アースクライシス2019⑮〜無音無限のスナイパー
●マンハッタン:屋上
「推論:猟兵→己=捕捉」
黒い人影が摩天楼からニューヨークの街を見下ろしていた。
「仮説:状況=窮地。
否定:猟兵=脅威」
ダークポイントの視線の先、遥か彼方でヒーロー達が折り重なるように息絶えていた。
ある者は身元がわからないほど遺体が炭化している。
またある者は体中に穿たれた銃創から血を流していた。
他にも自らの武器で喉を貫いている者もいる。
「状況:戦闘開始=見敵必殺」
そう呟いて漆黒の暗殺者は音もなくビルの屋上から姿を消した。
●グリモアベース
「ヒーロー達のお陰でジェネシス・エイトの1体であるダークポイントを発見した」
マンハッタンの高層ビル街の片隅、あらゆる存在から死角となる『不可視の領域』でダークポイントは発見されたとラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)は説明した。
「居場所を突き止められたダークポイントは、マンハッタンの高層ビル街を縦横無尽に駆け巡りながら、我々猟兵を撃退しようとしている」
ダークポイントの射程距離は、射線さえ通ってしまえば凡そ無限である。
「土地勘と射程に優れたダークポイントの先手を取ることは難しい。先にユーベルコードの一撃を撃たれる覚悟でその対策を打つべきだろう」
そう言ってラティナは、予知によって察知されたダークポイントが使ってくるだろうユーベルコードの情報を資料で猟兵達に共有した。
「ジェネシス・エイトであるダークポイントは強敵だが、発見に尽力してくれたヒーロー達の為にも、我々猟兵の手で討ち倒そう」
刀道信三
どうも、刀道信三です。
このシナリオは『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『アースクライシス2019』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
またダークポイントは、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ダークポイント』
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POW : ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリソン・リンドベルイ
【WIZ 庭園守護する蜂軍団】
先に武器となりそうな杖を置いていきます。『空中浮遊、奉仕、覚悟、オーラ防御、呪詛耐性、狂気耐性、おびき寄せ』で、目立つように摩天楼の間を飛んでいきます。 ―――ええ、ええ。私だって死にたくはないけれど、解決策は『一秒でも長く囮になる』なのよ…! 『庭園守護する蜂軍団』の能力は、『敵意や悪意、害意に対する追跡』……不可視の暗殺者だとしても、その意図の全てを消せはしないでしょ…っ! 自分が耐えられる限りで、敵の攻撃に対する生きたレーダーとなって、他の猟兵にダークポイントさんの潜んでいる場所を伝えます。蜂たちが敵まで到達出来たら、針と『生命力吸収』で一矢報いるのよ
「――ええ、ええ。私だって死にたくはないけれど、解決策は『一秒でも長く囮になる』なのよ……!」
アリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)は武器になりそうな『緑指の杖』を歩道に置くと、摩天楼の間を翼を羽ばたかせて飛んで行く。
「来た……!」
アリソンが背の高いビルを追い越して空が開けたところまでやって来ると、それは突然襲って来た。
このまま頭から落下してしまおうかという自殺衝動。
アリソンはそれに抗いながら手近なビルの屋上に着地する。
「『庭園守護する蜂軍団』の能力は、『敵意や悪意、害意に対する追跡』……不可視の暗殺者だとしても、その意図の全てを消せはしないでしょ……っ!」
まだ駆け出して柵を乗り越えたくなる衝動を感じながら、アリソンは手の平サイズの巨大な蜂達を召喚した。
蜂達はアリソンに敵意や悪意を向けている者を自律的に追跡する。
アリソンは蹲ってしまいたくなるのを必死で耐えた。
姿勢を低くすれば銃口から隠れて蜂達が追跡できなくなってしまう。
幸いアリソンは猟兵としては腕力が強い方ではないので、素手で自分を殺そうとするには首を絞めるか、ビルから飛び降りるしかない。
(「まだ辿り着かないの……?」)
蜂達が飛んで行った方向を睨むものの、先頭を行く蜂がビルから3キロは離れてもまだダークポイントの姿を捉えることは出来ない。
自らの首に伸びようとする手を爪が食い込むほど握り締めながら耐えていると、遠方で機関銃の火花が上がった。
流石のダークポイントも武器を使わずに、50匹を超える手の平大の蜂に対処することは出来ない。
「みなさん、あのビルです!」
アリソンは自殺衝動から解放されるのを感じながら、仲間達にダークポイントの居場所を伝えた。
成功
🔵🔵🔴
勘解由小路・津雲
ふむ、相手の先手は必定か、ならばそれに合わせて対策するのみ。いざ、勝負!
【作戦】(攻撃はWIZ系)
①まず道具【式神】にある条件で発動するよう命令をあたえて、自律的に動くようにしておく
②高層ビルにのぼり、ダークポイントを上から攻撃。【衝撃波】を放ち、ガラスの雨を降らして攻撃しようとする
③しかし、先制で敵の【ダーク・アポトーシス】が発動するはず。自殺手段を選べるならば、高層ビルから飛び降りるとしよう
④ここで道具【式神】の条件発動、命令の内容は「落下する私を救え!」 式神を自律させることで、自殺衝動の影響を受けないようにする作戦
⑤あとは反撃、ユーベルコードの【式神召喚】でダークポイントの不意を突く
「ふむ、相手の先手は必定か。ならばそれに合わせて対策するのみ。いざ、勝負!」
仕込みを済ませた勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)はダークポイントの高所を取るべく、高層ビルを駆け登っていた。
仲間の猟兵の活躍により潜伏場所を暴かれたダークポイントは、逆に高層ビルを降っていることが未だ続く追撃と、それに対するタイプライターを叩く様な銃声から察することが出来る。
「それ!」
津雲が『青龍の扇』を振るうと衝撃波がダークポイントの頭上の窓ガラスに命中し、破片の雨がダークポイントに降り注いだ。
派手な攻撃で向かいのビルを駆け登る津雲に注意を向けたダークポイントが、音もなく銃口を向けて来る。
「……ぐっ!」
覚悟していたとはいえ突然湧き上がる自殺衝動というのは気分が良いものではない。
津雲は自分の意思が保てている内に思い切って高層ビルから飛び降りた。
たとえ猟兵であったとしても頭から無防備に落下すれば無事には済むまい。
しかしどこからともなく鳥型の式神達が落ち行く津雲を受け止めに現れた。
津雲はダークポイントのユーベルコード対策として、特定の条件下でユーベルコードを発動するように式神に命令を与え待機させていたのだ。
その命令とは『落下する津雲を救うこと』である。
高層ビルで戦闘となれば、自殺衝動に任せて飛び降りることは難しくない筈だ。
読み通り投身自殺を実行した津雲は自律起動した式神に命を救われたのだった。
「急急如律令!」
ダークポイントが津雲は墜落死すると思っている隙を突く為に、津雲は体勢を整えるのもそこそこに式神をダークポイントに向けて飛ばす。
これ以上ビル内にいては満足に猟兵達の攻撃を迎撃できないと判断したダークポイントは、式神がダークポイントのいるビルに突入するのとほぼ同時にビルから飛び出した。
こうして津雲の機転によって、黒い狙撃手を潜み隠れ射線の取り易い高層ビルから、屋外に引き摺り出すことに成功したのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハロ・シエラ
私自身はまだまだ死ぬ気は無いのですが、あの銃にはそう言う心を呼び起こす力がある様子。
銃口を向けただけで、なんて恐ろしいですが……良く考えれば銃弾を発射されても結果は同じですね。
まずは【残像】で狙いを絞らせない様にします。
敵を迷わせ、銃の動きを【見切り】、【ダッシュ】や【スライディング】を織り交ぜながら回避しましょう。
【第六感】も役に立つでしょうか。
その間は私が剣で戦う、と言う事を印象付けるように動きます。
仕上げは攻撃されても無理に接近する、と【フェイント】をかけて【物を隠す】技で服に忍ばせておいた銃を【クイックドロウ】しユーベルコードで攻撃します。
【だまし討ち】ですが、どっちが早いか勝負です。
「私自身はまだまだ死ぬ気は無いのですが、あの銃にはそう言う心を呼び起こす力がある様子」
愛用の細剣『リトルフォックス』を鞘から抜きながら、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は路地に降りて来たダークポイントと対峙する。
「銃口を向けただけで、なんて恐ろしいですが……良く考えれば銃弾を発射されても結果は同じですね」
ダークポイントの視界の外へと逃れるように、ハロはビルの壁面を走り向かいのビルの壁へと跳んで路地をピンボールのように跳ね回りながら、ダークポイントを撹乱しようとした。
それが銃弾に対するものであればハロの判断は正しい。
狙いを定められなければ射撃は当たらない。
しかし銃弾の発射速度を考えれば誤差のように感じるかもしれないが、射撃を避けることと銃口を向けられないことは違う。
ダークポイントはバックステップするとハロを視界に収め、スッと腕を払うように振った。
「えっ……?」
意識するより早くハロの手がくるりと回り、腹部にレイピアを突き刺していた。
火のついたような痛みに膝から力が抜けてドサリと倒れる。
ダークポイントは血溜まりに伏したハロに足音もなく近寄ると拳銃で狙いを定める。
トドメを刺そうとするダークポイントがトリガーを弾くより早く、ハロが懐に忍ばせておいた魔銃を抜き撃ちする方が早かった。
死んだ振りなどではなくギリギリのところで一矢報いようというハロの意思力が激痛を凌駕したのだ。
魔弾はダークポイントの拳銃を構えていた方の肩を撃ち抜き、銃弾はハロを外れた。
成功
🔵🔵🔴
ウィンディ・アストレイ
【POW】
(戦闘エリア高空到達。Ready…パワーダイヴ!)
戦闘エリア外から上空に飛び立ち、成層圏へ突入
【選択UC】を用いた全速(約M4.8)で当該エリア高空へ移動
耐熱マントを幾枚も纏った後
全速より若干減速した動力降下を敢行し、一気に接敵
敵UCで燃えたマントは都度脱ぎ捨て、身体への延焼を防ぎます
敵が逃げるなら全速力を絞り出して追随。逃がしません
(空中戦&ダッシュ&戦闘知識&第六感&見切り&盾受け)
接敵と同時に、振動波を限界まで高めたバニシング・フィンガーで
ビルごと破砕して地表へ叩き付け、敵の身体を分解破砕します!
(カウンター&空中戦&力溜め&怪力&鎧無視攻撃)
※アドリブ&他猟兵との絡み連携OK
「戦闘エリア高空到達。Ready……パワーダイヴ!」
戦闘エリア上空高度1万メートルまで背部推進ユニット『Blanches Aile』で移動したウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は、ダークポイントのユーベルコード対策に幾重もの耐熱マントを羽織り動力降下を敢行しようとしていた。
しかしウィンディがHigher Than Sky-Phaseを発動しようとしたその時、耐熱マントの端が突然発火する。
「ここが視えている……!?」
自然界ではあり得ない漆黒の炎は間違いなくダークポイントのものだ。
信じられないことだがダークポイントは、地上から高度1万メートルにいるウィンディの姿が見えているらしい。
漆黒の炎が全身に回る前に、ウィンディは耐熱マントを1枚脱ぎ捨てて降下を開始する。
瞬きする間に次々と発火をしては延焼を避けるために耐熱マントを脱ぎ捨てた。
自然落下なら垂直に数十秒。
そんなに掛けていたら漆黒の炎に焼かれて炭も残らないだろう。
最後の耐熱マントを脱ぎ捨てたところで、ウィンディは着地を度外視した加速で地表に向かった。
もっと降下攻撃による優位を活かしたいところだったが、既にそんな悠長なことを言っている余裕はない。
漆黒の炎に包まれて視界は塞がれ、体中が焼かれて全身で痛くないところがない。
コンマ1秒でも早くこの一方的に攻撃される状況を脱するべく速度を上げた。
「振動波限界、逃がしません!」
地上からこちらを見上げるダークポイントを狙ってバニシング・フィンガーを振り下ろす。
落下点から逸れるように見切ろうとしたダークポイントを追随してウィンディも急激に軌道を変えた。
迫り来るバニシング・フィンガーに向かってダークポイントは拳銃を連射する。
その腕をウィンディのバニシング・フィンガーが掴まえた。
浸透する振動波がダークポイントを分解破砕すると思われた瞬間、ダークポイントは機関銃で自らの腕が千切れるまで連射する。
ダークポイントは片腕をウィンディに握り潰されながら距離を取った。
成功
🔵🔵🔴
セシリア・サヴェージ
【ダーク・アポトーシス】による自殺衝動及び自傷行為は【狂気耐性】【呪詛耐性】である程度抑制できるはず。傷自体も【激痛耐性】で痛みを無視して行動します。
その上でUC【血の代償】を発動すれば、負傷の度合いに応じて戦闘力が上昇することでしょう。
自殺衝動も負の感情の一種とすれば、これもまた戦闘力増強につながる筈です。
対策とは少し違うかもしれませんが状況を利用させてもらいましょう。
ビル群を縦横無尽に駆ける敵など普段の私なら追いつけそうもありませんが、強化状態になった今ならばあるいは……。
【空中戦】【追跡】を駆使して追い詰め、暗黒剣を叩き込んでみせましょう。
「抵抗をやめてはいただけませんか?」
「否定:己=戦闘継続可能」
「それでは仕方ありませんね」
左前腕を失ったダークポイントに尋ねてからセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は暗黒剣を構える。
突撃して来るセシリアに対して、ダークポイントはそれ以上の速度で間合いを離しながら銃口を向けた。
「耐え切ってみせます!」
足を止めたセシリアは大剣の刃を自身へと向ける。
必死に自殺衝動を抑え込むことで暗黒剣を脇腹へと逸らすことに成功した。
もし真っ直ぐ急所に突き立てていれば、激痛に耐える暇すらなく意識を失っていただろう。
鎧に付着していたセシリアの血が鎧に吸収されるように消え、代わりに全身を暗黒のオーラが覆った。
「更新:敵=脅威度」
セシリアが動き出すより早くダークポイントは躊躇なく短機関銃のトリガーを弾く。
毎分約千発の速度で発射された銃弾を、セシリアは暗黒剣を数度振るうことでそのほとんどを弾き飛ばした。
防ぎ切れなくて傷を受けたことで更に『血の代償』(ブラッドプライス)による暗黒のオーラが色濃く溢れる。
「ビル群を縦横無尽に駆ける敵など、普段の私なら追いつけそうもありませんが……」
「…………!」
ダークポイントが弾倉を交換しようと意識を微かにセシリアから逸らした瞬間。
既にセシリアは暗黒剣の間合いに踏み込んで、暗黒剣を上段に構えていた。
暗黒剣は袈裟懸けに振り切られ盛大に血飛沫が上がる。
間髪入れずにセシリアはダークポイントを蹴り飛ばし、ダークポイントはビルの壁を突き破って数十メートルの距離を吹き飛んだ。
成功
🔵🔵🔴
フィッダ・ヨクセム
反撃への対策……撃たれるこたァ仕方がない(演技)
やられる箇所を激痛耐性で気分ごと逸らす
撃たれ続けるならば、破壊衝動と共に湧き立つ気分で笑い飛ばしてやる
自身に齎される代償を思えば、安いモンだ
血反吐吐いて笑う獣はさぞや撃ちがいのあるコトだろうよ
速さを主張するのなら、俺様はその速さを強化した脚で追い回す
撃たれても躱しきれないだろうが、そこはもう殺気と野生の感を信じる
…賢しく使うは吐き散らして発生させる炎だ
炎を吹き付けるだけじャ芸がねェし、両手に念動力で浮かべて即席の魔弾として強化する
そして、それを獣手で勢いよく投擲する
体にご馳走された分返さねェと気がすまねェ!
まァ…達成でも失敗でも、笑うしかねェけど
「撃たれるこたァ仕方がない」
フィッダ・ヨクセム(停スル夢・f18408)が、ビルの1階テナントに突っ込んだダークポイントの前に現れる。
手負いでも相手はジェネシス・エイトだ。
一見するとフラフラとした足取りで立ち上がっているとしても、先手を取ることは難しい。
どこにあるのかわからないダークポイントの目と目が合ったと思った時には、無数のリボルバーがダークポイントの周りに浮いていた。
ダークポイントが短機関銃の引鉄を弾くと、リボルバーからも一斉に弾丸が発射される。
避けようがないと判断したフィッダは、腕で頭と胴を庇うと半身になってダークポイントを向く面積を最低限に抑えた。
肩、脚、腰を容赦なく銃弾が抜けていくが歯を食いしばって耐える。
「ここまでは折り込み済みだ」
ダークポイントがニ射目を放つより早く、フィッダは妖怪鬣犬バスを自身に憑依させ身体を獣化させていく。
急激な身体強化の反動で口の端から血泡が吹き出した。
脚を撓め爆発的に地を蹴ることで、フィッダは一瞬でダークポイントの背後に回り込む。
ユーベルコードの効果で即座に振り返る反応速度を見せるが、片腕が千切れ全身の骨が折れているだろうダークポイントの動きはやや精彩を欠いていた。
スローモーションのように銃口が自分の方を向くのを感じながら、フィッダは射線の薄い場所を直感的に嗅ぎ取る。
大量の銃弾が掠めて皮膚を裂くが今度こそフィッダはダークポイントの反応を振り切った。
「体にご馳走された分は返さねェと気がすまねェ!」
フィッダは口から吐く炎を両手の平の上で魔弾として集束させる。
獣手で投擲した炎の魔弾がダークポイントの胴体に吸い込まれるように叩き込まれた。
「ハハハ、そんな姿じャ燃えてるかもわからねェな!」
ダークポイントは臓腑が焼かれ痙攣を起こすと、崩れるように倒れて絶命した。
成功
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