エンパイアウォー㊴~魔空安土城の変をここに
●最終決戦開始
集まった猟兵たちを前に、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は語り出した。
「いやー、なんか今回はいつもより道のりが長かった気がしたよ……でも、それもここで終着点だ」
可奈はそのまま言葉を続けていく。
「ついに……織田信長への道が開いた。敵は、魔空安土城に在り!」
可奈がビシッと人差し指を突き出した――が、ほとんどノーリアクションだったので、ちょっと苦笑した――しかし、すぐに真面目な顔に戻ると続きを話す。
「オブリビオン・フォーミュラ……織田信長。それを討滅すれば――次のフォーミュラが現れるまでサムライエンパイアに、新たなオブリビオンの出現は無くなる」
もしかしたらそれは一時的な泰平の世かもしれない。でも、それでも。この時のために、今まで戦ってきたのだ。
猟兵たちの眼は真剣そのもの。一人一人が、この決戦の重要さを理解し、ここに臨んでいる。
「魔空安土城、織田信長の決戦……」
ここまで聞いた猟兵たちは、次にくる言葉を半ば把握していた。『超高難度依頼』、ではないかと。しかし次に出たのは――。
「『高難度依頼』と認定されている。でも、ここに集まったみんなに、今更逃げる気はない――でしょ?」
えっ、と声が上がる。そう、今までのオブリビオン・フォーミュラよりも弱い依頼と認定されているのだ。猟兵たちがざわつく中可奈が説明に入る。
「織田信長は秘術『魔軍転生』によって、配下の魔軍将を背後霊のように『憑装』させて戦うみたい。それによって攻撃方法も違ってくるのではないか、と予知されている。私のこの説明会から出撃するのは『隠し将・豊臣秀吉』の力を『憑装』した織田信長だよっ」
豊臣秀吉。フェンフェン言っているがなぜか意思疎通はできる異形。すべては信長様のために、という姿勢も相まって強敵になり得そうな予感がする。
可奈は転移先の風景を見て一つつぶやく。
「魔空安土城――今も幕府軍が頑張っているし、上様も、自ら出撃している。せっかくここまでたどり着いたんだ、せっかくここまで無傷で来たんだ――こんなところで、物語を終わらせちゃいけない」
目をつぶってその思いを高ぶらせると再び猟兵たちに向かってその真面目な目つきを向けた。
「さあ――決着をつけよう。今度こそ戦国の世を終わらせてあげよう。この世界の明智光秀は、私たちだ」
可奈はグリモアを取り出すと、祈るように呟く。
「グリモアよ、私たちを今一度――希望へと、導いて」
そして最後に、まるで猟兵たちを鼓舞するように。
「Alea jacta est(賽は投げられた)! 信じているからね、みんな!
立ち返りし戦国に――終幕を! そして――」
一つ区切ると、可奈は叫んだ。
「現在(いま)を生きる、生命ある者に――祝福を!」
●魔空安土城
「遂に来たか、猟兵達よ」
魔空安土城にて、織田信長は状況を見るとそうつぶやく。
「……なれば、エンパイアを滅ぼし、渡来人共の『グリードオーシャン』をも侵略する道筋も、これでほぼ絶たれたか。血塗られし彼奴らの神が如何程の物か、確かめてみたかったが――致し方あるまい」
織田信長は現在魔空安土城で繰り広げられている幕府軍と自身の軍の戦いを眺めながら思考する。
「もはや儂に万にひとつの勝ち目も無かろうが……もし、もしも、億にひとつでもあるのならば――それに賭けてみるのも一興よ」
織田信長からすさまじいオーラが立ち上る。
「秘術『魔軍転生』。サルよ、儂に憑装せよ……!」
『フェンフェンフェーン!』
織田信長の背後に豊臣秀吉らしきものが現れる。これが織田信長の力だ……!
「さあ、来るが良い猟兵よ。その力、儂が見定めてやろう……!」
結衣謙太郎
さあ、始めよう。魔空安土城の変を!
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
最終決戦シナリオは必ず成功するとは限りません。覚悟を持って挑んでください。
こちらもその全力のプレイングに応えられるよう、精一杯執筆していきます。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』秀吉装』
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POW : 黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フェミルダ・フォーゼル
まず初撃を防がないと勝ち目はないのですね。
ですが、凌ぎきった瞬間が勝機かもしれません。全力で防いでみましょう。
無数の秀吉の攻撃を手持ちの武器全てで【武器受け】し【カウンター】迎撃で消滅させる作戦に挑みます。
「銅の剣」によるパリイングに加え、飛行誘導武器「金剛蟲」を体の周りで高速旋回させ【範囲攻撃】。全身を被う「神気」に【破魔】の力を込め触れる者にダメージを与えるオーラとします。
UC発動が間に合えば【神盾】で触れる物を焼く炎の盾を召喚。全身を覆います。
凌ぎきれば、秀吉が消滅した隙を撃って【神盾】を信長に飛ばし攻撃。複数を合成させ熱量と質量を強化。
正念場です。非才なる身の全身全霊を尽くしましょう。
●序
織田信長と遂に顔を合わせた猟兵たち。その中でまず一番槍を取ったのがフェミルダ・フォーゼル(人間の聖者・f13437)だ。
『来るか! ならばサルどもよ、相手してやれ!』
『フェフェン!』
『フェーン!』
サルこと豊臣秀吉が大量に現れ、この階層を埋め尽くそうとする。もちろんそれらが狙うのはフェミルダ1人。
「Guard……」
フェミルダは手持ちの武器をフル活用してその猛攻を止めていく。まずは最初の流れをつかむ。
「Counter……」
同時にその武器で反撃をし、豊臣秀吉の数を減らしていく。まずは最初の波をしのぎ切ることが大事だ。
『ほう、やるではないか』
信長がニヤリと笑みを浮かべる。次の秀吉の波がフェミルダを襲っていく。
「Parry……Rotation……」
フェミルダは剣で秀吉の1体を峰打ちするとその勢いで体を動かし回避していく。同時に周囲に石が舞い、回転しながら攻撃する。
「Aura……」
フェミルダの周りのオーラが破魔のオーラとなり、秀吉にダメージを与え消滅させていく。こうなるともはやフェミルダは無敵に近い。
「Shields……」
フェミルダはさらに六角形の盾状の炎を放ち、全身を覆う。これには秀吉も触れただけで消滅せざるを得ない。穴熊だ。
『ぬう……猟兵よ、サルをしのぎ切るとは……』
秀吉を1回に呼べる数にも限りはある。それをフェミルダはすべてしのぎ切って見せたのだ。――と、その時。
「Shield bash……」
炎の盾が合体していき熱量と質量が増えた巨大な盾となり、それが信長に飛んでいく。カウンターだ!
『ぐっ――』
信長は刀と籠手で身を守るも、ダメージは避けられない。少し後ろに後ずさりしてしまう。
『――は、はは。いいぞ、もっと見せてみろ猟兵よ』
しかしその姿にはまだ余裕が見えた。
成功
🔵🔵🔴
ユース・アルビトラートル
この長い戦、これで終いにしようじゃないか。
この使用UCは被害がある前提で成立する。また、如何なる対象にも全く同じ加害をするものでもない。体格による影響の差や五感の喪失も考慮した結果で同程度の「罰」となる。フェアリーの傷は人間では6倍となるように。
そして、確信には「信長(の指示等)が原因で秀吉が加害した」と認識すれば足りる。俊敏性を生かして認識阻害をする可能性はあるけど、小型でも何十体と小柄なボクに群がると、数も力も俊敏性も活かせない筈。その上で攻撃を受けるよ。でも致命傷だけは頑張って避ける。
因果応報。呪いのようにすべての暴力が清算される。もうやめるか……それとも、続けるしかないのかい?
「この長い戦、これで終いにしようじゃないか」
ユース・アルビトラートル(見据えるもの・f03058)も果敢に織田信長に向かっていく。
『面白い、ならばこれを耐えてみせよ』
信長がユースに秀吉軍団を放つ。俊敏性を生かして認識阻害をする可能性はあるが、小型でも何十体と小柄なユースに群がると、数も力も俊敏性も活かせない筈――そう思ってユースは防御態勢を取る。狙うは、『信長(の指示等)が原因で秀吉が加害した』という認識――
――だが、甘かった。
秀吉たちの物量作戦は予想より激しく、あっというまにユースの視界を埋め尽くし、ユースは確実にその中で攻撃を喰らっていく。致命傷だけは頑張って避けているつもりだが、攻撃を受けているうちに確実に意識は遠のいていく。
(もしかして、このまま認識できないままやられるんじゃあ――)
そう、このコードのトリガーはその認識なのだが、認識できない、視界に捉えられないのでは意味がない――
(――いや、待てよ)
薄れる意識の中でユースははっと気が付いた。
(面白い、ならばこれを耐えてみせよ――そう言って信長が秀吉を放った。で、その秀吉が今ボクをこうして痛めつけている――なら)
そこでユースははっ、と目を見開く。
(証拠は――十分!)
その瞬間、コードが発動する。
『所詮この程度――』
信長はそう呟こうとした次の瞬間、目を見開いた。目の前でもみくちゃにしていた秀吉たちが突然消滅したからだ。
「――判決を言い渡す」
その中から現れたユースがゆっくり織田信長に近づく。
「被告人、豊臣秀吉、および、織田信長、貴殿らに――『同害刑』を言い渡す」
言いながらユースが剣を向けた瞬間、信長の身に激痛が走る。それは、【ユースが受けた傷とほぼ同じ、それを人間サイズに増加したもの】――
『ふ――ふふ、は、は、は、は――そうか、貴様が受けた傷、それが儂に呪いとなって帰ってきているのか! それが貴様の力か!』
「そう――因果応報。呪いのようにすべての暴力が清算される。もうやめるか……それとも、続けるしかないのかい?」
『決まっている』
信長は愚問というように微動だにしない。
『それが儂らの【在り方】よ。この程度で折れていては戦国の世を掴めぬ』
信長の眼は野心にあふれており、一歩も引く気はなさそうだった。
成功
🔵🔵🔴
青霧・ノゾミ
奏楽【f13546】と
僕は主にフェンフェン対応。
奏楽が突っ込むよね?
フェンフェンがいっぱいか…。
集団に同時に全方位から囲まれると厄介。
なので、それを避けるため氷嵐でフェンフェンの足元を攻撃。
フェンフェンは飛び跳ねて避けてから、こちらへ来ると思う。
動きは読みやすくなるよね。
避けて飛んできたところを氷嵐(高速詠唱)で再度落とす、
もし至近距離へかっ飛んで来たら氷刃で叩き落とす。
信長さんにも、信長さんなりの考えってあったんだろうけどさ。
……違ってたんだ。
僕らと。
あまりにも違ってた。
犠牲と苦しみ、悲しみの上に立ってるあなたを討伐する。
重なった恨み辛みと共に、骸の海へお還り下さい。
未来は、僕らが切り拓く。
天海空・奏楽
ノゾミ先輩【f19439】と
信長と決戦! すね!
緊張してるっす!
先輩が追い立てた秀吉を、狼牙棒で薙ぎ払い(範囲攻撃)します。
ジャンプしたら落とすだけっす。
空中で逃げられないところを狙うっす。
まずは秀吉を討伐……
てか、信長は全秀吉が討たれるまで呑気に観戦してるんでしょうか。
秀吉の波にのってこっちへ来るってんなら、俺が相手します!
光剣で多段攻撃して凌ぐっすよ。
一撃で倒れるような相手じゃあねえんで、
剣の間合いへ近づいて、至近距離で【聖天審判】でバンッっと。
遠くから指差してバレるよか良いかなっと。
むしろUCが本命の攻撃っすわ。
剣の動きに紛れて読まれないように発動させますよ、っと。
必ず打倒してみせるぜ!
●破
「信長さんにも、信長さんなりの考えってあったんだろうけどさ」
青霧・ノゾミ(氷嵐の王子・f19439)が落ち着いた瞳と声色で信長を見つめながらつぶやく――が。
「……違ってたんだ。僕らと。あまりにも違ってた」
『ふん、今更……現代の者と儂で考えが違うのは往々にあることよ』
「ええ……だからこそ、僕らは犠牲と苦しみ、悲しみの上に立ってるあなたを討伐する。重なった恨み辛みと共に、骸の海へお還り下さい。未来は、僕らが切り拓く」
『何を言うかと思えば、そのような――そのようなこと』
信長は秀吉を再び大量召喚しながら眉も動かさず。
『そのようなものをいちいち気にしていては、儂らは全く動けぬ。戦国の世は弱肉強食、感情の共感をいちいちしていては野望に飲まれる。のう、サル?』
『フェンフェン!』
秀吉たちが一斉に共感を示す。数が多いからなんかステレオみたいで怖い。
「やはり――なら、行きましょう。私たちとあなたたちのどちらが未来を切り開くか」
『来い』
信長の合図で秀吉が一斉にノゾミに襲いかかる。このまま四方を包囲されては厄介なことになる――
「凍れ!」
ノゾミは秀吉の足元を目掛け、素早く氷の魔法で攻撃。もちろん秀吉はそのような攻撃は見え見えと言わんばかりに飛び跳ねて避けながらノゾミに向かう。
――ここまでは計画通りだ。これで動きが読みやすくなった。すぐにもう一度詠唱をする。今度は秀吉本体狙いだ。命中して消えたのもいれば、急降下して一命をとりとめた者もいる。
「奏楽!」
「はいっす、先輩!」
落ちてきた秀吉たちに一気に薙ぎ払いを決める天海空・奏楽(道士見習い・f13546)。落ちてきた瞬間という一瞬の隙のうちに決めるコンビネーションだ。加えてそれが空中ならば、まず回避行動をすることは難しい。体制が崩れて落ちているのなら、踏み込むことができないからだ。
『面白い、だが儂はただの軍師ではない』
続く秀吉の波に乗って信長本人が刀を構え襲い掛かってくる。
(くっ、やはり来たっすね)
奏楽が光剣で信長を相手取るもやはり経験の差というべきか、打ち合ってもすぐに刀により剣が弾かれてしまう。必死に手からは放さないようにしているが、それも時間の問題か――
「奏楽、合わせるよ」
秀吉たちを軒並み片づけたノゾミがここで氷刃で信長との近接戦に乱入!1人だけでは無理でも、2人いれば、例えば態勢が崩された片方の代わりに凌ぐことも、火花を散らしてつばぜり合いしている隙に顔を狙って斬りかかることもできる。そして何より、これもできる――
『っ!』
突如、信長が天からの光に刺された。これは何なのか、3人目がいるのか。否、奏楽のコードだ。奏楽はつばぜり合い中に右の親指を少し放して信長を指さした。そうすれば指さすことがトリガーとなるこのコードを発動できる。そしてつばぜり合いでこのような死角からの攻撃をすれば、相手には怯みができる。
『む――』
「もらったっす!」
このチャンスを逃す2人ではない。一気に信長の体勢を崩させるとまず奏楽が一撃、そして合わせてその上の方にノゾミが一撃。そしてノゾミだけが後ろに下がっていく。
『ふ、なかなかやるようだな猟兵ども。そうでなくては面白くないものよ』
確かに傷こそつけはしているが、まだ信長には余裕があるように見えた。それは舐められないようにするための見栄か、あるいは――
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
神城・瞬
織田信長、これ以上の犠牲を防ぐ為に。ここで貴方を討ちます。
まずは先制攻撃を凌がねばなりませんか・・・【衝撃波】【範囲攻撃】でで纏めて吹き飛ばす事を狙い、【衝撃波】の範囲から逃れてきた相手は【誘導弾】【吹き飛ばし】で撃ち落しを狙います。もし突破されてきたら【オーラ防御】で被害を軽減した上で【属性攻撃】で攻撃。
先制攻撃を凌ぎきったら【オーラ防御】を常時展開しつつ【高速詠唱】【全力魔法】でありったけの凍てつく炎を全部合体させた特大の凍てつく炎を盾のようにして放ち、接近。【属性攻撃】【二回攻撃】で思いっきり殴ります。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】も乗せます。
●急
「織田信長、これ以上の犠牲を防ぐ為に。ここで貴方を討ちます」
神城・瞬(清光の月・f06558)は戦士として織田信長の前に立ちはだかる。
『その意気やよし。だが、このサルの軍団からは逃れられまい』
押し寄せる秀吉の波に瞬は衝撃波でまとめて吹き飛ばすことを狙い、そこから外れた――上空や死角から攻め込んでくる秀吉を呪いの凍てつく炎で撃ち落しを狙う。誘導されるように秀吉が動き、衝撃波の前に散る。1つの誘導弾から逃げるように動いていたら別の攻撃に当たってしまうのはよくある話だ。集中の向く方向の話である。
秀吉があらかた片付き、信長に接近できる――そう見切った瞬は呪いの凍てつく炎をまとめだす。1つ1つは小さくても、それを束ねれば、その大きさは――あれ、これどっかで見たような。
「これは見た目通りの炎ではないですよ? 覚悟!」
盾のようにその巨大な炎を放った瞬はそれを追うように信長に接近――
『その攻撃はすでに見切ったわ』
瞬が一瞬驚いた表情をする。信長はその刀で炎を受け流し、続く瞬に万全の態勢で下段から斬り上げる。
瞬が杖でその攻撃を防ぐが、所詮は刀と杖。長くはもたないだろう。
「ちっ――なんで、オレの渾身の攻撃が――」
『ははは――発想はよかったがな、儂もコルテスほどではないが、一度見た攻撃への見切りくらいできるものよ』
そう、すでにシールドとした炎を吹っ飛ばすという発想をした猟兵は前にもいた。それを素早く呑み込んで、次にこのような攻撃が来たときどうするかを見切ったというのだ!
(くっ、ばかな――)
つばぜり合いするにも杖が折れてしまう。瞬は信長の腹を蹴飛ばして体勢を立て直しにかかるが、そこには大量の秀吉。これはしくじったか、と考えた、その時――
苦戦
🔵🔴🔴
メンカル・プルモーサ
グリードオーシャン、ね…興味を惹かれるのは確か…
…やり方が違えば…まあ、言っても仕方ないか…
…さて、一匹ぐらい持って帰りたい小型秀吉だけど…
強さがほどほど、そして小型だけに耐久力が低い…
…なので、秀吉からの攻撃に対してオーラ防御により障壁を展開…
…障壁が秀吉達の攻撃を防いだ瞬間に遅発連動術式【クロノス】により連動させた爆破術式で広範囲を爆破して秀吉達を撃破するよ…
…そして爆発で発生した煙に紛れて【縋り弾ける幽か影】を発動…
…あとは自爆ガジェットが近寄って爆発するまで…炎や氷の術式で牽制しつつ…私自身を囮として時間稼ぎ…
…ガジェットの自爆に合わせて全力魔法による炎の剣を叩き込むよ…
「障壁展開……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)がすぐに障壁を張って秀吉の攻撃を防いだ! え? 先制? これは技能なので先制は入りません。
『む、障壁を張ったか……ならば、それごとつぶすのみよ』
信長がさらに大量の秀吉を召喚する。というかここまで何百体の秀吉が出てきたんだ? みんなWIZで来すぎだろ!
「一匹ぐらい持って帰りたい小型秀吉だけど……」
オブリビオンをペット!? 好奇心強いな!
「……無理なら、滅ぼさないといけない。で、強さがほどほど、そして小型だけに耐久力が低い……ならば」
メンカルは指を鳴らして先ほどの障壁に展開していた術式を発動する。それは爆破の術式。障壁ごと爆破して秀吉たちを吹き飛ばす魔法。しかしその目的はただ秀吉たちを吹き飛ばすことだけではない。
爆破による煙の中、青い魔方陣がメンカルを覆うように展開される。中心のメンカルはひとつ、呪文の詠唱を開始する。
「忍び寄る破滅よ、潜め、追え。汝は炸裂、汝は砕破。魔女が望むは寄り添い爆ぜる破の僕」
それは忍者並みに見つけにくい自爆機能付きのガジェットの召喚魔法。相手に縋り、そして弾ける幽かな影。
詠唱が終わるや否や煙に紛れるように圧縮格納術式【アバドン】から取り出したハンカチで口を押えて煙を吸わないようにしつつ右手から炎や氷の魔法を信長に放つ。
『ちっ、この煙ではまともに見えぬか……』
信長も刀で炎や氷を弾き、そして煙から現れたメンカル自身にそのまま真一文字に傷をつける。制服に赤いしみができ、膝をつくメンカル。
――だが。
「……よかった、これで」
『ほう? 何がだ?』
「……信長を倒す、時間稼ぎができた」
『時間稼ぎだと? 何の――』
その時、信長の全身に痛みが走る。ガジェットの突撃、爆破の自爆特攻が到着したのだ。火薬の知識がある信長ではあるが、では実際に爆発や暴発を自分の身で受けた時、どう守るべきかというのはそうそうわからない。加えて、戦闘による痛み、疲れが反応を鈍らせていく。
『くっ――』
「……織田信長。これで、終わり……」
落とした左手のハンカチが、何かの一振りで燃え始める。そう。メンカルが左手で構えたのは魔法による炎の剣。
たとえ自分が傷ついても、たとえ己が囮でも、たとえ自分が死にかけても。
――それでも、これで、終わらせる。
「……っ!!」
両手にしっかり持ち、上段に構え、しっかり踏み込んで、飛び上がっての一撃。
それはあからさま故に、普通ならすぐに防御される。
信長も刀で防御をする。が、籠手の部分で起きた爆発が信長からその刀を手放させる。
『馬鹿な――』
一瞬。その一瞬でいい。
メンカルはその首を――焼き払うように斬った。
『見事――』
声帯が離れしゃべれなくなる前に、信長は最後にそうつぶやいた、気がした。
転げ落ちる信長の首。幕府の武将とかならこれを掲げて、敵将、織田信長、討ち取ったりとか言うところだろう。
しかしメンカルは無口系の少女である。そのように声を張り上げることもせず。
「グリードオーシャン、ね……興味を惹かれるのは確か……」
信長の首を拾い上げながら。
「……やり方が違えば……」
それを掲げることもせず。
「……まあ、言っても仕方ないか……」
適当にその場に転がし、この場を後にするのだった。
成功
🔵🔵🔴