エンパイアウォー㉚~少女武芸帖
●海の大鳥居にて
山陽にあるとある島には海に建てられた大きな鳥居がある。
この地に流れ込む龍脈の力は膨大でそれを利用し侵略渡来人『コルテス』が儀式を行っている事がようやく表沙汰になることになった。
雷鳴のような轟音と共に召還陣に力が流れ込みそしてまた一人の少女剣士が姿を現した。
その服装はどう見ても異国の物で手に持つ剣も小ぶりな両刃剣、どう見てもサムライエンパイアの住人ではないのはあきらかだ。
「古の盟約に従い……召還に応じここに……」
そう呟くと横で整列している自分とまったく同じ姿の少女剣士の列へと加わった。
誰が儀式を行っているわけでもない、召還陣の中心に置かれた異国風の石像から漏れ出すエネルギーが自動で召還を行い続けているのだ。
「10人ずつ魔空安土城へと移動を開始する……いくよ私達……」
先頭にいた少女剣士がそう言うと無言で9人が続き合計10人が行進を始め一路魔空安土城へと行軍を開始した。
猟兵を殺し世界を滅ぼす魔の手はこのような辺鄙な地にも伸びているのだった。
●グリモアベースにて
「皆さん魔軍将・侵略渡来人『コルテス』が用意している敵を減らせるチャンスです!」
グリモア猟兵の村雨・ベルが西日本の地図をべしべしと手で叩き熱弁をふるう。
「骸の海から渡来人を召還する財宝の存在がここに来て発見されまして、これがまた卑怯なんてレベルの代物ではなく一定時間ごとに新たな渡来人を召喚し続けるとかいうチート品なのですよ」
倒せど倒せど敵の数がいくらでも増えるはずだと唸る声も聞こえてくる。
「まあコルテスが侵略した何処かの文明から略奪した『血塗れの財宝』と言えますので迷惑極まりないのですよね」
文明が滅ぼされた後もこうして世界を滅ぼすために使われるなど元の持ち主達も不本意極まりないに違いない。
「現在も、新たなに信長軍の戦力を増やし続けているこれらの『血塗れ財宝』を破壊する事が出来れば、魔空安土城の信長軍の補充戦力を減らせるって寸法です」
つまりここで叩けば主戦場で楽が出来るということだ、数の力はとても大きいここで減らすのに反対する理由はない。
召喚されたオブリビオン達はある程度数が集まったら、半数が魔空安土城に向けて移動を開始するを繰り返すようで常に財宝の周囲には最低10体はいるということだ。
少なくとも10体は財宝を守る為に居残る考えれば間違いないらしい。
「20体まで増えると10体は出発するってことですね、確実な数で倒しにかかるのか一体でも多く敵を倒すために挑むのか……」
それを決めるのは実際に現場に向かうあなた達なのだとベルは言う。
「敵の数を減らせば、もちろん戦闘は有利になります……が、敵の数を多くすればその分だけ敵の戦力を削る事になるのでそこをどうするかはお任せしますね~」
やれやれといったポーズで無理はしないでね?っと目が訴えかけてくるがどうしたものだろう。
「そんなわけで財宝が置かれている海に建てられた巨大な大鳥居の前で戦いになりますので頑張ってくださいね!」
あなたなら出来ますよとばかり応援し村雨・ベルは猟兵達を現地へと転送する準備にはいった。
轟天
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
この戦いに参加する猟兵は『敵が何体の時に攻撃を仕掛ける』かを決める事が出来ます。
それによって難易度も変化しますので必ず最初に書いてくださいね。
第1章 集団戦
『異国の少女剣士』
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POW : 跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD : 縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ : 憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:ちーと
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫谷・康行
目的は財宝だからね
隙をついた方がいい
相手が10人の時を狙って戦いを挑もうか
何かを奪うと誰かに奪われる
そう言うものだからね
相手が剣士なら距離をとって戦おうか
船に乗り【射貫く声の黒雲ズカード】を呼び出し戦わせる
一人目の頭を狙って水の槍を放つ
その後は立ち上る雷で相手をけん制しながら水の槍で相手の頭や心臓を狙い確実に倒していく
水の槍を撃つときは向きを計算して相手を一か所に追い込むように円を描くように移動しながら行う
相手がある程度固まったら
立ち上る雷を使いまとめて倒そうとする
塩水があるなら雷の威力も上がるだろうからね
「解放を求める声が為
名もなき怒りを以て敵を討たん
今その声を以て、敵を焼き尽くせ」
●
海岸から少し先にの海に建てられた大鳥居に一艘の小船が近づいていた。
あまりにも闇の気配が強すぎ近づくだけで寒気と吐き気が交互に襲ってくるようだ。
紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)は櫂を置き遠めにだが見えてきた魔法陣とそこから発する魔力を醜悪なものとして目を細めた。
そこには今ちょうど今回想定していた最低限の10人の少女剣士が整列しているのが見える。
(目的は財宝だからね、隙をついた方がいい)
そう今回の目的は無尽蔵に敵を生み出す財宝が目当てなのだ、無理にここで倒しきる必要はない。
そう判断しこのタイミングを選んだのだ、まず第一に勝たねばならないリスクは少しでも減らしたいところだ。
船は潮に流され後は自然に鳥居近くへと辿りつけるはず、そう判断した康行は今のうちに詠唱を始めた。
相手は剣士、つまり魔法職である自分が前に出る必要はないというか極力避けたい。
だからこそ前に行かせるのだ……。
「ヤーザの海に漂い怒りと悲しみを司る射貫く声を持つ黒き雲ズカードよ。我が呼びかけに答えその心を解き放ち敵を討て!」
芽吹くものの杖を振り上げると渦を巻き集まった魔力から黒雲が現れ今か今かと命令を待っているようだ。
「行け……ズカード」
静かにそう命じると黒雲ズカードは魔法陣へと向かい始めようやく少女剣士達がざわつき始めた。
「敵襲、敵襲。速やかに排除しまっ……きゃあっ」
そう言葉を発した直後、水の槍が顔面に突き刺さり小柄な身体は後ろへと吹き飛ばされていく。
倒れた身体はピクピクと痙攣しすぐに躯の海へと還っていく。
それを見、残りの少女剣士が散開しようとするが黒雲より発せられた雷がそれを許さない。
次々と撃ちだされる水の槍は離れようとする進路上に優先して放たれそしてフェイントを交え一人の胸を貫いた。
「これで2人……」
ここまでは順調だがそろそろ数の暴力で訴えられると康行にとっては不利になる。
だからこそ先ほどから仕込んでいた動き、雷の牽制で一箇所に集まるように誘導していたのはもちろん計画通り。
「きゃ」「きゃ」「あんた気をつけなさいよ」
雷を避けようと跳んだ少女剣士達が一箇所に集まりすぎ互いにぶつかりあってしまったのだ。
すると少し離れた海上から詠唱が聞こえてきたためようやく少女剣士達は康行の存在に気付いたようだ。
「解放を求める声が為、名もなき怒りを以て敵を討たん、今その声を以て、敵を焼き尽くせ!」
その詠唱が終わると同時に黒雲ズガードが頭上へと一気に飛翔しそしてここまでで最大級の雷の嵐が少女達に降り注ぐ。
「「「きゃあああああああ!!」」」
それは全てを焼き尽くすほどの苛烈さで少女達の足元の海面にも広がり余計に被害を増しているようだ。
雷が収まると2人ほどがそれに耐え切り立ち上がってくる。
トドメとばかりに放った雷第二弾は少女達が放った斬撃で相殺されてしまった。
「後二人……同じ技は何度も通用しないようだね」
やれやれ困った困ったと本当に困っているとは思えない仕草で康行は少女剣士達へと杖を構えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
シル・ウィンディア
【敵数:15体時に仕掛けます】
無制限に召喚可能って
そんなめんどくさいものがあるなんてね
あのおじさん
ほんと、ややこしいものしか残さないね…
敵の方が多いから
ヒット&アウェイで仕掛けるよ
【空中浮遊】で飛んで【残像】ができるまで加速してから
【空中戦】に移行
【フェイント】を駆使してジグザグ機動で
動きを見切られないように
遠方からは精霊電磁砲の【誘導弾】で1体ずつ攻撃
近寄ってきたら
両刃剣モードの光刃剣で迎え撃つっ!
【フェイント】【二回攻撃】で翻弄しつつ攻撃
敵攻撃は【第六感】で感じて【見切り】で回避
うーん、多いなぁ…
【高速詠唱】で隙を減らし
【全力魔法】【範囲攻撃】のUC!
あ、精霊電磁砲の【一斉攻撃】付だよ
●
波の音が大鳥居の周囲に響き本来ならば神聖な雰囲気が纏う場所であるはずだ。
だが今ではそこは邪悪な召還の魔素が周囲に漂う醜悪な気配に満ち、召還陣より現れる少女剣士達は本当にいくらでも湧き出るように姿を現すのだ。
他の猟兵が現れたのとほんの少し時間帯が違うだけで敵はすぐに定数を回復しそしてさらには送り出す兵力をもすぐに補充してしまう。
その大鳥居を眼下に見下ろしシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は飛び込むチャンスを伺っていた。
(無制限に召喚可能って、そんなめんどくさいものがあるなんてね。あのおじさん……ほんと、ややこしいものしか残さないね…)
「今の所召還は順調です」
「警戒は怠るな、先ほどみたいな事になる」
一部に傷ついた少女剣士が混じっているがそのもの達だけは警戒心が強かった。
猟兵達にここが嗅ぎつけられたことにすでに気付いているのだ。
「んっ、空から何か?」
そう一人が見上げた瞬間、精霊電磁砲が撃ち込まれ一人が吹っ飛ばされる。
「てっ敵襲!」
全員の視線が上を向くとそこには急降下しながら突撃してくるシルの姿が。
何人かが飛ぶ斬撃で攻撃を仕掛けるが命中したと思えばそれはシルの残像。
ジグザグに飛び回りただでさえ当てにくいのにそこに残像まで使うとなるとやりにくい相手ではあった。
だが曲線を描き撃ち込まれる精霊電磁砲をすでに弾き始める者も出始めた。
初見ならともかく何度も見た技は彼女達に通用しなくなっていくのだ。
超低空に飛んできたシルに一斉に襲い掛かる少女達、一斉に振るわれた刃を凹凸の無いボディでロールしながらするりとくぐり抜けると血飛沫が少女達からあがりガクリと片膝をつく。
前後に繋げた光刃剣が回転と同時に斬りつけたがまだまだ数は減らせはしない。
「うーん、多いなぁ……」
埒があかないと感じたシルがとる手はこうなれば一つ、大火力で一気に殲滅を狙うということ。
低空で急旋回し後ろ向きに海面スレスレを疾走するシルが長い詠唱を一気に読み上げ精霊たちの力を一気に練り上げそれを正面へと……放った。
「エレメンタル・ファランクス!!」
四属性のエネルギーが解き放たれ精霊電磁砲も同時に一斉発射され全てが少女剣士達へと襲い掛かった。
「何のー!」
相殺の刃で身を守れなかった者は吹き飛ばされ躯を晒す、だが耐え切った者がまだ何人もいたためにシルは上空へと高度を上げ飛び立った。
この少女剣士たち、なかなかに手強い……。
成功
🔵🔵🔴
アリス・スラクシナ
状況に応じて変動する可能性も視野に入れるが、相対数は5体。
私が三体相手をする。二体はエルーゼと華澄がそれぞれ一体ずつ相手を。
「侮るなよ?伊達に邪神と渡り合ってきたわけじゃない」
『四十式刀槍』……もってくれよ?折れたら徒手で戦うしかないが。
二人は一対一で戦える。時間を稼がねば。
(早い……だが)
零距離接射、逃れる術はないはず。
『フィーネ・ファーブラー』、この距離なら。逃れても軌道を読んで撃つ。
絡み、アドリブ諸々OK
エルーゼ・フーシェン
アリス、華澄と共に行動
三体をアリスが引き受けるらしいから、私は一体を相手に。
機動戦に持ち込めれば何とかなるかもしれないけど、油断できないのよね。
『ゲンドゥル』なら攻防一体で何とかなるかもしれないけど、一気に詰められたりするかもしれない。
低空で浮遊し、機動力を確保。空中に持ち込むなら負けないわよ!
アリスから戦闘機の機動が役に立つかもって言われて一通り見て、使えそうなのをこの場で使ってみよう。
クルビット、急旋回、後ろから追ってくるならループ。
空中戦闘機動さえ行えれば、勝機はあるかも。
アドリブ、絡み、その他OK
藤宮・華澄
アリス、エルーゼと共に行動
こちらも一体相手にすることになるのね。
かなり機動力に優れた相手みたいね。冷静に対処しないと。
『サンドレア』を手に、相手の動きを読んで攻撃を仕掛ける!
簡単には当たらないと思う。けど考えはある。
水辺に誘い込んで水飛沫をかけさせていって、冷凍弾を撃ちだせれば……。
凍り付けば、動きが鈍って当てやすくなるかも。
接近されたら『拳闘士の闘牙』でクロスカウンター……なんてできるかな。
アドリブ、絡み、その他OK
●
大鳥居が見える海辺でその戦闘はすでに始まっていた。
敵が少人数であるタイミングを狙い半数を倒すという作戦で挑んだのはアリス・スラクシナ(トリガー・シックス・f21329)率いるチームだった。
「この私が率いるのだ結果を出して見せろ!」
真っ先に突出し3体を開いてどると豪語するアリスをエルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)と藤宮・華澄(新米猟兵・f17614)が脇を固め抑えにかかる。
だが相手の少女剣士達は全てがかなりの使い手、油断はとてもならないのだが。
前に構えた『四十式刀槍』で突きつつアリスは全体の流れを見て見たが二人の方はどうにかなるかもしれない。
だが問題は3人を相手どるために無理をしているアリス自身、一撃一撃が重く思わず武器から手を離してしまいそうになるほどだ。
ミシミシと武器から嫌な音がしている、最後までもってくれればいいのだがと祈らずにはいられない。
低空を飛びつつエルーゼはゲンドゥルを抜き構えるが油断はできない。
アリスには一人を相手どれと言われてはいるが早く倒さないと負担が大きすぎると思わずにいられない。
空中に引き離そうとしすぎれば他の2人に迷惑がかかる、接近戦主体のエルーゼがこれ以上離れるのは無茶な相談だ。
「!?」
不意に真横に少女剣士が現れた、そう”空中であるにもかかわらず”だ。
慌てて急旋回しつつそれを避け刃を返すがそれを受けた勢いで相手は距離をとり地面へと着地した。
「い、今のは一体?」
そう思った瞬間、また地上にいた少女剣士の姿が消え……目の前に現れ一閃がエルーゼの肌を切り裂く。
剣で受けていなければ致命傷だった可能性すらある、これはまずいと変則的な軌道で飛び始めエルーゼはあせりを覚えた。
(手強い……)っと。
(かなり機動力に優れた相手みたいね、冷静に対処しないと)
華澄がサンドレアを連射モードにし弾丸をばら撒くがそれらを避けつつ間合いを詰めてくる少女剣士相手にとにかく後退するしかなかった。
手はあるにはあるがまだそれは取っておきとして使いたくは無い。
だがここの地形を利用しない手はない、そう考え動きを変則的に調整し海辺へとさらに近づくように移動した。
間合いを詰めようと接近しつつこちらが撃った弾丸をとうとう刃で弾き始めた相手に油断はとてもできない。
「くらえ!」
連射モードで足元を狙い水飛沫を飛ばした所で弾種を変更、冷凍弾を撃ち込むと途端にある程度凍りつき動きが鈍くなる。
だがそれも完璧ではない、その状態から飛び込んできた刃を慌ててサンドレアを盾にし受け止めた。
メキッと音がし機関部にダメージが通ってしまったかもしれない。
「まだまだーっ!」
華澄は一瞬の判断で銃を捨てそして気合をこめて拳を打ち込んだ。
拳に纏う闘気『拳闘士の闘牙』が脇腹にめり込み、ようやく一人がその場に崩れ落ちる。
(先輩達大丈夫……だよね?)
華澄は肩で息をしながら離れてしまった二人を求め先を急ぎ始めた。
「ぐあああっ」
心臓に四十式刀槍が突き刺さり少女剣士が崩れ落ちる、だがその衝撃で根元から槍が折れてしまった。
(くっ……まずは一人だ、まだ時間を稼がねばな)
アリスは槍を手放すと横から襲い掛かる斬撃を残像で交わし後ろへと転がった。
それを見て余裕そうな表情をした敵へアリスは不敵に笑う。
「侮るなよ?伊達に邪神と渡り合ってきたわけじゃない」
それは張ったりではなく真実、だが相手がそれに怯む様子はない。
「覚悟しろ!」
そう言いつつ襲いくる相手に抜き撃ちでフィーネ・ファーブラーという銃を撃ち込んだ。
撃ちだされた魔力が一人の剣で弾かれるが2発目は肩へと命中、そのまま3発というところで横からもう一人が切りかかってきた。
それを転がりつつ避け弾丸を撃ち込むが、何と空中でもう一段飛ばれ不意をつかれ逆にアリスの肩からも鮮血が飛ぶ。
「はぁはぁはあ……」
銃を構え対角線上に位置する少女剣士二人を牽制しつつアリスは少しずつ後ろへと下がり始めた。
地上からまた少女剣士がテレポートしたかのように姿がかき消えた。
「何回も同じ手はっ!!」
飛翔しながら大きくループしゲンドゥルを振り回しその場で回転するとちょうど姿が現れた少女剣士を切り裂き空中に鮮血が飛び散り地上へと落ちていく。
(あれだけ同じような位置を狙ってテレポートされればさすがにパターンを覚えるわ)
落ちていく死体に視線を送りつつ空中から二人の様子を探った。
華澄はどうやら一人倒したようだがアリスはさすがに劣勢のよう、潮時かもと感じ取ると一気に急降下を始めた。
「ふむ、それではここらでお暇させてもらうとしよう」
堤防の上から後ろ向きのまま無造作に飛び降りる、そこへ急降下してきたエルーゼがアリスを拾い二人は急速にその場から離脱していった。
それを確認し華澄も武器を拾いそして戦場から離れていく。
ユーベルコードを使わないまま可能な限りの戦闘を実行しそして敵に損害を与えた。
こうして当初の目的をだいたい達成したチームは損害が増える前に撤退を終え次の作戦へと急ぐのだった。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
露木・鬼燈
『20体で攻撃開始』
つまり行進のために隊列を整えているときだね。
多分だけど警戒が一番薄くなってるんじゃないかな?
敵の中心部に向けて煙玉を投擲。
煙幕で視界を遮っている間に突入。
<隠忍の見えざる手>を展開し近接戦闘に備えるです。
まずは連結刃での範囲攻撃。
その後は大剣と戦槌を切り替えながら。
敵の数が多くても一度に20人と斬り合うわけじゃない。
囲まれても基本的には前後左右の四方向だけだから。
左右と後ろを念動手の自動迎撃モードの任せて前だけに専念。
余っている2本の念動手は印を組み術を発動。
土遁<山嵐>
地面から無数の槍を生やすこの術。
少女相手に絵面は最悪だけどね。
障害物として動きを制限する効果もあるから。
●
大鳥居の前に整列した数はちょうど20。
少女剣士達が召還され今から半数が出発しようというその瞬間、煙玉が投げ込まれ急に視界が真っ白にそまった少女達が各々に騒ぎ始めた。
「そーっれ喰らうといいぽーい!」
視界がほぼ0の状態で露木・鬼燈(竜喰・f01316)の声が響くと何かが横に一閃され続けて不規則な間隔で何人もの少女達が血飛沫をあげ地面に転がった。
「何者!」
そう声をあげた少女も何か重い衝撃を剣で受け止めきれず視界外へと吹っ飛んでいった。
ゆらりと煙の中から飛び出した鬼燈が槌から大剣形態へと魔剣オルトリンデを変形させ正面にいた一人へと刃を振るった。
その背から3本伸びた手が背後からの斬撃を払い奪った剣を振り回す。
(なにも20人全てと一度に戦うわけじゃない)
そう確信しこのような敵のど真ん中へと飛び込んだのだ、それも『隠忍の見えざる手』の防御あってのこと。
オートで左右と背後からの敵の攻撃を遮断してもらえれば後は正面に集中するだけでよい。
だが少女剣士達も空中2段ジャンプなどを駆使し今度は上下の高低差で鬼燈に選択を迫る。
「死ねっ侵入者!」
正面から数名が跳び、それと同時に地面すれすれの高さから剣を振り上げる者まで同時に襲い掛かってくる。
これはさすがに受けきれない……だがすでに用心はしてあった。
『隠忍の見えざる手』で増やした腕はまだ2本ある、そしてそれだけあれば印も結べ術も使えるということ。
(”土遁<山嵐>!!”)
突如目の前の地面がまるで槍衾のように地面から土の槍が何本も伸び空中で回避できない者を含め串刺しにしてしまった。
地面すれすれから斬ろうとしていた者などもはや原型を留めていない。
飛び散る鮮血が鬼燈の頬を濡らす、だがこれでも敵はまだまだ残っている。
「さぁ! 死にたいやつから、かかってくるといいっぽい!」
何処まで一人で耐えれるかわからないけれど……と心の中で思いつつ鬼燈は剣を構え直すのだった。
成功
🔵🔵🔴
月宮・ユイ
アドリブ◎
*身に<誘惑の呪詛>宿し呪詛/呪操る
最低人数(10人)で戦闘開始予定
或いは戦力差が2倍未満まで敵数許容
残念ながら既に幾分かは出発済みのはず、
戦力の削減も大事ですが、ここは作戦目標を優先、
召喚媒介『血塗れの財宝』を確実迅速に破壊したい所ね
<第六感>併用全知覚強化<情報収集・学習・見切り>
《捕食形態》武装圧縮成形:<生命力吸収の呪>上乗せ
衣:<念動:オーラ>に重ね纏い行動補助と耐性
・今回は薄く広く拡げ全方位警戒、瞬間移動の察知
剣槍:増殖変形、投擲による牽制も
触手:<早業>オーラ変形し体各部から生成。
瞬間移動警戒し防御優先
剣受け止め固定し隙作り、
触手で拘束と侵蝕捕食狙い、剣槍追加し斬り穿つ
●
大鳥居の前に到着した時、ちょうど定数が揃い10人ほどが出発したばかりのようで魔法陣の周囲には10人という最低限度の敵しか見当たらなかった。
月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)はそれを残念に思いつつも召喚媒介『血塗れの財宝』を求め観察をする。
おそらくはあの辺りという予想はついた、ならば敵が増える前にと急ぎ飛び出していく。
武器を剣槍に変形させオーラを周囲へと広げ警戒をする、今回の敵の動きはトリッキーなもので警戒はいくらしても足りないなどということはない。
(削るだけ削ってみましょう)
身から出す誘惑の呪に釣られ気付いた少女剣士が何人かこちらへと向かってきた。
さぁ……ここからが本番だとばかりにユイは牽制に増殖した槍を投げつける。
「邪魔者め!」
それを剣で軽く弾き少女剣士は真っ向から切りかかって……くると見せかけてやはり姿が消えた。
瞬間移動の気配が張り巡らされたオーラに反応しそこへと剣槍を振るう。
ガキンという金属同士のぶつかり合う音が聞こえ間合いを取り直した。
「これでどうかしら!」
別の少女剣士がさらにユイの死角へとテレポートしてき剣を振るう。
もはや間に合わないと悟りつつもそれは同時処理されているシステムが自動で発動した。
(共鳴・保管庫接続正常、能力強化。無限連環強化術式起動。捕食吸収能力制御、圧縮成形)
「喰らえ……っ!」
増殖し肥大化した腕に剣が食い込むがそれ以上には斬れることはない。
それどころか剣は刺さったまま抜けず、さらに触手が伸び一人を拘束してしまった。
「変な技を使ってぇ!!」
それを見た最初の剣士が突きを仕掛けるがそれは増殖して増えた剣槍がカウンターで突き刺さり腕を押さえ少女剣士はその場に崩れ落ちた。
容赦なく捕食モードで少女を捕らえるとあっという間にその身体ごと捕食され少女剣士の姿は消えてしまった。
(はぁ……素敵なの♡)
捕食に気を良くしたのか高揚したユイが残りの剣士達へと駆け始め……そして再び刃を交えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
後々の事を考えたら数を相手した方が良さそう。
猟兵も何人か相対するみたいだし、私たちは5-6人を相手に。
役割分担。猟兵はきっと助け合い。できる事を1つずつ、ね。
相手は数がいるし対応されるかもしれないけど……どこまで皆に対応できる?
武器はたくさん種類があって皆思い思いに持ってるから大丈夫かも?
相手が対応できない武器を持った子達で対抗。どうしよう、変な武器だったら。
相手が使っている財宝。こっちが使う事はできなさそう?
ちょっと調べてみて駄目そうなら、綺麗だし勿体ないけど壊す方向性に。
一段落したら近くに観光できるところがないか調べてみよう。
フランチェスカ・ヴァレンタイン
んー… 出発するまでは律儀に同じ場所に群れている、と
――とりあえず、纏めて爆撃してみましょうか
20体目が生えてくるというタイミングで、上空からの急降下強襲を
光学迷彩を身に纏ってギリギリまで攻撃はせずに、俯瞰から全標的を捕捉
マニューバと共にUCの追尾ミサイルめいた騎槍型光焔を全方位にばら撒き、補足した位置目掛けての一斉発射と参りましょう
自身は発射と同時にループ機動で再び高度を取り、切り抜けてきた個体への迎撃体制に入ります
空中を跳べるとは言いましても… 上から見れば、一直線で向かってくるだけですし
――砲撃のいい的ですわねー
万が一至近距離まで詰められましたら、空中機動で躱すついでに蹴り落とす感じに?
●
浜風が吹きぬけ大鳥居に波が弾け飛沫が舞い散る。
邪悪な儀式が自動で続行されているこの地に二方向から同時に戦場へと赴く影があった。
上空で翼を羽ばたかせ眼下の敵を睨むフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)。
そして大鳥居へは近くの茂みからこっそりと近づく神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)の二人がそれだ。
最大人数にまで膨れ上がりそうな少女剣士達を見つつ、眞白は自分が担当できるのは精々5~6人が限度だろうと心がけることにした。
単体相手ならばともかく複数それも多数ともなるとその数の暴力の前に押されそのまま流れを持っていかれることも珍しくはないというわけだ。
(猟兵はきっと助け合い。できる事を1つずつ、ね)
自分の限界を弁えそして出来ることをしようとする、そんな積み重ねが勝利への鍵なのだと思うのだ。
「んー… 出発するまでは律儀に同じ場所に群れている、と」
眼下で整列している少女剣士達をその照準に収めフランチェスカは狙いを定めた。
(――とりあえず、纏めて爆撃してみましょうか)
ならばギリギリまで気付かれないでいきたち所だと思う、であれば手はとても簡単だった。
光学迷彩を身に纏い飛ぶことを止めたフランチェスカ。
その身体は重力に曳かれ真っ逆さまに地上へと降下していった。
なるほどこれならば飛行能力も何も使わない自由落下、しかも迷彩で姿形は感知されないときている。
自分を中心に俯瞰した視点で全体を見渡しマルチロックばりに目標をロックするとギリギリのタイミングで必殺の『九天に舞い 灼き穿つもの』を出し惜しみすることなく一斉発射で地上に奇襲を仕掛けたのだ。
「ブレイズランサー、イグニッション――! 十全に舞い、灼き穿ちませ…!!」
ホーミングしながら光焔が次々と整列していた少女剣士に頭上から降り注ぎ辺りは一瞬で地獄絵図のように大爆発を起こした。
自身は急速にループをかけ急降下から急上昇へと弧を描き天を目指そうとする。
人並みはずれた乳房がGの重みにぐにゃりと変形したり伸ばされたりとそれだけ強い力が身体にかかっていることが誰にでもわかるほどの猛スピードでだ。
「!?」
「きゃああああ」
召還されたばかりで警戒が出来ていない所に頭上からの奇襲、これを耐えれたのはたまたま他の娘が盾になり直撃を避けれたおかげ。
だが被害はかなりのもので半数以上が今の襲撃で戦闘不能に陥っていた。
そこへ茂みより飛び出してきたカラクリ人形の軍勢が思い思いの武器を手に乱入をしてきた。
これらは眞白が『百器大波乱』で召還した貴重な戦力、いつもの護衛メイド達ではなく今回こちらを呼んだのはとにかく数が必要だったからということ。
それは正しく功を奏し少女剣士一人につき数体が纏わりつき手傷を負わせるとなるともはや勝負は目に見えていた。
それでも諦めず空中へ連続ジャンプしフランチェスカへと迫る娘もいたがそれは完全に悪手でしかなく。
(上から見れば、一直線に向かってくるだけですし!)」
轟く射撃音と撃ち落され地上へ落ちていく少女、わざと誘き寄せられた事に悔しさをにじませるその姿が分解し躯の海へと還っていく。
「……砲撃のいい的ですわよ」
空中から何体かが撃ち落され降って着た頃には最後の一体もトドメを刺されそして儀式場から全てのオブリビオンが消え去る時がきたのだ。
「どうやら終わったようですね」
「密集してくれてたおかげで助かりましたわ」
降下してきたフランチェスカと共に眞白は話に聞いていた『血塗れの財宝』が異様な存在感を二人に与え鎮座していた。
あまりにも血生臭い歴史を生きてきたのだろうか、その輝きを必ずといってほど人を魅了しそして邪悪に目覚めさせる物に違いなさそうだ。
「これこっち側では使えそうに……うーん、ないかな」
「身の丈にあってない物は罰が当たるといいますしね」
綺麗な物だがそれがあるかぎりオブリビオンが次々と生み出されてくるのだ放置するわけにはいかない。
二人は目を合わせ頷きあうと財宝を木っ端微塵に破壊するのだった。
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「ふう、ようやく終わりました」
「やれやれですわ」
黄昏時の大鳥居を見ながら眞白が堤防沿いに座ると、黒髪のメイドがお茶を淹れそれを美味しそうに眞白は一口口をつける。
フランチェスカもその横でなかなかにいい茶葉を使っているであろう紅茶を口に運び夕陽を眺めた。
「どこか観光地でもないかと思いましたが……」
「ここでいいんじゃないかしら?」
二人は数々の猟兵達が力を結集し取り戻したこの地こそがいつか平和な時がくれば観光地になるのではと思い、この静かなひと時をここで過ごすと帰路に着くのだった。
大鳥居は今でも海で全てを見つめただそこにあるのだった。
大成功
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