いつか思い出になる季節を
8月も半ばを過ぎ、そろそろ夏の気分も落ち着いてきた時期。
しかし、まだまだ夏を楽しみきっていない者達がいた。
「皆様、スペースシップワールドのリゾート船にいきませんこと?」
そう切り出したのはエリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)であった。
スペースシップワールドでは、海を模したリゾート船が数多く存在している。
エリルによれば、そのうち一つを、猟兵達に貸し出してくれるという申し出があったそうなのだ。
リゾート船はあくまで模造品である。だが、青い空、白い砂浜。穏やかなビーチで、波の音に耳を傾ければ、本物となんら変わりないのだと感じるだろう。
だが、それだけではない。
「なんと、この海には人が乗れるほど大きなクラゲが漂っているらしいですわ! ひんやりしてぷるぷるで、ベッドのように寝転がったりすることが出来るそうですわ。波に揺られながらお昼寝なんて最高ですわね!」
そうエリルがはしゃぐ。品種改良を行った巨大なクラゲが、このリゾート船の目玉なのだそうだ。もちろん毒は無いし人に危害を加えるようなこともない。
「それから、よく人に慣れたイルカも泳いでいるそうですわね。背中に乗って一緒に泳いだらきっと気持ちよさそうですわ!」
エリルがうっとりと虚空を眺める。きっと楽しい想像をしているのだろう。
ハッと我に返ると、エリルは再び猟兵達に向き直った。
「もちろん、他にも、思いつく限りのことをして遊んで構いませんわよ。お友達等も一緒に呼んでいただければ、なんだって出来るんじゃないかしら。 なんたって、今回は貸し切りなのだから!」
そうしてエリルのグリモアが輝く。
夏はまだまだ終わらない!
G.Y.
※このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
こんにちは。G.Y.です。
夏もそろそろ終わり……とみせかけて、スペースシップワールドで海を楽しみましょう!
●リゾート船について
オープニングの通り、このリゾート船には2つの特色があります。
・海に漂う巨大クラゲがいます。
一人~二人ほど寝転がれるサイズで、ひんやりぷにぷにです。
希望すれば誰でも乗せてくれます。そこら辺に漂っているので、自分から乗りにいっても怒られません。
・人によく懐いているイルカの群れが泳いでいます。
人を背中に乗せて泳ぐのが好きなので、誰でも簡単に乗ることが出来ます。
プレイングをお送りいただく際は、どちらか一方を選ぶことをお勧めいたします。
どちらも選ばず独自に遊ぶような内容でももちろん問題ありませんよ!
●その他
・誰かと一緒に参加される場合は、わかりやすく相手のキャラ、ID、もしくはグループ名をプレイングに入れて頂くと嬉しいです。
・このシナリオにはエリルを呼ぶことも可能です。お呼び頂ければ参加させていただきます。
それでは、皆さんの素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りに勤しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
栗花落・澪
【ゲンジロウ・ヨハンソン(f06844)】と!
すごーい!おっきいクラゲ!
こんなサイズのもいるんだぁ!(瞳キラキラ)
ゲンジロウさん、はやくいこー!
〇クラゲ乗り
ふふ、ゲンジロウさんおっきいもんねー
一緒に乗れる子いるかなぁ?
あっ、あの子とかどう?すっごくおっきいよ!(とてとて)
ふわぁっ!?びっくりしたぁ…
ゲンジロウさんにぽいってされたらクラゲの上にころんと転がり
あははっ、ぷにぷに、おもしろーい!
ゲンジロウさん乗れるー?
もー危なっかしいなー、こうするんだよー♪
おどおどしてるゲンジロウさんに
転がりながらぶつかってみたり
足場を揺らしてみたり
たまに飛びついたりとからかいつつ
危なそうな時はちゃんと掴んでおくね
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
栗花落・澪(f03165)
今回は水着コンテストのイベントを通じて知り合った澪とおデートじゃな。
…いや澪は男の子じゃよ、流石に冗談じゃ…どっちかっつーと保護者気分じゃな。
澪はクラゲに興味津々のようじゃな、どうれ行ってみるか。
○クラゲ乗り
わしも一緒に乗るなら特大のクラゲを探さねぇとじゃな。
おっきなクラゲさんを見かけたら、とりあえず【怪力】で澪をぽいーっとクラゲの上に乗せて
大丈夫そうなら自分もゆっくりと搭乗…って、うぉぉ!これ意外と難しいぞ…!?
ふにふにぷにぷにと安定しない足場に翻弄されて、澪に支えて貰ったりクラゲにしがみついたり、
クラゲに気を遣って貰ったりしつつ、楽しむ?ぞぅ。
青い海、白い砂浜。空と太陽は天井の高精細モニターで映し出された仮初のものだが、一度足を踏み入れれば、そこはまさしく本物だった。
「すごーい! おっきいクラゲ! こんなサイズのもいるんだぁ!」
オレンジの水着に黒のシャツを羽織って栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が、水面に浮かぶ巨大クラゲを見て瞳を輝かせていた。
「ゲンジロウさん、はやくいこー!」
「おー、待ってくれぇ!」
振り向いて手を大きく振ると、ヤシの木のシルエット柄のパーカーを着て、サングラスに髭面、さらに大きな傷が特徴的な大男が澪に向かって手を振り返した。
その男はゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。小柄で細く、色白な澪とは対照的に、浅黒い肌にガッチリと鍛え抜かれた筋肉の強面男。二人は先の水着コンテストでのイベントを通じて知り合ったのだという。
まるで住む世界が違うな二人だが、猟兵という存在に年齢や性別、体格はまるで関係ない。それを象徴するかのような二人組だ。
サングラスを外してにかっと笑うゲンジロウに、澪もにぱっと笑う。まるで女の子のような顔つきだが、澪はあくまで男の子。並ぶゲンジロウも保護者の気分でその様子を微笑ましげな目線を向けた。
「ほぅ、このクラゲ乗れるんか」
「うん! ゲンジロウさん、一緒に乗ろ♪」
岸から波間に漂うクラゲを眺め、目を丸くしたゲンジロウに、澪が提案する。
「わしも一緒に乗るなら特大のクラゲを探さねぇとじゃな」
「ふふ、ゲンジロウさんおっきいもんねー」
キョロキョロと見渡し始めたゲンジロウの姿に澪が微笑み、一緒になって海を眺めると、一際大きなクラゲが漂ってくるのが目に入った。
「あっ、あの子とかどう? すっごく大きいよ!」
そう言って走り出そうとした澪の首根っこを、ゲンジロウが掴む。
「ふわぁっ!?」
「そぉーれっ!」
ぽーんと澪の身体が宙に浮く。そして、澪はぽふん、と巨大クラゲの上に着地する。
「はわぁぁ~……びっくりしたぁ……」
目をしぱしぱまばたきさせた澪であったが、すぐにそのクラゲの感触に心を奪われ、ころんと寝転がった。
ふにふにでしっとり、ひんやりとしたクラゲに顔を埋めると、表情も自然と笑顔に変わる。
「あははっ、ぷにぷに、おもしろーい!」
そうやってはしゃぐ澪の姿に、ゲンジロウの顔がほころぶ。それに、澪が寝転がっても余りあるほどのスペースがそのクラゲにはあるようだった。
「ふむ、大丈夫そうじゃな」
そう言うと、ゲンジロウも飛び移ろうと、そろーりと足を伸ばす。
「うふふ、ゲンジロウさん乗れるー?」
おっかなびっくりなゲンジロウに、澪が悪戯っぽく笑いかける。
「う、うぉっと……!」
安定しない足場に、滑ってしまいそうでなかなか踏ん切りがつかない。おまけに――。
「もー危なっかしいなー、こうするんだよー♪」
ぴょんぴょんと澪が飛び跳ねると、クラゲがぐらぐらと揺れる。
「こ、こらこら揺らすんじゃ……とぉ!」
両足が岸から離れ、ゲンジロウの身体がクラゲへと飛び移った。
「ぬ、ぬおぉ……!? 意外と、難しいぞ……っ!?」
ゆらゆらと揺れ続けるクラゲの上でバランスを取ろうと必死なゲンジロウに、澪がくすくす笑う。
「あはは、面白ーい!」
ころころ転がってゲンジロウにぶつかってみたりするたび、ゲンジロウは焦った顔で身体を左右にふらふらさせる。
「と、ととっ」
そして、ゲンジロウの身体が海へと傾き――。
「危ないっ!」
まさに海に落ちようとしたゲンジロウを、間一髪。澪の手ががしっと掴んでいた。
「……ふー、危なかったぁ」
「お、おぉ、悪かったなぁ」
バランスを取り直し、今度こそ二人の身体とクラゲが安定した。
そうしてやっと落ち着いて一息ついて、二人は顔を見合わせる。
「っ、く、くくっ……」
「ふ、ふふふっ……」
ぷかぷかと揺れるクラゲの上、どちらからでもなく、二人同時に笑いがこみ上げる。
「あはははははっ!」
「わははははははっ!!」
そして、二人が大きな声で笑った。
今日の幸せな一日は、いつか思い出となって心に刻まれる。
それは戦い続ける猟兵の、ほんのひとときの夏休み。
世界を護る者達の、かけがえのない1ページ。
大成功
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