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雪見温泉の正しい楽しみ方

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●山賊たちの望むもの
「おう、お前ら、ここはいい温泉だな?」
「へい! 親分!」
「だが足りねぇものがある。わかるか?」
「わかりません! 親分!」
「馬鹿野郎! この温泉には女がいねぇじゃねぇか!!」
「へい、そりゃ俺ら男集団ですし、女はいませんが」
「いなけりゃ連れてくるんだよ! 麓の村から女かっさらってくるぞお前ら!!」
「へい! 親分!!」

●温泉はみんな仲良く楽しみましょう
「というわけで、アックス&ウィザードにて、とある村が山賊に襲撃されるのですわ」
 白衣の女医さんこと黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)は呆れたように語る。

 山賊たちが襲おうとしている村は、天然の秘湯のある山の麓にある小さな村だ。
 ただ、数日前からその秘湯に山賊が陣取ってしまっているらしい。
 それで困り果てていたところに、今度は村の若い女性との混浴を目当てに山賊がさらに暴れだす予知が見えてしまったわけだ。

「今から転送すれば、村を襲おうと山から下りてくる山賊どもを、村の外で出迎えることができますわ。
 村人たちにとっては脅威でも、猟兵にとってはさほどの脅威ではありません。
 所詮は道を踏み外した山賊です。既にモンスターと同義です。
 サクッと倒してきちゃってくださいませ」
 転送場所は、村から出て少し山に登ったあたり。
 山道を登っていけば、ちょうど降りてくる山賊とぶつかるので、何も考えずに正面から戦って問題はない。
 山賊の人権などに配慮する必要もないので、遠慮なく全滅させてほしい。

「終わったら、そのまま山中の秘湯まで登って、温泉楽しんでくるといいかもですね?
 今の季節なら、山中は雪も積もってて、幻想的な景色が見られるはずですわ。
 わたくしも久々に温泉でのんびりとかしたいですわねぇ……」
 ちらっちらっと猟兵の方に何か期待するような視線を向ける黒岩・りんご25歳。

 それはともかく。
「では、現地に転送しますね。
 皆さん、よろしくお願いします」
 そういってりんごは頭を下げ、転送の準備にかかったのだった。


雅瑠璃
 はじめまして。雅です。
 これがマスターデビュー作になります。
 ……いいのかな、こんなので。

 さて、それはともかく。
 OPを目にとめてくれてありがとうございました。
 基本的にはかっこよく山賊を倒しちゃえばオッケーの簡単なお仕事です。

 その後3章では日常シーンとして、山賊から取り戻した温泉で遊ぶことができます。
 こちらの温泉は混浴の天然露天風呂になります。
 なので水着等の用意はお忘れなく。
 それとあまり公序良俗に外れた行為はなさらないで下さいね?
 あくまでも常識の範囲で温泉楽しみましょう。
 はい。デビュー作ですし、とても健全なリプレイを目指しております。

 注意することといえば、それくらいですかね?
 あ、りんごは、皆さんからお誘いあれば、3章の温泉に混ざったりしますので。

 それではプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なぁなぁ、ところでよ?」
「おう、どうした?」
「これから行く村にそんなたくさん女いたか?」
「あん? どんだけいるかは知らねぇが、いるだけかっさらえばいいだろ?」
「いやぁ、あまり数がすくねぇと、親分が独り占めしちまうだろ?」
「だろうなぁ……俺らもおこぼれが欲しいよなぁ」
「どっかから女が降ってわいてこねぇかなぁ?」
「んなわけあるかよ」
 ぎゃっはっは、と下卑た笑い声が響く。
 親分より先行して降りてくる下っ端山賊の群れだ。
 こいつらは、親分の命に忠実に、混浴するためだけに女をさらおうと温泉を出て山を降りてきた。

 そんな彼らの前に、本当に女がわいてくる。
 ただし、猟兵ではあるが。
 もちろん女だけとは限らないが!
ベルベナ・ラウンドディー
穏便に話が出来ないと人権無効でモンスター扱い
…この世界に生まれてたら私も人権なかったかもしれねーな……

なので憐憫の念はありますし
下っ端にも立場って物もあります。なので同情もします
なので軽く説得はします
平和的に温泉を共同利用しましょう、ね?(殺気・恫喝・恐怖を与える)


…いや、その場限りの嘘着く可能性はそりゃありますし
どのみち怪我してもらうつもりです
ただこれで拒否るド外道なら気持ちよく殴れるじゃないですか!
その確認です!(笑顔

ユーベルコードで連結した相手をバイクで引きずり回していきましょうヒャッハー!(鼓舞)
見たとこ量産タイプの雑魚。被包囲に注意して突出は避けながら一匹ずつ仕留めれば問題ないはず


フェリクス・フォルクエイン
「女性を掠う山賊ですか」
もうこの時点で嫌な予感しかしないのですけど。ともあれ、女性が被害に遭うのは見過ごせませんし、複雑ですが女装でもしましょうか。
そう言う訳で囮になりつつ山賊がおびき寄せられたら斬りかかります。
「引っかかりましたね、僕は男です!」
たぶん激昂するでしょうから、反撃を無敵城塞でしのぎ、味方の救援や村人が避難する時間を稼ぎます。
「え、男に見えない?」
人は信じたいモノを信じるらしいですからそういうこともあるかも知れませんよね(遠い目)
「あ、オブビリオンでしたっけ。って、そうじゃなくて――」
とにかく、村人の為にも僕は戦います。相手は男の山賊ですし、こう、とらぶったりとかはしない筈。



「あれが山賊ですね」
 真っ先に転送されてきたのは、竜頭のドラゴニアンと人間の少女の2人だった。
「女性を掠う山賊ですか……」
 と複雑な表情を見せるのは少女の方。
「穏便に話が出来ないと人権無効でモンスター扱いか……」
 この世界に生まれてたら私も人権なかったかもしれねーなと少し憐憫の表情を浮かべるのはドラゴニアン、ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンの剣豪・f07708)だ。
「下っ端って立場に同情もしますし、説得はしてみましょう」
 ベルベナはそういうと、少女を片手で制して一歩前に出た。
「ちょっと待ってくれませんか?」
「あん? なんだてめぇ?」
「てめぇに用はねぇんだよ!」
 ベルベナの言葉に、罵声で反応する山賊たち。
「いえいえ、落ち着いて。平和的に温泉を共同利用しましょう、ね?」
 だが、ベルベナはそれでもにっこりと笑顔でやさしく告げる。
「うっ……」
「何だ、急に寒気が……」
 あの、笑顔の中に、【殺気】【恫喝】【恐怖を与える】の技能が込められているのは気のせいですか? 気のせいじゃありませんね? これ説得というよりも最後通牒ですよね??
「どうですか? 平和的に」
「ううううう、うるせえーー!」
「そんなもんにビビる俺らじゃねぇぞ!」
 十分ビビっているようですが。声震えてますよ山賊さんたち。

「そそんなことより、てめぇ! いい女連れてきてくれたじゃねぇか!」
「そ、そうよ! 俺らに女とられたくないって思ったんだろうが、そうはいかないぜ!」
 どうやらベルベナの背後にいる少女を見て、性欲が恐怖を乗り越えたらしい。
 なんていうか、どこまでも正直な山賊たちである。
「え、僕ですか?」
 話を振られた少女の方は、そういって戸惑いの声をあげた。
「僕っ娘キターーーーーーーーー!!!!」
 なぜかテンション上がる山賊の一部。いいのかそれは?
 その妙なテンションのまま、少女を捕まえようと1人駆け出してきた。
 だが、山賊たちはふたつほど勘違いをしている。
 ひとつは、別に少女はベルベナの女ではない。たまたま同じタイミングで転送されてきて一緒になっただけだ。
 そしてもうひとつ、そもそもの根本的な勘違いとして。
「引っかかりましたね、僕は男です!」
 そう高らかに宣言したフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)が、向かってきた山賊の一人に剣で斬りかかる。
「なん、だと……ぐはぁー?!」
 そう。ごめんな?
 今まで地の文でもさんざん少女少女って書いてきたけど、それは嘘なんだ。
 フェリクスは女装少年なんだよ。
「え、男に見えない?」
 まぁ、人は見たいモノだけを見るというか、信じたいモノを信じるというか、そもそもイラスト見た時は作者だって勘違いしたし!
 なお本人の名誉のために付け加えておくと、女装しているのは山賊の囮になるためであって、普段からではない。はず。

「お、おい、あいつ男だってよ?」
「嘘だろ? 俺けっこう好みだったんだが」
「いやいや、剥いてみないと本当に男かはわからないだろう?」
「たとえ男でも問題ない」
「え? お前そっち?」
「あれだけ可愛かったら男でもいけるぞ俺は」
「それに男なら親分にとられなくてすむしな」
「それだ!」
 フェリクスに1人斬られたところで、急に円陣を組んで相談を始める山賊たち。
 何かとても奇妙な、そして(特にフェリクスにとって)不穏な結論が出つつある気がする。
「あ、あのー? もしもし?」
「男でも構わねーー! 混浴しようぜーーー!」
「僕相手に混浴って、それおかしくないですか?!」
 男でも構わないという結論を出した山賊たちが、フェリクスに一斉に襲い掛かってきたので、慌てて【無敵城塞】でそれをしのぐ。
 相手が男だからとらぶったりはしないと思っていたフェリクスだったが、ある意味それ以上にピンチなのだった。

 で、平和的解決を訴えていたのに、そんな状況を見せられてしまったベルベナはというと……。
「やはりド外道でしたね。これで気持ちよく殴れるじゃないですか!」
 いい笑顔だった。
 先ほどの説得(もしくは最後通牒)はあくまでも気持ちよく殴れるかどうかの確認だったようだ。
「ヒャッハー!」
 突然の奇声と共にベルベナは愛用の【宇宙バイク】V-RAXXに跨り走り出す。
 と同時に【ドラゴニアン・チェイン】をフェリクスを襲っていた手近な山賊に当て爆発!
「うぎゃー!」
 さらにそのまま命中したドラゴンオーラが鎖となって、哀れな山賊をバイクで引きずり回すことに。
「う、うわぁ……」
 かなり悲惨な光景に、山賊も、助けられたフェリクスも思わず目が点になるのだった。

 ともあれ、こんな調子で、フェリクスに襲い掛かった男でもいい派の数名の山賊は退治されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オリオ・イェラキ
テオ(f00426)と供に

村人の皆さまにご挨拶と狩りの説明を
暫しお待ち下さいませ
お掃除してきますわと山道へ

女は貴方達の贅を尽くす道具でありませんわ
わたくし?強い男が好きですの
そう、夫のような
貴方方に興味はございませんわ

まぁ下品な雄叫び
その様な雑音、わたくしに聞かせるなんて
仕置が必要ですわね
わたくしのメテオリオで叫び毎切り裂いて差し上げますわ
石つぶてすら巻き込んで
ドレスが汚れますの、砂利を投げないで下さる?
さぁテオ、わたくしの紅い鷹
存分に飛んで

相手の刃物は大剣で受け止めを
あら、女が大物を持てないとは限りませんわ
是位淑女の嗜み

あぁ、わたくしの夫は今日も舞が美しい
負けてられませんわ
夜の剣舞、堪能して


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

温泉は…良いものだ
その温泉を小汚い山賊共に占拠されるのは我慢ならん
温泉はマナーを守って楽しむもの…だな

敵との戦闘が始まったのならば、オリオの範囲攻撃で敵集団が乱れた隙に突貫するぞ
敵の集団に突っ込んでいって、その中心で【風纏う激情の舞(ブレイクダンス)】を使用だ
人数の問題で囲まれる形になってしまうとは思うが、オリオや仲間もフォローしてくれるだろう
【カウンター】が上手く入るといいが

奴らの下卑た笑いには反吐が出る。それこそ、大事な妻を汚すような視線にもな
俺の女に手を出すな!
くらぇぇええええい!ブレイクぅぅぅうううう!
我が部族に伝わる舞にかかれば、有象無象など取るに足らんな


白峰・慎矢
雫(f05281)と一緒に行くよ

村の皆が困ってるんだ、これ以上は容赦しないよ。

雫が頑張ってくれてるみたいだから、俺は敵に接近して、隙を見て一体ずつ潰していこう。手数が必要なら2回攻撃を使おうかな?
敵の攻撃は残像とか第六感でかわせると良いね。
敵が誰かに遠距離攻撃しようとしてたら、依代ノ霊力を使って妨害しよう。
皆と協力して戦っていきたいね。


白峰・雫
慎矢(f05296)と一緒に戦うよ

混浴がしたいからって村を襲うのはどうなんだろう?

集団戦ならこっちも集団でぶつかろうかな。【万軍招来】で鎧武者(刀を持ってます)を召喚して突撃させるよ。ボクは後方からスナイパーと援護射撃を使って焔狐で援護をしようかな
もし敵が近寄ってきたら、属性攻撃を使って炎を纏わせた薙刀で牽制して距離をとるよ
攻撃されそうになった人を助けるとか、みんなと連携して攻めたいね



「温泉は……良いものだ」
 そんな言葉とともに、新たな猟兵がこの場に現れた。
 やってきたのは2組の男女ペア。
 先ほどの言葉を発したのは、角の生えたキマイラのバーバリアンのテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)である。
「その温泉を小汚い山賊共に占拠されるのは我慢ならん。温泉はマナーを守って楽しむもの……だな」
「ええ、その通りですわね、テオ」
 テオに寄り添うように傍らにいるのは、その妻であるオラトリオのオリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)だ。
 そう。この2人は夫婦なのである。

「人妻か……ごくり」
「え? お前の性癖はそこかよ?」
「良いじゃないか、人妻……」
「うんうん」
 ……なんか山賊の性癖暴露大会はまだ続いていますね。

「混浴がしたいからって村を襲うのはどうなんだろう?」
「村の皆が困ってるんだ。これ以上はさすがに」
 そしてこちらはもう1組のペア。
 妖狐の巫女さんである白峰・雫(白狐の巫女?・f05281)と、雫を保護するように立っている刀使いの白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)のふたり。
 兄妹だろうか……いや、すまない。また同じトラップだった。
 さっき男女ペア2組と書いてしまったが、このペアは兄弟なんだ。
 より正確に言えば、兄弟のような関係というべきなのだろう。慎矢は雫の家に祀られていた弓のヤドリガミであって、実の兄弟ではないのだから。

「巫女で狐耳だと……?!」
「属性もりもりじゃねぇか、やるな」
「だがちょっと待て。あの巫女もしかして……」
「まさかまたなのか?」
「言われてみれば胸はないな……」
「巫女で狐耳でさらに男の娘だというのか……最強じゃないか」
「お前すごいな?!」
 ……山賊の性癖暴露大会、そろそろやめていいですかね?
 ところで、1章冒頭の文章に山賊の前に女がわいてくるとか書いちゃったんだけど、ここまで登場した猟兵の中で女性はオリオだけなので、それも正直すまなかった。
 ……意外と山賊たちにはトラップ達も好評だったが。
「よーーーし! あいつらを捕まえるぞーーーー!」
「おおーーーーー!!」
 妙に気合の入った下賤の雄叫びをあげて、山賊たちが4人に向かってくる。

 もちろん、そんな視線に晒されている4人はたまったものではない。
「女は貴方達の贅を尽くす道具でありませんわ」
「まったくだ。奴らの下卑た声には反吐が出る。大事な妻を汚すような視線にもな!」
 すぐさま反応したのは、テオとオリオの夫婦だった。
 キッと山賊を睨みつけるオリオ。
「いい、あの冷たい視線がいい」
「いいなぁ、人妻……寝取りてぇなぁ」
 ……もっとも、それは山賊どもの一部にとってはご褒美だったようだが。もうヤダこの山賊。

「そんな男よりも、俺たちといい事しようぜー奥さん!」
 人妻派の山賊たちがオリオを狙って襲い掛かってきた。人妻派はかなり多かった模様。予想以上の大群が襲ってきたのではあるが……オリオは冷静だった。
「わたくしは強い男が好きですの。そう、夫のような」
「山賊とバーバリアンじゃ大して違いはねぇだろうがー!」
 いや、大違いだと思いますよ?
 この夫婦、ますます不快感を露にしてますし。
「その様な下品な雄叫びをわたくしに聞かせるなんて、仕置が必要ですわね」
 静かな怒りを声にのせて、【夜彩と流星花(メテオリオ)】を発動させる。
「さぁ……お往きなさい、わたくしの星達」
 静かな詠唱と共に、彼女が装備していた武器が無数の黒い薔薇の花びらへと変わっていく。その花びらは、鋭い刃となって、山賊たちを切り裂いていった。
「うぎゃああああ?!」
「さぁテオ、わたくしの紅い鷹、存分に飛んで」
「おうよ! さぁ、お前ら覚悟しろ。俺の女に手を出すな!」
 さらに、オリオの薔薇で乱れた集団の中に、テオが飛び込んでいく。
「くらぇぇええええい!ブレイクぅぅぅうううう!」
 飛び込んでいった勢いのまま逆立ちになり、その体勢のまま連続で回転蹴りを山賊たちにあびせ続けていった。
 テオの【風纏う激情の舞(ブレイクダンス)】による攻撃だ。
「おらおらおらおらおらおらあ!!」
 この回転は、山賊たちすべてを蹴り飛ばすまで止まらない!
「あぁ、わたくしの夫は今日も舞が美しい」

 とはいえ、テオはブレイクダンスを行うために少々突出しすぎてしまった。
 人妻派山賊の集団が予想以上に多かったのか、テオを次第に囲んでいってしまう。
 オリオの援護も次第に追いつかなくなっていき、このままではテオの方が先に力尽きるだろう。
 だが、ここにはまだ2人の猟兵がいる。慎矢と雫のふたりが、黙って見ているわけはない。
「集団には集団でぶつかろうかな? 数は力だよ!」
 雫は落ち着いて【万軍招来】を使い、小さな刀を持った武者たちを呼び出し、テオを囲む山賊集団に、外から突撃していく。
「雫も頑張ってくれているみたいだし、俺も」
 そして慎矢も、頑張っている弟の頭を軽く撫でてから、小さな武者たちの後を追って囲みの山賊たちを攻撃していった。小さな武者の刀で切りつけられ、隙を見せた山賊をひとりひとり間引くように刀で切り倒していく。更には【2回攻撃】を駆使して瞬く間にふたりの山賊を切り伏せていく。

「うわ、こっちにも来た?!」
 テオたちの危機に対応していたら、今度は雫の方に向かってくる山賊もいた。
 雫も一部の山賊の性癖に刺さっていたようなのでさもありなん。
 咄嗟に【属性攻撃】で炎をまとわせたなぎなたを振るって牽制し、距離を取ろうとする。
「危ない!」
「えっ?」
 そんな雫を離れた場所から石つぶてで狙う山賊がいた。
 石つぶては正確に雫の頭を狙っていたが、突然見えない壁に当たったように、地面に落ちた。
「大丈夫か、雫」
「あ、ありがとう、慎矢」
 つぶてを止めたのは、慎矢の【依代ノ霊力】が放った見えない霊力だった。
 一瞬だけヒヤッとしたが、それだけだ。
 再び雫と慎矢は協力して山賊を倒していく。

「あら、女が大物を持てないとは限りませんわ。是位淑女の嗜みです」
 一方こちらはテオとオリオのペア。
 こちらを囲んでいた山賊ももうかなり数を減らしていた。
 雫たちの援護もあったし、もちろん2人も奮闘している。
 今もオレオが大剣にて山賊の刃を受け止め。
「うぉぉおおおおおおお!」
 テオに斬りかかった山賊は、逆に【カウンター】で殴り飛ばされている。
 もはやこの辺りの戦闘は、大勢が決したといってもいいだろう。
「我が部族に伝わる舞にかかれば、有象無象など取るに足らんな」
「ええ、お掃除もひと段落ですわね」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鍋島・小百合子
行動:SPD重視、山賊の迎撃

ここもまたわらわ達の世界とはまた違う栄え方をしておるのう
わらわの世界での渡来人が広めてきた物とよく似ておるのは気のせいかの?

村へ続く山道の茂みにて目立たない併用にて潜伏
山賊一向を視認したら行く手を阻むように
「わらわは異国の女武者・鍋島小百合子。女を慰み者にせんとする貴様らを手討ちにいたす!」
(パフォーマンス込みの)堂々と名乗り後ユーベルコード「鎧装馬騎乗」発動
鎧軍馬に(伏せさせて)騎乗後、薙刀を片手に大立ち回り
なぎ払いと範囲攻撃を用いて敵に斬り込みつつ馬の蹄で蹴散らし
つぶて投げには薙刀の武器受けで防御
「ほほほ!わらわの尻も触れえぬようでは女も攫えぬと知るがよい!」



猟兵たちの活躍で山賊もかなり数を減らしてきた。
 となると当然。
「クソ、女も欲しいが、命はもっと欲しいぜ」
 と、猟兵達を避けようとする者も出てくる。

 しかし、そうやって山道を外れ、脇の森の中に逃げようとした山賊の前に現れる姿があった。
「わらわは異国の女武者・鍋島小百合子。ここより先は通しはせぬ!」
 それまで【目立たない】技能によって茂みに潜んでいた女剣豪。すでに本人が堂々と名乗りを上げているが、鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)である。
「なんだと……貴様いったいどこに隠れてた?!」
「問答無用! 女を慰み者にせんとする貴様らを手討ちにいたす!」
 少々【パフォーマンス】気味に派手にポーズを決めて口上を述べた小百合子は、自分の身長の倍ほどもある鎧軍馬を呼び出し、それに跨った。彼女のユーベルコード【鎧装馬騎乗(シナヤカデオゴソカナシュンメ)】の効果である。
「いざ、神妙に覚悟せい!」
「クソ、俺らが欲しいのは女であって馬じゃねーー!」
「さすがの俺らでも馬相手は無理だぞ!」
「その馬が雌だとしても、そこまで飢えてねえ!」
 さすが性欲爆発の山賊たち。もう何を言っているのかわからない。
 そのまま騎乗突撃をしてきた小百合子に、馬の蹄で蹴散らされ、なぎなたの【薙ぎ払い】による【範囲攻撃】を受けてまとめてふきとばされたのだった。
「ほほほ! わらわの尻も触れえぬようでは女も攫えぬと知るがよい!」
「やかましい! 見えてるのはお前の尻じゃなくて馬の尻だけじゃねーか!」
 それが吹き飛ばされた山賊の断末魔の叫びであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
温・泉・だー。
ふふ、久しぶりに温泉入ってゆっくりしたい。
その為に邪魔者を吹っ飛ばすのに躊躇する理由なんかないよね。
おーんせーん。おーんせーん楽しいお風呂ー

温泉好きな為とちょっと疲れているのでゆっくり温泉に浸かりたいという理由で珍しくかなりハイテンションな精神状態です。
邪魔者には疾く消えてもらわねばとも思ってますし女の人を連れ去ろうという盗賊に容赦するつもりもないので技能をフル活用して全力でぶっ放します。

砲撃を切り抜けてきた方には二丁銃による銃弾や銀糸による斬撃、神楽鈴の鈴の音による衝撃波等をプレゼントします。


唐木・蒼
うーんなんと言うか…馬鹿ねー山賊。とにかく迷惑極まりなし、温泉前の準備運動って事でいい汗流させてもらいましょう!
【POW】
山登ってればかち合うって話だけどバラけられても面倒よねー…ルンルン気分で温泉目指す女冒険者、みたいな風情で散策みたいに登って羽衣の「誘惑」「存在感」で複数引き寄せたいかな。怯えるフリしてちょっと逃げたりして、綺麗に囲んでくれたらUCで一網打尽に。見えざる拳「気絶攻撃」で確実に意識を奪ってふん縛ってお終いってね!



「おーんせーん。おーんせーん楽しいお風呂ー」
 猟兵達から逃げようとしていた山賊の一部の耳に、そんな暢気な子供の声が聞こえてきた。
 やってきたのは、2人の冒険者のように見える男女の猟兵だ。
 2人とも、この山の上にある温泉が楽しみで浮かれている、ように見える。
 先ほどの楽しそうな声の子供の方が天星・暁音(貫く想い・f02508)というわずか6歳の猟兵の少年で、一緒にいるのは唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)という妖狐の21歳の女性。
 特にこの2人は連れ合いというわけではなく、たまたま一緒のタイミングで転送されていただけで、今は逃げ出す山賊たちを油断させるために温泉が楽しみな冒険者風を装っているだけである。
 ……いや、暁音の方は純粋に本当に久しぶりに温泉入ってゆっくりしたいという気持ちが表れているだけで、演技ではないかもしれないが。
「ひっ、山賊……?」
 山賊たちに気付いた蒼は、少しだけおびえた演技をして、山賊を釣ろうとする。

「いい女だ」
「ガキはいらねぇよ」
「いや、ショタならありじゃねぇ?」
「おねショタか?」
「そうじゃねぇって。俺はショタだけでもいける」
「まじかよお前」
「いやいやいや、せっかく女がいるのにそれはないだろう?」
「ああ、お前がショタでいいなら、あの女は俺が」
「いい女なんだ、独り占めすんじゃねぇぞ?」
 ……なんかまた元気になってますね、山賊たち。
 とにかく、こいつらならいけるんじゃね的な思考が芽生えたのか、蒼と暁音に引き寄せられた……というか釣られた山賊たちが襲い掛かってきた。一部は蒼の【誘惑】にも確実に引っかかっているだろう。

「うーんなんと言うか……馬鹿ねー山賊」
「女の人を連れ去ろうとか、本当に容赦する必要なさそうですね?」
 呆れたように声を掛け合う2人。ええ、気持ちはわかりますとも。
 もちろん呆れながらも2人は迎撃の体勢を整える。
「温泉の邪魔者を吹っ飛ばすのに躊躇する理由なんかないよね?」
 と明るく言いながら、暁音が2丁銃を手にとれば。
「ええ、温泉前の準備運動って事でいい汗流させてもらいましょう!」
 と、蒼も拳に気合を込める。
 ……やっぱり温泉が楽しみなのは演技ではなかったようです?

「やっちまえーーー!!」
 2人の戦闘準備に気付いているのかいないのか、山賊たちは2人を囲むように襲い掛かってくる。
 が、それこそが蒼の狙い。囲んできたという事は、自分の力が確実に届く範囲に皆が集まってくれたという事でもある。
「ーーーーッ!」
 と、蒼は声にならない雄叫び【咆哮衝撃(ハウリングインパクト)】を解き放つ。
「うぐわあああああっ?!」
 音の衝撃波に当てられ、体が揺さぶられ、心身に大きくダメージを受けた盗賊たち。その隙を暁音は見逃さない。
「魔力充填120%、固定アンカー射出、固定完了、照準ロックオン、リミットカット、全法門開放出力最大!」
 詠唱と共に、彼の持つ2丁銃が合体して変形し、2門の大きな砲塔に姿を変える。
「グローリーアストライアーッ!!」
 その砲塔から解き放たれた魔力が、光と闇が螺旋状に渦巻く奔流となって山賊を撃ち抜き吹き飛ばした。
 あまりの強大な力に、唖然呆然とする山賊たち。
 だが残った者たちも、茫然としている間に、蒼の見えない拳に撃ち抜かれて次々と崩れ落ちていく。
 結局ほんの一瞬ののちには、この場に立っているのは蒼と暁音の2人だけだった。
「よし、これでここらはお終いってね!」
「温・泉・だー!」
 あ、いえ、まだ他の猟兵が対応している山賊はいますし、山賊親分も残っていますので、温泉はもうちょっと後になります、はい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミラ・グリンネル
【恋華荘】で参加
ミラの大好きな温泉を占領するなんて許せないデス
温泉に浸かりながら美味しいお酒を飲んで
身も心も開放的になるのは最高なのデス

こうなったら力づくで退いてもらうしかないデスネ
他の人の邪魔にならないように【フォックスファイア】を放ちマス
「ミラの怒りの炎を食らうが良いデス!」
時たま山賊を誘惑してみたりして、山賊の注意を逸らしマス
「へいへーい!ミラの恥ずかしい姿、見てみたくないデスカ?」
(狐耳をポンと出してみたり。露出過多な部分は無自覚)

皆さんの戦闘フォローも大事なお仕事なのデス


結城・蓮
【恋華荘】で参加するよ。
りんごさんの頼みとあればお手伝いしようかな。
にしてもまあ、温泉か……何だか縁があるね。

で、まあ。今までに出会った中でも最低ランクの山賊だね、こいつらは。
山賊というだけで許せるレベルではないのだが。
このような汚物は早急に消毒しないとね?

「やあやあ、小父様方。華を捜しているんだって?一緒にお風呂は入ってあげられないけど、代わりにマジックショーを楽しんでいっておくれよ」
「チップはキミ達の命で払ってもらうけどね。さあ、ショウタイムだ!」
《炎熱の手札》をばら撒いて周囲の山賊を焼き払っていこうか。
もちろん、村や草木、動物を焼かないように気をつけながらね。
全く、鳥肌が立ちそうだよ。


アリシア・カナート
【恋華荘】の皆様とご一緒に。
りんご様のご依頼とあらば。ご主人様とご一緒でないのは残念ですが。
それにしても、随分と集まられたようで。皆様温泉好きなのでしょうか?

山賊の皆様方はそんなに混浴がお好きなのでしょうか?
別に私なら構いませんが……まあ、恐らくそういう話でもないのでしょう。

私は皆様の補助を致しましょう。
猟兵の皆様に共感して頂けるような内容の歌唱を心がけつつ、サウンド・オブ・パワーで皆様の支えとなりましょう。
温泉賛歌などを歌ってしまったら山賊の皆様にも効果が及びそうですからね。気をつけませんと。
もし傷ついた方が居ましたら、歌唱を切り替えてシンフォニック・キュアを施しましょう。



「クッソ、このままじゃ女捕まえるどころじゃねぇぞ」
「親分に何言われるか……」
「大体なんでこんな強え冒険者がゾロゾロと……」
 数の減ってきた山賊たちはさすがに焦りを感じてきている。
「どうせなら女冒険者来いよ!」
「コブ付きも女装ももういらねぇ! 女だけの冒険者チームとかねぇのか!」
 ……焦る理由そっちですか。そうですか。
 仲間もかなりやられているのに、やはりどこまでも性欲に正直な山賊連中である。

 そんな山賊たちの願いがかなったのだろうか。
 次に現れたのは3人組の女性たちだった。
「りんごさんの頼みとあれば、お手伝いしようかな」
 この場に送り出したグリモア猟兵の名を呟いているのは、左右異なる瞳の色をしたケモ耳の少女、結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)。
「ご主人様とご一緒でないのは残念ですが」
 蓮の声に頷きつつ、小声で自身の主に思いを馳せるのが、この中では一番幼いミレナリィドールの少女、アリシア・カナート(誉れなき歌声・f08356)。なお、ご主人様というのは今回は一緒ではないようだ。
「それより、ミラの大好きな温泉を占領するなんて許せないデス」
 この場にいない人のことよりも、この先の温泉に思いを馳せるのは、大きな胸のお餅がとてもよく人目を惹くミラ・グリンネル(妖狐の精霊術士・f05737)。
 3人とも恋華荘という寮にて生活を共にする仲間である。今回案内したグリモア猟兵ともその寮での知り合いのため、話を聞いて駆けつけたという。
「温泉か……何だか縁があるね」
 3人の住む寮には温泉が引いてあるからだろう。蓮はそんなことを言う。
「温泉に浸かりながら美味しいお酒を飲んで、身も心も開放的になるのは最高なのデス」
 ミラは明るい声で楽しみを語っている。すでに頭の中は温泉に浸かっているような、そんな感じがする。
「私たちは未成年ですからお酒は付き合えませんよ。
 それよりも、随分と集まられたようで。皆様温泉好きなのでしょうか?」
 ミラの妄言にも冷静に受け答えする最年少のアリシアは、同行者2人ではなく、自分たちをじっと見ている視線にも気付いたようだった。
 そう、言うまでもなく、山賊たちが彼女たちを見ている。
「女が来たーーーーーーーーーーー!!!!!」
 ……この反応も、ある意味いうまでもなかった。

「おい見ろ、あの金髪めっちゃ巨乳だぞ」
「歩くだけで揺れている……こんな乳もあるんだな……」
「あのケモミミ、胸がないが、まさかまたトラップじゃねぇよな?」
「お前の目は節穴か?! あれは極上の貧乳だよ。俺にはわかる」
「お前貧乳派か? 俺は断然巨乳だな」
「そうだぞ、たわわに実ってずしっと重い、まさにあれこそが巨乳の神髄」
「いーや、甘いな。あのでかさは垂れる。それよりうっすら膨らみかけこそ神秘よ」
「ないのがいいんならあの小娘でもいいだろうが?!」
「馬鹿野郎! ロリと貧乳は別なんだよ!」
「おうよ。ロリだからいいんだよ!」
「お前そっちかよ?!」
 今までよりはるかに賑やかな山賊たちである。さもありなん。
 ……まだまだ山賊たちの話は尽きないが、これ以上はさすがにカットしますね。

「今までに出会った中でも最低ランクの山賊だね、こいつらは」
 蓮の声が氷点下なのは、わざわざ理由を説明するまでもないだろう。
「最低で結構! お前らさらって混浴だーーー!!!」
「もっと罵って! ご褒美だぜーーーー!」
 もちろん山賊たちも、そんな氷点下な声など気にもせず……むしろ喜んでいるものまでいる始末。つい先ほどの焦りや弱気などどこに行った感じで3人めがけて襲い掛かってきた。
「山賊の皆様方はそんなに混浴がお好きなのでしょうか?
 別に私なら構いませんが……」
「うおおおおぉぉぉおぉぉぉおおぉおおお!!!!」
 呆れたような表情から不用意に出たアリシアの呟きに、一部の(ロリ趣味な)山賊がやたらとエキサイトしている。
「……まあ、恐らくそういう話でもないのでしょう」
 さすがにアリシアもドン引き。
「そうデス。それじゃ解決にならないのデス。要するに力づくで退いてもらうしかないデスネ」
「そうそう。このような汚物は早急に消毒しないとね?」
 もちろん、ミラと蓮の認識は一致している。
 つまり、ここから、イッツジェノサイドタイムだぜ、オーケィ?

「温泉賛歌などを歌ってしまったら山賊の皆様にも効果が及びそうですし、さて、どんな歌を歌いましょうか」
 少し悩みながらも、選曲を終えたアリシアは、蓮とミラを鼓舞するべく【サウンド・オブ・パワー】の歌声を響かせる。
「いい歌デスネ、アリシア。元気出るデース!」
「ボクもこの歌に負けてはいられないな」
「ロリっ子の歌、いい……」
 ……結局、山賊のごく一部にまで共感が広がってしまったのは誤算だったかもしれない。まぁ、気にしたら負けだろう。

「それじゃ、ボクも始めようか。
 小父様方。華を捜しているんだったよね? 一緒にお風呂は入ってあげられないけど、代わりにマジックショーを楽しんでいっておくれよ」
 アリシアの歌に続いて登場するのは通りすがりのマジシャンRENだ。
 【炎熱の手札(ブレイジングカード)】の能力で生み出された炎のカードが、ジャグリングのように宙に舞う。
 これから始まるマジックショーを期待させる光景……なのだが。
「マジックなんかじゃ俺らは満足しねぇよ嬢ちゃん!」
「おうよ! 一緒に温泉入って混浴ショーにしろって!」
 ……そんな芸術的感性は持ち合わせない山賊たちである。
「お断りだよ。ボクが見せるのはマジックだけさ。さあ、ショウタイムだ!」
 蓮の炎のカードが、自在に舞って襲ってきた山賊たちを燃やしていく。
「チップはキミ達の命で払ってね」

「へいへーい! ミラの恥ずかしい姿、見てみたくないデスカ?」
 そうやって山賊たちを挑発して引き付けているのはミラだ。
 あくまでも挑発の一環なのだが……元々露出の多めな恰好なうえに、前かがみになったりするものだから、胸の谷間とかが無自覚にばっちり見えていて、山賊たちにとっても非常に目に毒であったわけで。
「うおおおおおお! 巨乳うううう!!!」
「そのたわわもらったーーーーー!!!!」
 完全にエキサイトしてしまっていた。
「なーんて、温泉の邪魔する人には駄目デス!
 ミラの怒りの炎を食らうが良いデス!」
 もちろんミラは(自分の格好に無自覚ゆえに)そんな山賊たちの興奮度合いも意に介せず、【フォックスファイア】の狐火を呼び出した。ついでに狐耳もポンと出た。
 呼び出した狐火は、ミラの操作で山賊たちに当たり、燃やしていく。
「うあっちぃぃぃぃぃぃいいい?!」
「おおおお……巨乳が……燃えていく……」
 いや、燃えているのは貴方たちですから。

 結局、蓮とミラのふたりの出した炎は、周りの森や自然を傷つけることなく、山賊たちだけを焼き払った。
「やれやれ。ボクらを襲ってきたのはこれで全部かな?
 全く、鳥肌が立ちそうだよ」
「お疲れ様です。傷ついてはいませんか? 癒しの歌も歌いますけれども」
「全然大丈夫デース」
「ん、ボクも平気。さ、まだ山賊残ってるんだし、もう少し頑張ろうか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

深護・刹那
ではでは、不肖、深護・刹那、参ります。

見事なまでに邪(よこしま)ですわねぇ。
わたくしとしては容赦しなくていいのはありがたいですが。

村の外で山賊を待ち構えるとしましょう。
もちろんわたくしは那由多とともに。

「では、わたくしと一曲、踊ってくださいませ」

那由多を操って攻撃を仕掛けます。
フェイントを織り交ぜて、山賊の足並みを乱しましょう。

山賊のユーベルコードにはオペラツィオン・マカブルでいなしますわ。
ところで、石つぶてに対して成功したら那由多から石つぶてがぺいって吐き出されるのかしら?
それはそれで面白い光景ですわねきっと!
いえ、まじめに戦いますけども。


クリスティーヌ・エスポワール
これが、雪……
記録では知ってたけど、実際に降る現物が見れるなんてね
まぁ、楽しむのは後……さっさと片付けましょう

「ユーベルコード:バトル・インテリジェンス。バトルパターン「カンフー」!プログラム、ドライブっ!」
古の武術をインストールした戦術ドローンを召喚
徒手空拳で山賊に戦いを挑む!

「いくわよ……!【空中戦】に対応しきれるかしら!」
山林の木の幹を蹴り、空中からの踵落とし!
更に、低い態勢から足を出した状態で回転し、砂埃を発生させて【目潰し】!
余裕があれば、木の枝を棍として振るってもみせる!
「はいいいいっ!」
怪鳥音を上げ、カンフーヒーローの戦いを見せてあげる!
え、スカートの中身?
長いし見えないでしょ?



「クッソ、せっかく女が増えてきたってのに、なんてこった」
「このままじゃ親分が来ちまう……」
「何としても残った俺らで女確保しねぇと!」
 もはや残されたのはほんの数名になったにも関わらず、まだ諦めていない山賊たちである。
 そんなに親分が怖いのか。
 それともそんなに女が欲しいのか。
 ……後者の様な気がしないでもない。

「雪……記録では知ってたけど、実際に見られるかもしれないなんてね」
 そんなことを呟きながら山道を登ってきたのは、クリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)という、見るからに文学少女的な眼鏡っ娘だ。
 なお、秘湯の方まで登っていけば雪も積もっているだろうが、まだ麓に近いこの山道では、彼女が満足できるほどの雪はない。
「楽しみはあとね……まずは仕事片付けましょう」
 はい、雪や温泉を楽しむのは仕事の後ですよクリスさん。

「眼鏡っ娘、だと……?」
「お前、今まで喋らなかったと思ったら、そっちだったのか」
「まさか本気を出すとか言って眼鏡外したりしないだろうな?」
「何だその拘り?!」
「大事なんだよ!!」
 なぜか謎の力説をする山賊が約1名。もう放っておきましょう。

「見事なまでに邪(よこしま)ですわねぇ」
 そしてもう1人やってきたのは、深護・刹那(花誘う蝶・f03199)という人形のような少女だ。
 人形の様なというのは比喩ではない。実際に彼女の肘などには球体関節が見えていたりもする。彼女は人形から生まれたヤドリガミなのだ。
 本体が人形の彼女ではあるが、彼女と共にいるのもやはり人形だった。
 うさぎのぬいぐるみのような人形が、彼女の指から伸びた糸でつながっている。
「さぁ、いきますわよ、那由多」
 那由多というのが人形の名前のようだ。

「女かと思ったら人形かよ……」
「いいじゃねぇか球体関節。俺はありだぜ」
「ニッチだなお前!?」
 山賊からのコメントはもういい?
 作者もそう思います。
「ほんと邪ですわねぇ。わたくしとしては容赦しなくていいのはありがたいですが」
 完全に呆れつつもやる気の刹那さんです。

「混浴ーーーーーー!!!!!」
 残り物には福があったのか、生き残りたちの趣味に合う女猟兵が現れたことで、再び意気のあがった山賊である。
 だが、もちろん猟兵たちは待ち構えている。
「ユーベルコード:バトル・インテリジェンス。バトルパターン「カンフー」!
 プログラム、ドライブっ!」
 【バトル・インテリジェンス】により戦闘用のドローンを呼び出したクリスは、そのまま徒手空拳で駆け出した。
「わたくしと一曲、踊ってくださいませ」
 一方で刹那の方は、その場で舞うように那由多を操り始める。
 十指の動きはもとより、腕の動き、それどころか全身の動きまで使って操る人形使いの御業。指先からつながる10本の糸が、刹那から那由他へとつながる神経のように、刹那の糸を確実に那由他へと届けていく。
 そのトリッキーなフェイントを織り交ぜた動きは山賊たちの足並みを乱し。
「いくわよ……! 空中戦に対応しきれるかしら!」
 足並み乱れた隙を狙って、駆けた先から山道脇の木の幹を蹴って宙高く舞い上がったクリスが、声とともに、虚を突かれた山賊の頭上へと落ちてくる。
 山賊の脳天を打ち砕く見事な踵落としだった。
 ドローンによる力なのか、文学少女的な見た目とは裏腹の見事なカンフーアクションだった。
 そのまま低い姿勢からの回転蹴りで、地面から砂埃が舞う。
「はいいいいっ!」
 怪鳥音のような奇声を上げ、砂埃で狼狽している山賊に回し蹴り一閃。
 蹴りの際にふわっとスカートが舞ったが、山賊がその中身を確認できたかは定かではない。もう喋れないだろうし。
「くそっ! この女ああああ!!」
 破れかぶれか、残された山賊が、後方で人形の扱いに従事していた刹那を狙って石つぶてを投げた。
 が、それも、つぶてが来る瞬間ふわっと力を抜いた刹那の前に無効化される。
 【オペラツィオン・マカブル】、無効化されたつぶては、刹那から那由他へと伝わり、那由多から元の山賊へと返っていく。
「馬鹿なー?!」
「成功したら本当に那由多から石つぶてがぺいって吐き出されるのですわね?
 面白い光景ですわね!」
 刹那さんが楽しそうで何よりです。

 かくして、山道を降りて村を襲おうとした山賊は壊滅状態になった。
 だが……残念ながら戦いはまだ終わりではなかったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おいおい、いったいこりゃあどういうこった?」
「へい、親分。やたらと強い冒険者がたくさんおりやして……」
「馬鹿野郎! 冒険者だろうが何だろうが、なに無様晒してやがる!」
「そんなこと言っても親分、あいつらほんとに強いんすよ」

 あまりにも戻りの遅い部下たちに業を煮やしたのか、山賊の親分もここまで降りてきた。
 僅かな生き残りの部下たちが必死に弁明するが、親分は言葉を聞く気はない様子。
 そして、退治する猟兵達も肌で感じていることがある。
 この親分は別格だ、と。
 今までのような愉快な雑魚のようにはいかない、と。
「ふん、俺様の手を煩わせやがって。使えねぇ部下どもだぜ」
 親分がギロッと猟兵達を睨みつける。

「酒ぇ!!」
 親分の大声が響く。
「金ぇ!!!」
 その叫び声は、欲望にまみれていても雄々しく。
「女ぁ!!!!」
 大音声となってあたり一面に響き渡る。
「そして温泉!!!!!
 混浴ううううう!!!!!!!」
 とはいえやはりこの親分も、結局は助平なのは間違いなさそうだった……。
アルトリウス・セレスタイト
寝言は寝てても言うもんじゃない
五月蝿いからな

始動はひっそりと目立たぬように
目標が動き出す所を静止で拘束し機を奪う

以後存在が露見するまで隠形しつつ、味方への被害軽減重視で行動の起こりを抑えるタイミングで静止により拘束
見付からなければ最後までその方針で

発覚したら自信と嘲りの混じった微笑で煽って思考の柔軟さを奪いに
その場合は預言で回避専念しつつ隙があったら崩壊で攻撃も


深護・刹那
親分さんの登場ですわね。
ですが、小手調べだったのはこちらも同じ。
見えましたわ、敵(?)の傾向が!

それでは、不肖、深護・刹那、全力で参ります!

攻撃の前に敵を推測しましょう。
これだけ千差万別の性癖山賊を従える頭、
とんでもない性癖持ちのはず。
例えば…全てのジャンルに偏在し、全てを許容する…ギャップ萌え!

そうならば、わたくし、深護・刹那、
人形のような少女(25歳)に勝てる道理はないはず!
あ、動物とも話せますのよわたくし。

行きますわよ那由多!
まずは相手の大斧をかわし…って脱いだー?!

はっ!?
相手に求めるタイプの性癖ではなく、
相手に見せつけるタイプの性癖だと言いますの!?
ただのHENTAIですわー!?


加賀・琴
りんごさんに頼まれてやってきましたが、少々出遅れましたかね?
あぁ、でもまだ敵が残ってました。こう言ってはなんですが、終わってからやって来るということにならなくて良かったです。

それにしても山賊らしいといえばそうなのでしょうが、宗教違いですが悟りには縁遠そうな煩悩塗れな人ですね。
子分を嗾けてきても『スナイパー、援護射撃』の【破魔幻想の矢】で纏めて射貫いてみせます。
撃ち漏らしも『2回攻撃』で2射目の破魔幻想の矢で射貫くか、あるいは薙刀で『なぎ払い』かですね。
どの道、私の役割は他の方の援護ですから私が山賊親分を討ち取る必要はないですね。もちろん、痛打を与えられるならそれに越したことはないですけどね。


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

山賊どもめぇ、絶対に許さん!
山賊と蛮族を同一視するなど、我が部族の誇りを汚すことは万死に値する
山賊の賊は犯罪者の賊!蛮族の族は部族の族だ!

これは我が部族に伝わる舞で威を示さねばならんな
敵の攻撃に合わせ、【大地に捧ぐ情熱の舞(リンボーダンス)】を使用するぞ
その汚ねぇ裸を俺の女に見せるんじゃねぇ!
うぉぉぉおおおお!リンボゥッ!
鍔迫り合いになっても【怪力】で押し切れると良いが

ん?肌の面積は変わらないって?
俺は良いんだよ、俺は…それに肌と筋肉の手入れが違う

さて、気を取り直して温泉を楽しみたい
怒りも落ち着けば、寒さを感じる
そっと妻と寄り添い、先を急ごう


オリオ・イェラキ
テオ(f00426)と供に

夫が…怒りに我を忘れておりますわ…
山賊と蛮族を同一視されたばかりに…
でも言ったのは手下、なのは言わない方が良いのかしら

あらあら
山賊の長ともなれば品格もまた別格なのかしら
雄叫びが大変耳障り
夫の雄々しい咆哮とは比べ物になりませんわ

テオ、サポートいたしますの
黒風鎧装で我が身の夜を深め
主に子分達をより煌めき増したメテオリオで掃討し
まだ動くなら大剣で追撃を
確実に仕留めますわ

親分がわたくしの元へ?
お触りは禁止、でしてよ
その大斧ごと斬り裂いて差し上げますわ

わたくしが貴方が観る最期の夜になる事
光栄に想って

終われば寒がる夫に腕組み寄り添って
これで暖かいでしょう?
このまま温泉へ行きますわ


クリスティーヌ・エスポワール
こ、公序良俗来て~!?
……ともかく。強さは別格だけど、愉快さはどっこいどっこいじゃない?

「ここからは、電脳魔術士の本領発揮よ。あなたの部下と、私の戦闘機械75機。集団戦で雌雄を決しましょうか!」
ホログラフのキーボードを操作して戦闘機械を召喚、同時操作で親分と戦わせる!
親分が自ら戦うなら、息をつかせぬ波状攻撃で、敵の疲労を誘うわ
部下を繰り出すなら、偽りの撤退で敵を誘い込み(敵を突出させた上で、機械の一部をわざと散らせ、再結集させ背面に回り込ませる等)、包囲攻撃での殲滅を試みる!
ただの指揮と、機械の全情報を共有した同時操作では、レベルが違うことを教えてあげるわ!



「酒! 金! 女! 温泉!! 混浴!!!」
 欲望にまみれた親分の叫び声が木霊する。
「あらあら、山賊の長ともなれば品格もまた別格なのかしら。雄叫びが大変耳障り」
 その声を聴いたオリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)は、夫の雄々しい咆哮とは比べ物にならないと眉をしかめる。
 だが、そんなオリオを含む猟兵達を見た親分は、この場に集う女猟兵達を舐めるように見て舌なめずりした。
「ほほう、なんだなんだ。女冒険者もいるじゃねぇか。
 お前ら、こいつらにやられたってぇのか?」
 今の一瞥で親分の視界に入ったのは、先程から手下の山賊たちと戦っていた中からいち早く集合してきた、深護・刹那(花誘う蝶・f03199)、クリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)、そして先程のオリオの3人と……。
「少々出遅れましたかね?」
 と、あとから駆けつけてきた加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)の4人。
 琴は友人でもあるグリモア猟兵の話を聞いて、遅ればせながらと駆け付けたところだった。
「あぁ、でもまだ敵が残ってました。終わってからやって来るということにならなくて良かったです」
「がっはっは! おうよ、嬢ちゃん。本番はこれからだからな。その身体で俺様を楽しませろよ?」
 間に合ったと安堵する琴に対し、いかにも助平な意味で本番はこれからだと下卑た笑いをあげながら宣言する親分。
 これにはさすがに女性陣もうんざり。
「こ、公序良俗来て~!?」
 特に真面目そうなクリスなど、頭を抱えだした。
「何言ってやがる! 俺様たち山賊にそんなもんあるわけねぇだろうが!!」
 ごもっともで。
「これが親分さんですか……」
「……強さは別格だけど、愉快さはどっこいどっこいじゃない?」
 親分の開き直りじみた宣言を受けて、思案するような顔を見せる刹那と、げんなりするクリスだった。
「これだけ千差万別の性癖山賊を従える頭、とんでもない性癖持ちのはず」
 ……って、刹那さん、そんなこと考えていたんですか?
「山賊らしいといえばそうなのでしょうが、悟りには縁遠そうな煩悩塗れな人ですね……」
 遅れて来たばかりで、山賊たちの性癖暴露大会については知らない琴だったが、おおよそは察してそんなため息をついた。
「例えば……全てのジャンルに偏在し、全てを許容する……ギャップ萌え!」
「何言ってるの?!」
 まだ変な事を考えていた刹那に、思わずツッコミを入れてしまうクリス。
「そうならば、わたくし、深護・刹那、人形のような少女(25歳)に勝てる道理はないはず!」
 本当に何を言っているんでしょうかこの見た目球体関節な少女の25歳さんは。
 ええ、本当に、刹那さんが楽しそうで何よりです……。
「もちろんありだ!!!!」
 そして親分も何答えているんですかね???

 と、まぁ、この3人の娘さんたちと親分は、なんだか場違いにおまぬけなやり取りをしていたわけですが、この会話に加わらなかったもう一人の女性、オリオがどうしているのかというと……言うまでもなく彼女の傍らには愛する夫のテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)がいるわけでして。
「山賊どもめぇ、絶対に許さん!」
「夫が……怒りに我を忘れておりますわ……」
 怒りに震えるテオを見てハラハラで会話に参加するどころではなかったのだ。
 ……参加して実のある会話ではなかったわけですがね。
「山賊と蛮族を同一視するなど、我が部族の誇りを汚すことは万死に値する!
 山賊の賊は犯罪者の賊! 蛮族の族は部族の族だ!」
 先ほど山賊部下たちに似たようなもの呼ばわりされた事に激高しているテオ。
(「言ったのは手下なのは言わない方が良いのかしら……」)
 内心つっこもうかどうしようかと考えているオリオだった。
「ああん? 何言ってやがるてめぇ。
 てめえもろくに服も着てねぇ、似たような格好してるには違いねぇだろうが!」
 もちろん、山賊たちがそんなテオの怒る気持ちを分かってくれるわけもなく、さらに親分は逆なでするような事を言いだす。となれば当然……。
「肌の面積は変わらないって?
 俺のはいいんだよ! 俺は……肌と筋肉の手入れが違う!!」
 怒りのテオは、己の肉体を誇示し始めた。
 はちきれんばかりの筋肉美!
 だが。
「男の裸なんざ見たくもねぇ!
 それに筋肉ってのは、こういうのを言うんだよ!!!」
 対抗するかのように、親分も上半身の毛皮を脱ぎ捨てる。
 こちらも筋骨隆々とした見事な体だった。

「……って脱いだー?!」
 なお、親分が毛皮をはぎ取ったことに真っ先に反応したのは刹那だった。
「はっ!? 相手に求めるタイプの性癖ではなく、相手に見せつけるタイプの性癖だと言いますの!?」
 いや貴方が何言ってるの……?
「ただのHENTAIですわー!?」
 妄想たくましすぎませんかねこの娘さん(25歳)。

(「寝言は寝てても言うもんじゃない。五月蝿いからな」)
 そんな騒ぎをよそに、誰にも気付かれずに近くの木陰に潜んでいる影が一人。
 アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)は、ここまで戦闘に……というかこんな馬鹿な会話に加わらず、ひっそり目立たぬようにして機を窺っている。

「その汚ねぇ裸を俺の女に見せるんじゃねぇ!」
「けっ、俺様の男っぷり見て恥ずかしくなったか、ああん?
 男にゃ用はねぇ。てめえはとっととくたばって、俺様に未亡人をよこせ!!」
 親分が脱いだ事に更なる怒りを燃やしたテオが駆け出し、親分がそれを迎え撃とうと大きな戦斧を振るったのが、戦闘開始の合図になった。
 ガキィン!
 親分の振るった戦斧を、テオも自らのバトルアックスで受け止め鍔迫り合いに持ち込む。【怪力】を駆使して押し返そうとするが、それでもなお親分の方が力が勝っていた。
「ぐ、ぐぐ……」
「威勢のいいのは口だけかぁ? このまま真っ二つに……あん? なんだこりゃあ?! 体が動かねぇぞ?!」
 このままテオを押し切るかと思われた親分の動きが突然止まる。
(「じっとしてろ」)
 身を隠し機を窺っていたアルトリウスが放った不可視の鎖による束縛、【静止】の力。それが一時的に親分の動きを封じたのだった。
 そしてこのチャンスをテオは見逃さない。
「うぉぉぉおおおお! リンボゥッ!」
 テオは、押し込まれていた体勢から、さらに身体をのけぞらせ大きく反らす。そしてそこから一気に身体を起こす勢いのままに素早くバトルアックスの一撃を親分へと叩き込んだ。これぞ、テオの部族に伝わる舞の一つ、【大地に捧ぐ情熱の舞(リンボーダンス)】だ!
「いってぇ……やりやがったなてめぇ……!」
「我が部族に伝わる舞の威を見たか!!」
 一撃加えたところでいったん離れるテオ。

「お前ら! いつまでぼーっと見てやがる!! まだ動ける奴は男を殺せ!」
 自慢の(?)身体を傷つけられた親分は、テオを睨みつけながら、まだ動ける山賊子分たちを呼び出してテオを襲わせようとした。
 いや、テオだけじゃない。
「それと近くに誰か隠れていやがるはずだ! さっき俺様の動きを止めたヤツがよ!!
 見つけ出せ! いいなお前ら!!!」
「へい!! 親分!!!!」
 呼び出された子分たちは、親分の命令通りに動き出す。
 だが、動き出すのは子分たちだけではない。
 親分との戦闘が始まって以来、介入する機を待っていた女性陣も、ここで動き出した。
「そうくるなら、ここからは電脳魔術士の本領発揮よ。あなたの部下と私の戦闘機械75機で雌雄を決しましょうか!」
 これを待っていたとばかりに、クリスは宙に映るホログラフのキーボードを操作して、戦闘機械【エレクトロレギオン】を呼び出す。
 さらに。
「さぁ……お往きなさい、わたくしの星達」
 オリオは先の戦闘でも披露した【夜彩と流星花(メテオリオ)】の黒い薔薇の花びらを子分たちへと飛ばし。
「遠つ御祖の神、御照覧ましませ」
 琴も弓矢を構えて解き放つ。
 弓から解き放たれた【破魔幻想の矢(ハマゲンソウノヤ)】は、空中で数多の矢へと分裂し、子分たちを襲う。
 女性陣3人が生み出した一斉攻撃が、瞬く間に呼び出された子分たちを攻め立てた。

 一方で、見えない鎖を放った誰かを探そうとしていた子分たちは、人形を起動させた刹那につかまっていた。
「わたくしも行きますわよ、那由多!」
 刹那の人形の攻撃で1人、1人と倒されていく子分。
 いや、刹那だけの力ではない。隠形したままのアルトリウスが、子分たちを【静止】させて援護していたのだ。
 だが、動きが増えれば当然、その気配は察せられる。
「お、親分! ここに男がいましたぜー!」
 倒れる間際の子分がアルトリウスを見つけたのだった。
「……ふっ」
 見つかって姿を現したアルトリウスは、隠形が見破られたことなど気にせずに、逆に親分を挑発したように嘲り笑う。
「そんなところに居やがったかてめぇ!!」
 そして親分の意識が自分に向いたところで。
「そこで終われ」
 【崩壊】の見えない力で攻撃をするのだった。
「ぐはぁっ?!」
 またしても見えない力に翻弄された親分は、一瞬ぐらりとよろめきながらも、憎々しげにアルトリウスを睨みつける。

 一方で、召喚された子分たちと女性陣の戦いは終わろうとしていた。
「引っかかったわね。撤退したのは見せかけよ」
 戦闘機会を囮に、撤退に見せかけて子分たちを誘い出したクリスは、追ってきた子分たちの背後を取るように機械を操作し、後方からの攻撃を仕掛ける。
「やぁっ!」
 さらに、それら機械や矢が打ち漏らした子分は、琴のなぎなたによる薙ぎ払いで切り裂かれていく。
「私の役割はどうやら果たせたかしら?」
「山賊の指揮とはレベルが違うこと、わかってもらえたかしら?」
 琴とクリスの前に、もはや動ける子分たちはいなかった。

 親分は、テオとオリオの夫婦へと迫っていた。
 これから温泉に向かう夫婦のように寄り添う2人を引き剥がそうと(?)、戦斧を繰り出していく。
「てめぇら、特に男は死ねぇ! 女はよこせぇ!!」
 先程からテオやアルトリウスに痛撃を受けたとは思えない、まだまだ元気に欲望をたらしつつ、戦斧を振り下す親分。
「お触りは禁止、でしてよ?」
「俺の女に触れるんじゃねえ!」
 だが、その一撃も、テオとオリオのふたりがかりで防がれ、逆にカウンターで一撃喰らうのだった。

「くそがぁ!
 まだまだこの程度がなんだってんだ! 俺様は女を掴むまで止まらねぇぞ!!!
 お前ら、寝てるんじゃねぇ、まだ終わりじゃねぇからな!!」
 ダメージは受けているもののまだ倒れる気配のない親分。
 さらにまだ無事な子分たちを無理矢理呼び出し、新たに駆けつけてくる猟兵達を睨みつけるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ミラ・グリンネル
【恋華荘】で参加
とうとう親分のお出ましデスネ!
さっさと降参して温泉を明け渡すと良いデスヨ
今なら温泉に一緒に入ってもあげても良いかもしれませんヨ?
*【誘惑】スキルで親分の動揺を狙う

こんなこともあろうかとミラの必殺技を出す時が来たようデス
(おもむろに胸元からお餅を取り出し食す)
これがミラの本気デス!【もっちあフォーム】
強化された身体能力で親分に近接戦闘を挑むデス
レンの攻撃もありますシ、主に撹乱が目的デスヨ
ふふふ、目が泳いでマスネ。ミラのスピードについて来れないようデス
#胸部のもっちあの迫力も強化されているのが原因です

親分の攻撃が避けきれなくて服が破れたとしても、そんなのは仕方ないデス


鍋島・小百合子
行動:SPD重視、山賊親分討伐

手下が俗物共ならばその頭も同じ穴の貉か
安易に女子に近づかんとするならばきつくお灸を据えてやらねばのう

薙刀で応戦
なぎ払いと範囲攻撃を活用しつつ、隙あらば敵の目潰しを狙う
防御が厚い場合は鎧砕きも併用
敵からの剛斧一閃は残像を用いての回避を重視、間に合わない場合は小太刀で武器受け
ある程度戦況に余裕が見えたら祭祀扇を広げ舞を小披露しながら誘惑(という名の挑発)
「親分ともあろう者がそんな助平根性で混浴を叶えようとよくも考えたものじゃ。身の程を思い知るがよい」

自身が瀕死になったらユーベルコード「亡霊召喚法」発動
召喚した女武者亡霊と共に連携攻撃
「戦友よ。かの女の敵を共に討とうぞ」


結城・蓮
【恋華荘】のみんなと。
ふう、ようやく山賊は片付いた……と思ったら変態の親玉が登場だね。
やれやれ……子分も子分なら親分も親分だね。
こういうのは元を断ち切らないとダメだよね?

真の姿を解放して《泡沫の鏡像》で分身を出現させて、仕込み杖で連携攻撃を仕掛けるよ。
「「さあ、ショウタイムだ!」」
片方に炎熱の手札をばら撒かせて意識を向かせたところにもう一体でだまし討ち、がボクの基本スタイルさ。
相手の動きが邪魔なようなら無明の絃で絡め取りながら、常に死角に入り込んで仕掛けるよ。
狙うのは……男性の欲望の根本ていったら、ねえ?
スパッと行こう。スパッとね?


天星・暁音
…何だかとても危ないこと(思われたような)気がする。
何か誰かにツッコまれた(ような)気がする。

んん?

え?まだ邪魔者がいるの?
流石にボスだけあってちょっと強そうだね。
ここは何時も通りに皆の支援に回ろうか…

温泉を邪魔する奴だから自分で吹っ飛ばしたい気持ちもあるけど…

とにかく怪我したまま温泉は大変だろうし、皆が楽しめるようにしっかり治さないとね。

山賊たちも普通に一緒に音声入れば良いのにねぇ…


「温泉は皆の何だから、独り占めしようとする悪い子は、めっ!なんだからね」

未だテンション高く普段よりも言動がちょっと幼いです。

【誘惑・おびき寄せ】で視線を奪い仲間の行動を手助けすると共に怪我した人は治します。


唐木・蒼
好き勝手する為だけにここまで強くなるってのもある意味才能なのかな?感心も称賛もないけどね。
【POW】重視
見るからに腕っぷし自慢よねアレ…強者とのバトルは望む所なんだけどアレに近づくの何かやだなぁ。正面以外の方向から叩きたいな、捕まるとセクハラされそうだしねー。味方の攻撃に合わせてUCの狐火を常に3つ以上視界に入るよう漂わせて意識を散らしてみましょう。敵が釘付けになってればブーツの「ダッシュ」「ジャンプ」機動力フル活用で回り込み、後ろから見えざる拳「鎧砕き」「気絶攻撃」で更に味方の攻撃に繋げられるように意識ね。
軽い運動のつもりが温泉療養みたいになりそうだー!


白峰・雫
慎矢(f05296)と一緒に戦うよ

味方も多いし、ボクは援護に徹しようかな

援護射撃を使って味方に当てないように気を付けながら【フォックスファイア】を個別に操作して敵の攻撃を妨害するように、多方向から絶え間なく攻撃するよ
もし敵が近寄ってきたら、残像と武器受けを使って薙刀で応戦するよ


白峰・慎矢
雫(f05281)と一緒に行くよ

ところで親分さん、どんな女性が好みなんだい?まさか可愛ければ男でもいいってことはないよね?もしそうなら、全力で殺しにいかないといけなくなるからさ。

厄介そうな相手だから、まずは相手が隙を見せるまでは防御しよう。残像とか地形の利用を活かせると良いね。雫も援護してくれるみたいだから、心強いよ。
後は、第六感を頼りに、敵の隙をつければ「錬成カミヤドリ」で敵を複製した弓で囲って、逃げられないようにして一斉射撃しよう。殺れれば殺るけど、難しそうなら敵の脚を狙って動きを鈍らせてみよう。


アリシア・カナート
【恋華荘】の皆様とご一緒に。
先の山賊の皆様と同じく、この親分という方も混浴がしたいのですね。
乱暴じゃなければ良かったのでないでしょうか?そうでもありませんか。そうですね。

変わらず私は支援と回りましょう。
真の姿はあえて抑えましょう。ハウリング起こしても嫌です。
今回はオブリビオンを許せない猟兵の歌にしましょう。前回は温泉を想いすぎて失敗しましたから。
さあ、私と最上の調べを共に奏でましょう。
民を苦しめる悪を撃つ調べを。煩悩を祓う調べを。温泉を楽しむ……おっと、これでは前回の二の舞です。
ともあれ、皆様を鼓舞し続けましょう。
傷ついた方にはシンフォニックキュアです。
ご無事ですか、皆様?



「手下が俗物共ならばその頭も同じ穴の貉か」
「……やれやれ、さすが変態の親玉だね」
「好き勝手する為だけにここまで強くなるってのもある意味才能なのかな? 感心も称賛もないけどね」
 まだまだ戦意……というか混浴への助平根性が消えない親分を前に、女性猟兵達は呆れていた。順に鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)と、結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)と、唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)である。
 その一方でこんなことを言う猟兵もいた。
「先の山賊の皆様と同じく、この親分という方も混浴がしたいのですね。乱暴じゃなければ良かったのでないでしょうか?」
「山賊も普通に一緒に温泉入れば良いのにねぇ……」
「もう手下もいないんデス。さっさと降参して温泉を明け渡すと良いデスヨ。今なら温泉に一緒に入ってもあげても良いかもしれませんヨ?」
 順に、アリシア・カナート(誉れなき歌声・f08356)と天星・暁音(貫く想い・f02508)とミラ・グリンネル(妖狐の精霊術士・f05737)だ。
 ……っていうかいいんですか、3人とも、そんなこと言って?
 特にミラさん、下手に【誘惑】仕掛けても、この親分には意味は……。
「うおおおおおおおおおお!! ならば今すぐ俺様と温泉に!!!!」
 ……思いっきり意味ありましたね。もう腰に巻いてる毛皮すらはぎ取りそうな勢いでエキサイトしている親分さんである。やはり胸か。暁音はショタだし、アリシアはまだ幼いし、蓮は見るからにないし、小百合子は鎧のおかげで判別できないし、蒼は露出度高い衣装で谷間も見えているけれど、ミラはそれ以上に大迫力な胸だし、そんなミラがそんなこと言ったものだから、親分もいろいろスイッチはいった様子。
「ちょっと反応よすぎてびっくりデース……」
「そもそも今更混浴すればいいという話じゃ……」
「そういう問題でもでもありませんか。そうですね」
 当たり前だがドン引く女性陣+1である。

「ところで親分さん、どんな女性が好みなんだい? まさか可愛ければ男でもいいってことはないよね?」
 呆気にとられつつも、そう聞き返しているのは、白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)だ。傍らにはその義弟の白峰・雫(白狐の巫女?・f05281)も控えている。
 慎矢としては、もし男(雫)が対象になるなら、全力で殺しにいかないといけなくなると考えての質問だったわけだが。
「あーん? 好みだと? んなもんそりゃあ……」
 親分は、今この場にいるものを順に、アリシアの顔、蒼の顔、雫の顔、暁音の顔、蓮の顔、小百合子の顔、ミラの胸を順番に見て、答えた。
「てめぇ以外全員だなぁ! みんなまとめてもらってやるぜ!!」
 全員そろってうわぁって顔になった。
「というかなんでミラだけ顔じゃないデスか?!」
 それはまぁ、そういうお約束という事で。
「……何だかとても危ないこと思われたような気がする」
 というのは6歳の少年の暁音。本当に危ないです。ええ。
「やれやれ……これはほんと元を断ち切らないとダメだよね?」
「うむ。安易に女子に近づかんとするならばきつくお灸を据えてやらねばのう」
 そんな、蓮と小百合子の言葉が、親分との死闘第2ラウンドの開始の合図となった。

「ここで全員ぶちのめして、お持ち帰りしてやらあああ!!!」
 欲望のままに叫びをあげた親分が、大きな戦斧を振りかぶって迫ってくる。
 それを迎え撃つのは、前に立つミラと小百合子、そして慎矢だ。
 小百合子の小薙刀と小太刀、慎矢の刀が親分の戦斧を受け止める。
「そんなか細い武器で、俺様の剛斧を受けきれるものかよ!」
 力任せに振るわれる斧を、小百合子が小太刀の【武器受け】で受け流し、あるいは慎矢と小百合子2人の【残像】が親分の戦斧を空振りさせる。
 だが、親分の【剛斧一閃】の素早い攻撃は……特にすでに上半身の毛皮を脱ぎ捨てていることもあって、早い。
(「厄介な相手だ。相手が隙を見せるまで、しばらくはは防御に専念しよう」)
 慎矢も内心、受けているだけで精いっぱいと感じ、攻撃に転じる隙は見つけられないけれども、もちろん戦っているのは2人だけじゃない。というかさっき前に出た人の名前は3人分出しました。
 つまり。
「こんなこともあろうかと思ってました。ミラの必殺技を出す時が来たようデス」
 ここで3人目のミラが動く!
 おもむろに胸のお餅の谷間からお餅を取り出し……ええいややこしい、胸の谷間から食べられる餅を取り出して、一口でぱくりと食べた。
 するとあら不思議、それによってミラがオーラに包まれ戦闘力が向上する!
 あとついでに胸のお餅もブルンブルンと躍動している!
「これがミラの本気デス! もっちあフォーム!」
 説明しよう。【もっちあフォーム】とは!
 ……まぁ、一言でいえば戦闘中にお餅を食べてパワーアップしただけなのではあるが。そもそも説明しなければいけないのは、もっちあなる謎の単語の方か?
 それは、考えるな。感じるんだ。
 これよりミラの胸のことはもっちあと称する!
 そのくらいの適当な緩さでオーケーですよ?
 ともあれ、もっちあを豪快に揺らしながら、徒手空拳のまま親分に殴りかかる。
「お、おおおお……こいつは……」
 その動きを見て視線を彷徨わせる親分。
「ふふふ、目が泳いでマスネ。ミラのスピードについて来れないようデス」
「いや、胸の揺れを追って見てた」
 豪快に揺れてますからね!

 ともあれ、前の3人は連携して、親分と接近戦を行っている。
 では他の仲間はというと、もちろん黙って見ているわけはない。
「今回はオブリビオンを許せない猟兵の歌にしましょう。前回は温泉を想いすぎて失敗しましたから」
 そういって歌の準備にかかるのはアリシアだ。
「さあ、私と最上の調べを共に奏でましょう」
 アリシアの歌う【サウンド・オブ・パワー】の旋律が響く。民を苦しめる悪を撃つ調べ。そして煩悩を祓う調べ。
(「あと温泉を楽しむ調べ……は前回の二の舞ですね」)
 その歌声は前衛を鼓舞し、さらに援護を考える者たちにも力を沸き起こしていく。

(「見るからに腕っぷし自慢よねアレ……強者とのバトルは望む所なんだけどアレに近づくの何かやだなぁ。正面以外の方向から叩きたいな……」)
(「味方も多いし、ボクは援護に徹しようかな」)
 などと考えながら、蒼と雫の2人は同時に【フォックスファイア】の狐火を呼び出し、前衛3人の攻撃に合わせて個別に動かした。親分の視界を遮りきを散らすように動かしたり、味方に当てないようにしつつも【援護射撃】にて絶え間なく火を振らせたり。
「さあ、ショウタイムだ!」
 援護攻撃するのはもう1人。蓮も真の姿を介抱しながら炎のカードを呼び出し、親分の周りにばらまいて攻撃する。

「ちっ、ウザい歌、ウザい炎、ウザい動き。いいぜ、何人で来ようと関係ねぇ!
 まとめてぶっ倒して、まとめて持ち帰るには違いねぇからなあ!!」
 蒼と雫と蓮の炎を受けつつ避けつつ、ミラと小百合子と慎矢の3人がかりの攻撃もいなす親分。
「くっ、雫たちが援護してくれてて心強いけど、それでもこれか…」
「俗物のくせになかなか隙を見せぬな……」
 小百合子は隙あらば【目潰し】や【鎧砕き】などを狙い小薙刀を振るい、慎矢も【第六感】を駆使して親分の攻撃をかわし続ける。
 だが、ぶおんぶおんと激しく風を切って迫る親分の戦斧はあまりにも脅威だった。
 そしてついに、もっちあが、いや、ミラが。
「避けきれない、デス……!」
「うらあああああ!!!」
 ミラの服を捕らえ切り裂く親分の戦斧。
 ぶるん、ともっちあの片方が、服の切れ目から飛び出した。
「ミラのもっちあが?!」
「くっくっく。中身は傷ついてねぇな。さすが俺様!」
 してやったり顔でニヤニヤもっちあを見る親分である。

「うぅ……流石にボスだけあってちょっと強そうだね。皆の支援しないと……」
 温泉を邪魔する奴だから自分で吹っ飛ばしたい気持ちもあるけど……とは内心思いつつも暁音は、前衛3人のダメージを癒しにかかる。
「温泉は皆の何だから、独り占めしようとする悪い子は、めっ!なんだからね」
「ああん? 何言ってやがる!
 なんでもみんな俺様たちが独り占め! それでこその山賊だろうが!!」
 暁音の、普段より幼くテンションの高い声に、親分はつい反応してしまった。
 だが、それで攻撃が緩んだ一瞬が、前衛を癒せるチャンス。
「私も癒しの歌に切り替えます。皆様がご無事に温泉楽しめますように」
 アリシアも、皆を鼓舞していた歌から、【シンフォニックキュア】の癒しの歌に切り替え、前衛に届けていく。
「祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を…傷ついた翼に再び力を!」
 暁音の祈りの詠唱も完成し、【神聖なる祈りの抱擁(ディヴァイン・プリエール・エンブレイス)】の優しい聖なる光が、アリシアの歌声と共に前衛たちの傷をいやしていく。

「うぅ……やっぱり正面から行かなくて正解だったわ。捕まるとセクハラされそうだしねー……」
 回復を受けつつ片手でもっちあを隠しながら(言うまでもなく癒しを受けても服は元に戻らない。あと片手で隠しきれるのあのもっちあ?)、親分の攻撃をかわしているミラを見ながら、そう安堵している蒼だった。
 もちろん蒼は蒼で、雫と共に狐火による援護攻撃を続けている。蓮も炎のカードで狙っている。
 だが、親分の攻撃は止まらない。
 いや、ますます精力的になってきた感じすらある。
 ……ミラのもっちあ見たからかな?
「くっ、こいつますます強くなってないか?」
 先程から攻撃にさらされている慎矢は、【第六感】まで働かせていても、攻撃を受けるのがやっとでなかなかつける隙が見つからない。
「がははははははは!! 俺様絶好調!! 次はもう片方も出してもらうぜぇ!!」
「親分ともあろう者がそんな助平根性で混浴を叶えようとよくも考えたものじゃな」
 ミラを気遣い、小百合子は武器を祭祀扇に持ち替え、舞うように、そして挑発するように、親分の気を引き付けはじめる。
「助平がどうした! 女が欲しけりゃ力で奪うのが俺様たちの流儀だ!
 てめえもその鎧剥いで裸にしてやるぜええええええ!!!」
 横目で見ると、ミラは破れたところを結んで補修しようとしている。そのために少し時間稼ぎと挑発の舞を披露したわけだが……。
「なっ……! 何をしておるのじゃ?!」
「がははははははは! さらにスピードを上げるんだよおおおおお!」
 なんと親分は、腰に巻いている毛皮すら自ら取り払った。取り払ってしまった。
 天に向けてそびえ立つモノについては詳細な解説は避けたいと思う。
「おらあ!! その鎧ぶっ壊してやらあああああああ!!!」
 これに虚を突かれた(当たり前だ!)小百合子は、まともに正面から親分の戦斧を喰らって吹き飛ばされてしまう。
「ああああああっ?!」
 親分の宣言とは裏腹に鎧は破壊されなかったが、逆に鎧が破壊されないことで衝撃が身体に通ってしまった。小百合子はそのまま地面に倒れ痙攣している。
「おおっと、死んじゃいねえな。よし。裸に向くのはあとにして、次はお前らだな!」

 前衛の一角が崩れたことで、戦況はまた動く。
「これで何とか……あとはもう見られるのは仕方ないデスネ。両手使って戦いマス!」
 押されているのでいい加減覚悟を決めたミラは、破れたところ補修もそこそこに、片手で隠すのをやめて攻撃を再開した。
 慎矢もそれに合わせて、親分の攻撃を受け止め。さらに親分が近づいてきたことで雫までもが薙刀を使って防戦に回る。
「ご無事ですか?!」
「怪我したまま温泉は大変だし、しっかり治さないと……」
 アリシアと暁音の癒し手たちは、小百合子に治癒を届けようと詠唱を始めた。

 激しい戦いの中、援護攻撃をしていた後衛陣も慌ただしくなってきて……あれ?
「あん、後ろで火を出してたやつらはどこ行った? ひとり数が足りねぇぞ?」
 親分も気づいたようだ。先程から狐火で援護攻撃をしていたはずの蒼の姿が見えないことに。
 雫が前に出て受けに回ったため、後衛から攻撃しているのは蓮だけになっていた。
「こっちよ!」
「こっちだよ!」
 親分の後方から、蒼と蓮の声がする。
 2人は、前衛が激しい戦いを演じている中、ばらまいた炎をブラインドに、素早く後方に回っていたのだった。
 え、蓮が2人いるって?
 その通り。蒼は一瞬で【ジャンプ】【ダッシュ】の機動力を駆使して背後に回っていたのだが、蓮はそうではない。
 ユーベルコード【泡沫の鏡像(エフェメラル・ミラーリング)】にて己の鏡像を作り、炎熱の手札をばらまかせていて、本人は死角に回り込んでチャンスをうかがっていたのだ。
「このチャンス、逃さないわよ!」
 蒼の見えざる拳が、背後から山賊親分を撃ち抜く。
「ぐはぁ?! てめぇいつの間に?!」
「まだまだ。狙うのは……男性の欲望の根本ていったら、ねえ?
 スパッと行こう。スパッとね?」
 さらに、とても恐ろしいことをサラッと言いながら、蓮の指先から【無明の絃(ブラインドコード)】、非常に細い糸が伸びて、親分を縛り付ける。どこを縛り付けたのかは言わないが!
「うごごごごご……て、てめぇ、これはシャレになってねぇぞ……?!」
 慎矢もこのチャンスは逃さない。待ちに待っていた機会。【錬成カミヤドリ】にて己の本体でもある弓を複製する。
「全力で行くよ!」
 複製した弓から放たれる矢の一斉掃射が親分の脚をハリネズミの様に串刺しにして、完全に親分の動きを止めた。
「てめええらああああああ?!」
 そしてもう1人。
「回復、すまなかったのう。後は任せよ」
 先ほど胴に一撃を喰らって吹き飛ばされた小百合子が、回復を施して呉れたアリシアと暁音に礼を言いつつ、【亡霊召喚法(シシテナオモチュウヲツクセシモノタチ)】によって召喚した女武者の亡霊と共に立ち上がる。
「戦友よ。かの女の敵を共に討とうぞ」
 小百合子が薙刀を構えると、亡霊もまた同じように構える。まるで小百合子が2人いるかのよう。2人は一瞬で再び間合いを詰め、同時に薙刀を振るう。
「これで貴様の邪な野望もお終いじゃ!」
「ば、ばかあなああ?! 俺様が、こんな、女を前にして、こんなことがああ?!」
 小百合子と亡霊の薙刀の奇跡が従事を描き、それが親分へのとどめとなった。
「女……混浴……」
 最後にそう言い残して、親分は倒れて動かなくなる。
 これにて温泉を占拠していた山賊は壊滅したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『天然・雪見・露天風呂』

POW   :    心ゆくまで温泉に浸かる

SPD   :    せっかくなので他者とスキンシップをしてみる

WIZ   :    美しい景色を眺めつつのんびり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして温泉を占拠し、女をさらって自分勝手に混浴をしようとした山賊は倒れた。
 猟兵達は山賊の脅威が去ったことを村に告げると、お礼の一環として秘湯を1日貸切で使わせてもらえることになった。

 戦いの行われていた山道から、さらに登っていくと、次第に山道が雪化粧に覆われていく。
 噂の秘湯にたどり着くと、岩に囲まれた広い露天風呂の周りは、白い雪に覆われた幻想的な光景だった。
 むろん、雪が積もっている以上気温は決して暖かくない。
 しかし、露天風呂のお湯は非常に暖かく、豊富な湯気を漂わせている。
 沸いている温泉と地熱のおかげで、雪が積もっている気温の割には寒さはほとんど感じない。

 さぁ、せっかくなのだ、思いっきり温泉で休ませてもらおう。
 広大な露天風呂は、何十人と猟兵が来ようが問題なく皆で楽しめるだろう。

 脱衣所こそ、村人たちが用意した男女別の小屋があるけれども、露天風呂自体はひとつ。
 みんなで一緒に楽しむのなら、水着の用意はお忘れなくね?
 飲み物食べ物は持ち込んでもかまわないが、後始末は忘れずにね?

 あとはのんびり至福の時間をどうぞ!
天星・暁音
ふふふ、やっと温・泉・だー!
おんせーん、おーんせーん。たーのしいーおふろー(内心テンションMAX)
やっぱり疲れた体を癒すにはこれだよね。
あ、お湯につかる前にはちゃんと流さないとね。
忘れないようにしなきゃ。
ああ、いい気持ち…しあわせ…

ボックス型の水着で入るまえにちゃんと体を流してから入ります。
内心テンションの様に体で大騒ぎとかはしませんがリラックスしつつ小さく【歌唱】で【癒しの歌】を歌い満喫してます。
意識して発動してる訳でなく無意識で、寧ろ本人歌ってる事に気づいてない感じで温泉に蕩けてます。たれなんとかーみたいな。


鍋島・小百合子
行動:POW重視、温泉を楽しむ

一働きしてからの湯浴みは格別じゃからのう
日々の疲れを癒すとするか!

「実に入りがいがある湯よのう。これ、まずはかけ湯からじゃぞ」
村人から水着を借り身体を簡単に洗った後その足で露天風呂へ
雪見の景色を堪能しながら心行くまで湯に浸かる
余裕を見て他の猟兵とも交流を深める

異世界であっても…いや異世界だからこその入り心地だのう
目の前に白く広がる光景を見ながらの入浴なぞ生まれて初めてじゃし

にしても今回共闘した猟兵の女子、わらわと同じ年の者もおるようじゃが…
(自分の胸に手を当てながら)
(胸囲が)わらわと彼女らとでこんなにも差が出るのはなんでじゃろうかえ?
と、特に深い意味はないぞ!


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

まったく、しぶとい山賊共だった
戦いが終われば興奮の熱も引き、寒さを感じるな
そっと妻と寄り添い、温泉へ向かおう

温泉では、戦いの汚れを落としてから温泉へ入る
マナーが大事だからな
マナーとしては水着をつけたままというのも何だが…
まぁ、混浴だからな…しかたあるまい
妻をそっと見ながら納得する

これはまた、良い眺めだな
温泉につかりながら、雪景色を堪能するぞ
これまでの疲れが吹き飛ぶようだ

今度は…完全な旅行で温泉、ってのも良いかもな…
妻に毛づくろいを受けながら、そっと話しかける
まったりと幸せを感じるひとときだ

温泉で温めた熱燗を持ち込み、二人で乾杯
今日もお疲れ様でした


オリオ・イェラキ
テオ(f00426)と供に

皆さま掃除お疲れさまでしたわ
村の方々にお礼一つ、夫と寄り添い温泉へ

水着、少し露出は抑えませんと
見せるのは夫にだけで十分
黒で少し網目も多いですけれども……普通ですわよね?
ふふ、テオ。次は二人きりの温泉探しましょう

本当に、良い眺め
雪と温泉はこんなに合うものなのかしら
ねぇテオ、わたくし宿に温泉が欲しいですわ
きっとお客さま方に喜ばれると思いますの
完全な旅行?それも楽しみ
あなたと見たい景色、やりたい事は沢山あるのだから

夫の背に回って、お耳の羽をそっと毛繕い
幸福な時間。そう
わたくし幸せですわ

持ち込みの熱燗を夫にひと注ぎ
乾杯して飲むとまた一際美味しく感じますわね
ええ、テオ
お疲れさま


ミラ・グリンネル
【恋華荘】で参加
待ちに待った温泉デス!
ここは裸で開放的な気分を味うデスヨ!
えっ?裸はダメなのデスか……仕方ないのですネ。ビキニ水着にしまス(小さめ)
お酒を持ち込んでゆっくり寛ぎマス。あまりの至福さに耳と尻尾が出ちゃいマス。
胸が軽くなるのも素晴らしいデスネ。大きいと重くて肩が凝るのでス。
んっ?なんか視線感じるデスヨ?ミラの耳と尻尾が珍しいのですかネ(ふりふり

それと【恋華荘】の皆と積極的に交流しマス。
雪が降る中、熱い温泉に入りながらアイスはどうですカ?
大福みたいなこのアイス、お餅みたいで美味しいですヨ?
レンもアリシアもリンゴも一緒に食べまショウ。
こんなのんびりした時間もたまには良いですよネ。


白峰・雫
慎矢(f05296)と一緒だよ

髪は解いてタオルで纏めて、水着の上に行衣を着てできるだけ肌を見せないようにするよ
「お疲れさま」
仕事をして疲れたからのんびりと過ごす予定だよ
「混浴は初めてだけど目のやり場に困るね。ちょっと恥ずかしいかな」
女性の方はできるだけ見ないようにするよ


白峰・慎矢
雫(f05281)と一緒に入ろう
俺達の世界にも温泉はあったけど、さて…この温泉はどんなものかな?
とりあえずは水着着用だったね、下に何かはいておけばいいか

「ああ、雫もお疲れ様。まあ俺以外の皆は精神的にも疲れただろうけど…」
せっかくだから俺もここで暫くのんびりさせてもらおう。
「雫、戦いのときは援護ありがとな。接近戦もこなしてたし、ずいぶん頼もしくなったね」
雫の頭を撫でて褒めてあげよう。
「おやおや、雫も女の子が気になる年齢になったのかー。けど、ここの景色も凄くきれいだよ。俺達の世界でもなかなか見れないんじゃないか?」
皆無事で、こうして温泉にも入れて、本当に良かったよ。


唐木・蒼
いよっしゃ、温泉!雪見温泉ー!!軽くどころじゃなく運動したし、じっくりたっぷりどっぷり浸かって英気を養わせて貰いましょう。
水着は持って来てないから村で買うなり借りるなりしてこないと。シーズンじゃないし、なければ所謂ビキニアーマーとか、何なら西洋の下着でも水着っぽいからいけるかな?あ、あとついでにお酒とつまみを少々…温泉で雪見とくれば、ねぇ♪
温泉ではまず体を芯まで温めて、それから雪見酒と洒落込みましょう!清酒があれば最高だけど…この世界だとないかも、まぁお酒なら何でもいいわ!他に呑む人が居ればお酌して、気の向くままに羽を伸ばしましょう。


フェリクス・フォルクエイン
「もう山賊も居ませんし、一安心ですよね?」
一時はどうなることかと思いましたけど、これで安心して心ゆくまで温泉に浸かれそうで……安心していいんですよね?
「いけない、いけない。疑心暗鬼になってる」
とらぶるなんて有るはずがないですよね、うん。無敵城塞は念のためです。
「あ、りんごさんとは同じグリモア猟兵ですし、挨拶しておきましょうか」
混浴という状況はちょっと落ち着きませんけど、水着着用ですし横の繋がりも大事ですよね? ああ、そうそう。男って事も何処かのタイミングで伝えておきましょう。山賊は騙しましたけど、こう、時々勘違いされる方居られる見たいですから。
【他者との絡みは歓迎、アドリブ等お任せ致します】


アルトリウス・セレスタイト
疲労が取れるのも悪くはないか
暇も潰れるし

誰も呼んでいなければりんごにもどうかと声を掛けておいて温泉へ

無難な水着を着て静かに入浴
隅の方でひっそりと
雪景色も悪くはないと思いつつ、見入るでもなく
背景の一部のような動きのなさ

※アドリブ歓迎
終始変わりない表情と喜怒哀楽が見えない反応
だが声などかけられれば律儀に対応
各種対応は良識と常識の範囲で


加賀・琴
水着、急いで来ましたし用意してませんね。
え、りんごさんが用意しておいてくれたんですか?
ありがとうございます。それで水着は……これですか、紺色で露出は手足ぐらいで胴体部分は覆ってくれて露出少なく目ですね、助かります。
胸のところに「こと」って書いてありますね。わざわざ私のために用意してくれたんですか?
本当にわざわざありがとうございます。では、りんごさんも一緒に温泉を楽しみましょう。
雪を見ながらの温泉は贅沢ですね。


クリスティーヌ・エスポワール
あー、温かい……
故郷はシャワールームだけだったし、何より雪景色が美しいのがいいわね……
湯気に覆われた雪山……こういうのを「風情」って言うのかしら

っと、あれはりんごじゃない?
こっち来てたのね……こんないい体験をさせて貰ったんだし、挨拶くらいはしなきゃ
「ありがとう、こんないい所を教えてくれて……ひゃうっ!?」
い、今何か触られたような……
って、りんご、何してるの!?
もう、お返しするわよ!
和気あいあい(?)と触りあいを

※体格は年相応ぐらい、水着は競泳水着風の実用本位のもの


アリシア・カナート
【恋華荘】の皆様と参加しましょう
宜しければ、りんご様もご一緒に如何ですか?

水着を着用して温泉へと浸かりましょう
やはりこのような衣類は無粋だと思うのですが
……公序良俗の為というのであれば致し方ありません

ふぅ……やはり温泉というものはいいものですね
人形の身ではありますが、生きていると実感が出来ます
何より、皆も幸せそうで……そうではない方もいるようですが、概ね幸せそうで何よりです

しかし、山賊の皆様は何故、命を懸けてまで混浴に憧れていたのでしょう?
共に湯に浸かる事で何かしら良い効果があるのでしょうか……

帰ったらご主人様に尋ねてみましょう
未知を探求するのは楽しい事です
どんな答えが頂けるか楽しみですね


結城・蓮
【恋華荘】のみんなと……一緒に入らないとダメかなぁ?
ボクはほら、荷物番でいいから……ダメ?
な、ならせめて、着替えているところは見られないように部屋の隅で【早業】で着替えるよ!

水着は肌が出ないように、尻尾が出せる特注のウェットスーツで……ラインが出るのとかはもうこの際気にしないから。

恥ずかしそうに端っこの方にちょこんと入ります。
あったかくて気持ちはいいけど……人が多すぎるよぉ……
みんな何であんなに堂々と入れるのかな……恥ずかしくないのかなぁ。
いっそのこと透明化して……ってお風呂で疲れるのは本末転倒だよね……うぅ……(ぶくぶく

一足先に上がって、早く着替えてみんなを待とう、かな。人と会いませんように


深護・刹那
ではでは。不肖、深護・刹那、お風呂に参ります♪

白いワンピの水着を着て参ります。
髪は結い上げて手ぬぐいは頭の上。
マナーを守ってのんびり入浴。
「はふー、こんなに気持ちいいとはふーんってなりますわ♪」

あら、りんごさんがいらっしゃいますわね。
こちらに手招きでお呼びしますわ。

「お疲れ様でした。楽しんでらっしゃいます?」
あら、お酒、飲まれますの?
「温泉で不香の花を見つつ、なんて。ふふ、風流ですわね」
そのセンス、大好きですわ。

ずーっと昔、遠い世界。
そこでこんな風におしゃべりしたような錯覚。
きっとその感覚は気のせいですけど。
「きっとこれも何かの縁、ですわね」
また、よろしくお願いします。



「おんせーん、おーんせーん。たーのしいーおふろー」
 猟兵達は、山賊の俗すぎる欲望を打ち砕いた。
 その報酬として、皆でやってきたのは、白い雪の中に浮かぶ桃源郷。
 待ちに待った温泉タイムの開幕である!
 というわけで真っ先に飛び出してきて、テンションMAXな歌を歌いながら温泉に飛び込もうとしているのが、ボックス型の水着を履いてやってきた天星・暁音(貫く想い・f02508)だった。

「温泉では、戦いの汚れを落としてから温泉へ入る。マナーが大事だからな」
「あ、そうだね。お湯につかる前にはちゃんと流さないとね。忘れないようにしなきゃ」
 今にも湯に飛び込みそうな暁音にやんわりとマナーを告げるのは、次にやってきたテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)だ。彼は女子用の脱衣所から出てくるであろう妻を待っている。
「マナーとしては水着をつけたままというのも何だが……まぁ、混浴だからな……」
「ふふ、そうですね。でも、見せるのはテオにだけで十分ですもの」
 妻のオリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)もほどなくして合流してきた。黒で網目も多いセクシーな水着姿だが、本人曰く、これでも少し露出を抑えた水着らしい。
「ああ……しかたあるまい」
「次は2人きりの温泉探しましょうか」
 そんな会話をしながら、夫婦は寄り添い先に進んでいった。

 続けて男子用の脱衣所から出てきたのは、2人の美少女だった。
 ……いや、もうオチは見えているだろう。フェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)に白峰・雫(白狐の巫女?・f05281)の2人だ。
「もう山賊も居ませんし、一安心ですよね?」
「お疲れさま」
 何やらフラグの様な事を言って出てきたのがフェリクスで、優しい笑顔で労いの言葉と共に出てきたのが雫だ。
 2人とも水着姿ではあるが、特に雫など、髪は解いてタオルで纏めて、水着の上に行衣を着てできるだけ肌を見せないようにしていることもあって、やはりどうしても美少女のように見えてしまうのは避けられまい。
「ああ、雫もお疲れ様。まあ俺以外の皆は精神的にも疲れただろうけど…」
 もちろん、雫に労いの言葉を返しながら、その兄の白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)も続けてやってくる。雫に寄り添おうとする姿は、先ほどのテオとオリオの夫婦のようで……いえ、男同士で兄弟のような仲だってのはわかっていますけどね?
「一時はどうなることかと思いましたけど、これで安心して心ゆくまで温泉に浸かれそうで……安心していいんですよね?」
 ところでフェリクスはさっきから何を不安がっているのだろうか。まるで自分からフラグを立てているような気もしている。その視線の先には、挨拶をしておこうと思ったグリモア猟兵の姿があった。

 さて、男子用の脱衣所からはもう1人、アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)もでひっそりと出てきている。
「疲労が取れるのも悪くはないか。暇も潰れるし」
 そんなことを呟いて、他の人とは離れたところで背景になろうとしていた彼に、女性用脱衣所から出てきた一人が声をかけた。
「ふふ、そういわずに、せっかくの機会ですもの、楽しんでいきましょうよ」
 声をかけたのは、グリモア猟兵のりんごだった。
 ここに来る前に彼は、りんごにも一緒にどうかと声をかけてきたようだ。もっとも、その後すぐ他の知り合いらしき女性に囲まれていたようなので、彼が声をかけなくても温泉には来ていたのだろうが、最初に声をかけてきたという事もあってりんごも律義に返答している。
「ああ。そちらもな」
 アルトリウスも、表情があまり変わらないながらも律義に会話を返してから、離れていった。

「りんごさん、水着はこんな感じでいいんでしょうか?」
 そんなりんごを追ってくるように出てきたのは、加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)だ。なぜか紺色のスクール水着を着ている。
「胸のところに『こと』って書いてありますね。わざわざ私のために用意してくれたんですか?」
「ええ。くすくす。とても可愛らしいですよ?」
 琴は急いで駆け付けてきたため、水着は用意していなかったようだ。麓の村人から借りるという選択肢もあったのだろうが、琴はそこで元から友人でもあるりんごに相談をしてしまった。
「本当にわざわざありがとうございます」
 結果、彼女の悪戯心のままにスクール水着を用意されてしまったわけだが、琴自身はあまり他の世界に出歩かずスク水を知らなかったこともあって、紺色で胴体部分は覆ってくれて露出は手足くらいの少な目でいいですねと好評だった。友人ゆえにりんごの悪戯癖は知っているはずなのだが、これについてはそうは思っていない様子。
「……っと、あれはりんごじゃない?」
 同じような色合いの競泳水着を着用しているクリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)がそんな2人の様子を見かけ、挨拶しなきゃと思ったのだが、同時に琴の水着と会話の断片を耳にして、騙されているのではと疑惑を持ったとかなんとか。

 水着を持ってこなかったのは、鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)も一緒だった。ただこちらは素直に村人から借りた模様。
「一働きしてからの湯浴みは格別じゃからのう。日々の疲れを癒すとするか!」
 そういってかけ湯の方に向かおうとしたとき、ふと琴たちの様子が目に入った。
 小百合子と琴とは同い年ではあるが……。
「わらわと同じくらいの年の者もおるようじゃが……わらわと彼女らとでこんなにも差が出るのはなんでじゃろうかえ?」
 自身の胸部に手を当て、少しだけ遠い目になった。
 戦闘中は鎧に覆われていたので平らに見えていた小百合子の胸は、水着になっても大差なかった……。
 なお、この直後、戦闘中に横で揺れていた最大級のボリュームが現れて、なおさら遠い目になったとかならなかったとか。

「待ちに待った温泉デス!」
 その噂の最大級のボリューム……ミラ・グリンネル(妖狐の精霊術士・f05737)がどうしていたかというと、脱衣場の中では、ぽぽぽぽーんと服を脱ぎ裸になっていた。
「ここは裸で開放的な気分を味うデスヨ!」
「たしかにこのような衣類は無粋だと思うのですが……公序良俗の為というのであれば致し方ありませんよ?」
 同じように裸になっている恋華荘の同僚のアリシア・カナート(誉れなき歌声・f08356)である。こちらもミラ同様に温泉は裸派のようだが、ミラとは違って公序良俗に配慮できる分別はあり、素直に水着に着替えている。はたしてどちらが年上なのか……。
「えっ? 裸はダメなのデスか……仕方ないのですネ。ビキニ水着にしまス」
 本当に仕方ない感じで水着に着替えるミラ。たとえそれがサイズ小さめで結果的にかなり大胆になってしまったビキニだとしても、ちゃんと水着である。公序良俗は守られているはずだ。
 なおこの大胆なビキニ、本人曰く、胸が軽くなるのも素晴らしいデスネ。大きいと重くて肩が凝るのデス。ということらしい。開放感のあまり、普段は隠している狐の耳と尻尾も出ているミラである。
 一方で、恋華荘からきているのはもう1人いたわけだが……。
「……一緒に入らないとダメかなぁ? ボクはほら、荷物番でいいから……ダメ?」
 もう1人の結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は、水着に着替える同僚2人を前に、恥ずかしそうに顔を赤くして俯いていた。
「せっかくですからご一緒しましょう?」
「そうデース。こういう時は積極的に交流するものデスヨ?」
 と2人から言われ、仕方なしに答える。
「さ、先行ってていいよ。ボクはあとから着替えていくから」
 仲間内であってもよほど肌を晒したくないらしい。
「わかりました」
「先行ってるデース」
 隅っこで着替えようとしている蓮を置いて先に出ていくミラとアリシア。
 ちょうど先程の小百合子に目撃されたのはこの辺りである。
「んっ? なんか視線感じるデスヨ? ミラの耳と尻尾が珍しいのですかネ?」
 尻尾をフリフリしてそんなことを呟くミラだが、もちろん感じた視線はそこではないのである。

「うぅ……みんな何であんなに堂々とできるのかな……恥ずかしくないのかなぁ」
 一人残された蓮は、本当に恥ずかしそうに赤面しながら、せめて着替えているところを見られないように部屋の隅で【早業】で着替えるのだった。
 ちなみに水着は、肌がまったく露出しない特注(尻尾だけ外に出せる穴がある)のウェットスーツだった。
 肌の露出は全くないが、そしてどことは言わないがとても薄いが、浮き出ている身体のラインは女性のものなので安心してほしい。
 蓮本人としては、身体のラインが出ることは我慢できるが、肌を晒すのにはどうしても抵抗がある様子だった。

「いよっしゃ、温泉! 雪見温泉ー!!
 軽くどころじゃなく運動したし、じっくりたっぷりどっぷり浸かって英気を養わせて貰いましょう!」
 気合十分でやってきたのは、唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)だ。ちなみに彼女も水着持っていない組だったのだが、いざとなったらビキニアーマーとか、いっそ下着とかでもいけるかな、なんて気楽に考えていたのだった。(ちゃんと村人から借りれましたのでご安心ください)
「あ、あとついでにお酒とつまみを少々……温泉で雪見とくれば、ねぇ♪」
「あら、お酒、飲まれますの?」
 そんな蒼に声をかけたのは、白いワンピースの水着姿の深護・刹那(花誘う蝶・f03199)だった。刹那自身も、この後りんごに声をかけて一緒に飲もうかと酒を用意している口である。
「他に呑む人が居るのね。いいわね、気の向くままに羽を伸ばしましょう」
 蒼も一緒に飲める人は歓迎のようで、他に飲み仲間を求めて湯船へと向かうのだった。


「ふふふ、やっと温・泉・だー!
 やっぱり疲れた体を癒すにはこれだよね」
 暁音は、身体を流してから、温泉に浸かってのんびりしていた。
 内心は相変わらずテンションが高いが、表面上はとてもだらけて、垂れている。湯に溶けて蕩けている。へにょーっとスライムのように。あるいはパンダのように。
「~~♪ ~~~~♪」
 そして本人無意識のうちに、リラックスしながら歌を歌っている。
 意識していないまま、その小さな歌声は、癒しの歌となって、温泉に集った仲間たちに安らぎを与えていく。
「ああ、いい気持ち……しあわせ……」
 とても幸せそうに湯船に浸かる暁音だった。

「これはまた、良い眺めだな」
「本当に、良い眺め。雪と温泉はこんなに合うものなのかしら」
 テオとオリオの夫婦は、2人で寄り添うように温泉に浸かりながら、辺りの雪景色を堪能している。その景色を見ているだけで、これまでの闘いの疲れが癒されるような気さえしてくる。
 オリオは、テオの背にまわり、耳の羽をそっと毛繕いし始める。
「ん……いいな、これまでの疲れが吹き飛ぶようだ」
「ええ、こうしているのが本当に幸せな時間……。
 ……ねぇ、テオ、わたくし宿に温泉が欲しいですわ」
 毛繕いをしながら、ふとオリオがそんなことを呟いた。
 テオとオリオの夫婦は、2人で『牛舎』という酒場付き宿屋を営んでいる。なるほどそこに温泉を引くことができたら、きっとお客さんも喜ぶだろう。
「ふむ、いいかもしれないな……」
 そんな話をしながら、夫婦はまったりと温泉を楽しんでいる。やがて、持ち込んで温泉の湯で温めていた熱燗が頃合いになり、お互いがお互いのお猪口に注いでいく。
「では、乾杯」
「ええ、乾杯。乾杯して飲むとまた一際美味しく感じますわね」
 乾杯して熱燗を楽しみながら、今度は2人きりの旅行で温泉もいいな、などと話していた。
「あなたと見たい景色、やりたい事は沢山あるのだから」
「ああ。何はともあれ、今日はお疲れ様だ」
「ええ、テオ。お疲れさま。わたくし幸せですわ」
 夫婦水入らずの至福の時間はまだまだ続く。

 同じように、雫と慎矢の2人も寄り添うようにのんびりしていた。
「雫、戦いのときは援護ありがとな。接近戦もこなしてたし、ずいぶん頼もしくなったね」
 湯船にともに浸かりながら、兄のように慎矢はそう言って雫をほめ、その頭を優しく撫でていた。
「ありがとう、慎矢。みんなの役に立てて嬉しいよ」
 撫でられてうれしそうに、柔らかな笑みを返す雫だが、どうも微妙に視線が泳いでいるというか、無理に一方向から逸らしているような感じがある。
 それに気づいた慎矢は、軽く視線だけで、雫が見ないようにしていた方向を見た。
「おやおや、なるほど。雫も女の子が気になる年齢になったのかー」
 視線の先には、女性陣が和やかに過ごしている姿が見える。
「そうじゃなくて、えと、混浴は初めてだけど目のやり場に困るね。ちょっと恥ずかしいかな……」
 少し赤面して答える雫。その反応が本当に少女のように可愛らしい。
 そんな弟の様子を見てくすくす笑いながら、慎矢は別の方向を指し示した。
 露天風呂の周りの雪景色、真っ白に染まる世界を。
「なら、こっちを見るといい。ここの景色も凄くきれいだよ。俺達の世界でもなかなか見れないんじゃないか?」
「うん、そうだね」
 女性の方はできるだけ見ないようにしたい雫は、その幻想的な光景を見て笑顔を浮かべる。
 その笑顔に安心しつつ、こうして皆無事でのんびり温泉にも入れて、本当に良かったと思う慎矢だった。

「いけない、いけない。疑心暗鬼になってる」
 どうにも妙な不安の付きまとっているらしいフェリクスである。
 とらぶるなんて有るはずがないですよね、うん。……と、フラグをどんどん建築しつつ、りんごさんとは同じグリモア猟兵ですし、挨拶しておきましょうとばかりに、話し込んでいた女性陣の方へと向かっていった。
「今回は案内ありがとうございました」
「あら、いえいえ、こちらこそお仕事お疲れさまでした。……なんだか落ち着かないようですけれども?」
 りんごへとにこやかに挨拶をするが、さすがに何かフェリクスの様子がおかしい事には気づいた様子。
「あ、いえ、混浴という状況がちょっと落ち着かなくて……」
「ああ、なるほど、いくら可愛らしい顔をしていても、男の方ですものね?」
「そうですよ。今回は山賊を騙すために女装はしましたけど、そうでなくても時々勘違いされる方がいますし……」
 りんごの水着姿からは視線を逸らしつつも、グリモア猟兵同士横のつながりは大切だからとう話しかけていく。
 ただ、やはり予感というのは馬鹿にはできないものであって。
 それではこの辺でと、挨拶して立ち去ろうとした瞬間、恐れていたとらぶるはやってくるものなのです。
「あっ」
「あら……?」
 立ち去ろうとして踵を返したところで脚を滑らせ、咄嗟に体勢を立て直そうとして伸ばした手が、りんごの豊かな胸に吸い込まれるように触れてしまったフェリクスであった。
「え、えーと……」
 柔らかな感触に恐る恐るりんごの顔を見るフェリクス。
「くすっ。事故ですもの大丈夫。反応が可愛らしいのでノー問題ですわ。
 でも、気を付けてくださいね?」
 くすくす笑って許すりんごに、ぺこぺこと平謝りしてフェリクスは湯船に向かうのだった。

 そしてそんな様子を見ていたのが、先ほどりんごと挨拶を交わしていたアルトリウスだ。表情はあまり変わっていないが、どうやらこれは呆れている様子。
「やれやれ……何をしているのだか」
 彼は、隅の方でひっそりと、背景の一部のようになって、のんびり入浴していた。
「どうせ見るなら、人よりもこちらかな。
 雪景色も悪くはない……」
 そう思いながら、雪景色を見入るでもなく、あとは再び背景に溶け込むようにひとり静寂を味わっていたのだった。

「りんごさん、大丈夫でした?」
 そんなとらぶるの後、再びスク水姿の琴がりんごに声をかける。
「くす。問題ありませんよ。それより、わたくしたちも湯船に行きましょうか」
「ええ。りんごさんも一緒に温泉を楽しみましょう。
 雪を見ながらの温泉は贅沢ですね」
 友人同士仲良く、雪景色を見ながら湯船へと向かう。
 するとそこには、同じように雪に感動していたクリスがすでにいた。
「あー、温かい……。
 故郷はシャワールームだけだったし、何より雪景色が美しいのがいいわね……」
 宇宙出身のクリスは、雪だけでも十分に珍しく、そして湯船にのんびり浸かるという体験もまた珍しく、ゆえにこの状況を堪能していた。
「あら、りんごもこっちに来たのね?
 ありがとう、こんないい所を教えてくれて……」
「いえいえ。楽しんでいただければ幸いですわ」
 そう笑顔で返したりんごは、琴を伴いクリスのそばへと腰掛けようとした。
「ひゃうっ!?」
 そんなとき、偶然クリスの体にりんごの手が触れたのだろう、急にクリスが悲鳴のような声をあげる。
「い、今何か触られたような……」
「あら、触れてしまいました? すみません」
「りんごさん、こんなところで悪戯ですか……?」
 友人の悪癖を知っている琴は、いけませんよと優しくとがめるようなことを言うが、今回に関しては本当に偶然で。
「もぉ、琴さんまで。本当に悪戯するなら、これくらいはしますよ?」
「……って、りんご、何してるの!?」
 会話しながら、今度は本当に悪戯でクリスの体に触れるのだった。
「もう、お返しするわよ!?」
 先ほどまでクリスは、湯気に覆われた雪山をみてのんびり風情を感じていたはずなのだが、もうそんな落ち着きはなくなったようで、すっかり和気あいあいとした雰囲気になっていた。

「そなたたち、何をしておるのじゃ?」
 雪見の景色を堪能しながらのんびりと湯に浸かっていた小百合子だが、さすがに隣が騒がしくては、生まれて初めての白く広がる雪化粧を見ながらの入浴を堪能するどころではなかったようだ。
「騒がしくしてしまってごめんなさい」
「そんな謝るような事ではないがの」
 良心ともいうべき琴がそう謝罪するが、小百合子もそれほど気にした様子はない。機会があれば他の猟兵とも交流を持ちたいと思っていたので、いいきっかけだったのかもしれない。そのまま一緒に会話の波が広がっていく。
 あと、琴やりんごはともかく、クリスには多少の親近感も沸いたのかもしれない。

「リンゴ、こっちにいたデスか?
 アリシアもレンもこっち来るデス」
「はい、今行きます。それにしても温泉というものはいいものですね。人形の身ではありますが、生きていると実感が出来ます。何より、皆も幸せそうで……」
 女性陣の和気あいあいに、さらに人が増えていく。ミラやアリシアといった恋華荘のメンバーだ。そもそもりんごも恋華荘で一緒に暮らす寮仲間なので、ミラたちとはもちろん顔見知り。
「あ、もしかしてりんごさんと同じ寮の?」
「ええ。ミラさんもアリシアさんも蓮さんもお疲れ様です……って蓮さん?」
(「あったかくて気持ちはいいけど……人が多すぎるよぉ……」)
 ミラとアリシアの2人は素直に近付いてきたが、もう1人の蓮は、人が多すぎることにしり込みしているのか、恥ずかしがって近付こうとせず、端っこの方にちょこんと入っている。
(「いっそのこと透明化して……ってお風呂で疲れるのは本末転倒だよね……うぅ……」)
 本末転倒以前に、こんなところでユーベルコードを使ってイリュージョンするのはやめた方がいいと思いますよ蓮さん……。
「レンは恥ずかしがり屋デスネ?」
「このように幸せそうではない方もいるようですが、……まぁ、概ね皆さんが幸せそうで何よりです」
 そんな蓮の反応には慣れているのだろうか、ミラもアリシアもそう流すのだった。
(「あの格好、ずいぶん恥ずかしがり屋なのじゃな……」)
 小百合子は、特に深い意味はないが、自身の胸を撫でるようにして、蓮に少し親近感を持ったのだった。でも多分蓮が肌を出さない理由はそれではないと思われます。
「ところで、雪が積もってる中、熱い温泉に入りながらアイスはどうですカ?」
 そんな空気を吹き飛ばすかのような明るい声で、ミラがアイスを取り出してきた。アイスといっても、大福のような皮に包まれているため、ここまで持ち込んでもまだ溶けてはいない。とはいえ溶ける前に早く食した方がいいだろう。
「お餅みたいで美味しいですヨ?」
 というわけで、餅に関してどこまでも拘りを貫くミラである。
「みんな一緒に食べまショウ」

「お疲れ様でした。楽しんでらっしゃいます?」
 どんどん賑やかになりつつある(おかげでどんどん蓮が恥ずかしさを増していく)中、さらに2人ほどこの集団に近付いてくるものがいた。もちろん今更言うまでもなく、刹那と蒼の2人だ。
「はふー、こんなに気持ちいいとはふーんってなりますわ♪」
「まず体を芯まで温めて、それから雪見酒と洒落込みましょう!」
 すでに温泉を堪能しているらしい2人だが、さらに楽しもうとりんごを手招きするのだった。
「りんごさん、いけますわよね?」
「ええ、もちろんです」
「それじゃお酌するわね!」
 というわけで、りんごを加えた3人で雪見酒を楽しむことになったのだった。
「温泉で不香の花を見つつ、なんて。ふふ、風流ですわね」
「素直に雪といえばいいのに、わざわざそんな雅な言い回しをするんですね?」
「雪見酒なら、清酒があれば最高だけど……まぁお酒なら何でもいいわ!」
 雪を楽しみ、酒を楽しみ、楽しいひと時は続いていく。
 まるで、ずーっと昔の、遠い世界でも、こんな風におしゃべりしたような錯覚。
「きっとこれも何かの縁、ですわね」
 そういって、刹那は笑うのだった。

「しかし、山賊の皆様は何故、命を懸けてまで混浴に憧れていたのでしょう?
 共に湯に浸かる事で何かしら良い効果があるのでしょうか……」
 和やかな時間が過ぎるなか、ふと沸いたアリシアの疑問。
 こうして今、混浴している猟兵達だが、一つはっきりといえるとしたら、ともに湯に浸かることによって、同じ楽しみを共有でき、同じ思い出を得ることができるというのは、きっと素晴らしい効果だろう。
 ただ、山賊たちが求めていたのは、こういう穏やかな時間では絶対にないだろうが……。
「帰ったらご主人様に尋ねてみましょう。未知を探求するのは楽しい事です。
 どんな答えが頂けるか楽しみですね」
 アリシアのご主人様の苦労がちょっとだけ偲ばれるのだった……。

 何はともあれ、猟兵達は思い思いの時間を過ごし、穏やかに時間は流れていくのだった。
 温泉を楽しみ、共に過ごす時間を楽しみ、思い出を作っていく。
 今日この日の雪の風景と温泉の温かさは、きっと記憶に残っていくのだろう。

(「一足先に上がって、早く着替えてみんなを待とう、かな。人と会いませんように……」)
 いつの間にかこうして先に上がっていた蓮も、温泉の温かさくらいは思い出として持って行ってくれただろうか?
 皆さん本当にお疲れさまでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト