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幻影城の妖狐

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「ここが妖狐の支配する幻影城か!」
 険しい山と山の間を通るように道が続いている、その道を塞ぐように堀も塀も無い、ただ立派な石垣の上に立った、見る者の心を奪うような白く美しい天守だけの城が高々と建っている。その前にやって来た鎧武者が鋭い眼で天守を見上げた。その入り口は、まるでご自由にお入りくださいと言わんばかりに開かれていた。
「人を誑かす邪悪な女狐め! 殿の命により儂が成敗してくれるわ!」
 武者は城の入り口から堂々と中へ足を踏み入れる。敵を探し城の中を歩いていると、突然壁に穴が生まれ矢が飛んでくる。それを武者は刀を抜いて斬り払った。
「この程度の罠で儂を倒そうなど、甘く見られたものよ」
 武者が歩を進め細い通路に入ると、通路の先から2mを超える巨大な鉄球が現れる。
「力勝負ならば受けて立つ!」
 慌てて武者は鉄球を受け止めようと身構え鉄球が直撃する。だが鉄球はするりと体をすり抜けていった。その実体を持たぬ鉄球の転がる先には逃げようとした者を嵌める落とし穴が展開していた。
「なんだ!? 幻術か? 脅かしおって!」
 武者は慌ててしまった自分を恥じ通路を進む。するとまた同じ鉄球が転がってきた。
「ふん、同じ手を食うと思ったか」
 憮然とした武者がすり抜けようとすると、鉄球が直撃し体が押し潰され武者は絶命した。
「ふっ猪武者め。正面から行くからそうなるのだ」
 そんな武者を囮にし、黒装束の忍者は城の外壁を器用に登ってゆく。中ほどの三重目の屋根で一息ついて上を見上げる。するとそこには天にまで達するように天守が続いていた。
「な!? まさか拙者まで惑わしの術に掛かっているのか!」
 忍者が下を見下ろすと、下もまた無限に続くように遥か彼方に地上が見えた。
「こうなれば登るしか……!?」
 足を踏み出す。そこには屋根があるはずなのに足がすり抜けた。バランスを崩し忍者は手で屋根を掴もうとするが、いつの間にか流れていた油で手が滑り宙に放り出される。そしてまだ空中と思っている場所で地面にぶつかり、受け身も取れず転落死した。
『ほほほほっ愉快愉快。なんとも人の間抜けな死に様ほど愉快なものはない。妾をもっと楽しませておくれ』
 妖艶な女性の声が城の奥より響き、面白おかしく人の死を演出する為、狐耳の忍者達が現れ新たな罠を仕掛け始めた。

「諸君、サムライエンパイア世界で人間の女の姿をした妖怪のオブリビオンが暴れているようだ」
 和風の趣ある木造建築物の姿となったグリモアベースに、バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が待っていた。
「街道を塞ぐように城を建て、城にやって来た旅人や、討伐に送られた刺客を罠に嵌めて殺しているようだ」
 大回りすれば何日も掛かってしまうような場所に城を建てて、道行く人々を邪魔している。
「諸君にはこの城の主である妖狐を討ってもらう。トラップだらけの城のどこかに目標は居る。それを探し出し戦いを挑む作戦となる」
 罠は落とし穴に矢や鉄球と他にもオーソドックスなものが一通りある。そしてなにより幻影を用いた罠が厄介だ。
「目標の妖狐は配下に忍の妖狐を多数従えているようだ。主の妖狐を大妖狐。配下の妖狐を忍妖狐とコードネームを付ける事にする。罠を抜けても大妖狐の前に忍妖狐を倒さなくてはならないだろう。そのつもりで戦闘準備も怠るな」
 城の主と戦うには罠を抜け、配下を倒してゆくしかない。
「それぞれの得意とする方法で罠を抜け、大妖狐を討伐せよ。諸君の健闘を祈る」
 バルモアがグリモアを使って空間を捻じ曲げ、城の前へと道を繋げた。


天木一
 今回は時代劇風の世界で妖狐との戦いになります。
 罠が盛りだくさんの城を攻略し、妖狐を討伐しましょう!

 仕掛けられている罠はよくあるものです。そのままならば容易く防げますが、幻影を組み合わせる事によって難度の高い罠へと仕上げています。
 それらを予測すれば上手く罠を突破する事が出来ます。
 一章で罠を突破し、二章で配下の忍妖狐の群れと戦い、三章で大妖狐が現れます。
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第1章 冒険 『カラクリ城の攻略』

POW   :    力技で罠を破壊する、城壁を登る等の力強さを活かした方法で目的地を目指す

SPD   :    速さで罠を回避する、兵から情報を盗み出す等の素早さや技量を活かした方法で目的地を目指す

WIZ   :    賢さで罠を利用する、魔法で敵を無力化する等の魔力や賢さを活かした方法で目的地を目指す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

須野元・参三
フフーフ、この気品高き血を持つ私にこのような下策が通用するものか!
この気品溢れ知的なこの私に狐程度が敵うものか!
駄狐の悔しがる顔が目に浮かぶようだ!フハハハハハ!

厄介な幻術がちゃちな罠なのに場を混乱させる原因なのだ。
ならば幻術を暴いてやろう!
手はこうだ。
幻術には実体がないからな。光は通過するうことだ!
ならば、『気品力の裁き』を使って掌から発した気品力の光を幻術に当てることによって光を通さぬものは物理的な罠として、光を通過するものは幻術として扱い罠を無効化させてもらうぞ。



●幻影城
 美しい純白の城。その見た目とは裏腹の恐るべき罠が幻影によって隠された死の城へと猟兵が挑む。
「フフーフ、この気品高き血を持つ私にこのような下策が通用するものか!」
 気品溢れる須野元・参三(気品の聖者・f04540)が堂々と城の入り口から中へと足を踏み入れる。中もまた新品のように綺麗な板の間が広がっていた。
「厄介な幻術が場を混乱させる原因なのだろう? ならばその術、この手で暴いてやろう!」
 さらりと髪をかきあげた参三が背筋を伸ばしまるでモデルのように気品に満ちたポーズを取る。腕を真っ直ぐ伸ばすと掌から眩い光が放たれ、通路を奔りながら辺りを照らす。すると光が通らずに空中に消える場所が天井にあった。
「そこか! 狐の幻術見破ったり!」
 近づけば何もない空間から拳サイズの鉄球が幾つも降って来る。幻術によって吊り下げられた鉄球が見えぬように隠蔽されていたのだ。それを警戒していた参三は容易く横にステップして躱した。
「この気品溢れ知的なこの私に狐程度が敵うものか! 駄狐の悔しがる顔が目に浮かぶようだ! フハハハハハ!」
 妖狐の悔しがる顔を思い浮かべ、参三は高笑いしながら光を放って進む。そこへ今度は雨のように無数の矢が降り注ぐ。
「無駄だ! 駄狐の幻術などこの私の高貴な輝きの前では子供騙しの手品に過ぎん!」
 参三が光を放つと、殆どの矢はすり抜けてゆく。その中で光を遮ったのはたったの2本だけだった。参三はすっと体を逸らすだけで躱してしまう。
「このペースなら容易く隠れた狐を見つけられそうだ!」
 意気揚々と参三が足を踏み出すと、床が抜けるように穴が開いていて、底には棘が敷き詰められている。それは幻術の掛けられていない普通の罠だった。参三は反射的に跳躍して穴を飛び越える。
「おっと油断は大敵だな。まあ例え掛かったとしても狐の考えるようなちゃちな罠では私は倒せんがな! フハハハハハハハ!」
 城の中に参三の笑い声が響き、見かけた罠を潰しながら探索を順調に進めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

罪悪館・皆無
SPD

皆無は憤慨した。自分の未熟なトラップ配置を能力で正当化させるなど言語道断である。
「絶対にこのGMを許してはいけない!! 一か月頭を悩ませて作ったトラップを『自分飛べます』の一言で無力化されても泣かない!! どれだけ切なくても手出ししない!! それが正しいダンジョンボスの在り方だろ、自分の才能を信じろよ!!」
自分への戒めか、オブリビオンへの怒りか皆無は吼える
「いくぞ、名付けて『漢探知ダンジョンアタック』だ」
『……それ、最低のプレイングだぞ』

♦相手は”罠にかかる人間を見たがる”というのでもう一人の自分で相手の視線をひきつけ、滑稽なさまをオブリビオンが楽しんでる間に隠れて突破を狙います



「未熟なトラップ配置を能力で誤魔化すなど言語道断!!」
 罪悪館・皆無(多重人格者のUDCエージェント・f12555)はこの幻影城の罠に対して憤慨する。
「絶対にこのGMを許してはいけない!! 一か月頭を悩ませて作ったトラップを『自分飛べます』の一言で無力化されても泣かない!! どれだけ切なくても手出ししない!! それが正しいダンジョンボスの在り方だろ、自分の才能を信じろよ!!」
 過去の色々なTRPGの体験を思い出した皆無は心の底から吼えて分身する。それは己と同じ姿をしたもう一人の自分だった。その分身を先に歩ませ、本物の皆無はその背中を見ながら離れて続く。
「いくぞ、名付けて『漢探知ダンジョンアタック』だ」
『……それ、最低のプレイングだぞ』
 得意げな皆無に向け、呆れた声を出しながら分身は肩を竦めて前を行く。すると足元でカチッと音がした。横から壁が開き回転する円形鋸が飛び出してくる。分身が飛び退くと、足がずぼりと嵌りバランスを崩す。
『うおっ!?』
 見れば足が床を素通りして脛まで埋まっている。幻影で穴が隠されていたのだ。足を取られた隙に分身の身体に鋸が当たり両断された。
「尊い犠牲だった……ではダンジョンアタックを続けよう」
 何事もなかったかのように皆無は新たな分身を生み出し、また無防備に通路に突っ込ませる。
『鉄球が転がって……うわあああああぁぁ……!!』
 やれやれと突っ込んだ分身が幻影に引っ掛かり、幻の鉄球に追われて深い落とし穴に落ちていった。
「罠というのは仕掛けた者と挑む者の知恵比べなのだ! それを幻術の一言で何でも有りにするなど罠を仕掛ける者としての矜持を放棄したようなものだ!」
 自分の事を棚に上げて、皆無は分身アタックという強引な方法で罠を使用済みにしていく。
「罠を理不尽に攻略される気持ちを味わうがいい!」
 鬱憤を晴らすような悪い笑みを浮かべつつ、幻影で出来た棘の床で何体もの分身を使い捨て正解ルートを見つけた皆無は、着実に城を攻略して進むと二層へと上がる階段を見つけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
この絡繰り城を突破しろと
その先に敵がいると言うなら仕方ありませんね
しかし私は罠だの絡繰りだのはさっぱりです
破壊しましょう

【行動】
「視力」「第六感」で違和感がないか確認
物陰や明かりのない場所も「暗視」で見る

【戦闘】
罠の有無が分からない場所は「殺意の炎」で焼き払う
壁天井が炭になって仕掛けが破壊されるまで念入りに

入った瞬間罠が発動したり焼けなかった場合にも備える
矢弾は「見切り」で回避するか「武器受け」で防ぐ
落とし穴なら「ダッシュ」「ジャンプ」で避けるか周囲に武器を突き立てる
あとは「クライミング」で戻る
吊り天井は「ダッシュ」で扉か壁に戻り「怪力」も利用して破壊のち脱出



「この絡繰り城を突破しろと、その先に敵がいると言うなら仕方ありませんね。しかし私は罠だの絡繰りだのはさっぱりです」
 そういった技能とは縁がないと、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は首を振る。
「ならばやる事は一つ。破壊しましょう」
 己の長所を活かし罠を喰い破ってしまえばいいと、無造作に織久が階段を上り始める。中ほどまで上ると、突然階段が動き段差が無くなり滑り台のようになる。そして上から油が流れ出した。織久は床を踏み抜く勢いで蹴って跳躍し、壁を駆け上がって二層へと上りきる。
「こんな絡繰りばかりでは、住むには不便な城ですね」
 織久は鋭い視線を周囲に向けて罠を警戒しながら進む。すると床の真ん中に歪みを見つけた。
「落とし穴かなにかのスイッチでしょうか」
 それを回避しようと横を通ると、カチっと音がした。足元の幻影が解かれると、通路の端にこそ歪みがある道だと判る。左右の床がパカッと口を開けるように落とし穴が生まれる。落下し始めた織久は咄嗟に大剣を抜いて壁に突き立てる。そうして落下を止めると、剣を支えに体を持ち上げて腕を伸ばし、床を掴んで這い上がる。
「成程、これが絡繰りと幻術を使った罠ですか、なかなか厄介なものですね」
 立ち上がった織久は大剣を納めその身に黒い炎を宿す。
「まともに相手をするつもりはありません。全て破壊します」
 放つ黒い炎が渦を巻き幻も何も全てを焼き払う。仕掛けられていた槍の突き出る罠が燃え落ち、隠されていた網に火が点く。その炎の中を織久が悠々と歩くと、行き止まりの部屋に出た。背後で扉が閉まると上から天井が落ちて来る。
「次々とよく仕掛けたものです。相当な労力が掛かっているのでしょうが、押し通らせてもらいます」
 織久は上に向かって黒い炎を噴き上げさせ、天井を燃やして吹き飛ばす。炎が広がり過ぎぬように一瞬にして消火すると、焼け落ちた後にぽっかりと穴が開いた。
「ここから上の階に登れそうですね。行ってみるとしましょうか」
 その穴を見上げた織久は、跳躍して穴の縁に手を掛けてよじ登り、強引に三層へと辿りついた。

成功 🔵​🔵​🔴​

宮落・ライア
からくり屋敷!びっくり屋敷!テーマパーク!
え?違う?オブリビオン?
……………。
よし壊そう!

回避方法とかそんなの考えるよりもゴーゴー。
とりあえず目の前を左腕だけで【グラウンドクラッシャー】しながら進んで鉄球とかそんなのが来たら【グラウンドクラッシャー】すればいいんじゃないかな!
右手は進んでる間、刀に手を添えて左右からの仕掛け矢とかに気をつけるぞ。存分に【見切る】ぞ。

え、力任せすぎ?相手も呆れる?
気にするな!!

【怪力・見切り・二回攻撃・野生の感・薙ぎ払い・
 鎧砕き・衝撃波】



「からくり屋敷! びっくり屋敷! テーマパーク!」
 自分も遊びに混ざろうと他の猟兵達の後を追ってきた宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)が、ワクワクした様子できょろきょろと周囲を見渡す。
「え? 違う? オブリビオン? ……………。よし壊そう!」
 即遊び気分から意識を切り替えたライアは、考えるよりも先に足を動かし歩き出す。すると前から通路を塞ぐような鉄球が天井から落ちて転がってきた。
「まるでアトラクションみたいだね!」
 嬉々としてライアは左手に持った大剣を振り下ろす。だが刃は素通りし鉄球はそのまますり抜けて転がっていった。勢い余った大剣は床を叩き割って、そこにあった落とし穴を偶々破壊していた。
「おお! イリュージョン! お金が取れるレベルだよ!」
 これはこれで面白いとアトラクションを楽しむようにライアが進むと、また鉄球が同じように転がってくる。
「今度も幻かな? ま、叩き斬ってみたら判るよね!」
 ライアは力任せに大剣を振るい、今度は硬い手応えと共に刃が鉄球に食い込み、そのまま押し切って鉄球を粉砕した。
「このままゴールまで突っ切ろう!」
 無造作に出したライアの足が張ってある糸を切り、壁や天井から無数の矢が飛び出す。
「イリュージョンかどうか判らないなら、全部斬り払えばいいよね!」
 ライアは左腕で大剣を振るって、右手で刀を抜き打って弾く。だが手応えは感じられない。全て幻の矢だった。ちょっと驚いたと思いながら歩を進めると、また無数の仕掛け矢が放たれる。
「同じパターンだと飽きられるよ!」
 ライアは左の大剣を薙ぎ払って今度は本物の矢を弾き、右の刀で当たる矢だけを逸らした。何事もなかったように歩調を変えずに通路を行くと、飛び出る回転鋸や幻の迫る壁やらが行く手を塞ぐ。
「やっぱりアトラクションは休む間もなくイベントが起きないと!」
 それらを悉く粉砕してライアは罠を力任せに抜けた。その先には壁や天井が金箔の絵図で飾られ、畳が敷き詰められた大広間へと辿り着く。
「やった! ゴール! 一番乗りだよ!」
 伽藍とした部屋にライアの声が響く。その奥には御簾が垂れて狐耳をした人影が映っていた。

●忍者軍団現る
「はぁ……呆れた侵入者だこと……こんな強引に罠を抜けるなんて、興が削がれるというもの」
 御簾の向こうで座して脇息にもたれかかる女性から溜息混じりの声が漏れる。
「そんな不作法者には罰が必要、者共やっておしまい!」
 手にした扇をひらりと振ると、天井が開き、壁が一斉に回転して狐耳をした黒装束の女性の忍者達が現れた。
「主様の命によってお主らの命を頂戴するでござる!」
 武器を構え一斉に忍者達が襲い掛かって来た。配下の忍者が居る限り大妖狐に向かうのを邪魔するだろう。まずは露払いだと猟兵も武器を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『妖狐忍』

POW   :    魅了の術
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    小刀一閃
【小刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    狐火
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
やっと敵を狩れますね
仕方ない事とは言え、少し餓えてしまいました
雁首揃えてぞろぞろと
纏めてそっ首叩き落としてくれよう

【行動】
「第六感」「視力」で敵の動向に常に注意
「聞き耳」も使い周囲の音や気配が幻惑で誤認していないか確認

【戦闘】
確実に狙える敵を「見切り」「先制攻撃」
「影面」が命中した敵を「怪力」で振り回し周囲の敵に叩きつける
その場所に向かって「ダッシュ」
「範囲攻撃」「なぎ払い」で複数体を攻撃する
その中で残っている敵に「二回攻撃」「傷口をえぐる」で確実に仕留める
「見切り」で回避できない攻撃は「武器受け」
それと同時に「カウンター」を狙い、次の攻撃に繋ぐ


罪悪館・皆無
『バインバインじゃねぇか!!』
「そこ、大事なのは狐耳としっぽOK?」
『ばっか、くノ一ってだけでも高得点だろ。誰だよGMに文句言ったやつ!!』
「いやいや、これは所謂GMからの詫びくノ一? いや詫び狐だよ」
『ぜひ一人欲しい。一家に一人狐耳くノ一、昼はスーツで!!』
「一家に入れるなら、メイド服に決まってるだろ。異論は大まか認める。とにかくブラウスだ」

敵を目前にしてのこのありさまである。『魅了の術』も必要なし、すでに属性にめろめろである。

「……て、感じでいかがでしょう?」

まあ半分はフリだけどね。

♦囮として相手の前で欲望垂れ流しその隙にほかの猟兵に攻撃してもらいます。【だまし討ち】攻撃するのは味方だがね


須野元・参三
フフーフ、華麗に気品に知的に罠を突破されたんで焦っているようだな
雑魚どもを態々差し向けるとは、気品的な見せ場を用意するなんてご苦労なことだ
ふっ、私の華々しい戦闘というものをお見せしよう!!

『存在感』を持ち相手を見下し異常なほど口汚く罵る『挑発』を行動で攻撃を『おびき寄せ』によって引き付けて
敵集団をまとめて『気品力の裁き』でまとめて薙ぎ払う
攻撃を受けると人目はばからず、無様に悲鳴を上げながら『見切り』『第六感』を使用しながら避け続ける

上手く退けた後は、気品に優雅に息と服装の乱れを整えながら、
やっぱり駄狐だな……全く他愛もない奴等を送ったようだ
となれば、主たる者も大したことないだろうな


宮落・ライア
興が削がれる?そういうのも楽しんだほうがいいぞ!
ところで忍ばない忍びってなんなのさ。
忍びじゃなくてシノビ?それともSINOBI?
と言うかそのやたら無意味にバルンバルンしよるその……それは………おまえの趣味かこなくそー!!
駄肉死すべし慈悲はない!

【ダッシュ】【見切り】【残像】【野生の感】【激痛耐性】で相手に隙が出来るまで捌き、相手に隙を見つければ【カウンター】【グラップル】で片手で捕まえ【怪力】【捨て身の一撃】【衝撃波】【グラウンドクラッシャー】で叩き潰す。
魅了は【覚悟】と巨乳死すべき慈悲はないの【殺気】でどうにかする。


ライヴァルト・ナトゥア
(ボロボロになった通路を通り抜け)
いやぁ、これは中々派手にやったなぁ。バルモアが困ってると聞いて来てみたはいいが、既に終わってるんじゃないかこれは
(などと思いつつ狐忍者に出くわす)
アイエエエ、ニンジャ!?ニンジャナンデ!?
(呆れられたら)
いや、妹が言っていたんだ。ニンジャと遭遇した時はそう言う反応をするのが礼儀だと
(グーとパーで両手を合わせて)
ドーモ、ライヴァルトです。ここでお亡くなりになってください
(言うが早いか狼の幻霊を纏って走り出す。懐に潜り込んで二回攻撃、ダッシュ、ジャンプで暴れ回る)
フハハハハ!見ろ!敵がゴミのようだ!
(スッと冷静になって)
ふぅ、うん、このキャラは厳しいかなぁ


神宮時・蒼
…警戒。…忍者、…にん、じゃ…?…なんだか、思っていた、よりも、忍ぶの、難しそうな、忍者、です、ね。
…あ、色事、専門とか、そう、いう…?

魅了の術は薙ぎ払いで振り払ったり出来ればそちらにて対応。
他の攻撃もなんだかんだ厄介ですね
相手の接近を許さず、遠距離から攻撃して相手の集中を乱しましょう

足元に罠が残っている可能性も捨てきれませんので、足元にも警戒を怠らずに戦闘に徹します。



●魅惑の忍者
「興が削がれる? そういうのも楽しんだほうがいいぞ! ところで忍ばない忍びってなんなのさ」
 御簾の向こうで不快そうな大妖狐とは正反対に、ライアは楽しそうに現れた忍者達を見渡す。
「忍びじゃなくてシノビ? それともSINOBI? と言うかそのやたら無意味にバルンバルンしよるその……それは………おまえの趣味かこなくそー!! 駄肉死すべし慈悲はない!」
 ライアの視線が忍者達の一点に止まると、機嫌が一気に悪くなり怒りを籠めて大きな胸に向かって指差した。
「主様の趣味を悪くいうとは、愚かな貧乳娘は死すべし!」
 忍者達が一斉に小刀を抜いて斬り掛かる。ライアは上から振り下ろされる刃を身を捻って避け、突き放たれた切っ先を屈んで躱し、低く薙ぎ払う刀を持つ手首を右手で掴んで止めた。
「誰が貧乳だ! 普通くらいはある!! ……あるはず!」
 ライアは手首を握り潰すと、左に担いだ大剣を振り下ろし叩き潰した。まさに慈悲の無い一撃で忍者は即死する。
「この貧乳娘!」
「胸が無いから余裕もないのでござるな!」
「無乳と墓標に刻んでやる!」
 仲間を殺され殺気立った忍者達が四方から迫る。
「胸胸胸と……胸の大きさがそんなに大事か!?」
 胸の事を連呼されたライアは素早く屈み、残った残像を敵が攻撃する。そして怒りに任せて大剣を振るい、忍者達を薙ぎ払う。血を撒き散らしながら忍者達が吹き飛んだ。
「この貧乳娘、貧乳の癖に強い!」
「ならば幻術で巨乳地獄へ落としてやるでござる!」
 忍者達から甘い香りが立ち昇り、巨乳におしくらまんじゅうされる幻をライアに見せる。
「ふ、ふふふ……巨乳殺すべし慈悲はない」
 暗い笑みを浮かべるライアから放たれる殺気が幻を消し去り、振り抜かれる大剣が忍者を風船のように叩き割った。
「くっ、我らの術を破るとは! 恐るべし貧乳!」
 胸を揺らしながら忍者が間合から飛び退く。
(「バインバインじゃねぇか!!」)
 忍者が動く度に揺れる胸や尻に皆無の目が引き寄せられる。
「そこ、大事なのは狐耳としっぽOK?」
 ピクピク動く狐耳ともふもふした尻尾を前に、術を受けるまでもなくめろめろに魅了されていた。
「我等の魅力が解るものもいるようね。いいでござろう、優しく殺してやるでござる」
 尻尾をフリフリしながら近づいてきた忍者が小刀を振り上げる。その胴が織久の振り抜く大剣によって真っ二つにされた。
「やっと敵を狩れますね。仕方ない事とは言え、少し餓えてしまいました」
 ここからようやく本領を発揮できると、織久は血の滴る切っ先を敵に向ける。
「雁首揃えてぞろぞろと、纏めてそっ首叩き落としてくれよう」
 最も近い敵に向かって踏み込むと刃を横一閃、その首を刎ね飛ばした。
「おのれ!」
 地を滑るように低く駆けた忍者が逆手に持った小刀で背後に回り込んで襲い掛かる。だがつんのめるように動きが止まった。
「なに!?」
 見ればその足が床から生える黒い影の腕にがっしりと掴まれていた。
「そこは既にこちらの間合いです」
 織久は大剣を持たぬ方の手で軽々と忍者を持ち上げ、小刀が振るわれる前に小枝のように振り回して失神させ、迫ろうとする他の忍者達に向かって叩きつける。忍者同士がぶつかり地面を転がる。そこに織久は駆け寄り大剣を薙ぎ払う。振るわれた刃は纏めて3人の忍者を叩き斬った。胴を断ち切られた死体が転がる。
「何という膂力! 近づくな! 燃やしてしまえ!」
 危険を感じた忍者達が離れ、無数の狐火を飛ばして炎の渦を生み出す。
「考えは悪くありませんが、その間合いならば安全だと思いましたか? 戦場に安全な場所などありません」
 赤黒い槍に持ち替えた織久は目の前で高速回転させて炎を遮断する。そして途切れた瞬間に槍を投げ、射線上に重なっていた忍者を串刺しにして壁に縫い付けた。
「ならば魅了の術で!」
 忍者の体から甘い香りが漂う。それを深く吸い込む前に織久は飛び退いた。それを喰らったのは皆無だった。
(「ばっか、くノ一ってだけでも高得点だろ。誰だよGMに文句言ったやつ!!」)
 文句を言っていたのは自分だったことも棚に上げ、ぱっつんぱっつんの忍装束に一人盛り上がる。
「いやいや、これは所謂GMからの詫びくノ一? いや詫び狐だよ」
 欲望垂れ流しでこの狐貰えないかな、いやこれはこの城の運営から詫びに差し出されたものとまで思考が飛躍する。幻術に惑わされたのか素で可笑しいのか判らぬ状態で皆無は狐を凝視する。
「その目、何か如何わしい事を考えているでござるな!」
 虫けらでも見るような目で、忍者は皆無を焼却しようと炎を放つ。その炎が光によって打ち消された。
「フフーフ、華麗に気品に知的に罠を突破されたんで焦っているようだな」
 仲間の危機を華麗に救った参三は、御簾の向こうの大妖狐へ視線を向ける。
「雑魚どもを態々差し向けるとは、気品的な見せ場を用意するなんてご苦労なことだ。ふっ、私の華々しい戦闘というものをお見せしよう!!」
「舐めると痛い目をみるでござるよ!」
 鼻で笑い相手を見下し口汚くネチネチと罵ると、腹を立てた忍者達が小刀を構え襲い掛かる。
「引っ掛かったな。だから雑魚だというのだよ!」
 すっと見惚れてしまうような気品溢れるポーズを決めた参三の掌から気品力の光が放たれ、忍者達を呑み込んで吹っ飛ばした。
「フハハハハハハ! 無様だな! やはり三下では気品溢れ、滲み出るほど知的な私の相手は無理だったようだな!」
 地面を転がる忍者達を参三は上から目線で高らかに笑う。

「いやぁ、これは中々派手にやったなぁ。バルモアが困ってると聞いて来てみたはいいが、既に終わってるんじゃないかこれは」
 焼けたり砕かれたりと、ボロボロになった通路を通り抜けライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)は城の奥へと向かい、広間へと足を踏み入れる。そこに居た狐耳の忍者が振り向いて目が合う。
「アイエエエ、ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」
 わざとらしくライヴァルトが驚いてみせると、忍者は変なものを見てしまったようにジト目になった。
「いや、妹が言っていたんだ。ニンジャと遭遇した時はそう言う反応をするのが礼儀だと」
 グーとパーで両手を合わせて挨拶をする。
「ドーモ、ライヴァルトです。ここでお亡くなりになってください」
 言うが早いか蒼狼の幻霊を纏ったライヴァルトは駆け出し、懐に潜り込むと右手と一体化した鎌で胸を、左手の狼の爪で腹を一瞬にして斬りつけ、血を噴き出して忍者が倒れる。
「これは……カラテ使いでござるか!?」
 新たな乱入者に気付いた忍者達がライヴァルトの足元から次々と炎を起こす。それを跳躍して避けて飛び掛かり、忍者を斬り倒していく。
「フハハハハ! 見ろ! 敵がゴミのようだ!」
 ハイテンションで炎を放つ忍者を倒しきると、スッと冷静になって真顔に戻る。
「ふぅ、うん、このキャラは厳しいかなぁ」
 これを続けるのは戦うよりも疲れると、素に戻ったライヴァルトは大きく息を吐く。
「戦うだけでも疲れるんだから、演技までやる余裕はないということで」
 ここからは普通に戦うと、狼の如き俊敏さで駆け出し、何かをする前に鈍色の刃でその首を掻き切った。
「うん、やっぱり普通にやるのが一番だね」
 そのまま次の敵に向かって駆け出す。
「捉えきれん! ならば術で動きを封じるでござる!」
 忍者から甘ったるい香りが漂う。それを吸ったものは幻に囚われ、心と体を切り離される。
「……警戒。……忍者、……にん、じゃ……? ……なんだか、思っていた、よりも、忍ぶの、難しそうな、忍者、です、ね。」
 神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)は目立つ耳と尻尾とナイスボディを持つ忍者達を視界に収め首を傾げる。
「……あ、色事、専門とか、そう、いう……?」
 そういった忍者も居ることは知っていると、蒼は一人納得してこくんと頷いた。
「……では、色事の、術を、阻止、します、ね」
 なぎなたの姿に変化した蒼は、敵に向かって衝撃波を放ち纏めて薙ぎ倒した。香りも消し飛び術が解ける。
「これは色事ではない! 我等が主様より授けられし幻術でござる!」
 新手の忍者が上から小刀を構え落ちて来る。
「……接近は、させま、せん」
 落下よりも早く蒼は衝撃波を上に放ち、忍者の体が持ち上がって天井に叩きつけられ、突き破ってその姿を消した。
「……忍者は、厄介な、攻撃を、するので、遠距離で、仕掛け、ます……」
 蒼は続けて衝撃波を放ち、敵の行動を阻害するように吹き飛ばし集中を乱した忍者は苛立つ。
「調子に乗ってるでござるな! 破壊してやるでござるよ!」
 忍者が小刀を構え突っ込んで来る。蒼はそこに衝撃波を放って足止めするが、上から跳躍した忍者が迫る。それに対して蒼は己が刃を突き立て、胸を貫いて迎撃した。

●伏兵
「もう終わりか、他愛もない」
 光を放って忍者を薙ぎ払った参三は、残り僅かとなった敵と戦う仲間を援護しようかと掌を向ける。
「……足元に、気を、つけて……畳が、動いて、います」
 足元を警戒していた蒼が気付き声をかける。慌てて参三が飛び退くとそこへ衝撃波を飛ばすし、返った畳から出て来た忍者を直撃した。
「お命ちょうだ……ぶぎゃっ!」
 忍者がそのまま床下に落ちていく。
「下に!?」
「主命によりお命頂戴するでござる!」
 あちこちで畳がひっくり返り参三の立つ畳からも、隠れていた忍者が飛び出した。
「や、やめろ! 私を誰だと思って――ひぃっ!?」
 襲われる参三は無様に悲鳴を上げながら尻餅をついて攻撃を避け、更に頭を抱えて転がって上から振り下ろされる刃の追撃から命からがら逃れる。だがそこにも敵が現れていた。
「わ、私は、華麗で、気品の、優雅な……ま、待て! 最後まで話を聞け!」
 頭上で刃を振り上げられた参三は、あわあわと首を振って視界を防ぐように手で顔を守る。だが刃は降ってこない。ちらっと指の隙間から覗くと、そこには倒れた忍者が居た。ライヴァルトが斬り捨てたのだ。
「流石忍者だなぁ、畳の下にも隠れてるなんて、これがタタミ・ケンだったっけ?」
 そこへライヴァルトが飛び込み、鋭い爪で敵を引き裂いた。
「こちらは引き受けます」
 背を合わせるように織久が大剣を振り下ろし、忍者の放つ炎を斬り裂いた。別れた炎が床を焼く。そして突進した織久が斬り上げると股から頭までを両断した。
「立ち塞がるものは全て斬り伏せる」
「化け物め!」
 縦横に刃を振るう織久を止められず、防ごうとした小刀ごと忍者達が倒れていく。
(「ぜひ一人欲しい。一家に一人狐耳くノ一、昼はスーツで!!」)
 妄想を拗らせた皆無の脳裏で忍者妖狐のコスプレ大会が開かれる。
「よし決めた! うちに来てメイドになってくれ!」
「な、何をいってるでござるか?」
 突然の皆無の要求に忍者が目を丸くする。
「一家に入れるなら、メイド服に決まってるだろ。異論は大まか認める。とにかくブラウスだ」
「い、意味が分からないでござる……」
 手をワキワキさせながら近づく皆無に、忍者は恐れを感じじりじりと後ろに下がっていく。
「巨乳は一人も許さない!」
 その背後から巨乳を狩るハンターと化したライアが大剣を振り下ろして叩き斬り、畳から現れる忍者をモグラ叩きのように頭から叩き潰す。
「……これで、最後だと、思い、ます……」
 衝撃波で蒼が忍者を薙ぎ倒すと、もう立っている忍者は居ない。周囲を窺っても天井にも壁にも床にも残っている様子はなかった。
「……まあこんな感じかな」
 今までの皆無の行動は半分ほどはフリであり、自らを囮に使うだまし討ち作戦だった。
「でも本当に詫び狐貰えねぇかなぁ」
 全滅してしまった忍者を見て、そんな欲望駄々洩れの本音を零した。
「はぁはぁ……やっぱり駄狐だな……全く他愛もない奴等を送ったようだ。となれば、主たる者も大したことないだろうな 」
 何事もなかったように立ち上がり乱れた息を正した参三は、埃を叩き優雅に乱れた服を整えながら大妖狐を挑発する。その顔はまだ青いままだった。

●大妖狐
「はぁぁ……役に立たないわねぇ。あれだけ幻術を仕込んでやったというのに」
 深い溜息と共に御簾も上がってその姿を現す。一目で男を篭絡してしまいそうな美貌を持った妖狐が立ち上がる。その動作だけで忍者達とは格が違う事を肌で感じる。
「仕方のないこと。妾が相手をしてやろう。精々愉しませておくれ」
 笑みを浮かべた妖狐が周囲に狐火を生み出し、挑発的な視線で猟兵達を見渡した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『傾国の白仙狐』

POW   :    その精、喰ろうてやろうぞ
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり
【自身に従属する妖狐】の霊を召喚する。これは【剣】や【電撃】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    妾の炎に焼かれて死ぬがよい
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ライヴァルト・ナトゥア
ほう、これはこれは随分と扇情的な事で
セックスアピールも度が過ぎれば醜悪なものだな
(薄っすらと笑いながらも目は笑っていない模様)
女性の姿をしたものを傷つけるのは趣味ではないが、致し方なし
(炎に対して)
数には数だ。ことその点において負ける気はしないね
(無数の狼を召喚して時に炎へ、時に本体へけしかける)
さぁ、たらふく喰らうといい
(色香については)
獣相手に魅了が聞くと思っているあたり全然分かっていないな。こいつらにあるのは簡単な命令に従うだけの頭と、底なしの食欲だけだぞ
(終わりに)
さて、そろそろ終わりにしようか。お前さんの肉は、美味かろうな?
、、、御馳走様でした
(最後にパンと手を叩いて狼達を送還)


宮落・ライア
やっぱ巨乳じゃないか!
アトラクションは楽しかったけどあの忍者は許せん!
そしてお前もか!この乳デカめ!!

無乳による貧乳の為の悲しみの【ダッシュ】からの【怪力・覚悟・殺気・薙ぎ払い・衝撃波・二回攻撃・剣刃一閃】。
周囲の天井や床ごと巻き込んで剣を振り回しまくる。

決して。決して貧乳とか無乳とか言われて涙目とかにはなっていない!
ヒーローはそんな事言われたぐらいじゃ泣かないし!
恨んだりとか…してないし!


罪悪館・皆無
『なぁ、つぎユーベルコード組む時はよ。エネミーをエロンエロンできるようなコード組もうぜ』
「はぁ、出来たらとっくにやってるって、ってか記憶消去銃とトリガーピース組み合わせればワンチャンいけないかな?」
『あ~、対象の既存の記憶消して擬似的な二次人格突っ込むのか……っと、ボス戦か』
「トラップによる基礎能力の確認、モブによるスキルの確認、PLの能力しっかりおさえてるのはいいGM 。だけど、能ある鷹は爪を隠すのだ!!」
『普通に事故だよな』

♦今まで戦闘などに参加しなかったのは自分のスキルを隠蔽するため、けして戦闘に使えるスキルが少ないわけじゃないぞ
『だまし討ち』からの『目つぶし』込のサイキックブラストだ



●狐火
「ほう、これはこれは随分と扇情的な事で……セックスアピールも度が過ぎれば醜悪なものだな」
 薄っすらと口元に笑みを浮かべるライヴァルト。だがその目はまるで汚らしいものを見るように侮蔑を含んでいた。
「ほほほっ、この魅力が分からぬ無粋な輩は要らぬ――消えよ」
 扇で口元を隠した大妖狐の周囲に浮かぶ狐火が放たれ、獲物を包囲するようにライヴァルトに迫る。
「女性の姿をしたものを傷つけるのは趣味ではないが、致し方なし」
 ライヴァルトは左手を向け封印した無数の天狼を召喚して炎を迎撃する。炎が鋭い爪によって引き千切られ消し飛んでいく。
「数には数だ。ことその点において負ける気はしないね」
 炎を消し去った天狼の群れがその勢いに乗って大妖狐へと殺到する。
「さぁ、たらふく喰らうといい」
「狗如きが小賢しい真似を!」
 大妖狐は倒れた忍者妖狐の霊を召喚して身代わりにし、天狼の群れがそれに噛みつくと傷口から雷が放出された。攻撃していた天狼が何体が吹き飛ばされる。その隙にふわりと跳躍した大妖狐は群れを突破して仕切り直す。
「やっぱ巨乳じゃないか!」
 憎しみの籠った目でライアは、着地した大妖狐のたわわに揺れる胸を睨む。着物の大きく開いた胸元はしっかりと胸の大きさを強調して見せていた。
「アトラクションは楽しかったけどあの忍者は許せん! そしてお前もか! この乳デカめ!!」
「嫉妬しておるのかえ? 見苦しい小娘だこと」
 ほほほと扇で口元を隠した大妖狐が、ライアの胸を可哀想なものでも見るように視線を向けて嗤う。その周りには新たな狐火が灯る。
「無乳による貧乳の為の悲しみの慟哭を食らえ!」
 全力で駆け出したライアは、一気に接近すると左手の大剣を薙ぎ払い炎が燃え移る畳ごと狐火を吹き飛ばし、右手で刀を抜いて大妖狐の胸を斬り裂いた。着物が裂かれ赤い雫が舞い飛ぶ。
「たわけ! そなたと違って妾の胸には値千金以上の価値があるというのに、それを傷つけるとは何事か! 貧乳の嫉妬とは見苦しいにもほどがある!」
 怒りと共に放たれる爆炎がライアを呑み込む。ライアは咄嗟に大剣を盾にして飛び退き難を逃れた。

『なぁ、つぎユーベルコード組む時はよ。エネミーをエロンエロンできるようなコード組もうぜ』
「はぁ、出来たらとっくにやってるって、ってか記憶消去銃とトリガーピース組み合わせればワンチャンいけないかな?」
 皆無は戦闘中だというのにマイペースにもう一人の人格と喋り、今回の戦いで思いついたユーベルコードの相談をしていた。
『あ~、対象の既存の記憶消して擬似的な二次人格突っ込むのか……っと、ボス戦か』
「トラップによる基礎能力の確認、モブによるスキルの確認、PLの能力しっかりおさえてるのはいいGM 。だけど、能ある鷹は爪を隠すのだ!!」
『普通に事故だよな』
 そんなボケとツッコミのようなやり取りをしながら我に返って一先ず話を纏め、戦闘へと意識を向ける。両掌を敵に向けそこから閃光のように高圧電流が放たれ、目を眩ませた大妖狐の身体を捉えると感電させて動きを止めた。
「今まで戦闘に参加しなかったのはこの為の布石。しっかりと能力を把握できなかったのが敗因だ」
『戦闘に使えるスキルが少ないだけだよな』
 そのツッコミを無視して電流を流し続けて神経を麻痺させる。
「くぅっ、身体が……ああぅ、動かぬ……」
 大妖狐は何とか身体を動かそうと吐息を漏らし身悶え、着物が着崩れる。
「何かこう……」
『エロいな』
 その様子に思わず目が奪われる。するとその隙を突くように甘い香りた立ち込めた。

●誘惑
「そなたらを操って同士討ちさせてくれよう。仲間との殺し合いで妾を楽しませておくれ」
 膝をついた大妖狐から濃厚な甘い香りが漂う。それを吸うと頭がくらくらして酩酊したような気分になる。
「獣相手に魅了が聞くと思っているあたり全然分かっていないな。こいつらにあるのは簡単な命令に従うだけの頭と、底なしの食欲だけだぞ」
 不敵にライヴァルトが笑うと、天狼達が牙を剥き出しに駆け出し香りを突破して大妖狐の脚に喰らいついた。
「ひぃっこの狗めが! 妾の美しき足に傷をつけるとは! 許しがたい暴挙ぞ!」
 血を流しながら大妖狐が狐火を生み出し、噛みつく天狼を焼き払う。
「妾に血を流させた償いをさせてくれる!」
 炎が大妖狐を中心に渦巻き、広間全体を燃やすように広がる。
『危なかったぜ、色仕掛けとかリアルなのはヤバイな』
「抵抗に成功するのにとんでもない目標値が必要だな。クリティカルが必要な難易度ってゲームバランスクソだぞ……」
 男がチョロいと言われるのも分かる気分で、皆無はぼーっとする頭を振って意識をはっきりさせ、もう一度高圧電流を放ち、大妖狐を痺れさせて炎を止めた。
「この身を縛るとは厄介な雷よ。そなたは妾の魅力がわかるようだしのう、幻術に溺れてゆくがよい」
 大妖狐の姿がぼやけて消える。幻術により広間には美しき狐耳の女性達が現れ、半裸で妖艶に舞い踊る。その幻に皆無はまたぼーっとしてしまう。
「残念だが食えない幻に用はない。こいつらはお前さんの肉を気に入ったようだ。獣は一度覚えたご馳走を逃しはしないぞ」
 そうはさせぬとライヴァルトが天狼達を駆けさせる。真っ直ぐに甘い匂いの元を辿り大妖狐の喉笛を狙う。
「狗めぇ! どこまでも妾の邪魔をして!」
 それを大妖狐は腕で受け止め、血の滴る手から扇が落ちた。それと同時に女性達の幻も消える。
「くっ、エロい幻術がこれほど強力とは……エロいシーンになったら目を閉じて耳を塞げばいけるか?」
『手で耳を塞いだら攻撃できないけどな』
 冷静なツッコミを受けつつ、皆無は高圧電流を奔らせ大妖狐を感電させた。
「おのれ、また、あんっ」
 艶めかしい表情で大妖狐が身体を揺らす。
『エロ――』
「あーあー聴こえないー」
 電流を流した後すぐに手で耳を塞いだ皆無は惑わされる前に後退する。
 そこへ入れ替わるように前に出たライアが大剣を振り下ろした。大妖狐が壁に張りつくように飛び退くと床に穴が空く。
「おや、まだ居たのかえ? その胸と同じように存在感が薄れて消えたと思っておったのに」
 壁に追い詰められながらも、口で挑発しながら大妖狐は甘い香りでライアを幻術に掛けようとする。
「決して。決して貧乳とか無乳とか言われて涙目とかにはなっていない! ヒーローはそんな事言われたぐらいじゃ泣かないし! 恨んだりとか……してないし!」
 少し涙目になったライアは床を削りながら大剣を斬り上げ、大妖狐を逆袈裟に斬り裂き、右の刀を突き入れて胸を深く抉った。
「この絶壁娘! やって良い事と悪い事の区別もつかないのかえ!?」
 血が流れ落ちる胸を押さえ、大妖狐は下がりながら倒れた忍者の霊を呼び出して守らせる。
「これが全世界の少しだけ胸の小さな人々の怒りだ! 決してボクの個人的な怒りじゃないし!!」
 ライアが大剣を忍者に叩き込むと、雷となって四散する。それを刀で斬り払い受け流した。
「そう、ヒーローたるもの私怨で戦ったりしないから!」
 己を誤魔化すように叫びながら、ライアは刀と大剣の連撃で大妖狐の身体中に傷を入れ、最後に振り上げた大剣で両断した。だがその身体は幻のように消え去る。
「あ、危ない娘だこと、これだから持たぬ人間は嫌なのじゃ。すぐに僻みおる……」
 ぶつぶつと文句を垂れる大妖狐の身体は着物が血で染まり傷だらけだった。大振りの隙に術を掛けて致命傷だけは逃れたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
漸く御大のお出ましか
我等の餓えはまだ満たされぬ
互いの血肉を流してこその死合い
存分に喰らい合うとしよう

【行動】
術に対する耐性は高くないので注意
受ける前に潰すか回避できるかを「見切り」

【戦闘】
「先制攻撃」の「殺意の炎」と「なぎ払い」で牽制
対象と間合いが開いていれば「影面」を使用
命中したらそのまま「範囲攻撃」
怯んだ所を「ダッシュ」で接近し「串刺し」
更に「二回攻撃」で「傷口をえぐる」
影面が外れるか拘束から抜け出したなら「殺意の炎」「範囲攻撃」
常に自分の得意な間合いで戦えるようにする
そのため接近する機会を攻撃の中で作っていく


須野元・参三
フフーフ、とうとう現れたか駄狐め!
この稀代なる気品の私が勝利へのカギとなってやろう!
ふっ、今回は後方から支援してやろう
嬉しかろう?
誰一人も倒れることが無いように私の盾として頑張りたまえ
気品は痛いの怖いの嫌いだからな!ワーハッハッハ!

後方の方からチラチラと戦況を注視
誰かしらが攻撃を喰らおうならば「生まれながらの気品力」を持って回復してやる
後方に居ても『挑発』行動も挟み敵が戦闘に集中しにくくなるような邪魔な存在になる様な行動を行う
彼女の圧倒的な『存在感』は後方に居ても遜色なく発揮しているのだろう
敵からの攻撃は『見切り』『第六感』で悲鳴とともに敵味方への罵詈雑言とともに回避

(アドリブはお好み歓迎)


アレクシア・アークライト
 なによ、これ見よがしに胸をはだけてちゃって……いや、胸はいいのよ、胸は。
 問題なのは、人の死に様を見て楽しんでいるってことよ。
 まったく、人の醜悪な部分が形になったようなオブリビオンね。

・敵は遠距離戦が得意なようなので接近戦を仕掛ける。[念動力、グラップル、空中戦]
・転移と幻覚を用いて翻弄する。{瞬間移動、幻覚}

「幻術を使えるのは貴方だけじゃないわよ?」

・敵が弱ったら、念動力を用いて城のからくり(矢、槍、鋸、鉄球)で攻撃する。{サイコキネシス}

「貴方が相応の死に方をしてくれなきゃ、貴方に殺された人達がその恨みでオブリビオンになるかもしれないでしょ?」



●幻術返し
「我等の餓えはまだ満たされぬ。御大の首が欲しいと渇望しておる」
 忍者達の返り血に身体を濡らした織久の目はまだ殺意に燃えていた。
「互いの血肉を流してこその死合い、存分に喰らい合うとしよう」
 一歩踏み出して大剣を振るい、剣圧で大妖狐を護るような周りの炎を掻き消す。
「ほほほっ、歯応えがありそうなもののふよ。そのまま食しては当たりそうよな。まずはこれで炙ってみようかの」
 新たに放たれた狐火が周囲に火柱を立てて織久を囲み、その輪がどんどん縮まってくる。
「我等が怨念を味わってみろ」
 怨念と殺意が黒い炎となって織久の身から放たれ、狐火とぶつかり合って相殺する。その空隙を突いて織久は踏み込み、大剣を横に振り抜く。
「妾の火を打ち消すとは、それに何とも肌寒くなるような黒炎よのう」
 大妖狐は忍者の霊を呼び出して盾とし、小刀で体剣を受け止めさせる。だが織久は押し通して小刀を斬り飛ばし忍者をも断ち、切っ先が大妖狐に届いて右肩を斬り裂いた。
「何という剛剣か、妾でも近づけば危ないのう」
 大妖狐が飛び退くと同時に胴体が真っ二つになった忍者の魂が雷を撒き散らして消える。織久は大剣を床に突き立て避雷針代わりにして直撃を免れる。そして多少痺れる手で黒い大鎌に持ち替え後を追うが、その足が掴まれる。見下ろせば忍者の上半身だけの死体が手を伸ばしていた。
「幻術か、人を騙す類の手管だけは達者のようだな」
 織久は血色の炎を纏わせた大鎌を振り下ろして幻を消し飛ばす。
「フフーフ、相当弱っているようだな駄狐め! この稀代なる気品の私が勝利へのカギとなってやろう!」
 敵の煌びやかさにも負けぬと、参三は堂々と気品溢れる姿を敵から離れた仲間の後ろで晒す。
「ふっ、今回は後方から支援してやろう。嬉しかろう?」
 仲間の陰に隠れながらも偉そうに参三は上から目線で笑みを浮かべる。
「誰一人も倒れることが無いように私の盾として頑張りたまえ。気品は痛いの怖いの嫌いだからな! ワーハッハッハ!」
 そして高笑いしながら圧倒的な気品力を輝きとして放って傷ついた仲間達を治療する。
「ハーッハッハッハぁはぁ……支援というのもなかなか疲れるものだな。私の気品力があるからこそ熟せる役割だ!」
 回復する度に疲労を覚えながらも、参三は気品力を高めて仲間を癒していく。
「五月蠅い道化よの、少し黙っているがよい」
「ひぃぃいいっ!」
 大妖狐は忍者の霊を呼んで雷を放つ。閃光が迫ると参三は悲鳴を上げながら慌ててしゃがみ込んで回避した。

「なによ、これ見よがしに胸をはだけてちゃって……いや、胸はいいのよ、胸は」
 敵が動く度にたわわに実る胸に思わず目が吸い寄せられるのを、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は視線を逸らして堪える。
「問題なのは、人の死に様を見て楽しんでいるってことよ。まったく、人の醜悪な部分が形になったようなオブリビオンね」
 軽蔑するような視線を向けたアレクシアは、念動力で生み出す力場を纏って弾丸のように懐に飛び込み、着物を掴んで投げ倒した。
「接近戦なら幻術を仕掛ける暇もないでしょ?」
「ごほっ、痴れ者め! 何という狼藉か、離れよ!」
 忍者の霊が呼び出されアレクシアに小刀を突き立てようとし、アレクシアは飛び退いて間合いを取った。
「そなたのような馬鹿力に近づかれてはかなわぬ。幻の中で好きなだけ暴れるがよいわ」
 甘い香りがアレクシアを包む。だがそこに居たはずのアレクシアがぼやけて姿を消した。
「消えた? これは、まさか妾に幻を!」
「幻術を使えるのは貴方だけじゃないわよ?」
 慌てて大妖狐が周囲に視線を巡らせると、背後から声が聞こえる。振り向けば幻を見せている間に瞬間移動で背後を取ったアレクシアが大妖狐の腰に手を回す。
「は、離せ、離さぬか!」
「心配しなくてもすぐに離してあげるわよ」
 そして軽々と持ち上げると後方へ倒れ込みながら投げ飛ばした。地面に後頭部を強く打った大妖狐が目を回す。
「こんな、妾がこんな目に遭うなど、これは夢か幻か……」
 ありえないと大妖狐は現実逃避するように周囲に狐火を起こし、断絶するように炎の壁を築いた。

●燃え尽きる狐
「あつっ炎がここまで! 何をしている! 私の元まで炎が飛んできているではないか! さっさと守りたまえ!」
 ちょっとした火の粉に怯えて参三は仲間を盾にするように隠れる。
「まったく、炎を撒き散らし気品高き私にまで攻撃するとは何という阿婆擦れだ! これだから気品のない年増は嫌なんだ!」
 参三は大きな声で罵詈雑言を放ち、大妖狐の意識を引きつける。
「口の悪い子だこと……そんな口は二度と喋れないように縫いつけてしまおうかの」
 大妖狐の目が細められ、今までで最大規模の狐火が空中に浮かんで襲い来る。
「あつっあつい! 本当に熱いから! ちょっとそこの君! 早く私の盾になりたまえ! なって! 早く!」
 どたばたと騒がしく参三が炎から逃れる。無様に転びお尻に火を点けながらも直撃を避けて逃れる。
 その大妖狐の身体に、城に設置されていた矢や槍が炎の壁を突っ切って襲い掛かる。大妖狐は飛び退いて間一髪のところで回避した。
「城の絡繰りが勝手に動いた? どうなっておる?」
「貴方が相応の死に方をしてくれなきゃ、貴方に殺された人達がその恨みでオブリビオンになるかもしれないでしょ?」
 念動力でアレクシアは城のカラクリを操って大妖狐を狙う。鋸が壁からせり出し天井からは鉄球が落下する。
「こんな、馬鹿なことが……!」
 鉄球を躱した大妖狐のふさふさの尻尾を回転鋸が刈り取る。
「罠に掛かって死んでしまった人の気持ちを少しでも味わうといいわ」
 冷たく言い放ちアレクシアは罠を作動して、矢が大妖狐の脚を貫く。
「ぐぅっ、全て消し飛ばしてくれようぞ!」
 炎が渦を巻き罠を焼き尽くしていく。
「フフーフ、私の勝利だな!」
 止めを刺そうと参三がマシンピストルの銃口を向ける。だが銃が炎に炙られ熱くて持てなくなる。
「あちちっ! あっしまっ!?」
「焼け死ぬがよい」
 無防備になった参三に大妖狐から炎が放たれる。だがその炎は届く前に両断された。
「その命を燃やして我等の糧となれ」
 炎を切り裂き合間を突っ切った織久が大鎌を振りかぶり、黒い炎を纏わせて薙ぎ払う。
「この猪武者め! これだから雅を知らぬもののふは好かぬ」
 慌てて大妖狐は甘い香りを放ちながら距離を取ろうとする。だがその着物を影の腕が掴み、織久が大鎌を投げつけてその背中に回転する刃が深い傷を刻んだ。
「ああっ、妾がこのような窮地に……ありえぬ、これは何かの間違いぞ!」
 大妖狐は忍者の霊を放って雷で目晦ましにし、その間に足を引きずりながら逃れようとする。
「知ってる? そういうのって因果応報って言うのよ」
 アレクシアは念動力で槍の罠を起動し、大妖狐の無事な脚に突き立て床に縫い付けた。
「何というっ妾の美しい肌が! もう知らぬ……城も何もかも要らぬ。お主らの命で償わせてくれる!」
 命を燃やすように炎が巻き起こり、城ごと焼くように燃え広がる。
「もっとその血を、その肉を寄越せ、魂まで喰らい尽くしてくれる」
 その炎の中に怯む事無く織久が身を投じる。
「自ら焼け死ににくるとはの、消し炭にしてくれようぞ」
「ワーハッハッハ! その程度のちょっと触れたら燃え尽きて死んでしまいそうな炎など、この気品があればどうという事はない!」
 参三がその無駄に高貴な溢れ出る気品で織久を包み、負傷の程度を低く抑える。
「その首、貰い受ける」
 踏み込んだ織久は床に刺していた大剣を抜いて振り抜く。周囲の炎を吹き飛ばす勢いで薙いだ刃は、大妖狐の首を刎ねて血を噴き出させ、刀身に彫られた花が鮮血に濡れて咲いた。

●幻の城
 大妖狐が倒れると、大広間に敷き詰められていた畳がぼろぼろの色褪せたものに変わる。壁の金箔の飾りが消え去り唯の古い板張りとなる。煌びやかな純白の城だと思っていたものが、板を張り巡らせて作った手抜きの張りぼての城へと変貌していた。全てが幻、まさに幻影の城だったのだ。
「城全体に術をかけていたなんてね、そんな見栄を張らなければもう少し戦えたんじゃないかしら」
 呆れたようにアレクシアは燃え崩れ始める城を見渡す。
「フフーフ、やはり駄狐ではこの程度だろう! 本物の気品を持つ私を見習うべきだった――あつっ火が! 火事だー!」
 勝利のポーズを決めていた参三は、燃え崩れる屋根の下敷きになりかけて慌てて逃げ出す。
 猟兵達が外に出るとあっという間に火が回り張りぼての城は崩れ落ちた。
「奇術の類はタネが分かれば呆気ないものですね。これで道が拓けたことですし、帰るとしましょう」
 戦いの熱を冷ました織久は焼け落ちた建物に目をやり、後はこの世界の領主の仕事だろうと背を向ける。
 猟兵の去った後には、城があったとは到底思えぬ、焼け焦げた木材の破片が転がっているだけの空き地が広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月29日


挿絵イラスト