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宇宙の影に暗躍す

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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 冷たい床から、おもむろに彼女は身を起こした。
 直後、彼女は顔をしかめて頭を押さえる。どうやら軽い怪我を負っているらしい。
 彼女がいるのは2m四方程度の空間だ。目の前には覗き窓も何もない施錠された扉があり、左右はただの壁で、これらにも窓は無い。背後の壁にはかろうじて小さな窓が付いているが、これには重厚な鉄格子が備え付けられ、その向こうには薄汚れた緑色の集合住宅が見えていた。
 つまるところ、ここは牢獄だ。
 だが牢獄自体は急ごしらえのようで、以前は倉庫として使われていたらしい。室内の雰囲気から、この倉庫が入っている建物は相当年季が入っていることも感じられる。
 しかし古いとはいえ、ひと一人の力で脱出することは不可能だ。そもそも彼女の手足には、駄目押しのように電子式の手錠や足かせが取り付けられている。今のままでは身じろぎをするのが精一杯だ。
 ではそもそも、何故彼女はこの牢獄に捕らえられたのか。
 以前から彼女は、とある事件について巨大宇宙船内で調査を行っていた。そして、ついにはその事件に関する重要な情報を得ることができた。だが情報を持ち帰ろうとした彼女を待ち構えていたのは、宇宙船内に入り込んでいた銀河帝国の士官と兵士達だった。
 あえなく捕まり牢獄に放り込まれた彼女に、全身をローブや仮面で隠した士官は低くくぐもった声色で去り際にこう告げた。
『鼠は増える前に始末するのに限る』
 直後、傍に控えていた兵士に殴りつけられた彼女は気を失って倒れ、そして先程ようやく目を覚ましたというわけだ。
 今のところ、扉の向こうに人の気配は無い。だが、次に士官達がここへ来た時が、恐らく彼女の最期になるのだろう。付近に鉄工所があるのか、金属を打つ無機質な音が彼女が焦りから漏らす荒い息づかいをかき消すように、牢獄の中に反響する。
 状況は決して良いとは言えない。それでもまだ、彼女の目に諦めの色は見えなかった。
 何か、何か手立ては無いか――。
 彼女はなおも、もがき続ける。


「集まったか。では私から状況を説明しよう」
 グリモアベースの一角に集まった猟兵達の前には、スカル・ソロモン(ヒーローマスクのブレイズキャリバー・f04239)の姿がある。
 彼はグリモア猟兵。様々な世界で起こる事件を予知する能力を持つ者の一人だ。
「今回、君達には“スペースシップワールド”へと飛んでもらう。目的は、巨大宇宙船内で銀河帝国が引き起こそうとしているテロ計画を未然に阻止することだ」
 しかし、そのテロ計画の詳細については未だ不明点が多い。それゆえ、現地協力員に調査を依頼していたのだが、
「……その現地協力員の女性からの定時連絡が途絶えてしまった。恐らくだが、敵に捕らわれてしまったと思われる。彼女は素人ではないし、単にしくじったとも思えない。敵も、なかなかやるということか」
 なんにせよ、捕まった現地協力員の女性――ティナから情報を得なければテロ計画の全容を把握することは出来ない。ゆえに、彼女の救出をまず行うべきだ。
 それに何より、重要情報を握っている彼女を敵が長く生かし続ける理由がない。早期に動かなければ、彼女の身に何が起こるかは想像に難くない。
「いいだろうか。まずはティナが捕らえられている場所を特定して彼女を救出、そしてテロ計画の詳細について情報を得る。そこから先は得られた情報をもとに動いてくれ。
 以前、ティナから提供された情報には、今回のテロ計画には巨大兵器が用意されているかもしれないという内容もあった。くれぐれも用心はしてほしい」
 手振りを交えて話し終えたスカルは一つ息をつくと、改めて猟兵達へ視線を向ける。
「不明点が多い中で飛んでもらうのは心苦しいのだが、今頼れるのは君達だけだ」
 よろしく頼む、とスカルは軽く頭を下げると、テレポートの準備に入るのだった。


力水
 こんにちは。この度、第六猟兵でマスターを務める事になりました、力水(ちからみず)と申します。
 どうぞよろしくお願いします!

 さて今回のシナリオですが、ヒーローマスクのグリモア猟兵が言っているように、まずは現地協力員のティナさんが捕らわれている場所を特定し、救出することを目指して下さい。

 テロ計画を阻止できるかどうかは猟兵の皆さんの活躍次第です。皆さんの素敵なプレイング、お待ちしております!
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第1章 冒険 『協力員を救出せよ』

POW   :    正面から監禁場所を襲撃する

SPD   :    監禁場所に忍び込む

WIZ   :    場所の情報を得る、見張りを陽動で追い払う

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


無数の星々が輝く宇宙の只中を巨大宇宙船が往く。しかしその中は宇宙船の内部ということを忘れさせるほどに広大だ。例え大都市ほどの大きさがある街だったとしても、この宇宙船には簡単に収まってしまうだろう。
 そして今、この宇宙船では銀河帝国によるテロ計画が着々と進行していた。
 宇宙船内部の工場地帯、その一角で動きがあった。延々と金属を打ち鳴らす音を吐き出し続ける鉄工所の影から、その音に紛れるようにおよそその場に似つかわしくない姿をした複数の人影が現れる。彼らは皆、素顔を隠すような服装をし、かつ、武装をしていた。
 最期に現れたのは、全身をローブと仮面で隠したリーダー格らしき人物だ。彼が手短に指図を下すと、その場にいた者達は蜘蛛の子を散らすように走り去ったのだった。
パライア・ハイドランジア
まずは監禁されてる場所の情報を得るために、私が船内に入ったらまず目に入った見張りを殺してすぐにその場を離れるわ。

その死体が見つかれば船内は恐らく混乱するでしょう?捕虜の部屋のセキュリティが厚くなれば場所が分かって良し。セキュリティが薄くなれば助けやすくて良し。移送されればそのまま攫ってしまえば良いでしょう。少なくとも監禁部屋で捕虜は殺せないのだから。



巨大宇宙船内に潜入したパライア・ハイドランジア(ミレナリィドールのシーフ・f06070)の目に飛び込んできたのは、道端を行く一人の男の姿だった。気取られないようにはしているが、周囲を警戒している。
 それになにより、猟兵であるパライアは彼の身のこなしから、男が戦闘経験者であることを感じ取っていた。加えて、この場所に来るまでパライアはこの宇宙船に駐在する兵士達を何人か見てきたが、男は兵士達とは明らかに異なる身なりをしている。
「こんにちは、お兄さん?」
 パライアが男の背後から声をかける。男はゆっくりと振り向くと胡乱な目で彼女を見た。直後、男は自分の腰に素早く手を動かしたがそれよりさらに早くパライアが手にしたダガーで一閃を放つ。
「ガッ……!?」
 喉元を的確に裂かれた男がその場に崩れ落ちる。その手には小型の銃が握られていた。
 ……これで恐らく、この男の仲間達に混乱が生じるはず。
 パライアは男を一瞥するとすぐさまその場を立ち去った。男が耳に付けていたイヤホンからは、異常を察知した仲間の声が微かに漏れ聞こえていた。
 その後、男の死体を確認した仲間達は自分達を狙う存在がいることを知り、警戒度を上げた。しかし、彼らに捕らえられている現地協力員――ティナへの見張りはかえって手薄になった。
 何しろ、彼らにとってはテロ計画の実行こそが最重要事項であり、捕らえた女の処遇は二の次三の次だ。彼女が重要な情報を持っているとはいえ、なに、居場所までは割れるまい――。
 その油断が、猟兵達のテロ計画阻止の糸口となることを、彼らはまだ知らない。

成功 🔵​🔵​🔴​

麻生・大地
「闇雲に動いても危険が増すだけですね。まずは出来るだけ危険を減らしますかね」

まずは情報が集約される端末などが必ずあると踏んで、それを探すとします。

必然、そういう場所は警備もそれなりにあると予測。
まずはそこから障害になるものを退けないといけませんね。

艦内の電気系統をコントロールする配電盤、それに類するものに細工。
離れた場所の機能を一時的にシャットダウンさせて、目をそちらにそらしてみましょう。

上手くいったなら、迅速に端末より必要な情報を入手。
即座に離脱して、目当ての場所を目指し、ティナさんを救い出しましょう。



「闇雲に動いても危険が増すだけですね。まずは出来るだけ危険を減らしますかね」
 麻生・大地(スチームハート・f05083)は宇宙船内に情報が集約される端末が必ずあると踏み、それを探していた。銀河帝国が動きを見せているのなら、その痕跡が何かしら残っているはず。端末からその情報を得られればティナ救出の手掛かりとなる。しかし、
 ……なかなか見つかりませんね。
 広大な宇宙船内で、しかも宇宙船自体の情報にアクセス出来る場所となるとそう簡単に見つかるものではないようだ。
 引き続き船内の探索を続けていた大地だったが、しばらくして大きな塔のような建物に行きついた。調べてみるとそれは管制塔と呼ばれている施設らしい。もしかすれば情報を得られるかもしれないと考えた彼が施設へ乗り込もうとしたその時、
「あの、こちらに何か御用でしょうか?」
 見知らぬ男性に不意に声をかけられた。大地は咄嗟に身構えるが、話を聞いてみると彼はこの管制塔で働く職員だという。また、大地が猟兵であることを伝えると彼は喜んで協力を申し出てくれ、船内の情報の閲覧も許可してくれた。
 当初は情報を得るために手荒な手段も用意していた大地だったが、その必要は無かったようだ。そして彼が施設の端末から情報を精査していると、ある場所の監視カメラに怪しい人影が映っている事がわかった。
 慌てた様子で駆けていく、素顔を隠した様相の人影。しかし他のカメラにその姿は全く映っていない。恐らく、普段は姿を映させないように動いていたが、何か異変があったため不用意に動いてしまい、運悪く映像に残ってしまったのだろう。
 ……映像の場所は、工場地帯に隣接した居住区ですか。
 大地は協力してくれた職員に礼を述べると、得られた情報を他の猟兵達に共有すべく、急いでその場を立ち去ったのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

神無月・継葉
(裏人格で行動)ティナという人物が処刑されるまで、そこまで時間はないだろう。ならば迅速かつ大胆に、かつ慎重に行動しないとな。まずはティナ氏がどこに捕らわれているのかを特定しないと。ダクトを通りつつ部屋で聞き耳を立てて、どの部屋にいるのかを盗聴してからそこに向かおう。部屋にたどり着いたら、まずは確認だ。人の気配…特に見張りがいるかどうかは要チェックだ。それがなければ部屋に静かに下りて、ティナ氏の施錠を外そう。そこから先はティナ氏の情報が頼りだ。できるだけ見つからないように、船から脱出する。見つかってしまったら、殲滅より無力化優先だ。


ジェイクス・ライアー
パライアが戦闘員を殺害している同時刻に動きたい。
まず、戦闘員の服装の特徴を調べる。その後【レプリカクラフト】で近しいものを作成し変装を試みよう。お誂え向きに、奴らは顔を隠している。ひとり人が増えたところで気付かれまい。
変装が終わり次第、パライアが行った戦闘員の殺害による混乱に乗じて戦闘員らしき者に接触し、居場所を聞き出す。
なるべく奴らの口調に寄せ、警戒心を抱かせないように注意しよう。

情報を入手できたら、すぐに他の猟兵へと連絡を。
そのために、事前に誰か他の猟兵とコンタクトをとり、連絡手段を確保できているのが望ましい。



『工場地帯に隣接した居住区に不審な影あり』
 その情報は宇宙船内にいる猟兵達へすぐさま伝達された。神無月・継葉(紅と蒼・f03019)も情報を受け取ったうちの一人だ。いや――正確には継葉ではなく静葉か。多重人格者である彼女(達)は双子の姉妹である二人の人格を宿しており、今は静葉の人格が表層に現れていた。
 ……ここを当たってみるか。
 情報に従い、居住区に到着した静葉は早速探索を開始する。手頃な建物に目星を付けると、慣れたように身体をダクトへと滑り込ませる。やや埃っぽいが場所が場所だけに仕方がない。大きな音を立てぬように、しかし大胆に彼女は狭いダクトを進んでいく。
 静葉がしばらくダクト内を進んでいると、前方にうっすらと漏れる光が見えた。また耳を澄ませば、何か話し合う声も聞こえてきた。彼女がそっと光が漏れる隙間から目を凝らすと、やや広い部屋のような空間がそこにはあった。
 ……詰所、のように見えるな。
 年季が入った部屋の中には、これまた年季の入った机や椅子が乱雑に並べられている。簡素ではあるが寝床もあるようだ。そして、話し声の主であろう椅子に座る二人の男の姿も見えた。
「知ってるか、一人やられたらしい」
「なんだと!? 一体だれが……」
 男達の会話に耳を傾けつつ、静葉は彼らの様相が情報に即していることを確認する。彼らもテロ計画に加担する一員なのだろう。彼女は引き続き、彼らの会話に耳をそばだてる。
「そういや、女の様子は?」
「放っておけ。もし助けを呼んだところで、あんなデカい柱みたいな高いビルの上にいるんじゃ、誰にも聞こえやしないさ」
 ……女? まさかティナ氏か?
 さらに静葉はこの建物に潜入する前に見た光景を思い出す。ふと思い当たったのは居住区内で一際高く、柱のようにそびえ立つ建物だ。
 ……探ってみる価値はありそうだ。
 静葉は男達に感づかれぬよう、再びダクトを通って脱出を図るのだった。

 一方、一人の猟兵がテロ組織に加担する者――仮に戦闘員と呼称しよう――を無力化した頃に少し時を遡る。時を同じくして、ジェイクス・ライアー(素晴らしき哉・f00584)もまた、宇宙船内で調査を行っていた。
 ……しかし、敵は結構な数が潜り込んでいるようだな。
 ジェイクスは今、物陰に身を潜めている。すると、そのすぐ近くを一つの人影が走り去っていった。間違いない、それは件の戦闘員だ。足音が聞こえなくなったのを確認すると、彼は息をつき、物陰から身を現した。
 すでに、ジェイクスが宇宙船内で遭遇した戦闘員は両手で数えられる数を超えている。戦闘員は素顔を隠しているため個人の判別は難しいが、流石に同じ人物と何度も遭遇しているとは考えにくい。
 ……隠れてばかりでは情報も掴めないな。攻めに出る時か。
 ジェイクスの手にユーベルコード【レプリカクラフト】の力が灯る。作り出すのは戦闘員の服装だ。彼らの服装の特徴は、もう十二分に把握している。
 
 それからしばらくして、街の路地を一人の戦闘員が急ぎ足で歩みを進めていた。どこか焦っているような素振りは、彼がしきりに周囲を気にしている事からも容易に見て取れる。
 すると彼の前に、横道からふらりと現れた人影があった。突然の事に歩みを進めていた戦闘員は思わず体を硬直させるが、すぐにそれは安堵の息と共にほぐれていく。
「……驚かせるなよ。こんなところで何してる」
「それはこちらの台詞だ。随分と急いでいたようだが?」
 戦闘員の前に現れたのは、彼とほぼ同じ姿をした戦闘員だった。
 ――いや、素顔を隠し、身なりを変えているが、それは【レプリカクラフト】で作り出した戦闘員の服装を身に着けたジェイクスその人だ。【レプリカクラフト】の特性上、若干作りが荒くはあるが、元々が上質なものでないゆえに違和感はあまり感じられない。
 無論、紳士たるジェイクスにそもそも似合う服装でないのは確かだ。しかし戦闘員の男はそんな変装したジェイクスの姿を見て、すっかり安心したように話し続ける。
「知ってるだろ、仲間が襲われた。それで一度、配置を変えるらしい」
「……ああ。なるほど。そういえば連絡が来ていたな」
 ジェイクスもその襲撃についてはすでに他の猟兵から情報を得て把握している。しかし彼はとぼけた様子のまま、男の口調に合わせつつ会話を続けた。
「お前の配置はどこになったんだ?」
「あそこだよ、あの女のいる所だ。居住区にある、柱みたいな高層ビルだよ」
 女、という言葉を聞き逃すジェイクスではない。すかさず言葉を挟む。
「女というと……オレ達を嗅ぎまわっていた?」
「他にいないだろう。ティナ、とか言ったか。近いうちに処分されるとは思うが、まあその前に少し“味見”をしてやるのもいいかもな?」
 ……下衆が。
 下卑た笑みを漏らす男にジェイクスは心の中で吐き捨てる。だが声に感情は出さず、言葉を紡ぐ。
「好きにしろ。オレの配置は変わりないようだ。この辺りを警戒しておく」
「そうかい、じゃあな」
 そう言って立ち去った男の背が見えなくなると、ジェイクスは他の猟兵達に連絡を取った。
「ああ。居住区の、柱のような高層ビルだ」

 猟兵達の行動で目的地は定まった。救出の時は近いだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・ドレッドノート
宇宙船のデータベースから候補を絞り、監禁場所を特定できたら、フォックスファイアで小さい炎を10個作成、見張りの注意を引くように動かして倉庫から引き離していきます。十分に見張りが離れたら近場の可燃物に引火させて足止めし、その隙に倉庫に侵入します。
ティナさんには「助けに来ましたよ、レディ」とウィンクしながら声をかけ、電子錠を威力を絞った銃で破壊、拘束から解放してさしあげます。
見張りが戻ってくる前に扉をちゃんと閉め直したら、ティナさんを抱きかかえて安全なところまで脱出。
落ち着ける場所までたどり着いたら、人懐っこい微笑みでティナさんの緊張をほぐしつつ、情報を提供してもらうとしましょう。


舞塚・バサラ
・SPD
人質の居場所は割れ、見張は手薄になった…
ならばここは拙速を尊ぶべきでござるな
…来たれや阿弖流為、某の身を食むで御座る【降魔化身法で身体能力を強化し、人質のいる場所へ他人と遭遇しないように急行。流血ならば傷跡を地獄で焼き塞ぎ、毒なら歯を食いしばって無視。呪縛は呪縛の中で出せる最高速で移動する】

流石に見張りが居ないという訳が無いで御座ろうが…手薄であるならば幾らでもやりようはあるで御座る
それに…某はそれこそが得手に御座る故な…【監禁場所にいる見張りを【暗殺】【だまし討ち】を活用して排除。【暗殺】を行う際は一人一人確実に仕留める】



居住区の一角に、確かにその高層ビルは存在した。天を突く柱のようにそびえ立つそれは、ある世界で『タワーマンション』と呼称されるものに近い。
 今回の事件の舞台となっている宇宙船が建造された頃は、居住区のシンボル的な建造物として富裕層を中心に人気があったようだが、年月が経ち、老朽化が進むにつれて住民は減少の一途を辿ったようだ。
 補修や改築を重ねて人が住める環境は保っているものの、今となっては過去の遺物として扱われている。ティナが捕らえられている高層ビルは、そんな歴史を持っていた。
 ……なるほど。確かにこんな場所なら、人が一人監禁されていたところで簡単には露呈しませんね。
 宇宙船のデータベースから得た情報を小型端末で確認し終えたシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は、廊下の曲がり角から顔を少し覗かせると、通路の先を確認した。彼もまた、仲間の猟兵からもたらされた情報でこの建物に潜入した一人だ。
 彼がいるのは高層ビルの中腹辺り。ティナが捕らえられているのが『倉庫』であることはすでに分かっている。そしてこのビルの中で倉庫と言える場所はこの階にしかなく、さらには、
 ……当たりのようです。
 通路の先に一つの人影がある。見張りだろうか、その人物の外見はもはや見慣れたものだ。素顔を隠した男――戦闘員が退屈そうに壁に寄りかかって立っている。その横には覗き窓も何もない扉がある。そこが、件の倉庫であることは間違いないだろう。
 おもむろにシンが掌を開く。するとそこに小さな狐火の炎が生まれた。一つ、二つ……最後には十まで増えたそれは、意志を持ったかのように戦闘員がいる方へと飛んでいく。
「……ん? な、なんだ!?」
 炎に気づいた戦闘員の素っ頓狂な声が廊下に響く。シンは戦闘員を翻弄するように炎を操りつつ、彼を倉庫から引き離そうとする。しかし戦闘員は羽虫を追い払うようにばたばたと手を振り、なかなか引き下がろうとしない。
 その時だった。
 戦闘員の背後にはバルコニーのように外に面した廊下がある。そこへ『外』から飛び込んできた影があった。廊下の天井に頭が付きそうな程の長身――舞塚・バサラ(多面巨影・f00034)の姿がそこにあった。
 人質のいる場所へ他人と遭遇しないように急行することにしたバサラが選んだ経路は、高層ビル外壁を駆け上っての潜入だった。
「……来たれや阿弖流為、某の身を食むで御座る」
 平時ならばいざ知らず、降魔化身法で超強化された体であればこの程度は容易い。代償として毒が全身を巡ったが、それもただ歯を食いしばり無視すればいいだけの事。そもそも彼は忍者なのだ。
 そして彼にとっては暗殺もまた、得手である。
 バサラの手に握られた『陰術:無形刃』が輝きを持たぬ斬撃を放つと同時に、戦闘員の体は糸が切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちた。
「見張りは……この者だけのようで御座るな」
「ええ、そのようですね。助かりました。ところで、あなたは猟兵で間違いないでしょうか?」
「如何にも」
 簡単に挨拶を交わすと二人は倉庫の扉へと急ぎ、歩みを進める。扉には施錠がされていたが、運良く外側からであれば簡単に開錠が出来る構造だったようで、軋むような音を立てつつも扉は開いた。
「助けに来ましたよ、レディ」
 倉庫の中を検めたシンがウインクと共に声をかける。そこには、
「あ……」
 驚きと安堵が入り混じった表情をしたティナの無事な姿があった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『船外活動で冒険』

POW   :    障害を破壊する、工作機械で一気に作業する

SPD   :    迅速に作業をこなす、宇宙船に忍び込む

WIZ   :    状況を正確に把握する、目的地を調べる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「改めて、ありがとうございました。皆さんが来て下さらなければどうなっていたことか……」
 ティナが集まった猟兵達の顔を見回しながら礼を述べる。長い金髪を結った活発そうな面立ちの彼女は、すっかり元気を取り戻したようだ。
 彼らがいるのは彼女が捕まっていた牢獄の中だ。牢獄の外では他の猟兵達が警戒に当たっている。だが、事件はまだこれからが本番だ。
 ティナは居住まいを正すと、真剣な面持ちで告げた。
「それでは、皆さんにテロ計画の詳細をお伝えします」

 銀河帝国が起こそうとしているテロ計画。それは以前ティナが懸念していた通り、巨大兵器を使ったものだという。
「奴らはまず、この巨大宇宙船の貨物船用の発着場を巨大兵器『二足歩行戦車』を使って占拠し、他の宇宙船からの援軍等がこの船に乗り込めないようにした後、巨大宇宙船の中枢を乗っ取って自分達のものにするつもりです」
 この計画を潰すには、巨大兵器を破壊するしかない。そうすればその後の計画が立ち行かなくなり、銀河帝国もテロ計画を断念せざるを得なくなるはずだ。
「巨大兵器は、貨物船用の発着場に貨物コンテナに偽装されて置かれています」
 ティナが猟兵達にコンテナの写真を見せる。少なくとも、コンテナは誰が見ても大きいと感じるサイズのようだ。
「ですので、皆さんはまず貨物船用の発着場に向かってください。その後、巨大兵器の破壊へと移りましょう。……ただし、船内を移動して向かうのは、止めた方が良いと思います」
 何故、という声が猟兵達から上がる。彼女はそれに頷き返すと、
「皆さんも気付かれたかもしれませんが、この船内にはすでに相当数の銀河帝国の戦闘員が乗り込んでいます。こちらの行動はまだ運良く露呈していませんが、これ以上船内で我々が動きを見せれば、奴らの目についてしまう可能性が高いのです」
 ですので、とティナは猟兵達にある提案をした。内容はこうだ。
 猟兵達には居住区付近にある非常口から、宇宙服を着て船外――宇宙に出てもらう。ただし目立つ動きを避けるため、小型の宇宙船などの乗り物を使うのは避けた方が良い。
 そして船の外壁を伝って、船外から貨物船用の発着場を目指すのだ。
「宇宙服には推進装置が付いていますから、移動の補助にはなると思います。ですが現在、この船はスペースデブリ宙域を通過中なので……うまくデブリをかわすか、破壊して進むようにして下さい。
 それと例えばですが、デブリの破壊に専念して、他の方の進路を確保するのも良いかもしれませんね」
 船外に出てデブリをかわしつつ、貨物船用の発着場を目指す。これが今回のミッションの大まかな目的となる。

「私はまだここに居ようと思います。私が外に出ているのが戦闘員に見つかれば、それこそ問題ですからね」
 それに万が一に備えて、銀河帝国の戦闘員に変装した猟兵さん達が護衛に付いて下さるみたいですし、とティナは安心した表情を見せた。
 そして彼女は表情を真剣なものに切り替えると、改めて猟兵達の方へ真っ直ぐ向き直る。
「発着場に皆さんが到着したら連絡を下さい。巨大兵器破壊のため、私も出来る事をしようと思います。ですが、私だけでは足りません。テロ計画からこの船を守るため、どうか力を貸して下さい」
 深々と頭を下げた彼女に、猟兵達は力強く応えたのだった。
いつの世、どこの世界においても自然というものは一つの生命体に比べれば限りなく強大だ。特に宇宙はその事をまざまざと感じさせる。漆黒と静寂が支配する空間に飛び込んだ猟兵達ももしかすれば、その事を実感しているのかもしれない。
 さらに周囲にはスペースデブリ――大小の岩石や破壊された宇宙船の瓦礫、廃棄されたゴミなどが音もなく巨大宇宙船にそって弾丸のように流れていく。
 猟兵達は今よりその只中に飛び込み、テロ計画を阻止するため進んでいくのだ。
神無月・継葉
【SPD判定・迅速に作業をこなす】

とりあえず、ティナ氏が無事でよかった。
テロ活動のことも聞けたし、まずは宇宙船を目指すところからか。

宇宙服に着替えて船外に出たらまずは貨物室を目指すのではなく、できる限り近い場所に入り込めるようにしたいな。
デブリを除去するのは難しいが、侵入経路を作ることくらいはできる。
【サイコキネシス】を使って、エアーダクトの入り口を開けて、まずは侵入経路を確保するようにしよう。

テロ兵器まではもう少しだが、きっと警備は厳重だろうな。
今はまだ慎重に…かつ、大胆に、だ。



宇宙服というものは、大多数の人間が一生着ることなく過ごすものだと言っても過言ではない。であれば“着慣れる”という言葉とも縁遠い筈だが、神無月・継葉(紅と蒼・f03019)のもう一つの人格、静葉は宇宙服を着て船外へ飛び出し、迅速に行動を開始していた。
 ……とりあえず、ティナ氏が無事でよかった。
 彼女は先のティナ救出で尽力してくれた猟兵の一人だ。無事に救出された彼女の姿を見て、彼女なりに喜びを感じるところがあったのかもしれない。
 その間にも静葉は宇宙服の背面に取り付けられた推進装置を巧みに操り、進んでいく。デブリ除去ではなく侵入経路の確保を目指していた彼女はデブリを巧みにかわしながら、進行ルート途中の外壁にあったエアーダクトの入り口を見つけると、遠距離から【サイコキネシス】を使い、精密な操作で開けていく。
 傍目から見てひとりでに入り口が開いていく様は故障か何かと勘違いされそうなものではあるが、これも猟兵がなせる技だ。静葉はエアーダクト内に入り込むとデブリの脅威から逃れたことで一息をついた。
 そこはまだ貨物船用の発着場ではないものの、宇宙船外での活動という慣れない作業を行う猟兵達にとって一時的な休憩場所になるだろう。
 デブリが飛来するタイミングを見計らって、静葉は再び宇宙へと飛び出していく。
「今はまだ慎重に……かつ、大胆に、だ」
 誰に言うでもなく、彼女は独りごちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイクス・ライアー
……まさか宇宙での作業をしなければならないとはな。正直なところ、専門外だ。
…中からではいけないのかね?…敵にバレる?……そう。そうか。いや、皆がそうすると言うなら、従おう。

【POW】
専門外のフィールドと装置を使わなければいけなくなり、かなり渋々。だが総意には従う。仕事人。
対人特化の自前武器ではデブリを破壊するのは厳しいので、突入前にどこかで宇宙武器(光線銃とか?)を調達したい。うまく調達できれば【援護射撃】でデブリを除去して進む。
紳士の皮がやや剥がれ半ギレ気味。これでも35歳ですから。

武器調達できなければ、ティナさんの護衛を志願します。さらば同志よ、頑張りたまえ。



ジェイクス・ライアー(素晴らしき哉・f00584)は、かなり渋っていた。
「……まさか宇宙での作業をしなければならないとはな。正直なところ、専門外だ」
 思わずため息が出そうになる。仕事人たる彼であっても、専門外のフィールドや装置を使うのには抵抗があるらしい。
 しかしそれでもジェイクスは任務を放棄することはない。何故なら、そう、彼は仕事人だからだ。
 とはいえ、任務を遂行するとしても、手持ちの武器ではデブリの破壊は厳しい……そう判断した彼は付近にいた、この船駐在の鎧装騎兵(猟兵ではない)に代用武器の貸与を願い出た。
「光線銃、いや、ここでは熱線銃というのだったか?」
 それを貸してほしい。そうジェイクスに頼まれた鎧装騎兵は快く応じ、熱線銃を持ってきてくれたのだが、ふとジェイクスが持つ様々な武器を見るやいなや、目を輝かせてそれらに食いついた。
 別世界の物ゆえ、物珍しさもあったのだろう。矢継ぎ早に質問を受けてやや引き気味のジェイクスだったが、どうやら鎧装騎兵が持ってきた武器よりもジェイクスが持っている武器の方がよっぽど質も火力も良いようだ。
 しかし――とジェイクスは食い下がるものの、
「大丈夫さ!」
「俺を信じてくれよ!」
「当たって砕けろだ! あ、砕くのはデブリだったなダッハッハ!」
 等々。いつの間にか人数が増えていた鎧装騎兵達に励まされたジェイクスは、気か付くと船外に放り出されていた。
 ――その後、船外で半ギレ気味に手持ちの武器でデブリを除去するジェイクスの姿が見受けられたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
私はデブリを破壊して、皆さんの移動を支援することにしましょう。

非常口の手すりに足をかけて体を固定し、両手でしっかり『スカーレット・ブラスター』を構えると、『怪盗の単眼鏡』をスコープモードで起動、接近してくるデブリを【異次元の狙撃手】で狙い撃ちます。
「目標を狙い撃つ!…さぁ、行ってください!」

全員が非常口から出たら、自分も移動しながら援護射撃を続けます。
外壁の出っ張りや別のハッチなど利用して体を安定させ、狙撃を行うとしましょう。
自分に向かってくるデブリはビームシールド『アトラント』をその瞬間だけ起動してガードします。

全員が発着場までたどり着いたら、銃をしまって素早く後を追います。



猟兵達が次々と非常口から船外に飛び出していく中、彼らの背後には鈍く光る銃口があった。先を行く猟兵達に前方から迫る大小のデブリが、その銃口から放たれた光弾により、猟兵達に接触するよりも早くに爆ぜていく。
「目標を狙い撃つ! ……さぁ、行ってください!」
 それはシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)によるものだ。非常口の手すりに足をかけて体を固定し、片手に掴んだ『スカーレット・ブラスター』で次々と目標を穿っていく。
 ふと、スコープモードで起動していたシンの『怪盗の単眼鏡』に大きな影が映った。宇宙の暗闇を背景に置いたそれは、当初は輪郭が掴めなかったがこちらに近づくにつれ、その正体が見えてきた。
 圧を増しながら迫り来るそれは、どこかで破壊された宇宙船の大きな装甲材だ。幾度もなく何らかとの衝突があったのか、すっかりいびつな形状になっている。
 そうするうちにも、羽虫を叩き潰さんとする巨大な手のように装甲材は猟兵達へと迫っていく。
 だが、シンはすでに装甲材の弱点を捉えていた。装甲材の中央、そこには大きな亀裂があったのだ。
「ターゲット・ロック……」
 シンがスカーレット・ブラスターを両手で構え直す。そしてスコープの中央に亀裂を捉えたその時、【異次元の狙撃手】は放たれた。
 無音の紅い光弾は過たずに亀裂へと吸い込まれ装甲板は四散。先を行く猟兵達の脇を流れ、後方へと過ぎ去っていった。

 シンは溜めていた息を一つ吐くと、全員が非常口から出たことを確認する。そしてビームシールド『アトラント』で守りを固めつつ、自身も移動を開始したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
発着場まで急いで移動しましょう。
全員がたどり着くまで、引き続き援護射撃を行いながらの移動を続けます。

「これを使ってください」
フック付きワイヤーガンのフックを宇宙船の外壁の突起に引っ掛けるように発射、ワイヤーを伝っていくことで皆さんが移動しやすくします。ワイヤーガン自体は、近くの突起にしっかり固定しておきましょう。

私自身は、皆さんが少しでも最短距離で移動できるよう、後方から狙撃を続けます。
進行方向からのデブリは全て撃ち落しますよ。

「急がなければ…」
皆さんの移動が終わったら、ワイヤーガンの巻取り機能で一気に移動します。
時間をかければ、敵戦闘員に気づかれる可能性も増えてしまいますからね。


クロウ・タツガミ
シン、神無月、猟団の誼だ手伝いに来た。微力ながら協力させてもらう
慣れぬ環境、最初から全力で行こう

行動前、酒瓶を傾け【三位龍装】を用い身体能力を向上。主にデブリにあたった場合のため防御を重点的に強化する。

サカホコ、マガホコお前たちは流石に船外は無理だろう、宇宙服の中に入っておけ

【POW】
船外、発着場への進路を邪魔するデブリを【怪力】により力任せに進路から移動させながら発着場に向かう。飛来してくるデブリがある場合は、シールドガントレッドによる【盾受け】で受け流しを試みる予定だ。

発着場へのハッチが開かない場合は、【力を溜め】一気に引き剥がす予定だ。

ここで時間を掛けると、気づかれる可能性が上がるか


クリーク・クリークフリークス
テロを防ぐとな?
その心意気やよし、及ばずながら拙草も微力を尽くそうである!

ブラックタールに必要あるかは置いておいて宇宙服着用、
慎重に外壁を移動しながら必要に応じて
タケノコ・バタリオンでタケノコ大隊を召喚し
周辺のデブリなどを破壊し尽くし無害化するである。
自身の進行だけでなく、周囲のサポートにも目を配るである。

もし万が一にも帝国の衛星に注目されたと感じた時は
技能:目立たないを使用して普通のタケノコのフリでやり過ごすか
素直に衛星もぶち壊すである。

帝国よ、我々に必要なのは戦争である!
テロなどと言わず正面から来るといいである!


ソフィア・テレンティア
【WIS 状況を正確に把握する、目的地を調べる】

ティナ様の救出作戦には間に合いませんでしたが……優秀な猟兵の方々がやってくれたようで何よりです。
遅れた分、此方はソフィアが頑張らなければなりませんね。
【ガジェットショータイム】によりドローンガジェットを召喚、先行させ目的地までの最短ルート及びデブリ情報を蒐集。
【学習能力】によりその情報を記憶・活用し発着場を目指しましょう。

可能なら他の猟兵の皆様にもルート情報とデブリ情報をお渡しします。
このデータが皆様の一助になればよいのですが。



休む間もなく飛来するデブリの隙間を縫うように、ソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)の【ガジェットショータイム】により召喚されたドローンガジェットが飛ぶ。
「遅れた分、此方はソフィアが頑張らなければなりませんね」
 ティナの救出作戦には間に合わなかったものの、それを成し遂げた優秀な猟兵達の行動に報いようとソフィアはドローンを丁寧に操縦し、先へと進ませていく。
 それにドローンはただ飛んでいるわけではない。目的地までの最短ルートやデブリの情報の蒐集も兼ねているのだ。
 そして一足先に発着場付近まで進んだドローンは、一つのハッチを発見した。それは発着場のそばにある、船内外を行き来するための“人用の出入口”のようだ。とはいえ普段はほとんど使われることもないらしく、頻繁に開け閉めした痕跡は見られない。
 だが逆に言えば、ここを使っても銀河帝国の戦闘員達には気付かれにくいということだ。
 ……これは、使えそうです。
 ソフィアはすぐさま、ドローンが蒐集したハッチまでの最短ルートとドローンがすれ違った様々なデブリの情報を一つに纏め上げた。
『このデータが皆様の一助になればよいのですが』
 データの最後に一文を添えて、発着場を目指す猟兵達の端末等へそれらのデータを送信する。
「さて、ソフィアも行かなくては」
 データを自分にも適用させつつ、自分も発着場を目指そうと動き始めたソフィアのもとに、一つのメッセージ文が届いた。
『感謝します』
 短い文章ではあったが、恐らくデータを送信した猟兵からの返信だろう。役立ったのであれば何よりだ。そう思ったソフィアがメッセージの送り主を確認すると、
「……怪盗・紅の影?」

 ……普通に名前を書いた方がよかったでしょうか。
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)はメッセージを送信後、すぐに他の猟兵達への援護射撃を再開し、飛来するデブリを迎撃していた。送信名については送った後に少し思案してしまったが、ええ、まあ、ほんの遊び心ですとも。
 ともあれ感謝の意は伝わったはずだ。そう自分を納得させて射撃を続けるシンの目に、こちらへと向かってくる、先程の装甲材を思わせる大型のデブリが見えた。
「っ……!」
 再び両手で銃を構えようとしたシンだったが、そこへ横から割って入る人影があった。宇宙服を着たその人影は、飛来してくるデブリを前に言葉を紡ぐ。
「酒は飲ませる、サカホコ、マガホコ、力を寄越せ」
 ユーベルコード【三位龍装】。その力により自身の防御力を高めた人影――クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)は宇宙服に備え付けられている推進装置を一際強く噴かせると、シールドガントレットをデブリへと突き出した。
 だがそれによって起こるのは、衝突ではない。宇宙空間内で減衰することが無いデブリの推進力の向きを、少し変えてやるのだ。直後、まさに弾かれたようにデブリはその進行方向を変え、宇宙船から遠ざかる方向へと飛び去って行った。
「あれは……」
 その様子を後方から見ていたシンに通信が入る。
『シン、猟団の誼だ手伝いに来た。微力ながら協力させてもらう』
「クロウさん!」
 聞き馴染みのある声に、思わず喜びを含んだ言葉が出てしまう。シンの方に向き直った宇宙服のメットの中には、確かに見知ったクロウの顔があった。良く見ればクロウの武器である二匹の蛇達もメットの中からシンの方を見ている。
『しかし、ここで時間を掛けると、気づかれる可能性が上がるか』
 なおもデブリは途絶える事無く飛来してくる。この宇宙船が今通過しているスペースデブリ宙域は余程、広範囲に広がっているのだろう。
「はい、ですが目的地については先ほど仲間から情報を得ました。ですから後は……」
 そう言ってシンはフック付きワイヤーガンを取り出すと、フックを発射した。目的地の方向に発射されたフックは、宇宙船の外壁の突起へと上手く引っかかる。
「これを使ってください。伝っていけば、目的地のハッチに辿り着けるはずです」
 シンはワイヤーの張り具合を確認しつつ、ワイヤーガン自体を近くの外壁の突起へしっかり固定する。これで目的地まで外壁を直接伝っていかずとも、移動が容易になったはずだ。
 他の猟兵達にもこの情報は共有されたらしく、次々とワイヤーを伝って猟兵達がソフィアが示した目的地を目指して進んでいく。
『助かる。では邪魔なデブリは自分が移動させよう』
 そう言うとクロウは進行ルート上にある動きが遅い、あるいは停止して浮遊しているだけの邪魔なデブリを力任せに移動させていった。
「お願いします。私は皆さんが少しでも最短距離で移動できるよう、後方から狙撃を続けます」
 シンのスカーレット・ブラスターが火を噴くと、いくつものデブリがまたも爆ぜて消える。しかし依然、デブリの数は多い。

 すると、シンの隣をタケノコの形をした宇宙服が通り過ぎて行った。思わず二度見をしたシンだったがやはりそれはタケノコであった。
「テロを防ぐとな? その心意気やよし、及ばずながら拙草も微力を尽くそうである!」
 タケノコなのに慎重にワイヤーを伝って進むのは、クリーク・クリークフリークス(ブラックタールの戦場傭兵・f02568)だ。タケノコなのにどうやってワイヤーを掴んでいるのかはきっと考えてはいけない。
 ワイヤーを伝って滑るように滑らかに進むクリークだったが、彼は良く周囲を見ていたが故に気づいてしまった。
 まだまだあまりにもデブリが多いではないか、と。そして戦争の申し子である彼は、その状況をこう解釈した。
 デブリの大軍が攻め込んできている、と――。
「戦争である! 戦争である! さぁ歓びを! 戦争である!」
 突如、宇宙空間の只中に無数のタケノコ大隊が現れた! クリークのユーベルコード【タケノコ・バタリオン】によって招集された彼らは、クリークの号令を受けると一斉にデブリ軍団へと突撃を敢行した!
 それはさながら夜空を行く流星か、あるいはタケノコミサイルか。片道切符の彼らに帰る場所無し、あえなくタケノコ大隊はデブリ軍団と正面からぶつかり爆発四散した。南無。

 ――しかし、その攻撃によって猟兵達が向かう先はデブリが一掃された空間となった。今が好機と猟兵達は一気に目的地へ距離を詰める。
 そして自分以外の皆が移動を終えたのを確認して、シンがワイヤーガンの巻取り機能を利用して最後に発着場のハッチへと到着し、全員が目的地への到着を完了した。
 ハッチを開ける際には、やはり長年使われていなかったためか開けるのに手こずる場面もあったが、最終的にはクロウが力を溜めてハッチを一気に引き剥がす事に成功した。
 銀河帝国には、未だ気づかれた様子はない。さあ、時は来た。約束通りティナに連絡を取ろう。決着の時は近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃
【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レジェンダリーソルジャー
【伝説的な戦車兵を再現したAI】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン
【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵達から発着場到着の知らせを受けたティナの行動は迅速だった。突如、地響きのような轟音が発着場に響き渡ったのだ。すると何事かと辺りを見渡す猟兵達の目の前で、壁のような隔壁が次々と降り始めた。
『大丈夫、これは私が操作して行っています』
 ティナと通話が繋がっている端末から彼女の声がする。
『発着場の、貨物コンテナに偽装された巨大兵器がある区画を、皆さんごと隔壁で隔離します。つまり、巨大兵器と皆さんだけがいる空間を作り出すということです。これなら、銀河帝国の戦闘員達も皆さんには手出しできません』
 鈍くぶつかるような音を最後に隔壁が降り切った。隔離された空間とはいえ、そこは十分な広さがある。天井にある、熱を感じない明るい照明が猟兵達とコンテナを静かに照らしていた。
『いよいよテロ計画阻止の最終段階です。巨大兵器の破壊をお願いします。これが叶えば、――』
 電波障害だろうか。突然、ティナとの通話が途絶えた。
 ――どこからか、軋むような音が聞こえる。いや、もはや音の出所がどこかなど探すまでもないだろう。
 目の前のコンテナが内側から大きく膨らみ、爆ぜる。普段そうそう聞くことのない“分厚い金属が力任せに破られる音”と共に、コンテナ内から二本足を持つ丸みを帯びた機械が飛び出した。
 この巨大兵器は完全自律型で乗組員は搭乗していないという。であれば隔壁の外から戦闘員が起動させたのか、あるいはこの巨大兵器が自身で判断して起動したのか。だがどちらにせよ、これが猟兵達の敵であることに変わりはない。
 思っていたよりも軽やかに着地した巨大兵器――二足歩行戦車が一際強く輝く目のような機構を猟兵達の方に向けると、金属同士が擦れ合う音を立てて歩き始めた。肉食恐竜を思わせるようなその動きは、確実に猟兵達を狙い、攻撃しようとする動きだ。
 排気音を咆哮のように吐き出した二足歩行戦車が、猟兵達に迫る――!
シン・ドレッドノート
猟団の仲間と連携して、敵を制圧しましょう。
乱戦になると味方に当たる可能性もありますし、先制攻撃で最大出力の一撃をおみまいします。

『スカーレット・ブラスター』を両手に構え、スコープモードの『怪盗の単眼鏡』で狙いをつけて、敵のセンサー部分を狙って【異次元の狙撃手】の一撃を撃ち込みます。

「クロウさん、今のうちに!」
味方が接近するまでは引き続き出力全開で射撃を繰り返し、味方が接近した後は、敵の動きを妨げるような援護射撃を行います。

無事に撃破できたら、ティナさんの所に戻って報告しましょう。
「これからも、困った時はお力になりますからね」
(全力の誘惑技能を込めた)ウィンクをしながら微笑みますね。


クロウ・タツガミ
猟団:狐の宿
援護は任せた、突っ込ませてもらう

【POW】

武器はハルバート状に変化したサカホコ、外套の内側には縄に変化させたマガホコを連れてゆく
猟団員の援護を受けながら敵へ突撃する、遮蔽物が使えそうなら【地形の利用】をしながら敵へと向かう予定だ
突撃中はシールドガントレッドを構え、正面からの攻撃は【盾受け】を試みよう
肉薄できれば【力を溜め】つつも【怪力】を利用して、【龍神祝詞】を用いて足を攻撃するつもりだ、足を止めれれば他の人も攻撃しやすいだろうからな。
隙きがあれば【ロープワーク】でマガホコを使って敵の足を括りつける予定だ、行動の阻害が出来れば御の字だな

戦車とて足の数が2本しか無い事を悔め


ソフィア・テレンティア
さて、後はこのデカブツさえ倒せばテロ計画は頓挫する、というわけですね。
伝説的な戦車兵を再現したAIとは中々手強そうではありますが……。
あくまで本人ではなくただのAI。それならば如何様にもやりようはあります。

敵UC●レジェンダリーソルジャーはAIに自身を操らせるUC、それならば
自UC【ガジェットショータイム】により敵AIへの干渉機能を持つガジェットを召喚し、
AIの動作を妨害することで本体に大きな隙ができる事でしょう。

その隙に【蒸気駆動式機関銃・冥土式】による射撃攻撃をお見舞いいたします。
対装甲用弾頭による銃撃でスクラップにして差し上げましょう。



「ターゲット・ロック……目標を狙い撃つ!」
 悠然とした歩みで猟兵達へと向かう二足歩行戦車に最初に撃ち込まれたのは、強大な紅い光弾だった。
 狙い通り、最大出力の【異次元の狙撃手】を戦車のセンサーに撃ち込んだシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は、スコープモードの『怪盗の単眼鏡』で敵を捉えたまま『スカーレット・ブラスター』から両手を離さずに、叫んだ。
「クロウさん、今のうちに!」
 その言葉が言い終わるよりも早く、黒い影が戦車へと駆けていく。
「援護は任せた、突っ込ませてもらう」
 言葉少なに行くのはシンと同じ猟団のクロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)だ。その手にはハルバート状に変化したサカホコがある。シンの援護射撃を受けながら、彼は戦車に接近していく。
 攻撃の衝撃から回復した戦車が、迫るクロウに標準を定める。車体の各部が展開、変形し、各種様々な火器が現れると時間を置かずにそれらが火を噴いた。しかし一斉にではない。各火器が少しずつ発射のタイミングをずらし、攻撃回数を稼いでいるのだ。
 クロウは咄嗟に近くの柱を遮蔽物として利用した。柱越しに、攻撃の衝撃が伝わってくる。
 ……このまま隠れていては埒が明かないか。
 攻撃の僅かな隙を突き、柱の影から飛び出し、駆ける。しかし戦車から突き出した箱型の発射機構から、彼を追うように複数の弾頭が放たれた。
 すぐさまシンがそれらの弾頭を狙う。一発、二発、三発。続けざまに三撃。紅い光弾が弾頭を穿ち、その度に爆発が戦場を赤く照らした。だが全てを落としきれない。
 クロウに迫る弾頭。それに対して彼はシールドガントレットを構えた。弾頭がぶつかった少し重い衝突の直後、全身を包むように爆発が起こる。
「……ッ!」
 視界が爆発の赤に染まり、熱が体を灼く。だが、クロウは止まらなかった。
 サカホコを振るい、薙ぐ。爆風を裂き、往く。
 爆風を抜け、気づけば目前に戦車の脚があった。図体に比べて比較的細いその脚に、全身の膂力を籠めた一撃を叩き込む。喰らい付いたサカホコが足の装甲を砕き、内部構造へ確実に損傷を与えた。続けて、クロウは言の葉を紡ぐ。
「高天原に坐し坐して、天と地に御働きを現し給う龍王は、以下略と」
 戦車の脚に喰らい付いたサカホコの刃から力が溢れ、形を成す。龍神の化身――そう形容して遜色のない力の奔流が戦車を襲った。
 処理しきれない反撃に、戦車が悲鳴のような電子音を上げる。地団駄を踏むように、損傷を受けていない足を軸にして、損傷を受けた方の脚でクロウを踏み潰そうとする。しかしシンの銃口がそれを許さない。戦車の胴へと光弾が叩き込まれ、思わず戦車がバランスを崩す。
 その隙にクロウは外套の内側から縄に変化させたマガホコを取り出すと、軸足へと素早く括り付け、戦車の足元から脱しつつ縄を引いた。
「戦車とて足の数が2本しか無い事を悔め」
 軸足を引かれバランスをさらに崩した戦車は、勢いよく頭を地に叩きつけた。轟音が空間を揺らす。だが、戦車はまだ動きを止めていない。

 唸り声のような音を立てて、すぐさま二足歩行戦車が起き上がる。損傷した脚で無理矢理踏ん張り、立とうとしていた動きが変わったのは、その時だった。
 重心を変え、損傷を受けた方の脚の負担を軽くする。まるで見えない支えがあるかのように、体勢が正されていく。【レジェンダリーソルジャー】により召喚された高性能AIが戦車の手綱を握ったのだ。
 こうも変わるものですか、と目を見張るソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)だったが、彼女が憶するようなことは無い。
「伝説的な戦車兵を再現したAIとは中々手強そうではありますが……。あくまで本人ではなくただのAI。それならば如何様にもやりようはあります」
 ソフィアは【ガジェットショータイム】により一機のガジェットを召喚する。それは以前、船外活動で彼女が召喚したものとは別の機体だ。ガジェットはふわりと舞うように飛ぶと、戦車へと接近する。
 振り払うように身体を動かす戦車だったがしかし、ガジェットはそれを躱して戦車へと取りつく。直後、歩みを進めようとした戦車が突然たたらを踏んだ。
 ソフィアが召喚したガジェットはAIへの干渉機能を持つ。その能力で戦車が召喚したAIに干渉し、動作を妨害したのだ。結果、自身のAIのせいで正常な動作が出来なくなった戦車は酔ったようなふらついた動きをしたまま、その場から動けなくなった。
 無論、その隙を逃すソフィアではない。的確に【蒸気駆動式機関銃・冥土式】の銃口を戦車へと向けると、雨のような銃弾を敵へと浴びせた。対装甲用弾頭による銃撃が容赦なく戦車の装甲を削る。戦車は銃弾を躱すことも出来ず、その雨に撃たれるしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クリーク・クリークフリークス
テロならテロで綿密な計画が必要である!
このような杜撰なテロは見るに耐えぬ、一刻も早く叩き潰すである!

技能:目立たない5、だまし討ち2、地形の利用2を利用して
普通のタケノコの振りをして気づかれないよう接近し、
あるいは敵が接近するのを待ってアンブッシュをしかけるである!
敵をタケノコ・バタリオンのレンジに入れて
召喚したタケノコ大隊で一気に制圧するである!

宇宙に散ったタケノコ同志たちの仇、今こそまさに討つである!
同志たちよ、我らが闘争は永遠ならんことを! である!



……テロならテロで綿密な計画が必要である! このような杜撰なテロは見るに耐えぬ、一刻も早く叩き潰すである!
 クリーク・クリークフリークス(ブラックタールの戦場傭兵・f02568)の魂の叫びはしかし、彼の心の中に秘められた。それもそのはず、クリークは今、普通のタケノコのふりをして敵に気づかれないようにしているのだ。
 現在、彼は戦場内にある柱に寄り添うように生えている。その姿はもし本物のタケノコであれば確実に収穫されているであろう立派さだ。
 猟兵達の攻撃を受けて損傷を負った二足歩行戦車がクリークのいる場所へ近づいてくる。左右にせわしなく動く機械の目は、未だクリークを捉えられていない。
 クリークはじっと、その時を待つ。
 そして動きがあったのは、機械の脚が黒光りするタケノコの前を通り過ぎようとした時だった。
「宇宙に散ったタケノコ同志たちの仇、今こそまさに討つである! 同志たちよ、我らが闘争は永遠ならんことを! である!」
 クリークは柱の側から飛び出すと、号令を戦場に響かせた。直後、彼の背後に無数のタケノコ大隊がずらりと立ち並ぶ。
 二足歩行戦車は思わず二度見した。
 それでも猟兵の存在を確認した戦車はすぐさま砲身を展開し、攻撃を開始した。銃弾の掃射がタケノコ大隊に襲い掛かる。
 しかしタケノコ大隊は銃弾に怯むことなく、戦車に向かって前進していく。仲間のタケノコがやられようとも、その屍を越えて戦車へと迫った。
 その勢いに押されたのか、掃射を続けながらも戦車が後ずさる。だが、それを好機を見たのか、一気になだれ込んできたタケノコ大隊に戦車は飲み込まれていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リズ・ルシーズ
テロかぁ・・・やっぱり子供も死んじゃうよね

【SPD】
誰かがいれば連携して戦うよ。
まずは【迷彩】【逃げ足】を使って逃げ回りながら、どこが弱ってるか【情報収集】するよ。十分な情報が得られたら【地形を利用】して【先制攻撃】、誰かが戦ってたら【援護射撃】もするつもり!狙うのは今ままでの戦いでついた傷口、【傷口をえぐる】ように擬似刻印による光の【属性攻撃】でまるで【スナイパー】だね。

近づかれたらまた逃げると見せかけて【だまし討ち】【フェイント】で【捨て身の一撃】としてアトゼトアを使うよ、0距離で使えば少しはダメージが通るんじゃないかな!

アトゼトアってあんまり好きじゃないな、発動後どうしても暑くなっちゃう


クリスティーナ・ツァルリーノ
タケノコさんに続きますわ!
他の猟兵さん達と連携してロボの火器を壊して●一斉砲撃に使える火器を無くしますわ!
そして【トリニティ・エンハンス】の3種の魔力を合成、攻撃力を強化した
【ルーンソード】ででっかいロボに颯爽と切りかかります!
こんなおっきい鉄の塊を切るのは初めてですが、私なら多分切れますわ!
猟兵達の連携、そして私の華麗な剣技を見せてあげます!



リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は追われていた。駆ける彼女を、二足歩行戦車が追う形だ。
 さらに戦車は一度は狂わされたAIを最適化して、最良とは言えずとも十分な機動力を確保している。
 リズが踏み越えた床を、二足歩行戦車の脚が亀裂を伴った痕跡に次々と塗り替えていった。
 ……テロかぁ……やっぱり子供も死んじゃうよね。
 戦車の目をくらますために遮蔽物の影を時折潜り抜けつつ、リズは思う。
 少なくとも、銀河帝国にとっては大人も子供も関係なく全てが標的だ。しかしだからこそ、それを止めるためにリズを含めた猟兵達がここにいる。
 リズは振り返り、後方から迫る戦車を捉える。彼女が探しているのは戦車の“泣き所”だ。
 ……狙うなら、傷ついてる脚、かな。
 リズは戦闘で生じた瓦礫の影へと飛び込もうと床を蹴った。だがその姿が影に隠れる前に、彼女の身体に浮かび上がった擬似刻印が光線を放った。
 真っ直ぐに飛んだ光線は損傷した戦車の脚へと届き、直後、内部の部品が撒き散るほどの爆発が発着場を赤く染めた。
 爆発した脚から戦車が崩れ落ち、走っていた勢いを殺せぬまま、床を激しく削りながら滑り込む。
 さらにそこへ飛び込んできたのはクリスティーナ・ツァルリーノ(ダンピールのマジックナイト・f02905)だ。
「私も続きますわ!」
 レガリアスシューズで駆ける勢いをそのままに、戦場内の瓦礫をジャンプ台のようにして、飛んだ。
 倒れた戦車はまだ立ち上がれてはいない。それでも機械の目はクリスティーナを捉えると、展開可能な火器を総動員して宙を飛ぶ彼女に砲火を放った。
 撒き散らすようなその砲火を掻い潜りながら、クリスティーナは宙でルーンソードを構える。そしてそのまま戦車の元へと重力に任せて落下、その勢いを籠めた一撃で砲火を放ち続ける火器群を纏めて薙ぎ払った。
 飛び散る破片から身を逃がすように戦車の車体を蹴って飛び退いたクリスティーナに、リズが並び立つ。
「もう一撃、いけるよね?」
「ええ、もちろん!」
 返答を残して再びクリスティーナが駆けだす。立て続けのダメージで戦車が動けない今がチャンスだ。
 クリスティーナは、自身に魔力を巡らせる。炎、水、風。三つの魔力が彼女の身体を駆け巡り、その能力を高めていく。
 ……こんなおっきい鉄の塊を切るのは初めてですが、私なら多分切れますわ!
 彼女が攻撃能力の強化を選んだのも、その言葉を裏付ける一因だ。自身にみなぎる魔力を膂力の強化へ全てまわすと、未だ動けない戦車に迫る。
「猟兵達の連携、そして私の華麗な剣技を見せてあげます!」
 右肩に担ぐように構えたルーンソードを、クリスティーナが袈裟懸けに振り下ろす。少女のものとは思えない一撃が、戦車を軽々と斬り裂いた。
 だが、彼女は連携と言った。であれば、まだこれに続く何かがある。
 クリスティーナの後方――、そこには戦車の方へと駆けてくるリズの姿があった。
『限定解除、申請、承認』
 リズに内包された人工臓器の限定解除が行われる。
 そしてクリスティーナを後方から飛び越えるように、リズは跳躍した。放物線を描く跳躍の先には斬り裂かれた戦車の姿がある。
 擬似刻印が先ほどよりも輝きを増す。
「うん、いこっ! 始まり[A]は終わり[Z]に、終わり[Z]は始まり[A]に」
 輝きが一際強まったその瞬間、擬似刻印が光を解放する。
 間近で放たれたため、照射する形になったレーザーが戦車を激しく焼き払った。

「アトゼトアってあんまり好きじゃないな、発動後どうしても暑くなっちゃう」
 攻撃後にそう独り言ちたリズに、クリスティーナが彼女を扇ぐような手振りを見せるが、大丈夫だよ、と照れたような笑みを添えてリズは返したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


 倒れた戦車からは火の手が上がっている。さらに時折起こる小規模な爆発は、戦車に与えられた損傷の大きさを示していた。
 だが恐らく――。
 その場にいる誰もがそう感じていた。そしてその予感は現実となる。再び、黒い巨体が立ち上がったのだ。
 しかし、もはや虫の息であることには違いない。
 銀河帝国のテロ計画に終止符を打つため、猟兵達は最後の攻勢に出るのだった。
ボーリャ・コータス
こんなのを野放しにしたくないし
ここで畳み掛けちゃいましょう。
さて、宇宙世界の人たちって、放電現象みたことはあるのかしら?

ミドルレンジから紫電疾駆を放ちます。
技能は属性攻撃5、全力魔法2、高速詠唱3、2回攻撃2、呪詛3で
ユーベルコードの火力を盛って
あと第六感3、学習力1、世界知識5、情報収集2あたりで
敵の弱点を探ってそこをつきます。
それと祈り2で大成功を祈ります。

片付いたら部屋に帰ってのんびりしたいわね。
もう3年くらいは引きこもりたいわ


ソフィア・テレンティア
あと一押し、でございますね。
【蒸気駆動式機関銃・冥土式】で【援護射撃】を行い。敵の反撃の●胴体下部可動式ビームキャノンを誘発します。
敵がUCを発動したらそれに対して【ガジェット】を起動、同種のビーム連射による【ミレナリオ・リフレクション】で敵UCを打ち消しましょう。
そして打ち消した隙に【蒸気駆動式機関銃・冥土式】の掃射でとどめを刺して差し上げましょう。
これで、馬鹿げたテロ計画も終わりでございます。



 踊り子のような装いをしたボーリャ・コータス(ミレナリィドールのシンフォニア・f02027)は再度動き出した戦車に対してすぐさま行動に出た。
「こんなのを野放しにしたくないし、ここで畳み掛けちゃいましょう」
 ボーリャは自身の豊富な知識と鋭い感覚で戦車の弱点を捉えると、すらりと伸びた指先を戦車に向ける。
 戦車もボーリャの動きに反応はしたが、彼女を狙うつもりの可動式ビームキャノンが動かない。どうやらこれまでに受けた損傷で上手く砲身が旋回しないようだ。
 であればと、身体ごと動いて砲門をボーリャに向けようとする戦車だが、彼女はすでに高速詠唱でユーベルコードの発動準備を迅速に終えていた。
「少し環境変数を変えて……プログラムコード改変、アクセス!」
 大気を裂いて、七十五本に枝分かれた紫電疾駆が飛ぶ。まるで投げ網のように放たれたそれは、文字通り戦車の巨体を絡め取った。
 膨大な電気エネルギーは機械の身体には致命的であろう。明るい紫の輝きに包まれた戦車からは無数の火花が激しく散っている。
「片付いたら部屋に帰ってのんびりしたいわね。もう3年くらいは引きこもりたいわ」
 さらに2つ目の紫電疾駆を放つボーリャの、呟きに込められた思いのためか、今日の彼女のユーベルコードは普段よりも強力だ。

「あと一押し、でございますね」
 ボーリャを援護するようにソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)のガトリングガンが火を噴く。
 戦車の装甲を砕く弾丸の掃射はこのまま戦車を沈黙させるかに思えた。だが運悪くといったところか、戦車の可動式ビームキャノンの砲門が何かの弾みで、ぐるり、とソフィアへ向いたのだ。
 これは僥倖とばかりに戦車は残ったエネルギーを注ぎ込み、ソフィアへ攻撃を放とうとする。
 しかし。
「その行動は想定済み、そして、狙い通りです」
 ソフィアが礼をするように頭を下げ、両手でスカートの裾をつまんで軽く持ち上げると、スカートの中からアタッシュケースのような箱が落ちた。
 さらに落ちた衝撃で箱が開くと、その中から巨大な砲身が展開する。それは細部の構造こそ違えど、戦車が持つビームキャノンと同じものだ。
 戦車のビームキャノンの連射がソフィアに放たれる。すると、ソフィアのビームキャノンもまた、ビームの連射を放ったのだ。
 同種の攻撃が空中でぶつかり、相殺する。そして一連の応酬は、ついには戦車のエネルギー切れで幕を下ろすことになる。
 本体を動かすエネルギーさえ費やし、もはや戦車は僅かな駆動音を上げるだけだ。
 ビームキャノンを格納したソフィアが蒸気ガトリングガン【蒸気駆動式機関銃・冥土式】を再び構える。
「これで、馬鹿げたテロ計画も終わりでございます」
 そして放たれた弾丸の掃射に、戦車が一際大きな爆発を起こしたのが、その最後の反応となったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト