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⏰邪神降臨の儀をぶっ壊すイェーガーオフ

#UDCアース

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#UDCアース


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●その企み
 痩せぎすなその男は、真っ暗な部屋の中でパソコンに向かい引き攣った笑いを上げていた。パソコンの画面だけが光源となり、おぼろげに伺う事のできる室内は何やら冒涜的な紋章や背徳的な書物で満たされているように見える。
「ひっひっひ……例年の参加者が、300名以上――それだけいれば、十分だよなぁ」
 男がパソコンで閲覧しているのは、あるウェブゲームのオフ会案内だ。都内のイベントホールを1フロアまるまる貸し切って行われるという告知で、例年通りであれば当日の参加者は延べ400名以上。ホール内に留まってオフ会に参加し続ける人数だけで数えても300名は下らないそうだ。
「有志のスタッフも――ハハッ、これなら今からでも参加できそうだなぁ」
 オフ会案内ページからウェブゲームのトップ画面に飛び、男はカチカチとクリック音を響かせながら、そのゲームのアカウントを取得する。キャラクターが出来上がれば、再度案内ページに戻ってメールを1本送れば、もう彼の目論見の大半は完了している。
「ハハハ……真面目なスタッフだなぁ。もう返事が来た……当日スタッフとしての参加を歓迎します、と来たか」
 喉を鳴らすような抑えた笑い声は次第に大きくなり、最後は呵々大笑の様となった。
「馬鹿だなぁ! く、くくくくく! 来場者ぜぇんぶ、邪神様の糧にしてやる!」
 狂気の滲む笑い声は暫く続き、最後は男の咳き込む声で終わった。

●オフ会会場へ突入せよ!
「というのが、ニコラが見た予知の全貌よ」
 グリモアを操作し、予知に引っ掛かった会場の位置や首謀者らしき邪神教団員の風体といった情報を開示するニコラ。どうやら、今回はUDCアースで事件が起きるようだ。
「オフ会スタッフとして潜り込んだ邪神教団員の目的は、その場に集まるオフ会参加者を生贄に捧げての邪神復活よ。きちんと召喚儀式を妨害出来れば、猟兵の力で打倒できる範囲の邪神に収まるはずだから頑張ってちょうだい」
 資料として提示されるのは、召喚されうる邪神の姿だ。過去最大の記録では都市ひとつを一瞬で喰らい尽くしたといわれる邪神「牙で喰らうもの」であり、犠牲者の数が多ければ多いほど、その力を増した状態で召喚されるという。

「そのため、今回真っ先に行うべきは、現地住民の避難よ。一番有効なのはそもそも生贄を捧げさせないことだもの。可能な限りオフ会の参加者を会場から逃がしてあげて」
 当日、儀式が始まるタイミングで介入すれば参加者である現地住民の数はおよそ300名。的確な指示や段取りさえできれば、猟兵が時間稼ぎをすることで全員を逃がすこともできるという。それ以外にも、現地に複数潜伏している教団員の制圧や、儀式用の魔法陣を探し出して破壊することで生贄の邪魔をするなど、避難誘導の時間を稼ぐ方法はいくつか考えられる。

「現地住民を逃がし終えたら、教団員たちは自分を生贄に捧げて邪神を召喚しようとするはずよ。そして、その儀式を完遂するために護衛ゴーレムの召喚をするわ」
 呼び出されるゴーレムの数は十数体。1体1体は猟兵と同程度以下の能力しか持たないが、その数と防御力には注意が必要だという。
 この段階に到達した時点で、召喚される邪神の強さも決まるという。また、召喚儀式自体がある程度の強度を持つ結界を展開する。ここで無理に儀式を邪魔してしまうと召喚儀式自体が中断されてしまい、逃げ出した教団員が別の場所で召喚を試みる可能性があるため、ここで邪神を呼び出させて撃破するのが最善だ。

「ゴーレムを掃討したら、最後は教団員が呼びだす邪神……オブリビオンの討伐よ。きちんと避難誘導が上手くいっていれば、オブリビオンの力量はこの場で討伐可能な範囲に収まるわ。油断せず、倒し切ってちょうだい」
 召喚される邪神の数は1体。とはいえ、最低限の生贄で召喚されたとしてもその1体で猟兵複数人を相手取るのに十分な力量を持つという。油断は大敵で、もしも教団員以外の生贄があった場合、猟兵側も苦戦を強いられる可能性が高まる。

「人が集まる場所で、テロ行為のように邪神召喚の儀式を行う――とてもじゃないけれど、許せない行為よ。皆の力で、そんな悪だくみはぶっ壊してあげなさい!」
 最後に猟兵たちを鼓舞するように強い言葉を使い、ニコラは転移ゲートの形成に移るのだった。


Reyo
 おはようございます。こちら、リアルタイム執筆用のシナリオとなっておりまして、可能であれば本日13日のオフ会中に依頼完遂まで持っていきたいものでございます。本シナリオはほぼ戦闘依頼となるため、皆様方の活躍をスタイリッシュに描写することを目標としています。どうぞ奮ってご参加ください。

 依頼の各段階での注意点をお知らせします。

●第1章
 初期段階では、首謀者を除き誰が潜伏した教団員なのか判りません。その部分を上手く解決できるプレイングがあった場合、判定にボーナスが生じます。

●第2章
 事件の首謀者を中心に複数名の教団員が生贄の儀式を開始します。儀式中断の妨害工作は無意味です。

●第3章
 これまでのシナリオ展開により、ボスの強さに若干の補正が掛る予定です。

 それでは皆さま、どうぞよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『オフ会の惨劇』

POW   :    凶行に走る教団員を制圧する

SPD   :    参加者の避難誘導を行う

WIZ   :    儀式の秘密を暴き妨害する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

星宮・亜希
「おふかい…私には縁がないような気が…って世界も違うから当然ですが(電波受信)」
では目的地につき次第すぐに疾風怒濤の転移魔法を発動する準備をしつつ(時間稼ぎがあればよかったんですが…)ある方法に出る事にします。それは恥ずかしさ耐性を利用しこらえ、虚空を指さし…
「あ~~~~!!!!!あそこに猟兵さんが沢山いる~~~~~!おかしらやばいです~~~!!」
みんな振り向くでしょうが…はい、動揺したそこのあなた、ちょっと寝てもらいますからね?(当身)
その後は挑発し、乗ってきた奴がいたら結界魔法でお客さんを守りながらホーリーランスで槍投げしたりアッカで串刺し、吹き飛ばしして気絶させてやるのです(今は不殺で)



●電波を受信する猟兵
 転移ゲートを抜けながら、星宮・亜希(双星の守護天使・f00558)は明らかに異なる世界線からの電波を受信していた。それはもしかしたら、彼女がグリモア猟兵であることが関連しているのかもしれない。電波の内容は、おふかいなるものに縁がないような気がすることである。
 結局、世界が異なるのだから当然だと自分を納得させつつ亜希は迅速に行動を開始した。
「風よ、私を導いて……行くよ!」
 ユーベルコード「疾風怒濤」が詠唱とともに発動。グリモアまで活用した強化術式を発動すると同時、彼女は今まさに開会式が宣言されたオフ会会場へと突入する――入場費用は1000円であった。
 そして、入場して早々に会場中央へ陣取り、亜希はある行動に出る。
「あ~~~~!!!!!あそこに猟兵さんが沢山いる~~~~~!おかしらやばいです~~~!!」
 わかる人にはわかるというヤツである。実際、UDCの隠蔽に関わる者がここに居ればそういう者も振り向いたのだろうが――ここは某ゲームのオフ会会場である。反応する者が居るとすれば、それは、そう……。
「はい、そこのあなた、ちょっと寝てもらいますからね?」
 あからさまに肩を震わせ亜希の方を振り向いたひとりの男を、即座の当身で気絶させる。確認こそ後になるが――答えを言うのならばその男は邪神教団員のひとりであった。
 亜希の突然の大声に反応したスタッフ、特に若干額の秀でた男を筆頭に事態を確認するため詰め寄る者も数名。
「ええ、急に大声を出してごめんなさい。まさかこの程度で乗ってくる人がいるとは思っていなくて……」
 何を、と反応した一人のスタッフに対して素早い槍投げが入る。どうやって槍を持ち込んだのか、コスプレや長物の持ち込みは禁止なのでは? と思う諸兄もいるだろう。とはいえ、そもそも猟兵であればそれくらいならば違和感も持たれないのだからこれくらいならば「いつも通り」としか言いようがない。
 壁に吹っ飛ばされてぐったりとした男も、やはり邪教教団員である。
「ひとまず、この場所は危険です。来場者を一か所に集めてもらってもいいですか?」
 槍投げ直後、亜希はにっこりと笑顔を浮かべながら額の秀でた男……おそらくこのオフ会の主賓であろう者にそう語り掛ける。来場者の誘導依頼は、結界術式での防護のためである。一か所にまとまっていれば、後々の避難にも状況は有利に働くことだろう。
 言いようのない笑顔の威圧感に、額の秀でた男はこくりとうなずき返すしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蘇芳・薊
使用技能POW、コミュ力1、時間稼ぎ2、第六感2、見切り2、範囲攻撃1

まず周囲を見渡し明らかに違う方向へ人を誘導しようとしている方や直接的に一般の方へ危害を加えようとしている方を探して制圧します。
もし他の方が制圧し始めているなら出来る限りの大声で「儀式の邪魔をする奴らが来た、1人ずつだとやられる!前に集まれ!」等と言って教団員を誘き寄せます。
そうして集まった人の中から持ち物を見たり第六感等使い教団員を見分け一網打尽にしつつ、猟兵が一般参加者の避難が出来る様にサポートもします



●どちらかというとグダグダな邪神教団員
 先に突入した猟兵が、来場者をまとめるよう主催者に依頼していたのは蘇芳・薊(悪食・f01370)にとって吉報であった。少なくとも、時間との勝負があり得るこの状況に於いて、想定していた行程をひとつスキップできることは多大な利を産むからだ。
 あわてず騒がず、入場料が必要であることを今更ながら悟ったグリモア猟兵から支給された1000円札を入場口に投げつけつつ、薊もまた転移ゲートからオフ会会場へと走りこむ。
「儀式の邪魔をする奴らが来た、1人ずつだとやられる! 前に集まれ!」
 来場者を出入り口付近に集め始めている主催者たちの声を遮るように薊はあらんかぎりの声で怒鳴る――結局、このようなタイミングでモノを言うのは声の大きさと思い切りの良さだ。
 事態の確認をするよりも、その勢いに流されて会場の前部へと慌てて走る姿がひとつ。その背後に吸い付くように薊が追いつく。振りかぶられた彼女の拳は、既に異形へと変じていた。
 結果として、彼女の釣りだしに引っかかった哀れな邪神教団員がまた1名、UDCで増強された薊の拳によって殴り飛ばされ気絶する羽目になった。先の猟兵が当身で、あるいは槍で気絶させた者と含めて3名。一体何人の教団員がこの会場に潜り込んでいるのかは未だ不明といえ、猟兵たちは着実に邪神教団の戦力を削いでいる。邪神教団側の首謀者がまだ見当たらないのが不気味といえば不気味といったところか。
「お騒がせしてすいません――逃げる方は出入り口付近へ! 主催者の指示に従ってください」
 映画のアクションシーンもかくや、という男の吹っ飛び方を見て薊に見とれていた数名の来場者を改めて避難誘導。ぶんぶんと首を縦に振り、身長が150センチもない可憐な少女の姿に後ろ髪をひかれるような様子を見せながら、彼らもまた会場入り口へと動き始める。
「さて、あとはどうやって探しましょうか……」
 コキ、と拳を鳴らし、薊は改めて会場を見まわすのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

草野・千秋
オフ会、ですか
楽しいイベント、人々の集まりですね
確かに邪神の格好の標的ではある……
狙わせはしませんけどね?
この僕達猟兵がいる限り

念の為オリジナルユーベルコードで自身の防御力を上げる

猟兵かそうでないか……
わかりやすく目印してあると
伝わりやすくはあるのですがね?
むっ、あれに見るは教団員!
(笛でピピ!)
そこのあなた!一般人に手出ししてもらっては困りますね?
(パワーでびたーん)
今はまだ手加減攻撃(的なもの)に留めますよ



●ヒーロー推参
「楽しいイベント、人々の集まり――邪神の格好の標的でしょうが……僕たち猟兵がいる限り、狙わせはしません! ――断罪の剣よ、僕に力を!」
 ……説明しよう、草野・千秋(f01504)はユーベルコード「gladius damanatorius」によって炎、水、風の魔力を纏うことによって断罪戦士ダムナーティオーへと変身することができるのだ! 今日のフォームは防御力重視、それは邪神を奉る教団員たちに狙われている一般人を護るという意志の顕れである。
 オフ会会場で高らかに名乗りを上げて変身した千秋の姿を見て、おそらく特撮ファンであろう数名の参加者がパチパチと拍手でもって彼を受け入れる。まさかオフ会会場でリアルヒーローに出会えるとは思っていなかったのだろう――中には腰にいわゆるニチアサ作品の変身アイテムを巻いている者もいた。
「あ、ありがとうございます……むっ!?」
 周囲の一般人たちへ頭を下げつつ、それでも千秋はその凶行を見過ごさなかった。持ち込みの凶器……カッターナイフを懐から取り出し、千秋を囲む参加者の背中めがけて突っ込もうとしたのである。
「そこのあなた! 一般人に手出ししてもらっては――!」
 するりと一般人の包囲を抜け、素早い動作で千秋が対応する。ナイフを持って突っ込むその腕を取り、そこから先は力任せの荒業だ。突進の勢いも含め、柔道の投げ技のような動きで教団員をぶぅんと振り回し、床に叩きつける。やられた教団員はたまったものではないだろう。
「困りますね?」
 きゅっと、床へ投げた教団員の手を後ろ手に縛り上げ、千秋はふぅ、と汗を拭う動作をする。
「もう、教団員もなりふり構ってられなくなってきたのかな?」
 ひとまず逃げてください、と千秋は今のアクションシーンにまた拍手する観衆を出入り口のほうへと誘導するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

清水谷・柳牙
凶行に走る教団員を制圧する。奴らに情けは無用だし、今は緊急事態だ。ちょっとしたことでひっかかるんじゃないか?

「俺が閃光手榴弾で撹乱する!教団員は目をつぶり音がなったら裏口へ退避!」

緊急事態になれてる新人はともかく、手慣れた教団員なら、その声に反応できるだろう。俺はすぐに閃光手榴弾を投げ、裏口に向かう教団員をスナイパーライフルで狙撃する。

恐らく普通の避難経路以外の何かもあるんだろうし、そいつらの向かう方向が何かしらのヒントになるんじゃないか?

よく教団員の動きは追っていかないとな。スナイパーライフルじゃ数に対応できないってなら、拳銃でも狙い撃つ。

現地住民もいるなら、なるべく閃光弾効果うちに始末を。



●屋内狙撃戦
 ヒーロー猟兵の登場、そして都合4名の教団員の昏倒。教団員側にも焦りが生まれつつあった。既に、だますような形で吊りだされている者が3名も出ているのだ。儀式に必要な最低限の人数は確保できるのか? そもそも、儀式までこぎつけることができるのか?
「俺が閃光手榴弾で撹乱する!」
 ――その声に反応できたのは、戦い慣れしている猟兵と、教団員の中でもそれなりに場数を踏んでいる者だけだった。
 グリモア猟兵から提供された1000円札を入場受付の金庫に投げ込み、そのまま速攻をかけたのは清水谷・柳牙(軍人脳・f00466)である。
 これまでの猟兵がユーベルコードや徒手格闘で対応していたところに、戦場生まれ傭兵育ちの猟兵の一撃は「意表を突く」という一点でこれ以上もなく有効であった。
 会場中央からやや前に投擲された閃光手榴弾は眩い輝きを放って会場の前半分を白く染め上げる。会場後ろへ誘導され、他の猟兵によってカバーもされている一般人はともかく、中途半端に会場内に残っていたスタッフに扮する教団員がほぼ一網打尽となる。
 閃光で目を潰されたところに、柳牙の狙撃による追撃が着弾――厳密にはそこまでがワンセットのユーベルコードだ。閃光を回避できなかった時点で、狙撃で鎮圧されることは確定している。またたくまに、これまで倒れていた教団員に3名が加わる。これで都合7名。
 ……それを逃れた痩せぎすな教団員が悪態をつきながら会場の四隅に置かれた掲示版の裏へと駆け出していた。
「――そこか?」
 軽い発砲音、そして跳弾の鋭い音が続く。痩せぎすの男を見とがめた柳牙の連撃であったが、僅かにその男のほうが動きが早く、弾丸は外れてしまう。
 だが、柳牙の目には確かに映っていた。今、掲示板の裏に駆け込んだ男の姿は、ブリーフィングでグリモア猟兵が話していた首謀者の特徴と一致していたことが。
「……邪神教団の幹部と思わしき男を発見した」
 その報告は、すぐさま猟兵たちの間で共有された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マーガレット・リーヴ
【SPD】
こ、これがオフ会……!?
華やか、ですね……

さて、その場にそぐわないスタッフの方は……

……あれ、使えるでしょうか。
すいません、呼び出し様。
スタッフの方を集めてもらえませんか?
え、旅団のみ?
大丈夫です。
社長様が良いと仰いました。

……集まりましたら、賢者の影全開で参ります。

「あなた方は、一般の方ですか?」

これでなんとかなると良いのですが……


見つかりましたら、その、すいません。
本当のスタッフ様を守りつつ対処したいと思います。
えぇ、えぇ、頑張り、ます。



●イージークエスチョン
 華やかに思えたオフ会の情景はどこへやら……戦場と化したオフ会会場は、華やかさの断片を会場の各所に置かれたイメージボードに残すのみであった。
「あの、すいません――」
 避難誘導を進める主催者陣のひとり……やや額の秀でた男に話しかけたのは、猟兵であるマーガレット・リーヴ(ペインター オブ グラスグリーン・f09726)である。
「ひとつ、お頼みしたいことがありまして――」
 彼女が切り出したのは、手の空いている……というよりは、ローテーションを組んでのスタッフメンバー呼び出しである。呼び出し受付のところにマイクがあるから、その近くにいるスタッフに使い方を聞いてくれ、と額の秀でた男もその提案を受け入れる。
 ありがとうございます、と一礼して、そのままマーガレットは呼び出し受付へ歩みを進める。機材の安全確保やスタッフの名簿管理など、慌ただしい様子を見せるそこへ、彼女は呼び出しの依頼をかける。呼び出し受付の方は反射的に「旅団のみの受付です!」と返すものの、そもそもそんな状況ではないとマイクで会場内へ呼びかけを開始した。程なく、というか飛ぶようにして現れたスタッフ陣へ、マーガレットはユーベルコード「賢者の影」を発動する。
「――あなた方は、一般の方ですか?」
 何をいまさら。そうだけれど。一般っていうかスタッフだけど。反応は様々。が、集まったスタッフの中でハイ、と短く答えた女が突然胸を押さえて倒れこむ……嘘をついたことでダメージを受けたのだ。
「ええ、その……すいません、この方はこちらで預かりますので。お忙しい所すいませんでした」
 まだ他にスタッフの方は、と尋ね、マーガレットはこの作戦で残る教団員を炙り出すことに集中するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サリー・オーガスティン
これで、脅し過ぎなきゃいいんだけど、大丈夫かな?

それなら、人馬一体でオフ会に付き物の、椅子や机を合体させて
身体を大きくさせて、壁になると同時に、障害物を減らそう!

無事避難がおわったら、心置き無く教団員を倒しに行ける!



●最後の仕上げ――戦場形成
 ほとんど犠牲者も出ず、猟兵たちは順調に生贄儀式の妨害を完遂しつつあった。速度をもって突入した猟兵、あるいはユーベルコードで有利な状況を作り出した猟兵、そして周囲の行動を見てサポートへ回る猟兵。
 彼――サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)がどれに当たるのかといえば、3つめ……サポートに回る猟兵というのが適切だろう。
「これで、脅しすぎにならなきゃいいんだけど……!」
 転移ゲートを潜り抜け、会場入り口でわたわたしているスタッフに1000円札を押し付けながらユーベルコード「人馬一体」を起動。
「さぁ、行こうか――Start YOUR Engine!!」
 詠唱が完了すれば、サリーが一歩を進めるたび、会場内に設置された机や椅子が彼の四肢へ纏わりついていく。
 そして完成するのは身の丈3メートルを超える巨人。さすがに天井に閊えるサイズとなり、サリーはその巨人から離脱。巨人の抜け殻は会場出入口あたりをカバーするような位置へ置き、避難の邪魔にならない遮蔽物として活用する想定だ。それと同時に――多数の椅子・机を巻き込んだことによって会場内には広い空間が生まれることとなる。これにより、この後に待ち受ける邪神教団との戦闘で猟兵が動きを制限されることはないだろう。
「避難はあとどれくらいで?」
 ――一般来場者はもう大丈夫です、あとは私たちスタッフだけです!
 サリーの問いかけに答えるのは、この場の代表と思しきやや額の秀でた男である。彼の言葉通り、既にその場に残っているのは腕章の類を付けたスタッフが10名程度。
「オーケー、ならあとは心置きなく行ける! ……そっちの猟兵の質問チェックを受けるのは忘れないで!」
 教団員の炙り出しを続ける猟兵の方を示しつつ、サリーは戦闘に向けてユーベルコードを利用した遮蔽物作りと戦場作成に勤しむのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マーガレット・リーヴ
【WIZ】……えっと、どの精霊の力を借りれば……?

か。
風ぱんち。
(風の精霊的な)

儀式は、進んでいるの、ですよね……?
中止させられないまでも……効果を弱めたりは出来ないのでしょうか……
スプリンクラーから水が出るとか……よ、ようきゃ?のオーラで負のちからを相殺するとか……皆様でテーマソングを歌って呪文を邪魔するとか……

え。なんでしょう教団員様……
お顔が怖いですが……
邪魔、ですか……?
はぁ、それが狙い、ですので……すい、ません……
(儀式自体は完遂してもらわないとダメなので、ほどほどです)



●程々の妨害……そして、ゴーレム召喚
 スタッフたちへのユーベルコードを用いた教団員探しも終わっている。受けに来なかったスタッフも数名いたが……会場の隅にある掲示板を盾になにやら怪しい祝詞を唱えているところにいることだろう。
「エレメンタル・ファンタジア……と、はいえ……えっと、どちらの精霊を呼びましょうか」
 状況変化を感じ取ってひとまず攻撃に使えそうなユーベルコードを起動するマーガレットだが、どうにも何を使ったものかが決まりきらない。呼び出された精霊もどこかそわそわした様子で彼女の指示を待っており。
「か――」
 雷か? と黄色い精霊が騒めく。いや、別の奴かもしれない、と周囲の精霊がその黄色いやつを抑えに回る。
「――風パンチ」
 選ばれたのは風の精霊でした――とでもナレーションが入りそうな様子で、緑の精霊が喜び勇んで会場内を吹き荒ぶ。轟、という突風が拳のような形をとって、教団員が籠城する掲示板を殴りつける。
 ぎゃあ、と掲示板の下敷きになったであろう教団員の呻きがあがるが、風に吹き消されてマーガレットの耳に届くことはなかった。
「あのぅ、すいません……儀式の効果を弱めるには、どうしたらいいでしょうか?」
 なお、マーガレットの脳内では水没案、陽キャオーラで相殺案、マーチングソングで妨害案といったものが浮かんでいる。とはいえ、当の本人たちに聞いた方がいいだろうとの決断である。
 ――誰が答えるものかよ!
「あの、あまり怖いお顔をされないでくださると……」
 教団員の反応もうなずけるものである。マイペースな彼女に乱されながらも、教団員の誰かが召喚を成功させたのだろう。
 ……その数、10体。残っていた椅子や机といったものを取り込んで、ロッジゴーレムが猟兵たちの前に立ち塞がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

草野・千秋
いよいよ姿を現しましたね!
オブリビオン!
さっき上げた防御力で
仲間を盾受けで庇いつつ
僕も攻撃しますよ
だって僕はヒーローなのですから
2回攻撃を駆使しつつ確実に当てていく
トドメが刺せそうなら
捨て身の一撃
みんなの楽しい時間は邪魔させない!
僕は楽しい記憶だけお土産にして欲しいんだ
覚悟っ!



●守るだけが、ヒーローじゃない!
 ロッジゴーレムが現れると共に、千秋も戦闘の意志を明らかにした。
 既に一般市民の避難は終わっている。守る者としてのヒーローの時間は終わり……ここからは悪を倒す者としてのヒーローの時間だ。
「いよいよ姿を現しましたね、オブリビオン!」
 10体も現れたロッジゴーレムに怯むことなく、千秋は猟兵たちの中でも真っ先にその集団へと突撃した。攻撃は最大の防御であり……防御力を重視したフォームであるいまの千秋にとって、ロッジゴーレムの攻撃はそこまで脅威足りえない。ならば、最前線を受け持って戦うことこそ。ヒーローの役割だ。
「お前たちに、みんなの楽しい時間はこれ以上邪魔させません!」
 一撃――ロッジゴーレムのパンチを、同じく拳で迎撃する。
 二撃――ロッジゴーレムの放つ砂粒の嵐は、その頑丈な体躯がものともせずに防いでくれる。
 そして、千秋の防御力を突破することのできない一撃を放つということは……即ち、千秋に訪れた攻撃のチャンスということである。
 三撃――また別のロッジゴーレムのパンチに、今度は合わせるのではなく掻い潜るようにして拳を突き出す。
 ――クロスカウンター。
 ロッジゴーレムの拳をスリッピングアウェーでギリギリのラインで回避しつつ、捨て身のカウンターがそのゴーレムの胴体へと突き刺さる。
「お土産には、楽しい思い出だけを……だから、覚悟!」
 千秋の言葉と共に、その腕に内臓された武器が唸りを挙げた。
 防御力の高さ……即ち鋼以上の強度を誇る拳で以てゴーレムの体を貫き、その内部から爆発させるという一撃により、ゴーレムが1体、弾け飛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蘇芳・薊
使用技能:POW、捨て身の一撃1、武器受け2、第六感2、見切り2、戦闘知識4、カウンター1、2回攻撃1、属性攻撃1、破壊工作1、鎧砕き1、怪力2

敵の攻撃で地形を破壊した後、散らばった破片で自身を強化する可能性があります
それを防ぐ為に刻印で変化した後に怪力で敵の拳を真正面から受けるなり反らすなりして勢いを殺し、物を壊されない様にしましょう!
この時第六感や戦闘知識を総動員して出来るだけこちらの被害が少なくなる様にして、少しでも敵を長く攻撃出来る様に努力します!

肩等を狙い攻撃をして、敵の攻撃手段を減らすのも手かもしれません

他の方が更に良い案があればそちらに乗る形でアドリブや協力も是非したいと思います



●狙うは持久戦――現時点での残ゴーレム数、9
 ゴーレムのただ中へ飛び込んだ猟兵を追うようにして、ほんの少し遅れて前線へと飛び出したのは薊だ。もはや己の変異を隠すべき相手もおらず、その腕はUDCとしての特徴を大いに示す灰色の巨腕と化していた。
 粉々に吹き飛んだ1体のゴーレム。その背後から前線の猟兵へと迫るまた別の1体を、薊の怪腕がカウンターするような形で抑え込む。その小柄な体躯からは予想もできない膂力を発揮し、強引に力の方向を変化させられてゴーレムが転倒する。
「ただの小娘と――」
 続けて周囲を囲むように動くゴーレムたちに向けて連続突撃。無造作に振るわれる大質量のゴーレムパンチを見事に見切り、薊の怪腕がゴーレムの腕を絡めとり――そして折り砕く。
「侮らないで下さいね、変生ッ!」
 その一瞬でユーベルコード「化身変生」を起動した薊の全身が異形へと変ずる。もはや、小柄で可憐であった薊の面影などどこにもない、悪魔や怪物じみた威容である。意志のないはずのゴーレムが、まるで気圧されたように彼女から距離を取った。
「そちらからこないんでしたら――わたしから行きますよ?」
 普段は理性によって抑えている好戦的な一面を露わにして、異形の薊がロッジゴーレムたちへ躍りかかる。
 破壊されずとも、戦闘能力を奪われるゴーレムの数は一瞬で3を超えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サリー・オーガスティン
避難完了なら、ボクの大好きなスピード勝負に出るよ!

宇宙バイク・ジェイクで、吹っ飛ばそう!
撹乱させつつ、ゴッドスピードライドで、脚を狙って止める!



●質量vs速度
 どるん、と会場内にエンジンの音が響く。ユーベルコード「ゴッドスピードライド」で呼び出されたサリーの相棒、ジェイクが目を醒ましたのだ。
「避難が完了したっていうんなら――!」
 ハンドルを握り、スロットルを開く。バイクで駆け回るには少し狭い会場でも、サリーのテクニックがあればまたたく間にレース会場に早変わりだ。残る座席や机の間をサーキットに、居並ぶロッジゴーレムはチェックポイント。巧みなハンドル捌きで華麗な走りを見せつけて、速度でもって質量を惑乱するサリーの動きには目覚ましいものがある。
 ロッジゴーレムの方は方向転換の速度がサリーの速度に間に合わずたたらを踏む形となり――。
「ボクの大好きなスピード勝負さ!」
 ロッジゴーレムの背後を取ったサリーの突撃が、ロッジゴーレムの脚を刈り取る。床ギリギリまで車体を倒し、タイヤの回転力とこれまでの速度全てをぶつける強烈な体当たりだ。いかにロッジゴーレムが頑丈であろうと、純然たる物理法則の暴威の前には沈黙せざるをえない。
「このまま、もう一体!」
 斜めになった車体を即座に立て直し、今度は前輪を軸にし、後輪をぶつける形でのアタック。横合いから足元を削られて、もう一体のロッジゴーレムが床へ伏せる。

 気が付けば、既に残るロッジゴーレムの数は片手で数えられるほどになっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

星宮・亜希
「邪神の傀儡ってところですか、随分と厄介そうな見た目のモンスターですね!」
ヤツらが地形を壊せば終わった時にオフ会とやらが出来なくなっちゃうかもしれません!なんとしてでも止めますよ!
敵の攻撃を私は『武器受け』とユーベルコードで受け止めます。もし一般人や会場を攻撃する予定ならかばうや拠点防御も使用で!
疲労を覚えないとは言え魔力か何かで動く物質生命体なら、必死に攻撃を受け止めて敵の力が緩むその時を待ち続けるんです!
そして怯んだところにホーリーランスを握って
「これでもくらえー!!」と槍投げでなぎ倒してやります!



●槍投げ、再び
 残る数体のゴーレムを一身に引き受けていたのは、グリモア持ちの猟兵、亜希である。ユーベルコード「無敵城塞」は彼女に十分な防御力を与えており、特に彼女が陣取ったスペースに傷ひとつつけることなく防衛させることを許していた。
「邪神の傀儡ってところですか――随分と厄介そうな見た目の!」
 ユーベルコードの副作用として、絶対的な防御力の代償に亜希はほとんど身動きを取ることができない。だが、槍というリーチの長い武器を持ち、それを投擲するという攻撃手段を持つ彼女にとってその副作用は大したデメリットにはならない。ただ、次々と降りかかるゴーレムの攻撃を槍で捌き、拠点防衛に専心するだけである。
 そして、ユーベルコードの効果も合わさった鉄壁の防御に、意志も疲れも存在しないロッジゴーレムとて攻撃が途切れる瞬間がどうしても生まれてしまう。いや、亜希の鉄壁防御がゴーレムを怯ませたとでもいうべきか。そして、その瞬間を見逃すほど亜希はニュービーではない。
「これでも――くらえー!!」
 これまでの防御一辺倒な姿勢を微塵も感じさせないホーリランスの全力投擲。ゴッ、と空気の削れる音を後において、渾身の投擲が見事にゴーレムを複数体ぶち抜いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●牙で喰らうもの
 猟兵たちの攻勢が最後のゴーレムを打ち倒すのと、その降臨儀式が完遂されるのはほぼ同時であった。
 気絶するがままに放置されていた複数名の教団員の体からどろりと真っ黒な液体が零れ落ち、首謀者が潜む掲示板へとずるずると引き寄せられていく。
 ――にちもこらすみみらて
 生まれでた邪神が、日本語に聞こえるがしかし意味を持たない羅列で産声を上げる。
 生贄となったのは邪神教団員のみ。呼び出された邪神の力量は十分に猟兵たちの手に負えるものだ。

 さぁ、楽しいオフ会を取り戻すため。邪神との決戦を始めよう。
西園寺・メア
なんやかんや観光してたら遅れたけど真打ちは遅れてくるものよ!
邪神滅すべし、ご覚悟を!(勢いで遅刻を誤魔化す

門を開け、凱旋の時間だ
呪詛を込めた鎧砕きで正面から挑んでボコボコにする

自身はトレース操作に集中して迷彩でカモフラージュ


お嬢様思考、アドリブ歓迎



●ぶっ壊すオフ、本番開始
「なんやかんや観光してたら遅れたけど真打ちは遅れてくるものよ! 邪神滅すべし、ご覚悟を!」
 どばぁん、と猟兵たちの奮闘で無事守られていた扉を勢いよく開きながら突入する猟兵がひとり。邪神との決戦に馳せ参じたのは西園寺・メア(ナイトメアメモリーズ・f06095)である。
「勝利を我々のものに――呼応せよ!」
「「「「「――応!!!!!」」」」」
 ユーベルコードを短縮詠唱で起動すれば、メアの声に合わせて現場の猟兵たちもまた気合の声を上げる。
「トライアンフ・アーチ!」
 呼び覚まされるは全長3mに及ぶがしゃ髑髏。サリーが作った巨人遮蔽物の影に隠れたメアの操作に応じて、がしゃ髑髏の拳が牙を喰らう者に振りおろされ――。
 ――にかゃとちきららししいちりる
 がぱりと開かれた邪神のアギトが、がしゃ髑髏の拳を喰らい奪う。
「わ、わたくしのユーベルコードが!?」
 ――にかてちとしいりにそにらなとる
 邪神が全ての口をにやりとした笑みの形に変えながら、肉々しい色の骨で構成されたがしゃ髑髏を呼び出す。
 戦いの序盤、猟兵たちの緊張は一瞬にして最高レベルまで引き上げられた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

サリー・オーガスティン
うわ。ついに来たか。悪の主催、じゃなくて、主宰者

よし!ここで終わらせよう
あまり会場を壊しても拙い。よその階だってイベントあるし、あとで復旧もしなくちゃいけないし。

ここは、命中率重視で、ヴァリアブルウェポン突っ込んで、的確にぶつけよう。
オフ会の平和はボクたちが守る!
(片手にオフ会のパンフ持ちながら)


草野・千秋
オフ会ってプレイヤーさん、どんなに間柄が親しくても
敬語でお喋りするって聞きましたが……
そんなオフ会をちょっといいなと思いながら
臨戦態勢に入る
社長さん髪型変わりました?気のせいでしょうか

それにしても肉を食らって
力を得るとはオブリビオン、許せない
ここで確実に倒しましょうね
僕と皆さんの力で!
先ほどと同じく前のめりに
冒険仲間を庇いつつ
ヴァリアブル・ウェポンで攻撃
1回1回を着実に当てていきますよ
サイボーグの怪力見せてやりましょう
2回攻撃も使っていきつつ
トドメが刺せそうなら捨て身の一撃

てやーっ!喰らえっ!
オブリビオン!お前が居ていい場所ではないここは!

……ふぅ、やりましたか
終わったら僕らも打ち上げ!


星宮・亜希
「へえ?お望み通り下らないカミサマの為に死ねて良かったじゃないですか」
一般人の犠牲の無い事に安堵のため息をしつつ
「まあ、その神様もぶっ殺してやるんですけど!」
やるならこっちだってやってやります…本気でね!
ユーベルコードを攻撃寄りで発動。こいつに予備で攻撃するのは火力が足りませんね。アッカを使い噛みつく牙を結界なり槍を挟ませて防ぎます
「一回だけでもいい…」
戦闘中は長い待機時間と短い距離しか飛べませんが…転移を起動し、奴の死角へと回り込みます。そこで奴が困惑しているその瞬間を狙って、その急所を狙って…串刺しです!
「ぶっ刺され!」
●真の姿
下の翼が成長し、大きな2対の黒翼を持つ闇の世界よりの使徒の姿。



●牙への抗い
「邪神教団員の方におきましては、お望み通り下らないカミサマの為になれたようで――!」
 ユーベルコードを奪い取った邪神の威容に僅かながらも躊躇を覚えた猟兵たちの中で、亜希は真っ先に立ち直って吶喊していた。行使するユーベルコードは自己強化であり、仮に奪い取られたとしてもその構成要素の一端はグリモアにある。相手に制御されるとは考えにくいコードを使っていることが、その吶喊を後押ししていた。
「その神様もぶっ殺してやるんですけどね!」
 大開きの口に加え、肉々しい髑髏による打撃が加わった形である。真の姿へ至った証として、4枚2対の黒翼で大幅な加速をかける亜希であるが、増えた手数によって容易く接近することが叶わない。愛用の槍、アッカによって牙へ対抗しようにも、無尽蔵に数やサイズを増す邪神の攻勢がなお激しく彼女に襲いかかる。
「ここは僕に任せてください!」
 そこで連携防御に入るのは千秋である。引き続き防御重視のフォームでもって最前線を自任する彼が、亜希に喰らいつくようにして前に出る。千秋の変身を支えるユーベルコードもまた、自己強化の系列。邪神に喰らい奪われる可能性はかなり低い。
 ――こらかくいすそちもいらなかからこいかちのいみ
 だが、その介入すらも邪神にとっては児戯とでもいうのか。
 嘲笑するような叫びと共に、邪神の牙ががっぷりと2人の猟兵を纏めて挟み込もうと増大化する。
「そうはいかない――ここで終わらせるから!」
 あわや、千秋による防御の構えごと捕食されかけた2人を救ったのはサリーの横槍であった。片手にはオフ会のパンフレットを握りしめているが、サイボーグである彼の体に内蔵された武器は多彩であり、手数の変化を感じさせない。さらには、武器の数を活かしユーベルコード「ヴァリアブルウェポン」を経由して放たれる様々な接近武器の乱舞が見事に邪神の大顎を切り飛ばした。
 ――かくちかせいすとらみ
 その上で、邪神は未だ余裕の声音を見せて猟兵たちを挑発する。
「オフ会の平和を守りましょう、ボクたちで!」
「ええ、ここで確実に倒しましょう、僕と皆さんの力で! ……親しい皆が、楽しそうにおしゃべりをする。そんな楽しいオフ会を、これ以上無茶苦茶にはさせない!」
 攻撃重視のサリーと、防御重視の千秋がここに並んだ。サイボーグの2人は互いの内蔵武器を縦横無尽に使いこなしながら邪神を抑え込む前線を構築しつつあり――。
「オブリビオン、お前にこれ以上、会場は壊させない!」
「そう、ここはお前が居ていい場所では……ない!」
 2人の熱意の滲む言葉と共に放たれる連撃の雨に、さすがの邪神も均衡を越えて圧倒されはじめる。
 その隙を突くのは。
「――1回だけでもいい……!」
 猟兵ならば誰しも見た経験があるであろう転移ゲート、個人用かつ戦闘用に調整されたソレが亜希の目前に開いた。超短距離テレポート戦術――サイボーグ猟兵2人に集中する邪神の隙をついての亜希の強襲がここに発動する。
「ぶっ、刺され!」
 転移ゲートに飛び込みながら迫真の叫び。邪神のほぼ真上に転移した亜希は、そのまま真下へ、邪神の体を床へ縫いとめる勢いで刺突を放った。
 ――ていりりしらみいぃぃ!!!!
 戦闘が始まって以来、初めて。邪神の苦悶の声が会場に響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘇芳・薊
使用技能:POW
幸いにして敵は遠距離攻撃は出来ない様子です、相手の身体から飛び出す口や舌等に気を付けて只管叩きます
実体はあるんですから、叩き続ければ落ちますよね?

もし味方の攻撃を呑み込みそうなら、口で受ける前に上から攻撃をして無理矢理口を閉じさせます。
そのタイミングは第六感や戦闘知識等を活かして見切ります!
武器受け2、第六感2、見切り2、戦闘知識4、カウンター1、かばう1、2回攻撃1、範囲攻撃1、鎧砕き1、怪力2


マーガレット・リーヴ
【WIZ】
名を呼ぶのも憚られる――そういった方とお見受けします、初めまして。
先程申し上げました通り名を呼び合えない仲……邪神さんとお呼びしますね。
えぇ、えぇ、短い間ではありますが、わたくしのことはどうぞマーガレットちゃんと。
あの、聞いてます?

ともあれ、戦い、ですね。
あまり乱暴なのは好きではないのですが……精霊よ、力を貸して。
えっと……どうしましょうか。
……あの、そんなに期待された目をしないで……わかりましたから……

かみなり。

じぇのさいど。


フェル・ドラグニエル
「真打は遅れてやってくる!ってね!このまま一気に打ち倒すんだからっ!」
「行くよっ!シルヴァ!楽しいオフ会を惨劇の会場にはさせないからね!」
と意気込んでますが、邪神と戦うのは初めてなので[勇気]を振り絞って戦います!
〈蒼雷の銀竜槍〉を構えて[ダッシュ・ジャンプ・空中戦]を用いて天井スレスレまで飛翔し、
敵の頭上からダメ押しだと言わんばかりの【ドラゴニック・エンド】を敵へと打ち込みます!
[串刺し・怪力・力溜め・2回攻撃]の技能を活用します。
敵の反撃があれば[激痛耐性・盾受け・かばう・勇気]の技能を使用し〈竜腕の籠手〉で盾を展開しながら受け止めます。



●翻る銀槍
 名を呼ぶのも憚られる。故に邪神。であるならば。
「私とあなたは互いに通り名を呼び合うことはできない仲……邪神さんとお呼びしますね?」
 どこまでもマイペースに邪神の呼び方を決めるマーガレット。彼女の周囲では、先ほどから呼び出されっぱなしの精霊がそわそわと出番を待っている。
「相手に遠距離攻撃はないようですから――お願いしますよ、マーガレット!」
 そのような様子のマーガレットを尻目に前線に走るのは薊である。ここ暫くの観察により、薊は自分の持つ知識と照らし合わせて邪神の行動を分析し終えている。万全を期しての薊の参戦により、最前線の肉弾戦はさらに猟兵側へと戦局が傾く。
「ええ、ええ、承知ですとも、薊……それと、邪神さん、わたくしのことはどうぞマーガレットちゃんとお呼びくださいね」
 前へでる薊を見送りつつ、なおマイペースを保てるのはもはや鋼の精神ではないだろうか。しかも、邪神側が追いこまれて返事もかえらぬ様子に、聞いていますか、などと追加で問いかけるのだから。
 そして、そのマーガレットの横を駆け抜ける猟兵の姿がひとつ。
「真打は遅れてやってくる、ってね! このまま一気に打ち倒すんだからっ!」
 邪神との戦闘段階と聞いて転移ゲートへ乗り込んだフェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)の到着である。
 勇気を持って現場へと突入したフェルであるが、邪神との戦闘は初めて。震える足を、戦いの流れへと乗ることによって奮い立たせ、薊の突進に倣うようにして、けれど彼女はその鎧の重さを感じさせない軽快なステップで以て天井スレスレへと舞いあがった。構えるは蒼雷の銀竜槍、相棒のシルヴァが変じたドラゴンランスである。
「行くよっ、シルヴァ! 楽しいオフ会を惨劇の会場にはさせないからね!」
 邪神と猟兵の最前線を軽々と飛び越え、グリモア猟兵が見せた転移戦術とは異なる方法でフェルは邪神の頭上からダメ押しの強襲を仕掛ける。伴うユーベルコードは「ドラゴニック・エンド」であり――シルヴァと名付けられた意思持つ存在であるそれは、不可思議な軌道を描いて邪神のユーベルコード喰らう顎をくぐり抜け、邪神への痛打を成し遂げた。

●貫きの怪腕、滅ぼす轟雷
「……ともあれ、戦い、です」
 そわり、とマーガレットの周囲で精霊たちがざわめく。
「えっと……どうしましょうか」
 次こそは、と黄色の精霊がずずいと前に――マーガレットの目前へと踊りでる。
「……あの、そんなに期待された目をしないで……わかりましたから……」
 詠唱は、ただひたすらに短く。
「――かみなり」
 黄色の精霊が、我が意を得たりとばかりに光り輝く。
「――じぇのさいど」
 ただ二言。命じるマーガレットの言葉に、輝く精霊が一瞬のうちに空間中の水蒸気をオゾン化させるほどの轟雷と化す。
 ――にてちとていちすにみきにか!
 そして、乱戦の中に在りながらも、自身が捕食可能なユーベルコードの発動を見逃さない邪神は、その雷を大口を開けて待ちかまえ――。

「ええ、そうすると思いましたとも」

 その瞬間、薊の変異した両腕が上下から邪神の大口を叩き伏せた。既に、薊の目の前でこの邪神はユーベルコードを2度、喰らおうとしたのだ。3度目を通すほど、薊は甘くない。UDCの作用もあって異様なまでの怪力を得た薊のスマッシュは邪神の大口をねじ切る勢いで殴り抜き、開いていた顎を閉じさせるだけでなく、上下顎の牙を互いに喰いこませ開くことを戒める程。
 絶妙なタイミングで邪神のユーベルコードをカウンターした薊は、そのまま轟雷の範囲から離脱。他の猟兵たちもその一瞬で引き際を見事に捉え後退し、その中でもフェルは万が一を考えて盾を構えつつのカバーリングで邪神からの反撃に備える。
 万全の連携は邪神に「文字通り」口を挟む暇すら与えず――結果として邪神のみが雷の暴威でもって焼き尽くされることとなった。
 もはや意味不明の叫びを上げることすら、薊の怪力で閉ざされた口には許されない。
 ……これまでの煩さはどこへやら、邪神は無言のうちに消し炭となった。

●その後のオフ会
 猟兵たちの奮闘もあり、参加者の被害は――邪神教団の手の者を除き――一切出ることなく終わった。
 その場にいた者の記憶処理や、いくら上手く立ちまわったとはいえある程度は出てしまった会場被害の修復といった事後処理にはまだまだ時間が掛ることだろう。しかし、ひとまずの応急処置としてオフ会会場が別に用意され、参加者は全てそちらへ誘導されるとの連絡が入り、猟兵たちを安堵させる。
 邪神さえいなければ、楽しい記憶となるはずだった未来。それを、猟兵たちは守りきることが出来たのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月14日


挿絵イラスト