りの時間は終わってしまったとはいえ。
「こっからは仕事だけれど、多少楽しんでも罰は当たらないよな」
 やるべきことは決して忘れないけれど、折角だから森歩きも楽しみたいと。
 そう言う語に、狐珀もこくこくと、花の髪飾り咲かせた三つ編みを揺らし頷く。
 手に持っているバスケットの中には、サンドイッチやデザート、温かい飲み物やスープ。
 イーリスの街の酒場で、事前に貰っておいた美味しくてあたたかいもの。
 煌めきの森を吹き抜ける冬の夜風は、やっぱり身を竦めてしまうほど冷たいけれど。
「寒いけれど、夜のピクニックみたいで楽しいな」
「失踪事件を解決するのが目的ですけど……。森の動物や虹色の輝石も楽しみだったり」
 気分はまるで、煌めく森の夜のピクニック。
 静まり返った天然の森は、時折、足元の悪い道もあるけれど。
 語が差し伸べるのは――大きな掌。
 その手を取って、嬉しそうに狐珀は微笑む。感じる温もりと、その優しさに。
 そして、のんびりと周囲の煌めく景色や様子を一緒に楽しみながら。
 ふたり手と手を取り合って、森の奥へ。
 それから暫く進んだ後、腰を下ろすのに丁度良い切り株をふたつ見つけたから。
 虹色纏う森の中、景色を眺め休憩がてら食事を取ることに。
「今度は顔突っ込むなよ……!」
 すぐに水洗いできる街でも大変だったのに、森の中でまたクリームまみれになられては堪らないと。
 事前に仔龍に言って聞かせる語に、くすりと笑みながらも。
「街の装飾も綺麗でしたけど、天然のイルミネーションもすごく綺麗!」
 狐珀は月代にもサンドイッチを分けてあげながら、煌めき満ちる森をぐるりと見回して続ける。
「きっと最奥の精霊王が宿る特別な樹木はもっと綺麗なんでしょうね」
「本当に綺麗だな。最奥のは運が良くないとって話だったけれど、きっと綺麗だろうな」
 滅多に出逢えないという、森の妖精王の樹。
 普通の妖精たちが作る虹の輝石でさえ、こんなに煌めいているのだから。
 もしも妖精王の樹に出逢えたら、その輝きはさらに綺麗に違いない。
 そう、ふたりで食事を取りながら、景色や会話も存分に楽しんで。
 あたたかい食べ物や飲み物で暖を取り、お腹も十分満ちれば、再び森の探索の再開。
 森の奥へと向かうふたりであったが……ふと、ぴたりとその足を止める。
 その足元で煌めくのは、仲良く寄り添うように並んで落ちている、ふたつの煌めき。
 語が掌に乗せたのは、丸っこいくて小さめの、藍色が多めの虹のいろ。
 狐珀の手には、紫と緑の色が強めの輝きが。
 そしてふたり、顔を見合わせ笑みあって。
 それぞれの手にある彩りの様な瞳を、細め合う。
 拾ったこのふたつの虹色の輝石は、大切な今日の思い出に――って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【狼兎】

ふわぁ〜、ほんとに綺麗だなぁ
森全体がキラキラ輝いてるみたい
……あっ!

ふと足を止め翼でふわりと飛翔
その手に一つの輝石を持って戻り

見て見て、これハートっぽく見えない?
流石に少し歪だけどさ
あ、そうだ。僕が見つけたこれ紫崎君にあげるから
紫崎君は僕の分探してよ
交換しよ

もらった輝石は大事にポケットの中へ
お揃いの物を持つのって繋がりを感じてちょっと嬉しい
…言わないけど

それにしてもやっぱり夜は冷えるなぁ…
はーっと自分の手に息を吹き掛けていたが
突然の紫崎君の行動にびっくり
我に返った時にはもう包み込まれた後で
恥ずかしいけど…心配してくれてるのが嬉しくて

…うん、あったかい!

今は素直に甘えて、そっと握り返すね


紫崎・宗田
【狼兎】

チビと並んで歩いていたが
突然羽ばたき始めた様子にこちらも足を止め

あ?どうした?

戻った手に握られた輝石に納得
ハートねぇ…遠目からなら見えなくもないか

わぁった
見つけたらな

金のためじゃねぇし
レアリティにも大きさにもこだわらねぇ
比較的黄色味の強いものを探し
見つけたらほらよ、とチビへ渡す
…俺がハート持つってのも妙なもんだな

チビが自分の手を息で温め始めたら
聖夜祭で触れた手の冷たさを思い出し
チビの片手を掴むと俺のポケットに入れさせ
ポケットの中で恋人繋ぎを

俺の手、あったけぇんだろ
ならこれで寒くねぇな

手袋買え、と伝えようかとも迷ったが
それで繋ぐ理由を見つけられなくなるなら
それは少し勿体ねぇ気がした



 静寂広がる夜の森が、深く濃い闇に包まれる時間。
 けれど、『ルーメンの森』は特別。見渡す限りの光の世界。
 森の妖精たちが実らせた虹色の輝石が、月や星の光を映して煌めいているから。
 そんな一面、光瞬く景色の中で
「ふわぁ〜、ほんとに綺麗だなぁ。森全体がキラキラ輝いてるみたい」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、周囲に巡らせた琥珀にも虹の輝きを沢山映して。
「……あっ!」
 刹那、白い息とともに上がる声。
 ふと足を止めた琥珀色の瞳は、上へと向いていて。
 その視線を追う様に翼を羽ばたかせ、澪はふわり、冬の夜空へと飛翔する。
 澪の突然のそんな様子に、並んで歩いていた紫崎・宗田(孤高の獣・f03527)もピタリ歩みを止める。
「あ? どうした?」
 そして澪の姿を追い、黒の瞳を空へと向ければ。
「見て見て、これハートっぽく見えない?」
 ……流石に少し歪だけどさ、って。
 戻ってきた澪の手に煌めくのは――ひとつの輝石。
 大切に握られたそれを見て、宗田は納得する。
「ハートねぇ……遠目からなら見えなくもないか」
 そうハート型の輝石を眺めつつ、言った声に。
「あ、そうだ。僕が見つけたこれ紫崎君にあげるから、紫崎君は僕の分探してよ」
 ――交換しよ。
 そう上目でちらり、彼を見上げれば。
「わぁった。見つけたらな」
 交換この、交渉成立。
 早速、夜に煌めく光ひとつひとつに視線を向けていく宗田。
 澪が見つけたハート型のそれと交換するべく、彼が探す輝石。
(「金のためじゃねぇし、レアリティにも大きさにもこだわらねぇ」)
 そしてふと、巡らせていた視線を止めて。
 スタスタと1本の木の下へと歩み寄り、屈んで手を伸ばした後。
 ……ほらよ。
 そう澪に渡されたのは――黄色味の強い輝石。
 それから宗田は、ふと自分の手に残った煌めきをもう一度、瞳に映す。
(「……俺がハート持つってのも妙なもんだな」)
 澪も、交換こした輝きのいろを、見つめた瞳に重ねた後。
 琥珀の虹纏うその煌めきを、大事にポケットの中へ。
 そして……ポケットの外側からもう一度だけ、きゅっと輝石を握りしめて。
 握り締めた輝きと似た色の瞳を、そっと細める。
(「お揃いの物を持つのって繋がりを感じてちょっと嬉しい」)
 ……言わないけど。
 なんて、そうぽつりと付け加えて。
 刹那、ひゅうっと森を吹き抜ける冬の夜風。
 冷気を帯びたひやりとした感覚がふたりの頬を撫で、その髪を揺らせば。
「それにしてもやっぱり夜は冷えるなぁ……」
 はーっと、自分の手に息を吹き掛ける澪。
 そんな様子をちらりと見つめ、宗田は思い出す……『聖夜祭』の時に触れた、その手の冷たさを。
 そしてその手を掴み――そのまま、自分のポケットへ。
「……!?」
 突然感じた温もりとその突然の行動に、びっくりして顔を上げた澪だけど。
「俺の手、あったけぇんだろ」
 ……ならこれで寒くねぇな、って。
 きゅっと、恋人繋ぎに握り変えた手に、宗田は優しく力を込める。
 そんな感触に、澪は思わず瞳をぱちくりと瞬かせるけれど……我に返った時にはもう、その温もりに包み込まれていて。
 恥ずかしくてくすぐったいけれど……でも、心配してくれるのが嬉しくて。
「……うん、あったかい!」
 今は素直に甘えて、そっとその大きな手を握り返す。
 そんな自分の手を握り返してきた掴まえたその手は、やっぱり冷たかったから。
 手袋買え、と、そう一瞬、口にしようかとも迷った宗田だけど。
 それをやめた、理由。
(「それで繋ぐ理由を見つけられなくなるなら、それは少し勿体ねぇ気がした」)
 冷たかったその手は、いつの間にか、自分と同じ温度になっていて。
 混ざり合いひとつになるような手と手の感触に、白い息を吐きながら、宗田は瞳を細める。
 手袋なんて、必要ない。
 だって、こうやって――自分があたためてやれるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
アドリブ◎
器に誘惑の呪詛宿す呪<呪詛>操るヤドリガミ

大きな毛布にオレンジパイ
パイに合わせお任せでお願いした紅茶を
[マーレ・倉庫]電脳魔術使い収納
精霊王が宿る樹を探し探索開始。
どこか開けた場所(広場や湖)があれば
毛布に包まれつつパイや景色を堪能してみたいですね

《機能強化》森に住民達から<情報収集>
怯えず寄って来てくれたなら森の事ちょっと訪ねてみましょうか
<コミュ力:動物と話す>
結構大勢が森に入っていますからね
驚かせない様気をつけましょう
<視力・聞き耳・第六感>
[コスモス]の力も借り森の精達と波長合わす
「どうにも騒がしいな」等々言いつつも
飾り立てられた森は本当に綺麗で、彼女も悪い気はしていない様子



 キンと冷えた冬の夜の空気を感じながらも。
 ルーメンの森をゆくのは、器に誘惑の呪詛宿す、呪詛操るヤドリガミ。
 そんな虹の輝石煌めく森をゆく、月宮・ユイ(月城・f02933)の準備は万端。
 あらゆるものを電脳データ化し出納可能とする、電脳デバイス『マーレ』の倉庫には、大きな毛布にオレンジパイ。
 そしてベルガモットの香りのアールグレイティーは、オレンジパイに良く合うとお勧めされ、お任せでお願いしたもの。
 そんなユイが森に探すのは――話に聞いた、精霊王が宿る樹。
 滅多に逢えないと言われているが、森の精霊王の樹は、望みのものを与えてくれるのだという。
 伝説によれば……このルーメンの森の、最奥で。
 聞いたそんな情報に従い、森の奥へと足を進めながらも。
 ふとユイが見つけたのは、視界開けた場所にある湖。
 その畔で暫し休憩を撮るべく、寒さ対策にと大きな毛布にぐるり包まれつつ。
 まだあたたかいオレンジパイや紅茶は勿論、湖にも映る美しく幻想的な虹の景色を堪能する。
 そしふと、何ものかの気配を感じて顔をあげれば。
 パイや紅茶の匂いに誘われたのか、目の前には狐が数匹姿をみせて。
 森に住民達からより確実に情報収集するべくユイが展開するのは、機能強化『知:感覚』。
 敵意がないと感じたのか、そっと怯えることなく寄ってきた狐たちに、強化させた動物と話す技能を駆使し、ちょっと訪ねてみる。
「こんばんは。何か最近、変わったことなどありませんでしたか?」
 あくまで優しく、穏やかな声で。
(「結構大勢が森に入っていますからね。驚かせない様気をつけましょう」)
 そして……問いかけた言の葉に、返ってきた森の住民の答えは。
『妖精王さま、さいきんいないんだ。かわりに、似てるけどへんなのがいる。だから森の奥にはいかないの』
 そう話を聞かせてくれた狐に、ありがとう、と礼を言ってから。
 ユイは再び視力を発揮し聞き耳を立て、第六感を研ぎ澄ましつつも、森の精達と波長合わせる。
 ――汝、我が契約者よ、お前は私に何を問う?
 虹いろに耀く森へと、精霊『コスモス』を喚び出して。
 そして、「どうにも騒がしいな」等々言いつつも……彼女も満更ではない、悪い気はしていない様子。
 ――虹に飾り立てられた眼前に広がる森のいろは、コスモスも気に入るくらい、本当に綺麗だから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

周・翠々
悟郎様/f19225


真っ暗なのは苦手です
社にいた頃を思い出す
無意識に悟郎様の服の裾を掴んで
「悟郎、さま?」
近付いた柔らかな金色、体温に安心して
慣れてきた眼でそっと森をみる

森の中にみえた、たくさんのいのち
ここはちがう
ひとりじゃない

…みえました
この森は綺麗、ですね
悟郎様気付かせてくれてありがとうございます
……悟郎様、少し屈んでもらっても良いですか?

忘れてはいけない大切なこと
ふわりと首にマフラーをかけて

誕生日おめでとうございます
生まれてきて下さってありがとうございます
悟郎様にお会い出来たこと、心から嬉しいです

頬に接吻されると顔を逸らして
…み、見ないで下さい
今見られたら顔が赤いのが知られてしまうから


薬師神・悟郎
翠々(f15969)

笑顔でいて欲しいと願った翠々に不安な顔はさせたくない
抱き寄せて、俺の方を見るよう促し
「大丈夫、深呼吸して」
暗視で見ていた周りの様子も、目が慣れてくれば彼女にも色々な物が見えるようになるはず

小さくて気付かなかったかもしれないが、あの樹木の輝石が見えるか?
奥に行くに連れて、沢山実をつけているようだ
動物の鳴き声が聞こえるか?…ほら、あそこに
それらの姿を認めれば、暗いと思っていた森も意外と賑やかな事に気付けるかもしれない

言われた通り屈んでみれば、何だろうかと
翠々からの祝福に驚きつつ、宝物のように大切に受け取る
翠々の笑顔に惹かれ、頬に口付けを
ありがとう

綺麗で優しい翠々はやっぱり可愛い



 年に一度の『聖夜祭』に賑わう城下町は、沢山の人と光で溢れていたけれど。
 ひやりと頬と髪を撫でていく、吹き抜ける冷気を帯びた風。
 ルーメンの森へと足を踏み入れた刹那、ふたりを包み込んだのは――静寂と夜の闇。
(「真っ暗なのは苦手です」)
 ……社にいた頃を思い出す、と。
 ふるり、微かに首を横に振る、周・翠々(泪石の祈り・f15969)。
 そしてその手が、すぐ隣にある薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)へと無意識に伸びて。
 きゅっと、彼の服の裾を掴んでしまう。
 けれど……刹那、全身を包み込むような温もりを感じて。
「悟郎、さま?」
 瞬かせた翠々の瞳に映るのは、柔らかな金の色。
 そして悟郎は、笑顔でいて欲しいと……そう、エメラルドの髪を飾る虹に願ったから。
(「翠々に不安な顔はさせたくない」)
 ……俺の方を見てくれ。
 耳元で囁くように、そう抱きしめた彼女を促す。
 同時に、そっと自分を見上げるのは、不安ないろを宿すエメラルドの瞳。
「大丈夫、深呼吸して」
 今は目が慣れていなくて、深淵の闇が広がっているように見えるのかもしれない。
 でもきっと、暗視で自分が見ている周りの様子が、色々な物が……きっと彼女にも、見えるようになるはず。
 悟郎は冬の夜風で少し乱れたその髪を、整えるように撫でてあげながら。
 視線を進む先へと向け、彼女にも教えてあげる。
「小さくて気付かなかったかもしれないが、あの樹木の輝石が見えるか? 奥に行くに連れて、沢山実をつけているようだ」
 真っ暗などではない。森を彩る、虹の煌めきを。
「動物の鳴き声が聞こえるか? ……ほら、あそこに」
 此処にいるのは、自分たちだけではない。森に息づく、数多の生命の息吹を。
(「それらの姿を認めれば、暗いと思っていた森も意外と賑やかな事に気付けるかもしれない」)
 悟郎は、そっと森へと視線を巡らせる彼女を見守る。
 そんな翠々のエメラルドの瞳が森の中にみたもの。それは……たくさんのいのち。
 ――ここはちがう。
 ――ひとりじゃない。
 むしろ、数え切れない光と生命で溢れている。それを彼が、教えてくれたから。
「……みえました。この森は綺麗、ですね」
 ……悟郎様、気付かせてくれてありがとうございます、と。
 微笑んだ後、翠々は彼にこんなお願いを。
「……悟郎様、少し屈んでもらっても良いですか?」
 そんな突然の言葉に、何だろうかと思いながらも。
 言われた通り、屈んでみれば。
 ――忘れてはいけない大切なこと。
 そう、ふわりと悟郎のその首に翠々がかけてあげたのは、ぬくもりの贈り物。
 そして一緒に贈る、祝いの言の葉。
「誕生日おめでとうございます。生まれてきて下さってありがとうございます」
 ……悟郎様にお会い出来たこと、心から嬉しいです、って。
 悟郎は、紡がれた翠々からの祝福と巻かれたマフラーに驚きつつも。
 ぎゅっとマフラーを握り、宝物のように大切に受け取る。
 そして――ありがとう、って。
 向けられる笑顔に惹かれるように、頬へと、口付けのお返しを。
 そんな羽のように優しく落とされた感触に、思わず顔を逸らしてしまう翠々。
「……み、見ないで下さい」
 今見られたら――顔が赤いのが、知られてしまうから。
 けれど、いくら彼女のお願いでも、それには悟郎は頷けない。
(「綺麗で優しい翠々はやっぱり可愛い」)
 だって……顔を真っ赤に染めた、眼前の宝石は。
 ずっと見ていたいほど綺麗で。そして、やはり可愛いのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・円月
【比翼月】

明るいというか、眩しいぐらいですけど
それでも森歩きには違いありませんしね
咲夜、足元とか気を付けて。転ばないように

失踪事件かー。奥に向かったんだろうなー、ぐらいしか解りませんねェ
虹色の輝石は後で持ち帰る、として……
人の足跡とかがないか、人が通った形跡がないか、そういうところか?
輝石を持って行ったかもしれない、輝きが少ない所とかあるかも知れません

それにしても夜の森って冷えるなァ
咲夜、寒くないかい?
手を繋ごうか、少しは暖かいかも知れないし

動物は……俺は怖がられそうだから、遠慮しとくよ
咲夜が何か手段を用いるなら行っておいで
……写真って撮っていいのかな?
一枚、咲夜と森の組み合わせで撮りたいなァ


東雲・咲夜
【比翼月】
天然のイルミネーション…浪漫ちっくやなぁ
人の造る煌きも色んな意味で感動するんやけど
自然の創る燦めきも延々見惚れる美しさ

帰って来ぃひんなんてまるで神隠し
妖精王さんを見つけられれば何やわかるんやろか
コオォン…白狐の啼聲と伴に顕れたる羅針盤
霊力籠った櫻銀絲を一筋授けて
さあ…導いておくれやす

うち冷え性やから指先が悴んでしもて
冷えとるしもっと寒くさせてまうよ?
なんて…ほんまは繋ぎたい気持ちが見え隠れ
ふふ、えっくんの手はいつもぬくいんやね

動物さんは気にはなるんけど、今日はええかな
そやかてえっくんと一緒に来たんやもん
離れたら寂しいやろ?

羅針盤の示す光絲を辿り
もし逢えたなら…うちの願い事はひとつだけ



 街から森へと向かう道は、冬の夜の静寂と闇に満ちていたけれど。
 足を踏み入れた『ルーメンの森』を、奥へと一緒に進んでいくたびに。
「天然のイルミネーション……浪漫ちっくやなぁ」
「明るいというか、眩しいぐらいですけど」
 星のように樹木に煌めく、数多の虹のいろ。
「人の造る煌きも色んな意味で感動するんやけど」
 ――自然の創る燦めきも、延々見惚れる美しさ。
 東雲・咲夜(詠沫の桜巫女・f00865)がそうぐるり、瑞々しい藍眸を巡らせれば。
 空の様なその澄んだ瞳にも、虹いろの煌めきが架かる。
 そんな天然イルミネーションの森をゆくふたり。
 進む先は、人の立ち寄りが制限されている、自然のままの森。
 虹色の輝石煌めく森は、確かに眩しいくらいに耀いてはいるのだけれど。
「それでも森歩きには違いありませんしね。咲夜、足元とか気を付けて。転ばないように」
 東雲・円月(桜花銀月・f00841)はその足元が掬われぬよう咲夜を気遣い、時にはその手を引いて。
「咲夜、おいで」
 段差のある急斜面があれば先に降り立ち、羽ばたくようにふわり靡く花姫の翼の如き彩舞を藍の瞳に映しながら。
 その胸と温もりで、確りと彼女の身体を受け止めてあげる。
 そんなふたりがこの森に赴いた目的、それは、予知や街で聞いた不穏な影。
「失踪事件かー。奥に向かったんだろうなー、ぐらいしか解りませんねェ」
 虹色の輝石は後で持ち帰る、として……と。
(「人の足跡とかがないか、人が通った形跡がないか、そういうところか? 輝石を持って行ったかもしれない、輝きが少ない所とかあるかも知れません」)
 円月は、実り輝く虹のいろから、仄かに輝きが照らす地面や森のさらに奥へと視線を向けてみる。
 そんな彼の声に、こくりと咲夜も頷いて。 
「帰って来ぃひんなんてまるで神隠し」
 そして、思う――妖精王さんを見つけられれば何やわかるんやろか、って。
 滅多に出逢えないという、伝説の森の精霊王の樹。
 そんな精霊王の在る場所を辿るべく。
 コオォン……そんな白狐の啼聲と伴に顕れたる羅針盤。
 そして授ける一筋は、虹の輝きに照る、霊力籠った櫻銀絲。
「さあ……導いておくれやす」
 虹のいろ輝く景色に、咲夜が喚んだ導き手を解き放てば。
 白い息が、冬の空へと昇ってゆく。
「それにしても夜の森って冷えるなァ。咲夜、寒くないかい?」
「うち冷え性やから指先が悴んでしもて」
 円月はそう言った咲夜へと、大きな掌を差し出して。
「手を繋ごうか、少しは暖かいかも知れないし」
「冷えとるしもっと寒くさせてまうよ?」
 返る咲夜の声にも構わず、迷わずその手を取ると。
 はあっと息を吹きかけてあげてから、ぎゅっと温もりで包み込む。
 彼女の言葉に、見え隠れしていたから……本当は繋ぎたい、って。
「ふふ、えっくんの手はいつもぬくいんやね」
 冷えた手だって、冷たいと感じるのは一瞬だけ。
 こうやって手と手を繋げば、混ざり合い伝わる温もりが溶け合う様に、直ぐにひとつになるから。
 それからふと手を繋いだまま、ふたりは同時に顔を上げる。
 その視線の先には――狸の親子が。
「動物は……俺は怖がられそうだから、遠慮しとくよ。咲夜が何か手段を用いるなら行っておいで」
「動物さんは気にはなるんけど、今日はええかな」
 円月の言葉に言って、森の住人の姿を、咲夜は今回は見送ることに。
 だって……確かに動物さんは、可愛いけれど。
「そやかてえっくんと一緒に来たんやもん」
 ――離れたら寂しいやろ? って。
 そう笑む咲夜を見つめ、円月はその瞳を細め思う。
(「……写真って撮っていいのかな? 一枚、咲夜と森の組み合わせで撮りたいなァ」)
 森の精霊さんや動物さんたちを驚かせたりしなければ、きっと大丈夫。
 そして羅針盤の示す光絲を辿りながらも、咲夜は繋いだ手を、ぎゅっともう一度握り直して。
 森の精霊王へと、思いを馳せる。
 ――もし逢えたなら……うちの願い事はひとつだけ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
頬を叩かれて我に返ると、申し訳なさと恥ずかしさやら
……すみません、ついつい飲み過ぎてしまいました
酔いはもう大丈夫です

向かうはるーめんの森、でしたね
往きましょう
差し出される手を握り、森へ向かいます
失踪者の捜索は視力・聞き耳から得るものから情報収集

樹木に石が実るとは……不思議なものです
そして煌めく石はとても美しく、幻想的ですね

倫太郎殿、何か見つけましたか?
彼の手に在る石は見知った色
彼の言葉も相俟って、照れくさくもあり嬉しい

私も一つ、頂いていきましょう
見回して見つけたのは、琥珀のような明るい橙色
太陽の光のような、温かい色
……貴方の瞳の色であり、私の心を灯すのも貴方ですね


篝・倫太郎
【華禱】
ん、酔いも残って無さそう……かな?
夜彦の頬をぺちぺちして確認

大丈夫なら、往こうぜ
ルーメンの森、森に棲まう精霊王の許へ

いつも通り手を繋いで
のんびり静かに森を巡る
失踪した人を探し出す手がかりも勿論気を付けるけど
森そのものもちゃんと堪能しよう

確かにこりゃ天然のイルミネーションだなぁ……
そう言えば、原石を一つ持ち帰っていいんだっけ

あぁ、これ……あんたの瞳の色みたいだ
俺を『かあさま』って呼ぶ娘の瞳の色でもあるけど
でも、やっぱり夜彦の瞳の色、なんだよな……俺には

だから、やっぱり見つけた以上はこれにするだろ
他の輝石の放つ色を受けて少し表情を変える緑の原石
色んな感情を隠してるあんたの瞳にそっくりだから



 吹き抜ける冬の夜風は、肩を竦めるほど冷たいけれど。
 でも、冷気を帯びたそれは、酔いを覚ますのはお誂え向きかもしれない。
「ん、酔いも残って無さそう……かな?」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はそう、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の頬をぺちぺち。
 大丈夫かどうか、念のため確認してみて。
「……すみません、ついつい飲み過ぎてしまいました」
 甘い酒や祭りの雰囲気は、どうしてもつい杯が進んでしまう。
 頬を叩かれ我に返った夜彦は、申し訳なさと恥ずかしさを感じながらも。
「酔いはもう大丈夫です」
 こくこく首を縦に振り、確りと頷いて紡ぐ。
 そんな様子に、倫太郎は琥珀の瞳細め、笑って。
「大丈夫なら、往こうぜ」
 ――ルーメンの森、森に棲まう精霊王の許へ。
 いつも通り差し出すのは、掌。
「向かうはるーめんの森、でしたね」
 ――往きましょう。
 そう返しながら、夜彦はやっぱりいつの通り、差し出される手を握って。
 ふたり並んで、虹の輝きに満ちる精霊王の森へと向かう。
 森の奥を目指した者たちが戻ってこないという、耳に聞いた事件。
 そんな失踪者の捜索を、視力を駆使し聞き耳を立てて、得るものから情報収集を試みながらも。
(「失踪した人を探し出す手がかりも勿論気を付けるけど、森そのものもちゃんと堪能しよう」)
 折角だから……のんびり静かに、ふたりは数多の生命の息吹感じる森を巡ってゆく。
「確かにこりゃ天然のイルミネーションだなぁ……」
「樹木に石が実るとは……不思議なものです。そして煌めく石はとても美しく、幻想的ですね」
 ふたりが今在る風景は、虹色に煌めく幻想の森。
 そんな景色をぐるりと楽しむ様に見回してから。
「そう言えば、原石を一つ持ち帰っていいんだっけ」
 ふと瞳に飛び込んできたいろに、手を伸ばす倫太郎。
 そして繋いでいる手と反対の掌の上に、見つけたその虹を転がす。
「倫太郎殿、何か見つけましたか?」
「あぁ、これ……あんたの瞳の色みたいだ」
 夜彦が視線を落とせば……確かに彼の手に在るのは、見知った色。
 緑色を帯びた、曇りなきいろの虹を纏う輝石。
 そんな己の瞳を思わせるいろの輝石と、彼の言葉も相俟って。
 照れくさくもあり嬉しい――夜彦がそう、輝石とお揃いの瞳を細める様を見つめて。
 倫太郎は、やはり思うのだった。
(「俺を『かあさま』って呼ぶ娘の瞳の色でもあるけど。でも、やっぱり夜彦の瞳の色、なんだよな……俺には」)
 ……だから、やっぱり見つけた以上はこれにするだろ、って。
 そして、他の虹色を受けて少し表情を変える緑の原石を、大事にしまいながらも紡ぐ。
 ――色んな感情を隠してるあんたの瞳にそっくりだから、って。
 いや、倫太郎だけではない。
 私も一つ、頂いていきましょう……そう夜彦も、様々な彩りを纏う夜の森を見回して。
 見つけたのは、琥珀のような明るい橙の輝石――太陽の光のような、温かい色。
 そしてそれは勿論、夜彦がいつも見つめる視線の先のいろと、一緒。
 ……貴方の瞳の色であり、私の心を灯すのも貴方ですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴェイゼル・ベルマン
ダークグリーンのマフラーと借りた毛皮のマント
焔々はワイン色のケープで防寒対策
ホットワインに焔々用のホットココア、肉入りサンドイッチも持って行き

静寂を好む、か
静かにな、焔々
シーと人差し指を口に当て

これが天然のイルミネーションか、確かにスゲェな
静かに進みつつ、木々を見渡して
……あ
目についたのは、金と青のグラデーションが美しい輝石
これ、あいつの髪と目の色だ
今は亡き恋人を思い出し、柔らかく微笑み
輝石の原石、少しなら持ち帰って良いって言ってたのよな
これにするか

と言っていると、焔々のお腹がぐ~と大きく鳴り
ったく、静かにって言ったのによ
可笑しそうに笑い
少し休憩するか、と飲み物と食べ物の入ったバスケットを掲げ



 虹色の輝石が実る森へと足を踏み入れる、その前に。
 ぐるりと市場で見つけたダークグリーンのマフラーを巻いて、借りた毛皮のマントを羽織って。
 バスケットへとじーっと視線を向け、ぎゃう、と鳴く焔々は、マフラーと一緒に買ったワイン色のケープで防寒対策を。
 いや、装備だけではない。
 保温性の高い水筒には、身体の芯からあったまるホットワインと、焔々用のホットココアが。
 焔々がさっきからバスケットばかり見ているのは、きっとその中に、肉入りサンドイッチも入っているから。
「静寂を好む、か」
 ヴェイゼル・ベルマン(焔斬り・f13471)は話に聞いた、森の妖精王のことについて思い返しながらも。
 ――静かにな、焔々。
 そう、シーと人差し指を口に当てる。
 そんなふたりが行く道は、虹のいろの満ちていて。
 キラキラ煌めく様は、まるで聖夜に飾られるクリスマスツリーみたい。
「これが天然のイルミネーションか、確かにスゲェな」
 森の妖精たちを驚かせないように静かに進みつつ、ヴェイゼルは漆黒の視線を木々へと巡らせて。
「……あ」
 目についたのは、金と青のグラデーションが美しい輝石。
 ――これ、あいつの髪と目の色だ。
 そう柔らかく微笑み、呟き落とす彼の瞳が映すそれは……今は亡き恋人のものと、同じいろ。
「輝石の原石、少しなら持ち帰って良いって言ってたのよな」
 ……これにするか。
 ヴェイゼルはそう腕を伸ばし、ひとつだけ取った輝石を掌の上で転がして。
 刹那、ぐ~と大きく鳴ったのは、食いしん坊のお腹の音。
 ぎゃう、と待ちきれないようにひと鳴きした焔々に、ヴェイゼルは可笑しそうに笑う。
 ――ったく、静かにって言ったのによ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーディナル・レッド
セレスタ(f01381)と森へ探索に行こう
食べ物は彼女が持っていくようで安心だ
僕は防寒具や重い準備品を中心に持参するよ

探索が得意な彼女についていく形で、
静かにのんびりと歩みを進めつつ、輝く世界を楽しもう
これだけ幻想的な景色だと…つい見惚れてしまうね

僕は輝石を貰うつもりは無いな
これはきっと此処にあってこその輝きだろうし…
だがセレスタが欲しいというのなら勿論探そう
薔薇の様な、というと…あれなんてどうかな
と、少々高い場所にあった薔薇に似た輝石を一つ拝借
いただく時には、ありがとう、と森に告げてからね

輝石と彼女の手を握って、手を繋いで一緒に奥へと進もうか
これなら暖かいし、何より君となら迷わないだろうから


セレスタイト・ヴェニット
カディ(f01636)と森の探索を
必要な物資を選んで
食べ物は多めに…
でも持てる分です!

探索は得意
森の中も大丈夫だと思う…けど
お祭り以上に輝く世界に眩しくなる
カディ、綺麗ですね…!

探索のお代に虹色の輝石をもらっていいみたいだけど
いい、のかな?
形もたくさんなら…薔薇みたいな輝石がいいな
劇団の庭、2人で育ててる薔薇が
999本に足りなかったらその足しに…なんて
全然見つからなくてしょんぼりする

カディから差出された輝石は
すごい、薔薇です…!
思わずカディの手ごとぎゅっとして
妖精さんにも感謝を伝え
大事にします!

よし頑張らないと!
静寂な森の奥
虫や動物達の声も
風の音すらない方へ
何があっても大丈夫
キミがいるから



 煌めきの森へと冒険に赴くその前に、やはり準備も必要。
 手厚い街の待遇を有難く受け、必要な物資を選ぶセレスタイト・ヴェニット(優翼・f01381)。
 防寒具や飲み物……そして、お腹が鳴らないように、食べ物は多めに。
(「でも持てる分です!」)
 ちゃんと持っていける分だけに吟味して、でも下げたバスケット一杯に。
 美味しいものを沢山詰めて、いざ森の探索へ。
 カーディナル・レッド(優しい嘘・f01636)は、まるで夜のピクニックに出かけるようなその姿に瞳を細めながら。
 防寒具や重い準備品はお任せあれ、食べ物は安心して彼女に任せることに。
 そして、ルーメンの森に足を踏み入れれば……そこは、幻想的な虹色の世界。
(「探索は得意。森の中も大丈夫だと思う……けど」)
 ……お祭り以上に輝く世界に眩しくなる。
 そう、虹を纏う冬の森を見渡し、迷うことなく進みながらも。
 セレスタイトは、静かにのんびりと歩み、輝く景色を楽しんでいる彼を見上げ、笑みを咲かせる。
「カディ、綺麗ですね……!」
「これだけ幻想的な景色だと……つい見惚れてしまうね」
 そんな目を奪われるほど美しく輝く世界に今在るのは、ふたりだけ。
 セレスタイトはそれから、きょろりともう一度、薄紅咲かせる視線を巡らせてから。
「探索のお代に虹色の輝石をもらっていいみたいだけど……いい、のかな?」
 樹木に実る様々な色を帯びた光を、ちょっぴり遠慮気味に見つめる。
 けれど、入森が制限されているからか、その輝きは数えきれないくらい沢山だから。
 ひとつだけ、貰っていくことに。
 天然に生る輝石だから、その色も様々だけど、カタチや大きさも色々。
「形もたくさんなら……薔薇みたいな輝石がいいな」
 ふたりで育てている劇団の庭の薔薇が、999本に足りなかったらその足しに……なんて。
 そう思いながら、セレスタイトは薔薇のような輝石を探してみるけれど。
「うう、見つからないな……」
 薔薇の様なカタチのものが全然見つからず、しょんぼり。
(「僕は輝石を貰うつもりは無いな。これはきっと此処にあってこその輝きだろうし……」)
 カーディナルは、そうは思っているのだけれども。
 でも、セレスタイトが欲しいというのなら、勿論探さない選択肢はない。
 一生懸命探す彼女と共に、暫く赤の瞳に森の輝きひとつひとつ映してみれば。
「薔薇の様な、というと……あれなんてどうかな」
 ふわり冬の夜風にしなやかな銀髪を躍らせ、ありがとう、とちゃんと森に告げてから。
 彼女には届かない、少々高い場所で煌めく輝石を、ひとつ手にする。
 その大きな掌の上で咲く虹の輝きに、セレスタイトの瞳も一層輝きを増して。
「すごい、薔薇です……!」
 嬉しくて、思わず彼の手ごと、ぎゅっとして。
「大事にします!」
 カーディナルにも、そして森の妖精さんたちにも、感謝を伝えれば。
 ふわりそれに応えるかのように、吹き抜ける風が頬を撫で、美しい青の髪を優しく揺らした。
 そしてセレスタイトは、改めて気合を入れるように。
 ……よし頑張らないと!
 夜の闇に包まれた先へと目をみはり、耳を澄まし、彼と共に歩みを進める。
 静寂広がる森の奥、虫や動物達の声も――風の音すらない方へ。
 そんなセレスタイトの手と虹色の薔薇の輝石を、カーディナルは優しくその手で包み込んで。
 ――これなら暖かいし、何より君となら迷わないだろうから。
 手と手をぎゅっと繋いで、一緒に森の奥へと。
 そして、彼の自身のような優しい温もりを、じわり繋いだ手から感じながらも。
 セレスタイトはキラキラ虹の光纏う瞳にカーディナルを映し、微笑む。
 ――何があっても大丈夫……キミがいるから、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗林・千姫
露草(f06688)と

森の精霊王様に会えたらすごいよね
露草、絶対見つけようっ

輝石はここにあるからこそなんだと思うの
露草の蒼玉が手鏡にあるのと同じ
綺麗だね…
景色を見渡せば宝石の世界に行けちゃいそう
目に焼き付けて…
露草、精霊王様探しに行こうっ

うんん、輝石がたくさんある方に行ってみる?
森の妖精達からの贈り物ならたくさんある所にいるかもしれない
滅多に会えないその人に会えたら修行のひとつになるのかな
森の奥に進むほど帰り道がなくなっちゃうみたいで不安で
零した弱音を包んでくれるのは
いつだって…

ありがとう、頑張る
挫けたときも泣いてるときも露草がいるから大丈夫だよ
抱きしめ返して
笑って

いこう露草
精霊王様を探しにっ


蒼玉・露草
衆芳(栗林・千姫/f18880の渾名)と森奥へ行くぞ
森の精霊王に衆芳が会いたいと申すならば、意地でも探してやろう
温かい飲み物を準備して、暖かくしていくぞ

輝石は…確かに…輝いて…悪くはないが
(むしろ凄く綺麗だと思っているが言わない)
喜ぶ衆芳の方が余程美しいから欲しいなどとは思わん
(という気持ちもやっぱり言わない)

輝石が多い方へ、か
あとは…王とやらは静寂を好むのであろう?
より静かな方を進むのも良かろう
多少迷ったとて、我が必ず導いてやる故そう泣きそうな顔をするな
精霊王とやらも幼気な娘を泣かせる趣味など無かろうよ
軽く肩でも抱けば落ち着くだろうか
…だ、抱き締め返すなっ!(ささっと狐面を被って赤面を隠す)



 森の樹木に実り煌めくのは、虹のいろを放つ輝石。
 そしてルーメンの森の最奥には、妖精王の樹があるのだという。
 滅多に出逢えないその樹を見つければ、望むものが貰えると伝えられている――虹の宝具を授かった勇者みたいに。
「森の精霊王様に会えたらすごいよね」
 ……露草、絶対見つけようっ。
 そう向けられた栗林・千姫(春水・f18880)の青い瞳が、虹に負けないくらいキラキラ煌めいているから。
(「森の精霊王に衆芳が会いたいと申すならば、意地でも探してやろう」)
 蒼玉・露草(小夜曲・f06688)も彼女と一緒に、精霊王を探しに森へ。
 冬の森はきっと寒いだろうから、温かい飲み物もちゃんと準備するのも、忘れない。
 ふたり足を踏み入れたルーメンの森。そこには聞いた通り、樹木に実る虹色の輝きがたくさん。
 森の探索の御礼に、そんな輝石を持ち帰っても良いとは言われているけれど。
「輝石はここにあるからこそなんだと思うの。露草の蒼玉が手鏡にあるのと同じ」
 千姫は、貰うことは遠慮することにする。
 この虹のいろは森の妖精が生み出し、この森で育んだものだから。
 けれどその分、確りと目に焼き付けるように、視線を巡らせて。
「綺麗だね……」
 ほうっと白い息と共に零れる言の葉。
 ……景色を見渡せば宝石の世界に行けちゃいそう、なんて思ってしまうくらい。
 そんな千姫の隣で。
「輝石は……確かに……輝いて……悪くはないが」
 同じ様にきょろりと周囲を見回しながら、そう露草はぽつりぽつり口にするけれど。
 でも、本心は言わない。むしろ凄く綺麗だと思っている、だなんて。
 それに、露草も同じ。虹色の輝石を持って帰るつもりはない。
 ――だって。
(「喜ぶ衆芳の方が余程美しいから欲しいなどとは思わん」)
「露草、精霊王様探しに行こうっ」
 すぐ傍に、一等煌めいている宝石の様な笑顔があるのだから。
 それもやっぱり、口にはしないけれど。
 探すのは、森の奥にいるという、森の精霊王の樹。
 けれども、誰でも会えるわけではなく、滅多に出逢えないのだと言われている存在。 
「うんん、輝石がたくさんある方に行ってみる?」
 ……森の妖精達からの贈り物ならたくさんある所にいるかもしれない。
 そうこてんと微かに髪を揺らし首を傾けながら、言った千姫に。
「輝石が多い方へ、か。あとは……王とやらは静寂を好むのであろう? より静かな方を進むのも良かろう」
 虹の煌めきがより多く見える、夜の静寂がより色濃い方向へと、選んで進む。
 ……滅多に会えないその人に会えたら修行のひとつになるのかな、なんて思いながらも。
 森の奥へと歩み進めるたび、夜の闇が深くなれば……心に生じてしまう感情。
 ふと来た道を振り返って、思わず千姫は呟きを落とす。
「森の奥に進むほど、帰り道がなくなっちゃうみたいで……」
 ――不安、と。
 でも、今みたいに弱音を零した時は、いつだって……。
「多少迷ったとて、我が必ず導いてやる故そう泣きそうな顔をするな」
 ……精霊王とやらも幼気な娘を泣かせる趣味など無かろうよ。
 そう言いながらも、露草はちらりと隣で不安のいろを宿す千姫へと視線を向けて。
(「軽く肩でも抱けば落ち着くだろうか」)
 軽く優しく、ふわり、その小さな肩を抱いてあげる。
 いつだって、そう。
 こうやって……露草が、弱音を吐いた自分を包んでくれるから。
「ありがとう、頑張る」
 えへへ、と千姫は、与えられた温もりに嬉しそうに笑んで。
「挫けたときも泣いてるときも露草がいるから大丈夫だよ」
 ぎゅっと、肩を抱いてくれている露草に、目一杯の温もりのお返しを。
 そんな千姫の体温を急に感じ、大きく開いた瞳をぱちくりと瞬かせるも。
「……だ、抱き締め返すなっ!」
 露草は慌てて、ささっと狐面を被る。
 咄嗟に隠したその顔は、カアッと熱を帯びて、真っ赤だから。
 そんな露草に、あ、またお面してるっ、と。千姫は彼を見上げるけれど。
 ――いこう露草。精霊王様を探しにっ。
 そう言った表情に、さっきまで浮かんでいた不安のいろは、もうなくなっている。
 狐面を付けつつもどこかそわりとしている、露草が一緒だから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

日隠・オク
サクラコさん(f09974)と

マフラーぐるぐる暖かい恰好をしてバスケットに飲み物食べ物入れてもらって探索にゴーです

森の奥の特別な樹木……を目指します、静かなところだと本当に奥のほうなんでしょうか

木が飾られてるようで、とても綺麗で楽しい気分です
クリスマスツリーが上までいっぱいですね

輝石……きれいですね
不思議です
もらった輝石はバスケットに入れ
サクラコさんにも……まわり見渡して
気に入った輝石をサクラコさんに

ウサギやテン、見つけたらサクラコさんに声かけたり
いるほうに見に行ったり

探索進めたら持ってきたパイやあったかい紅茶で休憩
サンドイッチを食べたりで
ピクニックみたいです


鏡彌・サクラコ
【オクちゃんf10977と】
ふかふかの防寒具を着込んで
食べ物はハムやソーセージをサンドしてもらって
粒マスタードとかあるですかねい?トッピングして
パイとケーキもたくさんいただいて
ゴーでいす!

精霊王の木を目指します?
じゃああまり大きな声でお話しないように
こそこそ参りましょう

森全体が七色に輝いている様で綺麗ですねい
見惚れて上ばかり見ていると転びそう

虹色の輝石を選びます
結構違いがありますねい
これなんか綺麗じゃありませんか?
オクちゃんにあげるでいす!

注意深く見ていると色々な動物さんがいますねい?
オクちゃんに言われて感心して眺めます

レジャーシートを広げて休憩でいす
持ってきた食べ物を二人で分け合って食べます



 冬の夜に吹く風は肩を竦めるほど冷たくて、ふたり吐く息はお揃いで白いけれど。
 でも、森に入る準備は万端。
 ぐるぐるあったかいマフラーを巻いて、ふっかふかの防寒着を着こんで。
 バスケットには、飲み物と沢山の食べ物を入れて貰ったから。
 日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)と鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)は顔を見合わせコクリと頷いて――探索にゴー!
 オクはきょろり、足を踏み入れた森を見回して。
「森の奥の特別な樹木……を目指します、静かなところだと本当に奥のほうなんでしょうか」
 探すのは、このル―メンの森の奥に在るという、一等特別な樹木。
 そしてその樹木に宿る森の精霊王は、静寂を好むらしいから。
「精霊王の木を目指します? じゃああまり大きな声でお話しないようにこそこそ参りましょう」
 しーっと人差し指を口に当てるジェスチャーをしながら、サクラコはオクと、そっと森の最奥を目指す。
 森の奥へと進むたび、キラキラと煌めく樹木の輝石の数も、多くなっている気がして。
「木が飾られてるようで、とても綺麗で楽しい気分です」
 ――クリスマスツリーが上までいっぱいですね、って。
 そうオクは、見上げるほど大きな、いっぱいの天然のクリスマスツリーを眺める。
 電飾とはまた違った虹の彩が樹木を飾りつけて、頂上には瞬く綺羅星が。
「森全体が七色に輝いている様で綺麗ですねい」
 サクラコもオクと一緒に、キラキラ輝く虹のいろを見つめながらも。
 ……見惚れて上ばかり見ていると転びそう、って。
 足元気をつけてくださいねい、そう声を。
 そして輝石を選んでみるそんなサクラコの瞳に、ふと飛び込んできたのは。
「結構違いがありますねい。これなんか綺麗じゃありませんか?」
 星の様な、金の色をした輝石。
 それから手にした輝石と同じような瞳を細め、転がしたいろをオクへ。
「オクちゃんにあげるでいす!」
「輝石……きれいですね。不思議です」
 オクはもらった輝石を大切にバスケットに入れてから。
 サクラコさんにも……と、まわりを見渡してみて。
 気に入った輝石――緑色を帯びたまんまるな虹を、サクラコにお返しに。
 そして顔をふと上げて、緑の瞳を夜の闇に凝らしてみれば。
「ウサギやテン、でしょうか……森の動物がいます」
 見つけた動物たちを見つめながら、サクラコに声かけるオク。
 そんな森の住民たちがいる方に見に行ったりしてみて。
「注意深く見ていると色々な動物さんがいますねい?」
 サクラコもオクに言われて、感心しつつその姿を眺める。
 それから暫く歩けば、景色の良い少しひらけた場所に出たから。
「レジャーシートを広げて休憩でいす」
 持ってきた食べ物を、二人で分け合いこ。
 バスケットから取り出すのは、あったかいい紅茶に。
 ハムやソーセージを挟んでもらったサンドイッチに、粒マスタードをトッピングしたもの。
 そして勿論、パイやケーキ、デザートの甘い物もたくさん。
 ほくほくとそれをサクラコと頬張り、堪能しながらも、オクは呟きを零す。
 ――ピクニックみたいです、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アース・ゼノビア
【白】
動物ナンパに勤しむ伊織をなまあたたか~く見守りながら
白い襟巻に首をうずめていると思いきや、テンを肩に乗せて戯れている。
テンか精霊か、細やかな声に耳を傾けながら笑って
精霊王か…さすが、佳い森にお住まいだね
今日はゆっくりできないけれど、いつか俺もおめもじ叶えばいいな。


楽し気に先導する狐爺様や狸たちを微笑ましく眺めつつ
時折樹々の間から星を読んで、進んできた方角を記録。

目印にパンくずを落とす話があったっけ。
ま、いまそれやっても、片っ端食べられそうなんだけど…
(静かにして貰う為に、時折焼き菓子を投げている)

菊の提案どおり石を彫るなら、テンにしようかな
旅の終わりに小さな友人を撫ぜ。
道案内ありがとうね


呉羽・伊織
【白】
世界は見事な七色――な分、やっぱこの白さが際立つネ
(また現実逃避気味にたぬこをもふもふ防寒具で包みつつ――根付見て)
…いやナニコレ、何が準備万端!
何か哀愁漂う顔してて余計心が寒…
(水筒追撃にもう言葉も出ない)
アースはちゃっかりリア獣してるし!

気を取り直してっ
よしじゃあソコの艶やかテンチャン…あっそんな警戒しないで
オレは無害な哀玩…いやナニソレ(2回)
愛玩ひよこは飼ってるケド、オレは哀玩でもチキンでもな…って爺も待て、口は静かでも顔が煩いなこの狐!

(七彩とリア獣満ちる中、結局一人テンに若干距離取られつつ)
にしてもホント良い彩だな
折角だしオレも貰――いやナニコレ!(3回)
レアとは…(遠い目)


重松・八雲
【白】
きらきらもふもふ満ちる森とはまた心踊るのう!
む、狐の方が好都合?それもそうか!
(素直に狐化し、もふもふ増し増したぬこさまを背に乗せうきうきわくわくふるもっふ)

(甘味や七彩にほいほいきょろきょろしつつ
狸さん見付ければきらきら顔で近寄り
王の樹を存じぬか?
よければその辺りまでお散歩したり、たぬこさまとお友達になってくれぬか!
とかきゃうきゃう話?し
――不意にチキンと聞こえ耳ぴこり
儂も食べる!と伊織に期待顔突撃)

(狸増し増しで更にほくほくるんるんしつつ
輝石の動物さんか!
良いのうまた思い出と癒しが増えるのう!
の意を顔で全力表現

何か寂しげな伊織にはそこにあった例の人形風味の輝石をそっと渡しておく!)


千家・菊里
【白】
静寂…
ではこの爺様の口を封じねばなりませんねぇ
保護者さん、お願いします(丸投げ!)
(そして自分は飲食物山盛の籠を手に
伊織には笑顔でそっと木彫人形根付を帯にさしてあげた)
さて準備万端ですね

道案内は森の住民に頼みましょうか
という訳でそこのもふもふ美狐さん、少し奥までご一緒頂けませんか?
あ、それ(伊織)も確かにある意味チキン感ありますけど、食用ではなく哀玩用なので齧…ってもまぁ良いですね
(子兎さんと犬のお巡りさんに和みつつ)

(のほほんと美狐さんと並び七彩樹木の中歩み)
賑わう街の眩さも良いものでしたが、静寂の森の煌めきもまた味わい深いですね
輝石は動物達の姿に加工してまた並べても楽しいでしょうか


吉城・道明
【白】
(黙っていればと連呼されるのがよく)分かった、伊織もそろそろ静寂を覚えよ
そして保護者等知らぬ――が
御隠居、森ならば狐姿が色々馴染み易く(そして此方も静かに進み易く)、最適ではないか
(後の給餌はアースに任せ、寒そうな伊織には人形柄水筒手渡し)

(謎の動物会話を眺めていれば、ふと迷子らしき子兎見つけてそっと距離縮め)
……探索序でに親兎も探そうか
妙な話をしている連中もいるが――あれはまぁ見なかった事にするのが一番だ
(子兎の視界に狐やチキンが入らぬようにそっと隠し、そのまま抱えて歩き)

(暫し共に七彩の中を巡った末、無事再会した親子見送り)
加工か
この彩とあの親子――確かに褪せぬ思い出として残りそうだ



 賑やかな祭りの喧騒が嘘の様に、夜の静寂に包まれている『ルーメンの森』。
 そして満天の星空とちらちらと降り始めた雪を虹のいろに染めるのは、森の樹木に実る煌めき放つ輝石。
「世界は見事な七色――な分、やっぱこの白さが際立つネ」
 びゅうっと吹き抜ける冷気を帯びた風は、冬の夜風だからか、見事なまでの白さ加減の所為か。
 呉羽・伊織(翳・f03578)は唯一の心のオアシス、たぬこさまをもふもふ防寒具で包みつつ、またもや現実逃避気味。
 そんな伊織に視線を向けるのは、吉城・道明(堅狼・f02883)。
「分かった、伊織もそろそろ静寂を覚えよ」
 ええ、分かりました……黙っていればと連呼されるのが、よく。
 そして色々な意味で寒そうな伊織とは、これまた逆に。
「きらきらもふもふ満ちる森とはまた心踊るのう!」
 キャッキャはしゃぐのは、いつまでも童心を忘れなさすぎる重松・八雲(児爺・f14006)。
 いや、きっと多分恐らく、これはわくわく遠足ではなく一応依頼だと、爺様も分かっているだろうけれど、けれど。
「静寂……ではこの爺様の口を封じねばなりませんねぇ」
 千家・菊里(隠逸花・f02716)は、静寂を好むという森の妖精王の話を思い出して。
「保護者さん、お願いします」
 丸投げしました!
 そして……保護者等知らぬ――が、と。
 そう、丸投げされたお母さんは呟いた後。
「御隠居、森ならば狐姿が色々馴染み易く、最適ではないか」
 68歳児に、そう声を。
 ここは自然あふれる森の中。道明の言う通り、狐姿であれば周囲にも馴染むだろうし。
 何よりも、静かに進み易い。
 そんな道明の言の葉に、こてんと首を傾けてコンマ数秒考えた後。
「む、狐の方が好都合? それもそうか!」
 すぐにお母さんの言葉に乗せられ……いや、納得し頷いて。
 ぽふんっと素直に狐化した八雲は、もふもふ増し増したぬこさまをちょこんと背に乗せて。うきうきわくわくふるもっふ!
 そんなようやく静かになった様子をにこにこ見遣り、何気にやはりちゃっかり調達済の飲食物山盛の籠を手に。
 菊里は今度は、驚きの白さにまだ嘆き寂しそうな伊織へと視線を移して。
「さて準備万端ですね」
 寂しくないように、笑顔でそっと、あの例の木彫人形根付を帯にさしてあげる。
 そんな、ゆらゆら揺れるゆるふわ某はにプリ風な根付を見遣る伊織に。
「……いやナニコレ、何が準備万端! 何か哀愁漂う顔してて余計心が寒……」
 さらに寂しくないようにとお母さんが寒そうな彼に持たせるのは、同じ顔をした人形柄水筒。
 一体いつどこで購入していたのか、そんな某はにプリグッズの追撃に、もうツッコミの言葉も出ないけれど。
「気を取り直してっ。よしじゃあソコの艶やかテンチャン……あっそんな警戒しないで」
 ふと目の前に現れたテンを早速ナンパ……しようとして、早速いつもの様に威嚇される伊織。
 そんな動物ナンパに勤しむ伊織を、なまあたたか~く見守りながら。
 白い襟巻に首をうずめているのは、アース・ゼノビア(蒼翼の楯・f14634)。
 いや、ただの白の襟巻ではない。それは、天然の生きたぬくもり。
「アースはちゃっかりリア獣してるし!」
 相変わらず警戒されている自分を後目に。
 すっかりいつの間にかテンを手懐けているその姿に、伊織は目を遣り言って。
 肩に乗せたテンと戯れつつも、テンか精霊か……細やかな声に耳を傾けながら笑むアース。
「精霊王か……さすが、佳い森にお住まいだね」
 キンと冷たいながらも澄んだ森の空気は、やはりどこか神聖で。
 豊かな生命が育まれ息づいている、虹のいろを纏う景色。
 そして……よく懐いてくれている、友となった森の住人。
「今日はゆっくりできないけれど、いつか俺もおめもじ叶えばいいな」
 そんな森を統べる精霊王に敬意を払う様に、金の瞳を森へと巡らせて。
 頬をすりすりしてくるもふもふ感に、もう一度微笑むアース。
 そして、時折樹々の間から瞬く星を読んで、進んできた方角を確り記録しつつ。
「目印にパンくずを落とす話があったっけ。ま、いまそれやっても、片っ端食べられそうなんだけど……」
 そう呟きながらも微笑ましく眺めるのは、楽し気にきゃっきゃ先導する狐爺様と――狸たち。
 静かにして貰う為に、時折アースがひょいっと投げる焼き菓子を、ぱくりとナイスキャッチして。
 そんな甘味や七彩の森にほいほいきょろきょろ、ひょこひょこ進んでいた狐姿の八雲が見つけたのは、一匹のもふもふ狸さん。
 早速、狸さんにきらきら顔で近寄って、訊ねてみる。
 ――王の樹を存じぬか? と。
 狸さんはその問いに、森の奥の樹のことかなー? と首を傾けつつも。こう、続ける。
 ――でもいま、なんだか前の精霊王さまと、ちがうかんじなんだけど……と。
 そんな狸さんに、八雲とたぬこさまは目を合わせてから。
 ――よければその辺りまでお散歩したり、たぬこさまとお友達になってくれぬか!
 そうお願いしてみれば。
 ――あまりちかづいちゃダメっていわれてるから、とちゅうまでね、と狸さん。
 そんな、きゃうきゃう謎の動物会話を交わしてしている狐と狸たちを眺めていた道明であったが。
 ふと気配を感じ其方へと視線を向けると、そっと距離縮める。
「……探索序でに親兎も探そうか」
 そこにいたのは、どうしても放っておくことができない、迷子らしき子兎。
 そんな、子兎さんと犬のお巡りさんの姿に和みつつ。
「という訳でそこのもふもふ美狐さん、少し奥までご一緒頂けませんか?」
 ……道案内は森の住民に頼みましょうか、と。
 菊里もさらっとナンパに成功、のほほんと美狐さんと並び、七彩煌めく樹木の中を歩みながら。
 相変わらす微妙な距離感をテンから取られている伊織へと再び目を向ける。
「あ、それも確かにある意味チキン感ありますけど、食用ではなく哀玩用なので齧……ってもまぁ良いですね」
「オレは無害な哀玩……いやナニソレ」
 本日二回目のツッコミをしつつ、ふるふると首を横に振る伊織であったが。
「愛玩ひよこは飼ってるケド、オレは哀玩でもチキンでもな……」
 ――チキン!? 儂も食べる!
 不意に聞こえてきたチキンという単語に耳ぴこり、期待顔で突撃してきた八雲に、さらにぶんぶんと首を振る伊織。
「……って爺も待て、口は静かでも顔が煩いなこの狐!」
「妙な話をしている連中もいるが――あれはまぁ見なかった事にするのが一番だ」
 子兎の視界にそんな狐やチキンが入らぬようにと、そっと隠しつつ。
 そのまま抱えてスタスタと歩き、親兎の探索を続ける犬のお巡りさん。
 そして振っておきながらも、しれっといつも通り、ある意味繰り広げられている惨劇を後目に。
 美狐さんと並び行く菊里は、改めて森に実る虹のいろを瞳に宿して。
「賑わう街の眩さも良いものでしたが、静寂の森の煌めきもまた味わい深いですね」
 ――輝石は動物達の姿に加工してまた並べても楽しいでしょうか、と。そんな提案を。
「石を彫るなら、テンにしようかな」
 旅の終わりに小さな友人を撫ぜ、アースは言ってから。
 ――道案内ありがとうね。
 何度も名残惜しそうに振り返りつつも森へと消えてゆくその姿を見送って。
 同じ様に、暫し共に七彩の中を巡った末、無事再会した親子を見送る道明もふと呟きを落とす。
「加工か。この彩とあの親子――確かに褪せぬ思い出として残りそうだ」
 そして、仲良しさんになった狸さんも加わり、狸増し増しで更にほくほくるんるんする八雲も。
 ――輝石の動物さんか! 良いのうまた思い出と癒しが増えるのう!
 無邪気さいっぱい、そう言わんばかりの意を顔で全力表現。
 伊織の周囲に満ちるのは、そんなキラキラな七彩とリア獣たち。
 結局一人、相変わらずテンに若干距離取られつつも。
「にしてもホント良い彩だな」
 獣の方はさておき、逃げたり距離を取ったりしないキラキラを楽しむことにした伊織であったが。
 何だか寂し気な彼に、タタッと咥えてきた何かをそっと渡す、狐姿の爺様。
 そして、せめて輝石でもと周囲を見渡していた伊織は。
「折角だしオレも貰――いやナニコレ!」
 渡されたそれ……例の人形風味の輝石を見遣って、本日3回目のナニコレ! を。
 いや、こんなにも某アレみたいな形をした輝石なんて、ある意味奇跡かもしれない。
 かもしれない、けれども。
 アリガト……伊織はそう、有難く一応八雲の厚意を受け取りながらも。
 揺れる根付のソレと水筒のアレと珍しいコノ輝石のを見つめ、遠い目をするのだった。
 ――レアとは……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
【梟】

彼方此方に虹の彩り
物語めく光景は正に
妖精王の珠玉の庭に訪ったようで

えぇ
きっと御座します

かよさんの言に重ねて
黒羽さんへ頷いてみせる

寒さ対策という名目で
水筒に貰った熱い葡萄酒を
道中ロカジさんへも差し出したのは
共犯者を確保する為、なんて口にせずとも
悪戯な目線できっと以心伝心

花の囁きへ微笑んで
木陰で様子を窺う動物達を怯えさせぬよう
笛で柔らかな風の音を奏でたら
愛らしい姿を見せてくれるでしょうか

ちょこんと顔を出した兔へ
いっとう美しく輝く樹の在処を尋ねてみよう
いつの間にか
興味津々に辺りに集った動物達の陰に目を瞬いて
礼代わりの笛をもう一奏

密やかに言の葉を交し合う道々は
擽ったくも温かく
柔らな灯りが燈るよう


ロカジ・ミナイ
【梟】

何だって信じた者の前にしか現れない、って言うでしょ
いるよ、妖精王は

だってごらんよ、あの白兎も花世さんも
まるで妖精王の場所を知ってそうな足取りじゃないか

そう言って、なーんにも考えずに景色を楽しみながらついて行く
いつのまにか消えた豚ハム?そんなものは無かったのさ
(行儀なんて良けりゃいいってもんじゃない)と知らん顔で
全部この綾がくれたあったかい葡萄酒が美味いせいよ
ねぇ

寒空の下、芯からあったまった身体が心地よく揺れだした
ああ……そうか、綺麗な音色が聴こえるからだ
綾も黒羽も上手だねぇ、こりゃ驚いた
よく見りゃオーディエンスは僕らだけじゃないみたいだし
今回ばかりはいつもの笑い声をひそめて目を細めよう


境・花世
【梟】

虹色にきらめく不思議な森は、
やっぱり絵本の中みたいだね

だから妖精王はきっといるよ、黒羽

少年にまじめな顔で語りながら、
子どもみたいに雪の上に足跡つけてゆく
時折跳ねるふわふわの白い兎は、
なぜだか道案内のようにも思えて

ねえ、冬の妖精さんに聞いてみてくれる?
綾の耳元に背伸びして囁けば、
きみにはちゃんと伝わるはずだから
ほほ笑み交わして特等席に陣取ろう

虹のひかりを辿る澄んだ調べは、
王様の胸だって震わせるだろう
重なり響けばいっそう世界はきらめくようで、
ロカジと一緒に音無き喝采を冬夜に降らせる

――さあ、ここから先はお静かに

雪あかりの道は皓々と真白くひかって、
きっともう迷わず行けるにちがいない


華折・黒羽
【梟】

妖精王…本当に存在するんでしょうか

何気無く零せば力説返す花世さんに瞬き
語られた王はさんたさんと似ているなとひそり思いながら
年変わらぬ少年の様に跳ねる足跡
追えば増える肉球の形がひとつふたつ

道すがら
先は食べそびれた豚ハムをロカジさんの持つ包みから拝借
しれっとした顔でぱくりもぐもぐ
広がる旨味にぐずり始めた腹の虫も宥められるだろう

覗く獣達へ道尋ねようとも埋まらぬ距離
どうしたものかと─ぴくり
撫でる音色に耳が向く

綾さんの奏でる柔く優しい音色は獣の耳に心地良く
集う同胞達に綻ぶ口元
礼の一奏にはうず、と徐に取り出した篠笛
問うた視線に是の意が返ればそっと添いの音を奏でよう

妖精王の耳にも、届きますように──と



 はあっと様々な彩り煌めく夜空へと、白い色を昇らせながら。
 何気なく零れたのは、こんな言の葉。
「妖精王……本当に存在するんでしょうか」
 聞こえた華折・黒羽(掬折・f10471)の呟きに、境・花世(*葬・f11024)は華の様に笑む。
「虹色にきらめく不思議な森は、やっぱり絵本の中みたいだね」
 ――だから妖精王はきっといるよ、黒羽、って。
 花世はそう少年にまじめな顔で語りながらも、子どもみたいに、真新しい雪の上に足跡つけてゆく。
 そして返ってきたそんな力説に、ぱちりと黒羽は瞬いて。
 年変わらぬ少年の様に跳ねる足跡を追いながら、ひとつふたつ。見つけるのは、増える肉球の形。
 それからふと、聞いた話を思い返しながらも、ひそり心に呟く。
(「語られた王はさんたさんと似ているな」)
 さらに花世の言に重ねて。
「えぇ、きっと御座します」
 黒羽へと頷いてみせるのは、都槻・綾(夜宵の森・f01786)。
 だって、彼方此方に煌めく虹の彩りの光景は、正に物語めく……そう、妖精王の珠玉の庭に訪ったようだから。
 ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)も、生真面目な少年に笑い断言する。
「何だって信じた者の前にしか現れない、って言うでしょ」
 ――いるよ、妖精王は。
 サンタさんだって、信じている良い子の元にはプレゼントを持って来てくれるんだから。
 きっと、妖精王も同じに違いないし。
「だってごらんよ、あの白兎も花世さんも。まるで妖精王の場所を知ってそうな足取りじゃないか」
 時折跳ねるふわふわの白い兎は、なぜだか道案内のようにも思えて……って。
 そう、その後を追う様に雪に足跡をつけていく花世へと、ロカジは目を向ける。
 そんな無邪気な大人たちの言葉に、黒羽はこくり頷いてから。
「さっきはいつの間にか消えていて、食べそびれましたからね」
 あら不思議、先程はあっと言う間に消えた豚ハムを、ロカジの持つ包みから拝借して。
 しれっとした顔でぱくりもぐもぐ。ぐずり始めた腹の虫も、広がる旨味に宥められるだろう。
 けれど勿論、視線を向けられた本人は、知らん顔。
「いつのまにか消えた豚ハム? そんなものは無かったのさ」
 行儀なんて良けりゃいいってもんじゃない。それに――。
「全部この綾がくれたあったかい葡萄酒が美味いせいよ」
 ねぇ、と同意を求める共犯者に、綾はただ笑んで返すだけ。
 水筒に貰った熱い葡萄酒は、寒さ対策という名目。
 それをロカジにも差し出したのは、共犯者を確保する為――なんて、わざわざ口にせずとも。
 ぱちりと交わし合った悪戯な目線で、きっと以心伝心。
 煌めきの森に在るのは、虹色の風景を歩みゆく自分たちだけではない。
 跳ねる白兎は勿論、姿はみせずとも感じる、数多の生命の息吹。
 けれどもやはり森の住人達は、此方に興味の色を宿す視線は向けていても。
 道尋ねようとも、どうしても埋まらぬ距離。
 どうしたものかと――黒羽は首を傾けるけれども。
 ぴくり、反応を示すのは、黒猫の耳。
 森の精霊王の棲み処。それを訊ねるのならば、やはり森に棲むものたちが一番。
 ――ねえ、冬の妖精さんに聞いてみてくれる?
 背伸びして囁かれた花世の言の葉は、綾の耳元で。
 ……きみにはちゃんと伝わるはずだから、って。
 そんな花の囁きへと、綾は微笑んで。
 笑み交わした花世が陣取るのは、特等席。
 撫でる音色に耳が向いた黒羽と同じ様に、木陰で様子を窺っていた動物達も反応を示して。
 綾の笛が奏ではじめた柔らかな風の音に、そろり、愛らしい顔をみせはじめる。
 そして……そろり近寄ってきて、ちょこんと見上げる白兎の目線に屈んで。
「いっとう美しく輝く樹の在処を知らないかい?」
 そう訊ねてみれば。ひょこりと耳を立てて、こっちだよ――そう言わんばかりに、数歩飛び跳ねて振り返る。
 そんな可愛い案内人に礼を紡がんと顔をあげれば、巡らせた青磁の双眸を瞬かせる綾。
 いつの間にか、興味津々――辺りに集った動物達の姿が。
 そして綾は再び風の音色をもう一奏……礼代わりの笛の音を。
 柔く優しく響き渡るその音色は、黒羽の獣の耳にも心地良く、集う同胞達につい口元綻ばせれば。
 うず、と徐に取り出したのは篠笛。そして、夜の森に響き重なる旋律がふたつとなる。
 そっと添いの音を……妖精王の耳にも、届きますように──と。
 そんな寒空の下、芯からあったまったロカジの身体が、ふわふわ心地よく揺れ始める。
 その理由は、あったかい葡萄酒と……それに。
「ああ……そうか、綺麗な音色が聴こえるからだ」
 ……綾も黒羽も上手だねぇ、こりゃ驚いた。
 そう笑むロカジは、今回ばかりはいつもの笑い声を潜めて。
 そっと、美しい響き紡ぐ奏者たちを映した青い瞳を細める。
(「虹のひかりを辿る澄んだ調べは、王様の胸だって震わせるだろう」)
 さらに澄んだ調べが重なり響けば、いっそう世界はきらめくようで。
 花世もロカジと共に、冬夜に降らせる……音無き喝采を。
 それから動物たちへの礼の終演、再び森に静寂が戻ってくれば。
 彼等が教えてくれた雪あかりの道を、辿り始める。
 吹き抜ける冬の夜風は冷たいけれど……密やかに言の葉を交し合う道々は擽ったくも温かく、柔らな灯りが燈るようで。
 真白くひかるこの道を皆でゆけば、きっともう迷わず行けるにちがいないから――森の妖精王の元に。
 妖精王は静寂を好む。だから花世は、人差し指をそっと口元に。
 ――さあ、ここから先はお静かに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『木の精霊・まんどらめぇめ』

POW   :    マンドラ・ミサイル
レベル×5本の【木】属性の【ふわもこな毛の塊】を放つ。
SPD   :    めぇめぶらすと
【ふわもこな体】から【ざっくりと編みこんだ毛】を放ち、【巻きつけること(痛くはない)】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    必殺!疑似餌封じ
【美味しそうな食べ物】【愛らしいお人形】【魅力的な書物】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:藤乃 はくまい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第3章プレイング送信の受付は、【12/31(火)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを受付開始前日までに掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
.

●森の精霊王
 ――こっち、こっち、と。
 ぴょこぴょこと前をゆくのは、仲良くなった可愛い案内人。
 雪の様に真白な兎さんは、とてもお喋り好きで。
 森の動物さんたちのこと、兎のきょうだいのこと、大好きなあそびのこと……沢山の雑談や。
 そして――猟兵たちが訊ねてみた、森の精霊王のことも、話してくれる。
『森の精霊王ってね、その時の精霊王がお空に還ったら、今森にいる精霊の中から新しい王の天啓が下るの。その子が、次の精霊王になるんだって』
 白兎さんも、実際に森の精霊王をみたことはないという。
 なのであくまで、聞いた話……ではあるものの。
 森の住人の話は、信憑性も高い気がする。
 さらに、兎さんはぴょこんっと飛び跳ねながらも続ける。
『でもね……なんか、今の精霊王、お空によばれても全然還らないんだって。だから新しい精霊王が生まれないって、森の精霊さんたちがいったんだ。なんか、今の精霊王、変になっちゃったんだって。だからね、ボクたちも、こわいから森の奥には行っちゃダメっていわれてるの』
 ――変になっちゃった?
 そう猟兵達が首を傾げれば。
 こくりと頷く兎さん。
『森の精霊王ってね、もし出会えたら、好きな物を願えばそれをくれるの。でも……なんか、それでニンゲンを誘き寄せて、ぱくりって食べちゃうんだって。それにね、プレゼント作りも、すっごく下手になっちゃってるんだって』
「……!」
 イーリスの街の人が頭を悩ませる、森に入った人が戻らない失踪事件。
 そしてプレゼントを餌に、ニンゲンをぱくりと食べてしまうという、変になった精霊王。
 実際にぱくりと精霊王が人間を食べているのかは分からないが、失踪事件の真相はこれではないか。
 それに、変になる前は、ちゃんと願ったものをくれた精霊王だったのに。
 今では、願ったものとは程遠いものや粗悪品、歪なもの、到底使えそうにないものなど、どこかヘンテコなものしかくれないのだという。
 でももし出会えて願ってみれば、あまり無茶なものでなければ、何かはくれるかもしれない。あまりそのクオリティーに期待はできそうもないが。
 ただ――その存在が、此処に在ってはならないものであれば。
 きちんと、還るべきところに送ってあげなければならない。
 イーリスの街の人のためにも、ルーメンの森に棲む動物さんや精霊さんたちのためにも。
 それから猟兵たちは、虹色宝具の勇者のことについて訊ねてみるけれど。
 動物さんたちは、勇者のことについては知らないらしい。
 ただ――遥か昔、嘗て最強の力を持っていたという精霊王は、虹の輝石を使った宝物を沢山生み出した、という昔話はあるのだという。
 そして……森の奥に行くたび、手つかずの状態だからか、その輝きや大きさや数が増していく七彩の輝き。
 けれども、ふいに白兎さんの足がぴたりと止まって。
『ここから先は、こわいから入っちゃダメってボクたちは言われてるの。でも、森のいちばん奥にある、『精霊王の滝』は、ここからまっすぐ行ったらあるから』
 ――じゃあ、ばいばい。
 白兎さんはそう言って、礼を言う猟兵たちの前からぴょこり、去っていく。

 それから言われた通り、次第に濃くなっていく気がする虹の光の景色の中を進んで。
 瞬間、パッと視界がひらけばー―猟兵たちの瞳に映るのは、七色に輝く美しい滝。
 そして、その幻想的な風景の中にいたのは――森の精霊王。
 ……でも。
「! オブリビオン……!」
 変になっちゃった精霊王……それは、オブリビオン化した木の精霊・まんどらめぇめであった。
 その一見可愛らしい見目をみれば、こわい精霊王だなんて思わないだろう。
 けれど、白兎が言っていたように。
 ――ぽこんっ。
 まんどらめぇめが頭上から吐き出すように生み出したのは、妙に歪んだ兎のぬいぐるみ。
 でもよく見れば、手と足が逆につけられていて、子どもがみたら泣いてしまいそうな凶悪な顔をしている。
 パンケーキやプリンらしきものを出しても、到底食べられそうにない美味しくなさそうなもの。
 プレゼント作りが下手になったと言っていたのは、本当だったようだ。
 そして十中八九、イーリスの城下町で聞いた失踪事件は、このオブリビオンの仕業であるだろう。
 ヘンテコではあるものの、出会った人の欲する宝物を生み出し……そして、ぱくりと食べてしまう。
 森の動物や精霊にとっても、還って貰いたいと願う存在であるだろう――新しい森の精霊王の誕生のために。
 だから猟兵達は、眼前の精霊王であったモノを見据え、得物を構える。
 戦闘はどうやら不得手らしく、プレゼントを生み出し相手を油断させたところを襲ってくるらしい。
 なので、苦戦せずにさくっと倒せそうではあるので。
 試しに、何か欲しいものを強請ってみるのもいいかもしれないけれど。
 でも――皆に害を及ぼすサンタクロースなんて、いらない。
 それに、この七彩輝く美しいルーメンの森の住人たちが何よりも待ち侘びているのは。
 きっと、新しい森の精霊王の誕生だから。
薄荷・千夜子
何か起こっているとは思っていましたが……
楽しい一時を過ごさせてくれた街の方々や動物さんたちのためにも頑張りましょう

せっかく素敵な贈り物をしてくださる精霊王とのことでしたのに
このちょっとずつ残念になってしまっている感じが……!
素敵な時間をたくさん頂いたのです
ここで、そのお返しと参りましょう
『操花術具:神楽鈴蘭』をしゃらんと鳴らし清らかな鈴の音を響かせ
新しい精霊王の誕生を【祈り】ながら
UCを発動して辺りを【破魔】の力が宿った七彩の花畑へと彩っていきましょう
そして、これからもこの地が素敵な場所でありますように

さぁさ、あなたがいる場所はここではないのです
骸の海へとお帰り下さいな



 彗、颯、楓――そして新しい相棒の白兎も、勿論一緒に。
 みんなで七彩煌めく森の一番奥へと、道案内役の兎の後を追って進んだ先。
 視界ひらけたその場に在るのは、虹を纏う美しい滝の景色と。
『……メェ!』
 一見可愛らしい、森の精霊王の姿。
 森の精霊王は出会った者の欲する物を生み出し、与えてくれるというが。
 ――ぽこんっ。
 頼んでもないのにその頭上から生み出したのは、見た目は鷹なのに嘴の部分だけ何故か長く喉袋があるペリカン仕様な、謎な鳥のぬいぐるみ。
 しかもその顔はどう見ても、お世辞にも可愛いとはいえない。
「何か起こっているとは思っていましたが……」
 ただ変な贈り物を生み出すだけならまだしも。
「楽しい一時を過ごさせてくれた街の方々や動物さんたちのためにも頑張りましょう」
 眼前の存在は、イーリスの街の人にも、ルーメンの森の動物たちにとても、危険なもの。
 薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)はその可愛らしい見目に惑わされることなく、眼前のオブリビオンを射抜くように見据えつつも。
 何だかこちらをじとーっと見つめているように見える、謎な鷹ペリカンぬいぐるみへとちらり、目を遣って。
「せっかく素敵な贈り物をしてくださる精霊王とのことでしたのに、このちょっとずつ残念になってしまっている感じが……!」
 素敵な聖夜のサンタクロースとはいかなかった精霊王へと視線を戻し、ふるふると首を振る。
 けれど、生み出すプレゼントこそ残念な出来だけれど。
 イーリスの街の賑やかな『聖夜祭』や、天然イルミネーションの森に棲む動物たち、案内されたとっておきの森の泉の風景。
 此処に辿り着くまで、沢山の素敵な時間を貰ったから。
 ――ここで、そのお返しと参りましょう。
 美しい七彩の世界に添える響きは、しゃらんと鳴らした清らかな鈴の音。
 そして、その音色に込める祈りは――新しい精霊王の誕生。
 ――虹の花、咲き誇れば天上楽土。
 刹那、虹色の輝石と共鳴するかのように。七色に煌めき吹き荒れるは、破魔の力宿す花嵐。
 輝石実る樹木やその輝きを映す滝だけでなく、雪積もる真白の地をも、七彩の花畑へと塗り変えて。
『メェ……!?』
「さぁさ、あなたがいる場所はここではないのです。骸の海へとお帰り下さいな」
 千夜子は、眼前のかつて精霊王であったものを正しく導かんと。
 鈴蘭の神楽鈴をしゃらんと優しく咲き鳴らし、祈りを馳せる。 
 ――これからもこの地が素敵な場所でありますように、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
引き続き強気で接近戦が得意なリリスで挑むわよ。
案内してくれた真白な兎さんに銀猫のリンフォースと
一緒にお礼してから奥に進むわよ。
オブリビオンになった精霊王見た目は
可愛らしいし、もふりたくなるけれど
ちゃんと還ってもらわないといけないし、気を強くね。
ふわもこな毛の塊に惑わされずに接近して
炎を纏った剣による斬撃で焼き払うわ。
今度が迷わずに還れることを願わせてもらうわ。

失踪した人達の行方を捜すわ。
もし見つかって戦闘中に巻き込みそうならその避難を優先かしらね。
見つからずに物品だけが残っているなら、
せめてそれだけでも持ち帰って家族に届けたいわね。

「ちゃんと迷わずに帰るのよ」
「苦しまないよう全力で倒すわ!」



 すっかり仲良くなった案内役の兎さんの後ろ姿を、銀猫のリンフォースはちょっぴり寂し気に見送っていたけれど。
「ちゃんと迷わずに帰るのよ」
 リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)と一緒にお礼をした後、向かうは森の最奥。
 リリスフィア……いや、引き続き強気な人格であるリリスは、リンフォースと共に七色の森を進んで。
 兎さんが教えてくれた通り、迷うことなく続く道をゆけば。
 辿り着いたのは、森の最奥――七色の滝。
 そして虹の光煌めく滝の景色の中に在る精霊王を、その瞳で捉える。
 そんな精霊王の見目は、もこもこの羊さんの様な姿。
 とても人や動物たちに危害を加えるような存在には一見、見えないが。
 だからこそ、可愛い外見や贈り物を餌に人を取り込む様な輩を野放しにしておくのは危険だ。
 その羊さんみたいなもふもふボディは、確かに魅力的だから。
(「可愛らしいし、もふりたくなるけれど」)
 でも、ゃんと還ってもらわないといけないから……気を強くね、と。
 魅力的なふわもこの毛の塊に惑わされず、リリスは地を大きく蹴り、敵へと果敢に接近して。
「苦しまないよう全力で倒すわ!」
『メェ……!』
 豪快に振るうのは、逆に敵を惑わせるような、緋色に輝く炎纏いし魔剣。
 ふわもこのオブリビオンを焼き払わんと、虹色に照る炎が猛り唸って。
(「今度は迷わずに還れることを願わせてもらうわ」)
 思いを乗せた斬撃が、精霊王から災魔へと堕ちたモノを斬り払う。
 そんな燃え尽きた精霊王のうちの一匹が後に残したものを、リリスはふと拾い上げてから。
 それを大事にそっとしまいながらも、思う。
 失踪した人達の姿は見当たらず、見つけたのは今拾った、此処を訪れた誰かのペンダントだけだけれども。
 せめてそれだけでも持ち帰って家族に届けたい――って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「もふもふちょうだい!」
何が出てくるかおっかなびっくりだけど、一応ねだってみるわ。

多分半分ホラーか奇妙なものが出てきそうな気がするから期待はしていないわよ。
本当よ、間違っても近づいたりしないわよ?(目が泳ぐ)

貰うものもらったら、お仕事ね。
「貴方のお仕事はもう終わったのよ。天に還りなさいな」
相手の攻撃はなるべく木々を使ってよけつつ、ぱっくりされない距離でユーベルコード【ジャッジメントクルセイド】。

「次の精霊王が貴方の役割を継ぐわ。お疲れ様」
もこもこさんにはゆっくり休んでほしいわね。



 精霊王は静寂を好む。
 そんな聞いた言の葉の通り、虹色の煌めきが彩る夜の静けさの中。
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は深い森の最奥へと、そっと引続き気配を消し、息を潜め進んでゆけば。
 ルーメンの奥の最深部……七色の滝へと辿り着く。
 周囲を照らす輝きは、これまで通ってきたどこよりも美しく鮮やかで。
 キラキラと幻想的な世界は、目を瞠るように綺麗だけれど。
 ヴィオレッタが迷う事なく視線を向けるのは――可愛い見目をした、森の精霊王。
 そして、何が出てくるか、ちょっぴりおっかなびっくりではあるけれど。
「もふもふちょうだい!」
 もこもこブーツにもこもこ外套、相変わらずなもこもこっぽい姿で。
 一応そう、ろくでもないサンタさんに、もふもふをねだってみれば。
『メエェ!』
 ――ぽこんっ。
 精霊王は、ヴィオレッタの願いを聞き入れたと言わんばかりにひと鳴きした後、頭上から人形を生み出す。
 いや、予想では多分、半分ホラーか奇妙なものが出てきそうな気がするから、期待はしていない。
 していない、つもりだけれど。
(「本当よ、間違っても近づいたりしないわよ?」)
 ……目が泳いでいる気がするのは、きっと気のせいではない。
 けれど、ちょっぴりだけささっと近づいて、貰った人形を回収すれば。
「…………」
 もふもふでは、一応ある。あるのだけれど。
 その手には、髪の毛だけもふもふアフロヘアーの、だが身体は堅い木彫りのクマさんが。
 しかも髪はアフロなのに、他のつくりは妙にリアルな一品である。
 そんなシュールなもふもふを一応、貰っておいて。
「貴方のお仕事はもう終わったのよ。天に還りなさいな」
 次々と飛んでくる、一見美味しそうな食べ物や一見愛らしいお人形、一見魅力的な書物を、森の木々を利用して避けつつも。
 ぱっくりとされない距離まで移動し、ヴィオレッタは光纏う指先をオブリビオンへと向ける。
「次の精霊王が貴方の役割を継ぐわ。お疲れ様」
『メェェ……!』
 刹那、天からの光がもふもふな敵の身を撃ち抜き、あっさりとまた一体、還る場所へと導きながら。
 ヴィオレッタはクマのアフロを一応もふもふしてみつつも、眼前の森の精霊王に思うのだった。
 ――もこもこさんにはゆっくり休んでほしいわね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薬師神・悟郎
これはまた…可愛らしい姿だ
精霊達もあの外見に騙されてしまったというわけか

人間をぱくりというのはいけないな
奴が力をつける前に排除し、森の精霊王を迎え入れる準備をしなくては

気付かれないように存在感を消して近づき、闇に紛れる、忍び足、目立たない、地形の利用
UCで苦無を召喚し先制攻撃、範囲攻撃
苦無の幾つかに鋼糸(+麻痺毒)を仕掛け、絡めとるように動きを封じる事を試みる、スナイパー、視力、暗視

上手く行けばそのまま隠密行動で近づき、弱ったところを暗殺

奴からのプレゼントには興味があるが、調子に乗ってまた失敗するわけにはいかない
隠密行動に皆が強請る様子を見るだけにしておく
それに…俺は彼女からのマフラーで十分だ



 この森が育むのは、森の奥に行くにつれ沢山の実をつけ煌めく、虹色の輝石も勿論だけれども。
 耳を澄ませば聞こえる動物たちの鳴き声や足音、さわりと冬の夜風に揺れる木々。
 静寂の中にありながらも感じる、様々な生命の息吹。
 そして、そんな森を統べる精霊王……なのであるが。
「これはまた……可愛らしい姿だ」
 可愛いふわもこな羊。
 一見すると、とても愛らしい見目をしているそれであるが。
「……精霊達もあの外見に騙されてしまったというわけか」
 薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)は先に辿り着いた猟兵達と対峙しているその姿を見遣り呟く。
 いや、子供っぽい存在はどう接していいかわからず、苦手である悟郎だけれど。
 でも、眼前の存在にそんな苦手意識は感じない。
 何故なら――。
「人間をぱくりというのはいけないな」
 その存在は、全く可愛らしい存在などではないから。
 ――奴が力をつける前に排除し、森の精霊王を迎え入れる準備をしなくては。
 悟郎はそう金の瞳でオブリビオンを捉え、気付かれぬよう闇に紛れて。
 森の鬱蒼とした地形を利用し、目立たぬよう忍ぶように敵との距離を詰めて。
 ――行け。
 戦場に召喚し疾風の如き放つは、苦無型の暗器。
『!? メエェッ!』
 全く悟郎の存在に気付いていなかったオブリビオンは声を上げ、彼の姿を探さんとするも。
 再び闇に紛れたその姿を見つける前に、苦無に仕掛けられていた痺れるような毒を宿す鋼糸に絡め取られ、それすら叶わない。
 そして確りと暗視し見据え、敵が弱ったところを狙い撃ちにかかる。
 確かに……森の精霊王だった存在が何をくれるのか、興味はあるのだけれど。
(「調子に乗ってまた失敗するわけにはいかない」)
 他の猟兵たちが妙な贈り物を貰っては遠い目をしているのを、隠密行動を取りつつも見るだけにしておく悟郎。
 いや、オブリビオンのヘンテコな贈り物など、いらない。
 悟郎は闇に紛れながらも、そっと……首に巻かれた温もりに手を添え、瞳を細める。
 それは貰ったばかりの大切な、あたたかい誕生日の贈り物。
 ――……俺は彼女からのマフラーで十分だ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鬼灯原・孤檻
【POW】

橘・尊(f13751)と同行している。
尊に攻撃が行くようならフォローに行く。

ふむ。プレゼントを生み出して油断を誘う相手か…
だが、此処では既にプレゼントはいただいている。意思があるかは分からないが、堕ちた精霊王には退いてもらおうか。

ふわふわした毛の塊に対し、炎の力を持った刀を作り対応する。
敵の攻撃を【見切り】、【カウンター】で【薙ぎ払う】。斬り伏せるのはかわいそうだが、仕方がない。
念のため、周囲の木々や草花に影響が出ないよう気をつけよう。

ここが綺麗な森に戻ったら、また来年も遊びに来るのも良いかもしれないな。


橘・尊
【WIZ】

孤檻と一緒に(f18243)

なるほど…
だから、俺の傍にいる精霊達が首を横に振っている訳だ

森の住民達にも迷惑をかけている精霊王にはお還り願おう

孤檻の邪魔にならないように
後方から攻撃
孤檻に敵の攻撃が届くようなら【援護射撃】【武器落とし】で対応
隙を見て、狐火で攻撃

周りの森の住民達に被害が及ばないように【かばう】

うん、本物の精霊王に
また会いにこような



 ここまで辿り着く道すがらだけでも、美しい輝石が実る森には、沢山の生命が息づいていた。
 ウサギやキツネなどの森の住民たち、冬の寒さにも負けず聳える樹木、雪の下で春を待つ草花。
 そして、虹色の輝石を生み出しているという森の精霊たち。
 可愛い案内役に導かれ猟兵たちが辿り着いたのは、ルーメンの森の最奥にある虹色の滝であった。
 全く人の手が入っていない自然のままの景色は、たわわに実る輝石の輝きで、息を飲むほどに美しい……はずだけれど。
「なるほど……だから、俺の傍にいる精霊達が首を横に振っている訳だ」
 橘・尊(浮雲・f13751)は幻想的な世界に在る歪なそれを見て、納得する。
 属性は違えど同じ精霊として何か感じるがあるのではと、道中訊ねてみるも。
 奥に足を進めるにつれて、ふるふると首を振っていた尊の精霊たち。
 そして今……完全に精霊たちは否定の姿勢を取っている。
『メェェ!』
 眼前にいる、森の精霊王であったらしきオブリビオンに。
「ふむ。プレゼントを生み出して油断を誘う相手か……」
 何だか生み出すその贈り物は、ヘンテコなものばかりのようであるが。
 輝石実る森の精霊王が与えてくれるという宝物に誘われ、やって来る者も多いかもしれない。
 イーリスの街で、虹の宝具を与えられた勇者伝説が語られていれば尚更。
 けれど……その贈り物を目当てに此処にやって来る者もいるかもしれないが。
 鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)たち猟兵がこの森を訪れた目的は、精霊王が生み出す目当てなどではない。
 それに、何よりも。
「此処では既にプレゼントはいただいている。意思があるかは分からないが、堕ちた精霊王には退いてもらおうか」
 森の妖精たちから貰った虹の輝きと、尊と見たこの煌めく景色の思い出。
 オブリビオンに妙なものを貰わなくとも、もう十分に沢山の煌めきを受け取っているから。
 尊も、孤檻の紡ぐ言の葉に同意するように、こくりと大きく頷いて。
「森の住民達にも迷惑をかけている精霊王にはお還り願おう」
 新たな精霊王の誕生……そんな森の全ての住民たちの望みを叶えるべく、眼前の敵を見遣る。
『メェッ!』
 刹那、ひと鳴きした羊の様な精霊王が戦場にばら撒くのは、ヘンテコなプレゼント。
 一見美味しそうに見える食べ物、ぱっと見は愛らしいお人形、表紙だけ魅力的な塗装の書物。
 だがそれは、サンタクロースが配る夢のあるプレゼントではない――疑似餌。
 そして雑にばら撒かれるそれは、森の動物に危害を与えかねない。
「……!」
 尊はオブリビオンが無差別にばら撒いた贈り物の先に視線を向けると同時に、地を蹴る。
 そこにいたのは――小さな狐の姿。
 震えて動けなくなっている子狐を庇う様に前に立ち、代わりに飛んでくる贈り物を受けんと身構えるも。
 咄嗟にそこに割り入るのは、虹色の輝石とはまた違った見る角度で色が変わる宝玉揺れる、炎の力宿した刃。
 孤檻の繰り出した斬撃が、子狐を庇う尊へと飛んできた歪な人形を叩き斬り、燃やして。
『メエェェッ』
 敵に生じた隙を見逃さず、尊が戦場に生み出した狐火が、災魔に堕ちた存在の身を焼き尽くす。
 それでも懲りず、ふわもこな毛の塊を飛ばしてくる精霊王だけれど。
 尊の援護射撃を受けながらも、ふわもこの軌道を見切り踏み込んだ孤檻の炎の刃が敵を薙ぎ払い、反撃の一撃を見舞う。
 そんなふたりが生み出す息の合った炎の連携を前に、ふわもこも歪な贈り物も、呆気なく灰となって。
『……メエッ!』
 浴びせられる攻撃に、オブリビオンも堪らずに声を上げる。
 そして孤檻は敵の動向に注意を払いながらも、美しく輝く森を改めて見回して。
「ここが綺麗な森に戻ったら、また来年も遊びに来るのも良いかもしれないな」
 尊も子狐を安全な方向に逃がしてあげながら、白に近い灰色の髪を揺らし頷く。
 ――うん、本物の精霊王にまた会いにこような、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・還
欲しい物…(隣のアメーラ(f03728)と顔を見て)…は隣にあるしなぁ。

んーー…、じゃあ俺は死霊術士として『魔導書』頂戴って言ってみるか
くれたら中身を確認。確認したらニッコリ笑顔、尚且つ無言でその本の角で思いっ切りまんどらめぇめの頭をゴッッッ!!尚、殴る瞬間だけUC発動しまーす(ガチ殴り)
アメーラに内容を聞かれたら隠すことなくその『見た目魔導書なのに中身がエロ本』の其れを開いて見せるよ

いやさァ、俺これじゃ興奮しない。だってアメーラじゃないんだもん

アメーラがその本を受け取って殴りつけたのをみてちょっとカワイソウダナーなんて。だって俺が思いっきり殴りつけた後だぜ?もう死体蹴りじゃん(笑)


アメーラ・ソロモン
欲しいもの…還(f02594)はもう隣にいるしねぇ(隣を見て)
ここは久しぶりにソロモンとしておねだりしちゃおうかな

精霊王精霊王!私たちですら集められなかった古代の書を、どうかこの手に!
おお、見た目は豪華で素晴らしい書だね、どれ中身は…
…これ中身はただの現代雑誌じゃないか!わかっていたけど駄目だねこれ!?

ん?還はそれがなんで駄目だったんだい?
還から内容を見せてもらって…無言でそれを受け取る
そのまま一回閉じてまんどらめぇめを無言殴り
…還、参考までにこれはなんで好みじゃないんだい

返答をもらって機嫌よく笑うよ
それはそうとして、この本は燃やすけどね!
あ…まんどらめぇめまで巻き込んだらごめんよ

アドリブ可



 煌めく天然イルミネーションを、思う存分二人占めして。
 共に辿り着いたのは、虹のいろに照り美しく流れ落ちる滝――此処が、ルーメンの森の最奥。
 けれどもそこに在るのは……森の精霊王であった、オブリビオン。
 森の精霊王は、出逢った者の欲するものを授ける、と。
 オブリビオンに堕ちた今、眼前の存在がそれに当てはまるかは分からないけれども。
(「欲しいもの……還はもう隣にいるしねぇ」)
 アメーラ・ソロモン(数多の魂を宿す者・f03728)がちらり見上げるのは、隣にいる終夜・還(終の狼・f02594)。
 還はもう、温もりを感じるほど近くにいるから。
「ここは久しぶりにソロモンとしておねだりしちゃおうかな」
 アメーラは一歩踏み出し、少々演技がかった振舞いで、精霊王へと願う。
「精霊王精霊王! 私たちですら集められなかった古代の書を、どうかこの手に!」
『メエェェッ』
 その願いの声を聞き入れたかのように、ふわもこな精霊王は一鳴きして。

 ――ぽこんっ。

 豪華な一冊の書物を生み出し、アメーラへと授ける。
 そして早速、それを手に取って。
「おお、見た目は豪華で素晴らしい書だね、どれ中身は……」
 ぺらりと、期待の眼差しで中を見てみれば――。
「……これ中身はただの現代雑誌じゃないか! わかっていたけど駄目だねこれ!?」
 古代の書っぽい表紙の現代雑誌でした!
 そんな隣のアメーラの顔を、じっと見つめて。
(「欲しい物……は隣にあるしなぁ」)
 還もアメーラと同じことを思いながらも。
「んーー……、じゃあ俺は死霊術士として『魔導書』頂戴って言ってみるか」
 そう、森の精霊王に頼んでみれば。
『メエェェッ』

 ――ぽこんっ。

 またもや、いかにも立派そうに見える魔導書が。
 それを受け取り、ぱらりと中身を確認すれば――還の顔に浮かぶ、ニッコリ笑顔。
 そして。

 ――ゴッッッ!!

『メエェェッ!?』
 どう? といわんばかりにどや顔していたまんどらめぇめの頭へと、無言で思い切り本の角を叩きつけました!
 勿論その時だけ『血の宴』を展開、強化人狼に変化して、全力でガチ殴りです。
 そんな還の様子に、アメーラは金の瞳をぱちくりとさせて。
「ん? 還はそれがなんで駄目だったんだい?」
 そう訊ねてみれば……ぱらりと開いて彼女に隠すことなく、中身を開いてみせる還。
 刹那、アメーラの瞳が大きく見開かれて。
 無言でその魔導書っぽい一冊を受け取って閉じると。

 ――ゴッッッ!!

『メエェェッ!!?』
 無言のまま、思い切り本の角でまんどらめぇめを殴り、そして彼に訊ねる。
「……還、参考までにこれはなんで好みじゃないんだい」
 その魔導書っぽい書物の正体は――『見た目魔導書なのに中身がエロ本』。
 そんな魔導書風エロ本を握る手をぷるぷると震わせるアメーラの問いに、還は即答する。
「いやさァ、俺これじゃ興奮しない。だってアメーラじゃないんだもん」
 そして返ってきた言葉に数度金の瞳を瞬かせた後、アメーラは機嫌よく笑って。
「それはそうとして、この本は燃やすけどね!」
 ぼうっと、速攻灰になる火力で魔導書風エロ本を燃やしながら。
『……メエェッ!?』
「あ……まんどらめぇめまで巻き込んだらごめんよ」
 ついでに元凶も燃やしちゃいます!?
 木の精霊だからか、エロ本と共によく燃えている森の精霊王へと視線を遣りつつも。
 ちょっとカワイソウダナーなんて思う還。
「だって俺が思いっきり殴りつけた後だぜ? もう死体蹴りじゃん」
 本の角で何度も殴られ、そして燃やされるオブリビオンを不憫そうに見遣りながらも。
 思わず、笑わずにはいられないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。

元々は願いを叶えるとされる偉大な存在。
それには違いないようです。
ですが、人の願いを餌にしてしまうのは、少々残酷ですわね。
見た目は凶悪とは思えませんが、その行動は相当なもの。
願いを胸に訪れた方々は、大小あれど、どれほどの・・・。

私も森の精霊、ひいては自然界の主様たちには礼を抱いております。
ですので、相手が例え歪んだ存在だとしても、礼を失せぬように。
そして、自然界には自然界の力を。
願わくば、次の精霊王様は荘厳で力強きお姿でありますように。

ところで、風花さんは何か願われます?
何かおありでしたら、それからでも構いませんよ?

私は・・・願い事は自分で叶えます。ふふ。


七霞・風花
ティーシャ(f02332)と

まあ、随分と可愛らしいオブリビオン……そして同時に現・精霊王ですか
本来は愛くるしい姿で願いを叶える、善き王だったのでしょう
しかし今の貴方は許容する事が出来ません
願いは人の心
その願いを歪め、人を食むというのであれば……申し訳ありませんが、ええ
――次の精霊王に、その座。明け渡していただく事になるでしょう。

…………あのこれ、私が精霊王に指名されるとかありませんよね。
もし指名されたら辞退できるかなぁ。
いえまあ、指名される事はないと思うのですが……なんか妖精やってると不安に。

ところでティーシャさん、何か願いはないのですか?
そんな大仰なものでなくとも……何か、こう、素朴なもの。



 七彩に輝き、動物や植物、沢山の生命が息づく森を奥へ奥へと進んで。
 辿り着いた最奥にある煌めきの滝の傍に在るモノ。
『メエェェッ』
 それは……ふわもこの羊!?
「まあ、随分と可愛らしいオブリビオン……そして同時に現・精霊王ですか」
 ……本来は愛くるしい姿で願いを叶える、善き王だったのでしょう、と。
 肩の上で言った七霞・風花(小さきモノ・f13801)に頷いて。
 ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)も眼前の存在へと紫の瞳を向ける。
「元々は願いを叶えるとされる偉大な存在。それには違いないようです」
 どうしてオブリビオンへと堕ちてしまったか、その理由は分からないけれど。
 イーリスの街で聞いた伝説通り、人々の望む物を……幸せを、以前は与えていた存在だったのだろう。
 ――けれど。
「しかし今の貴方は許容する事が出来ません」
「ですが、人の願いを餌にしてしまうのは、少々残酷ですわね」
 ふたりは同時にそう紡ぎ、そして続ける。
「見た目は凶悪とは思えませんが、その行動は相当なもの」
 ……願いを胸に訪れた方々は、大小あれど、どれほどの……。
 ティーシャがふるり、金の髪揺らし横に首を振れば。
 風花は、はっきりと堕ちた森の精霊王へと告げる。
「願いは人の心。その願いを歪め、人を食むというのであれば……申し訳ありませんが、ええ――次の精霊王に、その座。明け渡していただく事になるでしょう」
 嘗ては優しく慈愛に満ちた、偉大な王であったのかもしれないけれど。
 皆が今、待ち望んでいるのは――新たな森の精霊王の誕生。
 けれども、ティーシャも森の精霊。自然界の主たちには礼を抱いているから。
(「ですので、相手が例え歪んだ存在だとしても、礼を失せぬように」)
 そして、自然界には自然界の力をと。
「願わくば、次の精霊王様は荘厳で力強きお姿でありますように」
 この虹彩の輝き溢れる森に相応しい王をと。ティーシャは心から、そう願う。
 そんな言の葉を聞いた風花は、ふと首を傾けて。
 そっと、こんな呟きを落とす。
「…………あのこれ、私が精霊王に指名されるとかありませんよね」 
 ……もし指名されたら辞退できるかなぁ、と。
 次の精霊王に選ばれやしいないか……なんて、ちょっぴり心配に。
「いえまあ、指名される事はないと思うのですが……」
 ――なんか妖精やってると不安に、と。
 そんな風花に、ティーシャはそっと瞳を細めて。
「風花さんが精霊王に? それも素敵ですが……風花さんと旅ができないのは寂しいですからね」
「まあ……私はふわもこではありませんし、大丈夫でしょうか」
 もし精霊王にと天啓があっても、まだ色々なところを二人で旅したいから。
 その時は、丁重にお断りすることに。
 それからふたりは改めて、眼前の現・精霊王へと視線を向けて。
「ところで、風花さんは何か願われます? 何かおありでしたら、それからでも構いませんよ?」
「ティーシャさんは、何か願いはないのですか? そんな大仰なものでなくとも……何か、こう、素朴なもの」
 精霊王に望んでみるものはないか、と。
 逆に訊き返されたティーシャは、ふふと笑んだ後、続ける。
 ――私は……願い事は自分で叶えます、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
【梟】

ぽこんっ

弾け出でた音が聞こえ猫耳先行に顔を向ければ
生み出されたのは透明な瓶に揺れる葡萄色

…まだ飲むんですか?

手伸ばす花世さんの様子に瞬き向けて
けれど蓋が空けられればその違和感に気付くだろうか
獣の鼻は良く利く
つんと衝く様なにおい
あれ、美味しくないんじゃ…

向けられた視線からはすっと目を逸らすも
綾さんの言葉に綻ぶ心は前向く理由に足るもの
一足先に跳び出し屠を振るえば
裂いた地面から咲く氷花で錠として
続く攻撃に見惚れる

誰かが笑んでくれるのならば
駆けたい、前へ
少しでもこの存在を許してくれる人が居るのなら
戦いたい、共に

…飲み過ぎと判断したら
強制的に止めますからね、ロカジさん

笑い帰路辿る、三人の背を追って


都槻・綾
【梟】

私の欲しいものは
『皆と過ごす楽しい時間』故に
精霊王には齎せないもの

――否、

葡萄酒を手に複雑な表情のかよさんの愛らしさ
可笑しげに肩を揺らすロカジさんの屈託のなさ
酒の虜になる大人達の御守りをする黒羽さんは
幾歳も変わらずに我々を嗜めてくださるだろうか

そんな
皆で跳ねる此のひと時は
偽物ではないから

あなたは「ほんとう」をひとつ、くださったのですねぇ

お礼に骸海までの道のりを
明るく照らして差し上げましょう

春の嵐を先導に
鳥葬で澪を示す

正しき廻りに還せたら
未だ未だ終わらぬ聖夜に想いを馳せて語らい乍ら
穏やかに煌く情景を瞼にそっと閉じ込める

空になった水筒には
虹色の夢を詰めて帰りましょう
寝覚めはきっと、眩いあした


境・花世
【梟】

愛らしい精霊王がくれるのは、
魔法のホットワインの贈り物
実は道々のロカジが羨ましくて

わあいお代わり…だ……?!?

真剣な顔でくるりと黒羽を振り返る
精霊王の歪みをこのままにしちゃいけない
正しき理(とちゃんとしたワイン)を
わたしたちの手で取り戻そう

舌に残る味はすこしばかり渋いけど
やわらかに響く綾の詞を聞けば、
ロカジも、黒羽も、きっとわたしも、
「ほんとう」の笑みを浮かべているから

翻す扇は雪を融かし春を呼ばう薄紅
瞼に残る冬のきらめきは鮮やかなままに、
どうか新しい季節の廻りへ還っておいで

きらきらと砕け夜を照らす虹色のひかりを、
やさしいひとたちと見上げて笑う
夢を融かすなら、今度こそおいしいワインで、ね?


ロカジ・ミナイ
【梟】

欲しいよねぇ……「おかわり」
分かるよ、とーっても分かる
欲しがりな花世さんがあんまり必死なもんだから
正直者の僕はうっかり笑っちまった
そうよ黒羽、アレはちょうマズい

綾の言う「ほんとう」にうっとりと頷いて
じゃあ僕からも礼をしようじゃないか
綺麗な景色と楽しい時間をありがとさん

刀身を掌で撫で上げると
酒のお陰でいつもより多く滲む紅が染み込んでいく
煌びやかな飛び道具たちの波に乗って翻すは我が妖刀
技名・誘雷血
酔ってたって太刀筋がブレることはない
酒で失敗していいのはココじゃないのよ

さぁ、在るべき場所へ還って
みんなの願いを叶えておくれ

ねぇみんな
帰ったら、ほんとうのおかわりしていいかい?



 虹の彩に煌めく雪の上につけられた小さな足跡は、やはり精霊王の元へと続く道標。
 可愛いふわふわ兎の案内役についていけば、辿り着いたそこは、今までで一等輝く虹色の世界。
 そう、此処は……キラキラと流れ落ちる滝が数多の虹纏う飛沫を上げている、ルーメンの森の最奥。
 そして、いるって――そう信じていたから、やっぱり出逢えた。
 虹の滝の風景に在るのは、森の精霊王……なのだけれど。
『メエェェッ』
 出逢えた森の精霊王の見目は、ふわもこの可愛い羊さん。
 いや、嘗て精霊王で在ったもの、というのが正しいか。
 そんな、一見愛らしい見目をした精霊王に。
 ……ホットワインのお代わりをください!
 そうお願い事をしてみるのは、境・花世(*葬・f11024)
 実は、道々のロカジが羨ましかったから。
 
 ――ぽこんっ。

 刹那、精霊王がくれたのは、花世の望んだ魔法のホットワインの贈り物……?
 聞こえた、贈り物が弾け出た音に、華折・黒羽(掬折・f10471)は先行して耳をぴこり、顔を向ければ。
 青い瞳にも映り揺れるのは、透明な瓶を満たす葡萄色。
「……まだ飲むんですか?」
 思わずそう瞬き向けつつ黒羽は訊ねるも、花世は嬉々と手を伸ばして。
「わあいお代わり……だ……?!?」
 ぽんっと瓶の蓋が開かれれば……黒羽の良く利く鼻がひくり。
 そしてそっと思う、花世さんは揺れる葡萄色の違和感に気付くだろうか、って。
「欲しいよねぇ……「おかわり」。分かるよ、とーっても分かる」
 欲しがりな彼女があまりに必死なもんだから。
 正直者だというロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は、その姿にうっかり笑ってしまって。
「あれ、美味しくないんじゃ……」
「そうよ黒羽、アレはちょうマズい」
 つんと衝く様なにおいを感じ呟いた黒羽に、一層愉快にクククと笑う。
 そんなふたりの言葉をよそに。
 貰った魔法のワインをわくわくと口にしてみれば――真剣な顔で、くるりと黒羽を振り返る花世。
 そして。
「……精霊王の歪みをこのままにしちゃいけない」
 真顔で落とされたその呟きは、固くその心に誓った決意。
 ――正しき理をわたしたちの手で取り戻そう。
 正しき理と……そして、ちゃんとしたワインを……!
 そんな予想通りすぎる展開に、くるり向けられた視線からはすっと目を逸らした黒羽だけれど。
「私の欲しいものは『皆と過ごす楽しい時間』故に、精霊王には齎せないもの」
 耳に聞こえるは、都槻・綾(夜宵の森・f01786)の声。
 綾が欲するものは、精霊王には齎せない……?
 ――否、と。
 紡いだ彼自身が、ふるり首を横に振る。
「葡萄酒を手に複雑な表情のかよさんの愛らしさ、可笑しげに肩を揺らすロカジさんの屈託のなさ、酒の虜になる大人達の御守りをする黒羽さんは、幾歳も変わらずに我々を嗜めてくださるだろうか」
 ……そんな皆で跳ねる此のひと時は、偽物ではないから、って。
 綾は、嘗ての精霊王へと向けた青磁色の双眸を淡く細める。
「あなたは「ほんとう」をひとつ、くださったのですねぇ」
 そう、この楽しくて愉快な時間は、歪なんかではない、「ほんとう」の素敵な贈り物。
 ……舌に残る味は、まだやっぱりすこしばかり渋いけれど。
 そんな、やわらかに響く綾の詞を聞けば。
(「ロカジも、黒羽も、きっとわたしも、「ほんとう」の笑みを浮かべているから」)
 貰った渋いワインだって、きっと多分、笑顔を招く「ほんとう」の欠片。
 でもやっぱり花世は、ちゃんとした美味しいワインを飲みたいから。
 正しき理を取り戻すことに、迷いはない。
 それは、綾の言う「ほんとう」にうっとりと頷くロカジだって同じで。
「じゃあ僕からも礼をしようじゃないか」
 ――綺麗な景色と楽しい時間をありがとさん、って。
『メエェェ……ッ』
 そんな皆の思いが、今の精霊王に届いているかは、正直分からない。
 けれど、だからこそ……還るべき場所に送ってあげようと、そう思うから。
(「綾さんの言葉に綻ぶ心は前向く理由に足るもの」)
 一足先に跳び出した黒羽が振るうは、己に纏わり身を隠していた黒剣。
 ――花が枯れ堕ちるまで、──動くな。
 刹那、『縹』の符で氷纏わせた『屠』が地を裂き、織り成し咲いた氷の花群が虹を映し錠をかければ。
 花世がひらり翻すは、嫋やかな春の形見。
 はらり解け数多の薄紅と成ったその彩は、雪を融かし春を呼ばい。流れ散る先は、精霊王が還るべき、かの海。
 瞼に残る冬のきらめきは鮮やかなままに、花葬を。
 ――おやすみよ、おかえりよ。
「どうか新しい季節の廻りへ還っておいで」
 そんな春の嵐を先導に。
「お礼に骸海までの道のりを、明るく照らして差し上げましょう」
 澪を示すは、纏う彩りに染む鳥の疾てなる羽搏き。
 鳥葬――時の歪みに彷徨いし御魂へ、航り逝く路を標さむ、と。
『メエェェッ』
 その導きに、精霊王は堪らず声を上げるも。
 繰り出すは、木の加護を宿した無数のふわもこな毛の塊。
 けれどそれは、轟いた雷鳴に打たれ焦がされ、冬の空へと消えていく。
 その雷撃を誘ったのは、撫で上げた掌の紅が染み込んだ刀身。
 いや、滴り滲むいろがいつもよりも多いのは、酒のお陰だけれど。
「酔ってたって太刀筋がブレることはない。酒で失敗していいのはココじゃないのよ」
 煌びやかな飛び道具たちの波に乗りロカジが翻すは、窈窕たる――雷電纏いし湿った抜き身。
 そしてその雷撃は、精霊王へとはしる。
 ――さぁ、在るべき場所へ還って、みんなの願いを叶えておくれ、って。
 そんな続く様々ないろに見惚れながらも。
(「誰かが笑んでくれるのならば、駆けたい、前へ。少しでもこの存在を許してくれる人が居るのなら、戦いたい、共に」)
 黒羽は地を蹴り、再び屠を振るう。
『メェェ……!』
 声を上げ、また1体、躯の海へと還るオブリビオン。
 そんな王であった精霊を正しき廻りに還しながら、綾はその道のりを照らし続ける。
 未だ未だ終わらぬ聖夜に想いを馳せて語らい、穏やかに煌く情景を瞼にそっと閉じ込めるべく。
 そして、寝覚めはきっと、眩いあした……空になった水筒には、虹色の夢を詰めて帰りましょう、って。
 けれどやはり、揺れる葡萄色は魅力的だから。
「ねぇみんな。帰ったら、ほんとうのおかわりしていいかい?」
「……飲み過ぎと判断したら、強制的に止めますからね、ロカジさん」
 言ったロカジに、黒羽が釘を刺せば。
 花世はその顔に笑み咲かせる。
 きらきらと砕け夜を照らす虹色のひかりを、やさしいひとたちと見上げて。
 ――夢を融かすなら、今度こそおいしいワインで、ね? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴェイゼル・ベルマン
こいつが精霊王か
脅威が無さそうな外見だが、オブリビオン化した以上は倒さねぇと
それに、人間を食っちまうってのも聞き捨てならねぇ
失踪した奴らは無事なんだろうな?
……まあ、倒せば分かる事か
さて行くぜ、と戦う前に、何か要求してみるか

何が良いかねぇ
そうだ、焔々の姿をしたぬいぐるみをくれよ
変なモンを生み出してるみてぇだし、どんなモンが出てくるか
歪なぬいぐるみだったら、それを見た焔々がショックを受け
俺は、こりゃ酷ぇと笑う
そんな俺を見て焔々は怒るだろうな
そん時は悪かったって軽く謝るか

さて、戦闘開始だ
ぱくりと食われたりしねぇよう見切りつつ焔斬撃で攻撃
新たな精霊王の誕生を望んでる奴等もいるんでな
悪いが還って貰うぜ



 森の奥に行くに従って、虹の煌めきもより多く濃くなっている気がする。
 そんな七彩の輝きと森の小さな案内人に導かれ、辿り着いた先に広がっていたのは、美しい滝の景色。
 そしてそこにいるのは、ふわもこな見目の存在。
「こいつが精霊王か」
 ふわふわもこもこしている、まるで羊の様な見た目。
 ヴェイゼル・ベルマン(焔斬り・f13471)はそう、可愛らしい外見の精霊王らしきモノへと目を向けるも。
「脅威が無さそうな外見だが、オブリビオン化した以上は倒さねぇと」
 いくら見目がキュートでも、実際に人に被害を及ぼしているのであれば、見過ごすわけにはいかない。
(「それに、人間を食っちまうってのも聞き捨てならねぇ」)
 いや、むしろこの様な脅威がなさそうな外見で人を誑かす存在の方が、より性質が悪いかもしれない。
 失踪したと街で言われていた者たちは無事なのだろうかと、ヴェイゼルは周囲に視線を巡らせてみるも。
 それらしき存在はざっと見たところ、目にはつかない。
 ぱくりと食べた……そう聞いた言葉は気になるけれども。
「……まあ、倒せば分かる事か」
 さて行くぜ、といざ戦闘態勢に――入る前に。
「戦う前に、何か要求してみるか」
 願えば、望みの物を授けてくれたと言われている精霊王。
 何だかオブリビオンと化した今、望みの物をくれるかどうかは定かではないが……ものは試し。
 何が良いかねぇ、と思案するヴェイゼルは、ふと、ぎゃうっと鳴いた焔々に目を遣って。
「そうだ、焔々の姿をしたぬいぐるみをくれよ」
 ……変なモンを生み出してるみてぇだし、どんなモンが出てくるか。
 逆にそう違う方向に期待を込めて精霊王へと視線を向けると。
『メエエェェ』

 ――ぽこんっ。

 ひと鳴きした精霊王の頭上から飛び出したのは、ヴェイゼルが願ったぬいぐるみ。
 いや、確かにぬいぐるみ……なのだけれども。
「こりゃ酷ぇ」
 一言で言うと、ぶっさいく。
 どうやったらこんな不細工になるんだという、ある意味絶妙の顔のパーツの配置。
 しかもそれでいて他の部分も全く違っていれば、それは焔々ではないと言えるのだけれど。
 顔が超絶不細工な以外は尻尾の炎や赤のケープまでちゃんと焔々なのだから、思わず笑ってしまう。
『ぎゃううっ!』
 そんなあまりの焔々ぐるみの不細工さに噴き出してしまったヴェイゼルに、本物の焔々はぷんすかお怒りの様子。
 ヴェイゼルは笑いを堪えながらも、悪かったって軽く謝った後。
 ――さて、戦闘開始だ。
 ある意味戦闘に気合が入った焔々と共に、オブリビオンへと目を遣れば。
 敵もメエエッと鳴くと同時に、ふわもこな毛の塊を放ってくるも。
 ハルバードへと姿を変えた焔々を振るい、襲い来る塊を次々と消し墨にして。
「てめぇはこれでも食らっとけ!」
 ぱくりと食べられたりしないよう見切りながらも、ぐっと踏み出した刹那、虹色の景色が一瞬、焔のいろへと染まって。
『メエエェ……ッ』
 オブリビオンを容赦なく焦がし、叩き斬る。
 サンタクロースみたいに、確かにぬいぐるみの贈り物はくれたのだけれども。
 その出来は、超絶不細工だったし……何よりも、街の人々や森の住人が今願うのはヘンテコな贈り物ではないから。
「新たな精霊王の誕生を望んでる奴等もいるんでな」
 ヴェイゼルは再び焔々をぶん回し、オブリビオンへと叩きつける。
 ――悪いが還って貰うぜ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

落浜・語
狐珀(f17210)と

前にも別の場所で倒したな、このオブリビオン。
まぁ、町の人達にも森の住人達にも迷惑みたいだし、早いところお引き取り願いますかね。

特にほしい物とかもないんで、サクサク倒していくかな。
UC『紫紺の防禦』で飛んでくる毛の塊も含めてすべて燃やしてしまおう。
もちろん、周りの森には影響を出さないようにそこらへんはうまく調節を。
カラスと仔龍の二匹にも協力してもらって、まんどらを一か所に集めると、効率は良くなるかな?
色んな意味で迷惑かけてるんだから、早いところ骸の海に還ってどうぞ。


吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

前に宝石蝶と一緒に倒したまんどらめぇめは可愛いぬいぐるみやおいしそうなお菓子を出していましたけど…。
種類が違うのか出せなくなってしまったのか…。
…でも、あのもふもふの毛は変わらないんですね(また集められるかな…)

森の動物達が困っていますし、失踪事件を解決するためにもこれ以上好きにさせません。
UC【狐遣い】使用。
黒狐の「ウカ」を呼び出し、月代と共に(衝撃波)を起こして生み出したプレゼントごと(吹き飛ばす)風(属性攻撃)を。
ウカはそのまま怯んだところに(忍び足)で近づいて追撃を。
月代も逃げようとするまんどらめぇめを(追跡)して雷を落として攻撃してもらいます。



 虹の輝き実る森を、奥へ奥へと進んでいけば。
 刹那、パッと視界が開け――眼前には、美しい七彩を映した滝が。
 此処はルーメンの森の最奥……そしてそこに在るのは、嘗て精霊王であったモノ。
「前に宝石蝶と一緒に倒したまんどらめぇめは可愛いぬいぐるみやおいしそうなお菓子を出していましたけど……。種類が違うのか出せなくなってしまったのか……」
「前にも別の場所で倒したな、このオブリビオン」
 その姿を見た吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)と落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)は、以前退治したオブリビオンを同時に思い出すけれど。
 生み出す贈り物はヘンテコだし、似ているがまた別の存在なのかもしれない。
 けれど、狐珀はじーっと眼前の精霊王に視線を向けて呟く。
「……でも、あのもふもふの毛は変わらないんですね」
 また集められるかな……なんて、そっと思いながら。
 しかし、いくら可愛らしいもふもふ羊さんに見えても。
「森の動物達が困っていますし、失踪事件を解決するためにもこれ以上好きにさせません」
「まぁ、町の人達にも森の住人達にも迷惑みたいだし、早いところお引き取り願いますかね」
 イーリスの街の人やルーメンの森の住人にとって、脅威となる存在。
 森の奥を目指した者たちが失踪しているという事件も、きっとこのオブリビオンの仕業で間違いなさそうであるし。
 森の住民たちも、新たな精霊王の誕生を望んでいる。
 そのためには、眼前の存在を……精霊王であったオブリビオンを、倒さなければならない。
「特にほしい物とかもないんで、サクサク倒していくかな」
 望めば何かくれるらしいが、特に欲しい物もないし、期待もできそうにないから。
『メエエェェッ!』
 刹那、ぽぽぽんっと敵が語へと飛ばしてきたのは、ふわもこな毛の塊。
 けれどそれは語に届く前に、全て燃え尽きて地に落ちる。
 ――何人も呪いも超えられぬ壁となりて我を護り理に背く骸を還す力となれ。
 青と緑の石が虹のいろを映し、飾られらた守護の花が持ち主を護る花弁と化して。
 展開した『紫紺の防禦』が、舞うそれらに触れたもの全てを燃やすから。
 けれど勿論、燃やすのはオブリビオンだけ。
 カラスと仔龍が上手い具合に敵を一か所に集め、周囲に被害が及ばぬよう配慮しながらも、効率を高めれば。
 ――眷属 寄こさし 遣わし 稲荷神恐み恐み白す。
 狐珀が虹の世界に喚ぶのは、黒狐のウカ。
 月白色の仔竜・月代と共に、主のかわりに敵前へと勇ましく躍り出て。
 オブリビオンが飛ばしてくる歪な贈り物……疑似餌を、月代が風の加護宿した衝撃波で吹き飛ばし、雷撃を轟かせれば。
 そのまま敵が怯んだところに忍び足で近づき、追撃を仕掛けるウカ。
 そんな、仔龍たちや黒狐、カラスが飛び交う戦場に。
「色んな意味で迷惑かけてるんだから、早いところ骸の海に還ってどうぞ」
 虹色の世界に語が舞わせる花弁が、還るべき場所へと導くように数多の炎を生み出しては、敵を焦がしていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
アドリブ◎
器に誘惑の呪詛宿す呪<呪詛>操るヤドリガミ

精霊王は代替わり制なのですね
虹色宝具の件もありましたので、
”勇者との出会いや交流を記した本”
を頂ければと考えていたのですが、難しい様です
どちらにせよ、今の状態では願う事も出来ませんか

出てくる食べ物まで派手な虹色、
歪な形の人形に、歪み抜け落ちた文字や挿絵の本…
…なるほど、下手になった、ですか
<呪:破魔・光属性>付与《不死鳥》召喚
何故、オブリビオンと化してしまったのかはわかりませんが
せめて痛みなく還しましょう。
<念動力>で拘束し《不死鳥》で浄化焼却。
新しい巡りの後、
どうかこの森が、住むもの、訪れるものにとって
優しく素敵な場所でありますように……



 伝説の勇者に虹色の宝具を授けたと言われている精霊王。
 そんな伝説が語られるに相応しい、虹の輝石実る森を奥へ奥へと歩み進めば。
 森の最奥、虹の煌めき纏う滝と共に見つけたのは――森の精霊王。
 いや、今、眼前にある存在はその成れ果て……オブリビオンへと堕ちた姿。
「精霊王は代替わり制なのですね」
 その器に誘惑の呪詛宿す月宮・ユイ(月城・f02933)は、そう聞いた話と、これまで辿って来た虹色宝具の伝説を思い返してみる。
 虹の輝石が実るこの森で、勇者は虹の加護を受けし宝具を授かって。
 今、虹色宝具だと思われる剣と鎧は、虹の加護を失っているのか、虹色に光るどころか錆びついてしまっている。
 この精霊王がオブリビオンとなったことと、虹色宝具の関係は分からないけれど。
 ユイは、出逢った者の欲する物を与えてくれるという精霊王に、こうお願いしてみる。
「虹色宝具の件もありましたので、”勇者との出会いや交流を記した本”を頂ければと」
『メエエェェッ』

 ――ぽこんっ。

「……やはり難しい様ですね」
 精霊王の頭上から飛び出してきた本――いや、表紙だけは立派だが中身真っ白なそれをぺらぺらと捲った後。
 ユイは改めて眼前の精霊王……いや、オブリビオンを見遣る。
「どちらにせよ、今の状態では願う事も出来ませんか」
 嘗てはきっと伝説通りに、運良く出逢えた者たちへとちゃんとした贈り物を授けていたのだろう。
 ……けれども、今は。
『メエェッ!』
 刹那、虹色に耀く森へとばら撒かれるのは――疑似餌。
 とはいえ、それは全部ヘンテコ。
 いかにも美味しくなさそうな虹色の派手な食べ物に、歪な形の人形、歪み抜け落ちた文字や挿絵の本――。
「……なるほど、下手になった、ですか」
 ユイは飛んでくるそのひとつひとつを確認し、そう口にしてから。
 ――舞え……。
 破魔の力宿し光の属性を付与した炎――概念兵装『不死鳥』を展開する。
 その炎は、ヘンテコな疑似餌を燃やし尽くして。
「何故、オブリビオンと化してしまったのかはわかりませんが」
 ――せめて痛みなく還しましょう。
『メエェェッ!?』
 念動力をもってふわもこなその身を拘束し、再び舞わせた『不死鳥』でオブリビオンの浄化焼却を行ないつつも。
 ユイは、巡らせた金の瞳にも実る七彩の光を宿しながら、こう願うのだった。
 ――新しい巡りの後、どうかこの森が、住むもの、訪れるものにとって、優しく素敵な場所でありますように……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【狼兎】

可哀想だけど、ね
どうしてオブリビオンになっちゃったんだろう…
こうなってしまった以上、物理的に救う事は難しいけど
せめて気持ちだけでも救ってあげられないかな

まんどらめぇめさんが欲しいものを僕も望んでみたり
欲しいものが無い、或いは出せるものじゃないのなら
【破魔】主体の戦法で少しでもめぇめさんが寂しくないように

【催眠歌唱】で気持ちだけでも盛り上げてみる?
オブリビオンと化してしまっためぇめさんに
楽しむ気持ちがあるかはわからないけど…
折角の聖夜だもの
幻想的な聖歌を奏でながら【ダンス】のステップで翻弄
めぇめさん達も踊るよう【誘惑】

乗ってくれたら折を見て【指定UC】の破魔で
痛みの無いよう優しく攻撃


紫崎・宗田
【狼兎】

初めは普通だったっつーんだから
変化しちまう理由がなにかしらあったんだろうが…
俺らにゃ関わりようがねぇからな

望むものは特に無ェ
しいて言うなら…チビが願うもの、か
俺はチビに危険が無いよういつでも【庇う】つもりで
炎の【属性攻撃】を宿した★破殲を構えておく
周囲の森はうっかり炎上させないよう注意して立ち回らねぇとな

チビに危険が無い限りは見守りに徹しつつ【指定UC】
万一チビに危害を加えようとするなら即座に割り込み
上昇させた攻撃力を使用し炎の【薙ぎ払い】
折角の好意を無碍にするなら許さねぇぜ?

種族が違う以上俺はハナから期待してねぇが
オブリビオンへの救いはチビの以前からの願いだ
見届けるくらいはしてやるよ



 虹色が実る森の、その最奥。
 七彩煌めく美しい滝の風景の中に在るのは――オブリビオンと化した精霊王であった。
『メエェェッ』
 その見目は可愛らしい羊のようだけれど……街の失踪事件を起こしているのは、このオブリビオンであろうし。
 イーリスの街の人や森の住人たちに危害が及ぶ前に、躯の海へと送ってやらなければならない。
「可哀想だけど、ね。どうしてオブリビオンになっちゃったんだろう……」
 そうぽつりと、眼前のまんどらめぇめを見つめ、言った栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は。
「初めは普通だったっつーんだから、変化しちまう理由がなにかしらあったんだろうが……俺らにゃ関わりようがねぇからな」
 そんな紫崎・宗田(孤高の獣・f03527)の言葉に、金蓮花咲かせた琥珀色の髪を揺らしこくりと頷く。
「こうなってしまった以上、物理的に救う事は難しいけど。せめて気持ちだけでも救ってあげられないかな」
 だから澪は、嘗て人が欲したものを授ける存在であったという精霊王に、こう願ってみる。
 ――まんどらめぇめさんが欲しいものを、って。
(「望むものは特に無ェ。しいて言うなら……チビが願うもの、か」)
 宗田は澪に危険が無いようにと、炎宿した破殲を構え、いつでも庇える体勢で敵を見据えれば。

 ――ぽこんっ。

 まんどらめぇめが、澪の願いを聞き入れ、贈り物を授ける。
 それは……へにゃりとすごく歪で、かぶれる状態ですらない代物だが――虹の輝石でできた王冠であった。
 その意図は生み出した本人にしかわからないが。
 眼前の嘗ての精霊王も、分かっているのかもしれない……己が此処に在るべきモノではないことを。
 そして――新たなる精霊王の誕生を、その根底では望んでいるのかもしれない。
 そんなまんどらめぇめが寂しくないようにと、破魔の加護を宿らせながらも。
「気持ちだけでも盛り上げてみる? オブリビオンと化してしまっためぇめさんに、楽しむ気持ちがあるかはわからないけど……」
 ――折角の聖夜だもの、って。
 澪が奏でるは、クリスマスの夜にぴったりな幻想的な聖歌。
 さらに虹の世界でステップを踏んで、ダンスで翻弄しながらも。
 まんどらめぇめ達も踊る様にと、誘惑を振りまく。
『メエエエェェッ』
 そんな聖夜の旋律やダンスに、ふりふり身体を動かしながらも。
 オブリビオンが澪へと飛ばしてくるのは、どこか歪んでヘンテコな食べ物や人形や書物。
 だが、予め握る破殲を振り回しておいた宗田が、即座に素早く割り込んで。
「折角の好意を無碍にするなら許さねぇぜ?」
 上昇させた攻撃力を駆使した炎の薙ぎ払いで、飛ばされた贈り物を全て燃やし尽くす。
 けれども、宗田はよく知っているから。
(「種族が違う以上俺はハナから期待してねぇが、オブリビオンへの救いはチビの以前からの願いだ」)
 ――見届けるくらいはしてやるよ、と。
 精霊王であったというまんどらめぇめのことは澪に任せ、あくまでその身に危険が及ばぬようにと立ち回れば。
 ふりふり乗って踊ってくれた彼らを、澪は『誘幻の楽園』へと誘う。
 ――幸せのままに眠れ。
 刹那、歌声に呼応し舞い踊る無数の花弁が戦場を染め上げ、作り出されるは美しい花畑。
 そして、破魔を込めたこの花弁で、還るべき場所へと送ってあげる……痛みの無いように、優しく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・円月
【比翼月】
これはまた……咲夜の好きそうな見た目してますねェ
俺はこういうの趣味じゃないから、あんまり気になりませんが
っていうか、願いを叶えるフリをして食べるとか滅茶苦茶凶悪じゃない?
いや普通に考えて超ヤバい奴じゃないですか!

ってことで咲夜、見た目かわいいけどあれ超凶悪だよ!
割とその辺の悪役が霞むぐらいの所業だからちゃんと戦おうな
願い事……願い事ねェ
俺の願い事はひとつだけど、それは叶えてもらうモノじゃないしなァ

ってことで、ヤバい精霊王は退場して貰って……
次のちゃんとした精霊王に代替わりだ

咲夜は何かお願い事あるかい?
やっぱりケーキとかそういうのか?
欲しいなら後で帰って食べよう。俺が叶えてあげるからさ


東雲・咲夜
【比翼月】

愛くるしい見目やけど
生み出さはるんは、なんやえらい「ええ出来」おすなぁ
…えっくん、うちのこと、かいらしかったらなんでもええ思たはらへん?
た、確かにぬいぐるみみたいやし
きゅんとしないこともあらへんけど

人の願いを歪めて叶える、そんだけ聞いたら質が悪いんは確かや
ん…大丈夫。えっくんは心配性やね
せやけど…ほんまは見た目通り、愛らしゅうてええ精霊さんやったんやろな
どないしてこないになってしもたんやろ

月神様の世界へ誘えば
光も自由も封じ籠めて
もうちょいの辛抱や、堪忍なぁ
えっくん、お願い…せめて一撃で終わらせたげて

うちの願いはひとつだけやけど
今は彼の隣で充分倖せやから
甘い時間を楽しみに…帰りまひょ



 虹のいろに満ちる森の最奥に辿り着けば。
 そこで出逢ったのは精霊王……のはずだけれど。
 次々とぽこんぽこん生み出される『贈り物』を目にして、東雲・咲夜(詠沫の桜巫女・f00865)はそっとひとつ息をつく。
「愛くるしい見目やけど、生み出さはるんは、なんやえらい「ええ出来」おすなぁ」
 不細工なぬいぐるみに、いかにも美味しくなさそうなスイーツ、文字が歪んだ書物……咲夜の言う様に「ええ出来」にも程があるものばかり。
 そして東雲・円月(桜花銀月・f00841)は、そんな贈り物たちを生み出している精霊王をまじまじと見つめつつ、こう口を開く。
「これはまた……咲夜の好きそうな見た目してますねェ。俺はこういうの趣味じゃないから、あんまり気になりませんが」
「……えっくん、うちのこと、かいらしかったらなんでもええ思たはらへん?」
 その見目はまるで、ふわふわもこもこした、可愛らしい羊さん。
 咲夜はそう言葉を返しながらも、ちらりと瑞々しい藍眸を目の前のまんどらめぇめへと向けてみれば。
『メエェェッ』
「た、確かにぬいぐるみみたいやし、きゅんとしないこともあらへんけど」
 可愛く鳴いたふわもこ羊さんに、ちょっぴりだけ気持ちがぐらり。
 けれど、見目が可愛いからこそ。
「っていうか、願いを叶えるフリをして食べるとか滅茶苦茶凶悪じゃない?」
 ……いや普通に考えて超ヤバい奴じゃないですか!
 そう瞳を見開く円月の言う様に、余計にタチが悪い。
 いえ、見た目は本当に可愛らしいんですけれど。
「人の願いを歪めて叶える、そんだけ聞いたら質が悪いんは確かや」
「ってことで咲夜、見た目かわいいけどあれ超凶悪だよ! 割とその辺の悪役が霞むぐらいの所業だからちゃんと戦おうな」
「ん……大丈夫。えっくんは心配性やね」
 そう声を掛ける円月に、藍を湛える瞳をそっと細めて。
 雪肌に落ちる桜銀糸の美髪をふるりと揺らし、首を小さく横に振る。
「せやけど……ほんまは見た目通り、愛らしゅうてええ精霊さんやったんやろな」
 ――どないしてこないになってしもたんやろ、って。
 そんな咲夜の隣で、円月は考えてみる。
 妖精王は出逢った者が欲する物を授ける存在だと言われているけれど。
「願い事……願い事ねェ。俺の願い事はひとつだけど、それは叶えてもらうモノじゃないしなァ」
 そうそっと、一番欲しいと思っている存在だけを、その藍の瞳に映しながら。
「ってことで、ヤバい精霊王は退場して貰って……次のちゃんとした精霊王に代替わりだ」
 名もなき無骨な両刃の巨大斧を、虹のいろで溢れる森の中、手にすれば。
 咲夜が紡ぐ現世と幽世の門を開く謡が誘うは、月神様の世界。
「もうちょいの辛抱や、堪忍なぁ」
 降り注ぐ月の輝きが、光も自由も封じ籠めて。
『メエエェェッ』
「えっくん、お願い……せめて一撃で終わらせたげて」
 そう願う咲夜にこくりと頷いた後、ふと円月は訊ねつつも続ける。
「咲夜は何かお願い事あるかい? やっぱりケーキとかそういうのか?」
 ……欲しいなら後で帰って食べよう。俺が叶えてあげるからさ、って。
「うちの願いはひとつだけやけど」
 咲夜の願いを叶えてくれるのは、精霊王でもサンタクロ―スでもない。
 ――今は彼の隣で充分倖せやから。
 そう……隣にいる、彼だけ。
 咲夜はそっと、一番欲しいと思っている存在だけをその藍の瞳に映し、そして紡ぐ。
 ――甘い時間を楽しみに……帰りまひょ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
還らず残る理由が未練であれ、如何であれ
精霊王が還らないからオブリビオンになったのか
それとも逆か

我々には分からずとも
摂理を歪めた現状を変えなくてはなりません
貴方が留まろうとも、輝石が溢れるように時は進むのですから

倫太郎殿が要求する様子を眺め
爬虫類とは……ふわもことはかけ離れておりますね
甘いものを要求しましたら、真っ赤な団子が来ました
近付くだけでも辛いものであると分かります
目は少し痛いです

技は早業の二刀流剣舞『襲嵐』
毛の塊を放ってきた時に合わせてカウンターで繰り出す
二連目は破魔の力を付与させ、なぎ払いにて一掃
毛玉も全て、嵐が呑み込む

……願いを叶え過ぎて疲れたのでしょう
どうか、お休みください


篝・倫太郎
【華禱】
さてっと……古い精霊の王様はなぁんで還らないんだかな

還りたくない理由があるのかもしんねぇし、ないのかもしんねぇ
若しくは還りたくても還る事が出来ねぇ、か……
どっちにせよ、代替わりの時期なんだとさ

未練とか心残りがあんなら
多少は叶えられりゃ良いんだけど……
どーだろな?無理かな?

一先ず、ふわもこなぬいぐるみ辺りを要求してみよ
……あ、これ、明らかに爬虫類系じゃね?
ふわもこじゃなくね?

夜彦……目、痛い
目に沁みる気がする……
辛いのって、目に沁みないか?

弐式使用
破魔の力も使って拘束と攻撃
弐式の攻撃と同時に俺も華焔刀に破魔の力と衝撃波で攻撃
敵の攻撃は見切りで回避

そだな……
もう、休んで良いんじゃねぇの?



 美しい虹の輝きが満ちる森の精霊王。
 けれど、森の最奥にいたその存在は、王は王でも……堕ちた精霊王であった。
 オブリビオンと成り下がった今でも、王が此処に留まる理由。
「さてっと……古い精霊の王様はなぁんで還らないんだかな」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は辿り着いた最奥で出逢ったその存在の在り様に、そう首を傾けて。
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)も彼の言葉を聞き、思考を巡らせてみる。
「還らず残る理由が未練であれ、如何であれ。精霊王が還らないからオブリビオンになったのか、それとも逆か」
「還りたくない理由があるのかもしんねぇし、ないのかもしんねぇ。若しくは還りたくても還る事が出来ねぇ、か……」
 けれど、それを知る術はないから。
「どっちにせよ、代替わりの時期なんだとさ」
 ふたりが口にするのは、知り得ることができない過去ではなく、これから先のこと。
「我々には分からずとも、摂理を歪めた現状を変えなくてはなりません」
 ――貴方が留まろうとも、輝石が溢れるように時は進むのですから、と。
 でもやはり、何か此処に留まる理由が何かあって。
 それを少しでも解消できるのであればと、倫太郎は思うけれど。
(「未練とか心残りがあんなら、多少は叶えられりゃ良いんだけど……どーだろな? 無理かな?」)
 うーんと考えてみて、思いついたのは。
「――先ず、ふわもこなぬいぐるみ辺りを要求してみよ」
 出逢った者の欲する物を授けてくれるという妖精王に、ふわもこぐるみをおねだり!
 そして。
『メエエッ』

 ――ぽこんっ。

 精霊王が生み出したのは……確かに、ぬいぐるみみたいなものではあったが。
 あったの、だが――。
「……あ、これ、明らかに爬虫類系じゃね? ふわもこじゃなくね?」
 ふわもこ要素などない、むしろ冷血動物の冷たさまで感じるような素材。
 いや、爬虫類系生き物の頭に謎に乗せられたアフロヘア―のカツラ部分だけ、やたらもっふもふ。
「髪型はもふもふですが、爬虫類とは……ふわもことはかけ離れておりますね」
 倫太郎殿が要求する様子を眺め、夜彦は言ってから。
 続いて、甘いものを要求してみれば。
『メエエェェッ』

 ――ぽこんっ。

「夜彦……目、痛い。目に沁みる気がする……」
 団子は団子なのだけれど――めっちゃ真っ赤。
 近付くだけでも、辛いものであると分かる赤さ加減で。
 倫太郎はごしごしと目を擦りつつ、呟く。
「辛いのって、目に沁みないか?」
 それに、こくりと頷く夜彦――目は少し痛いです、と。
 やはりろくに願いを叶えられなくなっている精霊王は、還るべきところへと送らなければいけないようだ。
『メエェッ!』
 刹那、ふわもこな毛の塊をぽぽぽんっと放ってくるオブリビオン。
 その攻撃に合わせ、夜彦が早業をもって放つは、二刀から放たれた飛来する斬撃。
 嵐のように巻き込む無数の斬撃がふわもこを刈り取れば。
 続く二連目、破魔の力宿す薙ぎ払いの一太刀が、毛玉も本体も全て呑み込む嵐を巻き起こす。
 そしてそんな夜彦と連携し、倫太郎が戦場に解き放つは、破魔の力をもつ始祖の神霊。
 同時に華焔刀を振るい、衝撃波を繰り出して。
 ぽーんと再び放たれたふわもこの塊を、素早く見切っては回避する。
 そして夜彦は握る夜天に移す銀の月、曇り無き愛刀の刃を振るいながらも。
『メエエエェ……ッ!』
「……願いを叶え過ぎて疲れたのでしょう。どうか、お休みください」
 以前はきっと長い間、人々の願いを叶えてきたのだろう王へと、そう紡いで。
 倫太郎も、そだな……と頷き、焔咲く薙刀の美しい刃紋に虹色の輝きを宿しながらも、嘗ての精霊王を還る場所へと導く。
 ――もう、休んで良いんじゃねぇの? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鏡彌・サクラコ
【オクラコ】
うさぎさんありがとうでいす
と手を振り

精霊王ってオベロンみたいなかっこいい方でしょうか?
羊でいす(真顔)

オクちゃん
何か願ってみます?
まあ、ろくでもない物が出てきそうですけど

オクちゃんの願った結果を見て首を横に振り
もういいでいす

やっつけましょう!

UCでライオン召喚
オクちゃん乗って!
羊が何匹いても片っ端からやっつけましょう!

オクちゃんは
それでもお礼を言うのですね
はい
では新たな精霊王をお迎えするために
おかえりいただきましょう


日隠・オク
【オクラコ】

精霊王、なぜ還らないんでしょうか

森の精霊王……羊……?
羊が、はえて……?
ええと、森で、木じゃなくて、羊がはえて……。

ええと、では昔話にならって、輝石を使ったものを願ってみます
いびつなぬいぐるみに怯みつつも願ってみます
お、お願いします精霊王!

サクラコさんは何か願いますか?

サクラコさんの召喚したライオンに乗って、シーブズギャンビットで攻撃にいきます

め、めぇ……かわいいですが……

たくさん願い、かなえてきたんですよね
ありがとうございます
でも、みんな困ってしまっているから、だから、還るべきときに還ってください



 虹色の輝石の光に照らされながら、一緒に並んで夜の森を歩いて。
「うさぎさんありがとうでいす」
 案内してくれた兎さんと手を振り別れ、進んだ先の森の最奥。
 恐らくその場所に、噂に聞く森の精霊王がいるのだろう。
「精霊王ってオベロンみたいなかっこいい方でしょうか?」
 鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)は、知っている伝承上の妖精王を思い浮かべるけれど。
 辿り着いた森の最奥に在ったのは、虹色に輝く美しい滝の景色と……オブリビオンの成り下がった森の精霊王。
 その姿は、一言で言うと。
『メエェェッ!』
「羊でいす」
 羊。
 真顔でサクラコが呟いた通り、見た目ふわもこの羊さんであった。
「精霊王、なぜ還らないんでしょうか」
 日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)も、そうふと首を傾けつつ。
「森の精霊王……羊……? 羊が、はえて……? ええと、森で、木じゃなくて、羊がはえて……」
 ちょっぴり色々、混乱しちゃっています。
 そんな、こてんと首を傾げているオクに、サクラコは訊ねてみる。
「オクちゃん、何か願ってみます?」
 ……まあ、ろくでもない物が出てきそうですけど、と。
 これまで他の猟兵達が貰っていたものを思えば、粗方予想はつくけれど。
 オクは一生懸命考えて、いびつなぬいぐるみに怯みつつも、こう精霊王にお願いしてみる。
「ええと、では昔話にならって、輝石を使ったものを願ってみます」
 ……お、お願いします精霊王!
『メエェェッ』

 ――ぽこんっ。

 オクの願いを聞き入れた精霊王の頭上から飛び出したのは。
「羊……?」
 ふわもこな羊の良さが一切排除された、固い輝石でできた手乗りサイズの置物。
 しかも、顔がめっちゃ凶悪不細工。
「……サクラコさんは何か願いますか?」
 そう掌に不細工な羊を乗せつつも訊ねたオクだけど。
 ちらり、全くふわもこではない凶悪不細工な置物を見つめ、ふるふると首を横に振るサクラコ。
「もういいでいす」
 ――やっつけましょう!
『メエェ!?』
 刹那、サクラコが戦場に喚ぶのは、黄金のライオン。
「オクちゃん乗って! 羊が何匹いても片っ端からやっつけましょう!」
「はい、サクラコさん!」
 手を引き引かれたオクも、一緒に騎乗すれば。
 動きを封じ巻きつけんとしてくる、敵のふわもこな体からざっくりと編みこんだ毛もなんのその。
 虹のいろで溢れる景色を駆けるサクラコのライオンの上から、ふわもこを翻弄し、素早いナイフの一撃を放っていくオク。
 そして、ぱちりと羊さんと目が合ってしまえば。
「め、めぇ……かわいいですが……」
 ちょっぴり倒すの一瞬だけ戸惑ってしまいますが。
 でも……改めてオクは、こう精霊王へと告げる。
「たくさん願い、かなえてきたんですよね。ありがとうございます」
 これまで、沢山の人々の欲する物を授けてきた王へと、お礼を。
 サクラコはそんな隣のオクへと金の瞳を向けて笑む。
「オクちゃんは、それでもお礼を言うのですね」
 そんな言葉に、こくりとひとつ頷くけれど。
「でも、みんな困ってしまっているから、だから、還るべきときに還ってください」
 オクは再びナイフを構え、此処にもういてはならない嘗ての精霊王へと刃を振るって。
 サクラコも虹色の景色をライオンとオクと共に駆け、七彩に照らされし漆黒の髪を躍らせながら紡ぐ。
「はい、では新たな精霊王をお迎えするために」
 ――おかえりいただきましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

重松・八雲
【白】
おおあれがぷれぜんとのぬいぐるみ…!
へんてこどころか実に愛らし――い、やあれこそが皆を困らせておる王か!
では丁重にもふっとお空へ送ってやらねばのう!
その姿はせめてこの胸に留めておくでな…!

あとついでに、お主の威厳溢れる姿のぬいぐるみも残していってくれたりせんかの!
(わくわく見つめ――生まれたモノに急速にがーんとしょぼくれ)
ちがうそうじゃない…何故顔がはにわなんじゃあ…!

やはりもうお主は手遅れなんじゃな…!
仕方あるい…ならば此処は渾身の一撃を以て返礼としよう!(もふっとそふとにUCぱんちして)
ぬいは帰ったら可愛くりめいくするでの…安心して眠っとくれ!

森も街も再び平和に輝く笑顔で満ちるよう!


呉羽・伊織
【白】
可愛い顔して人間を、なー
(いやお前も大概…と菊里見つつ)
って早速此処に贈物ナシでもひっかかりそーな児爺が!
…よし、些かやり辛い絵面だが、困った王に成り果てたってんなら速やかに退陣願うのみだな

にしてもヘンテコ、な…
(仲間からのアレやコレやをチラリと見て)
――オレはもう一杯貰い過ぎて胸一杯腹一杯だから
謹んで!全力で!遠慮しとくから!
要ーらーなーいー!(ふえるはにわに悲鳴)

ああもうホント困ったチャンだな、こりゃ!
これ以上妙なモノ量産される前に早いトコお還り願おう

UCで一思いに
お前だって本来は笑顔を奪うんじゃなく、届けたかった筈だろうに――もう休んで良いんだよ

そして森にも街にも、新たな王の祝福を


千家・菊里
【白】
見目と贈物で油断させてぱくりとは、成る程――あれが草食と見せかけた肉食ですか、いやはや恐ろしい
偉大なる王から落ちた獣となってしまったなら、これ以上その名やこの森に翳りを落とさぬように、狩って差し上げましょう

あ、その前に折角ですからこの可哀想な伊織に何か恵んでやってくださいませんか?
こう、心暖まる感じのものを(にこにこ)
俺は美味しい甘味を――(言い終える前に手元に出てきた例の顔もといはに顔クッキーをそっと――見なかった事にして伊織に渡しつつ)自分で探して帰るから大丈夫です

さて、では餞別はこの炎にて
丸焼――お焚き上げ致しましょう

望むは贈物に非ず
古き王の安らかな旅立ちと新たな王の幸いなる誕生を



 辿り着いたのは、七彩に煌めく飛沫が美しい幻想的な滝の景色。
 そんな、虹のいろに満ちる森の最奥に在るのは――そう、森の精霊王。
『メエェェェ!』
 キュートな見目をした、羊の様なふわもこであった。
 けれど、可愛らしいのは見た目だけ。
「可愛い顔して人間を、なー」
 魅力的な贈り物で誘き寄せた人間を、ぱくりと食べてしまうという精霊王……いや、オブリビオンに、呉羽・伊織(翳・f03578)は視線を向けるけれど。
「見目と贈物で油断させてぱくりとは、成る程――あれが草食と見せかけた肉食ですか、いやはや恐ろしい」
 そう言った千家・菊里(隠逸花・f02716)に、ふと赤の瞳を映す。
 ――いやお前も大概……と。
 そして。
「おおあれがぷれぜんとのぬいぐるみ……!」
「って早速此処に贈物ナシでもひっかかりそーな児爺が!」
 ふわもこ羊さんに瞳をキラキラ輝かせている重松・八雲(児爺・f14006)の案の定な様子に、不安すぎる声を上げるけれども。
「へんてこどころか実に愛らし――い、やあれこそが皆を困らせておる王か! では丁重にもふっとお空へ送ってやらねばのう!」
 ……その姿はせめてこの胸に留めておくでな……! と。
 一応、やるべきことは分かっているみたいです。
 そんな爺様にまだちょっぴり心配気な視線を向けながらも。
「……よし、些かやり辛い絵面だが、困った王に成り果てたってんなら速やかに退陣願うのみだな」
 心を鬼にして、オブリビオンな可愛いふわもこ精霊王に還って貰うべく、伊織が頷けば。
「偉大なる王から落ちた獣となってしまったなら、これ以上その名やこの森に翳りを落とさぬように、狩って差し上げましょう」
 菊里もそう、イーリスの街の人々やルーメンの森の住人たちのため、そして精霊王の名にこれ以上傷がつかぬように。
 オブリビオンを躯の海へ……と送る、その前に。
「あ、その前に折角ですからこの可哀想な伊織に何か恵んでやってくださいませんか?」
 ……こう、心暖まる感じのものを、と。
 にこにこ笑んで、精霊王にお願いしてみれば。
『メエエェッ』

 ――ぽこんっ。

 精霊王の頭上から、出てきたのは……例のはにわ的なアレがネグリジェを着た、等身大ぬいぐるみ!?
 無駄にふんわりマシュマロタッチな、寂しい心も癒される抱き心地です。
「――オレはもう一杯貰い過ぎて胸一杯腹一杯だから! 謹んで! 全力で! 遠慮しとくから!」
 そうぶんぶん首を振る伊織を後目に。
「俺は美味しい甘味を――」
『メエエエェッ』

 ――ぽこんっ。

「……自分で探して帰るから大丈夫です」
 言い終える前に出てきた、やっぱり某はに顔クッキーをそっと見なかったことにする菊里。
 さらにわくわく、八雲が願うのはやはりコレ!
「あとついでに、お主の威厳溢れる姿のぬいぐるみも残していってくれたりせんかの!」
『メエッ!』

 ――ぽこんっ。

 八雲の望む声を聞き出てきたのは、たしかに羊さんのようなふわもこぬいぐるみだったのだけれど。
 嬉々と受け取った八雲は、急速にがーんとしょぼくれて叫ぶ。
「ちがうそうじゃない……何故顔がはにわなんじゃあ……!」
 くるりとご対面してみればやはり、あのはに顔!
「にしてもヘンテコ、な……」
 ネグリジェはにわぷりんせすをもふもふしながらも、皆へと贈られたアレやコレやをチラリと見て呟く伊織に。
 そっと菊里が手渡したのは――精霊王から貰った、はに顔クッキー。
 そんな、ふえるはにわに。
「要ーらーなーいー!」
 悲鳴の如き声を上げる伊織であった。
 贈り物は一応貰ったものの、眼前の精霊王は最早、森を統べる存在などではない。
「さて、では餞別はこの炎にて。丸焼――お焚き上げ致しましょう」
 気を取り直し、狐火を虹色の戦場へと成す菊里に頷いて。
「やはりもうお主は手遅れなんじゃな……! 仕方あるまい……ならば此処は渾身の一撃を以て返礼としよう!」
「ああもうホント困ったチャンだな、こりゃ! これ以上妙なモノ量産される前に早いトコお還り願おう」
 もふっとそふとに、八雲がもふもふな敵へとぐーぱんして。
 変幻自在な属性を宿した敵を眩惑へと誘う暗器で、敵を還るべき場所へとさくっと送ってあげる伊織。
「ぬいは帰ったら可愛くりめいくするでの……安心して眠っとくれ!」
「お前だって本来は笑顔を奪うんじゃなく、届けたかった筈だろうに――もう休んで良いんだよ」
 ――森も街も再び平和に輝く笑顔で満ちるよう!
 ――そして森にも街にも、新たな王の祝福を。
 それは、皆が待ち望んでいること。
 菊里も、虹色の世界を炎の赤で照らし、迷える嘗ての精霊王を導きながらも願う。
 望むは贈物に非ず――古き王の安らかな旅立ちと新たな王の幸いなる誕生を、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
やっぱり精霊王が人間を食べているのかしら?
そう聞いてかなり強かったり怖い存在を想像していたのだけど
ナンダコレ?

ふわもこだネ
でもバグっているなら排除するしかない
PhantomPainを構える
UC発動
ソヨゴの死角から狙ってくる敵を拘束する
とどめはソヨゴに任せて射撃で敵を足止め
的確に精密に
いつもの連携で問題ない
はずだったのだけど
あれ?
ソヨゴの武器折れてるネ?
と指差し

モードを変える
びっくりしたけどそれどころじゃない
ソヨゴの身を護りつつ掃討

戦闘後
ソヨゴの元に駆け寄り
残念
大事な物が壊れてしまったネ
肩を抱いて慰める

そういえば石はまだもらっていなかった
だいぶ大きな品だけど僕の分も含めてもらっていこう


城島・冬青
【橙翠】

樹がオブリビオン化してるなんて
見た目は可愛いけれど一匹残らず倒します

花髑髏を抜き羊を叩っ斬る
アヤネさんの的確な援護で
凄く調子が良い
刀が凄く軽い
早く敵を倒してもう一度この綺麗な森を散策したいな

…?アヤネさんの様子がおかしい
刀?
刀がどうしまs(刀身が折れてる)
?!わ・私の刀がー!!
そんな…(涙目)
あまりのショックにアヤネさんへ助けて貰ったお礼すら忘れてしまう

この刀は別に名刀とかそういうのではないんですが
猟兵になることを後押ししてくれた
兄が買ってくれたもので…
まぁ形ある物は壊れますよね
大丈夫
大丈夫です…(無気力)

ん?あそこにあるのは輝石
翠色の七色が綺麗で
長細い変な形…ですね
…貰っていいのかな



 虹の森を統べていた森の精霊王の、成れの果て。
 その存在は、ルーメンの森の最奥……虹の輝き纏う滝の前に在ったのだけれども。
 ――やっぱり精霊王が人間を食べているのかしら?
 そう聞いていたアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)は思わず瞳を瞬かせる。
 想像していた森の精霊王は、かなり強かったり怖い存在だったのに。
『メエエエエッ!』
「ナンダコレ?」
 眼前に在るのは、強そうでも怖そうでもない、むしろ可愛いもっふもふ羊さん。
 けれど、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)はふるりとオレンジの髪を揺らし、首を横に振って。
「樹がオブリビオン化してるなんて」
 ――見た目は可愛いけれど一匹残らず倒します。
 そう、残り僅かとなっているまんどらめぇめを叩っ斬るべく抜くのは、花と髑髏の模様が入った花髑髏の刃。
「ふわもこだネ。でもバグっているなら排除するしかない」
 同時に、アサルトライフル『PhantomPain』を構えたアヤネが放つのは、複数の蛇に似た異界の触手。
 アヤネの影から放たれたそれが、冬青の死角から狙ってくる敵を拘束すれば。
 軽快に地を蹴っては花髑髏を振るい、次々と敵を斬り伏せていく冬青は。
(「凄く調子が良い。刀が凄く軽い」)
 ――早く敵を倒してもう一度この綺麗な森を散策したいな。
 そう思いつつも、いつものように息の合った連携で的確なアヤネの援護を受け、敵へととどめを見舞っていたのだけれど。
 ふとアヤネは緑の瞳に飛び込んできたものに、ぱちくりと瞳を瞬かせて。
(「……? アヤネさんの様子がおかしい」)
 そんなアヤネに気付いた冬青は、小さく首を傾けるけれど。
「あれ? ソヨゴの武器折れてるネ?」
「刀? 刀がどうしま……」
 指差された己の武器へと視線を向けてみれば――。
「!? わ、私の刀がー!!」
 そこには、刀身がぽっきりと折れている愛刀の姿が。
「そんな……」
 あまりの衝撃的な出来事に涙目になる冬青。
 唖然としている冬青のそんな姿に、アヤネは咄嗟にモードを変えて。
 刹那、冬青へと打ち出されたふわもこな毛の塊を撃ち落とし、彼女の身を護りつつも敵を掃討していく。
 そして、あまりのショックに助けて貰ったお礼すら忘れてしまう冬青だけれど。
『メエエェ……ッ!』
 最後のふわもこが撃ち落とされ、倒れた――その時だった。
「……!」
 樹木に生る虹色の輝石が一斉に光り輝いて。
 ルーメンの森の空に、光り輝く虹が架かる。
 そう――それはまさに、新しい精霊王の天啓が下った瞬間。
 それを見届けてから、アヤネは冬青の元に駆け寄って。
「この刀は別に名刀とかそういうのではないんですが、猟兵になることを後押ししてくれた兄が買ってくれたもので……まぁ形ある物は壊れますよね」
 ――大丈夫、大丈夫です……。
 そう無気力に呟く彼女の肩をぎゅっと抱いて慰める。
「残念、大事な物が壊れてしまったネ」
 そんな言葉に、泣きそうになりながらも俯いていた冬青であったけれども。
 ふと顔をあげた、その瞳に飛び込んできたものは。
「ん? あそこにあるのは輝石。翠色の七色が綺麗で、長細い変な形……ですね」
 ……貰っていいのかな、って。
 そっと、見つけた翠を帯びた虹の石を手に取って。
 ……そういえば石はまだもらっていなかった、と。
 森の探索の御礼に、虹の輝石を持って帰っていいと言われていたことを、アヤネは思い出しながら。
 ――だいぶ大きな品だけど僕の分も含めてもらっていこう。
 そう、冬青の手に握られた輝きを見つめる。
 大事な思い出の品が壊れてしまったことは、残念だけれども。
 それはもしかしたら――真の精霊王が授けてくれた、とっておきの贈り物なのかもしれない、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月08日


挿絵イラスト