●
「集合お疲れ様。いよいよ織田信長との決戦だね」
グリモア猟兵の花凪・陽(春告け狐・f11916)は集合した猟兵へと一礼し、真剣な表情で説明を始めていく。
「オブリビオンフォーミュラ、第六天魔王『織田信長』は間違いなく強敵だよ。『魔軍転生』っていう術を使って他の魔軍将を憑装する能力を持っているらしくて……」
相手はオブリビオン・フォーミュラだ。
魔軍将の能力だけでなく、元々の信長自身の実力も無視は出来ない。
「織田信長は必ず私達より先に動くんだ。だから『どのように先制攻撃を防いで、どのように反撃するか』の対策を立てる必要があるよ。攻撃の傾向は伝えられるけど……対策の内容はそれぞれ思いつく手段で頑張って欲しい」
今回陽が予知したのは隠し将『豊臣秀吉』の力を憑装した織田信長だ。
「予知出来た攻撃は三種類。
一つ目は『秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍を放つ技』。信長を中心に放たれる技だけど、攻撃範囲が広いから気をつけて。
二つ目は『秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆う技』。これで凄いスピードで動いたり、攻撃の速度を速めるみたいだね。
三つ目は『小型の豊臣秀吉を呼び出す技』。小さい秀吉は跳ね回ったりビーム攻撃をしてくるよ。数は多いけど一撃で倒せるから上手く対処してね」
一通り必要な情報を話し終わった陽は再び猟兵の方を向き、表情を明るい笑顔へと変える。
「ここまで皆が頑張ってくれたから、信長との決戦に集中出来るようになったんだよ。だから皆は思う存分信長と戦ってきて」
そう言うと再び一礼し、転移の準備を整えて。
「……そして絶対に無事に帰ってきてね! それじゃあ、気をつけて!」
ささかまかまだ
●特別ルール
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
●
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●
こんにちは、ささかまかまだです。
いよいよ信長との決戦です。
この依頼は難易度「やや難」となります。判定もそれ相応にさせて頂きます。
決戦らしく全力で頑張って下さい!
今回は戦争シナリオですので、青丸の数がオーバーキル気味になりそうな時等はプレイングを却下させていただく場合がございます。ご了承下さい。
また戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』秀吉装』
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POW : 黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御倉・ウカノ
アドリブ・連携歓迎
判定:WIZ
やっと親玉の登場かい。わかっちゃいたがとんでもない難敵だねぇ。こっちも出し惜しみは無しだ、最初から全力でいかせてもらうよ…!
魔軍転生…豊臣秀吉の力を使ってくるのかい。一匹だけでも面倒だってのにわらわら湧いてきやがって。だが、耐久力自体は大したことなさそうだ。なら、相性は悪くない。秀吉ごと狐薊に飲み込まれてもらうとするよ。
この場合一番やってもらいたくないのは分散されることだね。それをさせないために、敵のUC発動後に全力で『ダッシュ』して近づいて敵が分散する前にUCで一網打尽にしてやろうじゃあないか。
「あたしから20間は全て攻撃範囲だ。秀吉諸共狐薊に飲まれちまいな!」
●
魔空安土城内部にて。
第六天魔王『織田信長』は静かに猟兵達の到来を待っていた。
そして彼の元を目指す猟兵達もその圧倒的存在感を感じている。
これが最後の戦いだ。互いに全力を出し切り、この世界の存亡を決める時が来た。
「やっと親玉の登場かい。わかっちゃいたがとんでもない難敵だねぇ」
最初に信長の元へと辿り着いたのは御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)だ。
酒気を帯びた彼女の顔は少し紅く染まっているが、纏う雰囲気は真剣そのもの。
ウカノの姿を見た信長も真っ直ぐに彼女の事を見つめている。
「遂に来たか、猟兵よ。この戦いは貴様達に分があるが……儂も最後まで手を抜くつもりはない」
「こっちも出し惜しみは無しだ、最初から全力でいかせてもらうよ……!」
互いに武器を構え、一瞬だけ静かな時が流れ……そして二人の戦いの幕が上がった。
「秘術『魔軍転生』……来い、サルよ!」
先に動いたのは信長だ。彼が刀を掲げると、その影から無数の黒色が飛び出した。
それは小さな豊臣秀吉の集団だった。秀吉達は一斉にウカノへと向かっていき、腹部の模様を輝かせ始める。
このままでは大量のグレイズビームがウカノを穿つだろう。
「魔軍転生……豊臣秀吉の力を使ってくるのかい。一匹だけでも面倒だってのにわらわら湧いてきやがって」
勿論ウカノも黙って攻撃を食らう訳ではない。彼女も臆せず秀吉達の方向へと走っていき、愛用の大太刀へと力を籠める。
秀吉達が最初に一斉攻撃を行おうとしたのは幸いだ。ウカノが一番恐れたのはすぐに分散される事態だった。
だが秀吉達は機動力も高い。ビームを撃てばすぐに散らばり、信長と連携して苦しめてくるだろう。
ならばそれより先に相手を叩く!
「臨兵闘者皆陣列在前! 我が劒はこれより禍者を打ち祓うものとなる!」
ウカノは走りつつ印を結ぶ。それに合わせて大太刀は狐薊の花弁へと姿を変え、ウカノを中心に花の嵐を生み出し始めた。
それと同時に秀吉達の腹部の輝きが増し、一斉に漆黒の光線が放たれる。
「これぞ御倉流巫女神楽『狐薊』なり! あたしから20間は全て攻撃範囲だ。秀吉諸共狐薊に飲まれちまいな!」
漆黒の光線を打ち消すように、凄まじい勢いで狐薊の花が舞う!
花の嵐は次々にビームを撃ち落とし、小さな秀吉ごとかき消すように城内を駆け巡った。
花弁を攻撃に使う以上、全ての光線に対応するのは難しい。そのいくつかはウカノまで到達し、その手足を掠っていく。
それでもウカノは決して攻撃をやめない。狐薊が信長まで辿り着き、彼の鋼鎧にも傷を付けているのが見えたからだ。
「成程、これが貴様等の力か」
攻撃は始まったばかり。信長もまだまだ余裕のように見える。だがその表情に苛立ちの色が混ざり始めたのもまた事実。
「ああ、みんな全力さ。勿論あたしもだ!」
ウカノは信長の様子に確かな手応えを感じ、まだまだ狐薊の嵐を展開していくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ヘンペル・トリックボックス
……成程、どの歴史の上であろうとも、貴方がた二人の生き様に変わりはないようだ。これもまた一つの宿縁、心して臨むとしましょう。えぇ、紳士ですので……!
【高速詠唱】で手持ちの五行符全てに【破魔】の気を籠め、無数の桜の花びらへと変化させます。
秀吉の群れが固まっているところには火行符と木行符を活性化させ【範囲攻撃】化した紅蓮の桜吹雪を。
ビーム等の攻撃がくるなら土行符と金行符を活性化させ障壁に。
すばしっこく逃げ回るなら水行符を活性化させて氷の桜吹雪で足止め。
敵の動きに柔軟に対応しつつ、隙を見計らって信長本体に【全力魔法】で更に【破魔】の気を籠めた火【属性攻撃】の桜吹雪を叩きつけるとしましょう。
●
次に戦場へと訪れたのはヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)だ。
彼が目にしたのは猟兵と戦う信長と秀吉の姿。互いの鬼気迫る戦いぶりを見てヘンペルは呟く。
「……成程、どの歴史の上であろうとも、貴方がた二人の生き様に変わりはないようだ」
ここにいるのはヘンペルが暮らすUDCアースの彼らとは別の存在。
だがその姿を見て感銘を受ける気持ちは変わらない。
ならばこれもまた一つの宿縁、心して挑むとしよう。
「えぇ、紳士ですので……!」
決意と共に五行符を広げ、紳士もまた戦場へと躍り出る。
「サルよ、再び力を貸せ!」
ヘンペルの存在に気付いた信長は、再び影から秀吉達を呼び出した。
先程の戦いではすぐに攻撃の構えを取った秀吉達だが、今度はいくつかの塊に散らばって跳ねていく。
ひたすらに動いて撹乱する者、光線の構えを取る者、信長を守る者。様々な秀吉が戦場を覆う。
だがヘンペルは焦らない。
意識を手元の符へと集中すると、それは色とりどりの桜へと姿を変える。
「ホリデイにご招待いたしましょう」
世界の命運を決める戦の場であろうと余裕と優雅さは忘れずに。
破魔の力を纏った桜吹雪は秀吉達の黒を塗り潰す。
まずは秀吉とは違った黒氷の花弁が城内を覆い、冷却の理で彼らの足を止めていく。
跳ね回る秀吉達の身体は凍りつき、次第に動きが鈍くなり始めた。
そして秀吉の足が止まればヘンペルはすかさず赤と青の花吹雪を展開して。
二色の桜は次第に炎へと姿を変え、紅蓮の嵐が秀吉達を燃やし始めた。
だが如何せん敵の数も多い。撃ち漏らした秀吉達は、自らが炎に呑まれるであろう事も厭わずにヘンペルへと向かっていく。
彼らは一斉に腹部の模様を輝かせ、ヘンペルに一矢報いるべく漆黒の光線を撃ち出した。
「そちらの覚悟、確と受け止めました。ならばこちらも全力で応えさせて頂きます」
今度はヘンペルの周囲に白と黄色の桜が舞う。花弁は彼を守る障壁となり、秀吉達の光線を打ち消していく。
その間にも広がる炎は秀吉達を燃やし、残るは信長ただ一人。
「……来い、猟兵よ!」
「ええ、貴方も招待させて頂きます」
ヘンペルは桜を自身の周囲へと集めると、全て赤色に染め上げた。
紅蓮の桜吹雪は一斉に吹き上がり、暴風のように信長へと向かっていく!
信長も刀を振るって桜吹雪を弾いていくが、勢いは炎の方が強い。
彼の鋼鎧は更に傷つき、信長の表情にも苦悶の色が浮かび始めた。
ヘンペルもその様子に気付いたが、彼の表情は普段と変わらない。
戦況がこちらへ傾こうとも決して油断はせずに。ヘンペルはあくまでも紳士的に魔王へと立ち向かっていた。
成功
🔵🔵🔴
リューイン・ランサード
信長さん、どう見ても強いですよね<汗>
正直、逃げ帰りたいところですが、戦争終わらせる為に頑張ります!
信長さんの攻撃(多数の黒槍)には。翼を広げ空中に移動して距離を置き、【空中戦、第六感、見切り】で回避したり、【ビームシールド盾受け、オーラ防御】で受け止めたりして対応し、先制で倒されない様に耐える。
UC:オリジナル・ライトを発動したら、万物を光に帰す『創世の光』を長い両手剣状態に固定。
更に【光の属性攻撃】を籠めて強化。
攻撃は【属性攻撃、空中戦、見切り】で、空中高速移動を行いつつ、信長さんの動きを見切ってタイミングを捉え、信長さんに『創世の光』で斬り掛かる!(防御も忘れません)
信長さん、行きます!
●
リューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)は目の前で繰り広げられる猟兵達と信長の戦いを前に、少し焦ったような表情を見せていた。
信長はどう見ても強い。形勢は猟兵側に傾いているが、それでもその存在感は未だに圧倒的だ。
正直、逃げ帰りたい。でもこの戦いを、戦争を終わらせなければ。
「……頑張ります!」
小さく気合を入れて、リューインも戦場へと駆け出していく。
信長もまた彼の存在に気がつけば迎撃すべく身体に力を篭め始めた。
「鎧は砕けつつあるが……サルよ、まだ戦えるな!」
彼の叫びに応えるように、信長の鋼鎧が黒に染まる。
そして彼を中心に無数の黒槍が放たれ、リューインを刺し貫こうと飛来した!
「ここで耐えます……!」
リューインは赤い翼を広げて城内を飛ぶ。
信長とは出来るだけ距離を取りつつ、飛来する槍は出来るだけ見切るように。
飛び回るだけでは凄まじい数の槍には対応出来ない。ならば前方にビームシールドを展開し、身を守りつつ動くように気をつけて。
だがやはり敵の攻撃は圧倒的だ。数本の槍はリューインの防御をすり抜けて、彼の身体を傷つけていく。
しかし防御の甲斐もあって致命傷は避けられていた。
怪我をするのは痛いし怖い。逃げ出したい気持ちは未だに胸の内にある。
それでもリューインは逃げない。まだ戦える、出来る事はある。
防御をし続けていれば飛来する槍の数は減り、信長にも隙が見えてきた。ならば今度はこちらの番だ。
リューインはエーテルソードと流水剣を手元で重ね、自分自身に誓いを立てる。
「この戦いからは逃げません……始原の元素と光の剣よ、今此処に一つとなり、全てを光に帰す創世の光として降臨せよ!」
『逃げ出さない』という誓いと共に二振りの剣を重ねれば、それは光り輝く『創世の光』へと姿を変える。
リューインは『創生の光』を両手剣の形に固定し、両手でしっかりと構えた。
「信長さん、行きます!」
飛び交う槍の間を縫うようにリューインは飛び、一気に信長との距離を詰める!
先程の槍を避けるための動きとは違う真っ直ぐな飛翔。強力な攻撃を発したばかりの信長には、その対応は難しいものだった。
リューインは一直線に信長の元へと飛んでいき、彼へ向かって全力で『創生の光』を振るった!
光輝く剣が信長の鋼鎧を切り裂くと、その部分は黒から白へと変わり光となっていく。
鎧を全て壊す事は出来なかったが、確実に損傷させる事が出来たのは紛れもない事実。
信長も苦々しい顔をしてリューインを睨んでいる。その表情に思わず恐怖を感じるが、それだけの成果を得る事が出来たのだ。
その事に安堵も覚えつつ、リューインは光の剣を強く握り締めていた。
成功
🔵🔵🔴
プラシオライト・エターナルバド
様々な罠を張り挑みます
麻痺毒を塗ったトリックスターの透明な網を
自身の周囲四方と上方に張って
まとめて捕らえる、または痺れで行動阻害出来れば御の字
狙えるようになったら、エレノアの破魔弾で撃ちます
それでも体当たりやビームや信長本体の攻撃により
動けなくなった場合を想定して
アメグリーンの回復薬液を念動力で頭上に浮かせておきます
衝撃で念が解除されれば、自動で落ちてくる仕組み
仕留めたと油断している所を撃ちます
信長へはUC【ツミトバツ】を発動
複製された魔鍵を念動力で浮かせて、敵を囲います
その痛みが、貴方の罪の大きさです
動きを封じられたら
頭部や他の仲間が攻撃して弱っている部位を狙って
エレノアを撃ちましょう
●
苛烈な戦闘が繰り広げられる戦場に新たな猟兵が姿を現した。
その猟兵、プラシオライト・エターナルバド(かわらないもの・f15252)は煌めく光を纏いつつ信長の元を目指す。
「織田信長様……貴方の事も、記録させて頂きます」
「記録か……いいだろう。儂とサルの生き様、貴様の目の焼き付けよ!」
プラシオライトの言葉に応じるように、信長は刀を構え小さな秀吉を呼び出していく。
秀吉達は一斉に跳ね、散らばり、プラシオライトを囲むように動き出す。
その動きに合わせてプラシオライトは手を掲げた。
その優雅な動きに合わせるように周囲の光も同じように煌めいて……次々に秀吉達へと降り注ぐ。
光を浴びた秀吉達は身体を震わせ、パタパタと倒れ消滅しだした。
「……様々な罠を張らせて頂きました」
光の正体は透明ワイヤー『Trickster』の煌めきだった。
事前に麻痺毒を塗り込み、プラシオライトの周囲に張り巡らせておく事で先に動く秀吉へと対処していたのだ。
しかし召喚された秀吉の数は多い。既にプラシオライトから距離を置いていた個体も存在している。
彼らは雄叫びを上げ、胸元から漆黒の光線を撃ち出していく。
その黒の輝きはプラシオライトの薄青色の身体へと集中し、彼女の輝く色を貫いた。
「……つまらん。その程度か」
ふらりと倒れるプラシオライトの姿を見て、信長は興味を失ったように後ろを向く。
だが、彼は次の瞬間に目にする光景に驚く事となった。
城内を眩い薄青色の光が駆け巡ったのだ。そして聞こえてくるのは秀吉達の呻き声。
改めて後ろを振り向けば、そこにはプラシオライトが立っている。
「貴様は倒れたはずでは……」
「様々な罠、と言いましたので」
プラシオライトは精霊銃『Eleanor』を構えながら淡々と言葉を発する。
その身体は髪と同じ色にしっとりと濡れていた。彼女は相手の攻撃を食らう事も想定し、もう一つ準備をしていたのだ。
それは彼女の髪から作られる回復薬『Amegreen』。
髪に紛れるように浮かせる事で相手から注意を逸し、気絶すると同時に自動で降り注ぐようにしておけば相手の油断も誘えるというもの。
プラシオライトは目を覚ますと同時に秀吉達を撃ち抜いていたのだ。
そして残るは信長一人。
「天の瞳は欺けません。例え貴方が覚えていなくても」
彼が驚いた瞬間に、プラシオライトは次々と魔鍵『PastPain』を複製していく。鍵は次々に彼の元へ飛来し、強い輝きを以って彼を穿つ。
『Crime and Punishment』が与えるのは過去に他者へと与えた痛み。信長のような強力なオブリビオンには効果覿面だろう。
「その痛みが、貴方の罪の大きさです」
痛みに悶える信長を前にしてもプラシオライトの表情は変わらない。
だが、だからこそ。彼女の目は的確に魔王の姿を捉えていた。
成功
🔵🔵🔴
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
オブリビオンフォーミュラを相手に絶対に帰るとは約束出来ません。
しかし、世界を、人々を護るために、全力で戦うことは約束しましょう。
「緑の騎士ウィルヘルム・スマラクトヴァルト、推参!」
無数の黒槍は、「第六感」も働かせて「見切り」、
緑の斧槍による「武器受け」と緑の大盾による「盾受け」で止めます。
信長を中心に発射されるならこれで止めきれるはずですが、
万一被弾した場合は「オーラ防御」と「激痛耐性」で耐えます。
先制攻撃を耐えたら、「ハイパー・ガーディアン・モード」を使用。
「怪力」で緑の斧槍を振るいつつ、数合打ち合ったら「フェイント」で
機を作り、「ランスチャージ」での「串刺し」を狙います。
●
猟兵達と信長の戦いはより激しく、凄まじいものへと変わっていく。
そこに堂々と姿を現したのはウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)だ。
「緑の騎士ウィルヘルム・スマラクトヴァルト、推参!」
名乗りをあげる彼の姿を見て、信長もまた真っ直ぐに目線と言葉を投げかけた。
「儂は第六天魔王『織田信長』! 新たな猟兵よ、こちらも行くぞ!」
信長はボロボロになりつつある鋼鎧を繋ぎ止めるように輝かせ、無数の黒槍を射出する!
ウィルヘルムも名乗った以上は相手の攻撃を全力で受け止めるつもりだ。
避けられるものは出来るだけ見切り、自分の身は斧槍と大盾により出来るだけ守り抜く。
槍は信長を中心に展開される以上ある程度距離を取っていれば対処は難しくない……はずだった。
信長もいよいよ後がないのを感じているのか、黒槍の勢いは予想以上だ。
どうしても弾き飛ばせなかった黒槍がウィルヘルムの元へと飛来し、彼の緑玉の身体を掠めてしまう。
だがウィルヘルムも譲らない。痛みは歯を食いしばって耐え、足は少しずつ前へと進めて。
オブリビオンフォーミュラを相手に絶対に帰るとは約束出来ない。傷を負う事も覚悟していた。
だが、世界を、人々を護るために、全力で戦うことは約束する。何故ならウィルヘルムは勇猛果敢な騎士なのだから。
「この世界も……そこに住まう人々も……私が護るんだ!」
その誓いが、覚悟がウィルヘルムの力になった。
彼の身体は強いエメラルド色の輝きに包まれ、足取りは更に力強いものへと変わる。
次第に信長の攻撃も弱まりだした。だがすぐに二度目の黒槍の嵐が来るかもしれない。
それより前に、確実に魔王を討つ!
「行くぞ、第六天魔王!」
叫びと共にウィルヘルムは一気に飛び上がった。そして全速力で目指すは魔王の懐。
一瞬で武器の射程範囲まで移動すれば、ウィルヘルムは思い切り斧槍を振るう!
初撃は信長の刀に阻まれてしまった。ならばもう再び斧槍を振るうだけ。
何度弾かれてもウィルヘルムは腕を止めない。出来るだけ真っ直ぐに、確実に。
「そのような太刀筋で……」
「では、これはどうだ!」
信長の手が緩んだ一瞬。その隙を見逃さず、ウィルヘルムは攻撃の軌道を大きく変えた!
その一撃は見事なフェイントとなり、衝撃で信長の身体が大きく逸れる。
「はぁああああ!!」
そのまましっかりと斧槍を握りしめ、放つは全力のランスチャージ!
凄まじい怪力によって放たれた一撃は魔王の鋼鎧をとうとう打ち砕いた!
だがウィルヘルムの顔に油断の色はない。信長はまだ倒れていない。
魔王を倒し、この世界に平和を齎すまではこの戦いは終わらない。
ウィルヘルムもそれを感じ、しっかりと前を見据えるのであった。
成功
🔵🔵🔴
古上・薺
ここに至るまで中々に手を焼かされたがそれもこれまで
ヌシの最後、再び燃え盛る劫火にて飾ってくれよう!
配下の毛玉は中々に厄介そうじゃが羽虫のごとき軟さのようじゃな
なればわし様の妖扇の生み出す焔で駆除も容易、【属性攻撃】で火の妖力を高め、【範囲攻撃】にて前面に壁のように焔を展開することで向かってくる毛玉は落とせるじゃろうし、目くらましにも使えるはずじゃ
衣の耐火性を利用しながら目くらまし代わりの焔の中を突っ切り、今わし様の操れる最大値、四十六の符全てを束ね、信長の懐へと潜り込むことが叶えば最大級の不可避の火術を見舞えるはず
身を焼き、魂喰らう我が火術、骨の髄まで味わってゆくがよい!
●
戦いもいよいよ佳境だ。信長の鎧は砕け、彼の身体にも傷が目立ち始めている。
「第六天魔王、こちらを見よ!」
その戦場に古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)の朗々とした声が鳴り響く。
「ここに至るまで中々に手を焼かされたがそれもこれまで。ヌシの最後、再び燃え盛る劫火にて飾ってくれよう!」
「儂を劫火で飾るというか、面白い。来い、サルよ!」
薺からの宣戦布告を受け、信長も彼女と向き合い刀を構えた。
影からは次々に秀吉が呼び出され、信長に応えるように叫び声を上げている。
呼び出された秀吉達は一気に城内を駆け、薺の元を目指し始めた。
「配下の毛玉は中々に厄介そうじゃが、羽虫のごとき軟さのようじゃな」
ならばわし様の焔で駆除も容易。薺は妖扇『焔』を手に取り、念を籠めつつ前方へ向けて思い切り振るった。
すると扇からは凄まじい勢いで焔が吹き出し、薺を守る壁として形成されていく。
秀吉達が跳びはねて身体をぶつけて来ようとしても、漆黒の光線を放ってきても、焔の壁が守ってくれる。
薺はひたすら扇を扇ぎ、焔の壁を徐々に広げだした。
その焔は薺自身も飲み込むが、彼女がそれに沈む事はない。
着物に編み込まれた妖物の毛は焔に強いのだ。自分が操る事が出来る焔ならば限度も分かる。
広がる焔は次々に秀吉を吹き飛ばし、次第に信長までもを包んでいく。
それが見えたのなら、薺は全力で焔の海を駆けた。
走りながらも懐からは四十六枚もの『焔仙乃神符』を取り出すのは忘れない。
火術は我らの妖狐の本分。侍の国の魔王を討つなら、これが一番相応しい手段だろう。
駆けて駆けて、信長の元まで辿り着けたなら……薺は手にした全ての焔仙乃神符に力を籠めた。
「紅く、朱く、染め上げ、廻れ、魂すらも喰らい焼け!」
霊符から放たれるのは今の薺にとって最大級の火術、全力の炎符『魂食灼火』!
符を中心に凄まじい勢いの焔が吹き上がり、その劫火は第六天魔王を燃やし尽くす。
「身を焼き、魂喰らう我が火術、骨の髄まで味わってゆくがよい!」
「我が身を焦がさんばかりの焔……儂を討つには確かに相応しい、か……!」
信長は薺の術を称賛するように、そしてかつての記憶に耽るように目を細めている。
かつて焔に飲まれた魔王は、再び焔によって骸の海へと還ろうとしているのだ。
焔の勢いはどんどん強まり、爆ぜて、弾けて、残るは猟兵達だけ。
「――やはり、勝つのはわし様達じゃな!」
その事実を確認した薺は、満面の笑みを浮かべて喜ぶのであった。
●
こうして猟兵達の手により、第六天魔王『織田信長』は討たれた。
残るは戦いの跡が深く刻まれた魔空安土城だけ。
猟兵達は勝利の喜びを分かち合いながら、その城を去っていくのであった。
成功
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