エンパイアウォー㉑~われ征くは大渦の海
「よく集まった、猟兵よ。今まさにサムライエンパイアそのものが戦場の最中だ。その中でお主達の力を貸して欲しい」
赤髪の竜人、アリスティード・ハーシェル(暁の魔女・f18190)は手のひらの上に星形多面体のグリモアをくるりと輝かせ、己の予知を告げる。
「魔軍将、大帝剣『弥助アレキサンダー』、そして隠し将『豊臣秀吉』。全く厄介なものだが捨て置けん。よって、お主達の出番というわけだ」
長話になるぞ、とアリスティードが前置きし、戦いの概要を語り出す。
「まずは我輩の力でお主達を『関門海峡』へと転送する。そこで待つのは『毛利水軍』。戦場は――海上だ」
アリスティードは戦場の地図を広げると、指先で一カ所を指し示す。
「彼らは、大軍勢を操るメガリス『大帝の剣』にによって猟兵たちが敵だと洗脳されている。お主達の姿を見れば、敵意をむき出しに襲いかかってくるだろう」
まったく、厄介な事だ。苦々しく吐き捨てたアリスティードは、すぐに失言に気づき咳払いを一つ。
「毛利水軍についてはサムライエンパイアに生きる一般人だ。ユーベルコードもつお主達猟兵であれば、楽々と捻りあげることが出来るだろう。
しかし奴らも歴戦の兵だ、気楽に構えていれば喰われるのはお主達かも知れん。
油断はするな、だが殺めれば徳川幕府にとって後の禍根となるだろう。殺さず生かし、無力化する。知恵の見せどころだな」
出来るだろう、といわんばかりの表情でアリスティードは猟兵たちを見た。
「『毛利水軍』を抜ければ、隠し将『豊臣秀吉』が行く手を阻む。妙な鳴き声でしか鳴かぬが、此奴は弥勒アレキサンダーによりメガリス『逆賊の十字架』でスピードと反応速度を強化されている」
更には関門海峡の海上をゴムマリの様に飛び跳ねている。鳴き声も相まって最早珍種の動物のようだ。
「厄介なのは、この秀吉はあらゆる角度から弥勒への攻撃を超高速で受け止めている。動く盾、だな。この秀吉を倒さねば、弥勒に傷一つおわせることが出来ないという事だ」
そして『豊臣秀吉』はそのスピードを生かし、猟兵たちに先制攻撃を仕掛けてくる。
「この先制攻撃をどう捌き、反撃につなげるか。またまた知恵の出番だな」
いやはや、厄介厄介。豪快に笑う魔女は、一頻り笑ったあと鋭い視線で猟兵たちを見る。
「『毛利水軍』『豊臣秀吉』と二つの関門を潜り抜ければ、漸く大帝剣『弥勒アレキサンダー』との戦いだ」
弥勒アレキサンダーは、メガリス『闘神の独鈷杵』により、『関門海峡の大渦』を発生させている。その中心を浮遊しながら三つのメガリスを駆使して、猟兵たちの前に立ちはだかるだろう。
『大帝の剣』
『逆賊の十字架』
『闘神の独鈷杵』
「これら三つは強力なアイテムだ。そして秀吉同様、弥勒アレキサンダーも先制攻撃を仕掛けてくる。後手に回るが、勝ち目はある。
弥勒アレキサンダーの作り出した天変地異が如き大渦、上手く使えばこちらにとって有利になるだろう」
先制攻撃、そして三つのメガリス。
これらの難題を超え、魔将軍二人を倒す。
「海上とは言え、毛利水軍は軍船で船団を組んでいる。それを利用するか、流れる破片を利用するのもいいだろう。
もちろん、『良いもの』があれば使わない手はない。飛ぶも良し、泳ぐも良しだ」
「厳しい戦いになる。長く続くこの戦、お主達とて疲労の色を隠せていない。だがもう一歩、力を貸してくれ。
お主達なら出来ると、我輩は信じている」
そしてアリスティードの輝く星が、関門海峡への道を開く。
「さあ、行け。苦難の先に、勝利の星の加護がある。――頼むぞ、猟兵」
戦場への道が開かれた。
水平彼方
水平彼方です。四作目は戦争イベント「エンパイアウォー」より、魔将軍二人との戦いをお届けします。
強敵のため、判定は厳しめに行います。
以下、注意書きとなります。
====================
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
OPと上記を合わせ、プレイングお寄せください。
●
当シナリオは戦争シナリオです。完結速度重視のため、成功度を満たした段階でプレイングの受付を締め切ります。描写数の都合上、不採用となる場合がございます。予めご了承ください。
厄介な敵ではありますが、勝てない相手ではありません。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ウィルバー・グリーズマン
殺さずにってのが面倒ですよね
まぁ、直接攻撃しなければ多分大丈夫でしょう
まずは『エアウォーク』で飛んで行きましょうか
【オーバーリミット】発動
僕のやる事は単純です。まずは『ミスチーフ』で船上の兵士達を全て転ばせてから、船上と兵士を『マッドネスソーン』で粘着化させて無力化させます
船から落ちそうになったら、エアウォークで助けてから船上に投げましょうか
弓とか銃弾は、自身の周囲の時間のみを『タイムクリエイト』で低速化させ、普通に避けます
防御[戦闘知識]があれば問題はないでしょう
魔力はなるべく使い過ぎないように、抑えながら使いましょう
さて、ガンガン進みましょうか
●
「聞け! 織田信長様のおわす『魔空安土城』へ行軍する幕府軍は、必ずこの関門海峡を通る! それは進軍行路から見ても明らかであるッ!」
水軍を率いる将の大音声が、船上に響き渡る。ごうごうと音を立てる波にも負けない声は、歴戦の毛利水軍の兵達を一気に奮い立たせる。
開戦の時は、今。
「我ら毛利水軍の名にかけて、猟兵どもは一兵たりとも通してはならん!」
「応!!」
栄えたものは海の底へ。はてさて、今回沈むのはどちらか。
戦いは、まだ始まったばかり。
「殺さずにってのが面倒ですよね」
士気高揚の一声を聞いたウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は、にやけた表情を崩さぬまま本の表紙を指でなぞる。
金の装飾がびっしりと覆う【魔本『アルゴ・スタリオン』】のページを捲り、目的の場所を指先で止める。
「まぁ、直接攻撃しなければ多分大丈夫でしょう」
適当な作戦を立てて大きく頷くと【エアウォーク】を発動。浮遊の力を得たウィルバーは、悠々とした足取りで船団への一歩を踏み出した。
「貴様! 猟兵だな!」
「いかにも。やあ、初めまして。僕はウィルバー・グリーズマン。これは挨拶代わりの魔術です、どうぞ」
開口一番、歴戦の兵は視線で小動物は殺せそうな鋭い視線をウィルバーへと向ける。
向けられたウィルバーといえば何のその。どこ吹く風といった様子で兵に、軽い口調で自己紹介をした。
「猟兵が現われた! 者ども、出合え! 出合えぇい!」
猟兵とあらば問答無用。彼らはウィルバーを敵と見なし、腰の刀をすらりと抜き放つ。
ならば、ウィルバーに躊躇う理由は無い。
「ほら、仕事ですからね。魔力放出、極限発動」
四十九分の一秒で、必要最小限の魔力を消費。指先が示したページの魔術を発動させる。
「な、何!?」
「これはマッドネスソーンという魔術でして、床や壁、他にも様々な無機物を粘着化させるという魔術です。お近づきの印にと思いまして」
床と草履がぴったりとくっつき、足を上げることもままならない。
「ふ、巫山戯やがって! おい、あいつを矢で撃ち落とすぞ!」
ならば! と刀をうち捨てると、今度は数人がかりで弓に矢を番え一斉に射かけた。
ヒュン、と矢羽根が風を切り、シルクハットの男へと真っ直ぐに飛ぶ。
「これはこれは、止まって見えるとはまさにこの事!」
【タイムクリエイト】によって自身の周囲のみ時間を遅らせれば、戦闘知識に裏打ちされた思考がスローモーションで飛ぶ矢を避けるのは難しくない。
「ほらほら、マッドネスソーンはここだけじゃありませんよ」
「こ、こいつ……!」
地団駄を踏みたいが踏めない苛立ちをぶつけるように、ウィルバーへと飛来する矢の本数が徐々に増えていく。
それらを軽やかに躱しながら、ウィルバーが通り抜けた船の兵達を次々に無力化していく。
しかし、まだこの先に強敵が待っている。ここで悪戯に魔力を浪費するわけには行かない。
「さあ、やるだけやってガンガン進みましょうか」
ウィルバーの海上を歩きながら、次なる船へと向かった。
成功
🔵🔵🔴
ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と
また海か……昔の事が原因で海は苦手なんだが
しかしそうも言ってられないな
敵がいるなら猟兵として出向くまで
それにカガリがいるから大丈夫だ
海上を魔法で浮いて歩きつつ船に近づいて【全力魔法】の氷【属性攻撃】で【凍星の剣】を発動
海を氷の大地へ変えて船の進行を阻害する
これで船を傷つけずに動きを止められるし、氷の大地があるから他の味方も動きやすくなるだろう
ほら、私ばかり見ても意味ないぞ?
上を見てみろ!
敵にそう言って上空にいるカガリの方に向かせておこう
声を上げて注目させれば、隠れている敵も空を見ようと出てくるかもしれない
あとは頼んだぞ、カガリ!
出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と
敵の船も損なわず、人命も損なわなければいいのだな
心得た
海の方は任せたぞステラ
【籠絡の鉄柵】を大型化して騎乗、空を飛ぶぞ
ステラが、地上から海を凍らせるので
カガリは上空から、動けなくなった船で立ち往生する水軍のひとびとを、できるだけ多く、【大神の神眼】で捉えて見つめる
まず、強い混乱が在るだろう
船を動かそうと強く望むだろう
近寄る敵を退けねばと、凍った海へ出ようとするひともいるやもだ
それらの意志を、全て、全て、閉ざそう(【死都之塞】)
留まり、静まり、眠りに落ちよ(誘惑・呪詛)
船と人を、併せて無力化して、先へ進めるようにするぞ
●
「おのれおのれ! 巫山戯おって!」
とりもちを踏んだかのように、必死になって船底から足を引き剥がそうと躍起になる水軍の兵達。
何やら騒がしい声を聞きながら、ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は荒れ狂う海を見てため息を吐いた。
「また海か……昔の事が原因で海は苦手なんだが。しかしそうも言ってられないな」
これより先に、強敵が待ち構えている。そう思えば自然と、弱い自分が吹き飛んでいくようだった。
「敵がいるなら猟兵として出向くまで。それにカガリがいるから大丈夫だ。カガリ、作戦を覚えているか」
ステラは傍らの麗人、出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)を振り返る。
「敵の船も損なわず、人命も損なわなければいいのだな」
「その通り。それじゃあ作戦通りに、行くぞ!」
「心得た」
金と銀、二人の騎士は互いに頷き合うと、それぞれの方法で波を進む。
ステラは浮遊魔法を発動させると、弾ける波をものともせずに徒歩で船へと近づいた。
「こ、こいつも浮いてる!」
まさか、とざわめく毛利水軍を見て、ステラは堂々と名乗りを上げる。
「我が名はステラ・アルゲン。グリモアの導きにより、悪を打つためこの地へ参った猟兵が一人。さあ、私の相手は誰だ」
異国の騎士が猟兵と名乗りを上げた途端、兵士達の様子が一変する。
「猟兵、猟兵だと! かかれ、かかれーっ!」
巧みに艘を操り、瞬く間にステラの元へと押し寄せる毛利水軍。戦を勝ち抜き、生き残ってきた彼らはまさに熟練の兵だった。
しかし、相手取るのは埒外の力を操る猟兵だ。彼らの力は剣や弓の技だけでは無い。
「凍てつき輝け、我が星よ」
ステラは流星剣の刀身から凍てつく冷気を放つ。冬の夜空に輝く青ざめた色、その輝きごと海を氷らせ閉じ込める。
「な、なに――っ!」
季節は夏。そして氷ることのない関門海峡が、『凍星の剣(イテボシノツルギ)』により一塊の氷となる。
「ほら、私ばかり見ても意味ないぞ? 上を見てみろ!」
したりと笑ったステラが、声と共に頭上を指差す。その仕草に釣られて、兵士達は上空を見上げた。
そこに居たのは大型化した【籠絡の鉄柵】に騎乗し、空を飛ぶカガリの姿が。
黒鉄の魚骨は悠々と空を泳ぐ様は、天変地異の前触れか。
「ひ、ひいぃっ!」
動けなくなった船で立ち往生し慌てふためく兵士達を、カガリは上空から見下ろした。できるだけ多く、瞳に刻まれた【大神の神眼】で捉える。
「く、くそっ! 船が動かせないんじゃ離れることも出来ねぇ!」
凍り付いた舵を殴りつけ、叫ぶ者が居た。それでも弓を取り矢を番え、二人に向かって射かける者も居た。
混乱の中、しかし歴戦の兵達は身に染みついた『いくさ』をするべく、刀を取り矢を放つ。
「この氷の上を伝って、あの銀色だけでも倒せ!」
将の号令に、カガリは瞳に込めた力を解放する。
「是よろづのあそびを憎むもの。全ての命は、我が内に。それらの意志を、全て、全て、閉ざそう」
カガリがその目に留めた兵達へ、『死都之塞(カクリヨノシジマ)』が蕩けるように伝わっていく。
「体が、重い……?」
「これ以上は、いけない。留まり、静まり、眠りに落ちよ」
ぱたり、ぱたりと兵達がその場に伏して、眠りへと誘われていく。
「これで、大丈夫?」
「ああ、上出来だ」
ステラの側へと降りてきたカガリは、改めて氷漬けになった海を見る。
「これで足場ができたから、少しは戦いやすい、かな」
「足場が揺れないのも、大きいぞ。船上での戦いは成れが必要だからな」
軍船の上に、戦う意志を持つ者はいない。
毛利水軍は、猟兵たちの妙案によって全員が戦闘不能となった。
命を落としたものはいない。だが、捕らわれ眠り、動けないだけだ。
こうして、水軍を制圧した猟兵達は次なる戦いへと目を向ける。
二人の魔将軍への道は開かれた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
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POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
(よもやあの早さで毛利水軍を制圧するとは……。これでは時間稼ぎ程度にしかならなかったな)
氷漬けになった海に閉じ込められた船団を眺めながら、弥勒アレキサンダーは唸る。
(猟兵も本気だって事は分かっちゃいたが、ここまでとはな。予想以上にやってくれる)
「フェン! フェン、フェーン!」
猟兵たちが近づいてくる気配を察したのか、豊臣秀吉が忙しなく飛び跳ねながら気の抜けた声で鳴く。
「ああ、分かっているとも秀吉殿! ここで弱気になっちゃいけねぇ。三つの渡来人の至宝と、秀吉殿の盾の決意。俺も秀吉殿に負けないように全力を尽くすよ」
「フェン!」
ああ、そうだとも! と秀吉が言う。そしてもう一度鳴くと、飛び跳ねながら徐々に速度を増していく。
『豊臣秀吉』と人の名で喚ばれているが、その姿や力は人外そのもの。その存在は第六天魔軍将図にも記されておらず、秘匿された『隠し将』。
遂に表舞台へと出た秀吉は、意気揚々と海上を跳ねていく。
「フェンフェン、フェフェン!」
全ては信長様のために。隠し将『豊臣秀吉』が猟兵を迎え撃つ!
敵NPCの名前を誤って記載しておりましたが、これ以降に提出させて頂く分より訂正いたします。
ウィルバー・グリーズマン
なんですかね、あれ
……いや、気にしない事にしましょう
ええと、豊臣秀吉は海を跳ねているんでしたよね
それならば『マッドネスソーン』で海を粘着化させれば、かなり動きを阻害出来る筈です
加えて『タイムクリエイト』も使用して、動きを遅くしてしまいましょう。超高速で動くならば、範囲は僕の周囲一帯にすれば避けようがありませんね。[全力魔法]で一気に動きを止めますよ
最初はその二つと[逃げ足]で上手く躱すとして、ユーベルコード発動可能になれば、【エアカウンター】での[カウンター]攻撃です
敵が腕などを伸ばして攻撃しようとすれば、『ブラスト』の炎で迎撃
敵が海を跳ねているならば、海にある影から大量の刃を作り出しましょう
●
「フェフェーン!」
勢いよく飛び跳ねた隠し将『豊臣秀吉』。ずんぐりとした体に凶暴な爪を持つ手足、長い尾を鞭のようにしならせながら海上を『飛び跳ねる』。
その手足が強力な「ばね」であるかのように、凄まじいスピードで海面を弾けながら跳躍する。
「フェフェン! フェンフェンフェフェーン!」
この秀吉めが、信長様に徒なす敵を討ち取ってご覧に入れましょう!
「なんですかね、あれ」
しかし傍から見れば、黒い毛むくじゃらの怪物が気の抜けた鳴き声を発しながら超高速で海上を駆け回っているのである。
まさに奇怪、その一言に尽きる。
空中浮遊の魔術で海面に立つウィルバーは迫り来る秀吉の動きを観察し、しばしその光景を眺めた後。
「……いや、気にしない事にしましょう」
奇怪さにはまったく触れないと決めたのだった。
しかし観察によって閃いた妙手もある。
秀吉は海を跳ねて移動している。
ならば海が粘着化すれば。動きを阻害出来るのではないか。
再び【マッドネスソーン】を発動させれば、秀吉が跳ねた部分が引きずられ大きく伸びる。
「フェンッ!?」
「おお、はまりましたか」
しかし魔将軍の名は伊達では無い。びたん! と跳ねながら【マッドネスソーン】を振り切ると、その勢いでウィルバーに襲いかからんと凶手を伸ばす。
更に【タイムクリエイト】を発動させ、周囲の時間を遅らせれば。
「追い切れないスピードではない」
持ち前の逃げ足で軽くステップを踏みながら、ひらりと躱す。折り返した秀吉を、もう一度。
「フェン! フェンフェーン!」
何だ、逃げてばかりか! 言葉として認識できる鳴き声が、ウィルバーを挑発する。
「もちろん、ただ逃げているだけではありません。何処からでもどうぞ。全て返しますよ」
僅かに傾いた痩身を狙い、秀吉は渾身の力で海面を蹴る。その分粘着質な海が纏わり付き、速度を鈍らせた。
それこそが、ウィルバーの狙い。
有言実行。胴を狙った秀吉の腕が、魔術の炎に包まれる。
「僕だって立っているだけでは申し訳ないので、こうして……ほら」
火球となった秀吉が、軌道を変えるために海へと近づいた。その瞬間。
「僕の魔術はあらゆる事象を利用する。ご自分の影に気をつけて」
秀吉の影は剣山の如く鋭く伸び上がり、毛むくじゃらの胴を貫いた。
成功
🔵🔵🔴
ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と
あれが豊臣秀吉……人外なんだな
しかし侮れない敵だろう
弥助を守る盾と言うなら、打ち砕こうか!
先制攻撃はカガリに任せ、彼の後ろに隠れやり過ごす
私の盾はお前だからな、防いでくれると信じているぞ【鼓舞】
もしも氷の足場が崩れそうだったら氷【属性攻撃】で補強しておこう
後は任せておけ……開かないならこじ開けてでも出るよ。冗談だとも
飛び跳ねて避けられては面倒だ
先制攻撃の隙を付くように【高速詠唱】【全力魔法】で氷【属性攻撃】で氷漬けにし足止め
その後に素早く【2回攻撃】で【流星雨】を放とうか!
出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と
盾なのに柔軟で、俊敏とは…
盾ならば頑健で、不動であってこそ
ちょっと、この鞠には負けたくないな…!
真の姿を解放、門の内側にステラを匿った上で気を引くぞ
扉(【鉄門扉の盾】)でステラの分まで漆黒の光線を受ける(【不落の傷跡】、オーラ防御)
煉瓦の両腕も大きく振り上げてあぴーるしてみよう(存在感)
あぴーるに乗ってこなければその腕で先制させてもらうまでだが?
門に元々機動力なぞ無いからな、動きを封じられたところでどうという事は無い
ビームを受けた後は、その場で【追想城壁】を発動、維持
領域ごと光線を封じる
あとは、ステラに任せたぞ
門が麻痺して開かなければ…すまん、脇から出てくれ、ははは
●
「あれが豊臣秀吉……人外なんだな。しかし侮れない敵だろう」
報告されている魔将軍は、この豊臣秀吉を除いていずれも人の姿をしていた。
「盾なのに柔軟で、俊敏とは……。盾ならば頑健で、不動であってこそ。ちょっと、この鞠には負けたくないな……!」
カガリの言葉に、ステラは頷き返すと流星剣を構える。
「弥助を守る盾と言うなら、打ち砕こうか! 私の盾はお前だからな、防いでくれると信じているぞ」
「もちろん」
こくりと頷いた頬に、金糸がさらりと撫でる。
「フェン! フェーン!」
秀吉が痛む傷跡を押えたのも束の間、すぐさま二人を攪乱するためぴょんぴょんと跳び回り始める。
「その程度で、カガリは動かない」
カガリは鉄門扉たる真の姿を現し、その内にステラを匿う。
「さあ、カガリはここだ。どちらが優れた盾か、試してみるか?」
煉瓦の両腕も大きく振り上げる様は、堂々たる城壁そのもの。海上に現われたその存在感は、圧倒的だった。
「フェンッ」
調子に乗るな! と秀吉が吼え、腹のスペードマークから漆黒の光線を放つ。輝ける門は、栄光の都を守る在りし日の姿を映し出す。
「されど亡都の扉は此処に在り」
「フェン!?」
顕現した『追想城壁(ロストウォール)』は、光線ごと自らの領域に封じ込める。攻撃から守ることには成功したが、カガリの体は痺れ満足に動くことが出来ない。
「まあ、多少は痺れるが。あとは、ステラに任せたぞ」
「後は任せておけ! ……開かないならこじ開けてでも出るよ」
「門が麻痺して開かなければ……すまん、脇から出てくれ、ははは」
「冗談だとも」
軽口をたたき合う二人は、しかし次の瞬間には一人の騎士としての表情を見せる。
不動の城壁から、一条の流れ星が走り出す。開いた隙間から素早く編み上げた冷気を放ち、秀吉の足下を氷らせる。
「フェン、フェ、フェーン!」
「二人がかりとは卑怯な、だって? 私たちは城壁と鍵剣――味方を守るものと、皆を勝利へ導く剣」
ステラが掲げた剣の切っ先に、青く輝く魔方陣が現われる。
「降り注げ、流星たちよ!」
振り下ろした切っ先が、秀吉へと向けられる。魔方陣から現われた流星の雨が、矢雨のように黒い獣へと降り注ぐ。
「フェーン!?」
そんな、馬鹿な。
全身を貫く星光に、秀吉は悲鳴ごと食い尽くされて消えた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『闘神の独鈷杵』によって発生した大渦の中心に、浮遊する一人の侍の姿があった。。
瞑目し、雷鳴を背に立つその男の名は『弥助アレキサンダー』。
第六天魔王『織田信長』配下、大帝剣の異名を持つ魔軍将の一人だ。今は手にしたメガリスの力が最高まで高まる時を、ここで待っている。
その耳に、聞き慣れた鳴き声が聞こえた。
次の瞬間、雷光とは違う清々しい光りが、弥助の目蓋通して白く染め上げる。
魔方陣から降り注ぐ流星が、隠し将『豊臣秀吉』の存在ごと貫いた光りだった。
「秀吉殿ッ!」
その光を見た弥助は、戦場で何が起こったのか悟る。はっと目を見開いた後、悔しげにうめき声を上げた。
「クッ……秀吉殿。俺の盾として身を尽くしてくれた。この事は絶対に忘れねえ……!」
弥助の感情に合わせてか、取り巻く大渦は激しさを増す。
奇異なる風貌に惑わされるなかれ。彼の持つ三つのメガリスはどれも強力な力を持ち、猟兵たちを苦しめるだろう。
だが恐れるなかれ。勝機は少なくとも、つかみ取れる場所にある。
「さあ来い猟兵! 魔将軍が一人、大帝剣『弥助アレキサンダー』此処に在り! いざ尋常に勝負だ!」
大音声の名乗りを上げ、弥助アレキサンダーは猟兵たちの前に立ちはだかった。
己が武器を取り、この戦いに勝利をもたらすのだ。
ウィルバー・グリーズマン
貴方の様な猛将と戦えるのは光栄の至り
逃げも隠れもしません
ウィルバー・グリーズマン、参りますよ
引き続き『エアウォーク』使用です
大帝の剣。ただの剣にしか見えませんが……面白い
『タイムクリエイト』僕の時間を加速させて、弥助の時間を低速します。海を『マッドネスソーン』で粘着化させるのも秀吉の時と同様
ここからが本番
『ブラスト』で海の水を[全力魔法]で操って、水の柱を放ちます
粘着化した水を受ければ動き難いでしょう
突破して来たら『フラッシュボール』で目を眩ませて剣の軌道を逸します
[カウンター]タイム。【インスタント・グリーズ】発動
全魔力消費。真の姿、第一形態
第二形態には届かず……ですが十分、格闘戦開始です
●
関門海峡に現われた大渦の中心にその姿を認めれば、ウィルバーは口を歪ませずには居られなかった。
漸く捕えた強敵の姿。突き上げる衝動が、本能が、戦いを求めている。
「貴方の様な猛将と戦えるのは光栄の至り」
「ほう、この状況で逃げ出さないとは肝が座ってやがる。だが無謀と無茶をはき違えたか?」
余裕を見せる弥助の言葉に、対する男は黙したまま。
「逃げも隠れもしません。ウィルバー・グリーズマン、参りますよ」
挨拶代わりに、今から弥助を囓り尽くす悪魔の名を戦場に響かせた。
秀吉の時と同じく、宙に浮き海を粘着化させ動きを奪うウィルバー。しかし、相手も『闘神の独鈷杵』の力で海上を滑るように移動する。
その手に握られているのは、メガリス『大帝の剣』。
「ただの剣にしか見えませんが……面白い」
弥助の時間が緩やかに減速するに対し、ウィルバーの時間が加速する。僅かに避け切れなかった剣先が、シルクハットを真っ二つに裂いた。
「チィッ!」
打ち損じた弥助が舌打ちをする。
しかし、戦いはここからが本番だ。
ウィルバーは魔本『アルゴ・スタリオン』が新たなページを白日の下に晒す。選んだ魔術が力を成せば、どう! と大渦から幾つも水柱が立ち上がり、弥助の動きを制限する。
「何だ、この水は!」
海水の直撃を受けた弥助が異様さに気づいたが、時既に遅し。粘着質の海は丸太のような手足を絡め取ってしまう。
「こ、のおオォォオオォ!!」
一喝と共に拘束を振り切ると、弥助はウィルバーへと『大帝の剣』を振り下すべく頭上へと掲げた。
「それ、もう一つ」
【フラッシュボール】が閃光を放ち、弥助の視界を奪う。
策を重ね、手を尽くし、生んだ隙をウィルバーは逃さない。
「これ、魔力消費がヤバいんですよねぇ……」
全魔力を消費し、真の姿、その第一段階を解放。
黒く反転した強膜に赤い瞳を輝かせ、手にした魔本からにじみ出したオーラが、崩れたインクのように零れ落ちる。
「第二形態には届かず……ですが十分」
軌道が逸れた剣を躱し、握る手を蹴りつける。
「ぐうっ!」
息つく間もなく顔、腹へと叩き込まれる怒濤のラッシュ。
止めの蹴撃が、弥助の顎を鋭く捕えた。
成功
🔵🔵🔴
出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と
んん、忠義の武人と来たか
しかし尋常とは何なのか、さて
先制攻撃の剣を、【隔絶の錠前】で施錠した【鉄門扉の盾】で防ぐ
砕けないといいな!
ステラと共にオーラ防御で補強、念動力・怪力・全力魔法で逆方向に押し返す
【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】も最大限補強に使おう
その上で、可能な限り受け流す盾受けの形を取る
錠前で隔離した領域内は、地形の破壊を免れればいいが…地面(氷)が割れる音がしてきたら大型化した【籠絡の鉄柵】へ捕まり上空へ離脱
上空から弥助を捕捉後真の姿で落下、扉にステラを乗せて【駕砲城壁】を
いけ、ステラ!(攻撃反射後に城壁解除)
門のまま落ちるわけにはな
見届けたら、ひとの形に戻ろう
ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と
弥助の持つメガリス……よく分からないが強力なアイテムだというのは分かる
両手剣もその内の一つか
先制攻撃を受けるカガリの傍へ行き、彼の門を一緒に支える
あの剣は危険だ、私も手伝おう
【全力魔法】の【オーラ防御】で【かばう】
けしてカガリの門が傷つかぬよう願いの【祈り】を込めて
その後カガリの鉄柵に乗せてもらい空へ
上空から敵に向けて落ちよう
先を落ちる門の扉から飛び出すように勢いよく
【幻影の白銀】たる鎧の真の姿になり【力溜め】をした星の【属性攻撃】で【流星撃】を放つ!
白銀の流星として落ちようか!
終わったら彼を受け止め……門の姿じゃ受け止められないじゃないか!
人の姿になったら受け止めよう
●
「んん、忠義の武人と来たか。しかし尋常とは何なのか、さて」
その言葉の意味が分からなくとも、感じることは出来る。カガリは正しく理解は出来ないが、その言葉が意味するところを正しく感じていた。
「さっきの手品師に続いて、面妖な奴らがわらわらと」
弥助は口に溜まった血を吐き出すと、『大帝の剣』を構え二人と向かい合う。
「だが、悪くねぇ……」
その足が海面を蹴る。どう、と音を立て水しぶきが勢いよく飛び散った。最早人の範疇を超えた膂力で、弥助はみるみるうちに間合いへと距離を詰める。
「らあぁあああっ!」
渾身の力で振り下ろされた剣は、大渦をも砕く勢いで叩きつけられた。
「くっ……」
カガリは持てる力の全てを注ぎ【鉄門扉の盾】で受け止める。それでもなお腕が、全身が震え砕けるような衝撃が絶えず襲う。
弥助の持つメガリス『大帝の剣』について子細は明かされていない。だが誰しもが強力なアイテムだという事を理解していた。魔軍将が握りし両手剣もその内の一つ。
「(なんて、力なんだ)」
その圧倒的な力を見て、ステラは薄ら寒いものを感じた。このままでは彼が危ない。
「あの剣は危険だ、私も手伝おう」
祈りを込めたステラの手が鉄門扉へと触れる。
――これ以上、彼の門が傷つかぬように。
願いと共に魔法を紡ぎ、星の願いが強固な盾を結ぶ。
「猪口才な!」
ぶつかり合う剣と盾。それに耐えかねた足場の氷が音を立てひび割れた。
「……ステラ」
カガリは攻撃を横へと受け流すと、傍らの星の名を呼んだ。『大帝の剣』が氷を砕くと同時に、カガリは彼女を乗せ上空へと舞い上がる。
見下ろした弥助が再び剣を振るうたへこちらへと狙いを定めていた。
カガリは再び真の姿を現すと、海面へと惹かれるように落ちていく。
「反撃せよ。砲を撃て。我が外の脅威を駆逐せよ」
「砕けろォ!」
再び剣と盾が激突する。
カガリの『駕砲城壁(ロアードウォール)』が剣を拒み、その力を光弾へと変換し撃ち返す。
「いけ、ステラ!」
「ああ!」
その門が開くと【幻影の白銀】を纏う壮麗なる騎士が、魔将軍目がけて青い刀身を差し出した。
その身は流星そのものとなり、核となった剣が白銀の尾を引く。
「――墜ちろ!」
剣と剣の真っ向勝負。『流星撃(リュウセイゲキ)』を撃ち砕かんと弥助は『大帝の剣』を振るう。
大地を砕く一撃が、ぶつかり合う。
白い閃光が辺り一面を覆い尽くす。黒い巨躯が傾ぎ、関門海峡の波間に沈む。
「ばか、な……」
光りが晴れた後に残ったのは二人の騎士。
ステラは上空を見上げ、伴侶たる門の姿を探した。
「カガリ! ってその姿じゃ受け止められないじゃないか!」
「ははは、すまない」
ただ墜落するままに身を任せていたカガリは、人の姿へと戻る。
「お疲れ様」
「ああ、ステラも」
その身を受け止め、二人は無事の帰還と勝利の余韻を噛みしめた。
関門海峡にて、大帝剣『弥助アレキサンダー』は猟兵の前に倒れたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴