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夜闇のヴィランとその美学

#ヒーローズアース #「夜闇に交差する友情」シリーズ

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#ヒーローズアース
#「夜闇に交差する友情」シリーズ


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●それはなんでもないある日のことだった
「千秋、よくやったね」
 ぽんぽん、と頭をなでようとするその手を、千秋と呼ばれた少女――『荒木千秋』は振り払った。
「……うるさいっす。あちしを子ども扱いするんじゃないっす」
「はっはっはっ、いやいやこれは失敬。君の『エンターテイメント』の腕がいいもんだからね、つい」
 笑っているのは――オブリビオンだ。これまで自分の行う犯行を動画配信生放送し、その過程でやってくるヒーローを捻じ伏せて犯行完遂する事でその名を上げてきた、『世界最高のエンターテイナー』を自称する存在。
「……褒められてもあまりうれしくないっす」
「ほら、そんな顔してるといい顔が台無しだぞ? エンターテイナーは笑顔でこそあれ、だ」
「……」
 笑顔、か。いったいいつからしなくなったのか忘れた。いや――しないというより、できない、の方が正しいか。ヴィランになってから――あるいはもっと前からかもしれないが――笑顔でいることが、いつの間にかできなくなっていた。
「さーて、次のエンターテイメントはどうしようかな――」
 オブリビオンが何かしら考える。――以前の事件以降、オブリビオンに対して多少は考えるようになった。そこで波長のなんとなく合いそうなこのオブリビオンに出会い、手を組んだはいいものの――いまいち進展がない。むしろ取り込まれそうだ――。
「――そうだ。千秋、確か君の知り合いにお姉さんがいたよね? 以前悪いことしてた研究施設に潜入した」
 ああ、彼女のことか。知らない仲ではない。
「――それがどうかしたっすか?」
「単刀直入に――誘拐して、殺そう」
「――!」
 千秋の顔が驚きでひきつる。ついで怒りで歪む。
「今エンターテイメントに必要なのは刺激だよ。これまではみんな峰打ちだった。でもちゃんと止めをさせるような、甘くない自分も見せないと、舐められるから――」
「やめるっす――あちしは」
「ん?」

「――あちしはそんなあんたを見たくなかったっす! すぐにそれは白紙に戻すっす!」

 気づけばオブリビオンの胸倉を掴んでいた。が、体格差とオブリビオンとしての差がある。すぐに千秋は呼吸を整え、首を振る。
「――ごめんっす。ただ――いや」
 気づけばその足は外に向いていて。
「――少し、風に当たってくるっす」
 その場を後にしていた。
「――ふむ、少し千秋には教育が必要かもしれないね」
 パチン、と指を鳴らすとコスプレの女の子が数人現れる。
「お呼びでしょうかぁ」
「彼女を――千秋を、始末するんだ」
「かしこまりましたぁ」

 特別に用意されている氷のビーチで風に当たって千秋は考えていた。
 ――わかっている。
 ヴィランとして舐められないようにするために、わかっているのだ。
 だけど――あの行動は、2つの意味で許せなかった。
 1つは、なるべく一般人を巻き込みたくはないという自分の美学。
 そしてもう1つは、あの宿敵との――。
「アイシャ――あんたなら、どうするっすか。こんなあちしを見て――どう思うっすか」

●美学と『在り方』
「悪には悪の美学があるとはよく言ったものだけど、彼女もそうかもしれないわね」
 マリア・ルート(黒き面影に囚われし根源姫・f15057)はふとそう述べた。
「荒木千秋――というヴィランがオブリビオンに殺されそうみたい」
 その名前に反応する猟兵もちらほら。
「千秋に関しては以前関わったことある猟兵もいるかもしれないけど――あれから何を思ったのか、オブリビオンと組んでたらしいのよね。ただ、今回、千秋の――何て言えばいいか、それこそ美学? に反するようなものを提案されて、止めようとしたから殺されそうになっている――ってみたいね。この時外に出たのも相まって、逃げたと解釈されてもおかしくない状況よ」
 ではその千秋を救えばいいのかというと、少し悩む顔をした。
「私から言いたい目的はあくまで『オブリビオン討滅』なのよね。だから千秋の救出はそれに付随する結果になるというかなんというか……ともあれ、そんな感じ。千秋と共闘するかどうかは任せるわ」

 状況としては特別な氷のビーチがあるらしいのだが、そこにオブリビオンらのアジトがあるようで、そこから出てきて考え事をしている千秋に刺客が襲いかかる、という感じのようだ。
「合流タイミングはだいたい同時ね。千秋に襲い掛かるオブリビオン! そこにさっそうと猟兵登場! と考えてくれればわかりやすいかしら」

 ――この件の進み方によっては千秋の『在り方』に変化が起きるかもしれない――そうマリアは付け足す。
「一人の存在の在り方を変える可能性が大きい、重要な事件となると思う――みんな、よろしく頼むわよ」
 マリアは一つ礼をした。それは、普段の彼女からは考えにくいようなものだった。


結衣謙太郎
 わかっているつもりなんだ。覚悟もできているつもりなんだ。
 だけど――ああ、心のどこかで私には――。
 ――美学とは、言い訳に過ぎないのだろうか?

 ●千秋について
 千秋については拙作「夜闇のヒロインは虚飾を斬る」に登場しております。
 読まなくても問題ありませんが、読んでいると1.5倍楽しめると思います。
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第1章 集団戦 『レイヤーヒーロー・スイーパーズ』

POW   :    お掃除(スイープ)します💓
技能名「【怪力/衝撃波/なぎ払い/範囲攻撃/力溜め】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    なりきりアクション、お魅せしますね💓
技能名「【空中戦/地形の利用/パフォーマンス/早業】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    ハニートラップだってお手の物です💓
技能名「【罠使い/誘惑/催眠術/盗み攻撃/騎乗】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

久遠・翔
UCのスピードを使い襲い掛かろうとした場所から千秋さんをお姫様抱っこの状態で救出します

一旦離れた場所に降り千秋さんを下ろして間に合ってよかったと微笑みます(誘惑50)
自己紹介は後程
あいつらの狙いは千秋さん…貴女を始末する事っす
だから助けに…いや、相手の考えが気に入らないからぶっ倒しに来たっす

UCを再起動させ敵陣のど真ん中に突っ込み雷光と斬撃を浴びせていきます
2回攻撃・なぎ払いにマヒ・気絶攻撃なども含め確実に倒せずとも動けないようにしていく

千秋さん…アイシャさんならどうするではなく自分の美学ならどうする事を考えるんっす
アイシャさんと対峙するに相応しい自分を想い貫くのが美学というものでしょ?


アレク・アドレーヌ
…美学ねぇ
まぁ矜持ってのは誰しも大体は持ってるものだが美学に反するからという理由で犯行を拒否するヴィランというのもまたヴィランとしてどうなのとは思うがね…とはいえそっちはどうでもいいのだが『行動を共にしていたオブリビオン』の方には気を留めないといけない。予想が確かなら今回の一件はただの仕事で済まなくなる


・戦闘方法
相手が【空中戦】を挑んでくるならこっちも【空中戦】でやり返すのみだが
そこに【ジャンプ】と【浮遊】【念動力】も併用し空中戦で優位に立つ。
【念動力】で相手の行動の阻害もかけれるので相手の地形利用や早業に対しての牽制としても使用。

…最近のヴィランUCの方向性が駄々被りなんだよ…影薄くなるわー


エドゥアルト・ルーデル
美学ねぇ…所で荒木氏とスイーパーズとどっちを先にprprしたら良いと思う?
拙者もちょっと悩んじゃって…(突如現れて千秋の真後ろに立ちながら)

にしても飛んだりパフォーマンスしたりでよく動くでござるね!中々いい眺めだぜ…
おっと興奮の余り【グラビティの爆発】が!
ああっ空中にいた連中が…爆発の【衝撃波】でカトンボのように落ちていきますな

パフォーマンスしてる連中は…ウム!爆発が演出みたいでエキサイティングでござるな!
爆発でヒラヒラして…むっ!いいねェ
更に爆発をプレゼントだ!
うっかり滅しちゃってもいいものが見れたからヨシとするか

そういえば荒木氏だっけ悩みがあるの
今は機嫌がいいんだ聞きますぞ

アドリブ連携歓迎


キング・ノーライフ
美学を語りながらも迷いか、若さゆえの迷いか自分と似て非なる物を見て顧みたか。まあいい、まずは敵を倒すとかるか。

【ヴァーハナ】を運転しながら【エレクトロレギオン】で攻撃。
装甲車の中の我に盗むのは出来んし、機械に誘惑も催眠術も効かん。
罠は我の【操縦】技術で振り切って、騎乗もレギオンで撃ち墜とそう。

貴様に美学という信念があるのなら、意地があるのならまずは生き残れ。
そうしないと貴様はただの負け犬…いや、吠える前に死ぬ犬になるからな。
貴様にはそれが出来るのだろ?



●迷い、そしてその先に
「わかってるはず――わかってるはずっす、でも――」
 千秋は水面に向かいただそれだけつぶやいていた。口に出せばまとまるかと考えて。だが、まとまらない――
『おーっと、ここにいましたわね💓 お掃除の時間ですわぁ💓』
「っ!?」
 不意に後ろから響く声に身を躱す千秋。先ほどまで自分がたっていた場所には大きなクレーターができていた。あれは確実に自分を――と思ったが、体がぐらつく。急な回避行動でうまく体制が整っていないのだ。
(しまっ――)
 万事休すかと思われたその時、背中に感じた埋もれる感触。しかし視線は空に染まってはいない。倒れたわけではない。ならいったい――
「――よかった、間にあったっす」
 久遠・翔(性別迷子・f00042)が倒れかけた千秋をお姫様だっこで救出していた。
「自己紹介は後程――あいつらの狙いは――千秋さん……貴女を始末する事っす。だから助けに……いや、相手の考えが気に入らないからぶっ倒しに来たっす」
 自分と同じ口調の猟兵。彼はいったい――いや、この柔らかい感触は女か。ますます鏡に映った在り得たかもしれない自分を見てるようで嫌になる――が、今は助けてもらえるならそれに越したことはない。
 離れた看板の陰に下ろしてもらうと翔は微笑みその場を後にする。翔は敵陣のど真ん中に突っ込み雷光と斬撃を浴びせていく。確実に倒せるとは限らない、動けないようにすれば十分だ。
 集団の楽しそうな声と戦闘音が混じる。やはりあれは、あいつの部下のコスプレした奴らか。自分も使ったことはあるが、本格的に自分を殺しに来たか。
「ところで荒木氏とあの子たちとどっちを先にprprしたら良いと思う? 拙者もちょっと悩んじゃって……」
 そんな中でエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が突然千秋の真後ろに立ちながらどシリアス顔でほざく。
「そんな目であちし達を見てるっすか……」
「あだだだだだ! 髭! 髭が抜ける!」

(美学を語りながらも迷いか、若さゆえの迷いか自分と似て非なる物を見て顧みたか……)
 装甲車『ヴァーハナ』を運転しながら翔に戸惑う千秋を見てキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)は思いをはせる。と、フロントガラス越しに目標であるスイーパーズを捉えた。
(――まあいい、まずは敵を倒すとするか)
 ヴァーハナの一部が開くと彼のレギオンが飛び出していく。
『あら💓 ゴミはお掃除しないといけませんわぁ💓』
『ついでに中の人もお掃除ですわね💓』
 ビュンビュンとキングに寄ってくるスイーパーズだが、レギオンから放たれる銃撃がそれを撃ち落としていく。
『あ、乗れましたわぁ💓 見てくださいまし、この――』
「え、ええい、我にそんなはしたない恰好を近くで見せるな!」
 フロントガラスに張り付くことに成功したスイーパーズの恰好でテンパったキングがヴァーハナをドリフトさせる。これにはスイーパーズもテンパったのか、道路に叩き落とされる。
『きゃん!』
 そして何も知らない車たちが彼女をはねていく……
『あーーれーー……』

 一方、翔は襲いかかるスイーパーズに苦戦していた。何しろ数が多すぎる、加えて空中からも飛んでくる。ついさっきは後ろに回られて危うくサラシを取られるところだった。
「キリがないっすよ!」
 歯噛みしながら立ち向かっているその時。
「はっ!」
 アレク・アドレーヌ(出来損ない・f17347)が増援として飛び出していった。空中で次々にスイーパーズを蹴散らしていき、時に念動力で牽制や敵の地形やオブジェクトの利用を防いでいく。
「助かったっす。しかしキリがないっすよ」
「何、それなら出なくなるまでやればいいだけさ」
 マスクの奥の表情こそ見えないがどこかほほ笑んでいるように見える。それに翔は一つ頷くとナイフを手で回して持ち直した。

「にしても飛んだりパフォーマンスしたりでよく動くでござるね! 中々いい眺めだぜ……」
 エドゥアルトが戦闘している光景を見ながら一つ漏らす。
「――おっと興奮の余りグラビティが!」
 もう一つ漏れたものがあった。エドゥアルトの力だ。それが空中戦を繰り広げている方へ向かい――爆発する。
「ああっ空中にいた連中が……爆発の衝撃波でカトンボのように落ちていきますな……ウム! 爆発が演出みたいでエキサイティングでござるな! 爆発でヒラヒラして……むっ! いいねェ、結果オーライってか」
 エドゥアルトがにやけながらグラビティを放つ。今度は故意にだ。
「更に爆発をプレゼントだ! うっかり滅しちゃってもいいものが見れるだろうしな!」
 これを見ている千秋はというと――
(そう――ちょっとこいつの場合邪なものがあるとはいえ、一般的にヴィランっていうとこういうのなんすよね――それに比べ、あちしは――)
 逆にヴィランよりヴィランっぽいエドゥアルトを見てさらに凹んでいた。

「……ふむ、大体片付いたか……」
 一方こちらはキングの方。大体寄ってくるスイーパーズは片づけたので、サブ目標である千秋の方へ。
 さすがに敵の数が多いのか、レギオンの攻撃も激しくなっているのがわかる、と――
「む!?」
 爆発音。急ブレーキ。運転席で立ちあがり天井に頭をぶつける。
「――我がレギオンが、撃ち落されただと!?」
 いくら脆いものとはいえ、レギオンを誰が壊したのか。きっとさっきの爆発か。窓から顔を出してみると――
「更に爆発をプレゼントだ!」
 なーんて、爆発をプレゼントしているエドゥアルトの姿が。
「な・ん・じ・かぁぁ!」
 すぐにアクセル全開でエドゥアルトの方へ走りだすのだった。

「わぶっ!?」
「っ……」
 こちらは翔達のいる場所。こちらで先ほど起きた爆発はエドゥアルトの恰好の見物になっていた。本人たちは知らないが。
「何が起きている……? この爆発は。どっち側の増援だ?」
「――どっち側にせよ、これは好機ではあるっすが――」
 事実、スイーパーズたちが爆発に巻き込まれやられている。これを活かさない手はない。
「――少し気になるっすね。戦線を下げて、爆発のエネルギーを感じる方へ行くっす。彼女たちを巻き込みつつ」
「了解した」
 そう言っている中で、また爆発が1つ。
「……! あそこっすね!」
 エドゥアルトを目視でとらえると、スイーパーズに背を向けないように翔は後退し、アレクも後に続いた。

「ふー。そういえば荒木氏だっけ悩みがあるの。今は機嫌がいいんだ聞きますぞ」
「……」
 目の前の彼が悩みを聞いてあげると言ってきた。……正直、相談したい気持ちはある。だけど――
「な・ん・じーーー!!」
 悩んでいるところに一つの声が響く。見れば装甲車がこちらに向かってくるではないか。ついでになんか攻撃が飛んできてる――が、これはどちらかといえばこの彼に向けてか。
「よくも我がレギオンを撃ち落してくれたなーー!」
「い、いいいいや、あれは不可抗力、不可抗力でござ――」
「へえ。そう言い張るんすね」
 ぼふ。エドゥアルトが逃げた先には柔らかいふくらみが。顔を上げるとそこには――
「俺らを巻き込んでどうするつもりだったっすか?」
「あ、いや、その、あの――」
「やっちゃうっす」
 翔がエドゥアルトの腹を蹴って空へ浮かばせるとそこに一つの飛び蹴りが。アレクだ!
「ぐふっ! ぐぅ、うぐぅ……び、美少女たちの――がくっ」
 吹き飛んでいくエドゥアルトを見ながらまたつまらないものを蹴ってしまったとばかりにアレクが頭をかく。ともあれ、3人は千秋と一応は合流できた。

「……さっきは、どうも」
 千秋のその言葉は翔に向けて。
「例には及ばないっす――千秋さん」
「っ――」
 さっきもそうだった。こいつには――自分の名前を知られている。だが少なくとも自分には見ず知らずのはずだ。私も有名になったか、それとも――
「自己紹介はそこそこに、乗れ。また奴らが来ないとも限らん。少なくとも我が車の中なら安全だろう」
 キングが窓から覗いてくる。それに乗ったか、翔が「まあまあ、いいからいいから」と押すように千秋を乗車させ、猟兵2人も乗って車は動きだす。

「……せ、拙者は……?」
 青い空に男の寂しい声がこぼれた。
「見つけましたわぁ💓」
 青い空に男の寂しい爆発音がこぼれた。

 未だ爆発音がする現場を離れながら車は走る、その中で。
「千秋さん――俺らでよければ相談相手になりますよ?」
「……」
 だんまりを決め込んでいた。それは信頼できないというのもあるが――何より自分のこの弱さを見せたくないから。
「千秋さん――」
 翔は、このままでは話が進まないと思い、切り札を切ることにした。
「――俺、実はアイシャさんと会ったことがあるっす」
「――!?」
 顔に動揺が見えた。このチャンスをふいにするわけにはいかない。続けて翔が話す。
「アイシャさんは千秋さんを心配してたっす。オブリビオンとかに狙われないか――」
「オブリビオン……」
 あのエンターテイナーを思い出す。一般人であるアイシャの姉を殺そうとしてたから――もしや。
「――あいつ――私抜きで一般人に危害を加えるつもりっすか?」
「どういうことっす?」
 その呟きに翔が反応する。千秋がしまった、というように顔をうつ向ける。だが翔はその顔を無理やり自分に向ける。
「話してほしいっす。ね?」
 その微笑みと無自覚の魅了の前には千秋も耐えられなかった。

 千秋は話した。
 エンターテイナーと名乗るオブリビオンの計画――アイシャの姉の誘拐殺人計画。
 一般人を巻き込むのは自分の美学に反すること。
 故に立ち向かったがすぐ冷静になり外に出て頭を冷やして纏めようと思ったこと。
 そうしていたら今回の件が起きたこと――

「「「「……」」」」
 話し終えた後、しばらく車内に沈黙が流れた。その沈黙を破ったのは。
「……美学ねぇ……まぁ矜持ってのは誰しも大体は持ってるものだが――美学に反するからという理由で犯行を拒否するヴィランというのもまた、ヴィランとしてどうなのとは思うがね」
「っ――」
 意外にもアレクだった。辛辣な言葉を投げかける。自分が弱いから――否。自分にはヴィランとしての在り方がなっていない――そう言うように。
「……覚悟はしている――いや。【していたつもりだった】のかもしれないっす。でも私は――それでもなるべく一般人は巻き込みたくないっす」
 千秋がふと自分の服から何かを取りだす。それはロケットのようだった。そこには3人の少女が仲良くしている写真が――
「だからこそ、今回の計画は――」
 一つ涙をこぼす。それは千秋が久しぶりに流した涙。ああ、いつ以来だったか。涙を流すことも弱さと思い忘れていた千秋の、久しぶりの涙。
「アイシャ……あんたなら」
「そこまでっす」
 翔が涙声になっている千秋の口を押える。
「千秋さん……アイシャさんならどうするではなく、自分の美学ならどうする事を考えるんっす。アイシャさんと対峙するに相応しい自分を想い貫くのが美学というものでしょ?」

 ――そうだ。
 イメージするべきは常に最強であれとは誰が言ったか。
 私の場合は最強というよりは、アイシャを導き、成長させ、そして――させるためだが。
 そのための私がこうなってしまっては――そうか、意味がない。
 目の前の翔は、まるで自分の鏡写し――いや、鏡の中から語り掛ける自分の虚像。そう千秋は感じていた。

「もっともそっちはどうでもいいが――」
 アレクが挟むようにまた辛辣な言葉を吐く、が続いたのは。
「そっちはどうでもいいのだが――『行動を共にしていたオブリビオン』の方には気を留めないといけない。――予想が確かなら今回の一件はただの仕事で済まなくなる」
 千秋と共にいたオブリビオンの方。アレクには何か思い当たる節があるようで。
「――あいつは荒木がいなくてもことを進めるつもりか。そう言ったな?」
「――そうっすね」
「――可能性はゼロではない。どこでその話をしてた?」
「あのビーチの近くのアジトっす」
「まだいるのか?」
「わかんないっす。でもそこまで時間は」
「戻るぞ」
「ああ」
 ヴァーハナがドリフトしながらUターンし、再びビーチへと向かっていく。
「ま、待つっす! まさか、あんたらは――」
「そのまさかだ」
 それに翔も合わせる。
「俺たちは『猟兵』――オブリビオンは倒さないといけないっす。千秋さんもそれはわかっているはずっす」
「わかってる、でも! あちしには、あいつは――」
「喚くな下郎!」
 叫んだのは意外にも運転席のキングだった。
「貴様に美学という信念があるのなら、意地があるのなら、まずは生き残れ。そうしないと貴様はただの負け犬……いや、吠える前に死ぬ犬になるからな。貴様にはそれが出来るのだろう?」
「むっ――むかつくっす! あちしは負け犬じゃないっす! むしろ負け犬どもをこき使う側っす!」
 立ちあがって声を張り上げる千秋がドサッと座りなおす。
「いいっすよ、やってやるっすよ! 生き残って、アイシャにもあんたらにも舐められないようなヴィランだって見せつけてやるっす!」
「そうだ、それでいい。それくらい気力がなくては、守るべき一般人も守れないだろう? 如何なヒーローも、やる気がなければ一般人を救うことすらできまい」
 ――まさか、彼はそれまで考えて発言してたってのか。
 千秋は言葉と嘘で今まで生きてきたつもりだったが――今自分がその言葉の魔力にやられている。その状況に複雑な心境を感じずにはいられなかった。

 車はビーチへ向かっていく。すでにスイーパーズの姿もない中――
「――いたっす!」
「お、おい! 運転中にドアを開けるなと」
 まだ走っているところだというのに、千秋は焦りか、虚構の勇猛か、ドアを開けて外に出てしまった。そして猟兵たちは見たのだった。千秋と一緒にいた、そのオブリビオンの姿を――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ミスターショータイム』

POW   :    さぁ、犯行開始だよ!
戦闘力のない【自身の動画配信用の撮影機材】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【視聴者の数の増減】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    積み上げられた研鑽の証
技能名「【盗み 暗殺 逃げ足 早業 怪力 毒使い】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    盗みの真価
対象のユーベルコードを防御すると、それを【使用不可能にしつつ自分の技として】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアレク・アドレーヌです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エンターテイナー
『おやおや、千秋ではないか。よく戻ってきたね』
 ぽんぽん、と頭をなでようとするその手を、千秋は振り払った。
「うるさいっす! あちしを子ども扱いするんじゃないっすと何度も――」
『はっはっはっ、いやいやこれは失敬。君の『反抗期』という『エンターテイメント』にやられてね、つい』
 目の前のオブリビオンは笑いながらも、千秋の目は厳しく。
「――まだ諦めないっすか?」
『もちろんだとも』
「あちしがいなくても?」
『もちろん』
「ならこれ以上の言葉は不要っすね」

 千秋は何やら虹色の剣を創造し、オブリビオンに向ける。――ヴィランとしての、彼女のユーベルコードだろうか。
「あちしの生命力に替えてでも、止めるっす」
『ははは、面白い冗談だ。いいエンターテイナーになれるよ君』
「うるさいっす! 一般人に手を出すエンターテイナーなんか御免っす!」

 ――千秋の手は震えていた。
 それでも、ここで。
 呼吸を落ちつけながら、ヒーローまがいのことをしている自分に、ふと宿敵にしてヒーロー……ヒロインである彼女の姿を重ねるのだった。


※このシーンでは千秋と共闘が可能です。
 千秋のユーベルコードは「無敵の【虹色の剣(素材は自分の生命力)】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する」です。
 千秋は猟兵たちの邪魔にならない程度の戦闘(サポート寄り、メインは猟兵に張らせる)をします。何かさせたい場合はプレイングで指定をお願いします。
キング・ノーライフ
弱者を強い生物を使って殺す娯楽は歴史上幾らでもあるから否定はせん、ただ今の機材まで使ってやるには古臭いと言っておこう。

さて、UCを盗むなら奪っても仕方ない物を使えばいい。
まず【狸塚の呼び鈴】を使い、狸塚(狸耳尻尾の後輩系イケメン、ですます口調)を召喚。狸塚は【衝撃波】を我は【豪奢なタルワール】を使いコンビ攻撃。これを囮にして【ゴッド・クリエイション】で自作AIを積んだ創造物【ヴァーハナ】を突っ込ませる。奪っても当たれば追突事故、盗むしか能がない奴が自作した物は動画だけだ。ま、むしろ奪ってくれんと生きる車は面倒くさいから困るが。

後は千秋を心折れぬよう【鼓舞】しておくか。「生き残れ、王の命ぞっ!」


アレク・アドレーヌ
さて…予測通り、いや案の定というべきか。
オブリビオンこと配信バカとの闘いなわけだが…地味にめんどくさい相手なんだよなこれが。

奴が生前行ってきた配信は100回、内ヒーロー撃退人数はその5倍にあたる。
被害総額は言うに及ばず…果たしてこの人数で止めきれるかは確率にしても2割だろう…まぁヴィラン、いや千秋もこの件に関しては戦うというならヒーローとしてではなくヒーローマスクとして文字通り力を貸してやることにしよう。

人数さらに減るし危機的状況なのはさらに悪化だから多少のあいつのスペックの上乗せにはなるだろ。だから思いっきり暴れてこい。 …別にあいつの相手めんどい訳じゃないぞ。 


エドゥアルト・ルーデル
まったく拙者をお空に置いてくなんて激ぉこでござるよ

【軍用機】召喚!【操縦】して空から襲撃ですぞ
相手は動画映え気にしてるんだろ?ここは派手にシュトゥーカで
見敵必殺!"サイレン"を大音響で鳴らしながら当たり一面に爆撃!
技能を研鑽しようが関係ねぇ空を制した者が勝つのだ
動画撮りてぇんだろ!ナショジオさながらの戦争動画にしてやるYO!
やはりいいものでござるね爆撃は

爆弾が尽きたら乗り捨てて次の機体を召喚でござるよ
次はソーッフィッシュにでもしようかしら

荒木氏は…よし後部機銃座に乗るといいですぞ
無理なら応援してくだちぃ!幼馴染がスポーツ大会に出て活躍してる感じで!

むっ拙者も美学を語りたいが尺が足りねぇ!次だな



●scene.1
「く、くそっ」
 キングは千秋のフライングに戸惑っていた。すぐにヴァーハナを再びUターンさせ、千秋の近くに停車。そしてチカチカと音を立てる一時停止のサインを出すとドアを開けて降りていく。

「さて……予測通り、いや案の定というべきか。オブリビオンこと配信バカとの闘いなわけだが…地味にめんどくさい相手なんだよなこれが」
「そんな面倒か?」
 キングが外から懐古するようなアレクに問う。
「ああ、奴が生前行ってきた配信は100回、内ヒーロー撃退人数はその5倍にあたる。被害総額は言うに及ばず…果たしてこの人数で止めきれるかは確率にしても2割だろう……」
「500人以上のヒーロー撃退……勝率2割……か」
 割と低い成功率。策なしで向かうには無策無謀、とでも言いたげである。
「――しかし、だからといって、止まるわけにはいかない。我らは猟兵――奇跡の力、ユーベルコードを扱う存在だ。まあ、ユーベルコード自体は千秋も使うが。それに弱者を強い生物を使って殺す娯楽は歴史上幾らでもあるから否定はせん、ただ今の機材まで使ってやるには古臭い」
「ああ……」
「……?」

 気づいた。アレクが出ようとしない。座ったままどこかぼんやりと空を見上げている。
「……どうした。まさかここまで来て戦いたくないと」
「い、いや、違うぞ。あいつの相手めんどい訳じゃないぞ」
「……」
 アレクはキングに引きずり降ろされた。

『はっはっはっ、その剣で僕をどうしようというのだい? まさか殺すとかいうんじゃないよね?』
「そのまさかっすよ! あんたとの同盟はここで終わりっす!」
『はっはっはっ、威勢がいいな。もっとも、僕が殺されるときはその瞬間を撮影して動画にして投稿しながら死ぬ、と決めてるもんでね。それが最期のエンターテイメントになり得るから』
 故に、と目の前のオブリビオンはこちらから距離をとり。
『だからここで準備できてないうちから死ぬわけには』
「死とは突然にやってくるものだ、理不尽にな」
『!?』
「ちぇすとー!」
 狸耳尻尾のメガネ男子、狸塚がキングの呼びに応じてミスターショータイムに不意打ちの一撃を浴びせる。合わせるようにキングが距離を詰めてタルワールで攻撃。
『くっ、これが召喚系なら裏切らせれば――』
「残念だな。狸塚は我が神通力で契約した我が僕。この絆と契約、ユーベルコードをもってしても破れまいよ」
「そうです! ノーライフ先輩との縁を切るなんて、無理ですよ!」
「おい、我のことはキングと呼べとあれほど」
「あ、あわわ、ごめんっす!」
 話している間にも攻撃は続く。そしてこの時――忘れていた男がやってくる。

 空に鳴り響くサイレン。キングも思わずこれに注意が向く。あれは何だ。鳥か。飛行機か。違う――シュトゥーカだ。
「まったく拙者をお空に置いてくなんて激ぉこでござるよ」
 エドゥアルトだ! 生きていたのか! あのスイーパーズの中で生きていたのか!
『くっ、ノイズは動画撮影の邪魔になるからやめてほしいんだけどね! take2撮らないといけなくなるじゃないか!』
「技能を研鑽しようが関係ねぇ――空を制した者が勝つのだ。動画撮りてぇんだろ! ナショジオさながらの戦争動画にしてやるYO!」
 エドゥアルトはサイレンを鳴らしながら辺り一面に見的必殺の爆撃をしていく。爆炎で大地が見えなくなっていく。
「やはりいいものでござるね爆撃は――よし、次はソーッフィッシュにでもするでござるか。荒木氏も後ろに乗っていいんでござ――ん?」
 ふと下をのぞけば、煙の中から、泣きそうな顔の狸塚と、なんか震えているキングが。
「~~~~えーい! もういい! 来い、ヴァーハナ!」

 その時、停車してたヴァーハナがいきなり動きだす。これは自作AIを積んだものだったのだ! 元々自分らの攻撃を囮としてこれを使うつもりだったのが、狸塚や自分の巻き込みと作戦の狂いによる怒りがタイミングを間違えさせた!

 ――作戦は失敗となるはずだった。

『けほ、こほ――煙幕と無差別爆撃とは、放送事故もいいところだよ――ん?』
 ミスターショータイムがせき込みながら顔を上げると、なにやらライトみたいなものが――そう、煙を突っ切って現れたのはヴァーハナだ! 無人運転の!
『ユーベルコードかな? まあいい、ならば盗むまでだ』

 空にはねられたミスターショータイムが舞った。

「UCを盗むなら奪っても仕方ない物を使えばいい」
 キングはエドゥアルトを足で踏みつけながら語る。落ち着きは取り戻したようだ。
「奴の力でユーベルコード部分を奪っても当たれば追突事故――盗むしか能がない奴が自作した物は動画だけだ。ま、むしろ奪ってくれんと生きる車は面倒くさいから困るが」
「あのー、ところでなんで拙者は踏まれてるの?」
「たわけ! 我が計画を狂わせたならまだしも、狸塚までこんな目に合わせおって――千秋がここにいたら巻き込むつもりだったのか!?」
「そこはこう、うまくかわして後部座席に乗ってくれると――」
「ヴィランには我らほどのすさまじい能力はない! 我らが埒外なだけだ! 基準が違う!」

●scene.2
 そこに千秋が心配そうに現れる。啖呵を切ったはいいものの、ミスターショータイムがアレなので一度こちらに来たのだ。
「いや、あちし、割とそういうのいけるっすけど――」
「おお、荒木氏、せめて応援してくだちぃ! 幼馴染がスポーツ大会に出て活躍してる感じで――」
「おい」
 キングが千秋に詰め寄る。
「己の力に過信をするな」

 ――目の前のこいつが言いたいのは、虚勢を張りまくる自分への忠告、説教だろう。それはわかる。だが――
「己の力に過信して滅びた存在はいくらでもいる」
 そうだ。
 そういうヴィランたちを負け犬扱いして操ってきたのが自分じゃないか。
 そんな自分が――過信して負けてどうする。彼我の戦力差をはき違え、自分は単身立ち向かおうとしてた。思えばそれは一つのヤケクソから出たものではないか。
 冷静になれ。
 冷静になれ、荒木千秋。
「――わかったっす、でも、このままただ引き下がってあんたらに任せるわけにも」
「その心配はいらない」
 見れば、先ほどとは違い、何やらマスクとその下の昆虫のような眼の猟兵が現れたうえに、皆が私を見つめている。
「何のために我らがここに来たと思っている。それに、その決意を蔑ろにする我らでもない」

 ――目の前の猟兵――アレクがマスクのようなものをこっちに向かわせてくる。
「え、ちょ、何をするつも――」
 被された。
「あ、ああ、うぁぁぁぁ――!!」
 すさまじい力が体を駆け巡るのがわかる。自分が再構成されるようでしないような。これが、これが猟兵の力というのか?
「まぁ千秋もこの件に関しては戦うというなら――ヒーローとしてではなくヒーローマスクとして文字通り力を貸してやることにしよう」
「あ、あああ熱いっす! これ、取り外し――」
「いや、できないな。というか、心通えないとうまくやりにくいから少し抵抗しないでくれるか?」
「あんたが戦えばいいじゃないっすか!」
「言っただろう? その決意を蔑ろにする我らでもない、と」

 ――そうか。
 これは新しい力を得るためのもの。
 自分が、自分の手であいつを倒せ、そのためなら弱体も強化も惜しまないという。
 私は今回、サポートに回ろうと思ったが、どうやらそれを望まれてはいないらしい。
 上等だ、ならそれに応えてみせよう。

 感覚が、変わってくる。マスクなのに視界が明確になってくる。それに全身を流れる何かが変わっているのを感じる。きっと変身ヒロインやヒーローって、変身中の感覚としてはこんな感じなのだろう。
 ――強い力には痛みや苦しみが伴う。ヒーローやヒロインはこの痛みや苦しみに耐えながら戦っているのか。
「――まあ、人数さらに減るし危機的状況なのはさらに悪化だ――だからこうしたが、多少のスペックの上乗せにはなるだろ。だから思いっきり暴れてこい」
「生き残れ、王の命ぞっ!」
「むっ拙者も美学を語りたいが尺が足りねぇ! 次回だな」
 猟兵たちがこういってくれるが――この不快感がやまない。それに――この力を持ったとして、勝てるのか?
 彼我の戦力差を考えると、猟兵でやっと戦えるようなのに自分が前衛やって大丈夫なのか?
 ――悲しいかな、自分で大見得切ったにもかかわらず、それに疑問が残っていた。
「――でも、こんな力貸してもらったところで、あちしには――」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
千秋さん落ち着くっす
震える手に自分の手を重ね

何故オブリビオンに立ち向かったか思い出すっす
そして信じなさい
自分の信念・自分の美学…そして思い描く相手に誇れる自分自身の姿を
その全てが揃った今、恐れる者はありません

俺も微力ながらお手伝いします…何て言うか、千秋さん見ていると他人とは思えないんっすよ
なんっつーか…鏡写しみたいな気がして、ね?

戦場を駆け抜け苦無を駆使して中距離から投擲を使い相手の行動を阻害しながら千秋さんに飛ぶ攻撃を防ぐ
UCを起動したら一気に接近して連続斬撃を当て、怯んだ所を蹴り上げ千秋さんにパスします

恐れるな!思い描け、誇れる自分を!
迷うな!自分自身の美学の為に!
全力で…行くっすよ!!



「千秋さん落ち着くっす」
 ふと、柔らかい手が重ねられた。見れば、翔とかいう猟兵ではないか。
「何故オブリビオンに立ち向かったか思い出すっす。そして信じなさい――自分の信念・自分の美学……そして思い描く相手に誇れる自分自身の姿を。その全てが揃った今、恐れる者はありません」
 ――そうだ。ヤケクソとはいえ、それは虚勢がすべてではない。そこには、少なからず、『本心』がある。美学から来た、止めなければという本心、信念――渇望。そして、それを見せて、自分の在り方を示すべき、一人の少女。いや、二人かもしれない。

 ――なら、恐れる必要など最初からなかったのではないか?

(自分も言ってたっす――『ヴィランとして死ぬ覚悟はできている』『あんたにはその覚悟はないっすか』――今のあちしに、それを問うっす)

 煙が晴れてくる。その向こうから立ち上がろうとしてるミスターショータイムの姿が。
『やってくれたね……けがとかして入院したら動画出せないでチャンネル登録数減るじゃないか……!』

「俺も微力ながらお手伝いします……何て言うか、千秋さん見ていると他人とは思えないんっすよ。なんっつーか……鏡写しみたいな気がして、ね?」
 ――それは、奇遇にも自分が彼女に対して感じた感情。合わせたか。本心か。いや、今はそんなの関係ない。
「――ありがとうっす」
「いや、礼は――すべて終わった後っすよ」
 頷く。心を落ち着かせ、集中する。感覚が鮮明になり、まるでマスクをつけてない状態のように前がはっきり見えながら、流れる何かが違うのを感じる。ふと見れば、自分のユーベルコードによる剣も、輝きを強くしていた。――この剣の素材は自分の生命力だ。それが強くなったからか、この一時的な強化のおかげからか――何にせよ、僥倖だ。

●scene.3
『こうなったら、君たちみんな皆殺し配信だ!』
「来るっすよ!」
 翔のダガーが輝きを帯びる。向かってくるミスターショータイムに対し、翔は素早くは知りながら中距離から苦無の投擲をして相手の行動を阻害する。ミスターショータイムもその辺の岩などを投げつつそれを囮に苦無などを投げているが、それも翔に防がれる。
(――今っす!)
 攻撃がやんだ。翔は一気に接近して連続斬撃。相手は受け続けるしかない早業。トドメに翔は腹を思いっきり蹴り上げる。
 ――すなわちこれは、彼女の出番。
「恐れるな! 思い描け、誇れる自分を!
 迷うな! 自分自身の美学の為に!
 全力で……行くっすよ!!」
 黙ってうなずく。
 いつもより軽く、速く走れるその足、そして高く飛びあがると――ミスターショータイムと目が合う。
「「終わりっすよ――あんたの、エンターテイメントは」」
 気のせいかもう一つ声が響いた気がした。それは翔か、それとも――
 そして、その背中から真っ二つに斬るように――剣を、振り下ろす。
 手ごたえ――あり。
『が――はっ……千秋……なかな……か……いい……エンター……テイメント……じゃ……ない……か……』
 それが、彼の最期の言葉。
 私は自分のスマホを取り出すと、それに向ける。
「あんた――今わの際の動画欲しい言ってたっすよね。録ってあげるっす」

 ――エンターテイメントに溺れた存在の、末路を。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『エンジョイ・アイスサマー』

POW   :    氷の海を思いっきり楽しむ

SPD   :    氷の海で美しくアイススケート

WIZ   :    雪の砂浜でアートを作るよ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●事件のあとで
「お世話になったっす」
 それには様々な意味が込められている。
 このオブリビオンにもそうだし、猟兵たちにもそうだ。顔のマスクはもう取れ、元の持ち主に返している。
「――捕まえるっすか? あちしを」
 ――私もヴィランだ。こうなった以上、覚悟はできている。今までなら私は裏から手を回していた、が――世界の敵とは言え、今回は直接手をかけた。それも、多大な迷惑を猟兵たちにもかけてまで――
「――あちし、少し、考え事してくるっす。ここ、珍しい氷の海と雪の砂浜なんで、ゆっくりしてくといいっすよ」

 ――気のせいかな。あちしの――私の――顔が、少しほころんでしまった。そんな気がした。ああ、あの時以来、こんな姿は見せたくないと思っていたのに――ね。

※千秋を逮捕するか否かは自由です。無視して遊んでも全然大丈夫です。
※『珍しい氷の海と雪の砂浜』のだいたいの風景は上記背景イラストのような感じです。
キング・ノーライフ
さて、オブビリオンという人型の過去を殺した訳だが。
これは矜持とやらに触れるかどうか気になる所ではあるな。
金輪際ご免だというならヒーローもヴィランも向いてなかったという事よ。

まあ我は神だからな、貴様の今後等一時の瞬きよ。
だから大人しく誰かに捕まるかヴィランを続けるか好きにしろ。

ただ、お前は誰かの為に生きるのではなく…
自分の為に誰かを想える、もしくは救える生き方のが
向いていると我は思うがな。
なに、そんなに一人の名前を呟き続けていれば馬鹿でも分かるさ。

よし、狸塚。海の家に行くぞ。この海なら海の家の伸びたラーメンもマシに食べれるだろうさ。そして狸塚、アイツにラストシーンを譲ったとか余計な事は言うなよ。


アレク・アドレーヌ
まぁ…ヒーローである以上ヴィランは確保して当局に引き渡す――
訳だが、それでハイ終わりですとしてもこの場にいるもの全員が納得せんだろうし何より俺が一番納得してない。

かといって逃がすという選択肢もする気はないので
まずお前さんはどうしたいのかという所を話し合いから始めることにする

当然ながら本人が迷惑かけた分拘留所で罪を償うというならそれはそれで逮捕するがそうでないというならば第三の選択肢としてヒーローとして、いやヒーローマスクとして契約の元特例で処置という手もあるが…それでもしばらくは監視がつくから自由にはできんけども

どっちにしても本人の意思次第だな



●感じた違和感は
「待て」
 アレクがぐいっと千秋の服を引っ張り寄せてくる。
「なんっすか。逮捕っすか」
「まぁ……そりゃあ、ヒーローである以上ヴィランは確保して当局に引き渡す――訳だが、それでハイ終わりですとしてもこの場にいるもの全員が納得せんだろうし――」
 アレクは頭をかきながら続ける。
「何より俺が一番納得してない」
 そう、アレクにしてみればただシステム的に引き渡したところで、納得がいくようなものにはならず、わだかまりができてしまうのだ。
「――かといって逃がすという選択肢もする気はない――まずお前さんはどうしたい」
「あちしは――どうっすかね」
 この期に及んでなおこういう言い方をするのは、自分の中で迷いができているからなのかもしれない。
 その姿にアレクが頭を抱えていると、キングが口をはさんできた。
「千秋はオブビリオンという人型の過去を殺した訳だが。これは『矜持』とやらに触れるかどうか気になる所ではあるな」
「人型だからってわけじゃないっすよ。ヒーローもヴィランもどっちも、そして世界まで壊すって言うなら、それはもう、敵っす」
 ――あちしの美学は、『なるべく一般人を巻き込まない』。
 ――一般人じゃないなら――あちしは手を抜かない。
「ほう、そうか。金輪際ご免だというならヒーローもヴィランも向いてなかったという事だとでも言おうとしたが――まあ、杞憂に終わったか」
「だがどうするんだ? 当然ながら本人が迷惑かけた分拘留所で罪を償うというならそれはそれで逮捕するが、そうでないというならば……」
 キングがニヤリとする中であくまでも冷酷に言うアレク。
「まあ我は神だからな、貴様の今後等一時の瞬きよ。故、大人しく誰かに捕まるかヴィランを続けるかなどは好きにしろとしか言いようがない。
 ただ――」

 キングはそこで千秋の上の方を見ながら。
「――お前は誰かの為に生きるのではなく……自分の為に誰かを想える、もしくは救える生き方のが向いていると我は思うがな」
「誰かのためではなく――自分のために誰かを想う」
 ――すなわち、先導者ではなく――ただの自分勝手な救済。
「――なに、そんなに一人の名前を呟き続けていれば馬鹿でも分かるさ」
 アイシャか。
 それほどつぶやき続けていただろうか。
 だとしたら、まだ、私の中では、そのような『心』が――
「そうか――それだったら、第三の選択肢として、ヒーローとして――いや、いっそ私か他のものが動いてヒーローマスクとして契約の元特例で処置という手もあるが……それでもしばらくは監視がつくから自由にはできんけども」
 アレクの話は結局は、という話ではある。
 でも、可能性が1つ。

【ヒーローになること】。

 ヴィランがそもそもなぜ殺さないでと猟兵に通達されているかといえば、ヒーローになる可能性があるからだ。
 そしてその可能性は、当然千秋にもあるわけで――

(――でも、私は――【こっちに選ばれてしまった】。――?)
 違う。
 違う。
 なにかが――根本から違っている。

 顔を上げてみれば、2人の後ろ姿が。
「よし、狸塚。海の家に行くぞ。この海なら海の家の伸びたラーメンもマシに食べれるだろうさ」
「はいです! ノーライフ先輩!」
「我のことはキングと呼べと……そうだ、狸塚、アイツにラストシーンを譲ったとか余計な事は言うなよ」
「はーい」

 ――そんな2人の姿が、どこか眩しくて。
 それはビーチという環境――否。

 ふと、手にしたロケットを開けた。中の写真は、私にも大事な写真。私と、あの子と、あの子の――そう、あの二人のように、仲良く友達のような関係で――【いられた】頃の、あの――
 ――もしかしたら、私がヴィランになったのは、【結果的に】なのかもしれない。だとしたら――
「おい」
「……」
 アレクの呼びかけにそっと顔だけ向ける。このままでは解放してくれないだろう。
「――もう少し、あちしに時間を下さいっす」
 逃げるように私は、千秋は、その場を去る。その様子にアレクはやれやれ、と頭を抱えながら。
「まあ――なんにしても本人の意思次第だな」
 自分は伝えるだけは伝えた、後は彼女次第、という顔――どこかマスク越しだがそう感じられる気がした――で砂浜に座るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

久遠・翔
千秋さんの傍に向かい隣いいっすか?と
ちなみに捕まえる気は一切なし
UC常時発動

無言で景色眺めてますが千秋さんになんでヴィランになったのかを聞いてみます
千秋さんのやり方はどちらかと言うとダークヒーロー…ヒーローのライバル役のように見えるっす
自らがヒーローの壁となり、その壁を乗り越え真のヒーローに成長させようと影で助けるような…

…俺ね、兄妹がいたんっすよ
血の繋がりない孤児同士でした
仲は良かったっす
けど…あの日『売られる』兄妹の手を掴めなかった
同じ奴隷孤児っす…いつかその日が来るけど、立ち向かう事も出来た

でも、出来なかった




…戦いたくない、殺したくない
アイシャさんの千秋さんへの言葉っす
忘れないでください



●対話の先に
「隣、いいっすか」
「いいっすよ」
 のんびりと波を眺めていた千秋の横に翔が座る。それを見て千秋は。
「……なんだ、あんたっすか」
 こいつかよ、とばかりに目をそらした。そのまましばらく静寂が流れていたが、ふと、翔が千秋に問うた。
「千秋さん――なんでヴィランになったんすか」
「なんでって、それは」
「――千秋さんのやり方はどちらかと言うと、【ダークヒーロー】……【ヒーローのライバル役】のように見えるっす。
 自らがヒーローの壁となり、その壁を乗り越え真のヒーローに成長させようと影で助けるような……」
 ああもう、こいつはどこまで鏡写しなんだ。私の思考が漏れているのか。
 ――そうだ。私は、アイシャを成長させるため――そして、アイシャに私を■させるため――ここまでやってきたんだ。
「――だからなんっすか。それはあんたには関係ない話っす」
 ぷいっとそっぽを向く千秋。そこに翔が呟くように話す。
「……俺ね、兄妹がいたんっすよ。……血の繋がりない孤児同士でした。でも、仲は良かったっす。けど――」

 ――あの日『売られる』兄妹の手を掴めなかった。

「同じ奴隷孤児っす……【いつかその日が来る】――けど、立ち向かう事も出来た」

 ――でも、出来なかった。

「俺みたいな後悔を、千秋さんにはしてほしくないんっす」

 運命に立ち向かう。
 それは簡単なようで難しい。
 だから私も――運命に従ってしまった。
 私は【選ばれた】。彼女も【選ばれた】。彼女だけ――【選ばれなかった】。
 だからこそ、彼女を巻き込みたくない――そこから私は『一般人はなるべく巻き込まない』という美学を立てた。
 そして私は、運命に流されるように在り続けた。でも、彼女――アイシャは、なかなか戦おうとしなかった。それを見て、私は感じた。

 ――【自分が犠牲になってでも、ヒロインとなったアイシャは成長させないといけない】。

 それからはアイシャを突き放すようにし始めた。私は私なりに在り続けた。気づけば、ヒーローの敵――ヴィランになっていた。上等だ、そうすれば彼女に相対する機会が増えるんだから。
 ああ、どうして忘れていたんだろう。
 私の【根源】。私の【在り方】、その【起源】。
 きっとそれは、ヴィランとして過酷な淘汰を生き残っていく中で、弱いところを見せるまいとした自己暗示による記憶改竄なのだろう。

 波の音が響く中、翔が私の顔を寄せてくる。
「何するっすか、痛いっすよ――」
「こっちを見るっす」
 その顔はどこか怒りにも見えて、しかし共感にも見えて。
「……『戦いたくない、殺したくない』。アイシャさんの千秋さんへの言葉っす」
「……!?」
「忘れないでください。アイシャさんは、あなたのことを――」
「無理っす!」
 千秋はいきなり立ちあがっていた。それに翔が驚く。
「あちしは――『私』、は――ずっと――アイシャに、【殺されるつもり】で生きてきてるんっすから! あちしの屍を超えて、更なる先へ行ってほしい――あちしはあの日からそう決めたんっすから!」
 気づけば涙があふれていた。声がところどころ嗚咽するような声になっている。それは本心か、はたまた嘘か、それとも翔の魅了が引きだした――
「いいっす、もう行くっす。ケジメつけに」
「どこ行くっすか」
「ひゃん!?」
 足を掴まれた。頭をぶつける。なんて古典的な。でもそれで昔笑いあっていた時期もあった。
「そんなの、ダークヒーローもヴィランも変わりないっすよ。同じライバル役っす」
 振り向くと、その顔には少しの傷と、涙と【弱み】が見えていて。
「――そんな顔もできるじゃないっすか」
「――!!」
 ばっ、と投げ出すように翔を引っぺがすと、逃げるように千秋は立ち去った。

 気がつけば、元のあのエンターテイナーが使っていたアジトに来ていた。
 あのエンターテイナーはもういない。ここを自分のものにすることもできた。だが――
(弱い自分はもう終わりにしようと決めたはずっすが――)
 どさどさ、と自分の今までの『努力』を置いていく。決別の時にしよう。これは自分なりのけじめなんだ、と言い聞かせ。
(――やりなおすとしたら、今度は――)
 そうして、右手を高く上げる。
(――【あんたと同じ、フィールドで】。もっと、【人間らしく】。)

 ――だから、【悪役(ヴィラン)】としての自分は、もうおしまい。
「ユーベルコード、起動――」

『最後の審判の最後は大団円(イグジスタンス・フィナーレ)』

 ――その後。
 千秋は自首した。だが、その様子は今までの彼女とはまるで異なり、警察や更生組織も困惑しているそう。
 そしてアジトだが――千秋が「行っても無駄です」とは言ったが、調査したところ――何もなかった。まるでそれ自体が嘘――いや。千秋自身が、それを嘘にした、かのように――
 その変化に猟兵と、この事件がかかわっていることを、知る存在はあまりいない。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年10月02日
宿敵 『ミスターショータイム』 を撃破!


挿絵イラスト