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エンパイアウォー㉞~霊装決戦、第六天魔王!

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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●第六天魔王の野望
「遂に来たか、猟兵達よ。エンパイアを滅ぼし、渡来人共の『グリードオーシャン』をも侵略する道筋は、これでほぼ絶たれたか……」
 魔空安土城の天守閣にて、第六天魔王『織田信長』は、どこか遠い目をして苦笑した。
 血塗られし渡来人の神。その力が如何程の物か、確かめてみたくなかったかと尋ねられれば、嘘になる。だが、今の自分のそれを成すだけの力はなく、ともすれば数の暴力にて、このまま首を取られるのを待つばかりだ。
「さて、もはや儂に万にひとつの勝ち目も無かろうが………億にひとつでもあるのならば、賭けてみるのも一興よ」
 もし、その胸に未だ強い無念を抱いているのであれば、お前も最後に力を貸せ。そう言って、信長が呼び出したのは、虎の頭を持った屈強な武将。
「秘術『魔軍転生』。さあ、甲斐の虎、武田信玄よ……儂に憑装せよ……!」
 信長の言葉に合わせ、虎の顔をした武田信玄が低く吠えた。彼は既に人の言葉を失っていたが、しかし魔軍将の一人として、信長と共に戦おうという気概だけは、失われてはいなかった。

●虎の霊を駆る魔王
「いよいよ、ここまで辿り着いたわ。あなた達も、決戦の準備はできているわよね?」
 魔空安土城。第六天魔王を名乗る覇王にして、サムライエンパイアのオブリビオンフォーミュラ、織田信長の居城。数々の試練を乗り越え、幕府軍はついにそこへ到着したのだと、神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は猟兵達に告げた。
「既に首塚の一族が城を引き摺り降ろして、万全な状態の幕府軍が、信長軍の主力部隊と交戦中よ。そういうわけで、こっちは雑魚を相手にする必要もないから、信長だけを相手にできるわね」
 だが、それでも織田信長の実力は、今までに戦って来た魔軍将の比ではない。加えて、彼は秘術「魔軍転生」によって、配下の魔軍将を背後霊のように「憑装」させて戦うことが可能である。
「今から向かうと、私の予知では……信長は、甲斐の虎『武田信玄』の力を「憑装」した状態で、こちらが来るのを待っているわ」
 戦争が本格化する前に復活を阻止された武田信玄だが、彼もまた魔軍将の一人であることに変わりはない。その霊は、ある時は信長を守る鎧として、また別の時は信長の駆る武器として、猟兵達に恐るべき虎の牙を剥いて立ちはだかる。
「今まで戦って来た魔軍将の大半と同じで、信長も必ず先手で攻撃を仕掛けて来るわ。それも、直撃したら間違いなく一発で戦闘不能にさせられるような、とんでもない威力の攻撃でね」
 残念ながら、この先制攻撃を妨げる術は存在しない。どう足掻いても敵の方が先に動いて来るため、いかにして攻撃に耐え切り、反撃に繋げるかが勝負の鍵となる。何の対策もなしに自分の攻撃だけを押し通そうとしたり、ユーベルコードを無闇に乱発しようとしたりすれば、信長はそれら全ての行動に対して先手を取り、こちらを圧倒的な戦闘力で一方的に蹂躙するだろう。
「信長の使って来る技に極端な特殊効果の類はないけれど、その分、純粋に高い戦闘力を持っていると思って間違いないわ。先制攻撃に耐えたところで、真っ向勝負じゃ圧倒的に不利ね。相手の弱点を見つけて、なんとかしてそこを突くような工夫がないと、力の差で押し切られてしまうかも……」
 初撃に耐えて一太刀を浴びせても、こちらの被る被害の方が大きければ、信長を倒し切る前に撤退を余儀なくされてしまうことだろう。純粋に高い力量を誇る相手。だからこそ、知略を絞って勝機を見出して欲しい。
 最後に、それだけ言って、鈴音は猟兵達を魔空安土城へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 いよいよ、織田信長との最終決戦がやって来ました!
 彼を倒し、この戦争に真の決着をつけましょう。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』信玄装』

POW   :    風林火山
【渦巻く炎の刀】【黒曜石の全身甲冑】【嵐を呼ぶ樹木の翼】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    甲斐の虎
自身の身長の2倍の【白虎状態に変身した武田信玄】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    武田騎馬軍団
レベル×5本の【武田軍】属性の【騎馬武者】を放つ。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

才堂・紅葉
「信長公。この逆境でも微塵も衰えぬ闘志、まずは敬意を表します」

蒸気バイクに跨り【礼儀作法】で一礼し、修羅に入る。

戦闘方針はバイクで突貫。
先制の虎の一撃を【戦闘知識、野生の勘、操縦、見切り】で横滑りに回避を狙う。
「っ……やっぱりクソ強いわね」
避けきれない分は【気合、激痛耐性】だ。

事前の【情報収集、学習力】を元に【地形を利用】し、瓦礫を用いて急旋回。
【クイックドロウ】の拳銃の詠唱弾で水の【属性攻撃】。信長の炎で生じた蒸気による【目つぶし、迷彩】を狙う。
本命は【しのび足】の接敵から真の姿の【封印を解き】、【怪力、グラップル、鎧無視攻撃】での渾身の掌だ。

「天魔必滅……墜天!!」

【アドリブ連携歓迎】



●魔王、天台に座す
 織田信長。ここ、サムライエンパイアだけでなく、UDCアース等の歴史にも同名の人物が存在する。
 共通するのは、彼が覇道を邁進した覇王であるということ。敵対する者に対しては容赦なく、時に寺さえも焼き払った彼は、恐れを込めて第六の天魔の王と呼ばれた。
 その一方で、甲斐の虎の異名を持つ武田信玄は、天台座主沙門の別名を持つ。信長に焼き払われた天台宗延暦寺の長を示す称号であり、彼はそれを口実に、信長と真っ向から対立した。
 そんな信長と信玄は、しかしオブリビオンとして蘇り、あろうことか手を組んだ。正に、仏と悪魔が、神と魔王が同盟を組んだに等しい瞬間。それがどれ程に恐ろしいことかは、彼らの勇猛ぶりを少しでも耳にした者であれば、解るだろう。
「信長公。この逆境でも微塵も衰えぬ闘志、まずは敬意を表します」
 蒸気バイクに跨ったまま一礼する才堂・紅葉(お嬢・f08859)。しかし、礼儀正しくするのは、ここまでだ。相手は戦国の覇王にして第六天魔王。ここから先は、こちらも修羅にならねば勝ち目などない。
「ほぅ……人の身を捨て、鬼となるか。そうでなければ、儂の相手は務まらぬ」
 信長が、にやりと笑った。己の力を存分に震える相手を前に、かつての戦の際に見せた高ぶりを、再び感じているのだろうか。
「ならば、その修羅道を以て、儂と甲斐の虎を止めて見せよ!」
 信長の叫びと共に、後ろにいる信玄の霊が巨大な白虎の姿へと変じた。その上に跨り、信長は紅葉へと狙いを定めると、凄まじい速度で突撃して来た。
「くっ……!!」
 バイクから蒸気を噴出させて、紅葉は横滑りに虎の爪と牙を避けた。通常の二輪車であれば不可能な、予想外の動き。確かに、真正面から突っ込んで来る相手に対しては、これ以上になく有効な策ではあったのだが。
「甘いわ! 貴様の敵は虎だけでなく、この儂もいることを忘れるでないぞ!」
 擦れ違い様に、信長が横薙ぎに払った刃が紅葉の腕を切り裂いた。深手こそ負わなかったものの、その一撃だけでバランスを崩しそうになり、紅葉は慌ててハンドルを切った。
「っ……やっぱりクソ強いわね」
 気合いで痛みに耐えようと、負傷による消耗は隠し切れない。所詮は痛みに耐えているだけ。火炎や氷雪を無効化するのとは異なり、痛みに耐えるだけでダメージをゼロにすることはできない。
「どうした、猟兵よ? まさか、その程度で退くなどとは言わぬだろうな?」
 再び、信長が虎の背に跨ったまま近づいて来た。横跳びに避けようにも、敵の攻撃範囲は予想以上に広い。本来であれば乗り手だけが攻撃するはずの騎馬武者が、騎乗動物まで攻撃して来るなど反則だ。
 虎の攻撃だけを避けようとすれば、擦れ違い様に、信長に斬られる。それを防ぐには、より大きく回避行動を取る必要があったが、そんなことをすれば動きが大味になり、今度は反撃の機会を失ってしまう。
 地上において、虎に騎乗した信長の優位性は絶対だった。技量が互角の相手であれば、虎とバイクで拮抗しながら騎乗戦闘ができたのかもしれないが。
「パワーもスピードも、向こうが上ってわけね。だったら……!?」
 せめて、地形を利用して奇襲を仕掛けようと思ったが、銃を構えた瞬間、紅葉は致命的なことに気が付いた。
(「し、しまった! この天守閣、利用できそうな瓦礫なんて、どこにもないじゃない!?」)
 首塚の一族によって結界は破壊され、幕府軍の奮闘により雑兵達の動きも押さえられているとはいえ、それでも魔空安土城は別に崩壊したわけではない。意図的に天守閣内の壁や装飾を破壊していれば別だったが、強敵である信長を前にしては、そんな暇などあるはずもない。
「えぇい、こうなったら、ヤケよ!」
 当初の予定とは違っていたが、紅葉は水の属性を持った銃弾を乱射して、信長の背に燃える炎を撃ち抜いた。
「追い詰められて、耄碌したか? その程度の攻撃で、儂を止められると思う出ないぞ! この、うつけ者めが!」
 放たれた銃弾に纏わせた水は、信長の炎と接触し、悉く霧となり散って行く。あまりに勢いが違い過ぎ、この程度では信長の纏う炎を消すことさえできない。が、それは紅葉も承知の上だった。
「む……?」
 辺りに漂う濃霧に、信長が顔を顰めた。なるほど、水を蒸発させた霧で視界を覆い、死角から仕掛けようということか、と。
(「ここからが本番よ。ジャスト5秒で仕留めるわ」)
 バイクから降りて足音を消し、紅葉は信長の背後から忍び寄る。そのまま渾身の力を込め、必殺の掌底を繰り出した。
「天魔必滅……墜天!!」
 虎上の黒鎧が激しく揺れる。背後からの一撃が、確実に決まった。そう、確信した紅葉だったが、次の瞬間、自分の脇腹に信長の手にしている太刀が、深々と突き刺さっていることに気が付いた。
「う……ぁぁ……」
 痛みに耐えようと、出血までは隠し切れない。意識が飛んでいないだけマシだが、それでも徐々に身体から力が抜け、立っていることさえままならない。
「儂の焔を利用し、霧に紛れる策、確かに見事であった。だが……お主の攻撃は、己や仲間の苦難を力に変えるものであろう? 一番槍として用いるには、些か勇み足過ぎたのではないか?」
 紅葉の身体から刀を抜き、信長が告げた。攻撃を当てるまでは良かったが、その威力を最大に発揮できるだけの条件が整っていなければ、深手を負わせることもまたできなかった。
「意気込みだけは買ってやろう。もう少し、戦の場数を踏めば、あるいは儂に代わり天下を取れるだけの器になったかもしれぬな」
 それだけ言って、信長は虎と化した信玄に紅葉の腕を噛ませると、そのまま大きく首を振るわせ、天守閣の外に放り出した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

依神・零奈
信長公も信玄公もただ運命に従うつもりはない……か
元……とはいえそのヒトらしい傲慢で愚かな行為、嫌いじゃないよ

信長公と甲斐の虎……うん、虎だ
なかなかにめんどくさいね
騎乗状態……なら足元は多少は手薄かな
信長の攻撃、信玄の移動ルートを彼らの動作を注視して
【情報収集】し【第六感】も駆使し予想しながら距離を取り
地面に【破魔】や【呪詛】の力を込めた霊符を進路を妨害するように
設置していく。自身の動きに【フェイント】を交えたりして
信長たちを霊符の方への誘導も狙ってみる。

信長がその過程で態勢を崩したらUCを発動
抜刀から斬撃を放つ
相手は巨大で生命力を共有している、強烈な一太刀が
どちらかに当たりさえすればいい



●神仏さえも超える者
 第六天魔王、織田信長。既に居城を囲まれ、逃げ場を失っているにも関わらず、彼は何もしないまま倒されるつもりはないようだった。 
「信長公も信玄公も、ただ運命に従うつもりはない……か。元……とはいえ、そのヒトらしい傲慢で愚かな行為、嫌いじゃないよ」
 人は、運命に抗おうとするから人である。未来を見据えることのできる八百万の神は、時に定められた運命を変えられぬものとして、容易く受け入れてしまうから。
 多くの人を守り続けて来た神として、依神・零奈(忘れ去られた信仰・f16925)は信長の心情までをも否定はできなかった。が、そんな彼女の言葉に動かされることもなく、信長は信玄の霊を虎に変え。
「ならば、大人しく去るがいい。儂の覇道を妨げることなく、な……」
 邪魔するのであれば、神であろうと容赦はしない。そう言うが早いか、信長は虎と化した信玄に騎乗すると、一直線に零奈目掛けて突っ込んで来た。
(「……は、速い!!」)
 直感的に後ろに跳んで、辛うじて虎の爪による一撃は避けられた。が、それが零奈の精一杯。
 敵は必ず先手で攻撃を仕掛けられる程に、戦闘力の高い相手。ましてや、虎に騎乗したことで、信長は虎と化した信玄含め、その力を更に増している。
 そんな相手の動きをじっくりと見極め、十分な距離を取り、果ては罠として呪符を置くだけの余裕があるだろうか。
 残念ながら、答えは否だ。先制攻撃を仕掛けて来る相手に対し、事前に罠を張るような戦い方は相性が悪い。相手の動きを先読みし、相手よりも早く罠を仕掛けねばならない戦術は、相手の技量と速度が自分を上回っている場合には、そもそも前提から崩壊してしまうからだ。
「どうした、娘よ。お主の戦い方とは、逃げ回るだけか?」
 再び肉薄する信長と白虎。あのスピードを上回るには、こちらもユーベルコードの使用を解禁する他にないが。
「……偽りの御霊を断ち切りその死を……」
「遅いわ!」
 速度を上げる暇もなく、信長の振るった太刀が零奈の身体を斬り裂いた。対する零奈も、擦れ違い様に信長へと一太刀浴びせたが、予想に反して浅い傷しか与えられていなかった。
「う……ぐ……」
 たった一撃で、脊柱を抉られ、内臓を全て吐き戻したくなるような激痛が零奈を襲う。これが、第六天魔王の名を冠する男の実力。己の野望のためであれば、時に神であろうと仏であろうと、全て焼き払い滅して来た者の底力。
 やはり、十分な呪符を撒いてからでなければ、相手に深手は負わせられなかったか。だが、あのまま逃げ回っていたところで、準備を整える前に信長によって、何もできないまま斬り捨てられていただけだ。
「八百万の神、か……。だが、儂の覇道を阻むというのであれば、神であろうと、仏であろうと容赦はせぬ!」
 武器を持ち、戦いを挑むというのであれば、神職であろうと僧侶であろうと、躊躇いなく斬る。かつて、比叡山の延暦寺を焼き打ちにし、一揆を起こした一向宗の者達を、徹底的に根切りしたように。その、圧倒的な情け容赦のなさが、信長が魔王と恐れられる所以。
 力量の差を誤ったが故の苦戦。しかし、それでも一太刀を浴びせられたのだから、良しとしよう。今、ここで刻んだ傷を、後に続く猟兵達が必ずや広げ、信長を討ち取ってくれると信じ、零奈は潔く身を退いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

禍神塚・鏡吾
技能:二回攻撃、衝撃波、オーラ防御、言いくるめ、催眠術

信長が召喚した渡来人が私の本体をエンパイアに持ち込んだから、私と言うヤドリガミが生まれた……
いえ、あまり感慨はありませんね
猟兵の仕事をしましょうか

(長身の鎧武者を乗せた虎。その体重が唯一の隙か)
敵の初撃が当たる直前、虎の後足が乗った床板に衝撃波二回を放ち、足場を破壊して転倒を狙います
バランスを崩せば追撃の威力も削がれるはず
オーラ防御でしのぎます

そして信玄に(誘導的な)質問

虎よ、虎よ、甲斐の虎
貴方はそれで満足ですか?
貴方の生前の怨敵は
貴方が病に斃れて勝ち逃げ
今は貴方の背中の上
そして拾った二度目の生を
猟兵との戦に費やして
貴方はそれで満足ですか?



●魔鏡は猛虎に問う
 第六天魔王、織田信長は強かった。
 大局的に見れば、既に勝ちのない戦だ。しかし、そこで諦めることなく、ともすれば最後の戦を楽しんでいる様子さえ見られる辺り、覇王の風格を感じさせる。
(「信長が召喚した渡来人が私の本体をエンパイアに持ち込んだから、私と言うヤドリガミが生まれた……。いえ、あまり感慨はありませんね」)
 余計な感傷を持ち込むのは、それだけ隙を生むと禍神塚・鏡吾(魔法の鏡・f04789)は知っていた。だからこそ、敢えて己の感情を封じ込め、猟兵としての仕事だけに専念した。
「お主が次の相手か? 見たところ、儂と戦うための獲物を持たぬようだが……」
 銃器はおろか、刃や書物、果ては護符の類さえ持たない鏡吾に、信長は訝しげな視線を向けた。だが、それで構わない。鏡吾にとっての武器とは、相手の肉体を直接傷つけるものに非ず。真実を映し出す鏡と、それに誘う言霊が、彼の最も得意とする武器だからだ。
「まあ、よい。お主がどのような策を用いようと、儂はそれを打ち破って見せようぞ」
 言うが早いか、信長が白虎と化した信玄に騎乗し、一気に間合いを詰めて来た。
 迫り来る虎の爪。軌跡を見切ろうにも、それだけで避けることは困難な程に素早い一撃。
「……っ!!」
 相手の攻撃に合わせて衝撃波を放とうとするも、それよりも先に虎の爪が、鏡吾の身体を切り裂いた。
 絶対的な先制攻撃。それに対し、攻撃で対抗しようとすれば、相手の方が先に攻撃を当てて来るのは自明の理。それは鏡吾も承知していたのか、全身に気を張り巡らせて守りを固めることで、なんとか深手を負わずに済んでいた。
「ふっ……何処を狙っておるのだ! その程度では、儂の影も捉えることはできんぞ!」
 身体を裂かれながらも放った鏡吾の衝撃波を軽々と避け、信長は続けて一撃を見舞わんと太刀を振り被った。が、次の瞬間、白虎と化した信玄が脚に力を入れたところで、その下にあった床が音を立てて抜けた。
「なんと……! お主の狙いは、最初から儂らの足下か!?」
 意表を突かれ、信長が全てを悟った時には、既に白虎は床を踏み抜いて足を取られた後。バランスを崩したことで狙いの逸れた信長の太刀は、大きく外れて宙を舞った。
 正に、身を斬らせて骨を断つとは、このことだ。気で防御を固めていなかったならば、最初の虎の一撃で、致命傷を負わされていたことだろう。
 もっとも、今の鏡吾は身こそ斬らせてはいるが、しかしまだ敵の骨を断っていない。そんな彼の反撃は、刃や鈍器といった武器を振るう類のものではなく。
「虎よ、虎よ、甲斐の虎。貴方はそれで満足ですか?」
 唐突に、鏡吾は虎と化した信玄に問い掛けた。足を床から引き抜きながらも唸り声を上げる信玄の霊。だが、それにも構わず、鏡吾は更に問い掛ける。
「貴方の生前の怨敵は、貴方が病に斃れて勝ち逃げ、今は貴方の背中の上。そして拾った二度目の生を、猟兵との戦に費やして、貴方はそれで満足ですか?」
 甲斐の虎、武田信玄。ここ、サムライエンパイアにおいても他の世界の史実と同様であるならば、彼は本来、信長の敵。
 そんな彼に、騎馬の代わりに使われて、果たして本当に満足か。その問い掛けこそが、鏡吾の術。鏡から眩い光を放ち、鏡吾は信玄に答えを問うた。
「鏡が照らし出すは真実のみ。さて、虎よ。御答えは、如何に?」
 質問に正しく答えねば、それは大きな災いを呼ぶ。そんな彼の問い掛けに対し、白虎と化した信玄は人の言葉を返すことなく、猛々しい叫びと共に襲い掛かって来た。
「ウゥ……オォォォォッ!!」
 再び迫り来る爪と牙。しかし、それらが鏡吾の身体を傷つけるよりも先に、白虎の方が苦悶に顔を歪めて脚を折った。
「ぬぅ……どうした、信玄よ! さては、彼奴の問い掛けそのものが、呪詛であったということか……」
 鏡吾の技の性質を信長が見切るも、時既に遅し。だが、肉体に大きな負担こそ与えられたものの、それで信長と白虎を倒すまでには至らない。
「ふ……ふふ……面妖な術を使うものよ。言霊を武器に戦うとは、恐れ入ったぞ。だが、それで仕留め切れぬ場合、お主は次に、どう出るのだ?」
 同じ手は二度、通用しない。次は問い掛けが終わる前に首を刎ねると告げる信長に、鏡吾は返すだけの言葉も術もない。
 作戦としては、完璧だった。確かに、虎と化した信玄は人の言葉を発せず、それを抜きにしても、先の問いに対して正しく答えることは難しかっただろう。
 だが、同時に鏡吾の問い掛けは、些か複雑が過ぎたのも事実。生前の信玄公そのものであればいざ知らず、今の彼は、オブリビオンの成り損ない。そして、そんな彼の復活を阻止したのは、他でもない猟兵達なのだ。
 それを棚に上げ、第二の生を謳歌できぬことに対して問えば、返答は「不満」の二文字だろう。しかし、信長に仕えることで猟兵達に対して復讐を遂げられるのであれば、それは信玄にとって本望でもある。
 信長への不満。生への不満。そして、猟兵に対する不満と憎しみ。それらの元や種類が各々に異なり、複雑に絡み合うが故、一度に纏めて尋ねたことで、却って質問の意図を解り難くしてしまったことは否めない。
「残念ですが、これ以上は、こちらに手立てはありません。口惜しいですが、退かせていただきますよ」
 後のことは、続く他の者達に任せる。再び鏡が激しく輝いた後、光の去った時には、既に鏡吾の姿はなく。
「退き際もまた、見事なり。これは、儂が一本取られたわ! フハハハハ!!」
 鏡吾の去った天守閣の中、信長は傷付きながらも、豪快な笑い声を響かせていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「ようし、信長を追い詰めたぞー!ここをほんのうじにしてみせるよ☆」
魔空安土城に乗り込んだら信長の元目指して一直線に飛んでいくぞー

【甲斐の虎】による先制攻撃は、背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」して回避するよ!
いくら大きな虎でも空中では自由に方向転換できないからボクの方が有利だよね♪
それに秘策だって用意してあるんだよ!
ふふーん、これだ!マタタビ!これで酔っ払っちゃえ~♪

信玄がマタタビに気を取られて隙を見せたら大チャンス!
「捨て身の一撃」で【妖精の一刺し】をお見舞いしちゃうぞ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●戦国の姫
 圧倒的な実力を持つ、織田信長。大六天魔王の二つ名に偽りなしと思わせる強さだったが、それでも少しずつだが確実に、手傷を負わせることには成功していた。
「ようし、信長を追い詰めたぞー! ここを『ほんのうじ』にしてみせるよ☆」
 史実において、信長が最期を迎えたとされる寺の名前を口にしつつ、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は彼の下へ向かって飛んだ。天守閣へ突入すると、果たして信長は未だそこにいたものの、ティエルの姿を見て落胆とも嘲笑とも取れる笑みを浮かべた。
「現れたな、猟兵よ。だが、お主のような小童が相手ではな!」
「むぅ、失礼な! 小さくたって、ボクはちゃんと戦えるんだぞ!」
 大きさで相手の強さを見誤ると、痛い目に遭う。そう言って信長目掛け飛翔するティエルだったが、やはり信長は動じない。
「ならば、それを己の身を以て証明してみせるが良い、小さき姫君よ!」
 信玄の霊を白虎に変え、信長がティエルに向かって来た。その動きに合わせて高々と舞い上がるティエルだったが、その程度で諦める信長ではない。
「空を飛べば、それで逃げられると思ったか? 甘いわ!」
 信長を乗せたまま、虎と化した信玄が高々と跳躍した。その膂力は、信長を背に乗せた状態であっても、天守閣の天井に届く程に余りある。単に空を飛んだだけで、回避できるような代物ではない。
「……っ!」
 擦れ違い様に羽を爪で掠め、ティエルはバランスを崩して落下した。だが、空中では敵が直線的な動きしかできないと踏んで、複雑な軌道を描いて回避しようとしたのは幸いだった。
 これが、単に浮遊するだけで何もしなければ、爪の一撃で叩き落とされていたところだ。恐るべきは、大六天魔王と、それに付き従う甲斐の虎。しかし、ティエルとて、何も考えずにこの天守閣まで来たわけではない。
「直撃を避けたか。小童と言ったことは、訂正しよう」
 刀を構え、再び信長がティエルに狙いを定める。今度は正真正銘、相手を殺すための一撃を放つべく。だが、勢い込んで距離を詰めようとした瞬間、信長を乗せた信玄の足取りが、どうにも不規則に揺れていた。
「む……どうした、信玄よ!」
 白虎が唐突に千鳥足を始めたことで、さしもの信長も驚愕の色を隠し切れなかった。まさか、あの一瞬で、信玄に立てなくなるほどの反撃を加えたのか。そう思わせる程、虎と化した信玄は前後不覚になっていたが、それこそがティエルの作戦だった。
「ふふーん! ボクだって、何も考えずにここまで来たわけじゃないんだよ!」
 起き上がりながらも、ドヤ顔で何かを取り出すティエル。その小さな袋の中から現れたのは、独特の匂いがする粉末だ。
 ティエルが取り出したのは、マタタビだった。そう、あのネコ科の獣であれば、その大半が例外なく酔ってしまうというマタタビだ。
 虎の姿をしている以上、信玄にも効果があると踏んでのことだった。あの時、信玄の爪を受けて叩き落された瞬間、ティエルは袋の中からマタタビの粉末を散布していたのだ。
「ウ……ゥゥ……」
 辛うじて意識だけは保っている信玄だったが、肉体はどうにもならない。戦いの最中、凄まじく度数の高い酒を意図せずに浴び、高濃度のアルコールを本人の意思とは関係なく吸い込んでしまったようなものだ。
「いっくぞーーー!! これがボクの全力全開だよ☆」
 マタタビの効果が切れるよりも先に、ティエルが信玄目掛けて突撃した。今の信長は、信玄と生命力を共有している。同時に戦闘力が強化されているのは厄介だが、しかし信玄に大きな打撃を与えられれば、それは信長にも響くはず。
「……ギャッ!!」
 脇腹を貫かれ、白虎が叫んだ。刺したのではない。文字通り、一筋の弾丸となって、ティエルは白虎と化した信玄の身体を、真横から貫いて見せたのだ。
「……フッ、見事なり……。小さき女子とはいえ、儂にこれだけの痛手を与えるとは……。今は亡き妹のことを、少しばかり思い出したぞ……」
 信長のティエルに対する見方も、いつの間にか大きく変わっていた。小さき女子であっても、やる時はやる。その身に強い覚悟を秘め、捨て身で挑んで来る様に、信長は彼の妹である市姫や、その娘達に通じるものを感じていたのかもしれない。
「猟兵よ……儂の気が変わらぬ内に、退くがよい。戦国の世に生まれていれば、さぞかし名のある武将の妾にもなれたであろう……」
 次に信玄が気を取り戻した時、その傷ついた羽では、先のように攻撃を避けることは難しいはず。ならば、未だ信玄が酩酊している内に退くのが理。それをティエルに伝えることこそが、信長が彼女の勇気に対して与えられる唯一の手向け。
 覇道を邁進するのであれば、時にそのくらいの度量は見せねばならぬ。苦笑する信長を前に何も言えず、しかし確かな手応えを感じて、ティエルは天守閣を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
天下無敵の武田の騎馬を、天下布武の織田が運用する…
相手に不足はありません

◆行動
敵の先制攻撃対策として、【オーラ防御】を展開しつつ回避行動
加えて【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】な【衝撃波】を【二回攻撃】で放ち、騎馬の足止めを図ります
余裕があれば【罠使い】として持ち込んだ「網や鎖に重しを付けた罠」も【衝撃波】に乗せて散布
騎馬の足を鈍らせ回避の助けとしつつ、反撃の足掛かりとしても利用

負傷は【生命力吸収】で回復

『DIABOLOS LANCER=Replica』に【範囲攻撃】の力を込め【二回攻撃】
一撃目は敢えて自分や味方の足元に打ち込み強化効果を得ます
続く二撃目には【マヒ攻撃】を加えた攻撃手段として運用



●騎兵断つ槍
 空を貫く魔空の城。信長の居城である魔空安土城は、度重なる猟兵達との戦闘で、徐々に崩壊の兆しを見せつつあった。
 襖は破れ、柱は折れ、それでも未だ形を保っていられるのも、この城が呪力によって支えられているからだろうか。だが、城と同じく城主である信長もまた、今までの戦いにおける傷は決して浅くなかった。
「ほう……今度の相手も女か。だが、お主の細腕で、この儂の首を如何にして取る?」
 目の前に現れた霧島・絶奈(暗き獣・f20096)に、信長は問う。傷ついているとはいえ、それでも女子の腕で首を取られるほど、耄碌しているつもりはないと。
「天下無敵の武田の騎馬を、天下布武の織田が運用する……。相手に不足はありません」
 だが、それに対して、絶奈は真っ向からの勝負を挑んだ。無論、本当に正面から力技でぶつかって勝てないことは、彼女も十分に承知していた。
「その覚悟は良し。ならば見事、儂と信玄と……そして、この騎馬隊を止めてみせい!」
 信長の号令に合わせて騎馬隊が呼び出され、信玄の指揮の下、一斉に絶奈へと向かって来る。その数、500騎は下らない。避けようにも避けられない程の圧倒的な物量が、雪崩の如く絶奈へと襲い掛かった。
「くっ……!」
 全身に気を集中させ、絶奈は防御の構えを取った。多少の傷を負うのは、仕方がない。そんなものは、これから先の戦いで、敵の生命力を奪って糧にすれば済むことだ。それよりも、まずはこの第一波を耐えて、信長に反撃の一手を食らわせるための道を切り開かねば。
「さすがは、歴史に名を遺した武田の騎馬隊。ですが、この狭い天守閣では、その機動力も宝の持ち腐れです!」
 騎馬隊の誇る、恐ろしいまでの突進力。それは確かに脅威だが、しかしあまりに数が多過ぎるが故、相手もまた絶奈の攻撃を避けられない。反撃として放たれた衝撃波を受け、騎馬武者たちが次々と陥落して行く。
「ほう、やるではないか。だが、その痩せ我慢も、いつまで持つ?」
 衝撃波を受けて落馬した者達の背後から、第二陣が迫って来た。敵の数は、まだ多い。これを全て倒してから信長と戦って勝利するのは、さすがに不可能と言わざるを得ない。
「進め、進め!」
「我らが武田騎馬隊の力、存分に見せる時!」
 第一陣が軒並み倒されても、騎馬武者達の勢いは収まらなかった。だが、それは絶奈も承知の上。先程の一撃で敵が怯んだ隙に、既に次の手は打ってある。
「勇猛ぶりも、史実通りですか。ここまで再現されているのなら、こちらも鉄砲隊を揃えた方が面白かったかもしれませんね」
 信長が騎馬隊を破った長篠の戦を思い出しつつ、絶奈は仕掛けていた網を浮上させる。かの戦いで、信長は策を使って騎馬隊の足を止めたというが、馬の弱点は、なにも木枠で作った策だけではない。
「うおっ!」
「な、なんだ、これは!?」
 網に足を取られたことで馬が立ち往生してしまい、騎馬隊はその進撃を食い止められてしまった。それでも、網と網の間を縫って絶奈に迫る騎馬武者達がいたが、その数は既に、数える程にまで減っていた。
「……今此処に顕れ出でよ、生命の根源にして我が原点の至宝。かつて何処かの世界で在り得た可能性。『銀の雨の物語』が紡ぐ生命賛歌の力よ」
 第三陣が放たれる前に、絶奈は光り輝く巨大な物体を召喚した。
 その形状は、まさしく槍。だが、果たして本当に槍なのか。単なる武具に留まらない、強大な力を持った存在が、魔空安土城の天守閣に顕現する。
「むぅ……なんと面妖な……。神代の時代に、天津神が創造した武具とでもいうつもりか?」
 降臨した巨槍の前に、さすがの信長も少しばかり慎重にならざるを得なかった。槍は絶奈の足元を貫き、その衝撃で、彼女に襲い掛かろうとしていた騎馬武者達が吹き飛んで行く。そのまま光は絶奈を中心に広がって、彼女の周りに銀色の雨を降り注がせ。
「これで終わりと思わないことです。あなたは所詮、オブリビオン。この世の命の理から外れた存在よ、生命の力強さを思い知りなさい」
 そのまま槍を引き抜いて、一直線に信長目掛けて投げつける。槍は騎馬隊を次々と薙ぎ倒し、それでも決して勢いを衰えさせることなく、後方で指揮を執る信長と信玄を纏めて貫いた。
「ぬぅっ……これだけの軍勢を退け、儂に迫るほどの力……見事!!」
 黒き鎧に亀裂が走り、信長の身体は天守閣の端まで吹き飛んだ。しかし、それで終わりでないことは、絶奈も十分に理解していた。
「さて……信長公に一矢は報いましたが、この騎馬武者達を放置しておくわけにもいきませんね。残り数百騎……邪魔をするのであれば、可能な限り排除させていただきますよ」
 強化した肉体を武器に、敵の命を糧にすることで、果たしてどこまで戦えるか。五百人は難しくとも、せめて百人斬りくらいは達成させてもらうことにしよう。
「怯むな! 我等、武田騎馬隊の意地を見せてやれ!!」
 深手を負った信長に代り、残る騎馬隊が一斉に絶奈の下へと殺到して来た。それらを巧みに捌きつつ、絶奈はこの戦いに、終わりが近づいていることを感じていた。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・クロセ
アンタの野望もここまで。アタシが止めてやる!

風林火山の技。ここは耐えてみせる。
手近な猟兵がいたら、その人を【かばう】位置で立ち、信長の刀が届く直前でUC【無敵城塞】。
でも信玄+信長の強力な相手なら、UCの性能だけを当てにはできない。
武器を×字にしっかり構え、【武器受け】で確実にガードしていく。

反撃の機会があれば、炎のサイキックエナジーでできた刀で【属性攻撃】の【なぎ払い】。
武器は二本。クロスの斬撃をお見舞いしてやる。
「アタシの炎が、アンタの可能性を焼き尽くす!」

※アドリブ・連携など歓迎です!



●意地の一太刀
 戦いを重ねても、信長は落ちず。さすがは、かつてサムライエンパイアの地を、統一の一歩手前まで迫っただけの男である。
「今宵は実に、楽しませてくれる。儂の覇道を阻む以上、そうでなくては面白くない」
 鎧に亀裂が走り、既に全身のあちこちに傷を残しながらも、信長はともすれば、この状況を楽しんでいた。
 次はいったい、どのような猟兵が仕掛けて来るのか。心待ちにしている信長の前に現れたのは、真紅の瞳を持った小柄な少女。
「アンタの野望もここまで。アタシが止めてやる!」
 両手に大刀と光剣をそれぞれ持ち、現れたのはステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)。知らない者が見れば、屈強なる侍に、子どもが無謀なる戦いを仕掛けているようにしか見えないが。
「お主も、儂の野望を阻むというか。ならば、それに相応しい者か否か、儂と戦い、示してみせよ!」
 今までの戦いを経て、信長も相手が女子供だからといって、手を抜くことはしなかった。
 元より、禍根を残さぬためにと、時に戦う術を持たぬ者まで、徹底的に根切りを行って来た武将だ。少女の姿をしていたところで、相手が己の前に立ちはだかり、その覇道を阻むというのであれば、彼は躊躇いなく斬り捨てる。
(「風林火山の技。ここは耐えてみせる……」)
 敵が接近戦を仕掛けて来ると読んで、ステラは刃を目の前で交差させた。だが、彼女が防御の構えを取った瞬間、既に信長はステラの目と鼻の先にまで迫っていた。
「くっ……間に合わない!!」
 燃え盛る太刀を受け止めたものの、その凄まじい衝撃と熱で、思わず手から武器を取り落としそうになる。こちらがユーベルコードを使うよりも早く仕掛けて来る相手に対し、その攻撃をユーベルコードで受けるというのは、手番の関係からしても無理がある。
(「このまま守りを固める? ……いや、それじゃ勝てない!」)
 次の攻撃が来る前に、守りに入るか、それとも攻めるか。ステラが選んだのは、攻めだった。仮に、ここで防御を固めたところで、反撃する際には防御を解かなければならない。そして、こちらの攻撃に対して返してくる信長の技よりも先に、再びユーベルコードを使用して防ぐというのは現実的ではない。
「ま、負けるもんか! アタシの炎が、アンタの可能性を焼き尽くす!」
 信長が太刀を引いた瞬間、ステラは相手の懐に捨て身で飛び込み、十字に構えていた武器を振り降ろした。その剣先が纏うは、炎の属性。信長の太刀に勝るとも劣らない、全てを焼き尽くす灼熱の焔。
「ぐふっ……! 敵ながら、天晴な攻めだ、女よ! 攻撃こそは最大の防御……これぞ、戦の基本なり!」
 自分の身も顧みず仕掛けて来たステラの行動を、信長も感嘆とした声を上げて讃えていた。が、それでもやはり、敵は強大なオブリビオンフォーミュラー。いかに同じような技を使おうとも、一撃の重さでは信長の方が上手だ。
「お主と斬り合うのも良いが、儂にはこういった手もあるぞ。さあ、次の一手、お主は儂を、どう攻める?」
 樹木の翼を生やして宙へと舞い上がり、信長は猛烈な嵐を巻き起こした。刀であれば受け止められたが、さすがにこれを、二振りの刃だけで受けるのは無理があった。
「なっ……きゃぁぁぁっ!!」
 突風に煽られ、ステラは盛大に天守閣の外へ放り出された。やはり、ユーベルコードの打ち合いでは、敵の方が確実に速い。先を取れる状況であれば、この攻撃も無敵の城塞と化して凌ぐことができたのだが。
(「このままじゃ、地面に激突して転落死しちゃう!? で、でも、まだ……」)
 空中に放り出された状態で、ステラは辛うじてユーベルコードを発動させた。瞬間、彼女の身体はあらゆる衝撃を弾く無敵の城塞と化し、そのまま魔空安土城より落下するも、無傷のまま地表へと落着した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ティットリート・ポルカル
「た、武田信玄が虎になったにゃ!」
白虎に変身して先制攻撃してくる信長に仰天して、しっぽがくるっとまるまってしまう。
「でも、頑張るにゃ!」
けど、そんなまるまりしっぽを無理やり立てて頑張る。
「しっぽを立てるにゃ!」
白虎信玄に騎乗する信長に対して、ガジェットを構える。
「ガジェットドライバーにゃ!」
ガジェットが金色に輝いた後、巨大化し(ケットシー的サイズ)、ドライバー型ガジェットに変形。そのまま地面を突き刺すと、その周囲の地面が摩擦つるつるになる。
「これで、転ぶにゃ!」
なお、信長が浮遊しているなら、吹っ飛ぶ。また、信長が転んでも一緒に吹っ飛ぶ。
「やっぱりうまくいかないにゃ〜」
アドリブ連携等なんでもOK


セレイン・オランケット
※アドリブ連携OK

ついに、織田信長との決戦ね……。
初陣なのだけれど、さすがに手数が少ない状況だから、躊躇もしていられないわね。

まずは相手の先制攻撃をどうにかしないと。
甲斐の虎の騎馬軍団……。あの数を迎え撃つなら、纏めて対処しないと。
ロッドを手に【エレメンタル・ファンタジア】を【全力魔法】で使い、氷の津波を発生させて敵の進軍を食い止めるわ。
騎馬隊の足は止められるし、津波で相手の矢も食い止められるはず。多少飛んでくる矢は【見切り】でどうにか避けてみるわ。

あとは、できるだけ戦う他の猟兵の皆の為に、【生まれながらの光】で回復を試みるわ。
私は倒れてもかまわない。それで、皆が信長を倒してくれるのなら……!


黒影・兵庫
やばいですね、せんせー...威圧感で押しつぶされそうです
ですが、俺も猟兵の端くれ!必ずや一撃を見舞ってやります!
いくぞ、第六天魔王!

(【蝗害】を発動し羽虫を口に含む)

【見切り】【第六感】で騎馬武者に潰される直前に【衝撃波】を推進力に変え回避します!
さらに回避と同時に潤滑性の【蠢く水】をばらまき、方向転換しようとする騎馬武者のスリップを狙います!
間隙を突いて【衝撃波】を使って信長に急接近し、攻撃を【武器受け】で防御し【皇糸虫】を【念動力】で信長と俺を結んで逃げられないようにします!
そのとき、口から強襲兵の皆さんを吐き出すので信長をずたずたに切り刻んでください!



●夢と幻の覇道
 魔空安土城の天守閣は、既に崩壊の一途を辿っていた。
 気が付けば、屋根は吹き飛び空が顔を覗かせて、もはや城であった面影はない。剥き出しの砦といった方が正しい様になっていたが、しかしそんな城の天守閣の真ん中に、信長は未だ静かに座していた。
「……どうやら、次の一戦で勝負は決まるな。ふふふ……思えば、あの時も同じだった。人間、五十年、夢、そして幻……。今宵の戦は、果たしてどちらに軍配が上がるのであろうな」
 あの日、本能寺で朽ち果てた時と同じように、最後の最後まで抗ってみせよう。そう、覚悟を決めた信長の前に現れたのは、合わせて3人の猟兵だった。
「ついに、織田信長との決戦ね……」
「うぅ……物凄い気迫だにゃ……」
 対峙するなり、敵の纏った圧倒的な覇気に気圧されするセレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)とティットリート・ポルカル(お料理大好きなケットシー・f05382)。それは、二人と共に馳せ参じた、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)にとっても同じこと。
「やばいですね、せんせー……威圧感で押し潰されそうです」
 己の内に巣食う蟲に告げるも、ここで退くという選択はない。三者三様に武器を構えて信長と対峙するが、しかし信長は猟兵達との数の差など、全く意に介していない様子だった。
「誰かと思えば、ひよっこどもか。言っておくが、儂の覇道を妨げるつもりなのであれば、女子供とて容赦はせぬぞ」
 そちらが誰であろうと、自分は決して手を抜かず全力で潰す。生き延びたければ、最後の最後まで抗って見せろ。
 不敵な笑みを浮かべつつ、信長は静かに太刀を抜くと、背後に携えた信玄の霊を白虎へ変え、猟兵達に仕掛けて来た。

●束の間の天下
「た、武田信玄が虎になったにゃ!」
 白虎に変化して迫り来る信玄の霊。それを目の当たりにしたティットリートは、思わず尻尾を丸くした。
 人の身の丈の2倍はあろうかという、巨大な虎。同じネコ科とはいえ、ケット・シーの自分とは、あまりにもサイズが違い過ぎる。パワー、体力、俊敏性、どれを取っても敵の方が上だ。
「でも、頑張るにゃ! しっぽを立て……!?」
 それでも、気合で己を叱咤して迎え撃とうとするティットリートだったが、残念ながら、気力や根性だけでどうにかなるほど、信長は甘い相手ではない。
「遅いわ! 戦場では、恐れの感情を抱いた者から、より強い者に食われると知れ!」
 ティットリートがユーベルコードを発動させるよりも早く、信長を乗せた白虎の爪が、彼の胸元を引き裂いた。
「くっ……! まずは、相手の先制攻撃をどうにかしないと……」
 ならば、せめて足止めだけでもと氷の津波を発生させようとするセレインだったが、やはり彼女よりも信長の方が一手早い。先制でユーベルコードを仕掛けて来る相手に対し、同じくユーベルコードで対処しようとしたところで、必ず先手を取られてしまい、意味がないのだ。
「行け、武田の騎馬隊よ! 小童どもを蹴散らしてやれ!」
 信長の号令と共に、突如として現れた騎馬隊が、一斉にセレインへと突撃して行った。なんとか動きを見切ろうとするセレインだったが、彼女が警戒していたのは弓の攻撃。
「多少、矢が飛んで来るくらいだったら、どうってこと……って、えぇっ!?」
 彼女の予想に反し、騎馬隊はその手に握った槍や薙刀を武器に、次々とセレインへ斬り掛かって来たのだ。
「きゃぁぁぁっ!!」
 怒涛の如き騎馬隊の猛攻に晒され、セレインは成す術もなく飲み込まれてしまった。
 敵の攻撃に警戒していたとはいえ、やはり、先にユーベルコードを使おうとすれば隙を生む。おまけに、彼女の予想に反し、戦国の騎馬隊は突撃戦法が主流だ。馬上から弓を射るのは、せいぜい鎌倉の時代まで。信長や信玄が騎馬武者を運用する騎馬武者は、突進力を重視した、西洋の騎兵に近いものだ。
「と、とんでもないやつですね。で、ですが、俺も猟兵の端くれ! 必ずや一撃を見舞って……」
「甘い……甘いぞ、少年! お主が何を考えているかは知らぬが、儂よりも先に、超常の技を使えるとは思わぬことだ」
 騎馬隊の猛攻に気圧されしつつも反撃の糸口を掴もうとする兵庫だったが、やはり先手を打ったのは信長だ。敵の攻撃を避ける策を用意していたとはいえ、その前段階でユーベルコードを使おうとすれば、それよりも先に、信長の方からユーベルコードを叩き込まれてしまう。
 正直、これでは敵の先制攻撃に対し、何の対策もしていないに等しかった。せめて、敵の攻撃に耐えてから反撃すれば良かったのだが、それを忘れ、自分が先にユーベルコードを使えると思っていた時点で、兵庫の作戦は浅いと言わざるを得なかった。
「う、うわぁぁぁっ!!」
 蟲を呼ぶ暇もなく、兵庫もまた武田の騎馬隊による猛攻に晒される。敵の数は、500体は下らない。道具を使って何かしようにも、初手で相手のユーベルコードの直撃を許してしまった以上、もはや反撃で動くだけの力もない。
「うぅ……やっぱりうまくいかないにゃ〜」
 気が付くと、ティットリートは完全に白虎によって組み伏せられ、立ち上がることもできなくなっていた。
「は……はは……。桁違いですね……。こんなの、どうやって勝てって……」
 同じく、兵庫もまた騎馬武者に徹底してやられ、身体も心もズタボロだ。奇策を用いようとする姿勢は良かったが、後手に回らざるを得ない状況で、相手より先にユーベルコードを使うことは、直接攻撃でなくとも不可能だった。
「わ、私は倒れてもかまわない。それで、皆が信長を倒してくれるのなら……!」
 それでも力を振り絞り、セレインが仲間達の傷を癒そうとするも、その行動もまたユーベルコード。
「無駄だと言っておろう、娘よ。どのような技であれ、儂よりも先に、超常の力は使わせぬぞ」
 再び、信長が騎馬を呼ぶ。その一撃が駄目押しとなって、セレインは完全に意識を失った。強敵を前にして、迂闊にユーベルコードを乱発するのは、それだけ相手に攻撃されるリスクの高い行動なのだ。
「ふん、他愛もない。最後の最後で、勝ちを焦り過ぎたな、猟兵よ」
 やがて、全てを騎兵が押し流した後、信長はそれだけ呟いて天を仰いだ。
 この戦いは、自分の辛勝。だが、これで生き延びたところで、自分の運命はそう簡単に変わらない。しばし傷を癒したところで、次に攻めてくる猟兵は、ここまで甘くないかもしれない。
「人間、五十年……今宵の戦いも、過ぎ去ってみれば、刻の彼方に忘れられし夢、幻か……」
 しかし、それらなばせめて、今だけは夢を楽しませてもらおうか。激戦に次ぐ激戦の末、戦いを制した信長だったが、彼もまたこれで全てが終わらないことは、十分に承知していたのだろう。

失敗 🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:失敗

完成日:2019年08月26日


挿絵イラスト