アースクライシス2019⑰〜鮮血に濡れる女神
秘された空間が暴かれ、その中には広大な城がそびえ立つ。
それは阿修羅城と呼ばれる戦神アシュラの居城である。
一歩中に足を踏み入れれば、吐き気を誘うような濃密な血の匂いが鼻をつく。
見れば城の内部は真っ赤な血で染まり、無数の屍が足の踏み場も無いほど転がっている。そのどれもが無残に斬殺されていた。
その中にたった一人生きている存在が居る。それは6本の腕に6本の剣を持った戦女神。まだ温かな死体を踏みにじり、返り血でその身を濡らした戦神アシュラは愉しそうに嗤う。
――もうすぐムカツク奴らを皆殺しにできる。
その刃でこの城まで辿り着いた猟兵を殺し尽くそうと柄を握る手に力が入る。逸る気持ちを抑え、殺気を練って戦神アシュラは獲物の到来を待っていた。
●
「新たなジェネシス・エイトの一人、戦神アシュラの居場所を見つけた。そこへ襲撃を掛け、討ち取るのが今回の任務となる」
大きな城を映すグリモアベースで、バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達に説明を始める。
「神の空間と呼ばれる場所に阿修羅城という居城を持っているようだ。転移で直接そこへ乗り込むことになる」
普通の方法では行く事が出来ない場所にある。パンゲア大空洞で発見された石板を解析することで道が開けたのだ。
「敵は必ず先制攻撃を仕掛けて来る。敵のテリトリーでの戦いだ、地の利は向こうにある。まずは初撃をいかに凌ぐかが戦いの鍵となるだろう」
猟兵のユーベルコードよりも速く敵のユーベルコードが発動する。そのユーベルコードを凌ぐ作戦を考えなくては一撃で倒される危険もある。
「戦闘能力だが、戦神アシュラは6本腕を持ち、それぞれに持った6本の剣による近接戦を得意としている。近接戦を挑むのならその連続攻撃に気を付けて戦う必要があるだろう」
敵は常に近づいて戦おうとする。遠距離攻撃をするのなら、近づかれないようにしなければ非常に危険だ。
「城の惨状から分かるように戦神アシュラは残虐な性格のようだ。ここで倒せなくてはどれだけの犠牲者が生まれるか分からん。これ以上の犠牲を出さぬよう、諸君の手で邪悪な女神を討て」
説明を終えたバルモアは阿修羅城へと繋がるゲートを作り、そこへ猟兵達は足を踏み入れた。
天木一
こんにちは天木一です。今回はジェネシス・エイトの一人、6本の剣を操る戦神アシュラとの戦いとなります!
戦神アシュラは必ずユーベルコードによる先制攻撃を行います。皆様のユーベルコードよりも先に必ず発動します。それに対する対処法を編み出すと、プレイングボーナスを得て有利になれます。
使ってくるユーベルコードは皆様が設定しているユーベルコードの種類(POW・SPD・WIZ)と同じものです。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
それでは城内で戦女神との戦いです。激しい白兵戦を仕掛けてくる強敵を破りましょう!
第1章 ボス戦
『戦神アシュラ』
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POW : 戦女神光臨
【悪の『戦女神』としての神性】に覚醒して【戦いのためだけに造られた武器への無敵状態】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 阿修羅三眼装
【額の第三の眼を開く】事で【目にした者の戦闘行動を封じる『終戦神』】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 阿修羅破界撃
対象の攻撃を軽減する【神気を纏った『戦勝神』】に変身しつつ、【六刀本来の姿たる全てを断つ『破壊神』の刃】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:otomo
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナミル・タグイール
金ぴかいっぱい付けてるにゃー!
腕全部ぶった切って金ぴか奪ってやるデスにゃ!
剣いっぱい対策は…思いつかないにゃ!
【呪詛】まとったジャラジャラを全身に付けて防具にするにゃ!最強にゃー!
なんか強そうモードにゃずるいにゃ!
ナミルの金ぴか斧は捧げもの?用らしいから戦闘用じゃないにゃ!きくはずにゃー!
斧のリーチを生かして密着ザクザクされないようにしたいにゃ。
【野生の勘】でいつでも下がれる位置でじりじりにゃー!
時間を稼げればUCの効果で相手が呪われまくるはずにゃ(効果お任せ)
ちょっとでも動きが鈍ったりチャンスがくれば【捨て身】で飛び込んで腕ざっくり狙うにゃー!
相手が金ぴか捨てたら回収にゃー!!
レジーナ・ドミナトリクス
接近戦を挑みたい相手ではありませんが……距離を取れる手段もあまり持ち合わせていませんし、やれるだけやってみましょう。
敵の得物は全て長剣ですし、間合いは一息に詰めきった方が振り抜きにくくなり却って安全でしょう。
そう、例えば相手の足を【踏みつけ】られるほどに。
攻撃は致命的なものだけ【見切って】避け、フォース【オーラで防ぎ】つつ懐に踏み込みます。
フォースセイバーで攻撃もしますが、敵の手数を抑えつつ意図を悟られないため。
足を潰して機動性を削ぎ、後続に有利な状況を作るのが狙いです。
私のブーツは戦闘仕様ですがあくまで靴、攻撃も通るはずです。
ファッションとしては素敵ですが、素足は戦闘に不向きだと思いますよ?
●六の刃
血塗られた通路を進み、城の広間に出るとそこには屍の山の上に立つ戦神アシュラの姿があった。その身体は返り血で濡れ、殺意の塊のように殺気が漏れ出ていた。
「金ぴかいっぱい付けてるにゃー! 腕全部ぶった切って金ぴか奪ってやるデスにゃ!」
金ぴかの敵の装飾を見た、ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は目を輝かせて戦いに挑む。
「だけど剣いっぱい対策は……思いつかないにゃ!」
どうしようかと悩んでも思いつかないなら防いでしまえばいいと、ジャラジャラと呪詛を纏った金の装飾を全身に装着して防具にする。
「これで金ぴかにゃ! 最強にゃー!」
キラキラ黄金に光る派手な姿でナミルが敵の前に姿をみせる。
「アタシの前にムカツク面を見せに来たね、ここで皆殺しにしてやるよ!」
戦神アシュラが烈火の如き後光を放ち、その身に神性を宿して戦闘用の武器への無敵という恐るべき耐性を得た。そしてその6本の腕で剣を振るい襲い掛かって来る。
「なんか強そうモードにゃずるいにゃ!」
慌ててナミルは攻撃を躱し、避け切れぬ斬撃を黄金に輝く巨大な斧で受け止める。
「どうしたどうした! 守ってるだけかい!?」
「にゃ!?」
嬉々として嗤う戦神アシュラから連続で放たれる刃に、ナミルは押されて尻餅をついた。
「頭をかち割ってやるよ!」
そこへ止めと戦神アシュラが大きく剣を振り上げる。
「接近戦を挑みたい相手ではありませんが……距離を取れる手段もあまり持ち合わせていませんし、やれるだけやってみましょう」
覚悟を決めたレジーナ・ドミナトリクス(密獄の女王・f12121)は、その大振りの隙をついて背後から接近しようとする。
「アタシの背後を取ろうなんて100年早いんだよ!」
だが後ろに目でもあるように、戦神アシュラの腕が横薙ぎに剣を振り抜いた。胴を薙ぐ一撃をレジーナは低く屈んで避けた。
「何躱してんだよ!」
戦神アシュラは振り上げた剣の狙いを変え、レジーナの頭を叩き割ろうとする。
「長剣が得物ならば、距離を詰めた方が安全です」
敢えてレジーナは前に踏み込み、振り下ろされる剣の鍔元に近い部分をフォースで受け止め、裸足の右足を踏みつけた。みしっと骨に響くような音がして、ブーツの一撃は無敵の守りを無視してダメージを与える。
「痛いんだよ!」
戦神アシュラは左右の剣を挟み込むように同時に振るう。胴を両断する一撃をレジーナは飛び退いて躱した。だがそこで剣の間合いへと移ってしまう。
「切り刻んでやる、覚悟しな!」
6本の剣を自在に振るい、躱すレジーナの体が浅く斬りつけられていく。
「敵の得意な間合いに離されてしまいましたね……」
フォースセイバーも使って攻撃を凌ぐが、手数で圧倒的に負けて間合いを詰める事ができない。
「その金ぴかをもらうにゃー!」
そこへ背後からナミルが金ぴかの斧を振るって叩きつける。刃は背中を傷つけ赤い血が流れ落ちた。
「アンタにやるもんなんて一つもないよ!」
戦神アシュラは振り返りながら剣を振るうが、斧の間合いの方が長く刃は届かない。
「チッ!」
ならばと戦神アシュラは踏み込んで連続で斬りつける。それをナミルは勘で防ぎ、時間を稼いで相手に呪いを与える。
「これは‥…?」
敵の皮膚が金色に染まり、黄金に変わり始めた。
「呪いか、小癪な真似をしやがって!」
呪詛を認識した戦神アシュラは、遊びは終わりだと斬撃の速度を上げてナミルを薙ぎ倒す。
「死にな!」
「させません」
止めを刺そうとする戦神アシュラにレジーナがフォースセイバーで斬り掛かる。だがそれを読んでいたように戦神アシュラは剣で弾いた。
「さっきも邪魔してくれたね、アンタから死んどきな!」
そして6刀の斬撃を浴びせ、それをレジーナはフォースで防ぐ。だがフォースが切り裂かれ、フォースセイバーで受けようとも、6刀の内2刀がその身に届く。
「ここがチャンスにゃ!」
ナミルは注意が自分から逸れている隙に飛び込み、斧を振り下して今まさに届こうとしていた右腕の一本を斬り落とした。剣を握ったまま腕が地面を転がっていく。
「やったにゃー!」
「おのれ!」
腕に付いていた金ぴかを拾い上げて喜ぶナミルに、激怒した戦神アシュラが首を刎ねるように左の剣を振るう。
「腕の次は足です。少しでも戦闘力を削がせてもらいます」
そこへレジーナが踏み込んでフォースセイバーで剣を押さえつけ、敵の右足をもう一度思い切り踏みつけた。
「つぅっ」
足の骨が砕け戦神アシュラは苦悶に顔を歪ませる。
「ファッションとしては素敵ですが、素足は戦闘に不向きだと思いますよ?」
レジーナは続けてフォースセイバーで斬りつけるが、剣で受け止められた。
「アタシにここまで傷を負わせて、生きて帰れると思うなよ!」
5本の腕が一斉に斬撃を放ち、衝撃波でレジーナとナミルは弾き飛ばされる。そして倒れたところに止めを刺そうと戦神アシュラは痛みを無視して足を踏み出した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャオ・フィルナート
死体なら見慣れてる
小細工は…苦手なんだ…
敵の先制は★氷の翼で自らを包み防御
【暗殺】で鍛えた【第六感】で気配を察知
翼の隙間から距離感を【見切り】翼の切断のみで済むように位置調整
万一攻撃を受けても【激痛耐性】
翼は…空気中の水分さえあれば、何度でも再生出来る…
ん…でも、ちょっと痛かったし…
返してもらうね…
距離を取りつつ★死星眼と【指定UC】発動
空気中の水分や周囲の死体を凍結させる事で
氷の防御壁として使用
★氷麗ノ剣から放出する水流の【属性攻撃】や
再生成した氷の翼から放つ氷の弾丸の【一斉発射】で
敵を接近させない
眼が合ったら【催眠術、生命力吸収】で足止め+回復
隙を突いて両手に★罪咎の剣を所持
【早業】の連撃
荒谷・つかさ
乗り込む際の武装は多めに用意した丸太
元は建材だし奴の耐性には引っ掛からないはず
とはいえ耐久性は柔いので、使い潰し前提
まず遠間なら怪力で以て投擲して牽制
近接戦闘では防戦に徹し「武器受け・フェイント・オーラ防御」を駆使してダメージを抑える
この際どさくさ紛れに一発素手で殴りダメージ入れておく
この一発が通ればそれを根拠に「悪の戦女神だろうと私の筋肉のが強い」とセルフ言いくるめつつ【超★筋肉黙示録】発動
無敵の筋肉で奴の武器をへし折りつつ、徒手格闘術(打撃・柔術・関節技)にて圧倒する
とある聖者は、素手で神の使いを倒したというわ。
故に、武器など前座。
無敵の筋肉による徒手空拳こそ、神殺しの真髄よ!
●神に挑む
「死体なら見慣れてる」
死体の山を目にしてもシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は平然と足を踏み入れ、敵と相対する。
「さっきのヤツの仲間かい? 仕留めてからと思ったが、先にアンタを殺してやるよ!」
右腕を一本失って傷ついた戦神アシュラが突っ込んで来る。
「小細工は……苦手なんだ……」
それに対してシャオは氷の翼で自身を隠すように包み込んで守りを固める。
「そんなもんでアタシの剣を防げるかよ!」
神気を纏った戦神アシュラが本来の姿へと変貌した5本の剣で縦横に斬撃を浴びせた。触れただけで鉄でも切り裂きそうな鋭い刃が目の前に迫る。
「直撃を……受けなければいい……」
氷の翼が切り裂かれるが、翼の隙間から覗いたシャオは翼を盾にして距離を保ち、己に刃が届かぬように間合いを取る。
「遠いか、なら踏み込むまでだ!」
肉を裂き骨を断つ手応えを感じないと、戦神アシュラは間合いを詰めて刃を振るい続ける。翼がズダズダに裂かれ、シャオの体にも刀傷が浅く刻まれていく。
「このまま八つ裂きにしてやるよ!」
嗜虐的な笑みを浮かべた戦神アシュラは、刃を真っ赤に染めようと剣速を上げる。だがそこにブンッと風を切る音と共に大きな丸太が飛んできた。
「なんだ!?」
それを振り向きながら戦神アシュラは刃を振るって丸太を両断する。
「丸太?」
「不意をついたつもりだけど、防がれてしまったわね。でもまだまだ丸太はあるわ」
離れた位置から荒谷・つかさ(『風剣』と『炎拳』の羅刹巫女・f02032)が用意しておいた丸太を軽々と担いでは投げつけ、敵の武器を無効にする神性を貫こうとする。
「そんなもんでアタシを倒すつもりかい!」
侮辱を受けたと、声に怒りを滲ませた戦神アシュラが駆け出し、丸太をバラバラに斬り捨てながら間合いに入る。
「ええ、そのつもりよ」
言い返しながらつかさは丸太で攻撃を防ぐ。だがあっさりと両断されると、新たな丸太を蹴り上げて受け止める。そして押し返そうとするが、すぐに次の剣が襲い掛かり防戦に追い込まれる。その5本の内の2本が、背後へと振り抜かれる。
「後ろにも……目があるみたい……」
その剣の届かぬギリギリの位置にシャオが近づいていた。
「戦っていればどんどん敵の気配に鋭くなっていくものさ!」
戦神アシュラはシャオとつかさを同時に相手取り、それでも攻勢を維持していた。
「翼は……空気中の水分さえあれば、何度でも再生出来る……。ん……でも、ちょっと痛かったし……返してもらうね……」
傷ついた翼に空いた穴から敵を覗くシャオの右目が金色に輝き、こちらを攻撃しようとした戦神アシュラと目が合う。すると相手を催眠に掛け、ほんの一息手を緩めさせる。その隙にユーベルコードを発動し、急速に周囲の気温を急速に下げ、空気中の水分や周囲の死体、そして撒き散らされた血を凍結させ、氷の壁を作り上げて敵を包み込む。
「こんなものでアタシを止めるつもりかい?」
鼻で嗤う戦神アシュラは意識をはっきりさせて剣を振るう。すると氷の壁がバラバラに砕け散った。
「もう……近づかせない……」
射線が通った瞬間、氷の翼を再生成し終えたシャオが剣を振るい水流を放つ。それを邪魔だと戦神アシュラが切り裂くと、続けて氷の翼から無数の氷の礫が発射し、戦神アシュラの手足を穿った。
「こんなもの蚊が刺したようなもんだ!」
血を流しながらも構わず戦神アシュラは5本の剣を振るって致命傷を避けながら近づく。だがそこに横から丸太が矢のように飛んで来た。
「チッ」
それを弾くが戦神アシュラの体勢が崩れる。
「隙を見せたわ!」
そこへ突っ込んだつかさが顔に拳を叩き込んだ。戦神アシュラの体がよろめき倒れそうになるのを堪える。
「やっぱり悪の戦女神だろうと私の筋肉のが強い」
一発殴ったことで自分に自信を持って言い聞かせ、つかさの体は無敵の筋肉という特性を得てパワーアップする。
「筋肉だって? そんなものはこいつでバラバラに切り刻んでやるよ!」
戦神アシュラの連撃をつかさは手で捌き、足で手を蹴り上げて止める。
「とある聖者は、素手で神の使いを倒したというわ。故に、武器など前座。無敵の筋肉による徒手空拳こそ、神殺しの真髄よ!」
つかさは拳と蹴りの怒涛の連打で敵を防戦に押し込み、反撃に放つ左の突きを躱して掴み、背負って投げ飛ばした。したたかに背中を打って息を詰まらせる間に、その左腕を脇に抱えてへし折る。
「ぐぁっ! よくもやってくれたな!」
反撃に倒れたまま戦神アシュラは剣を突き上げる。つかさは飛び退くが脚を傷つけられる。
「ぶち殺してやるよ!」
怒りに殺気を撒き散らす戦神アシュラが起き上がり、つかさ目掛けて4本の剣を振るう。
「動きを止める……」
そこへシャオが翼から氷の礫を雨のように撃ち込み、それに紛れて接近すると銀のナイフを一閃して敵の胸を切り裂き、さらにすれ違いながら脇腹にも刃を走らせた。
「神を傷つけた罰を受けな!!」
間合いが離れる前に戦神アシュラの刃がシャオの背中に襲い掛かる。
「神だろうと筋肉で倒すわ!」
その一撃を腕で受け止め、刃を食い込ませながらもつかさは戦神アシュラを殴りつけて、思い切りぶっ飛ばした。
大成功
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メンカル・プルモーサ
……ふむ……こう言う力押し相手は苦手なんだよね……
まあ、そうも言ってられない相手だけど…
……阿修羅が戦勝神に変身した隙を狙って毒使いにより作成した煙幕で一瞬でも惑わせる…
それを切るなりなんなリで対処してくるだろうから…そこで圧縮格納術式【アバドン】より飛び出る自動操縦の改造装甲車【エンバール】を突撃させるよ…
…クリーンヒットすれば良し、切られたらエンバールに満載していたとりもちが阿修羅レディに降りかかる…刀が切れても、刀自体がとりもちに包まれればどうかな……
…そこを【尽きる事なき暴食の大火】により存在を喰らう白い炎で追い打ちを掛けるよ…
ハルア・ガーラント
こ、怖いです…あっ、まだ出てきちゃダメですよ!
背の鎖を翼から全部外し、念動力で背後に小さく纏めた状態で転移します。転移後、少しづつ前進しながら気取られないように足元の肉塊を確認します。肉塊通過後に頑丈そうなものに鎖をそっと深く突き刺していきます。わたしの翼は大きいので半開きにして視界を覆い、かつ影で隠すように。
先制攻撃を全力のオーラ防御と第六感を以て防御しますが、攻撃が来る!と思った瞬間に斜め後ろに飛翔。鎖で身体を一気に後方へ引っ張ります。わたしの強さじゃ全部は防ぎきれないだろうから…。
そこでUCを発動して、追撃の為こちらを追ってきたところに真正面から全部ぶつけます。
共闘・アドリブ大歓迎です!
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
戦神相手に私でどこまで戦えるでしょうか
何とか一撃だけでも入れたいところです
光属性に設定した魔銃を構えておき、相手が動いたら最大出力で発動(属性攻撃)、同時に全力で横へ転がります
『第三の目』も視覚に応じて発動するものであれば、眩しさで反射的に閉じるはず
それまでのスピードと反応で切りつけられるかもしれませんが耐えます(激痛耐性)
切りつけの隙に指定UC発動(カウンター)
「戦神とはその程度ですか?」(挑発)
激高してくれれば死角へ召喚された手術台が拘束しやすくなるでしょう
上手く拘束出来たら手術台とメス(黒狼の牙)で攻撃します
「強さの根幹、解析させて頂きます」
●怒れる阿修羅
「……ふむ……こう言う力押し相手は苦手なんだよね……」
白兵戦に特化した敵の戦いぶりを見て、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は苦手な相手だと僅かに眉を寄せた。
「まあ、そうも言ってられない相手だけど……」
倒さなくてはならない以上、好き嫌いは言っていられないと打倒する策を練る。
「……阿修羅が戦勝神に変身した隙を狙う……」
メンカルは毒を生成する成分から煙幕を作り出し、使うタイミングを計る。
「ち、血だらけですね……」
血と死体だらけの城内の光景に怯えながらも、ハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)は勇気を振り絞って戦場に立つ。
「こ、怖いです……あっ、まだ出てきちゃダメですよ!」
ハルアは翼に巻き付く鎖を全て外し、念動力で背後に小さく纏めていた。それを敵に気付かれぬように、半開きにした翼の影で隠しながら伸ばし、足元に転がっている、まだ形をしっかりと保っている死体にそっと深く突き刺した。
「クソったれ! よくもアタシにこんな真似しやがって、猟兵どもめ!」
左右の腕を一本ずつ失って4本腕となり、身体のあちこちから血を流す戦神アシュラが、殺気を漲ら褪せてハルアを見つける。
「いいところに、ちょうど怒りをぶつける相手が欲しかったところだ!」
神気を纏い剣の姿を禍々しいものに変え、戦神アシュラはハルアに向かって一瞬で間合いを詰めて斬り掛かる。
「来ます!」
それを察知していたハルアは斜め後ろに飛翔し、先程仕込んでいた鎖で身体を後方へ引っ張る。だがその動きを追うように戦神アシュラもさらに踏み込んでいた。
「速い!」
眼前に迫る刃をハルアはオーラで防ぐが、すぐに斬り裂かれ、刃が身体を掠める。
「死にな」
残りの3刀が手足と首を狙って振りかぶったところへ、光線が撃ち込まれる。それを剣で防ぎ、攻撃の手が止まった。
「戦神相手に私でどこまで戦えるでしょうか。何とか一撃だけでも入れたいところです」
ロキの人格を表に出した水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が、光属性に設定した魔銃を構えて援護射撃を行う。
「先に死にたいのはアンタかい?」
すると向きを変えて戦神アシュラが怜悧と相対する。
「来ますね。覚悟を決めましょう」
銃を最大出力に変えて敵に向ける。そんなものなど気にせぬように戦神アシュラは真っ直ぐに突っ込んできた。そして額の第三の眼が開いて怜悧を見つめる。それに合わせて怜悧が引き金を引き、眩い光線を放ちながら横へと身を投げ出す。すると先ほどまで立っていたところを4本の剣閃が奔り空を切った。
「外れた!?」
攻撃を外したことに苛立ち、戦神アシュラは瞬きをして眩んだ視界を戻す。
「戦神とはその程度ですか?」
「なんだと!!」
そこへ怜悧が挑発する言葉を投げる。その言葉に激高した戦神アシュラが声のした方へと反射的に剣を振るった。その刃も空を切り、逆に腕に何かが絡まる。
「何だ?」
ようやく戻った視力で見て見れば、戦神アシュラの体に拘束具が巻き付き、怜悧の召喚した手術台へと引き寄せられた。
「こんなものすぐに解いてやる!」
戦神アシュラが暴れて手術台が揺れ動く。
「強さの根幹、解析させて頂きます」
拘束が解ける前に怜悧は漆黒の医療用メスで戦神アシュラの体を切り刻み、手術台も動き出し人体実験をするように注射を刺して毒々しい薬液を注入したり、電流を流し込む。
「がっ! げはっ!!」
ビクンビクンと拘束された戦神アシュラの体が大きく跳ね上がる。
「……殺す。殺す殺す殺す殺す! 絶対に殺してやる!」
怒り狂った戦神アシュラが腕の拘束を引き千切り、剣を振るって手術台をバラバラに切り裂いて自由となる。そして狂わんばかりの殺意を怜悧に向け、剣を構えた。そして第三の眼が怜悧を捉え、動きを封じ込める。
「引き時を誤りましたか」
何とか動こうとする怜悧の前に近づき、戦神アシュラはいたぶり殺してやると怒りの眼を向ける。
そこへメンカルが煙幕を張り、広がる毒素を含む煙が目を刺激して敵の視界を奪った。
「こんな小細工でアタシを止められると思うのかい!」
戦神アシュラはすぐさま神気を宿して剣を振るい、衝撃波を放って煙幕を吹き飛ばす。
「……一瞬でも惑わせればいい……」
その僅かな間にメンカルは圧縮格納術式【アバドン】に格納していた改造装甲車を取り出し、自動操縦で加速させ敵に突っ込ませる。
「こんなものすぐにスクラップにしてやるよ!」
戦神アシュラは剣を走らせ、一瞬にして装甲車をバラバラに解体する。
「……想定内です。トラップ発動……」
斬られた装甲車に満載していたトリモチが降りかかり、それを切り裂こうとした刀を振るうが、切断されてもトリモチは体に引っ付き戦神アシュラを包み込んで拘束した。
「なんだいこれは!」
粘着性の高いトリモチから逃れようと戦神アシュラが慌てる。
「……刀が切れても、刀自体がとりもちに包まれれば動けないよ……」
そしてメンカルは本命である白い炎を放つ。存在を喰らい燃える炎が戦神アシュラを燃え上がらせた。
「熱いっ! ぐぅうううっ! こんな炎でぇ!!」
焼かれながら戦神アシュラは苦しみもがいて暴れる。膝をついてそのまま倒れるかと思ったところで手に持つ剣が輝き、トリモチを焼き払って、さらに白い炎も消し飛ばした。
「アタシを本気にさせるなんてね。楽には死なせないよ!」
全身のあちこちに火傷を負った戦神アシュラはメンカルを睨みつけ、地を蹴って一気に間合を詰める。
「誰も死なせません!」
そこへ恐怖や絶望を受けたハルアが、ユーベルコードを発動しバロックレギオンの群れを召喚する。歪な小翼を広げ、一斉に襲い掛かった。戦神アシュラは迎撃に剣を振るうが、数に物を言わせて手足や体を引き裂く。
「ちょろちょろと鬱陶しいんだよ!」
戦神アシュラは剣を輝かせ、一振りで破壊の渦を巻き起こしバロックレギオン達を半壊させる。
「怖いですけど……引けません!」
ハルアは残りのバロックレギオン達に攻撃を続けさせ、足元から鎖を伸ばして敵の足に巻き付けた。それが先ほど骨を砕かれた右足を圧迫し、怪我を悪化させて激痛を与える。
「ぐあっ、クソが!」
戦神アシュラがバランスを崩したところにバロックレギオン達が仕掛け、肩や腕の肉を引き千切る。
「このまま押し切れれば……!?」
ハルアが引き寄せる鎖の抵抗がなくなる。戦神アシュラは引かれる力よりも速く踏み込みハルアとの間合いを詰めていた。
「まずは一人!」
戦神アシュラが剣を振ろうとすると、その背に光線が撃ち込まれ剣速が鈍る。その隙にハルアは翼を羽ばたかせ後方へ逃れていた。
「大丈夫ですか?」
怜悧が牽制するように光線を撃ち、敵の動きを阻害する。
「は、はい。大丈夫です!」
体勢を立て直したハルアはまた鎖を放った。だがその鎖は剣に断ち切られる。
「本当にアタシを苛立たせるヤツらだね……」
戦神アシュラの声のトーンが落ちる。だがその声は怒りに震え、憎悪に塗れていた。
「猟兵ども、オマエらの血でこの広間を満たしてやる!!」
炎を纏った戦神アシュラが纏わりつくバロックレギオン達を一瞬で斬殺し、怜悧の前に現れる。怜悧が光線を撃って迎撃するが、剣で弾かれ首を狙って二刀目が迫る。
「……目晦ましを仕掛ける……その間に離れて……」
メンカルが飛び散った白い炎を集め、敵を囲んで燃やそうとする。
「二度も食らうかよ!」
戦神アシュラは4本の剣で嵐を巻き起こすように振るい、白い炎を消し飛ばした。だがその間に3人は場を離れ視界から消えていた。
大成功
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クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「幹部相手ですか、手強そうですね……」
【POW】
●POW対抗
「先制して来ますか、ならコイツで」
腕の『ライオットシールド型パイルバンカー』と『自身の機械化した両腕』で【武器受け】します。
多少のダメージは覚悟の上、防ぎ切れない分は腕を犠牲に耐えます。
●反撃
先ほど、両腕に受けたダメージをキーにUCを発動。
「GEAR:PHANTOM PAIN。この痛みは無駄なものではないのだから」
UCで自らの機械化済みの予備腕、元は削岩機であり【メカニック】用の工具の『パイルバンカー』を約60程召喚し、敵に叩きつけます。
「6本で来るなら、こちらはその10倍の60本でお相手しましょう」
霧島・絶奈
◆心情
この逢瀬を愉しみましょう
◆行動
敵の先制攻撃対策としてT【オーラ防御】を展開
回避を優先しますが、負傷したら【生命力吸収】で回復
しかし残念でしたね
私の黒剣は処刑用、槍は儀礼用、聖痕に至っては『私に神性を齎したモノ』に過ぎません
つまりいつもと何ら変わりなく戦えるというわけです
加えて【罠使い】の技能を活かし【目立たない】様に魔法で敵を識別する「陥穽、毒矢、虎挟み等の罠」を複数設置
そして此方は狩猟用…
貴女の強みの一つはこれで潰えました
以降は『反転』し戦闘
【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
理性を失おうと、【範囲攻撃】と【二回攻撃】で命中を、【衝撃波】で間合いを補えば問題ありません
朝霞・蓮
多分猟兵を見た瞬間に襲い掛かってくる…よね?
相手の居城で、しかも血で嗅覚を惑わされると知った時は不安だった。けど、眼を見なくてもわかる。
呼吸…そして黒い殺意。
五感や【第六感】をフル動員すれば喰らい付くことは出来る。
六本の竜剣槍で牽制しながら初動は様子を見るよ。
相手の武器種が多いせいで対応に若干難儀するかもしれない。
しかし手数が多くても、足は二本。
足を集中的に狙えば相手も手数を防御に回すしかないはず。
問題は速度か…よし。
UC【AF〈月蝕〉(ツキハミ)】を発動(SPD)
戦神に縋りつくため、こちらも速度を上げるよ。
神に手をかけるのは今日が初めてじゃない。
悪しき戦女神アシュラよ……我が善行の糧となれ!
●神殺し
「どこだ! どこへ逃げた!」
右足を引きずり、体中傷だらけの戦神アシュラは、4本の腕を振るって八つ当たりするように壁や柱を切り裂いてゆく。
「幹部相手ですか、手強そうですね……」
隠れて様子を窺っているクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、手負いとなって頭に血を上らせている危険な敵を観察し、遠距離から一方的に攻撃するのは難しいと判断する。
「あのスピードではすぐに近接されるでしょう。なら姿を見せて戦うしかありません」
クネウスは物陰から出て、ライオットシールド型パイルバンカーを構える。
「そんなところに隠れていたか!」
ギロリと戦神アシュラが睨みつけ、神性宿す炎の後光を纏って一気に間合いを縮める。
「先制して来ますか、ならコイツで」
振り抜かれる4つの刃の嵐を、クネウスはライオットシールドで受け止める。だがそれだけでは防ぎ切れず、首や胴を狙う攻撃を機械化した両腕で凌ぐ。刃がシールドを削り、腕にも食い込んだ。
「その首を寄越せ! 真っ赤な血を噴き上げろ!」
戦神アシュラの左右の剣が首を挟むように放たれる。
「私の首はあなたにくれてやるほど安くはありません」
その必殺の一撃をクネウスは左側を盾で、右側を腕で受け止めた。盾は半分ほどで割れ、腕は中ほどまで刃が達して神経が切断され動かなくなる。
「チッ、仕留め損ねたか。ならもう一度だ!」
戦神アシュラはもう2本の腕でクネウスに再度の攻撃を仕掛けようとする。
「戦いの女神ですか、相手にとって不足はありません。この逢瀬を愉しみましょう」
そこへ霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が姿を現した。
「新手かい!」
戦神アシュラは振り向きながら横一閃、盾の上から一太刀浴びせてクネウスを薙ぎ倒し、絶奈の方へ向く。そして戦う用の武器に対しては無敵の神性を宿したまま突っ込んで来る。
「無敵の神性ですか、しかし残念でしたね。私の黒剣は処刑用、槍は儀礼用、聖痕に至っては『私に神性を齎したモノ』に過ぎません」
襲い掛かる刃を絶奈は剣と槍で受け止める。
「つまりいつもと何ら変わりなく戦えるというわけです」
そして連撃を躱す為に後ろに下がりながらリーチの勝る槍を突き入れて太腿に突き刺した。
「クソが! こんなもんでアタシを殺れるかよ!」
構わず前進し、戦神アシュラは絶奈の心臓目がけて剣の突き出す。だがその踏み込んだ足に痛みに走る。見下ろせば左足がトラバサミに挟まれていた。
「そして此方は狩猟用……貴女の強みの一つはこれで潰えました」
そこへ絶奈がまた敵の間合いの外から槍を振るい、傷ついた脚に追い打ちを掛け機動力を奪う。
「クソクソクソ! 許さない……こんな真似しやがって……猟兵は皆殺しにしなけりゃ気が済まん!」
トラバサミを叩き斬り、戦神アシュラは怒りに燃え上がる刃を振るい、絶奈の剣を弾き、構える槍の上から叩きつける。
「うわ……怒り狂ってるね」
そのヒステリックな様子を見た朝霞・蓮(運命に敗れた竜・f18369)は若干腰が引ける。
「姿を見せたらすぐに襲い掛かってきそうだね」
深呼吸をし、覚悟を決めて蓮は踏み出し敵の視界に入る。
「そこにも居たかァ!」
ジロリと額の第三の眼を開いて動きを封じようと蓮を見つめる。だが蓮は敵を見ずに目を閉じていた。
「ああ?! 目を閉じてアタシと戦おうってのかい! 舐めやがって、ならそのまま閉じてな、次に目を開けたらあの世だよ!!」
戦神アシュラがびちゃりと血塗れの足で踏み出す。
「相手の居城で、しかも血で嗅覚を惑わされると知った時は不安だった。けど、眼を見なくてもわかる……」
敵の引き摺るような足音。戦いで乱れた呼吸。そして肌を刺すような黒い殺意。
首と胴を狙う刃を、目を閉ざしたままの蓮は竜剣槍で弾き返す。
「生意気な!」
4本の腕からなる高速の斬撃に竜剣槍を弾かれるが、6本の竜剣槍を使って次々と受け止める。しかし完全に防げぬ刃が身体を浅く裂いていった。
「ハハハハッ! どこまで耐えられるかねぇ!」
嗤いながら戦神アシュラは剣速を速めていき、蓮は守るだけで手一杯となった。
「GEAR:PHANTOM PAIN。この痛みは無駄なものではないのだから」
そこへ起き上がったクネウスが両腕に受けたダメージをキーにユーベルコードを発動した。するとクネウスの周囲に機械化された予備腕が60本以上召喚される。
「な!?」
その光景に驚いた戦神アシュラが剣戟を止め、クネウスと向き合う。
「6本……いえ、今は4本ですか。こちらはその10倍以上、60本でお相手しましょう」
クネウスが予備腕が一斉に襲い掛かり、パイルバンカーで岩でも削り取るように攻撃を開始した。破裂音と共に放たれる杭。
「こんなもの!」
一本二本と戦神アシュラは剣で腕を切り飛ばしていくが、数の暴力に押されて自らの腕も吹き飛んでいく。
「ぐぅっああ!!」
神性を帯びてパイルバンカーを無効化しようとするが、杭は関係なくまた腕を一本吹き飛ばした。
「残念ですが、このパイルバンカーは元は削岩機です」
クネウスは間断なく攻め続け、敵に逃れる時間を与えない。
「アタシは戦女神……こんな苦境なんていくらだって乗り越えてきた!」
残り2本となった腕で無数の杭に対抗し、剣を振るい続ける。目では追えぬほどの速度となり、まるで剣が6本あるかのように残像が残る。
「見事なものだね。だけどここで倒れてもらうよ」
そこへ蓮が竜剣槍を低く突き入れ、左脚を膝から斬り落とした。
「がああああっ!」
バランスを崩した戦神アシュラは杭を左肩に喰らって、左腕を失いながら遠くへ吹き飛ばされる。
「神に手をかけるのは今日が初めてじゃない。悪しき戦女神アシュラよ……我が善行の糧となれ!」
止めと蓮が刀を抜き打って首を狙う。だがその一撃は首の皮を裂いたところで、残された最後の剣に受け止められた。
「善行だって? 剣で斬り合ってるのに善なんぞあるか! ムカツクから殺す! それだけでいいんだよ!!」
片足で立ち上がった戦神アシュラは、たった一本の剣で蓮と切り結ぶ。
「ハハッ、殺したら楽しいだろうが! 素直に人殺しを楽しんだらいいんだよ!」
「戦いの神というよりも、狂戦士の神だね」
その狂ったような闘争心に蓮は押される。残りの命を燃やすように、戦神アシュラの剣は冴えに冴えていた。
「だけど引く訳にはいかない」
蓮もまた前に踏み出し、剣鬼となったように激しく剣をぶつけ合う。
「そうだ! それでいいんだよ!」
嬉々として戦神アシュラは剣を振るい、数え切れぬ剣戟を交わす。
「剣の戦いをお楽しみのようですが、私達の目的は神殺しのみ。目的を果たさせてもらいます」
絶奈が濃霧を放ち、それに触れた辺りの死体が腐り果てていく。そして絶奈の体が変貌し、人型の獣のような異形へと成り果てた。
「ギ、ギギ……ギィィィィィアアアッ!」
金属が擦り合う金切り音のような咆哮を発し、理性を失った絶奈は戦う2人に襲い掛かる。
「これは……!」
気付いた蓮は剣を止め、息も止めるように静止する。だが戦神アシュラは構わず剣を振るった。その刃に反応し、絶奈は剣を腕で受け止め、牙を首に突き立てる。
「がはっ、この……獣風情が!」
戦神アシュラが腹に剣を突き立てようとすると、肉を喰い千切りながら絶奈は距離を取る。そしてくっちゃくっちゃと肉を貪り食った。
「ギギ、ギギッ……」
口を真っ赤に染めた獣がニタリと嗤う。その顔を見た戦神アシュラは逆上し、剣を手に片足で跳び掛かる。
「今アタシを見下したな! 獣如きがァ!」
戦神アシュラが腕を振り下ろす。だが攻撃を肩に深く食らいながら、獣は手を伸ばし、戦神アシュラの胸を貫きその心臓を手中にした。
「あっ、がぁ、このアタシが……」
ずるりと腕が抜け、戦神アシュラが崩れ落ちる。そして獣はまだ脈打つ心臓を前にして大きく口を開けた。
「幹部だけあって強敵でしたが、倒すことに成功しました。この調子でオブリビオン・フォーミュラも倒せるとよいのですが」
クネウスが敵が消えゆくのを確認し、これからの戦いの事を考える。まだまだ幹部は残り、倒しきれるかも分からないが、世界の滅亡を防ぐ為にオブリビオン・フォーミュラだけは必ず倒さなくてはと呟く。
「そうですね。まずは確実にオブリビオン・フォーミュラを倒すべきでしょう。最悪、幹部は後回しでも仕方ありません」
人の姿に戻った絶奈は頷き、優先順位が大事だと次に向かう戦場を思い浮かべた。
「じゃあ帰ろうか、まだ戦いは残ってるからね。戦い続ける為には休息が必要だよ」
蓮が疲れた様子の仲間達を見渡して声をかけ、共にグリモアベースへのゲートを潜り血の臭いの籠った城を後にした。
大成功
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