5
次なる未踏領域の更なる脅威

#スペースシップワールド #【Q】 #クエーサービースト

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#【Q】
🔒
#クエーサービースト


0





 スペースシップワールド。
 先の大戦で得たワープドライブの稼働により、人々は宇宙史上最大の範囲まで、探索に成功していた。
 ただ、その範囲を確認しても惑星を確認できなかった。かつての戦いは既知宇宙を破壊し尽くしてしまっていたのだ。

 安息の地を求める人々は未踏領域へと縋るように一縷の希望を抱いて、その探索を進めていた。
 だが、探索中に現れたのは、小惑星級のオブリビオン。
 頭部ある水晶体の下部には大量の触手を生やした『キエリビウムJOX』だった。
 その圧倒的な存在感を示す敵の襲撃に対し、猟兵達はユーベルコードを駆使してこれを駆除。
 優勢に戦いを進めたこともあり、この世界の探索隊は未踏宙域の更に奥へと踏み込むことができるようになった。
 だが、そこには更なる脅威が探索隊に立ちはだかるのである。


 新たな問題がスペースシップワールドで発生したということで、グリモアベースでは多数の猟兵達が動いている。
 金髪エルフのグリモア猟兵、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)もあれこれと情報を集めていた様子だ。
「次なる未踏宙域で、更なるクエーサービーストが発見されたそうね」
 その情報に加え、自身の予知も合わせて猟兵達へと説明を行う。
 クエーサービーストの名前は『マインドミナBVA』と命名され、『状況に応じて無限に変化する外殻』を操るクエーサービーストなのだという。
「とはいえ、私達猟兵のユーベルコードはクエーサービーストにも通用することは判っているわ」
 厳しい戦いではあるが、立ち向かって交戦することは問題なくできるはずだ。
 しかし、今回の相手は以前の宙域にいた敵『キエリビウムJOX』よりもさらに大規模なのだという。
 今回の撃破に当たってはまだ、何とかなりそうな見通しもあるようだが……。
「ただ、これ以上、巨大な敵が現れないとも限らないのよね……」
 その場合、一体どうなってしまうのか。
 例えば、巨大なビームなど放たれたら逃げ場すらもなくなってしまうだろうし、逆に攻撃したくとも、近づくだけでも相手の攻撃を躱し続ける必要がある。
 それでは、圧倒的に猟兵が不利だ。
 いくらユーベルコードの威力は十分であっても、それを叩き込む手段が猟兵達には乏しい。
「何か良い手がかりがあればいいのだけれど……」
 ともあれ、この場は未踏宙域に向かう宇宙船を援護しつつ、猟兵達もまた探索に乗り出すことにする。
「うん、無理はしないでね」
 彼らの身を案じながらも、セレインは現地に向かう宇宙船へと猟兵達を送り出すのだった。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 次なる未踏領域に巣食う新たなクエーサービーストの討伐を願います。

 第1章は、『銀河帝国哨戒艦隊』との集団戦。
 第2章は、『クエーサービースト・マインドミナBVA』とのボス戦。
 第3章は、黄金色に輝く「マインドミナBVA」の外殻を剥ぎ取り、素材として持ち帰っていただくよう願います。

 まずは、『マインドミナBVA』が、切り離した外殻を『銀河帝国哨戒艦隊』に変えて猟兵達へと差し向けてきますので、この討伐を願います。

 第1章は28日の執筆を予定しています。28日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章も公開後、加筆を致します。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
143




第1章 集団戦 『銀河帝国哨戒艦隊』

POW   :    一斉発射(対艦ミサイル)
【火器管制レーダー照射】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対艦用の反物質ミサイル(一斉発射)】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    一斉発射(対艦ビーム砲)
【対艦用の加粒子ビーム砲(一斉発射)】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    一斉発射(電磁投射砲)
【複数の艦船に搭載された、電磁投射砲の砲身】を向けた対象に、【砲身から超高速で発射された高速徹甲弾】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:Moi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 スペースシップワールドの未踏宙域。
 すでに、その手前側の宙域をほぼ踏破したこともあり、探索隊となる宇宙船はさらに奥を目指す。
 ただ、そこには巨大な物体が留まっていて。
「な、なんだ、あれは……!」
 宇宙船の船長がデッキからそれを見つめて唖然とする。
 それは、前回の探索で遭遇したクエーサービースト『キエリビウムJOX』よりもさらに大きなオブリビオン。規模は小惑星、いやそれ以上と思われる。
 球体を包むように装甲のような黄金の外殻が張り付いており、2つある頭部……と言えるのかは不明だが、その頭頂部周辺にはたくさんのドリルのようなものがついた物体がいくつもついている。
 『マインドミナBVA』と命名されるそのクエーサービーストを、モニター越しに見た船員達は。
「…………」
「…………」
 どんな生物かと例えるのも難しいオブリビオンの圧倒的な存在感に、ただただ唖然としてしまう。
 だが、乗組員達が驚くのは、さらにここからだった。
 そいつは自らの外殻を自ら切り離して見せた。
 外殻ですらもとんでもない大きさであるが、それはいくつも分割していき、大きく変形していく。
「な……!」
 変形したそれらは艦隊を思わせる。
 いや、それは明らかに銀河帝国の艦隊だった。
 対艦ミサイル、対艦ビーム砲、電磁投射砲を備えたそれらの艦は、哨戒艦隊のようである。
 一つ一つは旧式の小型艦でしかない。
 戦争で使われた主力艦に比べれば遠く及ばぬ性能だが、数で攻め来るからたまらない。
 こちらは探索用とはいえ、小さな宇宙船だ。相手するには限度がある。
「どうすればいいんだ」
「あんなの、我々の力では……」
 宇宙船の装備では、数艦を落とせばいい方といったところ。下手すれば艦隊に囲まれて撃沈すらありうる。
 よしんば、この艦隊をやり過ごしたとしても、奥にはこの艦隊を出現させたクエーサービーストがいる。
 そいつにとっては、この艦隊ですらも自らの欠片でしかない。

 絶望的な状況の艦内へとやってきた猟兵達。
 逃げる事すら敵わぬこの状況を一転させるべく、メンバー達は宇宙空間へと飛び出し、『銀河帝国哨戒艦隊』となった外殻の相手に向かっていくのである。

(※プレイング受付は、10月28日8時30分までの予定です。その後に受付分は間に合う分のみの対応となります)
ココロ・シントレイト
※アドリブ・連携歓迎
おおおー!なにあれなにあれ!金属?石材?いや生命体?
ああもう、艦隊化にも興味あるけど、邪魔だよー!本体が見えない!
よし分かった!なんとかしましょう!

基本、支援と小型艦の護衛をするよ
まず【防護膜展開スプレー】を仲間に吹き付けとく
対空砲の数発は持つと思うけど、フィルムスーツが破れた時対策だね

次に【指定UC】で艦の装甲を覆って対艦ミサイルの脅威を防ぐよ
艦の修理機に手伝ってもらえると素早く対策できるかな
そもそも対消滅防御を考えて、そのデメリットの衝撃を解消したのが、この緩衝材さ!

後は破損個所の処置と修理を手伝おう
大丈夫そうなら【天体双眼鏡】でマインドミナの動向をチェック、解析するよ


著莪・尚武
▼アドリブ・連携大歓迎 

▼心情
急ごうナーさん、船が危ない
「ナー(でもどうするの?あれ対艦ミサイルよ)」
あのミサイルは一度とらえられたら避けられないみたいだ
だったら今できることは想像すること、だよ

▼行動
船に当たりそうなレーダー照射を【かばう】
ミサイルは【盾受け】と《アリスナイト・イマジネイション》の戦闘鎧で受けきってみせる
「自分がやられたら船が危ない、ミサイルに耐える騎士鎧の想像を創造する…!」

ミサイルを凌いだら【カウンター】で、
セイバーの【属性攻撃】の炎による【鎧無視攻撃】
艦隊を模しているのなら機関部があるはず、そこを狙う
「装甲の隙間、そこだっ」


愛久山・清綱
あれは……資料で見た「銀河帝国」の艦隊とまるで同じだな。
哨戒部隊とはいえ、なかなか手ごわそうだ。
(しかし、投げナイフみたいな兵器があるのが気になる)
■闘
細かく観察したいが、いまは船の安全が先だな。
大なぎなたを片手に【空中戦】で艦隊に挑む。

問題のレーダーだが……これをかわすのは至難の業。
可能な限り敵の視界に入らないよう、戦場を縦横無尽に回る。

接近に成功したら【怪力】を込めて【鎧無視攻撃】となった
大ぶりな【剣刃一閃】で真っ二つにしてやろう。
確実に一機ずつ倒していくのだ。

万一レーダーに当たったらミサイルの軌道を【見切り】つつ、
なぎなたを力強く振るって【衝撃波】を放ち、撃ち落とす。

※アドリブ・連携歓迎


トルメンタ・アンゲルス
※『』はベルトの音声

新たに確認されたクエーサービースト、マインドミナBVA
成程、外部装甲を剥離して、そう使ってきますか。

しかし、どこまでも帝国の影は残りますねぇ。
ともあれ、邪魔するなら全て沈めるまで!
行くぞ相棒!
変身!アクセルユニゾン!
『MaximumEngine――Mode:Formula』

相棒の宇宙バイクを攻撃力重視の装甲として変身合体!
全速力で宇宙空間に飛び出します!

全力のダッシュで突撃!
見切りや第六感、残像を駆使し、物理法則を無視した軌道で駆け回り撹乱します!

お前らの砲撃では、速さも数も、俺を捉えるにはあまりに足りない!
次から次へ、一切を蹴り穿つ!
追撃のォ!
ブリッツランツェエエエ!!




 次なる未踏領域に現れたクエーサービースト『マインドミナBVA』。
 宇宙船の中から転移してきた猟兵達は、その敵影を確認して。
「おおおー! なにあれなにあれ! 金属? 石材? いや生命体?」
 歪な塊の巨大なオブリビオンに、金髪の女性、ココロ・シントレイト(止まらぬイマジネーション・f22240)がテンションを高めて興味を示す。
 なお、ココロはブラックタールであり、その女性の姿は義体らしい。
 その間にも、クエーサービーストから外殻が切り離され、分割し、変形する。
 外殻はやがて、『銀河帝国哨戒艦隊』を思わせる姿をとっていく。
「ああもう、艦隊化にも興味あるけど、邪魔だよー! 本体が見えない!」
 ココロがなんとか本体を見ようと視線をずらそうとするが、形成した艦隊によって『マインドミナBVA』本体が見えなくなってしまう。
「成程、外部装甲を剥離して、そう使ってきますか」
 男性にも見紛う容姿のトルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)がクエーサービーストの出方を窺っていると、展開した艦隊は自我を持って動き出してきた。
「あれは……、資料で見た『銀河帝国』の艦隊とまるで同じだな」
「しかし、どこまでも帝国の影は残りますねぇ」
 複数の鳥獣の特徴を合わせ持つキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)の言葉に、トルメンタも色濃く残る銀河帝国の影響を実感する。
 それらは主力艦ではなく、旧型の小型艦ばかりではある。
「哨戒部隊とはいえ、なかなか手ごわそうだ」
 ただ、所々に投げナイフのような艦があることを、清綱は気にかけていたようである。
 その間にも、敵艦隊は全力でこちらの宇宙船を撃ち落とそうとビーム砲や電磁投射砲の方針を差し向けてくる。
 調査隊の宇宙艦はたった1艦だけだというのに、敵は対艦ミサイルまで持ちだしており、全力でこちらを沈める気だ。
「急ごう、ナーさん。船が危ない」
 無感情にも見えるオウガブラッドの少年、著莪・尚武(ブレイズ・アリス・ナイト・f23394)は猫のオウガ、ナーさんへと問いかける。
「ナー(でも、どうするの? あれ対艦ミサイルよ)」
「あのミサイルは一度とらえられたら、避けられないみたいだ」
 そんな内なるオウガの問いに、尚武は敵艦の能力を確認してからこう返す。
「だったら、今できることは想像すること、だよ」 
「そうだね! なんとかしましょう!」
 合わせるかのようにココロが意気込み、出撃の準備を整える。
「ともあれ、邪魔するなら全て沈めるまで! 行くぞ、相棒!」
 サイボーグのトルメンタは、相棒の宇宙バイク『NoChaser』を呼び出して。
「変身! アクセルユニゾン!」
『Maximum Engine――Mode:Formula』
 変形して攻撃重視の装甲とした相棒を装着し、変身合体したトルメンタは全速力で宇宙空間へと飛び出していくのである。


 クエーサービーストの殻から生み出された『銀河帝国哨戒艦隊』は、探索隊の乗る小型艦を狙ってくる。
 飛び出していく猟兵達の為にと、ココロは先に『防護膜展開スプレー』を吹き付けて。
「対空砲の数発は持つと思うけど、フィルムスーツが破れた時対策だね」
 仲間を送り出す彼女は艦の周囲で、護衛に当たるようだ。
 そのココロの支援を受け、敵艦隊へと【ダッシュ】で突撃していくトルメンタ。
 彼女は自らへと放たれるビーム砲や高速徹甲弾を【見切り】、直感と残像を駆使して避けていく。 
 物理法則を無視した軌道を描いて宙域を駆け回ることで、トルメンタは敵の撹乱に当たっていた。
「細かく観察したいが、いまは船の安全が先だな」
 清綱が片手で大なぎなたを握り、自らの翼を使って空中戦で『銀河帝国哨戒艦隊』に挑む。
 一斉発射されるビームは比較的避けやすいが、電磁投射砲は留まっていると危険な為、できる限り縦横無尽に動き回る清綱。
 とりわけ、【火器管制レーダー照射】の命中力が高いのが怖いところ。
「……これをかわすのは、至難の業」
 レーダーに続いて放たれる対艦ミサイルなどは、直撃すれば一撃でKOしかねない。
 その為、できる限り敵の視界に入らぬよう、清綱は戦場を飛び回っていく。
 尚武はというと、船の護りに当たっていた。
 警戒していたレーダーが予想通りに飛んできた為、尚武は明らかに命中するその一撃から身を張り、庇いに当たる。
 直後の対艦ミサイルを防ぐべく、アリスナイトである彼は『ナイトシールド』を構えていたが、さすがにそれだけで防ぎきれるはずもない。
 尚武もそれは察していたらしく、合わせてユーベルコード【アリスナイト・イマジネイション】を使う。
「自分がやられたら船が危ない、ミサイルに耐える騎士鎧の想像を創造する……!」
 それによって出現した無敵の戦闘鎧を纏った尚武は、飛んできた対艦ミサイルを受け止めてみせた。
 着弾し、宇宙空間に巻き起こる爆発。
 しかしながら、尚武はそれをなんとか堪えてみせた。
 絶対に船を護るのだという強い信念があってこそ、鎧は力を発揮してくれたのだろう。
「よし、行ける……!」
 尚武は【カウンター】を浴びせかけるべく、すぐさま敵艦隊へと向かっていくのである。


 猟兵サイドも決して、手数が多いとは言えない状況。
 それでも、この場の猟兵達は銀河帝国哨戒艦隊の攻撃を丁寧に対処していて。
 探索隊の宇宙船を護っていたココロ。
 最初は尚武も護りに当たっていたが、彼が攻めに転じれば、実質彼女1人で護らねばならぬ状況となる。
「安心安全、大切なものは守ってみせるよ!」
 ココロはユーベルコードによって、【惑星破壊級の全衝撃を完全に打ち消す緩衝材】を作り出す。
 超級気泡緩衝材『プチプチ』【次元衝撃吸収機構】。
 今回の戦いには、うってつけのユーベルコードである。
「そもそも対消滅防御を考えて、そのデメリットの衝撃を解消したのが、この緩衝材さ!」
 ココロはそれで艦の装甲を覆い、対艦ミサイルの脅威を防ごうとするが、小型船とはいえ、人の大きさからすればかなりの規模。
 そこで、心は船の修理機にも手伝ってもらい、素早く対策を進めていた。

 思った以上に、艦隊の動きに鈍さを感じたのは気のせいだろうか。
 どうやら、相手は小型艦、特にそれよりも小さな猟兵を目標とした戦いは苦手であったらしい。
 猟兵達も相手のその弱点を突く形で攻め込む。
 カウンターを叩き込むべく敵へと近づいていた尚武は、刀身のない『ナイトセイバー』にナーさんの焔で刃を作り出し、攻撃を仕掛ける。
(「艦隊を模しているのなら、機関部があるはず」)
 クエーサービースト『マインドミナBVA』はオブリビオンとしての邪悪な意志までも含めて、艦隊を再現している。
 それだけ完璧に変身した外殻だ。機関部もそのまま再現されており、尚武はそこ目がけて刃を振りかざす。
「装甲の隙間、そこだっ」
 直後、機関部に引火した炎が爆発を起こし、その艦は瞬く間に轟沈していく。
 宙域を飛び回り、敵艦隊の注意の大部分を引きつけていたトルメンタ。
 艦隊は全武装を持って砲撃を繰り返すが、彼女に命中させることができない。
「お前らの砲撃では、速さも数も、俺を捉えるにはあまりに足りない!」
 隙を突き、トルメンタはそのうちの一隻目がけて光速でダッシュして。
「次から次へ、一切を蹴り穿つ! 追撃のォ! ブリッツランツェエエエ!!」
 物理法則すらも無視した軌道から放たれるトルメンタの飛び蹴りは、敵艦の装甲すら貫通してしまう。
 次の瞬間、艦は近場にいた複数の艦も巻き込み、爆ぜ飛んでしまった。
 清綱も負けてはいない。
「真っ二つにしてやろう」
 接近した敵艦目がけ、清綱は大なぎなたを【怪力】を活かして大きく振り回す。
 次の瞬間、彼の宣言通り、敵小型艦は真っ二つに切断されてしまった。
 だが、敵艦隊も黙ってはおらず、清綱へとレーダーを照射してくる。
 清綱はそれに気づき、飛んできた対艦ミサイルの軌道を【見切り】、【衝撃波】を伴う斬撃で見事に撃ち落としてしまった。
 とはいえ、猟兵の数に対し、敵艦の数は多い。
 メンバー達は手数でなんとか時間をかけつつ、その数を減らしていく。
 こちらの艦も全くの無傷とはいかなかったが、この場の猟兵達の奮戦もあって、損害は軽微に済んでいたようだ。
 ココロも破損個所の処置と修理を手伝いながらも、少しずつ減ってきた艦隊の間から見える巨大なクエーサービーストの姿を捉えて。
「そろそろいいかな!?」
 彼女は嬉しそうに『天体双眼鏡【大気圏透視装置】』を通して『マインドミナBVA』の動向をチェックし、できる限り解析に励んでいたようだった。

 あれだけの敵艦隊であっても、所詮は造られただけの存在ということだろうか。
 如何に意思を持って襲ってきていても、生身の人間には勝てぬ部分があるのかもしれない。
 猟兵達は着実に敵艦を沈め、敵艦隊を壊滅させていく。
 その様子を後方から、『マインドミナBVA』は不気味に動きながらも注視していたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『クエーサービースト・マインドミナBVA』

POW   :    BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD   :    BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:はるまき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 未踏宙域の前方に展開していた『銀河帝国哨戒艦隊』をなんとか殲滅することができた猟兵達。
 ひとまず、当面の脅威を退けられたこともあり、宇宙船に乗る探索隊の面々もほっと安堵の息を漏らす。
 しかしながら、それらはあくまでクエーサービースト『マインドミナBVA』の外殻によって再現された存在でしかない。
 未踏宙域に存在するこの巨大な敵を倒さぬ限り、再び先程のようなオブリビオンの集団が出てしまう可能性は極めて高い。
 また、目の前の存在を倒さねば、未踏宙域の探索が進まないのも事実。ここで尻尾を巻いて逃げ出すようでは、スペースシップワールドに未来はない。
 猟兵達はできる限り探索隊の宇宙船を後方に下げさせ、この巨大なクエーサービーストの討伐へと乗り出す。
 
 小惑星級の規模のマインドミナBVAは、外見では目に当たる器官を確認することができない。
 相手がどういう存在かはまだ分からない部分も多いが、会話や意思疎通ができる存在ではなく倒すしかない相手だ。
 マインドミナBVAは無限に変化する外殻を操り、猟兵達へと襲い掛かってくる。
 大きく3種にその攻撃法は分けられる。
 まずは、攻撃特化の超殺戮形態。
 ドリルのような塊を飛ばして破裂させ、破片を一気に飛ばしてくるなど、攻撃に対処するだけでも大変だが、その分防御が薄くなる為、本体に攻撃できれば倒すことのできるチャンスが高まる。
 次に、殺戮兵器を展開する形態。
 こちらはあらゆる兵器に変化し、攻撃が可能というもの。
 刃状や鈍器など近接武器だけでなく、ビーム、ミサイルなどの射撃武器。さらに爆弾などその攻撃は多彩だ。
 ただ、敵は多種多様な兵器を使う反面、一つ一つの兵器の使用法には疎い。それを覚える前に攻めることができれば、攻撃のチャンスが生まれる可能性は高まる。
 最後に、ユーベルコードを防御することで、外殻を使って再現できる模倣形態。
 模倣可能なのは1度のみで永続するというメリット、デメリットがある。
 上手くユーベルコードを使えば、攻勢の糸口が見えてくるかもしれない。

 相手は巨大で、無限に展開可能な外殻もあって近づいて攻撃することも難しい相手。
 だが、猟兵達のユーベルコードが有効なことは、先の『キエリビウムJOX』戦で実証済みだ。
 スペースシップワールドに生きる人々の為にも、この難敵を撃破したい。

(※プレイング受付は、11月2日8時30分までの予定です。その後に受付分は間に合う分のみの対応となります)
ケイ・エルビス
団員仲間ココロちゃんと共闘
アドリブ連携歓迎

POW

自前の宇宙バイクで参戦


★攻撃
手持ちの武器で
UC「タリホー」するだけじゃ
攻撃が通らねえのは分かってる

だから

ココロちゃんのUC「想像具現の心象世界」で
オレが望む装備であるクエーサービースト用決戦兵器
「破壊力抜群の2対の大型ブラスター」を創ってもらってUCで活用

高威力ビームをコントロールし
敵の「防御力を代償に変化した外殻の各隙間」を
バイクで移動し続けながら捨て身の一撃、2回攻撃、スナイパーで連続攻撃


★防御
バイクの機動力とフェイントを駆使
常にスピーディーに動き回り
攻撃を野生の勘や見切りでかわし
仲間の時間稼ぎに徹する
ピンチの仲間には援護射撃、かばう


ココロ・シントレイト
※アドリブ連携歓迎・ケイとも連携
うん、大体わかった
外殻が攻撃の要で、それが剥がれた場所や内部はそこまでの戦闘力はなさそう
外殻を使って空いた部分か直接内部を狙えれば!

今回は皆の足になって運搬と突入支援をする
通信機込みの【防護膜展開スプレー】を皆に吹き付けて出発
【ホース・ボディ】を飛行形態にし【空中戦、運搬、見切り】で皆をサポートしながら【天体双眼鏡】で突入用に【次元錨】の座標を【情報収集】!

隙ができたら突入者のマーカー起動
【指定UC】で突入準備!
この為のスプレー!
亜空間穴内でUC【想像具現の心象世界】で必要な装備を創り渡すよ
材料の無機物は…私のこの3つのボディ!
脱出に必要だし絶対に成功させてね!


愛久山・清綱
これはまた厄介そうなヤツが現れたな。
武器や兵器なら、何でも作れるのだろうか?
……だが、こういう奴に限って弱点があったりするのだよな。
■闘
再び【空中戦】を挑むとしよう。

序盤は無理に攻めようとせず、相手が武器を召喚する時を待つ。
召喚されてからが本番。相手が兵器の使い方を覚える前に【早業】の居合抜きから放たれる【薙鎌】で、装甲と武器に傷を入れてやろう。
放つ際は【鎧無視攻撃】の効果も絡め、少しでも破壊力を高める。

相手が兵器を駆使して攻撃したら【野生の勘】を働かせて攻撃の
瞬間を【見切り】、【オーラ防御】を纏った刀で受け止める。
吹き飛ばされそうになったら【怪力】を込めて耐える。

※アドリブ・連携歓迎


トルメンタ・アンゲルス
如何なデカブツだろうと関係ありません!
生命体ならぶっ殺す!
メカならぶっ壊す!

武装変化、ArmsExtend!
『Buildup――Caladbolg』
両腕をプラズマブレードに特化した強化装甲に変化!

更に行くぞ、OverDrive始動!
コアマシン、臨界。シンクロ率上昇。
回避用のブースターへの物を除き、アーマーからの追加パワーリソースも、
全て両腕――特にプラズマブレード――に収束!
『OverDrive――Exceed』

収束したエネルギーをブレードを通して出力全開!

輝け!有りっ丈だ!
もっとだ、もっと輝け!
そして、宇宙の果てまで伸びろ!!
Aureole(オレオォォォォル)!!

薙ぎ払え!星ごと奴らをォ!!


著莪・尚武
▼アドリブ・連携大歓迎 

▼心情
小惑星級か大きいな。けどここで引くわけにはいかない。突っ込むよナーさん
「ナー(ええ、やっちゃいなさい)」

▼行動
ランスと盾を構えて炎の【属性攻撃】を纏った【ランスチャージ】による【先制攻撃】。
敵が兵器の使用方法を覚える前にダメージを与える。

他の猟兵に攻撃が行きそうになったら《その盾は誰かの為に》を使用。
焔の【オーラ防御】を纏った【盾受け】で攻撃を【かばう】。
ダメージは【気合い】と【激痛耐性】で耐えぬいて見せる。

「攻撃は全て自分が受け止めます。《アンブレイカブル・シールド》!」




 『銀河帝国哨戒艦隊』をほぼほぼ片付けた猟兵達は改めて、前方に鎮座するクエーサービースト『マインドミナBVA』の討伐へと当たることになる。
「小惑星級か大きいな」
 巨大な敵影に、灰色の髪の少年、著莪・尚武(ブレイズ・アリス・ナイト・f23394)が呟く。
 無感情に見える尚武は、取り憑かれた猫のオウガ、ナーさんに感情を食べられている状態だが、2人はうまく助け合っているようだ。
「これはまた厄介そうなヤツが現れたな」
 蛇、猛禽、牛の特徴を一部ずつ併せ持つキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は改めてその姿を見て思う。
 先程は外殻を艦隊へと変形させたこの敵、武器や兵器なら何でも作ることができるのだろうか。
「……だが、こういう奴に限って、弱点があったりするのだよな」
 その弱点を出来るだけ早く探り、外殻ではなく本体を叩きたいと清綱は考えるのだが……。
「如何なデカブツだろうと関係ありません!」
 そこで、銀髪オールバックにサングラス着用のサイボーグ女性、トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)が自信に溢れた表情で告げる。
「生命体ならぶっ殺す! メカならぶっ壊す!」
 あのクエーサービーストが如何なる存在であろうとも、立ち塞がるなら倒すのみと、トルメンタは気合を入れていた。
 さらに、新たに自前の宇宙バイクでやってきたフレンドリーなサングラスの黒髪青年、ケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)。
 どうやら、自らの旅団『DARK★STAR』の団員であるココロ・シントレイト(止まらぬイマジネーション・f22240)に力を貸すべく、参戦したらしい。
「うん、大体わかった。外殻が攻撃の要で、それが剥がれた場所や内部はそこまでの戦闘力はなさそう」
 自ら作成した金髪女性の姿の『マイ・ボディ』と、それを座らせた座椅子『ザ・イース』を操るブラックタールのココロは、先程の戦いからこれまで、クエーサービーストの力の解析を続けていた。
「外殻を使って空いた部分か、直接内部を狙えれば!」
 先程艦隊を作った外殻が剥がれた部分はまだ新たな外殻の形成が進んでおらず、紫色の内部が露出している。
 そこに近づいてこちらのユーベルコードを叩き込むことができれば、勝機だって見えてくる。
 それを耳にした尚武は元々退くわけにはいかぬと考えていたが、ならば先制攻撃をと仕掛けようと前のめりに出撃態勢をとって。
「それじゃ、行くよ」
「ちょっと待って!」
 そこで、ココロが止めに入る。
 万全の態勢であの巨大な敵と対することができるよう、彼女は通信機込みの『防護膜展開スプレー』を各メンバーへと吹き付けていく。
 ナノマシンによる防護フィールドを展開する為、不意を突かれてもダメージを軽減できるはずだ。
「これで大丈夫! あとはバックアップに回るよ!」
「ありがとうございます。今度こそ突っ込むよ、ナーさん」
「ナー(ええ、やっちゃいなさい)」
 そうして、尚武は真っ先に小惑星級のオブリビオン『マインドミナBVA』目指し、突撃していくのである。


 宇宙空間を行く間、『アリスランス』と『ナイトシールド』を構える尚武。
 気合十分と闘志を燃やす彼は、自らに取りついたナーさんが赤い炎を燃え上がらせ、敵目掛けて特攻していく。
 しかしながら、クエーサービースト『マインドミナBVA』も応戦すべく、残った外殻を使って様々な兵器を作り出す。
 距離があるからか、まずは射撃武器をいくつも作り出してくるマインドミナBVA。
 ビームライフルや粒子砲、ミサイル等を展開してくる敵だが、当然ながらそれらには射出する為の手順が必要だ。
 多数あれど、すぐに攻撃できたのはその2割も満たない。
 尚武はそれらの兵器の使用方法を覚える前にと、突撃する。
 あれだけ巨大な敵だ。内部が露出した部分は多少遠くても丸わかりだ。
 尚武はそこ目がけ、勢いに任せて炎の【属性攻撃】を纏わせた【ランスチャージ】による【先制攻撃】を叩き込む。
 続く清綱は相手が作り出した武器をじっと見つつ、【早業】の居合でユーベルコードを使う。
「秘伝……薙鎌」
 瞬きの間に放たれる清綱の剣閃は装甲をも軽々と切り裂くカマイタチとなり、展開した武器を含めて敵の巨体をも切り裂いていく。
 敵本体にまで届いた清綱の一撃。ユーベルコードでなら、間違いなくあの巨体でもダメージは入る。
 しかしながら、広範囲に展開した武器はそうもいかない。
 清綱が発したカマイタチの通り過ぎた軌跡は直線上にすぎず、武器の一部を破壊したに過ぎない。
「…………」
 相手は受けたユーベルコードを防御し、外殻で再現する力もあるが、現状は武器の使用方法を探っている状況でそちらに意識が回っていない。
 一気に本体にユーベルコードを叩き込み、撃破してしまいたいが……。
 家電系馬型義体の『ホース・ボディ』を飛行状態としたココロは、【空中戦】で敵の武器をやり過ごしつつ、『天体双眼鏡』で【次元錨】の座標を探る。
 ココロは、ケイにとある武器を絶好のタイミングで渡せる為の準備を整えていたのだ。
(「手持ちの武器で【タリホー】するだけじゃ、攻撃が通らねえのは分かってる」)
 ケイは様々な武装を所持するケイはそれらをユーベルコード【タリホー】で撃ち込むことができるが、それらが効力を発揮するのは、せいぜい相手の全長が数十m程の相手に対してのものだ。
 強力な一撃として自らのユーベルコードを活かす為には、やはり強力な武器が必要だとケイは判断したのである。
 ともあれ、その時間稼ぎをすべく、彼は宇宙バイクで宙域を駆け回る。
 少しずつ、敵は兵器の使用方法を覚え始め、ケイを狙い撃とうとするが、彼はうまくアクセルを吹かして【フェイント】も駆使し、スピーディーに動いて敵を翻弄する。
 そんな中、トルメンタもまた強力な一撃の為にと、ユーベルコードを使う。
「武装変化、ArmsExtend! Buildup――Caladbolg」
 彼女は両腕を、プラズマブレードに特化した強化装甲に変化させる。
 さらに、トルメンタは【OverDrive】を始動させた。
「コアマシン、臨界。シンクロ率上昇……」
 回避用のブースターに向けたものを除き、アーマーからの追加パワーリソースを全て、両腕、特にプラズマブレードへと収束させていく。
 そんなトルメンタ目がけ、展開された巨大ミサイルが発射される。
 防御をほぼ捨てた状態の彼女の護りはかなり薄い状態。まともに浴びればただでは済まない。
 そこに飛びこむケイが庇いに回った上、ブラスターやアサルトライフルを発射し、ミサイルを撃墜する。
「ここは任せな。一気にやってくれ!」
「助かります!」
 仲間の猟兵から援護を受け、トルメンタはさらに次なる一撃の為に力をブレードへと集中させていくのである。


 クエーサービースト『マインドミナBVA』は徐々に、召喚した武器を使いこなせるようになってきたらしい。
 ただ撃つだけだったものが、少しずつ照準を合わせられるようになり、猟兵達を狙うようになってきている。
「狙いが正確になってきているでござるな」
 敵の変化を見た清綱は【野生の勘】を働かせ、兵器が攻撃するそのタイミングを【見切る】。
 清綱は弾丸、ミサイルを【オーラ防御】を纏わせた刀で切り払い、爆発などの衝撃は【怪力】を込めて耐えようと構えていた。
「あとは堪えるのみでござるな」
 仲間が強力な一撃の為に準備しているのであらば、清綱もできる限り時間稼ぎに回るだけだ。

 また、敵は兵器の使用方法を覚えたことに伴い、更なる外殻を動かし始めている。
 敵が本格的にユーベルコードの防御に当たる前に、こちらの強力なユーベルコードを叩き込みたいところだ。
 超殺戮形態となったそれらの外殻はドリルなどを象って飛ばしてきた。
 それらは相手を直接攻撃するだけでなく、爆破四散してさらなるダメージを与えてくる。
 強力な一撃に備えるメンバー達は今しばらく時間を要する。
 それを見た尚武は仲間達の前面に立ち、焔の【オーラ防御】を纏わせた『ナイトシールド』を展開して。
「攻撃は全て自分が受け止めます。《アンブレイカブル・シールド》!」
 防御性能を極限にまで高め、尚武は襲い来るドリルを受けとめようとする。
 だが、着弾と共に爆発する衝撃を、盾で全て受け止めるとはいかない。
「く、ううっ……!」
 その爆風、破片によるダメージを、尚武は【気合い】と【激痛耐性】で堪えてみせた。
「助かるよ。おかげで準備できた!」
 ココロはケイのマーカーを起動させ、亜空間へと吸い込む。
 船を出る前にココロが仲間達へと吹きかけたスプレーは、これから使うユーベルコードの為のものでもあったのだ。
「座標、セーットっ!!」
 ココロは、無機物……自らが作った3つの義体……『マイ・ボディ』、『ザ・イース』、『ホース・ボディ』を使うことで、彼の想像した武器に変換できる。
「脱出に必要だし、絶対に成功させてね!」
 それによって、託されたケイはクエーサービースト用決戦兵器「破壊力抜群の2対の大型ブラスター」を作り出す。
 そして、予めココロが探っていた【次元錨】の座標から外に出たケイは巨大なクエーサービーストを捉える。
 ほぼ同じタイミング、その【次元錨】からトルメンタが姿を現して。
「OverDrive――Exceed」
 トルメンタはすでに、ブレードを通して収束したエネルギーを出力全開にしている。
「輝け! 有りっ丈だ! もっとだ、もっと輝け!」
 そのブレードは長く、太く、膨大なエネルギーを発して。
「そして、宇宙の果てまで伸びろ!!」
 長く長く伸びたブレードは戦艦複数を軽々と切り裂けるほどの長さとなり、さらにクエーサービーストへと伸びていく。
 バイクで移動するケイも、自らの想像で作り出した大型ブラスターに照準を合わせ、【捨て身の一撃】で攻撃を放つ。
「こいつで……決まりだぜ!」
 連続して2対のブラスターを発射し、ケイは前方の『マインドミナBVA』へと高出力のビームをコントロールし、掃射していく。
「Aureole(オレオォォォォル)!!」
 トルメンタもまた、合わせるかのように叫ぶ。
「薙ぎ払え! 星ごと奴らをォ!!」
 その刃を一気に、敵目掛けて真横に薙ぎ払う。
 連続して貫いた巨大なビームと、真横に薙ぎ払われた刃。
 すると、周囲へと展開していた外殻が形を失って崩れていき、同時に、『マインドミナBVA』の巨体が大きな音を立てて崩壊を始める。
 やがて震動が止まっていき、完全に活動を停止したクエーサービーストは、宇宙に浮かぶ巨大なデブリとなり果てたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『マインドミナBVAの外殻を剥ぎ取ろう!』

POW   :    腕力と体力を活かして大量の外殻を剥ぎ取り、運搬する

SPD   :    巨大な外殻を器用に解体し、運搬効率を高める

WIZ   :    思念によって形を変える外殻の特性を利用し、変形させた外殻を運搬する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 小惑星規模のクエーサービースト、『マインドミナBVA』。
 それを討伐したことで、探索隊としてこの宙域へとやってきた宇宙船の乗組員達は歓喜の声を上げる。
 猟兵達がいなければ、一体どうなっていただろうか。
 下手すれば、最初の艦隊に襲われて宇宙船を爆破されていたかもしれないと、彼らは猟兵達へと感謝を示していた。

 ところで、討伐した『マインドミナBVA』の残骸は今なお宇宙空間を漂っている。
 もう動くことがないことは確認済みだが、皆が関心を示していたのは、黄金のような色をしたその外殻だ。
 先程の戦いで苦しめられた外殻。最初は艦隊へと姿を変え、本体との戦いでは敵は多数の兵器やドリルのような形態として猟兵達へと襲わせてきていた。
 どうやら、この外殻は手にした者の思念によって形を変え、ユーベルコードを伝達することができるようだ。
 ――これらを上手く剥ぎ取って、素材として持ち帰ることはできないだろうか。
 誰からかそんな提案が上がる。
 しかしながら、クエーサービーストの外殻は非常に巨大かつ強靭で、効率よく量を持ち帰るには一工夫必要だ。
 宇宙船でその残骸に近づいたはいいものの、どういう手段を講じるべきかと、猟兵達はしばし頭を悩ませるのである。

(※プレイング受付は、11月6日8時30分までの予定です。その後に受付分は間に合う分のみの対応となります。また、ヒーローズアース戦争開始に伴い、プレイングがその前に揃えば執筆を前倒しします。)
犬憑・転助(サポート)
エンパイア出身の呪いで人狼になった侍
「俺のユーベルコードは超嗅鼻、キナ臭さだって嗅ぎ分けるぜ」
超嗅覚で自身への攻撃や奇襲を察して回避、または敵の弱点(キナ臭い場所)を嗅ぎわける
自身の怪我は気にしない

探索系も超嗅覚頼り
頭脳労働は他の猟兵に任せ、自分は肉体労働系を率先する

苦労人ポジOK
ボケよりツッコミ役
時代劇ドラマの『三匹が斬る』に出てくる戦国のイメージ

アドリブ歓迎、ユーベルコードも自由に使って下さい
ただしエロは苦手でそういう系に遭遇時は硬派に振る舞う(侍なので)

自身が子供の頃、村から追い出されて1人でさすらう子供時代を経験しているので、最後の最後で情に厚く、最後まで見捨てたりできない性格です


八剱・忍(サポート)
明るく元気な関西弁女子。
マイペースでさばさばな暗殺者やで。
わりかし何でも首突っ込む方やわ。
人の生き死にには、ちょっと無頓着かもしれん。
生まれのせいやろか。
スキルやUCは臨機応変かつ積極的に使い分けてくわ。
行動のモットーは、虎穴に入らずんば虎子を得ず、や!
公序良俗はケースバイケースやな。
その辺は柔軟に大胆に対応してくで。

後はがっつりお任せで、アドリブ大歓迎やで!




 宇宙空間で巨大な骸を残すクエーサービースト『マインドミナBVA』。
 もはや、巨大なスペースデブリともなった敵はさすがにどうすることもできず、探索隊の人々も放置することになる。
 ただ、1点。あの多種多様に変化する金色にも見える外殻は放置するには惜しく、非常に魅力的な素材だ。
 どうやら、手にした者の思念によって形を変え、ユーベルコードを伝達することができるらしい。
 今後の研究材料として、そして、今後現れる可能性のあるクエーサービーストとの戦いに十分利用できる。
 そう判断した探索隊、及び猟兵達はこの外殻の回収へと当たるべく、残骸へと近づいていく。
 ただ、規模が規模な上、強靭な事もあって、いかにしてこれを回収するかが問題となっていた。

「なんや、楽しいことしとるやないか」
 眼鏡着用の黒髪関西系女子、八剱・忍(黒の囀り・f13028)がこの1件に首を突っ込んでくる。
「ようは、適当な大きさに砕いて、船に持って帰れりゃいいんだろ?」
 同じく、事情を聞いた長い白髪の人狼、犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)が探索隊の人々に確認をとる。
 袴の上から借りた宇宙服を纏う転助は宇宙空間に飛び出し、その巨大な影に迫る。
 ある程度接近していた宇宙船の操縦室から見れば、それはどこまでも続く壁を思わせるような状況だ。
「難しいことを考えずに肉体労働するだけなら、問題ねぇ」
 二刀一対の『白狼刀』を両手に握る転助は目の前の外殻目がけ、【剣刃一閃】で切りかかっていく。
 同じく、宇宙服を着用した忍。
 すでに目の前のクエーサービーストに意識がなく、危険はないことを確認して。
「ほんなら、大胆にいくで!」
 忍はユーベルコード【黒き斬瘴】で漆黒の瘴気を纏いながら、『デモン・サイズ』で外殻を切り裂いていく。
 しかし、ただ切って持ち帰るだけと思っていた2人だが、ある程度の加減は必要なようだった。
 破壊するという思念を抱いて攻撃に力を加えすぎれば、外殻が大きく破壊することもあり、利用できなくなる部分が発生していたのだ。
 とはいえ、これだけの大きさだ。多少破壊してしまっても、十分に利用できる部分が残る為、回収には全く問題はない。
「この辺りはいけそうだな」
 使えそうな部分を【見切り】、転助は再び『白狼刀』で切りかかっていく。
「どのみち手数が必要って言うなら、多少の割り切りは必要やな」
 忍も大きく『デモン・サイズ』を振るい、目につく部分から外殻を小さくしていく。
 あとは、宇宙船の乗組員に回収を頼む形だ。
 専用の小型機がある程度纏まった量を運び出してくれるので、非常にありがたい。
 2人はしばらく宇宙空間を動き回り、作業を進めるのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ケイ・エルビス
ココロちゃん&作戦に協力してくれる猟兵仲間と

外殻の剥ぎ取りはココロちゃんのUCに協力
「ヘルメット型思念増幅装置」で念じ素材を剥がし

ココロちゃんの作戦で「外殻から創造された輸送船」に
宇宙バイクで丈夫なワイヤーをロープワークで器用に早業で
手積みして持ち帰られるようにする

これだけあれば未知の素材を解析して
猟兵全体に役立つ利用法が見つかるかもな

ココロちゃんに輸送船の操縦席を
普段運び屋の仕事で操っている
自前の輸送機「アトラス」に似せて作ってもらい
指定された場所へ操縦、運搬するぜ

「まったく、こんな作戦を思いつくとは恐れ入ったよココロちゃん。
運び屋の仕事なら「DARK★STAR」にお任せだぜ♪」


ココロ・シントレイト
連携歓迎
うわーい!さっそく解析……え?施設のある所に持ち帰る?
うう分かった、運び屋DARK★STARらしく手早くやろう!

ではまず【指定UC】で剥ぎ取り問題を
人数分のヘルメット型『思念増幅装置』を呼び出すよ
これで離れろ~、って思えば自分から外れやすくなるはず!

ある程度集まってきたら、運搬方法だね
これはもう、素材自身に動いてもらう!
集めた外殻の一部を使って、大型輸送艦に変化想像するよ
一度変化したら特性がなくなる、なんて事にならないよう一部だけ――それでも相当な量のはず!
後は輸送艦に残りの素材を入れれば、かなりの量が運べるよ!

(ふと触れた外殻や残骸から無意識に【叡智の片鱗】で【情報収集】をするかも)


愛久山・清綱
手ごわい敵だったが、何とか倒すことができたな。
さて、残ったのはこの外殻だけだが……何に使うのだろう?
ふーむ、気になってきた。先ずは解体してみよう。
■行
【SPD】
刀による解体を試みる。

先ずはBVAの残骸を観察しながら「刀で斬れそうな箇所」を探し出す。
それらしい箇所を見つけたら力を込めた【剣刃一閃】で切り伏せ、
手に入れた外殻を【怪力】を用いて宇宙船へ運ぶ。
これを繰り返し、可能な限り沢山の外殻を集めよう。

時間があるなら、手に入れた外殻をじっくり観察してみよう。
まだ動いているのだろうか?

※アドリブ・連携歓迎


著莪・尚武
▼アドリブ・連携大歓迎

▼心情
何とかなった、皆さんの力のおかげだね
「ナー(あなたもその力の一端よ、もっと誇りなさい)」
ありがとうナーさん(黄色い炎を出しつつ)

▼行動
さてこれを持っていくには、縛るのが一番かな
《ブレイズ・チェーン・バインド》発動。
(黄色い焔で出来た鎖が伸びていき、残骸を纏めていく。見る見るうちに残骸が重なったものを縛っていった)
後は【怪力】を発揮して残骸を【運搬】しよう。
もし宇宙船に乗り切らないんならこのままチェーンで引っ張って帰るのもいいかな。

それにしてもユーベルコードを伝達する素材か。うまく加工できれば新しい武器が作れるかもね。何か考えてみようかな。


トルメンタ・アンゲルス
さて……倒したのはいいものの、どう運んだものですかねぇ。
大本が小惑星規模ですから、ちょっと運ぶという訳にも行きませんし……。

まあでも、ユーベルコードや思念に呼応するなら、やりようは如何様にもあります。
こんな不思議な物、持ち帰って検査もしたいですからねぇ。

そう。相手が金属、無機物ならば纏えばいい!
『Evolution union――Mode:Crossover』
この無限変化の外殻を、一時的に装甲と化します!
そうすれば、動きつつ運搬も出来ますからね!

さらに、投げはしませんが、その塊は捉えた!
Clutchで、浮遊する大きな破片を掴みます。
無重量のこの宇宙(そら)なら、推進力があれば運べますからねぇ!




 一方で、『マインドミナBVA』を撃破したメンバー達。
「手ごわい敵だったが、何とか倒すことができたな」
 ホッと息をつくのは、年不相応に大人びたキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)だ。
「何とかなった、皆さんの力のおかげだね」
 モノトーンの衣装を纏う灰色の髪をポニーテールとした少年、著莪・尚武(ブレイズ・アリス・ナイト・f23394)が無表情のままそう告げると。
「ナー(あなたもその力の一端よ、もっと誇りなさい)」
 彼に取りつく猫のオウガ、ナーさんが尚武へと言葉を返すとナーさんの炎の色が変わって。
「ありがとう、ナーさん」
 力の代償として、自らの感情をオウガに食べられている尚武。そのナーさんの炎は喜びを示す黄色に燃え上がっていた。

「さて……倒したのはいいものの、どう運んだものですかねぇ」
 銀髪オールバックにスポーツサングラスを着用したサイボーグ少女、トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)がクエーサービーストの残骸を見回す。
 巨大なスペースデブリとなったそれはもう、自分の意思で動くことはない。
「残ったのはこの外殻だが、何に使えるのだろう?」
 先程まで対応に頭を痛めたその黄金色の外殻に対して、清綱も強い興味を示す。
 クエーサービーストの生態などの研究を進めると、何かわかるのかもしれないが……、何せ大きさが規格外すぎる。
「大元が小惑星規模ですから、ちょっと運ぶという訳にも行きませんし……」
 トルメンタはすでに作業を開始しているサポートのメンバー達を見やる。
 彼らと同様に、外殻だけをある程度の大きさに分けて運ぶのが堅実的な案のようだ。
「うわーい! さっそく解析……え? 施設のある所に持ち帰る?」
 探索隊や他の猟兵達からの話を受け、金髪女性の義体を操るブラックタールのココロ・シントレイト(止まらぬイマジネーション・f22240)。
「うう、分かった。運び屋DARK★STARらしく手早くやろう!」
 ちょっとだけ悩んだ末に同意するココロだが、すぐさま案を提示すると、旅団『DARK★STAR』の団長であるフレンドリーなケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)が満面の笑みを浮かべてサムズアップするのである。


 各自、『マインドミナBVA』の外殻回収を始めるメンバー達。
「先ずは解体してみよう」
 試しにと清綱が刀を手に『マインドミナBVA』の残骸を観察する。
 彼は刀で切れそうな個所を見定めてから、【剣刃一閃】で刃を煌めかせていた。
「まあでも、ユーベルコードや思念に呼応するなら、やりようは如何様にもあります」
 トルメンタはそんな事前情報もあり、折角だからこんな不思議なモノ、持ち帰って検査もしたいと意欲を見せて。
「そう。相手が金属、無機物ならば纏えばいい!」
 トルメンタは自信ありげにユーベルコードを使う。
「Evolution union――Mode:Crossover」
 彼女の【Mode:Crossover】は無機物と合体して、自らの身長の2倍のロボに変形するというもの。
 少なくとも有機物ではないらしく、トルメンタの意志によってその無限変化の外殻は一時的な装甲と化す。
「そうすれば、動きつつ運搬も出来ますからね!」
 これは、トルメンタのアイディア勝ちといったところだろう。

 『DARK★STAR』の2人、ケイとココロ。
 まずは、ココロがユーベルコード【発明家、冥利に尽きる】でこの場の人数分、ヘルメット型思念増幅装置を呼び出す。
「これで離れろ~、って思えば、自分から外れやすくなるはず!」
 強く思うだけで、外殻がゆっくりと剥がれていく。
「へえ、うまくできるもんだな」
 ケイも面白そうにそれを見つめ、同じように協力して外殻剥がしに協力する。
 そして、それに協力する尚武はある程度外殻が集まったところで、塊を見回して。
「さて、これを持っていくには、縛るのが一番かな」
 彼はそこで、【焔鎖縛封(ブレイズ・チェーン・バインド)】を発動させて。
 黄色の焔でできた鎖が尚武から外殻へと伸びていき、彼は見る見るうちに残骸を縛っていったのだった。


 刀を振るっていた清綱も、途中からは外殻剥がしに興味を示す。
「ふむ、これで運べるでござるか」
 試しにやってみると、思ったより楽に剥がせることもあり、そちらへと協力することに。
 ある程度一杯になったところで、清綱は【怪力】を活かしてその外殻を持ち運ぼうとする。
 トルメンタも大きな外殻の塊を見つけて。
「その塊は捉えた!」
 それだけでも戦艦並みの大きさがある塊だが、彼女はユーベルコード【Clutch(クラッチ)】を使って掴んでしまう。
「無重力のこの宇宙(そら)なら、推進力があれば運べますからねぇ!」
 巨大な物体をゆっくりと動かしていくトルメンタ。
 他メンバーが回収する分もある。宇宙船付近まで運べば、探索隊がうまく処理してくれるだろう。
 尚武もまた【怪力】を活かして、残骸を【運搬】しようとする。
「宇宙船に乗り切らないんなら、このままチェーンで引っ張って帰るのもいいかな」
 人々の暮らす巨大宇宙船まで運べば、解析も進むことだろう。

 そこで、ココロが大胆な運搬方法を提案していて。
「これはもう、素材自身に動いてもらう!」
 なんと、彼女は外殻の一部を大型輸送艦に変化想像してみせたのだ。
 外殻で艦隊を作ることができるのなら、ユーベルコードを使う要領で変化させられたのであれば、問題なく運べるはずだ。
「一度変化したら特性がなくなる、なんて事にならないよう一部だけ」
 まだ、解析が進んでいないこともあり、外殻の特性も考慮してごく一部だけ変化させる。
「それでも、相当な量のはず!」
 あとはその輸送艦を使って残りの素材を入れれば、かなりの量が運べる。
 ケイは丈夫なワイヤーを使い、【ロープワーク】を活かしてその輸送船へと器用に【早業】で積み込んでいく。
「これだけあれば、未知の素材を解析して猟兵全体に役立つ利用法が見つかるかもな」
 なお、輸送船はケイが普段運び屋として仕事で操っている自前の『輸送機「アトラス」』に似せてもらい、ケイが操縦して運ぶ。
「まったく、こんな作戦を思いつくとは恐れ入ったよ、ココロちゃん」
 ――運び屋の仕事なら、「DARK★STAR」にお任せだぜ♪
 ケイはしっかりと、自旅団のアピールも忘れない。
 笑顔を浮かべるココロは外殻の一部を操縦室へと運び込み、無意識に『叡智の片鱗』で触れ、【情報収集】。
 残念ながら、『マインドミナBVA』が意思疎通できなかったように、何も情報は得られなかったが、今後何か教えてくれることがあるだろうか。
 清綱も船内に便乗させてもらい、外殻をじっくりと観察する。
「さすがに動いてはおらぬが……」
 希望があれば、輸送船にもなる外殻だ。
 清綱が何か思い描けば、その姿をとってくれるかもしれない。
「うまく加工できれば、新しい武器が作れるかもね」
 尚武もまた、自分が作りたいものをあれこれと脳内で想像を巡らすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月07日


挿絵イラスト