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エンパイアウォー㉙~トツキトオカをマタズして

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 ――その時、女は、確かに充たされた。

「偽神降臨の邪法……安倍晴明の、置き土産や」
 各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)の言葉は、珍しく吐き捨てるようで、表情も酷く険悪だった。
「簡単に言えば……人為的にオブリビオンフォーミュラを誕生させようってゆう、実験でな。そのやり方がまた、めっちゃ胸糞悪い」
 その方法とは――有力なオブリビオンの胎内に、安倍晴明自身も含む魔軍将の力やコルテスが持ち込んだ神の力を宿らせ、出産させるというもの。神を――新たなオブリビオンフォーミュラとなるべき『偽神』を孕んだ女性体のオブリビオンは、既に複数いるという。
「出産するまで『とつきとおか』掛かるさかい、今回の戦争の結果には関係あらへんし、生まれた子がオブリビオンフォーミュラになる確率だって高うない。けど、零やないんや」
 エンパイアウォーで、織田信長を何とか出来たとして……サムライエンパイアに再び災厄を齎すかもしれない種子が、こっそり撒かれていたとなれば。
「それに、オブリビオンフォーミュラになれなくたって、『偽神の子』が強力なオブリビオンになるんは確実や。芽吹く前に、母体を見つけ出さなあかん」
 見付け出し、確実に撃破を――陰鬱な表情のまま、瞳子ははっきりと言ってのけた。
「皆に行って貰うんは、奥羽地方。水晶屍人の掃討はもう終わっとるけど、清明の拠点というか、研究施設が発見されたんや」
 研究施設は既に放棄されているが、『重要な役割を持つオブリビオンが匿われていた可能性』を、掃討戦を行った武士達から報告されている。
「この施設から逃走したオブリビオンに、『偽神降臨の邪法』が施されてとったんや」
 『彼女』は『人斬り小町』と呼ばれている。失った想い人をこの世に甦らせる為、人の命を奪う事を選んだ悲しき女性――だが、彼女の宿願は、別の方法で叶えられた。
「彼女は、『胎内に宿った神の子』こそ想い人の生まれ変わりと信じ切っとる。『愛しき神の子を産む』為に十月十日の間、隠れ潜み、逃げ果せようと死に物狂いや」
 戦闘中も隙あれば逃亡しようとするので、対策はあるに越した事は無い。
「身重ではあるけれど、そこはオブリビオンや。剣の冴えはその名に違わず達人にも劣らへん。佩刀の数だけ、人を斬ってきとるさかい。くれぐれも、油断せんといてな」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 エンパイアウォー10目。今回は「㉙偽神降臨の邪法」です。

 魔軍将・陰陽師『安倍晴明』が、新たなオブリビオンフォーミュラとなるべき『偽神』を降臨させる邪法を研究していた事が判明しました。
 『有力なオブリビオンの胎内に、自身も含む魔軍将の力やコルテスが持ち込んだ神の力を宿らせ、出産させる』という『偽神降臨の邪法』は、人為的にオブリビオンフォーミュラを産み出そうとする、恐るべき実験です。
 転生には「十月十日」という日数が掛かる為、戦争の帰趨に影響はありません。しかし、喩えオブリビオンフォーミュラになれなくとも、徳川の世を転覆させるような大事件を引き起こす、強力なオブリビオンの誕生となるのは間違いないでしょう。
 尚、戦争終了までに成功シナリオ数が10本以上となった場合、転生の邪法は完全に阻止出来るようです。

 場所は、奥羽地方の山中。
 安倍晴明の研究施設より逃れた『人斬り小町』は、『胎内に宿った神の子』を至上の存在と認識させられ、無事に産む為に最善を尽くそうとしています。今はまだ、人里から離れようとしているようです。戦闘中も、隙あれば逃げようとしますので、お気を付け下さいませ。

 それでは、猟兵の皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『人斬り小町』

POW   :    絶剣の見切り
【一手秒先の未来を見てきたかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    悲恋百刀
予め【刀剣を無数に周囲に展開 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    哀歌剣刃舞
【哀しみを込めた剣の舞 】が命中した対象を切断する。

イラスト:ひお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠堂崎・獣明です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 人里にも背を向けて――只管に、山道を往く。
 何処か何処か、人跡未踏の峻嶺に、雨風凌げる洞窟でも見付けられれば、それでいい。
 トツキトオカ、潜み続け、凌ぎきれば――私は、あの人に又逢える。
 やっとやっと、あの人を、抱き締める事が、出来るのだ。
アマータ・プリムス
十六夜様と連携

自らが滅びても次の手を残す
随分と手が込んでいますね
それに母胎を利用……これは当機がやります
他の方にやらせるよりはいいでしょう

ええ、当機はオブリビオンを倒す人形ですから


敵を見つけ次第UCを発動
ネロを呼び出し共に戦闘開始
十六夜様が逃げ道を塞いでくださいますし当機はオブリビオンを仕留めましょう

ネロはその手に持った大鎌で
当機は指先から伸ばしたフィールムで

逃げ道のない母を追い詰めましょう

刀の対処は十六夜様に任せています
無防備となった母をフィールムで拘束しネロに抑えてもらいましょう
そこへ当機がスコパェの仕込み刀を引きぬき突き刺します

……ごめんなさい。これだけは言っておきましょう


月代・十六夜
アマータ・プリムス(f03768)と連携。

おいおい、ここまで好き放題しといてそりゃちょっと都合が良すぎやしないかね?
ということでここが行き止りで生き詰りだ。
まぁなんだ、他の面子はともかく俺はあんたの事情に欠片も興味がないし感慨もないんだなぁこれが。

【韋駄天足】の【ジャンプ】で周囲の木々を足場に現場に急行。
相手の頭上から【ジグザグフィールド】を逃げ道に展開してそこに着地。
そのまま相手の射程外を跳び回って【時間稼ぎ】しながら切れ味はない、その代わり頑丈なワイヤー陣で包囲していく。

相手が刀を展開しだしたらチャンス到来。
今までの【時間稼ぎ】中に【見切っ】た隙に【虚張盗勢】で片っ端から刀を盗んでいく。



「……ごめんなさい。これだけは言っておきましょう」
「!?」
 淡々とした声音が、オブリビオンの耳朶を打つ。目を見開き、佩刀構える彼女の前に、2つの影。片や、大鎌構える死神人形、もう一方は精緻なるミレナリィドール。
 咄嗟に飛び退く勢いのまま、踵を返した人斬り小町にワイヤーが掠め飛ぶ。
「おいおい、ここまで好き放題しといて、そりゃちょっと都合が良すぎやしないかね?」
 あたかも投網の如く、頭上からワイヤーが張り巡らされた。
 次いで、ワイヤーの檻の上に降りた月代・十六夜(韋駄天足・f10620)は、飄然と片眼を瞑る。
「ということで、ここが行き止りで生き詰りだ」
 オブリビオンは何も言わない。視線が素早く左右に流れ、その周囲に数多の刀剣が浮かび上がる――。
「―――盗ったっ!!」
 すかさず、フェイント交じりの十六夜の手が、野太刀を一振り掠め盗る。同時、ミレナリィドール――アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の指先から、傀儡糸が拘束せんと奔る。次いで、大鎌振り被る死神人形――その名は、ネロ・フラーテル。
 ギィンッ!
 オブリビオンは蹴り上げた太刀で鎌刃を弾き、巻き付かんとした糸の間隙に小太刀を挟んで絞首を逃れる。
 ヒュッ!
 だが、箒の柄に仕込み刀。アマータの刺突が女の肩を貫く。
(「お腹を、庇って……」)
 本来は胴を狙った一撃。人斬り小町の鋼の意志を感じ取り、アマータが微かに目を瞠った次の瞬間。
 一閃! 佩刀もまだ数多ならば、ワイヤーがバラリと切断される。
「……っ」
 舌打ちした十六夜が新たな囲みを張るより早く、包囲網を突破したオブリビオンは疾駆する。身重で手負いと思えぬ俊敏さで。
「十六夜様?」
 微かに小首を構えるアマータ。彼の韋駄天足なら追えぬ筈はない。だが、渋い表情ながら、十六夜は追撃の足を止める。
「あっちの方向は、十重二十重ってヤツだからな」
「それは、承知していますが」
「まぁ何だ、俺はオブリビオンの事情に欠片も興味がないし、感慨もないんだなぁ、これが」
「はい、だからこそ、当機が、我々がやるべきだったかと?」
 アマータはオブリビオンを倒す人形で、十六夜も粛々と穿つ刃となれたから。
「うーん……確かにそうなんだろうけど」
 この追討に加わった猟兵は、少なからず。中には思う所のある者も見受けられた――刃となってこそ、昇華する情もあろうなら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

緋縅・善蔵
【先制攻撃】用のUAVを周囲に展開。同時に〔支援要請〕で4機招集し、水も漏らさぬ包囲網を作る。
無人機には敵から距離を取って射撃攻撃させ、自分は〔VRB〕で攻守底上げ。
「子も母も憐れよな。晴明が下種な手を取らねば、洒落の1つも出ようと言うに」
【オーラ防御】と【力溜め】で更に攻守を高め、〔ミサイルカーニバル〕で追撃。
他の参加者や無人機に紛れ、逃げれないように〔鎖死合〕を試み成功したら【激痛耐性】や【武器受け】で敵の剣撃を反らし、〔VRB〕で超音速に加速した仁王で胸を【串刺し】、そして近距離から【一斉発射】で撃滅する。
他の猟兵との絡みや、アドリブは歓迎。


黒金・菖蒲
やれ、産まれる前からの忌み子とはね。
どう転んでも悪辣な事しか出来ないのだね、あの術師は。

なれば、早めに断つしかないようだな。
諦めてくれたまえ。

先ずは、捉えようかね。
――往け、闇奔。
72の影を呼び寄せ、散開。
対象を索敵させ、追おうか。

さて。
剣の腕に覚えはあるようだが、あくまで常人の域のようだね。
こちらも、真っ向から斬り合えるが……そのつもりは無いのだよ。

私の視界の内ならば、我が剣閃は何処へも達する。
――涯無

相手の領域外から、その両足を斬り落とし、動きを削ごう。
剣が邪魔をするならば、それをも鎧を無視する一閃で両断する。

伏したならば歩み寄り、躰を踏み付けて動きを留める。
徒花を咲かせよう――

――落椿



「やれ、産まれる前からの忌み子とはね……どう転んでも悪辣な事しか出来ないのだね、あの術師は」
「子も母も憐れよな。晴明が下種な手を取らねば、洒落の1つも出ようと言うに」
 黒金・菖蒲(影の刃・f18670)の呟きに、緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)は顔を顰める。
「なれば、早めに断つしかないようだな。先ずは、捉えようかね――往け、闇奔」
 まずは影分身。菖蒲が数えて72を散開させれば、程なく、オブリビオンは谷の向こうに在ると知る。
「俺は飛べるが、其方はどうする?」
「何、問題ない」
 善蔵に悠然と応じ、菖蒲は静かに身構える。敵は人斬り小町と呼ばれるオブリビオン。その腕前は相応であろうが、斬を飛ばせる訳も無し。そして、菖蒲も、最初から真っ向から斬り合う心算は無い。
「私の視界の内ならば、我が剣閃は何処へも達する――涯無」
 菖蒲が虚空より発した斬撃に、人斬り小町の脚から血が飛沫く。流石はオブリビオンというべきか、一撃で両足を落とす事は叶わなかったが、何、こちらは彼女の間合いの外から、何度でも仕掛けられようというもの。
「こちらカラミティ。無人機支援を要請する」
 更には、善蔵の支援要請で、UAVに加えて無人機を4機招集し、水も漏らさぬ包囲網。
「バンシィ! 俺に力を貸せ!」
 善蔵自身は紅蓮の闘気で戦闘力を底上げする間に、無人機も遠距離から銃撃をオブリビオンに浴びせ掛ける。
 ――――!!
 土煙がもうもうと立つ。後はケリをつけるべく接近すれば――。
「な……」
 よもや、土煙収まった後、女の影も失せていようとは。思わず息を呑んだ善蔵は、慌てて谷渡り翔け付ける。
「洞、だと……」
 女がいた場所には、真円の穴が口を開いていた。覗き込んでも善蔵の眼では、暗過ぎて詳細はよく判らない。
 襲撃を受け、人斬り小町は立ち向かうより足元を斬って地下に逃れる方を選択したという訳か。
「……」
 菖蒲は唇を噛み締める。遠くまで自在に斬を飛ばせようとも、それも『視認』出来てこそ。元より、緑滴る夏の山中は視界がクリアとは言い難い。距離を置いた先制攻撃が仇となってしまったと言えよう。
 それでも、けして軽くはないダメージを与えた――この山からは、けして逃すまい。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で参加

惨いことをする……
これほど虚しい戦いは久し振り……
もしまた晴明が甦ろうものなら、真っ先に始末しなければ

……私もまた、酷いことをするのだけれど

※常時オーラ防御発動
第六感で居所、攻撃を見切り早業武器受け
見つけ次第光の鎖を念動力で用い足払いを狙う
必ず腹の子を守るために受け身を取るはず……っ!
足元への攻撃には気を取られやすくなるだろうから、下段攻撃を多めに
可能ならふん縛る
特に酸欠になりやすそうな部位をね(ロープワーク)

意識が朦朧とするか必要ならUC発動
……彼女の想い人の幻想を映す!!
(祈り、精神攻撃、催眠術、全力魔法)

そのまま風の衝撃波で殺す

虚しい
辛い
戦争なんて……



 端的に言えば、第六感が働いた――鈴木・志乃(ブラック・f12101)が岩陰から窺う先、小さな横穴から這い出てきたのは、黒髪の女。白皙の面も、紫紺の着物も、赤い帯も泥に塗れながら、腹部だけはしっかり庇っている。
(「惨いことをする……」)
 胸の内で零したのは、志乃に非ず。『昨夜』は、刹那瞑目する。
(「これほど虚しい戦いは久し振り……もしまた晴明が甦ろうものなら、真っ先に始末しなければ」)
 肩は帯紐できつく縛り上げ、元は白かっただろう足袋も黒い草履も赤黒く染まっている――それでも尚、歩みを止めぬオブリビオンを目の当たりにして、彼女は拳を握り締める。
(「……私も今から、酷いことをするのだけれど」)
 ――――!!
 光の鎖が迸る。うねり、のたくり、狙うは血染めの足。案の定、お腹を護るように受け身を取ったオブリビオンへ、下段攻撃を畳掛けていく。
「今一時銀貨の星を降らせる、世界の祈りの風よ」
 それはせめてもの手向けか――映した幻想は、人斬り小町の想い人。
「嗚呼……あなた……」
 ふわりと和らぐ、女の顔。後は、このまま風の衝撃波で……母子諸共に。
(「虚しい……辛い……戦争なんて……」)
 『昨夜』の思考が、ほんの少し、痛みに沈んだその時。
 ――――!!
 オブリビオンの剣舞が、目の前の何かを斬り払うように――引いては、志乃の身体に一閃する!
「……どうして?」
「あの人は、『ここ』にいるの」
 まだ平らな自らの腹をギュッと抱き締め、人斬り小町は囁く。
「やっと私と『一緒』になれたのに。そんな、辛そうな顔をする筈がない」
 世界に幸福な幻想を生み出す祈りと浄化の風――そこに、ほんの一滴、苦みが混じってしまったとしたら。
「……っ」
 思わず膝を突いた猟兵にはもう目もくれず、オブリビオンは歩き出す。足を引きずりながら、只管に、前へ前へ。

成功 🔵​🔵​🔴​

吉備・狐珀
猟兵になる以上、この様な依頼もあると思っていましたが…。
オブリビオンとはいえ母親から子を奪うのは良い気分はしませんね。

UC【蒼蓮蛍雪】使用。
【属性攻撃】で氷結を強化した狐火を【一斉発射】します。
攻撃だけでなく、逃げられない様に足場を凍らせる。
私の狐火を消せるのは私だけ。
貴女の炎では消せません。
動きを封じたら、人形の【破魔】の効果がある炎を飛ばして追撃します。
赤子に罪はなくとも、この世界の脅威になるのなら私は鬼になる。
願わくば、次は偽りの愛した人の生まれ変わりではなく、愛した人の子をを宿さんことを…。


緋縅・善蔵
サムライエンパイアに禍根を残す訳には行かん。
レベル半々の〔支援要請〕で2機招集し、〔VRB〕を使って急ぎ追撃する。
目標を発見したら【誘導弾】の〔ミサイルカーニバル〕含む【一斉発射】の【範囲攻撃】。
爆炎が立ち込める中で光学【迷彩】し、無人機で【時間稼ぎ】してる間に【オーラ防御】と【力溜め】で守りを底上げ。
目標が味方と交戦してる間に死角へ周り、【怪力】を篭めたパイルバンカーで【串刺し】。
至近距離で目標からの反撃があれば獣の牙による【カウンター】が発動し【生命力吸収】。
目標が離脱する際は空中戦で空からプラズマライフルを速射。〔戦場の亡霊〕にも頼る。
「骸の海ではなく、子と共に輪廻の輪に乗るが良い」



 猟兵になる以上、この様な依頼もあると思っていた。
(「それでも……オブリビオンとはいえ、母親から子を奪うのは良い気分はしませんね」)
 正確には、母となるモノの命までも――吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)は、徐に手を翳す。少女の周囲に、数多の青が燃え出る。
 視線の先には、泥に塗れ、満身創痍でも先に進まんとする女の影。今しも、狐珀の指先が動く寸前。
「サムライエンパイアに、禍根を残す訳には行かん」
 同朋に任せるを良しとせず、追撃を敢行した緋縅・善蔵は目標発見、即全武装一斉発射!
「……はぁ、はぁ」
 絶剣の見切りを以て、急所への命中は回避したか。木の影にて荒く息を吐く人斬り小町は、忽ち無人機2機と夥しい数の青い狐火に包囲される。
(「赤子に罪はなくとも、この世界の脅威になるのなら――私は鬼になる」)
 燃え上がるも熱はなく、氷結の青は人斬り小町を足場から固めんと。狐珀は静かに言い放つ。
「私の狐火を消せるのは私だけ。貴女には消せません」
 同時、人斬り小町の死角に回り込んだ善蔵のパイルバンカーが、背中から串刺しにする。
「骸の海ではなく、子と共に輪廻の輪に乗るが良い」
 杭を引き抜けば、血が噴き出る。ぼたぼたと落ちる紅が、凍れる足下から斑に染める。
「願わくば、次は偽りの生まれ変わりではなく、愛した人の子を宿さ――」
「黙れ!」
 串刺しされれば痛かろう、青き狐火は冷たかろうに。満身創痍にも拘らず、人斬り小町は猟兵達を睨む。
「な……」
 確かに、狐火は狐珀でなくば消せぬ。だが、佩刀舞うや、斬り砕いたのは凍れる足場。
 この期に及んで一手秒先の未来を見たかのように、頭上よりの善蔵の速射を人斬り小町は転げ回って回避する。
「……っ」
 これ程までに傷付きながら、未だに腹部が無事なのは――情念は執念と化し、愛は哀に染まろうとも。その母性、果たして、偽りと断ぜようか。
 心在る限り、人斬り小町はけして諦めるまい。だが、立ち上がり掛けてカクリと膝から崩れた。オブリビオンの限界は、誰の目にも明らかだ。
 ザワリ、と彼女の背後で藪が鳴った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

愛久山・清綱
彼の剣客は只操られているだけか……
最早、討つことでしか救えまいな。
拙者、愛久山清綱。其方の枷、解いて進ぜよう。
■追
戦闘中は小町から目を離さず、常時目視。

逃げる素振りを見せたら【空中戦】で低空飛行、
地形を無視しながら【ダッシュ】し追跡、背を向けた
瞬間に攻撃を仕掛ける。

■闘
刀剣が展開されたら【野生の勘】を働かせて刀の動きを
【見切り】、攻撃が仕掛けられたら咄嗟にかわす。
難しければ【武器受け】で弾く。

好機が来たらその身に【破魔】の力を宿し、居合の構え。
そこから【鎧無視攻撃】を絡め威力を高めた【心切】を放ち、
『子を護る意思』と『闘志』を斬り伏せ、楽にしてやろう。

※アドリブ連携歓迎・常に淡然としています


アパラ・ルッサタイン
……中々に胸糞悪い方法を考えるモノだなあ

母なら子を産み落としたいのは自然
いとしい人なら逢いたいのは当然

……けれど、すまないね
あなたの願いは果たせそうにない

【POW】
『ブレイズフレイム』使用

一手先が見えるのならば二手先、三手先を用意せねばね

「2回攻撃」で回避された後も追撃する腹積もり
二手目以降も
「高速詠唱」にて逃げる隙は与えない様に
また予め「範囲攻撃」で周囲にも火を散らし操り、小町を囲ませよう
逃亡の兆し有れば妨害をしておくれ


残念ながら其処にあなたのいとしい人は居ないんだ
かの海へ還り、
あなたが正しく産まれなおし
その時に逢えるよう、祈ろうか
これはその為の送り火だ



「ふーん……中々に、胸糞悪い方法を考えるモノだなあ」
 わざわざ声に出し、独りごちるアパラ・ルッサタイン(水灯り・f13386)。
「この剣客は、只操られているだけか……」
「いいえ、違うね」
 同じくオブリビオンの背後を取る形で、藪を掻き分けて来た愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)に、アパラは頭を振る。
「母なら子を産みたいのは自然。いとしい人に逢いたいのは当然」
 山中を逃げ回った女の執念、それを彼女は肯定する。
「……けれど、すまないね。あなたの願いは果たせそうにない」
「ああ。最早、討つことでしか救えまい」
 10代半ばにして偉丈夫は、居合抜きの構えを取る。
「拙者、愛久山清綱。其方の枷、解いて進ぜよう」
「……」
 人斬り小町は何も言わない。だが、それは諦念でなく――。
 ――――!!
 カンテラオパールの身体に走る裂け目より、プレシャスオパールが煌めくに似た、鮮やかな炎が迸る。
 ザ――ッ!
 パタリと倒れ込んだ人斬り小町に替わり、女の着物を切り裂き現れた太刀が炎を払う。
 アパラは間髪入れず二撃目を放つ。
(「一手先が見えるのならば二手先、三手先を用意せねばね」)
 地獄の炎を散らして操り、氷炎の外から、更に包囲する。
「残念ながら、其処にあなたのいとしい人は居ないんだ」
「嘘!」
「嘘じゃない。彼の海へ還り、正しく生まれなおして、その時にこそ逢えるように」
 地獄の炎を送り火にして、アパラは祈る。
「今、楽にしてやろう。秘伝……心切」
 再び逃げる素振りを見せれば、清綱とて、その背に刃を突き立てる事も厭わなかっただろう。だが、今は淡然と――己が身に破魔の力を宿す。
「さらば」
 それは、気魄と霊魂を断つ不可視の一太刀――痛みなき慈悲の刃が斬り伏せたのは、『子を護る意思』と『闘志』。
「……」
 地面に突っ伏し、強張っていたオブリビオンの全身が、ゆっくりと弛緩していく――泥に塗れた黒髪に隠れて、最期の顔は見えなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月23日


挿絵イラスト