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激闘! ヴァーリトゥードゥ野球!

#ヒーローズアース

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#ヒーローズアース


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 説明しよう!
 ヴァーリトゥードゥ野球とは、野球の中でありとあらゆる道具と妨害行為が許された野球なのだ!
 釘が無数に打ち込まれた釘ボールによるピッチャーのデッドボール攻撃。
 刀のように鋭く磨かれたスパイクシューズによるランナーのスライディング攻撃。
 手から滑ったバットによるバッターの投擲攻撃。
 その全てが許される!

 しかし、気を付けてくれ。
 許されるのはあくまで野球を介しての戦闘。
 単なる直接攻撃には審判から注意が飛ぶぞ!
 乱闘しようものなら、制止の為にショットガン片手に審判が飛び込んでくるんだ!

 さぁ、皆も相手チームを全滅させよう!

「こんなの野球じゃねぇよ!」


「野球とはそのように荒々しいものだったのだな」
 グリモアベースでそう猟兵たちへと語りかけるのは巨漢のグリモア猟兵、ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)だ。
 彼によれば事件が起こるのはヒーローズアースの世界。
 そこで一人のヴィランが襲われるらしい。

「ヴィランといっても、違法賭博の裏野球チームの選手……小物だな。犯罪といえば犯罪だが、その凶悪性は低い。可能であれば助けてやってくれ」
 事件の黒幕は被害者となるヴィランと同じチームに所属していたヴィランがオブリビオンと化した者のようだ。
 そのオブリビオンと配下のオブリビオンにより、凄惨な試合が行われているようだ。

「ヴァーリトゥードゥ野球というらしい……そんな野球があるのだな」
 何でもアリな野球――ヴァーリトゥードゥ野球でオブリビオンチームに勝利し、その後現れる黒幕のオブリビオンを倒すのが、今回の依頼のようだ。

「戦いが終わったなら……せっかくなのだ、現地で楽しんでくるといい」
 事件を解決したのであれば、まともな裏野球が開催されるだろう。
 一休みも兼ねて観戦するも良し、まともな野球に参加するも良しだ。
 それこそ、ヴィラン野球チームを鍛えてやるのも一興かもしれない。

「いつもより緊張感が欠けるかもしれんが、オブリビオンによる立派な事件……十分注意して参加してくれ。」
 黒きグリモア猟兵は、そう呼びかけながら猟兵たちを送り出した。


きみはる

 お世話になります、きみはるです。
 久しぶりにネタ依頼が書きたくなり、こんな感じになりました。
 細かいことは気にせず楽しんで頂けますと幸いです。

 一章はオブリビオンチームとのヴァーリトゥードゥ野球での戦いとなります。
 UCでそのまま攻撃することは非推奨ですが、球に乗せて射つなど、野球の行為に絡めればオーケーです。
 足りない人数は被害者であるヴィラン野球チーム――猛虎ヴィランズのメンバーが埋めてくれますが、彼らはまともな野球しか出来ません。

 二章は黒幕とのボス戦となります。こちらは通常戦闘です。

 三章では勝利の余韻を楽しんで下さい。
 通常の裏野球を観戦するも良し、参加するも良しです。


 きみはるは野球をやったことも無ければ詳しくもありません。
 細かい不審点はスルー頂けますと幸いです。

 プレイングは一章は順次募集中です。
 二章以降は別途MSページ等で連絡致します。

 皆様のノリノリのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『スポーツチーム『アイオワオブリビオンズ』』

POW   :    『さぁ、このトロフィーを賭けて僕達と勝負だ!』
小さな【トロフィー】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【あらゆる競技が可能な総合スポーツ施設】で、いつでも外に出られる。
SPD   :    『準備はいいかい?さぁ、配信を開始してくれ!』
戦闘力のない【撮影スタッフと機材、実況者と解説者】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【視聴者の声援】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    『宣誓、我々は正々堂々と戦うことをここに誓う!』
【マイク】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。

イラスト:鳥季

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォーネリアス・スカーレット
【アドリブ大盛りで】
「一回表に128点を取り計算システムに過負荷を与えて爆発させ、コールドゲームにするより他に勝ち目はない……何、そんな状況ではない? そうか」
 ごくごくシンプルにバットを構える。赤黒の金属バットを。猟兵の身体能力を駆使すれば全打席ホームランも行けるだろう。
「精々野球を楽しむと良い。これが最後のゲームになる」
 自ら反則行為はしないが、相手の暗黒反則行為にはそれ以上の無慈悲さを以て報いる。
「精々足掻いてみろ。どの道ゲームが終わったらお前らは皆殺しにする。オブリビオンだからな」




「一番、センター……スカーレット」
 心地よい空気の中、ウグイス嬢の声が響き渡る。
 雲一つない晴天――力強い日差しに心地よい風、絶好の野球日和の天気の中、その試合は行われていた。
 青春を感じる爽やかな試合……では無く、血しぶき飛ぶ凄惨な試合を。
「一回表に128点を取り計算システムに過負荷を与えて爆発させ、コールドゲームにするより他に勝ち目はない……何、そんな状況ではない? そうか」
 猛虎ヴィランズの仲間に突っ込みを入れられながら、“急遽”一番となったフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)は打席へと向かう。

 彼女が一瞥した先には既に数名の負傷者――チームのトレードマークとして黄色い虎の入れ墨を入れた選手たちが横たわっていた。
 一回表の敵の攻撃にて、既にヴィランたちは敵チーム――アイオワオブリビオンズの猛攻に晒されていたのだ。
 守備にも入っていた猟兵たちの活躍が無ければ、一回表でまさかの定員割れを引き起こすことすらあり得た程だ。

「精々野球を楽しむと良い。これが最後のゲームになる」
 フォーネリアスはバッターボックスで赤黒い不気味な金属バットを構えると、眼前のピッチャー――どう見ても河童だが――に声をかける。
 ニヒルに笑うピッチャーに回答は無く、その手に握られた凶悪なボール――釘だらけのスパイクボール――を放った。
 空気を引き裂きながら放たれるスパイクボール。
 下手なヒッティングを使用ものなら弾き飛ばされるその釘により、負傷は避けられないだろう。
 高潔な精神によりあえて反則行為をするつもりが無かったフォーネリアスは、その鎧の隙間から赤黒い光を放つ。
 相手の暗黒反則行為に対し怒りを感じた彼女のとる行為――それは、反撃。

 ヒットの瞬間――金属と金属がぶつかり合った甲高い音が響き渡る。
 頭上へと高々と打ち上げられた弾、キャッチャーフライかと思われたその弾に対し、キャッチャーは空中で光を反射させる“何か”を見つけ、目を細めていた。
「喰らうが良い」
 キャッチャーが声をあげようとした瞬間には時既に遅し。
 “再び”フォーネリアスが振ったバットに当たったのは、最初のピッチングにより球から抜かれ、宙を舞っていた“釘”だ。
 目にも止まらぬ勢いにより飛ぶ釘――尋常では無い速度でピッチャー返しをされた“それ”は相手ピッチャーの白いユニフォームを紅に染める。

「精々足掻いてみろ」
 “三度”振るわれた鈍く光るバットは、空高くから落下してきた球を再び捉える。
 先ほどの甲高い金属音では無く、球の芯を捉えた軽やかな音が球状へと響き渡る。
 ベンチから放たれる野太い声援を受けながら、ゆっくりとベースを回るフォーネリアス。
 ホームベースをしっかりと踏みしめた後、彼女はキャッチャーの肩に手を乗せながら言葉をかけた。
「どの道ゲームが終わったらお前らは皆殺しにする……オブリビオンだからな」

 鎧に隠れ表情を見せない少女の声は、心底楽しそうなものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

日上・文女
「バ、バイオレンスが過ぎる……!?」

ヴィランと野球をするだけの簡単な仕事と聞いて来たら現地で詳細を聞いて唖然とする。
平和な仕事と思っていたのに
と頭を抱え仕方なく覚悟を決める。
「よ、よろしくおねがいしまーす…」
愛用の合金バットを構えてボックスに立つ。
最初は様子を見ようかなー、とか思いつついきなりラフプレーで来られたら流石に怒る。
「飛んでくる球がどれだけ怖いか、思い知らせてやる……!」
2球目を全力で振りながらUC発動。硬球を一斉に放つ。
やられたらやり返す。具体的には千倍返し。
「反省した?してないなら、するまで続ける」
数回UC発動して気が済んだらベース1周してベンチに戻る。
「こ、怖かっ、たぁ…」




「三番、ライト……日上」
 ウグイス嬢の呼び出しを受けながら、日上・文女(アイムノットヒーロー・f16173)は打席へと向かっていた。
「バ、バイオレンスが過ぎる!?」
 そんな彼女の表情に浮かぶのは戸惑いと恐怖。
 死屍累々となっている自軍ベンチや血まみれになって交代した相手ピッチャーを眺め、その凄惨な状態に気圧されていた。
(ヴィランと野球をするだけの簡単な仕事と聞いてたのに……)
 グリモア猟兵の説明不足か、聞き間違えか。
 彼女の認識では今回の依頼は野球をするだけの簡単な仕事だというもの。
 その認識とのギャップに戸惑う彼女は、すっかりと怯えた様子を見せていたのだ。

「よ、よろしくおねがいしまーす……」
 やたらとゴツイキャッチャー――それも河童だが――に頭を下げながらバッターボックスへと立つ文女。
 その気弱そうな様子に御しやすいと判断したのか……相手ピッチャーは彼女の顔面を目掛け、剛速球を放った。
 咄嗟に避ける文女――先ほどまで気弱な様子を見せていた彼女であったが、大きく逸らした状態から身体を戻した彼女の表情は怒りに燃えていた。

「飛んでくる球がどれだけ怖いか、思い知らせてやる……!」
 再び彼女目掛けて放たれつ二球目。
 文女は愛用の金属バットを大きく振るう。
 振るわれたバットが球の芯を捉えた瞬間――ピッチャー返しで返されたのは、『千本伐投』により放たれた数百に及ぶ硬球の山だ。
 ピッチャーはもちろんのこと、マウンド全体に波状攻撃を仕掛ける硬球の波。
 全体に広がった球をあたふたと拾い集める野手たちを尻目に、文女は悠々とランニングホームランを決めた。

「反省した?してないなら、するまで続ける」
 緑の顔を青くするキャッチャーを睨みつけながらしっかりとホームベースを踏みしめる文女。
 無言で何度も首肯するキャッチャーを見て満足すると、ゆっくりと自軍ベンチへと帰還した。
 野太い歓声に迎えられながら席に座る文女。
 脱いだヘルメットに顔を埋めた彼女は、小さく本音を零すのであった。

「こ、怖かっ、たぁ……」

成功 🔵​🔵​🔴​

白鳥・深菜
「オブリビオンが野球で勝負?
 あのね。そういうのはキマフューでやりなさい」


勝負はツーアウトでバッターボックスに立った時の3球目。
3球目の勝負に向けた動きをイメージトレーニングしながら
1球目と2球目はストライクを重ねる。
無論、勝負は3球目なのだから、その前にデッドボールは喰らわないよう
『見切り』ながらバッターボックスに立ち続ける。

そして、3球目は白銀のバットを大きく振りかぶりながら
【未知切り拓く天河の剣】を発動し、
光の刃で相手のピッチャー、ファースト、セカンドをぶった斬る!


「3体斬った(スリーストライク!)3体撃破(スリーアウト!)
……次の獲物、来い(チェンジ!)」

※なお、野球経験はないです




「五番、サード……白鳥」
 ウグイス嬢の声を聴きながら、白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)は打席に立つ。
 ツーアウトに追い込まれていることに対するプレッシャーなど感じさせない深菜――その顔は何とも言え無さそうな、呆れた表情を浮かべていた。
「オブリビオンが野球で勝負? あのね。そういうのはキマフューでやりなさい」
 彼女が思い出すのはバカ騒ぎが大好きな世界。
 そうした世界であればこのような催し物があっても不思議では無かったが、どうにもUDCアースで見るにはこの河童どもは色味が強いのだ。

「それは差別だよ、麗しい君。河童だってスポーツをしたいのさ」
 不敵な笑みを浮かべながらも、新たにマウンドに上がった相手ピッチャーは剛速球を軽々と放る。
 鈍い音を立てながらキャッチャーミットへと受け止められるボール――その球は鈍く光る鋼で出来ていた。
 人間離れした――そもそもオブリビオンだが――膂力により投げられる鋼の球。
 一般人が打ち返そうとしたならば、その球は容易に選手の手首を砕いて見せるだろう。

 続けて放たれる二球目。
 ストライクゾーンへと放たれながらもギリギリ深菜を掠るように放たれたカーブ。
 その投球の軌道を見切った彼女は、球一つ分避けるように身じろぎをする。
 無傷ながらツーストライクへと追い込まれた彼女であったが、その表情には余裕の笑みが浮かんでいた。
「勝負はツーストライク、ツーアウトからよ」
 正直あまり野球には詳しく無い深菜であったが、何かの書籍でそのような言葉を聞いたことがある。
 つまりは彼女が活躍するのであれば、ここからなのだ。

「光よ、普く壁を越え道を切り拓け」
 両手に握りしめるバットを光輝かせながら、深菜は眼前から放たれる三球目を迎え撃つ。
 彼女の“正面”へと投げられたその鋼の塊を、彼女は容易く“斬り裂いて”見せた。
 振りかぶられたバットから放たれる光の刃。
 その衝撃波はピッチャーを含め、相手選手を飲み込んでいく。
 光の刃を受けた河童たち――衝撃により巻き上がった砂煙が晴れた後、直撃を受けて動く者は存在しなかった。

「スリーストライク!(3体斬ったわ) スリーアウト!(3体撃破) チェンジ!(次の獲物、来い!)」
 満面の笑みを浮かべながらバットで虚空を指し示し、相手チームへと叫ぶ深菜。
 しかし彼女は気付いていなかった……彼女が斬り裂いた鉄球がしっかりと相手キャッチャーのミットへと収まっていたことに。

「スリーアウト! チェンジ!」
 キャッチャーミットがそっと深菜へと触れられた瞬間空気が凍り――一度乱闘が起きたとか何とか。

成功 🔵​🔵​🔴​

塩崎・曲人
【街角】
ドーモ、イェーガーヤンキースから移籍してきたヤンキー曲人君でーす
「一丁暴れてやりますかね!」

攻撃側の時は【野良野球】でマウンドに立つ
なぁに、バット代わりに鉄パイプ使ったり
打ったボールがピッチャーやら撮影機材やらを直撃したりするが
問題はないだろ、多分
「まさか日頃鍛えたバッティングテクが役に立つ日が来るとはな!人生何があるかわかんねぇなオイ!」

守備側の時は【ドーピングマジカルポーション】で自己強化し
飛んでくる殺人スライディングやらバットやらを捌きつつ
逆に捕球してタッチする際にフルパワーで走者を潰しにかかったり
返球で相手の後頭部を脅かしたりする
「おっと、ちょっと勢い付きすぎたぜ」

【即興歓迎】


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【街角】で参加

ドーモ、キマイラバーバリアンズから移籍してきたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードだよー。
あ、名前が長くてアナウンスしにくい?ならペトでいーよ。

さて、他にやる人が居ないならピッチャーをやろうかな。
【飛天放弾】でボールを勢いよく投げつけてバッターとかランナーを物理的に討ち取っていくよ。
バッティングに関してはバットを振った衝撃波でキャッチャーやピッチャーを吹き飛ばして攻撃しようか。
キャッチャーがボールを捕れなかったら空振りでも出塁していいんだっけ?
ランナーになったら走塁しながら途中に居る相手を次々と体当たりで吹き飛ばしながらホームを目指そうかな。


メンカル・プルモーサ
【街角】で参加
なるほど…何でもあり…と…
ベンチで【顕現せよ黒白の騎士】を使用…
…ドーモ、アルダワエクスプローラーズより謎の助っ人ガジェット右手・聖剣さんと左手・魔剣さんです…
…見た目ロボットっぽいし物理的に膝や肘や肩がトゲトゲしてるけど気にしないでね…
…バッティングは普通に…おおっと操作をミスって超重量バットがすっぽ抜けた(棒)…
…走るのはローラーダッシュ…そしてそのまま跳ね飛ばしを狙う…ラフプレーは野球につきもの…肘や膝や肩が当たっても(交通)事故だから…
守備は右手の魔剣がキャッチャーを…
左手の魔剣さんが外野を担当…ボールを弾込めして発射…弾丸のような返送球を走者に突き刺す(Not比喩)よ…




「ドーモ、キマイラバーバリアンズから移籍してきたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードだよー……あ、名前が長くてアナウンスしにくい?ならペトでいーよ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)はその長い彼女の名前に戸惑うウグイス嬢を配慮しながら、ピッチャーマウンドに立つ。
 ピッチャーライナーにより負傷した猛虎ヴィランズのエースピッチャーに代わりマウンドに立ったペト。
 彼女はその異形の腕で弾を握りしめ、大きく振りかぶった。
「さぁて、ぶん投げるよー!」
 明らかに手慣れた者では無いそのフォーム。
 しかしながら人間離れしたその膂力から放てる剛速球は的確にバッターの“中心”を射抜く。
 その剛球は直撃したバッターをそのまま持ち上げバックネットへと突き刺すほどの勢いだ。
 物理的にバッターを討ち取っていくそのピッチングにより相手ベンチは阿鼻叫喚の様相を呈した。

「おーっとこれはいけませんねぇ、デッドボールです」
 いつの間にか増えていた実況の声――ふと目を向ければ急増の実況席で包帯まみれの河童がマイクを握っているのが目に入った。
 一投毎に一人、また一人と戦闘不能へと追い込んでいくペトの剛速球に、相手チーム――アイオワオブリビオンズの選手はその緑色の顔を青へと変えていく。
 三人程物理的に討ち取ることでベンチ送りにしたところでマウンドはノーアウト満塁。
 しかしその状況に追い込まれながらも(好き好んで陥ったのだが)、ペトは余裕の表情を崩さなかった。

 さすがに押し出しを行なうわけにはいかず漸くストライクゾーンへと投げ込まれる剛球。
 意地を見せたバッターは凡打でありながらも何とか前へと転がすことに成功する。
 声援に包まれながら走り始めるライナーたち。
 しかしそのホームベースでは、塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)が仁王立ちで待ち構えていた。
「こいつがオレのとっておき……出来れば永遠にとっておきたかった手だ……」
 遠い目をしながら曲人が飲み込んだのは、明らかにヤバ気な3つのポーション。
 よほど不味いのだろうか……青い顔をしながらポーションを飲み干した彼は、ふらつきながらもバックホームをその手のキャッチャーミットに収めた。

「さぁて、一丁暴れてやりますかね!」
 曲人の眼前では、彼目掛けて全力でスライディングの構えを取る河童の姿。
 そのスパイクの裏面は不気味に光り、見るからに鋭い何かが埋め込まれていた。
 しかしその凶器に対し、曲人は怯むこと無く迎え撃つ。

「キャッチャー目掛けてスライディングが叩きこまれるっ! おーっと、キャッチャー飛び上がることで見事に回避しました! そして鳩尾に叩き込まれるキャッチャーミットぉ! しかしまだランナーは二人続いております。 二人目のランナーは肩から突撃する構え、おーっと! 顔面への一撃! これは痛い! すかさず迫る三人目! ラァーリアット! キャッチャー二人目を叩き伏せた勢いでそのままラリアットをかましました! これはいけない! キャッチャーミットではなく思い切り腕を相手選手の喉元に当てております。審判が審議に入りました……出ないっ! 警告すら出ないっ! これがヴァーリトゥードゥ野球だぁ! キャッチャー、ノーアウト満塁から一気にスリーアウトを奪いましたぁ! いったいあの選手は何者だぁ!」

「ドーモ、イェーガーヤンキースから移籍してきたヤンキー曲人君でーす……っと悪かったな、ちょっと勢い付きすぎちまったぜ」
 眼下でのたうつ三人の選手を一瞥すると、曲人はニヒルな笑みを浮かべながら自軍ベンチへと戻る。
 彼を出迎えるのは、ペトや曲人と同じ旅団に所属している少女――メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)だ。
「ん、お疲れ……なるほど、何でもあり……と……」
 曲人を出迎えながらも、メンカルは小さく言葉を零す。
 事前に話を聞いていたものの、どこまで実際に許容されるかは眉唾物。
 しかしながらこれまでの戦いぶりと曲人の暴れ具合を見る限り、“何でもあり”という言葉に偽りは無かったようだ。

「繰られし機人よ、立て、起きよ。汝は聖剣、汝は魔剣。魔女が望むは違えること無き我が傀儡」
 メンカルはベンチで静かに詠唱する。
 そうして呼び出されたのは彼女が操る戦闘用人型ガジェット『右手の聖剣』と『左手の魔剣』だ。
「六番、ファースト……プルモーサ、に代わりまして……代打、えっ?……失礼しました、代打、右手の聖剣」
 明らかに人間の名前では無い選手名に戸惑うウグイス嬢。
 その存在が実際にバッターボックスへと現れれば、その鋭い棘に覆われたアームドヒーローのようなメカメカしい出で立ちに、マウンドは騒めきに包まれた。
 しかしながら当の本人たちは何が悪いのかと言わんばかりの堂々とした態度だ。

「しかし、その鈍重な恰好で打てるのかな?」
 戸惑いを抑え、ピッチングフォームへと入った河童ピッチャー。
 その鋭い投球に対する返答は、“物理的”に返された。
「おおっと操作をミスって超重量バットがすっぽ抜けた」
 ベンチで白々しいセリフを棒読みで呟くメンカル。
 彼女が操る右手の聖剣が手から放ったのは、明らかに通常の三倍以上は太い金属バットだ。
 直撃したピッチャーが吹き飛ばされる様子から、中身が全て詰まっているのではと疑われるほどの威力を放つ超重量バット。
 その異様に太いバットとどこかでぶつかったのだろうか――非常にゆっくりとした勢いでボールは地面を転がる。

「おーっと、巨大なバットの勢いに目を眩まされましたが打球はゴロ! 容易にバッターは刺されて……右手選手! 走っていない、走っていなーいっ! 明らかに何かタイヤのようなもので足を動かさずに移動しておりますっ! そしてその勢いのままファーストを轢いたぁ! 刎ね飛ばされた勢いでボールは零れましたぁ! 明らかに車程の速度で走っております右手選手! その勢いのままセカンド、サードを刎ね飛ばしますっ! まさかのゴロからのランニングホームラァーン!」

 凶悪なラフプレーにより恐怖へと陥るアイオワオブリビオンズ――しかし彼らの悪夢は終わらない。
「さてさて、今度はあたしの番だね……少しばかり、真面目にやろうか!」
「まさか日頃鍛えたバッティングテクが役に立つ日が来るとはな!人生何があるかわかんねぇなオイ!」

 悪夢は、まだまだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

四宮・かごめ
にんにん。何やら面白そうでござるな。
まぜてまぜて。
(ルールはよくわかっていない)

チームに一人は居る左投右打の変な奴
ピッチャーなら仕掛け罠で精巧なボールの偽物を作って【投擲】技能で投げつける。
デッドボールの瞬間に棒手裏剣が飛び出るでござるよ。
それ以外なら走力的に塁に出やすそうなので【目立たない】ように交代前にベースの偽物を作ってみるでござる。敵チームが踏み抜いたら、埋め火(地雷)が、どかーんと。

マイペースな性格なので、敵が声援を受けたら、あたかも自分が声援を受けたような素振りをして茶々を入れる。

肩と足どちらを活かすか、
悩ましいので、ポジション選択含め、流れで行く所存。
※アドリブ連携大歓迎!!




「にんにん。何やら面白そうでござるな」
 四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)は楽しそうにピッチャーマウンドに立つ。
 常日頃から手裏剣や苦無により投擲に自信がある彼女は、ピッチャーとして立候補したのだ。
 しかしながら野球のルールを理解せずに依頼に参加していた為、中継ぎとしてひとまずは様子見としてベンチで待機していたかごめ。
 彼女がマウンドに立つまでの間しっかりと試合を観察し、大まかの雰囲気は理解したようだった。
 しかしながら、これまでの試合を見ての感想が“楽しそう”という時点で、彼女の猛者具合が良く分かる。

「さぁて、それがしの肩を活かすでござるよ」
 かごめが第一投目を放つ。
 その投球フォームは完全に手裏剣を投げる“それ”であったが、鋭い速度でキャッチャミットへと突き刺さる。
 手裏剣のように弧を描きながら飛び交う投球。
 面白いくらいに曲がるカーブが、次々と相手ピッチャーを討ち取っていく。

「くらえっ!」
 かごめの鋭いピッチングにラフプレーは無いと判断したのか、ピッチャー河童がかごめを狙ってバットを放つ。
 その様子を確認した彼女は、ピッチングの最中に球を事前に準備をしていたものとすり替えて放った。
「そちらがくらうでござる!」
 かごめが放った球が迫り来る金属バットと衝突したその瞬間――突如ボールが爆発したかと思えば、大量の棒手裏剣が放たれた。
 爆発の勢いで金属バットを吹き飛ばすと共に、相手バッターへと突き刺さる棒手裏剣。
 かごめ目掛けてラフプレーを仕掛けたバッターの白いユニフォームは紅へと染め上げた。

「デッドボールでも一塁は一塁だっ! 次に繋げろー!」
「そうでござるー!」
 負傷した選手に代わり代走として一塁ベースへと向かう選手へ何故か一緒になって声援を送るかごめ。
 その場のノリ以外の何物でも無いのだが、代走選手は煽られているのかと思い、野次を返す。
「ちゃんと前を足元を見ておいた方が良いでござるよー!」
 かごめの掛け声にふとベース手前を確認する代走選手。
 その足元には、明らかに掘り起こされた形跡のある盛土。
 急に立ち止まることも出来ずたたらを踏みながら盛土を蹴飛ばしてしまう選手。
 次の瞬間――辺りを轟音と砂塵が覆いつくす。

「あーあ、だから言ったでござるよ」
 全ての選手が呆然とする静寂の中、かごめの呟きだけが響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

出水宮・カガリ
やきゅう、とは。ええと。何だったかな。
(試合をしばらく見て)
んー。カガリは門だからなぁ…早く走ったり投げたりは、苦手なのだが…(自信なさげ)
あまり動かない守備。あの、捕手?
あれならばきっと。
この手袋(ミット)で受けてから、打者に当てればいいのだな?
頑張る。

棒(バット)を構えた打者をじーっと見る(【死都之塞】)
見るだけなら大丈夫、だろうか。
とても打ちたいのだろうな、あわよくば再起不能にとか考えてそうだな
うんうん、その意志、捉えて閉じてしまおう
止まれ、止まれ、眠れ、眠れ
いい感じに打者をふにゃっとできたら、ボールを投げてもらう
カガリでも捕れそうなのを頼むぞー




「この手袋で受けてから、打者に当てればいいのだな」
 出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は訝し気な表情を浮かべながらキャッチャーボックスに座り込んだ。
 ここにも一人野球とは何ぞやというところから話が始まる猟兵が一人居た。
 門のヤドリガミであるカガリ――彼は殴ったり防いだり……であればまだ何とかなる自信があるものの、投げたり取ったり走ったりといった他の選手の様子を見て、自分も同じようにこなせる自信が無かった。
 故に彼が選択したのは一般的には人気の無いキャッチャーというポジションだったのだ。

「頑張る」
 誰に言うわけでも無く、一人決意を口にするカガリ。
 彼に対してボールを放るのは、“素人の自分でも取れそうな球を頼む”と、事前に話を合わせた猛虎ヴィランズの控えピッチャー。
 本当に大丈夫かと心配そうな表情をしているが、キャッチャーボックスに座るカガリの表情は何ら気圧された様子の自然なもの。
 これまでの戦いから猟兵は頼りになることを理解しているヴィランたちは、思うところはあっても何も言わずに試合に臨んでくれた。

(とても打ちたいのだろうな、あわよくば再起不能にとか考えてそうだな……うんうん、その意志、捉えて閉じてしまおう)
 直ぐ近くの相手チームのバッターを見つめるカガリ。
 彼が放つのは相手の意思を捉え、行動を封じるユーベルコード――『死都之塞』
(止まれ、止まれ、眠れ、眠れ)
 味方ピッチャーの投球は事前のリクエスト通り山なりのもの。
 通常であれば痛打は避けられないコースであったが、カガリに見つめられたバッターはバッティングの最中に突如力を失ったかのようにふらつき始めた。

 ふらついたバッターはボールを何とか当てた者のボテボテのゴロ。
 あたふたと慣れない手つきでもたつきながらボールを拾ったカガリであったが、走り出すことも出来ずに座り込んでいるバッターへとゆっくりミットを押し付けることに成功した。
「これでワンアウトだな」
 嬉しそうにピッチャーへバウンドさせながらボールを返球するカガリ。
 ふとキャッチャーボックスへと戻ろうと思えば、驚愕の表情でこちらを見つめる審判と目が合った。
 居心地が悪いものの何も言われなかった為、ゆっくりと腰を下ろすカガリ。

 ちなみにここまでの死闘でも冷静を貫いた審判であったが、今の様子を見てついに毒まで使い始めたかとドン引きしていたのはここだけの秘密だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイニィ・レッド
◆坊ちゃんと/f14904

はぁ 野球ですか
場外乱闘も駄目ですか
やれやれ
調子狂いますね

ああ、坊ちゃんはすげーですよ
地元でブイブイ言わせてますからね(知らんけど)

さて
じゃあ自分も野球の準備しましょうか
坊ちゃんの千代紙風船に潜伏
中で大人しく待ちましょ

風船球がバッター近くまで接近したタイミングで飛び出し
至近距離で『暴力』
死球の一撃(鋏の一撃)を捻じ込みます

――ほら、自分が球です
文字通りの死球を喰らいやがれ

球から人が出てきた?
何言ってるンすか
自分が球ですって

第一、球が変形しちゃいけねーとか
人になっちゃいけねーとか書いてないでしょ
だから自分が球なんです
…球だッつってんだろ

※野球はやったことはありません


矢来・夕立
赤ずきんさん/f17810

…闇討ちしちゃダメなんですか?相手チームのベンチも?監督も?
チッ…分かりましたよ…
じゃあ投手をやらせてもらいます。
先発でも救援投手でも構いませんから。
まあ見ててください。こう見て地元ではバリバリに鳴らしてますんで。(ウソです)
得手は超鋭角シンカー。つまりめちゃくちゃ沈む球です。(ウソですけど)
ボールを投げようってトコで千代紙風船とすり替える。
【紙技・真奇廊】。中に真打が入ってます。
文字通りの死球《デッドボール》ってコトで、ブチ当たって死んでください。

そら、代打ですよ赤ずきんさ…ボールさん。
…え?攻守が滅茶苦茶?ボール?気にしたら負けです。

※野球をやったことはありません




「闇討ちしちゃダメなんですか?相手チームのベンチも?監督も?チッ……分かりましたよ……」
 矢来・夕立(影・f14904)は不満げに揉めていた相手――審判の下からベンチへと戻る。
 事の発端は夕立がチェンジの入れ替わり中に相手選手の脳天を背後からバットでカチ割ったところから。
 バットで攻撃しているのだから良いだろうと言い張る彼を審判が厳重注意したのだ。
 反省の色を見せず態度の悪いままベンチへと戻った夕立。
 そんな彼を猛虎ヴィランズのメンバーも訝し気に眺めていた。
「はぁ、野球って場外乱闘も駄目なんですか……やれやれ、調子狂いますね」
 レイニィ・レッド(Rainy red・f17810)もまた夕立と共に依頼に参加した猟兵であったが、どうやら同じ価値観を共有している様子。
 野球に関わらない直接攻撃を禁じるヴァーリトゥードゥ野球をぬるいとばかりに吐いて捨てた。

「じゃあ投手をやらせてもらいます……先発でも救援投手でも構いませんから」
 先ほどの凶行を見て大丈夫かと訝し気な視線を送る猛虎ヴィランズの選手。
 そんな相手の不満げな様子を察した夕立は、言葉を続ける。
「まあ見ててください。こう見て地元ではバリバリに鳴らしてますんで……得手は超鋭角シンカー、つまりめちゃくちゃ沈む球です」
 先ほどまで明らかにルールを理解していない言動をしていたのに急にしたり顔でアピールをし始める夕立。
 そんな彼の様子を信じきれないヴィランは、知り合いと思われるレイニィへと意見を求める。
「ああ……坊ちゃんはすげーですよ、地元でブイブイ言わせてますからね」
 露骨に視線を合わせないレイニィであったが……彼の回答に漸く納得したのか、夕立はマウンドへ送り出された。
「さて、じゃあ自分も野球の準備しましょうか」
 彼らを訝しがんでいたヴィランは気づかない。
 そっとレイニィが姿を消していたことに。


「さて、文字通りの死球ってコトで、ブチ当たって死んでください」
 マウンドに立った夕立はすり替えた球を放り投げる。
 その球は一般的に見られる硬球では無く紙で出来たもの――夕立のユーベルコード『紙技・真奇廊』によって生み出されたものだ。
 風の抵抗を受けやすい紙で出来た球によるスローボール。
 打ちごろと見られるその球目掛けて全力でバットを当てに行く河童バッター。
 その金属バットがボールを捉えようとしたその瞬間――突如ボールから飛び出したのは先ほどまでベンチに座っていたはずの“レイニィ”だ。

「ほら、自分が球です……」
 迫り来る金属バットを身体を捻ることで回避するレイニィ。
 そんな彼が手にしていたのは大振りの“断ち鋏”だ。
「文字通りの死球を喰らいやがれ」
 相手選手の胸元へとねじ込まれる断ち鋏。
 深々と突き刺さった刃物がユニフォームを紅に染めていく。

「タイム、ターイム!」
 咄嗟に試合を止めようとするアイワナオブリビオンズ。
 明らかにおかしい二人の行動に対し、審判へ猛抗議を実施する。
「球から人が出てきた?何言ってるンすか、自分が球ですって」
 球から人が出てきて直接攻撃をしたのではなく、あくまで自分が球でデッドボールとなっただけだと言い切るレイニィ。
 しかしながら、そんな言い訳は当然容易に受け入れられるものでは無かった。
「第一、球が変形しちゃいけねーとか、人になっちゃいけねーとか書いてないでしょ。だから自分が球なんです……球だッつってんだろ」
 あくまで球だと言い張るレイニィだが、一切認めようとしない河童たち。
 そんな押し問答に彼の苛立ちはピークを迎え、その拳を思い切り河童の嘴へと叩き込んだ。

 この後――めちゃくちゃ乱闘した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エミリロット・エカルネージュ
何だか、何でも有り加減が色んなスポーツゲーに進出してた某熱血硬派的ゲーを連想するけど

それならボクも熱血硬派的に
ルールに乗っ取って堂々と『この野球』を破壊するねっ!

●POW
シャオロン(麺棒モード)をバットくらいのサイズに伸ばし『怪力』で持ち構え『激痛耐性』と『オーラ防御』で備え、ユーベルコードの高麗胡椒・島唐緋餃刀をシャオロンに宿し

『第六感』でボールを捕らえ『見切り』な感じで『武器受け』して『吹き飛ばし』

島唐辛子餃子の力を宿したボール、受け取れるなら受け取ってみてっ!

その後、塁を『ダッシュ』で走り物理的妨害を『残像』で交わし然り気無く尻尾で『カウンター』しながら走るよ

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




「ボクも熱血硬派的に、ルールに乗っ取って堂々と“この野球”を破壊するねっ!」
 エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は意気揚々とバッターボックスへと立つ。
 彼女がバッターボックスにたつと両チームから騒めきが響いた。
 これまで金属バットやら釘バットやら巨大バット等、様々な得物を持っていたバッターたち。
 しかし彼女が握っていたのはそのどれとも違う得物――麺棒、そう麺を打つ際に使用する棒であった。
 その棒の名はシャオロン――棒のように見えるそれは彼女の相棒であるドラゴンランスだ。

「破壊されるのは君さっ!」
 相対するアイワナオブリビオンズのピッチャー――彼が手にしているのは、明らかに何かが仕込まれた怪しげな球だ。
 緑色のピッチャーから素早く放たれたその球は、バッター――エミリオットの眼前で突如分解して見せた。
 中身から現れたのは鉄の散弾。
 直撃すれば重症は避けられないその凶悪な一撃を、エミリオットはその身に纏った不可視の壁で防ぐ。
「甘いよっ!」
 弾いた散弾が土煙を上げる中、彼女は絡繰り仕掛けを放ち終わった球の軌道を正確に見切って見せた。
 エミリオットが振るうバットが正確に球を捉えたその瞬間――彼女が振るったバットが緋色に輝く。

「島唐辛子餃子の力を宿したボール、受け取れるなら受け取ってみてっ!」
 赤きオーラを纏った打球が相手ピッチャーへと命中する。
 そのオーラが命中と共に崩れたかと思えば、辺りに熱々の肉汁が迸った。
 突如襲い掛かった痛みと熱さにのたうつピッチャー。
 しかし被害は……そこだけでは収まらない。
「くそぉ、いてぇ! いてぇーよ!」
 辺りへと撒き散らされた肉汁が付着した地面は緋色の炎で延焼していくではないか。
 そうして生まれた炎から赤い粉が空気に乗って辺りを漂う。
 そしてその空気もまた島唐辛子餃子の力を宿し……相手選手の粘膜を執拗に攻撃するのだ。

 豊富なベンチメンバーから補充することで、多数の負傷者を出しながらも何とか定員割れをギリギリ防いでいたアイワナオブリビオンズ。
 しかし球場を覆う唐辛子の力が、数少ない無事な者も負傷者も無差別に攻撃していったのだ。
 激痛にのたうつ選手たち。
 そこには一切の慈悲は無かった。

「アイワナオブリビオンズ、プレー可能な選手がいない為全滅と見做す! ゲームセット!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『デスチアリーダー『エレオノーラ・コッコ』』

POW   :    それは勇壮なる声援
レベル×1体の、【体 】に1と刻印された戦闘用【の嘗て戦ったヒーローや共にいたヴィラン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    ファンは大事にしないとね♬
戦闘力のない、レベル×1体の【自分のファン 】を召喚する。応援や助言、技能「【防具改造】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    ダブル鉄球チアーズ
予め【鉄球ボンボン×2を振り回しておく 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「全くもってえぐいことをするじゃないか! うちのチームも捨てたもんじゃ無かったんだねぇ」
 騒ぎがようやく収まった頃、そう言いながら現れたのは相手チームの応援をしていたチアリーダーたちの一人であった。
 完全に敵では無い外野だと思っていた存在の登場に騒めく猟兵たち。
 しかし猛虎ヴィランズの選手たちの反応が、彼女こそが予知で言われていた黒幕なのだと知らしめる。

「姉御! どうしちまったんでさぁ! こんな頭の可笑しいことをさせるなんて!」
「そうです、こんなの野球じゃありませんよ! あんなに熱心に俺たちに野球を教えてくれた姉御は何処に行ったんですか!?」
 現れた少女へと口々に説得の言葉を口にするヴィランたち。
 しかし猟兵たちは知っていた――もはやオブリビオンと化した者は倒すしか無いのだと。

「煩いんだよっ! あたしゃ、血しぶき飛び交うもっと熱い戦いが見たいのさ!」
 そう言い放つ彼女の目は正気のものでは無く、彼女には説得が不可能だということをありありと感じさせる。

 今、最後の戦いが始まろうとしていた。
出水宮・カガリ
なんと、オブリビオンだったか
全く気付かなかった
カガリは、カガリなりに、楽しんで野球をできたが…(野球をしてたつもり)

まあ、うん
本来は、野球にユーベルコードなど使わない、らしいので
やっぱりこの野球は駄目なのだろう
必要もないのに、怪我をするのもよくない
というわけで、待ったなし、だ
召喚されるファンには微塵の恨みも無いが、ちょっと黙っていてもらおう
【錬成カミヤドリ】で複製した【鉄門扉の盾】を縦横無尽に飛ばしてファンを弾き飛ばしつつ、敵本体にもぶつけていく

ヴィラン達にとばっちりがいかないよう、【籠絡の鉄柵】を大型化してチームを囲い(可能ならベンチごと)戦場から隔てておこう
【不落の傷跡】がきっと守るとも




「なんと、オブリビオンだったか、全く気付かなかった。カガリは、カガリなりに、楽しんで野球をできたが……」
 出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は新たに表れたオブリビオンを視認すると、驚いた表情を見せた。
 グリモアベースでの説明をあまり聞いていなかったのか、純粋に野球を楽しんでいたカガリ。
 しかし普通のスポーツであればユーベルコードを使うのも相手を負傷させるのもおかしいと思い直し、彼が正しい野球と認識していたこのスポーツは、違うものだったのだと認識を改めた。

「さぁて、いっちょやるか! 行けお前らっ!」
 やたらと柄の悪いチアリーダーがその両手に握る凶悪なボンボンを振れば、新手のオブリビオンが召喚されていく。
 それは先程まで、猟兵たちと共に戦っていた猛虎ヴィランズと同じ装いの男たち。
 明確な違いと言えば、額に数字が刻まれていることと、目が死んでいることくらいだろう。
 オブリビオンたちは、雄叫びをあげながら猛虎ヴィランズのベンチへと殺到する。
 しかしその勢いは、突如現れた鉄の柵により防がれた。
 大の男たちが次々と突撃するも、その柵は決して曲がることも折れることも無かった。
 立ち止まざるを得なかったオブリビオンたちへと新たに鉄の扉が現れた。
 飛び交う鉄の塊は、容赦なく敵を吹き飛ばしていく。
 その全ては鉄門扉のヤドリガミであるカガリの正体の一部を、『錬成カミヤドリ』により操っているものだ。

「安心してくれ……不落の傷跡がきっと守るとも」
 状況の変化に着いていけず戸惑うヴィランたちを励ますカガリ。
 その表情は攻撃を防ぐことに何ら心配も無いとばかりに、落ち着いたもの。
 そんな彼の様子に、ヴィランたちも自然と落ち着きを取り戻していく。

 荒城の城門は揺るがない。

成功 🔵​🔵​🔴​

エミリロット・エカルネージュ
えっと……事の元凶は貴女って事であってるかな?

縁のあったヴィラン達(猛虎ヴィランズ)には悪い気がするけど……餃心拳ただ一人の使い手として

元凶の貴女は全力で破壊するよ

トンでも野球はゲームの中だけで充分だから

●POW
餃牙練空拳・緋龍咆を発動し
左手に【緋色の龍の炎】を
右手に【島唐辛子餃子のオーラの乱気流】を纏い

『空中戦』で『ダッシュ』で加速し『残像』で翻弄しながら『範囲攻撃』で両手に纏った物を込めた『衝撃波』で『グラップル』し一掃

合体敵と本体は【エミリロットの発勁】で1インチ餃子発勁パンチを『怪力』と『鎧無視攻撃』でお見舞い

敵の攻撃は手持ち武装で『武器受け』し受け流しだよ

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




「えっと……事の元凶は貴女って事であってるかな?」
 エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)はチアリーダー姿のオブリビオン――エレオノーラ・コッコへと問いかける。
 相対するエレオノーラは、何を今さらとばかりに鼻で笑う。
「貴方と縁のあったヴィラン達には悪い気がするけど……餃心拳ただ一人の使い手として、元凶の貴女は全力で破壊するよ!」
 そんな彼女の様子に確信を深めたのか、エミリロットは餃心拳の構えをとって見せた。

「ゴタゴタ言ってねぇで、かかってこいやぁ!」
 問答は無用とばかりに吼えるエレオノーラ。
 彼女の両の手に握りしめられているのは、凶悪な棘に覆われた鋼の球――鉄球ボンボン。
 ふざけた見た目でらあるものの、明らかな重量物を容易に振り回すその膂力は驚異的。
 そんな彼女のチアリーディングに気圧されること無く、『餃牙練空拳・緋龍咆』を発動する。

「いくよっ!」
 エミリロットの左手を覆うは――緋色の龍の炎。
 赤きオーラの炎は龍を形取り、鎌首をもたげる。
 そして彼女の右手を覆うは――島唐辛子餃子のオーラの乱気流。
 より鮮烈な紅のオーラは、荒ぶるように彼女の腕を渦巻いた。

「はぁっ!」
 配下のオブリビオンをその身に纏うオーラの爆発により容易に飛び越えるエミリロット。
 ばら蒔かれる島唐辛子に苦しむ配下を尻目に、彼女はエレオノーラへと肉薄する。
 迫り来る鉄球をいなし密着したエミリロットは、緋色のオーラを拳に集める。
 彼女が放つのは、1インチ餃子発勁パンチだ。

 島唐辛子の力を宿した餃子の力が一点に集中され、オブリビオンへと叩き込まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイニィ・レッド
◆坊ちゃんと/f14904
ヘェ
血飛沫がお望みですか
では要望にお応えしましょう

口説くなんて御免ですね
気が強ェ女は嫌いじゃねーですけど
鉄球振り回す女はちょっと…

アーでも
少しくらいなら遊んでやってもいいです

『赤ずきんの縫製』を載せ
坊ちゃんの蝙蝠の噛み傷を
鋏で串刺し 抉り
血飛沫をお披露目しましょ

確か"誰の"って指定は無かったですよね
ホラ
アンタが見たがってた血飛沫ですよ
盛大にお披露目しましょう

あ、もっと見たいなら
治してからもう一度抉ってあげましょうか
要らない?
いやいや遠慮しなくていいですよ
この時のためにハワイで親父に教わったんで(適当)

へー
坊ちゃんはナース派なんですね
へェ……(じー)


矢来・夕立
赤ずきんさん/f17810

血飛沫がお望みらしいですよ。
赤ずきんさんと気が合うんじゃないですか?
口説いてきたらどうですか?
ああいえ、みなまで言わずとも分かりますよ。
セッティングは任せてください。
言葉通りの“外野”には黙っててもらいます。

【紙技・冬幸守】。
召喚された輩もろとも食いちぎらせる。
蝙蝠の数、攻撃の手数は姉御さんへ多めに割きます。
なるべく多く傷を負ってもらうのが目的なので。

赤ずきんさんに攻撃の手が向いたら手裏剣で止めます。
雨は降っても泥沼試合にはならないんですよ。

さて。彼女の敗因は幾つかありますが、ひとつ。
オレがチアガール派ではなくナース派だったことです。
…ウソですよ?




「ヘェ、血飛沫がお望みですか……では要望にお応えしましょう」
 レイニィ・レッド(Rainy red・f17810)はその唇を鋭く歪めながら笑みを浮かべる。
 殺人鬼である彼もまた鮮血を好む者――しかしながら互いに求めるのは、血飛沫を浴びる側だ。
「血飛沫がお望みらしいですよ。赤ずきんさんと気が合うんじゃないですか?口説いてきたらどうですか?……ああいえ、みなまで言わずとも分かりますよ。セッティングは任せてください。言葉通りの“外野”には黙っててもらいます」
 そんなレイニィを眺め、矢来・夕立(影・f14904)は茶化すように言葉を捲くし立てる。
 彼が赤ずきんさんと呼ぶレイニィのことはよく知るが故に、彼の琴線に触れるフレーズに対し夕立は反応したのだ。

「口説くなんて御免ですね。気が強ェ女は嫌いじゃねーですけど、鉄球振り回す女はちょっと……」
 対しレイニィは少し、少し嫌そうな表情を見せる。
 からかわれることに怒りを感じる程浅い付き合いでは無いものの、ここまで真正面から煽られるとそこはかとない苛立ちを感じる。
「アーでも……少しくらいなら遊んでやってもいいです」
 しかし、まずは目の前の得物をどう調理するかを考えることが先決とばかりに、レイニィは直ぐに気持ちを切り替えた。

「さぁて、そろそろこっちとも遊んでもらおうかねぇ、行きなっ!」
 律儀に二人の茶番を見守っていたオブリビオン――エレオノーラ・コッコは漸く意識がこちらに向いたことを確認すると配下のオブリビオンたちをけしかける。
 ゾンビ映画を彷彿とさせるような虚ろな目をしながら襲いかかるオブリビオンたち。
 対し迎え撃つ二人は冷静に――冷徹に迎撃して見せた。
「……鏖だ」
 夕立が『紙技・冬幸守』により生み出すは蝙蝠を形どった式紙の群れ。
 紙で出来た蝙蝠はその貧弱そうな見栄えに反し、凶悪な勢いを以てオブリビオンたちの皮膚を喰いちぎる。
 それは配下のオブリビオンだけではなく強者たるエレオノーラとて例外では無かった。

「しゃらくせぇ!」
 纏わりつく蝙蝠たちを迎撃すべく苛立たし気に鉄球を振り回すエレオノーラ。
 その驚異的な膂力により直撃した蝙蝠は塵と化すものの、周囲を飛び交う式紙を捉えるのは容易では無く、細かい手傷が増えていった。
「さぁて、血飛沫をお披露目しましょ」
 夕立の式紙により混乱するオブリビオンたちの隙間を潜り抜け、レイニィはエレオノーラに接敵する。
 凶悪な笑みを浮かべながらレイニィが振り上げた大振りの断ち鋏――ジョギリを振り下ろした先は、夕立の式神が喰いちぎったエレオノーラの傷跡だ。
「アンタが見たがってた血飛沫ですよ、盛大にお披露目しましょう」
 えぐるようにかき回された傷口が盛大に血流を吐き出す。
 飛び散らされた紅の血しぶきが頬を汚すと、レイニィはそれはそれは愉しそうな笑顔で嗤って見せた。

「さて、彼女の敗因は幾つかありますが、ひとつ……オレがチアガール派ではなくナース派だったことです」
 たまらずたたらを踏むエレオノーラは憎々し気な視線を投げかける。
 対し夕立は見下すような軽薄な笑みを返した。
「へー、坊ちゃんはナース派なんですね……へェ……」
 しかしその背後から背中を刺された言葉に思わずその動きを固めてしまう夕立。
 ゆっくりと振り返ればそこには意味深げなにやついた表情で立つレイニィの姿があった。

「……ウソですよ?」
 辺りを静寂が包み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォーネリアス・スカーレット
「やきうはもういいのか」
 薄汚い血で赤黒く染まった金属バットを無造作に投げ付ける。
「では皆殺しの時間だ」
 無尽の鞘から対艦チェーンブレードを抜く。騒々しい駆動音を立てながら横薙ぎに振り抜く。
「当たりさえすればなんでもバラバラにする。何でもだ」
 故に、これを振り回すのに技は要らない。ただ、全力で振り回すだけで良い。そう、ホームランを打つ時の要領でな。
 応援、助言。そんな物がこの騒音の中で役に立つか? ファンとやらもオブリビオンならば殺す! オブリビオンでなければ用は無い。
「もう少しやきうを楽しんでいればその分長生きは出来たのだがな」




「やきうはもういいのか」
 フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)は接敵していたオブリビオンの血で赤黒く染まった金属ナットを無造作に投げ捨てた。
 周囲には執拗に打ち据えられた数体のオブリビオンが呻き声をあげている。
 しかしそれでも五体満足であるのは、一重に今までのやりとりは彼女にとってスポーツの一環であったが故だ。

 ここまであくまでスポーツ。
 そしてこれから始まるのは――殺し合いだ。

「では皆殺しの時間だ」
 フォーネリアスは無尽の鞘から対艦チェーンブレードを抜く。
 見るからに鞘とのサイズが合っていないほどに巨大なチェーンブレード。
 常人では振るうことすら難しいその鉄塊。
 けたたましい駆動音を響か振動する“それ”を、フォーネリアスは容易く振り抜いて見せた。
 
「当たりさえすればなんでもバラバラにする。何でもだ」
 その圧倒的な暴力に怯むことなくフォーネリアスへと群がるオブリビオンたち。
 迫り来る波に対し、彼女がするのはただただ“振り回す”だけ。

 そこには技術は無かった。
 刃の当てる角度も、斬り裂く為の刃の引き方も、振り抜く流れも関係無い。
 その暴力の権化は、触れるもの全てをバラバラにする。
 故にフォーネリアスは全力で振り回す。

 より速く、より強く、より乱暴に。
 嵐のようにその武器が振るわれた後には、肉塊と血だまりだけが残った。

「もう少しやきうを楽しんでいればその分長生きは出来たのだがな」
 オブリビオンの首魁――エレオノーラは全身に血を浴びたフォーネリアスへと畏怖の視線を向ける。
 対し、彼女はその刀身から赤き雫を垂らし続ける愛刀をゆっくりと向ける。

 そこには一切の慈悲は無く――ただただ明確な殺意が向けられていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白鳥・深菜
「それじゃあお望みどおりに。
血しぶき飛び交う狩りと行きましょうか」


――もはや野球の真似事をする必要は無い。
バットではなく、白銀のレイピアを構え【未知切り拓く天河の剣】を発動。

まずは召喚されるオブリビオンを狙う。
合体を出来るだけ阻害するよう、光の刃を振り回し
『範囲攻撃』で弱い相手を重視して斬り飛ばしていく。

その数は3で終わらず。4でも5でも、そこにある限り。
全てのオブリビオンは、当然の事として、真摯に狩る。

召喚されたオブリビオンを仕留めきったら、
『力を溜めて』本体まで届く距離まで伸ばした光の刃で貫く!

「さあ、そろそろ――狩る時(ゲームセット)よ!」




「それじゃあお望みどおりに」
 白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)は白銀のレイピアを構える。
 最早野球の真似事など不要。
 先ほどまで振るっていた鈍器を使用する必要もなく、全力で戦うことが出来ることに深菜は笑みを浮かべていた。
「血しぶき飛び交う狩りと行きましょうか」
 深菜が用いたのは魔力の刃を放つ『未知切り拓く天河の剣』
 しかしながら先ほどまでの鈍器で放ったものとは勢いからして段違い。
 駆け寄るオブリビオンたちを薙ぎ払って見せた。

「ちっ、固まって当たれ!」
 エレオノーラの指示の下、配下のオブリビオンたちは互いに重なり合い巨大化していく。
 大きくなるほどに額の数字を大きくしていくオブリビオンたち。
 しかし深菜はその強化を妨害するかのように、一人、また一人と弱い者から討ち取ってゆく。
「光よ、普く壁を越え道を切り拓け」
 深菜が愛用のレイピアを振るう度に飛び交う光の刃。
 その正確無比な斬撃は確実に敵を屠り、その戦い方には真摯さすら感じさせる。

「次は、貴方ですよ」
 周囲の敵を切り捨てた深菜は最奥でエールを送っていたエレオノーラを狙うべく、レイピアを深く引いて見せた。
 時間が経つ程により強く光り輝くその白銀の刃は、互いの距離を埋めるかのように力を溜めていく。
 その溜められた力が空気を震わせ始めたその時――深菜は溢れる力の奔流を吐き出すように刃を振るう。
 轟音と共に地面を抉りながら伸びる光の刃は、庇おうとする配下ごとエレオノーラを貫いて見せた。

「さあ、そろそろ――狩る時(ゲームセット)よ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

塩崎・曲人
【街角】3人で参加
目的が途中ですり替わったタイプかね
ガチで血を流す乱闘はヤンキーの流儀だが……
「まぁ、何かの縁だ。野球選手の流儀で相手してやる」

【野良野球】でそこらのものを打ち出して攻撃を仕掛けるぜ
なにでヴァーリトゥード野球の直後だ、色々アブねぇもんが転がってやがる
「さーて選手交代しまして、31番塩崎~。いきなり打ったー!強い当たりー!」
とセルフで実況しつつ攻撃して、なんかもしかしたら欠片程度には残ってるかもしれない相手の野球マインドとかに訴えてみる
まぁ効果があっても無くてもそのままボコるんだが
ついでに余裕があれば、仲間のメンカルやペトの攻撃にも実況をはさもう

【アドリブ歓迎】


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【街角】3人で参加

それはもう野球じゃなくて格闘技を見ればいいんじゃないかなあ。
まあ、どっちにしろ殴り倒すなら一緒か。

さて、特にひねりのある状況でもないみたいだし、
【超獣祇我】を発動して攻撃力を高めたら、まっすぐ殴りに行こうか。
召喚された連中はこっちに向かってくるやつだけ斧でぶっ叩いて吹き飛ばすよ。
寄ってくる数が多かったら斧を振り回してまとめてなぎ払えばいいかな。
本体に近付いたら鉄球の攻撃を見切って避けて、
電撃をまとった斧で場外ホームラン目指してぶっ飛ばそうか。


メンカル・プルモーサ
【街角】で参加。
……あ、これやっぱ頭おかしいルールだったんだ……随分アチョー入ってる物だなとは思ってたけど…ヒーローズアースだし…
チアリーダーから間合いを取って…呼び出したファンやヴィランに向けて【世界鎮める妙なる調べ】を発動……呼び出されて早々だけど眠って貰おう…
…あとはボンボンを振り回しているところを【支え能わぬ絆の手】で摩擦を無くして妨害だね…
…攻撃は【空より降りたる静謐の魔剣】で軌道を操作しての牽制と…二人の邪魔にならない位置…と言うより二人の攻撃の影から仕掛けよう…
…牽制後に地面に刺さった剣もヤンキーが野良野球で飛ばすだろう…




「……あ、これやっぱ頭おかしいルールだったんだ……随分アチョー入ってる物だなとは思ってたけど、ヒーローズアースだし……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は驚愕の表情を浮かべながら前方を見やる。
 既に猟兵たちの戦闘により荒廃しているマウンド。
 明らかにルールがおかしいとは思っていたが、これがヒーローズアースが故なのか今回が特殊なのか悩ましく思っていた。
「停滞せしの雫よ、集え、降れ。汝は氷雨、汝は凍刃。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣」
 メンカルが放つは『空より降りたる静謐の魔剣』
 宙へと生まれた数百に及ぶ氷の剣が太陽の光を緻密に反射させ幻想的な様相を呈す。
「呼び出されて早々だけど眠って貰おう……」
 新たにエレオノーラにより呼び出されたオブリビオンたちへと向け、メンカルはその手に握る杖を振るう。
 その瞬間――空を覆うかと思われるほどの密度の氷の刃が豪雨のように降り注いだ。

(目的が途中ですり替わったタイプかね)
 塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)は戦場ねめつけながら思案する。
 血を流すのはむしろ彼が得意とするヤンキーの流儀。
「まぁ、何かの縁だ。野球選手の流儀で相手してやる」
 しかし今日の彼は野球の気分。
 あえて曲人はヴァーリトゥード野球の延長線上で戦うことにしたのだ。
「さぁて、野球しようぜ?お前マトな」
 曲人が振るうのは金属バットでは無く彼の愛用の鉄パイプ。
 そして打ち出すのは、先ほどまでのヴァーリトゥードゥ野球により使用されていた道具の数々だ。
「さーて選手交代しまして、31番塩崎~。いきなり打ったー!強い当たりー!」
 苦無を、鉄球を、釘を打ち出す曲人。
 その飛び交う凶器はメンカルが敵陣にこじ開けた穴をより広げていった。

「もう野球じゃなくて格闘技を見ればいいんじゃないかなあ……」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は辟易とした表情を浮かべながら視線を送る。
 血みどろの叩きを求めるエレオノーラに対し、いっそのこと格闘技でもやっていれば良いと吐いて捨てた。
「まあ、どっちにしろ殴り倒すなら一緒か」
 しかしすぐにペトは気持ちを切り替える。
 相手はオブリビオン――どうせ倒す相手ならばそのようなことは小さなことだ。
「ちょっとばかり、気合を入れるよ!」
 ペトは『超獣祇我』を発動する。
 全身の筋肉が盛り上がると共にその身に雷撃を纏う。
 その人外じみた変化に、慄くオブリビオンたち。
 エレオノーラ目掛けて突撃をするペトを迎えうつべく、彼女は新たにベンチから現れた配下の力を借りながら鎧にその身を包んだ。

「あたしの応援は当たると痛いよっ!」
 キャッチャーの防具を模した鋼の鎧――そのチアリーディングとはかけ離れた服装に身を包んだエレオノーラは、彼女目掛けて飛び込んできたペトを迎えうつべく、その手の鉄球ボンボンを振り回す。
 当たれば間違いなく重症は避けられないその鋼の凶器が、ペトの脳天目掛けて振り下ろされる。
 風を切りながら垂直に落ちる鉄球。
 しかしその軌道は、側面から飛来した瓦礫により逸らされる。
「おーっと、塩崎の打球がバックスリーン直撃だぁ!」
 意識外からの邪魔に苛立ち舌打ちをするエレオノーラ。
 彼女が一瞬視線を送れば、曲人は遠目にも分かるほどに意地の悪い満面の笑みを浮かべていた。

「しゃら、くせぇ!」
 振り下ろした鉄球を逸らされたエレオノーラ。
 しかし彼女はその勢いを殺さぬまま、もう片手の鉄球で薙ぎ払うように体を捻る。
 新たに振るわれる追撃は、ペトの側頭部へと吸い込まれていく。
「……させない」
 鋼の棘が突き刺さろうとしたその瞬間――突如飛来した氷の刃がエレオノーラの腕へと突き刺さる。
 ふと彼女が視線を飛ばせば、遠くにこちらへと杖を向けるメンカルの姿が見て取れた。
 先ほどまで一切存在感を感じさせなかったメンカル。
 暴れる曲人とペトの影に隠れるようにして様子を伺い、痛恨の一撃を加えるこの瞬間を狙いすましていたのだ。

「隙だらけだよっ!」
 憎々し気にエレオノーラは正面へと視線を投げる。
 彼女の万全の一撃も……渾身の追撃さえも仲間に邪魔されることによって避けられてしまっていた。
 体勢を崩さない為のわざとだろうか――エレオノーラの攻撃を見切ることでギリギリの距離感で避けたペトの額からは、血の雫が滴り落ちている。
 しかしそんなことも気にした様子もなく、眼前のペトは両手で巨大な斧を振りかぶっていた。
 バチバチとした雷鳴を響かせながら、紫電を纏った巨大斧。
 分かりやすいほどの大振りの一撃を……連撃により大きく体勢を崩したエレオノーラは避けることが出来ない。
 轟音と共に吹き飛ばされた彼女は、そのまま場外へと消えていく。

「おーっと、ンゴゥワストードが打ったぁ! これは伸びる、伸びる、伸びる……入ったぁ! ホームラァーン!」
 球場に、楽しそうな男の声が木霊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四宮・かごめ
あんまりお弟子さんを失望させたらダメでござるよ。にんにん。
四宮かごめ、参る。
分身の術、発動。二人で相手を挟み込んで、反対側から【投擲】攻撃を仕掛ける。重そうな鉄球の間を通すようにぶつけて、ボコボコにする所存。
野球の球がたくさんありそうなので、何処からかたくさん持って来て攻撃用の球に使うのでござる。なんか妙に投げ易かったことでござるし。
追いかけて来たら【逃げ足】ですたこらさっさと逃走。後ろからもう一人に攻撃をしてもらう。
ファンが出てきたらそっちを黙らせるのに専念する予定でござる。

※アドリブ連携大歓迎




「あんまりお弟子さんを失望させたらダメでござるよ」
 四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)は未だに心の整理が出来ていない様子の猛虎ヴィランズの面々を見ながら言葉をかける。
 しかし眼前のオブリビオン――エレオノーラ必死の形相で怒鳴り付ける。
「うるせぇ!あたしがルールなんだよ!」
 既に猟兵との戦いにより負傷を重ねているエレオノーラ。
 その余裕の無い彼女は配下のオブリビオンたちに用意をさせたキャッチャーのような防具に身を包んでいるものの、その鎧も所々に破損が見てとれる。
「にんにん」
 かごめは『忍法四宮流・籠目唄』を放つ。
 手印を結んだかごめの背後にはもう一人の彼女が現れる。
 彼女が用いたのは分身の術だ。

「四宮かごめ、参る」
 かごめと共に分身が戦場を駆ける。
 二人はエレオノーラを中心に挟み込むような立ち位置を取る。
 常に互いのどちらかがエレオノーラの背後をとれるように立ち回る為だ。
 エレオノーラがどちらを向いても背後を取っている者が武器を放つ。
 次々と放たれるのは――そこら中に山のように転がされていた硬球。
 ストレートにカーブ、フォークと様々な変化球により鉄球ボンボンや破壊された鎧の隙間を縫うように放たれる硬球。
 執拗に放たれる山のような球に、エレオノーラの苛立ちはピークに達する。

「こな、くそぉ!」
 これまでの戦いによる負傷から防御一辺倒となっていたエレオノーラ。
 しかしその執拗な投球攻撃に我慢の限界へと達し、眼前のかごめへと鉄柱を叩きつける。
 鉄球の命中により勝利を確信したエレオノーラ。
 しかし頭部を粉砕されたはずの少女は、影のように崩れていった。
「そちらは分身でござるよ」
 その呟きはエレオノーラの背後から聞こえて来た。
 彼女の首筋に当てられたのは、黒鉄の苦無。

 辺りに、血の雨が降った。 

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『悩めるヒーロー』

POW   :    体を動かし悩みを散らす為、特訓に付き合う

SPD   :    何が足りないのか、アドバイスをする

WIZ   :    聞き役に徹し、カウンセリングをする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 一連の事件は終わった。

 選手たちは血みどろの争いに駆り出されることも無く、いつも通りの日常が取り戻された。
 ヒットが打たれる度に柄の悪い男たちから投げかけられる野太い声援。
 賭け事に興じる観客たちは、その手に券を握りしめたまま応援に興じる。

 猟兵たちもまた、一時の休息を楽しんでいた。
 一人一人、それぞれの休息の時を。
四宮・かごめ
お疲れ様でござった。
またつまらぬものを斬ってしまった。(血を拭き取った苦無を片手で弄ぶ

猛虎ヴィランズの試合を観戦する所存。
ガラの悪い周りの空気が存外肌に合うこともあってか、
基本的にリラックスした様子。
頭の後ろで腕を組んで、席に寄りかかっているでござる。
周りの席もガラガラなら思いっきり足も伸ばす。
郷に入ってはなんとやら。

ボールを目で追ったり、選手の体の使い方を観察したりして
静かに過ごす予定でござる。
(ルールは相変わらずわかっていない)
たまに振り返って違法賭博の様子を眺めてみたり。
それがし? 遠慮致す。

事件が終われば、影は去るのみ。
では、これにて!(しゅたっ)

※アドリブ連携大歓迎


出水宮・カガリ
※アドリブ絡み可
先程は、仕事とは言え本来の捕手の役を奪ってしまったし
大人しく観戦していようかな

ん、金を賭ける、とは
ああ、そう言えば。違法とばく?と言っていたような
とばく、とは…ええと…ああ、ちょっとわかる、ような…見ていれば何となくは
違法だから、本当は悪い事…なのだと思うが…警察の手伝いで来ているのではないし、誰かの迷惑、という訳でも無さそうだし
他の観客に、ちょっとずつルールを聞きながら
今だけちょっと、悪い門になってみよう、みよう




「またつまらぬものを斬ってしまった」
 四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)は己が苦無にこびり付いた血を拭いながら、猛虎ヴィランズの試合を眺める。
 周囲は野太い歓声や罵声が響く中、意外とこうした空気が嫌いでは無いかごめはリラックスした面持ちで座る席を物色する。
 ふと見れば、見覚えのある後ろ姿が目に入った。
「お疲れ様でござった」
 かごめが発見したのは共に戦った仲間のうちの一人――出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)の背中だ。
「これは一体、何をやっているんだ?」
 先ほどまでの戦いぶりとは打って変わって、随分と大人し気なカガリ。
 どうやら熱狂している観衆が何をしているのかが、いまいちピンと来ていなかったようだ。

「あぁ、皆金をかけているのでござるよ」
 かごめは勢い良くカガリの隣に座ると、頭の後ろで手を組みながらもたれかかる。
 彼女の言葉を聞いたカガリは、何やら引っかかる言葉がある様子だ。
「ん、金を賭ける、とは……ああ、そう言えば。違法とばく?と言っていたような」
 ゆっくりと言葉を噛みしめながら理解をしていくカガリ。
 ようやく理解が追いついた彼は思案顔。
 どうやら“違法”という言葉に引っかかりを感じたようだ。

「とばく、とは……ええと……ああ、ちょっとわかる、ような……見ていれば何となくは違法だから、本当は悪い事……なのだと思うが」
 そんな様子悩んでいるカガリの肩をた、かごめは優しく叩いた。
「まぁまぁ、郷に入ってはなんとやらでござるよ」
 回りの席が空いていることを良いことにガラ悪く足を前の席に乗せている彼女は、カガリと違って随分と球場の空気に馴染んでいた。
「警察の手伝いで来ているのではないし、誰かの迷惑、という訳でも無さそうだし……今だけちょっと、悪い門になってみよう、みよう」
 そんな様子のかごめに言われては、そんなものかと納得してしまった。
 しかしそもそも野球のルールも完全には理解していないカガリ――どちらが勝つかなど当然の如く分からない為、とりあえず猛虎ヴィランズの勝利へと賭けて見る。
 人生初の賭博に不思議な高揚を感じながら、かごめの待つ席へと戻る。

「あの選手の足運び、なかなかでござるな」
 かごめの解説を受けながら、試合を眺めるカガリ。
 素人目には選手の良し悪しは分からないものの、誰が上手いのか、凄いのかなどと説明を受ければ、知らずとも見ていて楽しくなってくるものだ。
 一見玄人が新人に手取り足取り教えているように見える微笑ましい様子――しかし実際は二人ともルールを理解していないことを気にするのは、野暮というものだろう。

「かごめは、とばく……はしないのか?」
 ふと、自分よりも球場になじんでいる様子のかごめが賭けに参加しないことを不思議に思いながら、カガリは問いを投げる。
 しかしかごめは静かに、しかしきっぱりと否定する。
「それがし?遠慮致す」
 気を悪くした様子は無いが、その真意は読みづらいとぼけた様子のかごめ。
 マイペースを貫く彼女の姿をカガリも特に気にした様子も無く、二人は静かに思い思いの時間を過ごす。

 ふと気づけば、審判の声が球場全体に響き渡った。
 観客の半分が怒り、悲しみ、握りしめていた券を投げ捨てる。
「事件が終われば、影は去るのみ……先に失礼するでござるよ。では、これにて!」
 忍びが去れば、そこには観客の中に取り残された門が夕日に照らされる。
 その横顔は普段見ない満面の笑みに包まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
赤ずきんさん/f17810

何って。
球場でビールを売るんですよ。様式美でしょうが。

①チームロゴ入りのラベルを作ります(式紙を使えば人件費もタダ!!)
②張り替えます。許諾。何のことでしょうか。
③この通り限定品っぽさが醸し出されます。

ビジネスチャンスは逃さないんですよ。オレは賢いので。
大好きなのは利回りと金です。

は?天才かよ。枝豆もつけます。
そっちの炭酸飲料も超ニッチなダークヒーローもとい赤ずきんさん仕様のラベルにしましょう。大活躍だったじゃないですか。遠慮すんなって。

しかし野球ってやっぱり楽しいですね。
打席に立つ機会がなかったのは残念ですが。
……ああ、未経験者って言いましたっけ?

ウソですよ。


レイニィ・レッド
◆坊ちゃんと/f14904

さて
野球はさっきやりましたし
どうしましょうか

……って 坊ちゃん
何やってンです?
いや見りゃ分かりますけどね

すげぇスレスレじゃないですか色々
流石の自分も吃驚です
式紙まで使ってあーあー
全力じゃないですか
もしかして
案外こういうコト好きなんですか?

……
じゃあ自分は酒が飲めない連中用に
炭酸飲料でも売りましょ
売り上げの競争でもします?
まぁ冗談ですけど

まァ
賭け事に興じる連中もいるくらいです
結構イイ稼ぎになりそうですけど

ビール売るなら
えだまめとかセットにしたらイイんじゃないですか?
正直、未成年ですし
酒の飲み合わせとか知らねーので推測ですけど
赤ずきん仕様…

ってかやっぱ経験者だったんです?




 太陽が照り付ける中、レイニィ・レッド(Rainy red・f17810)は矢来・夕立(影・f14904)と共に観客席から猛虎ヴィランズの試合を眺めていた。
 強い日差しの熱気を感じながら、レィニィはこれからどうしたものかと思案する。
「さて、野球はさっきやりましたし、どうしましょうか……って、坊ちゃん何やってンです?」
 ふと気付けば、隣に座っていたはずの夕立がごそごそと何かを準備していたのが目に入った。
「何って、球場でビールを売るんですよ……様式美でしょうが」
 夕立が用意していたのは球場で良く見る持ち運び式のビールサーバー。
 それは見れば分かるのだが、問題はその内容にあった。

「いや見りゃ分かりますけどね、すげぇスレスレじゃないですか色々……流石の自分も吃驚です。式紙まで使ってあーあー」
 本来は無地又は中身の銘柄のラベルが貼られているビールサーバー。
 しかし夕立の持つそれは猛虎ヴィランズのチームロゴが貼られていた。
 それも夕立の手の内を知るレィニィにしか分からないほど作り込まれているが、そのロゴは夕立の得意とする式紙まで用いられているではないか――まさしく、異能の無駄遣いである。
「ビジネスチャンスは逃さないんですよ。オレは賢いので……大好きなのは利回りと金です」
 その表情からは読み取り辛いものの、どうやら意気揚々と楽しんで準備をしている様子の夕立。
 案外こういったことも好きなのかと、レイニィは新たな一面を垣間見たかのように興味深げな視線を送る。

「じゃあ自分は酒が飲めない連中用に炭酸飲料でも売りましょ。売り上げの競争でもします?……まぁ冗談ですけど」
 最初はドン引きしたものの、こうした楽しそうな姿を見ていると、まぁたまには良いものかとレイニィは思い直した。
 冗談半分で言い出したものの、ふと真面目に酒売りを考えれば、引っかかるものがレイニィにはあった。
 酒といえば必要なもの――それは、“つまみ”だ。
「ビール売るならえだまめとかセットにしたらイイんじゃないですか?正直、未成年ですし、酒の飲み合わせとか知らねーので推測ですけど……」
 ふと気になったことをそのまま口に出したレイニィ。
 しかしその発言を聞いた夕立は、まるで衝撃的な何かを見てしまったかのような表情を浮かべて振り返った。

「は?天才かよ。枝豆もつけます。そっちの炭酸飲料も超ニッチなダークヒーローもとい赤ずきんさん仕様のラベルにしましょう。大活躍だったじゃないですか……遠慮すんなって」
 よほど感銘を受けたのか、流れるように言葉を続ける夕立。
 制止をするレイニィの言葉も聞かずに、そこいらのコンビニで急遽買ってきた枝豆のパッキングを開始した。
 あれよあれよとしているうちに準備が完了した赤ずきん印の枝豆セット。
「まぁ、楽しそうなんで良いですけど……」
 これは売れるとばかりに意気揚々と売り子に出かけた夕立を、レイニィは複雑そうな……でもどこか優しげな表情で見送った。

「いやぁ、やっぱり原価率が大事ですね」
 試合が終わるころ、球場の片隅にはコツコツと千円札を数える弓立とその様子を眺めるレイニィの姿があった。
 一見無表情に見えるその顔も、付き合いの長いレイニィにはほくほく顔であることが見て取れる。
 結局懸命にビールと枝豆を売って回る夕立を眺めるだけで時間が過ぎてしまったレイニィであったが、その珍しい姿を以外と飽きもせずに見守れたのであった。
「しかし野球ってやっぱり楽しいですね。打席に立つ機会がなかったのは残念ですが……」
 よほど楽しかったのだろうか――しみじみと一日を振り返った夕立は嬉しそうに言葉を零す。
「ってかやっぱ経験者だったんです?」
 散々適当な言葉を吐いていた夕立であったが、ふとその野球好きという口ぶりに、やはり野球経験者だったのかと疑問を投げかける。

 しかしその解答は通常通り。
 のらりくらりと言葉を返す。
「ああ、未経験者って言いましたっけ?……ウソですよ」
 その言葉を聞いたレイニィが、何とも嫌そうな表情をしていたとか何とか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
【街角】で参加。
…んー、荒っぽいけど普通の野球だね…
…野球観戦の定番ってなんだっけ…ホットドッグでも食べながら野球で賭け事でもやろう……
……儲ける気は無いけどデータを見てどっちが勝ちそうかを予測するのは楽しい…それなりの金額をかけながら野球を観戦するよ…
…でも、塩崎団長が賭けなかった方に賭ける方がデータを見て賭けるより勝率良いのはちょっと納得いかない…因果律か何かに干渉してない…?
…というか、こう……完全に溶け込んでるね…現地ファンと見分けつかないレベル…
…ん、ペトはちょっと眠い…?
なんなら肩とか膝とか貸そうか……?


塩崎・曲人
【街角】
さて、事件は片付いたし…あとは本場?の野球を楽しんで帰りますかね
団員の2人も誘って観戦していこう
ん?目付きの悪いおっさんがオレに何か用……?
(数分後、そこにはちょいワルおじさんの口車に乗ってトトカルチョに手を出した曲人の姿が!)

「よっしゃいけライガーズ!ギガンツなんざぼてくり倒しちまえぇー!」
「ってオイ言ったそばから打たれるんじゃねぇー!?」
(ハッピと鉢巻とメガホンを装備し、現地のファンと見分けがつかなくなった姿で)

「いやいや、そこでオレを見られても。雑に予想外してるオレも聞きてぇよ。……まぁ勝負事はつまり、他人と比べることだからなぁ。ヒトが群れてる以上、しょうがねぇことだろうよ」


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【街角】3人で参加

んー、賭け野球ねえ。
普段お金を使うような生活してないからなあ。
まあ、今回の依頼の報酬を勘で適当に賭けていくとしようか。
後は、売店で買ったフルーツサンドを齧りながらのんびり観戦してよう。

野球でも賭けでも、みんな勝負するのが好きだなあ。
あたしは勝負事よりこうやって甘いものでも齧ってる方が性に合ってるや。

あー、沢山動いて疲れたし、ちょっと眠くなってきたなあ……。

※賭けの結果はお任せします。




「さて、事件は片付いたし……あとは本場?の野球を楽しんで帰りますかね」
 塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)は共に戦った仲間であり、同じ猟団に所属する友人でもあるメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)とペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)と共に球場を歩いていた。
 本番……と言うべきなのか分からないが、通常の野球を眺めるのも、野球好きな曲人にはたまらない娯楽だ。

「んー、荒っぽいけど普通の野球だね……野球観戦の定番ってなんだっけ」
 ヴァーリトゥードゥ野球が意外とお気に召したのか、メンカルは普通の野球をやや残念そうに眺めながら横を歩く。
 楽しみ方に悩んだ彼女は定番として曲人に勧められるまま、ペトと共にホットドッグを購入する。
 無事買い終えた二人が目にしたのは、柄の悪い見知らぬ男と意気投合している曲人の姿だ。

「よぉ、二人も一口どうだ?」
 先ほどまで、あくまで野球観戦をしに来ているはずだった曲人。
 だが明らかに堅気ではない男の口車に乗せられたのか、その手には既に購入済みの券が握りしめられていた。
「んー、賭け野球ねえ……普段お金を使うような生活してないからなあ」
 金儲けに興味の無いメンカルに、そもそも生活に金銭を使用しないペト。
 あまり乗り気で無い二人だったが、曲人に推されるがまま、あれよあれよと券を購入するのだった。
(儲ける気は無いけどデータを見てどっちが勝ちそうかを予測するのは楽しい……)
 とりあえず勘で購入したペトに対し、緻密な情報を収集して予測を始めるメンカル。
 金が欲しいわけでは無いものの、勝ち負けを予測するのは意外と楽しかったようで、メンカルはかなりの金額を賭けていた。

「よっしゃいけライガーズ!ギガンツなんざぼてくり倒しちまえぇー!」
 曲人は男たちと共に野太い歓声をあげる。
 そのハッピと鉢巻にメガホンというもはや現地のファンと何ら変わらない出で立ちで応援する曲人。
「何というか、こう……完全に溶け込んでるね……現地ファンと見分けつかないレベル」
 そんな様子をメンカルが何とも言えない表情で眺めていると、新たに購入したフルーツサンドを咥えていたペトも、その言葉に頬張りながらもコクコクと頷く。

「ってオイ言ったそばから打たれるんじゃねぇー!?」
 朝から数試合に既にチャレンジしている三人。
 一打席、一打席に一喜一憂し、心の底から楽しんでいる曲人に対し、先ほどまで楽しんでいたはずのメンカルは不満げに言葉をかける。
「……でも、塩崎団長が賭けなかった方に賭ける方がデータを見て賭けるより勝率良いのはちょっと納得いかない……因果律か何かに干渉してない?」
 そんな言葉をかけるメンカルに対し、曲人は困ったように頭をかく。

「いやいや、そこでオレを見られても。雑に予想外してるオレも聞きてぇよ。……まぁ勝負事はつまり、他人と比べることだからなぁ。ヒトが群れてる以上、しょうがねぇことだろうよ」
 賭けること数度――全てを勘に任せたペトは半々、情報収集の後に予測したメンカルは七割ほどの勝率を誇る。
 その事実に満更でもなかったメンカルはほくほく顔であったものの、その全ての試合に曲人が負けているという事実を認識してからは、己が予測よりも曲人の逆張りをしている方が勝てるという事実にショックを受け、ふて腐れてしまったのだ。

「野球でも賭けでも、みんな勝負するのが好きだなあ……あたしは勝負事よりこうやって甘いものでも齧ってる方が性に合ってるや」
 楽しそうに観戦している曲人とは対照的に、既に飽きが出てしまっている様子のペト。
 試合の合間どころか試合の最中に度々席を立っていた彼女の横には、これまで買い食いをしていたゴミの山が積まれていた。
 そもそも最初からそこまでテンションが高くは無かったペトが文句を言わずにまったりしていたのは、ひとえに仲の良い二人がこの上無く楽しそうであったが為だ。

「ん、ペトはちょっと眠い?……なんなら肩とか膝とか貸そうか?」
 先ほどまでのテンションが落ち着き、ペトの様子に気付いたメンカル。
 そうした彼女はぼんやりし始めていたペトの手を引き、そっと己が膝へと誘導した。
 朝からはしゃいでいたのに気づけば日も傾き始めている。
 夢の世界との境界線上を既に歩いていたペトは、気づけばそっと夢の世界にへと落ちていった。

 しかしその微睡みは、最後まで負け切った男の絶叫により直ぐに覚まされてしまうのであったが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月03日
宿敵 『デスチアリーダー『エレオノーラ・コッコ』』 を撃破!


挿絵イラスト