アースクライシス2019⑨~宙に到る光の懸け橋
●code:Lilith
それは衛星軌道上で地球とラグランジュポイントの間を漂っていた。
「光……」
そこへ地上から一条の光線がラグランジュポイントに向かって伸びて行く。
「……熱源反応、迎撃ヲ開始シマス」
その光線は道標なのだろう。
地上から接近する何者かを命令に従って撃ち墜とす為に、それは三対六枚の翼を広げてビームハイウェイに立ち塞がった。
●エリア51
「皆のお陰でラグランジュポイントに上がる為の1人用UFOを奪取することに成功した」
これによって猟兵達は大気圏外にあるラグランジュポイントを目指すことが出来るようになった。
「見えていると思うがラグランジュポイントまでは、米軍が照射してくれている『ビームハイウェイ』を辿って行けば到着することが出来る」
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)はUFOの発着場からビームハイウェイの照射器に視線を向ける。
光線は空に向かって伸びており、ラグランジュポイントまで続いているのだろう。
「問題は相手もそう簡単に我々を進ませてはくれないということだ。地上とラグランジュポイントの間には巨大化されたオブリビオンが配置されている」
巨大化オブリビオンは体高が20m近くあり、それにともなって攻撃力が強化されている。
「拠点防衛を考えれば合理的な策だが、それも良いことばかりではない」
巨大化したことによってオブリビオンは小回りが利かなくなっており、相手を翻弄するような華麗な空中戦を仕掛ければ、それに対応するのが難しくなっている。
「相手の弱点がわかっていれば巨大化していようが恐れることはない。障害を排除して速やかに、オブリビオンに支配されたラグランジュポイントを解放に向かうぞ」
刀道信三
どうも、刀道信三です。
このシナリオは『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『アースクライシス2019』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
このシナリオでは、華麗な空中戦を展開することでプレイングボーナスがあります。
ビームハイウェイに立ち塞がる巨大化オブリビオンを倒しましょう。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『魔導生命体『リリス』』
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POW : 破滅ヲ呼ブ魔導ノ光
【瞳から放つ不可視の精神感応波】が命中した対象に対し、高威力高命中の【暗赤色の魔導レーザー】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 深淵ヨリ出ル黒曜ノ弾丸
【魔力を物質化するまで圧縮すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【軌道を自在に操作可能な黒く輝く魔導弾】で攻撃する。
WIZ : 終焉ヲ告ゲル魔導ノ翼
対象の攻撃を軽減する【三対六枚の暗赤色の光翼を広げた姿】に変身しつつ、【半径レベルmをなぎ払う衝撃波】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:相馬
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「イヴ・シュプリーム」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フェルト・ユメノアール
たとえそれがどれだけ巨大な障害でも、必ず乗り越えてみせる!
だってボクは猟兵なんだから!
さあ、ボクの華麗な空中戦、見せてあげるよ!
ショウマストゴーオン!
逆巻く水の魔術師よ!その魔力を以て、世界に新たな理を示せ!
現れろ!【SPマーメイジ】!
マーメイジの効果で背中に鳥の翼を生やして飛行、リリスに空中戦を仕掛ける
『トリックスターを投擲』して相手を牽制
さらに『ワンダースモーク』を使用する事で煙幕により敵の視界を遮断
一気に急降下して敵の真下、体の死角に潜り込み接近
狙うは防御の薄い手足の関節、そこに取りつきトリックスターで斬撃を加え、反撃を受ける前に離脱
ヒット&アウェイ戦法を仕掛けるよ
「たとえそれがどれだけ巨大な障害でも、必ず乗り越えてみせる! だってボクは猟兵なんだから!」
フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)はバイク型のUFOに乗ってビームハイウェイを、巨大化オブリビオンの居る高度に向かって駆け昇る。
「さあ、ボクの華麗な空中戦、見せてあげるよ! ショウマストゴーオン! 逆巻く水の魔術師よ! その魔力を以て、世界に新たな理を示せ! 現れろ! スマイルパペット・マーメイジ!」
巨大化した魔導生命体『リリス』が見えて来たところで、フェルトはソリッドディスクにカードをセットした。
<ユニットカード>SPマーメイジの使用者は獣族となり、その効果と戦闘力を得ることが出来る。
正面から撃ち出された闇色の魔導弾をバイクを囮にすることで躱し、フェルトは背中から生えた鳥の翼を広げて飛び立った。
「魔導弾を操作できても見えているものにしか誘導できない。それなら!」
接近している間に放たれた第二射に向かって、ありったけのワンダースモークをバラ撒くと、魔導弾が擦過した衝撃で一面が煙幕に覆われる。
煙幕が視界を遮っている間に、フェルトは急降下してリリスの真下に回り込んだ。
「さあ、ショーのお代をもらって行くよ!」
通り過ぎ様に膝裏を狙って投擲用ダガーの『トリックスター』を狙い違わず突き刺す。
リリスが振り返った頃にはフェルトは巧みにビームハイウェイの裏側に回り込み、リリスの視界から逃れていた。
大成功
🔵🔵🔵
ベルベナ・ラウンドディー
【空中浮遊・念動力・衝撃波・時間稼ぎ】
ユーベルコード使用…これは攻防を兼ねたバリアーですね
時間経過とともに強化される結界を纏います
かつデコイと目眩ましの狙いから手持ちの爆弾セットをあるだけ散布し、念動力で空中に展開
爆風に紛れつつ、あるいはその衝撃を利用する滑空状態も織り交ぜ
速度と軌道を変則的に修正しつつ体当たりによる牽制攻撃を重ねて時間を稼ぎます
巨人の肌をはじめは撫ぜるよう、掠めるよう、抉るよう、千切るよう
一撃離脱の戦術を速度を上げていくほどに深く深く重ねます
その翼を一枚一枚削ぎ落せればロクな多対戦はもう臨めまい
私は厄介な衝撃波を完封するところまでを目標にします
決定打はどなたかにお任せしますよ
ヨナルデ・パズトーリ
巨大な敵の
ま嘗て大地を造る際に相対した大地のワニ、シパクトリに比べれば未だ
小さい方という物よ
其れに相手が巨大なら其れなりの戦い方があるしの
UCは『高速詠唱』で即発動
『先制攻撃』で煙の『属性攻撃』の『全力魔法』を『範囲攻撃』で叩き込み
『目潰し』
『迷彩』により『目立たない』様にし『存在感』を抑え『目潰し』の効果を
より高めた上で高速飛行の『空中戦』で敵の攻撃がやりにくい様に敵の体の
周辺を飛びつつ戦闘
攻撃は『野生の勘』と『第六感』も用い敵の動きを『見切り』ながら『残像』で
回避
翼の付け根や目等に『部位攻撃』
『高速詠唱』の『呪詛』入り『全力魔法』を『二回攻撃』で何度も同じ場所に
『傷口をえぐる』様に叩き込む
「巨大な敵よの。ま、嘗て大地を造る際に相対した大地のワニ、シパクトリに比べれば未だ小さい方という物よ」
ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)はその細い肩に身の丈ほどある黒曜石の戦斧を担ぎながら、彼方の敵を眺める。
「其れに相手が巨大なら其れなりの戦い方があるしの」
そう言うとヨナルデはジャガーを模した黒曜石の鎧に身を包み、血の滴った骨の翼を広げて飛び立った。
「まずは時間を稼がせてもらいましょうか」
ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)が前方に爆弾セットを機雷のように散布する。
爆弾は微弱な精神感応波に反応して爆発。
ベルベナは存在結界(グレイプニル)を発動しつつ魔導生命体『リリス』の背後へと回り込もうとする。
リリスが首を動かし視線でベルベナを追おうとすると、尾を引くように撒いておいた残りの爆弾を連鎖的に爆発させた。
ベルベナは爆風に紛れ、更にはその衝撃を利用して更に加速、リリスの視線を振り切るように横を通り抜ける。
小回りは利かないが的を視界に入れるだけで攻撃できるリリスから逃げ切るのは難しい。
リリスは手脚を大きく振って慣性で振り返ろうとする。
「視るだけで滅することが出来るとは厄介なものよの。それならその眼を曇らせてもらおうか」
ベルベナを追って方向転換しようとするリリスの背に向かって、ヨナルデの戦斧が叩き込まれた。
込められた煙の呪いが一瞬で広がり、リリスの全身を覆い尽くす。
「……魔導翼、展開」
大きく広げた三対六枚の暗赤色の光翼が、視界を晴らすように全周囲に向かって衝撃波を放った。
煙の晴れた先、リリスの視界正面にはベルベナとヨナルデの姿は既になかった。
「その翼、貰い受ける」
衝撃波の効果半径の外、リリスの死角からベルベナが高速で強襲する。
すべてを噛み切る殺気の結界が、魔力で形成された光の翼を一枚喰い千切った。
「もう一枚、戴こうか」
煙がリリスを覆ってる間に可能な限りの高度まで上昇して距離を取っていたヨナルデが急降下し、その落下速度を乗せた黒曜石の戦斧が光の翼を付け根から斬り飛ばす。
「さて、残りの翼も削がせてもらいましょうか」
戦闘時間に比例してその力を増す結界を纏いながら、ベルベナはリリスに向かって再び突撃を始めた。
大成功
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ルパート・ブラックスミス
(空見上げ拳を握り締め)
よかろう。荒技だが、今がその時。
UFOを対象にUC【信ずる者に殉ずる為の鋼姿】発動、合体し自分自身がUFOになる。
UCの効果により獲得した高速【空中戦】闘能力で突撃だ。
奪取してくれた猟兵たちの働きに応える為。亡霊騎士改めUFO騎士、出陣するぞ…!
20mの巨体では視線に因る頭部の動きも【見切り】易いというもの。
敵の懐に飛び込みその巨体で【物を隠す】ように身を潜めることで回避、大剣で斬り込む。
視界外ギリギリを飛び回ることで【挑発】し、敵の隙を引き出せるよう試みよう。
…意気揚々と出たが、こうしてみると蠅になった気分だな。
【共闘・アドリブ歓迎】
「よかろう。荒技だが、今がその時」
UFOの上に立ち、拳を握り締めながら空を見上げるルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)。
「奪取してくれた猟兵たちの働きに応える為。亡霊騎士改めUFO騎士、出陣するぞ……!」
ルパートは『信ずる者に殉ずる為の鋼姿』(フェイスフォワフェイス)を使って腰から下の具足をUFOと融合、合体させる。
UFOは合体したことでその表面がルパートと一体感のある意匠に変化した。
鋼鉄の空飛ぶ馬となったUFOを駆って、ルパートは一路ビームハイウェイを巨大化オブリビオンのいる高度へ向かって昇る。
ルパートが魔導生命体『リリス』を視界に捉えた時には既に戦端が開かれており、暗赤色の魔力が弾幕のようにリリスから宇宙空間に向かって断続的に放たれていた。
「20mの巨体では視線に因る頭部の動きも見切り易いというもの」
ルパートはリリスの背面から接近し、通り過ぎ様に鉛で刀身を伸長させた大剣で脇腹を斬り付ける。
「一撃で骨を断つとはいかないか」
そのまま極力小さい半径で旋回し、ルパートはリリスの巨体でその視線から身を隠しつつ、隙を突いて斬撃を繰り返した。
「……意気揚々と出撃してみたが、こうしてみると蠅になった気分だな」
リリスから見ればルパートは視界の端を飛び続ける黒点のように見えるかもしれない。
それでもこの戦いは敵の視界に入らないことが肝要だと、ルパートは至近の間合いを維持しながら戦闘を続けるのだった。
大成功
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伊藤・毅
「レーダーコンタクト、ボギー1、ドラゴン01エンゲイジ」
JSFライトニングで敵に【空中戦】を仕掛ける
長射程の【誘導弾】による【スナイパー】攻撃に終始、距離を詰めずにミサイルのつるべ撃ちで敵にプレッシャーを与える
敵の接近は【操縦】の腕前で引きはがし、挑発もかねてアクロバット飛行の【パフォーマンス】でおちょくる
どうしても接近された場合は攻撃を【見切り】ったあとすかさず【カウンター】で短距離ミサイルを【2回攻撃】で叩き込んで仕切りなおす
「レーダーコンタクト、ボギー1、ドラゴン01エンゲイジ」
魔導生命体『リリス』はラグランジュポイントを背にしている為、JSFライトニングのレーダーが捉えていてもまだキャノピー越しでは肉眼で見ることは出来ない。
伊藤・毅(Nemo・f06702)はJSFライトニングを更にリリスに接近させ、ロックオンするとレーダーホーミングミサイルを発射した。
リリスはラグランジュポイントを照らすビームハイウェイを遮るようにそこを動かないので、相対距離を維持することはそれほど難しくない。
毅はミサイルを誘導可能な距離から、つるべ撃ちにミサイルを発射し続けた。
猟兵達を迎撃するために撃ち続けられている魔力砲の弾幕を潜り抜けて何発かのミサイルが命中し始める。
視られた。
毅は直感的にそう感じた。
体高約20mの巨大化オブリビオンの視覚など想像できないが、こちらを意識されたという感覚だけがある。
事実リリスはJSFライトニングに向かって手を伸ばした。
手の平に魔力が圧縮され空間が窪んだように宇宙空間よりなお暗い漆黒の魔導弾が形成される。
射出された黒く輝く弾丸は直前までJSFライトニングが居た空間を通過した。
それでも予感に従って更に回避行動を取ると、Uターンして来た魔導弾が前方に回り込んで更に軌道を変える。
「やはりチャフでは効果がないか……」
念のためミサイルにするように追尾して来る魔導弾にチャフとフレアで対応するが、お構いなしに弾道が逸れることなくJSFライトニングを擦過して行った。
観察と予知による事前情報を総合すると、魔導弾の操作はリリスが視て進行する軌道を操っていることがわかる。
距離がある為にはっきりとは見えていないJSFライトニングを狙って大雑把な誘導しか行えないようであることが不幸中の幸いか。
毅は動きを読まれないようにアクロバット飛行を繰り返して魔導弾を翻弄した。
「視覚による誘導なら、これで……!」
変則的な機動を続けながら狙いを絞るため敢えてリリスとの距離を詰め、ミサイルをありったけ一斉に発射する。
ミサイルはリリスの鼻先目掛けて殺到し、リリスの頭部で爆炎の華が咲いた。
魔導弾は操作を失って彼方へと飛んで行く。
もう一度リリスの意識が自分へと向く前に、毅はリリスから距離を取るのだった。
大成功
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ギージスレーヴ・メーベルナッハ
宇宙戦闘であるな、良かろう!
如何なる敵も我が武力を以て蹂躙してくれるわ!
ヤークト・ドラッヘに【騎乗】し、【空中戦】を敢行。
敵の至近距離、主に下半身回りに纏わり付く形で近接し攻撃を仕掛ける。
振り回される腕や翼に叩き落とされぬよう注意、且つ可能な限り敵の視界から逃れるよう動く。
隙を見て機甲武装・殲滅火砲を発動、威力重視で大口径ビーム砲を呼び出し発射。
可能ならば人体的に急所である部位に叩き込んでやろう。
もし発射までに敵の視線が此方に向いていたら、思い切って目を【スナイパー】も併用し狙い撃つ。
その目その術、奪い取らせて貰うぞ!
愛久山・清綱
光の道が続いている。まるで天への道のよう。
といっても、この年(14)で死ぬつもりはないが。
■闘
さて、そろそろ敵も現れるだろうな。猛禽の翼で空を飛び、
【空中戦】を挑むぞ。UFOは他の仲間に譲る。
敵の「視線」に入らないよう空中を縦横無尽に【ダッシュ】しつつ、
翻弄しながら攻撃のチャンスを伺う。万一レーザーが飛んで来たら
軌道を【見切り】つつ【破魔】の力を宿した刀で【オーラ防御】、
レーザーを力ずくで受け止めながら突進だ。
相手の間合いに入ったら刀に【破魔】の力を最大限まで宿し、
【鎧無視攻撃】となった【剣刃一閃】で斬り伏せてやれ。
しかし、本当に俺の身体は便利なものだ。怪力、敏捷、飛行……
※アドリブ・連携歓迎
「光の道が続いている。まるで天への道のよう……といっても、この歳で死ぬつもりはないが」
愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)はロケット型のUFOに腕を組み堂々とした立ち姿で乗りながら、ビームハイウェイを巨大化オブリビオンのいる高度まで昇っていた。
「さて、そろそろ敵の見える頃合いか」
彼方に巨大な人影を認めて清綱は猛禽の翼を広げ、ここまで運んでくれたロケット型UFOから飛び立つ。
光の道を遮るように佇む魔導生命体『リリス』はまるで砦のようだ。
猛禽の翼ならではの臨機応変な飛翔でリリスの視線に捉われないように間合いを詰める。
しかし距離を詰め攻撃の機会を窺うところで清綱は息を呑むことになった。
確かに巨大なリリスの挙動は大雑把で小回りが利かない。
更にその翼で飛び回ることもないが接近する猟兵達をその視界に収めようと、リリスはその四肢と翼を振り回す慣性で想像より素早く方向転換を行うのだ。
視線を見切ることはそう難しくなくとも、距離を詰めて脅威と意識されるほど死角に入り続ける難易度は上がっていく。
「宇宙戦闘であるな、良かろう! 如何なる敵も我が武力を以て蹂躙してくれるわ!」
ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)は重機甲戦闘車『ヤークト・ドラッヘ』に騎乗し、リリスの背面に回り込みつつイッキに至近距離まで詰め寄った。
遮蔽物の少ない開けた宇宙空間で敵から捉えられないように、宇宙バイクの加速力を活かした立ち回りである。
ギージスレーヴはリリスの下半身周りに纏わり付くことで、リリス自身の体を遮蔽として視線を避けつつ魔導小銃『トーテンクロイツ』から射撃を繰り出した。
見下ろさせることで視角を絞らせているものの、リリスは方向転換のため頻繁に手脚を振り回すので四肢と翼の隙間を縫うことに集中させられ、十分に狙いを定める時間を与えてもらえない。
ギージスレーヴに気を取られ自分への警戒が薄くなったことを好機と見て、清綱は乾坤一擲剣気を高めてギージスレーヴの反対側から太刀打ちの間合いへと回り込む。
そこで不意にリリスの首がグルリと強い殺気に反応したかのように清綱へと向いた。
「南無三!」
このまま精神感応波を躱すことは不可能と悟って、清綱は今刀を大上段に構えながらリリスの懐に向かって加速する。
「ハハハハ! その目その術、奪い取らせて貰うぞ!」
そこへギージスレーヴが『機甲武装・殲滅火砲』(ウンゲノルムト・ヴァッフェ)で大口径ビーム砲を呼び出し発射した。
高火力のビームが至近距離からリリスの顎を跳ね上げ顔の半分を炙る。
暗赤色の致死の光条は清綱の真横を擦過した。
己を研ぎ澄ませ刃の如く鋭さで切り込んだ清綱の一閃が、肩口からリリスの片腕を斬り飛ばす。
苦痛により言葉にならないリリスの悲鳴が木霊した。
大成功
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数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
ヒュー!でっかいねぇ!
それだけデカけりゃダイエットも大変だろうねぇ!
悪いけどここで止まる訳にゃいかないんだ、
潰させてもらうよっ!
アタシにゃ似合いの脚があるんでね、
UFOは遠慮しておくよ!
さあ行くぜ相棒、『空中戦』の時間だ!
ビームハイウェイをカブに『騎乗』してかっ飛ばし、
『操縦』テクで追尾してくる魔導弾と
スリル満点の追いかけっこさ!
リリス本人って言うでっかいパイロンがあるから、
そこを経由しても良いかもねぇ。
ま、うっかり『敵を盾にする』ように
弾が当たっちまったらゴメンよっと!
そうやってリリスが怯んだら仕掛け時さ。
光も歪ませる【宙送りの穴】に、
一名様ご招待ってね!
「ヒュー! でっかいねぇ! それだけデカけりゃダイエットも大変だろうねぇ! 悪いけどここで止まる訳にゃいかないんだ、潰させてもらうよっ!」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は宇宙カブJD-1725で、ビームハイウェイを一直線にラグランジュポイントへ向かって駆け昇る。
「さあ行くぜ相棒、『空中戦』の時間だ!」
「アァ……」
顔の半分が焼け爛れ片腕を失った魔導生命体『リリス』が敵意の込もった視線を多喜に向けた。
胸の前で実体を持つほど圧縮された魔力を正面から突っ込んで来る多喜へと放つ。
「追いかけっこかい、負けないよ!」
大きく宇宙カブを傾けて黒曜ノ弾丸を回避した多喜は、軌道を操作され追尾して来る魔導弾とチェイスを始める。
多喜は魔導弾を躱す時以外はスロットルを開け続け、どんどんリリスに向かって加速して行った。
「そこにでっかいパイロンがあるからねぇ、そこを経由させてもらおうか」
魔導弾がピタリと多喜の背後に狙いをつけたところで、多喜はぐるりと宇宙カブでリリスを迂回する。
満身創痍で魔導弾を誘導することに集中していたリリスは自らの弾丸を受けて体をくの字に曲げる。
「さあ、光も歪ませる『宙送りの穴』(ディメンジョン・コラプス・セカンド)に、一名様ご招待ってね!」
体勢を崩したリリスの体幹を狙って多喜は次元崩壊を引き起こした。
猟兵達の度重なる攻撃でリリスの魔力障壁も削り切れており、抗うことも出来ずに内臓ごと体を刳り貫かれて巨大なオブリビオンは絶命する。
「さて、障害物もなくなった。このままラグランジュポイントまで行かせてもらおうか!」
多喜は振り返ることなく、ここは通過点だと目的地(ラグランジュポイント)に向かって宇宙カブを走らせた。
大成功
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