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エンパイアウォー㊳~狂い咲き木瓜の花

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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「やあやあ、我が親友の皆、決戦だよ。決戦。えいやあとう! みたいなアレあれ」
 棒付きキャンディをまるでマイクのように君たちに向けながらロリ・ポップ(キマイラのバトルゲーマー・f00655)は切り出す。
 この夏を熱く燃やした戦争もいよいよ決戦の刻を迎える。
「すごいよね、皆。
 あっというまにボス戦だぜ! 君たちの素晴らしい戦いの結果が今というわけだ。ボクなんて柄にもなく感動して、今日なんてめったに食べないコーラ味の棒付きキャンディさ」
 その違いなど対してわからないが、グリモアベースで君たちを迎えるロリ・ポップのテンションは高い。
「おっと、大事なことをいわないと。
 オブリビオン・フォーミュラの織田信長の軍勢の本体は幕府軍が対応してくれるから、君たちは織田信長に集中できるってわけだよ。
 で、その織田信長は先制攻撃を行うのさ。こわいこわい。
 でも君たちが工夫してその先制攻撃に対応して反撃すれば大丈夫さ。
 とはいえ、逆にその準備を怠れば――」
 ロリ・ポップは片手を首元まであげると水平に移動させる。
「首チョンパ。なんてね。冗談冗談」
 彼女は冗談めかしてはいるがその瞳は笑ってはいない。
「まあ、苦戦や、最悪失敗もありうるから、十分に注意して準備を整えるんだよ!
 さあ、君たちのビクトリーを願ってボクぁここで待ってるからね!
 素敵な武勇伝を聞かせてくれたまえ!」


「随分とやってくれたものだな、猟兵」
『魔空安土城』の陥落という未来を第六天魔王『織田信長』は飲み込み笑う。
 魔王たるものはどんなときにも笑っているものだ。
「弥助よ、来い。『魔軍転生』――憑装せよ」
 周囲の空気が信長より放たれる魔素によりゆらぎをみせる。直後『大帝剣、弥助アレキサンダー』が信長の背後に顕現する。
(あいよ、殿様。こんな姿になっても信長様と戦えることが嬉しいぜ)
 弥助の思念に信長はうなずく。
「儂に万にひとつの勝ち目がなくとも――」
(いいや、信長様。貴方ならその万にひとつを得ることができるさ)
「……」
 弥助のその思念に信長は答えずに、口角をあげた。
 そして――戦いの火蓋が切って落とされる。


たぢまよしかづ
 たぢまです。
 おひさしぶりです。
 秘術『魔軍転生』で大帝剣、弥助アレキサンダー』を憑装した、織田信長と一線交えてくださいませ!

 =============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

  第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 みなさまの熱いプレイングをお待ちします。
 
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』弥助装』

POW   :    闘神の独鈷杵による決闘状態
【炎の闘気】が命中した対象を爆破し、更に互いを【炎の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    逆賊の十字架による肉体変異
自身の身体部位ひとつを【おぞましく肥大化した不気味な鳥】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    大帝の剣の粉砕によるメガリス破壊効果
自身の装備武器を無数の【大帝の剣型】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フェリクス・フォルクエイン
連携アドリブ歓迎
「火縄銃も馬防柵もなしに騎馬突撃が止められるか、見せてもらいますよ」
エミリアに騎乗、突撃をかけるように見せかけ先制攻撃を誘い、残像を纏いフェイントをかけ進行方向を急に変えることで炎の闘気の放たれる方向をそらし第六感も頼りに見切って回避を狙います
「当たらなければ、鎖も無意味――」
避けれなければオーラと武器で防御、ダメージ軽減を
凌ぎ切れたらエミリアから飛び降り
「これさえ凌げれば……エミリア!」
この時エミリアもサキュバスに変身してもらいどちらが僕かを迷わせ
「僕はこっちです!」
空中戦を仕掛けつつインフェルノエッジを放ちます
尚、エミリアは天馬に戻ってもらいUCの後に踏みつけで追撃を



「来たか、猟兵よ」
 燃ゆる業火の決戦の場にいの一番に現れたのはフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)である。
「火縄銃も馬防柵もなしに騎馬突撃が止められるか、見せてもらいますよ」
 フェリクスはあえて大声で自分の行動を宣言しながら愛馬にまたがり、魔王織田信長に直進する――。
「愚かな、その愚直なる行動が仇になると知れ――ッ!」
 信長の闘神の独鈷杵がフェリクスに向かい収束して、放たれる。
「待っていました」
 たった髪一筋程度まで信長の独鈷杵をひきつけたフェリクスは愛馬に合図を送り、弾道を見切きり回避する。
 独鈷杵の闘気はターゲットを捉えきることもなく虚空に燃え尽きた。
「当たらなければ、鎖も無意味――」
 フェリクスは口の端で上品に笑みを浮かべる。
「エミリア!」
 まだ何も終わってなどいない。フェリクスは愛馬の背から飛び降りる。愛馬であるエミリアはその『意味』を即座に理解すると、その姿をフェリクスそっくりの姿に変える。
「なにっ?」
 突如二人に増えたターゲットに信長は声を荒げる。
(信長様! あっちだ!)
 弥助の思念に振り向けばフェリクスが誓いの剣を大上段に構えて飛び込んでくる。
「甘いわ、小童!」
 信長は大太刀を襲い来る『フェリクス』に振りかぶる。
「僕はこっちです!」
 その言葉は上空から聞こえた。たった一言。名前を呼ぶだけでいい。
 彼らの連携はそれだけで成立するのだ。
 信長の攻撃に『フェリクス』は血しぶきを上げ、天馬にその姿を戻す。
 その痛ましさにフェリクスは唇を噛むが相棒の作った隙を無駄にすることはできない。
「魔王織田信長!! この忌むべき炎に焚かれて!
 喰らえ! インフェルノ・エッジ!!」
 上空からフェリクスは炎の刃を信長の肩口に叩き落とす。そのインパクトの瞬間に、爆炎が巻き上がる。
 その爆炎を利用し、フェリクスを愛馬を連れ距離をとって信長を睨みつけた。
「おのれ、おのれぇええええ!!」
 信長は赤い目が憤怒に燃え盛る。
 

成功 🔵​🔵​🔴​


「来たか、猟兵よ」
 燃ゆる業火の決戦の場にいの一番に現れたのはフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)である。
「火縄銃も馬防柵もなしに騎馬突撃が止められるか、見せてもらいますよ」
 フェリクスはあえて大声で自分の行動を宣言しながら愛馬にまたがり、魔王織田信長に直進する――。
「愚かな、その愚直なる行動が仇になると知れ――ッ!」
 信長の闘神の独鈷杵がフェリクスに向かい収束して、放たれる。
「待っていました」
 たった髪一筋程度まで信長の独鈷杵をひきつけたフェリクスは愛馬に合図を送り、弾道を見切きり回避する。
 独鈷杵の闘気はターゲットを捉えきることもなく虚空に燃え尽きた。
「当たらなければ、鎖も無意味――」
 フェリクスは口の端で上品に笑みを浮かべる。
「エミリア!」
 まだ何も終わってなどいない。フェリクスは愛馬の背から飛び降りる。愛馬であるエミリアはその『意味』を即座に理解すると、その姿をフェリクスそっくりの姿に変える。
「なにっ?」
 突如二人に増えたターゲットに信長は声を荒げる。
(信長様! あっちだ!)
 弥助の思念に振り向けばフェリクスが誓いの剣を大上段に構えて飛び込んでくる。
「甘いわ、小童!」
 信長は大太刀を襲い来る『フェリクス』に振りかぶる。
「僕はこっちです!」
 その言葉は上空から聞こえた。たった一言。名前を呼ぶだけでいい。
 彼らの連携はそれだけで成立するのだ。
 信長の攻撃に『フェリクス』は血しぶきを上げ、天馬にその姿を戻す。
 その痛ましさにフェリクスは唇を噛むが相棒の作った隙を無駄にすることはできない。
「魔王織田信長!! この忌むべき炎に焚かれて!
 喰らえ! インフェルノ・エッジ!!」
 上空からフェリクスは炎の刃を信長の肩口に叩き落とす。そのインパクトの瞬間に、爆炎が巻き上がる。
 その爆炎を利用し、フェリクスを愛馬を連れ距離をとって信長を睨みつけた。
「おのれ、おのれぇええええ!!」
 信長は赤い目が憤怒に燃え盛る。
 
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です



蘇った元権力者が覇を唱えるなど笑止千万です
幾ら強かろうと所詮は過去の人
現世に来るには冥府に戻って正統な手続きの元また生まれ直すのが筋でしょう
その背後霊共々送り火を灯してあげます!



……
とは言った物の、私の手札に炎を操る術はありません、送り火は戦闘が終わった後に灯します


相手の攻撃を私のユーベルコードのワイルドエールで迎撃しつつ接近
相殺し切れなかったのは【オーラ防御】で防ぎ、更には【激痛耐性】でやせ我慢!
愛刀の白嵐玉椿で【鎧無視攻撃】を叩き込んであげます



「蘇った元権力者が覇を唱えるなど笑止千万です!!」
 言ってフェリクスの横を通り過ぎるは弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)。
 目の前の魔人は人の領域を超えたもの。
 しかして――所詮は過去の人物なのだ。過去の人物が今を生きるものに負ける謂れなどはない。
 銀花はそう思う。
「ウォオオオオオオオ!!!!」
 彼女にできるソレはたったひとつ。彼女には炎を操る術などない。
 眼前の信長は右の手を振り上げる。魔素が信長の腕を包み込む。
 信長の右の腕は見る見る間におぞましく肥大化してゆく。
「!!」
 銀花が攻撃するより早く信長の肥大化した漆黒の鳥は銀花を穿つ。
「くぁっ!!!!」
 黒の鳥に食いつかれたその場所から銀花は生命力が奪われていくことに気づき、背筋を冷たいものが走る。
 オーラ防御で防いではいるものの、余波は彼女の体をじわじわと蝕んでいく。
「現世に戻るには正当な手続きの後、自分が誰であったかも忘れ、新しく生まれ変わるのが筋ってもんでしょう!!!」
 体が痛い。
 それでも彼女は持ち前の負けず嫌いとそして、激痛耐性で耐える。
 耐性があってなお体を蝕む痛みに活をいれる。
 自分でもわかっているそれがただのやせ我慢で、この場で倒れてしまえば、楽になれることくらい。
 それでも銀花は歩みをとめない。きっと今の自分の歩く速度は蟻にも劣るだろう。
 それでも――!
 その小さな一歩がこの後にくる仲間たちへの花道になるはずだと、銀花は歩を止めることはない。
「その背後霊もろとも、送り火を灯してあげます!」
 銀花は愛刀――白嵐玉椿を鞘から抜くとダン、と踏み込み鎧無視攻撃を信長に叩き込み、そのまま意識を手放した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

フィーユ・エバーラスト
「炎と雷の衝突か、随分と派手になるだろうね。ふふ、とてもワクワクする。キミはどうだい?」
身体を活性化する雷がそこかしらに漏れ出し、鎧を作り出す
唯一露わになっている顔は不敵な笑みを浮かべる
「果たしてそれが、ボクの前で出来るかな?」
炎の闘気を【見切り】銀雷の【オーラ防御】で弾きながら
【ダッシュ】で距離を詰め刺突の間合いに入る
「さあ、雷鳴よりも僅かな一瞬を、キミは掴めるかな?」
〈鱗界雷〉で敵の攻撃を読みながら〈銀雷〉を纏って剣戟
隙を見て『刺奏滅殲衝』を放つ
「へえ……今の一撃で身体中の血が煮えたぎってるだろうに、まだ立っていらるんだ」
「まあ、ボクに鎧を使わせたんだ。この程度で音を上げて貰っては困る」



「炎と雷の衝突か、随分と派手になるだろうね。ふふ、とてもワクワクする。キミはどうだい?」
 銀花を抱き上げ、近隣にいた猟兵に彼女を預けたフィーユ・エバーラスト(銀帝・f01873)は自らの体から湧き出す雷を身に纏わせてゆく。
 やがて彼女の蒼雷は彼女を守る鎧と化す。唯一露わになっている顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
「我が前の障害はすべて排除するだけだ。儂が吉法師の時代なれば、そのように思ったかもしれないな」
 信長はフィーユの動きに反応し炎の闘気を独鈷杵の形に練り上げていく。
「果たしてそれが、ボクに通用するかな?」
 フィーユはその独鈷杵の軌道を読みギリギリで見切る。避けきれなかった闘気はオーラ防御の銀雷で弾くとそのままダッシュで信長の間合いの内側に飛び込んでいく。
 弾ききれなかった闘気がフィーユの頬をかすめ血がにじむがフィーユは一顧だにしない。
 刺突の間合いにさえ入ればそこからは独壇場だ。
「さあ、雷鳴よりも僅かな一瞬を、キミは掴めるかな?」
〈鱗界雷〉で読む敵の動きはまるでスローモーションのように感じる。そのスローモーションの世界からたった一つの隙をフィーユは見つける。
 だん、と踏み込み脇腹にエバーラスト家の当主のみが持ち得ることのできるスカイライト・ブリンガーで刺奏滅殲衝を放つ。
「ぐああああああ」
 信長はその一撃に軽くたたらを踏み膝をつくことだけは避ける。
「へえ……今の一撃で身体中の血が煮えたぎってるだろうに、まだ立っていられるんだ」
 フィーユは自分が高揚していることに気づく。随分と感じていなかったその心の動きに無意識に舌なめずりをしてしまう。
「まあ、ボクに鎧を使わせたんだ」
 鎧なしではこの戦いを制することができないと思わせたその相手。
 刺奏滅殲衝を持ってしても膝をつかなかった相手がいることが――嬉しいと思う。
「この程度で音を上げて貰っては困る。ボクをもっと楽しませておくれよ」
 言ってフィーユはなお一層不敵な笑みを浮かべるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神元・眞白
【SPD/割と自由に】
すごい見た目の2人がいてなんだか不思議。これが見えないプレッシャー。
とは言っても止まっていられないし、やる事はやっておかないと。
こんにちわ魔王さん。素敵な鎧ですけどどこでお求めに?
……飛威、突っ込み入れなくてもちゃんと分かってる。

華を使うなんて綺麗な攻撃。場を彩るならすごく素敵。
相対する前から防御用の人形を用意しておいて、それでの防御。
受けるのは見る為。真似する為。できる人を見習って私も続く為。
飛威と分かれて動いてもう1度使ってもらう様に。「待ち」を隠す演技。
リフレクションは使ってもすぐ打ち消さない様。少しだけ見ていたいし。
混ざり混ざって木瓜の花。今暫く私と踊りましょう



「すごい見た目のふたり……
 魔王さん、素敵な鎧ですけどどこでお求めに?」
 なんて軽口を叩き、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)が歩を進める。
 隣の飛威がなんとも微妙な表情でツッコミを入れようとするのを、眞白は腕をあげて止める。
 わかっているわよ、そんなこと。
 それは虚勢。目の前の魔王からのプレッシャーに萎えそうになる心を追いやるため。
 彼らは言って止まることは無いだろう。だからといって放置などできるわけがない。
 彼女の軽口に反応し魔王信長は大太刀を振り上げる。大太刀からは無数の花びらが浮かび上がる。
 花びらと侮るなかれ。その花弁ひとつひとつが大帝の剣そのものであるのだ。
 だからこそ、危険を孕む花びらであるからこそ、眞白はそれが美しいものだと思った。
「いって!」
 眞白は防御用ドールを自らの前に立たせた。
 無数の花弁がドールをずたずたに引き裂く。
「……っ」
 その光景をみて辛くないはずなどない。だからこそ目を開き見なくてはならないのだ。その技を覚えるために。
 確実にみて、確実に反射させるために。
「飛威」
 短く人形に指示する。
 もう一度その技を見るために。彼女の戦闘における真骨頂は待ち、である。
 しかしソレを敵に気づかせるわけにはいかない。
 信長の花弁が飛威を引き裂いた。
(よくやったわ。あとは任せて)
 ふわりと倒れる飛威を抱き寄せ頬をよせると、眞白はまっすぐに信長を見据える。
「花を使うなんて綺麗、場を彩るならすごく素敵」
「ならば貴様の血で彩ってやろう」
 信長が大太刀を振り上げれば無数の花弁。
 同じように眞白もまた手を振り上げる。虚空からまるで鏡写しのように信長が振りまいた花弁と同じそれが浮かび上がる。
「なに?!」
「ミレナリオ、リフレクション――混ざり混ざって木瓜の花。今暫く私と踊りましょう」
 両者の美しき花弁が混ざりあい、ひとつひとつと相殺されていく。
 この花の輪舞の齎す時間はほんの少しだけ。
 けれども眞白は、不謹慎だとはおもいつつもその時間が長くなればいいのにと思った。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィオレッタ・アネリ
すっごい迫力…ホントのホントに魔王さまってカンジだね
でもエンパイアの人たちを幸せにするために、絶対負けないから!

信長さんの腕が変化したら《クローリス》の眩惑で距離感を狂わせ
《メリアデス》で足元に絡みつく蔦を生やして足取りを鈍らせ
動きを見切りながら嘴が届かないように距離を取るよ

それでも届くなら《ファヴォーニオ》で吹き飛ばして逸らすね

攻撃のチャンスが来たら《春の祝福》で精霊魔術を増幅!

そんなにわたしのコトを食べたいの?
お腹ペコペコだったら、これでもどうぞ

わたしの幻影を纏わせた鋭い枝の槍や真空の渦を
全力魔法と属性攻撃も乗せて、大きく開けた嘴に
カウンターでぜんぶゴチソウしちゃう!

※アドリブ歓迎です!



「わお、すごい迫力、さすがは魔王さま……」
 眞白と信長の花弁嵐を眺めつい、フィオレッタ・アネリ(春の雛鳥・f18638)は言葉をこぼしてしまう。
 その瞬間我にかえりフィオレッタはぱちんと頬を叩く。
 猟兵が齎したこの千載一遇のチャンスを不意にするわけにはいかない。
 魔王を倒せばエンパイアの人々はきっと、きっと幸せになれるはずだ。
 フィオレッタは「そう」なったこの世界で人々の顔に笑顔が戻ることをなによりも切望している。
「いくよ!」
 フィオレッタは震えそうになる気持ちを振り切り魔王に向かう。
 自分は勇者というほどに勇敢ではないとおもう。それでもできることは、小さなことでもできることは在るはずなのだから!!
 さりとて相手は魔王、フィオレッタの攻撃に反応し、頭部を異形化させ肥大化させる。
「おっと」
 花精との契約の環が彼女と鳥頭の距離感を眩ませる。
 左右からはメリアデスの蔦が鳥頭に絡みつくがブチブチとちぎれとんでいく。
 フィオレッタはその隙に下がるがまだなお鳥頭は彼女を追い詰めていく。
「そんなにわたしのコトを食べたいの? お腹ペコペコだったら、これでもどうぞ」
 カルペ・ディウムが無数の花を咲かせ、花でフィオレットを形作っていく。
 美しい花人形には鋭いトゲが潜ませてある。
 鳥頭は花人形をフィオレットと認めその大きな口で頭から食らいつく。
 ――瞬間。
 フィオレットは練り上げていた魔力を。丁寧に丁寧に練り上げていた魔力を放出する。
 ベネディツィオーネ・プリマヴェリレ。春をのぞむ祝詞。
 自らの神性でもって祝福された精霊たちは活性化していく。
 花よ、森よ、風よ――春と豊穣の恵みあれ。
 フィオレット――花の女神(フローラ)――の全力の魔力は大きく、普段よりも幾分も大きく花開く。
 それはきっとエンパイアの花々とそして森が彼女の祝福に答えた証左なのだろう。
 花開いたフィオレットの魔力は魔王を包み、そして弾けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴォルフガング・ディーツェ
アドリブ感激
【SPD・POW】
多少の傷なら自身で応急処置し戦闘続行

死して尚、部下に忠義を尽くさせる度量や良し……全力でお相手しようじゃあないか!

ガジェットを両手爪に変え接近戦
グラップルを初め、使える技能全てを以て相手の攻撃を回避しつつ、水の魔力を纏わせ引き裂いてやろう!

サイバーアイで相手の身体能力・攻撃軌道の分析も行いダメージを与えるよりは回避を優先

信長が痺れを切らし、UCを使用する瞬間を狙い【調律・機神の偏祝】を起動
爪を通じたハッキングで一時で構わない、その魂・肉体を犯しす…!
さあ、ナカまでぐちゃぐちゃにしてあげる!

隙を見出だしたら全力魔法で氷のルーンを武器に纏わせ、命も炎も凍て壊すだけ…!


遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

さて、斬り合おうか信長公。
決闘状態は上等なんだが、燃えたりなんだりってのは余計だな。
闘気の射程距離が分からねぇが、気には気。
殺気をぶつけてその闘気の炎を弱め、懐刀を投げつける。
仮に弱められなくとも、てめぇの方向に飛んできた刀を無視は出来ねぇだろ。
それは隙になる。

隙が出来りゃあ敵の懐へ。
この距離だ、五十を越える斬撃をかわせはしねぇだろう?
風林火陰山雷番外 雷・火
じゃあな。


ナターシャ・フォーサイス
【聖祓】
WIZ
既に導かれた方を呼び、憑依させ己が力とする、ですか。
絆と言えば素晴らしいですが、導かれた方を呼ぶというのは…
…使徒として、見過ごせません。
貴方もまた、哀れな魂として楽園への道行きへと導きましょう。

先制して無数の剣で攻撃してくるのですね。
でしたら、結界を張り弱め、天使たちに相手を任せましょう。
真昼さんが近付き手伝ってくださるようですし、天使を盾に彼を隠しましょう。
彼が動きを封じてくれている間に我々は聖句を紡ぎ、天使たちと共に闇を祓う浄化の光でもって誘います。
憂うことなどありません。
貴方もまた、彼らと同じく楽園への道行きに加わるのです。
どうか貴方の道行きにも、幸あらんことを。


九条・真昼
【聖祓】
絶対先制って狡くね?
ナターシャさんのお陰で首の皮一枚繋がってるけどさ、満身創痍で超痛いんですけど!!
撃沈したフリ……っていうか本当に暫し地面と仲良くして相手の意識から外れよう、うん。
でも転んでもタダでは起きない真昼君なので!
天使の皆さんに紛れてあのチョビ髭野郎に近づいてやりますよ、ええ。
射程範囲に入ったらクイックドロウからスナイピングで奇襲。
俺に注意を惹けたらその隙にナターシャさんに反撃準備して貰う。
間合い詰められたらサイキックブラストで動きを封じるぜ。
「俺に構わずやれー!!」
一度言ってみたかったんだよね、このセリフ……って、ナターシャさん、マジ?それ、俺まで浄化されない?
アーッ!!


霧島・絶奈
◆心情
貴方の憑装と同じ様に、我々も力を束ねる事で力を増す…
個にして群、群にして個…其が猟兵の戦い方です

◆行動
敵の先制攻撃対策として、【オーラ防御】を展開しつつ回避行動
回避しつつ【罠使い】として「敵の視覚や聴覚を奪う」類の罠を設置
上手く視界を奪えたら【目立たない】事を活用し、攻撃場所を悟らせない様に移動
加えて【衝撃波】の【範囲攻撃】を【二回攻撃】で放ち、花びらを撃ち落とします

負傷は【生命力吸収】で回復

『DIABOLOS LANCER=Replica』に【範囲攻撃】の力を込め【二回攻撃】
一撃目は敢えて自分や味方の足元に打ち込み強化効果を得ます
続く二撃目こそが新たに【マヒ攻撃】を加えた本命の攻撃です


大神・零児
先制されるのがわかっているならば警戒は楽になる

2回攻撃使用

第六感・野生の勘・戦闘知識・見切りを用いて攻撃のタイミングを計り、世界知識・地形の利用で部屋の柱、階段、梁等の建築物の構造も利用し、咄嗟の一撃による早業・逃げ足で回避
回避が間に合わないのなら黒剣「黒鞘」で武器受けしカウンターでマルチグレネード(スタングレネードモード)をぶつけUC発動
武器の封印を解く

誘発UC「無双の意識」も全開にし第六感・野生の勘・戦闘知識・見切り・学習力・地形の利用・早業・逃げ足・武器受けで攻撃を回避しつつ、タイミングを見計らい、一瞬の隙でもあれば咄嗟の一撃による早業で妖刀「魂喰」で斬り付け生命力吸収

アドリブ共闘可


甲斐・ツカサ
万に一つの勝機を狙う、その心意気は天晴だね!
でも、それはオレ達にとってはいつもの事
だから、万に一つ、オレがノブナガに一騎打ちで勝ってみせるよ!!

まずは一騎打ちに持ち込む
その為にも闘気で倒れるわけにはいかない!
来ると分かっているなら、覚悟して身構えて、圧縮空気の盾やオーラ、それに足場の畳や床板を踏んでひっくり返して遮蔽にして威力を削げる!

炎の鎖で繋がれれば一騎打ち!
いや、そっちは二人、こっちも送り出してくれたポップさんと併せて二人!

強大な相手だけど、そんな相手との一騎打ち、燃えるし、楽しい!
持てる全ての力を使いながら鍔迫り合いに持ち込んで…光刃解除!
残った短剣を構えて潜り込んで、捨て身の一撃だ!



「死してなお、部下に忠義を尽くさせる度量や良し」
 それはオブリビオン織田信長が、彼ら部下にとって良い主君であったという証左である。敵であったとしてもそれだけは天晴、とヴォルフガング・ディーツェ(絡繰ロマンチカ・f09192)は思う。
 なれば――
「全力でお相手しようじゃあないか!」
 ひゅう、と口笛ひとつ。両手爪に変えた這い穿つ終焉(ガジェット)を構えヴォルフガングは舌なめずりをすると、水の魔力を纏いて舞う。
 電子眼が信長の身体能力をヴォルフガングの脳裏に焼き付ける、振り上げられた右腕がおぞましく肥大化していく。
 焦るな。
 電子眼が脳を酷使するため、脳が痛みを訴えるが気にしている場合ではない。あの右腕の軌道を分析しなくては話にならない。
 着弾は2秒後。
 ひとつ、ふたつ。
 ひきつけて、地を蹴る。
 先程まで自分がいた場所がごそり、となくなっている。
「なにっ……よけただと……!」
 避けただけで終われない。寧ろそこからが始まりなのだ。
 ヴォルフガングは手早く氷のルーンを描き武器に施す。
 「【調律・機神の偏祝】――さあ、開演だ」
 彼は信長の右側に回り込みユーベルコードを開放する。爪が触れた瞬間にハッキング。
 たった一瞬で構わないのだ。
 魔王、織田信長の肉体を、そして魂を――。
 ――さあ、ナカまでぐちゃぐちゃにしてあげる!
 他者を蹂躙するその快楽と愉悦に思わず口元を歪ませる。
 大罪人は数多の心臓を捧げる。
 罪を雪ぐためか、はたまた別の意志か。
 老獪なひとおおかみは健やかなる魂達の為に力を振るう。
「貴様、貴様!!! 貴様ぁ!! 貴様の目をみればわかる。
 きさまとてその手は血に塗れているはずだ! なのになぜ、儂らを厭う!!」
「さあね、その炎が気に入らない、だけかもしれないね」
 信長が炎であるならば自分は氷雪。
 炎も燃ゆるままに凍てつかせて壊すだけだ。
 
「さぁて、斬り合おうか信長公」
 遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は今『大蛇切 景明』という妖刀になる。
 誰かに何かを定められるのは嫌いだ。だから抗う。
 そう、まさに今サムライエンパイアの未来を決めようとしている魔王・信長が許せない。
「決闘状態は上等。燃えたりなんだりは余計だな」
 一度死合えば、勝敗を決するのはひとつ。「氣」だけだ。
 故に彼は殺気を信長にぶつける。
「貴様、誰に向かっていると思っている」
「応よ、魔王、織田信長公そのひとだ」
 景明は懐刀を投げつける。
「なれば、侮るなよ」
 信長に投げたそれは、黒化した信長の左腕に吸い込まれる。左腕はそのまま肥大化し、景明に向かっておぞましき黒鳥となり襲いかかるが彼は一顧だにせず呼吸を整える。
「侵略すること火の如く――」
 火炎が自らを覆う。それは景明の命そのものである火炎。
 この火炎が燃え続ける限り景明の命も燃えていくのだ。
 たん、と地面をける。命の代償は身体能力の強化。黒鳥をかすめるように移動した景明は呼吸を変える。
「燃え盛る炎の如き一撃をみせてやるよ」
 大きく息をはきながら気合とともに発するは敵を灼き尽くし叩き斬る紅蓮の業火。
 黒鳥は燃え尽き、苦しそうな声をあげたかと思えば信長の左腕に戻り業火の中で黒炭と化し崩れ落ちた。
「貴様っ!!」
「まだおわりじゃないぜ。風林火陰山雷番外」
 景明は己の最大限を開放する。怯んだいまこそが最大のチャンスなのだ。この隙を見逃すわけにはいかない。絶対に。
 50を超える斬撃。避けることができるのであれば避けてみるがいい!!
 信長の体に吸い込まれるように景明の斬撃が放たれる。
「じゃあな」
 信長は景明の攻撃をうけその身がぐらりと傾いだ。
 
「すでに導かれた方を呼び、憑依させ己が力とする、ですか」
 それはきっと死してなお解けぬ絆というものだろう。なんて素晴らしい美しいものだと思う。
 しかし――。
 使徒であるナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)にとってソレは看過できぬ所業。
「貴方もまた、哀れな魂として楽園への道行きへと導きましょう」
 ナターシャはその美しいかんばせをほころばせる。正しいこと、を為すために。
「つうか先制攻撃って狡くね?」
 ナターシャより先に踏み込んで反撃を受け、倒れている九条・真昼(嗤ヒ袋・f06543)がつぶやけば、ナターシャは笑顔で結界を展開して小天使を率いる機械仕掛けの大天使に姿を変える。
 しかしてそれは敵を、織田信長を油断させる作戦なのだ。
 とはいえ真昼は相当のダメージを負っていることは否めない。首の皮一枚でつながっている程度だ。
 満身創痍で正直体を動かしたくない。
 撃沈したフリっていうか、実際ほんとにこのまましばらく地面と仲良くしていたい気分ではあるが自分で頬を叩いて気合を入れ直す。
 その瞬間その痛みが折れた肋骨に響いて咳き込みそうになるが我慢する。
 真昼君は転んでもただでは起きないのだ。
 ナターシャが展開する天使たちの中に彼は紛れる。
 多数の天使たちは真昼を隠すように移動する。
 (さんきゅー、ナターシャさん)
 心のなかでお礼をいえば、なんとなくだが機械の大天使がうなずいたような気がした。
 ナターシャは歌を紡ぐ。
 それは天使たちと共に闇を払う浄化の聖句。
「憂うことなどありません」
「儂が憂う、だと?」
 戦地に舞う剣の花弁はすべて天使が受け止めては光になって消えていく。
「貴方もまた、彼らと同じく楽園への道行きに加わるのです」
「笑死! 儂が向かうは煉獄よ」
 信長の言葉にナターシャは悲しそうに目を伏せる。
「いいえ、いいえ、どのような魂も、必ず楽園に向かうのです」
 ナターシャの祈りはオブリビオンには届かないのか――。
 その瞬間信長のよこっつらをBoogie666の弾丸が命中する。
「貴様、死んだはずでは?」
「真昼君、不死身ですんで!」
 軽口を叩きつつ、真昼は次の攻撃の準備を怠らない。体は痛いが男の子は我慢しなくては行けないときがあるのだ!
 サイキックブラストを放ち信長の動きを止める。
 こんなとき、言ってみたかったロマンがある!!
「ナターシャさん!! 俺に構わずやれーーーーー!!!!!」
 よし、めっちゃかっこよかった。ナターシャはそれに頷き、聖句を綴っていく。
「まだ見ぬ楽園――、その一端。我らが同胞を導くため――」
 あれ? 浄化の光、俺まで浄化しにかかってない? 
 真昼は涙目でナターシャを見れば、彼女は穏やかな笑顔のまま。
「ちょ、まって、まってってば!! ナターシャさん!!」
 悪の魔城に聖なる光が弾ける。
「アーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
 真昼の断末魔が聞こえたような気がした。
(まひるくんはのちに無事にぐりもあべーすに帰っています。当時のことは未だになにも話さないようです)

「先に先制されるとわかっているのならば警戒など楽な話だ」
 黒人狼は妖剣を構え、そう嘯く。
 それは決してただの虚勢ではない。彼にはその力があるのだ。
 大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は黒剣を構える。
 第六感、野生の勘、見切り。使えるものは何でも使う。それが彼の戦い方だ。
 この間に入った時点で部屋の間取りは見切っている。いざというときの足場は確認済みだ。
 一歩零児が歩を進めれば思ったとおりに信長の足が肥大化して黒鳥になって自分に襲いかかってくる。それこそがチャンスだ。
 意識拡大。
「妖刀「魂喰」、おきろ」
 零児は相棒に呼びかければノータイムで相棒は起動する。
 その瞬間反応速度が急激に上昇し、信長の放つ黒鳥がまるでスローモーションのように見えた。
「全力でいくぞ!」
 零児は魂喰と共に舞う。
 信長の魂ごとくらわんと。
 しかしてそれは寿命を毎秒削っていく禁断の技。
「それがどうした」
 そんなことなどこの人狼は気になどしない。
 斬り、奪い、食らう、それこそが彼の生きる糧であるのだから。
「貴様ぁああああ!!」
 片足を斬られた信長が怨嗟の声をあげたことに彼は嗤う。
 
 
「貴方の憑装と同じ様に、我々も力を束ねる事で力を増す……」
 そう、彼ら猟兵は個であって個ではない。
 群であって群ではない。
 個にして群、群にして個。それが猟兵の戦いかたなのだ。故に霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は仲間たちが導いてきたこの流れを踏襲し、信長に一矢報いるため此処にいる。
 ここに来るまでに数々の戦いがあった。
 仲間がいて自分がここにいる。
 罠使いの少女は次の誰かのための道をつくる。
 無数の剣の花弁はオーラ防御をもって回避しても貫通してくるものがいくつもあった。
 しかし絶奈は足をとめない。
 この痛みに負けるわけにはいかない。
 剣の花弁に紛れ罠を仕掛ける。
「皆! 耳と目を閉じてください!」
 暗き獣は仲間に端的に伝えると罠を起動する。
 瞬間閃光が魔城を覆う。
「なに?! なんだ! これは」
 閃光の罠は信長の視覚を奪う。
 絶奈の動きはそれだけではとまらない。DIABOLOS LANCER=Replicaをあえて味方の足元に打ち込み強化する。
 仲間の少年が頷くのをみた絶奈は口元だけで笑う。
 罠と、強化とそして――。
 私の役目はまだあるのよ。
 DIABOLOS LANCER=Replicaにはニ回攻撃を仕込んである。
 かつてどこかの世界――銀の雨が紡ぐ生命賛歌のあの世界――であり得た二重の可能性。
 少女は魔王に挑む。
 可能性とともに。
 まるで巨大な槍のように見える巨大な輝ける物体を彼女は召喚する。
 それは別の世界で無数の誰かが願った祈りの形。
 解き放たれたその槍は信長に命中しその動きを止める。
「さあ、ここまでお膳立てしたのですから、できないなんていわせませんよ」

 少年はその言葉(どくぜつ)に頷く。
「万に一つの勝機を狙う、なんてオレたちにとってはいつものことだよ」
 甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は不敵に笑う。
 まだ少年の粋を抜けきっていない彼は熟練の冒険者であり猟兵だ。
 熱き想いを掲げ、少年は信長に一騎打ちを臨む。
 満身創痍の信長は未だ闘気を減じることはない。
 その強きありかたにツカサは怯みそうになるが負けるわけにはいかない。
 麻痺を振り払った信長の炎の闘気が独鈷杵を形作っていく。
 少年は覚悟して盾を身構える。もとより避けるつもりなどはない。
 圧縮空気の盾やオーラを全開に防御はするが、ダメージをすべてこそぎ落とせたとは言えない。
 痛みで気力が萎えそうになる。
 信長と、自分が炎の鎖でつながる。
 これでいい。これでこそ一騎打ちができる!
「一人でなにができる」
 信長の嘲りにツカサは笑う。
「いいや、2対2だよ。貴方は弥助さんと。俺は送り出してくれたポップさんと合わせて二人だ!」
「なるほどな」
 一瞬だけ、ほんの一瞬だけ信長が笑った気がした。
 強大な相手。超えるべき敵。
 相対するには恐怖だってある。だけれでもツカサにとっては楽しかった。
 こんな舞台心が燃えなくてなにが男だ。
 AZ-Light(アズライト)と信長の大太刀が打ち合い鍔迫り合いになる。
「いまだ」
 と少年は光刃解除する。それは短剣であって探検。
 彼自身。ありのままの彼自身をあらわすその短い刃は大太刀に敵うことはないだろう。
 しかし彼は諦めない。
 それは手の中の未来。誰かの不幸を切り開く刃。
 無茶なことをして自分が無事であるとは思ってなどいない。信長とて、この一撃が最後の一撃になるだろう。
 両者共に捨て身。
 故に両者の刃は両者に深く突き刺さる。
「ぐっ」
 少年は痛みを堪え、前に、前に刃を押し出す。
「天晴、なり。是非も無し」
 信長はこほりと口から吐血すると、ぐらり傾ぎそのまま倒れた。
「やった……!」
 少年もまた、同じように倒れ、意識を手放した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月23日


挿絵イラスト