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エンパイアウォー㊴~魔王と猿

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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●信長と秀吉
 かつて男は、戯れに魔王を自称した。
 その名は天地に轟き、今やその伝説的な存在を正しく形容する二つ名となっている。
「仮令我が野望がここに潰える定めであろうと、それを覆してみるも一興よ」
 その名を、第六天魔王『織田信長』。
「征くぞ、サル。儂に付き従うが貴様の天命よ」
 覇王たるに相応しき覇気と、感涙せんばかりに身を震わせる謎の毛玉生物を背後に背負い、魔王の外套が豪壮に翻った。

●グリモアベース:ゲネ
「……ついに来たな。決戦、第六天魔王『織田信長』!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)はこの時を待っていたとばかりに、ホロモニターに魔王の威厳に満ちた姿をでかでかと映し出した。
「ヤツの本拠は魔空安土城。当然信長軍の本隊も存在するが、連中の相手は、万全の状態で島原にたどり着いた幕府軍が請け負ってくれる。諸君は信長との戦いに集中してくれ!」
 信長は秘術「魔軍転生」を用い、配下の魔軍将を背後霊のように「憑装」させて戦う。
 今回憑装される魔軍将は、隠し将『豊臣秀吉』だ。
「コイツはなんつーか、『フェン』としかしゃべらない謎の生物なんだが……それでも一応、かの豊臣秀吉らしい。あ、『フェン』の内容は耳で聞けば意味は理解できるし、中身は意外とまともで話も通じるぞ」
 コミカルな外観だが、信長が信を置く将の一人。実力と忠義の篤さは本物だ。
「ま、ここまでくればあとは全力でぶちのめすだけ……! ユーベルコードと敵の先制攻撃への対策をしっかりして、いざ、魔王退治へ!!」
 ゲネの展開する転送術式が、エンパイアウォー最後の戦いへと猟兵たちを誘うのだった。


そらばる
 とうとうオブリビオン・フォーミュラ第六天魔王『織田信長』との決戦です。
 豊臣秀吉を憑依させた魔王を討ち果たしましょう!

●概要
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●特殊ルール
 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●秀吉について補足
 信長の背後に背後霊のように付き従っています。
 普通にしゃべります。『フェン』しか言いませんが、言いたいことの意味は伝わります。
 WIZで大量召喚される小型秀吉は、ゴムまりのように跳ねまわったり漆黒の光線を放ってきたりします。

 執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にお使いください。
 それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』秀吉装』

POW   :    黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アストレア・ゼノ
◆SPD/アドリブ歓迎
※可能であればソロ希望

粘液を纏った信長がこちらに攻撃を仕掛けるのを【見切り】
【念動力】で周囲にひき詰められたカーペット(畳)を引っ剥がし、
【地形の利用】で盾として粘液がこちらにかかるのを防ごう

"魔王"の剣戟の前では紙切れ同然だろうが、
一瞬の目くらましと時間稼ぎになればそれで十分だ

後ろに飛び退いて攻撃を躱すと同時に
反撃の【竜言語・冬将軍】を唱えて大寒波の【属性攻撃】を巻き起こし、
その粘液ごと氷漬けにした所を、すかさず竜槍で【串刺し】にしてやるさ



●凍てる魔王
 地上に引きずり降ろされた魔空安土城。
 外の喧騒に反し、城内は不思議なほどの静けさに満ちていた。
 まるで、あらゆる生命、事物が、城主への畏怖に息を殺しているかのように。
 城内に乗り込んだアストレア・ゼノ(眩き槍の騎士・f01276)は、正面から漂う威圧感に足を止めた。
 整然と敷き詰められた畳を、黒い人影の鎧が、みしり、と踏みしめた。
 幻想的な蝋燭明かりに浮かび上がる姿は、まさに第六天魔王。
「織田信長……魔王」
 呟くアストレアに、信長はうっすらと笑みを刷く。
「左様。儂が信長である」
 信長が太刀を鋭く横に振った。
 瞬間、炎の如きオーラが信長の全身から吹き出した!
 凄まじい熱量と共にその背に立ち昇るのは、大きな毛玉のような黒いシルエット、憑装『豊臣秀吉』。
 秀吉から流れ出る正体不明の黒粘液が信長の全身を瞬く間に濡らし、刀の先端までを覆っていく。
「魔王への拝謁、存分に畏れよ」
 余すことなく粘液に覆い尽くされた瞬間、信長の身体がアストレアの視界から掻き消えた。
「――っ!」
 アストレアはほとんど反射的に動いた。敵は消えたのではない、凄まじい速度で斬りかかってくる、ならば――!
 瞬発的に発動する念動力。周囲の畳を巻き上げ、正面からの視線を完全に切った!
 が、それも、魔王の剣の前には紙切れ同然。
「児戯よの」
 深みのある声が間近に響いた直後、宙に舞う畳がなますに斬り捨てられた。魔王の眼光が、ギリギリで背後に大きく飛びのいたアストレアの姿を捉える――
 しかし、粘液と斬撃さえ躱してしまえば、それで十分。
 背後に着地すると同時、アストレアは鋭く竜言語を詠唱する。
「<これよりは試練の折節なり>」
 アストレアの周囲の空気が緩やかに渦を巻いたかと思えば、辺りに凄まじい大寒波が巻き起こった――!
「む……」
 信長の全身を覆う粘液が凍りつき、その動きが明らかに鈍った――その瞬間、閃く竜槍グウェン!
「魔王、覚悟!」
 アストレアの身の丈を超える槍が信長の肩を貫く――!
 深々と肩を抉られた信長は、鮮血を散らしながら後方へと退いた。
「……ふっ、なかなかやりよる」
 生身を貫いた痛みに、魔王はいっそ愉快げに笑った。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
「意外と早い再会だねフェンフェン! そっちの魔王は初めましてっ」
一度刃を交わした毛玉を見るや、如何に己の手の内を知る敵の裏をかくか策を巡らせつつ。
「――猟兵カタリナ・エスペランサ。あなたたちを骸の海へ還しに来たわ」
仮面を取り去ったような素の表情で不遜に名乗りを上げて。

黒粘液を纏い滑る刀を警戒し直接の打ち合いは避け、地を蹴ると同時《早業》の《衝撃波》を放った反動で全力後退。
《第六感》《見切り》をフル活用、以後は同様に距離を取って被弾回避。

初手を凌げば【失楽の呪姫】発動。黒雷と劫火の嵐による《属性攻撃》《鎧無視攻撃》《範囲攻撃》に呑み込んで黒粘液と鎧の上から信長を焼き尽くします。

※アドリブ・共闘可


薬師神・悟郎
先制攻撃は殺気で誘導、おびき寄せ
フェイントで残像を残しそこに誘導、見切り、視力、野生の勘、第六勘で回避
それでも足りなければ怪力、咄嗟の一撃、カウンターで受け流すぞ

回避成功直後、早業で体勢を立て直し幾つもの耐性とオーラ防御を纏い
地形の利用、戦闘知識、逃げ足で一撃離脱の戦闘を心掛け
毒使い、マヒ攻撃、破魔を込めた攻撃で信長へのダメージを蓄積

戦闘中は信長の状態を医術、情報収集
状態異常等で信長の動きが鈍くなれば、UCが成功率が一番高い時を狙いダッシュで接近、串刺し
同時に暗殺、一斉発射、UC発動

信長の技を封じる事、最低でも攻撃力を低下させる事が俺の狙いだ
目論見が成功すれば不敵に笑い
ざまぁみろ、してやったぜ



●拘束と炎雷
 板張りの暗い廊下を、足音がひた走る。
 凄まじい速度で瞬く間に迫りくる殺気を、信長は泰然と黒粘液を纏いなおして待ち受ける。
「だだ漏れか、青いな……だが、良い殺気だ」
 次の瞬間、信長の真横の襖が打ち破られ、強烈な殺気を放ちながら薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)の全身が室内に飛び込んだ!
 ――刹那、閃く太刀。振り下ろされた信長の刃は空気や時間との摩擦すら失ったかのように、瞬時にして一切の抵抗なく悟郎の肉体に吸い込まれ――
 そこに残された残像を、真っ二つに斬り裂いた。
「……ふむ」
 虚をつかれながらも、信長は最小の動作で太刀を返し、息をつかせぬ第二撃を横薙ぎに悟郎へと叩き込んだ。回避――する余裕はない……!
「――――ッ」
 悟郎は咄嗟に忍刀で太刀を受け止め、滑る刃を薙ぎ払うようにして受け流した!
 太刀が真横に払いのけられ、わずかに生じる隙。悟郎は即座に後方へと退く。
 その時、信長が再度太刀を閃かせるより早く、もう一つの足音が猛然と室内に転がり込んだ!
「……いた! 意外と早い再会だねフェンフェン! そっちの魔王は初めましてっ」
 一度刃を交わした毛玉を見るや、如何に己の手の内を知る敵の裏をかくか策を巡らせつつ、カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は声を張り上げた。
 フェンフェン、という形容が気に入ったのか、魔王は興に乗ったように口許を歪ませる。
「そちの因縁か、サルよ」
『フェン……フェンフェン!』
 秀吉は黒粘液を継ぎ足しながら、関門海峡での己の敗北を陳謝し、油断なきよう忠言している様子。まこと忠義に厚い毛玉である。
「――猟兵カタリナ・エスペランサ。あなたたちを骸の海へ還しに来たわ」
 仮面を取り去ったような素の表情で不遜に名乗りを上げて。
 カタリナは地を蹴った。と同時、振り下ろされる魔王の太刀と斬り結ぶ――のは避け、敵の懐に飛び込んだ瞬間に衝撃波を解き放った!
 両者の間に爆発した力場が信長を押し込み、カタリナもまた反動を利用して後方へと全力で後退した。
「双方、良い動きだ。褒めて遣わす」
 先制を凌いだ二人を称賛する信長。
 その鋼鎧に秀吉が溶け込むように融合すると、鎧の表層から無数の黒槍が次々に飛び出した!
 凄まじい勢いで射出していく黒槍。カタリナは距離をとって視力と直感で着実に回避していく。
 耐性とオーラを幾重にも纏った悟郎は、襖や大黒柱などの陰から陰へと駆け抜け槍雨を凌ぎ、ついには壁から天井へと駆け上がって信長の上をとった! 毒に麻痺、破魔の力を込めた苦無を、信長めがけて一気に投擲する!
 信長は咄嗟に太刀を振るって苦無を弾き飛ばした。が、全ては捌ききれずに肌先にかすめるのを許してしまう。
 こめかみにうっすら一筋走った己の血を拭い、魔王は笑う。
「……こうでなくてはな」
 信長の攻撃が苛烈さを増す。槍雨と剣戟を交えた猛攻。
 激しい攻撃をなんとか凌ぎつつ、一撃仕掛けては即座に離脱を繰り返しながら、悟郎は信長の状態を注視し、待った。地道に仕込んだ毒が回りきるのを。
 そしてそれは訪れた。カタリナへと一足飛びに踏み込み、太刀を振り上げたその手が、かすかに、しかし明らかに、肉体的な痺れによってこわばり、振り下ろす動作が鈍った決定的瞬間――
 悟郎は、疾駆した。遥か後方に影を置いてけぼりにするような速さで。
 背後から鎧を刺し貫く手応え。……が。
「紙一重、といったところか」
 鷹揚に呟く信長。粘液と堅牢な鋼鎧、そして咄嗟に半身退いた信長の身のこなしによって、忍刀の刃は鎧だけを貫き、生身の脇腹をかすめたに過ぎない。
 しかし、悟郎の本当の狙いは、そこではない。
「……この瞬間を待っていた」
 信長が動きを止める瞬間を。
 一斉に放たれる手枷、猿轡、そして拘束ロープ! 瞬く間に信長の手、口、全身の自由を奪っていく――!
「ぐ……ぬ……」
 枷とロープに咄嗟に抗い、猿轡を剥ごうともがく信長。だが成し遂げる前に、室内で火の手が上がる。
 煌々と両眼を輝かせるのは、カタリナ。燃え盛る炎を纏い黒い雷を絶え間なく放出しながら佇む姿は、さながら魔神の化身――
「――アタシの本気、ちょっとだけ見せてあげる」
 膨れ上がった劫火の嵐が黒粘液と鎧の上から信長を呑み込み、その灼熱と凄まじい黒雷の連鎖によって全身を蹂躙する!
 粘液が燃える異臭。感電する鋼の悲鳴。
 炎の内側から押し殺した苦痛の声を聞き届け、目論見を成功させた二人は不敵に笑う。
「ざまぁみろ、してやったぜ」
「魔王、畏るるに足らず! ってとこかな」
 灼熱を耐えながら、炎の中から猟兵たちを射抜く魔王の眼差しが、その殺意を不気味に高めていくのがわかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミスト・ペルメオス
【POW】
行くぞッ、ブラックバード…ッ!

愛機(機械鎧)を駆って参戦。
念動力は最大限に。専用デバイスを介して機体制御に活かすと共に、敵の動作や狙いの感知を試みる。
戦闘突入と同時に【フォースド・アサルト】起動。限界稼働状態に移行。
機体周囲にサイキック・フィールドとエネルギーバリアを展開。
ビームシールドも構えて先制攻撃に備えつつ、超音速での高速戦を挑む。
敵の攻撃は立体的な回避機動で凌ぎ、時にはフィールド、バリア、シールドで致命傷を避ける。
そうしながら、各種射撃兵装を連続投射することで反撃。
限界に達する前に突貫、可変速ビームキャノンによる零距離射撃を敢行しつつ全速離脱。

※他の方々との共闘等、歓迎です


パーヴォ・シニネン
やだ秀吉クンってば元気そう!
いやぁそのまま倒れてくれた方がよかったんだけどネー!
などと声をかけてる場合じゃないネ
さぁさぁ、魔王を討ち取ろうじゃないか!
【鼓舞、勇気】

黒槍の動きをよく見てシールド展開
更に我輩達をまっすぐ狙う槍をがっちり掴んで耐えきる!
なあに、貫かれなければいいだけサ
動きを止めた槍を敵にぶん投げ
【怪力、見切り、気合い、激痛耐性、力溜め、カウンター】

避けられても問題なし
投げた瞬間に駈けて鎧を引っ掴んでvahva!
更にナイフとフォークで斬り裂いて討ち取ろう
【なぎ払い、鎧無視攻撃、踏みつけ】

第六天魔王が支配する世では
この世界のこども達がみな飢えてしまうだろう
我輩はね、それが許せないのダヨ


遠呂智・景明
大蛇切景明、推して参る。

敵の先制攻撃は槍の射出。
大蛇切と黒鉄、二本の刀を抜きつつ、槍がこちらに飛んでくるのにあわせて片手で受け、片手で斬り捨てる。槍の軌道をしっかり見切れ。
連続で飛ばしてこようが、この動きを徹底する。
多少槍で傷を受けようが関係ねぇ。
少しずつ、敵との距離を詰めていく。
被害を最小限にして、信長公の元へたどりつけ。

待たせたな信長公。太閤。
ここは、俺の距離だ。
役目を終えた黒鉄はさっさと鞘に納め、構えるのは俺自身。
敵の一撃はいなすことで隙にする。
受けた攻撃の力を利用し反撃の一撃を身体に打ち込む。
刀の時から百数十年何度も何度も繰り返してきたこの一撃、今更狙いを誤らねぇよ。

その首置いてけぇ!


真宮・響
織田信長、第六天魔王・・・間違いなく強者だ。武者振るいがするよ。

アタシの技量がどこまで通じるか分からないが、猟兵として、母として、サムライエンパイアの未来の為戦うよ。

まず【見切り】【第六感】【残像】を駆使して黒槍を凌ぐ。無理に槍を捌こうとは考えない。回避することに専念。

黒槍を凌ぎきったら敵の目の前で無敵の相棒を発動、夫のゴーレムに正面に立って貰って敵の注意を引き付けて貰い、【忍び足】【目立たない】で背後を取り、背後から【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】で背後から攻撃。夫のゴーレムが健在なら、追撃してもらうよ。



●槍雨を乗り越えて
「……我が命運、未だ遷ろうか」
 焼け焦げ異臭を放つ粘液の残骸を剥ぎ取りながら、信長は呟いた。
 自身と天命を競わせるような物言いの魔王を目前にして、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は唾を呑む。
(「織田信長、第六天魔王……間違いなく強者だ」)
 身体が震える。恐怖ではない、畏れでもない。猛者との戦いに心勇む武者震いだ。
「……アタシの技量がどこまで通じるか分からないが、猟兵として、母として、サムライエンパイアの未来の為、戦うよ」
「心意気や良し。……失望はさせてくれるなよ」
 いっそう覇気を高める信長の傍らで『フェン!』という声が上がり、鋼鎧の肩口に瘤のような形で毛玉が姿を現した。絶対に信長を勝利に導く、という強い意志が伝わる。
 そんな秀吉を見て、パーヴォ・シニネン(波偲沫・f14183)はからからと声を上げた。
「やだ秀吉クンってば元気そう! いやぁそのまま倒れてくれた方がよかったんだけどネー!」
 開口一番からかうような言い草に、信長がニヤリと笑う。
「ずいぶんと因縁が賑やかだな? サルよ」
『フェン……フェン!』
 主にはしおらしくこうべ(?)を垂れ、パーヴォには鋭い睨みつけをくれ、秀吉は速やかに鋼鎧へと融合した。
「などと声をかけてる場合じゃないネ。さぁさぁ、魔王を討ち取ろうじゃないか!」
 宿主たる相棒を鼓舞し、勇気を漲らせるパーヴォ。
「大蛇切景明、推して参る」
 大蛇切と黒鉄、二本の刀を抜き放ち、遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は隙なく構えをとる。
 猟兵たちの注視する先は、信長の纏う鋼鎧。
 鋼の堅牢な表層を、ぬめるような独特な質感が覆うと同時、大量の黒槍が猟兵たちへと発射された!
 凄まじい槍雨を、響は残像を描きながら回避していく。最小限のステップで、横へ、奥へ、前へ。数多の残像が絶え間なく生み出され、黒槍がその全てを貫き切り裂き、本体には届かない。
 景明は眼光鋭く槍の軌道を見極め、洗練された動作で刀を振るう。片手の刀で飛来する槍を受け止め、空いた片手で槍を斬り捨てる。目にも止まらぬ剣閃が幾度となく閃き、なおも連続して飛んでくる槍を次々と打ち落していく。
 対処しきれなかった槍の穂先が頬や腕をかすめて鮮血を散らしても、ひたすらに打ち落とす動作を繰り返し続けた。
(「この程度の傷なんぞ関係ねぇ。進め、たとえ少しずつでも。被害を最小限にして、信長公の元へたどりつけ」)
 乱舞する大量の槍はそう簡単には猟兵の自由を許さない。猟兵たちは各々に黒槍を回避し、辛抱強く機を待つ……
 その時。
「行くぞッ、ブラックバード……ッ!」
 愛機の機械鎧を駆って戦場に雪崩れ込んだのはミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)。黒槍が乱舞している様を目撃するや、即座にユーベルコードを発動する――!
「最大稼働ッ――行くぞッ!」
 速やかに限界稼働状態に突入、期待周囲にサイキック・フィールドとエネルギーバリアを展開。巻き込まれた黒槍が幾許か弾き飛ばされた。
「絡繰り遣いか、面白い。歓待してやろうぞ」
 信長はすかさずミストを標的に加えて黒槍の射出範囲を拡大した。
 ミストの機械鎧はフィールドとバリアで黒槍を弾きながら、上へ下へと縦横無尽に駆け巡る! 全開にした念動力が専用デバイスを介して機体制御を神業のレベルにまで高め、目もくらむ超音速での高速機動を実現しているのだ!
 槍雨を立体機動で回避しながら、ミストはさらに各種射撃兵装の砲門を開いて連続投射していく。これには信長も仁王立ちしてばかりもいられず、黒槍を絶え間なく発射しつつも回避を交え始めた。槍雨にビームや砲撃が加わり、戦場はいっそう混沌としていく。
「いいネ! 我輩達も派手にいこう、相棒! なあに、貫かれなければいいだけサ!」
 黒槍の動きに合わせてシールドを展開していたパーヴォは、正面からまっすぐに飛んできた黒槍を、回避せずにがっちり掴みとった! 抉るような推力を怪力でねじ伏せ、痛みを耐え抜き見事我が物とする……!
「ほう」
 感心したような声と共に信長がパーヴォへと意識を逸らしたその瞬間を、グラン・デバイスを通じて感知したミストは、即座に機械鎧を信長へと全速前進させた!
「……頼む、持ってくれ……!」
 限界を迎えつつある機械鎧の内部で忙しないレッドアラートに取り囲まれながら、ミストは決して速度を緩めることなく信長へと突貫し、可変速ビームキャノンを零距離でぶち込んだ!
 灼熱、爆発。全速離脱するミストと、ビームの衝撃に半ば叩き出される形で大きく跳躍後退する信長。槍の射出はやまないものの、信長自身の動きには明らかに隙が生じた――
 その瞬間。
「第六天魔王が支配する世ではこの世界のこども達がみな飢えてしまうだろう」
 パーヴォは手に入れた黒槍を渾身の力で信長へと投げつけ、同時にそれを追いかけるように駈け出した!
 自身を狙った黒槍を太刀で弾き飛ばす信長。的確なその行動が、しかし裏目に出た。
 パーヴォはすでに、鋼鎧の腕を捕らえている。
「――我輩はね、それが許せないのダヨ」
 鎧の襟元を掴んだ瞬間、パーヴォの怪力が爆発した。少年の身体から繰り出される見事な背負い投げが、魔王の全身を地につける――!
「ぐぅ……っ」
 続けざま、ナイフとフォークによる斬り裂き、さらに踏みつけ。信長はレーザーや投げ技の衝撃を引きずりながらも、なんとか紙一重でそれらの追い打ちから逃れて態勢を立て直す。
 が、床に叩き伏せられた時点で、黒槍の射出は明らかに鈍り、今まさに完全に途切れようとしている。
「やっとか、秀吉も息切れかな」
 ひたすら回避に徹していた響が動いた。最後の黒槍を残像に任せて召喚術式を展開する!
「さあ、アンタの力を借りるよ!! 共に戦おう!!」
 喚び出されたのは夫の姿を模したゴーレム。その巨躯をもって信長の前に立ち塞がり、赤く光る巨大な光剣を打ち下ろした!
「……こちらは傀儡か。まったく賑やかなことよ!」
 信長は爛々と両眼を輝かせ、派手に外套を捌いて退きゴーレムの一撃を回避するや、着地と同時に一足飛びに巨体の懐へと飛び込んだ。疾る剣閃。
 ゴーレムが一撃の元に倒れ込んだそこにいたのは、槍を落としてじりじりと距離を詰めるを繰り返した果てに、ついに理想の間合いにたどり着いた景明だった。
「待たせたな信長公。太閤。ここは、俺の距離だ」
 役目を終えた黒鉄をひらりと鞘に納め、構えるのは己自身たる大蛇切『景明』。それ一つを振るうと決めた瞬間、剣豪たる景明は一つの高みに到達する。
「剣豪……それも刀の化身か。よかろう、とことん斬り結ぼうぞ!」
 信長は小手先の技など使わず正面から打ち込んでくる。幾重に疾る剣閃が、幾度も幾度も、重く大蛇切にのしかかる……!
 景明は全ての太刀筋を受け止め、いなし、隙を窺う。痛みを覚えるほどの衝撃が腕や足腰に負担をかけるが、一心にその瞬間を狙い澄ます――
「……雑技雑念一切不要。我が渾身の一太刀に、余計な力は必要ない。ただ己を振るうのみ。いざや魅せよう一刀繚乱。斬れぬものなど、無いのだから!」
 強力な一撃を振り払うようにいなした瞬間、魔王に明確な隙が生じた。
 刹那、景明はみちりと音を立てるほどに柄を握り締めた。
(「刀の時から百数十年何度も何度も繰り返してきたこの一撃、今更狙いを誤らねぇよ」)
 受けた敵の力を反撃の一撃に転じ、景明の刃が疾る――!
「その首置いてけぇ!」
 一閃。
 刃が信長の首元に吸い込まれると同時、
 気配を忍んで背後をとった響の二剣が強襲し、回避の動作をとろうとした信長を後ろから刺し貫いた――!
 噴出する鮮血。
 景明の刃は確かに信長の首を捉えた。響の剣は腹部を貫いた。
 ――しかし。
 首の半ばにまで刃が埋没し、腹部を刺し貫かれた死に体のまま、魔王は凄絶な笑みを浮かべた。
 ぞわりと駆け抜けた悪寒に従って、二人は一斉に信長から離れた。
「――追撃頼むよ!」
 響の声が鋭く飛ぶと同時、信長の頭上に巨体の影が射した。
 鋭い刀傷を胸部に刻み付けられ転倒させられながらも、辛うじて形を残していたゴーレムの、巨大な拳が信長へと打ち下ろされた――!
 畳を貫き、基礎を揺るがす衝撃、轟音。盛大な土埃。
 痛いほどの静寂が、辺りに満ちた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ステラ・クロセ
第六天魔王、再び滅ぶべし。ここがアンタの本能寺だよ!

秀吉が複数でてきたら、UC【紅蓮の灼翼】の展開。
小さくても強いんだから、囲まれたらまずい。
動きを止めずに飛び回って回避に専念。

逃げながら反撃の機会を伺い、見つけたらダイブして炎のサイキックエナジーをもって【属性攻撃】【なぎ払い】。
「フェンフェン!」(会話のつもり。意味は「アタシの勇気とアンタの忠義、どっちが熱いか勝負だ!)

そのダイブの勢いのまま、信長にも突撃。
炎を纏わせた二刀で立て続けに斬りつける【2回攻撃】。
「これがアタシの勇気!さあ、燃え尽きろ!」

※アドリブ・連携など歓迎です!


呉羽・伊織
清史郎/f00502と

魔王と賭け、命懸けの大博打か
何にせよ心は同じく――応ともさ
果たしてみせよう、清史郎

対秀吉は※早業で2回攻撃重ね、急ぎ数や勢いを削ぐ
1人じゃ敵わずとも、此方にも信置く友人が共にいる
包囲分断等狙う奴や清史郎の桜から逃れた奴を優先処理し、連携強めて動く

策や動作観察も常時
癖や隙の情報収集し、見切りや攻撃に最適な瞬間探る
逆に此方の動作は残像混ぜ撹乱
死角助け合い致命傷だけは防ぐ

UC使えりゃ※で最大数放ち秀吉の眩惑と撃破加速
信長の壁役優先排除に切替、本命狙う機を窺う

清史郎が動く瞬間も方向も、もう直感で分かる
隙掴めば共に踏込み、同時に刀で一撃を、別方向から

災いの芽も逆転の目も、消し尽くす


筧・清史郎
伊織/f03578と

相手は敵将、第六天魔王
だが討つ為に刃を振るうのみ
伊織、決着を付けにいこうか

秀吉召喚されれば
【百華桜乱の舞】で神霊体変化
桜吹雪伴う衝撃波で蹴散らそう
UC展開前は花振舞の衝撃波2回攻撃で薙払い
敵は数多、全て討てるとは思っていない
だが共に並ぶは信頼する友、討漏れは伊織に託す
残像駆使し意識研ぎ澄まし、敵の攻撃確り見切り躱す
攻撃軽減の神霊体の身、致命傷さえ受けず倒れず踏み込めるならばそれで良し

信長へ仕掛ける隙は常に窺い見切り
伊織と息合わせ一気に踏み込む
幾つもの戦場を共に駆けてきた友、互いの動きは手に取る様に分かる
別方向から同時に仕掛け、刀抜き信長に一撃を

この戦、俺たちの勝利で幕引きだ



●魔王への道は拓かれる
 静まり返る室内を、突如乱す、畳を踏みしめる足音。
 床に開いた大穴から、堂々たる威容が現れる。
 己が血にまみれた、第六天魔王。
「……天晴レであル」
 その声は不気味にひずんで、ひどく聞き取りづらい。首を掻いた刀傷は声帯にまで達しているのだ。
 が、いつ落ちるとも知れない致命傷の先にも、未だ意識を保ち、笑っている。これがオブリビオン・フォーミュラ、織田信長……
「相手は敵将、第六天魔王。だが討つ為に刃を振るうのみ」
 恐れ気なく、凛として歩み出るのは筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)。
「魔王と賭け、命懸けの大博打か」
 呉羽・伊織(翳・f03578)は気楽な笑みを浮かべて相棒の隣に並び立つ。何にせよ心は同じく。
「伊織、決着を付けにいこうか」
「応ともさ。果たしてみせよう、清史郎」
 一人では敵わずとも、敵に忠に厚い従者がついていようとも。此方とて信置く友人が傍らにいるのだ。
 さらに。
「第六天魔王、再び滅ぶべし。ここがアンタの本能寺だよ!」
 元気いっぱいのステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)もまた参戦!
 居並ぶ猟兵たちを興味深そうに細めた目で見やる信長。やはり無理は利かぬのだろう、言葉はない。
 代わりに、「フェン!」と切羽詰まったような声が上がるや、背後に亡霊の如き毛玉が立ち昇った。
「フェンフェン、フェン……!」
 ご自愛くだされ御屋形様。ここは拙者が……!
 忠犬ならぬ忠猿の忠言に、信長はフッと吐息のような笑みを吐き出すと、ぞんざいに手を振った。「やれ」と。
 許しを得た瞬間、秀吉が猟兵たちの前に躍り出た。かと思えば、全身の毛(?)を激しく逆立て……なんと大量のミニ秀吉に分裂した! たちまち無数の跳ねまわる毛玉に埋め尽くされる戦場。
「これ全部ミニ秀吉っ!? 囲まれたらまずいね……!」
 即座にユーベルコードを解放するステラ。業火のサイキックエナジーを全身に纏い、紅蓮の灼翼から真紅の火の粉を散らしながら飛翔、殺到してくる毛玉たちをさらりと躱してひとまず中空に逃げ延びた。
 一瞬にして混沌とした戦場を、清史郎はあえて歩み出る。
「躍り咲け、八重桜」
 その姿が瞬く間に実体を脱ぎ捨てるように、蒼き八重咲きの桜纏う神霊体へと変化した。
 神霊体が扇を優雅に翻せば、桜吹雪と共に衝撃波が巻き起こり、毛玉たちは攻撃行動に移る暇もなく薙ぎ払われてごっそり消えていく……!
 だが敵は数多。警戒を高めた毛玉たちは清史郎から距離を取り、腹を輝かせて漆黒の光線を撃ってくる。
 それもまた、二人にとっては想定内だ。
 意識を研ぎ澄ませて死角からのビームをしっかりと残像で躱し、さらに第二波の動作に入りながら、清史郎は傍らに呼びかける。
「討ち漏らしは任せたぞ」
「ああ、任されたさ」
 言う間に伊織は連続で暗器や御札を投げつけ、遠巻きにしている毛玉たちを蹴散らしていった。間近にいながらにして衝撃波を避けた個体は刀で斬り裂き、早急に数や勢いを削いでいく。
「……奴等、突っ込んでくる前衛と光線に徹する後衛に分担しているな。毛玉のくせに小賢しいことで」
 武器を振るいながらも冷静な観察と分析を欠かさず、跳ね飛び襲い掛かろうとする個体を残像で攪乱、翻弄する。
「おっと、それは通せんな」
 清史郎へと光線を投射せんとする敵群に向けて、伊織は無数の暗器を投擲した。眩惑が毛玉たちを混乱に陥れ、互いに攻撃しあって消えていく個体も増え始める。
 神霊体の利を活かし、果敢に敵中へと踏み込んでいく清史郎。その死角をカバーするように立ち回る伊織。見事な連携が瞬く間に毛玉の数を減らしていく。
 宙を飛び回り漆黒の光線を巧みに躱しながら、二人を中心に毛玉のクレーターが出来上がっていくのを見下ろすステラ。
「すごい勢い……! アタシも負けてられないね!」
 業火の翼が力強く羽ばたくと、一気呵成の急降下!
 正面から飛んでくる黒光線を素早いローリングで紙一重に躱しながら、ステラは叫ぶ。
「フェンフェン!」
 「アタシの勇気とアンタの忠義、どっちが熱いか勝負だ!」そう叩きつけたつもりだった。
 通じるかどうかなどどうでもいい、ただ熱い思いをぶつけるのだ!
 フェン、フェンフェン、フェン、フェン! 毛玉たちが一斉に言葉を返す。来るが良いぞ小娘、受け止めてやろう、いざ参る……! そんな意志を込めて。
 燃え盛る翼は後衛で団子になっている毛玉たちの中心に突撃し、炎のサイキックエナジーで一気に薙ぎ払う――!
「――――!」
 その瞬間を捉えて、清史郎は動いた。清史郎が動けば、伊織は直感で同時に動く。
 毛玉に分裂してから一度も行動していない、不動の一塊があることに、猟兵たちは気づいていた。
 それは、瀕死の魔王の姿をひた隠す秀吉の壁。
 護りの薄くなった今ならば、届く! 清史郎の衝撃波と伊織の暗器が、必死の守護を一気に突き崩した!
「このまま……!」
 秀吉による護りは崩れた。ステラはスピードを一切殺さず一気に信長へと突撃を仕掛けた!
 炎を纏わせた二刀が弧を描く。初撃を、信長の太刀は受け止める。
 が、突進の推力と炎のエネルギーを乗せた斬撃は、冥府に片足を浸からせている信長の腕から、ついにその太刀を弾き飛ばした!
「これがアタシの勇気! さあ、燃え尽きろ!」
 続けざまの一撃が、鋼鎧の片腹を斬り裂いた――!
 噴き出る炎。灼熱と激痛に、信長は声もなく身をのけぞらす。
 その両眼に映し出されるのは、左右から呼吸も歩幅もぴったりに飛び込んでくる、二人の剣士。
 互いの動きは手に取るようにわかる。抜刀するその瞬間さえも息を合わせて。
「災いの芽も逆転の目も、消し尽くす」
 伊織の烏羽が、清史郎の蒼桜綴が、同時に一閃し――
「この戦、俺たちの勝利で幕引きだ」
 二刀は左右から同時に信長の首を貫き、交差した。
「タい……ぎ、デア…………る」
 魔王は壊れた声帯で最後の言葉を残すと、なおも泰然自若に笑い、
 憑装している秀吉ともども業火に巻かれて、瞬く間に灰燼と化して消えた。城内に蔓延る夥しい戦傷を残して。
 魔空安土城の戦いは、ここに一つの終幕を迎えたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月27日


挿絵イラスト