群生する菌類の谷
「皆様、よくおいでくだされた。オブリビオン案件である」
クリーク・クリークフリークス(ブラックウォーメイジ・f02568)が告げた世界の名はサクラミラージュ。
その世界の各所に存在する、『逢魔が辻』と呼ばれる影朧たちが大量発生して放棄されて変貌した場所。そこの一つを開放してほしいとクリークは告げた。
「サクラミラージュの世界に合法阿片というものがあるのはご存知であろうか。依存性や中毒性もなく合法なのでそれ自体は問題ないであるが、合法でないもの、脱法や違法な阿片が作られ始めているである。その原料となっているのが、この逢魔が辻の生えているキノコらしいのである。キノコキノコキノコキノコモヤスモヤスモヤスモヤス……」
しばらくお待ち下さい。
「影朧が持ち出したものを精製しているのか、世界の住人がこっそりと狩っているかは不明であるが、放置は望ましくないである。オブリビオンの巣ごとキノコの群生地も対処してほしいである」
とはいえ、敵の巣を力ずくで攻略するのも不可能ではないが、骨が折れるのは間違いないだろう。
「周囲の地形やオブジェクトを利用するのは戦闘の常道であるな。変貌した地形は壁の至るところにサイケデリックなキノコが群生する土管の内部ようになっているである。キノコを燃やせば燃え広がりはせずとも煙くらいは出るであろうし、工夫次第ではいっそ敵に食わせることもできるやも知れぬ。どうなるか責任は取れないであるが」
とはいえ、敵も知性ある存在である。第一波を奇策で翻弄した後に押し寄せる第二波は、こちらの戦法を真似したり逆手に取って対策を講じてくるかもしれない。気をつけて欲しい、とクリークは続けた。
「集団で襲いかかってくる影朧はもはや自我が薄れすぎて、転生は望めないであろう。逢魔が辻の主も見込みは薄いであるが、最終的な判断は現場の皆様にお任せするである」
クリークは深々と頭を下げた。
「不完全な予知で皆様を危険な場所に送り込む上に、拙草は転移の維持で後方から動けないである。しかし、どうか一歩ずつこの世界を救ってほしいである」
そして、最後にぽつりと付け加えた。
「まさかしないと思うであるが、怪しいキノコをわざわざ食べたりなさらないほうがいいであるぞ」
斑鴉
お久しぶりです。斑鴉です。
サクラミラージュ初依頼です。楽しんでいただけますよう頑張ります。
脱法阿片の材料のキノコですが、精製もしていなければ調合もしていないものなので燃やした煙を吸ったりしても特に人体に影響はありません。また水分を多く含んだものなので簡単には燃え広がりません。もし本当に食べた場合はダイスでどうなったかなんか決めます。
皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『朧侍』
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POW : 桜花行進
【霊力を流し込んだ刀を構えながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【連携を行っている同型機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 桜華狂騒
【影朧に取り憑かれ、霊力機関が暴走した状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ : 桜香前線
【幻朧桜を介した霊力通信】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【通信を行った同型機との一糸乱れぬ連携】で攻撃する。
イラスト:蛤大漁
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蛭間・マリア
※アドリブ等歓迎です。
ふうん、キノコから精製する脱法阿片。
出回り始めてるってことは、なんらかの効果はあるのでしょうし。
いくらか持ち帰って、調べてみたいですね。
…流石に、ここで食べたりはしませんけど。
ユーベルコードはトリニティ・エンハンス。
防御力を強化。
ダメージに応じて後退させられるのなら、守りを固めてダメージを減らせばいいのでしょう?
攻撃を受け止めて、反撃します。
問題は、相手が集団でいること…。
連携を崩せるように、攻撃のタイミングを合わせるなどして、
他の人たちと協力できれば良いのですけれど。
異様な空間が広がっていた。
これを幻想的と言うか、悪夢のようだと思うかは感性によるだろう。一つとして同じ色のない極彩色のキノコが、巨大な土管の内部の壁を埋め尽くしている。
変貌した『逢魔が辻』。今回の攻略対象だ。
「ふうん、キノコから精製する脱法阿片ね」
一足早く現地にはいった
蛭間・マリア(氷の仮面・f23199)がその光景を見渡している。
猟兵のかたわら医学の研究者を目指して日々勉学に励む彼女には、違法な阿片やその原料となる怪しいキノコは良くも悪くも興味の対象となるものなのだろう。違法阿片の実物や原料を入手してどんな効果があるものなのか調べてみたい。奇妙な毒が人類や世界を救う薬となるかもしれない――だが、まずは猟兵のお仕事だ。
キノコまみれの土管の壁から染み出すように、ここを住処としている影朧が何体か姿を表す。桜のようなモノアイを輝かせ、動力機関を背に負った鎧武者のようななにかだ。
ものを言う代わりに背中から蒸気を吹き上げ、それがマリアに突進してくる。
ユーベルコード:桜花行進
抜刀した洋風の片刃の剣を蜻蛉に構え、3体が勢いを揃えて駆けてくる。
おそらく攻撃を行いながら対象を後ろに吹き飛ばすための技だろう。そう見切ったマリアがちらりと背後を振り向くと、土管の先が宇宙のような漆黒の空間につながっている。あそこに落とされたらどうなるか……考えたくはないが、ロクなことにならないのは決まっている。
迫りくる鎧に向けてマリアは身構えた。
ユーベルコード:トリニティ・エンハンス
炎、水、風。3つの魔力を薬のように調合し、今回は身を守るオーラのように展開させる。使い慣れた刀で影朧の刃を弾き、3色のオーラで突進を食い止める。かなり後ろに押し込まれたが、土管の外に押し出される寸前で踏みとどまることができた。
だが拮抗する押し合いの後ろでは、さらに新しい影朧が壁から湧き出してくる。
できれば猟兵の誰かと連携して、この膠着状態を利用して敵を撃破したかった。しかし来るのが早すぎた。世界各地で様々なオブリビオンが事件を起こしている。増援の手が足りない。いまここにいるのはマリア一人だ。
しかしマリアは知っている。
どんなケースでも腕力で解決を図るのはただの脳筋だろう。
クールに。そして論理的に。物事とは常にそう収めるべきた。
だか時として、パワーと気合と根性が最もスマートに事態を解決できる時だってある。
彼女にしてみれば不本意な方法だったかもしれない。あるいは普段は押し殺している気の弱さが逆に暴走した結果かもしれない。マリアは次々とスクラムに加わる影朧たちをまとめて押し戻しながら、一歩ずつ一歩ずつ前に進んでいく。
一歩、また一歩。さらに一歩。
朧侍たちが驚愕に蒸気を吹かし、周囲のキノコから水が滴る。
しかし力関係は変わらない。
そしてマリアはついに影朧たちの集団を反対側の土管の端に押し出した。
新しい影朧が湧いてくる気配は今のところない。小休止といったところか。
少し荒くなった息を整え、赤くなった頬に手を添えて。
マリアはいまの少し"はしたない"解決方法を誰にも見られていなかったかと周囲を見回し、安堵のため息を漏らした。
大成功
🔵🔵🔵
波狼・拓哉
キノコから作られる違法阿片ねぇ。まーキノコって不思議だからからね。そういうこともあるか…キノコから出来る阿片ってすげぇパワーワードだな!?
まあうん…燃やすか。残ってても面倒だしな…取り敢えず適当に放火して回ろ。敵が見えれば箱型状態のミミックを投擲。何かされる前に化け焦がせっと。…何も考えてなかったけどキノコ胞子出るタイプだと爆発するよな………いや敵以外に被害なくね?じゃそのままでいいや。
自分は衝撃波込めた弾で足を部位破壊したり炎範囲から出さないように撃っておこう。
ミミックが消えたら地形を利用して闇にまぎれつつ目立たないように逃げてまた敵を見つけたらミミック投げつけて回ろう。
(アドリブ絡み歓迎)
「キノコから作られる違法阿片ねぇ」
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は周囲を覆い尽くすサイケデリックな原料を見回しながら頭をかいた。
「まーキノコって不思議だからからね。そういうこともあるか……って、キノコから出来る阿片ってすげぇパワーワードだな!?」
拓哉の世界、UDCアースでは、阿片とは芥子の実から絞った果汁を乾燥させたものだ。ふと我に返った瞬間キノコと阿片の組み合わせの違和感についツッコミが口から漏れる。人間が理解することもかなわない様々な恐ろしいものを見続けてボロボロになっている精神だが、まだ猟兵としても探偵としても稼働できている。あるいは逆に、そんな職業だからまだ自分を動かせるのかもしれないが。
やがて拓哉を囲むように、周囲の壁を埋め尽くすキノコから影朧が染み出してくる。ごく薄い桜色の鎧をまとう姿は古めかしい武士にもSFで描かれる未来の動力甲冑にも見える。
「まあうん、燃やすか。残ってても面倒だしな……」
何体も現れる影朧、そして周囲のキノコを見ながらそう判断を下す。
ユーベルコード:偽正・炎精陽炎(フォーマルハウト・ミラージュ)
彼がミミックと名付けた、もはや拓哉と分かちがたく結びついた箱型生命体。召喚したそれと意識をリンクさせ、炎の精と化身させながらキノコごと影朧を焼いていく。少しずつ、自身ももう気づけないほど少しずつ人間としての正気を削っていきながら。
キノコ本体と、キノコが吐き出す胞子が焦げた煙がたちまちあたりを埋め尽くす。輝く炎と黒い影のコントラスト。その隙間から影朧が拓哉に飛びかかろうとするが。
カラフルなモデルガン、2丁拳銃の片割れのバレッフ。ミミックとリンクを続けたまま自らの体も制御し、衝撃波を形にした弾丸で影朧の片膝を砕き、ミミックが吐き出す炎の中に押し戻す。誰にも聞こえない音を立て、また少し酷使した精神が削れた。
そしてミミックが炎を消して煙が拡散していくと、もう残っている影朧はいなかった。
まだ敵が出てくるのなら煙にまぎれて撹乱しつつ再びミミックを投げるつもりだったが、しばらくは敵が湧き出す気配はなさそうだった。キノコの露が滴る高い天井を見上げ、我知らず拓哉は深く息を吐き出していた。
周囲に残る敵の気配、およそ半分といったところか。
大成功
🔵🔵🔵
アレク・アドレーヌ
キノコから作る阿片。まぁ麻薬だな
だがそれ以上にかなり私怨が入ってねぇか?同じ菌糸類だろうに…って言うかブラックタールだから違うか
とはいえ、だ。どうにかしろというならどうにかはする。ただし除去はしないでこっちで再利用させてもらう
UCで【蚊】の特性を技能にて再現、【毒使い】【毒攻撃】でもってオブリビオンに猛毒をギフトするとして。
その猛毒には辺り一面にあるキノコを使わせて頂くとする。
つまりは【吸血】でキノコから水分と養分を拝借して【ドーピング】で体内に留めて【毒使い】で毒を調合してから【毒攻撃】で周囲にぶちまける。
まぁ耐性ないから何度もやれる手ではないが依頼内容と再利用、同時にやるなら手っ取り早いか
「キノコから作る阿片。まぁ麻薬だな」
本体であるマスクに手を当てて。
アレク・アドレーヌ(仮面の英雄・f17347)が呆れたように頭を振った。
かつて失敗作とされたミュータントヒーロー。外骨格が緑色に輝く肉体と、その内にいる依代の女性。そして本体であるヒーローマスクが織りなす極めて複雑な自我と、その自我を律して制御する強い精神が彼である。迫害され続けた歴史を持つミュータントヒーローの肉体を持つ彼だが、今では国民的スターとして知らぬ者のいない存在でもある。
「これ、かなり私怨が入ってねぇか? 同じ菌糸類だろうに……っ」
極彩色のキノコたちを睥睨しながら、彼をここに送り込んだグリモアタケノコのシルエットを思い出す。ブラックタール種族は個性の幅が広いとよく言われるが、さすがに菌糸類ではなかったかと考えを改める。私怨に関してはたぶん間違っていないから改める気はさらさらないが。
すぐに、アレクの周囲を取り囲むように影朧たちがわいてくる。周囲に散る桜の花弁が巻き上がる胞子と混ざってむせ返るような香りを放つ。
「どうにかしろというなら、どうにかはしよう」
アレクの独白に応えるように、影朧たちが背負う機関が尋常でない蒸気と霊力を吹き上げていく。
ユーベルコード:桜華狂騒
巣を守ろうと暴走状態で斬りかかってくる影朧たちの刃。鈍く輝く剣閃をかわしながら、誰に聞かせるでもなく低くつぶやく。
「ただし、除去はしないでこっちで再利用させてもらう」
ユーベルコード:アビリティシフト・モデル:モスキート(アビリティシフト・モデルモスキート)
準備はすでに済んでいる。一時的に蚊の特性を身にまとい、腕から細く細く伸ばした何本もの針が周囲のキノコから毒素を吸い上げ、敵が暴走している間に体内で猛毒への調合が完了している。そして再び腕から伸ばした針で、影朧たちの駆動部の隙間へとその猛毒を注入していく。
影朧たちは文字通り蚊を叩くように針を振り払い、再びアレクに斬りかかっていく。
ここは影朧たちの住処。
そこに生えているキノコの毒が彼らに効くはずがない――わけではなかった。
蚊の唾液が少しずつ血管と皮膚を冒していくように、次第に影朧たちの薄い桜色の表面に黒い染みが広がっていき、少しずつ動きが鈍くなっていき、一体、また一体と膝から崩れ落ち、無に帰っていく。終わってみれば、最後の一体が抵抗を諦めるまで大した時間はかからなかった。
「依頼内容と再利用、同時にやるならこれが手っ取り早いか」
一人残ったアレクはそう呟くと、マスクを少しだけ上げて体内に残った猛毒を吐き捨てた。
ヒーローの体とは言え、こんな得体のしれない毒を体内に受け入れ精製するのだ。負担は大きい。何回も使える技ではない。
だがそんな内情はおくびにも出さず、アレクはマスクを元の位置に戻した。
「……随分と不味いキノコだったな。持ち帰って誰かにでも食わせてやるか」
大成功
🔵🔵🔵
松苗・知子(サポート)
『メリハリつけていかないとね!』
妖狐の陰陽師 × スターライダー
年齢 20歳 女
外見 153.8cm 灰色の瞳 黒髪 色黒の肌
特徴 ポニーテール お調子者 アクティブ カフェ好き 実はロマン主義者
口調 はすっぱ(あたし、あなた、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?)
死を覚悟した時は 無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)
口も足癖も悪いが義理人情には弱い。伸縮自在の特殊警棒と宇宙ビックスクーターで暴れまわり、時々クレバーに妖術も使ってみるスペースヤンキーもとい陰陽師
実は常識的
※セリフイメージ
「けったくそわるいわね」
「ぶちのめすわよ!」
「あ、あたしよりよほどやばい奴なのよ……」
街風・杏花(サポート)
「うふ、うふ、うふふ! 貴方、強いですね!」
愉しげに笑いながら刀を振るう戦闘狂
方向性は善性
悪者しか斬らないし、世界の大抵なものは綺麗なので好き
戦闘以外ではにこにこ親切 「あら、あら、どうかなさいまして?」
ピンクのメイド服を着てA&Wのお屋敷で働いているが、自身は現代日本風世界(TW4)出身
グリモア猟兵
◆能力
自身より強い相手に無謀な特攻をすると強くなる【狂乱怒涛】が基本
素の剣技は並程度
格闘もそこそこできる
【灯狼礼装】は適当に妖怪に引っ掛けて、状態異常力を高めてサポートをしたり(雪女の幻を纏って凍らせる、など)させたい時にでも
満月の下では強制的に真の姿に【狂月病】
◆NG
過度のお色気
明らかに悪いこと
「メリハリつけていかないとね!」
土管内部に反響する、唐突なエンジン音と共に。
松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)の駆る宇宙ビックスクーターがドリフトしながら地面から湧き出してきた影朧たちを何体も跳ね飛ばす。
影朧たちもここが山場と踏んだのだろう。元々数が多いほど連携で力を増していくタイプのオブリビオンだ。出し惜しみはなしと、次々にキノコまみれの土管の至るところから染み出してくる。
それでも知子は器用にスクーターを操り、キノコだらけでとても良好とは言えない足場の土管内部を壁も天井もなく走り回り、前輪や伸縮自在の特殊警棒で染み出している途中の影朧たちを粉砕していく。足癖が悪いと自認しているが、その足には当然ながら愛用のバイクさばきも含まれている。
「ぶちのめすわよ!」
そして、次々と染み出す影朧たちの中に、もう一人の猟兵の影。
少々カスタマイズされたピンクのメイド服が、ごくごく普通の打刀を手に佇んでいる。
街風・杏花(月下狂瀾・f06212)だ。
杏花の信念は「挑むこと」。だから待っている。敵が増えるのを。
これだけの数では足りない。もっと、もっと……!
やがて充分な数がそろったと判断したのか、それとも彼女が無意識に放つプレッシャーに耐えきれなくなったのか。
一体の朧侍が洋風の意匠の入った刀を蜻蛉に構え、突進してくる。二の太刀いらずと賞される流派の打ち込みに似た一撃を、杏花の刀はしっかりと止める。
だが、それだけだ。戦闘狂とも言われる彼女の素の剣技は拙くはないが特筆するほど洗練されているわけではない。普通の状態ならば。
好機と見て周囲の朧侍たちが突っ込んでくる。哄笑を放ちながらをそれを見回し、杏花は天井を見上げた。
そこには、知子のスクーターから放たれたライトが潰れたキノコに反射して、丸い月のようにきらめいていた。
ユーベルコード:狂月病(スサノオ・シンドローム)
その光を満月と錯覚した本能が強制的にユーベルコードを発動。肉体の寿命を削りながら翼もつ人狼に姿を変える。爆発した戦闘能力で振られる刀が次々とオブリビオンを葬っていく。
「あ、あたしよりよほどやばい奴なのよ……」
その光景を見下ろしながら、知子も追撃を加速させていく。
ユーベルコード:付喪百鬼夜行(ツクモヒャッキヤコウ)
目だけでは数え切れないほどの、小型の戦闘用の器物の妖を召喚する技だ。招集されたのは自走式の芝刈り機。今年の帝都最新モデルだ。
芝刈り機たちはキノコを巻き込みぶわわわっと胞子を巻き上げながら、足や腕など朧侍たちの末端にとりつき、そこから少しずつ本体を斬り砕いていく。
そこに銀光が一閃……しない。
芝刈り機に当たる直前、杏花の刀がぴたりと止まる。戦闘狂でも悪人でないものは斬らない。
そして気づくと、周囲からオブリビオンたちの気配は消えていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『人々の心に潜む小さな影朧』
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POW : おともだち
自身からレベルm半径内の無機物を【不安を掻き立てる異形の人形】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : いないいない
見えない【エクトプラズム】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : こんにちは
【みなさんの傍ら】から【無限に増殖する不安】を放ち、【圧倒的な絶望】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:透人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちの活躍により、第一波は全滅した。
しかしそう長く休憩する暇もなく、次の敵たちがやってくる。
奴らは猟兵たちの戦いを見ていた。猟兵たちが使った戦法や地形を利用した作戦はすでに知られている。裏をかいてきたり、作戦を模倣してくるのは想像に難くない。
裏の裏を取るか。それとも自らの作戦を自ら正攻法で破るか。
そして最初の一体が姿を表す。
波狼・拓哉
さて次―…うむむむ何かやりづらそうそな見た目してるな…まあ、気にしませんけど。…あ、あいつらが話に聞いていた様子見してた奴らか。
……まあ、ミミックだしたら近づいてこないんだろうなぁ。炎に近づこうとは思わないだろうし。ま、こっち見てくれるのなら好都合ですわ。
じゃ化け咲きな、ミミック。裏かく?模倣する?…相手の動き止めれば関係ないですね。希望は全て潰やすに限ります。
自分は衝撃波込めた弾で、動きの止まった敵に近づき戦闘知識から弱点を見切り、零距離射撃で部位破壊するように破壊工作して止め刺して回ろう。遠くから撃つのは危険視されてるだろうし牽制程度でいいや。
(アドリブ絡み歓迎)
「さて次―」
キノコの上に腰を下ろすのも気持ちが悪い。
もう休憩は充分と、持ち込んでいた折りたたみ椅子から腰を上げて
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は周囲を見回す。
新しく周囲から滲み出てきた影朧たちは、包帯を巻いた人形を抱いた金髪の少女のような外貌だった。
「うむむむ、何かやりづらそうそな見た目してるな……まあ、気にしませんけど」
ずっと視線は感じていた。可愛らしい見た目ではあるが、先の影朧たちをいわば捨て駒に猟兵たちの行動を分析していたオブリビオンたちだ。その狡猾さを侮れば簡単に足元をすくわれる。
だが、観察されていたことが分かっていれば、逆に撃てる手も増える。様々な事件に関わり、望む望まざるに関わらず精神をUDCの闇に近づけながらも、ミミックとのつながりや使い方も昔よりずっと深まった。
「じゃ、化け咲きな、ミミック」
ユーベルコード:偽正・薄望深淵(ディープ・アネモネ)
戦場のど真ん中に召喚された箱型生物、ミミック。
影朧たちは足を止め、遠巻きに拓哉たちを取り囲む。
このミミックが炎を放ちながら先の影朧たちを焼いていたのを見ていたからだ。そして全員が一斉に片手を上げて、指先をミミックに向ける。
ユーベルコード:いないいない
不可視のエクトプラズムを放ち、対象を攻撃するユーベルコードだ。さきにミミックを片付けてしまえば、拓哉だけなら大した脅威にならない。オブリビオンたちはそう判断したのだろう。
だが、霊力の糸が指先から放たれるより速く。
召喚されたミミックが様々な種類の花群に化ける。その花は美しさ以上の魔力をもってオブリビオンたちの目を釘付けにする。それがこのユーベルコードの真価だ。
影朧たちはみなミミックに注目していた。だから全員が一度に戦闘力を奪われた。
動きの止まった世界の中、ただ一人動く拓哉だけが影朧たちに近づき、衝撃波を込めた銃弾を外しようのない至近距離から撃ち込んでいく。最初は丁寧に弱点を探して数発かけて破壊していったが、次第に要領がつかめてきたのか飽きてきたのか、周りで仲間が次々倒されているのを承知しながら花から目が離せないオブリビオンを一発ずつテンポよく無に返していく。
そして最後の銃声が止み、毒々しいキノコの中で美しく咲き乱れていたミミックが光となって送還されていった。
大成功
🔵🔵🔵
蛭間・マリア
今までの戦闘は観察されている、と。
なら、戦い方を変えなくてはね。
でもその前に、「蛭間の血液製剤」を使って「ドーピング」。
体力の回復と、感覚の強化を始めておきましょう。
…ああ、気分がいい。(ドーピングの影響で高揚)
敵は傍らから「不安」を放ってくるのよね?
でも、私は体の中に"直接"異端の触媒を注いでいる。
どちらの影響が大きいかは明白ね。
不安を振り払ったところで、メスを投擲して攻撃するわ。
傍らにいるのなら、投げなくても届きそうだけれどね。
※もし"不安"について描写されるなら、
所属する医療協会の非人道的な所業(人体実験など)に対する葛藤等を使ってください
「今までの戦闘は観察されている、と」
しばしの休憩から頭を切り替え、
蛭間・マリア(蛭間の医学生・f23199)が現状を再確認する。
周囲には敵の気配。まだ姿を表してはいないが、今までの戦闘はずっと観察されており、なにか対策を取られているのも想像に難くない。
「なら、戦い方を変えなくてはね」
でもその前に、と、マリアはキノコだらけの壁に背を預け、なにかを取り出す。
輸血パックに入った真っ赤なそれは「蛭間の血液製剤」
彼女の父が学長を務める研究機関「蛭間医療協会」で精製された輸血液で、猟兵のマリアはちゅーちゅー吸うことでドーピングのような効果を得られる。具体的には失われた体力の回復や感覚の増強、そしてユーベルコードのブーストなど。
「……ああ、気分がいい」
キノコまみれの風景の中、うっすらと染まった頬で高揚する気分のまま輸血液を吸う彼女の姿と表情は傍からみると怖いかもしれないが、これも影朧たちを倒し、あるいは救い、この危険な場所を開放するため。好奇心で薬物に手を出すような子供の遊びではない。
そして影朧たちが少しずつキノコの影から湧き上がってくる。
包帯だらけのぬいぐるみを抱いた、金髪の少女の姿。
影朧たちは力押しで第一波を退けたマリアの戦いを見て、近寄らなければ問題ないと踏んだのだろう。
ユーベルコード:こんにちは
少女たちが掲げるぬいぐるみの包帯に隠された目から放たれる不可視のなにかがマリアの周囲に澱んでいく。そしてこの澱みから、さらになにかが放出されていく。
想像力。躯の海に浮く人類を含めたすべての種族をそれたらしめる機能に働きかけ、侵食し、精神を不安を塗り替えていく。不安は新たな別の不安をかきたて、やがて精神を押しつぶしていく。
マリアは少しめまいがするようによろめいて、しかし手の一振りで押し寄せる不安を追い払った。先程のドーピングでハイになっていたから、ばかりではない。気は体から。胃から体内に吸収された血液の形を取った異端の力の触媒が、血管に乗って体を巡りながら侵食しようとする不安を端から消滅させているのだ。
そして振るった腕から放たれた100本を超えるメスが、力押し相手だと侮っていた影朧たちを正確に貫き、無に返していった。
――ユーベルコード:投げメス投擲(ナゲメストウテキ)
周囲の影朧たちの消滅を確認すると、気が緩んだせいか、シャットアウトしたはずの不安の一部が脳に駆け上がってくる。
少女に見せるものではないと周囲は隠そうとしていたが、学長の娘だ。どうしても感づいてしまう。
それは所属する医療協会が裏で行っている非人道的な行為、たとえば人権に配慮しない無認可の臨床試験、つまり人体実験だったり――
マリアは頭を振って、脳裏に浮かんだものを追い払う。今は戦わなければ。
大成功
🔵🔵🔵
栗栖・藍羅(サポート)
アドリブや他の方との絡みは大歓迎ですよぉ
普段の口調は「普段は敬語(私、~くん、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
等の敬語で少しおっとり系
戦闘は大体イラスト系に絡めて表現します
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
不知火・桂花(サポート)
『ったく、手伝ってやるわ』
『ちょ、何すんのよ!?』
『し、しょうがないじゃない…』
ダンピール(の中華風氏族・紅血鬼)の娘。
長身でスタイル(とりわけ巨乳と美脚)に自身。
スリット深めのチャイナドレスを愛用。
左目は金の魔眼。平時は(ファッション用)眼帯で覆う。
氏族出奔後の現在はブレイクダンスに興じる女子大生。
戦闘時もダンスで鍛えた身のこなしで華麗に舞う。
育ちはいいが跳ねっ返りのポンコツ&ツンデレ。
うっかりミスも時々やっては照れて怒る。
更にお人好しかつ義侠心が強い貧乏クジ気質。
【応龍南離】を使った戦闘の後は弱気で淑やか。
既に想い人がいるので、他の男女へ靡くのは厳禁。
セクシー系の被害者ポジは軽めなら許容。
「ったく、手伝ってやるわ」
なにしろ敵の数が多く、手が足りない。
そんな遅々として進まない戦局を見かねて参戦したのは
不知火・桂花(逆弦紅娘・f05277)だ。
愛用のレガリアスシューズが踏みつけたキノコの汁で汚れるのを少しだけ気にしながらも、眼前に湧いてくる影朧たちから視線を外さない。
「ん~~、すごい風景ですねぇ」
そしてもう一人。絵具を手に駆けつけた胸の大きいエルフの女性。幻想的ともサイケデリックとも取れるトリップの中の風景のような極彩色のキノコが覆い尽くした世界に藍色の目を丸くする彼女は
栗栖・藍羅(永遠の鐘が鳴る・f22061)だ。
自分の力で皆を幸せに出来ればいいなぁ。そう思う藍羅にとって、このサクラミラージュは他とは違った世界かもしれない。過去に消えたオブリビオンを救えるかもしれない世界なのだから。
新しく現れた二人に、影朧たちが右手をかざす。
今までの戦闘の余波で炭化して、もう有機物とも呼べないような状態になったキノコの残骸をかき集め、操作して、黒い巨人を形作る。
ユーベメコード:おともだち
確かにその巨人は影朧たちが抱くぬいぐるみと似た姿をしていた。
地響きを立てて襲いかかってくる巨人。先に反応したのは桂花だ。よくポンコツと思われていてもダンスで鍛えた体幹は裏切らない。足場の悪さなど気にもとめずに湾曲した壁を駆け上って的を散らす。
少しだけ空想の世界に意識を飛ばしかけていた藍羅も目の前の敵に視線を戻す。手には塗料の入ったバケツ。もちろん落書きなどしにきたのではない。誰かを幸せにするために敵を倒すための道具だ。
出奔前から愛用していたチャイナドレス風の衣装をはためかせ、眼帯の裏の魔眼を輝かせながら、桂花が天井を蹴って重力加速度と合わせた靴の一撃で巨人の頭を蹴り飛ばす。巨人は少しよろめいたものの、致命傷には至らなかったようだ。黒い拳を振り上げ、再び壁を走り登ろうとする背中を追いかけて、その足が不意に止まる。極彩色の世界の中で、その足元だけが黄色一色に塗りつぶされている。もちろん藍羅が放った塗料の力だ。そして再び巨人の頭部に天井からの蹴りが飛ぶ。今度は耐えきれず、巨人は炭化した粒子の塊となって崩れ落ちていく。
それを見て影朧たちが可聴域を超えた歌のようなものを吐き出しながら、再び右手を掲げる。操り人形が立ち上がるように、黒い粒子が再び巨人となって起き上がる。それも今度は一体ではない。合計三体。たった三体。まだ、今のところは。
相手をするだけ無駄だ。
そう悟った桂花は攻撃の対象を影朧たちに向ける。
ユーベルコード:サイコキネシス
器用に巨人たちの隙間を縫って、放たれたサイキックエナジーが影朧たちを襲う。
だが、とっさに使ったユーベルコードのためか、狙い誤ってしまったらしい。サイキックエナジーは有効打を与えられずに影朧たちの周囲に吹き荒れるだけだ。
ふとした弾みに、床から飛ばされたキノコの一本が影朧の一体の口に飛び込む。その影朧は目を文字通り白黒した後、なんとも形容しがたい謎の踊りを踊り始めた。
当然、呼び出した巨人の制御にも影響が生じる。三体のうち一体が突然仲間に殴りかかった。
正気の影朧たちが、キノコでおかしくなった仲間を取り押さえようとする。
その場面を、天井からのまばゆい光が照らし出した。
ユーベルコード:グラフィティスプラッシュ
藍羅が上にぶちまけた塗料が塗りつぶした地形が変化し、異空間をも通り抜ける窓へと変わる。キノコの放つ光しかなかった土管の中に、強烈な太陽の光が差し込む。環境の変化に慌てたキノコたちが、どんな効果があるともわからない大量の胞子をもくもくと吐き出す。それを吸った影朧たちが次々と行動に異常をきたして……
あとは見ているだけでよかった。
たまに飛んでくる流れ弾に注意しているだけで、影朧たちは勝手に仲間割れして自滅していく。
やがて動くもののいなくなった土管の中で、二人の猟兵は肩透かしでもされたようなやるせない表情になってため息をついた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します
他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします
ルーヴェニア・サンテチエンヌ(サポート)
(※アドリブやアレンジ、協力大歓迎!)
ダークセイヴァー出身の人狼ですけれど、普段はUDCアースに滞在しておりますの。
どんな歌でも心惹かれ、聞いた歌は歌いたくなりますわ。
エレキギターからは軽やかに澄んだ音からぐちゃぐちゃに歪んだ音まで。思いのままに、奏でてみせますの。
~さま呼び、ですの、ですわ口調ですけれど、歌う時は自由なのですわ。
実は戦いは得意でなく……少し離れてエレキギターで衝撃波攻撃、オーラ防御したり(狼耳は伏せる)、歌や演奏で魔法を掛けるような戦い方ですの。
回復系は、歌を媒介として神の御技(みわざ)を分けてもらう(唐突なクレリック要素)のですわ。
新たな設定・戦い方の提案、歓迎しますわ!
猟兵たちの活躍により、第二波は確実に数を減らしていった。
しかし、それはまだまだ抵抗する力が残っているという意味でもある。
怪しいキノコが周囲を埋め尽くす異空間。多くの猟兵と影朧が狭い世界で入り乱れながら戦っている。どんなきっかけが猟兵優位の均衡をひっくり返すかもわからない。
与しやすしと思ったのだろう。
おそらくは影朧たちの最後の集団の視線が二人の猟兵に集中する。
一人は睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)
歴戦兵であり事件の解決のためならばあえて失敗や怪我も厭わない心の強い性格であるが、基本的に他人のサポートに回ることが多く自ら進んで最前線で切り結ぶタイプではない。
もう一人はルーヴェニア・サンテチエンヌ(人と狼の狭間が産むのは・f13108)
エレキギターと歌が得意で、歌や演奏と組み合わせて衝撃波を放ったり器用な戦い方ができるが、元々の資質や環境のせいもあるのだろう。戦い自体が得意ではない。あるいは闘争は彼女が求めるものとは違うものなのかもしれない。
じりじりと迫る影朧たちの圧に押されて、二人の足がじりじりと後退していく。
そして文音の靴の半分が土管領域の外にはみ出したタイミングで、影朧たちが抱えた人形を掲げる。
ユーベルコード:こんにちは
ルーヴェニアと文音、二人の周囲から実態のない、しかし確かで圧倒的な存在感を持つ不安が湧き上がり、包み込む。
理由のない焦燥感にくらりとよろめき、土管領域の外に落ちそうになるのをなんとかこらえ、文音が胸の前で両方の手のひらを組む。
ユーベルコード:シンフォニック・キュア
文音の歌声が周囲の不安の雰囲気を抑え、さらに影朧たちの心を侵すように癒やしていく。
しかし、足りない。
彼女一人の歌声では癒やしきれないほど影朧たちの闇は深く、なによりも数が多すぎる。また一歩距離を埋め、不安の力が強くなる。
そこに新たな音が加わった。
ユーベルコード:L'amour est un voleuse(ラムゥレタンヴォルゥズ・コイハドロボウ)
ぺたんと寝ていた狼耳をぴんと立て、静かにエレキギターを鳴らしながら、ルーヴェニアが歌声を乗せる。コピーしたのはシンフォニック・キュア。文音とルーヴェニアの歌のユニゾンが何倍にも共鳴して土管の内部に反響していく。
周囲の不安は一瞬で消し飛んだ。
さらにユーベルコードを重ねようとする影朧たちも、二人の声に一体また一体と浄化されていき、やがて最後の一体も無に返る。
周囲を見回すと、他の猟兵たちの戦闘も決着がついたようだ。
そして、一息つく暇もなく。
この領域の主が姿を表せた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『菱宮・三郎右衛門』
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POW : 愛は拳で語る(物理)
【武の心】を籠めた【拳】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【自らに向ける殺意】のみを攻撃する。
SPD : 愛弟子の応援
戦闘力のない、レベル×1体の【稽古熱心な弟子】を召喚する。応援や助言、技能「【鼓舞】【奉仕】【掃除】【医術】」を使った支援をしてくれる。
WIZ : 手合わせを所望する
【全盛期の頃の姿】に変身し、武器「【薙刀】」の威力増強と、【草履】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
イラスト:auau
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ジェマ・ファリナセア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
姿を表したのは、いかにも修行者、求道者といった出で立ちの老人だった。
生前の彼がどのような闇を心に抱えて影朧になり、この領域を支配しているのかは誰にもわからない。
ただ彼は明確な敵意を持って、猟兵たちを自分の世界から排除しようとしている。
蛭間・マリア
※"ドーピング"の効果は継続してます
あれがここの主。彼をどうにかすればここでの戦いは完了というわけね。
説得の仕方も思いつかないし、倒してしまいましょう。
"嵐王の骨刀"を抜き、体内に入れた"蛭間の血液製剤"を媒体に、
風の神性の残滓をこの身に纏うわ。
相手は弟子の支援で力を増すようだけど…
それらは戦闘力の無い、正しく吹けば飛ぶような連中。
暴風を放って"吹き飛ばし"、"恐怖を与える"ことで活動を封じるわ。
愛弟子なんて言うくらいだし、それなりの情はもっているのでしょう。
彼らが吹き飛ばされていく様を見ても冷静でいられるかしら?
隙を見せたところを嵐王の骨刀で切り裂いて終わりよ。
「あれがここの主。彼をどうにかすればここでの戦いは完了というわけね」
上気した頬とまだ少し荒い呼吸を抑えて、
蛭間・マリア(蛭間の医学生・f23199)がオブリビオンを見据える。
先程の戦闘で自らに施したドーピングはまだ効果が続いている。
そのせいというわけではないだろう。しかしマリアはこのオブリビオンを転生させず、ここで無に返すと決めた。
殺気を感じ取ったオブリビオン、菱宮・三郎右衛門が白い蓬髪を振り乱しながらマリアに向けて構えを取った。
その背後から数十人の黒い人形のような人影が現れ、声高に真言らしきものを唱えながら一糸乱れぬ武術の型を披露する。
ユーベルコード:愛弟子の応援
これは本当に生前の三郎右衛門の愛弟子だったのか、それともオブリビオンの余人には計り知れない自我が願望を投影したものなのか。数十人の弟子たちの鼓舞に応えるようにオブリビオンの瞳がひかり、息吹を吐く。
非情になりきれず、時に弱気を顔を出す。そんな自身の特性をドーピングでコントロールして、マリアは一振りの刀を抜き放つ。
嵐王の骨刀。
風を司る異境の神性の骨から作られた刀が、マリアの体内を赤く駆け巡る触媒と呼応して周囲に突風を巻き起こす。
まずは、後ろで踊る弟子人形から吹き飛ばす。
ユーベルコード:嵐王憑依(ランオウヒョウイ)
骨刀一閃。放たれた暴風は蓬髪をなびかせながら受け流すオブリビオンを通り過ぎ、背後に並ぶ弟子たちをもみくちゃにして吹き飛ばす。
この瞬間に見せるはずの隙。そこを狙うはずだった。
しかしオブリビオンは微動だにせずマリアから視線を外さない。
嵐王憑依は強力なユーベルコードであるが、使用中は毎秒ごとに猟兵の寿命を削っていく諸刃の剣だ。少しずつ失われていく自分の未来に、マリアの顔がわずかに険しくなっていく。その時だった。
「せん……せ……い……」
それは荒れ狂う風がたまたまそういうふうに聞こえた幻聴だったかもしれない。しかし背後から届いた声に、三郎右衛門がわずかに痛ましそうに視線を落とす。
それだけの隙があれば充分だった。
地を縮めたように一息で距離を詰め、嵐王の骨刀がオブリビオンの腹を深く深く切り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
波狼・拓哉
キノコ要素どこだこいつ。あれか、山派なんか。
…まあ、いいや。こいつ倒せば終わりなんだな?サクッと殺して終わりましょう。化け狂え、ミミック。…まあ彼…ミミックって彼なんだろうか?に殺意ないよ。いつも通り、何も変わらず、日常であるかのように駆除するだけさ。…狂気に殺意は要らないからね。
自分は衝撃波込めた弾で相手の出鼻を挫いたりしたりしてサポートに。
かー!俺にも拳飛んで来たら殺意無くなりますわー!かー!……ミミックが止まるとは言って無いけどね。ついでに殺意が無くなろうとミミックが狙ってんだ。俺が止まるわけにはいかんよ。取り敢えず足の部位破壊くらいで勘弁したろ。
(アドリブ絡み歓迎)
腹部を深々と切り裂かれながらも、ゆらりと立ち上がるオブリビオン。
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は感情の籠もらない瞳で、あるいはすでに深く侵食された心を映し出したような目でそれを見つめていた。
(キノコ要素どこだこいつ。あれか、山派なんか)
遠い世界の戦争のことが頭をよぎるが、今はやるべきことがある。
「……まあ、いいや。こいつ倒せば終わりなんだな? サクッと殺して終わりましょう」
そして三度召喚される箱型生物ミミック。
ユーベルコード:偽正・命無月光(ゲシュペンテスト・ビースト)
召喚されたミミックは、今度は二足歩行の獣の姿をとる。そして無貌。表情がないのではなく、頭部が欠落しているために顔がない。
オブリビオン、菱宮・三郎右衛門の固めた拳がわずかに揺れる。
およそこの無貌の獣に理性というものを感じないからだ。
剣術を極めた達人でも、包丁を持って暴れる相手とは立ち会わない。間合いも呼吸もない獣のような暴徒はなにをしてくるか分からないからだ。
まして目の前にいるのは本当に理性が欠落した化け物だ。
ユーベルコード:愛は拳で語る(物理)
拳によって自らに向けられた殺意のみを打ち破る三郎右衛門のユーベルコード。理性も心もない化け物はまさに天敵だ。
ならば……と召喚者に目を向ける。様々な経験をして、修羅場を潜ってきたのだろう。そしてその代償に、さまざまな人間らしさを削ってきたのだろう。目の前の二足歩行の怪物と、大した違いは見受けられなかった。
三郎右衛門はユーベルコードを捨てた。生前に鍛えた肉体と武術。先の先をとって力で打ち倒す。間合いを詰めるべく踏み出した一歩を、拓哉の銃から放たれた衝撃波が撃ち抜く。
それだけで充分だった。理性のない獣は、ネコが毛糸玉にじゃれつくようにオブリビオンに襲いかかる。
拳や爪が何発もオブリビオンの体を削り、三郎右衛門はがくりと膝をついた。
大成功
🔵🔵🔵
星群・ヒカル(サポート)
おれは星群ヒカル!
弱きを助け、悪はシメる。それが宇宙を超える番長、即ち超宇宙番長である、このおれの使命だ。
仲間を大切にするのは勿論だが、依頼の中で関わった一般市民(NPC)もおれにとっては舎弟みたいなもんだな。
どんな敵にも勇んで啖呵を切り、番長らしく存在感をもって堂々と振る舞うぞ。
宇宙バイク『銀翼号』に乗ってのスピード勝負は勿論のこと、超宇宙牽引ワイヤーでの近接戦闘や、超宇宙望遠鏡『ガントバス』の力で手に入れた魔眼『星の目』の能力を生かしたUCを使って臨機応変に戦うぜ。
また、その『星の目』は探索にももってこいだ。
研ぎ澄ました視力と第六感で、敵のシケた企みを暴くのはおれの十八番だッ!
「おれは宇宙を超える番長!」
宇宙バイク「銀翼号」のエンジンを吹かしながら、一人の男が土管にエントリーする。
星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)
「即ち、超宇宙番長だッ!」
ユーベルコード:愛弟子の応援
ヒカルの目の前でオブリビオンの周囲に湧き出した黒い人影のような弟子たちが、素人目にはすごく痛そうな療法で三郎右衛門の折れた骨格などを治療していく。脂汗を垂らしながら耐え、立ち上がるオブリビオンをヒカルはただじっと見つめていた。
なぜなら彼は番長だから。他人が与えた傷を治療中の相手を攻撃するようなシケた真似はしない。喧嘩はいつでも真正面からだ。
そして両者は同時に動き出す。
「超宇宙望遠鏡ガントバス、融ッ合!」
ユーベルコード:超宇宙・強襲流星撃(チョウウチュウ・カチコミスターレイン)
アクロバティックなバイクさばきでオブリビオンの飛び蹴りをかいくぐり、キノコまみれの土管の側面や天井を走り回りながら、銀翼号に搭載されたガトリングガンがオブリビオンに向けて牙を放つ。何発も。何十発も。
最初はすべて見切ってかすらせるようにかわしていたオブリビオン。しかし反撃に転じようと地を踏みしめた時、傷ついていた体に弟子たちが施していた応急処置の限界がきた。
動きの鈍った体を何発もの銃弾が撃ち抜いていく。
決着まで、あと少し。
成功
🔵🔵🔴
エステル・リンティネン(サポート)
まだ知られていない別の世界から迷い込んだ、ミステリアスな雰囲気のする少女です。
猟兵として様々な世界を旅する事で元居た世界に帰還する為の方法を探しています。
普段は異世界出身である事を隠しており、出身を聞かれた場合は「記録喪失で小さい頃の記録は無くしている」と説明して誤魔化しています。
性格としては大人しく落ち着いていて、丁寧口調で話しかけます。
仕事として占い師をしているので、それにあった行動をして貰えると嬉しいです。
戦闘では魔法を中心に戦いますが、状況によって剣でも戦うことが出来、状況に合わせて剣と魔法を切り替える戦法を取っています。
オークティス・ルーヴェルト(サポート)
【Support】
『M.O.F.M.O.F is Power』
『Yeaa,hoooooo』(飛びかかって斧ドーン)
28歳♂:人狼のアリスナイト × 破戒僧
実は(かわいいもふもふが)女性に好かれる
口調:カタコトダヨ。語尾や外来語が英語になりマース。
★舶来のオークティスデース。鎖型のUCや鼓舞で戦ウ元バーバリアンNE。チョット英語訛りの言葉ツカウヨ。デモ日本語全部ワカルヨ!★人狼の持つ変化(獣耳型、獣人型、獣型)の他にモフモフな形状を変化させて戦況に適応シタリも出来ルYO!★コミカルなシーンでは思い切りハシャグから宜シクNE
*アドリブや台詞回しは大胆に変更可
*多少キャラがブレてもOKです。
「M.O.F!! M.O.F!!」
モフっとした毛玉のようななにかが土管に転がり込んでくる。
いや、毛玉ではない。
オークティス・ルーヴェルト(仮)もふみの求道者✨️・f06321)
様々な形態に変化する特技を持つ人狼の猟兵、もふみの求道者だ。
オークティスは三郎右衛門の蓬髪に視線を向けて、数秒ほど悩んでからナシの判定を下した。特に何についての話ではないが。
そして目立つ人狼の影に隠れるように、少女が一人。黒いヴェールからちらりとのぞくのはエルフの特徴的な耳。
エステル・リンティネン(旅する占い師・f08918)
まだ知られていない別の世界の手がかりを求めて、こういった異空間に目をつけ、足を運んでみたのだろう。残念ながらこのキノコあふれる世界に彼女の求める答えはないかもしれない。
だからといって目の前のオブリビオンを無視して帰るわけにもいかない。猟兵の仕事の重みはエステルも深く理解している。
目の前のオブリビオンは、明らかに満身創痍だった。
それでもすでに滅び、忘れ去られた彼の修行者としての人生がそうさせるのだろうか。新たに姿を表した二人の猟兵に向け、微動だにせず一寸の乱れも感じさない構えを向ける。
動き出すタイミングは三者三様。
ユーベルコード:手合わせを所望する
周囲の闇が集まって傷だらけの三郎右衛門を覆い隠した。周囲の異変に危険を感じたキノコたちが一斉に光を強くすると、晴れた闇のあとに立っていたのは三郎右衛門の面影を残す20代後半の青年。
「おん! ばさらきりきりえりんぎまいたけえのきしいたけ!」
若々しい声が謎の真言を放ち、手品のように生えてきた薙刀を構える。
その声に反応して動いたのはオークティス。
長物相手に遠間は危険。銃を相手にするように高速でジグザグに距離を詰め、懐に飛び込もうとする。
しかしオブリビオンもそんな常套手は百も承知。オークティスの複雑な動きに惑わされず、呼吸を盗んで背後に飛びながら薙刀を振るう。
オークティスはその刃を避けようとしなかった。
ユーベルコード:Throw.Cast-away.BOOMx2(スロウ・キャストアウェイ・ドット・ブンブン)
連珠で薙刀を受け止め、固定し、そのまま持ち上げて周囲に叩きつけるユーベルコード。
直前でなにかを感じ取った三郎右衛門が薙刀をぴたりと止めて引き戻し、草履で大きく飛び上がって上段から振り落とす。オークティスの目はしっかりとその動きを追いかけているが、体が反応しきれない。何人もの血を吸った刃が人狼の頭上に振り下ろされ……
「占いでは、そう動くと卦にでていました」
ユーベルコード:封印されし力の開放(フウインサレシチカラノカイホウ)
決して大した威力ではなかった。
しかし、エステルの武器に宿った精霊の力が、ここ以外にないピンポイントな振り下ろしの隙に突き刺さった。
若い頃の三郎右衛門の振り下ろしにそんな隙はなかったのかもしれない。しかし老いていく体に合わせて調節していった技が逆に齟齬を生んだのだろう。オブリビオンは派手に姿勢を崩し、薙刀を手放して土管の壁を転がっていく。
その足を、今度こそ、オークティスが確かに掴んだ。
そして何回かの激しい打撃音のあと、オブリビオンは無に帰っていった。
開放され、逢魔が辻はもとの路地裏の姿に戻る。
現界の空気に触れたキノコたちが耐えきれずに次々としぼんで風に散っていく中、エステルは様々な占具に意識を集中させていく。
しかし望む結果は得られなかったようだ。占具をしまうと、肩を落としてその場をあとにした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴