未踏宙域探索戦〜全てを塗り替える物〜
ワープドライブの稼働により、スペースシップワールドの人々はかつての「銀河帝国」と同範囲……すなわち、宇宙史上最大の範囲までの探索に改めて成功した。
その結果分かったのは、やはり人が降り立つことの出来る星はもうどこにもない、というスペースシップワールドの住民にとってはすでに周知の事実だった。
しかし戦争を経て入手した銀河帝国の遺産を紐解いていく中である書類が出土した。
その名称は「未踏宙域における調査報告書」。
そこに記載されていた宙域に関する照会はすぐに行われ、それらが未だに人の手が入っていない謎の宙域であることが確認された。
ではなぜその地は「謎の宙域」であり続けたのか? その理由は同じ書類の中に記されていた。
『クエーサービースト』。
一体一体が小惑星にも匹敵する巨躯を持ち、かつて最先端をいき最強を誇っていた帝国軍の調査部隊を完膚なきまでに破壊した超巨大宇宙生物群。
銀河帝国はその排除に失敗し、該当する宙域への調査を凍結した。ひょっとしたら凍結は名ばかりで秘密裏にその脅威への対抗策を開発していたのかもしれないが、完成または実戦投入を前に滅亡してしまったと考えられている。
ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は右手に握っていた紙束で左手を叩くと説明を聞いていた猟兵達に向き直った。
「重ね重ね言いますが、居住可能惑星の可能性がある場所はもう、この『未踏宙域』しかありません。皆様には引き続き未踏宙域への調査に名乗りを挙げた勇敢な船乗り達に同乗し、探索に乗り出していただきます」
現在進行形で続けられている書類の解析により、多くの調査隊が出くわしている「キエリビウムJOX」以外のクエーサービーストの存在が新しく1体判明した。
その名称は「マインドミナBVA」。
無限に変化する外殻であらゆる攻撃を吸収し、帝国軍に多大の被害を与えた個体……らしい。
「レーザーを放ったところ、受けた部分の外殻が変形して特大の砲になり、自軍が放った物よりも太いレーザーを発してきた、なんて記述もありました。キエリビウムJOXとは別の意味で難敵なのは間違いないでしょう」
そして今回も、恐らく未踏宙域でクエーサービーストの餌食となった帝国軍の機体と見られるオブリビオンが周回していることが確認されている。
その機体について照会をしてみた所、帝国軍に配備されていた歴史研究家の一部で過去の居住可能惑星破壊に関わった疑惑が囁かれている砲撃用機種だったことが明らかとなっている。
しかしクエーサービーストの存在を知った銀河帝国が元の機体から一切の改造をせずにそれを突入されたとは考えにくい……とルウは語った。
「恐らく我々が突入すれば、所属不明の敵軍としてこちら側に攻撃を仕掛けてくることが予想されます。ただ、銀河帝国を滅ぼした皆様にはそこまでの敵ではないでしょう。問題はむしろマインドミナBVAの方です」
銀河帝国はその外殻を破壊する武器の開発に勤しんでいたようだが……ルウの説明から想像出来る通り芳しい成果は出なかったようだ。
「キエリビウムJOXとの戦闘記録から顧みるに、現状の宇宙船の装備でマインドミナBVAを蹴散らすことも間違いなく不可能でしょう。ですがいつまでも猟兵におんぶにだっこではいけないと思うんです」
そう不意にルウは呟くとマインドミナBVAの絵姿の外殻部分を指し棒で叩いた。
「今回の探索でマインドミナBVAと接敵してしまった時にはその外殻をはぎ取ってきて下さい。どのような構造で攻撃を放ったり受け流したりしているのかが分かれば他のクエーサービーストにも転用できる攻撃の手段が得られるかもしれません。というわけで……どうかよろしくお願いいたします」
平岡祐樹
皆様お疲れ様です、平岡祐樹です。
今回は銀河帝国に土をつけていた存在「クエーサービースト」の第二陣「マインドミナBVA」との対決に、皆様には挑んでいただきます。
強力な敵には強力な武器をぶつけるしかないだろう!
宇宙船が単独でもクエーサービーストに対処できるよう、猟兵の皆様の力をお貸しください!
第1章 集団戦
『大型標的砲撃用銀河帝国製ウォーマシン』
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POW : 極大エネルギーチャージキャノン「ホウセンカ」
【数と充填時間次第で惑星すら破壊可能な大砲】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【一秒の充填時間で消滅に必要十分以上な出力】で攻撃する。
SPD : 報復の砲華
レベル分の1秒で【対象の攻撃を剣で凌ぎ反撃の「ホウセンカ」】を発射できる。
WIZ : その真紅に触れてはいけない
自身に【装備された背中の頑丈な放熱板に超高温】をまとい、高速移動と【すれ違いざまの溶断、追撃の「ホウセンカ」】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:エンシロウ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クエータービーストが出現したデータがある宙域に入り、モニターを見つめる船員の視線が自然と険しい物になる。
そんな中、モニターに複数の赤い点が写り、謎の通信が入った。
「所属を名乗れ、ここから先は我々帝国の支配下であるぞ」
船長は船員からの視線を一手に集めながら通信機を取った。
「こちら解放軍所属『ペンデュラム』。未だ帝国の管理下ではない宙域の確保に参った!」
音が響かぬ宇宙で、戦いのゴングが鳴らされた。
紫谷・康行
調べるためにはまずは安全を確保しないといけないだろうね
船を守りながら戦う事にしよう
武器が強いほどそれは弱点になる
強い力とはそう言うもの
自らの武器が自らを傷つける
足下を掬われないようにしないとね
船の近くに位置取り
射貫く声の黒雲ズカードを呼びだし戦わせる
ゆらゆらと宙を漂わせ
近づいてきた敵を迎え撃つ
敵が近づいてくるなら狙いやすくなるだろう
片側の放熱板を狙って水を撃ち急激な熱変化を与えて出力のバランスを狂わせ
敵の軌道を逸らそうとし
あわよくば放熱板の破壊を狙う
すれ違いざまにホウセンカを狙い雷を落とし
溜まっているエネルギーごと武器を破壊する事で敵を無力化するとともに
そのエネルギーで敵を倒そうとする
「……足下を掬われないようにしないとね」
猟兵がついていることで気が大きくなっているのか、ペンデュラムからの勇ましい宣戦布告に苦笑した紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)は猛然と襲いかかってくる赤いロボット兵に視線を移し、胡桃製の杖を両手に構えて目を閉じた。
『ヤーザの海に漂い怒りと悲しみを司る射貫く声を持つ黒き雲ズカードよ。我が呼びかけに答えその心を解き放ち敵を討て。』
詠唱に応じるようにペンデュラムの周りを黒色の雲が取り囲む。
しかしゆらゆらと宙を漂う雲は白いペンデュラムの外装から離れていくと元々黒い宇宙に紛れて視認できなくなってしまった。
だからであろうか、ロボット兵は翼に見える放熱板を赤く発光しながら警戒せずにブースターの出力を強めた。
「エネルギー100%充填完了、ホウセンカ発射可能です」
ロボット兵は返事が返ってくることがない報告をしながらペンデュラムやその後ろにいる船へ放熱板を向ける。
しかしその放熱板はペンデュラムの手前で黒い雲に包まれた。
雲から放たれた冷たい水の槍が放熱板を冷やす。
温度が下がったのを受け、ロボット兵の内部回路が放熱板に再び熱をかけるが、急激な熱変化によって脆くなっていた放熱板は宇宙船の外壁に当たった衝撃で、溶断する前に折れた。
ロボット兵によっては溶断するには温度が足りないと判断したのか、急旋回して水を浴びてない方の放熱板を当てようとする物がいた。
しかし露骨な急旋回により生じた隙を宇宙船の船員達が逃すわけがなく、再び接近する前にレーザー砲の餌食となる。
そんな接近戦を挑んで討ち取られる同胞の姿を見てようやく異変に気付いたのか、生き残ったロボット兵達が大砲を構える。
しかし黒い雲が放てるのは水だけでは無かった。
「武器が強いほどそれは弱点になる、強い力とはそう言うもの。自らの武器が自らを傷つける」
黒い雲から放たれた雷が大砲に向けて落とされる。
星を壊せるだけの破壊力を出せるだけのエネルギーを溜めれる大砲が雷程度のエネルギーでオーバーフローをしなかったが、それを扱うロボット兵のAIや回路までそのエネルギーに耐えれるように設計されていなかったらしく、躊躇なく放たれた光線の軌跡は自分の味方や見当外れな方向へと注がれた。
成功
🔵🔵🔴
ヘスティア・イクテュス
新型クェーサービースト!
変化する外殻!
まさに新素材ね!宇宙海賊としてこのチャンスは逃せないわ!
この素材を手に入れるためにもえぇ、銀河帝国倒させてもらうわよ!
星を破壊した機体のオブリビオンならこの世界の人間として
えぇ、当然存在を許すことはできないしね…
スモークミサイルを発射煙で視界を覆ったら【目つぶし】
ダミーバルーンを展開と同時に光学【迷彩】で姿を…
ついでにアベルで【ハッキング】でティターニアの熱反応を消させてもらうわ!
ダミーのわたしに撃って気を取られてる隙に背後へ
マイクロミサイルにミスティルテインの【一斉発射】で決めるわよ!
「新型クェーサービースト! 変化する外殻! まさに新素材ね! 宇宙海賊としてこのチャンスは逃せないわ!」
まだ見ぬ素材に目を輝かせるヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)操るソードフィッシュ号にも当然ながらロボット兵は迫ってくる。
「星を破壊した機体のオブリビオンならこの世界の人間として。えぇ、当然存在を許すことはできないしね……素材を手に入れるためにも! 銀河帝国倒させてもらうわよ!」
隠しきれなかった本音が漏れる中、ティターニアを背負いながらヘスティアはミサイルの発射ボタンを押した。
隠されていた砲門が一斉に開き、次々とロボット兵に向けてミサイルが放たれる。
ミサイルの存在に気付いたロボット兵はその場で突進をやめ、背負っていた剣を抜きそれらを切り捨てた。
爆発と同時にばら撒かれる煙幕でロボット兵の視界は遮られるが、ロボット兵はそんな物は関係ないと言わんばかりにレーザーを次々と放つ。
レーザーを受けたソードフィッシュ号の防壁が白い光に包まれる中、出撃したヘスティアは光学迷彩機能を起動させ、宇宙の中に溶け込む。
「追加の敵対対象を発見。迎撃する」
しかしヘスティアの姿を目敏く見つけたロボット兵からの報告に、周囲にいた別のロボット兵達の注目も集まる。
姿を見つかられたことに気付いてないのか悠然と突っ込んでくるヘスティアにロボット兵達は星をも砕く大砲を躊躇なく放つ。
多方向から放たれるレーザーを避けれる訳がなく、ヘスティアの体は塵一つ残さずに蒸発した。
「……残念でした」
そんなロボット兵の後ろでヘスティアはほくそ笑んでいた。
アベルによるハッキングにより、ティターニアから発せられる熱を探知しないように、かつ全く熱を発していないダミーバルーンに高温を探知するように改竄されたとは微塵とも思っていないロボット兵に向けて、ティターニアの砲門を開き、ミスティルテインのレティクルを覗き込む。
「最期に手柄を上げられて良かったわね。それじゃ、壊れてもらうわ」
ティターニアからの信号と併せてソードフィッシュ号からもミサイルが放たれる。
前後からのマイクロミサイルとレーザーの共演にロボット兵達は抵抗むなしく撃ち抜かれ、機能を停止していった。
成功
🔵🔵🔴
政木・朱鞠
SPDで行動
帝国の名のもとに敵対する者を屠って通せんぼしてきたのかもしれないけど…こちらは新たな未踏宙域の開拓が第一で帝国と事を構える気はないんだよね…。
それでも貴方達が私達と利害の一致を探る話し合いの場も設けずに仕掛けるのなら…こちらも推して参るしか道はないってことだよね。
足掻きを受けるお覚悟はイイかな?
手に負えるか判らないけど、一人ずつ確実に仕留めて行く戦法で行こうかな『咎力封じ』を使用して動きを阻害して攻撃していきたいね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い、ターゲットの体に鎖を絡めつつ【傷口をえぐる】で絞め潰すダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
「帝国の名のもとに敵対する者を屠って通せんぼしてきたのかもしれないけど……こちらは新たな未踏宙域の開拓が第一で貴方達と事を構える気はないんだよね……」
ペンデュラムの外に出た政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は両手で蔓薔薇の様にランダムにスパイクが付いた拷問用の鎖を伸ばしながらボヤいた。
「それでも貴方達が私達と利害の一致を探る話し合いの場も設けずに仕掛けるのなら…こちらも推して参るしか道はないってことだよね。足掻きを受けるお覚悟はイイかな?」
そして外壁を蹴り出し、宇宙空間へと飛び出した。
ペンデュラムの周りに纏わりついている黒雲を嫌ったのか、ロボット兵達は大砲による遠距離攻撃を仕掛ける中、朱鞠の投じた荊野鎖が大砲に巻きつく。
思いっ切り引っ張られたことにより体勢を崩されたロボット兵はすぐに大砲を支えていた左手を離し、巻き付いた鎖を斬り飛ばすために剣を取り出そうと後ろに回す。
しかしその時には朱鞠はロボット兵の頭に飛び付き、頭部に搭載されているセンサーを隠すように布を巻き付けていた。
視界を奪う布を取ろうと頭部に移動してきた左手に枷を取り付け、さらに自由に動かせないように鎖を叩きつけて破壊する。
そして背中にある剣を引き抜いて放り投げれば、全ての攻撃手段を封じられた哀れなロボット兵の出来上がりである。
朱鞠は鎖を引っ張って砲門の向きを上に回しながらロボット兵の首に鎖を巻きつけ、一気に締め上げる。
センサーを搭載した頭部と武器を搭載した胴体部の繋ぎ目が継続攻撃によって少しずつ開いていく中、ロボット兵からのSOS信号を受信した別のロボット兵が斬りかかってきた。
頭部と胴体部が外れ、支えを失った朱鞠はそのまま倒れ込みながらロボット兵の剣筋を避けて跳び退く。
バラバラにされた頭部をさらに真っ二つにしてしまったことに動揺も怒りも抱かないように設定されたロボット兵は、真横で起こる爆発を無視して朱鞠にもう一度襲いかかる。
「放っておけば流されるだけだったのに……そこら辺、帝国の科学者様は爪が甘かったね!」
朱鞠は出されてきた剣に鎖を巻きつけることで跳んだ勢いで流れる自分の体を引き止めると、それを起点にしてロボット兵に殴りかかった。
苦戦
🔵🔴🔴
戦犯・ぷれみ(サポート)
狂ったバーチャルキャラクターです。会話が通じません。
だいたい理不尽に現れ、理不尽にキレ散らかし、理不尽に去っていきます。
UCによる【精神攻撃】以上の戦闘行為にはあまり興味がなく、攻撃を受けた場合、どこからともなく取り出した「がらくた」による自衛と反撃を行います。
冒険においては、【鍵開け】【失せ物探し】【封印を解く】などで妙なものを拾ってくることがあります。「がらくた」とされるものに特に惹かれる傾向があるようです。
面白そうなら上記以外のアドリブ行動も平然と行います。
日常も大歓迎。
画像通りの容姿です。人型の着ぐるみが動いているようなかたちです。
表情は、お面のような笑顔のまま絶対に変化しません。
徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写していただけるとありがたいです。ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的な特徴として「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
よく使う武器は「大天狗正宗」「千子村正権現」「鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!
「いよっしゃー! やったるぞーなの!」
銀河に突如として現れた戦犯・ぷれみ(バーチャルキャラクターの屑・f18654)の手にはゲーム機のコントローラーが握られていた。
「ようこそぷれこーらすへ! あなたも踊りましょこの承認経済の煉獄で! 今日は、ここ宇宙空間で帝国製ウォーマシンをバンバン狩っていくの!」
動画を撮影しているのか、そのような前口上を言ったぷれみはどこか古いゲームで見覚えのあるレーザーユニットっぽい物を展開させた。
『見とれやなの――!!!』
威勢よくぷれみがコントローラーを操作し始めると、レーザーユニットから矢継ぎ早に光線が放たれる。
しかしその光線はロボット兵に全く当たらず、明後日の方向に消えていった。
「うがー! 避けるんじゃないの!」
ちなみにロボット兵、この間一歩も動いていない。
知能とネットへの造詣がある者であれば「クソエイム乙www」と判断し、適当にあしらっていただろう。
しかし戦い方のみをプログラミングされていたロボット兵は、確実にぷれみを消し去ろうとホウセンカのエネルギーを最大値まで充填しながら前屈みになる。
その背後に赤髪の侍が刀を抜いて忍び寄っていることに全く気づかないまま。
「油断は禁物、ですよ」
徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)の斬撃により、ロボット兵の背中にある翼を模した放熱板が破壊される。
その衝撃で体勢を崩されたロボット兵はすぐに振り返り、ぷれみのために用意していたホウセンカを放つ。
至近距離で放たれた、惑星一つを消し飛ばす威力のレーザーを家光は目を見開いてとっさに避けると、後方に浮かんでいたロボット兵の欠片がレーザーによって塵となって消えた。
「あ、ぷれみの獲物を横取りするななの!」
遠くでぷれみが何やら喚いているが、家光は気にせず、刀の様子をチラリと見る。
「あまり無茶はしたくないんですが……ね」
高温に熱せられていた放熱板に当たったせいか、そもそもの装甲が硬かったのか、一撃当てただけでボロボロに刃こぼれを起こしていた刀を鞘の中に戻した家光は両腕をだらりと下げる。
隙だらけになった家光に向けて、大量の光線をバックにロボット兵はホウセンカを目一杯に充填させる。
本来ならば細かく充填しては放つを繰り返すはずだったが、家光が何のアクションも起こしてこないことによって全力で叩き潰そうという余裕が生まれたのだろう。
『身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ』
そうして放たれたロボット兵最強の一撃を全身で受け止めた家光は消えることなく光線と砲身の切れ間から飛び出し、すぐさま籠手をつけた左手から凄まじい威力の拳をロボット兵に叩き込んだ。
刀をボロボロにさせるほどの硬度があった装甲はまるで紙のように貫かれ、背面に籠手をつけた家光の左手が現れた。
家光はすぐに左手を引き抜くと動きを止めたロボット兵を爆発する前に蹴飛ばし、自身も後ろへ引いた。
そんな様子を遠くから見ていたぷれみは笑顔のままわなわなと震えていた。
「ふ・ざ・け・る・な・なのー!」
怒りと共に投げ捨てられたコントローラーは無重力を振り切って豪速球で飛んで行き、完全にぷれみから興味を失って家光の方だけを向いていたロボット兵の頭部に突き刺さった。
「あ、まずは一体目なの! ボウズは避けられたの!」
完全なるラッキーパンチ、偶然の産物ではあったがぷれみは大袈裟にガッツポーズをした。
そして気を良くして次の標的を狙おうとコントローラーを動かそうとして、さっき投げてしまってもう無いことに気づいて固まるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ハロ・シエラ
なるほど、かなりの威力ですね。
かすっただけでも消し飛びそうですが……やってみましょう。
向こうが宇宙を自在に高速移動するのなら、私も同じ土俵に立たなければ始まりません。
ユーベルコードと【空中戦】の心得でドッグファイトと行きましょう。
まずは距離を取ると見せかけ、攻撃を凌いでから【だまし討ち】します。
敵が高速移動で接近してきたら、こちらも急旋回してあえて敵とすれ違い、放熱板を回避して背中に鎌による【カウンター】を狙いましょう。
可能であれば【鎧無視攻撃】と行きたい所です。
電気の【属性攻撃】も効きそうなイメージはあります。
高速戦闘になるでしょうから細かくは【第六感】に任せて動く事になるでしょうね。
「なるほど、かなりの威力ですね」
次々と仲間だった物を消し飛ばすレーザーの軌跡を眺めていたハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は気を引き締め直していた。
「かすっただけでも消し飛びそうですが……やってみましょう。『封印を解きます……この剣は、痛いですよ!』」
すると着ていた黒い軍服が一瞬で赤い軽鎧へと変わり、短剣は両手じゃないと振るえないほど巨大な鎌へと変貌する。
そして最後に背中から蝙蝠の物とも龍の物とも思わせる巨大な黒い翼が生えた。
「さぁ、ドッグファイトと参りましょう!」
鎌を勇しく振り回してからハロは急激にロボット兵の砲塔が向いてない方へと飛び出した。
その動きを見たフリーだったロボット兵達はレーザーを放射し始めた。
激しいレーザーの嵐をひらひらと避けていると背中の放熱板を真っ赤にした別のロボット兵が高速で接近してきた。
ハロはあえて急旋回してロボット兵とすれ違い、背中に大鎌を叩きつけた。
避けられた放熱板が支えを失って浮かび上がる中、装甲に深々と刺さった鎌の刃にハロは電撃を流し込んだ。
するとロボット兵は激しく痙攣し、ドロドロと黒ずみながら溶けていった。
「爆発せずに、溶け、た?」
未だに飛んでくるレーザーを避けるために翼を動かしながら今までのロボット兵と違う挙動に眉をひそめる。
しかしそんな心情は無視して次々と襲いかかってくるロボット兵を対処するべく気を入れ直した。
放熱板だけでは対処出来ないと判断したのか、次のロボット兵は高速で移動しながらもレーザーを乱射してくる。
さすがにすぐに激しい弾幕の中を縫って接近することは出来ないのか、ハロは何度もロボット兵の上を取ろうと高度を上げてはレーザーに邪魔されながら後ろにつく、という動作を繰り返す。
ロボット兵も後ろを取られたくないため高度を上げて後ろに着き直すが、その行為を何度も続けているとだんだんと動きが鈍くなってきた。
燃料が切れたのか、ブースター部分が故障したかは不明だが、隙を見せてしまったロボット兵に向けて何度目かの上を取ったハロは急降下をかけてロボット兵の背中を貫き切った。
今度は大爆発を起こしたロボット兵の様子を見て、ハロの脳裏に嫌な予感がよぎった。
「おかしい。……まさか……同じ見た目のオブリビオンが2体いる?」
大成功
🔵🔵🔵
トレーズ・ヘマタイト
※アドリブ自由
残りを片付け、後顧の憂いを断つとしよう
魔導鎧ヌフに飛行ユニットサンク・火砲シス・機械腕ユイットを取り付けて出撃
後方支援装備のドゥーズに多弾頭ミサイルや煙幕弾での●援護射撃とジャミングをさせ、自分が敵に接近する●時間稼ぎとする
敵の砲撃はUC緋晶炎霧での残像で的を絞らせず、かすめても●盾受けや●オーラ防御で損傷を防ぐ
敵に近寄れれば、シスによる●鎧砕きの砲撃や、黒剣と白剣で組み上げた大剣で酸●属性攻撃を●怪力任せに叩きつける
逃げる敵はユイットの圧縮空気砲で緋晶の霧を浴びせる、敵の高エネルギーを引き金に燃やすか爆発するだろう
戦闘後はドゥーズに残骸回収させる、何か使えるかもしれんからな
以上
「残りを片付け、後顧の憂いを断つとしよう」
徐々に優勢に傾いてきた状況を顧みつつ、トレーズ・ヘマタイト(骸喰らい・f05071)は後方に控えるドゥーズに指示を出した。
「さて、『無差別攻撃になるが、手段を選ぶ余裕はないな、緋色の霧に蝕まれ、悉く灰と化せ』」
3つの追加ユニットが装着された魔導鎧から赤い気体が漏れ始める。
その間にもドゥーズは多弾頭ミサイルや煙幕弾をロボット兵達に浴びせ、エネルギーの充填量や視界の妨害を着々としていた。
「ドゥーズ、十分だ。次の任務に移れ」
煙幕に紛れてロボット兵のすぐそばにまで接近していたトレーズが振り上げた大剣がロボット兵の体を深々と抉る。
抉られた部分に大剣から溢れ出す酸が体内に侵入していき、基板についていた回路が溶かされていくとロボット兵は活動を停止した。
そこで初めてトレーズの姿に気づき、高速移動を可能にするブースターの出力を上げようとしても、火砲シスから放たれる砲弾を避けるだけの距離や時間は稼げない。
頭に巨大な砲弾を喰らいながらも放たれた意地の一撃が赤い霧によって作られた残像を消し飛ばす。
しかし次の充填が終わる前にトレーズの大剣が振るわれ、二撃目は許さなかった。
ならばすぐに接近されないようにしてからレーザーを放とうと別のロボット兵は距離を取ることを選択したが、その背中に向けて機械腕ユイットに内蔵された空気砲から圧縮された赤い霧が放たれる。
赤い霧はブースターから発せられる熱に反応すると大爆発を起こし、爆心地に居させられたロボット兵の体を熱で溶かした。
「さぁ、まだまだ余裕はあるぞ。どんどんかかってこい」
トレーズが挑発する裏で、ノーマークとなったドゥーズは爆発せずに黒ずんでいくロボット兵の体を回収しようと手を伸ばした。
しかしロボット兵の体はドゥーズが触れた場所から崩れ始め、あっという間に塵と化していく。
ドゥーズはとっさに崩れていくロボット兵のある空間に広げた袋を通過させてすぐに封を閉じたが、それで肝心のサンプルを取れたかどうかは非常に微妙だった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『クエーサービースト・マインドミナBVA』
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POW : BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD : BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:はるまき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
繰り広げられていた戦闘で生き残っていたロボット兵の体が突如としてグジュグジュと溶け出し、赤かった色が黒く濁っていく。
何が起きたのか分からず、猟兵の1人が恐る恐る触れてみると、ロボット兵だった物体は触った場所からさらに崩れていった。
どうしてこうなっているのかは不明だが、とにかくロボット兵が動きを止めたことが分かる中、ペンデュラムから悲鳴のような通信が入った。
「140°の方向から巨大な物体が接き……」
その直後レーダーに探知された物体の報告をしようとした船員が顔を上げて言葉を失う。
レーダーに頼らずともペンデュラムの窓越しに見えたその物体は金と黒、さらには緑色の外壁で青色に見える星の半分を覆い隠しながら僅かに見える部分に灰色の棘を突き刺し、星の自転に沿ってクルクルと回っていた。
「星を……食っている……!?」
大気越しにでも分かる星全体に走る巨大な地割れと、棘越しに星から何かを吸い出している様子に船員の1人が慄く。
その姿を見た船長は冷や汗を流しながら舌打ちをした。
「あれが、『マインドミナBVA』か!」
その声が聞こえたのか、猟兵達とロボット兵の戦いに反応したのか、星を覆い隠していた金色と緑色の外壁が動き出し、巨大なドリル状の棘がいくつも生えてくる。
さらに黒色の外壁からは次々と先程まで戦っていたロボット兵の姿が浮かび上がり、全身が形作られると同時に分離してマインドミナBVAの周りに展開し始める。
そこで初めて猟兵と船員達はさっきまで戦っていたロボット兵の一部が「オブリビオンではない別の存在」だったことに気づいた。
生えてきたドリル状の棘1本が猟兵達どころか宇宙船を遥かに超える大きさを誇るクエーサービーストとその周りを囲む大量のロボット兵を前に猟兵達は息を飲んだ。
ハロ・シエラ
なるほど、さっきのはこれの一部だった訳ですか。
それにしても大きいですね……敵と言うより地面です。
どうやったらこんな物を倒せるのか疑問ですが……外殻を剥ぐくらいはできるでしょうか。
とりあえず敵の外殻が変形して防御力が下がればやりやすいでしょう。
そのタイミングを見てユーベルコードを使って外殻に斜めにレイピアを突き刺し、円を描くように動いて抉り抜き【早業】で剥がします。
【第六感】に頼り、攻撃を回避したり【見切り】ながら行う必要はありますね。
外殻を剥がせたら周りの外殻が変化する前に【鎧無視攻撃】を行います。
【毒使い】でダガーの毒を注入すれば少しは何とかなるかも知れませんから。
「なるほど、さっきのはこれの一部だった訳ですか」
目の前で爆発せずに崩れ落ちたロボット兵に納得したハロは腰にさしていたレイピアを抜き払った。
「それにしても大きいですね……敵と言うより地面です。どうやったらこんな物を倒せるのか疑問ですが……外殻を剥ぐくらいはできるでしょうか」
そんなことを呟きながら突進をしかけたハロに向けてマインドミナBVAのドリルのような形になった外殻が回り始める。
伸ばされながら捻られることで耐久性は落ちたものの、攻撃力は上がった外殻からの攻撃にハロはまるで曲芸をするかのように宇宙空間を滑空する。
第六感に頼りつつも、的確に見切りながら機が熟すのを待っていたハロは、ドリルとドリルの間に生じた僅かな隙間を見逃さなかった。
隙間に滑り込んだハロはマインドミナBVAの体に対して鋭角を保ちながら、レイピアの切っ先をドリルを動かすために柔らかくなっていた外殻に突き刺す。
そして円を描くように外殻に沿って刃を走らせると刃が通った痕からマインドミナBVAの赤い肉が見えた。
しかしその傷は表に出ても、刃が離れる同時に逆再生をするかのごとく塞がっていってしまう。
「流石に生かしたまま外殻を剥ぎ取ろうというのは、虫が良すぎましたか……!」
柔らかさを維持しながらも、敵対勢力からの攻撃を防ごうとする代謝の良さにハロは思わず歯軋りする。
だからといってテコの原理で傷口を広げようとしても、完全にひっくり返す前にドリルの群れが襲いかかってきてしまう。
「なら、せめてこれだけは味わってもらいましょうか!」
僅かに開いた隙間にハロは毒を刃に塗ったダガーを放り込む。
その直後にやってきたドリルから逃げるために刃を抜くと、つっかえが無くなった傷はダガーを飲み込みながら塞がっていく。
「代謝が良いのであれば、その毒もすぐに回るでしょう?」
あまりにも大きすぎる体には人間の体では致死量になる毒も僅かな物になってしまうだろう。だが何も出来ないまま終わるよりかははるかにマシだった。
苦戦
🔵🔴🔴
紫谷・康行
風は吹く
宇宙であろうと密度ある粒子の流れは作れる
魔法により呼びだした風だけどね
外郭を剥がすには切り取るのがいいだろう
まずは弱い風を当て相手の弱いところを探すとともに相手が風を再現するリズムを探る
なんとなくわかったら強さを変化させてリズムと角度を付けて風を送り
相手が風を再現するタイミングで巻き込むように最大魔力の風を巻き込むように起こし
相手の起こした風を利用して相手のそばに竜巻を作ろうとする
「向こうから風を吹かせてくれるなら上手く使わない手はないだろう
力を合わせれば2倍にはなるだろうからね
竜巻を起こす場所さえ間違わなければ
是非仲良くしたいものだね」
世界の果てから宇宙の果てへ
風のように渡って行こう
マインドミナBVAの姿を船員同様にペンデュラムの中から視認した紫谷は杖を構えると静かに詠唱を始めた。
『星空も見えぬ世界の果て、辿り着くこと叶わぬイーゴーに吹く無慈悲な風よ。全ての因果を絶つ決別の刃よ。我が言葉に導かれ今ここに吹け』
空気のない宇宙空間であろうと魔法の力さえ使えば密度ある粒子の流れを作り、擬似的な風を形成することは容易である。
そうして作り上げた風を、まずは相手の弱い部分を探すとともに相手が敵の攻撃を再現するリズムを探るために非常に弱い勢力の時点で当ててみる。
すると風が当たった外殻から同じくらいの風が発生し始めた。
「なるほどね。当たりの強さではなく反射的に同じ物を繰り返す感じか。……向こうから風を吹かせてくれるなら上手く使わない手はないだろう」
弱い部分の判別はつかなかったもののなんとなく相手の動向がわかった紫谷は風の強さを変化させつつ、今度はリズムと角度も付けて再び送る。
この動作を何回も繰り返している内に、マインドミナBVAの外殻の周りには強弱様々な風が吹き渡り始めた。
「さて、そろそろかな」
十分に風が行き渡ったところで紫谷は自身が放てる最大魔力の風を起こす。
起こされた強風はすでに外殻から放たれる風を巻き込み、巨大な竜巻に発展していった。
「力を合わせれば2倍にはなるだろうからね。竜巻を起こす場所さえ間違わなければ是非仲良くしたいものだね」
突然巻き起こった竜巻に反応してあちらこちらから竜巻が起き始める。
そして周りにある物を引き込もうとする風の力によって外殻が揺さぶられ、徐々に浮かび上がる。
「それじゃあ、トドメといきますか」
そうして改めて紡がれた風の刃は竜巻の引力に引っ張られて繋がりが薄くなった外殻を切り飛ばした。
そうして離された外殻は竜巻の中に消えると、同様に剥がされた別の外殻とぶつかり合い削れていった。
マインドミナBVAは意図的なのか反射的なのかは不明だが、剥がされた外殻の周りにある他の外殻を引き伸ばし、傷を埋めようとする。
しかしそうして広がってしまったことにより竜巻の引力を受けやすくなってしまい、被害はさらに増加していった。
大成功
🔵🔵🔵
政木・朱鞠
大きいね…ホントに惑星をそこに住む知的生命体もろとも喰らう存在なんだね。
彼(?)とっては単なる食事であって、それを咎として捉えるには疑問があるけど…今この存在をほったらかしにしてたら未来はマインドミナBVAのおやつとして喰い潰されちゃうもんね。
死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、脅威の弱点を分析するためにもここで退くわけには行かないよね!
【SPD】
弱点を狙うにはこちらのカードが足りないみたいだから、こちらは力押しだけど『降魔化身法』を使用してちょっとでも強化状態で迎え撃つよ。
武器は刑場槍をチョイスして【串刺し】→【鎧無視攻撃】→【傷口をえぐる】で外殻の部位破壊を狙うよ。
アドリブ連帯歓迎
「こりゃまた大きいね……」
朱鞠は自分の数千倍も巨大な姿をしたマインドミナBVAに思わず舌を巻く。
もし今食らいついている惑星に生命体がいるとしても、それごと星を喰らい尽くしてしまおうという強欲さはこれだけの体格を維持するためには必要な食事なのかもしれない。
しかしほったらかしにすればスペースシップワールドに住む人々の宿願はマインドミナBVAのご飯として喰い潰されてしまうことは明白だった。
「これを咎とするには厳しいけど……マイペースに星を食い散らかしてもらうわけにはいかないの。大人しくしてもらうわよ」
「死ぬこと以外はかすり傷」とまでは言わないけれども、脅威の弱点を分析するためにもここで退くわけには行かない。
朱鞠は息を深く吐くとその身に多くの人外の力を宿した。
青い霊体を自身の身の周りに纏わせた朱鞠の視線は周りに展開しているロボット兵を無視して、マインドミナBVAのみを捉えた。
敵の体を貫くことだけに特化させた刑場槍を構えた朱鞠は近くにあったスペースデブリを蹴ってマインドミナBVAに向かって飛びかかった。
霊体によってその勢いはどんどん増していき、迎撃しようと寄ってきたロボット兵の光線を食らう前に射撃態勢に入った者の横を通り過ぎる。
照準を合わせるのが間に合わないとみたロボット兵は剣や放熱板の翼を構えてその進路を塞ぐように襲いかかってきたが、朱鞠の突撃の前にあっさりと射抜かれて崩れ落ちた。
そしてマインドミナBVAの元にたどり着いた朱鞠はそのままその体に突き刺さり、その体内へと沈んでいった。
「……っと、ちょっと行きすぎちゃった?」
呪縛により執着の対象とさせられたマインドミナBVAにぶつかったことにより、朱鞠の思考が戻ってくる。
刑場槍による傷を埋めようと、朱鞠ごと傷を潰そうとしてきたマインドミナBVAの肉体に纏わり付かれる前に朱鞠はその場で槍を振り回し、自由に動けるスペースを作り出す。
そしてそのスペースが埋められる前に外に向かって飛び出していった。
しかし離れた瞬間に霊体によって思考能力を再び奪われてしまい、すぐにUターンして別の外殻から沈み込んでいくのであった。
成功
🔵🔵🔴
トレーズ・ヘマタイト
アドリブ自由
無限とはいえ原因があるだろうが星喰らいとはな
問答無用、SSW民の宿願の為喰らい尽くす
異空間から合計50立方mの鉄屑と自身のタールの一部を贄に巨大な黒いスライム状の降魔を降魔錬成
敵のドリルは降魔を取り付かせ、分解吸収で降魔の体積を増やしつつ●怪力でドリルを振り回し敵への道を切り開く
他の迎撃は●オーラ防御や降魔に●かばわせる
敵に到達すればドリルでの●鎧砕きから、黒剣と白剣の合体した大剣に更に降魔を纏い、●傷口を抉るように突き刺す●二回攻撃で内部まで降魔をねじ込み●生命力吸収で敵の力を降魔に注ぎ、更に内部から敵を●大食いさせ、肥大化と分裂増殖に自爆を駆使し、内部から壊し喰い尽くさせる
以上
「無限とはいえ原因があるだろうが星喰らいとはな……問答無用、SSW民の宿願の為喰らい尽くす」
赤い一つ目を光らせたトレーズは異空間に溜め込んでいた大量の鉄屑を自分の前に投げ出すと自分の体の一部をちぎり、鎧の隙間からそこに投げつけた。
『積み上げし物を糧として、偽りの器を生み出し、我等が道を阻む災いを、己が力を以て討ち滅ぼせ』
黒い体は鉄屑に張り付くとそれを飲み込んで巨大化し、次の鉄屑に食らいつく。
それを繰り返していくうちに元の所有者であるトレーズを超え、近くを航空しているペンデュラムを超え、巨大な黒いスライム状の降魔へと変貌していった。
スライムはマインドミナBVAの外殻にまとわりつくと回転するドリルの動きを完全に無視して飲み込み、さらに自身の勢力を伸ばしていく。
そんな黒いスライムに大剣を掠らせながら悠々と通過していったトレーズは、目の前にある敵のドリルとは比べるのがおこがましく思える大きさのドリルを構えた。
しかしいくら小さいとはいえ、突破力が劣っている訳ではない。
トレーズのドリルは変化させるために柔らかくなっていた外殻に食い込むとヒビ割れを起こさせ、どんどん奥へと侵入していく。
そしてトレーズはドリルを引き抜くと間髪入れずに大剣を開けたばかりの穴に突き刺し、すぐに引っこ抜いた。
すると大剣についていた小さなスライムの欠片はマインドミナBVAの体に引っかかって穴の内部に残った。
本体から剥がされたスライムは元の体に戻ろうと活発的に近くにある物体に食いつく。
そして肥大化と分裂増殖を繰り返しながら気づかぬうちにマインドミナBVAの中枢部へと侵攻していく。
「……そろそろか」
まるで痛みを訴えるかのようにドリルをくねらせ始めたマインドミナBVAに感づいたトレーズは脳内からスライムへと指示を出す。
その指示を受けたスライムはその場で大爆発を起こすと外殻を吹き飛ばしながら自分の体を辺り一面にばら撒く。
マインドミナBVAが食らっている星の重力によって宇宙空間から引き寄せられたスライム達はまだ無傷な外殻に着地すると、再度大きくなるべく侵略を開始した。
成功
🔵🔵🔴
ミケ・ナーハ(サポート)
アドリブ歓迎
常に可愛くセクシーです♪
スタイル抜群で
くノ一装束やビキニ等
露出度の高い格好です♪
動くたび豊満な胸がぷるんと揺れます♪
「私のドキドキ分かりますか?」
【誘惑】が得意で
『ミケ流誘惑術』『セクシーチャーム』
調査から戦闘まで色々します♪
むにゅっと自慢の胸を押しつけ
抱きつき甘えたり♪
「やあっ♪」
武器は、美脚での蹴り【グラップル】
胸の谷間から出す手裏剣
「これでどうですか♪」
誘惑できない時は『超忍者覚醒』
大きなぬいぐるみの様な
虎型ガジェット『スア』が水属性の水流や
風属性の暴風等を
口から吐く【属性攻撃】
「だーめ♪」
敵の攻撃を【見切り】華麗に回避♪
【念動力】で物を動かしたり
自分の体を宙に浮かせたりも♪
「うわぁ……本当に大きいですね♪」
マインドミナBVAの圧倒的な体躯に舌を巻いていたミケ・ナーハ(にゃんにゃんくノ一・f08989)はあることを思い出して愕然とした。
ミケの最大の武器は動くたび豊満な胸がぷるんぷるんと揺れるスタイル抜群なボディである。
「確かクエーサービーストって対話とか意思の疎通出来ないんですよね……私の魅力が伝わらないじゃないですか!」
それが通用しない相手が討伐対象であるこの依頼になんで派遣した!? と思いながらミケは思わず吠えた。
だが魅力が伝わろうと無かろうと大量のロボット兵達はこちらへの距離を詰めてくる。
「もう、やってやりますよ!『臨兵闘者皆陣列在前!』」
ゲームでよく見る、露出度高めな忍び装束に早着替えしたミケは大きなぬいぐるみの様な虎型ガジェットの背中に飛び乗って宇宙空間に飛び出した。
その姿を目視したロボット兵が一斉に銃口を向けるが、その頭部にミケが胸の谷間から出した手裏剣が突き刺さる。
「やあっ♪」
虎型ガジェット・スアの口から放たれた水は泡のように丸くなり、ふよふよとロボット兵に迫る。
その泡に飛び移って、一気に距離を詰めたミケの美脚からの強烈な蹴りが加わってロボット兵は黒い塵となった。
「だーめ♪」
そこへロボット兵のレーザーが貫いたが咄嗟の見切りで回避し、カウンターの手裏剣を喰らわす。
そして間近に迫ってきた自分よりもはるかに大きいマインドミナBVAの姿に改めてミケは息を飲んだ。
「でも……やりますよ! お色気だけじゃないってことを証明してあげます♪」
ここまで運んできてくれた水の泡から飛び降りてマインドミナBVAの外殻に飛び降りたミケへ、大量のドリルが自分の体に沿うように迫ってくる。
「私のドキドキ伝わりますか? 楽しんでいきましょう♪」
ミケは催眠術を流用し、自分が分身したように見せる。
そして狙いが分散されたことにより、一体当たりに迫る量を減らしたドリルを一つ一つ確実に潰していった。
成功
🔵🔵🔴
カイ・オー(サポート)
『ここが今回の事件現場か。楽しくなりそうだな。』
『どんな謎だろうと解き明かし、どんな事件だろうと解決する。それが探偵だ。安心してくれ』
半ば趣味で探偵を営んでいる。現実的な事件よりは、フィクションじみた怪事件を好むタイプ。趣味とは言え、依頼解決には全力を尽くすし、関係者の身は案じる。
調査時は【千里眼】や【過去再現】や【精神感応】辺りの、知覚系のUCで調べます。まず聞き込みや自分の目での調査を行い、裏付けの為にUCを使うタイプです。
戦闘時は「火の手」で制御した【属性攻撃】の炎を刀に纏わせて切りつけるスタイルです。
戦い易い能力に合わせてUC【加速能力】【瞬間移動能力】【火焔魔人】を主体に使用します。
「ここが今回の事件現場か。楽しくなりそうだな」
未踏宙域にあるかもしれない人類居住可能な天体の捜索、という依頼を受けたカイ・オー(ハードレッド・f13806)は宇宙空間に繋がる甲板に立っていた。
「どんな謎だろうと解き明かし、どんな事件だろうと解決する。それが探偵だ。安心してくれ。『―INVOKE!』」
秘めていた力を解放するとカイの体から革製品で統一した服が無くなり、普通の人間らしかった肌は燃え盛るオレンジ色へ変わり、髪は逆立ちながら意思があるように唸り出す。
生物感のない、エネルギー体のような見た目へと変貌したカイはそのままマインドミナBVAに飛びかかった。
凄まじい温度でも溶ける様子のない無銘の刀を片手に外殻に着地すると、体から放たれる熱で辺りが一気に高温になっていく。
するとカイの目の前に、自分の見た目と全く同じバーチャルキャラクターが現れた。
「無限に変化する外殻であらゆる攻撃を吸収してカウンター……だったか? なるほどこういう手で来るか!」
武器までは模倣出来なかったのかマインドミナBVAによって作り出されたカイの複製体は両手を鋭い刃に変え、カイの後ろへ凄まじい速さで移動する。
その動きをしっかりと目で追っていたカイは落ち着いて振り返り、刀で受け止めた。
「……なんだ、その程度か?」
相手の力量を見るためにしばらく鍔迫り合いをしていたカイは刃を弾くと流れるように斬り捨てる。
真っ二つにされた複製体が黒くなって崩れ落ちていくと、おかわりと言わんばかりに大量の複製体がカイを取り囲むように現れた。
「何体来ても同じだぜ?」
昂る気持ちを表すように風が吹き荒れる中、カイの身に纏っていた炎が激しさを増す。
数が増えても一切動揺した様子のないカイは一斉に斬りかかってきた複製体を返り討ちにした。すると今度は全身に炎を燃え盛らせる大量の複製体が現れた。
「……本気を出せば出すほど強くなるってか? 面白いじゃないか」
口では余裕ぶっていてもこの調子で長期戦を展開されれば劣勢になるのはこちらであることはカイは分かっていた。
出来るだけ早くマインドミナBVA本体を倒しにかかっている部隊が任務を達成してくれることを期待しつつ、カイは刀を振り続けた。
それから灰となって踏み固められた複製体の残骸が足場になり始めた頃、残りの複製体達の動きが止まり独りでに崩れていく。
「……終わったか」
全ていなくなり、追加の複製体がいつまで経っても現れなくなったところでカイは人間体に戻り、大きな息を吐きながらその場に座り込んだ。
成功
🔵🔵🔴
第3章 冒険
『マインドミナBVAの外殻を剥ぎ取ろう!』
|
POW : 腕力と体力を活かして大量の外殻を剥ぎ取り、運搬する
SPD : 巨大な外殻を器用に解体し、運搬効率を高める
WIZ : 思念によって形を変える外殻の特性を利用し、変形させた外殻を運搬する
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マインドミナBVAの動きが止まったことを確認した猟兵達は一斉に外殻の採取に取り掛かる。
生きている時に現れた外殻由来の複製体は倒した瞬間に黒ずんで瓦解していったが、果たして本体が死んだ今、採取することは出来るのだろうか?
紫谷・康行
調べるためには組織をできるだけ傷つけないようにして持っていく必要があるだろうね
なら、構造の隙間に風を吹かせて丁寧に切り取っていこうか
この宙域に人が住めるように
もしかしたらクエーサービーストと共存できるように
手がかりを見つけられたらいいね
彼らは「過去」ではないからね
イーゴーの見えざる刃を使い
外郭にある小さな隙間、窪みに風を吹かせて
構造に沿って注意深く切断していく
注意深く観察して、センサーになっている部分や増殖して何かを真似た器官を作る起点になるだろう場所を優先的に採取していく
採取した組織は宇宙線を通さない丈夫な袋に真空を保って入れて宇宙線に送る
「小さな一歩がいずれ大きな一歩になる
そう願うね」
夏目・晴夜(サポート)
お手伝いに参りました
アドリブ大好き大歓迎なので、このハレルヤをお好きに使わせてあげます
後で褒めて下さってもいいですよ
使う武器は妖刀か、優しく可愛い戦闘特化からくり人形です
白柴人形は愛玩用で、戦場に持ち込む事があっても戦いには使いません
敵行動を封じるユーベルコードでのサポートに徹する時もあれば、
自ら妖刀でグッサリ串刺しにする事もあります
串刺しにした時の敵の顔が面白くて大好きなのです
ユーベルコードは他のを使っても可、
妖刀で戦う場合は人形の描写は無しで可です
やりやすいようにどうぞ
探索は【第六感】で気になる箇所を片っ端から調査します
せっせと働きますよ、世が褒めて下さるならば
以上、不明点はお好きなように
政木・朱鞠
WIZで行動
マインドミナBVAは活動停止状態だけど、クエーサービーストについては研究途上な面があるから【追跡】や【情報収集】を駆使して慎重に外殻を回収して行きたいね。
いろんなサンプルを回収した方が良さそうだから、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』をマーキングとして見た目が様々なタイプの外殻に放っておこうかな。
不安要素としては、分霊は擬似生命的な存在だから触れても変化が無いかもしれないけど…思念によって形を変える未知の特性に対しては、気にし過ぎと笑われるかも知れないけど活用方法が確立するまではちょっと警戒しておきたいね。
有効打のヒントだけど、脅威由来の物だから取扱いは油断禁物。
連帯やアレンジOKです
トレーズ・ヘマタイト
アドリブ自由
さて、倒せたはいいがやるべきことはまだあるな
近くの外殻を捕まえ、一部を捕食吸収しつつ、思念のみ・●呪詛や魔力・UCなどを交えた思念などで残った外殻に影響を及ぼせるかドゥーズに分析もさせながら調査する
上手く思い通りに変形させれたなら魚の骨のような姿にさせ、骨の一部を伸ばして周囲の外殻に突き刺して集めながら移動するように組み上げる
戦闘の際に使っていたスライム降魔には他の猟兵やペンデュラムの手伝いをさせる
一通り外殻の調査をしたなら自分はドゥーズと共にマインドミナが取り付いていた星の調査もする
居住可能か、崩壊するのかなど調べるべきことは山とある、最悪星が爆発するかもしれん、確認必須だな
以上
「さて、倒せたはいいがやるべきことはまだあるな」
「調べるためには組織をできるだけ傷つけないようにして持っていく必要があるね」
改めて全体像を見回した紫谷とトレーズはその広大さに目を細めた。注意深く観察して、センサーになっている部分や増殖して何かを真似る器官を作る起点になる部分は探してみたものの、その判別は情報の無い今はつけられなかった。
「とりあえずドリルみたいになったのは金色の所で、ロボット兵が飛び出してきたのは黒い部分からでしたよね?」
朱鞠からの質問に2人は頷く。紫谷は大きく体を伸ばすと甲板の上に置いた杖を拾い直した。
「とりあえず、構造の隙間に風を吹かせて丁寧に切り取っていこうか」
再び【イーゴーの見えざる刃】を発動させて外殻の切断を試みる紫谷だったが、先程と違い連鎖して起こる強風が発生しないため竜巻で外殻が吹っ飛ぶようなことは起きない。
それどころか、さらさらと削れていくような感じすらした。
「……いや、感じじゃなくて本当に削れてません?」
朱鞠の指摘に紫谷は風を止めて確認する。すると別の視点から観察していたドゥーズから小さなドリルが消滅していく姿が確認された、という報告が丁度入ってきた。
「これは、まさかマインドミナBVAの崩壊が始まっている?」
「いや、もしそうだったとしたらあそこのもっと大きいあのドリルなどもすでにボロボロになっているはずだ」
「皆さん、お助けに来ましたよー」
そんな会話をしていると夏目・晴夜(不夜狼・f00145)がひょっこり顔を出してきた。
「外殻を採取するんですって? それならぜひこのニッキーくん人形をお使いください。力仕事でも残ってしまったオブリビオンの排除でも何でもござれですよ!」
そう言って背後から現れた筋骨隆々としたウサギを模した人形は自らの肉体を誇示するポーズを次々と決めた。
「人形……人形……? そうだ!」
晴夜の宣伝文句から着想を得た朱鞠はその場で印を描く。
『我が魂魄の欠片よ目覚め……力を行使し見聞きせよ……急急如律令』
大量の子狐の見た目をした分霊が外殻に降り立つ。すると全ての色の外殻から分霊とよく似た姿の物体が湧き出てきた。
朱鞠が分霊をその場で踊らせてみると外殻製の物体もその動きに合わせ始めた。
「おお、可愛いですね! これを見れただけでもここに来たかいがあります!」
「なるほど、こちらの思念に従って反応する機能は残っているのか。……あれだけ大量の風が吹き荒れても無くならなかったのは再生能力が生きていたから?」
朱鞠の行った実験の例を増やすべくトレーズも手近な所にある、ペンデュラムに入りそうにもない巨大な外殻を取り込んだ後、ユーベルコードだけでなく呪詛や魔力も織り交ぜたパターンを試してみた。
『積み上げし物を糧として、偽りの器を生み出し、我等が道を阻む災いを、己が力を以て討ち滅ぼせ』
するとトレーズが想像していた魚の骨を模したような生物が出現する。魚が外殻を下に伸びた骨で引っ掻いていると別の地点で同様の形をした金色の魚が出て来たことがドゥーズから伝えられた。
これらの結果により紫谷が建てた仮説は概ね正しそうだという結論が出た。
やってはいけないことが分かればあとはそれをしないように気をつければ採取自体は着々と進み始めた。
「せっせと働きますよ、世が褒めて下さるならば。ニッキーくん、どんどん行きなさい!」
「スライムよ、運びやすいように小さくした外殻を作りながら食べ進めてくれ。くれぐれも近づいてきた仲間は食べようとするなよ」
「ペンデュラムの皆さん、有効打のヒントだけど、脅威由来の物だから取扱いは油断禁物ですからね。銃弾を試しに放ってみたりとか変なことはしないでくださいねー」
ただ元々の面積が大きい上にどこが重要か否かも分からないため、どちらかと言えば手当たり次第にペンデュラムの倉庫に詰め込む感じになっていく。
「このウサギ人形すごいな。こんな重い外殻、俺ら十人がかりで持ち運んできたってのに」
「ニッキーくんですよ、ちゃんと名前で呼んであげてください」
そういう横でニッキーくんは胸筋と腕の力で外殻をへし曲げていた。
紫谷が用意した、宇宙線を通さない上に真空状態を保てる丈夫な袋を、切り取ってきた箇所ごとに仕分けをしていく横で、各地に散らばらせた分霊に外殻の調査を指示するべくペンデュラムに残っていた朱鞠は呟いた。
「気にし過ぎと笑われるかも知れないけど活用方法が確立するまではちょっと警戒しておきたいね」
「いや、当然でしょう」
朱鞠が手のひらサイズという小さな外殻の破片を近くにある恒星に透かしながら、未知の物体に込められたあらゆる可能性に期待と心配をかけていると、いつの間にか近くに来ていた晴夜はお菓子入れから飴を取り出し、口の中に放り込んだ。
「死んでもなおこちらの動きと全く同じことをする、そんなオブリビオンは今のところ聞いたことありませんから。私達は今まで、倒したら消滅するか動かなくなる相手としか戦ったことが無かった」
「ですよね」
「ですがクエーサービーストに込められた可能性の是非は調査しなければ一切分かりません。それにこの先、好戦的なクエーサービーストが現れる可能性とかも考えなきゃいけませんからね」
あまり舐めないまま噛み砕いた晴夜の言葉に朱鞠は頷き、両頬を叩いて気合を入れ直した。
その頃、トレーズはドゥーズを連れてマインドミナBVAの下にあった星の地表付近を浮遊していた。
「マインドミナBVAの体から発せられたワイヤーで何とか球体を保っている状態か。だがここまでヒビ割れしている上に大気の類も無いとなればスペースノイドが生活するのは無理そうだな……」
この星は人が住める星だったのか、マインドミナBVAがくっついたことで生物が滅んだのか、それともそもそも人が住めない星だったのか、それを確定させる証拠を求めてトレーズの探求は続く。
もしこの宙域に住めるようになったら、クエーサービーストにもUDC-Pのように手を取り合える存在がいたら、彼らとは隣人として生活する可能性……必要がある。
なぜなら彼らもまた「過去」ではなく「現在」と「未来」に生きる存在なのだから。
「この小さな一歩がいずれ大きな一歩になる……そう願うね」
不可能を可能にしてしまった自分みたいに……と両手で作った四角の中にマインドミナBVAの体を収めた紫谷は小さな声で呟いた。
成功
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