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エンパイアウォー㉑~神の金属の災厄~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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●最後の魔将と隠されし魔将
 何も言わずに異界の天使スフィーエ・シエルフィートは秘宝(グリモア)を輝かせ、黒々とした肌に特徴的に爆ぜたような毛髪の大男と、一言で言ってしまえば正に「猿」そのものな二人を映し出した。
「いやはや、何ていうか……うん。個性的っていうかね」
 スフィーエは微妙な顔をしながら、その内の大男の方を指し示しながら語り出す。
「とはいえ、彼は六魔将の最後の一人だし、そっちの彼も同等の実力者の筈さ。気を引き締めていってくれたまえ」
 大帝剣『弥助アレキサンダー』――信長軍六魔将が最後の一人。
 そして横の猿の如き毛玉こそ、歴史に名高き豊臣秀吉公――いわゆる“隠し”敵なのだという。

「さぁ語ろうか。舞台はサムライエンパイア、戦争も折り返しだ。君達には関門海峡の大渦まで赴き二人の魔将を討って貰いたい」

 嘗て信長公が秘術で呼び出したという渡来人が一人、弥助アレキサンダーは至宝(メガリス)の力で関門海峡に大渦を発生させ待ち構えている。
 現在は三種類の至宝を以て何かを為そうとしているようだが、その前に早急に討って欲しいのだと語る。
 だが弥助には秀吉公が護衛についており、倒すには彼を突破しなければならないのだという。
「二人とも、これまでの強敵の例にもれず先制攻撃を仕掛けてくる。対策は必須だね」
 当然、複数の邪法(ユーベルコード)による対抗や邪法そのものでの対抗、或いは対策なしに突っ込むのはむざむざ敵に攻撃されて終わりにいくだけなのだと語る。

「場所はここ関門海峡。その大渦の上で待ち受けている。海上戦となるから、海を渡る手段は各々で用意しておいてくれたまえ」
 改めてスフィーエは秘宝(グリモア)を輝かせ、彼らが待ち受ける海峡を示す。
 至宝が一つ、『闘神の独鈷所』なるもので発生したのだろう大渦と、その上で待ち受ける弥助の姿がそこにあった。
 そしてそれを守る様に秀吉公が周囲を警戒する姿と、その前を守る様に展開される船の数々を彼女は映し出す。

「まずは待ち受ける毛利水軍を突破して貰いたい」
 大渦に行くまでは、長州藩の水軍こと毛利水軍が待ち受けている。
 彼らは弥助の至宝が一つ、『大帝の剣』の力で洗脳されており、猟兵達を水上戦で妨害してくるのだそうだ。
 ただし至宝の力で操られた一般人に過ぎず、屈強といえば屈強な武士達ではあるが猟兵の敵ではないのだとも語り。
「ただ無闇に殺すと今後に禍根を残しかねない。なるべく殺さず抜けるか無力化してくれたまえ」
 やむを得ず殺すしかなかったり、多少の手傷を負わせるのは致し方ないとしてもね……とやや暗い笑みを浮かべて語り。

「然る後、まずは豊臣秀吉公を突破して貰いたい」
 かの将は猿として名高き存在だが、まさか実際に猿のような姿をしているとは思わなかっただろう。
 尤も弥助の至宝が一つ『逆賊の十字架』の力で異形強化されているらしい。
 それにより速度を限りなく強化されており、関門海峡の海上を自在に飛び跳ねながら、あらゆる角度からの弥助への攻撃を超高速で受け止るという。
 彼をを倒さない限り、弥助は攻撃できないだろう。

「そして、この弥助アレキサンダーを打ち倒して欲しい」
 現在は三つの至宝の力を、大渦の上で高めているそうだ。
 それによって何が起こるかは未知数だが、もし猟兵達が大敗を喫すれば雷の大渦を発生させ纏めて吹き飛ばされてしまうのだという。
「浮遊はしているが、高度自体はそんなに高くない。だから上手く大渦を利用できれば有利になるかもしれないね」
 とはいえ戦闘では三つの至宝を活かして攻撃をしてくる超・強敵なので十分に注意するべきだと語り。

 一頻りを語り終え、物憂げに息を吐くと、スフィーエは両頬を叩き気を取り直し。
 改めて転送の結界を淡い金色の輝きで作りながら、最後に猟兵に向けてこう言った。
「さて、今回はやることが多いだろうが無理せず頑張ってくれ。転送周りは全て私に任せるといい……さ、準備が出来たら声を掛けてくれたまえよ」


裏山薬草
●注意!!
 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●注意その弐!!
 このシナリオは戦争シナリオですが、いつものように三章構成となっております。
 ですが一章ごとの必要成功数が低い為、進行を優先としたいので人数によってはプレイングを抽選させて頂きます。
 場合によっては不受理もあり得ますので、承知の上で参加の方をよろしくお願いします。

 どうも、裏山薬草です。
 いよいよ現れた最後の幹部に、隠しボスまで出てきてしまいましたね。

 今回は戦争シナリオですが三章構成です。
 全章を通して海上での戦いになりますので、何かしらの工夫(飛行や水泳、自分で持ち込んだ乗り物、毛利水軍の軍船やその破片を利用するなど)があれば有利になります。

 第一章は冒険パートです。
 大帝の剣に操られた毛利水軍を無力化してください。
 殺しも禁止ではありませんが、今後の情勢に響く可能性があるので、なるべく殺さずにお願いします(多少の手傷程度は構いません)

 第二章、第三章は共にボス戦です。
 どちらも先制攻撃を行ってくるので、対抗策を書かなければ問答無用で失敗になります。
 判定は厳しめに行いますのと、必要成功数が少なめの都合上、場合によってはプレイングの不受理もあり得ます。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

多々良・円
正に神器といえるような代物を持っておるようじゃな。
民を洗脳して戦に駆り立てるとは、赦せぬことじゃ。
それにしても、わしが伝え聞く秀吉とは姿が違うような……。

海上は、白群の神風による風を傘で受けて[空中浮遊]か、
共に船に乗るものがいればその風を帆に向けて機動力を上げるのじゃ。

船にとって天候、風は重要じゃ。
白群の神風で風を起こし、あるいは強い風で[吹き飛ばし]てしまうことで、
水軍の船の操舵を妨害するのじゃ。
更に精霊風をかければますます思い通りにはいかなくなるじゃろう。
万が一転覆してしまったら板などに捕まれるよう風を止めるぞ。
なるべく被害は出しとうない。

ともあれその隙に秀吉や弥助のもとへ向かうのじゃ。



●風吹き荒れて
 潮風に乗り傘を広げる童子の横を、火薬に押し出された鉄塊が掠めた。
「弥助様に歯向かう不届き者め!」
「滅びよ! 滅びよ!!」
 神風を称する妖力を以て自在に風を操り、蛇の目傘に受けて優雅に舞う多々良・円(くるくる、くるり・f09214)は追い打ちに放たれる矢を、ひらり、ひらりと風花の舞いが如く躱していく。
「正に神器といえるような代物を持っておるようじゃな」
 響き渡る罵声と正気を失った眼の武士達の様子を見降ろし、それを為した弥助の至宝の力に改めて感服する。
 その罵声と敵意、正に大帝に歯向かう悪賊を仕留める忠臣の如く在れど。
「じゃが、民を洗脳して戦に駆り立てるとは、赦せぬことじゃ……!」
 この武士達はただ利用されているだけ。
 力無きに当て嵌らねど、関係なき者を巻き込む所業は許しがたい。
 故に円は風を吹かせる――体に宿る白群の妖気を漂わせ、極めれば天候すらも操るそれが風を吹かせ、飛び道具と帆船の機能を狂わせ。
「風よ! 汝、凶風となりて災厄を与えよ!」
 名の通りに回る傘より邪法を以て吹かす新たな風が、惑う船の操作を更に誤らせ彼らの運行を乱していく。
 吹き荒ぶ風は留まらず、やがては風は海面に波紋を呼び、波紋は津波を呼びて船を転覆させ。
 盛大な飛沫を挙げて転がる船の間を、柔らかく吹かせた風に乗りつつ、敢て溺れる武士達が掴まれるような板は残し。
「安心せい。命が惜しくば早う掴まるが良い。わしは先に行くでな……それにしても」
 神風を背に受けて飛翔し、時に船に乗って海を往く猟兵の補助を為しつつ、円は先に待ち構える毛玉を見据えて眉間に皺を寄せた。
「わしが伝え聞く秀吉とは姿が違うような……」
 猿という仇名は有名な話であるが、まさか猿そのものの姿をしているとは。
 或いは弥助の至宝の影響なのかもしれないが……ともあれ、往くべき場所は既に近く。
 一番乗りに円は待ち受ける“猿”の元へ向かっていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マックス・アーキボルト
人を操ることは最後に至ってもやめるつもりはないらしいね…
魔将二人に海上戦の連戦、突破してみせるよ!

【優しさ】:相手に手傷を負わせるのはナーシ!
つまり全力で水軍の無力化を行うよ!

【スカイブラスター】召喚!
【空中戦、氷属性攻撃】の氷の魔力弾で水面を凍らせて、船の動きを止めさせる
向こうからの攻撃は全速力で避ける…そのために【火炎耐性、激痛耐性】でフル稼働による多少のヒートは耐える。被害を出さないって決めたなら、まず自分が頑張らなくっちゃね!
【戦闘知識、学習力】でこちらへの射撃の弾道計算も忘れずに!


フレミア・レイブラッド
被害が出るのも仕方ないけど…なるべくなら出したくはないわね。

【念動力】で周囲の空気を圧縮して自身に纏わせ、念と空気の潜水服(潜水球)を形成。
その状態で海中に潜り、潜った後は水の流れを【サイコキネシス】で操作して水軍の真下まで移動するわ。
そのまま海中から氷属性の魔力弾【属性攻撃】で舵を凍結させたり、【サイコキネシス】で操作、または破壊する等で船を航行不能にして無力化、制圧するわ。

後は【サイコキネシス】で海流を操作して強い流れを作り、ワザと荒っぽい感じで三半規管にダメージを与え、船を陸地へ戻す様にして戦場から離脱させるわ。

海中に対する対抗手段なんて持って無いでしょうし、空から行くよりも効果的よね♪



●氷結広がり上下駆けて
 真夏の暑い日差しの中、強制的に海は凍てつき極地の如き様相を呈した。
 海を往く筈の船は、その周囲を氷によって覆われその動きを縛られて、折角の水軍の力を発揮させることは敵わなくなっている。
「な、なんだこの氷はー!?」
「う、動けん!!」
「上か!? いや、下からも……!?」
 その身に真鍮と銅で出来、千年人形たる己の炉心から供給される魔力を以て飛ぶ戦闘機型の機構を身に纏い、氷の魔力弾を以て海面を凍らせていたマックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)自身もまた少し驚いていた。
(……あれ?)
(……あら?)
 そして同様に、己の体の周囲を念力で覆い、海水の侵食を妨げる障壁を展開しつつ、その強力な念力で海流を操り海中を往っていたフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)も。
 彼女もまた、海中よりという違いはあれど魔力弾を以て船底を凍結させて水軍の船を強制的に止めていたのだ。
 だが水軍の攻撃がここで終わるわけではない――一斉に弓矢を構え、分かりやすい空中に座すマックスへそれを向けて。
「ええい、撃て、撃てー! 弥助様のところまで行かせるなー!」
「……くっ!」
 偶然の一致という他ないが、同質の力を以て離れた場所を同時に凍らせた動きは、思ったよりも水軍の混乱を招いていたようだった。
 解き放たれた矢の量は膨大、気流を噴出し飛翔するマックスでさえ、躱すのがやっと……尤も、躱していること自体が彼の相当な技量を物語るのであるが。
 そして当然、この気流を噴出する代償に機構が過剰に熱を発していくのを感じる。
 だがこの機構が過熱しようと、己が傷つこうと決して彼らを傷つけることはしない――許されざるは、何処までも民を操り襲わせる弥助なのだ。
 この心にある優しさと決意は、決して操られる水軍を絶対に傷つけたりはしないと、弾道を計算しつつ全力で飛翔する。
 図らずとも、混乱を極めている水軍の攻撃は全てマックスに集中していた。

(何だか上に気を取られてるみたいね。余計に下からやりやすいわ♪)
 まさか海中からやってくるとは思わないだろう。
 それでも彼女単独であれば、潜って迎撃に向かう水軍も居たのかもしれないが分かりやすく空にいるマックスが図らずとも引き付けてくれている。
 であれば――その隙に。
 空気の球の中、軽く目を伏せ精神を集中し、己の念力を集中する――ここまで力を高められるのも僥倖という他ない。
 多少の被害が出ることは致し方ないかもしれないが、死ぬよりは幾許かましと思おう――その真紅の目を見開き、念力を船を捉えた氷に伸ばし。
 激しい念力の揺さぶりが、氷を伝い船をも揺さぶり、そこに乗る船員達は悲鳴を上げて転倒し、攻撃の手を思わず緩める。
「うわっと……!」
 そして転倒した勢いで狙いが狂い、逆にそれがマックスの脇を掠めたが幸運にも当たらずには済んでもご愛敬。
 そしてフレミアの追撃は終わらない――折角、集中で高めた力なのだから、全力で活かすのみ。
 船を揺さぶり攻撃の勢いを緩めたのなら、このまま一気に引き剥がす――莫大な念力が海流を操り、船員の機能の大半を失った船をそのまま押し流す……!

「……あれ?」
 必死で躱していたマックスだったが、気が付けば目に映る船は残らず、何故か急激に発生した海流によって陸まで流されていた。
 最後に飛来した矢を軽々と躱しながら、罵声混じりの武士を見送り一息する。
 若干の不安はあるが、このまま陸地に戻ってくれるなら何よりだろう。
「「それにしても」」
 図らずとも共闘する形になったわけだが、流石に海中より空は見えず、空から海中は見えず。
 ただ顔も知らぬ共闘相手は誰だったのか――奇跡的な噛み合いを見せるのも、これもまた流れの一興かもしれない。
 海の上と海の下、そして氷の力を以ての奇妙な連携をした者同士は、無事に秀吉公の元へと辿り着くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
洗脳され、作られた敵…なんて、本当に興醒めですわね
それに、オブリビオンではなくサムライエンパイアの一般人の武士を使うなんて…本当に下衆な戦い方をなさいますのね…はぁ。

兎も角、防具改造と激痛耐性を活性
まずはUCで分身体をレベル分生み出して、毛利水軍の皆様を撹乱させましょう
武具はチラつかせども…攻撃はさせず、誘惑と催眠を誘うだけで戦線を乱し、分身体に意識を向けさせましょう

わたくしは…毛利水軍の方の鎧や装束を真似たものを身につけて変装、仲間のような演技をしながら彼らの中を堂々と移動して、関門を抜けさせて頂きましょうか

バレて道を妨げるならば、気絶攻撃で無力化させて押し通りますわ



●蜂蜜演技
 ゆっくりと風に押される船を漕ぎながら、物憂げに黒髪の女は溜息を吐いた。
「はぁ……全く」
 何処か色めいた雰囲気を孕みつつも、その心中に在る物といへば、その先の軍船に待ち受けるであろう武士の数々。
 絶え間なく響く徳川葵への罵声と、彼らが武士であれど単なる一般人に過ぎない存在であり、それを操る所業へのどす黒い感情。
「興が冷めますわ……洗脳だなんて。増して一般の武士の方々を利用するだなんて……本当に」
 ――その前髪で異なる色の双眸を隠し、胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は吐き捨てた。
「下衆の極みですわ」
 暗いその顔の中、唇を吊り上げて軍船を目にすれば。
 翠蘭はゆっくりと、しなやかな指を一つ、二つと折っていき。
「ひとつ、ふたつ、みっつ……」
 甘い声と共に呼び出されるは邪神と呼ばれる存在――下腹に刻まれた刻印さえなければ、翠蘭そのものの姿をした現身。
「さぁ、どのわたくしでお相手致しましょう?」
「ッ……怯むなお前達! 女だろうとこやつは徳川葵、弥助様に仇為す敵だ!」
「ウ、ウォォォォ!!」
 優雅に船中に降り立った謎の異界の娼妓が、一斉に得物を見せつけてしまへば。
 その異様な気配と、誘うような眼に武士達は一瞬慄くもすぐさまに戦意を露わにし斬りかかる。
「ふふふっ……」
「はふっ……ふふ、うふふふっ……」
 その斬撃の悉くを、別たれた邪神は胡蝶のように舞いて、躱していき。
 一切合切、自ら得物を振るって傷つけることに疑問を持たせぬは、その金と翠玉の眼の波動と誘うような息使いに依るもの。
 誘われるがままに攻撃を繰り返し、乱れる隙に翠蘭自身は武士達の装いに限りなく似たそれを身に纏い船中を潜り抜けていく。
「(無事に騙されてくれているようですわね……)あっちに逃げたぞ!」
 ――心持、低めの男言葉を心がけて、似合わぬ口調で叫び。
 女の演技一つ、翠蘭は乱れに乱れる渦中を優雅に擦り抜けていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
なかなか厄介な事だね。
ふむ……それではこうしよう。

『ダマーヴァンドの終末』を発動、巨大なドラゴンを顕現。
自身はその上に乗り、戦域へ。
毛利水軍に対しては巨竜から無限に湧き出る悪魔を向かわせ、羽交い絞めにして空中へ。
「まあ、陸に運んでおけば、洗脳が解けなかったとしてもこの戦いには間に合うまい」
と陸に運び降ろします。
洗脳自体は弥助を倒せば解消されると考えているので特に憂慮していません。
また、毛利水軍の抵抗で悪魔が倒されても数で圧せると考えているので、特に悪魔は攻撃をしません。
「さて、まずは太閤殿下か。……ふむ、興味深い姿だね」


四季乃・瑠璃
緋瑪「んー…派手に爆破しちゃえれば楽なんだけどなー…」
瑠璃「まぁ、操られてるだけみたいだしね。本気で敵対するなら遠慮なく爆破してたけど」

【破壊の姫君】で分身

空中から海流や潮の流れ、敵船の位置などから侵攻ルート上に【範囲攻撃、罠使い】機雷仕様のボムを水中に投下。
威力を調節し、船をひっくり返したり破壊する様にしていくよ。
上手く機雷を回避する様な船には【マヒ攻撃、範囲攻撃、早業】神経ガス爆弾仕様で船に直接投下。
船上じゃ逃げ場ないし、悪いけど無力化させて貰うよ。
弓矢とかで牽制、迎撃してくる敵は【見切り、第六感】で潜り抜けつつ、時限式ボムで海面を爆破して大きく揺らして動きを奪ってから無力化するよ



●破壊の貴公子と姫君、空を往く
 ――村上水軍の一部隊が見た光景には、誰もが恐怖を抱いた。
 南蛮渡来の切支丹がいふところの、黙示録の終末を齎す竜と、聡い者ならば分かるであろうか。
 大空を覆うかの如き恐ろしき竜に乗る、真紅の貴公子。
 そしてその横で、絡繰仕掛けの翼に妖しき理力の気配を漂わせつつ空を往く二人の姫君達。
 かの姫君もまた、ただの少女ではない――その可愛らしき容貌の中に、常人を恐怖に陥らせる何かを匂わせていた。
 ――そしてその三者に感じた恐怖といふものは、村上水軍の武士達にとって最悪の形で現実となっていく。
「蹂躙せよ」
 竜に乗る貴公子、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の威厳と尊大に満ち溢れた宣言が一つ。
 すれば竜より出でたる無数の悪鬼羅刹、正に百鬼夜行の如く現れたそれが船に乗る武士達を羽交い絞めにしていき。
 あっという間に混乱の渦中に追い込まれ、船の操作を失ってしまったがそれが全ての尽きともいふべきか。
 突如として海面より激しき水飛沫が爆ぜ、運に恵まれていなかった船は強かにひっくり返り海域に乗組員をぶちまけた。
 それこそは二人に別たれた殺人姫、四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と、その半身である緋瑪が仕掛けていた爆弾に依るものだった。
「んー……派手に爆破しちゃえれば楽なんだけどなー……」
「まぁ、操られてるだけみたいだしね。本気で敵対するなら遠慮なく爆破してたけど」
 挙げられた水飛沫と、横転に留まった船と散らばる武士達の溺れていく姿を見て、瑠璃と緋瑪はやや不満げに声を漏らす。
 爆弾を得意とし、尚且つこの分身の邪法は飛行だけに非ず、その爆弾を更に強化する力を秘めているにも関わらず――加減をしなければならないこの状況。
 尤も、海流を読み人員を殺さず船だけを無力化する調整は、彼女達の技量がそれはそれで非常に優れていることを示すものではあるが。
「仕方あるまい。中々に厄介ではあるがね」
 時に武士達が嗾ける悪魔への抵抗で、悪魔自身が打ち倒されようと、どこまでも悪魔には羽交い絞め以上の行為はさせず。
 肩を竦めつつ答えながら武士の動きを強引に阻害しつつも、
「あっ、避けた」
「じゃあ……こっちだね」
 流石に見切り始めたのか、殺人姫達が海中に仕掛けた機雷式の爆弾を避け始める船を見やれば。
 当然、それに備えてない彼女達ではない――すぐさまに、武士が反撃に映る前に……尤も、当の武士はシーザーの嗾ける悪魔に羽交い絞めにされているわけだが。
 空中より容赦なく爆弾を降り注がせる――しかし殺傷の為ではない、仕込まれた毒煙は、致死ならずとも武士達の神経を麻痺へ導き、殺さずに無力化していく。
「成程、こう来たか……では、こうしよう」
 ほう、と感心の声を軽く漏らし、シーザーは指を弾いて鳴らす。
 すれば竜より無尽蔵に湧く悪魔が、毒煙によって痺れた船員達、果ては爆破によって海に溺れる船員すらも抱え込み、何処へと飛んでいく。
 元より抵抗されて悪魔を落されようと構わぬ構えだったが、抵抗力を失ったこの状況下、彼の狙いは面白いように決まっていく。
「どこに連れてったの?」
「何、陸に運んでおいただけだよ。そうすれば、洗脳が解けなかったとしてもこの戦いには間に合うまい」
「成程ね」
 緋瑪からの疑問に尊大気味に鼻から息を通し、悪魔の飛んでいく先を一目し答え。
 瑠璃が納得したように頷けば、最早何の障害も残らない――彼らは只管に、悠然と空を往き然るべき場所へと赴く。
「さて、まずは太閤殿下か。……ふむ、興味深い姿だね」
「確か猿って呼ばれてたんだよね。本当に猿だったんだね、瑠璃」
「それはただの仇名だった筈だったけどね、緋瑪」
 ――然るべきその場所へ辿り着いたその三人が、こうした言葉を発した理由といふのはただ一つ。
「……フェン」
 それは、当の豊臣秀吉公の姿が、黒い毛玉の如き“猿”の姿そのものだったからだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●太閤の対抗
「フェンッ……フェン、フェフェン。フェーン……」
 ――かの武将は、仕えた主より猿と呼ばれていたことは名高いが。
「フェン! フェフェフェン、フェンフェン、フェーーン!!」
 まさかその猿そのものの姿だとは誰が想像できただろうか、否、出来ない。
 尤も、それをただの猿といふにはあまりにも異様な姿ではあったのだが……
「フェンフェン! フェン! フェフェンフェン、フェフェフェン! フェ、フェ、フェンフェン!」
 信長軍、隠し魔将『豊臣秀吉』――海上を弾力に満ちたその身体で跳ねながら、彼は猟兵達に戦意を示す。
 どうやら、彼を倒さねばその先に待ち受ける弥助を攻撃することは出来ないだろう。

 ……ちなみに彼の言葉を翻訳すると以下のやうになる。
『ぬうっ……徳川葵共め、もうここまで来たか。流石でごザル』
『実に見事! よもや毛利水軍を、ここまで華麗に突破してくるとは、いやお見事でぇ~ごザル!!』
『だがここより先は通さぬ! 某は豊臣秀吉! 弥助殿をお守りする為に、そして全てはお館様の為に! あ、いざ尋常に、勝負でごザルぅ!!』
 ……尚これより先、秀吉公の台詞は翻訳にて表記させていただくが、実際は「フェンフェン」と鳴いているだけだということを承知願う。
多々良・円
[動物と話す]で言葉が理解できぬかのう。

おぬしが豊臣秀吉か……その姿も、件の神器によるものなのか?
ふむ、並々ならぬ覚悟を感じるが、それはわしら猟兵も同じこと。
わしには不利な相手かもしれぬが、引き下がるわけにはいかんのじゃ。

本体に白群の神風で風を送り[空中浮遊]
距離をとって[視力]で見定め、対策は三つ。
一つ、咄嗟に傘を風で[吹き飛ばし]て回避。
二つ、弾力には刺突、衝突直前にきりまるが刀に変化し[念動力]で固定し待ち構える。
三つ、弥助に向けて月白の雷光を[吹き飛ばし]て護りに向かわせる。

反撃は、錬成カミヤドリで複製した傘を一斉に目の前に広げ秀吉を受け止め、きりまると雷光で複製ごと貫くのじゃ。



●跳ねて揺れて
「おぬしが豊臣秀吉か……その姿も、件の神器によるものなのか?」
 風を操りゆらりと飛びつつ問う円の言葉に秀吉公は答えない。
 ただ彼の言葉に、毛玉から放つ圧倒的な闘気を以て答えるのみ。
「ふむ……並々ならぬ覚悟を感じるが、それはわしら猟兵も同じこと。わしには不利な相手かもしれぬが、引き下がるわけにはいかんのじゃ」
『ふふふ……その意気や良しでごザル。さぁ行くでごザルよ!』
(……態々動物語を使わんでも理解できてしまうのう)
 ……繰り返すが、単純に「フェン」と鳴いているだけなのに、何故だか言葉が分かる。理由までは分からない。
 しかし戦いは既に始まっている――秀吉公が、その毛玉の体を波打たせ、限りない弾性をその身に付与すれば。
 しなやかにして強靭なその身体は弾み、城攻めの大砲にも劣らぬ大質量の突進が円目掛けて放たれる。
 それを咄嗟に、神風を操ることによって彼の本体たる傘に受けると紙一重の所でそれを躱す。
『ほう、これを躱すとはやりおるでごザル……ッ!』
「流石の弾力も、刺突には敵わぬと見えるわ」
 悠然と円の回避を称える秀吉公が突如として空中で体勢を崩す。
 何故ならば、その毛玉には雷をも断ち切るとされる二振りの刀が突き刺さっていた――それは、風を受けて回避すると同時、猫又を転じさせたそれを宙に念力を以て固定していたのだ。
 秀吉公も思いもよらぬ仕込みに感服しつつも、見切ったと言わんばかりに再び身体を弾ませるも円とて反撃をむざむざ許す筈もなく。
『! 弥助殿!!』
 只管に弥助を守ることを優先とするなら逆用する――雷を薙刀の形に集約し、そこへ放てば秀吉公はその弾性と伸縮で咄嗟に弥助を庇い。
「兵は詭道なり、武士道とやらには反するやもしれぬが、これも戦争じゃ」
 呻く毛玉の周囲に数多に浮かべた傘を以てその動きを封じ。
 揺らめく傘の宿神は、雷を形となした薙刀と、雷をも斬り裂く刀を擦れ違い様に斬り込むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
そうだね。それでは尋常に勝負と行こう。

先制対策
オド(念動力)の力で体重をほぼ0にして、辺りを漂う軍船あるいはその破片を足場に。
秀吉の動きを観察。
墨俣城型ロボの動きを見切って、八艘飛びよろしく跳んで回避してUC発動までの時間を稼ぐ。
(第六感×見切り×空中戦×ジャンプ)
その際、残像を残して惑わしもする。(残像)

UC発動の準備が整ったら、一撃必殺の威力を込めた『アララトの流星』で秀吉を狙い撃ちます。
(先制攻撃×鎧砕き×串刺し×全力魔法×『アララトの流星』)

さよならだ、太閤殿下。忠義に厚い君は嫌いではなかったよ。


四季乃・瑠璃
緋瑪「というか、アレ、本当に太閤さんで良いんだよね?」
瑠璃「随分可愛らしくなってる感じがするけど、多分…?」

UCで分身&能力・武装強化

煙幕仕様ボムで目晦まししつつ、1章でガス爆弾で放棄させた船や地形等の遮蔽物を盾や隠れ場所に利用し、【残像、高速詠唱、全力魔法】による幻影魔術で更に攪乱して敵の先制攻撃を回避。

隙を見てUCを発動し、相手を引き続き幻惑しながら大鎌による機巧を利用して高速移動して海上を飛び回り、二人で【早業、残像】斬撃や【範囲攻撃、早業、鎧砕き、鎧無視】接触式ボムによる広範囲攻撃で敵を追い込んで行き、ロボをそのまま爆砕。
【範囲攻撃、力溜め】ジェノサイドノヴァで一気に粉砕するよ。



●一夜城の崩壊
 黒い体毛よりどす黒き血と、白煙を噴き上げて、それにも劣らぬ濃密な闘志の熱気と奇怪な鳴き声に瑠璃と緋瑪は一つの体のまま文字通りの自問自答を繰り広げた。
「というか、アレ、本当に太閤さんで良いんだよね?」
「随分可愛らしくなってる感じがするけど、多分……?」
 歴史に名高き偉人が実際は思ったよりは……という事例など珍しくもないことかもしれないが、それにしても余りにも余りといふべきか。
 疑問を呈する彼女達に、秀吉公は両腕を上げ威嚇するように胸を叩き吠えた。
『お主らがどう思おうと、某、紛れもなく豊臣秀吉でごザル。いざ推して参るッ!』
 迸る圧倒的な闘気にも動じず、シーザーは念力を以て体重を極限まで軽くしつつ、先の戦いで散った船の破片に立ち。
「そうだね。では尋常に勝負といこう」
 武将の宣言に毅然と礼を返せば、瑠璃と緋瑪の多重人格者も同様に言の葉を紡ぎ始める。
『さぁ往けい! 我が血と汗と涙の結晶、墨俣一夜城よ、徳川葵共を叩き潰すでごザル!』
 それと同時、秀吉公が熱く拳を突き上げ、会場に生み出されるは一つの城――否。
 城を模した巨大な人型。流石に十米にも満たぬ体高なれど、その威圧感は凄まじきの一言。
「一夜どころか一瞬で築くとはね」
 出現した一夜城の人型が、その圧倒的な拳を向けた先はシーザー。
 巨体の鈍重性など存在しない高速の拳を、優雅に紅葉舞うかの如く――海上に散る船の破片を、次々と舞い踊る様に渡り、その拳を躱していく。
 それは、秀吉公よりも旧き時代の猛将が成した伝説を体現したかのような姿――直撃すれば微塵も残らぬであろう剛拳を難なく躱す姿は流石と言う他無く。
「隙あり!」
 緋瑪の人格を以て投げ放つ煙幕が、気を取られていた秀吉公を包み、立ち込める煙が彼の視界を封じ。
「ちょっと惑って貰うよ」
 瑠璃の人格を以て追撃に放たれる魔術は幻惑――無力化した船に隠れ、魔力を高め上げて放たれた幻惑の術式が、物理に惑う秀吉公の視界を術的な面でも惑わし。
 惑い攻撃を躊躇うのは一瞬、すぐに立て直されるだろう――だが、機は熟した。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃」
 文字通りの自己に問いかけて多重人格者は邪法を発動する――命を削ることを代償に、二つの魂を二つの体に分けて、保有する全ての武器に限りない力の奔流を漂わせ。
「「さぁ、わたし達の殺戮を始めよう」」
 ――無人となった船より飛び出た彼女達は、得意とする大鎌より爆発の推進を以て飛び、海面を斬り裂くように鋭く、そして速く一夜城の人型へと迫り。
 煙幕と幻惑術による惑い晴れた秀吉公がその剛腕を振るわんとしても、先に緋瑪の大鎌が手首を斬り裂き拳の機能を奪い。
 幻惑を留めることなきにと、追い打ちに煙幕を放つと同時、瑠璃から放つ幻惑の魔術が引き続き秀吉公の感覚を狂わせ。
 矢鱈滅多に暴れ回るだけの巨人など、軌道分かりやすく――観察をしていたシーザーからの指示も伴い、殺人姫達はそれを容易く躱し。
 振るわれる拳目掛けて、二人同時に触れることで起爆する爆弾を引っ付ければ、爆炎を噴き上げて片腕は落とされて。
『ぬぉぉぉぉっ!? 某の墨俣一夜城がぁ!?』
 揺らぐその巨体を、爆発の推進を利用した大鎌が更に挟み込むように片足を刺し穿てば、自慢の人型兵器は水飛沫を挙げて転倒し。
「ていうか一夜ですらないけどねー♪」
「築くも一瞬、壊れるも一瞬。おかしいことなんて無いね」
 ――そして容赦なき殺人姫達の、命振り絞る覚悟で以て放たれた殲滅の閃光が一夜城を塵一つ残さず光に帰せば。
「さぁ砕けたまえ」
 閃光と衝撃に腕を交差させ、動きを止められた秀吉公目掛けて放たれるは光の速さ持ち迫る魔力弾。
 それが秀吉公を海中へと突き落とし、その周囲の海水すらも一瞬で蒸発させる破壊力。
 蒸発により出来た隙間を埋める様に海がうねり、新たな飛沫を挙げる中、公爵はそっと呟いた。
「さよならだ、太閤殿下。忠義に厚い君は嫌いではなかったよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マックス・アーキボルト
※連携アドリブ歓迎

この武人の気風…これが、件の織田信長の後と徳川の前に天下に君臨した(筈…の)豊臣秀吉…戦う相手のビッグネームっぷりには、いい加減慣れてきたんだよね!

【加速魔法式:攻性】発動!
肉体の弾力にも限界はあるはず…その限界へ一点集中突破だ!加速魔法による圧縮多重魔力弾、これを秀吉の体のど真ん中へと射撃するよ!
不発時の防御行動に【見切り、ダッシュ、スライディング】の全力回避、被弾すれば【激痛耐性】で耐える!

連携が可能なら【援護射撃】にシフトして秀吉への攻撃をサポートするよ!
とにもかくにも戦法は一点突破だ、どんなタイミングもそれを狙っていく!



●一点集中、極限までに
 海中へ落ちたる秀吉公は、盛大なる水飛沫を挙げて勢いよく飛び出す。
 亡霊としての命を終えるのも時間の問題なれど、その闘気は一切合切劣る気配無く。
『徳川葵め……だがこの命果てるまで! 一瞬でも長く弥助殿をお守りしてみせるでごザル!』
 纏うその暑苦しいまでの闘気が、黒い毛に纏わりつく水気を蒸発させ大気を揺らめかす姿に唾を飲むマックス。
(この武人の気風……これが豊臣秀吉……けど)
「戦う相手のビッグネームっぷりには、いい加減慣れてきたんだよね!」
『名を畏れぬは良き事でごザル。いざ!』
 名高き相手なれど、潜り抜けてきた今、恐れる道理など無く。
 戦意を向けるマックスに吠える秀吉公はその身体を激しく収縮し弾性を体に巡らし。
 その姿を目に移せば、マックスはまた千年人形特有の豊富な魔力を用い、時空を操り――
「加速魔法……」
『隙ありでごザル!』
「うわぁっ……!!」
 ――だが強敵との戦いに於いて、邪法の発動は敵側の方が早く発動するのが摂理。
 弾性に満ち溢れた身体跳ねさせ、黒い砲弾がマックスの四肢を吹き飛ばさんとするも、不発に備えた構えは出来ている。
 空を滑り、直撃を躱し――その衝撃の余波が激痛となって身体を苛めようと、備わった耐性で耐え抜き。
「――発動! 全弾命中だ!」
 そして溢れんばかりの魔力を以て己が時間場を歪め。
 両掌より矢継ぎ早に解き放つ無数の魔力弾――如何に弾性優れていようと、限界は必ずある筈。
 そう見立てたマックスは、その莫大な数の魔力弾を全て一点に集中させて秀吉公に突き刺す。
「はああああああ!!」
『ぬぅぅぅぅぅっ!!』
 互いの闘志が呼応するかのように、魔力弾が弾力に溢れた身体に突き刺さり、それを耐える声と穿たんとする声が響く。
 とにもかくにも、この魔力弾による一点突破、それのみに全てを――炉心からの魔力を使い切る勢いで放たれたそれが、終には黒い毛玉からどす黒き血を噴き上げさせた――!

苦戦 🔵​🔴​🔴​

胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
知性のあるケダモノ…でしょうか
敵がオブリビオンということだけで、わたくしにとって倒す相手には変わりないのですけれど…ふふ

まずは会敵前に、真の姿を解放し、防具改造で防御強化し、激痛耐性活性で隙を産まぬよう注意して
出来るだけ、第六感で攻撃を見切り、的確に防御・回避行動を行いダメージ軽減を図りましょう

反撃は…そうそう、敵は確か…弥助アレキサンダーへの攻撃を守る性質がある…と
ならばあえて、弥助アレキサンダーを狙い麻痺や催眠、電撃属性を付与したリボルバーで二回攻撃・鎧無視攻撃を試み、防御したところをわたくしの視界に捉え、麻痺や毒を含ませたUCで騙し討ち…攻撃致しましょうか



●獣の末路……?
 腹部を抑え荒く息を吐き、猟兵達を強く睨みつける秀吉公。
 奇怪な鳴き声なれど、その言葉の意味は雄弁に、常に後方に控えし弥助と信長公への忠と義を語る。
(知性のあるケダモノ……でしょうか)
 それを遠目に見つつ、翠蘭は思案して軽く目を伏せる――異なる眼の色が瞼の裏で鬼灯の如き紅に統一されて。
(わたくしにとって倒す相手には変わりないのですけれど……ふふ)
 瞼を開けて輝く真紅に、加虐の悦楽を宿し。
 ゆったりとした着物に防護の印を裏打ちし、彼女は秀吉公の前へと躍り出れば。
『女とて容赦はせぬでごザル! 決して! 弥助殿には! 近寄らせぬでごザル!』
 黒き毛玉の体を弾ませ、その勢いで身体を自壊さすことも厭わずに砲弾の如き突撃をかます。
 それを紙一重で、蝶の如く舞いてしなやかに躱し、走る衝撃を噛み潰すかのように耐え抜きて。
(ああ……そういえば)
 飛び交う毛玉をひらりとまた躱し、かの者が守るべき存在に目を向けて。
 懐から取り出したる回転式弾倉の拳銃を弥助目掛けて向けて――
『ぐっ……』
 その狙いに気付かぬ秀吉公に非ず。
 されど分かって嵌められる屈辱に顔を顰め――加虐の笑みを浮かべたる女の引き金が引かれ。
 雷を孕む弾を自ら浴びて庇う姿に、耐え難き悦楽を覚え女は嗤う。
「戦は詭道、ではなくて? ふふ……」
 ……猿は何も言い返さない。
 ただ己が使命と矜持に従いて友を守る――それを蹂躙すべく翠蘭はその悦楽を元に触手を生み出して。
「……甘くて深い泥濘の沼に堕ちてしまいましょう?」
『むっ、ぬぉっ、か、快楽などに某が……ッ!』
 悍ましき水音と粘着質な音色の中、獣の鳴き声が響き。
 快楽の中に死す、残酷なまでの狂気齎す触手の波に嘗ての太閤は呑まれ、その存在を霧と変えて散って――
「――ゆっくりと骸の海でお休みなさいませ」
 最後にかの武将が見た者は……袖で口元を隠し、鬼灯の如き眼に冷たくも艶やかな輝きを宿し嗤う娼妓の姿だった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大帝剣
 激戦を潜り抜けた猟兵達は、大渦の中に浮き三つの至宝を淡く輝かせる黒き肌の大男に相対する。
「……わお、もう来ちまったか」
 力を抜いているようで、肩を竦めた姿ですら感じる――この男もまた、秀吉公に一切劣らぬ強敵であると。
 そしてそれこそ、信長軍六魔将が最後の一人、弥助アレキサンダーなのだと。
「参ったぜ。まさか秀吉殿まで、やられちまうたぁな……」
 彼は猟兵達を見回すと、先の戦いを見ていたのか関心したように腕を組み、うんうんと頷く。
 しかし突如として、背中に背負う大剣を猟兵達に突き付けると、秘めたる闘気を全身から迸らせる。
 それに呼応し、彼の下にある大渦が更に轟音立てて渦を巻き始め。
「だが俺も武士の端くれだ。秀吉殿の犠牲は無駄にはしねぇ」
 同様に、首に掛けた十字架と、左手に持つ独鈷杵が激しく震え輝き始める。
 大帝の剣、逆賊の十字架、そして闘神の独鈷杵……渡来の至宝からの激しい力の奔流を纏う弥助。
「俺は秀吉殿とお館様の為。そして……あー、まぁ、お前らはお前らの退けねぇ理由の為にって奴だな。全員同じってぇ訳でもなさそうだけど」
 ……にも関わらず、どこか気さくな笑みを彼は浮かべ。
 されどその圧倒的な迸る闘気、油断のなる相手に非ず――!!
「――さぁ行くぜ徳川葵共。六魔将が一人、大帝剣『弥助アレキサンダー』推して参る……ってな」
多々良・円
かつて戦国の世を生きた男。
わしも今の世を生き、護る者として退くわけにはいかぬ。
正念場じゃ、真の姿を解放するぞ。(成人+龍人化/イラスト参照)

吾(ボク)は龍の御神子、多々良円。汝(キミ)に神威を知らしめる。

本体に白群の神風で風を当て[空中浮遊]
きりまるは雷を断ち斬る。
よく見て[視力]向かってきた雷槌を斬り、抜けた分は[電撃耐性]で耐えてみせるさ。
あるいは本体[吹き飛ばし]で瞬間回避か、錬成ヤドリガミで複製を避雷針代わりにばらまく。

耐えて隙を見つけ霹靂神楽。
これで攻撃を軽減できるし、きりまるを振るって反撃だ。
今度はこちらから雷を落とすよ。
そして雷に紛れこませて月白の雷光を飛ばし貫く!



●竜神
 かつて戦国の世を生き抜いた男の一定の敬意を表しつつ。
 されど退けぬは、弥助自身が語ったように退けぬ理由がある。
(わしも今の世を生き、護る者として退くわけにはいかぬ!)
 旧きは宿神故に同じなれど、己は亡霊に非ず。
 内に秘められし真の力を解き放ち、円は吠える――その頭部に竜の角を生やし、急成長を遂げた姿へと変わる。
「吾(ボク)は龍の御神子、多々良円。汝(キミ)に神威を知らしめる」
「一番手はお前か。確か秀吉殿でもそうだったんだよな……良いぜ」
 迸る竜の凄まじき覇気に弥助の毛髪が打ち震え、その筋肉に覆われた身体が喜びに満ちる。
 独鈷杵を握る手にも力が入り、滾る力が周囲の海水を無数の雷――そう、一つの竜を飲み込む多頭竜の如き雷条を以て喰らわんとす。
「おお、雷斬か。やるな」
 だが雷の一つが届くことはない――雷が迸る刹那、雷をも斬り裂く二刀を以てそれを斬り伏せていた。
 卓越した竜の眼は、次々と己に向かう雷を斬り伏せていくも、雷の量は莫大、次なる一手は。
「……っと」
 邪法を用いて避雷針を生み出さんと思ったが、思い留まると風を吹かせ強引に自らを吹き飛ばす。
 “強敵”を相手に複数の邪法を使うことはその分だけ先んじて攻撃される。
 明確に使う、ではなく或いは、という心構えで居たことが何とか功を奏し、寸での所で雷を免れる――
「ちっ、やっぱ甘かねぇか」
「此れより神威は雷の如く、百千万の霹靂神となりわたる」
 その隙に円は己が本体が徐々に削れていくことも厭わずに身を霊体と変えて。
 一つ吠えれば凌いだ雷にも劣らぬ膨大な雷が次々と弥助の体に突き刺さっていく。
「ぐがああああ!」
 正に神罰が如き雷なれど耐える――元より、これで落とせるとも考えて居らず。
 迸る雷に交え投げ放つ一つの刃――薙刀を象るそれが、迸らせた神罰に紛れて突き刺さり。
 さしもの弥助もそれは予想外であったのか、腹部に突き刺さるそれに驚愕するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
弥助、信長公に仕えた勇士と聞くね。
成程、その伝聞に偽りはない様だ。
シーザー・ゴールドマンがお相手しよう。

先制対策
大渦という事で先程の様に浮かぶ破片を足場にすることは難しいか。
ならば、と破片漂う海に向けて衝撃波(×範囲攻撃×全力魔法)を放ち、残骸破片を宙に飛ばし、それをオド(念動力)で空中に固定。
それを足場として空中八艘跳びを披露して、UC発動までの時間を稼ぐ。
(第六感×見切り×空中戦×ジャンプ)

UC発動の準備が整ったら『ウルクの黎明』を発動。
音速を優に超える深紅の閃光となって弥助に突貫、すれ違い様の一撃で斬り裂きます。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き×なぎ払い×ウルクの黎明)



●赤公爵
 腹部を穿つ雷を気合一つ、強引に引き抜く――熱が傷口を焼く苦痛に顔を顰めつつも、弥助の闘志は損傷と逆に高まる。
「ひゅぅ、やっぱ流石だな徳川葵共……さぁ次の相手はどいつだ?」
「では……このシーザー・ゴールドマンがお相手しよう」
 躍り出たのは真紅を纏う貴族然とした半魔の姿。
 弥助のことは信長公に仕えた異国の勇士とは聞いていたが、伝承に偽りなく、その忠義心は見事なものだと思う。
 大帝の剣を構え、切っ先を突き出す弥助と、それを一切の怯えなく悠然と見据えるシーザー。
 両者の沈黙も一瞬――弥助が大帝の剣を両手で握ると同時、シーザーは足元の大渦目掛けて不可視の衝撃を放つ。
「!? わぷ、無茶するなぁオイ! だが……」
 飛び散る飛沫と、砕かれた船の破片が轟音を立て弥助に襲い掛かるも、それを意にも介さずにシーザー目掛けて、必殺の剣を斬り下ろす、が。
「ふっ」
「何、こいつを足場にだと!?」
 シーザーが再び披露したのは、先の秀吉公にも披露せし伝説の歩法、八艘飛び――船の破片を足場にする技も、この大渦の上では難しい筈だったが。
 シーザーは敢て衝撃を放ち、宙に破片を浮かすことで足場を作り出していたのだ。
 だが弥助の剣戟は強大、刃が掠めただけで浮かべた破片は塵一つ残らず消し飛ぶ――それを躱すシーザーは流石といふ他無いが、浮かべた破片には限りがある。
 そして二度も同じ戦法を許してくれる弥助でもない。
「だが……これで終わりだぜ!」
「ああ。終わりだ。……私の準備の方が、だ!」
 最後の足場を砕いた弥助に答えるシーザーの身には、莫大な魔力の奔流を纏われて。
 既に邪法の発動準備は完了していたのだ。
「楽しませて貰おうか」
 されど何度も打ち据えることを許してくれる敵にも非ず。
 この一撃に全てを賭けて――纏う力の奔流と、その全ての魔力を使い切る勢いで。
 音の速度を遥かに超えた飛翔と、擦れ違い様に繰り出した光の刃が弥助の胴を強かに薙いでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フレミア・レイブラッド
民衆を洗脳したりとどんな外道かと思ったら、意外と忠義心や仲間意識が高いのね…良いわ、全力で相手してあげる!

・先制POW対策
魔力弾【高速詠唱、誘導弾】で牽制。【見切り、第六感】で相手の動きを読み、【残像、ダッシュ】で回避が可能なら回避。
不可なら敵の攻撃をできる限り軽減できる様に後方に飛び退きつつ、【念動力】の防御膜と【怪力、早業】を活かした【武器受け】でガード

敵の先制を防いだら即座に【吸血姫の覚醒】で反撃。
覚醒の魔力による捕縛魔術と【念動力】で二重に拘束を掛けながら超高速を活かして多方向から次々と攻撃を仕掛け、最後に心臓や頭部へ全魔力を込めた渾身の一撃【怪力、串刺し、早業、鎧砕き】を叩き込むわ!



●吸血姫
 深手を負って尚、衰えぬは弥助の覇気、そして更に更にと渦巻く大渦、そして三つの至宝の凄まじき力。
 戦いは今、転換期を迎えんとしていた。
「民衆を洗脳したりとどんな外道かと思ったら、意外と忠義心や仲間意識が高いのね……」
「お館様の大望の為だ。お館様の為ならどんな謗りだって受けてみせるさ」
 その中で覇気を放つ弥助にフレミアは僅かに驚いたように、かの人物の感想を呟けば、呟かれた男は肩を竦めつつ超金属の剣を構える。
「増々気に入ったわ。良いわ、全力で相手してあげる!」
 真紅の槍を構えるフレミアに真っ向から斬りかかる弥助。
 遠く離れた己すらも斬り裂かれそうな気迫を目掛け、フレミアは掌から光弾を放つ。
 牽制程度、されど弥助はそれを大帝の剣を以て弾きフレミアに肉薄し――強かに打ち降ろされる必殺の一撃を寸での所で躱す。
 されどその余波、彼女の体勢を揺るがし――続く刃をよろける彼女へ素早く打ち降ろすも、フレミアは槍の柄で真っ向から受ける。
「やるわね……ッ!」
「お前もなッ……!」
 若干の均衡の末に違いに互いを蹴って距離を取ると、フレミアは己が中に眠る真祖の血を目覚めさせる。
「我が血に眠る全ての力……今こそ目覚めよ!」
「ひゅぅ、最終形態ってか……やるねぇ」
 背に八枚の翼を生やし、僅かに大人びた姿――その力、幻想の存在の究極に位置す力を以て。
 全ての魔力を注いだ捕縛の術を弥助に放ち、動きを止めた彼に次々と槍の一撃を突き立てていくも。
「ぬぉぉおおお!!」
「ッ!? 嘘、これを……解いた!?」
 だが弥助の力はそれを凌ぐ――気合一つ、圧倒的なフレミアの魔力と念力の鎖を打ち破る。
 だがその僅かな隙、それで十二分――覚醒した全ての力を振り絞り、真紅の剛槍を以て。
「「はあああああっ!!」」
 大帝の剣を以て剛き力を以て斬りかかるそれに擦れ違うように、その心臓へ杭を打つかの如く。
 交錯するフレミアの槍が、弥助の胸へ突き立てられていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
まぁ…面白いオモチャで遊ぶ童のようにはしゃいでらして
…さて、これは戦
お互いの外道はお互い様、という事で参りましょうか

真の姿を解放
まずは防具改造で防御強化し、更に猛毒、催眠と魅了、マヒ効果を表面に付与、激痛耐性を活性
第六感で出来るだけ敵の攻撃を見切り、防御と回避に専念
闘志を奪われるというのは厄介ですが…ええ、ならば攻撃の意思ではなく、奉仕の精神でUCを発動

敵を視界に捉え、海の中よりわたくしの触手たちを喚び
渦に乗じてお身体を撫で絡めましょう

…媚毒に塗れた触手と、わたくしに触れた際の毒によって貴方様を害する事になっても…これは闘志が有ろうとなかろうと、関係ないことですものね?



●一夜の夢の如し
「ぐふっ……くふ、嬉しいねぇ。徳川葵がこんなに強いなんて」
 貫かれた心臓を抑え、口から血を吐き出しつつ弥助は笑う。
 最早助かる見込み無き、されど戦を止める選択肢は彼に存在せず。
「まぁ、面白いオモチャで遊ぶ童のようにはしゃいでらして」
 その様子を見、ゆったりとした着物に口元を隠し鈴のように凛となる女の声が響く。
 翠蘭は弥助の笑みを見守る――否、その鬼灯の如き瞳は見守る眼に非ず。
「……さて、これは戦」
 扇の開く音と十字架の鎖が鳴る音を皮切りとするが如く。
 口元に充てる女と、十字架を握る男の鋭き視線が火花を散らす。
「お互いの外道はお互い様、という事で参りましょうか」
「ああ。戦は戦、綺麗事ばかりで務まらぬ……ってな」
 言葉は不要。
 逆賊の十字架を煌めかせ弥助が繰り出す肉塊――その剛腕を転じさせたそれが翠蘭に触れる。
「ッ!?」
 だが触れた弥助の腕が突如として固まり、その動きが止まる――翠蘭が服に仕込んだ麻痺毒が彼の肉体を侵す。
 擦り抜けた翠蘭といへど、肉塊の力によって闘志は奪い去った、それなのに彼女の眼は爛々と輝き弥助に悍ましき寒気を与える。
「闘志を奪った筈だぞっ……!?」
「これは闘志ではありませんわ……ふふ、貴方に一夜の快楽を与えたいと願う、女心……」
 ――反撃に翠蘭が呼び出すは異界の神の一部。
 無数の蟲が蠢く如き、滑りと寒気を匂わす触手が次々と弥助の肢体に絡みつき、分泌され続ける媚毒がその思考に薄靄をかけていく。
「んな、ぐっ……うぁっ……ぎぃっ」
「ふふふふふ……さあさあ、どうぞ墜ちてしまいましょう? 秀吉様と同じ、快楽の海へ……ふふっ、ふふふふっ……」
 ――触手の蠢きは闘志に由来するものに非ず。
 底知れぬ異界の娼妓の、果てぬ悦楽と刹那の夢の為に。
 鬼灯の双眸が見据えるは、一人の男の堕ちていく姿を楽しむ愉悦の嗤い……果てさて、異界の侍、邪神の触手にいつまで耐えられることやら……

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪「意外と漢らしい人だね!強敵みたいだし、気に入った!殺させて♪」
瑠璃「洗脳なんて使うから陰湿な人かと思ったけど。私達も負けたら洗脳されるのかな?」
緋瑪「命令に従って殺しするのはやだなー…」
瑠璃「もしくは洗脳薄い本展開…?」

UCで分身&能力・武装強化

先制対策に【早業】で接触式ボムを牽制と爆炎・爆風で身を隠す為に素早く爆破。同時に時限式ボムを時間差で放ち、居場所の誤認と時間稼ぎを実施。

その隙にUC発動し、大鎌の機巧で一気に敵から間合いを取り、高速移動しながら二人で挟む様にK100の銃撃と接触式ボムによる爆破で攻撃。
敵の攻撃を【見切り、残像】で回避しながら削り、全力のジェノサイドノヴァを放つよ



●二人で一人の殺人姫
 ――表現に堪えない文字通りの筆舌に尽くし難き所業を受けても。
 疲労は隠せねど、一切堕すことなき姿に、緋瑪の人格ははしゃぐ。
「意外と漢らしい人だね! 強敵みたいだし、気に入った! 殺させて♪」
「はあ、はあ……お、おう。やれるものならな」
 息を荒げつつ答える弥助だが、その答えがいい加減な流しに依るものでないと分かる。
「洗脳なんて使うから陰湿な人かと思ったけど。私達も負けたら洗脳されるのかな?」
「命令に従って殺しするのはやだなー……」
「もしくは洗脳薄い本展開……?」
 文字通りの自問自答を繰り広げる殺人姫達は、自らの意志で殺しを行う欲望はあれど、自らの意志に反する殺しは流石に望まず。
 或いはといふ疑問に、その薄い本じみた展開を受けていた弥助は不器用に答えた。
「……必要がなければやらねぇよ。お館様の命ならやるけどさ」
 行くぜ、と話題をも斬り裂くように大帝の剣を強く振るい瑠璃に斬りかかる。
 それと同時、瑠璃が投げ放つは爆弾――発生する火炎と爆風の衝撃は、一瞬とはいえ弥助の勢いを留め、立ち込める爆風の中に隠れ。
 何処だ、と探す弥助の耳に響くは別の爆弾の声――尤もそれは。
「そっち……いや、違う!?」
「「さぁ、わたし達の殺戮を始めよう」」
 時間差を置いて仕掛けられた爆弾――己が位置を錯覚さすべく仕掛けたそれが功を奏し、殺人姫達は命を削る勢いで得た力を迸らせ、その身を二つに分ける。
 それを一気に斬り裂かんとする弥助の剣戟を、大鎌に仕込んだ爆発の推進を以て二人は躱し。
 再び弥助が飛び彼女達を斬り伏せんとするその前に――命を削る力でその力を限りなく強化した、保有する弾薬の全てを弥助に放つ。
 化生殺しの改造銃の弾丸が、その分厚い筋肉を穿ち、魔力を載せた爆薬が至宝にすらも罅を入れ――
 最後に放たれし、超新星爆発の如き必殺の爆弾が弥助の身体を閃光の中に包み、残された命の灯を追い詰めて行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マックス・アーキボルト
※アドリブ、連携歓迎!

〈炎めいた魔力の奔流に身を包み、真の姿・メイガスの灯に変身〉
…人々を利用しても忠義を通す…その思いの強さは理解できるよ…
だからこそ、全力でその信念と一緒に打ち倒す!
『メイガスの灯!臨界!!』

視肉は真っ向から受け止める。なら闘志は奪われる…?
胸のマキナ・エンジンが心を縛る【封印を解く】。人々への【優しさ】が無限の闘志をくべる!奪ってみればいい…この心全部、奪えるなら!

反撃の手は、【全力魔法、火属性攻撃】でこの魔力塊の体全てを火に変え、視肉を焼き尽くす!自由になった所で【魔砲楽団】発動、全砲門、火炎弾で敵を攻撃!

忠義で人々を操り動かす…そんな非道は!ここで終わる!



●心の使命(さだめ)
 閃光が晴れ、開戦とは打って変わった無残な姿となりつつも。
 最早とうに命尽きて可笑しくない身の上なれど、弥助は最期まで戦い尽すと言わんばかりに吠えた。
「人々を利用しても忠義を通す……その思いの強さは理解できるよ……」
「……やったことに言い訳はしねぇよ」
 マックスからの敬意に、肩を竦めつつも所業への後悔も無用な誇りも見せず。
 ただ淡々と事実のみを語る姿に応えるように、マックスは真の姿を解放する。
「だからこそ、全力でその信念と一緒に打ち倒す! ……メイガスの灯! 臨界!!」
 その姿、一言でいふなれば緑の炎――触れる者全てを灰に帰すであろう熱き業火の如き魔力。
 呼応するかのように十字架を震わせ、その腕を転じさせた肉塊でマックスを掴む弥助――肉塊が焼け焦げ、身体に炎が伝い、マックスの心に盛る闘志が衰える。
 だが――彼は心を縛る封印を解く。
 迸り滾るは無限の慈愛、人々の為に戦う優しさ……その愛は、使命は、衰えかけた闘志を不死鳥の如く燃え上がらす。
「奪ってみればいい……この心全部、奪えるなら!」
「うぉぉぉお!」
 無限に燃える闘志と、無限に奪う肉塊――矛盾、存在しえぬ両者。
 どちらかが果てるか果てぬかの、終わらぬ円環――だが、焼き尽くすは緑の不死鳥。
 忠義と慈愛の均衡は次第に破れ、盛る火炎が肉塊を灰塵と変えて。
「マキナエンジン出力全開ッ! アームキャノン複写―魔力ライン、オールセットッ!」
 振り解き生み出すは四十を超える必殺の砲台――緑の不死鳥が、その身を熱く躍らせて。
 片腕を失い、苦痛に息を喘がせる弥助に向ける果て無き魂の業火――砲門が、一斉に火炎を噴き上げる。
「忠義で人々を操り動かす……そんな非道は! ここで終わる!」
「くっ、ぁぁ……信長様ァァァァァ!!!!」
 ――絡繰の心臓高鳴り、尽き果てぬ魔力を載せた爆炎が弥助の肉体を貫き。
 最後の最後まで信じる存在の名を高らかに叫ぶ声は、非道を許さぬ熱き決意の前に塵となっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月21日


挿絵イラスト