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エンパイアウォー㉑~波に揺れるは対なる忠義

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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●掲げよメガリス、示せよ忠義
「秀吉殿、奴らが来たぜ! ここが正念場だ!」
「フェンフェン! フェン?」
 『関門海峡』の海の上。
 海上に浮かぶ二人のオブリビオン。
 屈強な男、『大帝剣『弥助アレキサンダー』』と、猿のような異形、『隠し将『豊臣秀吉』』。
 魔軍将の中でも、一線を画す男たち。
 彼らこそは、最も古く、最も厚い忠義を織田信長に捧げる者たちであった。

「フェンフェフェン、フェン!」
「ああ、島原までも、もう幾ばくも無い。使えるものは、何でも使うさ!」
 手にするは3つのメガリス、渡来人の秘宝。
 心を奪い、従えた水軍を展開し、隣に立つ、敬意を表すべき武士をも盾にして。
 大帝の剣には似つかぬ、なりふり構わぬ戦い。
 それでも、男はその目に確かな熱を宿す。なぜなら――。

「『全ては信長様の為に』。これがまた言えるなんて、嬉しいねぇ……!」

●波越え討ち取れ、最後の魔
「皆様、お集りいただきありがとうございます。世界コードネーム:サムライエンパイアにて、オブリビオンの出現が確認されました」
 シスター服に身を包んだグリモア猟兵が、自分の呼びかけに応じてグリモアベースに集った猟兵達へ語りだす。

「ええ、『第六天魔軍将図』に記された七人の魔軍将。その最後の一人、弥助アレキサンダーの所在が判明しました……七人だけでは、なかったようですが」
 場所は本州と九州の境、関門海峡。
 そこで待ち受けるのは、『大帝の剣』により、猟兵を敵と信じ込まされた毛利水軍、海を高速で飛び回る隠し将、そして、大帝剣。

「注意点としては、毛利水軍は本来味方ですので、できれば殺さないで欲しいというのと、秀吉の超スピード。そして、弥助アレキサンダーが引き起こしている大渦でしょうね」
 手元の資料を整理しながら、グリモア猟兵は語る。

 『大帝の剣』により洗脳された毛利水軍を止める為には、殺してしまうのが手っ取り早い方法ではある。
 けれど、諸藩を守るべき江戸幕府、そこから天下自在符を与えられた猟兵がそれを行えば、戦争が終わった後の幕府の治世に禍根を残してしまうだろう。

 それを超えた先に待つ秀吉は、『逆賊の十字架』で大いなる力を与えられた異形。
 海上をゴム毬のように跳ねまわる彼を打ち倒さねば、弥助アレキサンダーへの攻撃を行うことは不可能。

 そして、最後に待つ弥助アレキサンダー。
 『闘神の独鈷杵』で起こした大渦の上を浮遊しながら、3つのメガリスを操る紛れもない強敵だ。
 ただし、大渦は弥助アレキサンダーの意思で自由自在に操れる、というものでもなく。

「大渦の動き、力を此方が利用することも、ええ、十分可能でしょう」
 どちらにしても、海上で戦う手段の用意はお忘れなく、と彼女は言葉を続ける。
 飛ぶ、泳ぐ。乗り物に乗ったり、毛利水軍の船なども利用できるだろう。
 常人にはたどり着くことすら困難な戦場でも、猟兵ならば様々なやり方がある。

「どちらにしても、この戦争ももうひと踏ん張り。ええ、今回も皆様のご活躍に期待しておりますね」
 にこりと微笑んだ彼女の背後で、グリモアがサムライエンパイアへの道を開く。
 此処を越えれば、島原は目の前に。
 表情を引き締めた猟兵たちが、その光の中へと足を踏み入れた。


北辰
 =============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 =============================

 弥助ェェェェ! 他のボスのシナリオは出せなくてもお前だけは絶対出すぞ弥助ェェェェェ!!
 失礼、取り乱しました。OPの閲覧ありがとうございます、北辰です。
 まずはいつものをご確認ください。

 ====================
 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
 ====================

 はい、いつものボスルールですね。
 1章は洗脳された一般人が相手ですので、先制攻撃は無いとします。

 OP通り、戦場は全章通じて海となります。
 海上で戦う事を意識したプレイングですと、カッコよく活躍できるのではないでしょうか。

 また、今回の章構成は各章クリアまでの👑が少なくなっています。
 いつも以上にプレイングの不受理率が上がるんじゃないかと。努力はします、努力は。

 戦争も佳境、それに相応しい強さを持ったボスたちとの戦いです。
 彼らの忠義を打ち倒す猟兵様がたのプレイングをお待ちしております。
135




第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スレイマン・コクマー
オレのユーベルコード『スレイマン式移動術』を用い、毛利水軍の船から船へ飛び移りながら包囲を突破するぜ。
今のオレなら26回程度の再ジャンプが限界だが、船に飛び移れさえすればその問題は無いに等しい。

船を横か縦に走破できるなら、そうする。
距離を稼ぐのもそうだが、なにより、オレが走るのならこういう足場の悪い所が好ましい。
UDCアース仕込みの走破術(パルクール)、とくと見せつけてやろう!

……なお、以前に芋虫長屋の件で使った『アルティメット・スレイマンキック』は封印だ。
ここの連中を傷つけるわけにはいかないからな。
ならば当然、船もだ。


桜雨・カイ
殺さないで済むのならその方がいいです(ほっとしながら)
【空中浮遊】と【迷彩】で目立たぬよう水軍の船に移動

【念糸】【念動力】で敵を【先制攻撃】でまとめて拘束。
後は【錬成カミヤドリ】を発動して錬成体を使い【気絶攻撃】を行います。
拘束できなかった人は【武器おとし】で攻撃力を削ります。

数が多いので少々手荒になるかもしれませんが、すみません
【救助活動】で応急処置はしておきますので。



●心を奮わせ
 関門海峡の海は荒い。
 潮の満ち引きにより日に4度変わる潮の流れは、熟練の船乗りをも翻弄し、時には暗い水底へと沈めていく。
 その海を制する者たちの名こそは、毛利水軍であった。
 本州と九州を繋ぐ海を守護する武士たちに染みついた訓練は、メガリスに心を奪われてなお、荒れ狂う海を制して船を操る。
 猟兵こそが国を乱す敵であると信じ込まされた彼らは、巧みな技術で、船を打ち倒すべき怨敵へと向ける。
 たゆまぬ鍛錬の下に手に入れた一糸乱れぬ操船、その練度は、どのような海兵にも後れは取らぬと、確かな自信を顔に滲ませて。

「こんなものはパルクールではない。邪道に過ぎんが――!」
 故に彼らの表情は驚愕に染まる。海上での戦いであれど、敵が同じように船を駆るとは限らない。
 ユーベルコード、猟兵としての奇跡の力を持って空を駆けてくるのはスレイマン・コクマー(ジ・オーディナリィ・f00064)。
 フードを海風にはためかせ、射かけられる矢を軽やかに躱しながら船に降り立てば、当然向けられるのは敵意と殺意。
 状況としてはまさしく不利。
 揺れる船上、相手はその環境に慣れきった歴戦の水兵。
 相手は容赦なくこちらの命を狙うだろうが、スレイマンはそうもいかない。
 作戦目標は殲滅ではなく突破、メガリスにより洗脳された彼らを、殺すことなく攻略しなければならない。
 総じて言えば。

「——得意分野、というやつだな!」
 足の筋力のみで、スレイマンの身体はしなやかに宙を舞う。
 先ほどまで使用していたユーベルコード、【スレイマン式移動術(デレコ・スレイマン)】ではない、スレイマン自身が培ってきた技術。
 不安定な足場を、障害物をクリアしながらの走破。
 すなわち、パルクールだ。

 槍を突き出してくる武士の頭上を跳び箱のように飛び越えれば、次に向かうは盾をかざす防陣の集団。
 ちらと空へと目を向ければ、先ほどの空中歩行を警戒する水軍たちは、天を行くスレイマンを阻もうと、盾を高く掲げなおす。
 ならば潜り抜けるのはその足元、スライディングの要領で抜けてやれば、慌てふためく男たちを背に、再び疾走を続ける。

 軽快に、痛快に。
 次々に水軍の間をすり抜けていく猟兵の姿は、驚異以上に見るものの目を奪う。

「よかった、あれなら水軍の皆さんも傷つけませんね……殺さないで済むのなら、その方がいいです」
 その隙を突くように、船へと静かに忍び込むもう一つの影。
 そっと船に降り立ったオーラ纏うその身体に、海の水しぶきなどは一滴も付いていないまま。
 空中を滑るように移動してきた桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は、スレイマンの鮮やかな走行と、元気にそれを追う水軍たちの様子にほっと胸を撫で下ろす。
 彼らは、あくまで洗脳されただけ。
 出来る事なら、手荒な真似はせずに突破していきたいものだ。

「——まあ、出来る事なら、ですがっ!」
「ぬう!? ……ぐぁっ!」
 いかんせん、水軍の数が多すぎる。
 静かに【錬成カミヤドリ】を発動させ、己自身である人形を増やしたなら、行うべきは念糸を用いた拘束と、速やかなる意識の刈り取り。
 派手に立ち回るスレイマンに気を取られていた水軍たちは、次々にカイの下に倒れ伏す。

 本来、味方であるはずの彼らに自身の力を振るうのに、抵抗が無いと言えば嘘になる。
 先は急がねばならない、増やした人形の一部に行わせている応急処置とて、本当に最低限のものだけだ。
 それでも、止まるわけにはいかない。
 此処で躊躇えば、きっとより多くの人々が傷つき、悲しむことになるのだろう。
 自分の存在理由は、すなわち人の為。
 痛む自分の心よりも、この地の人々を真に守ることこそを願うヤドリガミが、一人、また一人と眠らせていく。

 当然ながら、船から船へと飛び移り、オブリビオンの下へと向かうスレイマンにも、その光景は目に入る。
 空中で身を捻りながら、カイと一瞬交差する視線。
 自分がやれば、やりすぎるからと攻撃は避けていたのだが。
 なるべく傷つけずに水軍を無力化できるのならば、スレイマンとて手を貸すのをためらう理由もなかった。

 着地したスレイマンに、迫りくるのは武士の刀。
 それをしっかり見つめ、紙一重で躱すスレイマンの目に、恐怖はない。
 本来感じて当然の恐怖を克服することこそ、パルクールの神髄。
 素早く手に持ったワイヤーを絡ませれば、一気に放り投げる先はカイのいる船。

「おっと! すみません、助かります!」
「手早くやるぞ、此処はあくまで通過点だ」
 武士を受け止めたカイの人形がてきぱきと拘束していくのを見届けたスレイマンが、次の船へと目を向ける。
 あくまでも、不必要な傷は与えずに。
 課せられた困難な戦いを、2人の猟兵は確実に攻略していくのだった

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
弥助に豊臣秀吉、楽しみだね。
とは言えまずは自らの意思によってではなくこの場にいる者達に退場して貰おうか。

『ダマーヴァンドの終末』で巨大なドラゴンを顕現。
その巨躯から無限に湧き出る悪魔を長州藩士1人に対して4、5体向かわせて1体が攻撃を受けている間に2、3体で羽交い絞め。
無力化して空を飛んで戦場外、陸に運んで捨てます。
戻ってきたとしてその頃には戦いは終結しているという計算。
(悪魔は無力化優先で攻撃を仕掛けません。数が足りなければどんどん増産)
シーザー自身はドラゴンの上で高みの見物をしつつ、弥助、豊臣秀吉の方を観察。


ルベル・ノウフィル
人命第一

早業を活用
事前に大量のカラフルな浮き輪を用意し、空に念動力で浮かして戦場広く、ぐるーりと動かし、囮とします
オーラ防御にて浮き輪を守りましょう
自分はUC火翔にて高く速く飛び妖刀の峰打ちもしくは手刀にて生命は奪わず、軽く失神させたり怯えさせたり武器を使えなくする程度で水兵を無力化させていきます
第六感に従い風と潮を読み戦場を広く状況把握
もし水兵さんが生命を失う攻撃に晒されたら身を呈して庇います
僕の全力の速度でお守りしましょう
海に投げ出されれば助けに行き、浮き輪を活かして念動力で陸か近くの船に送りましょう

もちろん、味方猟兵様への支援も惜しみませんとも
僕はサポート的仕事を好むのでございます



●先へ
 猟兵の突破を許した毛利水軍の表情は固い。
 今の彼らにとっては、猟兵たちこそが憎むべき敵なのである。
 これ以上の侵攻は食い止めなくてはいけない。
 そう、自らの命に代えてでも……。

「お、おい……なんだぁこりゃあ……!?」
「触るな! 敵の妖術やもしれん!」
 そんな覚悟持つ彼らの前に現れるのは、ふわふわと宙に浮かぶ色とりどりの浮き輪たち。
 防御の為のオーラでぼんやりと光すら放つそれらは、まさしく奇怪そのもの。
 水軍たちも、武器を構えて警戒するも、それ以上の行動を起せない。
 千変万化のユーベルコードの脅威は既に体感している、下手に攻撃をすれば、手痛い反撃を喰らうのはこちらかもしれないのだ。

 人命第一、戦わずに攻略できるならそれに越したことは無い。
 炎の翼で空を舞うルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は、自分の仕掛けた囮の働きに満足げに頷いて見せる。
 できることなら、速やかに気絶させて、無駄な怪我を負わせることなく先を進みたい。
 そのための囮、そのための上空という位置取り。
 目を閉じ、自分へと吹き付ける風を、海上に揺れる船の流れを見極めたなら。

「くそっ、埒があかん。俺がこの槍で見極めて……ぐわっ!」
「おい、どうした……な、何があった!?」
 急降下、一閃。
 妖刀を構え、空から落ちるように船を襲うルベルが狙うのは、水軍たちの首筋。
 当然、峰打ちではあるが、猟兵の速度と技術で打ち込まれるそれは、武士の意識を刈りとるには十分だ。

 水軍とて、炎を纏って【火翔】するルベルにはすぐに気づく。
 しかし、自由に空を舞う彼に槍は届かぬし、矢で打ち落とそうにも……。

「く、浮き輪が射線を塞いでおるぞ!」
「だ、だから儂はさっさと壊してしまえと!」
 ここに来て、囮がさらなる混乱を招くのだ。
 わあわあと騒ぐ水軍、彼らが統率を取り戻すまでにも、ルベルによる襲撃は続いていく。
 そして、そのルベル自身もまた、他の猟兵から意識を逸らさせる為の囮であった。

 突如、とっぷりと暗くなる海。
 今度はなんなのか、暗い空の下でなお燃え盛るルベルに警戒しながらも、水軍たちは空を見上げて。
 悪魔と、目が合った。

「うわああぁぁぁ!? あ、悪魔だ! 南蛮の悪魔が出たぞぉ!!」
 蝙蝠の羽根、ギョロリとした目が見据えた獲物に、骨と皮ばかりの腕が伸ばされる。
 まさしく悪魔としか形容できないその怪物は、まさに空を埋め尽くすように現れて、水軍たちを取り囲む。
 武士の刀が、槍がそれを貫いても、多勢に無勢。
 一人、また一人と悪魔に連れ攫われる同胞を見送る船上は、阿鼻叫喚の絵面であった。

 その地獄の上、空に蓋をした巨大な何かの上で。

「弥助に豊臣秀吉、楽しみだね」
 そう呟きながら、海の彼方を見つめるのはシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)。
 悪魔の正体は、彼のユーベルコードによって産み落とされた忠実な僕だ。
 殺すべきでない相手なら、連れ去って陸に捨ててしまえばいい。
 あまりに大胆、あまりに豪快な解決法ではあるが、彼の力ならば容易いこと。
 そう信じる……いや、当たり前のこととして、信じるという意識すらないシーザーの【ダマーヴァンドの終末(デウス・カースス)】で呼び出された竜は、殺してはならない相手との戦いで、非常に有効に働いていた。

「お見事です、シーザー殿。これなら、不必要に彼らを傷つけることもない」
「いや、君も上手く引きつけてくれたね、ありがとう」
 陽動を終えたルベルも、竜の上で先の敵を見据えるシーザーと合流する。
 これは、あくまでも心を奪われた者たちの救助、次からが、オブリビオンとの戦いである。
 表情を引き締めるルベルと、この先に待つ未知に少しばかりの期待を顔に浮かべるシーザー。
 対照的な二人の猟兵は、巨大な竜の背で、悠々と海を進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●隠し将
 毛利水軍を無力化し、海を進む猟兵たち。
 空を飛び、水軍から奪った船を駆り、あるいは粉砕された船の破片を飛びうつり。
 そうして、着実に目標へと迫っていけば。
 弥助アレキサンダーの起こす大渦の影響だろうか、ますます荒れていく海の中に、彼はいた。

「フェン……フェンフェンフェン!」
 猟兵を前にして、堂々と名乗りを上げる黒き異形。
 メガリスにより怪物となってなお、失われぬは侍の矜持。
 ここから先は通しはしない、同じ忠誠を誓った同胞のため、刀を捨てた武士の心は奮い立つ。

「フェンフェン、フェーン!!」
 隠し将、豊臣秀吉。
 海を跳ね跳ぶ漆黒の猿が、今猟兵たちに襲いかかる。
ルベル・ノウフィル
くっ、釣られてわんわん言いそうになる独特の空気
しかし僕はシリアスに参りますぞ

早業有
UC火翔の飛翔状態を前章から継続したい

◆対策
1、前章の浮き輪を持ってきまして、彩花をペタペタ貼り付けて海に浮かべます

2、オーラ防御で浮き輪が壊れないよう守ります
僕と味方は浮き輪を足場にできる
敵は浮き輪を踏むと彩花にザックリ刺される

3、ビームは足場利用し避けつつ、避けられない時はオーラ防御を巡らせた夕闇マントで防御
これ光防ぐんですよ、今回の依頼向けだなと思って僕は張り切って参りましたとも

4、夕闇をスペードマーク目掛けて投げ、念動力で固定し接近、強化された墨染で捨て身の一撃、鎧無視攻撃!
さあ、海におかえりくださいませ


桜雨・カイ
あの…せっかく名乗りをあげてらっしゃるのに、何と言っているか分からなくてすみませんっ。分からなくても清々堂々戦わせてもらいます!

初撃は【見切り】と【オーラ防御】で致命傷を避けます。
【錬成カミヤドリ】発動。早さに対して数で対抗します。
錬成体が倒されても何度も次を錬成(すこしづつでも傷を付けていく)弾力性を付加されても傷を付けたり激しく動き続ければダメージは蓄積されるはずです。

同時に【念糸】で作った網を一体の錬成体の足元に広げておき、
襲いかかる瞬間に捉えます。動きが封じられればチャンスです
残りの錬成体で一気に攻撃します。



●共闘
「くっ、釣られてわんわん言いそうになる独特の空気……」
 狼耳をピクリと動かし、炎の翼で宙を舞うのは人狼少年、ルベルである。
 間の抜けた外見、間の抜けた声であろうとも、相手はこのサムライエンパイアを脅かすオブリビオンたち、その中でも限りなく頂点に近い、魔軍将の一人なのだ。
 海上を軽快に跳ねていく秀吉から感じる圧力は、紛れもない強者のそれ。
 あくまでシリアスに参るのだ、そう、ルベルが強靭な精神力で獣の本能を抑える、その下から聞こえてくる声は。

「あの……せっかく名乗りをあげてらっしゃるのに、何と言っているか分からなくてすみませんっ」
 それでも戦いは正々堂々と、頭を下げるカイの姿で、場の緊張は少し緩んでいくような。
 ヤドリガミとしての念動力で空中をぷかぷか浮遊する、どこか平和な絵も合わさって、場の戦士たちの力は抜けていく。
 秀吉に至っては、カイに言葉が通じてなかったことに愕然とし、その尻尾までぐんにゃりと垂れ下がってしまっているではないか。

 あれ、結構コミカルな人なのかな。
 ルベルが、そんなことも思いつつも、手はてきぱきと戦いの準備を整える。
 相手は歴戦の武将、たとえショックを受けたとしても……ほら、すぐに顔を上げて。

「フェフェン……フェェェェン!!」
「く、これは、予想以上でございますね……!」
 繰り出されるのは、獣の体躯による単純な突進。
 軌道自体はそう複雑ではないものの、メガリスの力で強化されたそのスピードは片手間での回避など許さない。
 ユーベルコードの力も借りたルベルなら、躱すだけなら可能であっても、そこから反撃の為の仕込みに繋げる余裕はない。
 浮き輪に張り付ける、暗い思念の宿りし札。猿を狩るための彼の策とて、現状作れる数では、とうてい策にはなり得ない。
 ただし、彼は。仕えることを、支えることを知るルベルは。
 一人で立ち向かわなくてもいいのだと、知っていた。

 ルベルが用意した僅かな浮き輪、僅かな足場。
 初撃の突撃を仲間と同じように見切って躱したカイがそこに降り立つ。
 自らの力で浮遊できるのなら、わざわざ足場を作る必要もない?
 それは、一つの真実ではあるかもしれない。
 けれども、仲間の計らいで自分に念動力を使わなくてよくなったのなら、別の事に使えるじゃないか。

「私は、貴方ほど早くはありませんが……別の力で対抗させてもらいます!」
 カイが秀吉を怜悧な眼差しで見つめれば、その腕を堂々と掲げれば。
 現れるのは四十と八のからくり人形。
 カイ自身でもある狐面の現身が、己の念力に操られ、一斉に秀吉へと殺到していく。
 秀吉とて、数多の戦を超えた古強者、五十に満たぬ敵に囲まれて、やすやすと打ち倒される器ではない。
 しかし、キリがない。
 移動に気を遣う必要がなくなったカイは、浮き輪を飛び移りながら、人形が倒されるたびに新たな現身を呼び出し、操るのだ。

 埒が明かない、ぐずぐずするうちに、人狼の童も奇妙な足場を着実に増やしていってしまう。
 足場を壊すか、いや駄目だ、アレは自分に害をなすもの。
 殿が、今も共に戦う戦友が死んでもおめおめと生き延びた自身の勘が、アレに触れるなと警告を発する。
 ならば、やり方を変えるまでだ。

 秀吉が、空中で器用にのけぞり、その腹に刻まれた剣の印を猟兵へと向ける。
 相手の身体の自由を奪う怪光線。
 荒れ狂うこの海上において身動きを封じるそれは、そのまま必殺の業ともなる驚異的な代物だ。
 防御も、回避も許さない。敵へと照準を合わせたオブリビオンに対して、人狼の猟兵が、炎を噴き出しながら真っすぐに向かって。

 オブリビオンに対する、猟兵の優位性。
 最たるものとして挙げられるのが、グリモアの存在だ。
 防ぐべき惨劇を事前に予知する、距離を越え、世界を越えて猟兵を送り届ける。
 そして、猟兵たちの為に予知される、もう一つの情報。

「——貴方の使うユーベルコードを聞いた時から。『これ』は今回の依頼向けだなと思って、僕は張り切って参りましたとも」
「フェ、フェンン!!?」
 ルベルの纏うマント、夕凪。
 その特性は光の遮断、それが如何なる脅威であろうとも、光であるならばその薄い守りを貫くことなどできはしない。

 動揺、焦燥、叱咤。
 最大の奇襲を受けてなお、かつての天下人は自身に激を飛ばし、冷静な思考を保つ。
 敵が握るのは黒い刀、体躯は子供のもの。上手く攻撃を合わせれば、リーチの差から先に攻撃を届かせられるのは自分なのだ。
 集中しろ、敵の動きを見極めるのだ。
 意思を研ぎ澄まし、心を一つに向かわせて。

 狐の面が視界に入った。

「……もう遅いですッ!」
「フェ、ンンンン!!!」
 毛利水軍と接敵した時から。
 カイの身体に施されていた迷彩、当然、カイとその器物の複製である人形たちにも、同じものが与えられていた。
 そこへ、ルベルによるユーベルコードの攻略。
 脅威の判断を誤った秀吉の思考から、数瞬だけ消えた人形たちが、念糸による拘束に成功する。
 光線も、その俊敏性も奪われた漆黒の異形。
 彼とて魔軍将、少しの時間があれば、こんな糸など引きちぎって脱出できる。

「さあ、海におかえりくださいませ」
 その少しが。
 ルベルの黒刀にて海へ叩き落される結末を招いたのだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
豊臣秀吉公か。かつての天下人が随分な姿だね。
とは言え、君の忠義には好感が持てるよ。全力でお相手しよう。

先制対策
オド(念動力)の力で体重をほぼ無にして、辺りを漂う軍船あるいはその破片を足場に。
秀吉の動きを観察。
墨俣城型ロボの動きを見切って、八艘飛びの如く跳んで回避してUC発動までの時間を稼ぐ。
(第六感×見切り×空中戦×ジャンプ)
その際、残像を残して惑わしもする。(残像)

UC発動の準備が整ったら、『ウルクの黎明』を発動。
音速を優に超える深紅の閃光と化して秀吉に突貫。
すれ違い様の一撃で斬り裂きます。
(先制攻撃×見切り×怪力×鎧砕き×なぎ払い×空中戦×ウルクの黎明)


スレイマン・コクマー
豊臣秀吉のグレイズビームには、秘術・祟荒霊使役で対抗するぜ。

初手の光線はなにがなんでも避ける。
あの体型ならば、こちらに紋様を見せるなど、前兆となる行動が必要なはずだ。
あるいはオレの直上に来るか。

2発目以降、命中直前を狙って、秘術・祟荒霊使役を発動。
オレが動けなかろうが、こいつらは問題なく暴れやがる筈だ!
……フン。消えたくなければ、せいぜい黒猿を倒すんだな、祟荒霊共!

こちらを気絶させるのではなく、麻痺させるという点につけこめるか。
敵のユーベルコードの癖や呼吸を、一発で学習・把握できるか否か。
不確定要素があまりに多いが、なに、それでこそ挑み甲斐がある!



●好機を待つ
 大きな水柱。
 猟兵によって宙から叩き落された秀吉は、当然そのまま大海原の中へと消えていく。
 けれども、まだ。
 揺れる海、軋む船。
 遠くにその姿が見える弥助アレキサンダーが起こす大渦だけでは、説明がつかないほどに荒れ狂う海に猟兵たちが翻弄される直後に、それは現れる。

「フェンフェン……フェフェフェェェェン!!」
 まんまと一撃を食らわされた屈辱、己への怒り。
 その全てを持って呼び出した墨俣城型ロボと共に、秀吉は海中から舞い戻る。
 宙に浮くその城の上に陣取る彼は、小さな黄金の瞳で猟兵たちを睨みつけるのだ。

「豊臣秀吉公か。かつての天下人が随分な姿だね」
 そんな様を見てぽつりと呟くシーザー。
 半ば浮遊するような念動力を持って、木片の上に佇む彼の目に映る天下人の姿。
 それは、人ですらない異形になり果て、海に落とされずぶ濡れになった、心無いものが見れば無様と笑うような姿だ。
 しかし、今の叫び、敵を軽んじることなく、それを超えることのできなかった自身へ燃やす怒り。
 予兆に映った、弥助アレキサンダーと忠義を語るその姿。
 そのような人物が、シーザーは嫌いではなかったし、目の前にいるのが、かつて一つの世界を手中に収めた天下人であるという事も納得だ。

「故に全力で。準備は良いかね?」
「ああ、困難な相手だからこそ、挑み甲斐がある!」
 波に揉まれ、崩れる船から降り立つ影。
 スレイマンは、シーザーの言葉に返事をすると同時に、海に散らばる木片へと駆けだした。
 シーザーと違い、己が身体能力で海を駆ける彼は、足を止めればそのまま沈みゆく木片と運命を共にすることになるだろう。
 いいや、そんな事情がなくとも、彼は止まらない。
 元より格上、自分が止まる時は敗北する時なのだ。
 チャンスは一度、その勝機を掴むために、スレイマンの疾走が始まった。

 戦場を縦横無尽に跳ねる秀吉とロボは、シーザーとスレイマン、両方を同時に相手取って余りある脅威だ。
 敵の予備動作を見切らんとするスレイマン同様、シーザーもまた、海上を跳躍しての逃げの一手だ。
 残像をも交えての空中での体捌きは洗練されたものではあるが、敵はユーベルコードを使用する魔軍将。
 無傷とはいかずに、彼の長身には、少しずつ、確実に傷が増えていく。
 ユーベルコードは、まだ使えない。
 魔力を巡らせ、深紅に染まる力の奔流を纏って飛翔する彼の力ならば、ロボの攻撃を完全に躱しきる事も可能だろう。
 しかし、それでは駄目だ。
 彼に求められるのはその先、見上げるほどの動く城の打倒である。
 即席の魔力では足りない、不便な人の身を壊さぬように、丁寧に着実に、敵を凌駕する力を練り上げる必要があった。

 状況を動かすのは、秀吉の方から。
 単純な物理攻撃では仕留めきれないと判断した彼は、身体をのけ反らせて、腹のスペードマークを猟兵へと向ける。
 繰り出される光線は必殺ではなく必止。
 されど、荒れ狂う海上では、十分に致命的な力を宿したユーベルコードである。
 一撃、二撃。
 シーザーへ、スレイマンへと向かう怪光線を、二人が辛くも躱していく。
 だが、船の残骸を足場にする彼らは、着実に追い詰められて……。

「ぐぅっ!」
 スレイマンに突き刺さる、秀吉のユーベルコード。
 痛みはない、それでも、自分の身体の感覚が失われていくのが分かる。
 宙で光線を受けた彼は、力なく海へと落ちていき。

「仕事は完了だ……消えたくなければ、せいぜい黒猿を倒すんだな、祟荒霊共!」
 明確な意思と共に、吠えた。

「フェ、フェン!?」
 身体が麻痺するその直前。
 スレイマンのユーベルコードで呼び出される二人の子供、その正体こそは悪霊と焔霊、すなわちジンとイフリート。
 スレイマンの身体を抱きかかえるジンも、炎を纏い秀吉に向かうイフリートも、スレイマンの麻痺など関係がない。
 止まらぬ敵に驚愕する秀吉に突き刺さる炎弾が、彼を身動き取れぬ空中へと打ち上げる。

 まだだ、まだロボを盾にすれば立て直せる。
 そんな思考の下に、ロボと合流する秀吉を見つめるのは、もう一人の猟兵、シーザー。
 スレイマンの刹那の反撃により、生じた時間。
 それは、この真紅の猟兵の準備を終わらせるには、十分だった。
 そして、おあつらえ向きに宙に投げ出され、ロボと共にいるその状況。

「中々追い回されたが……此方は、時間をかけずに行かせてもらうよ」
 聞こえたのは、後方から。
 音すら置き去りにするシーザーの一閃。
 盾にした城ごと自分を切り裂く、その絶技。

「フェン……フェンフェン」
 なるほど、これが現代の武士か。
 この傷は致命的だ、殿に、弥助には悪いが、自分は此処まで。
 もっとも、弥助のための潰れ役としてはまずまずだったろう。
 だから最後は、戦いに関係なく、やりたいことをやろうじゃないか。

「フェン……フェン……!」
 最期に、秀吉が行うことは。
 自身を討ち取った猟兵たちのその姿を、敬意を持ってこの骸へ焼き付けることであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大帝剣
「秀吉殿は敗れたか……仕方ない、幾人もの魔軍将を破ってきたお前等だ」
 荒れ狂う大渦、耳を打つ遠雷。
 その中心に静かに佇む大剣の益荒男。
 弥助アレキサンダーの表情は、意外なほどに穏やかなものであった。

「仇討ち、なんて気分でもなくてね。秀吉殿は堂々と戦った。お前等はそれを真正面から打ち破った」
 それだけの、良き戦だった。
 ニヤリと笑う弥助が纏う闘気が、一段と濃く、強く変じていく。

 主君のための戦。
 それに相応しい味方がいた。それに相応しい敵が来た。
 大剣を、独鈷杵を握る手には否が応でも力がこもり、胸の十字架まで熱を孕む錯覚を覚える。

「織田家家臣、弥助アレキサンダー。全ては、信長様の為に――いくぞ、猟兵ッ!!」
ルベル・ノウフィル
早業活用

大帝の剣は単純で重い両手剣ならば予備動作も大きく読みやすいでしょう、僕は第六感もあわせて回避に努めます
自分にオーラ防御はしっかり巡らせ身を護り
夕闇も投げて盾代わりにしましょう、薄い盾ですな
避けながら前章で用意した浮き輪・彩花を残らずぶつけていきましょう
僕自身は実は念動力で浮きますからな

全て彩花を使い尽くし足場をなくして浮いた状態でUC:遊戯
僕の両親の名と顔を杖に喰わせましょう
これが僕の捨て身の一撃、僕の全ては敵を討つためだけにある
威力が足りないなら、両親がいたという記憶自体捧げましょう

いらない、いらない、何もいらない
さあ、滅びなさい
貴方も僕も、滅ぶなら何も惜しくないでしょう?
鎧無視攻撃


シーザー・ゴールドマン
弥助……本能寺の変でも二条城で奮戦したと聞くね。
蘇ってなお、信長公に忠節を尽くすか。
宜しい。君を倒して安土城に向かわせて貰おう。

先制対策
飛行状態(空中浮遊×念動力)で対峙。
UC発動の準備が整うまで弥助の攻撃を戦闘経験と直感を頼りに見切り回避に専念。
(第六感×見切り×戦闘知識×空中戦)
回避時、衝撃波を放つ事で反動を利用して急加速するなど緩急をつける。
また、複数の分身(残像)を生み出して惑わせもする。

準備が整ったら、一撃必殺の威力を込めた『アララトの流星』で弥助を撃ち砕きます。
(先制攻撃×鎧砕き×串刺し×全力魔法×アララトの流星)

君の様な勇士との戦いは心躍るものだね。だが、そろそろ、さようならだ。


スレイマン・コクマー
弥助アレキサンダー、お前は【海上の砂漠】を見たことがあるか?
オレはない。今回が初めてだ。
目撃し、しかしすみやかに忘れるといい。躯の海でな。

オレは借景・熱砂嵐王で『視肉』に対応する。

敵の『視肉』は、確かに恐ろしい能力をもっているが、手放せる武器の類ではないはずだ。
弥助アレキサンダー自身の身体部位を変異させたものだからな。
であれば、毒で蝕む。そういう作戦だ。

自力か、通じるなら【ロープワーク】で『視肉』に接触し続ける。

オレの闘志が尽きるか、貴様が毒に倒れるか。
タイマンであれば正直言って分は悪いが、あいにくこちらは複数だ。
どう転ぼうが、仲間の猟兵がどうにでもしてくれるさ。
――なあ? 頼むぜ、猟兵ども。


桜雨・カイ
(少しだけ秀吉のいた方を見て、弥助の方へ向き直る)
これで決着です。行きます、全ては守りたい人達の為にー!

【見切り】と【地形の利用】で初檄をかわします(【激痛耐性】【電撃耐性】)
距離をおいて【なぎ払い】で攻撃を行うと見せかけ、見えないように【念糸】で【念動力】移動させ弥助の拘束を狙います
わずかでも時間を作れればきっと他の人達の攻撃の助けになるはず

他の人が真っ直ぐ敵の元へ進めるよう、敵の攻撃は【柳桜】でかばいます
視肉だろうと雷槌だろうと受けてみせます。
皆の傷も癒やしますし、誰の闘志も失わせたりしません!



●侍とは
 侍とは侍う者。御恩を受けた主に従い、まさしく全霊を賭けて忠を尽くす者。
 侍とは戦う者。刀を握り、槍を掲げて、眼前の首を刈り取る者。
 侍とは奪う者。土地を、米を、命を。所詮は武を持って奪う事こそを求められた者。

 堂々と名乗りを上げたところで、自分はどこまでもそういう者だ。
 弥助アレキサンダーにとって、武士とは侍とは。
 主君の為に数多を奪う、血に濡れた者たちの名であった。

 武士道など、平和ボケした者共のたわ言。
 義だの勇だの仁だのと!
 戦を知らぬ者共の、安寧という至高の贅沢を甘受する者共のもの!
 勝つ為なら、なんでもするのが武士だろう。

 全ては信長様の為、それ以外の全てを勝利の為に利用した。
 力なき者の心を奪い、それを彼らの味方に差し向けよう。
 尊敬すべき侍を異形へ変え、己の盾として使い潰してしまおう。
 それを越えてきたというのなら、この全てを叩きつけるまで。

 されど、1つだけ譲れぬものがあるのなら。
 なりふり構わず、死に物狂いで戦う我等が求めるものは、きっと。

●侍はそのために戦った
「弥助……本能寺の変でも二条城で奮戦したと聞くね」
 シーザーが蒐集した多くの知識、その中に語られる『UDCアース』での彼。
 元々奴隷として連れてこられた極東の島国において、その体躯、その剛力に惚れこんだ後の第六天魔王の下で士分となった彼。
 言葉も通じぬ異国の地において、その主君の死の間際まで、いや、死してなおその子を守ろうと戦った侍が、シーザーの知る弥助だ。

 さて、このサムライエンパイアではどうなのか。金の眼差しが、涼やかに目の前の侍に向けられる。
 それを受ける男の眼差しを見るに、無駄話に付き合う義理はない、というのが彼の無言の返答か。
 少しばかり残念ではあるが、知識欲を満たすだけがシーザーの娯楽ではない。
 勇士との、心躍る戦いを始めよう。

「どうしたどうしたッ! 跳ね飛ぶだけが猟兵の戦いかッ!」
 飛翔し、跳躍し。
 自身の剣が放つ衝撃波すら利用して動き回るシーザーに対して、弥助は殆どその場から動かずに大剣を振るうばかり。
 それだけが、十二分に脅威的だ。
 オブリビオンとして、ますます強靭になった剛腕にて振るわれるメガリスは、その剣が生み出す衝撃波だけでも猟兵の身体を揺らし、打ち上げられる水柱が戦場である空中を狭める。
 残像が生み出す分身、歴戦の猟兵としての経験。
 シーザーの持てるすべてを駆使して、ようやく回避が成り立っている状態なのだ。
 それでも、此処に集った猟兵の中で、純粋な剣技の応酬に最も向いているのは自分だ。
 まず自分が、前線に立たねばならない。
 シーザーは、ごく自然に強者としての役目を理解していた。

「うーむ、大帝剣そのものは避けられそうですが、僕の体格だと衝撃だけでも吹き飛んでしまいそうですな」
「とはいえ、いつまでも彼一人に任せているわけにもいきませんよ!」
「ああ、タイマンで勝てる相手でもない」
 その様子を距離を置いて観察するのは、ルベルとカイ、そしてスレイマン。
 一対多、数の多さは強みではあるが、同時に味方との足並みを揃える必要がないという優位が敵方にはある。
 海上を飛び交う2人の剣戟に迂闊に踏み込めば、ただ味方の邪魔となるばかりであるが故、安易な援護はできないのだ。
 つまり。

「まずは俺たちだな。どうにか隙を作るぞ」
「ええ、これで決着ですッ!」
 その足を踏み出す彼らは、まさしく決死の覚悟を抱く英雄である。

「おお、3人がかりか! いいぞ、これしきで俺は、織田家の侍は揺るがねぇ!」
 大剣でシーザーと斬り結びながら、弥助が次に力を引き出すのは逆賊の十字架。
 禍々しい光を浴びた弥助の背中から、盛り上がる黒き肉塊。
 仮想の惑星、太歳と同義のその名は視肉。
 見る間に膨れ上がったそれは、触れるだけでも勇なる意思を喰いつくす異形の触手である。

 猟兵達は、それを見て。

「まずは初撃だ、取りつくぞ!」
「はい、お任せください!」
「ッ……上等だ!」
 真正面から、突っ込んできた。
 少しばかりの動揺をすぐに消す弥助めがけて、カイの操る念糸が飛ぶ。
 薙ぎ払うように放たれたそれは、先行するスレイマンを、今なお大剣の相手をするシーザーの横を上手くすり抜け、弥助を打ちすえんとひらめくのだ。
 最も、ユーベルコードでもないそれは、弥助の肉に容易く受け止められる。
 攻撃としては、まるで効果がない一撃だ。
 ——それでいい。
 弥助の視肉が自分の攻撃の対処で硬直する一瞬、この一瞬が欲しかっただけなのだから。

「弥助アレキサンダー、お前は【海上の砂漠】を見たことがあるか? オレはない。今回が初めてだ」
「——何を……!」
 一瞬だ。
 触れた後では、闘志を奪われた後では、ユーベルコードの発動すらできなくなる恐れがあった。
 だからこそ、その直前に『これ』を呼び出すための一瞬が必要で、あの黒髪の人形は、まさしくそれを作り出してくれたのだ。
 故に此処からは迷いなく。
 自分から、弥助の視肉にしがみついたスレイマンが叫ぶ。

「お前にも見せてやろう――悪霊寄らざるこの世の地獄を!」
「づぅぅっ……!? なるほど、根比べのつもりかッ!」
 【借景・熱砂嵐王(サイムーン・ライジング)】。すなわち宿すは毒の風。
 砂漠のすべてを呑み込む赤い風の力を纏うスレイマンは、弥助のユーベルコード、その欠陥に気付いていた。
 彼の視肉は、確かに恐るべきもの。
 けれどそれは、彼の肉であることに変わりはないのだ。
 であれば、毒で蝕む。そういう作戦だ。
 もちろん、こうして視肉に触れてしまえば、スレイマンの闘志は奪われる。

 何故このような痛みを受けなければならないのか、さっさとこの手を放してしまえ。
 目的を見失い、自分の中で大きくなっていくその声を、スレイマンはその意思で無理やりねじ伏せる。
 相手の言う通り、これは根比べだ。それも、非常に分の悪い。
 相手は幹部格のオブリビオン、まともにやれば、先に力尽きるのはこちらだ。

「しっかり! 私もついています!」
 だが、それは一人なら。
 スレイマンに覆いかぶさるように庇う体勢を取ったカイに対して、弥助の動きが鈍る。
 視肉はまだ動かせる、これでスレイマンを跳ねのけてしまえば、もはや彼に再び戦う気力は残らないだろう。
 だが、この人形の目は。
 なにか、勝算があって庇っているのだ、やぶれかぶれの策では、断じてない。
 痛みを救う力に変える、カイの【柳桜】。
 それを知らずとも、歴戦の勘で危険性に気付き、迂闊に手を出せない弥助は、スレイマンの毒を甘受する形となる。

 毒の風を纏うスレイマンを庇うのは、決して楽ではない。
 けれども、それに耐えるカイは、この戦いを決して投げ出さない。
 全ては守りたい人達の為に。
 この場の仲間だって、傷ついてほしくはないのだ。
 そして、この仲間たちなら、きっとこの忍耐から勝機を見出してくれるはず。

「——うん、いつまでもこうして剣を競うのも素晴らしいが……無駄に彼らの苦しみを長引かせるのも忍びない。そろそろ、さようならだ」
「ぐうっ、おのれぇ!!」
 次に状況を動かすのはシーザーから。
 弥助と演じてきた空中での剣劇、その均衡は、仲間たちの働きによって受けた毒で、僅かばかりにシーザーへと傾く。
 自分の身も厭わずに奮戦する仲間が作り出した流れ、それを無下にするような無粋は、彼の趣味ではない。
 後方から繰り出される札の援護。
 弥助が捌ききれずにその身に受け、体勢を崩した瞬間に、シーザーは手の光剣を下段に構える。

 下からの斬撃、備えなくてはならない。
 そう、弥助の意識が誘導された瞬間に、シーザーの『眼前』に魔法陣は展開される。
 手がふさがっている状態でこれほどの魔法を展開するのは、少々骨が折れた。
 けれども、その価値はある。
 漏れ出す光の輝きに気付いた後では、これは躱せない。

「では――砕けたまえ」
「……馬鹿な!」
 繰り出される光速の弾丸の名は【アララトの流星(デウス・ルークス)】。
 回避不可能、最高速度の一撃が、弥助の大帝剣に風穴を穿ち、砕き折る。
 万全の状態ならば即座に切り返したであろう弥助も、毒で弱り始めた心身に与えられた衝撃に、その表情を大いに歪め、動揺を隠せない。

 さて、2人が視肉を封じ、1人が剣を折った。
 であれば、最後の1人は。

「——調子が狂いますな」
 基本的に自分は、尽くす側と自負している。
 そんなルベルにとって、ここまでお膳立てされた状況は、ハッキリ言って落ち着けない。
 確かに自分には、とっておきのユーベルコードがあるとは言った。
 けれども、だからといって此処までおあつらえ向きの準備をされるなど。
 ぷかりぷかりと念動力で浮きながら、ルベルが手に持った杖を構える。
 どちらにしても、これまで奮戦してくれた仲間の為に、自分も全力を尽くすべきだろう。

 そう、全力だ。

「この気配は……そうか、それが切り札か……!」
 ぞわりと弥助の肌が粟立つ。
 ふわりと浮かぶルベルの手にある杖は、昏い刃を宿した禍々しい姿と化していた。
 明らかに感じるプレッシャーが桁違いだ。
 何か、取り返しのつかない対価を支払っているような……。

 そう分析した弥助へ、突き刺さる衝撃。
 どうにか折れた大剣で受け止めた身体が、周りの猟兵たちを置き去りにして、吹き飛ばされ、圧倒される。
 それが、刃を手に飛翔したルベルによるものと認識できたことすら、数瞬遅れてのことだった。

「いらない、いらない、何もいらない――さあ、滅びなさい」
「子どものする表情か、これが――!」
 ミシミシと、剣のメガリスが軋む。
 【遊戯(イヌガワラエバ)】、自身の記憶を喰わせることで武器のさらなる力を引き出すルベルのユーベルコード。
 使えば取り返しがつかない。だからこそ許された圧倒的な暴威は、毒を受け、へし折られた剣で受けきれるものではない。
 それでもオブリビオンは耐える。
 主君の為の戦、追い詰められ、決した勝敗を察していようとも、自分が諦めていい理由にはならない。

 しぶといな、足りないのか。
 どこか冷めた思考、杖に与える次の餌を、記憶の中からルベルが探り始める。
 そうだ、両親の存在、そのものなどいいのではなかろうか。
 どうせ、名も顔も、今しがた喰わせてしまった。
 もう思い出せない彼らが居たことなど、覚えている意味も感じられない。
 善は急げだ、再びユーベルコードを、不可逆の奇跡を呼び起こそう。
 貴方も僕も、滅ぶなら何も惜しくはないのだから。

「——いいや、惜しいね」
「……え?」
 疑問の声は、その言葉だけでなく。
 唐突に消えた抵抗と、分かたれた目の前の男の身体に対するものでもあった声は、すぐに波がかき消した。

 弥助のメガリスの力が尽きたと同時に、嘘のように凪いだ海。
 鎧ごと、深々と腹を割かれた侍は力なく水面に浮かび、その身体は少しずつ消え始めている。
 それにゆっくりと近づく、4つの影。

「我々の勝利でございます」
「ああ、お前達の勝ちだ」
 静かに言い放ち、弥助を見下ろすルベルの表情は、困惑に満ちたものだ。
 彼だけではない、シーザーも、ぐったりと青ざめた表情のスレイマンも、それを支えるカイも、浮かべるのは疑問の表情だ。
 ルベルと弥助の、最後の攻防。
 あのままでも、ルベルが押し切り、勝利したのだろう。
 けれども、あの瞬間、弥助は確かに自分から剣を降ろした。

「――俺は、侍なんだ」
 その疑念に答えるように、ポツリと呟く。
 あの時、剣を合わせて分かった。
 目の前の少年が、二度とは取り戻せぬ何かを手放して戦っていたこと。
 更に、手放そうとしたこと。
 どちらにせよ、自分の負けは決まっていたこと。

「戦い、奪い、最後には奪われて……皆、未来を欲しがっていた。勝った者がそれを手にするのが、俺たちの戦いだった」
 ただ負けるのなら、まだいい。
 それでも、未来を見ない者に、自分がどうなっても構わないという者に負けるのは、口惜しくて仕方がない。
 つまり、一種の嫌がらせだ。
 皮肉気に笑う弥助の眼差しは虚ろ、もはや、猟兵たちも見えてはいない。

「すまねぇ、秀吉殿……申し訳ありません、信長様……」
「……おやすみなさいませ」
 最後に呟き、侍の身体は消える。
 見送るルベル、彼は自分に未来があるなどとは思っていない。
 そういうものなのだ、月に狂い、儚く死んでいくのが獣混じりの自分たちだ。

 それにしたって、過去の亡霊であるオブリビオンにこれを言われるとは。
 薄く笑うルベルは、ふと両親のことを思い出し、名も顔も、まるで忘れてしまったことを確認する。
 仲間へと振り返り、帰ろうと笑う彼の表情は。
 戦いを終えたばかりとは思えぬ、穏やかなものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月30日


挿絵イラスト