●
ヒーローズアースで繰り広げされた『アースクライシス2019』。
クライング・ジェネシスを撃破したことで、猟兵、ヒーロー達の勝利に終わった。
終結までの間に、数々の戦場で策を講じていたジェネシス・エイトを6体までは討伐できたが、残念ながら2体がほとんど交戦できず、撃破には至らなかった。
戦争終盤から終結後、「儀式魔術【Q】」によってジェネシス・エイトを追跡したところ、生き残っているジェネシス・エイト2体の居場所を突き止めることができた。
そのうちの1体、鋼神ウルカヌスはヒーローズアースの知られざる文明の各所に現れているようだ。
「戦争には敗北したが、まだ終わったわけではない」
彼は自らの鋼と炎の神力で神鋼兵団を再編し、大規模な反撃作戦に出ようと目論んでいるらしい。
「レディ・オーシャンも当てにはならぬ。私に忠実な戦力を増やして、再起をはからねばな」
ウルカヌスはその為にしばらく身を隠し、戦力の増強に努めるのである。
●
グリモアベースでは各世界の状況の進展もあり、先月の戦闘時ほどではないが、忙しなく動き回る者も少なくない。
依頼を探す猟兵を見つけ、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が声をかける。
「年の瀬で忙しいタイミングだろうけれど……、依頼をお願いできるかしら?」
猟兵達が話を聞く態勢に入ったことで、彼女は笑顔で握手し、嬉しそうな表情を見せた。
ただ、セレインはすぐに表情を一変し、真剣な眼差しでメンバー達を見つめて。
「討伐をお願いしたいのは先の戦争の生き残り、ジェネシス・エイトの1人、鋼神ウルカヌスよ」
原初の鋼と炎の神である彼は先の戦争終盤、自らの聖域で猟兵達を待ち受けていた。
戦争を生き残った彼はオブリビオン陣営として敗北こそ喫したものの、再起をかけるべく兵団を再編しようと動いているようだ。
「そんなこと、許すわけにはいかないわ」
幸い、【Q】によって、グリモア猟兵がその潜伏先を予知することができる。
セレインは、敵がセンターオブジアースの街外れにある遺跡にいることを突き止めていた。
遺跡は太く大きな柱が立ち並ぶドーリア式とも言われる建築様式を思わせる建物だ。ドーリア式はパルテノン神殿などがその代表例である。
「その手前に、警備として『雷矢のラビラント』の集団が控えているようね」
見た目山羊のようだが、上半身は獣人のような姿で、弓を武器とするバイオモンスターだ。
それらを倒した後、遺跡内部へと突入すると、『悪堕ち魔法少女・ユカリ』が待ち受ける。
「オブリビオンとなったこの少女は、ウルカヌスから与えられた『神鋼の鎧』を着用しているわ」
聖地外での戦いとあって完全無敵の鎧ではないが、それでも高い耐性を持つ鎧だ。
どうやらこの鎧は腹部が開いているようなので、そこを狙って攻撃していきたい。
「ユカリを退ければ、あとはウルカヌスとの戦いよ」
鋼神ウルカヌスは他のジェネシス・エイトと同様に先制攻撃を仕掛けてくるので、しっかりと対処してから反撃に出たい。
今回倒しても、ウルカヌスは復活するものと思われる。
だが、幾度も討伐することで、ウルカヌスを完全に滅ぼすことができ、「神鋼兵団」の製造計画も阻止されるはずだ。
「どうか、ウルカヌスの撃破に助力を。よろしくお願いするわ」
セレインは改めて、説明を聞いてくれた猟兵達にこの討伐依頼の参加を募るのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
『アースクライシス2019』を生き延びた鋼神ウルカヌスがセンターオブジアースに出現することが予知されましたので、討伐を願います。
第1章は、暗黒面『雷矢のラビラント』との集団戦です。
第2章は、『悪堕ち魔法少女・ユカリ』とのボス戦。
第3章は、『鋼神ウルカヌス』とのボス戦です。
まずは、古風な建物が並び立つセンターオブジアースの街の外れ、戦力を増強しようとウルカヌスが立てこもる神殿跡へと襲撃を願います。
入り口付近で、『雷矢のラビラント』の集団との交戦。
神殿に入ってすぐ、「神鋼の鎧」を着用した『悪堕ち魔法少女・ユカリ』との交戦。
撃破後、奥にいる『鋼神ウルカヌス』との交戦。必ず先制攻撃をしてくるので、対策の上でプレイングを手掛けていただきますよう願います。
第1章は15日の執筆を予定しています。
(12日にプレイングをお送りした方が16日失効ですので、その前には執筆完了します)
15日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章も公開後、加筆を致します。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 集団戦
『暗黒面『雷矢のラビラント』』
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POW : 暗黒に堕ちる雷雨
レベル×5本の【闇と雷】属性の【心の闇を増幅させ暗黒面を解き放つ矢】を放つ。
SPD : 神と金を屠る者
自身の装備武器に【【神】と【機械】に対して非常に強い特攻】を搭載し、破壊力を増加する。
WIZ : 迷宮を冠する一面
自身からレベルm半径内の無機物を【触れると感電する雷の通路】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:うぶき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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ヒーローズアースの知られざる文明。
その一つ、地下に広がるセンターオブジアース。
ここは、神々が住まう「地球の中心」であり、燃え盛る不死の怪物がくべられた、絶え間なき炎と生命力に溢れた場所だ。
神ばかりが住むこの地は古風な文明が多く、今なお住居はそのまま使われることも多い。
地上では古代文明とも言われるような建築様式でも残っていることは珍しくなく、単なる空き家が遺跡を思わせるような状況となっていることも珍しくない。
町はずれにある遺跡……この地の神にとっては空き家の認識かもしれないが……に最近とある一団が現れたようだ。
古代ギリシャの宮殿を思わせる建物。
その手前の広場に、全長2mを超える4つ足の獣人達が控えていた。
「……どうやら、猟兵に気づかれたようだな」
そいつらはメンバーの接近を受け、遺跡の入り口を塞ぐように集団で現れる。
彼らの名は、暗黒面『雷矢のラビラント』。
山羊の獣人の上半身に、山羊の胴体を持つバイオモンスターである彼らは本来、悪の組織【暗黒面】の手先だ。
だが、彼らは現状、鋼神ウルカヌスに付き従い、兵団を増強する間の守りに当たっている。
「これ以上、進むのであれば、我らも容赦はせん」
それぞれが弓を引き、こちらを狙う。
ラビラント達は神、機械に特攻効果のある矢を放ってきたり、闇や雷の属性矢で射抜いた相手を暗黒面に堕とそうとしたりしてくる。
また、遺跡を構成する柱や床などの石材の一部を操り、雷の通路として自らの矢の威力を高めようとすることもあるようだ。
「引かぬか、ならば行かせてもらう」
疾走を始めるラビラント達は弓を引き、猟兵達へと攻撃を仕掛けてくるのである。
(※プレイング受付は、12月15日8時30分までの予定です。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
異国情緒あふれる遺跡じゃな。
あの残党共を懲らしめた後にゆっくり見て回るかのう。
その為にも手早く事を済ませるか。
さてお主ら、わしの行く手を遮るなら容赦はせぬぞ?
この先に用があるでな、押し通らせて貰うのじゃ。
(野生の勘・動物使い・属性攻撃・騎乗・見切り・誘導弾使用)
【巨狼マニトゥ】に騎乗し、近接戦闘と回避はマニトゥに一任。
敵群を突破しつつ、風を孕んだ誘導する矢の騎射で対抗するのじゃ。
『雷矢のラビラント』の攻撃に対しては、野生の勘を研ぎ澄まし攻撃を見切って回避、更に【風の精霊は防ぐ】を発動し風の障壁を発生させて当たりそうな攻撃は弾くとするかの。
マニトゥ!このまま突破するのじゃ!
亜儀流野・珠
戦争の時ほど長くは潜めなかったようだな!
さあ猟兵が企みを潰しに来たぞ!道を開けて貰おうか!
ほう、弓か!俺少し興味有るんだよな。
使い方参考にしながら倒すとしよう!
射る瞬間の動きに注目しつつ【見切り】して回避、もしくは木槌「砕」で受ける!
ふは、的が小さいと当たらんだろう!
ついでに弓使いの観察もさせて貰おう!
だがその雷の通路とやらは参考にはならんし邪魔だな。
近くに寄れたなら「砕」で、遠いなら奥義「焔弾」の爆風で破壊させて貰おう!
ついでに床も撃ち破壊、通路の材料の供給を断つ!
そしてその砂煙に紛れ今度は敵本体も撃つ!
焔に貫かれ、爆風に吹き飛べ!
遺跡はまあ少し壊すが……壊しすぎんよう気を付けよう!
●
ヒーローズアースには様々な知られざる文明がある。
例えば、この世界の地下深くに存在するセンターオブジアース。
地底には、今なお神が住まう古き文明などの影響を色濃く残す町並みが残っている。
この地域にはどうやら、古代ギリシャの建築様式などが残っており、街を歩けばそれらしき神々の姿も見受けられた。
ただ、そんな街をのんびり見ているわけにもいかない。
猟兵達が向かったのは、その街の外れ。
そこにも、ドーリア式と思われる石造りの遺跡が残っていた。
かなり大きな建物だが、場所が悪いのだろう。住む者は長らくいないと近隣住民である神達はこの地に向かう猟兵達へと告げていたのだが……。
「異国情緒あふれる遺跡じゃな」
金髪褐色のキマイラ、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は、オブリビオン残党を懲らしめた後にゆっくり見て回るつもりらしい。
その為にも、手早く仕事を……遺跡内部にいる鋼神ウルカヌスを片付けたいとエウトティアは考える。
「戦争の時ほど長くは潜めなかったようだな!」
小柄な妖狐の少女、亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は、その建物へと周囲にこだますほどの大声で叫びかける。
「さあ、猟兵が企みを潰しに来たぞ! 道を開けて貰おうか!」
珠の声を聞いてか、建物内や物陰から多数のバイオモンスター達が行く手を阻む。
「……どうやら、猟兵に気づかれたようだな」
それは、山羊の頭がついた人を思わせる上半身を持ち、腰から下は完全に山羊の胴体となっている。
全長2mを超える大柄な体躯の者達、暗黒面『雷矢のラビラント』の集団だ。
「これ以上、進むのであれば、我らも容赦はせん」
彼らは矢を射かけて弓を構え、やってきた猟兵達を牽制する。
この場の守護を請け負っていると思われる彼らは、近づくなら容赦はしないといった態度だ。
だが、建物内の奥にいる者に用がある以上、猟兵達もはいそうですかと引き下がるわけにはいかない。
「ほう、弓か! 俺少し興味有るんだよな」
珠は倒すことは前提としながらも、弓の使い方を参考にしながら倒すことにしようと、自信ありげな態度。
「2度は言わん。攻撃を開始する」
そんな彼女をラビラント達は鋭く睨みつけ、二つ名をそのまま表すように彼らは雷の矢を放ってきた。
「さてお主ら、わしの行く手を遮るなら容赦はせぬぞ?」
用事の為に押し通させてもらうと、エウトティアは巨狼マニトゥを呼び出して【騎乗】し、ラビラントの群れへと疾走していくのである。
●
エウトティアも珠も亜人のビーストマスターだが、ラビラント達は神と機械に対する特攻効果を付与した雷矢を射かけてくる。
特攻こそ彼女達には効果はないが、それでも矢の破壊力が増すことは変わりない。
彼らが一斉に矢を射放つと、周囲は瞬く間に矢の雨が降り注ぐ。
そんな中、マニトゥに乗って疾走するエウトティアは【野生の勘】を研ぎ澄まして回避に当たる。
「風の精よ、全ての悪意から彼の者を護れ!」
さらに、彼女は風の障壁を発生させ、命中しそうな矢を弾いていく。
その上で、エウトティアは風の【属性を纏う】【誘導する】矢を騎射し、遠距離から敵を間引こうとしていた。
一方、珠は相手が射る瞬間の動きに注目し、【見切って】回避に動いていた。
「ふは、的が小さいと当たらんだろう! ついでに弓使いの観察もさせて貰おう!」
飛んでくる矢を珠は木槌『砕』で受け、大きく振りぬいて破壊していく。
彼女は後学の為に矢を射かける敵を注視はするが、実際に近づいていくのは、【迷宮を冠する一面】を使うラビラント達の方だ。
そのユーベルコードは、周囲の岩や遺跡の石材を雷の通路へと変換する。ラビラント達は前方へとトラップのように設置し、珠の行く手を阻もうとしていた。
「雷の通路とやらは参考にはならんし、邪魔だな」
距離もあって珠は拳を向け、超圧縮した狐火の弾丸【焔弾】を発して爆風を起こして、雷の通路を破壊しようとする。
ついでに地面にも焔弾を飛ばし、通路の材料の供給源を断ちながらも砂煙を巻き上げ、彼女は接敵するのだった。
ラビラント達は2人の猟兵を仕留めようと雨のように雷矢を飛ばすが、接敵してくる彼女達を仕留められずにいた。
「撃て、必ず仕留めろ!」
ラビラントの1体が大声で叫ぶが、いつの間にかエウトティアを乗せたマニトゥが迫る。
巨狼はラビラントへと爪でなぎ払い、その巨体を倒していく。
「マニトゥ! このまま突破するのじゃ!」
司令塔らしき敵を倒したエウトティアは全てを倒すことはせず、戦場を駆け抜けていった。
砂煙に紛れた珠も敵に近づいて。
「焔に貫かれ、爆風に吹き飛べ!」
彼女は直接敵の1体へと焔弾を撃ち込む。
燃え上がるそいつを中心に爆風が巻き起こり、近くの遺跡の柱や地面を巻き込むように破壊する。
「この程度なら、大丈夫だろう!」
遺跡を壊しすぎないようにとは考えていた珠だったが、許容範囲と捉える。
彼女もまた爆風に吹っ飛ばされた敵の間を通り抜け、遺跡内部へと入っていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
(※現在、執筆状況が停滞している為、随時受付に切り替えました。受付から1日以内を目途に、タイミングの良いときに執筆させていただきます)
木常野・都月
遺跡に引きこもる神様退治か…
負けを認めて大人しくしてるならともかく、再起しようとしてるならやめさせないと。
まずは部下の山羊っぽいオブリビオンを倒したい。
UC【雷の足止め】を使用、少しでも多く足止めしたい。
あとは[範囲攻撃、地の属性攻撃]で確実に数を減らしていきたい。
動きが悪くなっている敵なら、手早く倒せるはず?
敵のUCは[野生の感、第六感]を使用し、必要があれば[オーラ防御]を使用したい。
野生の山羊とは違うだろうけど…山羊は見た目に反して、割と獰猛な生き物。
油断は禁物。
緊張感を持って対処したい。
●
続いて遺跡前へと姿を現したのは、森で育った黒髪妖狐の青年、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)だ。
「遺跡に引きこもる神様退治か……」
都月も先日の戦争において、鋼神ウルカヌスと直接交戦している。
退けはしたものの、ウルカヌスは目の前の遺跡で戦力増強に当たっているという。
「負けを認めて大人しくしてるならともかく、再起しようとしてるならやめさせないと」
その為にも、目の前にいる山羊っぽいオブリビオン……ラビラントの群れを倒しておきたいところ。
「また来たか、猟兵……!」
「その体、雷矢で貫いてくれようぞ」
こちらを睨みつけ、弓を構える敵を都月は注視した。
山羊は見た目に反して、割と獰猛な生き物。
「野生の山羊とは違うだろうけど……」
油断は禁物だと彼は気を強く持ち、緊張感をもって構えを取る。
「食らえ、猟兵……!」
ラビラント達は、遺跡の柱や地面に雷を纏わせて飛ばしてきた。
飛距離はさほど伸びず、都月の手前に落下していくが、それらは雷の通路とって彼の進行方向へと設置される。強引に突破しようとした者を、強力な電流で苛む障害物といったところだ。
自らの【直感】に従い、一度飛び退いて距離を取った都月は素早く敵陣へと掌を突き出して。
「雷の精霊様、足止めを!」
眩い光と共に発した高圧電流が前方の雷の通路を破壊し、後方のラビラント達の足を止めていく。
すでに、この場を通り抜けた猟兵達が傷つけた敵も少なくない。体に電撃を駆け巡らせて敵複数体が崩れ落ちてしまう。
「相手は1人だ。全力で阻止しろ!」
なおも、雷矢や雷の通路を飛ばしてくるラビラント達。
【オーラ防御】を纏ってそれらを防ぎつつ、都月は『エレメンタルロッド』で地面へと衝撃を与える。
彼はただ地面を殴りつけたわけではなく、【地属性の一撃】を地面に打ち込むことで地面に与えた振動を【広範囲】の敵へと浴びせたのだ。
「なにっ!?」
「ぐおおおおっ……!!」
これには4本足で立つラビラントとはいえ、バランスを崩して転倒する者もちらほら。中には気絶し、起き上がらぬ敵もいた。
電流と振動波を受けた敵が倒れたことにより、遺跡の入り口を守っていたラビラントの数は半数以下にまで減ってきていた。
成功
🔵🔵🔴
メンカル・プルモーサ
さてと…予め集めておいたこの情報を元に……遺跡外から内部への壁が薄い所へ移動…
【尽きる事なき暴食の大火】によって遺跡の側面を掘り進み内部へと侵入…
…そして、心理隠密術式【シュレディンガー】を使ってラビリント達への後背にひっそり忍び寄り…
…外とドンパチしているラビリントに向けて重奏強化術式【エコー】で多重強化した【尽きる事なき暴食の大火】を叩き込むよ…
…そのままこちらに対応しようと雷の通路を作ったならそれごと大火で燃やして…攻撃続行だね…
…こちらに全力で対応するなら今度は外からの攻撃が「背面」となるわけで…数が減った状態で耐えられるかな…
●
続き、遺跡前へと歩いてきたのは、銀髪ウェーブヘアに眼鏡着用のメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。
「さてと……、予め集めておいたこの情報を元に……」
ただ、彼女は堂々とラビラント達の前に姿をさらしていたわけではない。
仲間達が交戦している間に、遺跡の外から内部の壁の薄い場所を見定め、ユーベルコードを使っていた。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ」
メンカルのユーベルコード【尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)】は地面も壁も遺跡の石材も、如何なる存在も燃料にすることができる。
そうして、彼女は遺跡の側面を掘り進み、遺跡内へと潜り込んでから『心理隠密術式【シュレディンガー】』を使う。
ラビラント達の注意が遺跡の外に向いているのを利用し、メンカルはそっと敵の後背にひっそりと忍び寄って……。
「汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
重奏強化術式【エコー】を使って多重強化しつつ、彼女は先程燃料とした物を一気に白い炎として燃え上がらせた。
「な、なんだと!?」
「おあああああああああっ!!」
連戦で消耗していたラビラント達数体が炎に包まれ崩れ落ちていく。
ただ、数体は炎から逃れており、背後のメンカルに向けて遺跡の石材を使って雷の通路を使ってくる。
「いつの間に後ろへ……!」
正面から堂々とやってくる相手ならば、ラビラントもトラップの類としてそれらを設置しただろう。
ただ、後方にいるメンカルはすでに侵入者。彼らにとっては全力で排除すべき対象だ。
ならば、直接それらを叩きつけてくるのは当然と言える。
メンカルもそれらを白い炎で迎撃して。
「……攻撃続行だね……」
全力で応戦してくるラビラント達。
今度は外からの攻撃が「背面」となり、雷矢や雷の通路がメンカルへと飛んでくる。
「……数が減った状態で耐えられるかな……」
しかしながら、外からは都月が。すでに遺跡へとたどり着いていたエウトティアと珠が援護してくる。
何とかなりそうだと感じたメンカルは後方の憂いを断つべく、再度ラビラントへと白い大火を放つのだった。
成功
🔵🔵🔴
クラウン・アンダーウッド
動物は好きだけど残念なことに可愛くはないなぁ。山羊は皮も肉も秀でた点はないから回収は考えずに黙々と始末しますか。
今回はボク一人でいこうか。からくり人形達では相性が悪そうだ。
防御力を強化して複製した器物を、自身の周囲に展開させて戦場のあらゆる情報を収集して掌握する。
情報を元に矢の攻撃は展開した器物を角度をつけて連続で反らし相手に返るようにする。
数が多すぎる場合は両手に装備したガントレットで攻撃を受けて迎撃するか空中を踊るように移動して回避する。
返す矢や投げナイフによる牽制で相手の動きを制限して接近。怪力を以て相手の頭を潰す。
ボクの曲芸は楽しんで頂けたかな♪
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
さてさて、アンタらが先触れか。
どうせなら、ウルカヌスのおっさんに伝えとくれよ。
「アンタを還すものが来た」ってね。
あん?「どうせ」って言葉の使い方が違う?
まあそりゃそうだねぇ。
……アンタらを逃す気は、さらさらないんでね!
機械を狂わすってんならカブはお留守番さ、
アタシのサイキックで真っ向勝負!
電撃の『属性攻撃』とアンタらの雷の矢、
どちらが鋭いか勝負だよ!
周囲の遺跡の『地形の利用』ができる場所を探し、
壁に矢を刺させるように逃げ回る。
頃合いを見て、不敵に微笑み。
【黄泉送る檻】で一気に山羊共に引導を渡してやる!
音取・ゼラ
アスナと参加である
アスナは今世での従姉妹で何時か押し倒したいのである。メッチャ嫌われてるであるが
ほぅ、雷を操る山羊か
天空神の眷属であるな。山羊は太古から家畜として人類に親しまれていた故、宗教や神話に関わることも珍しくはない
地母神や天空神などと関わりがあるが、雷と弓を操るということは遊牧民が主に信仰していた天空神と結びついた例であるかな?
む?誰も神話講義など聞いてないとな?
ともあれ、雷には雷で対抗するのである!
天を焦がし地を灼け!【神王の雷霆(ケラウノス)】よ!
ふははっ!余こそ天空神にして神々の王、ゼウスの転生である!
雷の扱いで余に勝てると……あっ、その神特攻は使わせる前に倒すである!?
宝城・アスナ
音取ゼラ(f24198)と参加
ゼラは前世では関わりは関わりは多分無いが今は従姉妹なのじゃ
だが妾はゼウスと呼んでいて出来れば関わりたくないぐらい嫌いなのじゃ
だってゼウスじゃぞ?地母神征服しまくって強大化した神の代表格じゃ、従姉妹でなければ顔も見たくない、今の妾も狙っておるしの!
ゼウスの蘊蓄というか妄言を聞き流してさっさと戦闘に入るのじゃ
闇と雷の暗黒面を解き放つ矢か
ぬ?地母神が征服され零落して怪物に墜ちた、豊穣等の神らしい側面を奪われた妾は邪竜という地母神の暗黒面そのものでは?
まぁそれでも素直に受けるつもりはないのじゃ。【邪竜の息吹(ドラゴンブレス)】で迎撃じゃ
妾の神ではなく邪竜として焔を受けよ!
●
ラビラントが半数以下にまで減ってきていた中、さらに4人の猟兵が現れる。
「さてさて、アンタらが先触れか」
ワイルドさを感じさせるウェーブヘアの女性、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)がこの場のラビラント達へと言い放つ。
普段、宇宙バイクを駆る彼女だが、相手の矢は機械に特攻効果がある為、今回は御留守番とのことだ。
「どうせなら、ウルカヌスのおっさんに伝えとくれよ。『アンタを還すものが来た』ってね」
「どうせなら? ……報告は貴様らの殲滅のみだ」
ラビラントの反応に、多喜は口元を吊り上げて両腕にサイキックの雷を生み出しつつ叫ぶ。
「まあ、そりゃそうだねぇ。けど……アンタらを逃す気は、さらさらないんでね!」
真っ向勝負を仕掛けるべく、彼女は正面から敵へと向かっていく。
その多喜の後ろから、赤髪のヤドリガミの青年クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)が敵の姿をじっと見つめていて。
「動物は好きだけど、残念なことに可愛くはないなぁ」
ラビラントの全身はもこもこしてはいるのだが、印象としてはいかつさの方が勝る。
「回収は考えずに黙々と始末しますか」
山羊は皮も肉も秀でた点はない。クラウンはそう考え、弓を構えるラビラントへと仕掛けていく。
「今回はボク1人でいこうか」
クラウンも自身が操るからくり人形では、分が悪いと判断していたようだ。
「新手が来たぞ」
「く……」
ここにきて、4人の猟兵の出現に、ラビラント達もかなり辛そうだ。
クラウンはユーベルコード【錬成カミヤドリ】を使い、この場に、防御力を強化して複製した器物……自らの本体である懐中時計を展開していく。
【機械】に対して、特攻を持つ矢を如何にして攻略するか。
クラウンは器物で雷の矢を受け止めながらも【情報を集め】、できる限りこの遺跡前の戦場について把握する。
戦場に転がる遺跡の石材、仲間が遺跡内に向けて穿った通路。
それらの情報を元にしつつ、クラウンは展開した器物に角度をつけていく。
矢は複数の器物によって反らされ、ラビラントへと返って。
「何……?」
崩れ落ちていくラビラント。その数も減っており、飛んでくる矢の頻度はかなり低くなっている。
クラウンは防御回避も考えていたが、そのまま攻撃を続けることにしていた。
一方で、先に出ていた多喜は敵の攻撃の的となっていて。
「電撃の『属性攻撃』とアンタらの雷の矢、どちらが鋭いか勝負だよ!」
先程の戦いで、ラビラント達は遺跡の床や柱などの石材を雷の通路へと変えて設置していた。
解除されて周囲に転がっていた【石材を利用】した多喜は【矢を防ぎながらも逃げ回り、ユーベルコードを使う好機を待つのである。
●
そして、もう2人はペアで参加、いずれも神と呼ばれる少女達だ。
「アスナ、今度相手をしてほしいのである」
頭に天使の輪を浮かべる黒衣の少女、音取・ゼラ(自称ゼウスの生まれ変わり・f24198)は戦場であってもじっと従姉妹を見つめ、真顔で直情的に自らの感情を伝えようとする。
「……近寄らないでほしいのじゃ」
ただ、頭に角と腰部広報から尻尾を生やす金髪少女、宝城・アスナ(ママは地母神系ロリドラゴン・f23933)は露骨に嫌がる態度を見せて。
(「前世は知らぬが、今は従姉妹なのじゃ」)
ゼラは前世がゼウスだと自称しており、アスナもそう呼んでいる。
ゼウスと言えば、地母神を次々に征服して強大化した神の代表格。
それもあって、従姉妹ではあるが顔も見たくないというのがアスナの本音だ。何せ、今の自分も隙あらば、押し倒そうとしているのだから。
「ほぅ、雷を操る山羊か。天空神の眷属であるな」
すでに猟兵が交戦を始めたラビラントを眺めつつ、ゼラは語り出す。
山羊は太古から家畜として人類に親しまれていた為、宗教や神話に関わることも珍しくはない。
「地母神や天空神などと関わりがあるが、雷と弓を操るということは、遊牧民が主に信仰していた天空神と結びついた例であるかな?」
「…………」
「む? 誰も神話講義など聞いてないとな?」
そんなゼラの蘊蓄というか妄言を聞き流し、アスナは交戦すべく敵陣へと駆け出していく。
「闇と雷の暗黒面を解き放つ矢か」
ラビラントが飛ばす矢を見たアスナは思う。
地母神が征服されて零落し、怪物に墜ちたことで、アスナは豊穣等の神らしい側面を奪われた。
「今の妾は、邪竜という地母神の暗黒面そのものでは?」
自らの存在を自覚した彼女は、自分が敵の雷矢に大きく影響を受けるのではないかと推察していた。
「ともあれ、雷には雷で対抗するのである!」
ゼラもまた、ユーベルコードによってこの場に無敵の雷霆ケラウノスを創造して。
「ふははっ! 余こそ天空神にして神々の王、ゼウスの転生である!」
「奴らは神だ。我らの矢なら十分倒せるはずだ!」
ラビラント達は2人へと狙いをつけ、雷矢を射放つ。
「雷の扱いで余に勝てると……あっ、その神特攻は使わせる前に倒すである!?」
慌てるゼラの後ろで、アスナは大きく息を吸い込んで。
「まぁ、素直に矢を受けるつもりはないのじゃ。……妾の神ではなく、邪竜として焔を受けよ!」
口から邪竜のドラゴンブレスを吐き出し、放たれた雷矢ごとラビラント達を纏めて燃やしていく。
「……天を焦がし、地を灼け! 【神王の雷霆(ケラウノス)】よ!」
ゼラも気を良くし、一気にケラウノスでラビラント達を蹴散らしていく。
アスナの炎とゼラが操るケラウノスによって、残るラビラントが数を減らす中、多喜は頃合いだと判断する。
不敵に微笑んだ彼女は、狙った複数のラビラントへと電撃を巡らせて。
「ashes to ashes, dust to dust, past to past……」
多喜の唱える聖句によって、それらは一気に力を増幅させる。
「収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
その檻はラビラント達の体に高圧電流を流し込んでいく。
「「ぐああああああああああっ!!」」
巨躯のラビラントの身体が焼け、1人、また1人と倒れる。
気づけば、残る敵も数えるほどになっていた。
先程使った返す矢だけでなく、クラウンは投げナイフで牽制攻撃を仕掛けつつ接近して。
「ボクの曲芸は楽しんで頂けたかな♪」
そして、拳を振り上げ、クラウンは残っていた最後のラビラントの頭を【怪力】で潰してしまったのだった。
全てのラビラントの撃破を確認した猟兵達。
後方の憂いを完全に断った彼らは、鋼神ウルカヌス討伐の為、遺跡内部へと踏み込んでいくのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『悪堕ち魔法少女・ユカリ』
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POW : 出てきて!私の秘密兵器!
いま戦っている対象に有効な【相手の自由を奪うマジックアイテム】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : これが私の研究成果ですよ!
【体を痺れさせる「痺れ薬」】【あらゆる物を凍らせる「凍結薬」】【意識を奪う「麻酔薬」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 私のコレクションにしてあげますね!
【魔法のステッキ】から【生物を石に変える魔法の光】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:水城こさめ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「水野・花」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ラビラントの群れを討伐した猟兵達。
彼らは遺跡内部へと突入し、奥にいるはずの鋼神ウルカヌスの元を目指す。
遺跡内部は、多数の太く白い柱が距離を置いて平行に立ち並ぶ。
天井は見上げてなお高く、バイオモンスターやウォーマシンが全力で跳び上がったとしても邪魔にはならなさそうだ。
正方形のタイルが敷き詰められた床の上を猟兵達は走り、遺跡内を奥へと進む。
「待ってください!」
その行く手を塞ぐように立ちはだかったのは、いかにも魔法少女といった見た目の少女。
大きなツバ付きの黒いとんがり帽子。セーラー服の上からは黒いローブを羽織り、長い魔法のステッキを手にしている。
彼女の名前は、魔法少女・ユカリ。
元は正義の魔法少女として名を馳せており、石化、凍結、麻痺など自由を奪う魔法を得意として、ヴィランを討伐していた。
ところが、その能力に目を付けた人身売買などを行う悪人にそそのかされ、彼女は悪に……ヴィランへと堕ちてしまった。
その後、ヒーローによって討伐されたようだが、オブリビオンとなったユカリは自らの欲望を満たす為に活動を続けている。
「可愛い子いませんか? 私のコレクションにしてあげますね!」
笑顔で多数の薬を手にするユカリ。それらは彼女の研究成果であり、相手を痺れ、凍らせ、意識を奪う薬品だ。
それだけではない。ユカリは魔法のステッキで石化魔法を使う他、秘密兵器は何が出るか分からぬ恐ろしさがある。
固めた相手を彼女は自らの研究室に連れていき、オブジェの一つとしてしまうのだろう。
「ともあれ、私の好みじゃない人も、ここから先には通しませんよ!」
いずれにせよ、ウルカヌスの手先としてユカリが猟兵を通すつもりがないのは間違いない。
猟兵達は奥にいるウルカヌスの元へとたどり着く為、この堕ちた魔法少女の討伐へと乗り出すのである。
(※プレイング受付は、12月23日8時30分までの予定です。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
木常野・都月
そうか…引きこもりの神様の部下は魔法少女……
そうかぁ…………
ヴィランになってしまったのは可哀想だと思うけれど、俺は野生育ちの狐だ。
申し訳ないけど、邪魔するなら容赦する気はないからな。
UC【精霊召喚】を使用、この子に張り付いて、攻撃、もしくは妨害をして欲しい。
敵のUCは、[高速詠唱]した[属性攻撃]で[カウンター]を狙いたい。
無理なら[野生の勘、第六感]を使用して、[逃げ足]で避けるか、[オーラ防御]で防ぎたい。
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
なんじゃ、あのたわけは。
何やら訳の分からぬ事を言っているようじゃが、邪魔をするならお仕置きじゃな。
まずは厄介そうな魔法を封じるとするかの。
周囲の床タイルや柱を『光も射さないような深い森』に変えて【生物を石に変える魔法の光】の射線を遮ってやるのじゃ。
植物を操り、『魔法少女・ユカリ』の持つ【魔法のステッキ】や【薬品】に絡めて使用を妨害してやるわい。
わしは【目立たない】ように隠れて、【野生の勘】や【聞き耳】で敵の位置を探り【誘導】する矢で【援護射撃】するでな、マニトゥ、お主は森に紛れて奴を奇襲して可能なら魔法のステッキを奪ってやるのじゃ。
自然の中はわしらの領域、精々あがいてみよ。
星野・祐一
助太刀に来たぜ!
え?可愛い子なら眼の前にいるけど…そうじゃない?まあいいや
とにかく、邪魔をするなら…押し通る!
宇宙バイクに「騎乗」したらUC発動
基本は相手の攻撃を「見切り」回避して隙を伺うぜ
あと回避の合間に当てる事重視で熱線銃で「2回攻撃」な
痛痒にならなくても痺れ切らして隙晒してくれたら万々歳だ…けど
「ちょっと君戦い方陰湿すぎない?」
隙見せたら「空中浮遊、空中戦」で一気に飛び込み
相手の動きを「見切り」つつ「シールドバッシュ」
更に腹部目掛けて「二回攻撃、零距離射撃」等を叩き込んだら即離脱
これを繰り返す
焦らず欲張らず少しずつ確実に疲弊させる
根競べする覚悟はあるかい?俺はできてるぜ
アドリブ・連携歓迎
メンカル・プルモーサ
……ふむ…コレクションにされるのはお断りだし…邪魔…
…石化やら凍結やらは面倒くさいところだな……
…予め遅発連動術式【クロノス】で石化や麻痺を含む「体の自由を奪われる事」をトリガーに浄化復元術式【ハラエド】をセット…
…石化させられたら破魔により治療するように仕込んでおくよ…まあ、保険だけどね…
…石化光線は柱を利用したりオーラ防御による障壁で防ぎながら…
【縋り弾ける幽か影】を起動…発見しづらい自爆ガジェットをユカリの元へと走らせる…
ユカリがこちらをコレクションに加えようと固執するならその執着を利用して囮となってガジェット到達までの時間を稼ぐよ……
亜儀流野・珠
先程までは如何にも神との闘い、といった雰囲気だったが……。
女よ!もう少しこう、服装とか口調とか合わせたらどうだ!
あの杖の光は浴びるとマズそうだな。
よし、「千珠魂」で分身を呼ぶぞ!俺たち、召喚だ!
纏めて光を食らわんように敵を囲むよう展開!
各自、貼った物を壁に変換する「金璧符」を使い壁を生成し、隠れながら突撃だ!
隠れて進み、また隠れて進み。
これを全方位からやられたら対応しきれまい!
近付き切ったなら敵を壁で囲んで閉じ込めてしまえ!
成功したら俺が木槌「砕」を持ち接近、腹のあるであろう辺りに狙いを付け壁ごと鎧ごと殴り壊して砕いてやる!
手下を倒し、ウルカヌスも倒す!
折角取り戻した平和だ、壊させんぞ!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
敵が魔法少女!?
いや、確かに事前に聞かされてたけど……
こうしてご対面すると、色々思う所が出てしまうねぇ。
まぁ、それはソレだ。
おっさんへの道、通させてもらうよ!
物騒な薬品やアイテム類を放り投げてくるのは、
まず『衝撃波』で吹き飛ばして受けないよう気を付ける。
どう考えても効果が怪しすぎらぁ!
そうして逃げながらだんだんと距離を開け、
遠投させるように『おびき寄せ』ていく。
そうして投げてから届くまでに余裕が出来るようになったなら、
投げた直後のユカリを【縁手繰る掌】で
アタシの前に強制転移!
『敵を盾にする』要領で、
自分で薬品を被ってもらうよ!
行動不能になってる間に電撃で仕留める!
音取・ゼラ
アスナ(f23933)と参加である
従姉妹で押し倒したいが嫌われてるである
悪堕ち魔法少女のユカリであるか。うむ、好みであるな
悪に染められたというのなら余に染め直したいものだ
あぁ、わかったである。ウルカヌスも後に控えているから真面目にやるである、だからアスナ怒るなである
【完全なる女神ゼウス】で成長してボンキュボンの理想の女神になるである、ただし両腕が前世のゼウスのもので非常にアンバランスであるが
ぬっ、石化であるか!だが、舐めるな!
アイギスの楯よ!ふははっ、アイギスは余が娘アテナに与えた物。つまり元々はゼウスの物で権能である!
アイギスで石化魔法を防ぎながら飛翔して腹部を雷を纏った拳でぶん殴るである!
宝城・アスナ
音取ゼラ(f24198)と参加
ゼウスと呼んで嫌っているのじゃ
ふむ、先程の者達と随分趣向が変わったのじゃ
……しかし、腹部に鎧の隙間があるのは致命的なのじゃ。何故そんな狙いやすい場所に?
む、ゼウスが敵が女故に悪癖が暴走しそうなのを侮蔑の眼差しを向けるのじゃ
ふむ、秘密兵器はなにが来るのじゃ?
妾に有効となると竜殺しでもくるかの?ぬ?そういう殺意ある物ではない?
まぁ完全に拘束される前に【邪竜の爪痕(ドラゴンクロー)】じゃ!
遠くで腕振るのを不思議がるとは不用心じゃの、そこは既に妾の間合いじゃ
これは妾の邪竜の爪じゃ、人の姿で振るおうとその射程は本来の邪竜の姿のものじゃ
正面から振るえば腹部も切り裂くのじゃ!
●
センターオブジアース某所の遺跡内へと突入した猟兵達。
「待ってください!」
白く太い柱と柱の間を駆け抜けていく一行の前に、1人の少女が立ち塞がる。
セーラー服の上から黒いローブを羽織り、黒いとんがり帽子を被った魔法少女ユカリだ。
「可愛い子いませんか? 私のコレクションにしてあげますね!」
「なんじゃ、あのたわけは」
先端に球体が付いた魔法のステッキを突き出した彼女のセリフに、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は些かご機嫌斜めな様子。
笑顔で猟兵達の進路を塞ぐ、『堕ちた魔法少女ユカリ』は鋼神ウルカヌスの配下としてこの場にいる。
「そうか……引きこもりの神様の部下は魔法少女……。そうかぁ…………」
黒髪妖狐の青年、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は無表情のままそう呟いたのだが、残念そうな気持ちをその一言へと込めていた。
「おっと、神様で思い出しました! ありがとうございます!」
ユカリはその場に出現させた鎧……「神鋼の鎧」を装着し始める。
「先程までは如何にも神との闘い、といった雰囲気だったが……」
一方で、同じく妖狐、長い銀髪の先を『恩人のリボン』で縛った亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は呆れと怒りが入り混じったような口調で言い放つ。
「女よ! もう少しこう、服装とか口調とか合わせたらどうだ!」
「こっちにも色々あるんですよ!」
半ば逆ギレしながら、鎧に身を包んだユカリは珠へと叫び返していた。
そのやり取りを少し離れた場所で見ていた神の2人。
「ふむ、先程の者達と随分趣向が変わったのじゃ」
邪龍の角と尻尾を生やす金髪少女、宝城・アスナ(ママは地母神系ロリドラゴン・f23933)がユカリの姿を確認し、思ったままを口にする。
「……しかし、腹部に鎧の隙間があるのは致命的なのじゃ。何故そんな狙いやすい場所に?」
「ふふ、腹は守りやすく、致命的なダメージになりにくい場所ですからね!」
これで猟兵の攻撃は完全シャットアウトと、ユカリは大きく胸を張る。
「悪堕ち魔法少女のユカリであるか。うむ、好みであるな」
そのアスナの相方として参加した頭上に王冠を浮かばせた少女、音取・ゼラ(自称ゼウスの生まれ変わり・f24198)だ。
ゼラは鎧に隠れる前の魔法少女の姿に、うんうんと頷いて。
「悪に染められたというのなら、余に染め直したいものだ」
そんなゼラの一言を耳にして、アスナは彼女へと侮蔑の眼差しを向ける。
いとこ同士の彼女達。自称だが、ゼラは前世がゼウスだったそうで、アスナを押し倒したいと自らの欲を隠そうともしない。
それもあって、アスナはゼラをゼウスと呼び、普段から毛嫌いしている。敵が女性とあって悪癖が暴走しそうだと察していたのだ。
「あぁ、わかったである。ウルカヌスも後に控えているから真面目にやるである」
ゼラも露骨に嫌がるアスナの態度が気になったのか、何とかなだめようとするが、彼女はそっぽを向いてしまう。
そんな2人を、ユカリはじっと見つめて。
「いいですね! どっちもお持ち帰りしたいです!」
先程、コレクションにしたいとも口にしていた魔法少女。
「……ふむ……コレクションにされるのはお断りだし……」
そんな態度の敵を、眼鏡の下から眠たげな視線で見つめるメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。
「……邪魔……」
愛用の杖『シルバームーン』を構えて目の前の相手を敵視すると、エウトティアも大きく頷いて。
「何やら訳の分からぬ事を言っているようじゃが、邪魔をするならお仕置きじゃな」
身構えるエウトティアも、厄介そうな敵の魔法をどうにかしようと考えていたようだ。
「ともあれ、私の好みじゃない人も、ここから先には通しませんよ!」
そこに、ワイルドな顔立ちをしたウェーブヘアの女性、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)も駆けつけて。
「敵が魔法少女!?」
多喜も事前にそれについては聞いていたが、こうして対面すると色々と思うところが出てしまう。
「まぁ、それはソレだ。おっさんへの道、通させてもらうよ!」
「助太刀に来たぜ!」
さらに、この場へと介入してくる新手の猟兵。
宇宙バイクに跨った黒い短髪の星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)はこの場のメンバーと簡単に言葉を交わして。
「え? 可愛い子なら眼の前にいるけど……そうじゃない?」
祐一は気を取り直し、目の前の魔法少女と対して。
「まあいいや。とにかく、邪魔をするなら……押し通る!」
彼はアクセルを吹かし、遺跡内を疾走し始めるのである。
●
自信満々の態度の『悪堕ち魔法少女ユカリ』。
鎧を纏って多少動きにくそうな素振りも見せるが、そもそも彼女は素早さで攻めてくる相手ではない。
「今こそ、私の力を見せるときですね!」
ユカリが攻撃準備を整える間、都月が仕掛ける。
彼は相手がオブリビオンに堕ちたことに哀れむ気持ちがないわけでもないが……。
「俺は野生育ちの狐だ。申し訳ないけど、邪魔するなら容赦する気はないからな」
遺跡内へと都月が呼び寄せたのは、地の精霊だ。
「この子に張り付いて、攻撃、もしくは妨害をして欲しい」
都月の呼びかけに応じた精霊達は、ユカリに取り付いて動きを封じようとする。
その間に、祐一がユーベルコード【ゴッドスピードライド】を使い、ユカリの周囲を疾走する。
敵は地の精霊を躱しつつ、こちらへと何か薬瓶を投げつけてくる。
「それそれっ!」
それらはユカリの研究成果として生み出された、「痺れ薬」、「凍結薬」に「麻酔薬」だ。
一つでも受けてしまえば、攻撃力を削がれてしまう。
ただでさえ、相手は「神鋼の鎧」で身を固めている。それらの薬品を食らってしまえば、痛打を与える可能性が低くなってしまうことだろう。
祐一はそれらの薬品を避けつつ、『熱線銃』でユカリを狙う。
敵も「神鋼の鎧」を纏ってはいるが、完全耐性を持つのは神域でのみとあって、自分からみすみす当たることはなく、その場から動いて回避を行う。
それでも、やはり鎧で動きづらいのか全てを避けるとはいかず、祐一の射撃を幾度かは受けていた。
痛痒の一撃とはいかぬが、痺れ切らして隙を晒してくれたら万々歳。 そう考えながらも、祐一は『熱線銃』を【連射】する。
「ちょっと君、戦い方陰湿すぎない?」
相手を動けなくしてから、一気に攻めようとするその戦闘スタイルが気になり、祐一が尋ねる。
ただ、ユカリは全く意に介する素振りを見せず。
「勝てばいいんですよ、勝てば!」
自らのスタンスを全く崩さず、ユカリはなかなか弱点である腹をさらしてはくれない。
(「あたしも宇宙バイクの方がよかったかねぇ」)
多喜はバイクでユカリの周囲を走る祐一を見ながら考えるが、今回はこのままライダースーツで立ち回る。
明らかに物騒な薬品類はサイキックエナジーを【衝撃波】として発し、直撃を食らわないようにと多喜は気にかけて。
「どう考えても、効果が怪しすぎらぁ!」
「お姉さんはどこに飾りましょうかね!」
お構いなしに薬品を投げ続けるユカリから逃げ、多喜はだんだんと距離を開け、敵が薬品を遠投させるようにと【おびき寄せて】いた。
逆に、ユカリへと距離を詰めていたのはアスナだ。
「ふむ、秘密兵器はなにが来るのじゃ?」
その手段に関心を抱いていた彼女は自らに有効なアイテムということで、竜殺しの効果がある何かなのかと考えていた。
「残念ながら、ご期待には応えられないかもしれませんね!」
そう言いながら、ユカリは取り出した魔法のロープを意のままに操ってアスナを捕えようとする。
「翼とか出されて飛ばれては捕まえられないですからね!」
敵はアスナ達をコレクションに加えたいと考えていたこともあり、念入りに確保しようと考えていたのだろう。
もちろん、アスナに捕まる気などさらさらない。
完全に拘束されてしまう前に、彼女は手を……【邪竜の爪痕】を振るう。
すると、直線上に巨大な竜の爪痕が現れ、そのロープを断ち切っていく。
「ありゃりゃ、残念ですね。……でも!」
ユカリは次にゼラへと向き直るが、いつの間にか彼女はボンキュボンで理想の女神の姿へと成長していた。
ただ、その両腕だけは前世のゼウスのもの。非常にごつい見た目をしており、プロポーション抜群の胴体とはアンバランス感がすごい。
「まあ、いいです。私のコレクションにしてあげますね!」
ユカリは最初の見た目が気に入っていたようではあるが、今のゼラの姿でもと構わず魔法のステッキを突き出す。
その先端の球体から発する魔法の光は、生物を石に変えてしまう。例え神であっても、その効果は十分に発揮されるはずだ。
「ぬっ、石化であるか! だが、舐めるな! アイギスの楯よ!」
ゼラはそこで、出現させたのは大きな楯だ。
彼女曰く、このアイギスは自分が娘であるアテナに与えたもの。つまり、元々はゼウスの物であるゆえに権能だという理論で行使していたのだ。
「なんですかそれ、ずるいです!」
この場は一旦、ユカリも別メンバーへと光を差し向けようとする。
「……石化やら凍結やらは面倒くさいところだな……」
テンションの高いユカリに対し、メンカルはいつものように淡々とした態度。
激しく動くことのないメンカルは敵の魔法の光を浴びてしまい、みるみるうちに身体が石と化していく。
「やりました! コレクションゲットです!」
嬉々とするユカリ。だが、メンカルの体に『遅発連動術式【クロノス】』が起動する。
メンカルは予め、石化や麻痺を含む「体の自由を奪われる事」をトリガーとして、『浄化復元術式【ハラエド】』をセットしていた。
それらによって、メンカルの身体は『破魔』の力で治療され、正常な状態へと戻っていく。
「……保険と思っていたけれど……、やっていて正解だったよ……」
「さすが、対策は万全というわけですね……!」
その間も、ユカリの周囲には都月の呼び出した地の精霊が邪魔し続けており、満足に攻撃ができない様子。
しかしながら、猟兵達もユカリへと決定打を与えるには至っていない。
それだけに、ユカリはまだまだ元気に魔法の光を発してくる。
「あの杖の光は浴びるとマズそうだな」
珠はメンカルの身体が一度石となったことで、その危険性を強く実感して。
「よし、俺たち、召喚だ!」
その呼びかけに応じて現れたのは、珠の分身である小型の【千珠魂】達。
纏めて光を食らわぬようにと、珠は300体以上もの分身達をユカリの周囲へと展開させ、『金璧符』を使って壁とする。
その壁の後ろへと隠れながら、珠は進んでいく。
「これを全方位からやられたら、対応しきれまい!」
「うぬぬ……!」
悔しそうに歯噛みするユカリの戦法を見ていたエウトティア。
「まずは厄介そうな魔法を封じるとするかの」
エウトティアは遺跡の柱や床タイル……無機物を光も射さないような深い森へと変えてしまう。
「な、なんです!?」
突如建物内に生えた森に驚くユカリが魔法の光を発するも、木々が石と化すだけだ。
それだけではなく、エウトティアは植物を操り、ユカリが持つ魔法のステッキを奪い取ろうとする。
「冗談じゃないですよ!」
ここにきて、一気に隙を見せ始める魔法少女の姿に、猟兵達は攻撃のチャンスを見出すのである。
●
遺跡内へと現れた深い森。
その中で、魔法少女ユカリは都月の地の精霊と珠の分身が作る壁に阻まれ、ほとんど身動きが取れない状況になってしまう。
「これでは攻撃すらできません!」
何せ、相手からは猟兵の姿すら捉えられない状況になってしまったのだ。
逆に、猟兵達は仲間の攻撃の合間を付きながら攻撃を行い、神鋼の鎧の隙間である腹部を狙う。
メンカルは仲間達が展開した木々や壁を使って石化光線から逃れつつ、ユーベルコードを使う。
「忍び寄る破滅よ、潜め、追え。汝は炸裂、汝は砕破。魔女が望むは寄り添い爆ぜる破の僕」
先程の石化しかけた状況もあり、撃破の必要性を強く感じたメンカルは、60数体の自爆ガジェットをユカリの元へと走らせる。
「ああっ、あなたもコレクションにいいと思っているのに!」
やってくるガジェットを魔法の光やロープで迎撃しつつ、メンカルも捕える気満々のユカリ。
とはいえ、数もあって自爆を全て防ぐとはいかず、彼女は時折爆風に煽られていたようである。
そんな中、壁に隠れて進みを繰り返していた珠がユカリの元へと到達して。
「今だ、囲んで閉じ込めてしまえ!」
本体である珠の呼びかけを受け、彼女の分身達は一斉にユカリを逆に捕らえてしまう。
「離してください!」
「手下を倒し、ウルカヌスも倒す!」
抵抗する彼女へ接近する珠は手にした木槌『砕』を大きく振り被る。
「折角、取り戻した平和だ。壊させんぞ!」
彼女は鎧ごと砕く気概で木槌を力の限り打ち付けていった。
しかし、鎧に守られたユカリはダメージこそ負っていたものの、かなりの衝撃を抑えてしまって。
「危なかったです……!」
魔法のステッキを構え、オーラ防御を展開していたユカリ。
しかしながら、そのステッキをエウトティアの指示で近寄った『巨狼マニトゥ』が奪い取ってしまう。
「ああっ!」
「自然の中はわしらの領域、精々あがいてみよ」
叫びを上げた敵の位置を、【野生の勘】と【聞き耳】を立てて把握していたエウトティア。
彼女は【目立たない】ように隠れつつ、『手製の短弓』で【誘導】する矢を射放ち、これから攻撃を加える仲間達を【援護】する。
すると、上から飛翔したゼラが雷を纏った拳をユカリへと叩き込もうとする。
「そこは既に妾の間合いじゃ」
同時に、いつの間にか正面にいたアスナも構えを取っていて。
「妾の邪竜の爪は人の姿で振るおうと、その射程は変わらぬのじゃ」
爪を下から大きく振り上げ、その刃でユカリの体を切り裂こうとする。
ステッキを奪われたユカリは【オーラ防御】と合わせ、鎧で防ごうとするが間に合わず、腹部から血を流してしまう。
「まだ、終わってませんよ……!」
よろけながらも、ユカリはどこからか取り出した多数の薬品を周囲へとばら撒く。
それらによって、自らの邪魔をしようとする精霊達の動きを止めるが、『エレメンタルロッド』を手にした都月が【高速詠唱】する。
次の瞬間、【カウンター】として放たれた【雷属性の魔法】が敵の腹部へと命中し、都月は逆にその体を痺れさせて動きを止めてしまった。
「きゃあああああああっ!!」
そこで、次に仕掛けるメンバー達の攻撃の為か、周囲に展開していた森や壁が消えていく。
しばらく、動きが取れなかった祐一だが、改めて『宇宙バイク』で疾走を始め、空中へと飛び上がる。
「根競べする覚悟はあるかい? 俺はできてるぜ」
疲弊してきたユカリにそんな余裕はない。
だが、祐一は敢えて時間を使いつつ、盾を取り付けた炸薬式の杭打機『シールドピアス』を【連続して叩きつけ】、さらに零距離から『熱線銃』で腹部を狙撃する。
焦らず、確実に弱らせようとしていた祐一へ、ユカリは薬品を投げつけて抵抗する。
そこで、好機と判断した多喜が勝負を決めにかかって。
「捕まえた、そこっ!」
多喜は薬品を投げたユカリの体を、【縁手繰る掌】によって祐一の手前へとテレポートさせた。
それによって、ユカリは投げつけた薬品を自ら被ることになってしまう。
「ああっ……!」
痺れ、凍結、麻酔。それら全ての薬を浴びた彼女はユーベルコードを自ら封じてしまう。
「仕留める!」
そして、多喜は一気にユカリの腹部へと電撃を叩き込んでいく。
「あああああああああああああぁぁぁぁ……っ!!」
断末魔の叫びを上げた魔法少女。
力尽きてしまった彼女は前のめりに崩れ落ち、纏った鎧ごと姿を消していったのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『鋼神ウルカヌス』
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POW : 超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:あなQ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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遺跡外で暗黒面『雷矢のラビラント』を、遺跡内部入り口付近で『悪堕ち魔法少女・ユカリ』を討伐した猟兵達。
平らなタイルが並べられた床。白い柱が立ち並び、それらが支える高い天井。
そんな遺跡内を駆け抜けていくメンバー達は最奥部の壁の手前でようやく、そいつと対面することができた。
「神鋼兵団の再編を急いでいたが、間に合わなかったか」
遺跡奥に設置された玉座へと腰かけていた髭の男は、ゆっくりと立ち上がる。
「ここまで追ってきたか、猟兵!」
全長3mを超える巨体を持つ大男は、やってきた猟兵へと一喝してみせた。
ヒーローズアースで繰り広げられた戦争、「アースクライシス2019」において、ジェネシス・エイトとして暗躍した幹部の1人『鋼神ウルカヌス』。
全身に神の鎧を纏う彼は、原初の鋼と炎の神とされ、実際に自らの鋼の身体の一部を炎に変えて襲ってくる他、周囲の無機物を炎に変えて襲ってくる。
その力は、ジェネシス・エイトでも随一とも言われていた。
「来ないのか。ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
ウルカヌスの動きは素早く、猟兵達が仕掛けるよりも先に襲い掛かってくる。
かなりの強敵ではあるが、猟兵によっては一度戦争時に対した敵だ。しかも、戦争時と違って、ここはウルカヌスの神域ではない。
ある意味では戦争時よりも有利に戦うことができる上、討伐成功事例などを参考に戦略を組むことだって可能だ。
ウルカヌスはオブリビオンなので、ここで倒しても復活してしまう。
だが、彼も不死身ではない。猟兵達の活躍が重なり、撃破することで討伐でき、「神鋼兵団」の製造計画も阻止することができる。
今度こそ、鋼神ウルカヌスを完全に倒してしまう為、猟兵達はこの難敵へと立ち向かっていくのである。
(※鋼神ウルカヌスは先制攻撃を仕掛けてきます。先制攻撃への対処法を思いつけたプレイングには、プレイングボーナスが付与されます)
(※プレイング受付は、12月26日8時30分までの予定です。その後の受付分は間に合う分のみの対応となります)
木常野・都月
俺の中で少し威厳が落ちたけど、強敵である事に変わりはない。
例え、引きこもりで魔法少女に萌えていても…一応神様っぽいヒトなんだし。
俺も油断して勝てるほど強くないし、全力を尽くしてやり過ぎという事もないだろうと思う。
敵のUCは[野生の勘、第六感]をフル稼働した状態で、[高速詠唱]で唱えた[属性攻撃]で[カウンター]を狙いたい。
防ぎきれないなら[オーラ防御]を使用したい。
こちらのUCは【精霊召喚】を使用したい。
出てきた精霊様には、ウルカヌスにまとわりついて、攻撃、もしくは妨害をお願いしたい。
余力があれば[全力魔法、属性攻撃]で追撃を行いたい。
どうせ引きこもるなら、骸の海で引きこもっていて欲しい。
メンカル・プルモーサ
…さて…天井が高いみたいだから箒に乗って空中戦だね…
…まずは柱やオーラ防御による術式障壁の展開を利用して原初の炎を回避しながらUC発動までの時間稼ぎ…
…当然…これらは焼き尽くされるだろうけど視線を切ったり焼き尽くされるまでの時間を利用して回避に使えればそれで充分…
…稼いだ時間で重奏強化術式【エコー】からの【尽きる事なき暴食の大火】を発動…全てを燃料とする白い炎を全てを焼き尽くす原初の炎へとぶつける…
…その炎は全てを焼き尽くす、けどそれだけ…こちらは存在を糧として更に燃えさかる…
…最初は拮抗していても原初の炎や熱を飲み込んで勢いを増して押し切るよ…灼熱も焼くこの炎で燃え尽きろ…
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
首魁が現れおったな、はよこやつを倒して遺跡見物再開じゃ
(【巨狼マニトゥ】に【騎乗】)
いかん、先手を取られたか。マニトゥ!仕切りなおしじゃ。一度距離を取って敵を引き離せ!
少し過剰なくらいに離れて『原初の神炎』の範囲内から逃れるのじゃ。
【野生の勘】の導きにより十分距離を取ったら、【風】を纏わせた矢をありったけ射掛け、かわせないように攻撃して『原初の神炎』を誘発するかの。
一度攻撃を見たら効果範囲も【見切れる】じゃろう。
安全な距離を把握したら【精霊の招宴】により多数の精霊を呼び出し、距離を保ったまま精霊達の射撃攻撃で手堅く削ってやるのじゃ。
一発は軽くとも削られ続ければ徒では済むまい
亜儀流野・珠
さすがお前の選んだ部下たちだ、なかなか苦労したぞ。
しかし打ち破った。残るはお前のみだ!
だが諦めはしないのだろうな。俺達の手で終わらせてやろう!
……やはり炎で来るか!
持ってきた「金璧符」を全部使いきる勢いで周囲に貼り壁を生成!
そして直ぐ敵の方角に拳を突き出し、奥義「焔弾」を全力で放つ準備だ!
そのうち炎で壁が破られる、または壁まで炎に変えられるだろう。それと同時にウルカヌスへ「焔弾」を全力で撃ち込む!
そして弾が奴に最接近したところで爆破!
熱ではなく衝撃での鎧砕き狙いだ!
それで倒せればしめたもの、まだ健在なら炎を持ち前の【火炎耐性】で耐えつつ避け、小規模な「焔弾」にて援護を兼ねた遠距離攻撃を行おう!
星野・祐一
あんたの企みもここまでだ
観念して往生しな!
さて、先制をどうするか…
相手の動きを「見切り」つつ「オーラ防御」纏わせたシールドピアスで
高熱金属を「カウンター」の要領で「武器受け」して弾いてやれば動揺しないかな
まあ駄目だったら以後回避一択で
何とか凌いだらUC発動
ジャンプで一気に懐に飛び込んで「空中浮遊」を使った「空中戦」を仕掛けるぜ
勢いのままに「シールドバッシュ」で怯ませたら
続けて熱線銃の「零距離射撃」で更に怯ませて最後にシールドピアスを顔面に叩き込む
「2回攻撃」も併せて活用な
しっかし硬いなその鎧は…でもそれだけだ
更に言えば絶対的でないし付け入る隙もある
…なら倒せない道理もない訳だ
覚悟を決めな鋼神!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
ウルカヌスのオッサンよぉ!
ようやく会えてアタシも嬉しいよ。
ま、会ってすぐで悪いんだけどねぇ。
とっとと骸の海に還ってもらおうじゃないのさ!
自分の肉体を超高温の金属に変えて襲い掛かってくるとは、
ぞっとしないね。
触れるだけじゃなく近くに寄っただけでも火傷しちまいそうだよ。
なんで、アタシが飛ばす『衝撃波』の反作用で距離を置くように逃げ、
その隙にアンタの超金属の材質をテレパスで教えてもらうよ。
釈迦に説法だろうけど。合金、って知ってるだろ?
ベースに少しの不純物を混ぜ込む、アレさ。
混ぜ方によっちゃ強度も激減するんでね……
そう、アンタが今思い浮かべた不純物。
クラフトして混ぜ込むよ!
音取・ゼラ
アスナ(f23933)と参加である
従姉妹で押し倒したいが嫌われてるである
ウルカヌス、ローマ神話の鍛冶神であるが名前が同じなだけであろうな
だが、神々の王としてオブリビオンに墜ちた神を誅してやろう
先制攻撃には空に飛び上がって全力で距離を取るのである
鎧を纏うだけなら別にいいであるが、液状金属や炎も射程は限られておろう。とにかく離れて射程外に出るか、そうでなくとも距離を取れば避けやすくもなるはずである
先手を躱せたら【神王の雷霆(ケラウノス)】である。雷に距離はほぼ無関係である故な
余の権能である無敵の矛たるケラウノス、ウルカヌスの権能で無敵の盾たる金色の鎧。この矛盾たる権能対決はどちらが勝つであるかな!
宝城・アスナ
音取ゼラ(f24198)と参加
ゼウスと呼んで嫌っているのじゃ
ウルカヌス、鋼の英雄神じゃな
妾の大嫌いな英雄じゃ!征服者としての面もありそうじゃな
そんな英雄神がオブリビオンなんぞになろうとは嘆かわしい!同時に妾の八つ当たりに最適な相手じゃな!
初手は翼を生やし飛んだ上で鱗生やして全力で防御の態勢を取るのじゃ
空中は踏ん張りは効かぬがそれ故に攻撃に合わせて後ろに飛べば衝撃は相当逃がせるはずなのじゃ。邪竜故に炎にもある程度耐性あるしの
初手を耐えたら【地母神の死の吐息(デスブレス)】じゃ
怪物たる邪竜では相性が悪い、地母神の権能でどうじゃ!
これは死と終わりを齎す冥府の権能、生命を拒絶する白き冬の具現なのじゃ!
●
遺跡内の奥へと駆けていく猟兵達。
奥の壁が見えてきたところで、その下の座椅子へと座っていた大男の姿をメンバー達は確認する。
「ようやく、首魁とお目見えじゃな。はよこやつを倒して、遺跡見物再開じゃ」
褐色の金髪巫女姫、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)が声をかけると、その髭の男はゆっくりと立ち上がり、一喝する。
「ここまで追ってきたか、猟兵!」
神鋼兵団を再編しようと、裏で動いていた鋼神ウルカヌス。
さすがに猟兵から攻めてこられれば、応戦せねばならないといったところだろう。
この場にやってきたメンバー達を1人1人、ウルカヌスは見回す。
「ウルカヌスのオッサンよぉ! ようやく会えてアタシも嬉しいよ」
直接対面出来て、ウェーブヘア、ややヤンキー風の顔立ちをした数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が口元を吊り上げる。
「さすが、お前の選んだ部下たちだ。なかなか苦労したぞ」
さらに、人間の恩人が付けたリボンで長い銀髪を結ぶ亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)がウルカヌスへと言い放つ。
「しかし、打ち破った。残るはお前のみだ!」
ラビラントの集団に、魔法少女ユカリ。
それらは兵団の一員とする予定だったのだろうが、猟兵達はそうなる前に倒してここまでやってきた。
特に、ぼさぼさの髪を揺らす妖狐の木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は道中にいた魔法少女がウルカヌスの配下となっていたことが気になっていたようで。
「俺の中で少し威厳が落ちたけど、強敵である事に変わりはない」
例え、相手が引きこもりで魔法少女に萌えていても、一応神様っぽい相手だからと、都月は気を引き締め直す。
「あんたの企みもここまでだ。観念して往生しな!」
いつも通り、自信満々の表情と態度で、星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)が『シールドピアス』を手にする。
「ウルカヌス、鋼の英雄神じゃな」
竜の角と尻尾を生やす少女、宝城・アスナ(ママは地母神系ロリドラゴン・f23933)はその名に心当たりがある様子。
「妾の大嫌いな英雄じゃ! 征服者としての面もありそうじゃな」
「ウルカヌス、ローマ神話の鍛冶神であるが、名前が同じなだけであろうな」
感情を露わにするアスナに続き、隣にいた黒衣の少女、呪いで少女に転生したという神、音取・ゼラ(自称ゼウスの生まれ変わり・f24198)が口を開く。
「英雄神がオブリビオンなんぞになろうとは嘆かわしい!」
「神々の王として、オブリビオンに墜ちた神を誅してやろう」
癇癪を起こすアスナは八つ当たりに最適な相手と翼を生やし手身構え、ゼラもまた『天空神の王冠』を輝かせて頭上へと飛び上がる。
同じことを考えたのか、ウルカヌスを眠たげな眼で見つめていたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)も上を見上げ、『飛行式箒【リントブルム】』で飛び上がる。
「来ないのか。ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
ウルカヌスは彼女達を逃さず、周囲の柱を原初の炎へと化して襲ってくる。
「やはり諦めないか。なら、俺達の手で終わらせてやろう!」
「会ってすぐ悪いんだけれどねぇ。とっとと骸の海に還ってもらおうじゃないのさ!」
珠、多喜は向かい来る敵の初撃を、まずは全力で凌ぎに当たるのである。
●
猟兵達も決して油断していたわけではないが、相手はオブリビオンの中でも力ある相手。
巨躯を持ちながらも、素早く攻撃を行ってくる。
「いかん、先手を取られたか。マニトゥ!」
ウルカヌスが操る原初の炎を避ける為、エウトティアは『巨狼マニトゥ』を呼び出し、やや大げさとも思えるほどに敵から距離と取って仕切り直そうとした。
「……やはり、炎で来るか!」
一方で、珠はその炎を受け止めるべく防御へと回り、ありったけ使った『金璧符』で周囲へと壁を生み出していく。
「…………」
さらに、珠はウルカヌスの方へと拳を突き出し、タイミングを待つ。
彼女は間違いなく、全力で展開した金壁符は原初の炎で破かれると疑わない。その符もまた無機物なのだから。
後方へと大きく飛び退いたエウトティアは、ウルカヌスの原初の炎の範囲外へと逃れる。
【野生の勘】の導きもあり、危険を回避しようとしたエウトティアは【風属性】を纏わせた矢をありったけ射かけていく。
前方で珠が壁を展開していたこともあり、エウトティアは少し角度をつけて牽制し、ウルカヌスが原初の神炎を放つよう誘発する。
その炎は空を舞ったメンカルにも向けられる。
箒で飛びながら、メンカルは周囲の柱や展開した【オーラ防御】を利用しつつ、術式障壁を展開して原初の炎を食い止めようとしていた。
メンカルもまた、障壁は焼き尽くされると判断していて。
「……回避に使えればそれで充分……」
(「まだ……まだよ……」)
時間を稼ぎつつ、メンカルはユーベルコードの準備を整える。
その間にも、珠の拳に漲り、圧縮していく狐火。
壁としていた金璧符が燃え上がったところで、珠は一気にその炎を……超圧縮した狐火の弾丸をウルカヌスへと全力で撃ち放つ。
一直線に飛んでいく炎。
彼女はウルカヌスに最接近したタイミングで、焔弾を爆破してみせた。
「……爆ぜろ!」
「ぬっ……!?」
弾けた衝撃で【鎧砕き】を試みていた珠は確かにその鎧に亀裂を入れていた。
まだ微々たるものだが、珠は相手の先制攻撃に対して確実に反撃を叩き込み、確たる成果を示す。
エウトティアやメンカルもまた原初の炎の射程、威力等を【見極め】つつ、自分の最高の一撃を繰り出す絶好の状況を待つ。
ゼラ、竜の翼を生やしたアスナも宙へと逃れ、ウルカヌスの炎による先制攻撃を凌ごうとしていた。
「鎧を纏うだけなら別にいいであるが、液状金属や炎も射程は限られておろう」
とにかく離れて射程外へとゼラは回避に動くが、アスナは鱗を生やして全力で防御態勢をとる。
「空中では踏ん張りは聞かぬが……」
素早く飛んでくる原初の炎を正面から受け止めるアスナ。
その瞬間に後方へと飛んだ彼女は邪竜ゆえに持つ【火炎耐性】と合わせ、出来るだけダメージを軽減していたようだった。
しばらく、炎を操っていたウルカヌスだったが、攻撃パターンを変えてきて。
「ならばこれでどうだ!」
次に敵は自らの左腕を突き出し、超高熱の金属へと変えて前方へと飛ばす。
素早く宙を伸びていく腕は、太い金属の鞭のように襲い来る。
「自分の肉体を超高温の金属に変えて襲い掛かってくるとは、ぞっとしないね」
触れるだけでなく、近くに寄るだけでも火傷しそうなその一撃に、多喜は『サイキックナックル』で【衝撃波】を飛ばす。
その反作用で吹っ飛ぶ多喜はウルカヌスから距離をとっていくと、その金属の鞭は祐一へと迫りくる。
彼はその鞭の動きを【見切り】、【オーラ】を纏わせた『シールドピアス』で【武器で受ける】構えを取っていた。
相手の鞭が打ち付けてきた瞬間、【カウンター】を行うように弾くことで、高熱金属となったウルカヌスの身体にもダメージを与えようと祐一は試みていたのである。
「その程度で、我が鋼の肉体を打ち負かそうと思うたか!」
ただ、祐一の技術はウルカヌスを驚かせるには至らず、弾くどころか逆に鞭で吹っ飛ばされてしまう。
それでも、全く防げないわけではないと考えた祐一は、回避に専念してしばらくウルカヌスの攻撃を凌ぐことにしていた。
また、鞭の接近を【直感】で察した都月は、【素早く詠唱】する。
「これで……」
都月は【カウンター】として、『エレメンタルロッド』の先より【水属性】の術を飛ばす。
それらの攻撃は確かに高温となった金属へと撃ち込まれ、ダメージを与えていく。
金属が冷えれば金属は固まるし、炎だって十分に威力を落とせるはずだ。
都月はさらなる迎撃にと、【オーラ防御】も展開しつつ構えるのだった。
●
鋼神ウルカヌスはこの場の猟兵達を倒そうと、遺跡内に炎と金属を展開してくる。
戦闘開始直後はほとんど動いてこなかったウルカヌスだが、強襲が通じないと分かれば、直接動いてきて。
「やはり、直接この拳を叩き込まねばならぬようだな!」
拳に力を籠めるウルカヌスは剛腕を振るい、合わせて、先程使ってきた原初の炎と高熱金属と化した自らの身体で襲い来る。
それらの攻撃は脅威である上、鉄壁の神の鎧もまた厄介なところ。
折を見てウルカヌスは鎧を金色に輝かせ、攻撃を弾いてしまうのだ。
さすが、ジェネシス・エイト最強は伊達ではない。
「余の権能である無敵の矛たるケラウノス、ウルカヌスの権能で無敵の盾たる金色の鎧」
そんなウルカヌスを頭上から見下ろすゼラは、無敵の矛【雷霆ケラウノス】を想像して。
「この矛盾たる権能対決はどちらが勝つであるかな!」
ゼラは攻め来るウルカヌスへと放つと、閃光が遺跡内を駆け抜け、ウルカヌスの体を撃ち抜く。
神の鎧が完全な状態であったなら、ダメージはかなり軽減されていたかもしれないが、珠が入れた鎧の亀裂からウルカヌスの体へと直接雷が駆け抜ける。
ゼラに続くのがあまり気にくわない態度のアスナだが、それ以上にむしゃくしゃしていた感情をウルカヌスにぶつけたかったようで。
「怪物たる邪竜では相性が悪い、地母神の権能でどうじゃ!」
かつて地母神であった力を行使するアスナは大きく息を吸い込み、雷に灼かれたウルカヌスへと叫ぶ。
「これは死と終わりを齎す冥府の権能、生命を拒絶する白き冬の具現なのじゃ!」
一気に吐き出す吹雪ブレスは、直接相手を凍らせるわけではない。
死をもたらす地母神の力を使うアスナは、ウルカヌスの肉体は一切傷つけることなく、その命のみを削り取っていく。
「さすがじゃのう。戦いの後、押し倒してもよいかのう?」
隙あらば、自分を狙うゼラの態度に、アスナはなお苛立ちってしまっていた。
「ぬう……!」
多少破損があれど、光る神の鎧の性能は高く、多少の攻撃ではウルカヌスはまるで動じる素振りすら見せない。
連撃を受けたウルカヌスがまた動き出す前に、珠、エウトティア、都月が一斉に仕掛ける。
「ならば、もっとその亀裂を大きくしてやろう!」
全力の一撃を放った珠はまだ相手が健在とあって、小規模な【焔弾】を発して遠距離から仲間を援護すべく散発的に攻撃を仕掛ける。
「精霊よ、大いに歌い騒ぐのじゃ!」
エウトティアも巨狼マニトゥに跨ったまま、300体以上の精霊達を呼び寄せ、ウルカヌス目がけて【水属性の射撃攻撃】を与え続ける。
「一発は軽くとも、削られ続ければ徒では済むまい」
「精霊様、ご助力下さい」
さらに、都月もまた【精霊召喚】で水の精霊を呼び出す。
仲間達とうまく攻撃を重ねることで、都月は敵の攻撃を妨害するだけでなく、【全力】で【水属性】の術を浴びせかけて追撃していく。
「どうせ引きこもるなら、骸の海で引きこもっていて欲しい」
まさに、敵を骸の海に沈める為、都月は使役する精霊に大量の水を放たせる。
それらを浴びていたウルカヌスも程なく、態勢を整え直して。
「図に乗るな!」
一喝した敵はなおも原初の炎を操ってくる。
珠が持ち前の【火炎耐性】で耐えていると、すぐさま攻撃パターンを変えたウルカヌスが超高熱の金属となった腕を振り回し、精霊を消してしまう。
そこで、祐一が一気に【ジャンプ】で懐へと飛び込む。
【空中浮遊】した祐一は相手の頭上から勢いのままに、【『シールドピアス』を叩きつけて】いく。
「しっかし、硬いなその鎧は……でも、それだけだ」
攻撃直後とあってウルカヌスも反応が間に合わず、顔面を殴られてしまって。
(「更に言えば絶対的でないし、付け入る隙もある……なら、倒せない道理もない訳だ」)
僅かに煽られた態勢となった敵へ、祐一は『熱線銃』で額へと【零距離射撃】を叩き込んで。
「覚悟を決めな、鋼神!」
彼は【連続して】、シールドピアスを顔面へ叩き込む。
「ぐううっ……」
呻くウルカヌスにも、ダメージが重なっていたようだ。
仲間達が交戦する間、多喜は【超感覚探知】で敵の攻撃を予測し、相手の超高熱の金属の材質を把握する。
それは、神が与えた最も硬い金属、オリハルコンだ。
「釈迦に説法だろうけど。合金、って知ってるだろ? ベースに少しの不純物を混ぜ込む、アレさ」
そして、多喜は【理塞ぐ鍵】でウルカヌスへと語り掛ける。
合金は、純金属に別の元素を加え、融点、磁性などを変化させたもの。
「混ぜ方によっちゃ、強度も激減するんでね……」
「…………!」
多喜の質問による誘導もあり、ウルカヌスは思わず思い浮かべてしまった物質が。
「そう、アンタが今思い浮かべた不純物。クラフトして混ぜ込むよ!」
【弱点特攻作成】で作り出した鉛、錫といった物質を、多喜は液体化させた敵の金属の身体へと混ぜ込んでいく。
「ぐ、ううぅぅ……!」
不純物が体に交じり、ウルカヌスは悶え苦しむ。
完全に隙を見せた敵目掛け、メンカルは『重奏強化術式【エコー】』を使い、ユーベルコードを発動させる。
「……【尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)】……」
『シルバームーン』から発していくのは、全てを燃料とする白い炎。
それを、彼女は敵へとぶつけていく。
不純物が体に交じり、思うように体を変形させられぬウルカヌスは原初の炎を操ろうとするのだが、白い炎は原初の炎をすら飲み込んでしまう。
「……その炎は全てを焼き尽くす。けど、それだけ……こちらは存在を糧として更に燃えさかる……」
ウルカヌスは次々に周囲の柱、床、天井を炎へと変えて抵抗するが、メンカルの発した白い炎はそれらを全て飲み込み、勢いを増していく。
「……灼熱も焼くこの炎で燃え尽きろ……」
メンカルはその炎で押し切り、ウルカヌスの体をも飲み込んでしまった。
「まだ、だ……まだ、私は骸の海には、還らぬ……うおおおっ!」
炎に全身を侵食されたウルカヌスは抵抗を続けていたが、さらなる猟兵達が撃ち込むユーベルコードや属性攻撃を浴び、この場から消え去っていった。
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鋼神ウルカヌスの強さを直に感じた猟兵達はしばし、遺跡内で休息をとる。
大きく欠けた柱や、穴の開いた床。そして、あちらこちらに転がる石材。
それらをぼんやりと眺めていた猟兵達は、動けるようになった者から遺跡の外へと歩き始めたのだった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年12月27日
宿敵
『悪堕ち魔法少女・ユカリ』
を撃破!
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