【Q】追撃、鋼神ウルカヌス~ブルマかビキニアーマーか
「みんなー集まってくれてありがとー!」
君達にお礼を言ったレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)は、ヒーローズアースの世界で戦争を生き延びたジェネシス・エイト「鋼神ウルカヌス」さんの居場所が判明したんだよと明かした。
「これも【Q】のおかげだけど、鋼神ウルカヌスさんはしばらく身を隠して、自らの鋼と炎の神力で「神鋼兵団」を製造って大規模な反撃作戦を行うつもりだったみたい」
もっともこの目論見も【Q】によってグリモア猟兵達が潜伏場所を予知できるようになったことで危うくなりつつあるのだが。
「ウルカヌスさんはオブリビオンさんだから倒しても復活しちゃうけど、無限に復活できるわけじゃないんだよ」
他のジェネシス・エイトもそうであったのだ。鋼神ウルカヌスも例に漏れぬということだろう。
「レティちゃんが予知したところだと、鋼神ウルカヌスさんはセンターオブジアースのはずれで集めた戦力になるオブリビオンさんたちに製造した神鋼の鎧をいきわたらせようとしていたみたい」
だが、現状では指揮官格の一体分しか用意が出来ていないとのこと。
「だから、みんなが転送された後最初に戦うことになるいっぱいいるブルマ型パワードスーツを装着した戦闘員さんたちとは普通に戦えるよ」
この後に待ち受けるのは、神鋼の鎧とビキニアーマーのみを身に纏うビキニアーマー格闘術を極めた老武闘家だ。
「このオブリビオンさんは神鋼の鎧を身に着けてるから、弱点である鎧の隙間を狙わないと攻撃の威力を軽減されちゃうみたい」
もっとも戦場は聖地ではない為、以前の時ほどの効果はないようだが、弱点への攻撃が効果的なのは変わらない。
「鎧の隙間は背中のポールアクスを取り付けてる所だよ」
何らかの方法で背中から武器を外させなければ鎧の隙間に当たる前に攻撃が武器に当たってしまうだろうが、そこは君達の工夫次第といったところか。
「老武闘家さんにも勝っちゃったら、次は鋼神ウルカヌスさんだけど――」
鋼神ウルカヌスは戦いになれば君達より早く先制攻撃を行ってくる。ユーベルコードを使う間もない相手からの先制攻撃を何とかしのげなくては、攻撃の機会も得られず返り討ちと言うこともありうるだろう。
「手ごわいオブリビオンさんだけど、レティちゃんもしっかりサポートするから、どうかよろしくね」
ぺこりと頭を下げると、グリモア猟兵の少女はそのまま君たちを送り出すのであった。
聖山 葵
見つかりましたね、鋼神ウルカヌス。
という訳で、今回は潜伏している鋼神ウルカヌスの組織しようとしている兵団を撃破、当人も撃破するというお話となっております。
二章及び三章にはアースクライシス2019の時の様にプレイングボーナスが存在します。狙うことで優位に戦いを進められるはずですので、狙ってみると良いでしょう。
では、ご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『ブルマニオン・ソルジャー』
|
POW : ソルジャー一斉格闘
【周囲の味方との連携による格闘戦】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 目標確保
【周囲の味方との連携によって】【素早く目標を取り囲み】【ソルジャー達による抑え込みによる拘束】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : エマージェンシーコール
自身が戦闘で瀕死になると【新たなるブルマニオン・ソルジャーの増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:mozuku.
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
千代月・陽華
あ、あれは、伝説のコスプレ衣装、紺ブルマ!!
まさか、このような場所に現存していたなんて!!
と、ブルマの存在に感動いたします
伝説って? ああ、それって紺ブルマ?
ドキドキしながら、ブルマニオン様に「できれば、この巫女装束をそのブルマを交換してはいただけないでしょうか」
と、予備の巫女服をさしだします
巫女服はいつも着ている、大胆な肉抜きが施された改造巫女服でございます
首尾よくブルマを頂けたら、その場でブルマ一丁に着替えます
大丈夫、胸や大事なところはお札を貼って隠しておりますので
ブルマについていろいろ思うところもありますが、戦闘もします
数には数を! 錬成ヤドリガミで敵たちに無数の槍を召喚して撃ち込みます
「あ、あれは、伝説のコスプレ衣装、紺ブルマ!!」
転送され、敵の姿を見た瞬間に千代月・陽華(巫女装束は風に舞う・f05936)は思わず声を上げていた。
「まさか、このような場所に現存していたなんて!!」
感動のあまり立ち尽くす陽華の姿に気が付いたのであろう、侵入者だとブルマ型パワードスーツを装着した戦闘員の一人が陽華を指さし。
「たった一人で乗り込んで来るとは」
「我々も舐められたものだ」
「だが、ここから先は通さん!」
統率のとれた動きで駆け寄ると、戦闘員たちは陽華の行く手を遮り。
「できれば、この巫女装束をそのブルマを交換してはいただけないでしょうか」
「「は?」」
唐突なユニフォーム交換の申し出をされて、ゴーグルの奥の目を揃って点にする。だが、それも一瞬の事である。
「集合!」
示しを合わせた訳でもなく一人が声を上げれば、残りが円陣を組む。
「身に着けているモノを交換、ということだが」
「だがあれは侵入者、しかも猟兵だろう。聞き入れるような義理はない」
周囲を見回した一人が口を開けば、他の一人が頭を振る。ごく真っ当な意見だ。
「そも、これはブルマ型パワードスーツであって伝説のコスプレ衣装などではないぞ? そも、伝説って?」
「ああ、それって紺ブルマ?」
「誰だ今のは?」
「おい、脱線するな。重要なのはあの猟兵の申し出をどうするかだろう」
会議は踊るという奴であろうか。
「効く理由がないというなら、申し出を受けると見せかけてだまし討ちにしては?」
「それはウルカヌス様方の体面に傷をつけかねんだろう」
「では――」
しばらく話し合いは続き。
「確かに何らかの罠と言う可能性は否めない。だが、我々の内の一人がパワードスーツを失ったとしても戦いで倒されることと戦力の損失面で見るなら大差はない。ここは私が奴の要求に応じてその手の内を暴こう。何かあった時は頼む」
最終的に戦闘員の一人が覚悟を決めたことで話はまとまった様であった。
「ほら、これが望みのモノだ」
「ありがとうございます」
警戒しつつも投げ渡されたパワードスーツを受け取ると、予備の巫女服を置いて下がった陽華はそのまま服を脱ぎ始め。
「な」
「大丈夫でございます、胸や大事なところはお札を貼って隠しておりますので」
あっけにとられる戦闘員に一言告げて尚も服を脱ぐ。
「同性なら構うまい、というところもあるのだろうが……」
「ひょっとして、企みごとなど何もなかったのか?」
「となると」
戦闘員ことブルマニオン・ソルジャーたちが顔をひきつらせて若干ひいている中、着替えは進み。
「で、結局これはなんだったんだ」
遠い目をするのは、陽華の改造巫女服を身に纏った戦闘員であった。あちこちの布地を切り取られたソレはこの季節にはいかにも寒そうであり。策もなく単なる趣味での申し出であったとすれば、最大の犠牲者がこの戦闘員であろう。
「まぁいい、パワードスーツの無い私はおそらく足手まといだろうが、それでも私には仲間達が居る。いくぞ!」
「「おおっ」」
色々割り切った犠牲者の号令で、戦闘員達は陽華を取り囲むと抑え込むべく飛び掛かり。
「数には数を!」
「うぐ」
「ぐあっ」
「まだだっ!」
陽華の複製した自身の本体達が飛び掛かる戦闘員達を迎撃、何故か上方に吹き飛んだ幾人かの戦闘員達が肩から地面に落ちる中、一人の戦闘員の手が陽華の二の腕を掴み。
「我々を」
「舐めるな」
他の戦闘員達が続き、幾人かの犠牲と引き換えに陽華を抑え込んだのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
ミルケン・ピーチ
SPDで行きます
17歳ボディの桃姫で出撃
アースクライシス延長戦というわけですか
いいでしょう、受けて立ちます!
まずは手近な相手に刺突剣での【串刺し】や【2回攻撃】で倒していきます
こちらに来る相手が増えてきたら、囲い込みに合わせて【サーバントオブザピーチ】を使い、雉の羽を生やして飛び、集団の後ろ側へ上空から回り込みます
その後集団の後ろへ着地しそこにいる敵に攻撃
また取り囲みをかけてきたら上空へ退避…と抑え込まれないように動きます
敵がジャンプ攻撃など対空攻撃をかけてきたら蹴りなどの格闘で反撃したり、他の敵の頭を踏んでさらに高く跳ぶことでかわすなどして対処します
アドリブや他の方との絡ませ歓迎
「アースクライシス延長戦というわけですか。いいでしょう、受けて立ちます!」
転送されたミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)がセンターオブジアースの地を踏んだのはその直後であった。
「やあっ!」
「ぐあっ」
踏んだ地面をすぐさま蹴ると、刺突剣を繰り出して先の猟兵を取り押さえることに気を取られていた戦闘員を串刺しにし。
「えいっ」
「ぐはっ」
二突き目に貫かれた別のブルマニオン・ソルジャーも崩れ落ちる。
「くっ、新手かあいつも取り押さえてしまえ!」
「「おおっ」」
ミルケンに気づいた戦闘員達はすぐさま包囲網を形成しようとするも。
「家来になっていきましょう、サーバントオブザピーチ!」
「「なんだと?!」」
雉の翼を生やしたミルケンは、軽々戦闘員達の頭上を飛び越えた。
「ぎゃあっ」
「くっ、後ろだ!」
「「っ」」
驚き立ち尽くす戦闘員の最後尾から悲鳴が上がり、倒れる仲間の姿に顔を歪めたブルマニオン・ソルジャーの声に他の戦闘員達が振り返る。
「どうする、このままじゃ」
「いや、まだ手はある、ゆくぞ!」
想定外であったのだろう、狼狽える仲間に号令をかけ、そのまま駆け出した戦闘員は中腰になって膝に手を置き、頭を下げた。
「私を踏み台に、飛べっ!」
ブルマ姿によくなじむ体育の授業で見かけそうな体勢であった。
「うおおおっ!」
馬になった仲間を足場に、ブルマニオン・ソルジャーは飛んだ。
「ですが、それも予想済みです!」
「べっ」
だが、ミルケンは冷静にこれを蹴り落とす。ジャンプしてくることなど想定の内だったのだ。
「まだまばっ」
続いて飛んで来た戦闘員の頭を踏み台にして更に上へと逃れ。
「ならば、ピラミッドだ! ゆくぞ!」
「「おおっ」」
号令と共に組体操のごとく戦闘員達は人間ピラミッドを作り始める。そして、それは完成に至り。
「ふはははは、どうだ。これでお前にも手が届」
「えい」
「のわぁぁぁっ?!」
「わわ」
「ぎゃぷっ」
「「ぐえ」」
頂上の一人をミルケンが蹴ったことで、転げ落ちる戦闘員により戦闘員ピラミッドは幾人もの犠牲者を出しつつあっさり崩壊したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
まさか、取り逃がしたウルカヌスが見つかるとはのう。
それならば、倒すまでじゃ!
【POWを使用】
向こうが連携して来るなら、こちらも連携攻撃じゃ。
アースジャイアントさんを召喚して、蹴散らしてやるわい。
敵の攻撃は見切りと第六感で読んで躱し、躱せなければオーラ防御と激痛耐性で受けるのじゃ。
敵の連携を分断するため、範囲攻撃でわしもアースジャイアントさんも攻撃し、敵をばらけさせるぞい。敵の戦闘能力を下げたら、後は2回攻撃で各個撃破していくのじゃ。
あ、何時もの人の出番はこの先の強敵まで取っておくぞい。
「お主らもわしと同じ、機動性重視の戦い方…何、その履いている物がパワードスーツじゃと?」
アドリブ歓迎じゃ。
高柳・零
WIZ
ええ!ブルマってムキムキのおっさんが履いて来て、精神攻撃する為の衣装じゃないんですか?
こんな普通の女の子達が履いて来るなんて…おかしいです。きっと何かの罠に違いありません!(完全に認識が歪んでる妖精)
オーラを全身に張って盾を構え、味方も自分も守ります。
「あなた達がどんな変態であろうと、自分の守りは崩せませんよ!」
もし、ブルマかゴーグルが本体で、女の子は取り憑かれているだけの場合を考え、メイスの鎧砕きでブルマとゴーグルを破壊してみます。
それでも普通に立ち向かって来るなら、範囲攻撃でそこそこのダメージを入れてから、天からの光で一気にとどめを刺します。一撃で倒せば、UCは使えないはずなので。
「まさか、取り逃がしたウルカヌスが見つかるとはのう」
呟く山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は、崩壊し構成していた戦闘員の幾人かが骸の海へ還りつつある人間ピラミッドの慣れの果てを見なかったことにしてぐっと拳を握る。
「それならば、倒すまでじゃ!」
「させると思ったか! いくぞ、皆!」
「「おおっ」」
まずは行く手を遮る眼前の敵からとばかりに地を蹴れば、戦闘員の一人が号令を発し、応じた他のブルマニオン・ソルジャー達も一斉に動き出した。
「っ、お主らもわしと同じ、機動性重視の戦いか」
「そうとも!」
「我らと」
「このブルマ型パワードスーツを甘く見るなよ!」
個々の力こそ比べ物にならないまでも数を活かして見事な連携から三方を塞ぎ、自身へ最後まで言葉を言い終わらせるよりも早く応じたブルマニオン・ソルジャー達の言に玄信が目を見開いたのは、この直後。
「何、その履いている物がパワードスーツじゃと?」
玄信が驚愕する一方、少し遅れて転送されてきた高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)もまだ驚愕し。
「ええ! ブルマってムキムキのおっさんが履いて来て、精神攻撃する為の衣装じゃないんですか?」
「いや、それどんな世界だ?!」
堪え切れず戦闘員の一人が零にツッコむも、零は聞いていなかった。
「こんな普通の女の子達が履いて来るなんて……おかしいです。きっと何かの罠に違いありません!」
「いやいや、これが普通……と言いたいとろだが」
信じられないとばかりに頭を振って後ずさる零に否定を返したいブルマニオン・ソルジャーであったが、仲間がつい先ほど持ちかけられた衣装交換を何らかの策と深読みした後である、強く言うことは出来ず。
「そちらが連携して来るなら、こちらも連携攻撃じゃ」
「な、うわぁっ」
「グワーッ」
「きゃあっ」
零の発言に気を取られたところで、玄信の召喚した大地の巨人の腕に薙ぎ払われた戦闘員達が悲鳴を上げて倒れ伏す。
「ああ、よくも仲間を」
「いくぞ」
「おおっ」
むろん、ブルマニオン・ソルジャー達とてやられっ放しのつもりはない。連携を取りつつ巨人の腕を掻い潜り、玄信へ迫り。
「な」
繰り出した蹴りは、庇うように前に出た零の盾に受け止められた。
「あなた達がどんな変態であろうと、自分の守りは崩せませんよ!」
「誰が変態だーっ!」
「と言うか、いつから変態? 巫女服着せられた仲間とか、我々どっちかって言うと被害者サイドだよね?」
キリッと効果音でもつきそうな程得意げに言い放つ零へブルマニオン・ソルジャー達は口々に抗議と言うかツッコミを入れる。
「まぁ、どちらにしてもオブリビオンじゃからのう」
「がはっ」
「ぎゃっ」
だが、まぁ玄信からするとやることは変わらず、動きをトレースさせつつアースジャイアントさんと共に気を逸らされた戦闘員達を物理的に沈めてゆく。
「うーん、ブルマかゴーグルが本体で操られているだけなんじゃないかとも思いましたが」
「ゴーグルはともかく、ブルマの方はないじゃろ。衣装交換したとさっき言うておった者がおるし」
「ああ、確かにブルマで操っているなら交換の為に脱いだ時点で支配が溶けるはずですからね。では念のために――」
メイスを振り上げた零は盾で蹴りを受け止めていた戦闘員のゴーグルを叩き割り。
「っ、たかがゴーグルをやられたぐらいで――」
「ふむ、違いましたか。天よ邪なる力を封じたまえ」
それでも向かってくるブルマニオン・ソルジャーを指させば、天からの光が戦闘員を打った。
「きゃーっ」
「さてと、後はこのまま骸の海へお引き取り願うだけですね」
「そうじゃの、ゆくぞ!」
零の言の頷き、玄信は再び地を蹴った。
「ぐあっ」
一人の戦闘員の身体が宙に舞い。
「な、早す、げっ」
驚き身構えようとした別のブルマニオン・ソルジャーは玄信に気を取られ過ぎて大地の巨人の一撃に沈み。
「そん、ありえない。我々がこん、ぎゃああああっ」
口元をひきつらせて後ずさった戦闘員は天から差し込む光に討たれ。
「拙い、このままでは」
気づけば戦闘員は、片手の指で足るほどにまで打ち減らされていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
まあ、後に残しておいていい事が有るわけでもないし。
禍根はさっさと断ち切るに限るね。
さて、ソルジャーの数もだいぶ減ってるみたいだし、
特に変わった手を使う必要もないかな。
斧を振り回した衝撃波で連携を妨害しつつ、
【嵐撃乱討】で一人ずつ殴り倒していこうか。
それにしても、なんでパワードスーツがブルマの形になってるんだろう。
音取・ゼラ
鋼神ウルカヌスとな?
ウルカヌスはローマ神話に取り込まれた余の子であるオリュンポス十二神のヘパイストスであろう?
なにやら随分おかしなことになっておるが
そも、妻に浮気されるぐらい女にモテんヘパイストスが女の部下を多数引き連れておるとは許しがたい!
神王として誅伐を行うのである!
一人ぐらい余にくれてるなら許してやらんでもないが?(ぼそっと)
貴様ら、余に降るなら許してやらんでもないぞ?
ふむ、余の慈悲を蹴るとは愚かである
ならばウルカヌスに余が参ったと知らしめる号砲の散りと消えよ!
これが余の【神王の雷霆(ケラウノス)】である!
ふははっ!顔は見えんが殺すには惜しい美女であるが、余に敵対するなら消し飛ばすまでよ
「鋼神ウルカヌスとな?」
さんざんに打ち減らされた戦闘員達を視界に入れつつ、音取・ゼラ(自称ゼウスの生まれ変わり・f24198)は首を傾げていた。この状況で新手かとブルマニオン・ソルジャー達が慄くのもスルーして、一つ唸る。
「ウルカヌスはローマ神話に取り込まれた余の子であるオリュンポス十二神のヘパイストスであろう? なにやら随分おかしなことになっておるが」
そういう設定なのか事実なのかはさておき。
「そも、妻に浮気されるぐらい女にモテんヘパイストスが女の部下を多数引き連れておるとは許しがたい! 神王として誅伐を行うのである!」
若干困惑の色を帯びていたゼラはぐっと拳を握りしめると表情を一変させて吠え。
「一人ぐらい余にくれてるなら許してやらんでもないが?」
「まあ、後に残しておいていい事が有るわけでもないし、禍根はさっさと断ち切るに限るね」
倒さなくてはならないという点で同意を示したペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は、ボソッと続けたの言葉は聞かなかったことにして愛用の武骨な巨大斧を担ぐように持ち上げ歩き出し。
「く、来るぞ! 皆、気を付」
「さて、ソルジャーの数もだいぶ減ってるみたいだし、特に変わった手を使う必要もないかな」
「待て」
警戒も露わに注意を喚起しようとする戦闘員の声に被さるように呟いて巨大斧を振り上げようとしたペトニアロトゥシカを制した者が居た。ゼラである。
「貴様ら、余に降るなら許してやらんでもないぞ?」
さんざんにうち減らされた所に猟兵が二人、もはや勝負は決したと言っても過言ではない。故に降伏勧告のタイミングとしては間違いではなかった、ただ。
「っ、舐めるな! ここで頭を下げては散って行った仲間達に顔向けが出来ぬわ!」
オブリビオンからすれば猟兵は天敵であり、兵士の面からも戦闘員達に降伏と言う選択肢はあり得なかったのであろう。
「ふむ、余の慈悲を蹴るとは愚かである」
ならばと続けたゼラは自身の想像より雷霆ケラウノスを創り出し。
「これぞ余の最強たる雷霆ケラウノスである!」
「うぐっ、散開しろ! 誰でもいい、我らの連携をもって一矢報」
顔を歪ませつつも仲間へ指示を出そうとしたそのブルマニオン・ソルジャーが言葉を発せたのはそこまでであった。「がはっ」
「悪いけど、そこまでね」
連携を妨害すべくペトニアロトゥシカが振り回した斧から放たれた衝撃波によって吹き飛ばされたのだ。
「ぐぅっ、だが、我らは最後の一兵まで」
「諦めばっ」
「しな、お、おい、しっかりし――」
それでもひるまず向かってゆく戦闘員の一人が続けて衝撃波に沈むも、倒れゆく仲間に気を取られたのは失敗であった。
「あ」
「ウルカヌスに余が参ったと知らしめる号砲の散りと消えよ!」
仲間に気を取られたブルマニオン・ソルジャーが視線を戻した時、雷霆が視界いっぱいに広がっており。
「ふははっ! 顔は見えんが殺すには惜しい美女であるが、余に敵対するなら消し飛ばすまでよ」
「ぬうっ、おの」
悲鳴すらかき消し猛り狂う雷の音に最後の一人となったことを察した戦闘員は、唇をかみしめ、それでも一矢報いようとしつつ、聞いた。
「全員まとめて、ボッコボコだよ! うん、もうアンタだけだけど」
場に居たもう一人の猟兵の声を。
「不覚、鋼し」
失敗を悟ったブルマニオン・ソルジャーは、最後まで言い切ることなくペトニアロトゥシカの拳に命ごと意識を刈り取られ、骸の海へと還って行ったのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『マスター・ビキニアーマー』
|
POW : ワシにうぬらの強さを見せてみせい!
【後の先の構えを取る自分 】に変形し、自身の【背の武器を使わないこと】を代償に、自身の【防御力と回避率およびカウンター攻撃】を強化する。
SPD : 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビット
自身が装備する【ビキニアーマーのパーツ 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : ビキニアーマー格闘術最終奥義『鎧包解脱求道拳』
【カウンター攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【光り輝く拳型のオーラ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:しゃかむに
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミュリエル・フォルクエイン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「やはりブルマニオン・ソルジャー……雑兵どもでは足止めにもならぬか」
神鋼の鎧を身に纏った老武闘家は腕を組んだまま、侵入者の気配を察して振り返った。
「だが、それでこそワシの相手に相応しいと言うモノよ」
戦いと強さを求める修羅たるこの武闘家にとって強者との戦いは望むべきものでしかないのだろう。しかも、今、このマスター・ビキニアーマーは神鋼の鎧によって守られている。弱点である『鎧の隙間』、つまり背中のポールアクスを取り付けてる所以外への攻撃を軽減してしまう難敵と化しているのだ。
=============================
プレイングボーナス……指定された「鎧の隙間」を狙う。
=============================
千代月・陽華
ヒバナは激怒した。必ずやあの筋骨隆々とした破廉恥漢を除かねばならぬと決意した。
ヒバナには男体の魅力がわからぬ。ヒバナは百合の淑女である、毎日美少女と遊ぶ夢をみて暮らして来た。けれども、汗臭い無粋なマッチョの悪漢には人一倍敏感であった。
そんな感じで、おっさんがビキニアーマーというお題目でわたくしを釣った罪はおもいのでございます!
早速、本気モード! 武器の十文字槍を捨て、最大加速の『梵天よ、地を穿て』で背後に回り込み、背中のハードポイントに目掛けて拳を打ち込みます。
全国の百合淑女ビキニアーマー愛好家の部の悲しみを背負って無想転生したわたくしは無敵!
何度でも、背中を目掛けて拳を放ちます
「よくも……よくも」
陽華は怒っていた。助走をつけて問答無用で殴る程度では済まないほどに怒っていた。つまるところ激怒していた。マッサージ器でも当てられたかのようにプルプル震えていたが、それは怒りを堪えてのモノに他ならない。
「ビキニアーマー」
その単語に釣られて戦場へ足を踏み入れた陽華にとって男体の魅力は理解できず、毎日美少女と遊ぶ夢をみて暮らして来た淑女にとって、現れたのが汗臭い無粋なマッチョの悪漢という現実はきっと宣戦布告に等しかったのだ。
「おっさんがビキニアーマーというお題目でわたくしを釣った罪はおもいのでございます!」
叫ぶや否や、武器など無粋とアイデンティティのはずの自身の本体である槍を放り投げ、拳を握り固めて地面を蹴る。
「来るか、ならば迎え撃ってくれん! 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビットぉ!」
むろん、オブリビオンたる老武闘家とてそれを黙って見ている筈もない。突き出された掌で円を描くよう回せば、周囲に夥しい数の黒いビキニアーマーの上下パーツが出現し。
「往けい!」
号令に従い、ビキニアーマーのパーツ達は猛スピードでオブリビオンの背後に回り込もうとする陽華へと襲い掛かった。
「っ」
陽華が速さで来るのであれば、老武闘家は数と言うことであろうか。とっさに襲い掛かってきたビキニアーマーの股間パーツを避けるが、パーツ達の出現地点は陽華が拳をぶち当てんとした筋骨隆々とした破廉恥漢の周囲である。つまり、自分から攻撃の起点に向かってゆくということに他ならず。
「それでも、全国の……淑女、……っ、ニアーマー愛好家の……悲しみを背負って――」
避けきれなかったアーマーのパーツが命中し、体にへばりつきながらも陽華は止まらなかった。その先に居る団ちょ、もとい同志達を思い描いたのか、今の自信は無敵だと言い聞かせ、突破を図ったのだ。
「けっこう当たる様でございますが、このぐらいどうってことはございません! ビキニアーマーを着た美少女達と戯れているのだと思えば――」
汗臭い無粋なマッチョな悪漢の装備品を複製したモノだと言う現実を無視し、ダメージを受けながらも陽華は走った、そして。
「なんと、ワシのアーマー・ビットを突」
「真の淑女は素手で殺す!!」
「がっ」
驚愕する老武闘家に最後まで言わせることなく、鎧の隙間たるオブリビオンの背に拳を叩き込み。
「まだまだぁっ!」
更に拳を振り上げ、一撃を見舞ったのだった。
成功
🔵🔵🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
ブルマの次はビキニアーマー。
ウルカヌスの趣味なのかねえ……まあいいや。
えーと、背中のポールアクスの所に当てればいいんだよね。
で、相手は完全に待ちの構えを取ると。
じゃあ、普通に歩いて近付けばいいか。
特に攻撃もせずに歩いて至近距離まで近付いたら、
【崩天地顎】で掴んで持ち上げて背中から地面に叩き付けるよ。
これならポールアクスがちょうど背中の鎧の隙間にぶつかるから、
ポールアクスを外させなくても隙間を攻撃できるかな。
近付く時に向こうが先手を打ってくるなら攻撃を避けて、
そのままカウンターで掴んで叩き付ければいいしね。
ミルケン・ピーチ
POWで行きましょう
カウンターを狙っていると最初から分かっていれば対処の仕様があります
「その鎧、真正面から打ち破ってあげましょう!」
と【挑発】しながら真正面から突進
【捨て身の一撃】で一か八かの勝負!
…と見せつつ、攻撃を仕掛ける瞬間に【残像】を残して後ろに回り込みます
「なーんて、正面からなんて行くわけないでしょう」
相手が残像相手にカウンターを繰り出した瞬間に背中側からポールアームに向けて【ミルケンインパクト】
ポールアームを背中に押し込んで鎧の隙間へねじ込みます
さらにそのまま【グラップル】でしがみつき、【怪力】でポールアームをはぎ取ります
首尾よく剥がせたら自分の剣を抜いて【傷口を抉る】で背中へ追撃
「ブルマの次はビキニアーマー。ウルカヌスの趣味なのかねえ……」
背中に手を当て呻くオブリビオンを眺めポツリと首を傾げたペトニアロトゥシカは、まあいいやと浮かんだ疑問を不可視の棚に放り投げる。
「ぬうっ、いつの間にか新手が現れておったか!」
敵である老武闘家がこちらに気づいたのだ。戦闘に突入するのは避けられず、またペトニアロトゥシカも避ける気はない。
「えーと、背中のポールアクスの所に当てればいいんだよね」
と声に出して確認したわけではない、訳ではないが。
「ならば、ワシにうぬらの強さを見せてみせい!」
「で、相手は完全に待ちの構えを取ると……ん?」
背のポールアクスを外して投げ捨て、身構える老武闘家の言葉がひっかり。
「あー」
「その鎧、真正面から打ち破ってあげましょう!」
ペトニアロトゥシカが振り返ると、そこに居たのは、オブリビオンを挑発するように予告するミルケン。うぬらの、つまり複数形だったのは間違っていなかったわけだ。
「面白い、かかってくるが良い!」
「ええ!」
後の先の構えをとるオブリビオンことマスター・ビキニアーマーを前にミルケンが真正面から突進し。
「うーん、普通に歩いて近付けばいいかって思ってたけど、どうしようねぇ」
唸ったものの、悩んだのはほんの一瞬。ペトニアロトゥシカも足を速める。
「勢いだけでどうにかなると思うてか、小娘がぁっ!」
突進するミルケンに合わせてマスター・ビキニアーマーの放ったカウンターの拳は、露出度の高いコスチュームに包まれた身体を貫くが、拳を繰り出した当人だからであろう。
「なーんて、正面からなんて行くわけないでしょう。ぽよぽよお肉で飛んでっちゃえ! ミルケンインパクト」
まったく存在しない手ごたえに老武闘家が殴った相手が残像であると察した時には、背後に回り込んだミルケンは既にオブリビオンへと突進していたのだ、マスター・ビキニアーマーが投げ捨てたポールアクスを拾い、身体に固定して。
「これ、返しますよ」
「な、それはワシの、ぐおっ」
豊かな胸の膨らみと腕で固定したポールアクスの刃をミルケンが押し込むように鎧の隙間へねじ込み。
「痛かったですか? じゃあ」
「ぬぐあーっ」
「えい」
組み付いて怪力任せに刺さったポールアクスを引き抜くと放り投げて出来た傷口へ桃の意匠をあしらった刺突剣を突き立て。
「ぐ、お」
「丁度いいね。それじゃ――」
よろめくマスター・ビキニアーマーへ歩み寄ったペトニアロトゥシカは老武闘家の身体を無造作に掴むと、持ち上げ。
「思いっきり、叩きつける!」
振り下ろすまでの速さは、悲鳴を発す間もなかった。しかも、普通に叩きつけるだけでは狙えない弱点には今、ミルケンの刺突剣が突き刺さっていた。故に効果は抜群であり。
「ぐ、ぎ、おのれ……こうも立て続けに」
弱点を狙われるとはオブリビオンも想定外であったのだろう。足取りの覚束ぬ老武闘家の周りには自身から流れ出た血だまりが出来ていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
高柳・零
POW
ふっふっふ。やはり、脱いだらこうなったヌギか(別人です)。
次はブリッジして地獄超特急とか言って来るヌギね?
「さあ、玄信。脱衣だヌギ!ヌギカル☆玄信に変身するヌギ!」
いきなり、敵にメイスの鎧砕きで殴りかかります。
当然、カウンターが来ますが、これを全身にオーラを張った上で無敵城塞を使いガードします。
「ヌギヌギランドの妖精を甘く見ない方がいいヌギ」
カウンターに注意して攻撃しつつ、あらゆる防御技能を駆使して敵の攻撃を止めます。
危ない時は無敵城塞。
「素手で自分の防御を破れるとは思わない方がいいヌギ。それとも、背中の武器は飾りヌギ?」
敵が武器を持ったら「玄信、チャンスだヌギ!」と言います。
音取・ゼラ
うぷっ!……くっ、さっきの少女達と落差が大きいのである
酷い見た目で目に毒だ。覚悟無しで見たら吐き気が
ウルカヌスはどういう基準で部下と鎧を選んでのであるか?
さて、此度は【完全なる女神ゼウス】でいくのである
背が伸びてボンキュボンの理想の女神に成長するが、拳だけ前世のゼウスのものでアンバランスである
ゼウスの権能で風雨降らせて目眩ましにして、飛翔して空中から背後に回ってポールアクスを取り付けた隙間を狙うのである
ポールアクスが付いてるなら投げ捨ててから、無ければそのまま隙間に拳を叩き込むのである
ふはは!オブリビオンであろうと神と人の肉体性能が同じと思うな!
ついでに拳と一緒にゼウスの雷を喰らわせるである!
山梨・玄信
何時もの人よ、行くぞ!
【SPDを使用】
UCを使って機動戦を仕掛けるぞい。見切りと第六感でビキニアーマーの動きを読み…こんなものが飛んで攻撃して来るのもあれじゃが…躱して、カウンターの気を乗せた拳(鎧に鎧無視攻撃)をぶちかますのじゃ。
本体には2m位の間合いから、気の放出(範囲攻撃+鎧無視攻撃)を当て続けるぞい。UCの分こちらの動きの方が早い筈じゃから、その間合いを保ち、武器を抜かせるように仕向けるのじゃ。
敵の背後を取る為、お供の妖精(零殿)と連携じゃ。
敵が零殿に攻撃を叩き付けた瞬間に褌一丁になり、敵の予想を上回るスピードで背後に回ってダガーで鎧の隙間をピンポイントで突くぞい。
アドリブ歓迎じゃ。
「うぷっ! ……くっ、さっきの少女達と落差が大きいのである」
満身創痍の老武闘家を目にして、ゼラは思わず口元を手で押さえた。何の心構えもなく見てしまったことで吐き気を催したらしい。
「ふっふっふ。やはり、脱いだらこうなったヌギか」
その一方で、零は予想通りといった表情であったが、この老武闘家はさっきの戦闘員とは全く別のオブリビオンである。
「次はブリッジして地獄超特急とか言って来るヌギね?」
口元を押さえたまま吐き気とが戦っていなければ指摘したであろうが、ツッコミが不在の為、零は謎の深読みをする。
「ブリッジして地獄超特急とか言って来る? ウルカヌスはどういう基準で部下と鎧を選んでいるのであるか?」
喉元にせり上がってくる何かと戦うあまり思考力に若干の陰りが出たのか、疑いもせず地獄超特急と叫ぶブリッジした変態オブリビオン集団を率いた鋼神を想像したゼラが口を押える手、その指と指の間からボソッと零すが、完全に風評被害である。
「何時もの人よ、行くぞ!」
盟友発で広がり出したそんな風評被害をスルーしつつ、玄信は空を仰いで自身にしか見えない神々しい女性の幻影に呼びかけ。
「さあ、玄信。脱衣だヌギ! ヌギカル☆玄信に変身するヌギ!」
「っ、それは今回せぬのじゃ。じゃが――」
何故かメイスで老武闘家に殴り掛かりつつ幻影より早く声をかけてきた零に否定しつつも玄信は衣服に手をかけて地を蹴った。
「ぬるいわ、小童ぁ」
「おっと、そうはいかないヌギ! ヌギヌギランドの妖精を甘く見ない方がいいヌギ」
殴り掛かられたオブリビオンはメイスを腕で弾き拳を繰り出し、このカウンター攻撃を零は無敵城塞をもって受け止める。
「素手で自分の防御を破れるとは思わない方がいいヌギ。それとも、あの武器は飾りヌギ?」
「いかにも! 若い頃に使っていただけの……ただの思い出の品よ!」
続く挑発を笑い飛ばしたのは、実際そういう設定なのだからしょうがない。
「玄信――」
「うむ」
始まった盟友と敵の攻防を視界の中に、今度こそ幻影の声に頷きを返し、玄信の衣服が宙に舞い。
「なるほど、変身とな。ならば……ゼウスの転生たる余は、今一時ヘラの呪いを破り前世の力をこの身にて再現しよう!」
ゼラも宣言するや否や急速に姿を変えてゆく。背が伸び、身長面の成長に合わせるように身体は丸みを帯びてゆき、豊かに育った胸がやお尻が内から衣服をはちきれんばかりに膨らませ。
「ふむ、拳だけ前世のものと言うのもアンバランスであるな。だが、まぁいい」
戦いの準備は整ったのだから。
「くっ、ぬ? 多方向から同時に攻めるか、面白い!」
ただ、脱ぎながら駆け出した玄信もゼラの変身もオブリビオン、マスター・ビキニアーマーからははっきり見えていた。
「うぬにはこれをくれてやろう! 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビットぉ!」
零が無敵城塞を使い、動けない間を利用し、腕を玄信の方に突き出した老武闘家が円を描けば、複製された夥しい数の黒いビキニアーマーが浮かび上がり、点でバラバラの起動を描きつつ猛スピードでオブリビオンの背後に回り込もうとする玄信へと殺到する。
「っ、……こんなものが飛んで攻撃して来るのもあれじゃが」
攻撃は攻撃である。避けなければ惨事になることは目に見えているからこそ、第六感を頼りにアーマー・ビットの動きを見切って玄信は身を躱してゆき。
「それ以上はさせないヌギ!」
「ぬうっ、小癪な! ぬっ」
ビキニアーマーの操作を邪魔し攻撃を止めるべく再び殴り掛かる零への対応を余儀なくされるマスター・ビキニアーマーの身体を吹き付けてきた風雨が濡らした。
「その攻防、利用させてもらおうぞ!」
この間もゼラは動いていたのだ。目くらましに雨を降らせ風を吹かせながら飛翔し、陸を回り込む玄信とは別に上空を経由して老武闘家の背後を取れば、一気に空から距離を詰め。
「ふはは! オブリビオンであろうと神と人の肉体性能が同じと思うな!」
「なんと」
マスター・ビキニアーマーは明らかに虚を突かれ驚きの声を上げ。
「玄信、あと空の人、チャンスだヌギ!」
「うむ」
「空の人? まぁ、よい」
好機と見た零が促し、既に老武闘家を間合いに捉えていた二人は、ただ一点、マスター・ビキニアーマーの背中目掛けそれぞれ一撃を繰り出した。
「喰らうがいい」
「ぐおっ」
まず玄信が手にしたダガーを突き刺して飛びずさり。
「トドメである!」
「がああああああっ」
ダガーを押し込むように繰り出されたゼラの拳から流れる雷が金属の刃を通してオブリビオンの身体を蹂躙すれば、老武闘家は崩れ落ち。
「ぐ、よもや我が最終奥義を繰り出す機会もない、とは……だが」
戦いと強さを求める修羅としては戦いに斃れることは本望だったのであろう。満ち足りた表情のまま、その体躯は骸の海へと還ってゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『鋼神ウルカヌス』
|
POW : 超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:あなQ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「私の授けた鎧を身に纏った将すら倒したか」
そう口にはしたが、鋼神ウルカヌスからすれば想定の範囲を超えていなかったのかもしれない。猟兵達はジェネシス・エイトの内六名を倒し、クライング・ジェネシスも倒してカタストロフを防いで見せたのだから。
「だが、私をそうやすやすと倒せると思うな」
ぐっと握り込んだ左の拳から炎と神気を溢れ出させながらウルカヌスは言い放った。
=============================
プレイングボーナス……『鋼神ウルカヌスのユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(鋼神ウルカヌスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
=============================
火土金水・明
「相手は『ジェネシス・エイト』の一人、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね。」「今度こそ、決着を付けましょう。」
相手の先制攻撃に対しては【見切り】【野生の勘】【第六感】【フェイント】の技能を駆使して回避を試みます。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】した【全力魔法】の【銀の流れ星】を【範囲攻撃】にして、『鋼神ウルカヌス』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
倒すのが簡単であれ困難であれ、倒さなきゃいけない事に変わりは無いし。
まあ、何とかするだけだねえ。
さて、液体化も可能な高熱の金属ね。
液体化しない分にはただの格闘と同じだし、普通に見切って避けようか。
熱は耐性あるし、直撃しなければ余波を耐えられないって事はないかな。
で、液体化してるなら、斧を振った衝撃波で吹き飛ばすよ。
自在に形が変わるって事は、こっちからも簡単に形を変えられるって事だからね。
先制攻撃を防いだら、【鋭敏感覚】を発動。
相手の攻撃をギリギリで避けて、全身から放電して電撃を浴びせるよ。
金属は電気をよく通すから、金属化した部位を伝って体に届くはず。
「相手は『ジェネシス・エイト』の一人、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね」
臨戦態勢で待ち構えていた鋼神ウルカヌスを見据え、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は銀色のルーンソードを握る手へ力を込めた。
「今度こそ、決着を付けましょう」
「ふん、『今度こそ』か」
明の言に不愉快そうにウルカヌスが鼻を鳴らした理由はただ一つ、その言だけでもウルカヌスを討つもしくは企てを止めるべく手向かってきた猟兵の一人であると言ったのと同意語であったからだ、もっとも。
「倒すのが簡単であれ困難であれ、倒さなきゃいけない事に変わりは無いし」
と先ほど鋼神の言に対して独り言ちるペトニアロトゥシカもまたアースクライシス2019にてウルカヌスと戦った猟兵の一人であり。
「まあ、何とかするだけだねえ」
「出来るものならやってみるがいい!」
のんびりとした口調で続ける内容が勘に触ったのか、苛立たし気に吐き捨てたオブリビオンの片腕が赤熱しだし、飴細工の様に崩れながら細く伸び始める。
「喰らえ」
もはや手の形もなくなってぶらりと一揺れしたそは、形の定まらぬ超高熱の鞭と化してまず明を襲った。
「さて、液体化も可能な高熱の金属ね」
その様子を視界に入れつつペトニアロトゥシカが助勢も加勢もしないのは、右腕を振るうウルカヌスの左腕が右腕同様に変形し始めたからだ。
「液体化しない分にはただの格闘と同じだし――」
普通に見切って避けよう、ペトニアロトゥシカはそう考える。
「残念、それは残像です」
「ぬっ!?」
実際、思考通りのことを明が行っているところなのだ。明の初動に反応し伸ばして捕まえようとした液体金属の鞭は言葉のとおり残像を虚しくすり抜け。
「ぬかったわ、先ほどの動きは誘いか」
今更ながらに明のフェイントへ気付いた鋼神はだが、と続けてもう一方の腕を振るう。
「せめてこっちぐらいには当てようってことかな? けどね」
熱の耐性があり、直撃しなければ余波を耐えられないって事はないとは思っているペトニアロトゥシカだが、わざわざ命中させてやる理由もない。軌道を見切れば、ウルカヌスの左腕は皮膚を軽く焦がさんがばかりの熱を感じさせながらすれすれを通り過ぎ。
「じゃあ、こっちの番だよね。少しばかり、真面目にやろうか!」
「なっ?! っ」
避けたはずの腕を追いかけるように動くペトニアロトゥシカへ驚きの声を上げた鋼神は反射的に腕を引き戻そうとするが、遅かった。
「金属は電気をよく通すよね?」
「ぐっ、があああああっ」
触れるか触れないかの距離まで近づいたペトニアロトゥシカの電気鰻のような見た目の尻尾が金属のままであった腕へ全身から発した電流を流し込み。
「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。流れる星に、魔を断つ力を!」
「が、ぐおっ」
感電して動きを止めたウルカヌスを明が銀の剣で袈裟掛けに斬りつけ、すれ違う。
「おのれ、貴様ら……」
たたらを踏みつつも、傾ぎかけた身を起こしつつ鋼神は振り返って二人を睨み。
「致命傷には浅すぎましたか」
黒色のマントをたなびかせ明はポツリと漏らすのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千代月・陽華
また……またしても、マッチョ……
わたくしとしては、ブルマリオンと、ブルマを脱がせたり履かせたりしたかったのでございますが……
先制攻撃はSPDで兎に角駆け回って逃げる
ぜえ…ぜえ…
しかし、その鎧、重いのではございませんか?
例えば、水中に引きずり込まれたら、2度と浮かび上がれないのでは?(不安をあおる)
それに、鎧といっても関節部などに隙間もありますし、そこを狙われればひとたまりもないのでは?
あとは、UCで煽ってこけさせる
あとは、鎧は熱によわいですね。そこら辺でかってきた殺虫剤を噴射しながらライターで火をつけて簡易火炎放射器にします
無駄な筋肉は消毒でございます!
アドリブ・掛け合いドンとこいでございます
音取・ゼラ
これは確かにギリシャ神話のヘパイストスとは別物よな
そもヘパイストスもローマ神話のウルカヌスも武勇の逸話を持たず戦士ではないはずである
ウルカヌスの名を持ちながら神話に語られるウルカヌスではない。オブリビオン以前に貴様は何者であるか?
ウルカヌスが黄金の鎧を纏ったら即座に空中に浮かび距離を取るのだ
鋼と炎の神よ、聞くがいい!
余は天空神にして神々の王ゼウスの転生!ヘラの呪いで性別が変わろうと前世の記憶が曖昧だろうとそれは変わらぬ!余は神王として貴様を降してみせよう!
さぁ!余と貴様の権能、どちらが上か試してみようか!
余の矛たる【神王の雷霆(ケラウノス)】と貴様の盾たる神の鎧!共に無敵を誇る矛盾対決である!
ミルケン・ピーチ
POWで行きましょう
金色に輝く鎧、ですか
鎧を信奉するのなら配下にビキニとかブルマとか与えたのはなぜです?
実は鎧よりそういうコスチュームの方が好きなんじゃないですか?
もしかしてその鎧の下は、ビキニとブルマをつけてるんじゃ…
とめちゃくちゃなことを言って【言いくるめ】
少しでも鎧に疑念を持ってくれたら幸いです
こちらの攻撃としては、その巨体に【ミルケンインパクト】
ダメージの多くは軽減されてしまうでしょうが、少しでも敵をずらせたら
「やっぱり無敵じゃないですね」とさらに鎧に疑念を持たせつつ、【グラップル】で掴んで【怪力】で地面に叩きつけます
鎧の分重いから勢いも増すでしょう
そのまま自重で潰れてしまいなさい!
「この私が、これしきの事で倒れると思うてか!」
手傷を負いつつも吠える鋼神の姿へ、陽華は密かに呻いた。
「また……またしても、マッチョ……。わたくしとしては、ブルマリオンと、ブルマを脱がせたり履かせたりしたかったのでございますが……」
口からこぼれる願望には、これそういう依頼じゃないからとしか言いようがない。あくまで主目的は、目の前の鋼神の撃破なのだ。
「これは確かにギリシャ神話のヘパイストスとは別物よな」
一方で、ゼラもまた鋼神の姿には思うところがあったらしい。
「そもヘパイストスもローマ神話のウルカヌスも武勇の逸話を持たず戦士ではないはずである。ウルカヌスの名を持ちながら神話に語られるウルカヌスではない。オブリビオン以前に貴様は何者であるか?」
「何を訳の分からぬことを言っている!」
訝しんで問いかけるも、ウルカヌスもまた訝しみつつ吠え。
「その神話と言うのは別の世界の話なのでは?」
少し考えてから口を開いたのは、ミルケンだった。ゼラの認識と現実に矛盾が生じたなら、正しいのは現に存在するウルカヌスの方であろうが、ゼラが別世界の神話を元に差異を訝しんでいるとするなら、辻褄はあう。
「なるほど、疑問は氷解した。ミルケン、感謝するぞ」
「ええい、貴様ら何をごちゃごちゃと話している!」
ゼラからすれば疑問を払しょくされ、スッキリしたことだろうが、置いてきぼりをくらって放置されていた鋼神は然にあらず。まして、目の前にいるのは敵なのだ。いきり立ちつつも金色に輝く『神の鎧』を想像から具現化させて纏い。
「金色に輝く鎧、ですか。鎧を信奉するのなら配下にビキニとかブルマとか与えたのはなぜです?」
今にも飛び掛からんがばかりのウルカヌスに、ミルケンは問いを発す。
「っ、誰がそんなモノを与え……っ」
否定しようとして言葉に詰まったのは、心当たりがあったからか。今回の戦いに限定するのであれば、ブルマの戦闘員達には鎧がいきわたっておらず、マスター・ビキニアーマーのビキニアーマーも神鋼の鎧ではなく自前のビキニアーマーだったと思うので完全に言いがかりなのだが、以前部下のオブリビオン側の要望でその手の形をした神鋼の鎧を用意したことがあったのかもしれない。
「実は鎧よりそういうコスチュームの方が好きなんじゃないですか? もしかしてその鎧の下は、ビキニとブルマをつけてるんじゃ……」
言葉に詰まったのを好機にミルケンは鋼神を言いくるめるべく言葉を重ね。
「な、何を言う! 私は――」
「しかし、その鎧、重いのではございませんか? 例えば、水中に引きずり込まれたら、2度と浮かび上がれないのでは?」
反論へ被せる形で今度は陽華が不安をあおってゆく。
「それに、鎧といっても関節部などに隙間もありますし、そこを狙われればひとたまりもないのでは?」
「うぐっ、言いたい放題言いおって!」
二人がかりで色々言われれば、疑念の種になるモノはあったようで鎧の色がくすみ輝きも鈍るが、ウルカヌスとてただ言われるままではなかった。
「離れよ、二人とも!」
気づいたのは、鋼神が黄金の鎧を纏った時点で空に浮かび距離を取っていたゼラが一番早かった。鋼神の両腕が再び赤熱し形を失って伸び始めていたのだ。
「「あ」」
鋼神ウルカヌスは先制攻撃を行い、これをしのげなくては、攻撃の機会も得られず返り討ちと言うこともありうるとは説明されていたこと。これから攻撃されるのだと気づいた二人は、慌てて距離を取ろうとし。
「遅いわっ!」
「きゃああっ」
まずミルケンが黄金の鎧に身を包んだウルカヌスのタックルで吹っ飛び。
「くっ、鋼と炎の神よ、聞くがいい! 余は天空神にして神々の王ゼウスの転生!ヘラの呪いで性別が変わろうと前世の記憶が曖昧だろうとそれは変わらぬ! 余は神王として貴様を降してみせよう! これぞ世」
気を逸らそうと声を張り上げたゼラはそのまま想像から雷霆ケラウノスを創り出そうとするも。
「貴様もだ」
「な」
一気に伸びてホースからぶちまけられるように広がった超高熱の液体金属が雷霆ケラウノスの完成よりも早くゼラを捉え、悲鳴ごと呑み込んだ。
「はっ、はっ」
「どうしたどうした、威勢が良かったのは先ほどまでか」
呼吸も荒くひたすら逃げ回っている陽華がもう一方の腕と同じ液体金属と化した鋼神の腕に捕まってしまうのは、もはや時間の問題であり。
「ぜえ……ぜえ……」
「鬼ごっこはこれで終いだ」
足の鈍ってきた陽華を追う腕はそのままに、ウルカヌスは陽華へ歩み寄る。
「っ、鎧は熱によわいでございます」
とっさに陽華が出したのは、殺虫剤とライター。簡易な火炎放射器としてそれを用いようということなのだろうが。
「鋼と『炎』の神にそれでどうするというのだ?」
「あ」
勝利を確信した余裕かゆっくりと歩み寄りながらかけた問いに、陽華が思わず声を上げ。
「もうよいわ、仲間の後を追うがいい」
動きの止まった陽華をゼラの時同様に液体金属になった腕が呑み込み。
「ふん、たわいのない」
鋼神は鼻を鳴らすとポツリとつぶやき。
「まだです」
その背に声をかける者が居る。
「貴様は……真っ先に倒したはず」
「陽華ちゃんのおかげでもありますけれど、やっぱり無敵じゃないですね、その鎧」
驚愕に目を見開くウルカヌスだが、ボロボロになりながらもミルケンが立ち上がれた理由は至極単純、鋼神が神の鎧の力に疑念を抱いたことで、タックルの威力が大きく削がれていたのだ。
「そ、そんなことは……そんな筈が」
現にミルケンを倒し損ねたことでウルカヌスは狼狽し。
「行きましょう」
呼びかけたのは、致命傷に至る前に転送されてこの場には居ない二人の仲間。
「ぽよぽよお肉で飛んでっちゃえ! ミルケンインパクト!」
強く地を蹴って豊かな胸からぶつかってゆくミルケンは左右に半透明のゼラと陽華を伴い。
「馬鹿な、こん、ぐあああっ」
ぶちかましに跳ね飛ばされて今度はウルカヌスが宙に舞うも、それで終わらない。
「がっ」
地に落ちた鋼神を追いかけたミルケンは仰向けに倒れたウルカヌスの足を掴むと怪力に任せてその体を持ち上げ。
「鎧の分重いから勢いも増すでしょう」
「おのれ、こ」
「そのまま自重で潰れてしまいなさい!」
最後まで言い終えることも許されず地に叩きつけられた鋼神は骸の海へと還り始めるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴