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エンパイアウォー⑱~軍神に引導を渡すべく

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #上杉謙信

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「水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇」
 順々に、各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)が指折り数えるのは、『毘沙門刀』各々の属性とか。
「それから、アンヘルブラックに、ディアブロホワイト……うん、これで12本やね」
 本当に12本操るとか、すごいなぁ――なんて、独りごちるのも束の間。
「という訳で、軍神との決戦の時間やで!」
 『第六天魔軍将』との決戦も進む中、瞳子が挙げたのは軍神『上杉謙信』。
 多数のオブリビオンの軍勢を引き連れて関ヶ原に待ち構える彼の所在を、猟兵達が掴んで10日が経とうとしている。
「上杉謙信は『人軍一体』を得意として、軍神車懸かりの陣を展開しとったんやけど……その車懸かりの陣も、そろそろ崩れそうや」
 そして、猟兵達は、車懸かりの陣を掻い潜り、上杉謙信と対決する事になる。
「この『車懸かりの陣』さえ突破すれば、謙信は他の魔軍将みたく『先制攻撃』は出来へん。戦い自体は通常のボス戦と変わらへんよ……強いけどな」
 車懸かりの陣に於いて、自立して動く武具の類も投入していた謙信だが、彼自身も12本の『毘沙門刀』を自在に操る。
「それこそ、魔法めいた天変地異も引き起こすようや」
 魔軍将の生死は、戦争の勝敗には関係しない。だが、生き残っていれば、戦争後に暗躍するようになるだろう。
「車懸かりの陣にも、復活を繰り返す上杉謙信にも、沢山の猟兵が挑んで、倒してきた。もう少しや。皆で、軍神に引導を渡したってな!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 エンパイアウォー8作目。今回は「⑱決戦上杉謙信」です。

 軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
 つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。

 このシナリオでは、車懸かりの陣を抜け、上杉謙信の喉元まで迫った状態から始まります。上杉謙信は先制攻撃能力を持ちませんが、普通のボス敵より強いです。しっかり作戦を練ってきて下さいね。

 柊にとっては、エンパイアウォー初の魔軍将戦です。皆さんの活躍を、かっこよく描写したいなと思います。
 それでは、猟兵の皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『軍神『上杉謙信』』

POW   :    毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。

イラスト:色

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

さぁて、相手は軍神、越後の龍。
血が滾る。

風林火陰山雷 火の如く。
懐かしいだろ。あんたには
さあ、斬り合おうか謙信公。

高速移動で敵の懐へ飛び込み、挨拶がわりの斬撃を放つ。
狙いは火に弱そうな氷と樹、それと毒。
圧し折る勢いで叩きつけてやるよ。
まあ、対処に出てくるのは水刀だろうが、それは俺自身が対処する。
二刀流の構えから、●武器受けしつつ●カウンターで刀を弾き飛ばす。
手はとめない。
●2回攻撃の連撃で息付く暇すら与えねぇよ。下手に敵の刀に触れねぇように●見切りつつ、その柄を狙って刀を振るう。
刀が減りゃお前にこの刃が届くだろう謙信公よ。
●早業からの●鎧無視攻撃。
侵略すること火の如くってな。


ユリウス・リウィウス
さて、知己に散々発破をかけた手前、無様は晒せんな。貴様を討滅した後の旨い酒を励みに、全力を尽くそう。

出ろ、亡霊騎士団。古戦場だけあって亡霊には困らん。「呪詛」を抱えて上杉に襲いかかれ。合体数は「3」。
当然十二刀で反撃してくるよな。斬りつけられたら、その刀を抱え込んで動きを封じろ。

これで条件は互角だな。二刀対二刀。いざ尋常に勝負。

「2回攻撃」「鎧無視攻撃」「鎧砕き」「生命力吸収」「精神攻撃」「呪詛」の虚空斬で上杉の二刀と打ち合う。十刀が亡霊を滅して戻ってくるまでが勝負だ。
上杉の攻撃は「武器受け」「盾受け」「カウンター」で対抗。
亡霊騎士団は戦闘中も常に喚起し続けるが、多少集中を欠くな。やむをえん。



 関ヶ原、軍神車懸りの陣も崩れつつある芯に佇む偉丈夫――その名は、上杉謙信。
(「さぁて、相手は軍神、越後の龍」)
 血の滾るまま、燃え盛る火炎を纏う遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)。
 風林火陰山雷 火の如く――速攻。己が命を燃やして一気に斬り込む剣豪を、涼やかな碧眼が真っ向より見据える。
「懐かしいだろ。あんたには!」
 挨拶代わりとばかり、斬撃三連は氷と樹、毒の毘沙門刀を狙う。
「刀が減りゃ、お前にもこの刃が届くだろう、謙信公よ」
 ギィン、ガキィ――ガッ!
 圧し折る勢いで叩き付けたが、その手応えは強い。
 ――――!!
 二刀流を構え直す、その引き際にすかさず迫る毘沙門刀車懸かり。謙信は無言のまま、愛刀を巡らせる。その技とて己が命を削っていようが、まるで景明の意気に応えるように、初手より一切の容赦なし。
「……っ」
 景明の予測では水刀の放射。だが、謙信の土刀が割り込み砂塵を飛ばした。火は燃えて土に還る――エネルギーを消費されて火が弱まる一方、土の力は強くなる。
 力増した一撃を、景明は歯を食い縛って受け流し、カウンターで弾かんとするも――尚、硬い。
 ならば、下手に刀身に触れるのは拙いと判断し、景明は刀の柄を狙う。自らも高速で動くが、それは敵も同じく。速度の優位が取れないのが悔しい。
(「それでも、手は、止めない。息付く暇すら与えねぇよ」)
 侵略する事火の如く――更には早業で、苛烈なる刺突が具足の継ぎ目を狙う。
「風林火山……さて、その意気やよし。されど、信玄の本陣旗は、諏訪明神の加護を信ずるものと記憶する」
「っ!」
 景明が貫かんとした切っ先が押し戻される。薬気を浴び、謙信の傷が急速に回復しているのだ。
 毘沙門刀こそ謙信の技の要ならば、それを壊すには相当の膂力、敏捷、胆力を要しよう。魔軍将相手に、猟兵単身では流石に厳しい。
 だが、猟兵が単身で挑む訳もない。
「さて、知己に散々発破をかけた手前、無様は晒せんな」
 静かに呟き、現れたるは黒騎士、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)。
「貴様を討滅した後の旨い酒を励みに、全力を尽くそう」
 幸いに、関ヶ原は古戦場。亡霊には困らない。
「死の顎に囚われ迷う怨念の塊どもよ、汝らの憎悪をもって偽りの生命に終焉を与えよ」
 長剣と板金鎧を装備する腐乱兵、或いは長槍と丸盾を構える骸骨兵は、合体重ねて合計12体。
「『呪詛』を抱えて上杉に襲いかかれ」
 そうして、謙信が毘沙門刀車懸かりで迎撃すれば、すかさず、亡霊騎士団は刀それぞれを抱え込み動きを封じる。謙信の両手が構える二刀には即斬り捨てられるも、ユリウスはうっすらと笑む。
「これで条件は互角だな。二刀対二刀。いざ尋常に勝負」
「俺だってまだやれる」
 景明も又、二刀流でユリウスと肩を並べれば、数も猟兵の優勢。だが、謙信は冷ややかに碧眼を眇める。
「我が刀、死人如きで抑えられると思うか。笑止」
(「無論、十刀が亡霊を滅して戻るまでが勝負」)
 ユリウスの両の黒剣が唸る。左右に二閃、具足を透かし、具足を砕き、将の闘気を冒し、呪わんと、ありったけ出し惜しみせず切り払う。謙信の刃は時に黒剣で、時にショルダーアーマーで受け流し、カウンターさえも狙った。
「……っ」
 亡霊騎士団の喚起に集中を欠けば、反撃も苛烈。致命的となる前に景明の炎撃が間隙を埋めた。
 戦況は圧している自負はある――だが、何処か違和感を拭えぬのは何故か。
 ユリウスがその原因を探る前に、更なる増援が現れる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
軍神と語られるだけあって、驚異的というべきか

界離で死の原理の端末召喚。魔力を溜めた体内に召喚し自身の端末機能を強化
自身を死に染めて形ある死と化し、触れるもの悉く死に絶える姿での打撃戦
白と黒の二刀、その力も露と消えるまで死の密度を高め対峙する

無論軍神の名に相応しい相手故、手は抜かず
纏う原理――顕理輝光も最大限励起
『絶理』で世の理より己を切り離し、『天光』にて確実に捉え見切り、『無現』『虚影』にて往なし、躱す
攻めては『天護』『天冥』にて逃さず、『討滅』も乗せた白打を見舞う

必要魔力は“外”より『超克』にて汲み上げ供給
戦闘機動は『解放』を用いた魔力放出で

斬撃の事実まで殺し切る死の具現で神を討つ



「軍神と語られるだけあって、驚異的というべきか」
 十刀抑えられながら、猟兵2人の剛剣を平静に相手取る胆力を、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は淡々と評価する。
「顕せ」
 故に、まずは『死の原理』なる端末を魔力溜めた体内に召喚。アルトリウス自らを死に染め上げる。其は形ある死。白と黒の二刀をも悉く死に絶えるまで、密度を高め対峙する。
(「軍神の名に相応しい相手、手は抜かない」)
 更には纏う原理も最大励起。『絶理』で世の理より己を切り離し、『天光』にて確実に捉え見切り、『無現』『虚影』にて往なし、躱す。
 攻めては『天護』『天冥』にて逃さず、『討滅』も乗せ――万全の体制で死なる打撃を見舞わんと。
「なるほど、『原理』を扱うか……如何な神とて儚く散ろう、人非ざるモノの手であれば」
 軍神討たんとした一撃――よもや、黒白の両刀が、真っ向から受けるとは。
「猟兵は、骸の海より還りし我らの大敵。されど、猟兵は界渡る『人』なれば。『人』で在る限り、必ずや『未来』が在り『過去』が在る」
 即ち、確定された過去を操る『アンヘルブラック』、未来を操作する『ディアブロホワイト』より逃れるを能わず!
「……戯言を」
 既に、世の理より己を切り離したとアルトリウスが返せば、謙信も淡々と。
「人で在らずば、猟兵に非ず。此の界の者でない貴様が此処に在る所以無くして、此処に存る矛盾は何とする?」
 真実は知れぬ。だが、ほんの少し生じた綻びは、アルトリウス自身が「人間である事」を自覚している証。
 ――――!!
 アルトリウスの拳が過去と未来を以て弾かれると同時、十の毘沙門刀を戒めていた亡霊が限界を超えて砕け散った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シリン・カービン
軍神・上杉謙信への次の一手ですが、
私の選択は【エレメンタル・ファンタジア】。
奇しくも謙信が似たような技を使うなら、
その力を打ち消しましょう。

謙信の周囲の精霊力を注視。
天変地異の発動が始まったら、対になる精霊を召喚します。
(『火』には『水』、『土』には『木(植物)』など)
自然現象は攻撃を受け止められるような広範なものを選択。
(『壁の様な大波』『全てを吸い寄せる大渦』など)
天変地異から仲間を守るため、対になる精霊力で力を弱め、
防御に適した自然現象で攻撃を打ち消します。

全力を持って制御にあたりますが、それは謙信も同じこと。
猟は獲物との我慢比べ。そう簡単には負けません。

アドリブ・連携可。



「これは……」
 精霊術士たるシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は、毘沙門刀の復帰と同時、夥しい精霊力の動きに軍神の次なる手を察する。
 咄嗟に前へ飛び出し、繰り出すはエレメンタル・ファンタジア。奇しくも謙信が似たような技を使うなら、その力を打ち消さんと。
 ――――!!
 果たして、迸る炎の竜巻を、壁の如き大波が遮る。
 例えば、『火』には『水』を、『土』には『木』を――対なる精霊を召喚して対抗するシリン。更には、天変地異から同胞を守るべく広範囲に及ぶ自然現象を組合わせる。
「……っ」
 ともすれば手を離れようとする精霊の威を、全力で以て制御に当たる。片時も気を抜けないが、それは謙信も同じの筈。
(「猟は獲物との我慢比べ。そう簡単には負けません」)
 ――その内、謙信の手も見えてくる。水で対抗すれば樹で吸い取り或いは凍り付かせ、火を操れば灰が積もって土と成す。薬効が生じるまで毒を水で薄め、逆に炎で薬を煎じて濃縮し害を及ぼした事もあった。
(「相克、より、相生?」)
 猟兵の魔力を己が力で吸収する事で、敵を弱め己を強化する――一挙両得を狙った謙信の属性の使い方は些か癖があったが、慣れてくれば対応のしようもある。
「今!」
 水刃の豪雨を凍結させて凌いだ次の瞬間。シリンの掛け声に、最前線に躍り出た猟兵達はスケートの要領で疾駆した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディー・ジェイ
「その立派な剣、是非ともお譲り願いたいね」

・初手
車懸かりの陣が突破される時点で隠れ鬼を使いながら気配を周囲に溶け込ませ、胴体狙いに一発不意打ちをかます。

・毘沙門天への対策
高速移動で接近された場合、銃をフルオートに切り替えて接近の邪魔をするように乱射。だが接近を許すのは目に見えているので、すでにピン抜き後のPartyCrackersを自身の前に放り投げて僅かに後退(耳栓ゴーグル対策済み)
目を閉じたまま逃げないよう広範囲フルバーストで潰す。

刀の放射を選ぶなら、それをあえてワイヤーで絡ませて奴の手元に戻らないよう相手をし続ける。こっちに攻撃が続くことになるが、その分奴の負担も継続し続けるってわけだ。


御剣・刀也
越後の竜、上杉謙信
戦乱の世の名将。か。仕合にはこれ以上ない相手。
さぁ、お互いの命が尽きるまで、存分に剣を交わし、言葉を交えよう

毘沙門刀連斬は武器受け、第六感、見切り、残像で受け、いなし、避けて懐まで勇気をもって少しずつ、着実に距離を詰める。
距離を詰めて自分の間合いに入ったら、カウンター、二回攻撃、捨て身の一撃のいずれかで、渾身の一撃を打ち込む
「俺はただ強い奴とやりたいだけの鬼。あんたとなら、死ぬまで闘ってもいいと俺の中の鬼が言う。だが、俺の命は俺一人のものじゃない。だから、あんたに勝って、生きて帰ろうと思う。それまで、存分に剣を交え、言葉を交わそう」


ソウジ・ブレィブス
剣士なのか、魔法使いなのか、分からないヒトだねぇ
まぁ、…僕も似たようなものだけれど
刀を避けるのは得意じゃないし、粋じゃないよね
フフ、僕も強い人は好きだよ(にやり)

難しい事も陣形も、考えるのは得意じゃないから
おかしなことしてたら教えてよねぇ!
大きく獣化した両手で迎え撃つから
君の刀、全てを【掃除】してあげちゃうよ
武器は使わないわけじゃないけど、この方が早いからね【だまし討ち】だ!

地形の利用をして獣化した手をパフォーマンスがてら最大限利用して跳ね回るけど
へらへらしてるからって舐めないでよね

時間稼ぎは得意なんだ、隙を作ったり連携の所作を隠したりさ
正攻法に対して、真っ向勝負で崩せるとは思わないから



「剣士なのか、魔法使いなのか、分からないヒトだねぇ」
 一気に接近、ソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)は小首を傾げる仕草で赤い眼を細める。
「まぁ……僕も似たようなものだけれど」
 肉迫する猟兵に、謙信はすぐさま構えを変える。12本の『毘沙門刀』の切っ先は、一斉にソウジへ――一点集中、真っ向から貫かんと。
「フフ、強い人は好きだよ」
 ガツゥ!
 鈍い音が響き渡り、12本を薙ぎ払ったのは様々な獣が混じり合ったような歪なる魔獣の両手。
「君の刀、全てを『掃除』してあげちゃうよ」
 武装しているにも拘らず、大きく獣化した両手を掲げ、だまし討ちだとソウジは屈託なく言い放つ。
 バキィッ!
 巨大にして鋭利な爪は、斬馬刀の如く。身軽に跳ね回り、これ見よがしに地面を抉る。
 難しい戦略も陣形も、考えるのは得意じゃない。でも、時間稼ぎは得意だ。例えば、隙を作ったり、連携の所作を隠したり。
(「へらへらしてるからって舐めないでよね!」)
「そろそろ、真っ向勝負も悪くないだろう?」
 ソウジの爪が巻き起こす砂塵の向こう――偉丈夫の影在り。
「越後の竜、上杉謙信……戦乱の世の名将、か」
 愛刀の鯉口を斬り、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は不敵にも謙信を見据える。
「仕合うにはこれ以上ない相手。さぁ、お互いの命が尽きるまで、存分に剣を交わし、言葉を交えよう」
 応えは毘沙門刀連斬。12振りが次々と、刀也に浴びせ掛けられる。
「……っ」
 勘を尖らせ、太刀筋を見切り、残像を目くらましに、いなし、回避はされど後退に非ず。謙信の懐まで、着実に距離を詰めんと。
 ――――!!
 間合いに入れば、すかさず左右に切り払う。毘沙門刀を弾いた空隙に、刺突が奔ったその時。
「その立派な剣、是非ともお譲り願いたいね」
 軍神車懸りの陣突破より戦える疲労のギリギリまで、鬼に隠れるが如くその姿を消していたディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)は、満を持して謙信の胴を狙い、不意打つスナイプ。
「ぐ……」
「おー、怖い怖い」
 剣の仕合に水を差されたが故か、射殺さんばかりの視線に、ディーは肩を竦めて見せる。ガスマスクで表情が判らないからこそ、いっそ飄軽に。
 そのまま逆上して此方に来れば願ったり叶ったりであったが、謙信の連斬は変わらず刀也を相手取る。
「猪じゃなかったか……」
 ディーの選択する戦い方と警戒していた謙信のユーベルコードは噛み合わなかったが、すぐさま切替え、全武装一斉発射で援護に徹する。
「僕だって……手が届く限り、逃さないよ!」
 ソウジの掌が謙信を鷲掴み、握り潰さんと。長大なる爪は赤熱化し、振れなば燃やさん勢いか。
 無論、3人ばかりでなく、まだ膝を突いていない猟兵達の攻撃も、謙信唯一人へ殺到する。
 ――――!!
 縦横無尽に、毘沙門刀が奔る。属性の力までも総て切れ味と換え、只管に只管に、切り払い、薙ぎ払い、刺し貫く。正に、竜虎咆哮、獅子奮迅――。
(「俺はただ強い奴とやりたいだけの鬼。あんたとなら、死ぬまで闘ってもいいと俺の中の鬼が言う」)
 謙信自身、車輪の如く四方八方を独りで迎え撃つ。その鋭撃を打ち合い死闘を繰り広げる至福――だが、己の命は己だけのものではないと、刀也はよく判っている。
「だから、俺は、あんたに勝って、生きて帰ろうと思う」
 端的にして尊大なる宣言に、謙信と視線が絡み合う――。
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
 刀也の持てる力を振り絞り上段から振り下ろす。太刀筋すらあくまで真っ直ぐな雲耀の太刀――まるで間隙を縫うように。或いは吸い込まれるように。
「!!」
 ソウジは思いもしなかった。名高き軍神を相手に、正攻法を真っ向勝負から崩せるなどと……それが、謙信を真正面から袈裟懸けに断つ。刀也自身が目を瞠る、あまりに明朗なる一撃。
「時に、正道は搦め手を遥かに超え征くもの……見事也」
 唐突なる終焉であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月20日


挿絵イラスト