アースクライシス2019⑲〜逃がす価値1ペンスも無し~
●Penny No Worth
「諸君。“持ち帰る”という不穏なワードに聞き覚えはないかね」
その言葉自体ならば特にどうということはないのだが、こと戦争に於いては――何人かのオブリビオンが発した言葉。
グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートの映し出す、凶悪な面の道化師とその言葉に何人かの猟兵達が顔を上げると。
「察しの通りだ。この道化師もどうやらその様子でね」
それに頷きを一つ返し、スフィーエは語りを始めた。
「さぁ語ろうか。舞台はヒーローズアース、カタストロフ目前の戦争のクライマックスだ。君達にはこの宮廷道化師を倒して貰いたい」
ジェネシス・エイトが一人、“殺戮道化師”ジェスターはラグランジュポイント内にある島を拠点としている。
その島は改造によって輸送宇宙船となっており、そこに様々な荷物――地球上の動植物や鉱物、書物やディスクなどの文化の記録媒体、絵画や彫刻などの美術品等々、とにかく手あたり次第に日夜運び込んでいるようだ。
「何というか……“持ち帰る”ことを目的にしている。全容は不明だがね」
運び込まれる荷物も目的が何か全く分からない程に統一感もなく、何が目的なのかこの嗤う道化師の真意は見えない。
しかし敵幹部の一人であり、今なお激戦中であるクライング・ジェネシスへの増援を防ぐ意味でも撃破はした方が良いと語る。
「戦場となるのはこの区画。硬貨区画だ」
運び込まれた荷物によっていくつかの区画に分けられており、今回赴く場所は硬貨区画なるもの。
古今東西、世界中のあらゆる硬貨が運び込まれており、実際の貨幣としてもだし古い硬貨の歴史価値の面に於いても相当なものだ。
ちなみに戦いが終わったら然るべきところに返すので遺失物横領はしないように、と釘を刺しつつ。
「そして例によって例の如く先制攻撃をしてくるだろう」
肉体的に優れた者には、魔法金属製のメイスによる殴打――単純な一撃だが素の実力が途轍もないので真っ向から勝負は避けるようにと語り。
俊敏性に優れた者には、意志を持つ魔剣「レギオスブレイド」の群れを嗾ける――瞬き一つの時間で真面に喰らえば針山となりかねない速度で撃ってくると語り。
最後に霊的なものに優れた者への攻撃を語ろうとした瞬間、スフィーエの顔が若干曇り、それでも彼女は声を絞り出す。
「……君らの名も知らぬ力無き民を呼び出し、人質にしてくる」
その上、ジェスターが活躍や苦戦をする度に民が呪いによって苦しみ、それによって猶更ジェスターが強化される。
「……いずれにしろ強力で厄介な技ばかりだ。注意して臨んで欲しい」
下唇を歯で破り、血を悔しそうに流しながら彼女は語った。
「――名は体を表すというか、何というか。全く、その表情と同じように読めない奴さ」
暫く後、唇から歯を離しスフィーエは溜息を一つ吐きながら語りを続ける。
恐らく、目的について聞いたところで適当にはぐらかされるだろうとも語り。
だから遠慮なく倒すことに注力した方が良いとも補足し、転送の為の結界を作り上げながらスフィーエは最後にこう締めた。
「さて、オブリビオン・フォーミュラの戦いも順調なようだが他の幹部も捨て置く訳にはいかない。増援を防ぐ意味でも倒しに行ってくれたまえ。頼んだよ」
裏山薬草
●注意!
戦争の期限が差し迫ってきています。
なので成功度に達したらプレイングを却下する可能性もございます。
どうも、裏山薬草です。
戦争も本当にあと少しとなってきましたね。
今回は敵幹部の一人ジェスターと戦っていただきます。
古今東西、あらゆる硬貨の揃った区画で戦うこととなります。
今回も先制攻撃をしてきますが、対策が無くても無条件で失敗にはなりません。
ですが先制攻撃への対策があればボーナスとなりますので、記入しておいた方が無難かもしれません。
使用ユーベルコードの属性(POW・SPD・WIZ)と同じ属性のユーベルコードを仕掛けてきますし、複数の使用はその分先制攻撃を仕掛けてきます。
先制対策される方は、その辺りに気を付けてください。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 ボス戦
『ジェスター』
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POW : 力押しもたまには悪くないデスね
単純で重い【魔法金属製のメイス】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 古い馴染みの仲デシて
レベル分の1秒で【意志持つ魔剣『レギオスブレイド』の群れ】を発射できる。
WIZ : 別に見捨てても良いデスよ
戦闘力のない【名も知らぬ一般人の人質】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呪詛により人質が傷つき、悲鳴や苦痛の声】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミスツ・シューパリツェ
元ヴィランとしちゃ少しガメてぇが、仕方ねぇな
開幕、触手《撃式》で◆一斉発射
少しでも敵の攻め手を止めてその間に足から触手を床下に◆トンネル掘りみてぇに喰い進めさせて脆くしておく
メイス攻撃が来たら触手を引っ込めて大きく退避
地形が壊れるのは想定内で反動で更に追撃、してくるかもだがオレの仕込みで想定以上に壊れたら少し動きも狂うよな
そこをすかさずグレネード弾《撃式》で◆吹き飛ばす!
その間にUCで周辺の硬貨を片っ端から◆大食い
全身や触手《殴式》の硬度を高める
《撃式》銭弾で牽制して接近
◆怪力こめた触手で◆グラップル全開で硬貨拳連打だ
最後は《殴式》を片腕に纏めての◆捨て身の一撃
金?大丈夫だって解除すりゃ戻る
●バアル・ゼブル
転送の光が一瞬輝いたかと思えば、次の瞬間、ジェスターの奇々怪々なタップダンスが披露されることになった。
「オッ、ホッホッ! いきなりやってくれマスね!」
触手より無数の機関砲を解き放ったミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は、密かに足元の触手を地面に突き立てる。
深く静かに――それでいて力強く、地を食い荒らすモノの如く地を掘り進めると同時。
ジェスターは既に触手からの射撃を跳躍して躱し、ミスツの頭上でメイスを振り上げ、それを勢いよく振り下ろす。
動きが始まった瞬間、触手を一気に引き抜き後方へ跳躍してそれを躱すも――莫大な破壊力によって地面が沸き立ち、ジェスターの身を更に舞い上げんとする。しかし。
「オロロロロ?」
刺し穿っていた触手は布石――地形をも破壊する剛きメイスの殴打の反動すらも予測し、敢て地面を脆くしより深くジェスターの身を沈ませる布石。
流石のジェスターもそれは完全なる予想外だったか、体勢を崩し――そこへ、間髪を入れずに投げ放った榴弾の爆破で道化を吹き飛ばすと。
「元ヴィランとしちゃ少しガメてぇが、仕方ねぇな」
「一枚ぐらいバレナイと思いマスガねぇ」
「ガッツリ行くんだよ――たんと喰らえ、大喰らいの触手(オレ)」
着地し新たに駆け出す道化の声に答えながら、ミスツは触手を操り戦場に転がる硬貨の数々を喰らっていく。
「さて持ち主にゃ悪いが、後で元に戻してやるから、今は使わせてもらうぞ」
――取り込む特質は硬貨<硬化>
何処か煌びやかに、されどその硬度は道化の操るメイスにも劣らず。
迫る道化を一つ銃弾で威嚇し怯ますと、煌めく触手で文字通りのタコ殴りにしつつ。
凶悪な顔面が僅かにヒビ入れば、殴る為の触手を一つに束ね――バイオモンスターの巨躯をも上回るほどに巨大な剛腕と為して。
超金属の如き硬度を備えた剛拳の殴打が、踊る道化を地面に埋め込むのだった。
成功
🔵🔵🔴
シーザー・ゴールドマン
ノアの箱舟といったところかな?
まあ、ヒーローズアースは滅びないので必要のない話だね。
オド(オーラ防御)を活性化、オーラセイバーを顕在化して戦闘態勢へ。
先制対策
メイスの一撃のタイミングを見切り、飛翔、空中へ。
(見切り×念動力×空中浮遊)
一撃の余波の影響で飛翔物などあれば衝撃波で相殺。
力押しは悪くはないとも。
ただ、たまに、などと言っている君は研鑽が足りない様だね。
避けた空中でそのまま『ウルクの黎明』を発動。
オーラセイバーを大上段に構え、振り下ろしと共に破滅の一撃を。
(属性攻撃:消滅×鎧砕き×衝撃波×範囲攻撃)
力押し、というやつだ。
フレミア・レイブラッド
道化師のクセに火事場泥棒とは笑えないわね。その異名盗人に変えたらどうかしら?
叩きつけの瞬間に【念動力】で横から力を加えて逸らしたり、腕や足を集中して束縛して都度行動を封じたりしつつ、敵に雷撃の魔力弾【属性攻撃、高速詠唱、全力魔法】の連続攻撃で隙を伺い、【吸血姫の覚醒】を発動。
発動後は敵のメイスを覚醒の速度と【見切り、第六感】で回避し、叩きつけた瞬間に光刃を伸ばしたクラウ・ソラスで敵の腕を縫いとめる様に【串刺し】にして両腕を封じ、敵を魔槍により全力で膂力と【怪力】で空中に打ち上げ。
空中の敵を超高速と魔力による分身で敵を包囲し、一斉に全力での突撃を仕掛け、最後に地面に全力で叩きつけて敵を粉砕するわ
●Dancing-Crown
「フゥー、乱暴なものデスねぇ。貴重な文化が壊れてしまいマスヨ」
戦場に作られたクレーターから這い出たジェスターは、硬貨の一枚を拾い上げながら両手を叩きつつ猟兵を煽った。
その言い分に、悠然とオーラを纏いながら現れた大男シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は問いかけた。
「ノアの箱舟といったところかな? まあ、ヒーローズアースは滅びないので必要のない話だね」
「大体、道化師のクセに火事場泥棒とは笑えないわね。その異名盗人に変えたらどうかしら?」
「それは良い提案だね。宮廷道化師(ジェスター)と呼ぶには面白くないとは思っていたところだ」
新たに現れた半魔の女、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)の――令嬢の言葉に、公爵は貴族然と言葉を続けた。
ノアの箱舟というには火事場泥棒といって差し支えない物資の数々と、不穏な目的――そも、滅びる訳ではない世界に不要な盗人船に何よりも痛烈な皮肉。
「オロロロロ……酷いデスねェ。謝ってクダサーイ♪ 力押しでごめんなさい、させちゃいマスヨー♪」
冗談めかしてメイスを振り上げるジェスターの顔も……人間的なモノがあれば青筋が浮かんでいただろう。
痛烈な皮肉に苛立ちをぶつける様に、魔法金属の頑強なメイスが打ち下ろされんとするも。
シーザーは力強く地を蹴り、纏うオーラを噴き上げながら上空に逃れるように跳んで躱し、フレミアは文字通りの横殴りに念動の力場をジェスターの側面から叩き付ける。
不可視の力場に殴打され、独楽回しのように愉快に回るジェスターだったが、それすらも楽しむように道化は嗤う。
嗤って笑って――回る勢いと、倒れ込む勢いを以て盛大に地面にメイスを打ち付け、その礫を彼らに叩き付けんとするが。
整った鼻に息を強く通し、シーザーが掌を突き出せば放たれる同様の不可視の――より破壊に特化した物理的な衝撃が礫を砂塵に変えて。
新たにメイスを振り上げんとしたその腕を、フレミアが咄嗟に念動を以て不可視の糸を紡ぎ道化を操り人形と化すが如く動きを一瞬だけ制し。
シーザーの放つ衝撃波と合わせ、雷の魔力弾を矢継ぎ早に放って牽制しつつ。
「さぁ」「我が血に眠る全ての力……」
「楽しませて貰おうか」「今こそ目覚めよ!」
道化が膝を着いたその瞬間、シーザーは纏うオーラをより昂らせ真紅の魔神を思わせる莫大な奔流を纏い。
フレミアは真祖の血脈に目覚め、それに劣らぬ魔力を迸らせながら四対の悪魔の翼を生やした姿となる。
新たに振り上げられたメイスをシーザーの光剣が弾き、フレミアが伸ばした光刃がその腕を貫くと、そのままそれを絡め取り。
高位竜にも比肩する膂力を以てフレミアがジェスターの巨体を風船の如く空へと舞い上げて。
更に優雅に下からジェスターの身体を、シーザーの光剣が華麗に突き上げて舞い上げる動きを助けつつ。
「力押しは悪くはないとも。ただ、君は研鑽が足りない様だがね」
「センスもない、研鑽も足りない……笑い物としては及第点かしらね?」
八枚翼を揺らめかせ飛翔したフレミアは実体を伴うそれと、数多の分身――実体も残像も織り交ぜたそれで円舞を行うように道化を取り囲み。
抵抗も許さずに次々と取り囲んだままに槍の乱舞を以て追い詰めながら、最後は勢いよく上から槍を突き立てて。
「そしてこれが本当の」「力押し、という奴だ」
その更に上から、吸血姫の最後の一撃を後押しするように赤公爵が大上段に構えた光剣を大気を揺るがす勢いで叩き付け。
膨大なオーラの噴流を以て加速し、音速を遥かに超えた速度はそれ自体が圧倒的な質量の一撃となって道化の身体を衝撃で犯す。
そのまま地面に叩き付けられ、槍に身体を穿たれた道化の身を中心に、破滅を導く膨大な衝撃が駆け巡っていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
御形・菘
お主とトークが成立するとは思っておらん!
ただ妾の動画で、信者たる視聴者の皆を笑顔にさせる糧となるがよい!
はっはっは、妾が力押しの真っ向勝負を避けるはずがなかろう!
左腕に防御のためのオーラを集中、頭上へ翳して受け切る!
痛みは耐える、頭や首がイかなければ十分よ!
そしてそのまま接近戦を仕掛ける!
離れて攻撃を避けつつチクチク入れるとか、そんな展開は見映えもせんし面白くなかろう?
お主のような実力者と殴り合う! 実に良いでなはいか!
尻尾だけでなく、砕けた左腕すら武器とするとも
ガードは最低限、その暇があるなら攻撃をブチ込み続けて、先に沈めればよいのだ!
〆にはそのふざけた顔に、全力を頭突きを入れてくれよう!
宮落・ライア
先制攻撃は!真正面から受け止めに掛かる!
【激痛耐性と気合いと覚悟】!そして【怪力・武器受け】で大剣で正面から受け止める!
衝撃は殺せないから瀕死になる?
もちろん折込済み。
倒したと思ったところに【未踏再起】で復活して
復帰して強化された能力で【鎧砕き・衝撃波・薙ぎ払い】でぶっ飛ばす。
硬貨って……はー細かいなー。
廃止になったコインとかもあるのかな。
●『英雄と邪神がコラボしてみた!』
白くどこか触り難さを匂わせる大剣と、風船にも似たコミカルで、されど禍々しい気配を放つメイスが盛大に打ち合わされた。
「ぬ、が、あああっ……!!」
「ホッホ~♪ ヨクゾ受け止めマシタが……見誤りマシタねェ!」
飄々とした道化のどこにこの剛力があるのか――宮落・ライア(ノゾム者・f05053)は真っ向からメイスの一撃を受け止めたが。
「が、はあっ……!」
その打ち合わせた際に生じた破壊力の余波と、受け止めても逃し切れぬ衝撃がその身体を駆け巡り体中の骨にヒビを入れ、筋肉を過負荷で断裂させる。
一瞬の膠着の末に、盛大に吹き飛ばされワンバウンドを経て倒れ伏したライアに限りない嘲りの笑いを浮かべながら、新たに現れたキマイラに彼は目を向けた。
「御覧になりマシタか? ああなりたくなければ避けることをオススメしマスヨ♪」
「はっはっは、妾が力押しの真っ向勝負を避けるはずがなかろう! 来い!!」
下半身の蛇体を軽く地面に打ち付け、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は望むところだと左手で胸を叩き。
軽快の飛び上がりながら、大気すらも圧し潰し散らす勢いのメイスの一撃を気功を束ねた左腕で受け止める。
「話が通じない人デスねぇ」
ジェスターの嘲りが響く度に、音の僅かな空気の振動すら、砕け散った左腕の骨には苦痛となる――が、死ななければ安いもの。
何よりこの苦痛からの逆転こそ動画の山場、砕けた腕を敢て盛大に叩き付けジェスターを怯ませて。
「お主とトークが成立するとは思っておらん! ただ妾の動画で、信者たる視聴者の皆を笑顔にさせる糧となるがよい!」
「オロロロ!?」
何より、こんな実力者と真っ向から殴り合えるのなど最高ではないか。
怯んだジェスターに長大にして頑強、それこそ神話の神にも劣らぬ剛力を――逆境からの立ち上がりという山場の為に盛り上がった力は、正にそれそのもの。
叩き付けられる蛇尾の殴打がジェスターの身体を更に舞い上げる――だが道化も舞い上げられた勢いのままにカウンターでメイスを叩きつけにいくも。
致命傷だけを避けるように、潰れた左腕を無理矢理動かしメイスを逸らすと、右手のクロスカウンターを叩き付ける。
その頃ライアは、転がった傍にあったコインを一つ取り、それを確りと握り締めた。
(硬貨って、はー……細かいな。廃止になったものも、あるのかなっ……)
金属の硬さは、握り締めるだけでも今の状態では苦痛が走る――けれど、負けてられない。
大剣を杖代わりに、走った苦痛を気付けとして立ち上がり――
「……アアアアアアアア!!」
身体を突き動かすのは、魂――肉体の限界をスキップで飛び越える、英傑としての魂。
それによって生まれた膨大な膂力が、先の道化師の一撃をも凌ぐ圧倒的な薙ぎ払いとなって大剣を振るわせ、道化を盛大に吹き飛ばす。
「ハーッハッハッハ! やるではないかヒーロー! そうだ、それでこそヒーローよ!! 最高の動画になりそうではないか!!」
「そんなのどうでもいい!」
王道の逆転劇に歓声を挙げる菘の声に、ライアは声を張り上げ大剣の柄を強く握り。
「ただ……倒れてる暇なんてない! 死ぬことも! 止まることも! ……私には許されないんだッ!!」
吹き飛ばされた道化の元へ一瞬で迫ると、容赦なく大剣を脳天へ振り下ろし――それをジェスターはメイスで受け、大剣を弾き飛ばすも。
「オロロロロ、何トモ陳腐なものデスねェ。ここで倒された方がズット……面白いのではアリマセンかねぇ!?」
「死ぬほどつまらん! ここで貴様の逆転など、ただの台無しだわ!!」
続け様に伸ばされた菘の蛇尾の激しい殴打もまた、ジェスターのメイスの一撃にも劣らぬ重く激しい一撃となってそのメイスを圧し折り。
驚愕する道化の脳天へ、勇者の大剣と、邪神の頭突きが盛大に決まり――勇者と邪神の伝説の合わさった一撃を称えるように、金貨が舞い上がっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
テラ・ウィンディア
SPD対策をしている猟兵と絡み希望
お金かー
凄く大事だけどそういうのは横領って言うんじゃないか?え?違う?
【属性攻撃】で炎を剣と太刀と全身に付与
【戦闘知識】で今までの戦いの動きと過去の戦った記憶から動きを解析
特にこれまで撃ったレギオスブレイドの斬撃の軌跡は頭に叩き込む
対力押し
正面から受けてやるぞ!これでもおれは力自慢だからな!(剣と太刀を交差させて
で
【第六感・見切り・残像】で回避!&【空中戦】で地形破壊からも逃れるぞっ!
後は飛び回りながら接近戦で【早業】で剣と太刀による連撃を繰りだし斬撃を重ね
レギオスブレイドの軌跡
そしておれや猟兵の斬撃が集中したポイントに誘導
消えざる過去の痛み発動!
斬斬斬斬斬!
カネリ・カルティエ
おやおや、これだけの貨幣を申請なしに国外への持ち出すのは違法では?
度々お邪魔してすみませんね。君と遊ぶのもこれで三度目になるのでしょうか。
好きなものは、つい追ってしまうタチでして
硬貨はまじないにも関係するもの。嫌いじゃないですよ。
例えば、傷付いた銀貨は変わらぬ愛を表すお守りになるのだとか。
君にはいらない話でしたね
攻撃は【武器受け】または【催眠術】で自身の位置を相手に誤認させ避けます
君の為に新しい助っ人を連れてきたので紹介しても?君もきっと気に入ると思うのですが
紹介するのは【腐蝕の霧】
レギオスブレイドのみを腐蝕させ破壊
ジェスター君に対しては【呪詛】を込めた地縛鎖で【串刺し・傷口をえぐる】攻撃
●Time Is Money
少し見回すだけで広がる貨幣の数々、古今東西、文字通り世界中の硬貨を見ながらカネリ・カルティエ(ブラックタールの探索者・f10978)はジェスターにおどけた様子で問いかけた。
「おやおや、これだけの貨幣を申請なしに国外への持ち出すのは違法では?」
「お金は凄く大事だけど、そういうのは横領って言うんじゃないか?」
「オロロロロ、心外デスねェ。ワタクシ、法律の適用外デスノデ♪」
その隣にいるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の言葉に、意にも介さないように嗤って答えても。
カネリはお構いなしに言葉を続けた。
「硬貨はまじないにも関係するもの。例えば、傷付いた銀貨は変わらぬ愛を表すお守りになるのだとか……ああ、君にはいらない話でしたね」
「へえ……」
カネリの説明を聞きながらテラは双子の姉に良いかな、とも思いつつ冷静に剣と太刀を抜いて構え。
「度々お邪魔してすみませんね。好きなものは、つい追ってしまうタチでして」
「ンッンー……ちょっと何を言ってるかワカリマセンので、ワタクシの友人と遊んでてクダサーイ」
もう三度目だが――そんなカネリのことを嘲笑うように道化は真紅の意志を持つ魔剣を幾度となく嗾け、メイスを構えると。
「ソチラのお嬢サンには、風船デモ差し上げマス、ヨーッ!」
「来い!」
真っ向から太刀と剣を構え、メイスの一撃を受け止める――伝わる衝撃だけでも相当なものだ。
だが魔剣の行使によってリソースを裂き、消耗の重なった身体なれば受けるのも何とか叶う――そのまま剣でメイスを横に逸らし、太刀の閃きを足元から顎まで昇らせて。
纏う炎がその傷口に潜り込み、熱の追撃がジェスターに苦痛をより深く刻み込みながら、メイスの余波で浮き上がらんとした、時間差で湧き上がる地形の崩落を。
礫の僅かな足場を足掛かりに跳躍して躱し、逆に脳天に炎纏う刃を走らせカウンターの一撃を叩き込み。
よろめき、熱を伴い斬り裂かれた頭を押さえるジェスターにカネリからの声が響く。
「いやはや相変わらず凄い攻撃だ。君の為に新しい助っ人を連れてきたので紹介しても? きっと気に入ると思うのですが」
襲っていたレギオスブレイドは全て空振り――意志を持つことが仇となり、テラがジェスターを引き付けていたのが追い風となったか。
伸ばした鎖の離れた箇所と、同時に叩き込んだ惑わしの術が真紅の刃にカネリの位置を誤認させ明後日の方向へ向かわせていた。
――さぁ、今こそ出番。
太陽よりも赤き刃、真紅の悪夢を飲み込むは白い悪夢――地獄より出でて全てを殲す刃は、その赤を何よりも映えさせる白の中に埋もれ。
意志を持つ象徴の如き刀身の紅を薄れさせ、老人のように身を白みさせていきながら、真っ新な砂子のように消えていく――
驚愕するジェスターをテラの斬撃が、白砂と化したレギオスブレイドの渦中に持っていくように吹き飛ばし。
そのまま、カネリは錨を打ち込むように刃のついた鎖を絡みつかせ、悍ましい呪いを流し込み道化に苦痛の叫びを与え場に縫い付ければ。
「さて、後はお願いしますよ」
「任せろ――」
その声に応えるようにテラは頷き、剣を一つ力強く――虚空を文字通り斬るように振るい。
続き刀を鋭く振るえば、道化の顔が驚愕と恐怖の色に染め挙げられていく。
「オロロロロ、この技は……!」
「――おれが知る恐るべき刃だ。とくと味わえ」
思い返すは過去の悔恨にして無念、心に刻み付けていたは魔剣の軌跡と己の振るった斬撃の軌跡、これまでの猟兵が振るっていた刃の軌跡。
発動するは過去を制する過去の黒騎士の妙技――刀を納め、鍔が微かに響き。
次の瞬間道化の身体を覆うのは、その鮮やかにして禍々しい斬撃の軌跡。
虚空より呼び出された過去の記憶<斬撃>はそれそのものが道化の身体を覆い尽し、道化に重ねられた刻の重みを叩き込み、その身を骸の海に還すのだった。
成功
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