エンパイアウォー㉑~海峡の先に待つ者は
●関門環境で待つ者
此処は関門海峡。海上。細いS字を描くこの海峡は、その幅が狭まるほどに潮流は激しさを増し、所々渦を巻いている。
そして其処には、数々の船と水面から少し浮いている者が居た。
「秀吉殿! どうやら威勢の良い者が現れたようだな!」
大帝剣『弥助アレキサンダー』は傍らに控えている隠し将『豊臣秀吉』に言った。戦争中ではあるが、その表情からは欠片も恐怖心と言うものが感じられない。それどころか、この戦を心の底から楽しんでいるようにも見えた。
「フェンフェン!」
「そうだな! 俺も覚悟はしている。だが、そう簡単には落ちねえよ!」
「フェン……フェンフェン!」
「ああ、当然秀吉殿も、簡単には落ちはすまい!」
二人はそう言って、目の前の水平線を見た。そこには『毛利水軍』の船が数多く海に浮かんでいる。どうやら激しい潮流も、制御できる程の者が乗り込んでいるのだろう。お互いに一定の距離を保ちつつ、自らの武器を握り締め、士気を高めていた。
「まずは毛利の者達のお手並み拝見だな!」
「フェン!」
そうして腕組みをしていると、前方が騒がしくなった。
「来たな! さあ、見事にこの俺まで辿りついて見せよ! かかれ!!」
弥助の号令とともに、『毛利水軍』の怒号が激しい波の音と共に響き渡ったのだった。
●グリモアベース
所変わって、グリモアベース。
「ちょっと、手伝ってくれへんか?」
如月・鬼怒(羅刹のバーバリアン・f04871)が唐突に話を切り出した。
「現在サムライエンパイアで戦争が起きているのは知っているな?」
鬼怒は腰から下げた瓢箪を括りつけている紐を、ゆっくりと外し、机の上に置いた。
「現在戦は中盤辺りや。そして、別で動いていたサバイバルの猟兵の戦果が形になった。『魔軍将』である、弥助アレキサンダーの所在が分かったんや」
それを聞いた猟兵の一人は、拳で掌を打ち、良し! と気合を入れた。
「これから詳細を言うが、良く聞いて欲しい。
まず、場所は関門海峡の海上になる。其処に一般人である『毛利水軍』がいる。弥助アレキサンダーに辿り着くには、まずこの『毛利水軍』を打ち破らんと話にならへん。ただ、この軍勢は大軍勢を操るメガリス『大帝の剣』の能力によって、猟兵が敵だと洗脳されている状態や。強さはうちら猟兵に比べたら、そんなに強くないな。力のある武士といっても一般人であるからや。当然倒してくれたら問題は無いんやけど江戸幕府の未来に禍根を残す可能性もある。ポイントは、無力化できれば良いという事だ。
水軍を排除した後は、いよいよ弥助との戦い、と行きたいところだが、『豊臣秀吉』と言う隠し将が居る。秀吉は、メガリスの力『逆賊の十字架』によって、スピードと反応速度を強化されてる。海上をゴムのように跳ね回り、弥助への攻撃を防ごうとするやろう。と言う事はや、まずこの秀吉を倒さんとアカンねんけど、強さは相当のものだ。決して一人で立ち向かおうとはしない事がポイントになる。あと、何らかの工夫は必要になるやろう。
そして最後は、弥助になるんやけど、『関門海峡の大渦』の上を浮遊しながら、3つのメガリスを武器にして攻撃してくる。これは秀吉と同じくなのだが、工夫は必要になるし、必ず先制攻撃を仕掛けてくるだろう。それを制する為にはこの海上独特の場所をヒントに攻撃を仕掛けるというのも手かもしれんな……。、
兎も角、秀吉、弥助ともに強敵だが、知恵と工夫を駆使して倒して欲しい」
鬼怒の話を聞いて、猟兵達は頷いた。
話を聞く限り、かなりの強敵、難敵である。戦場も含めて、力だけでは対抗仕切れ無いだろう。
思案する猟兵達を勇気付けるように、鬼怒は最後ににやりと笑いながら言った。
「かなりの難関である事は間違い無い。彼等の生死はどうやら戦争には直接は関係してこないだろうとの事やけど、今後のサムライエンパイアの為にも、是非討ち取って欲しい。そして、終わったら酒でも一杯やろう」
沙羅衝
皆さん。如何お過ごしでしょうか。沙羅衝です。
今回は『エンパイアウォー~弥助アレキサンダー戦』となります。
以下詳細となります。
●作戦概要
『第一章』
一般人である『毛利水軍』が向かってきます。彼らは洗脳状態にありますので、退けてください。
『第二章』
隠し将『豊臣秀吉』との戦いです。強いです。知恵と工夫が必要でしょう。
『第三章』
大帝剣『弥助アレキサンダー』との戦いです。強いです。こちらも知恵と工夫が必要でしょう。
『知恵と工夫』に関しては、今回の海上という情況や、敵の行動などから、様々な作戦を考えて下さればOKです。奇抜なものでも有効と思えるものであれば、問題ありません。
●ルール
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
それでは、プレイングをお願いします。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ステラ・クロセ
毛利水軍の方々は操られてるのなら、殺しちゃいけない。
倒すのは悪だけ、それが黒瀬家で代々受け継がれてきた教えだよ!
突破するにはじゃあどうしよう。
船のマストに私のサイキックエナジーでできた刀を突き刺して、それを軸にして【ジャンプ】でマストに飛び移って【クライミング】。
そこから別の船まで【ジャンプ】で飛び移ってなるべくスルーして突破するようにする。
攻撃がキツくて移動できなさそうなときは、飛び降りてUC【サイコキネシス】を載せた拳を船の床に叩きつけて穴を開け、浸水を起こして対処してるうちに次の船へ。
ごめんなさいっ!でも水軍なんだから泳げない人ませんよね?
毛利水軍と対峙した猟兵達が確認したのは、血気盛んな武士達の姿だった。
「かかれー!」
「うおー!!」
ここ、関門海峡に幾つも浮かぶ船の上で、怒号を上げている。
「この人たち操られているんだよね……」
目の前の武士を見て呟くのはステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)。彼女は少し強い潮風に身を任せながら、目を瞑り、『教え』を確認する。
「倒すのは悪だけ、それが黒瀬家で代々受け継がれてきた教えだよ!」
ゆっくりと目を開き、跳躍する。手にはサイキックエナジーで出来た刀『Now or Never』が握られている。
「放て!!」
「応!!」
だが、水軍の船に飛び移らんとするステラ目掛けて、大量の弓矢が放たれたのだ。
「この量は、正攻法じゃあ厳しいね……」
ステラは襲い来る矢を見て、冷静に判断する。
「相手は操られているとはいえ、オブリビオンじゃない……そんな情況を突破するには……」
ステラは考えた手段を敢行する。降り掛かる弓矢の隙間を見つけ、それでも自らに飛んできた矢は、刀で叩き落す。
「そこっ!」
ザッ! ボウッ!!
ステラは『Now or Never』を、目の前の大きめの船のマストに突き刺した。途端に刺した箇所から炎が上がる。
そして彼女自身は、突き刺した刀に力を入れて燃え始めたマストの頂上まで飛び移った。
「次!」
更に降り注ぐ矢が来る前に、次の船へと飛び移り、同じようにマストに切りつけた。
バキバキバキ!
マストに張られた帆の力が、潮風を受けて力をマストに伝えると、その力に耐え切れず折れて行く。そう、彼女の目的は水軍を突破する為に、操舵できないようにすることだった。
操舵不能になった船は脆く、その激しい潮流に身を任せるのみとなる。
「ぶつかるぞ!」
「どっ、どいてくれー!」
ガツン!!!
すると、激しい音と共に毛利水軍の船は互いにぶつかり、揺らされ、中には海に落ちていく者の姿もあった。
「ごめんなさいっ! でも、水軍なんだから泳げない人いませんよね?」
こうしてステラの行動により、水軍の一角を行動不能にする事に成功したのだった。
成功
🔵🔵🔴
フィオレッタ・アネリ
水軍の人たちを傷つけないように…ね!
そういうコトならまかせて!
精霊魔術《ファヴォーニオ》で風の精霊さんにお願いして、
大気を操って『目立たない』ように姿を消しておいて
風に乗って『空中浮遊』した自分を『念動』で動かして
水軍の船まで気付かれないように海上すれすれを飛んでいくね
船に取り付いたら『全力魔法』と『精神攻撃』で効果を強め
『範囲攻撃』で船全体を包むようにした《花霞》で
水軍の船員さんをまとめて眠らせちゃう!
全員眠らせたら甲板に降り、帆を張るロープを
風の刃で切って帆を降ろし、航行できないようにしておくよ
これを繰り返して、いいカンジで進んでこ!
えっと、次の船はどこかなぁ…
※アドリブ歓迎です!
バキバキと音を立てて崩れて行く陣形。だがそれだけでは、毛利水軍の勢いは衰える事は無かった。洗脳という言葉が猟兵達の脳裏に浮かんでいっていた。それ程までに周囲が見えなくなるのでは、説得などと言う生ぬるい事は通用しないであろう。
「あ……」
「おい! どうし……た……」
そんななか、ひっそりと一隻の船の武士達がばたりばたりと倒れて行く。その時間はとても短く、他の船からはまったくと言って良い程、気付かれた様子はない。
「よっと」
そして現れたのはフィオレッタ・アネリ(春の雛鳥・f18638)だった。彼女は眠っている武士たちを確かめて、頷いた。
彼女は水面を浮かび移動していたのだ。それは彼女が『空中浮遊』をした状態で動いていたからだ。浮かんでいる状態では、当然音も無い。
船の側面に辿り着くと、『あらがえぬ眠りもたらす、あえかに匂う花馨』を放ち、効果範囲を増幅させ船を丸ごと覆ったのだ。
こうなってしまえば、武士達はひとたまりも無いであろう。自分に何が起こったのかを理解する事もなく、眠っていったのだ。
「えっと、次の船はどこかなぁ……」
そして、帆のロープを風の刃で切り裂きながら、同じように次の船へと向かって行ったのだった。
護りを固める毛利水軍にとって、その行動は恐ろしく効いた。静かに、船が一隻一隻沈黙していくのだから。
大成功
🔵🔵🔵
スカル・ソロモン
洗脳状態の兵を退けろ、か。大体わかった。
一気に吹き飛ばせないとなれば、この手で行こうか。
『闇に潜み永久に咆哮するもの』を使い、向かってくる兵に最大級の恐怖を与えて無力化しよう。
何、じっとしていれば手は出さないとも。
もし残念な事にそれでも勇敢に立ちはだかる敵がいれば、タクティカル・スパインで相手の武器を叩き落として無力化する。
「大人しくしていろ。それだけで良いんだ……出来るな?」
そうして敵の隙間を移動し、毛利水軍を突破する道を作ったら、他の猟兵達をその道へと誘導し、奥へと誘おう。
さて、ここからが本番だ。
「成る程。洗脳状態の兵を退けろ、か。大体わかった」
スカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)は情況とステラやフィオレッタの様子を見て頷いた。オブリビオンでは無い武士達である。倒す必要性は感じなかった。
スカルは、最後に残った一際大きな船に乗り込んだ。
「――さあ、ヒーロータイムだ」
スカルはそう言って両手をだらりと下げたまま、船の中央を進む。
「舐めるなあ!」
「我が太刀、受けよ!!」
すると二人の武士が同時に斬りかかる。
『深淵からの声を聞け。其は永久に横たわる死者にあらねど、測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるものなり――サラハ・アル・アジフ!』
スカルはすっと右の掌を顔に近づけると、その二人を睨む。
「う……あ……」
「くっ……」
すると、その二人の動きが止まり、そして武器を自ら落としたのだった。
彼等に襲い掛かったのは、純粋なる『恐怖』の二文字だけ。
そしてまたゆっくりと歩き出すスカル。武士たちはその力に、動くことが出来ず、彼に道を譲る。すると、一人の武士が目の前に現れる。
「一人か……。中々の腕とお見受けする。我は菊池左衛門次郎。名を聞こう?」
スカルの植えつけた『恐怖』と戦いながらも、なお戦おうという意思を示した武士だった。
「……スカル。スカル・ソロモン。見ての通り、じっとしていれば手は出さないとも」
「そうはいかぬよ。いざ……」
左衛門次郎は腰に携えた刀の柄に手をかけ、腰をかがめて半身になり、右脚をすりながら前に出す。
「その精神力。見事だ……。だが……」
スカルは急ぐ事無く、ゆっくりと左衛門次郎に近づく。
「もうそれ以上は、止めておくんだな……」
そういって、素早く左衛門次郎の刀の柄に手をかけた。
「大人しくしていろ。それだけで良いんだ……出来るな?」
スカルから放たれる強烈な『恐怖』と言う威圧。ガクガクと脚は震え、握った柄から抜刀することが出来ない。
猟兵であるスカルのユーベルコードに此処まで対抗できたという点でも、左衛門次郎は天晴れと言える。
「無念……」
膝を落とした左衛門次郎を見て、それ以上何も言わずに歩き始めた。
すると、他の猟兵達もまた、その後に続いていった。
もうすぐ渦の中心部である。
他の猟兵達の活躍もあり、全ての船の動きは止まっていた。
「さて、ここからが本番だ」
スカルの言葉通り、これから強敵と合間見えるのだ。猟兵達は、それぞれに心の中で気合を入れつつ、先に進んだのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
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POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
👑4
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「フェン! フェンフェン!!」
毛利水軍を大人しくさせた猟兵達の目の前には、一体の異形の者が存在していた。
その者は、幾つもの小船が浮かぶ中心に存在していた。どうやら、其処を足場としているようだった。潮流は激しくなる一方であったが、その者は平気でその小船をぴょんぴょんと飛びまわっていた。
そして、その奥の巨大な渦の上に浮かんでいるのは、紛れもなく『弥助アレキサンダー』だった。
「秀吉殿! その者達の相手、任せたぞ!!」
「フェンフェン!」
「うむ!」
そんなやり取りが聞える。
弥助の声に応えた者とは、隠し将『豊臣秀吉』に他ならない。
「フェンフェン! フェン!!」
そう口上を述べた後、秀吉は猟兵達に襲い掛かったのだった。
ステラ・クロセ
一人なのに此処を食い止めようっていうんだね!
武人だね!いいよ、アタシも真正面からいく!
「フェン!フェンフェンフェンッ!」(一応会話しているつもり。意味は「勝負!黒瀬の子、ステラがお相手しますっ!」)
攻撃チャンスは少なそう。弾力があるなら斬りつけも良くないかな。UC【紅蓮の灼翼】を出して空を飛び、【空中戦】でいきます。
回避を主体としながら攻撃は【武器受け】でダメージを小さく抑えるようにして敵の動きを観察。
船と船の間を行き来するなら、次にどの船に行くか見定めておき、
新焔・関勝大刀をしっかり構えて炎のサイキックエナジーで【属性攻撃】で体当たりをかけるように突き!
【勇気】をもって敵の懐に突っこむ!
●勇気
猟兵達は、目の前で小船の上を飛び跳ねる、隠し将『豊臣秀吉』と対峙した。鬼怒の情報から、この相手は一筋縄では行かないと聞いていた為、少し考えを巡らせる瞬間だった。
そんななか、最初に動いたのはステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)だった。
「一人なのに、此処を食い止めようっていうんだね!」
彼女は、『新焔・関勝大刀』の鞘を持ち、こちら側にある船の先端に進み出た。その間には海流が走るのみであり、それ以外の障害はない。
「武人だね! いいよ、アタシも真正面からいく!」
スラリと太刀を抜き放ち、正眼に構える。そして、一つふうと息を吐いた。
「フェン! フェンフェンフェンッ!(勝負! 黒瀬の子、ステラがお相手しますっ!)」
波の音を掻き消さんばかりの口上。ステラはそう言って秀吉を見据えた。すると、秀吉もまた応える。
「フェンフェン……。フェンフェフェン!(その言葉、見事……。ならば、お相手いたそう!)」
二人の間に、突風が吹き抜ける。
するとステラは、全身から炎を噴き上げた。
「フェフェン!(いざ尋常に!)」
「フェン(勝負!!)」
両者が同時に跳躍する。ステラの炎は背後から翼となって形を成し、火の粉を撒き散らせながら羽ばたく。
『もっと遠く!もっと高く!アタシの限界をこの翼で乗り越えてみせる!!』
すると、秀吉の腹部のスペードマークが黒く光る。
ドッ……!
何もかもを飲み込むような漆黒な光線が、ステラ目掛けて撃ち放たれたのだ。
ステラの作戦は、その翼の速度と武器によるダメージ軽減だ。
「速い!」
だがその光線の速度は、ステラの想像を凌駕した。ステラは、その光線を避けようと懸命に体をひねる。
ズッ……!
しかし、1閃の光線がステラの右の翼を打ち抜いた。
打ち抜かれた翼は、例え渾身のユーベルコードをもってしてもその効果を発揮する。
「しまっ……!」
右の翼が完全に動かなくなる。すると、当然空中での姿勢を保つことが出来ない。
「うごか……ない!」
錐揉みし、落下するステラ。
「フェン!」
どうだとばかりに、叫ぶ秀吉。
そしてステラは、そのまま水面に叩き付けられるように、落ちた。
「フェン……!?」
その様子を最後まで確認しようとする秀吉。しかし、何かが足りない。周囲で見守る猟兵達も、その不思議さに疑問を持つ。
そう、水柱が上がらないのだ。
「フェ……!?」
刹那、秀吉が硬直したように動かなくなった。そして腹部から炎が上がったのだ。
「絶対に……諦めない。例え傷ついても、翼が動かなくなっても。アタシには、最後、これしかないから!」
その腹部にはステラの姿。秀吉の腹部には炎を上げる『新焔・関勝大刀』が突き刺さっていた。
彼女は、自分を体現するそれを振り絞っていたのだ。
『勇気』という名の、力を。
成功
🔵🔵🔴
テラ・ウィンディア
あんたのその姿…鳴声…どちらかと言うとアリス達の世界みたいだな
【属性攻撃】炎を剣と太刀と槍に付与
【戦闘知識】で今までの敵の動きの解析
そして周囲に浮かぶ足場についても細かく把握
対一夜城
昔もそうして城を作ったみたいだが…こんなに早かったのかな
【第六感・見切り・残像】を駆使して可能な限りの回避を試み
【空中戦】にて板や小舟で更に飛び回る
空中戦はこっちも得意技なんだよ!
ロボの足場に対して槍を投げて【串刺し】にして粉砕
ほんの少しだけ時間が稼げればいい!
上空へと飛び
メテオブラストにて粉砕する!
我が技…我が全霊!とくと味わえ秀吉ぃいいいい!!(【踏み付け】で破壊力を更に増強する!
ロボも残ってるなら…纏めて!!
大崎・玉恵
これが太閤と呼ばれた武者、豊臣秀吉じゃと!?黒い毛玉ではないか!
ふぇ、ふぇん?お主、日の本の侍じゃろう!異国の侍さえ聞き取れる言葉を発しておるのに、日の本の言葉を話さぬか!
……ふぅ。まぁよい、強敵なのは戦いぶりでよくわかっておる。無論、慢心はないぞ。
【御社・出雲八重垣】で自らの周囲に結界を展開。奴の攻撃を受け流す構えをとる。不十分ならば得物の薙刀も受け流しに用いよう。
ぼよんぼよんと厄介じゃな……受け流した後、扇を向け、奴に多重結界を放つ。
いかなお主といえど、空間ごと縛られればそう易々と抜け出ることはかなうまい?
そのまま万力の如く引き絞ってやろう……!
大神・狼煙
美女からの依頼とあっては動かざるを得ますまい。とは言え、どうしたものか……
漆黒の光線なら、直進しかしなそうだが、ここは船上
足場は限られ、かつ常に揺れている
ロクに躱せないが、麻痺と言う事は運動神経系しか止められない
敵が光線を撃つ為に足を止めるか、止めずとも意識を向けた瞬間にUCで巨人槍兵の軍勢を生成、戦場ごと串刺しに
無機物?
そこら中にあるでしょう、海水が運び込んでくれる『塩分』が
なお、この海峡の中でも戦場であるこのS字の航路は深度十二メートル
つまり、私の実力でも海底の岩盤すら武器です
速度強化の加護があろうと、新たな機械巨人を生む塩分を含んだ水と岩盤に、戦場諸共串刺しにされては意味がないでしょう?
リューイン・ランサード
秀吉さんの忠義は素晴らしいですが、今を生きる人の為にも戦います!
・・・怖いけど。
翼で空を飛び、秀吉さんの先制攻撃(グレイズビーム)に対して、秀吉さんの体勢等から【第六感、見切り】で軌道を読み、【空中戦】で躱します。
躱せない場合は【ビームシールド盾受け、オーラ防御】でビームが身体に当たらないように防ぎます。
UC:竜神人化を発動したら、【属性攻撃】で右手のエーテルソードに風を、左手の流水剣に光を籠め、UCによる高速移動&【空中戦、第六感、見切り】で秀吉さんの攻撃を避けつつ接近し、UCで強化したエーテルソードと流水剣&【属性攻撃、2回攻撃、戦闘知識、鎧無視攻撃】で秀吉さんを斬る。
秀吉さん、お覚悟!
●結束
「美女からの依頼とあっては動かざるを得ますまい。とは言え、どうしたものか……」
大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は、秀吉の動きをじっと見て、次の手段を考えていた。
「これが太閤と呼ばれた武者、豊臣秀吉じゃと!? 黒い毛玉ではないか!」
そう血気盛んに叫んでいるのは大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)。
「その姿……鳴声……どちらかと言うとアリス達の世界みたいだな」
その隣で少し情況を冷静に判断するのは、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)だった。
「……と。これはこれはまた美女がお二人。それに……美少年が一人」
狼煙は、ふと自分達が乗っている船から、次の一撃を加えるべく集中を開始した玉恵と、テラ。そして、自らを奮い立たせようとする少年がいる事に気が付いた。
「秀吉さんの忠義は素晴らしいですが、今を生きる人の為にも戦います! ……怖いけど」
少年の名はリューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)。自らの恐怖に打ち勝ち、いざと前を向いたところだった。
「ふぇ、ふぇん? お主、日の本の侍じゃろう! 異国の侍さえ聞き取れる言葉を発しておるのに、日の本の言葉を話さぬか!」
玉恵は一つの扇を出して、前を見据えた。
「少し、お話があるのですが……よろしいです?」
すると狼煙はその三人に歩み寄り、軽い感じで声をかけた。三人は猟兵である。当然慢心など持ち合わせていない。策があるならばのりたかった。
狼煙は三人が力のある猟兵である事がすぐに分かった。状況判断や、発せられる力から共闘をもちかけたのである。
狼煙、玉恵、そしてリューインは、瞬時にして情況は把握して、それで行こう。と話を繰り広げた。当然、自らが考えていた策もある。
「フェンフェン!!」
その時、秀吉の声が海上に響き渡った。
まだ立てているぞと、そう言った口上にも聞える。
「小船は無数にあるが、限りが無い訳じゃない。先陣、行くぞ!」
テラがまずその小船に飛び降りる。
「フェン!!」
すると秀吉は、『墨俣城型ロボ』を呼び出す。
「こっちだ!」
テラが小船を器用に飛び、次々に移動を開始する。
ブン!!
そのテラの飛び跳ねる小船が、墨俣城型ロボの拳で砕かれ、水柱を上げる。だが、何とかテラはその動きを見切り、更に残像を残す事で躱しきった。
「では、行きます!」
その時、リューインがドラゴニアンの翼を広げて、船から飛び降りると、風を切る音と共に舞い上がる。
『我が裡に眠る竜神よ、今こそ覚醒(めざめ)の刻です。』
リューインが更に力を増幅させる。
「ぐぐ……グォ……ガアアアアアアア!!!!」
リューインの体から、黄金の三対の竜翼と二股の竜尾が形成される。
「フェン!!!」
秀吉はその力をすぐに感じ取ったのだろう。いち早く腹部のスペードマークから漆黒のビームを放つ。
そのビームは、宙を舞うリューインを追尾するように撃ち放たれる。だが、リューインの速度がそれを上回った。
「フェンフェン!!!」
秀吉は、リューインに更に狙いを定めようと、足場である小船を飛びまわって動く。
「ぼよんぼよんと厄介じゃな……」
その飛びまわる秀吉の動き、実は玉恵はその動きを待っていた。
『八重垣作る、その八重垣を』
扇舞扇『白面』を閉じ、ぴたりと空中を指して止まる。その向けた先はちょうど飛びまわる秀吉である。
「フェン!?」
キンという音と共に発生したのは、玉恵における結界。
「フェ……ン???」
その結界の力は、秀吉を締め付け、空中で固定させる。
「皆さん、素晴らしい動きに感謝しますよ……」
そして、狼煙がそう呟き、両手をクロスさせて『海面』につきたてた。
『本来は機械兵器を転移できない時に備えた奥の手なんだがね……!』
狼煙の動きと共に、何処からとも無く地鳴りが響き渡った。
「ここの地形の事を知っていますか? そして、私の力を……と、これは知っているわけはありませんよね」
ゴッ!!
「フェ……フェン」
轟音を立てて海面から飛び出したのは、海底から生成された巨人槍兵の軍勢だったのだ。そして、その軍勢が秀吉を串刺しにする。
玉恵が空中で止めている限り、その攻撃は防げない。
「なお、この海峡の中でも戦場であるこのS字の航路は深度十二メートル。つまり、海底の岩盤すらぶ……」
そう狼煙が説明をしようとした時、辺り一面に叫び声が響き渡った。
『星よ…世界よ…流星の力を我が身に宿せ…!今こそ我が身、一筋の流星とならん…メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!』
テラの叫び声だった。
「我が技…我が全霊!とくと味わえ秀吉ぃいいいい!!」
上空から聞えたその声と共に、彼女の踵が秀吉の墨俣城型ロボを破壊し、そして秀吉ごと突き抜けた。
「フェ……フェン……」
力を失って霧散していく秀吉。
「秀吉、討ち取ったぞ!」
秀吉を突き抜けたテラが海面から姿を現した時、彼女はそう叫んだのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「見事! まさか、秀吉殿が討たれるとはな!」
渦の中心で、大帝剣『弥助アレキサンダー』は、猟兵達を称えるかの様に手を叩いた。
「そなた達の力、正に天晴れというほかは無いな!」
弥助は、肩に担いでいた剣を右腕でぐっと持ち上げ、ブンと振り回した。
「さあ、かかって来るがいい! 秀吉殿は強いが、俺はもっと強いぞ!」
弥助の声が木魂する。此処まで来たら、討ち取るだけだ。
猟兵と弥助の戦いが、今始まったのである。
テラ・ウィンディア
…あんたが大帝剣か
強者であるならば挑む事こそ誉れ!
素晴らしい神器だが…おれの武具もまた負けてはいない
ならば…武具に恥じぬ戦いをしないとな!
対大帝剣
【戦闘知識】による弥助の立ち回りの解析と周囲の状況分析
【空中戦】により飛び回り
【第六感・見切り・残像】を駆使して海上での回避を試み可能な限り足場の破壊は避け
致命だけは何が何でも回避する!
その上で…彼の「斬撃」位置を記憶
【属性攻撃】炎を剣と太刀と槍に付与
槍で【串刺し】
【早業】で剣と太刀に切り替わり可能な限り何度も斬撃で切り結び続け
大帝の剣が振るわれた場所に誘導そして
消えざる過去の痛み発動!
これは我が痛み…とくと味わえ!
己
猟兵
弥助
の残した斬撃全てを再現!
リューイン・ランサード
ここまで来たなら、頑張って弥助さんも倒します!
渦近くでの戦いになるので、足場の船が渦や弥助さんの先制攻撃で壊され、苦戦に陥る可能性が高い。
なので、技能や翼で空を飛べない猟兵仲間が先制攻撃を凌ぐまで、【空中戦、第六感、見切り、怪力】で仲間の身体を持ち上げ、翼で飛行して攻撃を回避したり、【ビームシールド盾受け、オーラ防御】で自他共に【かばう】。
猟兵側のUCが使えるようになれば、仲間の行動と連携してUC:スターランサー発動。
光線を10本ずつ束ね、【光の属性攻撃、全力魔法、高速詠唱】と併せて威力強化し、【第六感、見切り、スナイパー、範囲攻撃】で弥助さんの動きを読んで、周囲を囲むように24本の光線発射!
ステラ・クロセ
「アンタたちには信念を感じる。すごい戦士だとわからせてくれる。アタシは、そういう相手にこそ勝ちたい!」
でも、ここで退いたらエンパイアが滅んでしまうかもしれない。
この地に住む人々の為、共に戦う猟兵の仲間たちの為にもアタシは戦う!
大渦に飛び込んで半身だけ出し、大帝の剣を使わせる。
「さあ、アタシはここだよ、打ってきな!」
UC【真紅と翠緑の誓い】で強化した【武器受け】で真っ向受け止める。
炎のサイキックエナジーを武器に伝わせ、【勇気】を力にする。
受け止めきれたら前かがみの崩れた大勢になるはず。
それはみんなとアタシのチャンス。【ジャンプ】でとびあがって二刀での【2回攻撃】!
※アドリブ・連携など歓迎です!
●想いと痛みと誓い
「……あんたが大帝剣か。強者であるならば挑む事こそ誉れ!」
秀吉を屠ったテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が、渦の周りに浮かんでいる小船に乗り込み、弥助を見出して吼える。
「アンタたちには信念を感じる。すごい戦士だとわからせてくれる。アタシは、そういう相手にこそ勝ちたい!」
毛利水軍の一角を瓦解させたステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)は、一番大きな船の先端でそう叫んだ。
その進み出た二人に対し、弥助は両手剣型メガリス『大帝の剣』を右腕一本で水平に構え、にやりと笑う。
「その口上。受け取ったぞ! さあ、来い!」
テラとステラが己の武器を確かめ、すうっと息を吐いた。此処まで来たら、絶対に負けない。負けたくない。
いざ立ち行かんとしたその時、少年の声が二人を横切った。
「……僕が、行きます!」
飛び出したのはリューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)。秀吉を討った一人である。
「ほう、その闘志。中々のものだな!」
リューインは翼を広げて空中へと飛び出した。
(「やっぱり、あまり足場はなさそう。弥助さんに近づくためには……まず、僕が……!」)
リューインの想定した通り、弥助に攻撃を加えるためには、渦を巻いて中心に突っ込んでいく小船やその破片を足場にする必要があった。だがそれも、心もとないものばかり。彼はならばと、翼飛行をもってその障害を乗り越えようとしたのだ。
「だが、それだけでは、俺には敵わんぞ!」
「え!?」
突如、リューインの目の前に現れたのは、巨大な拳が現れた。
ドゴ!!
その拳は、リューインを殴り飛ばす。
ドォン!!
激しく立ち昇る水柱。リューインはその勢いで、海底に打ち付けられる。
(「……こんなにも!!」)
リューインは海底で、その力に打ちのめされそうになる。傷ついた体にから闘志が失われていく感覚が分かった。
「やっぱり。強いな……。でも、この地に住む人々の為、共に戦う猟兵の仲間たちの為にもアタシは戦う!」
ステラはリューインの作った水柱を見て、気合を入れなおして、海面に飛び込んだ。
大渦に敢えて飲み込まれ、その流れにのって一気に弥助に近づく。
「さあ、アタシはここだよ、打ってきな!」
彼女は立ち泳ぎの状態で、半身を水面から出して『新焔・関勝大刀』を構える。
「その勇気、見事也!」
弥助は近づいてくるステラに向かい、上段から振りかぶった大帝の剣を彼女に向かって叩き付けた。
ギィン!!!
渦の中心で、激しく火花が散る。
『アタシは誓ったんだ、弱き者の盾となり、力無き者の命を守る本当の戦士になるって!』
ステラの体から決意が漲り、その逆境を力に変換する。
「……ほう。やるな!」
にやりと口角を上げ、満足そうに頷く弥助。
「今度はこっちだ! 素晴らしい神器だが……おれの武具もまた負けてはいない!!」
空中からテラが飛び込む。其処へ、炎を宿した紅龍槍『廣利王』、星刃剣『グランディア』、無銘の太刀『錆鞘之太刀』の三つを宙に浮かべて、まず『廣利王』で鋭い衝きを入れる。
「鋭いな! だが、まだ遅い!!」
その神速とも呼べる槍の一撃を、軽くいなす弥助。そして、大帝の剣を水平に彼女に向かって薙ぐ。
「まだ、僕は終わってません」
だが、その攻撃を庇ったのは、海から飛び出したリューインだった。
彼は、海中で失われていく闘志にもがき、苦しみ。だが、一つのちっぽけな意思だけは失わなかった。それは仲間の役に立ちたい。ただ、それだけの想いだった。
『天空の光よ、我が元に来りて敵を貫く槍と成れ!』
リューインが力を迸らせる。250本の光を槍とし、弥助に打ち放った。
ドドドドドドドドォォ……!
一瞬にして放たれた光は、全ての色を吹き飛ばし、弥助に突き刺さる。
『これは我が悔恨…我が無念…そしておれが知る恐るべき刃だ…とくと味わえ…!』
テラがこれまでの斬撃全てを再現する。それは己自身と、皆が受けたもの、そして弥助自身が放ってきた斬撃だ。
「ちぃい!!」
リューインによるダメージを圧殺し、それでも大帝の剣を振るう弥助。
「もう、見切った!!」
テラは残像を残しながら、星刃剣『グランディア』、無銘の太刀『錆鞘之太刀』で何度も剣を打ち払い、払いきった最後に紅龍槍『廣利王』に渾身の一撃を籠める。
「はああああああああ!!!」
その槍は弥助の胸を貫いていた。
「……おお」
弥助はその胸の槍を見て、感動を覚えたのだろうか、少し満足げな表情を浮かべた。
「覚悟!」
そして、太陽を背にして叫ぶのはステラだった。彼女は水面からジャンプして姿勢を安定させ、『Now or Never』と『新焔・関勝大刀』を持って弥助に突っ込む。
弥助は彼女の攻撃を迎え撃とうと体制を整えようとするが、その手から大帝の剣が零れ落ちる。それ程までのダメージを負っていたのだ。
ヒュン……!
そして次の瞬間、ステラが放った二刀が弥助の首を切り裂いた。
「……やられたな」
弥助はそう言って、空を見上げた。
「名を聞こう?」
「アタシはステラ。ステラ・クロセ」
「……見事、なり」
最期にその言葉だけを残し、弥助は消滅していったのだった。
関門海峡の渦に、溶け込んでいくように。ゆっくりと。
成功
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