エンパイアウォー㉑~下剋上の忠臣達〜
「秀吉殿、奴らが来たぜ! ここが正念場だ!」
関門海峡に出来た巨大な渦の上で、黒い肌を持った大男が楽しそうな笑みを浮かべる。
その近くではまるでサーフィンを楽しむかのように渦潮の中で飛び回る毛玉の姿があった。
「フェンフェン! フェン?」
「ああ、大丈夫だ。大帝の剣、逆賊の十字架、闘神の独鈷杵……メガリスは、俺達渡来人の至宝。扱いは心得てるよ」
「フェン……フェンフェン!」
「それも、心得ている。俺も侍、秀吉殿の覚悟に口は挟まねぇ。秀吉殿を盾にして、万にひとつの負けも無いように全力を尽くすよ」
「フェンフェン、フェフェン」
「ああ、そうだな。『全ては信長様の為に』。これがまた言えるなんて、嬉しいねぇ……!」
「皆さまご存知の通り、弥助が戦場に現れました」
ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)はそう言って中国地方と九州地方にフォーカスを合わせた地図を画面に表示した。
「場所は本州と九州を繋ぐ海道、関門海峡。恐らく、織田軍にとっての防衛ラインの一つでしょう。しかもこの周辺には毛利家の軍勢が大勢控えています」
毛利家はどうやら弥助の持つ武器の効果で洗脳されて徳川家に反旗を翻しているらしいが、コルテスにもあっさり操られていたところも考えると徳川家に対する憎悪は深いと認識せざるをえない。
「まぁ、そこら辺は上様こと家光さんに必死に頑張ってもらうとして……とりあえず皆さまはまずは毛利軍に邪魔されないように追い払っていただきます」
家光公の胃を痛くしないように毛利水軍を無力化した先に、今回の本題である弥助が待ち構えているのだが、その周りに黒い毛玉がピョンピョン飛んでいることが確認されている。
「これが以前から一部の猟兵から存在を疑われていた織田家家臣『豊臣秀吉』です」
魔軍将に名を連ねてなくてもその実力は高く、海上をゴムマリのように飛び跳ねては、ありとあらゆる角度から攻撃を受け止める鉄壁の防御力が自慢である。
「この秀吉を倒せばようやく弥助との戦いです。弥助は関門海峡に出来た大きな渦潮の中にいます」
渦潮は弥助の武器の影響で発生しており、弥助自身も攻撃に使ってくる可能性が考えられる。
「でも水を扱える猟兵の方でしたら、弥助が準備してくれた舞台装置を先に活用する、というのも一つ乙なものかもしれませんね」
そう言ってルウが笑うと2人の織田家家臣の絵が大写しになったスライドに表示された。
「ここを乗り切れば後は九州での決戦のみです! 余力も大事ですが、思いっ切り暴れてきてください!」
平岡祐樹
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
また今案件は全ての章を通して「海上での戦い」となります。
飛行能力や水泳技能、自分で持ち込んだ乗り物、第1章で出てくる毛利水軍の軍船やその破片を利用するなど、海上戦での工夫が必須となります。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
月代・十六夜
あ、特に誰とか興味はないんで。
とりあえずここ抜けるか、あとは他の面子に任せるとして。
いつもの通り木の板を何枚かっと。
木片を幾つか借りてきて【韋駄天足】で適当な岸から飛び出す。
水軍の船に近づくまでは【空中戦】の要領で進行方向調整しながら着地点に木片を投げて足場にして再跳躍。
船まで近づいたら低空跳躍に切り替え、相手の迎撃を他の船を盾にするように回り込んで減らす。
減った後の量くらいなら【視力】と【聞き耳】で【見切っ】て【空中戦】の要領で避けていく。
囲まれたりしてどうしようもなくなったら、跳躍で一瞬だけ船上にお邪魔してそのまま船を足場に飛び越えていきますかね。
あーばよーってな。
「あ、特に誰とか興味はないんで」
毛利なんだか豊臣なんだか弥助なんだかどうでもいいと、月代・十六夜(韋駄天足・f10620)は手元に大人1人分の足が入る程度の大きさの板を十数枚小脇に抱えた。
「とりあえずここ抜けるか、あとは他の面子に任せるとして」
そうして十六夜は木の板を一枚、フリスビーのように投じてから岬から飛び出した。
少しずつ落下していく木の板に着地した十六夜はまるでそれが支えのしっかりとした足場かのように、別の木の板を投じて、安定した姿勢でさらにそれに向かって飛び出す。
「なんだあれは、妖術の類か⁉︎」
そのアクロバティックな動きに敵味方問わず目を丸くして驚いてが、毛利軍は大将から檄を飛ばされ、空にいる相手に対する武器を準備し始めた。
「そろそろ射程範囲か」
毛利軍の船が間近に迫ってきた所で十六夜は空に投げるのでは無く、船と船がちょうど重なるような隙間を縫うような低空跳躍に切り替えていく。
「くそっ、あいつ船の影に!」
「避けろ! さもなくば奥にある敵ごと撃つぞ!」
他の船を盾にするように飛び回る十六夜に毛利軍の武士は顔を真っ赤にさせて叫ぶ。
致命傷になる大砲を撃てず、ひたすらに矢を放つがそんな細い物すらも十六夜にとっては充分すぎる足場だった。
矢から矢へと飛び移った十六夜は、甲板の上で一際立派な鎧を身につけている男の顔面を思いっ切り踏みつける。
顔面を仰け反らせて派手に倒れた男のそばに着地した十六夜に、周りの武士達は気づいて振り返りはしたものの指揮官を倒されたことに衝撃を受け、矢を構えることを忘れていた。
「じゃ、あーばよーってな!」
十六夜は攻撃したくても出来ない毛利軍の兵士達に笑顔で手を挙げてから、水軍の奥に待ち構える、織田家の歴史に名を残す者達に向けて再び飛び出した。
成功
🔵🔵🔴
鈴城・有斗
空を飛べる人達が羨ましい
まぁ、やるだけやるか
両手足にUCダークハンドで影を纏わせる
足の影は弾力で機動力と着地時の衝撃吸収、今回は滑り止めにも多少使えそうかな。
手の影は船を渡り移動する際に伸ばして掴み、伸縮を利用して跳び渡っていく。
敵の攻撃はバリアや影を壁として防いでいく
移動時に邪魔ならUCコール・モーラットで野良モラを大量に召喚して水軍に纏わりつかせて気を引く
それでも邪魔してくるなら影を鞭のようにして打ち据えていく(命を奪いたくはないので最大限に手加減はする)
足場用に秀吉達に近い船を一艘乗っ取るか。
船に居た人達は影で作った手なり網なりで他の船に押し付ける
邪魔するなら勿論鞭打ち
アドリブ・連携歓迎
「空を飛べる人達が羨ましい。まぁ、やるだけやるか」
毛利軍を翻弄し続ける十六夜の姿を眺めていた鈴城・有斗(未来を導く意志は今ここに・f18440)は集中力を高めるように深く息を吐くと目をつぶった。
『影よ』
鈴城の背後にある影がぐにゃりと歪んで浮かび上がり、両の手足にまとわりつく。
その影が思い通りに動くことを確認してから鈴城は崖から飛び降りながら右手を振り下ろした。
すると右手にまとわりついていた影がまるでマジックハンドのように伸び、船壁にくっつく。
くっついた瞬間に鈴城の体は重力に逆らって、影の戻る勢いに身を任せてまるで弾丸のように船へと向かっていった。
「次のが来るぞ! 今度は絶対に射落とせ!」
『銀の雨降る世界に繋げ』
飛び交う砲弾や矢の量に顔をしかめた鈴城がポツリと呟く。
「な、なんだ⁉︎ 倉庫からネズミが!」
「うわ、弦に噛み付くな!」
すると毛利軍の船のあちこちから悲鳴が上がりだした。
白くてモフモフしてて、個体によっては頭に色んなマークがついている哺乳類らしき物が遠距離武器を扱う者達の周りで遊び暴れ回る中、毛利軍の攻撃の手はすっかり止んでしまう。
その隙に、突き出した足で衝撃を和らげた鈴城は船団の一番奥にある船へとたどり着いた。
「弥助殿と秀吉殿の前に立たせるな! 者共出会え!」
武士達が一斉に襲いかかる中、鈴城は両手にある影を鞭のように伸ばすと、武士達を絡めとり、打ち据え、気絶させていく。
「ちょっとこの船、貸させてもらうよ」
操縦士を一撃で昏倒させていると、いつのまにか現れていたモーラット達が気絶した武士達を一ヶ所に集めていた。
鈴城は集められた武士達を影製の網の中に閉じ込めると、ハンマー投げの原理で一番近くにあった船に向けてそれを投じた。
網の直撃で揺れ、悲鳴が上がるその船を無視して鈴城は渦潮が生じている方へと舵を切った。
成功
🔵🔵🔴
栗原・獅子丸
POW判定
メガリス、か……。聞き覚え、ある、けど、こういう使い方、あったんだ。
船は、邪魔なら壊す。片腕をビームガドリングアームに換装、船上から船底に向かってビームを撃つ。(誘導弾・一斉発射)
向かってくる兵士が、いたら空いた片腕で殺さないように海に投げ飛ばす。
「どけ」(怪力・恫喝)
沈みはじめたら、次の船。
船の舳先からジャンプして着地に合わせて『グラウンドクラッシャー』で一気にたたみかける。
何かしらトラブルで、水中に入ったら、そこからビームガドリングで船底に穴を開けていく。
「メガリス、か……。聞き覚え、ある、けど、こういう使い方、あったんだ」
沿岸部を塞ぐように陣取る毛利軍の姿を見て、栗原・獅子丸(片割れフランケン・f16684)は目を細めた。
こちらを注視する毛利軍の目には殺意しか残っていない。それが弥助の持つ「メガリス」による影響か毛利家の中でつもりに積もった物がこのタイミングで爆発したのかは定かではない。
「とりあえず、邪魔だな」
しかし今の獅子丸にとってはどうでもいいことだった。
岬から助走をつけて跳び、ビームガドリングアームに換装した左腕を構える。そして船の上から下に向かってビームを何発も放った。
穴だらけになり、内部に水が入り出した船の甲板に獅子丸が降り立つと血走った目をした侍が斬りかかってきた。
「どけ」
獅子丸は落ち着いて刀を持つ手を蹴り飛ばすと、右手で武士の首根っこを掴んで海へと放り投げる。
派手な水しぶきが立った音が鳴る中、獅子丸はだんだんと沈みつつある船から無事な船へと舳先から飛び移る。
そして獅子丸は険しい顔で上を見る毛利軍に向けて両手を組むと思いっきり甲板に叩きつける。
その一撃で真っ二つになった船とそれに乗る武士共々海に落ちた獅子丸は、ただでさえ重い鎧で身動きが取れない武士達を無視して潜水し、別の船の船底をビームで穴だらけにしていく。
そんな沈没していく船の間を縫うように航行する徳川軍の船から大慌てで褌姿の者が飛び込み、沈んでいく毛利軍の武士を救出していく。
そこまで深くない所だったため、救護班はすぐに沈んだ毛利軍の武士を救出することが出来たが一部の者は水を飲んでおり意識不明、それ以外の無事な者も反抗して大暴れを始めた。
「なぜ助ける!」
「殺せ! 今すぐに!」
船上の徳川軍の兵士は次々と落ちてくる者の救助と、暴れる者の捕縛と、蘇生活動に目を回すこととなった。
失敗
🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
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POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
毛利軍の包囲を超えたり、沈めたりして渦潮へと進軍する猟兵達の耳に大きな鬨の声が入る。
「フェンフェーン!」
黒い毛に覆われた丸みを帯びた姿をした猿、豊臣秀吉が両腕を振り上げ、目をつり上げながら渦潮の中から飛び出してきた。
鈴城・有斗
鹵獲した船にUCダークハンドで影を纏わせ、帆とそれを扇ぐ大団扇と腕を作る(帆が元々あるなら帆は除外)
自分は船を壊されない様護衛と援護
敵の攻撃にはバリアを最大展開+影を積層状に作り外側が崩れる端から内側に何重も新しい壁を作り続ける
最悪、船に残ってるモラ達に壁になってもらう
ラティは召喚済み
海上を跳ねまわる秀吉には、空を飛べるお前が頼りだ
たのむぞ相棒、進化だ!
UCモーラットヒーロー発動
ラティにはVキャリバーでの切り付け、モラスパークでの突撃で秀吉と戦ってもらう
自分は届く範囲で影を伸ばして援護
ラティと秀吉で何か熱いやり取りをしてるっぽいけど、自分には何言ってんのかさっぱり判らない
アドリブ・連携歓迎
鈴城が操る船は、櫂を漕ぐ者がいなくなった代わりに上部に作られた帆に向けて、同じく黒くて巨大な団扇が風を起こすことで順調に渦潮に向けて進んでいた。
「フェンフェーン!」
頭の上にモーラットに乗られた鈴城が声のした方に目を向けると手足が生えた黒い毛玉、豊臣秀吉が腕を振り上げて渦潮の中から飛び上がっていた。
「あれか」
雄叫びを上げる秀吉の腹部にある白いスペードの形に似た紋様が光り輝き、凄まじい光線を放つ。
鈴城はすぐに影の形を作り変え、巨大な壁を形成した。しかしその壁に光線が命中した途端、鈴城の体に痺れるような痛みが襲った。
「ぐっ……⁉︎」
影の壁を作り続ける手が止まった隙を突き、一瞬で接近してきた秀吉の拳が影の壁を貫く。その先には白いフワフワとした小動物達によって形成された壁が待ち構えていた。
「フェンフェン……フェンフェーン!」
「モキュー!」
壁を築いたモーラット達は勇ましく叫んだが、秀吉の体格差のある右ストレートの前に吹っ飛ばされる。しかしそのわずかに出来た時間で鈴城の体の痺れは取れた。
「たのむぞ相棒、進化だ! 『燃え滾る意志は今ここに。目覚めろ!』」
「モォー……キュー!」
鈴城の声に呼応し、散り散りになったモーラットのうちの一体が光り輝く。
秀吉がとっさに目を庇う中、光の中からV字型の飾り毛を額につけ、赤いマントを羽織ったモーラット、モーラットヒーローが飛び出すように現れた。
「モキュー!」
ヒーローの突進に合わせて、鈴城が影を伸ばし秀吉の足を拘束する。
身動きが取れなくなった秀吉の体にヒーローの鋭い鉤爪が切りつけられたが、秀吉の体はまるでゴムのようにその動きに合わせて流動的に伸びた。
「モッ、キュー!」
青筋を立てたヒーローは反動で爪が外れないように力を入れ続けながら必殺の電撃を放つ。
体はゴムのような伸縮性はあっても、絶縁性は無いらしく、秀吉の体中の毛がピンと真っ直ぐに伸びた。
「フェーン!」
怒ったように吠える秀吉に蔑むような笑みを浮かべるヒーローが向かい合っていたが、残念ながら見守っている鈴城には何を言ってんのかさっぱり判らないままだった。
成功
🔵🔵🔴
栗原・獅子丸
敵の先制攻撃。どう、すればいい…?考えろ考えろ…。見つかる前に考えつけ
…!
くるのは多分、ビーム。…撃ち返す!
死角に隠れてから船の破片や上陸用のボートがあればそれを投げて、自分から注意を逸らす。
投げた物にビームが撃たれたのを確認したら、声を出してまた自分に注目させる。
「オレはここだ、猿!」
ビームがまた撃たれたら今度は、ミレナリオ・リフレクションで相殺させてみる!
三度目のビームがくる前に、こっちの武器で撃ち落とす。次はうまくやれる…!
自力で地道に泳ぎながら鈴城軍団と秀吉が戦う場にたどり着いた獅子丸の脳内では凄まじい勢いで今後の展開に対する戦略が構築されようとしていた。
「敵の先制攻撃。どう、すればいい……?考えろ考えろ……。見つかる前に考えつけ
……!」
影による拘束を体を伸ばして細めることで解いた秀吉が、距離を取ろうとしたのか獅子丸のいる方向へ跳んでくる。
その時、秀吉の視線がこちらを向いた気がした獅子丸は自分が壊したばかりの船だった大きな木屑を掴むと秀吉に向けて思いっ切り投じた。
水の中で自分の体を固定させる支えが無いにも関わらず勢い良く、高々と放たれた木屑は秀吉の腹部から咄嗟に放たれた光線に当たって粉砕される。
「オレはここだ、猿!」
その間に獅子丸は近くを漂っていた避難用の小舟に滑り込むように乗り込むと、立ち上がって大声で叫んでみせた。
「フェン、フェーン!」
挑発に気づいた秀吉は海の上で一回跳ねてから、腹部からの光線を放つ。獅子丸は左腕のビームガトリングを構えるとすぐにエネルギーを充填させ、何十発と光線に向けて放った。
エネルギーとエネルギーの衝突が起き、空中に眩い光が巻き起こる。
獅子丸はその光に目を細めながら小舟から飛び出すと巨大な斧を振り上げて秀吉に向かって強襲を仕掛けた。
「次は、うまくやれる……!」
三度目のビームが来る前に先手を取りにかかった獅子丸に向けて、秀吉は右の拳をぎゅっと握りしめて体を大きく捻りながら振りかぶった。
「フェン、フェェェェン!」
上から振り下ろされた斧の刃と下から突き上げられた拳が衝突する。
獅子丸の手に痺れが走り、秀吉の右の拳から血が噴き出す中、続いて繰り出された左の拳が獅子丸の体を捉えた。
防御出来ずに秀吉渾身の一撃を食らってしまった獅子丸の体が近くを航行していた船に墜落する中、秀吉は未だに血の止まる気配のない右手を何回か振りながら苦しげに目を細めた。
苦戦
🔵🔴🔴
ルード・シリウス
少しばかり出遅れたが…本命連中との戦いには間に合ったか。
さあ、主食二連戦と行こうか。先ずはお前からだ…化け物猿、命と血肉を置いていけ
◆行動
船を鹵獲して戦場へ移動
着いたら、飛び移れる他の船の近くへ予め可能な限り近づいてから会戦
敵の攻撃に対しては、攻撃のタイミングを見切って残像を囮にし、召喚したロボへ飛び移る。無理なら近くの船へ飛び移る
飛び移れたら、気配と音を殺して全力で駆け上がり、秀吉の頭上を取れる場所へ移動。そこから、頭上目掛けて暴食剣と呪詛剣の二刀振り下ろし【竜砲震撃】叩き込む
船へ飛び乗った場合は、身を潜めて簒奪銃で狙撃
お前等には感謝してるぜ。俺はまた一つ、強くなれるからな…。
「少しばかり出遅れたが…本命連中との戦いには間に合ったか」
鹵獲した船に乗っていたルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)は壁に片足をかけながら海の上にいる秀吉を赤い目で睨みつけていた。
「フェン……フェフェン!」
秀吉が両腕を回してからポーズを取ると海の中から城を模した巨大なロボットが浮かび上がってきた。
「さあ、主食二連戦と行こうか。先ずはお前からだ……化け物猿、命と血肉を置いていけ」
「フェーン!」
海の上を走る秀吉の動きをそっくりそのまま真似たロボットが、大きなストライドでルードの乗る船へと迫る。
そして秀吉が拳を前に突き出すと、ロボットも巨大な拳を船に向けて振るった。
しかしその時にはすでにルードは別の船に乗り移っており、自分の残像が乗っていた船が真っ二つに割られて沈没していく様を眺めていた。
ロボットの拳が着水し、水飛沫が高く打ち上がった所で、ルードはロボットの背中に飛び移る。
秀吉の死角になるところから、ルードは気配と音を殺しながら、屋根瓦を模した装甲にある僅かな段差を使って一気にロボットの頭にまで駆け上がる。
『どれだけ堅牢だろうが関係ない。単純に、一撃で諸共ぶった斬る…それだけだ』
ロボットの近くにいた秀吉の頭上目掛けてルードは手持ちの暴食剣と呪詛剣の二刀を振り下ろし、【竜砲震撃】を叩き込む。
ルード自身の怪力と落下による速度、そして業物である二刀の質量を伴う斬撃が秀吉の頭をかち割る。
刃が離れると同時にまるで噴水のように頭部から血が噴き出たが、秀吉の目からはまだ戦意は失われていなかった。
「フェーン!」
秀吉の左腕とロボットの左腕がルードに向けて挟み撃ちを仕掛けてくる。
「お前等には感謝してるぜ。俺はまた一つ、強くなれるからな……!」
ルードは両の手に握り締めた刃でそれぞれの拳を受け止める。
しばらく鍔迫り合いが起こる中、ルードは秀吉の動きが弱まった隙をついて挟み撃ちから脱出していった。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス
「あれが秀吉っすか。けっこー毛深いんすね」
そんな呑気なことを言いつつ狐のお面がふよふよ参上。【念動力】でお面(本体)を浮かせている
「あー、言いたいことは分かるっす。でも、こっちも守らないといけないものがあるんすよ。だから、信長を討たせてもらうっす」
目の前の秀吉より信長を討つことを強調し、敵意を抱かせるよう【挑発】をかける。後は隠し持っていた鎖鎌やナイフを念動で飛ばして牽制しつつ、墨俣城型ロボの攻撃をギリギリ攻撃射程から外れるような動きでのらりくらりかわそうとする
頃合いを見て【視(る)力】を高めて【鏡魔眼の術】を放ち、ロボの攻撃を秀吉自身にぶつけさせる
「アンタの覚悟はその攻撃で十分伝わったっす」
「あれが秀吉っすか。けっこー毛深いんすね」
そんな呑気なことを言いつつ狐のお面、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が空中にふよふよ浮かびながらやってきた。
しかしその周りには装着者であるフェアリーや人間達、バイクの姿は無い。
「フェ……フェン……!」
「あー、言いたいことは分かるっす。でも、こっちも守らないといけないものがあるんすよ。だから、信長を討たせてもらうっす」
頭や右手から血を流しながら正面を睨みつける秀吉に向けてリカルドは自身の体を回転させながら返す。
目の前にいる秀吉よりも遠い島原の地にいる信長を討つことを強調することで、こちらに殺意を抱かせるようリカルドは挑発をかける。
するとフラフラしていた秀吉は体を振って気合を入れ直し、目を吊り上げ、再び腕を動かしてロボットを操作し始めた。
「フェンフェンフェンフェンフェン‼︎」
血を大量に流しながらも一切衰える気配のない連打からリカルドはのらりくらりと、必死に避ける。
僅かな隙をついて、自分の体にかかる中で裏に隠し持っていた鎖鎌やナイフを飛ばして牽制をかけようとするが、すぐそばを通過するロボットの拳やそれによって生じる風圧によって念動力以上に逸らされてしまう。
予定よりも遠回りをしてたどり着いた刃物を秀吉が拳で落ち着きながら叩き落とすのを見ながら、リカルドは息を吐いた。
「アンタの覚悟はその攻撃で十分伝わったっす。でも……」
振りかぶったロボットの右の拳がリカルドに迫る。しかしリカルドはその場にとどまり続けていた。
『攻撃は無駄っす。全て己自身に返るんすから』
ロボットの拳はリカルドの横を通り過ぎ、右の拳を突き出していた秀吉の体を捉えて吹っ飛ばした。
何が起きたのか分からないまま、秀吉の体がまるで水切りの石のように飛んでいく中、ロボットの部品がバラバラになりながら海の中に落ちていく。
リカルドは海中に沈んでいた自分の刃物を回収すると、最後の魔軍将が待ち受けているはずの渦潮に視線を向けた。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「秀吉殿!」
自分のいる方向へ、自分の意思ではなく海上を何度も跳ね飛ばされている秀吉の姿を見て弥助は目を見開きながら叫ぶ。
受け止めようと弥助はとっさに動こうとしたが、秀吉が凄まじい雄叫びを上げた。
「フェン……フェン、フェン!」
その声を聞いて動きを止めた弥助の横を秀吉が凄まじい速さで通過していく。 渦潮の中に一人残った弥助は歯をくいしばり、顔を伏せた。
「分かった……。俺が、必ず食い止めてみせる」
渦潮の外周よりもはるか奥で沈んでいく秀吉の遺志を継いだ弥助は両の手に握り締めたメガリスを構え、叫んだ。
「猟兵よ! 信長様の元へは決して通さない! 覚悟しろ!」
ルード・シリウス
第六天と本格的に殺り合う前に…いや、この戦が終わる前にお前とも殺り合っておきたかったからな
お前で六魔将全員と刃を交えた事になる。そして、お前の血肉を貰うぜ…っ
戦場近くまで、先の戦いで残ってる船を使い移動。戦場に近づいてきたら暴食剣、呪詛剣構えながら浮遊
初手攻撃に対し、攻撃の瞬間を見切り残像で軌道を少しでも反らしながら二刀で防御。衝撃含む受け止めた一撃の重みは怪力で堪えつつ、真っ向から受け止めるよりは刃を滑らせ勢いを逃がす形で受け流す様に
初撃を耐え凌げたら【暴君鮮血の魔剣】発動し、二刀での連撃叩き込む
受けたダメージは補食能力(吸血&生命力吸収)で回復し、継戦能力を維持しての斬り合いに持ち込む
「第六天と本格的に殺り合う前に…いや、この戦が終わる前にお前とも殺り合っておきたかったからな」
渦潮を前にして、自ら浮遊して近づいてきたルードは秀吉と墨俣城ロボの拳を正面から受けてもビクともしていない自分の得物を握り直した。
「お前で六魔将全員と刃を交えた事になる。そして、お前の血肉を貰うぜ……っ」
「ふん、ぬかせ! あの程度の者を乗り越えた程度で頭に乗るな!」
弥助は怒ったような口ぶりながら、目の前の戦闘を楽しんでいるのか笑みを浮かべて大剣を上段に構えて振り下ろした。
異様な光を発しながら叩きつけられた剣先から生じた衝撃波で海が割れ、下の地面が見える。
直接剣先が当たっていないにもかかわらず、地面すらも抉る一撃にルードは残像で軌道を少しでも反らしながら二刀で防御を試みていた。
受け止めた一撃の重みを怪力で堪えつつ、真っ向から受け止めず、刃を滑らせ勢いを逃がす形で受け流すことを心がけていたが手元で何かが割れ始める音が聞こえてきた。
「ぬ、うん!」
弥助が力をより込めたことを察し、ルードはとっさに距離を取る。
乗ってきた船がその斬撃により真っ二つにされて轟沈していく中、流し見た両の刀には半分にまで至る大きなヒビが入っていた。
「どうした、あれだけ威勢の良いことを言っておいていざ刀を合わせたら怖くなったか!」
挑発する弥助をルードは冷たい目で睨む。しばし無言の時が続いたかと思った次の瞬間、ルードの肩から大量の血が噴き出した。
『こいつを抜かせた以上、飢えが満たされるまで存分に喰わせて貰うぜ』
目にも留まらぬ速さで自分の肩口を切っていたルードの剣の刃が血液で濡れ、徐々にヒビを埋めていく。
黒ずんだ刀身と鋸状になっていた銀色の刀身は夥しい量の血に濡れた真紅の刀身を持つ大剣に姿を変えていた。
「なるほど、あくまでも様子見だったわけか……」
本気を出してきたと察した弥助は心底楽しそうに歯を見せ、剣を担いだ。
「だが、本気を出されたからといって負ける俺ではない! さぁ、血が切れるまでかかってこい」
「言われなくとも!」
ルードは弥助の懐に入ると一新した二刀で激しく斬りかかる。
致命傷になるような深い切り傷は防ぎながらも、圧倒的な手数の差で弥助の体には少しずつ血の滲む切り傷は増えていった。
成功
🔵🔵🔴
鈴城・有斗
敵の初撃には乗っていた船をぶつけて脱出。
UCダークハンドでサーフボードを構築して渦に乗っかりぐーるぐる
秀吉戦でやらずに耐えたのは弥助戦でのこの時のため
ラティが健在なら脱出した時不意打ち出来ないか一撃頼んでみる
その後は自由に動いてもらう
八頭ノ神咬を取り出し
さぁ阿來丸、俺達の新しい戦い方、見せてやろうか
『大帝の剣、相手に取って不足無し。 ゆくぞ!』
UC八頭ノ神咬発動
丈長の黒羽織を纏い刀を引き抜く
両足に影を纏わせボードや壊れた船の破片を跳び渡り攻撃を挑む
ラティが居るなら前後や左右からの二面で
攻撃は影をボール状にして弾力で滑らす様に逸らせる事を狙う
両手のバリアも即時張れる様備えておく
アドリブ・連携歓迎
「くらえ!」
ルードと弥助の果たし合いが続く中、黒い影に乗っ取られた鉄甲船が2人に向かって突っ込んできた。
弥助は異常に発達させた右腕を大振りしてルードを弾き飛ばし、距離を無理矢理作ると巨大な鉄甲船を一刀で両断した。
「男と男の果たし合いを邪魔してくるとは……恥を知れ!」
「モギュー⁉︎」
その中からヒーローが飛び出してきたが、手にしていた独鈷杵により海面から生じた雷槌に撃ち抜かれ、真っ白だった毛皮を真っ黒にして沈没していった。
鉄甲船から離れた影でサーフボードを構築した鈴城はその様子を渦に乗っかりぐるぐると回りながら様子を見ていた。
「モティ、すまない…………さぁ阿來丸、俺達の新しい戦い方、見せてやろうか」
犠牲になったヒーローに心の中で詫びた鈴城は仇を取るべく気持ちを切り替えて、丈長の黒羽織を纏い刀を引き抜いた。
『重なる意思は今ここに「真なる力を解き放つ」その威を現す「我が刃の名は」『「八頭ノ神咬」』』
複数の声が重なり合い、鈴城の纏う空気が変わる。
「大帝の剣、相手に取って不足無し。ゆくぞ!」
話し方まで変わった鈴城は両足に影を纏わせボードや壊れた船の破片を跳び渡り、神魔を滅する光刃を構える。
「……お前も変わった刀を使うのだな。しかし信長様のに比べれば……甘い!」
弥助はゆっくりと大剣を構えると向かってきた鈴城目掛けて一切の躊躇もなく振り下ろした。
鈴城は弾力で滑らす様に逸らせる事を狙って、足につけていた影をボール状に広がる。
しかし大剣から発せられる波動は容赦なく影を霧散させた。
「何、まずい!」
丸裸にされた鈴城は咄嗟に用意しておいた両手のバリアを展開しながら光刃をぶつけたが大剣の威力を完全に殺すことは出来ず、海の割れた先にある地面に叩きつけられてしまった。
「ぐはっ……」
「……威力が弱まっている? どういうことだ」
しかし弥助は満足のいく出来ではなかったらしく首を捻る。
鈴城が放った光刃によってメガリスの持つ神通力が弱まったために威力も弱まっていたのだが……弥助はそれでも倒せてしまったが故にこの時点ではそこまで問題視しなかった。
苦戦
🔵🔴🔴
栗原・獅子丸
もう、細かいことは考えない。
向こうが大帝の剣で斬りつけてくるのなら『ヘビーアームド・ウェポナイズ』で威力を相殺するように撃ち続ける。(一斉射撃、誘導弾)
「メガリスは、壊す!」
撃ち続けながら、弥助を視界と射程圏内に入れつつゆっくりと動き前進。
もし、向こうが距離をとろうとわざと下がってきたら、本人じゃなく下がる方へと射撃する。
「逃さない」
足場となる船が壊れてしまったら、一度ユーベルコードは解除。残骸や他の船に乗り移り、接近してもう一度同じユーベルコードを発動させる。
「逃さないって言った!」
「もう、細かいことは考えない……」
無人となっていた船の甲板に秀吉の渾身の左ストレートによって叩きつけられていた獅子丸は煙を口から吐きながらゆっくりと立ち上がっていた。
「ぶっ壊す……」
ゆっくりと獅子丸が両手に銃を構える中、渦潮の方から光輝く斬撃が飛んでくる。
海の水を割りながら飛んできた斬撃に獅子丸は一度は迎撃しようと銃を構えたがすぐに考え直して引っ込ませ、即座に海へと飛び降りて退避する。
獅子丸が着水するとほぼ同時に、到達した斬撃が獅子丸が不時着した船を真っ二つにして沈没させた。
「逃さない」
現在進行形で沈んでいく船の残骸を隠れ蓑に凄まじい勢いでバタ足をし、獅子丸は雷鳴が聞こえる渦潮に向けて直進する。
斬撃によって海が割れるたびに水の流れがコロコロと変わる中、それに逆らって突き進む獅子丸は水から飛び出すと同時にその姿を変えた。
「メガリスは、壊す!」
渦潮の中を回る残骸に飛び乗り、弥助に向けて銃を乱射してきた人形の鬼気迫る姿に弥助は目を丸くし、思わず後ずさる。しかしその後ずさった先に向けて獅子丸は右手と一体化した火縄銃を模したライフルの銃口を向けた。
「逃さないって言った!」
怒りのこもった弾丸は弥助の肩を、太ももを、脇腹を容赦なく射抜く。
弥助は顔をしかめたが、筋肉を盛り上げることでその傷を無理矢理塞いで見せた。
「怒りに任せて修羅となったか、だがそれだけでは俺は倒せないぞ!」
弥助が大剣を振りかざすと同時に獅子丸はあっさりと銃を手放し渦潮の中に再び姿を消す。
「逃げても、無駄だ!」
弥助は今まで振り下ろしてきた大剣をまるでハンマー投げの鉄球のように振り回し、自分のいる渦潮の半分を消し飛ばす。
しかし霧散させられた海水の中に獅子丸の姿は無かった。
「周りには振り回せても、足元には振り回せない」
声がした足元を即座に見ると同時に獅子丸の両の手に握られた銃口が弥助の顎に向けて火を吹いた。
成功
🔵🔵🔴
ルク・フッシー
真の姿を使用、翼で飛行します
うう、強そう…
でも、平和のために勝たなきゃ…!
相手の攻撃は大剣による一撃、浮遊はできても飛行はできない…
自分で言うのもなんですけど、空中戦ならボクに分があります…!飛ぶだけじゃなく大筆から塗料をジェットのようにふかして、空中でも急加速や急旋回により素早く動いてかわします
弥助アレキサンダーの体に早業で裂傷を描き、【斬撃描画】により切断攻撃を行います!
「うう、強そう……でも、平和のために勝たなきゃ……!」
真の姿を解放し、巨大な赤い翼で滑空してきたルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)の視界に出血した顎をさする弥助の姿が映る。
大量のメガリスを抱え、主君のために身を削る男から発される威圧感にルクは凄まじい恐怖に襲われていた。
「……今度は空か!」
ルクの翼が風を切る音を聞きつけたのか、水面に視線を落としていた弥助がガバッと頭を上げる。
そして大剣の切っ先を下に構えるとまるでゴルフのドライバーのように反動をつけて振り切った。
すると大剣から生じた光の刃がルクに向けて襲いかかってきた。
「う、うわぁ!」
当たったらひとたまりも無いことが分かっている斬撃をルクは咄嗟に避ける。しかしその避けた先にも弥助は大剣を振ってきた。
それは浮遊はできても飛行はできない弥助が手数でカバーしているかのようだった。
飛び交う光刃の間を縫うように飛ぶルクは愛用の大筆を握りしめ、渦潮の中にいる弥助に向けて振る。
まるで雨のように降り注ぐ赤いペンキは大筆から尽きることなく、まるで空がパレットであるかのようであった。
だが弥助もそのペンキがただのペンキで無いことを察しているのか、手や腕に切り傷のような模様がつくたびに渦潮に手を突っ込んで洗い流した。
「もう、こうなったら……!」
埒があかないと判断したルクは大筆の先を自分の足の方に向けると、塗料をジェットのようにふかしてさらに加速して急降下を仕掛ける。
急加速や急旋回を繰り返してきたルクの直線的な動きに、弥助は確実に仕留めるべく大剣を構えて待つ。
そしてルクが大筆を振るために減速した瞬間を狙って大剣を振るった。
接近していたが故に、ルクは避けきれず右の翼を分断されて体勢を崩して渦潮の中に突っ込んでしまう。
しかしその代わりに弥助の左腕から右胸にかけて大量の傷がペンキによって描かれた。
『斬撃描画ーーー!』
口の中に海水を入れながらルクが叫ぶとペンキによる傷が本物の傷に変わり、鮮血がほとばしる。
「ぐうっ……」
筋肉を隆起させて再び傷を塞いだ弥助はルクの姿をすぐに探しにかかったが、渦潮の中に沈み込んだ彼の後を追うことは出来なかった。
苦戦
🔵🔴🔴
リカルド・マスケラス
お面の状態で向かうっすよ
「秀吉とも戦って、並ならぬ覚悟を感じたっすけど、それでも止めさせてもらうっすよ!」
【念動力】でお面や鎖鎌を浮かし、【ロープワーク】で相手の腕に鎖を巻いて妨害している隙に【空中戦】で懐に飛び込む。両手剣の射程の内側まで入られるとさぞ鬱陶しいっしょ?
相手が引き剥がしにかかったりして隙を見せたら、真の姿へ戻り【正義代行】
「こちらも、徳川の世を守りたいって人たちの想いを背負ってるんで、負けるわけにはいかないっす!」
戦場に来ている徳川の兵達の想いの力を借り、鎖鎌、もしくは拳にその力を込めて叩きつける。
「できれば、オブリビオンになる前に会いたかったっすよ」
「秀吉とも戦って、並ならぬ覚悟を感じたっすけど、それでも止めさせてもらうっすよ!」
傷を無理矢理塞いで堪えている弥助に向けてリカルドはトドメを刺すべく、海中から救出したばかりの鎖鎌の鎖を弥助の左腕に巻きつけて思いっ切り引っ張った。
「両手で無ければ振れないと……誰が言った!」
体勢を崩されながらも弥助は右手に持った大剣を鎖鎌に向けて振り下ろす。
鎖が海水ごとバラバラに飛び散る中、リカルドは弥助の懐に飛び込んだ。
「両手剣の射程の内側まで入られるとさぞ鬱陶しいっしょ?」
「ぬかせ!」
リカルドを掴もうと弥助の左手が伸びる。しかしその手が届く前に白い面は青い髪の青年の頭に乗せられていた。
「お前、いつの間に⁉︎」
「こちらも、徳川の世を守りたいって人たちの想いを背負ってるんで、負けるわけにはいかないっす!」
白い面と違い、一切気配を見せずに現れたようにみえる青年に弥助は動揺するが、青年……真の姿を現したリカルドは全く気にせずに目を細めて叫んだ。
『虐げられてきた人々の想い、その身に受けるといいっすよ!』
猟兵と比べれば力の無い徳川軍の兵士の想いや願いを背負った一撃が弥助の胸部に直撃し、爆発する。
『覚えておくといいっすよ。想いの力は無力じゃないってことを』
念動力で浮かぶリカルドの体を、モクモクとあがる煙を切り裂くように現れた弥助の両手が握りしめた。
「へ?」
「信長様の、元へ、五体満足で……行かせると、思うなぁ!」
血だらけになった弥助が目を血走らせながらリカルドの首と体をまとめて潰そうと力を込めてくる。
全身に壮絶な痛みが走る中、リカルドは手元にダガーを出すと思いっ切り弥助の手首に突き刺した。
その痛みにより弥助の握力が一瞬弱まった隙を突き、リカルドは両足を広げて飛び退く。
「ま、て……」
弥助はその後を追おうと手を伸ばしたが、大剣から感じていた威圧感が消えると同時に力尽きたのかその場に前のめりに倒れ伏した。
「……できれば、オブリビオンになる前に会いたかったっすよ」
リカルドは自分の首を手でさすりながら、最期まで足掻いた忠義の将の体を飲み込みながら元の姿に戻っていく海面を眺めていた。
苦戦
🔵🔴🔴