エンパイアウォー⑲~リベリオン・ザ・コンキスタドール
●傲慢な渡来人に創意工夫の一撃を
「……もともとヨーロッパ人以外を人とは思っていなかったと聞いていたが、これはまた典型的な侵略者だな」
グリモアベースの片隅で、グリモア猟兵藤崎・美雪がいつものように皆に飲み物を振る舞っているのを見かけた猟兵らが、次々と集まる。
「飲みながらでいいので聞いてほしい。安芸国にある厳島神社に、侵略渡来人『コルテス』が潜伏しているのを捕捉した。どうやら戦時中に火事場泥棒を働こうとしているようだぞ」
若干怒り気味に話す美雪。戦況を無視して神々らに捧げる宝物を探しているくらいだ。この戦争全体の戦況には興味がないのだろう。
「戦争中に火事場泥棒を働く不届き者は、たとえ渡来人でも許しておいたらいけないよな?」
美雪の質問に頷く猟兵達を見て、美雪は茶目っ気のある笑みを浮かべる。
「……よし、皆でコルテスを討ち取って一泡吹かせてやろう」
さらりと告げる美雪に、猟兵らもそれぞれの想いで頷いた。
「侵略渡来人『コルテス』は、本来ならかなりの強さを誇るオブリビオンだ」
その強さは、既に撃破された風魔小太郎や日野富子に匹敵するとも言う。
「ただ、コルテスが先の2人と異なるのは……『慢心から油断しており、戦いに不慣れである』ことのようだ。だからこそ戦火を避けて火事場泥棒を働いているとも言うが……」
どういうことだ? と首を傾げる猟兵達。
「コルテスは征服した地の民衆らを利用して次々と侵略行為を繰り返してきたため、自らの手で侵略行為を行ったことがほとんどない。故に【戦い方を忘れている】。……ここに我々が付け入ることができる」
ただし、いくら忘れているとはいえ、馬鹿正直に真正面から切りかかられればすぐに反撃してくるだろう。反撃を受ければ一撃で戦闘不能になるのは免れない。
「馬鹿正直になれば痛い目を見るのであれば、馬鹿正直にならなければいい。コルテスが予想だにしない戦術を考え、痛い一撃を叩き込んでやればいいんだ」
数名がかりでコルテスが予想できないような攻撃を叩き込めば、少なくとも一時的に骸の海に還すことはできるはず、そう美雪は断言する。
「このコルテスが何度蘇ったかは定かではない。ただし、撃破された後骸の海から蘇っても、自分が撃破されたことを「認識できていない」。……つまり、以前の戦闘経験は蓄積されていないし、今後もされない」
以前蘇ったコルテスのことや、今後蘇る可能性のあるコルテスは考えなくていい、と言うことだろう。とにかく『今』全力で倒すことを考えてほしいと、美雪は皆に告げた。
「猟兵のユーベルコードには無限の可能性がある。戦術も無限に考えられるだろう。皆で上手く工夫してコルテスに一泡吹かせてやれ。頼んだぞ」
美雪は皆を信頼するように勝気の笑みを浮かべつつグリモア内の音符を展開し、転送ゲートを形成して皆を送り出した。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
厳島神社にて侵略渡来人『コルテス』が金銀財宝を強奪しようとしているようです。
皆様にはその阻止と、コルテスの撃破をお願い致します。
……とはいえ、猟兵が襲撃すればコルテスは迎撃を優先しますので、
本シナリオは実質コルテスとの純戦シナリオになります。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●特殊ルール:コルテスの反撃
コルテスは『戦闘の仕方を忘れて』います。
その為、予想できないようなユーベルコードの攻撃に対しては、一方的に攻撃されてしまいます。
真正面から切りかかる等の予想が容易い攻撃、あるいは『そのシナリオ中に、似たような攻撃方法を既に受けている』場合は、「その攻撃は、既に思い出した」といって、激烈な反撃を行ってきます。
これを避けるためには、コルテスに容易く予想されない、かつ他の猟兵とも被らない独創性のある攻撃を考案し、実行すると良いでしょう。
※攻撃手段が被るかどうかは「本シナリオ内で使用されたかどうか」を基準とします。
他のコルテス戦シナリオでの使用状況は考慮しません。ご安心ください。
概要、詳細はオープニングの通り。
本来は強敵ですが、傲慢な上慢心しており、戦い方を忘れているため、きちんと戦略を立てれば十分対応可能な相手となっております。
なお、厳島神社の部分破壊はやむを得ないものとします。後で上様に資金出してもらって修繕・復興すればいいですよね?
第六猟兵の仕様上、参加者全員で相談するのが困難なため、複数のお客様の攻撃方法が偶然被ってしまう可能性がございます。この場合、先に送られた方のプレイングを採用し、後で送られた方は不採用とさせていただきます。
今回の特殊ルール上、上記の点を予めご了承願います。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
落浜・語
何度でも、折ってやりたい、その傲慢。
いや本当その慢心傲慢な鼻っ柱は叩き折ってやりたい。
やるけど。こないだもやったけど
かなり癪だが、こっちの言葉に反応し意識を向けて貰えるようにならなきゃいけないんで、【礼儀作法】総動員してへりくだった態度を【演技】し騙る。「これはこれは、かの有名なコルテス将軍。お会いできて光栄です」
めちゃくちゃ癪だが。
ある程度の所で、UC『白雪姫の贈り物』発動し、【挑発】
「とまぁ、色々言ったが…とっととくたばれクソ侵略者!」
反応すればこちらの物。
さぁ、焼けた靴で死ぬまで踊れ
向けられる攻撃は【第六感】にも頼りつつ回避、奏剣も使いつついなす
アドリブ連携歓迎。🔵過多なら不採用可
●(焼けた)赤い靴で踊るダンス・マカブル
「何度でも 折ってやりたい その傲慢」
厳島神社の回廊には、小声で川柳を詠みながら本当に慢心傲慢な鼻っ柱を叩き折ってやりたいと拳を震わせつつ歩く落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)の姿があった。
(「……やるけど。こないだもやったけど」)
以前、別のコルテス相手に騙った時は、他の猟兵の援護もあってうまく嵌ったが、今回はひとり。
――さて、今回の語の騙りの結果は如何に?
「この国の下等生物などに用はない」
「まぁまぁ、これはこれはかの有名なコルテス将軍。お会いできて光栄です」
突然姿を現した語を意図的に無視しようとしたコルテスだが、語も徹底的に身に叩き込んだ礼儀作法を総動員し、へりくだった態度を取って気を惹こうとする。
「ほう、私のことを下等生物が知っていると」
「へぇ、あまりにも有名ですもので、よく存じております」
(「……ここまでへりくだるのはめちゃくちゃ癪だが!」)
乗ってくれたのは幸いだが、語は内心腸煮えくり返る気分。しかしこれも全て語の言葉に反応し意識を向けてもらい、後にコルテスの不意を突くための策。今はぐっとこらえてひたすら持ち上げ続けた。
ひたすらへりくだり、持ち上げ続けること十数分。
「いやもう、コルテス将軍の功績……栄光は俺の故郷にも伝わっておりますから」
「そうかそうか。私の功績を下等生物が理解できるとは思わんが」
コルテスが生返事とはいえ、語の言葉に毎度反応を返すようになる。これぞ語が待っていたチャンス。作り笑いから不敵な笑いに変え、口調もがらりと変えて言い放つ。
「とまぁ、色々言ったが……とっととくたばれクソ侵略者!!」
語は【白雪姫の贈り物】を発動しつつ、くるっと掌を返し挑発に転じる。
「貴様等なんぞ最初から我々と同類には見ておらん!!」
散々持ち上げた語から一気に掌を返されたことで、あっけなく挑発に乗り激高してしまうコルテス。
しかしそれがコルテスの運の尽き。次の瞬間、コルテスの両足に焼けた鉄の靴が強引に履かせられた。【白雪姫の贈り物】の効果だ。
「あ……熱い熱い熱い!! 貴様何をした!?」
「さぁ、焼けた靴で死ぬまで踊れ!」
「下等生物が……私を嵌めおって……って熱い痛い!!」
反撃したくても全く予想だにつかない戦術故、コルテスはケツァルコアトルに命じることすら忘れ、鉄の靴を冷ますべく反射的に目の前の海に飛び込む。それを語はしてやったりと笑いながら眺めていた。
ちなみに鉄の靴が重りの役割を果たし、コルテスが再度回廊に這い上がるまでに時間を要したのは言うまでもない。
――落浜・語、作戦勝ち。
大成功
🔵🔵🔵
その頃、コルテスが海に飛び込む光景を遠くから見ていたグリモア猟兵は、笑いながら後続の猟兵らに語っていた。
「先程の戦術、実は私の先輩が別のコルテスを撃退しに行った時に見ている。話には聞いていたが……これで確信したな」
――コルテスは骸の海から蘇る前に受けた攻撃、本当に覚えていないぞ。
シル・ウィンディア
火事場泥棒だなんて
そんなことしたらダメっ!
ということで、倒させてもらうからっ!
真正面から撃っても簡単に防がれるのなら…
腰の精霊電磁砲の【範囲攻撃】で敵の足元を一掃っ!
砲撃で相手の視界を奪ったら
【ダッシュ】で横に接敵して【フェイント】を織り交ぜての
二刀流の光刃剣で【二回攻撃】
一撃を入れたら【空中戦】と【残像】を駆使して敵から離脱
さて、同じ手は通じないなら…
次が勝負ッ!
【空中戦】で【残像】ができるまで速度を上げて敵の射程範囲ぎりぎりまで接敵
【フェイント】で腰の精霊電磁砲をパージつつ
バックステップの【ダッシュ】で【残像】を残して後退
後退しつつ【高速詠唱】で詠唱し【全力魔法】で限界突破の
UCで攻撃だね
●正面からでもやり様はある
びしょ濡れかつ足が真っ赤に膨れ上がった状態で海から這い上がってきたコルテスを出迎えたのは、怒り心頭のシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)だった。
「火事場泥棒だなんてそんなことしたらダメッ!」
「この宝の価値がわからぬ下等生物に代わって私たちが活用したほうが、宝物としての価値も上がるだろう?」
「そんなことないからっ! ということで倒させてもらうからっ!!」
ビシッと指を突き付け、シルはコルテスと対峙する。
真正面から馬鹿正直に撃っても、おそらく簡単に防がれる。しかし逆に言えば馬鹿正直に撃たなければいい話。
シルは腰の精霊電磁砲『エレメンタル・レールキャノン』の砲身をあえてコルテスの足元に向け、砲撃。舞い上がる煙でコルテスの視界を奪う。
「ふん、小癪な。ケツァルコアトルよ、生意気な小娘に噛みつ……?」
ケツァルコアトルがシルの居場所に突っ込むが、そこにシルの姿は無い。
「小娘め、どこ……っ!?」
コルテスが周囲を見渡すと同時に、腰に光で焼かれたような痛みが走る。見れば煙に紛れてダッシュで横に回り込んだシルが光刃剣の二刀流で腰を斬り裂き、残像を残しながら即離脱していた。
(「さて、同じ手は通じないから……次が勝負ッ!!」)
シルは敵の射程範囲ギリギリまで空を飛んで再度接近し、再び精霊電磁砲をコルテスの足元に向ける。
「1度見た手は通じぬ!!」
コルテスは再びケツァルコアトルにシルを噛みつかせようとするが、シルは残像を囮にひらりと躱し、ついでに腰の精霊電磁砲をパージ、素早くバックステップで後退する。最初からもう1度撃つ気はなく、パージでコルテスを驚かせて時間を稼ぐのが狙いだ。狙い通りコルテスの動きが止まる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
後退しながら高速で呪文を詠唱し、限界を超えた全力の【エレメンタル・ファランクス】を撃ち出すシル。
「ぐぅぅ……っ!!」
シルのヒットアンドアウェイの意図を見切れず、反撃の機を失ったコルテスは、火・水・風・土の4属性の魔力砲撃を受け、ケツァルコアトルごと膨大な魔力に晒されズタズタに引き裂かれた。
「下等生物の小娘めぇっ!! 私を侮りおって!!」
コルテスが悪態をつくも、4属性の魔力砲撃でズタボロになった後では説得力は皆無だった。
――シル・ウィンディア、作戦勝ち。
成功
🔵🔵🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
※アドリブ可
まあ、油断して弱くなってくれる分には楽だし、存分に侮ってくれた方がいいか。
軽く斧を振り回して、いかにもな蛮族を装って、戦いを挑むふりをするよ。
相手がケツァルコアトルをけしかけてきたら、適当に走り回って回避して、
避けきれなくなりそうなタイミングで、出糸突起から糸を天井に向けて伸ばして天井に張り付くよ。
天井から見下ろして、コルテスに射線が通ったら、【無音咆哮】で攻撃。
目に見えず、耳にも聞こえない、音の速さで飛んでくる攻撃は予想できるかな?
●見え見えの誘いに乗るほど甘くない
「ふん、下等生物……どころか蛮族か」
撤退した別の猟兵に変わり、魔力砲撃でズタボロのコルテスの前に姿を現したのは、斧を肩に背負ったペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)。
(「まあ、油断して弱くなってくれる分には楽だし、存分に侮ってくれた方がいいか」)
ペトニアロトゥシカは侮られても特に怒らない。相手の傲慢さに付け入り、隙を見て天井に逃れ、無音の一撃をコルテスに叩き込む作戦を考えていたからだ。
――しかし、その作戦が極めて甘いことを、すぐ思い知らされることになる。
ペトニアロトゥシカは軽く斧を振り回し、いかにもな蛮族を装ってコルテスに戦いに挑む。
「ふん、下等生物ですらない輩の取る手など、既に見え見えだ」
「ふーん、そうかねぇ?」
「行け、ケツァルコアトル!!」
コルテスはケツァルコアトルにペトニアロトゥシカを食ませるべく突撃させる。ペトニアロトゥシカはそれを適当に走り回って回避しようとしたが、走るペトニアロトゥシカより空を飛ぶケツァルコアトルの速さの方が圧倒的に上。気づけばすぐ背後までケツァルコアトルが迫っている。
「よっ……と」
ペトニアロトゥシカは出糸突起から糸を天井に伸ばそうと腕を上げ……ケツァルコアトルにその腕を噛みつかれ阻止される。
「何だってぇ!?」
驚きで一瞬動きを止めたペトニアロトゥシカの胴を、続いてケツァルコアトルが挟み込み、そのまま宙へと持ち上げる。これではペトニアロトゥシカに出来ることは、ただもがくことだけ。
(「くっ……蛮族を装う他、何の小細工もしなかったのが裏目に出たねぇ」)
もがきながら後悔するペトニアロトゥシカ。グリモア猟兵はいくら戦い方を忘れているとはいえ、真正面から馬鹿正直に攻めたら反撃されると警告したはずだ。最初から天井に逃れ、【無音咆哮】で奇襲したほうがまだ効果的な一撃を与えられたのではないだろうか?
(「わざとケツァルコアトルをけしかけさせたのもまずかったかねぇ……」)
この戦いは風魔小太郎や日野富子のように相手の先制攻撃を凌いで反撃するような戦いではない。態々攻撃を誘わず、先に相手の思考の外を突く攻撃を行えば、反撃されるより前に確かな一撃を入れられるはずだが、それを怠たり、誘う必要のない攻撃を誘ったのはペトニアロトゥシカ自身だ。
「ははは! まさに下等生物に……いや下等生物以下の存在だな!!」
ケツァルコアトルに食まれ、捕縛された挙句にユーベルコードを封じられたペトニアロトゥシカは、コルテスに嘲笑われながら回廊を突き落され、海中へと沈んで行った。
――ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード、大失敗。
失敗
🔴🔴🔴
有澤・頼
「戦い方を忘れた敵か…なんだかある意味不気味だな…」
不気味な奴だけど、なんだろう…すごくやな感じがするんだよね。
真正面から攻めるのは危ないからここは上から攻めるっていうのはどうかな?コルテスの上空から飛び降りつつ「咎力封じ」で動きを封じる。ロープに意識が向いている一瞬をついて「忍び足」で背後から「暗殺」しようかな。
コルテスの攻撃に対しては「見切り」で避けるよ。
「お前のような奴は大嫌いだよ。その角へし折ってやる」
ここまで嫌悪感を感じさせる相手はなかなかないよ。早く決着をつけなきゃね。
●傲慢たる嫌悪感の元を断ちきれ
「戦い方を忘れた敵か……なんだかある意味不気味だな……」
別の猟兵がケツァルコアトルに回廊から突き落とされる光景を眺めながら、有澤・頼(面影を探す者・f02198)は嫌な感じが拭えない。コルテスはあくまでも戦い方を「忘れた」だけであり、今後の猟兵らの戦いによってはどんな戦い方を「思い出す」か、見当もつかないからだ。
頼は既に他の猟兵が攻め込んだ真正面から攻めるのを避け、あえて回廊の天井に登る。その後忍び足でそっとコルテスの真上まで近づき、様子を伺うが、コルテスは真上から攻められることを全く警戒していない。警戒が足りないのではない、上空からの攻撃に対する対処を「忘れている」からだ。
もっとも、コルテスの時代に真上から攻撃される機会は早々ないとも考えられるため、「経験がないので対抗できる戦術が思いつかない状態」である可能性もある。いずれにせよ、頼にとっては絶好の奇襲チャンスであることに変わりはなかった。
頼は天井から飛び降りつつ、まずはコルテスの両腕を素早く背後に回し手枷を嵌める。完全に無警戒だったコルテスは、何が起こっているかを理解するより早く両手を封じられた。
「何!!」
続いて頼は素早く猿轡をコルテスの口に噛ませ、声封じ。
「~~!?」
目を白黒させるコルテスを横目に、仕上げに拘束ロープで腕と首、胴をしっかりと固定。
「~~!!」
「どこからやって来た下等生物!!」とでも言いたげに頻りに喉を唸らせ身を捩るコルテスだが、完全に決まった【咎力封じ】の前ではどうすることもできない。コルテスは拘束ロープを外そうと激しくもがくも、首のロープがより強く締まり、呼吸ができなくなり咳き込む羽目になった。
コルテスが拘束ロープを解こうと躍起になり、頼から意識が完全に外れた隙に、頼は忍び足で背後に忍び寄り、友斬で一息に背中を貫く。
「ぐっ……まさか忍びとやらか!!」
わずかに猿轡が外れ、声を出せるようになったコルテスが悪態をつく。マスケット銃を出したくてもユーベルコードが封じられているのではどうしようもない。
「お前のような奴は大嫌いだよ」
ここまで嫌悪感を感じさせる相手はなかなかいないと、冷ややかに嫌悪感露わに吐き捨てる頼。
――ついでにその角、へし折ってやる。
頼の手にした友斬が、強かにコルテスの頭の角に叩きつけられる。キィン! と金属同士が叩かれあう甲高い音が響いた。
その一撃は角を折るまでには至らなかったものの、確かな傷跡を刻み込んでいた。
――有澤・頼、作戦勝ち。
大成功
🔵🔵🔵
ハロ・シエラ
私はこう言う戦いは苦手です。
馬鹿正直に真正面から斬りかかるしか能の無い猟兵ですから。
ですが逃げる訳にも行きません。
なので今回は【ダンス】でもして見ましょうか。
ユーベルコードを用い、敵の周りを【残像】を残す程のスピードで踊る様に何度も空中を【ジャンプ】します。
その際、ワイヤーの先にレイピアを結んだ物を新体操みたいに振り回しながら攻撃を仕掛けます。
我ながら変てこな道具ですが【ロープワーク】の応用でそれなりに扱えるでしょう。
敵が弾を込めている10秒間が勝負です。
ただ、この妙な攻撃にも何かを思い出すかも知れません。
その気配を【第六感】で察知したならダガーを【投擲】し【鎧無視攻撃】で仕留めます。
●華麗に舞い幻惑する
コルテスが拘束ロープで縛られていた頃、回廊には、こういう戦いは苦手です、と小声で零すハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)の姿があった。
(「馬鹿正直に真正面から切りかかるしか能の無い猟兵ですから」)
しかしコルテスを目の前に逃げる訳にもいかない。ハロは自らコルテスの目の前に姿を晒した。
「全く、次から次へと新たな下等生物が現れるな。貴様らはネズミか?」
ハロの姿を認めたコルテスは、ようやく拘束ロープを解き自由を取り戻していたものの、貫かれた背中の痛みはズキズキと集中力を削ぎ、時折顔をしかめる。だがそれでも目の前のハロに向けて悪態をつくのは、征服者たる自負があるからだろうか。
「ネズミではありません、人間です」
ハロは子供らしからぬ態度で毅然と言い返し、突然踊り始める。それは新体操なのか、ダンスなのか、とにかくコルテスが存命だったころには存在しなかった体系の踊り。
「む、むぅ……」
全く見たことのない踊りに戸惑うコルテス。忘れているのではなく、見たことすらないため、対応が全くと言っていいほど思いつかないのだ。
(「せめて動きの傾向を見出せれば……くそっ、下等生物が高等な技を!!」)
【ヘリオン】も併用し鳥のように何度もジャンプを繰り返し、コルテスの周りを残像を残す程のスピードで踊るハロ。その手に握られていたのは、ワイヤーの先にレイピアを結んだもの。
(「我ながら変てこな道具ですが……」)
ロープワークの応用で操ればそれなりに扱えはするだろうが、レイピアがそれなりの重さがあるため、上手く操れるかどうかはやってみないとわからない。それでもハロは巧みにワイヤーを操作し、レイピアを新体操のリボンのように操りながらコルテスを何度も何度も刺して行く。
だが、正面からのアクロバティックな動きは、空飛び残像で幻惑したある猟兵の動きとよく似ている。故にレイピアに刺されながらも、徐々にコルテスはハロの動きのパターンを見出していった。
「そろそろ読めて来たぞ……的となってもらおうか、下等生物!」
ハロの動きを見切ったコルテスがマスケット銃に弾丸を込め始める。発射されるまでは10秒。
「撃たせません」
だが10秒あれば十分。ハロは落ち着いてダガーを手にし、弾丸を込めているコルテスの腕を狙ってダガーを投擲。
「うぐっ……っ!!」
ダガーはコルテスの左腕の籠手を貫通し、その手からマスケット銃を取り落させた。
正面からの幻惑も、パターンを変えれば十分有効。
己の得意な技能を生かし、幻惑しながら戦ったハロの勝利だった。
――ハロ・シエラ、作戦勝ち。
成功
🔵🔵🔴
アカネ・リアーブル
予測できない攻撃、ですか
ではアカネは、舞をひと差し差し上げましょう
あなたの神にではありません
あなたの葬送のために
舞薙刀を手に、コルテスの前へ躍り出ます
ダンスと歌唱、フェイントを駆使して躍り出て
死角より2回攻撃を繰り出します
敵の攻撃は見切りと第六感で回避
UCを使う気配を感じましたら、スカイステッパーで上空へ
攻撃回避と同時に空中戦を仕掛けます
曲の拍子を外すタイミングでランスチャージ
宙を蹴りコルテスに向けて急降下
位置エネルギーの加算も期待できるはずです
一撃入れましたら再びUCで上空へ
攻撃を回避し、目と気を引きながらランスチャージ
蝶のように舞い 蜂のように刺す
スカイダンサーの戦い、とくとご覧あれ
●空舞い空蹴りランスチャージ
予測できない攻撃を、とグリモア猟兵から聞かされていたアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、コルテスを前に首を傾げ少し考えた。
「ではアカネは、舞いをひと差し差し上げましょう」
「ほう、羽根のある下等生物ごときが、私が信ずる神のための舞いをとな」
精々楽しませてくれるんだろうなと不敵な笑みを浮かべるコルテス。楽しくなければ後で徹底的に斬り刻んでやるつもりでいる。
しかしアカネはコルテスを恐れず、はっきりと宣言。
「あなたの神に、ではありません」
――あなたの葬送のために、です。
「はっはっは! 私の葬送のための舞か! 舞ってみるがいい!!」
大笑いするコルテスに、アカネは舞薙刀を手にコルテスの前へ踊り出る。歌いながら舞い、フェイントを駆使し死角に回ろうとするが、コルテスはマスケット銃を手にアカネに狙いをつけ、死角に飛び込むことを許さない。
「その攻撃は既に思い出している!」
どうやら他の猟兵が死角からの一撃を入れたらしく、既に対応を思い出しているようだ。ならば、とアカネは歌いながら【スカイステッパー】で多段ジャンプを繰り返し、上空に逃れる。しかしコルテスのマスケット銃の銃口がアカネから外れることはない。
「空中からの攻撃も既に見ている。私の銃の一撃の方が先だな!!」
今回、アカネは運に恵まれていない。練り上げてきた戦法は全て他の猟兵が先に試しており、効果をあげているため、コルテスは己の知識になかった戦法含め、すでに「思い出す」か「学習して」しまっていたのだ。従ってアカネの攻撃は大きな効果を上げていない。
だが、コルテスの予期せぬ戦術は予期せぬタイミングで実行されるもの。
アカネが曲の拍子を外すタイミングで宙を蹴り、舞薙刀を地面に対し垂直に構え急降下した意図を、コルテスは見抜けなかった。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す。スカイダンサーの戦い、とくとご覧あれ!」
アカネの上空からのチャージを無防備に右肩に受け、舞薙刀で右肩を深く抉られたコルテスはケツァルコアトルから叩き落される。
「む、ぐぐぐ……下等生物があ!!」
コルテスは装填完了していたマスケット銃を再度空中に逃れようとしていたアカネに向け、引き金を引く。
「きゃあっ!!」
弾丸はアカネの肩を直撃し、着弾の衝撃で彼女は回廊から外へ叩き出され、海へと落下していった。
相討ちには近くなったが、確実に痛打は叩き込めた。
後は他の猟兵に託しましょう、とアカネは羽根の浮力で海を漂いながら救助を待つ。
――アカネ・リアーブル、相討ち。
苦戦
🔵🔴🔴
秋穂・紗織
侵略者、というよりも外道というべき相手ですね
ひとの想いの優しい暖かさや、笑い合う日々など知らないのでしょう
戦乱過ぎて、秋となれば、色付く草花のひとつも
全ては血に染まって落ち、散るだけとの
だからこそと、負けたくはない相手なのですよ
戦い方さえも忘れているのなら、幻惑の戦い方と参りましょうか
抜いた妖刀、天峰白雪の刀身を右脇構えで背に隠し
居合のように次に放たれる太刀筋、タイミングを読ませないようにしつつ、まずはフェイント+先制攻撃で一閃
続けて早業で逆手へと持ち替え、間合いと太刀筋を変化させながら2回攻撃
常に最速で動くのではなく、緩急を付けて、ふわり、くるり、すると切っ先を踊らせて
鎌鼬での斬風伴いながら
●ひらりひらりと居合抜く
(「侵略者、というよりも外道と言うべき相手ですね」)
秋穂・紗織(木花吐息・f18825)は大きく息をつきつつコルテスに対し憤慨していた。
ひとの想いの優しい温かさ。
そして、ひととともに笑い合う日々の素晴らしさ。
(「……コルテスはそれを知らないのでしょう」)
戦乱過ぎて秋となれば、色づく草花もまた美しい。
このサムライエンパイアには、温かく、美しいものがたくさんある。
しかし、コルテスにとってはその全てが血に染まって落ち、散る……いや、散らせるだけの存在なのか。
(「だからこそ、負けたくはない相手なのです」)
怒りを胸に、紗織はコルテスと向かい合う。
「ほぅ……美しい女性なら私の傍にいることを許す」
「生憎ですがお断りいたします」
紗織は妖刀・天峰白雪を抜き、右脇構えで背に隠しながら、攻撃の太刀筋を読まれぬようにタイミングを読ませぬように、慎重に、慎重にコルテスとの間合いを取る。
「正面からの一撃、既に私は対処を思い出しているぞ」
マスケット銃を抜き、紗織を牽制するように銃口を向けながら、その時を待つコルテス。如何なる方法であれ、正面から来るようなら遠慮なく撃ち抜く構え。
しかし、コルテスはサムライエンパイア特有の剣術の存在を知らなかった。
――蹂躙すべき文化として見向きすらしなかった技が、コルテスの命脈を縮めることとなる。
紗織が正面からコルテス向けて大きく踏み込む。確かに正面からの一撃だ。それに対する対処は――ただマスケット銃の引き金を引くのみ。
しかし、紗織が実際に使った技は、単純な突撃ではなく、素早い踏込から一気に振り抜かれた刀の一撃……居合抜き、とでも言うべきもの。
「がっ…………この技……は……!!」
目にも留まらぬ速さで脇腹を斬り裂かれ、怯むコルテス。
「これだけではありません」
紗織は怯んだコルテスから再度間合いを取り、素早く刀を逆手に持ち替え太刀筋を変化させながら、もう一撃を左肩に。
「ぐは……っ!」
左肩に叩き込んだ刀の勢いそのままに、紗織は背後に回り込み背中を逆袈裟に斬り上げる。
常に最速で動くのではなく、緩急つけて、ふわり、くるり、する、と白き刀身の切っ先を踊らせ、コルテスを幻惑し翻弄する。
しかるべき時が過ぎた後、紗織は【空渡之太刀「風韻」による】鎌鼬での斬風を伴い、刀と鎌鼬でするりと斬る。
白き刀身を妖しく光らせ、幻惑する紗織の戦い方に、コルテスは全く対応できなかった。
「知らぬ技を……下等生物の剣の技とは……一体!!」
「この美しい国の素晴らしさに見向きすらしなかった報いです」
全身を悉く斬られて余裕を失い、大きく肩で息をするコルテスに、紗織はふんわりと、だが冷たく言い放った。
――秋穂・紗織、作戦勝ち。
成功
🔵🔵🔴
有栖川・夏介
※アドリブ歓迎
この事態に火事場泥棒とは…呑気なものですね。
油断しているのなら、その隙につけいるのみです。
【目立たない】ように敵に近づき、【呪詛】をこめた「懐の匕首」で斬りつける。
そのまま攻撃できればいいですが、もし気づかれたら回避…とみせかけ、もう一歩踏み込みます【フェイント】
敵の攻撃を受けても【激痛耐性】で痛みに耐えながら【捨て身の一撃】
「……処刑の時間です」
敵に一撃を与えた後、耳元で囁くようにそう宣言し【恐怖を与える】
この言葉に敵が少しでも怯めば、それは恐怖したも同然。
【黄泉へと誘う紅の乙女】を発動させて追撃します。
「終わりです。……骸の海へと還るがいい」
●死の囁き声で侵略者を黄泉路へと
(「この事態に火事場泥棒とは……呑気なものですね」)
既に徹底的に斬り刻まれ、息を荒げているコルテスを見て、有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)が特別な感情を抱くことはない。処刑人として仕事で殺し続けてきた結果、感情を顔に浮かべることもない。
(「油断しているのなら、その隙に付け入るのみです」)
ひとつ息をつき、夏介は目立たぬよう柱に隠れながらコルテスに接近。懐の匕首に呪詛を籠め、斬りつけようとするが。
「下等生物らしい卑怯な攻撃だな!!」
夏介のいる柱を向いたコルテスと目が合ってしまう。既に思い出していたか。
「ケツァルコアトル、食い散らかせ!!」
猟兵たちから既に何度も奇襲を受けているためか、すっかり奇襲に対する対応が身についたコルテスの命で、ケツァルコアトルの大きな嘴が夏介を食もうとする。
しかし夏介は気づかれる可能性をも織り込んでいた。大きく開いたケツァルコアトルの嘴を回避……すると見せかけ、さらに1歩踏み込み、懐の匕首でコルテスの脇腹に痛打を与える。
「があ……っ!!」
呻くコルテスだが、痛打は夏介がコルテスに密着する程接近するきっかけにすぎぬ。接近することに成功した夏介は、感情込めぬ声音でそっとコルテスの耳元で囁いた。
――処刑の時間です。
コルテスの目が大きく見開かれた。
コルテスはアステカ帝国の都・テノチティトランを陥落せしめた時、ひとりの王を捕らえている。そして数年後、その王に反乱の疑いありと嫌疑をかけ、絞首刑で処刑したのはコルテスだ。今、その王に向けた仕打ちが己の身に降りかかろうとしている……コルテスはそう理解した。
侵略者は往々にして己が処刑される可能性を思考の外に置く。故に可能性ではなく現実として突き付けられると、その思考は止まり、理解が追いついた後恐怖に落とされるのかもしれない。
いずれにせよコルテスは「処刑」という言葉に怯み、恐怖に身を縛られることになった。
恐怖に身を竦ませたコルテスを見て、夏彦は【黄泉へと誘う紅の乙女】でさらなる追撃を敢行。
「ひ……ひいいっ!?」
目の前に召喚された少女の赤いドレスの中から、大きな鎌が出現。その刃は真っ直ぐに怯えるコルテスとケツァルコアトルを狙っている。
「終わりです。……骸の海へと還るがいい。」
感慨すら抱かず、夏彦はただ機械的に大鎌を振り降ろす。大鎌はコルテスの首を深く刈り取り、ケツァルコアトルを斬り刻み消滅させた。
「がああああっ!!」
コルテスの断末魔の悲鳴が、厳島神社を揺るがすほど響く。
「いずれ貴様等には呪いが降りかかるであろう!! この国が亡ぶその日まで、怯えて震えて待つがいい!!」
呪詛とも取れる言葉を乱暴に吐き捨て、コルテス自身も消滅した。
かくして猟兵たちは、コルテスの火事場泥棒を防ぎ、骸の海へと叩き込む。
今はまだ復活されるかもしれないが、復活を許さぬようになる日も……遠くはない。
成功
🔵🔵🔴