9
レア素材を集める者

#UDCアース #宿敵撃破 #マイ宿敵 #猟兵どうでしょう #エージェント・シロウサギ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
#宿敵撃破
#マイ宿敵
#猟兵どうでしょう
#エージェント・シロウサギ


0




●UDCアース とある森
 蛇の群れが燃えている。多数の蛇が重なって絡み合っているところに偶然雷が落ちたのだ。
 なぜ自分がこんな目に? ああ、熱い、苦しい。 自分たちだけこんな目に合うのは不公平だ。
 そんな蛇達の想いがその場を偶然にも儀式として成立させてしまい、蛇達は自身を生贄にとあるUDCを呼び出してしまう。

 その名は『八岐大蛇』蛇塚・ライム。

 邪神を宿したことにより命を落とし、森羅万象を燃やし尽くさんと憎悪するUDCである。
「……」
 不完全な復活の為か、自我や意識があるようには見えない。
「……」
 だが、世界を憎む意志だけは残っているようで、その憎しみを宿した目であたりを見回し、移動を開始した。

●グリモアベース
「UDCが出現しましたわ。皆様には討伐を頼みますわ」
 グリモア猟兵の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)、その別人格であるシルヴァーナはそう切り出す。
「いくつかの条件が偶発的に重なり、蛇を生贄に蛇に関するUDCが召喚されたみたいですの」
 UDCの名は『八岐大蛇』蛇塚・ライム。神代の悪しき蛇神を宿す器になってしまった少女で、森羅万象を燃やし尽くす憎悪や怨嗟による炎を放つと言う。
「偶発的だったせいか、特に自我もないようですわ。悪巧みみたいなことはできないでしょうが、人里にでも降りられたら被害は甚大ですわ。どんな事があったにせよ、人々を、世界を燃やしていい理由にはなりませんもの」
 そこまで、言い切ったところで、シルヴァーナは更に言葉を続ける。
「それとですね、どうやら彼女、ライムを狙っているUDCがいるみたいですわ。相手の可能性を奪う能力を持つUDCみたいですが、目的として見えたのはそのものズバリ『彼女の可能性の収奪』ですの」
 つまり、放っておけば、ライムの可能性……そこには能力諸々を含むだろうか。それを手にしてより強力な存在が生まれるわけである。
「相手は別のUDCを雇って捜索、見つけ次第に現場へ急行してライムの捕獲、取り込みを行うようですが、猟兵が先に倒してしまえば、最悪の結果は免れるでしょう。そして、往生際が悪いのか、残骸だけでも回収しようとはするようですので、そのUDC諸共撃破してくださいまし」
 まとめると、偶発的に発生した蛇塚・ライムの撃破、そして彼女を狙っている別勢力のUDCの撃破が目的となる。
「知り合いにも世界を憎悪する系女子がいたわたくしとしては、彼女を止めるのもそうですし、その力をさらに悪用されるのも見過ごすわけにはいきませんの」
 だから、皆様頼みましたわよ。シルヴァーナはそう言って猟兵達を送り出すのだった。


麦門冬
 こんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。早く涼しくなってほしいところですね。今回はUDCで3連戦シナリオとなります。
 第1章では、放置しておくと色々とヤバイので、偶発的に呼び出されたUDCを撃破していただきます。第2章では倒したUDCの残骸を回収して逃げる雇われUDCを追跡、程々に撃破していただきます。第3章では、雇い主UDCとのボス戦となります。

 以下、補足事項です。

●『八岐大蛇』蛇塚・ライム
 憎悪で世界を滅ぼす系女子。今回は偶発的な召喚だったせいか理性なく暴れまわるようで、搦手等は使ってはきませんが、周囲を見境なく燃やしてくるので、シンプルに危険です。

●雇われUDC
 蛇塚・ライムの捜索と、見つけた後の雇い主への連絡、ライムが倒された場合の残骸の回収および雇い主への輸送など、色々と仕事を任されているようです。戦闘力は皆無ですが、逃げ足だけはピカイチのようです。真正面から戦闘を仕掛けてこない分、面倒くさい相手です。

●雇い主UDC
 他者の『可能性』を収集することをライフワークにしています。奪った『可能性』で自身を強化できるので、パワーアップの度合い的にもできればライムを丸々捕獲したいとは思っていますが、無理なら一部分だけでも欲しいようです。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
76




第1章 ボス戦 『『八岐大蛇』蛇塚・ライム』

POW   :    森羅万象を焼き尽くす蛇の激情
自身に【怒れる巨大な黒き蛇神の炎】をまとい、高速移動と【8つの蛇の頭から憤怒の超高温獄炎のブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    この世全てを塵灰と帰す感情
自身からレベルm半径内の無機物を【敵を自動追尾する怨恨の劫火】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    有象無象を焼き消す魂の揺り籠
【自然発火能力(パイロキネシス)】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ハロ・シエラ
聞いた様な名前ですが……相手はオブリビオン。
彼女を巡って色々と思惑が動いているようですが、放っておけません。
私のダガーの名に賭けても、一太刀浴びせておかなければ。

さて、まず劫火への対策です。
何を感知しているのかは分かりませんが【残像】で撹乱できないでしょうか。
【早着替え】を応用して、像と一緒に服も残して確実性を上げます。
それに騙されないとしても【ダッシュ】で動いてなるべく追いつかれないようにしましょう。
場合によっては風の【属性攻撃】を纏ったレイピアで【武器受け】し、敵の劫火を【吹き飛ばし】ます。
そうしながら接近し、ユーベルコードで一撃入れます。
脱ぐ物もそんなに無いですし、速攻をかけましょう。



●蛇切のひと咬み
「聞いた様な名前ですが……相手はオブリビオン。彼女を巡って色々と思惑が動いているようですが、放っておけません」
 名も知らぬ森の中、『八岐大蛇』蛇塚・ライムと対峙するはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)だ。
「私のダガーの名に賭けても、一太刀浴びせておかなければ」
 左手にするダガーの名は『サーペントベイン』、蛇切の名を冠し、蛇の血と毒で鍛えられたダガーである。
「……ウウ?」
 初めて動く存在、ハロの存在を見つけたライムは憎悪の視線をハロに向ける。憎しみに染まったその眼はハロを見ているようで見ていない。彼女を通して自分をこのようした存在やこの世界そのものを認識しているのかもしれない。
「アアアアアアアアアアアア!!!」
 言葉にならない叫びを発し、ユーベルコード【この世全てを塵灰と帰す感情】により、周囲の石や土といった無機物から怨恨の劫火を作り出し、ハロへと飛ばす。
「自動追尾するみたいですが、対策はしてあります」
 ハロはそういうと、高速でダッシュし、緩急をつける動きでその場に残像を作り出す。その際に残像に上着を残し、より自分らしくするが、
「こっちに迷わず来ますか!?」
 劫火は迷わずハロ自身へ迫ってくる。スカート、ブラウスと自分の衣服ごと残像を次々と残すが、結果は同じようである。
「見た目や匂いなどで判断しているわけではない? そうなると、熱ですかね」
 自動追尾してくる炎にハロの高機動による戦闘法はいささか相性が悪かったかもしれない。だが、
「次善の策は打ってあります」
 右手にレイピア『リトルフォックス』を構えると、風の力を刀身に纏わせ、迫る炎に当てることで吹き散らす。炎はそれでもしつこく戻ってこようとするが、ハロはその風の力でさらに加速し、ライムへと迫る。
「脱ぐ物もそんなに無いですし、速攻をかけます」
 ユーベルコード【スネイクバイト】による高速の一撃を放つ。服を脱いで身軽になり、風の力も受けて加速したハロのダガーの一撃をライムは捉えることが出来ない。
「ガアアアアアアアアアアッ!!」
 サーペントベインの斬撃に血しぶきが上がり、刃に染み込んだ毒がライムの身を蝕む。その痛みが、ライムをさらに激昂させる。
「これでダメでしたら、いよいよ下着に手をかけねばなりませんでした」
 などと言いつつも、ハロは怒り狂う敵に油断なく対峙するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘
妾はキャラ被りは寛容に許すが、上下関係だけはきっちり示しておかんとな
それにその折角の素晴らしい能力、他人に収奪されるのを許すわけにはいかん!

邪神オーラを全身に纏い、炎は覚悟を決めて防御して耐える!
なんとしても回避などという弱者の発想はせんよ、真正面から受けて立とう! 避ける技は無いとも言う!
それに、獄炎のブレスに迷わず突っ込む妾、実にイイ画になるに違いあるまい!
息を止め目を閉じていくが、炎は物理的に障壁にはならんし、より熱い方向を目指せばよかろう
念のためにより範囲と命中確率を重視、尻尾の横薙ぎを全力でブチ込んでくれよう!

実に残念であるぞ、自我を取り戻した本気のお主とバトってみたかったわ!



●セカンドスネーク、カモン!
「はーっはっはっは! 妾はキャラ被りは寛容に許すが、上下関係だけはきっちり示しておかんとな。それにその折角の素晴らしい能力、他人に収奪されるのを許すわけにはいかん!」
 そんな意気込みで現れたのは、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だ。
 真の蛇神にして邪神たる彼女は、世界に悪が蔓延る現状を憂い、そして怒っていた。あらゆる世界は妾の物なのだ、それを何を好き勝手やっている? 従わぬ者は直々に叩きのめす! 無辜の民の嘆きを聞きとげ、彼女は高笑いとともに現れる! そんな設定で活動している彼女にとって、ライムはある意味リスペクトするべき存在である。何としても彼女を止めねばならない。その気合は十分だ。
「さあ、来るが良い! 心を喪いし狂える蛇神よ!」
「……」
 先程の猟兵から受けた受けた毒を抑え込みつつライムは騒がしく現れた相手を見据えるライム。そして、
「アアアアアアアアアアアア!!」
 何の為の憎しみか理解はせずとも、その感情をぶつけるべく【森羅万象を焼き尽くす蛇の激情】により、自身に巨大な黒き蛇神の炎を纏う。そして、背中の八匹の大蛇から超高温獄炎のブレスのブレスを放つ。
「はーっはぁっ! なんとしても回避などという弱者の発想はせんよ、真正面から受けて立とう! 避ける技は無いとも言うがなあっつうう!!」
 邪神オーラを身に纏い、真正面から炎を受ける。ちなみに、彼女に特別火炎耐性のようなものはない。我慢と覚悟とやせ我慢でなんとか耐えている。
(獄炎のブレスに迷わず突っ込む妾、実にイイ画になるに違いあるまい!)
 そしてその映像制作最優先思考が【逆境アサルト】というユーベルコードへと昇華され、彼女の能力を跳ね上げているのである。
 体の内側を熱でやられないよう、息を止め目を閉じ進む菘。涙目になりそうにもなるが、涙はすぐ蒸発するのでバレない。そしてそのまま、目は見えずとも、より熱い方向へと進んでゆく菘。
(炎などでは物理的に障壁にはならんから、妾を止めることはできぬぞ)
 などと言ってみたいところだが、口を開けるととんでもないことになりそうなので、ここはぐっと我慢。
「ッ!?」
 ここまで正面切って自分の炎にぶつかって耐えてきた相手がいなかったのか、ライムの憎しみの感情の中に焦りと戸惑いが混ざる。そして、危険にあえて真正面から飛び込んでくる存在へ本能が警鐘を鳴らす。
「怯んだ時点でお主の負けじゃ!」
 その機微を感じ取り、菘は更に勢いを増して突っ込み、尻尾の横薙ぎを全力でブチ込む。
「グホァッ!!」
 その一撃をモロに身体に受け、吹き飛ぶライム。
「実に残念であるぞ、自我を取り戻した本気のお主とバトってみたか…ったわ!」
 途中、超高温に熱された空気にむせそうになりながらも、決め台詞をビシッと決めた菘なのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルベル・ノウフィル
【七色の希望】
早業は全行動に活用
UCは星守の杯使用+以下のサポート

●オーラ防御で防御支援+回復
「ルパート殿、庇ってくださってありがとうございます」
「智華殿、見事な魔術でございますな」
「あれは残像? 紅葉殿の素早さ故に生じたのですね」

●念動力で飛翔補助+障害物除去支援
「多喜殿、お気をつけて」
「サミュエル殿、周囲の様子はいかがです?」

●オーラ防御で防御支援+庇う
「砦殿はピンチでも笑顔なのですね」
「狼煙殿が戦っているところは初めて見ましたな」
「クンツァイト殿は格好良いですね」
「ウルフシャ殿、その歌はどういう意味なのです?」
「レモン殿、後ろはお任せください」

お世話になっている皆様への恩返しでございます


紬雁・紅葉
【七色の希望】参陣

笑みなく羅刹紋を顕わに

業焔…斬り祓い鎮め奉る!
先制でUC『水曜』に破魔氷属性を付与し最大範囲展開
属性と強化効果を味方にも付与

天羽々斬を鞘祓い十握刃を顕現
高々と掲げ告げる
(破魔衝撃波恫喝)
久しいな、我が敵!だが今宵の相手はうぬに非ず!そこで縮こまって居れ!!

仲間の間隙を縫いするすると接敵
射程に入り次第破魔氷属性衝撃波UCを以て回数に任せオロチの頭を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける

仲間(特に蛇塚様)は積極的にかばい援護射撃

最後は蛇塚様に任せる


神楽鈴一打

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


クンツァイト・スポデューメン
[七色の希望]
事情は知らねぇ。知ったところでどうにかなるもんでもねぇしな。
いや、聞かされてはいるぜ?だが、知ったことかっつーことだッ
ダチに、手を貸してくれと頼まれた!ダチが悲しそうなツラしてんだ、いいか?
今から、テメーを、ブン殴るッ!

とはいったモノの、あんましでしゃばる気もねぇが
「UC:漏電」で攻撃の出を潰し続ける
それが術式であるなら、滅茶苦茶にしてやれるからな
何時だって、アタシは一歩も二歩も遅すぎる
それでも、それでもだ、まだ間に合うってアタシのくっだらねぇ希望をさ
託すぜ、ダチ公ッ


ロコメルン・ルケッタ
【七色の希望】
ライムさん…まだ憎み続けてるんだね…
ライムさんに、レモンさんに、これ以上苦しんでほしくない
だって、大切な恩人と、その大切な人だから

レモンさんが想いを伝えられるように、ライムさんの動きを止めるよ
とは言え、ライムさんの炎が近付けさせてくれないかも
マフラーを分厚い両刃に変形。旋風させて火を払っていくよ
時間を稼いでたら、水?そっか、これならっ

UCを使用してスライムを召喚。ポータルで転移させて水に紛れさせるよ
ライムさんの足を捉えたら、スライムを合体させて動きを止めるよ
ミストシックラーを走らせてスライムを凍結
動きを止められたら、それ以上攻撃しない
自我は無いかもしれないけど…届いて…ライムさん


サミュエル・シュヴァルツヴルド
【七色の希望】アドリブ大歓迎です!

レモンちゃん寂しいよね、悲しいよね、心配だよね
その想いちゃんとライムちゃんに伝わってほしい
わたしにもそのお手伝いをさせて…

わたしは純白天馬クリスティーネに乗ってレモンちゃんと多喜さんの直掩。行動しやすいように援護

漆黒天馬シュテルヒェンは砦くんに乗ってもらって空と陸どちらでも対応出来るように
テルヒェン、少しの間だね砦くんに協力してあげて?

砦くんが嘘魔法をし始めてライムちゃんの動きが少しでも止まったら、周囲を絶対零度で凍らせる氷結蒼槍をクリスに乗って突貫してライムちゃんのできる限り傍の地面に突き立てて本当に地面を凍らせるよ

上手く凍って動けなくなってくれればいいな…


蛇塚・レモン
【七色の希望】
見付けた……!
ライム、今、骸の海から解き放ってあげるよっ!
みんな……ありがとう!
そして、抜かりなくっ!

あたいは多喜さんと同行
皆の連携で生まれる好機を伺うよ

思い出した……
一度だけ、あたいはライムと遊んだことがあったよ
人形遊びして、楽しかったよね?

ごめんね……
あたいが逃げたことで、ライムが蛇神になるなんて思わなかった
同時に、あたいはライムへ無理矢理に蛇を宿した奴を許せないっ!
ライム、怒りの鉾先を間違えないでっ!

蛇神様にUCと動きを封じてもらい、指鉄砲の零距離霊弾
(念動力+破邪+衝撃波)
ライムへ媒介道具の勾玉を押し付け、封印を試みる!
どんなに焼かれようが、あたいはライムを絶対に助ける!


紅葉・智華
【七色の希望】で参加
※連携・アドリブ歓迎

「レモンの頼み――その期待に応えて見せる、であります」(眼鏡を外しながら)
【ペイント手榴弾】(中身は有機インク)を【投擲】、【目潰し】で妨害しつつ【第六感】や【戦闘知識】で攻撃を【見切り】つつ、【選択UC】を展開。私や友軍への攻撃をガード(盾受け)して、【属性攻撃】(高圧電流)による【カウンター】、【足止め】を狙う。
とにかく動き回り、囮役に。本命となる方の行為の成功率向上を図る。

第一目標はレモンがライムと接触、対話する事。その為、想定外の妨害(他の勢力による横槍)がある場合、其方への対処を実施する。
「レモンの邪魔はさせない――!」(素)


大神・狼煙
【七色の希望】

今回ばかりは真面目にいきますか……

物陰や猟兵の攻撃を隠れ蓑にして距離を詰め、足止めが成功した瞬間に背後から襲いかかる

背から肺と心臓を狙い掌底

死角からの不意打ちでUC発動の隙を与えず喰らいつければよし
【暗殺】

蛇に噛みつかれる可能性は大いにあるが、それが本命

蛇の牙は内側に湾曲しており、一度食いつくと獲物を逃さない反面、自身も放せなくなる

こうなってしまえば高速移動しようと逃げられはしない

炎を吐かれる前にライムの頸動脈に食らいつき、血を啜る
【吸血】【生命力吸収】

心臓から出たばかりで活力に満ちた良質な血を奪えば弱化も大きいはず

離れ際に食いついた蛇の頭を掴み、本体から引き千切る
【部位破壊】


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
【七色の希望】

レモン、あれが妹さんか……
アンタの思い、アタシにはちょっとは分かる。
だから声を届かせようぜ。
魂の底から湧き上がる、思いのたけを……!

無機物が変換されるから、カブは一旦お留守番さ。
レモンちゃんを背負いながら『念動力』で空中を飛び、
必死で攻撃を避けながら【過去に抗う腕】の準備を始める。
自我が薄いとはいえあの姿を取った以上は、
「魂の本体」はある筈。
レモンちゃんが憶えている「思い出」を頼りに、
ライムちゃんの「こころ」の在り処を探る。
そうして二人の「こころ」を繋げられたなら、
あとはレモン、思い切りだけさ!

アタシは傍についている。
皆もこうして集まった。
一人じゃないよ!


ルパート・ブラックスミス
【七色の希望】

以前、相対した時に言った……否、自分の事などどうでもいい。
終焉の日だ、宿業に総てを奪われた娘よ。貴殿の姉君が迎えに来たぞ。

UC【夜鷹の不知火纏う騎身】起動。
敵の射程を【見切り】、この鋼の身を変換されないように距離をとって戦おう。

今回の自分の役割は、敵の攻撃から味方を護る壁役。
強化した爆槍フェニックスを振るい【衝撃波】による【吹き飛ばし】で敵の炎を相殺、突破してくる分は【火炎耐性】あるこの鎧で【かばう】。
今の形態ならば敵の高速移動にも追いつけるはずだ、【残像】や【フェイント】も駆使し敵を牽制。
最悪、変換能力に曝されるのも【覚悟】して敵を【おびき寄せ】よう。

【アドリブ歓迎】


羽住・砦
【七色の希望】
※連携、アドリブ歓迎

レモンお姉ちゃんの妹……。
にしし、レモンお姉ちゃんなら大丈夫!きっと和解できるよ!

ボクは動き抑制するよ!

UC、【嘘魔法】を使用するよ!
サミュエルちゃんのお友達の漆黒天馬、テルヒェンちゃんの背に乗って、氷でできた槍を降らせる錯覚を見せて牽制して、みんなの攻撃が届きやすい位置に誘導!

動きを抑制できたら、サミュエルちゃんの絶対零度の槍に合わせて、それを模倣した大量の槍を下ろすよ。
あえて隙を作ってね!
本命はサミュエルちゃんの槍による、地面からの凍結!

嘘魔法が見破られたら、精神を揺さぶる短剣、【レモネード・ダガー】での近接戦闘をするよ。
レモンお姉ちゃん、力を借りるね!


ウルフシャ・オーゲツ
【七色の希望】
レモンちゃんのお願いとあっては気合を入れざるを得まい。
しかしうちの持つのは基本的に相手を吹き飛ばすか自分が吹き飛ぶ。
……いや、仲間に氷を使うものがおるとするならばもしや、コレが使えるのか……?
「力のある祝詞とは別じゃが、コレも立派な古歌じゃからな、込められた思いや知名度の力は侮れぬぞ?」
ということでユーベルコードを利用して思いっきり水を降らせるとしよう
普段なら服を濡らす程度じゃが、効果的に妨害、足止めするため、水をいつもより多く降らせ操るのじゃ。
仲間が凍らせれば効果も倍増じゃ!
「そうやすやすとは抜けられんぞ!」
絶対に服を濡らし続けると言う奇跡、火が吹き出る相手には良さそうじゃな。



●八岐大蛇と十二人の猟兵が抱く七色の希望
「見付けた……! ライム、今、骸の海から解き放ってあげるよっ!」
 先の猟兵達の攻撃を受けてもなお、憎しみの火を絶やさぬライムに声をかけるのは蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)、ライムの腹違いの姉である。
「……」
 だが、当のライムは姉が現れたというのに、彼女に特に何も言うことはなく、新たに現れた『憎しみの対象』にじっと見ているだけだ。
「ライムさん…まだ憎み続けてるんだね…」
 ロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)はライムの姿を見、悲しげな表情となる。彼女は別の依頼でもライムと遭遇し、戦ったが、その時に彼女を救えなかったことを後悔していた。
「ライムさんに、レモンさんに、これ以上苦しんでほしくない。だって、大切な恩人と、その大切な人だから」
 大切な人との別れを経験した彼女にとって、レモンとライムの状況は見過ごすわけにはいかない。電脳空間を展開して戦闘に備える。
「レモンの頼み――その期待に応えて見せる、であります」
 同じく紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)も電脳空間を展開させる。眼鏡を外し、気合を入れる。
「事情は知らねぇ。知ったところでどうにかなるもんでもねぇしな。 いや、聞かされてはいるぜ?だが、知ったことかっつーことだッ」
 そして、3人目の電脳魔術士のクンツァイト・スポデューメン(キミと歩む英雄譚・f18157)はぶっきらぼうに言い放つ。
「けどよ、ダチに、手を貸してくれと頼まれた! ダチが悲しそうなツラしてんだ、いいか? 今から、テメーを、ブン殴るッ!」
 闘志むき出しにしてライムにそう宣言する。当のライムの方はさしたるリアクションもないようではあるが。
「クンツァイト殿は格好良いですね」
 そんなクンツァイトの様子にルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は感心の声を上げる。
「さてレモン殿、後ろはお任せください」
 そう言って彼も自身の魔法の準備をする。
「レモン、あれが妹さんか……。アンタの思い、アタシにはちょっとは分かる」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は失踪した友人を探している。会いたい相手に巡り会えた、そんなレモンのことを慮って言ったのだろう。
「だから声を届かせようぜ。魂の底から湧き上がる、思いのたけを……!」
 そう言ってレモンの肩に手を置く。
「多喜さん……」
「さて、今回ばかりは真面目にいきますか……」
 そんな様子を見やり、大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は女の子に夢中な普段の彼とは違い、どこか真剣な表情に見える。
「うむ。レモンちゃんのお願いとあっては気合を入れざるを得まい」
 楽天的なウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)も、この時だけはキリッとする。
「レモンちゃん寂しいよね、悲しいよね、心配だよね」
 純白の天馬『クリスティーネ』に乗るサミュエル・シュヴァルツヴルド(灼凍双槍の天馬騎士・f13652)はレモンの、そしてライムの様子に胸を締め付けられる想いで見ている。
「その想いちゃんとライムちゃんに伝わってほしい。わたしにもそのお手伝いをさせて…」
「レモンお姉ちゃんの妹……」
 サミュエルのもう一頭の天馬、漆黒の『シュテルヒェン』にのっているのは羽住・砦(ナンパ常習犯・f14612)だ。
「にしし、レモンお姉ちゃんなら大丈夫!きっと和解できるよ!」
「みんな……ありがとう!」
 レモンの呼びかけに応えて駆けつけた猟兵は11人。彼らの言葉にレモンは胸がいっぱいになる。
「そして、抜かりなくっ!」
 相手は理性を失えど強力なオブリビオンである。油断は禁物だ。
「以前、相対した時に言った……否、自分の事などどうでもいい」
 そして、レモンでなくライムにそう呼びかけるのはルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)、以前にも蛇塚・ライムに遭遇し、戦ったことのある男だ。一度骸の海に還ったライムは前に話したことを覚えていないかもしれない。そもそも、理性のない今の状態で何を言っても無駄かもしれない。だが、彼は言わずにはいられなかった。
「終焉の日だ、宿業に総てを奪われた娘よ。貴殿の姉君が迎えに来たぞ」
「八岐大蛇と聞きまして」
 剣呑な表情とともに体に独特の羅刹紋を浮かばせるのは紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)。彼女としては、ライム云々よりも八岐大蛇を冠するUDCを倒すために馳せ参じた面が強い。
「業焔…斬り祓い鎮め奉る!」
 ユーベルコード【九曜陣・八雲】で周囲に九本の剣を降らし、九曜紋を描き出す。九曜紋から水と破魔の力が溢れ出し、仲間達に力を与える。
「ッ! ガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
 紅葉のユーベルコードの気配に反応してライムが吠える。これが戦闘開始の合図となった。
 
「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 まずライムは【有象無象を焼き消す魂の揺り籠】にて周囲の木々や地面から自然発火を起こし、猟兵達へと差し向ける。
「我が血はもはや栄光なく。されど、未だ夜空に燃え続ける! 炎は任せろ!」
「此処には壁があるでありますよ。見えないと思うなら……と言っても、相手は何も見てないでありますな」
 ルパートは【夜鷹の不知火纏う騎身】により強化された己の槍『爆槍フェニックス』を振るい炎を吹き散らし、受け止める。そして別方向から迫りくる炎を智香の【矛反転する見えぬ壁】で作り出した不可視の壁で防ぐ。
「炎の出現地点が本体とは違っても、追尾するでありますよ!」
 炎のデータを解析して自動追尾する電撃を不可視の壁からライムに向けて発射する。
「グアッ!!」
 反撃の電流がライムの肌を軽く焦がすが、大きなダメージにはなってはいないようだ。
「ルパート殿、庇ってくださってありがとうございます。それに智華殿、見事な魔術でございますな」
 ルベルは【星守の杯】によって空から金平糖を降らせ、ルパートの傷を癒やす。
「炎には水じゃな。うちの持つユーベルコードは基本的に相手を吹き飛ばすか自分が吹き飛ぶが、これなら大丈夫なのじゃ。【秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ】……」
 ウルフシャが力ある言葉を発すると、空から雨が降り注ぐ。
「ウルフシャ殿、その歌はどういう意味なのです?」
「力のある祝詞とは別じゃが、コレも立派な古歌じゃからな、込められた思いや知名度の力は侮れぬぞ?」
 ルベルの問いかけに答えるウルフシャ。普段は相手の衣服を濡らすだけだが、相手の炎を減じるのにも役立ってくれるだろう。
「…………」
 全身がびしょびしょになったライムは【森羅万象を焼き尽くす蛇の激情】によって黒き炎を纏う。超高温によって周囲の雨が蒸発して蒸気の霧が生まれる。
「にしし、濡れたなら、凍りやすくなるよね。水蒸気だって、また冷やせば水に戻る」
 天馬によって上空に陣取った砦が指をパチンと鳴らすと大量の氷の槍が生まれる。ユーベルコード【嘘魔法】によって作り出した偽者の氷ではあるが、相手が信じれば本物となる。
「……」
 それに対してライムは周囲の土から【この世全てを塵灰と帰す感情】によって炎を作り出し、砦に向かわせる。
「にしし、僕の攻撃に気を取られていていいのかな?」
「我が家の銘に勝利を誓う――ズィークアイト・シュヴァルツヴルド……ツヴァイシュトルツ! アインフリーレンッ!」
 砦の攻撃に紛れさせ、サミュエルのユーベルコード【絶対零度の凍結蒼槍】がライムに向かって飛んでゆく。時間差で巧妙に飛ばした槍は、地面に刺されば絶対零度の空間を作り出してライムの動きを止めるだろう。
「アアアアアアアアアアアア!!」
 ライムが雄叫びを上げると、彼女の背中にいた八匹の蛇の頭から獄炎のブレスが放たれる。
「……嘘でしょ? きゃああ!!」
「この光景は僕も嘘だと信じたいな……うわっ!」
 ライムの放ったそれぞれの炎は砦の偽りの氷の槍もサミュエルの本物の氷の槍も全て溶かしてしまった。氷と炎、相性がいいか悪いかというものが大きく出やすい組み合わせで、今回は悪い方に出てしまったようだ。そして、氷や雨といったもので勢いがまだ消えない炎は上空の二人に容赦なく噴き上げてゆく。
「サミュエル殿、砦殿! お怪我は大丈夫です?」
 すかさずルベルが二人と、二人の乗る天馬に回復の金平糖を降らせる。様々な要因で威力が減じていたせいか、致命傷にはなっていなかったようだ。
「私は大丈夫です。クリス、テルヒェン、もう少し頑張ってね」
「にしし、僕はああいう嘘でも本当でもやることが変わらない相手ってのが苦手だね」
「砦殿はピンチでも笑顔なのですね」
 砦殿らしいですねとルベルが感想を漏らす横で、悪態が漏れるものもいた。
「クソッ! 術式が大雑把すぎる!」
 クンツァイトは【漏電】により、ユーベルコード発動の術式の回路を変質させて乱すものであり、その術式が緻密なものあればあるほど、効果は高い。、
「変質させても全然発動するじゃねーか!」
 ライムのユーベルコードが己の感情を炎に変えるというシンプルかつ大雑把なものであり、回路を一部変質させても、他の部分の回路を通って術式として成立してしまう。そのため、多少威力を減じることができても、発動を完全に封じ込めることができないようであった。
 彼女が炎の威力を減じてくれたお陰でサミュエルと砦の怪我が軽くなったのはあるが、今この事を言っても彼女の慰めにはならないだろう。
「何時だって、アタシは一歩も二歩も遅すぎる……」
 そう呟く彼女だが、電脳空間のコンソールを動かす手は止めない。
「でもな、だからと言って立ち止まるわけにはいかないんだよ!」

 時間は少し遡り、ライムが上空からの氷の槍を全て焼き払った直後。別方向から飛んでくる球体。
「?」
 動物的な反射で蛇の一匹と動かし、叩き落とすライム。だが、叩いた衝撃でそのペイントボールは弾け飛び、ライムに降りかかる。
「目潰しを期待したでありますが、さすがにそれは都合が良すぎたでありますかね?」
 ペイントボールを投げたのは智香。そのままおかわりとばかりにペイントボールを投げ続けて逃げ回る。
「……」
 そのまま反射的にペイントボールを叩き落とし、そろそろ鬱陶しいと大蛇の獄炎ブレスを放とうとした時、
「レモンさんが想いを伝えられるように、ライムさんの動きを止めさせてもらうよ!」
「!?」
 そんな声がしたと思った時にはライムの足元にヒヤリとした感覚。いつの間にかロコメルンの【バトルキャラクターズ】によって生み出されたスライム状の生き物がライムの足元に大量に出現していた。
「上からがダメなら下からはどうかなっ!」
 サミュエルと砦の攻撃からダメ押しとばかりに上から飛んでくる攻撃に気を取られていたライムはスライム達の動きに気づけなかった。
「よし、合体」
 スライムたちが結合し、ライムの下半身がスライムに覆われる。
「そして召喚! ミストシックラー!」
 ロコメルンの持つ巨虫『ミストシックラー』がポータルを通じてライムの足元に召喚される。冷気を噴出させるこの虫は、またたく間に冷気を飛ばし、スライムごとライムを凍りつかせようとする。周りの水蒸気も急速に冷凍され、ライムの身体に張り付く。
「このために水を降らせたんじゃ! そうやすやすとは抜けられんぞ!」
「!!?」
 ウルフシャが勝ち誇ったように言うが、それを黙って見ているライムではない。身体から更に炎を吹き出させ、凍ったスライムを焼き払おうとする。
「させるかっ!」
 ここで一段とクンツァイトの手が加速し、ライムの炎を妨害しようとする。
「一歩も二歩も遅すぎるんだ……それでも、それでもだ、まだ間に合うってアタシのくっだらねぇ希望をさ。託すぜ、ダチ公ッ! こうなったら何発でも術式でぶん殴ってやる!」
「ガアアアアアアアアアア!!!」
 なかなか溶かせない冷凍スライムに業を煮やして直接引っ剥がしにかかるライム。
「いやー、高温の蒸気で視界やピット器官による感覚も限定されていたのに、ここまでなかなか攻撃の隙をくれなかったから、大変だったよ」
 そう言ってライムの背後に気配なく現れたのは狼煙だ。そしてそのまま肺と心臓が延長線上に並ぶ位置を見定めて掌底。
「グガッ!」
 突然の死角からの攻撃に理解が追いつかないライム。咄嗟に蛇を動かし、狼煙に噛み付く。
「ああ、そうしておけ。そうすればお前は俺から逃げられない」
 蛇の牙は内側に湾曲しており、一度食いつくと獲物を逃さない反面、自身も放せなくなる。だからこそ彼は、蛇の攻撃を甘んじて受けた。
「だから……お前の血ィくれよ」
 そう言うと狼煙はライムの頸動脈めがけて噛み付き、そこからあふれる血を啜りだす。
「!?」
「!?」
 噛みつかれたライムもそうだったが、噛み付いた方の狼煙も苦悶の表情を浮かべる。ユーベルコード【生損強葬】は相手の血液や魔力を取り込むことで、相手を弱体化させるユーベルコードである。心臓から出たばかりで活力に満ちた良質な血を奪えば弱化も大きいはず。相手と相性の良いユーベルコードだったのか、大きく力を奪うことも出来、狼煙の考えは間違ってはなかったのだが……、
「熱っ! アツッ!」
 心臓近くのライムの血液は尋常でないほどの高温となっており、飲んだ血液がまるでマグマか溶けた鉛のように思え、それが狼煙の中に流れ込んできたのだ。
「ごほっ! だがこれ俺の仕事は終わりだ」
 自身に食らいついていた蛇を引きちぎり、その場から離れようとする狼煙。だが、ライムをそれを許すほど甘くない。ふらつきながらも残った蛇で狼煙に追いすがる。
「助太刀いたします」
 そう言うと、【九曜陣・八雲】によって紅葉が蛇の頭を吹き飛ばす。
「久しかったな、我が敵! だが今宵の相手はうぬに非ず!そこで縮こまって居れ!!」
 ライムから切り離され、転がる蛇の頭にそう吐き捨てる。
「紅葉殿の素早さで残像が見えましたね。その前のロコメルン殿の業も鮮やかではありましたが」
 などと言いながら狼煙の治療にあたっているのはルベルだ。
「狼煙殿が戦っているところは初めて見ましたな」
「ほっとけ。あと、お前は少し休め」
 狼煙の言う通り、ルベルも多くの猟兵に治療を施しており、疲労の色が隠せない。疲労を厭わないと言っている彼だが、それでも実際に肉体の方に影響は出だしている。
「いえ、お世話になっている皆様への恩返しでございます。それに、今休んでいるわけには参りません」
 そう言って、ルベルは戦場に目を向ける。そこにはライムと対峙しているレモンと多喜の姿があった。
「多喜殿、そしてレモン殿。お気をつけて」

「ウウウ……」
 なんとか猟兵とスライムを振り払ったライムだったが、すでに体に憑いている大蛇の半分以上は頭を落とされ、血と共に力を奪われ、満身創痍だ。彼女の前に立っているのはレモンと多喜だ。
「アンタの過去、浚わせてもらうよ!」
 スッと多喜が手をかざすと、ライムに向けて思念波を送る。【過去に抗う腕】スターライダーではなく、サイキッカーとして多喜が振るうこのユーベルコードは、相手の深層心理を捉え、精神に干渉する思念波を相手に送るユーベルコードだ。
「自我が薄いとはいえあの姿を取った以上は、「魂の本体」はある筈。これからレモンちゃんが憶えている「思い出」を頼りに、ライムちゃんの「こころ」の在り処を探る」
「ウグ……グ……ガアアアアア!!」
 頭の中を、そして胸の奥底をまさぐられるような感覚に、ライムは周囲の地面を炎に変換して多喜に襲わせようとする。
「蛇神様!」
 咄嗟にレモンは【戦闘召喚使役術式・来たれ、母なる白き大蛇神様よ】で巨大な白蛇である蛇神様を呼び出し、その身で多喜に襲いかかる炎を防ぐと、ライムを拘束する。ライムの力と蛇神様の力が同じ根源のものを使っているせいか、その力を押さこむのをたやすく感じる。
「グ……ウウ……」
「ねえライム……覚えてる? あたいも思い出したばかりなんだけど」
「ウ?」
 そして、レモンはライムに優しく語りかける。
「一度だけ、あたいはライムと遊んだことがあったよ。人形遊びして、楽しかったよね?」
「……」
 それは場所すら思い出すことも出来ない本当におぼろげない思い出。だが、レモンはそこからライムの記憶を呼び起こせないかと語りかける。
「よし、かかった! あとはレモン、思い切りだけさ!」
 ライムの中に眠っていた意識を多喜が探り当てる。そこからライムの思考に干渉し、心を呼び起こす。
「……これは?」
「ライム!」
 初めて言葉らしい言葉を喋ったライムにレモンは更に呼びかける。
「あなたは姉さん……なの? なんとなく、そんな気がするけど」
「そうだよ! あなたの姉のレモンだよ!」
 レモンはライムの目の前まで歩み寄る。
「ごめんね……あたいが逃げたことで、ライムが蛇神になるなんて思わなかった」
「……そうだったのね。……姉さんは悪くなかったのね」
 レモンの言葉にライムが反芻する。
「同時に、あたいはライムへ無理矢理に蛇を宿した奴を許せないっ!」
「……そう」
「だからライム、怒りの鉾先を間違えないでっ!」
 もしかしたら、ライムを憎しみから開放することが出来るかもしれない。
「ねえ姉さん……」
「何、ライム?」
 今度はライムから語りかけてくる。
「それなら、怒りの矛先を『どこ』に向ければいいの?」
「え?」
 ライムの言葉にレモンは固まる。
「それに、姉さんはこうなることを知らなかったのなら、悪くはない。なのに何で姉さんは謝るの? 悪いことじゃないのに謝るの? 悪いことじゃないのに『誤る』の?」
「……ライム?」
「あたしを生贄にした人達も、掟に従っていただけなら、彼らも間違ったことをしていなかったのかもしれない」
 みんな燃やしちゃったけど……などと付け加えながらもライムはさらに言葉を続ける。
「良かれと思ったみんなやったことなのに、誰かが不幸になるなんておかしいよ! 悪くないのに悪いことが起きる。間違ってないのに間違える。誤っただけで謝らないといけないない!」
 だんだんと声のトーンが高くなり、熱に浮かされたように早口になる。
「こういうのって『理不尽』って言うんだっけ? だったらさ、そもそもが理不尽だらけのこの世の中が間違っているんだよね。ね?」
「ライム……あなた何を言って……」
「つまりね、誰も悪くないなら誰も憎む必要はない。憎むべきはこの世界だったのよ。大丈夫、世界を燃やして全部なくしちゃえば、もう姉さんが謝る必要もなくなるし、誰も理不尽に晒されなくなる」
 ライムを拘束している蛇神様の身体からブスブスと黒煙が上がる。時間の経過でダメージから再生したのか、明確に憎悪の対象を決めたことでさらなる力を得たのか分からないが、蛇神様の高速が解けるのは時間の問題だ。
「ライム!」
「姉さんは邪魔しないでほしいな。できれば姉さんを消すのは最後にしたいし。あ、でも、姉さんが辛い思いをするのなら、最初に消してあげたほうがいいのかな? 姉さんはどう思う?」
 ライムの心はオブリビオンになった時から歪んでしまったのかもしれない。明確な憎悪の対象がいなくなった時、オブリビオンの目的である世界の停止へと思考が導かれるのは仕方ないことなのかもしれない。
「ぐおっ!」
 ライムのことを警戒していたルパートの鎧から火が吹き上がり。ライムが無機物を炎に変える力を使おうとしたのだろう。今までは知性を失っていたために、そういった発想がなかったようだが、もしこのまま拘束が解ければ、今まで以上の苦戦が待っているかもしれない。
「レモン、どうする!?」
 ルパートの鎧は彼自身の本体である。ライムから身体の支配権をもぎ取り、なんとか炎を抑えつつもレモンにそう問いかける。
「あたいは……!」
 もしもここで躊躇していたら、自分の為に集まってくれた誰かが取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
「レモン」
 多喜が見かねて声をかける。
「アタシは傍についている。皆もこうして集まった。一人じゃないよ!」
「多喜さん……」
 さらにもう一人、レモンに声をかけるのはロコメルンだ。
「レモンさんの気持ち、ライムさんに届いたはずです」
「ロコメルンさん……」
 そしてレモンは決意する。
「あたい、ライムを止めてみせる。蛇神様、もう大丈夫だよ」
 レモンの言葉に弱々しく拘束を外す蛇神様。そして、ライムへと間合いを詰める。
「そう。結局、何もかもが間違ってるんだから、自分がせめて正しいと思うことはしたいよね。ちょっとしか会えなかったけど、さようなら、姉さん」
 ライムが自然発火能力で周囲に炎を発生させ、周りごと焼き払おうとする。猟兵達がそれぞれ防御したり味方をかばったりする中、
「どんなに焼かれようが、あたいはライムを絶対に助ける!」
 炎に焼かれるのも構わず、レモンはライムの胸元にトンッと指鉄砲の形で人差し指を当てる。そしてそこからライムの霊力を籠めた弾丸を放つ。
「うん、姉さんの好きにするといいよ」
 胸を貫かれ、そのままライムは倒れる。
「ライム、諦めないで! 何とかしてライムを助けるから!」
 倒れ、そのままオブリビオンらしく身を崩そうとしていたライムに蛇塚家から逃げ出す際に持ち出した勾玉を当てようとする。もしかしたら、ライムをその中に封じ込めることが出来るかもしれない。
「待つでありますよ」
 だが、それを止めたのは智香だった。
「ちょっと、早くしないとライムが!」
「一か八かでありましょう? ならば、そういうのは専門家を利用するでありますよ」
 外部勢力からの変な横槍がないか気を配っていた智香。彼女が油断なく注視している先には草むらからピョコンと出ているウサ耳があった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『エージェント・シロウサギ』

POW   :    三十六計逃げるに如かず
技能名「【逃げ足】【忍び足】【ジャンプ】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    先祖代々による話術
【口先八寸による言いくるめ】から【瞬時の判断では誤った方を信じてしまう言動】を放ち、【言動の真偽を長考させること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    応援要請
戦闘力のない、レベル×1体の【エージェント・シロウサギ】を召喚する。応援や助言、技能「【罠使い】【地形の利用】【ハッキング】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第二作戦開始
 蛇塚・ライムが倒された戦場に、不意に何かを投げ込まれる。UDC用に音量や光量を増大されたフラッシュグレネードだ。さらに、雨でも使えるような強力な発煙筒が投げ込まれ、あたりが煙幕に覆われる。片方でも良かったかしれないが、相手が用心深いのか臆病なのか……
「さあ、ちゃっちゃと回収するわよ!」
「だ、大丈夫なんでしょうか?」
「ある程度離れていても仮面の後ろのスイッチを押せば自動的に吸引してくれるって」
「あの大きな蛇の方を吸っちゃったらどうしましょう?」
「ちゃんと方向を向けてれば大丈夫よ! 失敗したら、それはそれで依頼主に変わりに差し出しときましょ」
 などという会話が煙で遮られた先から聞こえ、その後、ズオオオォォォ!と掃除機のような何かを吸い込む音が聞こえる。
 フラッシュグレネードで眼が眩まず、煙幕を見通すことが出来るものがいれば、それぞれの手にお面を持ったウサ耳少女たちがお面にライムの身体を吸い込ませているというシュールな姿が見えただろう。
「後はこれを依頼人に持っていけば、任務完了よ。念の為、吸った力を他のお面に分割させておくから、各自大事に持っていなさい」
「はーい」
「任せてください! 運び屋の名にかけて、無事届けてみせますとも」
「帰ったら、いつもの場所で打ち上げでもやりましょうか」
「さんせーい!」
 そんな会話の後、煙が晴れると、スタコラと森の中を駆けてゆくウサ耳少女、エージェント・シロウサギ達の姿だった。

 グリモア猟兵が言っていた。「蛇塚・ライムのことを狙っている別勢力のUDCがいる」と。そしてそれらの撃破も今回の依頼に含まれている。このままライムの封印に失敗して、ライムの肉体が回収不可能になれば、例のUDCへの手がかりがなくなってしまう。
 それに、オブリビオンは死後、そのまま残るタイプと骸の海へと消えてゆくタイプとがあるが、その法則性はなく、どちらに当たるかは不明。相手がオブリビオンの収集を相手の死後も視野に入れているのなら、確実に身体を骸の海へ還さないように保管する技術などがあるかもしれない。
 そのため、ある猟兵が提案したのが、「ライムの身体を一旦安全に封じ込めた状態で奪わせ、泳がせた上で仕留めよう」ということだった。
 幸い、ライムの力を分割したようなので、依頼人の居場所が分かるまでに、いくつかを奪い返したところで問題はないだろう。

 次のオブリビオンを見つけて狩るための、新しい作戦の開始である。
 
(※エージェント・シロウサギたちとの戦闘ですが、彼女たちは攻撃系UCを持っておらず、ただ逃げるのみです。相手の攻撃待ちのプレイングなどを行った場合、高確率で失敗します。
 この章での目的は「エージェント・シロウサギを撃破して、蛇塚・ライムの力が依頼主に全て渡るのを阻止する」もしくは「エージェント・シロウサギをうまく泳がせて、依頼人の元に到達する」です。ちなみに、どちらを選択したかで依頼人までたどり着けるか、依頼人の強さが変わるかなどはないので、やりやすい方をお選びください。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
ハロ・シエラ
くっ、目晦ましとは……。
とりあえず全く見えず聞こえずと言う事は無いですが……この状況であれと追いかけっこですか、それも下着姿で。

ここはとにかく【ダッシュ】ですね。
ユーベルコードで飛べば追いつけない事は無いでしょう。
目や耳がやられている以上、罠や地形を利用した隠蔽は【第六感】で感知するしかありません。
多くのシロウサギが召喚されるようですし、誰を追い掛けるべきかも同様に勘で判断します。
狙う相手が射程内に入ったなら、まずはワイヤーを付けたサーペントベインを【投擲】し、敵に絡めて【マヒ攻撃】を狙います。
上手く動きを止められたなら、仮面を回収して倒します。
可能なら情報も得られるといいのですけどね。



●兵は拙速を尊ぶ
「くっ、目晦ましとは……」
 エージェント・シロウサギが投げ込んだスタングレネードにくらくらしながらも、追いかけようとまず動き出したのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)だ。閃光と音で目と耳はやられたが、時間を置けば徐々に回復するだろうだ。
 だが、彼女はその時間も惜しいとシロウサギ達を追いかける。先程の戦闘で脱いだ服着る暇も惜しんで下着姿のままで……
「封印を解きますか……」
 そう言うとハロの身体に禍々しき力がまとわりつき、軽鎧の形となる。ハロのユーベルコード【ドラゴノート】だ。そして、鎧から翼を生やして飛翔する。森の中、木々を縫うように飛ばなけれならないので最高速度は出せないが、それでも悪路を走るよりは速度はあるだろう。
 そして、逃げてゆくシロウサギの一団を捉える。
「ゲェー! 後ろから猟兵が!」
「うろたえないで! すでに【応援要請】はしてある!」
 そう言ったそばから、ハロに嫌な予感がする。途端にハロの目の前で、樹木が弾けて何かが飛んでくる。
「! 爆弾か何かですか!?」
 すんでのところで回避し、無数のパチンコ玉のようなものがかすめる。
「これは、指向性地雷というものですか」
 だが、少年兵として幼い頃から戦ってきたハロの勘で場所を見抜いてくぐり抜ける。視力もだいぶ戻ってきた。
「あとはなんとなくですが、『先輩』って言われた方が持っていそうですよね」
 そう言ってハロは短剣『サーペントベイン』を先輩ウサギに投げる。
「そんな直線的な攻撃、避けるのも造作……ッ!」
 ハロがクイッと何かを引き動きをすると『サーペントベイン』の軌道が変わる。武器回収用ワイヤー『サーペント・ベアラー』によって軌道を変えたのだ。
「先輩っ!」
 後輩ウサギがワイヤーに絡め取られた先輩に振り返り、声をかけるも、
「アンタは別の班と合流なさい!」
 その先輩の一言で後輩は踵を返して逃げてゆく。
「さて、やはり仮面は貴方が持っていましたか」
 ハロは捕獲した先輩ウサギを調べて仮面を見つける。力を分割しているという話があったので、これだけで全部済むわけではないが、まずは一つ、というところだろう。
「さて、どうしてこのようなことを?」
 何か情報を得られないかとハロは尋ねる。
「故郷に錦を飾りたかったのよ」
「錦?」
「そう。鳥取の片田舎でくすぶっていた私達一族だったけど、由緒正しき神話からの一族であるんだぞとこの世界に知らしめたいのよ……」
「なるほど……って、今回の件に関する情報がないじゃないですか」
 なんか話が変な方向に行ってるなと気づき、ハロがツッコミを入れる。
「だって、素直に話しても行きて帰れる保証が無いなら、意味ないでしょ?」
「くっ」
 有用な情報は取得できないと判断し、ハロはシロウサギに止めを刺す。とりあえず、特別な情報は引き出せなかったが、仮面は取り戻せた。結果としては上々だ。
「あとは他の人達がどうなっているかですね」
 そう言ってハロは更に森の奥へと進んでいった。
「なるほど。」

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘
ふ~む、なにやら大規模な作戦が動いておるようだな
まあ妾は勝手に、皆を手助けする想定で動くとしようか
とゆーか妾をスルーするとは許しがたいぞ兎ども! 間違えて回収しちゃったテヘッとか大歓迎なのに!

指を鳴らすだけでは足りん、左拳を全力で地面に叩きつける!
さあ、高らかに鳴り響けファンファーレ! 最・大・音・量!
兎以外は即消火するぞ、よく目立つな!

はーっはっはっは! 楽しい兎狩りの始まりよ!
高笑いとともに、妾の存在感でもって殺気をぶつけ恐怖を与える!
恫喝すれば、動きが止まる者もおるであろう
素早く接近し全力でボコる!
さすがに連中全員ブッ飛ばせるとは思っておらんよ
だが妾にできる限り、頭数は減らすとしよう!



●邪神ちゃんは構って欲しい
「ふ~む、なにやら大規模な作戦が動いておるようだな」
 なんとなく周りの事情を理解した御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)はシロウサギの追跡を始める。
「とゆーか妾をスルーするとは許しがたいぞ兎ども! 間違えて回収しちゃったテヘッとか大歓迎なのに! ほら、妾のほうがレア度とか高そうじゃない? 角とか翼とかもあるし」
 なんだか自分が放って置かれたのかとても癪に障ったらしい。エージェント・シロウサギとしては目的以外のものに手を出して痛い目をみたくないということではあったと思うわれるので、とんだとばっちりである。
「さて、ウサギ共がこの辺にいた気がするのだが……」
 追いかけてはみたのだが、相手は逃げることに関してはプロフェッショナル。ユーベルコード【三十六計逃げるに如かず】で完全に音や気配を消して潜んでいるようだ。
「ふむ、指を鳴らすだけでは足りんな。さあ、高らかに鳴り響けファンファーレ! 最・大・音・量!」
 そう言うと菘は思い切り左拳を地面に叩きつける。すると、どこからともなくファンファーレが鳴り響く。菘のユーベルコード【見よ、この人だ】の力である。そして、その効果はあっという間に現れる。
 ファンファーレという音波を浴びた箇所から、つまりは菘を中心として炎が森中に燃え広がってゆく。このまま炎であぶり出すようだ。
「はーっはっはっは! 妾だけを刮目して見よ!」
 菘は高らかに笑い、そう宣言する。だが、内心としては、早く出てきてもらわないと菘も困るのだ。こ乃ユーベルコードの炎はファンファーレの音が当たった対象を燃やすというもの。現れた炎は自分の意志で消すことが可能だが、相手の存在を認識できなければ、森に燃え移っている炎を消そうとして、シロウサギにも燃え移っている炎も消してしまいかねない。
 そして、炎の効果が現れる。
「あつつっ! 何なのこの火!」
「逃げなきゃいけないのに、あいつから目が離せない」
 次々とシロウサギ達が焼け出されてゆく。菘の放った炎は『菘から目を離したくないという情動を与える』という効果があり、例え炎に焼かれながら我慢して身を潜めようとしても、菘自身の存在感やパフォーマンスも後押しして、彼女を無視することが出来ず、見に行ってしまうのだ。
「そこじゃな!」
 シロウサギだけに燃え移っている炎だけを残して森の火を消すと、炙り出された手近なシロウサギに近づき、尻尾を無造作に叩きつける。
「んきゅう」
 逃げに特化する能力だけあって、正面からの戦闘に回るとものすごく弱い。
「そこから逃げるでないぞ」
「ヒィッ!」
 恫喝じみた迫力を持って脅すと、周りのシロウサギたちも萎縮して動けなくなる。まさに蛇に睨まれた蛙ならぬ蛇に睨まれたウサギである。
「さて、さすがに連中全員ブッ飛ばせるとは思ってはおらぬが……」
 周りにいた白うさぎたちをあらかた倒し、菘は周囲を見回す。
「妾にできる限り、頭数は減らすとしよう!」
 そして追撃するべく森を駆け抜けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルベル・ノウフィル
【二匹狼】

狼煙殿、ネタスイッチが入ってしまったようですね
やれやれ、大人はこれだから
僕は真面目なワンコでございますから、仕方ありません狼煙殿の保護者的に……ちょっと置いていかないでくださいます?

白い子狼姿で狼煙トレーナーを追いかけて号令に従い
匂いを頼りにを追跡ワンワン!聞き耳わぅわぅ!時には動物と話すわんわん!
あっちでございますぞわんわん!

途中で進化っぽく早業でUC:火翔で炎の羽根を生やして僕は光の速度をも超えてみせましょう
逃走のプロ?僕の早業+スピードアップにかなうものですか
わぅ~わんっわう!

攻撃する時は人型に戻って妖刀墨染です
受け止めてください僕の刀
捨て身の一撃・鎧無視攻撃


大神・狼煙
【二匹狼】

ヒャッハー新鮮なバニーだぁ!

ひん剥いて尻尾モフモフしてやるぜぇえええ!!


シリアスに耐えかね、セクハラに走る眼鏡の図

あちらは逃走のプロ

まともに追っては逃げられる為、まずは機巧龍召喚


三首のヒドラによる命中(追跡)重視

いかんせん、サイズだけなら大怪獣クラス

兎をビビらせるには十分でしょう

当たらずとも、兎の左右に首を突っ込ませて追跡しつつ追撃

サイズ差があるからね、いくら足が速かろうと敵の前に攻撃が届く

敵がどこかに隠れたら、いけ!ノウフィル!君に決めた!!

ライムの骸に撃ち込まれたペイント弾の匂いを追ってもらい、見つけ次第不意打ちで太腿に毒針打ち込んで走れなくしてから捕獲
【暗殺】【麻痺攻撃】



●ふたりのおおかみ
「ヒャッハー新鮮なバニーだぁ! ひん剥いて尻尾モフモフしてやるぜぇえええ!!」
 そこに、シリアスに耐えかねてセクハラに走る眼鏡こと大神・狼煙(コーヒー味・f06108)がいた。
「狼煙殿、ネタスイッチが入ってしまったようですね」
 やれやれ、大人はこれだから、と呆れ顔なのはルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)だ。そんな彼は兎を追うため、白い子狼となり、ライムやライムに付着したペイント弾の匂いから彼女を追うようだ。
「僕は真面目なワンコでございますから、仕方ありません狼煙殿の保護者的に……ちょっと置いていかないでくださいます?」
「ヒャッハー!」
 白い子狼姿で狼煙トレーナーを追いかけるルベル。匂いを頼りにを追跡するのに先に進まれては困るのだが、
「ワンワン! ちょっと待つでわんわん!」
 ふと、森の中に隠された人工物の匂いに気づき、ルベルが警告の声を上げる。
「へ? どうわっ!」
 狼煙が不意に踏み込んだ場所で、急にロープが飛び出し、狼煙を釣り上げようとする。
「罠かっ!」
 ルベルの警告もあり、咄嗟にナイフを投擲してロープを斬って難を逃れる狼煙。そして、狼煙が釣り上げられていたであろう先に毒針が飛んでゆき、そのまま通過する。
「なにげに殺意高くねーか?」
 おそらくは【応援要請】で駆けつけた仲間のシロウサギに、追跡者迎撃用のトラップをあらかじめ設置してもらったのだろうか。
「こりゃ、まともに追っても逃げられるな」
 そう言うと、狼煙は自身のユーベルコードを使用する。
「転移門解放……転送。さて、今回はどいつが来るかな!?」
 彼の【古代機械兵器・機巧竜】によって召喚に応じたのは三首のヒドラ。
「ノウフィル、相手の匂いは掴めたか? んじゃ、そっちの方向に突っ込むぞ」
 機巧龍の頭の一つに乗る狼煙とルベル。機巧龍はサイズだけなら大怪獣クラスなので、そのまま木々を罠ごとなぎ倒しながら突き進む。そして、途中でルベルが野生動物に話を聞いたり、改めて匂いを確認したりしながら方向を修正して突き進む。
「いた!」
 そしてついに相手の姿を捉える。
「猟兵! てか、何あれ!」
 追いつかれたシロウサギ達は周囲の地形に紛れやすくするためか、迷彩の入った外套を羽織っていたりする。そんな彼女達は狼煙の機巧龍に戦々恐々としている。
「あんなもん、まともに戦えるわけないじゃい!」
 機巧龍が攻撃を仕掛ける前に【三十六計逃げるに如かず】とばかりに木々や藪に紛れ、姿を隠すシロウサギ。そのスキルはかなり高く、こちらから離れるように動いているのだろうが、物音一つ聞こえない。
「さすが逃走のプロってところか。だが、相手が悪かったな。いけ!ノウフィル! 君に決めた!」
「あっちでございますぞわんわん!」
 そう言うとルベルは【火翔】によって炎の翼を生やし、敵の匂いを頼りに藪の中へと突っ込む。
「何でこっちの場所が……きゃあっ!」
 ルベルに追い立てられて藪から飛び出すシロウサギ達。
「逃走のプロ? スピードにかなうものですか。わぅ~わんっわう!」
 その直後に飛び出たルベルは人型に戻っており、その手には妖刀『墨染』が握られていた。
「受け止めてください僕の刀」
 そして炎の翼による高速飛行で追いすがり、一刀のもとに斬り捨てる。その攻撃から難を逃れたシロウサギは逃げようとするが、
「OK、狙い通りだ」
 狼煙のもとへと知らぬ間に追い立てられていた彼女は、彼の投擲した毒針を太腿に受け、そのまま倒れ込んでしまう。
「か、体が痺れて……」
「さぁて」
 そんな彼女のもとへと歩み寄ってゆく狼煙。手をすごくワキワキさせている。
「お面を手に持っていなかったみたいだけど、誰が持っていたのかなぁ? ちょっと隅々まで調べさせてもらいましょうか」
 ある意味ここからが、彼の本領発揮である。
「い……イヤアアアアアア!!」
 シロウサギの悲鳴が森の中にこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロ描写NG
POW

なんて美味しそうなバニーちゃん達かしら❤
泳がせたらバラバラに逃げちゃうだろうし
この場で一人でも多く可愛がるわ♪

『欲望解放』で一糸纏わぬ女神の姿に。
愛欲に比例して戦闘力増強!
それによって効力の増した【催眠術】で魅了するわ

逃げ出す子が居ても
今の私は、最大5300km/hの速度で【空中戦】が可能!
どんなに逃げ足が速くても
音速を超えた私なら余裕で動きを【見切り】捕まえられる

バニーガールのハーレムを築いたら
彼女達の全身を愛撫したり
濃厚なキスを楽しみながら【生命力吸収】よ❤

ついでに依頼人の居場所も尋ねて
答えてくれた子には【属性攻撃】の雷を纏わせた指先で
敏感な所を刺激するご褒美を❤




「なんて美味しそうなバニーちゃん達かしら♪」
 逃げてゆくエージェント・シロウサギを見てドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が言ったのはそれだった。
「泳がせたらバラバラに逃げちゃうだろうし、この場で一人でも多く可愛がるわ♪」
 ユーベルコード【欲望解放】により、一糸纏わぬ姿になったドゥルールは、己の催眠術でシロウサギ達を愛欲の世界へ招待しようとしたが、
「あら?」
 全員【三十六計逃げるに如かず】とばかりに一目散で森の奥へと逃げてゆく。相手の目的は猟兵と戦うことではなく、猟兵から逃げて、依頼人へ品物を届けることなのだ。
「それに、木が邪魔ね」
 今のドゥルールは音速を軽く超えることも可能だが、木々が邪魔で速度が出せない。さらに、視界が悪い上に相手は逃走のプロフェッショナル。うまい具合に姿や気配隠しつつ、逃げてゆくシロウサギ達の動きを全て把握するのは不可能だった。
 なので、彼女は諦めざるを得なかった。バニーガールのハーレムという目標を。
「仕方ないわね」
 二兎追う者は一兎も得ず。標的を一人に絞り、ドゥルールは可能な限り高速で標的まで飛ぶ。邪魔な木々は衝撃波でなぎ倒し、一直線で飛んでゆく。その様子に顔をひきつらせて逃げてゆくシロウサギの動きを見切り、相手を吹き飛ばさないように減速しつつ捕まえる。
「もう逃さないわ♪」
「きゃあっ!」
 あとはお楽しみタイムである。白ウサギの体を優しく撫でるドゥルール。
「エ、エージェント・シロウサギを舐めてもらっては困るわ!」
 相手もバニーの姿だけあり、ハニートラップや房中術のような手管を習得しているのだろうか。負けじとドゥルールを籠絡しようと抵抗するが、
「ふふふ、なかなか良かったわよ♪」
「ありがとうございますお姉さま♪」
 彼女の愛欲やら催眠術やら何やらの前に屈するのだった。
「そう言えば、あなたの依頼人はどこにいるのかしら?」
 お楽しみを続けようとするが、一応、今回家の建の黒幕を確認しようとするドゥルール。
「ああ、アニマのこと? 私以外の事を気にするなんてお姉さまひどいっ!」
 拗ねたような態度で気を引くシロウサギ。
「あら、気を悪くしたならごめんなさいね。でも、教えてくれるならもっとイイコトしたげるわ♪」
 シロウサギの敏感な部分にそっと指を添わせて微弱に電流を流すドゥルール。
「んに"ゅっ!? ……もう、しょうがないにゃあ」
 ご褒美の前払いに依頼人の居場所を教えるおねだり上手のシロウサギ。
「ふふ、よくできました♪ それでは、続きを楽しみましょ」
 こうしてしばらく、二人のお楽しみは続くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
【炎雷戦車】

こいつらいきなり逃げを打ちやがったー!?
追いかけようにもカブを留守番させちまったし、
誰かに乗せてもらうしかないか!
ルパートさん、頼む!
トライクの後ろに『騎乗』し、
アタシが目になるように奴らを『追跡』するよ。
仮面を発見次第、どんどんと【縁手繰る掌】でアタシの手元に回収する。
げっ、ウサギ共まで一緒についてきた!?
えぇい仕方ねぇ、ルパートさん、ばっさりやっとくれよ!?

その裏でスマホの『世界知識』と『情報収集』を駆使して
ウサギが集まろうとしてる場所を計算。
ルパートさんの鳥に先回りしてもらおうじゃないのさ!

レモンちゃんの為にも、一匹たりとも逃がすかよ!


ルパート・ブラックスミス
【炎雷戦車】
撃破・蛇塚ライムの力の奪還優先。

保管作業ご苦労。では返して貰おう。
移動は引き受ける、確保は任せるぞ多喜殿。

先の戦いに巻き込まれぬよう【物を隠す】ように控えさせていた専用トライクに多喜殿と共に【騎乗】、UC【荒狂い破滅齎す戦車】形態にて森林を破壊しながら【ダッシュ】し敵を【追跡】。
ニクス(爆槍フェニックス)を槍から鳥の姿に戻し、先程蛇塚ライムに炎変換されかかった時の干渉を【学習力】で覚えさせ、【失せ物探し】の要領でお面を持つ敵を逆探知できるように【武器改造】し先行させる。

多喜殿のUCでこちらに転移させたらお面を持つ腕を大剣で斬り飛ばし(【武器落とし】)回収だ。

【アドリブ歓迎】



●炎雷戦車は止まらない
「こいつらいきなり逃げを打ちやがったー!?」
 潔いまでの逃げっぷりに数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は叫ばずにはいられなかった。ライムの能力に悪用されないよう愛用のカブを留守番させてしまったのが裏目に出てしまったようだ。
「移動は引き受ける、確保は任せるぞ多喜殿」
 茂みから自身の専用大型トライクを引っ張り出したのはルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)だ。ちなみに動力は彼の青く燃える流動鉛である。
「ルパートさん、頼む!」
 トライクの後部座席に飛び乗る多喜。
「ああ。任された」
 こうして二人の追走劇は始まる。

「あいつら、追いついてきた!」
「大丈夫、あんな図体で私達を捉えられるわけが……ゲェー!」
 追いつかれたエージェント・シロウサギ達は【三十六計逃げるに如かず】でまさにウサギらしい跳躍力で木々を飛び移って逃げていたが、その様子に青ざめる。
「保管作業ご苦労。では返して貰おう」
何故なら、【荒狂い破滅齎す戦車】によって燃える鉛で強化されたルパートのトライクは障害となる木々をなぎ倒しながら高速で突き進んでいるのである。
「お、落ち着きなさい、まだあわてるような時間じゃない。どんなに速かろうが小回りがきかなければ、追いつけないわ。それに、相手は私達の誰がお面を持っているかわからないから、撹乱のしようはある」
 みたいな会話がされていたのだが、
「ちっ、あいつら仮面をあの格好のどこに収納しているんだ? 全然分からねえ!」
 お面を見つけ次第、持っているシロウサギを捕獲しようとしたのだが、多喜にはどのウサギがお面を持っているのか見当がつかない。
「大丈夫だ。ニクスが横を飛んでいるやつを狙え」
 よく見てみると、シロウサギの横を青いヨタカが飛んでいる。ルパートの『爆槍フェニックス』が姿を変えて飛んでいるのだ。実はルパート、先程の戦闘で現在は仮面に封じ込められているライムの炎を受けた際に、その気配をフェニックスことニクスに覚え込ませ、その気配がするシロウサギを負わせていたのだ。
「なるほど、そういうことなありがたい。よし、捕まえた、そこっ!」
 多喜のサイキックによるユーベルコード【縁手繰る掌】によって、ニクスがおっていたシロウサギがトライクの後部座席に突如現れて投げ出される。いわゆるアポートという能力である。
「なんで、どうして!?」
 突然瞬間移動させられたことに狼狽えるシロウサギだが、すぐ平静を取り戻す。
「うまく私を捕まえたと思っているみたいだけど、果たして私があなた達の狙っていのものを持っているかしら?」
 そのことについてはニクスがついてきたので、コイツがお面を思っているjはずだ。
「そして、お面はどこに隠していると思う? 下手に攻撃したら、お面ごとドカン! よ?」
「……」
(ドカン!ってなんだ? 自爆するのか?)
 シロウサギの言葉に多喜の動きが止まる。
「保管作業、って言ってたしお面が欲しいのよね? お面が無事であって欲しいなら、分かっているわよね?」
 そう言ってバニースーツの上に手を這わせる。あの辺りにお面が収納されているのだろうか? それともその動きはフェイクなのか?
「惑わされるな多喜」
 ルパートの声。そしてそのまま逡巡している多喜の隙を突いてトライクから飛び降りようとしていたシロウサギに、槍の形に戻ったニクスを突き入れられる。
「流石に頭のあたりに隠しているなどはあるまいて」
 いきなり眉間を貫かれたシロウサギはそのまま絶命。身体が崩れて骸の海へと還ってゆく。
「そして、骸の海に戻らないよう処理されているなら巻き込まれることもなかろう」
 服ごと崩れてゆくからだから、ポロリとおめんがこぼれ落ちる。
「っと!」
 そのままトライクから落ちそうになる所を多喜が掴み、回収する。
「すまない、ルパートさん」
「相手の術中にはまっていたようだからな」
 どうやらシロウサギの【先祖代々による話術】によって動きを止められていたらしい。
「さて、他はどうなっているやら」
 再び前方に向き直って爆走するルパートに、スマホを取り出して色々と確認する多喜。
「向こうの方で捕獲した敵からお面を回収できたみたいだ。その位置でそこで、あたし達がここ、スタート地点がここだから……」
 シロウサギの逃走ルートから合流先を計算。ルパートに伝えてニクスに先行してもらうよう伝える。
「レモンちゃんの為にも、一匹たりとも逃がすかよ!」
 そんな多喜の言葉と共にトライクは爆走を続け、森の奥へと走っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エメラ・エメラ
【虹色の希望】
※アドリブや連携はお任せ

皆と協力して取り返すよ
「レモン先輩の妹さんをそんな風に扱うなんて許さないよー!」
バイオミック・オーバーロードで巨大化してウサギを捕まえ(撃破)します
「運び屋とかうさぎとか知らないけど叩き潰して逃がさないんだから!」
レモン先輩の妹さんの扱いや残骸だけでも回収して使おうというずる賢さに怒り心頭の為、ぐんぐん巨大化しつつうさぎを追いかけて攻撃していきます
(巨大化による歩幅やパワーを生かしていく予定)
もし逃げられそうになっても高くなった視界から味方に叫んで敵の方向を教えるなどします
またうさぎの言い訳には耳を貸さずに叩き潰します


羽住・砦
【七色の希望】
※連携、アドリブ歓迎

逃走のプロ……にしし、面白そうだね。
まぁ、逃げに徹してるなら、嘘なんて聞いてくれないだろうし……追いかけっこに付き合っちゃおうかな?
ウサギなんて嘘つき狼の獲物だしね、にししっ!

UC【影の追跡者の召喚】を発動するよ。
みんなの追跡に紛れ、応援に気がつかれないようにくぐり抜け、影の追跡者が『エージェント・シロウサギ』をひたすら追跡するよ!

ボク自身も一応、本命のUCを気がつかれないように、全力で追いかけるフリをするよ。
にしし、嘘の魔法使いの【演技】ってやつだね!


ロコメルン・ルケッタ
【七色の希望】
けほっ…そう簡単に…逃がさないよ…
UCで魔物を召喚。何処へ逃げたか分からないけど、兎を追ってもらうよ
魔物は二匹ずつ合体。追跡能力を高めながら、散らばって兎を探してもらうよ
任せたよ、皆

怪鳥の上に乗った大蜘蛛が複数の目で索敵
兎を見つけたら威嚇で怪鳥に知らせたり
怪鳥が光線で攻撃。跳んだり屈んだりしたら大蜘蛛が糸を噴出。コンビネーションで捉えるよ

生真面目なモグラと尻尾になった怠け者蛇
地面を掘り進みながら懸命に追跡するモグラ
その後ろで蛇が心地よさそうに跳ねたり引きずられたりして眠ってたり
追い付けたらモグラが息切れ、目を覚ました蛇がしょうがないなと言うように体を伸ばして兎を捕まえようとしたり


蛇塚・レモン
【七色の希望】
このままじゃライムが敵の手に渡っちゃうっ!
念動力+空中戦+追跡で森の中を飛んで追尾!

って、増援!?
蛇神様どうしようっ!?
『やむを得ぬ。ぶっつけ本番で新たなユーベルコードを行使せよ!』
え、大丈夫かな……?
『問題ないっ! 早く余を召喚せよ、レモン!』
判ったよ、蛇神様っ!
さぁ、兎さん達
せめて、優しい“毒”で眠らせてあげるね……?
(先制攻撃+咄嗟の一撃+だまし討ち)

兎さん達の罠作りとUCハッキングは麻痺と眠気で阻害
仮面を持ってる兎達も半径57mの射程から簡単には逃がさないよっ!
蛇神様の怪力巻き付きで寝た兎を捕縛
仮面を回収するよ

依頼主の居場所を吐かないと、蛇神様が兎さん達を食べちゃうよっ?


紅葉・智華
【七色の希望】で参加
※連携・アドリブ歓迎

「この手の逃走者は追跡されないように散り散りになるのがセオリーでありますが――まあ、散らさなければ良いだけでありますよ」
【唯射】を構えて【スナイパー】として【選択UC】で散り散りに逃げる兔の【足止め】を敢行。一匹は確実にその手に収穫がなくても報告に戻る筈だから、現場から逃げる兔の数をできる限り少なく、同時に親玉には少なくとも一匹が向かうように誘導する。
ただし、お面を持っていかれると厄介であると【第六感】が告げているので、お面を手に持つ兔を集中狙い。兔を潰し、お面を確保できなかった親玉は姿を現す筈。その知識だけ、利用させてもらうでありますよ。



●希望を取り戻せ
「このままじゃライムが敵の手に渡っちゃうっ!」
 蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)は焦燥する心を抑えきれず、逃げたエージェント・シロウサギ達を追いかけようと念動力で飛行し、森の中へ飛び込む。
「この手の逃走者は追跡されないように散り散りになるのがセオリーでありますが――さすがの手際でありますな。あっという間に散っていったでありますよ」
 散り散りになるシロウサギを狙撃して足止めせんと紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)はハイレーザーライフル『WH04HL[K's]Sirius』を構え、【支配者の弾丸】の弾丸を発射する。
「きゃっ!」
 一人に命中して吹き飛ばしたが、その他はもう木々の中に紛れて狙いをつけられなくなっている。逃走のプロフェッショナルの面目躍如といったところか。狙った相手はたしかお面を持っていた個体だと思うが、服のどこかに隠しているようで、パッと見はわからなくなっている。今後見分けるのには苦労しそうだ。
「けほっ…そう簡単に…逃がさないよ…」
 ロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)は電脳空間を展開して【バトルキャラクターズ】で魔物を召喚。怪鳥に大蜘蛛、蛇にモグラとバラエティ豊かではある。
「追跡開始。任せたよ、皆」
 更に怪鳥と大蜘蛛、蛇とモグラを合体させ、それぞれ空中と地上とを進ませて追跡させる。だが、空中を移動する組はなかなか苦戦しているようだ。
 相手のユーベルコード【三十六計逃げるに如かず】で忍び足に磨きがかかって発見しづらかったり、ジャンプ力で木々を軽々とと飛び移っていく中、【応援要請】に応じて現れた増援のシロウサギが仕掛けたトラップが行く手を阻む。トラップを避けて高度を上げようとすば、枝葉が邪魔となり相手を逃してしまうので、どうしても罠のある宙域を飛ばなければならない。更に厄介なのは……
「そのまま飛んでゆくと危ないよ」
「右の方のトラップに注意だね」
 などと相手が逃げながら囁いてくる言葉だ。とっさの判断で、相手の言葉に逆らったり、逆にその言葉通りに動いてみても、【先祖代々による話術】によって言葉巧みにトラップへ誘導され、ネットに絡められたり、爆弾に吹き飛ばされてしまったりしている。
「って、増援!? 蛇神様どうしようっ!?」
 そしてそれは空中を進んでいるレモンも例外ではない。罠に気をつけ、相手の言葉を精査しようとすれば、あっという間にその隙に隠れられてしまう。
(機を待つのだレモン。敵の姿を確実に捉えられれば、アレが使える)
「え? アレはまだ使ったことなくて実戦でぶっつけ本番になっっちゃうけど……」
(問題ないっ! 機はもうすぐ熟す)
 レモンの中に眠るUDC、蛇神様ことオロチヒメとの心の会話でそのようなやりとりをしていると……
「レモン先輩の妹さんをそんな風に扱うなんて許さないよー!」
 現れたのはエメラ・エメラ(エメラ・f19755)だ。普段から長身であった彼女であったがが、今は木々からも頭が見えるくらいのサイズに巨大化している。
「運び屋とかうさぎとか知らないけど叩き潰して逃がさないんだから!」
 彼女の【バイオミック・オーバーロード】は怒りの感情を爆発させることで身体サイズを巨大化させ、戦闘力を増大させるユーベルコードだ。今の彼女はレモンの妹、ライムに対する敵の仕打ちに怒りを心頭させ、巨大化しているのだ。
 大きな歩幅で相手に追いつき、邪魔な木々を設置されたトラップごとなぎ払いながら進むエメラ。
「何を言ったって聞く耳持ちませんから!」
 そう言って傍にあった木を引っこ抜いてぶん回すエメラ。かなり大ぶりの攻撃なので、シロウサギに当たること無いが、当たれば一発でお陀仏である。相手はエメラの攻撃を避けるのに必死である。
「よし、斜線が通った!」
 木々を薙ぎ払っていたエメラのお陰で視界が開ける。そのチャンスを逃がすことなく智華は敵を狙撃してゆく。
(今だレモン! 早く余を召喚せよ!)
「判ったよ、蛇神様っ! さぁ、兎さん達 せめて、優しい“毒”で眠らせてあげるね……?」
 オロチヒメの言葉にレモンは咄嗟にユーベルコード【戦術召喚使役術式・眠れ、この甘美な蛇神の毒にて】を発動させ、白き蛇神、オロチヒメを召喚し、一緒に周囲へ催眠念動波を飛ばす。このユーベルコード、念動波を飛ばす相手を選択できるのだが、その反面、身を隠していたりなど存在をしっかり認識できていない相手には念動波を飛ばせないのだ。そのため、エメラが暴れ、智華が追い立て炙り出される機会を待っていたのだ。
 念動波を受けてパタパタと倒れていくシロウサギ達。
「さすがレモン先輩です。でも、まだこのあたりで隠れているシロウサギは至はしないかな?」
「その心配はないよ」
 エメラがそう言いながら経過する中、ロコメルンが声をかける。
「ひゃあっ!」
 どこからかそんな声がしたかと思うと、シロウサギが蛇に巻き付かれて出てきた。よく見ると、蛇の尻尾の先にはモグラがくっついている。ロコメルンが召喚し、合体させていた魔物である。
 モグラは嗅覚や聴覚が優れており、シロウサギ達の動きに惑わされることなく地中を掘り進み、彼女達を捕獲することに成功したのだ。
「さあ、これであなた達もおしまいよ」
 捕縛し、仮面を回収されたシロウサギにレモンは声をかける。
「依頼主の居場所を吐かないと、蛇神様が兎さん達を食べちゃ……って、蛇神様!?」
 レモンが相手を尋問しようとした直後に、オロチヒメがシロウサギを丸呑みする。
(レモン、こやつらをまともに尋問しようとしてものらりくらりかわされ、うその中に真実を隠されるのがオチだ。それよりレモン、お前には信用できない相手よりも信頼できる仲間があるであろう)
 そう言った直後、オロチヒメが見た方向には、
「お見通しって訳か。ウサギは蛇だけじゃなく、嘘つき狼の獲物だしね、にししっ!」
 そう言って笑っていたのは羽住・砦(ナンパ常習犯・f14612)だ。
「逃げに徹してるなら、嘘なんて聞いてくれないだろうし……追いかけっこに付き合っちゃおうかな? って、ことで絶賛おいかけっこ中だよ。逃走のプロ……にしし、面白いもんだね」
 そうやって笑っている彼に、みんなハテナマークを浮かべる。
「もしかしたら気づいていないかもしれないけど、ボク達から逃げている間に、こっそり別方向へと逃げってのがいたんだよね」
 などとサラリと話す砦。
「ちょっと、何で言ってくれなかったんですか!?」
 などとエメラが抗議するも、
「にしし、彼女には依頼主のもとに案内してもらいたかったからね。気づいている人は少ないほうが良かったのさ。にしし、嘘の魔法使いの演技ってやつだね!」
 などと飄々と語る。
「で、相手はどこに向かっている?」
 そこに本題に切り込もうと智華が尋ねる。
「そうだね、今逃げる方向と、他の班がエージェント・シロウサギを捕獲したり倒したりした場所を考えれば……まあ、計算は得意な人に任せるよ」
 などと言って彼はにししと笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウルフシャ・オーゲツ
【七色の希望】
逃げられた!? え、計画通り?
チェイスなら得意じゃ任されよ!
何を隠そうこのウルフシャ、実のところスターライダー。
普段フードファイトしかしておらぬが、走れば止まらぬそのバイク。
時には宇宙バイク、時にはうるふ車(誤植ではない)に乗り換えて、邪魔者喰らって東へ西へ!
「なるほど、あちらじゃのう!」
しかし何ということだ、瞬時の判断で謝った方を信じ込んで深く考えず突っ込んだ!
動きこそは封じられなかったがこのままでは木々に激突大変だ。
しかしそこはフードファイター、うるふ車と一緒に森林開拓。
これで近道開通じゃ!
「……ふっふっふ、それで……ここはどこじゃ?」

なお、ふしゃはもとより方向音痴であった。



●うさぎとふしゃ
「逃げられた!? え、計画通り?」
 エージェント・シロウサギにいきなり逃げられたことに戸惑うウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)だったが、すぐに気持ちを切り替える。
「チェイスなら得意じゃ任されよ! 何を隠そうこのウルフシャ、実のところスターライダー。普段フードファイトしかしておらぬが、走れば止まらぬそのうるふ車」
 そう言って彼女は自身の乗り物『うるふ車』を引っ張り出す。
「なるほど、あちらじゃのう!」
 けいかいにうるふ車を走らせるウルフシャが追いかけていった先に見つけたのはエージェント・シロウサギ。そして彼女も今回の作戦に対して準備していたのか、オートバイに乗って森の中を駆け抜けていた。
「む、これは追いつけ追い越せなカーチェイスの予感!」
 ハンドルを握る手に力が入ろうというもの。バイクの上で尻尾の揺れるシロウサギを追いかけるウルフシャ。
「向こうも足を用意していたとはね」
 後方の存在を確認するシロウサギ。森の中を駆け抜けてゆく二人。差が縮んで離れてを繰り返す。
「なら、多少危険でも近道を使わせてもらうわ!」
 途中、「迂回路← →近道」と書いてある立て札があり、シロウサギは右へ曲がる。
「何、そんなものがあるのか! ならばうちもそっちに!」
 ウルフシャも迷わずそちらへ進む。
「まあ、地獄への近道だけどね!」
 そう言ってバイクから飛び降りるシロウサギ。
「ふしゃ?」
 突然のことに飛び降りたシロウサギをそのまま追い抜いてしまうウルフシャ。そして眼前に迫るのは逃げ場なく密集した木々。実際この道は近道ではなく行き止まりであった。無人のバイクが木々に突っ込む、爆発するが、うるふ車は急には止まれない。そのまま爆炎へと突っ込んでしまう。
「グッドラック」
 シロウサギは近くに隠していた予備のバイクに乗ると、そのまま正規の道を走っていった。

「フードファイターであるうちを甘く見ておったな。邪魔者喰らって東へ西へ!じゃよ」
 ウルフシャは何事もなかったかのようにうるふ車を走らせる。実際、彼女にとっては、邪魔な木々など食らってしまえばよいということで、【ゴッドスピードライド】でパワーアップさせたうるふ車に木々を食らわせ、そのまま突き進んでいた。
「これで近道開通じゃ!」
 うるふ車という存在自体なんなのか気になるところではあるが、ウルフシャ自身にはそれ以上に気なるところがあった。
「……ふっふっふ、それで……ここはどこじゃ?」
 なんとなく道なき道を進んでいたが、ウルフシャは方向音痴。自分がどこに進んでいるのかも見当がついていない。
「まあ、適当に進んでいればなんとかなるじゃろ」
 楽観的な彼女はあまり気にせず進んでゆく。
「ほうれ、木々が抜けて明るいところに……ふしゃ?」
 木々を抜けた先は崖。うるふ車は急には止まれない。
「のおおおおおおおおおお!!!」
 うるふ車はそのまま落下していった。

「ふう、なんとか撒けた」
 ウルフシャから逃げていたシロウサギは悠々とバイクを走らせる。森を抜け、合流地点へ。
「思ったよりも集まっていないな」
 自分より早い着いていたシロウサギが依頼人と何か話している。報酬の交渉のようだが、旗色が悪そうだ。自分がこのお面を届ければ、交渉はこちらの有利になるだろう。
「おーい、みん……」
「のおおおおおおおおおお!!!」
 上から悲鳴。そちらを向くと、こちらに向かって空から突っ込んでくる車。
「うわああああああああああ!!」
 車にバイクごと押しつぶされるシロウサギ。
「ふう、うるふ車でなければ即死じゃった。……ん?」
 うるふ車から出てきたウルフシャが見たのは、車の下敷きになったバイクの残骸と、そこから転がり出るお面。
「なんかしらんけどラッキーなのじゃ」
 などとお面を拾い上げるウルフシャ。そして、
「この場所を嗅ぎつけられたのだから、さらに減額でもいいのよ?」
「そ、その額で」
「ふしゃ?」
 目の前が最終目的地であったことに今気づくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『可能性の収奪者』アニマ』

POW   :    『可能性』の反射 / 血濡れた人皮本
対象のユーベルコードを防御すると、それを【『可能性』を記した本から引き出して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
SPD   :    『可能性』の封殺 / 千の貌の仮面
【血色の外套の影】から【『可能性』を集めて作った様々な表情の仮面】を放ち、【敵に仮面の表情と同じ感情を上書きする事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    『可能性』の発露 / 瞳の首輪と強欲の短刀
【目玉で作ったネックレスから魔力を引き出し】【血濡れたナイフに魔力を込めて】【全身に他者の『可能性』を宿すこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ノルナイン・エストラーシャです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●可能性の収奪者
「いやー、猟兵達が手強くてですね……」
「その可能性があって貴方達に依頼しただけど」
「それを言われると困るなあ」
「回収できたの全体の2割、といったところかしら?」
 森を抜けた先でそのような会話がされている。なんとか猟兵から逃げ切ってたどり着いたシロウサギ達と依頼人である可能性の収奪者『アニマ』との間で報酬の交渉をしているらしい。
「なら報酬は……」
「えー、こっちだって命張ったんですから、もう少し付けてくれないと」
「張ろうが張るまいが、こちらの期待に答えたれなかったのならしょうがないでしょう」
 お面の回収が満足に出来なかったため、シロウサギの旗色は悪い。だが、そこに
「おーい」
 バイクに乗ったシロウサギがやってくる。これでもう少し報酬を上げてもらえるだろう。
「みん……」
「のおおおおおおおおおお!!!」
「うわああああああああああ!!」
 だが、突如近くの崖から奇怪な車が飛び出し、バイクごとシロウサギを轢き潰す。
「きゃああああああ!!」
「この場所を嗅ぎつけられたのだから、さらに減額でもいいのよ?」
 突然すぎる仲間の死に思わず悲鳴を上げるシロウサギもいたが、アニマは淡々としている。
「そ、その額で」
 顔を青ざめさせ、シロウサギ達はもらうものをもらって退散することにしたようだ。

「これであちらの用事は終わり。今度はこちらの用事ね」
 そそくさと逃げるシロウサギを見送り、猟兵達を見やる。そこには、様々な方法でこの場所を嗅ぎつけた猟兵達が続々と集まっている。
「猟兵を集めてこいとは言ってなかったのだけれどね。まあ、この際貴方達から回収すれば良しとしましょう」
 そう言ってアニマはシロウサギから回収したお面を一つに合わせ撫ぜると、そこには蛇塚・ライムの顔をイメージさせるような仮面が生まれる。
「『憎悪の面』とでも言うべきかしら? 世界を焼き尽くす可能性を秘めたこの面は一体どのくらいの力を秘めているのかしら? 強大な力を降ろした際に依代が自身の身を焼いて命を落とすなんてくだらない事故がなければ、もっと強力なUDCになっていたかもしれない。その可能性を私は見てみたいのよ」
 どこか熱に浮かされたようにアニマは語る。
「だからね、貴方達も持っているお面も回収させてもらうわ。完全な形となれば、私はあの子の能力を、可能性を最大限に引き出せる。ああ、そんなこと言っても渡してくれる可能性はほぼゼロというのは分かっているわ」
 そう言ってアニマは人革でできた本を開き、仮面に重ねる。すると、彼女の身体から炎が吹き上がる。
「完全体ではないけれど、この力を試しながら、収奪させていただきましょう」
 そう言って彼女は仮面を被り、猟兵達と対峙した。
 猟兵達よ。あとはこの可能性の収奪者を倒せば任務完了である。
 
(※なお、『可能性の収奪者』アニマは蛇塚・ライムの力の宿った『憎悪の面』をつけることにより、蛇型の炎を身にまとっている他、ユーベルコードが多少変化します。
 POW【血濡れた人皮本】:相手のユーベルーコードを防御時に借用する他、蛇塚・ライムの『有象無象を焼き消す魂の揺り籠』を使用し、自然発火能力による範囲攻撃を行います
 SPD【千の貌の仮面】:今回は『憎悪の面』のコピーを放ち、『仲間ごと世界を滅ぼしたくなるような憎悪の感情を上書きする事』により対象の動きを一時的に封じることとします。
 WIZ【瞳の首輪と強欲の短刀】:蛇塚・ライムの可能性を身に宿し、『森羅万象を焼き尽くす蛇の激情』を行使することで、憤怒の超高温獄炎のブレスで攻撃を行えます。
 また、憎悪の面は戦闘後回収することは可能ですが、それによって特別なアイテムが配布されることはありません。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
アト・タウィル
可能性、ですか
本来であれば引き出せたであろうモノを、あなたにどれだけ引き出せるのか……ふふ、楽しみです

私は狂気の操り人形を使い、死んだエージェント・シロウサギ達を蘇らせましょう
人形のように操られるそれらで、アニマに纏わりつかせましょう
ブレス以外の攻撃をするなら、シロウサギ達の身体を盾にしましょう
さぁ、あなたの言う可能性を見せてください

獄炎のブレスを吐くなら、操っているシロウサギ達を肉壁にします
もちろんその理由は私の身を守るため……ですが、本来の狙いは、熱をアニマ本体へ当てるため
ふふ、本来の主なら熱に耐性もあるでしょう
ですが……あなたにそれがあるでしょうか?


ハロ・シエラ
先ほどの敵と同じ様な技を使いますか。
やはり高速移動と炎は厄介ですが、その技は他の猟兵に使っているのを見ました。
となれば……

まずは【第六感】を働かせて敵の攻撃を凌ぎましょう。
炎のブレスを放ってくるなら、それはユーベルコードで斬ってしまいます。
そして炎を斬った勢いで前進し、レイピアで【早業】の突きを食らわせようと思います。
多少遠回りですが、炎に対する【カウンター】と言った所でしょうか。
可能であれば【部位破壊】の【鎧砕き】といった具合で仮面を傷付けたいですね。
あの能力の本質は良く分かりませんが、多少は動きが鈍るかもしれませんから。



●見定められる炎
「可能性、ですか。本来であれば引き出せたであろうモノを、あなたにどれだけ引き出せるのか……ふふ、楽しみです」
 そう妖しく笑うアト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)。その笑顔は人をどこか不安にさせるものがある。
「さぁ、あなたの言う可能性を見せてください」
 彼女がそう言うと、現れたのはエージェント・シロウサギ。よく見ると、車の下敷きになって死んだシロウサギに似ている。
「なるほど、死者を操るユーベルコードというわけね」
 アニマの指摘通り、【狂気の操り人形】は死亡しまたは気絶した者を触手に操られた人形にするユーベルコードだ。その姿は生前同様に者に整えられてはいるが、折れた手足を触手で無理矢理動かしているので、本当に操り人形めいた動きとなっている。
「行きなさい」
 アトが命令し、シロウサギをアニマに飛びつかせる。
「そいつらは元々戦闘に不向きなタイプ。倒すなんて造作もない」
 アニマは【瞳の首輪と強欲の短刀】により、自身にまとわせた炎を短剣に巡らせ、高速の動きでシロウサギを焼き斬る。
「さあ、燃え散りなさい!」
 そして、全身にまとわせた炎の蛇から超高温獄炎のブレスを吐き出す。
「守りなさい」
 アトがそう言うと、後ろに控えていたシロウサギが飛び出し、アトの盾となる。森の中で骸の海に還っていないものを探し出して、手駒にしていたのだろう。
「ふふ、本来の主なら熱に耐性もあるでしょう。ですが……あなたにそれがあるでしょうか?」
 アトの狙いは相手に超高温獄炎のブレスを出させ、その熱をアニマに当てること。その熱で自分自身を焼いてしまわないか確かめることだ。
「おや?」
 アニマは自身の炎に傷ついている様子はない。
「あてが外れたかしら? 残念だけど、私はこの炎をコントロールできる。むしろ憎悪に任せて無駄に自身の耐久力以上の炎を吹きちらしていたあの子の方が自分を傷つけてたくらいじゃないかしら? で、貴方はこれでおしまいかしら?」
 勝ち誇ったようなアニマにアトは静かに応える。
「ええ。貴方の可能性を引き出すのが私の仕事ですから」
「そう。では、消えなさい」
 アニマは超高温獄炎のブレスをアトへ放つ。もう、彼女を守るシロウサギはない。
「先ほどの敵と同じ様な技を使いますか。ですが、攻撃一辺倒に比べれば、コントロールされている分、こちらも御しやすい」
 アトの前に現れた下着姿の少女が、炎を切り裂いた。

(やはり高速移動と炎は厄介ですが、その技は他の猟兵に使っているのを見ました。となれば……)
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)はそう思い、アニマの動きを見ていた。あとは使い手が代わったことによる動きのクセを見切るだけだ。そして、アニマのブレスを見た彼女は、自身の中でイメージを修正し、【ラム・イット・ダウン】によって相手のブレスを自身のレイピア『リトルフォックス』で切り裂いたのだった。
「一度防いだくらいで思い上がらないことね」
 アニマは新しく乱入した少女に狙いを変え、炎を纏わせた短剣と、身にまとう炎の蛇でハロに襲いかかる。それに対し、ハロは『リトルフォックス』と『サーペントベイン』の二刀流で攻撃を捌く。妖狐の炎を宿すレイピアと蛇後と毒で鍛えられた短剣。そして、現象を打ち砕くユーベルコードの力で相手の炎を打ち払い、守りも貫く。
「くっ、こうなれば!」
 アニマはバックステップし、炎のブレスをハロに吹き散らす。
「その攻撃はもう通用しないと言ったでしょう」
 アニマのブレス自体を目くらましに、ブレスを斬り裂き現れたハロは、その勢いのまま、レイピアの突きを入れる。狙いはアニマの『憎悪の面』だ。

 ピシッ

 砕くことは出来なかったものの、仮面に亀裂が走る。
「貴様、私のコレクションに!」
 その一撃にアニマは激昂するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘OK
グロはNG
WIZ

真の姿で黒炎の翼を生やし『愛の想起・花と鳥の小夜曲』発動。
ハーミアとアルルの歌がアニマの強化を無効化。
ライムの力を封じつつ、私の戦闘力は更に増大

貴女の表現を借りるなら
私は110種類以上のオブリビオンの魂と可能性を宿す女

強化した戦闘力で相手の動きを【見切り】
【属性攻撃】で様々な角度から突風を叩きつけ
私やアルル達への接近を許さず、飛び道具も跳ね返す

ライムの力を奪う気かって?
私の目的はオブリビオンの救済。
彼女を幸福に出来るのは私でも貴女でもないわ

他者の可能性を奪うのは自信の無さの表れ。
可哀想な子……私が愛してあげる

【誘惑・催眠術】で魅了し
太もも・お尻を撫で【生命力吸収】のキス



●収奪者と救済者
「可能性の収奪者ですって?」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はアニマに対峙し、フフッと笑う。
「貴女の表現を借りるなら、私は110種類以上のオブリビオンの魂と可能性を宿す女」
 彼女の背中から黒炎の翼は広がり、真の姿へとなる。
「美しき半人半鳥の歌姫よ! そして、可憐なる花の精霊よ!」
 そして、呼び出すのはハーピィとアルラウネ。
「いよいよ出番ね!」「いっぱいあそぼ~♪」
 そして奏でられる愛と呪詛の二重奏。ドゥルールのユーベルコード【愛の想起・花と鳥の小夜曲】だ。
「炎が!?」
 アニマに纏わりつく炎が勢いを弱める。この歌はドゥルールの戦闘力を高め、相手の強化を解除する魔法の歌だ。
「くっ、ならば、先にそいつらを!」
 解除される側から強化を施しつつ耐えるが、それでも当初ほどの勢いは維持できない。そのため、呼び出されたハーピィとアルラウネを先に攻撃しようとナイフを片手に駆け出す。
「ハーミアとアルルはやらせないわ」
 その動きにドゥルールは素早く反応し、風の魔法を叩きつけ、アニマの行く手を阻む。
「ぐぅぅ……ならば!」
「させないわ」
 炎の蛇からブレスを放つが、弱体化した炎と強化された風により、相手を焼き尽くす炎は届かない。
「可能性を宿すと言ったか。ならば、お前は私から可能性を奪う気か?」
 ギリッと歯噛みし、アニマはそう問いかける。
「ライムの力を奪う気かって? 私の目的はオブリビオンの救済。彼女を幸福に出来るのは私でも貴女でもないわ」
 そう言ってドゥルールはどこかを見遣った後、静かにアニマの前へと歩み寄る。
「他者の可能性を奪うのは自信の無さの表れ。可哀想な子……私が愛してあげる」
 心をとろかす甘い言葉。ドゥルールはアニマの太ももはお尻を優しく撫で、そのまま『憎悪の面』をずらし、口づけをしようと、
「触るな!」
 すんでのところで催眠状態にかかりかけていたアニマは『憎悪の面』にかけられた手を振り払う。
「笑わせるな!! 私はどんな力も、可能性も引き出して使いこなしてみせる自身がある! それを自信がないだと!? 私が救済できないだと!? オブリビオンは決められた過去の残滓。自分自身では自分の新しい可能性を切り開くことが出来ない。だから私がコレクションにして、新しい可能性を切り開いてやっているんだ! 言うなれば、これが私の救済だ!」
 怒りで呪詛を跳ね除けたのか、体に巡る炎の勢いが増す。
「そう……」
 自信を通り越して傲慢にしか見えない彼女の様子にドゥルールが向けるのは憐憫の眼差し。そして、微笑みへと表情を変えると、アニマに向かって、彼女とは違う誰かに語りかける。
「もう少し待っててちょうだい。貴女の憎しみも何もかも全て受け止めてくれる大切な人が、貴女を迎えに来てくれるわ」

成功 🔵​🔵​🔴​

紬雁・紅葉
嗚呼、嗚呼、気に入らない♪
羅刹紋を顕わに嫣然と笑み

先制で破魔雷属性衝撃波念動力UCを以てスナイプ鎧無視武器落とし(本)

十握刃を顕現、白い木刀太刀の姿に

正面からゆるゆると接敵
射程内なら破魔雷属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波念動力範囲武器落としを狙う
特に仮面は必ず落とす

他者の可能性の簒奪と活用…聞こえはいいけどつまり他力本願の極み
その傲慢、強欲…あの遠呂智を見ているようで

気に入らないわ♪

落としまくる

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


御形・菘
良いとこ取りで他人の力を奪うのか
知恵が回る、そこそこのワルという感じが実に良いぞ!
そして慢心が過ぎ、最期は圧倒的な力に叩き潰されるところまでがテンプレというものよ!

自然発火能力など妾には止めようもない!
炎は物理的な足止めにはならんし、真っすぐ突っ込む!
対応策はいくつかあるが、このタイプの炎は堂々と突破するのが一番映えるのよ
顔が大切というのなら、慈悲深くボディへと左の拳をブチ込んでくれよう!

妾のこの技、いや信念をコピーするのは大歓迎!
お主は果たして自ら不利を背負うのか、背負えるのかのう?
当然、発動するのを待ってやるとも
さあ、お主の覚悟を魅せてくれ!
……勿論、無理だと分かっていての挑発であるがな!



●傲慢と逆境
「嗚呼、嗚呼、気に入らない♪」
 体に羅刹紋を顕にし、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は嫣然と笑みを浮かべる。
「何が気に入らないと……」
「掴んで、手名椎…!」
 アニマが言い終わらなうちにユーベルコード【手名椎・手長】で見えない手を伸ばし、奪おうとする。
「させるかっ!」
 相手の攻撃の気配に気づき、本を守るも炎の蛇による防御を突き破って、見えない手はアニマをしたたかに打ち付ける。
「他者の可能性の簒奪と活用…聞こえはいいけどつまり他力本願の極み。その傲慢、強欲…あの遠呂智を見ているようで」
 そう言って紅葉は天羽々斬・十握刃を手にし、
「気に入らないわ♪」
 笑みを浮かべる。
「ハッ! それを言うのなら、巫女など神の力を借りて戦う他力本願の代表格ではないか! 与えられた力も奪った力も適切に行使できるよう技術を研鑽し、己が道具として使うことに何が違いがあるのか!」
「ハーッハッハ! 良い啖呵ではないか!」
 アニマの反論に声を上げたのは、紅葉ではなく、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だ。
「良いとこ取りで他人の力を奪うのか。知恵が回る、そこそこのワルという感じが実に良いぞ! そして慢心が過ぎ、最期は圧倒的な力に叩き潰されるところまでがテンプレというものよ!」
「貴様、褒めているのかけなしているのか!」
「もちろん、褒めておるぞ。それでこそ小悪党にふさわしいとな」
「貴様……!」
 仮面で見えないが、ギリリと歯噛みするアニマ。
「ほれ、妾にその奪った力でも見せてみるがいい」
「言ったな!」
 アニマが【血濡れた人皮本】を開き、『憎悪の面』から蛇塚・ライムの力を引き出す。
「焼き消えろっ!!」
 ライムのユーベルコード【有象無象を焼き消す魂の揺り籠】によって所々から火柱が立ち上る。
「激情に身を任せているようで、こちらを的確に狙っているようですね。ですが……」
 紅葉は立ち上る火柱を衝撃波で吹き散らし、相手の攻撃を見定める。そして、
「出どころは見極めました」
 炎の吹き上がる前兆を見切り、残像を残すような緩急をつけた動きで回避してゆく。そして、アニマの隙を突いて反撃の衝撃波を飛ばす。そのうちの一撃が『憎悪の面』に当たる。面の一部が砕け、アニマの片目が露出する
「おのれ……!」
 紅葉に憎悪の視線を向けるが、アニマはそれ以外に、困惑の表情を隠せずにいた。
「そこのお前! 何故避けない!? 何故平然としていられる!?」
「自然発火能力など妾には止めようもないからな! 対応策はいくつかあるが、このタイプの炎は堂々と突破するのが一番映えるのよ。炎は物理的な足止めにもならんしの!」
 菘はアニマの炎を平然と受け止め、そのまま真っすぐ進んできたのだ。繰り返し言うが、彼女に特別火炎耐性のようなものはない。我慢と覚悟とやせ我慢でなんとか耐えている。そして、彼女のユーベルコード【逆境アサルト】が彼女の進む力を後押ししてくれている。
「そんなにその仮面が大事というのなら、慈悲深くボディへと左の拳をブチ込んでくれよう!」
「なっ!? く、来るな……」
 焦りの表情が見えるアニマに、慈悲深い、けれども無慈悲なまでの威力のボディブローがえぐりこむようにアニマに突き刺さる。
「ーーッッ!!」
 声にならない悲鳴を上げ、アニマは吹き飛ぶ。そして、転がりながら激しく咳き込む。
「どうだ? これが妾の【逆境アサルト】である」
 ドヤ顔で胸を張る菘。見た目的には相手以上にボロボロなのではあるが。
「妾のこの技、いや信念をコピーするのは大歓迎! お主は果たして自ら不利を背負うのか、背負えるのかのう?」
「なん……ですって?」
 菘は自分のユーベルコードをコピーするよう挑発したのだ。
「当然、発動するのを待ってやるとも。さあ、お主の覚悟を魅せてくれ!」
(……勿論、無理だと分かっていての挑発であるがな!)
 このユーベルコード、不利な行為を行うことで自身を強化するユーベルコードである。ライムのように自身の炎に身を滅ぼさないようセーブしているようなアニマには無理だと踏んだのだ。だが、猟兵達にいいようにやられ、プライドを折られたアニマの背中を押すことになる。憎悪の谷底へと。

 プツン。

 実際音はしなかったが、何かが切れた。そんな空気が感じ取れた。
「……いいじゃない。可能性の収奪者に奪えない可能性など無い! 奪ってやろうじゃないの!」
 そう言った途端、アニマの身体から炎が吹き上がる。彼女の体の周りを炎の蛇が今までよりも数多く、大きくなって駆け回り、その身を焼き焦がしてゆく。
「これなら映像として映えるかしら? この姿を目に焼き付けながら死んでいけるのであれば、満足でしょう?」
 アニマの眼に宿るは憎悪と狂気。
「死ね死ね死ね死ね! みんなこの炎に焼かれて死んでしまえばいい! お前たちに目に映るこの炎こそが、人生の最後の光景となる終末の炎だ! アハハハハハ! そう、怪我ぐらいなら、後で他の可能性の力で癒やせばいい。私ならば、ライムよりも力をうまく扱えるのだから!」
 己の傲慢さと仮面の憎悪に飲まれ、吹っ切ったように嗤うアニマ。
「あれ? もしかして妾、とんでもないことした?」
 その様子にやっちゃった感満載の菘。正直これ以上は戦闘はきついかもしれない。
「いえ、これで相手の自滅を狙いやすくなったのではないでしょうか? とはいえ、このままここにいると危険です。一旦引いて後は他に任せましょう」
 そんな菘に紅葉は肩を貸し、戦場から離れることにする。
「うむ。あ、妾は去り際もかっこいいことにしたいんで、そのあたりは後で編集な」
 そんな会話をしつつ、最後の闘いを後の猟兵達に託すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大神・狼煙
【七色の希望】

憎悪の仮面のコピー?

傷も複製されるなら、それを起点に砕く

無理なら片手を顔にあてておき、張り付いた仮面を内側から剥がすだけ

無理でも憎悪をオブリビオンに向けるだけの話

狙うは敵の目玉首飾り

蹴り砕きUC潰しを狙いつつ、火薬製の棺にぶち込み着火

外部の炎までは制御できないはず

何せ、重なる炎は更なる酸素を求めて暴走する特性がありましてね?

ライムによる強化で身に纏う炎を逆手に取り、炎は届かずとも熱で炙る

そして己が炎を制御していると言った

それ即ち、制御せねばその身を焼くという事

それはさておき、血液って四二度を超えると凝固するんですが、その血塗れの本、まだ開ますか?

【部位破壊】


ルベル・ノウフィル
【七色の希望】

シロウサギさんにちょっと同情しちゃいますな
猟兵の皆様はお強いですからね
そおれ、ニンジンを差し上げましょう
金貨を紐で括り付けておりますよ

アニマ殿、お面を集めたいなら、先日一杯見ましたよ縁日で
あ、そういう話ではありません?

早業・UC火翔
捨て身の一撃・鎧無視攻撃で
蛇の頭を墨染でスパスパっと斬りますね
僕の恩返しはまだ終わっていないのでございます
元気よく斬っちゃいましょう

そういえば、僕は家族と言うものをよく知りませんが
素敵なものなのだろうなと幻想めいた感情を抱いているのです
アニマ殿
素顔は可憐でございますな
仮面をかぶるのはもったいない
一番の可能性は素顔に秘められているように、僕は思いますね


エメラ・エメラ
【七色の希望】
※アドリブや連携はお任せ

皆と連携してボスを倒すよ
「他人の力のお面を集めるとか趣味が悪いね、もちろん許さないよ!」
九死殺戮刃でアニマに切り込んでいくよ、9連撃のひとつで飛んでくる仮面を【部位破壊】で叩き割って、残りをアニマへ斬り込むようにするね
「救済なんて言ってるけどただ利用してるだけじゃないですか、言い訳する略奪者なんてはた迷惑なだけだよ!」
ルパート先輩の状態によっては1撃をそっちに出してデメリットをカバーするけど近くにいないorすでにやられている場合は代償覚悟で8撃をアニマにたたき込みます


ルパート・ブラックスミス
【七色の希望】

…その「過去」に消えた娘を「今」救える可能性、それが必要な者がここにいる。邪魔をするな、不粋者。

再びUC【夜鷹の不知火纏う騎身】起動。【先制攻撃】、味方内の一番槍を務める。
強化したニクスを前に掲げ回転、敵の攻撃を【吹き飛ばし】ながら【ランスチャージ】。
敵の攻撃から仲間を【かばう】ことさえできればいい、自身は【火炎耐性】を頼みに【覚悟】して耐える。
この【捨て身の一撃】をもって、仲間の攻撃を敵に届かせる突破口とする。

最後はエメラ殿の九死殺戮刃の一太刀を受けて後を託す。
極論、こちらが攻勢にさえ傾けば自分の途中脱落は問題ない。

皆、後は任せたぞ。

【アドリブ歓迎】


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
【七色の希望】

よう、コソ泥さん。
そいつはアンタにゃ過ぎたブツだ、姉貴の元に返してやんな!

まぁ、そう言ったけどアタシがやる事はあくまで裏方。
自分への攻撃を『念動力』と『衝撃波』で迎撃して吹き散らし、
【超感覚探知】のテレパス網を仲間皆に広げて、
誰かが仮面を被っても感情上書きを『呪詛耐性』で『鼓舞』する事により
被害を最小限に抑えるようにする。
アタシ自身が面を被った時は、
隣にいる誰かに引っ叩かれるなりで正気に戻ろうじゃないさ。
一応『狂気耐性』もあるしね。

少し位の傷なら、『激痛耐性』で耐えてみせる!
合間に仮面の中の力の残滓へ
「使われるばかりでいいのかい?」と『鼓舞』してみようかな?


蛇塚・レモン
【七色の希望】
その仮面……いや、あたいの妹を、返してもらうよっ!

みんな、あたいの最後の我儘に付き合ってっ!

先制攻撃+咄嗟の一撃+動物使いでUC発動
足元に自身と仲間を護る広域結界を展開
(オーラ防御+範囲攻撃+拠点防御+火炎耐性+狂気耐性)
獄炎と仮面の攻撃を防御

仲間の連携中
あたいは左目(アイテム)で敵の情報収集+学習力で弱点を見破る
第六感で『人皮本』『血色の外套』『血濡れたナイフ』が敵UCの起点だと予測して、仲間に破壊を促すよっ!

蛇神様の2回攻撃+念動力+衝撃波とあたいの蛇腹剣(鎧無視攻撃)で起点ごとアニマを破壊!(武器落とし)
生命力吸収でライムの残滓を勾玉に封印

おかえり、ライム
一緒に帰ろう……?


紅葉・智華
【七色の希望】で参加
※アドリブ・連携歓迎

成程、これは厄介そうでありますね……。なら、手段は選んでいられない。
「ラプラス、力を貸して――」
元から【狂気耐性】、【呪詛耐性】は持ち合わせているけど、念には念を。
真の姿を解放。眼がより強く紅く輝き、体表面が硬質化(鈍色)。更に、意識を義眼ラプラスに譲る事で、意識を奪われるのを阻止。【唯射】を構えて【選択UC】を準備。【スナイパー】として敵の無力化【足止め】、味方の【援護射撃】を実施。
「演算データ出力、特殊弾頭ニ入力完了。弾頭射出――!(意識:義眼ラプラス)」

戦闘終了後
(体表面と意識を元通りにし、眼鏡をかけつつ)「状況終了、かな」


ロコメルン・ルケッタ
【七色の希望】
ライムさんの力で世界を脅かすつもりなら、そうはさせないよ

UCを使って合計16匹の、2匹で合体したモグラと蛇達に地面に潜んでアニマさんの八方を取り囲んでもらうよ
好機が来るまで気が付かれないように、魔物に鈴を着けておくよ
この鈴は操作をすると音が鳴る鈴
好機が見えて鈴を鳴らしたら、地面から出てアニマさんを拘束してもらうよ

その間、地上でアニマさんの攻撃を凌がないと
合計24匹の、3匹で合体した耐性の高いゴーレム達にアニマさんの攻撃を防いでもらって耐えるよ
マフラーにも頼んで危ない時は防壁に変形して皆を守ってもらうよ

残り2匹は、怪鳥と大蜘蛛
隙が見えたらポータルで召喚してアニマさんを抑えてもらうよ



●希望を胸に
「その仮面……いや、あたいの妹を、返してもらうよっ!」
 憎しみに取り憑かれたアニマに、蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)は言い放つ。
「返すだと? それはこちらのセリフだ! 私の面を奪っておいてぬけぬけと! 先程こちらに攻撃を仕掛けてきた小娘なども面をどこかに隠し持っていたようだが、奪った面の大半はお前たちが持っているのだろう? その力、感じ取ることが出来るぞ!」
 先程のエージェント・シロウサギとの戦いで、狼煙や多喜、それにレモンは倒したり捕獲したりしたシロウサギから、蛇塚・ライムの力が宿った面を回収しているのだ。
「シロウサギさんにちょっと同情しちゃいますな。猟兵の皆様はお強いですからね」
 あの時の光景を思い出し、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は声を漏らす。この場にシロウサギが残っていれば、人参でもあげたいくらいだ。
「特に狼煙殿に、お面を見つけるために全身を探られていたシロウサギさんはかわいそうだったですね」
「えー? 私は出来る限り紳士的に行ったと思うんですけど?」
 ルベルの言葉に抗議の声を上げるのは大神・狼煙(コーヒー味・f06108)。ちなみにどのような感じで探っていたかはここでは割愛しておく。
「そもそも、そのお面に籠めた力だって他人の力じゃない。他人の力のお面を集めるとか趣味が悪いね、もちろん許さないよ!」
 アニマの言葉に抗議するのはエメラ・エメラ(エメラ・f19755)だ。
「ハッ! 自分の力だろうと他人の力だろうと使いこなせるもののもとにこそあるべき! 過去のものとなったオブリビオンの可能性を引き出せるのは私だけなのだから!」
「…その『過去』に消えた娘を『今』救える可能性、それが必要な者がここにいる。邪魔をするな、不粋者」
 ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は『爆槍フェニックス』を 構える。
「使いこなすとか言っておいて、その憎悪に飲まれそうになっているじゃないか」
 続けてそう指摘するのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。冷静に、彼女はアニマの今の状態を冷静に分析している。
「よう、コソ泥さん。そいつはアンタにゃ過ぎたブツだ、姉貴の元に返してやんな!」
「私に過ぎたもの……だと? そんなはずはない! 私はすべての可能性を収奪する! このくらいを力を扱いきれないわけがない! 見ているがいい! 貴様らを燃やし尽くしてくれよう」
 アニマの身の回りを巡る炎の蛇が勢いを増す。今の彼女は、他の猟兵の能力をコピーしたことにより、自身の姿を見せつけるために不利な行動をすることで能力を増すことが出来る。炎が身を焦がすが、そのことは意に介さない。
「成程、これは厄介そうでありますね……。なら、手段は選んでいられないでありますな」
 その姿に紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は冷静に分析する。今までアニマと同じと思っていると痛い目を見るかもしれない。
「ライムさんの力で世界を脅かすつもりなら、そうはさせないよ」
 どこかライムと重なるようなアニマの有様に、ロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)は宣言する。
「みんな、ありがとう」
 仲間達の言葉にレモンは胸がいっぱいになる。
「だからお願い! あたいの最後の我儘に付き合ってっ!」
 彼女のお願いに返事は不要だ。何故なら、もうみんなの心は決まっているのだから。
「言い残すことはないか? ならば、貴様ら全てを燃え散らしてやろう!」
 炎を吹き上がらせ、アニマは猟兵達へと言い放ち、それが戦闘開始の合図となった。

「燃え散れ!」
 憎悪に身を任せ、【瞳の首輪と強欲の短刀】によって、ライムの【森羅万象を焼き尽くす蛇の激情】を引き出し、炎の蛇から超高温獄炎のブレスのブレスを放つ。炎の勢いは、自身を傷つけないようにセーブしていたときはとは比べ物にならない勢いである。だが、猟兵達は先んじて
「やっちゃえ、蛇神様っ!!」
 レモンが【戦闘召喚使役術式・崇めよ、偉大なる白き大蛇神様を】によって結界を張り、炎の勢いを減じる。
「かたじけない!」
 そこをルパートが【夜鷹の不知火纏う騎身】を起動させてニクスと共に自身を強化し、槍形態のニクスを風車のように回転させ、勢いの減じた炎を吹き散らしながら、
「一番槍を務めさせてもらう!」
 そのままランスチャージの体勢に入る。
「その程度の攻撃!」
 アニマは炎を纏わせたナイフでルパートの攻撃を弾く。そしてそのまま反撃にとルパートを斬りつけようとするが、
「自分の役割はこれで十分だ」
「演算データ出力、特殊弾頭ニ入力完了。弾頭射出――!」
「何っ!?」
 次の瞬間、アニマのナイフに銃弾が命中し、軌道がズレる。弾丸の飛んできた方向を見てみれば、
「弾着、未來不定化弾頭炸裂確認。対象ノ未來不定化マデノ必要弾数演算中――」
 そこには体の表面が鈍色に硬質化し、真の姿となった智華がライフルを構え、こちらを狙っていた。義眼『ラプラス』に意識を譲り、【演算氾濫による未來不定化弾頭[OLBCB]】によってアニマのユーベルコードの力を減らそうとしていた。
「小賢しい!」
 アニマは猟兵たちに向けて【千の貌の仮面】で『憎悪の面』を猟兵達へと飛ばす。
「憎悪の面のコピー?」
 アニマへ攻撃を仕掛けようとしていた狼煙だったが、咄嗟に飛んできた仮面に蹴りを入れる。オリジナルと同じ箇所にあった損傷部位を的確に攻撃し、蹴り砕く。
「っ! 仮面が顔に当たらないように防御してたらアウトでしたか」
 仮面の破片が身体に張り付いただけでも憎悪の感情が湧いてくるが、何とか抑え込む。万全の形の仮面であれば、危なかったかもしれない。
「ハハハ! 私であれば、彼女の憎悪の力をこのように使うことだって出来る! 新たな可能性をこうして生み出せる私こそが彼女を救済できるんだ!」
 勝ち誇るアニマではあるが、
「救済なんて言ってるけどただ利用してるだけじゃないですか、言い訳する略奪者なんてはた迷惑なだけだよ!」
 そう言って、仮面を叩き切り、そのまま斬り込むのエメラ。彼女は【九死殺戮刃】により、瞳を輝かせ、手にした刃物でアニマを斬り刻もうとする。
「舐めるな!」
 アニマは手にしたナイフと炎の蛇とでエメラの攻撃を防ごうとする。だが、
「ゴーレム! エメラさんを守って!」
 ロコメルンの【バトルキャラクターズ】で生み出したゴーレム達が身を呈してエメラを炎の蛇から身を守る。額の文字は『3』ではあるが、戦闘力より耐久力よりに生み出してある。エメラに炎が届かないようにするには十分だろう。ナイフの防御だけでは通常の9倍もの攻撃回数に何回か攻撃を許し、アニマの身体から鮮血を流す。
「ルパート先輩、すみません!」
 そして、エメラのユーベルコードは攻撃衝動を味方にも向けなければ、その衝動が身を蝕んでしまう。そのため、エメラは最後の一撃をルパートへ振るってしまう。
「気にするな、許容範囲だ」
 謝るエメラを宥めるルパート。 エメラの斬撃も、ルパートの装甲であれば、一撃くらいならば問題ない。
「ちっ、全員とはいかなかったか。まあ、いい。同士討ちという最高のショーを見せてみなさい!」
 迎撃された仮面を一瞥し、仮面をかぶせることに成功した猟兵に視線を向けるアニマ。そこには、
「智華! ロコメルン!」
 仮面をつけられた二人の猟兵と、その二人に呼びかける多喜の姿。
「目標変更。周囲ノ殲滅ヘノ最適最適最適――」
 体の色をどす黒く変色させ、仮面の欠けた眼から紅い輝きを秘めた眼で周囲を見回す智華。憎悪に飲まれないよう、義眼『ラプラス』に意識を譲ったのは良かったものの、まさかラプラスの方が、感情を持ち合わせていなかった分、感情の上書きに対する抵抗力が弱かったというのが予想外であった。アニマのユーベルコードに対し、ラプラスは相性最悪とも言えた。

(ラプラス、目を覚まして――)
 アニマだけでなく、この場にいる猟兵全てを皆殺しにすべく演算を始めたラプラスに智華は呼びかけるが、上書きされた憎悪の感情に塗りつぶされたラプラスから制御を取り戻せない。
(悪いね、アンタらとはちょいと繋がらせてもらったよ)
 そんな智華の中に響くのは多喜の声。ユーベルコード【超感覚探知】によって、智華にテレパスを送り、智華とラプラスに意識をつなげたのだ。
(おい、ラプラス、聞こえてるか? 聞こえてんなら、智華を困らせんじゃないよ!)
 そう叱咤し、鼓舞するとともに、多喜は智華とラプラスに干渉し、塗りつぶされた憎悪の感情を取り除いてゆく。
「――異常状態解除確認。任務へ復帰スル」
 仮面が外れ黒かった体色が鈍色へ戻り、智華ことラプラスは自分の任務へ戻る。
「なんとかうまくいったか」
 多喜はそう言いながら、懐に手を当てる。そこには森での追跡でシロウサギを倒した際に手に入れた、ライムの力の宿ったお面があった。『憎悪の面』の力に対抗できたのはこのお面の力もあったのかもしれない。
「さてと、あと一人」
 多喜の視線の先には智香と同じく仮面をかぶっているロコメルンの姿があった。

(ライムさんの憎悪の感情、ここまですごいものだったなんて)
 ロコメルンは憎悪の感情に乗っ取られないように必死に抵抗していた。意思を持つ可変式マフラー『ヴァリアブルマフラー』に頼み、仲間に飛んでくる『憎悪の面』を叩き落としたまでは良かったが、自分への防御が疎かになってしまった。もし乗っ取られてしまえば、自分の操るゴーレムだけでなく、奇襲用に仕込んでいる他の魔物まで、仲間に害を及ぼしてしまうだろう。
(またぼくは、彼女の憎悪を受け止められないのだろうか……?)
 かつてロコメルンはライムに憎悪を「受け止める」と伝え、彼女を説得しようとしたことがあった。その時は、彼女の憎悪から来る炎に身体が耐えきれなかった。そして今度は彼女の憎悪に心が耐えきれそうにないかもしれない。
(ごめん、ライムさん。やっぱりぼくは……)
(諦めんな!)
 ライムの憎悪にロコメルンが屈しそうになった時、ロコメルンに響いたのは多喜の声だ。
(よくここまで耐えた。ここからはあたしも一緒だ!)
 そう言うと、多喜はロコメルンの心からライムの憎悪を取り除いてゆく。
(ああそうだ、思い出した)
 ロコメルンはライムの憎悪を受け止めるとかつて言ったことがあった。ただ、その時に言った主語は『ぼく達が』だ。現実に襲いかかる炎はルパートや自分のゴーレムが、心に襲いかかる憎悪は多喜が、そして両方に対してレモンの結界がみんなを守ってくれている。
(みんなでなら、ライムさんの憎悪を受け止めることが出来る。だからライムさん――)
(そう言うこった。あたし達はアンタを受け止める準備はできている)
 ロコメルンの想いに、多喜が更に想いを重ねる。そして、ライムの憎悪に言葉を伝える。
(お前はこのまま使われてもいいのかい? それに、アンタはレモンに「好きにすればいい」って言った。なら、アンタも好きにしたっていいんだぜ? アンタ、本当は何がしたいんだい?)
 多喜の問いかけに、明確な言葉はなかったが、意志のようなものを感じた。そしてそれは、スゥーッとロコメルンの心の中から離れてゆく。
(こっちはもう大丈夫みたいだな)
(ええ)
 その様子に二人は安堵する。

 ロコメルンから『憎悪の面』のコピーが外れる。それと同時にアニマは異変に気づく。
「私は何を……? いや、仮面から憎悪の感情が消えてゆく?」
 アニマ自身から憎悪の感情が薄れてゆくとともに、『憎悪の面』からもこうした力が失われてゆくのを感じる。
「憎むことをやめた? 馬鹿な!?そんなことがあるワケ……!」
「今です!」
 アニマが動揺したのをチャンスと見て、ロコメルンが鈴を鳴らす。すると、アニマの周りに額に『2』と数字のついた、蛇尻尾をしたモグラの魔物が8体。アニマを取り押さえようと飛び出してくる。
「そんな雑魚、いくら並べようとも!」
 憎悪の力はなくなったものの、炎の力はまだあるようで、炎の蛇で襲いかかる魔物達をアニマは焼き払ってゆく。
「く、仮面から力が……こうなったら、お前たちの持っている面を……」
「アニマ殿、お面を集めたいなら、先日一杯見ましたよ縁日で。あ、そういう話ではありません?」
 飄々とした喋りでアニマに肉薄したのはルベル。【火翔】によって炎の翼を広げた彼は、魔物達を倒したばかりのアニマの隙を突き、妖刀『墨染』を振るって、炎の蛇を切り裂く。不死鳥の力を得ているルベルにとって、炎を切り裂くのは容易い。
「そういえば、僕は家族と言うものをよく知りませんが、素敵なものなのだろうなと幻想めいた感情を抱いているのです」
 そして返す刀で、『憎悪の面』をたたっ斬る。
「アニマ殿、素顔は可憐でございますな。仮面をかぶるのはもったいない。一番の可能性は素顔に秘められているように、僕は思いますね」
 パカリと仮面が割れ、落ちる。そして現れたのは端正なアニマの顔。
「よくも私のコレクションを!」
 仮面を破壊されたことで、炎の力は消える。だが、怒りに顔を歪め、アニマは魔力を籠めたナイフをルベルに突き入れようとする。
「弾頭射出――!」
 しかし、その一撃はルベルに届く前に、ルベルの放ったライフルによる狙撃に阻まれる。今度は軌道が変わるとどまらず、アニマの手からナイフが吹き飛ばされる。
「おのれ!」
「弾着、未來不定化弾頭炸裂確認。完全不定化マデ――」
「計算する必要もないでしょう」
 続けとばかりに狼煙がアニマの喉元に蹴りを入れる。アニマの首についていた目玉で出来た首輪が蹴り砕かれる。
「ごはっ!」
 そのまま吹き飛んだ先には、狼煙のユーベルコード【爆炎葬】で作られた、爆薬製の棺だ。そこへ着火したライターを放り込む狼煙。
「外部の炎までは制御できないはずですよね? もっとも、炎を制御するすべをすでに失ったようですが」
 盛大な爆発の後、棺から、全身から黒煙を発しながらアニマが出てくる。
「それはさておき、血液って四二度を超えると凝固するんですが、その血塗れの本、まだ開ますか?」
 ライムの力を引き出していたときであれば、本に耐火性能を付与することが出来たかもしれないが、今はもう無理だろう。つまり、これでアニマは力を引き出すための触媒を全て失ったのだ。
「こんなところで……」
 だが、それでもよろめきながら戦おうとするアニマ。そして、そんな彼女の前に現れたのはレモン。
「もう、終わりだよ」
 手にした『蛇腹剣クサナギ』を振るう。
「―――」
 最後にアニマが何を言ったかはわからない。そして、そのまま身体を崩し、骸の海に還っていったため、彼女が何を言おうとしたか確かめるすべはないだろう。
「状況終了、かな」
 その様子見守り、智華は身体の主導権をラプラスから自分へ戻し、真の姿から元に戻るのだった。

 砕けた『憎悪の面』はレモンが回収していたライムのお面に吸い込ませることで、無事回収できた。アニマが消えた後もお面が消えなかったのは運が良かったのか。レモンは、自分や仲間達が回収したライムのお面を集め、『白蛇神オロチヒメの勾玉』をかざす。もしうまくいけば、勾玉にライムの力を集められるかもしれないからだ。
(……すまぬ、レモン)
 レモンの心に、そう呼びかけたのは彼女の中に住み、親代わりの存在となっているオロチヒメだ。
(余の浅慮がライムの悲劇を引き起こしていた。お主を連れ出していなければ……いや、せめて三種の神器を持ち出しておらねば、ライムは死なずにに済んでいたのかもしれない)
(ううん、蛇神様は悪くないよ)
 後悔の念を浮かべるオロチヒメにレモンは優しく言葉をかける。
(それにまだ遅くない。ライムの力をこの勾玉に……違うね。あたい達は正統継承者を捨てたんだから、これは本当ならライムのもの。神器をライムに返してあげればもしかしたら……)
 レモンは己の目論見をオロチヒメに告白する。
(恐ろしいことを考える。だが、それは果たしてうまくいくかの? よしんばうまく行ったとして、勾玉に宿るのはライムなのか、ライムの力や記憶を持つ別物なのか分からぬのだぞ)
(そうだね。でも、可能性があるのなら諦めたくない)
(可能性な。オブリビオンは過去の残滓。あったかもしれない可能性を自分自身では変えられぬ。だが、未来あるものであれば、もしかしたらの)
(ごめんね蛇神様。あたいの我儘に付き合ってもらっちゃって)
(構わん。レモンの好きなようにするといい)

 姉さんの好きにするといいよ

「ライム?」
 ふと、妹の声が聞こえた気がした。可能性は限りなく低いかもしれない。でも、やってみなけれ可能性はゼロのままだ。だからレモンは意を決する。
「一緒に帰ろう……」
 そう呟き、仲間達が見守る中、レモンは念じる。彼女の試みはうまく行くのか、そしてどのような結果をもたらすのか。これからの未来はまだ白紙である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月12日
宿敵 『『八岐大蛇』蛇塚・ライム』 を撃破!


挿絵イラスト