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アースクライシス2019⑫~歪んだ豊穣~

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #センターオブジアース

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●かつて豊穣の神ありて
 センターオブジアース。巨大な世界樹とそこに実った信仰の果実たる「神の神殿」により世界を支えてきた地球の核。
 しかし、過去の信仰が結実した神の神殿は、無残に穢されオブリビオンの神殿へと姿を変えていた。かつてその神殿に祀られていた豊穣神の偶像は砕かれ、代わりにその位置に座しているのは褐色の肉体を際どいレオタードに包んだ1人のオブリビオンだ。
「ふふ、さすがは豊穣の神ですねぇ……実りと繁栄をもたらす権能が、私にぴったり」
 オブリビオンの名は剛力淫魔シエイラ。快楽エネルギーを軸として剛力を揮う彼女は、豊穣神が司っていた「生物繁殖」の権能により無限のエネルギーを得ている。
「さぁ、来なさい、イェーガー……快楽の果てへと墜としてあげるわ」
 褐色の女王は、奪った座で舌なめずりするのであった。

●Get Back the Shrine
 猟兵の進軍はついにセンターオブジアースへと達した。巨大な世界樹と、その枝に実った神の神殿。今はオブリビオンに奪われてしまったその神殿の奪還こそが今回の任務だ。
「集まってくれてありがとう。今回のミッションについて説明するわね」
 その場に集った猟兵たちをぐるりと見回し、ニコラは今回の敵オブリビオンと戦場の特徴について話し始める。
「センターオブジアースの世界樹、そこに実った神の神殿。それがオブリビオンにより奪取され、オブリビオン神殿としてパワーソースになっているわ」
 オブリビオン神殿、つまりオブリビオンを祀り彼らを強化する神殿だ。これが健在であるかぎり、神殿から力を受け取っているオブリビオンは絶対無比な力を誇る。その状態のオブリビオンと相対して勝利を収めるのは非常に困難と言わざるを得ない。
「だから、戦いながら神殿を破壊してもらうわ」
 ニコラの言葉が示す意味に、猟兵たちがざわりとした。
 神殿がある限り無類の強さを発揮するオブリビオンを相手取りつつ、力の源となる神殿を破壊する。言葉にすれば簡単であっても、実質的には二面作戦のようなものだ。
「作戦の難しさは理解していただけたようね?」
 溜息をひとつ挟み、説明は神殿の破壊方法へと移る。
「オブリビオン神殿を破壊する方法は2つ。物理的か、あるいは霊的か」
 物理的――すなわち、オブリビオンと戦闘を行いつつ、巨大建造物を破壊できるユーベルコードでオブリビオン神殿の破壊を行う。
 霊的――すなわち、神殿の本来の持ち主たる「豊穣神」へと働きかけ、その力を呼び起こすことで神殿の権限をオブリビオンから奪回する。
「本来の持ち主たる豊穣神が目覚めればオブリビオン神殿は自壊が進むし、逆にオブリビオン神殿を壊すほどに豊穣神は目覚めやすくなるわ」
 猟兵個人単位ではどちらかの手法に専心したほうが成果は出やすい。最終的な結果が同じであることから、それぞれの得意とするアプローチを選べばよいとのことだ。
 この神殿に祀られていた豊穣神が司るは、オブリビオンが奪った「生物繁殖」だけではない。狩猟や肥沃な実りも内包するその権能を呼び起こすような呼び掛けや行動は、霊的に働きかける際の鍵になるだろう。
「最後に……この神殿を奪ったのは剛力淫魔シエイラというオブリビオンよ。彼女の操る快楽エネルギーに染められないように注意してちょうだい」
 オブリビオンの名と彼女が奪った権能、そこから想定される戦場の様相には幾分か惑乱の気が強い。どうか気を付けて、と締めくくりニコラは転移ゲートを開くのであった。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして。そうでない方はいつもありがとうございます。若干お色気混じりの戦争シナリオへとご案内いたします、Reyoです。

 さっそくですが、シナリオの補足です。

●プレイングボーナス
 このシナリオフレームには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると有利になるというボーナスが存在します。
=============================
 プレイングボーナス……敵のパワー供給源を断つ。
=============================

●神殿を破壊する(=パワー供給源を断つ)方法
 物理的なアプローチ:オブリビオンとの戦闘中に、巨大建造物を破壊できるようなユーベルコードで神殿を攻撃する。
 霊的なアプローチ:オブリビオンとの戦闘中に、本来の祭神である豊穣神を目覚めさせるような行動を取る。
 なお、ここに祀られていた豊穣神は「生物繁殖」「狩猟」「実り」を司っており、これらの権能に働きかけることを霊的なアプローチと見做します。
 個人単位での神殿破壊アプローチは、物理か霊かの一方に絞ったほうが効果的です。

●各猟兵の描写スタンスについて
 本シナリオでは「戦闘中のハプニング」もしくは「豊穣神へのアプローチ」として何らかのお色気描写が可能です。
 プレイング1行目に以下に示すどちらかの記載がある場合、お色気描写を行います。
 惑:剛力淫魔シエイラとの戦闘中のお色気描写
 奉:豊穣神へのアプローチとしてのお色気描写
 これらの文字がない場合、スタイリッシュなカッコイイ描写を目指します。

 補足は以上となります。

 それでは、神殿を取り戻す戦いへと参りましょう!
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第1章 ボス戦 『剛力淫魔シエイラ』

POW   :    インフィニティエクスタシー
戦闘中に食べた【熱狂、性感、興奮、快感などの感情 】の量と質に応じて【フェロモンや肉体が強まっていき】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    超サキュバスティックアーツ
【濃厚なフェロモンを纏わせた強力な連続攻撃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    エクスプローシブテンプテーション
【 快楽エネルギーによる桃色に輝く気弾】が命中した対象を爆破し、更に互いを【誘惑状態から生じる偽りの主従関係】で繋ぐ。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアリュース・アルディネです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリソン・リンドベルイ
【WIZ 禁樹・黄金の枝】
神様って、いくつもの顔があるものよ? 大地としての母、山野を駆ける乙女。多産と豊穣、貞淑と純潔。植物を成長させ産み増やし、同時に収穫として命を刈り取る…どの相も真実で、どの顔も一側面にすぎない…。
であるならば…ええ、ええ。この身を以て、神に奉じましょう。ーーー『禁樹・黄金の枝』 常緑のヤドリギを身に宿して、『生命力吸収、奉仕、覚悟』で、敵の力を簒奪。元の神に返すように、奪った力を捧げます。……この枝は禁樹。王を弑逆し、神すら殺すヤドリギの枝。全て死に絶える冬も、草木と鳥獣が増える春も…同じ自然の一部。枯れれば芽吹き、やがて実を結ぶ自然の理を…今再び示しましょう…!



●祈りの嚆矢
 オブリビオン神殿。座にゆったりと身を沈めていたシエイラは、僅かとはいえ己へのパワー供給が滞ったことに気付いて眉をひそめた。
「あら――まさか?」
「ええ、そのまさかよ、オブリビオン」
 わさり、という音は身動ぎ故に。普段であればガーデニアの咲く髪に、代わりに纏わせるはヤドリギの若緑。アリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)は、既にオブリビオン神殿への先陣を果たしていた。
「いらっしゃい、イェーガー! 歓迎するわ!」
 言葉と共に、触れるだけで気の狂いそうな密度の「淫気」の込められたそれがアリソン目掛けて真っ直ぐに飛んだ。
 迎え撃つはヤドリギ。桃色の気弾を迎え撃つそれらは、アリソンから吸い上げた生命力からなる黄金のオーラを纏う八重垣。
「きゃあ!? ――けれど、これで……!」
 力で拮抗するは一瞬。ヤドリギの垣根を気弾が突き破るが――その若枝を折るごとに気弾の勢いが目に見えて落ちていく。
「万の神に愛された者を弑した禁樹を通し、力を捧げます……!」
 祈りを捧げれば、神殺しの逸話を持つヤドリギは逸話通りに神へと通じる。気弾から吸い上げたシエイラの力を、ヤドリギは余すことなく神の元へ繋げた。
「前任者を目覚めさせるつもり?」
「ええ、そうよ。神様の力を得て随分と鼻が高いようだけれど……それはあくまで豊穣神の一側面にしか過ぎないわ!」
 ぱらり、とオブリビオン神殿の一部が欠ける。アリソンの祈りと力の奉納により、僅かとは言え励起された豊穣神が応えたのだ。
「くっ……それなら、豊穣神が目覚める前に! 貴方たちを骨抜きにしてあげるわ!」
 悠然と構えていたシエイラが、僅かに焦りを見せた。
 そう、攻略の嚆矢――ミストルティンは既に放たれたのだ……!

成功 🔵​🔵​🔴​

フォルセティ・ソルレスティア
@惑【ペア/f00964】【WIZ】
「フィオ姉ちゃんのいつものモードだね」
おっぱい大きいオブリビオンだと見境ないから大変だよね(←他人事)
【行動】()内は技能
シエイラの相手はフィオ姉ちゃんに任せて、ボクは神殿の物理的な破壊に注力するよ
でも大きいおっぱいだとすごいのかな? ちょっと気になっちゃうけど
挟まれてぱふぱふされたら大変かもー
テンプテーション攻撃には気を付けないとだね<フラグ>
・・・
「わわ、証拠隠滅だよー」
誘惑から脱したら(全力魔法)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるんだ。
神殿も敵も粉々だよー
「うう、フィオ姉ちゃんの鋭い視線を感じるよ」


フィオリナ・ソルレスティア
@【ペア/f05803】【WIZ】
「剛力淫魔シエイラ、私の前に現れるとはいい度胸ね」
今回は巨乳オブリビオン死すべしモードのため、シエイラをかなり敵視
私怨バリバリで戦う(物理的なアプローチ)
■行動
銀翼杖をビシッと突き付けてシエイラを睨みつけて戦闘開始
「ただの脂肪の塊で、弟を誘惑しないでもらえる?」
目の前で誘惑される?フォルセティの姿に更に怒り上昇。
「もう本気で怒ったわよ」
怒り心頭状態で[全力魔法]の【ティアマトの大嵐】を唱え
60体の神鳴の海嘯龍ティアマトにシエイラを襲わせながら、龍の暴走で
神殿自体も滅茶苦茶にする。

「ふふふ、フォルセティ。ちょっと話があるんだけど」
弟にはきつーいお仕置きが必要ね



●ソルレスティアの導師たち
 成敗、という声は戦闘音でうるさい神殿内でもよく通って響いた。
「オブリビオン神殿を無に帰しなさい、海嘯龍ティアマトよ!」
 続いての詠唱はフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)のもの。召喚陣を潜り抜けて顕現した60体超もの原初混沌女神の化身が一斉に目指すのは、シエイラの胸部である。
「フィオ姉ちゃんもいつも通りだねぇ」
 苦笑しつつ、姉の支援として魔弾術式を編むのはフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)だ。軽口をたたきながらとはいえ、息の合った姉弟のコンビネーションはシエイラに回避を許すことなく直撃を強いた。
「中々……でも、まだ神殿からのパワーがあるわよ!」
 とはいえ、若干の翳りを見せたとはいえ神殿からのエネルギー供給は健在。シエイラに目に見えるほどの損害はなく、むしろその豊満な胸を揺らしたのが最大の戦果。
 それを見たフォルセティがわぉ、と息を呑んだのを姉なる者ことフィオリナは聞き逃さなかった。
「フォ、ル、セ、ティ?」
「あはは、挟まれてぱふぱふされたら大変とか考えてないよー?」
 ぎろりと振り返ったフィオリナに対し、慌てて否定のポーズを取るも言葉にダダ漏れなのはご愛敬といったところだろう。
「とりあえず、作戦終了後にお話よ――それはそれとして!」
 ティアマトの群れに指令を出しつつ、フィオリナはシエイラへと向きなおる。
「ただの脂肪の塊で、弟を誘惑しないでもらえる?」
「あら、貧乳もまたステータスでなくって?」
 フィオリナの言葉へのシエイラの応答は、的確にフィオリナの逆鱗を撫でた。
「本気で、怒ったわ」
 ゆらり。フィオリナが手を掲げるのに合わせ、ティアマトたちが一斉突撃陣形を組む。
「怒ったらどうするのかしら?」
「――こうするのよ!」
 号令が下る。ティアマトたちが雪崩を打ってシエイラを目指し、その途中で神殿の構造物にも少なくないダメージを与えていく。
 が。
「神殿からのパワーは途絶えていないと言った筈よ!」
 シエイラが一瞬で生み出した桃色の気弾がティアマトたちの半数ほどを吹き飛ばす。その射線上に居るのは――フォルセティだ。
「フォルセティ!?」
「えっ――」
 ドン、と桃色の気弾が直撃。桃色の爆風が晴れた後、そこにはユーベルコードの力で跪かされたフォルセティの姿があった。がくがくとその内腿が震えているのは、気の狂いかねない淫気を一瞬で叩き込まれたが故。
「随分と弟さんにご執心のようでぅねぇ――どうですか? 私の元に下るのなら、こうやって弟さんをいいようにできますよ」
「……ふざけないでっ!」
 残るティアマトを再招集。フォルセティを護るように円陣を組ませ、フィオリナはシエイラと相対する。
「そんな方法で手に入れても、意味が無いのよっ!」
 そう咆えながらフォルセティの肩を揺さぶるフィオリナ。
「え、えへへ……おっきなおっぱいが、ふたつ、みっつ……」
「フォルセティ、しっかりして! おっぱいが3つあるのは火星人だけよ!」
 フィオリナにがくがくと揺さぶられ、ティアマトたちがシエイラの猛攻をしのぎ切るころに漸くフォルセティに正気が戻る。
「あ、あれ……フィオ姉ちゃん?」
「よかった――戦えるわね?」
 股間がぬめって気持ち悪い、というフォルセティに肩を貸し立ち上がらせるフィオリナ。姉の肩を借りながら、弟が編み出すのは隕石招来の大術式だ。
「証拠隠滅くらい、自分でやらなきゃね……!」
「くっ――!」
 センターオブジアースの中空に描かれた大魔方陣から呼び起こされるは灼熱の大隕石。
 オブリビオン大神殿の屋根を砕き、それがシエイラへと直撃した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

中條・竜矢

【POW判定】
なるほど、破壊すればそれだけ有利になるなら加減はいらないな。全力で行く。

戦闘開始と同時にユーベルコードを使用して邪竜に変身、そのまま派手に周囲を巻き込みながら肉弾戦を行う。
相手の攻撃力が高まっていようが、真正面からぶつかりあって戦う。

お前の力がどれほど強力でも、決して引かない!ダメージを受けるなら生命力吸収で少しでも補いながら戦い続ける。

(搦め手を相手にすることはあまり得意ではない)
くうっ……まだだ、まだ戦える

(アドリブなど歓迎)



●接近戦
 転移ゲートから高く飛びあがる。
 何故か?
 そうしなければ「全力」を顕現させるだけの空間が不足するからだ。
「神殿からのパワー供給だったか?」
 チョーカーによる戒めを解く。本来、人ならぬ存在を人の姿へと押し込める呪いの装具。それを逆用した拘束具が解かれ、中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)の姿は黒邪竜のへと変転した。
 神殿天井の穴をさらに押し広げるようにして竜矢の身体が神殿内へと着地する。
「これはまた、大きな――」
「真正面から、行かせてもらおう!」
 じゅるり、と舌なめずりしたシエイラに物怖じすることなく竜矢はその四肢を揮う。
 ガラガラとオブリビオン神殿の支柱が折れ飛ぶ。
 その一撃を受けて、しかしシエイラは健在であった。
「なるほど、確かに剛力っ!」
「ええ、まだこの神殿は私の支配下ですもの」
 竜矢の腕を両腕で抱え込むシエイラ。ユーベルコードがシエイラの筋肉を盛り上げ、竜矢との拮抗を押し返すほどの剛力へ至る。
「だが私にはまだもう片腕も、脚も、尻尾もあるぞ!」
 轟、と竜矢の四肢と尻尾が唸る。神殿の床を四肢で突き破り、尾の薙ぎ払いがシエイラを弾き飛ばし――その勢いを利用してシエイラが竜矢の懐へと飛び込んだ。
「それに逞しい『3本目の脚』もあるでしょう?」
 シエイラの狙いは、邪竜化することにより露出した竜矢の股間。
「何っ!?」
 巨躯の利と死角の不利は表裏一体。それを痛感しつつ竜矢は未知の感覚に呻いた。
「ふふ……神殿からの供給とは違って、ナマはナマでいいですねぇ」
 そのまま竜矢の尾側へと走り抜けたシエイラの手には、決して少なくない量の粘液。シエイラはうっとりとした表情でそれを舐め啜った。
「くっ――まだだ、まだ私は戦える!」
 完全に想定外な「搦め手」に扱かれて奇妙な疲労感を覚えつつ、竜矢は闘志を奮い立たせて戦闘続行を決意するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

デュナ・ヴァーシャ
@惑
なるほど豊穣と言うに相応しい見事な肉体だな……が、我が肉体には及ばぬ。それを見せてやろう。

権能を発動し、我が神躰の力と魅力を最大限に引き出し、肉弾戦を誘って真っ向から対決しよう。
特に何か特別な事をする訳ではない……だが、我と奴が闘うだけで、それはもはや『豊穣』であろう。
力比べやベアハッグで肉体を押し付けたり、関節技で身体を絡めあったり、寝技に持ち込んだりな。

並の相手に屈するつもりはないが、奴も神の力を得ている、我に匹敵し得るやもしれん。
負けるつもりはないが……辱めるような技で、強制的にアピールをさせられる事はあるやもしれぬな。人の子はこういうのをキャットファイトとか言うのだったか?


イデアール・モラクス

・物理アプローチ
破壊していいなら徹底的にやる、制限無しの全力でなぁ!
UC【隕石招来】に『範囲攻撃』で着弾範囲を広げ、『全力魔法』で隕石を更に巨大化させ威力を高め『属性攻撃』で炎を纏わせた上で『高速詠唱』を用いて唱え、神殿を破壊。
「破壊による再生、輪廻もまた繁殖の一つだ」
そして着弾地点の更地の上に立ち戦闘力を上昇させた上でシエイラを待ち構え『武器改造』にて触手を背に、魔剣を下半身に融合させ【淫魔形態】となり戦闘。
「淫術で私に挑むとは、イイ度胸だ!」
魔導ビットの『制圧射撃』で桃色気弾を撃ち落とし『武器受け』しつつ触手の『乱れ撃ち』で動きを止め、魔剣で『串刺し』にして体内から『生命力を吸収』だ。



●肉体の神と暴虐の魔女
 第二の彗星は、神とともに降臨した。
 赤熱を越えた蒼の彗星を操るは、イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)。
 彗星に座して降り立つは、デュナ・ヴァーシャ(極躰の女神・f16786)。
「破壊より始まる再生――輪廻転生もまた、形を変えた繁殖の起点だ!」
 半ば崩れ落ちていた神殿の天井がイデアールの高らかな宣言と共に完全に瓦解。天井を砕いてなお勢いの落ちぬ隕石は、オブリビオン神殿の基部を見事に打ち砕いた。
「っ……!」
「その様子だと、今のでパワーソースがイカれたようだなぁ、シエイラ?」
 着弾した隕石により更地となったオブリビオン神殿跡地に仁王立ちし、イデアールが言い放つ。イデアールの言葉に頷くデュナも、おそらくは同じ見立てなのだろう。
「だから、どうかしたかしらイェーガー?」
 イデアールの言葉に図星を突かれたことを隠すように虚勢を張るシエイラであったが――
「極躰の女神たる我に、そのような強がりが通じると思っていたのか?」
 その虚勢すら許さないとでも言うように、ずい、と。デュナがファイティングポーズを取りながら前へ出る。
「強がりではないことは、組み合ってみれば判ることでしょう!」
 シエイラはオブリビオン神殿を預かる者として、デュナの誘いに乗らざるをえない。
「よくぞ言った! ……豊穣神よ、極躰の女神が織りなす肉体美、しかと受け取り給え!」
 今を生きる神と、過去より蘇った偽りの神が激突。音を背後に引き連れた一歩と共に、デュナとシエイラは真正面から組み合った。
 シエイラは淫魔であるが故に。デュナは神であるが故に。それぞれの理由で豊満な肉体は激突の乾いた音と共に変幻自在に形を変える。特に顕著なのはその胸元であり、2対4房の乳房がたゆんたゆんと揺れ動く様は豊かな実りを思わせた。
「どうですか! これが、オブリビオン神殿の――」
「ふん……力押しばかりで芸が無い」
 力ではシエイラが勝った。現にデュナの身体はじりじりと押し込まれている。しかし、デュナが下すのは「ただそれだけ」という判断。
「なんですって!?」
「力だけの木偶の棒という意味さ!」
 ふっ、とデュナは体の力を抜いた。デュナを押し込むべく全身に力を込めていたシエイラが、バランスを崩されてつんのめる。
「くっ!?」
「所詮は借り物の力に溺れただけの、偽物が!」
 攻防は一瞬。姿勢を立て直そうと踏ん張ったシエイラの首後ろを抱え込み、己の脇下へと抑え込むデュナ。シエイラは剛力で抗おうとするが、重心のずれた不安定な姿勢で力むのはデュナの技に自ら飛び込むのと同義であった。
「キャットファイト、という言葉を知っているか?」
 腰を落としつつ、膝裏同士を交差させシエイラの片脚をも獲りデュナは問う。
「それが、一体――」
「我らは貴様をそう処す、という意味だ」
 首と脚をデュナに抑え込まれ、シエイラはみっともない土下座を強制される。奇しくも、デュナがその寝技を仕掛けたのはイデアールが隕石を降らせたまさにその地点。
「淫術に大層自身があるらしいなァ? どれくらい耐えれるか見物じゃないか」
 つまり、そこはイデアールの陣地。デュナが攻防を繰り広げる間に魔剣との合一を済ませたイデアールが、せめてもの抵抗として尻を高く掲げたままのシエイラへと迫る。
「供物は貴様だ、オブリビオン。貴様の奪った生物繁殖の権能、豊穣神へと返すといい」
「貴方たち、まさかっ――」
 デュナに取り押さえられたシエイラに、イデアールが何をしようとしているかは見えていない。しかしイデアールの舌なめずりと、何よりもシエイラの尻たぶに触れた脈打つ魔剣の存在が「キャットファイト」の内容を如実に伝えていた。
 嗚呼、という呻きにも似た溜息。イデアールとシエイラが同時に漏らしたそれは、しかしその根源をほぼ真逆とするものであった。
「止め……止めろォ……!」
「止めろといわれて、止めると思うか?」
 魔剣がシエイラを抉るたびに、シエイラの身体から豊穣神の権能が削ぎ落される。
 デュナの拘束に抗う力もそれと同時に弱まっていき――シエイラが果てる声を零し骸の海へと溶け去るのと同時に、神殿の権限は完全に豊穣神へと返還されたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月22日


挿絵イラスト