アースクライシス2019⑮〜好機:撃破=闇の一点~
●発見:敵幹部=ダークポイント
「劣化コピーでもそこそこの強敵で……そして、そのオリジナルが相手になったとしたら、君達ならどうする?」
グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、飄々とした様子で集まってきた猟兵達に微笑みながら一声かけた。
唐突ないつもの語り口が齎す沈黙も気にせず、彼女は語りを続けた。
「さぁ語ろうか。舞台はヒーローズアース、正義と悪の終わりなき戦いの舞台だ。君達には、敵幹部が一人ダークポイントを倒しに行って貰いたい」
ヒーローとオブリビオンの戦いが順調にいったことで、敵幹部ことジェネシス・エイトが一人、ダークポイントの居場所を突き止めることに成功した。
現在ダークポイントは、マンハッタンの高層ビルを行き来しながら無限の射程を持った先制攻撃でヒーロー達を苦しめているのだという。
「今こそ君達の出番だ。このダークポイントを倒して欲しい」
グリモアが映し出す、黒ずくめの影は既にこの戦争に於いても猟兵も戦ったことのある姿だった。
だが飽く迄それは劣化コピーであり、今回赴く相手は本物――実力は比べ物にならないのだと語る。
「勿論、これまでの強敵の例に漏れず先制攻撃を仕掛けてくるだろう」
戦争に於ける有力な敵との戦いに於いて、相手は必ず先んじて攻撃を仕掛けてくる。
ユーベルコード自体での抵抗は先んじて潰されるだろうし、複数のユーベルコードによる抵抗はその分先制攻撃を複数回仕掛けてくるのだと語る。
「だが君達も間違いなく強くなっている。そうそう遅れをとることはないだろうが……」
それでも敵の初撃に合わせ何らかの対策があれば、その分有利に戦えることに間違いはない。
真っ向からぶつかるのも止めはしないが、お勧めはしないと彼女は語る。
「既に量産型と戦った諸君もいるだろうが、使ってくる技は異なる」
力に優れた者には、かつてサムライエンパイアで戦った日野富子のように視線が命中した相手を燃やす能力。
俊敏性に秀でた者には、周囲に浮遊するリボルバーを展開し、全方位に壁を擦り抜ける弾丸を連射してくる能力。
魔法力などを得意とする者には、銃口を向けて自殺衝動を煽り、自分自身を攻撃させる能力で攻撃してくるのだと語る。
「勿論、改めて言うが実力も段違いだ。先制攻撃を凌いだとしても、僅かな油断が命取り。十二分に注意してくれたまえ」
いずれも厄介な力ではあるが、上手く凌いでしっかりと反撃を叩き込んで欲しいと語り。
一通りの事を語り終え、ブラックコーヒーを啜って一呼吸置くとスフィーエはグリモアを輝かせマンハッタン・ビル街へのゲートを開きながらこう締めた。
「私からは以上だ。いずれにしても厄介な相手ではあるが君達なら問題なく片付けてくれると信じている。では、準備が出来た者から声を掛けてくれたまえ」
裏山薬草
●注意!!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、裏山薬草です。
いよいよ敵幹部の一体と決戦ですね、張り切っていきましょう!
さて今回はですね、マンハッタンの高層ビル街を縦横無尽に駆け巡るダークポイントを追いかけながら撃破して貰います。
強敵の例に漏れず先制攻撃を仕掛けてきますが、今回は先制攻撃の対策が無かったとしても無条件で失敗となることはありません。
ですが先制攻撃への対策がプレイングにあればボーナスとなりますので、記入しておいた方が無難です。
これまで通り、使用されるユーベルコードの能力値に対応した能力値のユーベルコードを仕掛けてきますし、複数の使用はその分先制攻撃を仕掛けてきますのでご注意を。
また、それを抜きにしても強敵ですので苦戦も多くなってしまうかもしれません。
承知の上で参加をお願いいたします。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 ボス戦
『ダークポイント』
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POW : ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイ・アイオライト
無限大の射程、かつ先制攻撃。視線に銃の連弾、自傷行為……厄介なユーベルコードばっかりね。
……とにかく、やるしかないわ。
【対策】
自身の周囲に『雷竜真銀鋼糸』の鋼糸の結界を構築、莫大な放電で超強力な電磁場を作り上げる。それも、敵の弾丸の軌道さえもねじまがるような電磁場をね。(オーラ防御)
それでもその電磁場の結界を超えてくる弾丸は『見切り・早業・第六感』で回避よ。
【反撃】
UC発動、鋼糸は常にあたしの周囲に散開、増殖していく。襲いかかる弾丸を雷撃の電磁場で捻じ曲げて高速の接近、投射する影の刃の中に『影縫ノ暗剣』を潜ませて行動不能にする。
神速の魔刀の『暗殺』を実行するわ。
食らいなさい、必殺の一刀を!
●SPIDER
銃弾(タマ)が届く射程を正確に把握し、如何にして遮蔽物を潜るか――建造物の乱立する場所において、狙撃を行う者の必須課題。
されどダークポイントにその縛りは存在せず、ただ認識が出来るならばかの者の放つ弾は物質を透過し、無限の射程は残酷に敵対する者を追い詰める。
「厄介ね……とにかく、やるしかないわ」
幸いにしてレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)の身体をその銃弾が穿つことはなく、その弾は蜘蛛の糸に絡められるが如く彼女の周囲に留まり、すぐさまに弾かれていく。
それは彼女の周囲に張り巡らされた鋼糸と、それが纏う稲光の煌めきに依るモノ。
雷竜の髭と超金属によって紡がれた糸が持つ、膨大な雷が持つ超電磁の吸着は機関銃も真っ青な弾丸の嵐を虚空に留め、その反発力はそれを弾き飛ばす。
初撃は凌いだ、後は迫り、仕留めるのみ――冷徹な暗殺者の目が見切るは弾丸の放たれた先。
「覆い尽くす影に灼かれて」
ビル間を疾風のように翔け抜ければ、その度に揺れる黒き蜘蛛糸の如き鋼糸はより複雑怪奇に絡み合い、レイを狙う銃弾を鋼糸と雷の結界が捻じ曲げて逸らしつつ。
漸く捉えた影一つ、ダークポイントの眼前に迫りながら現れたレイの姿はダークポイントにも劣らぬ闇に満ちて――
「消えなさい」
「拒否:布告=己の死。実行:排除=猟兵」
静かな処刑の宣告と共にレイの纏う影より雷が伸びるその前に。
ダークポイントの纏う無数の回転式弾倉の銃弾が集中して火を吹く――が、ダークポイントを追い詰めるまでに為した激しい疾走は、レイの纏う闇と雷を無双のものとしていた。
故にダークポイントの放つ弾丸は超電磁の反発を以て逸らされ、鋼糸より迸る雷が彼を打ち据え、闇が迫り――
「食らいなさい、必殺の一刀を!」
纏うリボルバーの炸裂で飛翔するように闇から逃げんとしたその先に。
レイが仕込んでいた黒き靄を纏う短剣が、ダークポイントの腹部を穿っていた。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
昔のえらい人が言ったらしい。
当たらなければどうということはないと。
たぶん視線も一緒。
ならば。
ダッシュ!ただ走る!
そして存在感のある残像をばらまく!
これぞ秘技!変態分身!これで敵の視線をわたし自身からそらせ、なんとしても初撃を回避するのだ!
一応火炎耐性は積んできたけど当たりたくはないのだ。
初撃さえ外せばあとは敵が次の攻撃を繰り出す前に渾身の一撃。
ダークポイントとやら!このわたしがいるかぎり!
きみのたくらみは全てくだーく!!
ダークだけに、くだーく。
……
こういうキャラがずっこけたらどうなるか見てみたいのだ。
ともあれ相手の平常心をぶっ壊したら、両手刀の二刀流で、立ち合いは強く当たって、あとは流れで。
●反撃:解説=ダジャレ
負傷を受けながらもダークポイントは再びビル街の間を素早く駆け抜ける。
撃破が困難ならば別の猟兵を――狙いをつけた彼は、その無機質な瞳を真っ直ぐに向けた。
向けられた視線の先にある男が一人、発火炎上して――炎上しない。ただ虚空に一瞬、火が浮かんだのみ。
「昔のえらい人が言ったらしい。当たらなければどうということはない――視線も一緒。多分!」
それもその筈、視線が燃やしたのは大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)の残した影に過ぎなかった。
多分という断定とは裏腹に、変態的ともいえる速度が残す存在感を伴った唯の残像は幾ら視線で追おうと燃やせるものではなく、やがては麗刃の接近を許すこととなる。
「認識:猟兵=分身。実行:攻撃=視線のユーベルコード」
「馬鹿め! そっちは本体だ!!」
ただし本体とは言ってない。
改めて視線を向けた先にあったものすらも、麗刃の残した影と知るや、ダークポイントは頭を抱えだした。
「……拒否:理解=猟兵の言動」
その隙を狙って、巨大な戦斧を力強く振り上げ渾身の一撃を振り下ろせば、ダークポイントは寸でのところで躱す。
しかし、それでも意にも介さないと言わんばかりに麗刃は両手刀を何と二刀流で構えて言い放つ。
「さあダークポイントとやら! このわたしがいるかぎり! きみのたくらみは全てくだーく!!」
ダークだけに、くだーく。
突如として放たれた何とも言い難い、場の空気を凍らすような掛詞の響きが時間を制止させた。
「……なんちゃって! あっはっは!」
「理解:掛詞=ダークと砕く。疑念:理由=猟兵の笑い?」
「やめろ! ギャグの解説をするんじゃアないッ!」
何処までも愉快に笑う麗刃の姿に、心なしか無機質な筈のダークポイントの言動にも理解できない何かへの畏れが混じった戸惑いが生まれ。
どこかげんなりとしたダークポイントへ、容赦のない重たく強烈な二刀の交差斬撃が決められたのだった。
成功
🔵🔵🔴
ミスティ・ミッドナイト
狙撃手のオブリビオンですか。厄介ですね。
戦争に影響は無いとはいえ、不穏分子のような禍根を残すわけにはいきません。
炎の攻撃は視線を妨げることで防げないでしょうか。スモークグレネードを足元に転がして周囲を煙で満たします。更に、アタッシュケースを盾受けにすることで攻撃を凌ぎます。
攻撃された方向から相手の位置を把握し、アサルトライフルで反撃。当たるとは思っていません。敵の移動を誘発させるのが目的です。そして敵がビルからビルへ移動したとき、その着地の瞬間をグレネードランチャー(UC)で狙い撃ちます。
いくつか特殊な能力をお持ちのようですが、空は飛べないようですね。空中で反転できるなら、どうぞお試し下さい。
●マインスロアー
狙撃手というのは往々にして厄介――単純に射的が上手い、はそうは言われない。
冷酷に狙いを定め確実に命を奪える者こそがそう呼ばれるのだから。
(戦争に影響は無いとはいえ、不穏分子のような禍根を残すわけにはいきません)
煙幕弾を破裂させミスティ・ミッドナイト(夜霧のヴィジランテ・f11987)はその身を煙幕という霧の闇(ミスティ・ミッドナイト)の中に紛れさせた。
「認識:煙幕=ユーベルコードの失敗」
白き闇に逃れたのは、響く無機質な声の攻撃より逃れる為。
視線を起点として盛る炎ならば、煙の中に紛れてしまえばいい――彼女の狙いは正しくも、ダークポイントは冷静に考察する。
「考察:存在=内部にまだ猟兵? 続行:ユーベルコード=焼却処分」
出てこないのならば、攻撃をより重ねて追い詰めればいい――視線を向け続けながら白き闇<煙幕>の中にダークポイントは漆黒の火炎を躍らせる。
時に襲い掛かる延焼した炎をアタッシェケースを盾に受け流しつつ、ミスティは何処までも冷徹に見極める。
視線の先を、その炎を与えた先を――この煙の闇が姿を隠している内に。
狙いは見極めた視線の先、見たということは此方からも見えるということ――ビルより出た微かな影を目掛け、アサルトライフルの弾丸を放つ。
「認識:銃弾=猟兵の攻撃。肯定:可能=回避」
されど闇の一点は躱す――音速を超えた速度の弾丸を、見切っていたと言わんばかりに、ビルからビルへと移るように跳ぶ。
「いくつか特殊な能力をお持ちのようですが、空は飛べないようですね」
パーフェクト、避けられても想定の範囲内。
寧ろそうあって欲しかったと言わんばかりに、ミスティは静かに声を発した。
「空中で反転できるなら、どうぞお試し下さい」
引かれた引き金は既にダークポイントの着地地点に、強力無比なグレネードの弾を既に設置して。
着地したその後の結果は、言わずもがな――
成功
🔵🔵🔴
ジャスティス・ボトムズ
★アドリブ歓迎、連携歓迎
強敵登場だな
ヒーローとしては負けるわけにはいかねえよな
正義を執行するぜ
敵の先制攻撃に耐えるためにアイテムのバトルタンクに乗って敵との距離を詰めるぜ
敵の攻撃に耐えたら正義を執行するという強い意志でUCを発動させる
トップスピードで一気に敵との距離を詰めるぜ
俺の怪力と鎧砕きを使ったフルパワーのパンチでぶっ飛ばしてやるぜ
十分すぎるほどに悪事を働いたんだろう
クローンがやったこととか言い訳は聞かないぜ
俺が叩き潰すべき敵だぜ
あんたの思い通りになんてならない現実をパンチでわからせてやる
覚悟するんだな
敵を叩き潰すのに一切容赦しねえぜ
それが俺の正義だ
●執行:正義=必殺の拳
ビル間を飛び交い逃げる黒い影と、それを履帯の音響かせ追う重厚な戦車の姿がそこにあった。
ジャスティス・ボトムズ(正義の執行者・f22965)の操縦する戦車は、黒煙を噴き上げているダークポイントを追い立てていく。
それを鬱陶しく思ったか、ダークポイントは突如として向き直ると、顔面の緑を光らせ、ジャスティスの戦車を発火炎上させる。
「ヒーローとして……負けてられねえよな。さぁ、正義を執行するぜ!」
戦車の重装甲越しに伝わる漆黒の炎――熱量恐るべし、戦車が悲鳴をあげるもここで退いては英雄に非ず。
今こそ正義を執行する時と決意を新たに戦車から降りると、ジャスティスは全身を眩い金色の輝きで覆い、逃げるダークポイントを一瞬で追い詰める。
全ては敵を倒してこそ、結果が伴ってこそ――シンプルにして美しき強き正義の意志は、彼の力を極限まで高め。
その膂力が齎す剛拳が盛大にダークポイントを吹き飛ばしながら、纏う金色を更に噴き上げて黒き影の胸倉を掴みながら地面に押さえつけた。
「十分すぎるほどに悪事を働いたんだろう」
「否定:実行犯=己のクローン」
如何な悪漢だろうと無事では済まない剛拳を喰らって尚、無機質な響きは変わらぬ声での答え。
確かに彼のクローンがやったことも沢山あるだろう。
今だって、沢山のヒーローを手に掛けている以上それは詭弁以外の何物でなく。
「そんな言い訳は聞かないぜ!」
「覚悟するんだな。あんたの思い通りになんてならない現実をパンチでわからせてやる」
容赦はしない。そしてそれは要らないもの。
何故ならばそれこそが正義<ジャスティス>だから。
押さえつけられたダークポイントが、その緑の発光体より発火の視線を放つべく力を集中させるタイミングに合わせて。
神の鉄槌という名のストレートパンチが――その衝撃の余波がクレーターを作るほどのそれが――その顔面を陥没させるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
羽堤・夏
アドリブ絡み歓迎
POW挑戦
視線、視線…視線か。
なら…ギリギリ行けるな。
【動物使い】で高層ビル街、屋上各地の隅にハムハムスクワッドを配置させ
人海ならぬ獣海戦術で奴を見つけ出す
銃弾の十や二十は【激痛耐性】で耐えれる
自殺衝動は…【覚悟】を決め痛みで抑え込む
そして【かばう】技能を応用しよう
割って入るために視線を読むのはあたしの十八番
こっからは【怪力】の出番だ!
やつの視線の先に向けて日輪丸を投擲
さらにその後ろからやつの顔面に向けて大剣アドヴェルサをぶん投げる
引っぺがした足場をぶん投げ、あたしをやつの視線に入れないようにする!
懐に入れば…あたしの拳骨をぶつけられれば、お日様の光と炎で視線も炎も潰してやる!
●直視ノ危険
マンハッタン・ビルの乱立する中を、忙しない小動物の大群が駆け抜けた。
高い鳴き声と小さな身体が埋めるその正体は、高度な知性を持った愛玩鼠(ハムスター)の姿だった。
「視線、視線……視線か。よし、ギリギリ行けるな」
敵の発見は問題ない、この人海戦術ならぬ獣海……鼠(チュウ)海戦術が闇の一点の場所を教えてくれる。
羽堤・夏(防人たる向日葵娘・f19610)の為すべきことは一つ、ただ敵の攻撃を凌ぎ強烈な反撃を与えてやること――そして敵が採ってくるだろう技は視線。
それならば対処法はある――ハムスターの導きのままに、労いの向日葵の種をまきながら彼女は颯爽とダークポイントの前に躍り出た。
「見つけたぞ!」
「認識:接近=猟兵。続行:攻撃=ダーク・フレイム」
――常日頃、力無き民を守る為に、悪の攻撃から民を庇う為に夏にとって視線を読むのは容易きこと。
分かりやすい緑の発光が己に向かった気配を感じる刹那、投げ放つは向日葵を模した盾。
砕けぬ誇り<刃>を備えたそれが、視線の発動よりも早くダークポイントの顔面を打ち据えて魔眼を制し。
続け様に放たれた巨大な剣は、その質量と彼女の膂力が織りなす投擲の勢いも相俟って体制の立て直しを封じるようにダークポイントを吹き飛ばし。
「ヌアアアアア!」
「認識:困難=猟兵の補足」
それだけに留まらない――ダークポイントの前に一瞬で立ち上がった“壁”
それは夏がその優れた力を以て、足場そのものを引っぺがしひっくり返すことによって生まれた瓦礫の壁。
それによってダークポイントの視界を完全に封じ込めると、彼女は拳を確りと握り。
「あたしの拳骨で……お日様の光と炎で、視線も炎も潰してやる!」
瓦礫の壁を越え、よろめくダークポイントの懐へ。
大剣の投擲よりも尚重く、そして熱き拳の一撃が鳩尾を強く、強く突き上げて――そして。
迸る小さな、されど何処までも眩しく熱き陽光が、闇を灼いた。
成功
🔵🔵🔴
亜儀流野・珠
こいつが本物のダークポイントか。
クローンには世話になったからな。お返ししてやらねばならん!
奴に銃口を向けられると精神を乱されるようだな?
で、とても回避できない先制攻撃を仕掛けてくると。厄介だな!
薙刀「狐の爪」を構え……しかし最初の「銃口」は素直に食らおう。しかし同時に「千珠魂」で分身召喚だ!
俺がおかしなこと始めたら「俺たち」に止めて貰おう。押さえ付けても、殴ったっていいぞ!俺が頑丈なのは知っているだろう?「俺たち」だからな!
初撃を耐え凌げたら散開、動き回り攪乱しながら突撃だ!
銃口は両手持ちとしても二カ所しか狙えまい!
不可視の攻撃も恐ろしいが、見えてても対処しきれない攻撃、も恐ろしいぞ?
●自制
(こいつが本物のダークポイントか)
クローンも厄介だったがオリジナルはそれ以上だろう。
重症を負いながらも一切伺わせぬ黒い影を追いながら薙刀を構える亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)目掛けて、静かにダークポイントは銃口を向けた。
乾いた音を立てて響くトリガーの音、撃たれぬ実の銃弾。
「う、ぐぅぅぅっ……!!」
だが突如として胸を抑え、藻掻き苦しむ珠の姿に、淡々とダークポイントは語る。
「確認:着弾:ダーク・アポトーシス。考察:自決=猟兵。考察:精神崩壊=猟兵」
――このまま向けられた銃口が導く自死の力に、そのまま自殺を選択するか
或いは抗い続けて精神が崩れるか――いずれにせよ行きつく先は死に他ならぬ、邪悪な技。だが。
「――俺たち、召喚!」
この銃口は敢て受ける――それは珠の、珠玉の覚悟。
自殺衝動を強靭な精神で押さえつけながら呼びつける、数多の彼女自身の分身。
薙刀を自らの胸に突き立てようとしても、分身はそれを強引に押さえつけ、狂気に満たされ舌を噛もうとしても顎を強引に抑えつけ。
時に殴りつけて自決の為のあらゆる行動を防ぐ――何故ならば、【彼女達は頑丈】なのだから。
「見たか! これが自制心って奴だ!」
僅かに驚愕の色を見せた黒の顔めがけ珠“達”は殺到する。
咄嗟に撃たれるダークポイントの二挺拳銃が強さの代償に脆き珠の分身を撃ち滅ぼそうとその数は余りにも。
増して彼の銃はたったの二挺――対応するには、技の用意も儘ならず。
戦場を自在に駆け巡る珠達に闇の一点はただ翻弄されるばかり。
「不可視の攻撃も恐ろしいが」
薙刀の一撃が刻み。
よろめく身体に大木槌がタコ殴りで襲い掛かり。
金剛の如き強きを与える呪符を乗せた拳の一撃が流星群の如く闇の身体を打ち据え。
「見えてても対処しきれない攻撃、も……恐ろしいぞ?」
更に爪を振るうが如く自在に、一瞬で刻まれた無数の薙刀の斬撃が。
黒き影に膝を着かせるのだった――!
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
クローンを用意する周到さといい、遊びなく無慈悲にヒーローやヴィランを葬る機械よりも機械染みた性質といい…
フォーミュラへの戦力増強を差し引いても補足できた以上放置は出来ませんね
機械馬に●騎乗し到着と同時に●スナイパーの知識を活かし狙撃の危険性が低い箇所を移動しつつセンサーでの●情報収集と●暗視で索敵
「見つかる」前に捕捉したい所ですが…
装甲が発火したと同時に●防具改造で装備した煙幕発生装置で●目潰し
その間にUCを発動
機械馬と合体しダメージを抑えつつ四脚の脚力を活かしビルの壁面を連続で●踏みつけセンサーで位置を●見切ったダークポイントに接近
視線を●盾受けで●かばいつつ●怪力の槍の一撃を繰り出します
●機甲人馬
ビルの遮蔽を盾に、静かに機械の駆動を以て駆ける巨馬に乗った騎士が其処に在った。
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は物陰に隠れつつ、周囲にセンサーと暗視を巡らせながらダークポイントを追う。
(クローンを用意する周到さといい、遊びなく無慈悲にヒーローやヴィランを葬る機械よりも機械染みた性質といい……)
狙撃の知識は狙撃に不適なる場所を選ばせ、万一晒さなければならぬ時が来ようとも最低限に留めながら彼は未だ反応一つ見せぬ闇の一点を思う。
(フォーミュラへの戦力増強を差し引いても補足できた以上放置は出来ませんね)
今はこうして狙撃の目に遭うことなくも。
いつ来るか、いつ補足されるか――ウォーマシンの身体に、理論や数式で表せるものではない言いようのない緊張感が走る。
センサーに一切の反応が見当たらずとも感じる、その静かな闇の殺意を――
「発見:猟兵=排除の必要性有。実行:攻撃=ダーク・フレイム」
ここでセンサーのレッドアラートと同時に響いた無機質な音声。
特有のその口調、センサーが導く遠き先にあるダークポイント……顔面の中央が光り、トリテレイアの装甲が燃え上がる。
しかし――想定の範囲内。
熱が内部に届くその前に装甲の隙間より煙幕を噴き上げ、視線の鎖を強制的に断ち斬りこれ以上の炎盛ることなきように。
「損傷部位強制排除。ロシナンテⅡ、ドッキングモード!」
そしてトリテレイアは燃え上がった装甲を弾き飛ばすと、騎乗する機馬とその身を一つとし――より強く、より速く。
ビルというビルを木々のように、力強き半人半魔は翔る――壁を地面のように、何処までも強く駆け抜けて行く先はセンサーの捉えたダークポイント。
無機質な視線を向ける意味の緑の明滅を大盾で遮りながら、その大盾が燃え上がりながらも確かに大槍を構え――限りない重量と速度を乗せ、強力無比な剛腕から放たれた刺突が、闇の一点に風穴を通す。
成功
🔵🔵🔴
メイスン・ドットハック
【WIZ】
自殺衝動とは厄介なものを操るのー
暗殺者故の技能ではあろうが、電脳魔術師を舐めるではないのー
ダーク・アポトーシス対策として、予め【暗号作成】でプログラム化した電脳【ハッキング】を自傷行為に及んだ場合にのみ、オート発動するように起動していく
プログラムは精神汚染に対する【情報収集】【鍵開け】による電脳アンチウィルスで自殺を自愛に感情変換させる
正気に戻ったら【第六感】を駆使して、銃弾を避ける
先制後はUC「紫炎よ、その根源を消し滅ぼせ」を発動し、自殺衝動という意志を湧き出た瞬間から焼いていく
そして反撃と言わんばかりにダークポイントの魂・精神を焼くために紫炎の塊を放出し、一気に灼滅を狙う
絡みOK
●死に至る病といふけれど
ダークポイントは目の前のクリスタリアンの女が平然としていたことに、疑問を隠せない様子だった。
傷口を抑えながらビル間を駆けんとした刹那、現れたメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)に銃口を向け、自死に導く技を確かに決めた筈だというのに。
「自殺衝動とは厄介なものを操るのー」
「否定:発露=自殺衝動。疑念:不発=ダーク・アポトーシス? 反証:確認=着弾……」
確かに一旦は己の首に手をかけんとした。
しかしそれも僅か――その自殺衝動は一気になりを潜め、メイスンの姿を落ち着いたものとさせる。
「ま、暗殺者故の技能ではあろうが、電脳魔術師を舐めるではないのー」
態々ダークポイントの疑問に答えてやる必要もないが、種明かしをするならば。
電脳魔術の応用で己の頭脳というプログラムに対し、プログラム自死(アポトーシス)に対してのアンチ・ウィルスを以て自殺衝動を自愛に強制変換していたのだ。
いくら立て続け銃口を向け、感情と言うプログラムを汚染しようと既に抗体ウィルスは防火壁を作り上げており。
無駄と分かったか、ダークポイントは向ける銃より精神汚染の法ではなく実銃の弾丸に変えるも、それを難なく心的有利に立つメイスンは躱し。
「ちょっとこの炎は獰猛じゃけーのー」
今なお込み上げる自殺衝動、抗体をも徐々に超える程に増えるそれも、形無き思念すらも灼く火炎が焼き払い。
終には戦略的な退却を選び背を向けたダークポイントへ――
「じゃけん、灼滅といくけえの」
屋上から跳躍したその瞬間、クリスタリアンの目が一瞬輝き指先を向けて。
放たれる無数の電脳の炎はダークポイントの身体を包む――焼くモノはかの者の身体に非ず。
この希薄にして冷徹な戦闘の為の思考、意志――稀薄ゆえに恐ろしき機械的な意志を容赦なく灼き。
思考を強制的にシャットダウンさせられた黒い身体が、高きより地へと墜ちて行く。
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
緋瑪「あの悪女なヒトと同系統UCを使って来るみたいだね」
瑠璃「視線で殺せるって強力だしね」
UCで分身&能力・武装強化
転送次第、閃光と煙幕仕様のボムを放り投げて視界を封じ、視線によるUCを無効化。
更に【高速詠唱、残像】による幻術魔術で分身を煙の中に仕込ませて攪乱。
その隙にUCを発動し、煙幕と分身に紛れて接近し、敵の射程の利を潰しつつ、敵の攻撃を銃口の向きを【第六感、見切り】で予測する等して回避しながら【範囲攻撃、早業】接触式ボムや高速機動による大鎌での連携攻撃を実施。
【力溜め、範囲攻撃】ジェノサイドノヴァで高層ビルごと消し飛ばすよ
緋瑪「殺しで負ける気は無いんだよね!」
瑠璃「ここで果てると良いよ」
●暗殺VS殺戮
グリモアの転送結界、その輝きを抜けた人影は一瞬にして煙の中に包まれた。
立ち込める煙の中、人影の正体である少女の唇が詠唱を一瞬で紡ぎあげると、煙という影の中にいくつもの幻影――彼女自身の映し身を作り出す。
「あの悪女なヒトと同系統の技を使って来るみたいだね」
「視線で殺せるって強力だしね」
心の内で四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は、その体に宿るもう一つの魂である緋瑪と語らう。
相対する敵の力は厄介、かつて戦った過去の強敵――細かい理屈は違えど使う技の質は同じ。故に対処も同様。
「……」
最早かの者に言葉を発する気もないか、されど煙の幻影の中、迫ってくる黒い影の視線が幻影の瑠璃を一つ焼けば。
「来たね、緋瑪」
「来たよ、瑠璃」
「「さぁ、わたし達の殺戮を始めよう」」
その身に宿る二つの魂を、改めて二つの身体に分けて。
命を削ることも厭わぬ覚悟の齎す爆発的な力は、何よりも疾く――ダークポイントの視線を乱し、その銃撃を躱させる。
初撃を凌いだ以上は一気呵成に、瑠璃が一つ爆風を放てば爆ぜ裂く炎と熱風が視界を封じ。
嬉々として振り上げられる緋瑪の、炸裂を仕込んだ大鎌の刃が正確にダークポイントの携えた拳銃を美しく切断する。
それでも、冷徹にダークポイントが再び拳銃を向け弾丸を放てば、殺人姫達は大腿部のホルスターより大型拳銃を抜き放ち一斉に銃弾を放つことで逆にそれを撃ち落とす。
「殺しで負ける気は無いんだよね!」
「ここで果てると良いよ」
この煙幕が晴れるその寸前、勝負は今こそ仕掛ける時。
ダークポイントがその眼に力を束ねると同時、瑠璃と緋瑪もまたその手に全霊を込めた爆弾を生み出し――視線の発火が放たれるよりも前に。
爆ぜるは激しき閃光――廃ビルを容易く飲み込み、崩落という過程を飛ばし更地にするという結果を齎すほどに強大な奔流が、闇の一点をどこまでも激しく灼いた――!
成功
🔵🔵🔴
フレミア・レイブラッド
・先制対策
自身の【怪力、早業】で床や壁を破壊したり、周囲の瓦礫を【念動力】で空中に固定する事で遮蔽物を作り出してこちらの姿を隠す防御壁を形成。防御壁や遮蔽物を高速で移動して銃口から逃れつつホーミングレーザー状の氷の魔力弾【属性攻撃、誘導弾、高速詠唱、全力魔法】を乱射し、弾幕で牽制を掛けながら【ブラッディ・フォール】を発動するわ。
「星の海にて蠢く巨怪」の「大型標的砲撃用銀河帝国製ウォーマシン」の力を使用(ウォーマシンを模したアーマーを着込んだ感じ)。引き続き防御壁を展開しながら【極大エネルギーチャージキャノン「ホウセンカ」】で派手に撃ち合いをするわ!
惑星破壊級の砲撃よ。貴方に凌ぎ切れるかしら?
●巨壊
閃光の中から這い出た黒い影が銃口を向け。
グリモアの輝きの中から出でた赤い影がその拳を地に叩き付けた。
乾いた音を立てて引き金が引かれ、不可視の精神汚染が放たれれば。
赤い影フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)が舞い上げた瓦礫が、それを遮る。
瓦礫を念力で空に留めながら、フレミアが駆ければダークポイントがそれを追う。
追いつけずとも逃がさない――照準を瓦礫の壁を抜けフレミアに改めるその前に。
「オマケよっ!」
「……認識:困難=自殺衝動の誘発」
青い数多の光芒が迸り、虚空に存在する熱を奪い氷結が盛り上がり、ダークポイントの視界に映るフレミアの姿を歪ませる。
「骸の海で眠るその異形、その能力」
また銃口を向けられる前に――フレミアは降ろす。
過去の戦いの記憶を引き出し、その強大な亡霊の力を。
「我が肉体にてその力を顕現せよ!」
纏うその力は、銀河にてその大いなる力を振るう赤い重鎧を纏う駆動騎士。
その手に長大な火砲を備え、揺るがぬ装甲を纏った姿は正に要塞――されど照準を合わせぬ為に翔る姿は高速。正に要塞の火力と装甲を備えた亜音速の戦闘機。
その携えた火砲より青白いプラズマの奔流が解き放たれれば、眼前を埋め尽くす閃光にダークポイントは後方へ跳躍して其れを躱し。
反撃に新たに取り出した銃で分厚い装甲の間を狙おうと、残るプラズマの奔流はそれが届く前に銃弾を蒸気と変える。
だがその恐るべきは、その出力に非ず。
僅かな充填でこの力を連発できるということ――間髪入れずに解き放たれた奔流が着地の瞬間にダークポイントを飲み込み。
「さぁお終いよ……この砲撃、凌ぎ切れるかしら?」
新たな閃光が晴れたその中より現れた、満身創痍のダークポイントへ改めて火砲を向ける。
チャージに比例し何処までも破壊力を増すそれの出力は先とは比べ物にならず――僅かに唇を吊り上げたフレミアは、躊躇いなく引き金を引いた。
成功
🔵🔵🔴
シーザー・ゴールドマン
【POW】
さて、少しは此処(この戦争)でも働いておこうか。
先制対策
オド(オーラ防御)を透明化して広範囲に展開。その魔力により光を屈折。
敵の視線が捉えた先にシーザーの実体はいない、という状態を作り出す。
『ウルクの黎明』を発動。超音速の最高速度で敵目掛けて飛翔。
(先制攻撃×空中戦)
すれ違い様にオーラセイバーによる一撃を与える。
(怪力×鎧砕き)
そして、態勢を崩させたところに闇の炎の一撃を。(2回攻撃)
(属性攻撃:闇&炎×範囲攻撃×全力魔法)
●リフレクト・トリック
「さて、少しはこの戦争でも働いておこうか」
マンハッタン・ビルの乱立する間に、この存在感をとっくと放つ大男は現れた。
血のように紅きスーツを身に纏い、ネクタイを直しながら胸を張り堂々と場に現れたこの男、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の存在感は語る。
――ここにいる、狙え、と。
当然にその存在感をダークポイントは放置するはずもなく、ただ無機質に向けた視線がその姿を黒い炎の中に包む……が。
「……認識:焼却対象=光の屈折による虚像」
炎に包んだ筈のシーザーは、焦げ目一つ無くその場に悠然と存在していた。
それもその筈、ダークポイントが焼いたのはシーザー自身に非ず――纏うオーラによる光の屈折を使い生み出した虚像に過ぎなかったのだから。
尤も、それが分かったところで――
「ほう、見立ては確かなようだね」
突如としてダークポイントの身体がくの字に曲がり、腹部を抑えて蹲り始めた。
何故ならば、彼のその横には、音速を超えた速度でシーザーが居り……その手に携えた光の剣が、既にダークポイントの身体を薙いでいたのだから。
「さて、楽しませて貰おうか」
その長身から見下ろす姿からは、莫大な真紅の奔流が立ち上り、その揺らめく紅き光は立ち並ぶ高層ビルをも凌ぐ。
解き放たれたシーザーの魔力は何処までも強大、人の器に限界あれど、その限界が存在するのかと思われるほどに強く――
蹲るダークポイントに、その魔力より作り上げた闇色の炎を、まるでかの者の得意手への意趣返しの如く放つ。
炎導く魔眼すらも遮る深き色の火炎でダークポイントの身体を包み込みながらシーザーは優越と共に問う。
「闇の炎で焼かれる気分はどうかね?」
「否定:回答義務=唯己の被弾」
黒よりも尚深き闇色の炎に焼かれ包まれながらダークポイントはただ答える。
答える必要はない、ただ攻撃を喰らっただけだと。
尤もそれが負け惜しみに過ぎないことは明らかで――
成功
🔵🔵🔴
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
無茶をするな、なんて言わないよ
だからボクが無茶しても止めないでね
その代わり、二人とも絶対生きて還る
いいね?
【エクストリームミッション】を発動させ、空中からダークポイントを追う
ウィーリィくんと連絡を取り合い、二方向から挟撃するのが狙い
敵の先制攻撃は【空中戦】+【フェイント】で避けながら【罠使い】でダミーバルーンを膨らませてそれを身代わりにし、爆発に紛れて手近なビルの影に隠れて敵が見失った隙を突いてウィーリィくんとタイミングを合わせて同時攻撃!
マックスピードでの【ダッシュ】+【体当たり】で敵の炎も恐れずに突撃して至近距離からの【零距離射撃】+【クイックドロウ】をお見舞いするよ!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
奴を倒せば確実に勝利へと一歩近づく。
楽にはいかないだろうけど、無理してでもやってみせる!
パルクールで摩天楼を駆け抜けダークポイントを追撃。
奴の視線は視界に入った相手を即座に攻撃できる。
でも、視界から消えた相手は攻撃できない。
だから奴の先制攻撃のタイミングを【見切り】、鉄鍋を構え【カウンター】の【盾受け】で視線を鉄鍋で受け止めると共に【物を隠す】で俺の姿を鉄鍋とそれを包む漆黒の炎で隠して奴の視界から姿を消す。
そのまま死角から接近し、シャーリーの突撃に合わせて【飢龍炎牙】を放ち奴の注意を彼女から逸らすと同時に俺自身も奴に突っ込み炎の【属性攻撃】を纏わせた大包丁の【二回攻撃】を繰り出す。
●FANGS OF FIRE
摩天楼が森ならば、立ち並ぶビルはそれを構成する木々。
それを駆け抜ける彼は正に狩猟の獣――背中より気流を烈しく噴き上げなら、ビル間を縫うように跳ぶ彼女は正に狩猟の大鳥か。
目まぐるしく変化する景色には、エウロペの激しい鼓動も響くようであり。
地を駆ける方の少年ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はちらり、と上空を追う少女シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)を一目する。
サイバーアイを通したシャーリーの目と合えば、出発前に思い出すのは彼女の言葉――
「無茶するな、なんて言わないよ」
一人で戦っている訳ではないのだから無茶をするな――それは以前の別の“地球”で言われた言葉。
「だからボクが無茶しても止めないでね」
続けられたその言葉は突き放す為の言葉か――それは違う。
愛想を尽かしたわけでも諦めた訳でもない。だってそれは。
「その代わり、二人とも絶対生きて還る。いいね?」
それは何にも代えがたい信頼の言葉――ウィーリィとシャーリーならば、俺/ボク達なら必ずそれが出来るという絶対の信頼。
「――ああ、分かってるさ」
お互いに死力を尽くして確実に勝利の一歩を。
楽にはいかないだろうが、多少の無理をしてでも通してみせる!
目まぐるしく変わる景色に漸く納められた黒い人影、満身創痍といえど冷徹極まりない戦闘マシンの姿。
「認識:接近=猟兵。実行:迎撃=ダーク・フレイム」
黒い顔面の中に輝く緑の紋章が淡く輝く。
どこに在るかも分からない目の先が映したのは、地を駆ける少年と空から追い立てる少女の姿。
世界の法則をも覆す視線が、何も無い所は燃え上がらない原則を覆し、ウィーリィとシャーリーの身体を炎で包まんとするが。
「「させないッ!」」
同時に響く地と空からの大声。
視線と言う導火線が己に付着する前にウィーリィは鉄鍋を眼前にかざし、ダークポイントの視線から身を隠し。
シャーリーはバーニアを噴き上げ、高速に動きながらとあるモノを仕込む。
されど視線の暴力、その発動は止めきれず――構えた鉄鍋は黒き業火に包まれて、空を駆け抜ける少女の身体は同タイミングで炎に包まれた。
「成功:撃墜=二名の猟兵」
炎の中に消える少年と、空中で派手な爆発と業火の中に消える少女を見ながら闇は一つ呟く――が。
「史上最大の凶暴すぎる竜巻、戦う覚悟はある!?」
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
頭上を熱線のプラズマが掠め、それを避けんとしてもそれをも塞ぐように絶え間ない熱線のスコールが注ぎ。
見上げた一瞬の隙を、横を通り抜けた赤い影が鉄の刃を震わせれば、迸る数多の真紅の九頭竜がダークポイントの身体に次々と牙を突き立てる。
ダークポイントの攻撃は不発――ウィーリィは鉄鍋と黒き火炎をカーテンにし隠れ、爆発したに思われたシャーリーは精巧なバルーン。
攻撃を終えたその一瞬に、彼らは一斉に仕掛けていたのだ。
それでも冷徹に、延焼によってできた黒い炎を操り二人を飲み込まんとしても――その炎を音速を超えた速度で斬り裂く影。
海から飛び出て牙を向ける鮫のように、炎を突っ切ったシャーリーがマスケット銃を鳩尾に押し込めながら引き金を幾度となく引き。
「無茶するなあ!?」
「それでもやってみせる、だったよね!?」
マッハの勢いは銃口の押し当てすら必殺の刺突と変え、幾度となく迸る熱線が内部よりダークポイントを焼いていきながら。
「ああ!!」
2,3歩ほど反射的に後退する影へ――その僅かな逃げすらも許さないと言わんばかりに。
熱線で穿たれた鳩尾へウィーリィの大包丁が盛大に突き立てられて――勢いよく引き抜けば、その摩擦が火花を散らし、火花は大包丁に纏われる炎と化して。
業火を纏った大包丁の刃を盛大に腹部へ叩き付け、そこへ何度も、何度も――熱線の後押しが決まり。
闇の一点を熱き炎と光が、ビル群の幾つかをブチ抜かすように吹き飛ばすのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
セシリア・サヴェージ
【ダーク・アポトーシス】による自殺衝動及び自傷行為は【狂気耐性】【呪詛耐性】である程度抑制できるはず。傷自体も【激痛耐性】で痛みを無視して行動します。
その上でUC【血の代償】を発動すれば、負傷の度合いに応じて戦闘力が上昇することでしょう。
自殺衝動も負の感情の一種とすれば、これもまた戦闘力増強につながる筈です。
対策とは少し違うかもしれませんが状況を利用させてもらいましょう。
ビル群を縦横無尽に駆ける敵など普段の私なら追いつけそうもありませんが、強化状態になった今ならばあるいは……。
【空中戦】【追跡】を駆使して追い詰め、暗黒剣を叩き込んでみせましょう。
●闇に抱かれて眠れ
乾いた音を立てて響いた撃鉄の音と、それによって蹲る鎧姿の女がいた。
撃鉄の音の主は、数多の熱と傷跡の目立つ身体を翻し、女を放って自らの身の崩壊も厭わずにビル間を駆けていく。
「がはぁ、あっ……!」
胸を抑え、携えた巨大な剣の刃を握り掌に濁った血の滴りを齎し。
女騎士セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は耐える――この内側から込み上げる自殺の衝動に。
呪詛と狂気を強靭な心で抑え耐え抜きながら、ゆっくりと立ち上がるセシリアは冥い力の奔流を身に纏う。
「護るためならば、この程度の痛み……!」
この痛みすら祝福に思え。
この狂気も冥き力も、全て救済(サヴェージ)の為に――アスファルトを砕く勢いで力強く一歩を踏み出す。
絶対に――逃 が す も の か。
「逃がしま、せんっ……! 今の、かはっ……私、ならばっ……!」
民を護る意志と、このまま消え去りたい自殺衝動の背反が心を犯す。
だが行ける――この満身創痍を伺わせぬ飛翔するが如きダークポイントの駆け抜ける姿にも追いつける。
「ハアアアアーーーッ!!」
ビル間の壁から壁へ張り付くように跳ぶダークポイント目掛けて、暗黒の大剣が打ち下ろされた。
その存在を認識するや否や、ダークポイントは迎撃も兼ねての銃弾を放ちその反動で後方へ飛びそれを躱す。
そしてセシリアも又、放たれた銃弾を大剣の一薙ぎでそれを斬り飛ばす。
互いに轟音を立て着地すれば、ダークポイントは再び静かに銃口を向けて。
響く撃鉄音に齎される負の自死衝動も、今のセシリアにとっては呪いではなく力を高める祝福。
せめぎ合う心の狂気を捻じ伏せ、地を縮める如き初速で駆けたセシリアの大剣が、その腕ごと銃を空中に舞い上げて。
「――還りなさい」
斬り飛ばされた腕を抑えたダークポイントの脳天へ暗黒剣による超重圧が振り下ろされる。
両断を超えた叩き潰す勢いの破壊力は、その身体を塵一つも残さずに消滅せしめ――ここに闇の一点は、正しき闇によって骸の海に還されるのであった。
成功
🔵🔵🔴