エンパイアウォー㉑~海上のアフロ~
●
「ついに魔軍将最後の一人、大帝剣・弥助アレキサンダーが来たな……どうやら、もう一人隠し将・豊臣秀吉なる者がいたようだがな」
そう猟兵たちへ語り掛けるのは、弥助アレキサンダーにも負けない肌の黒さを誇るグリモア猟兵、ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)だ。
ゴリによれば弥助と秀吉がいるのは関門海峡の海上。
つまりは猟兵たちは海上という特殊な戦場で戦う必要があり、何かしらの準備、対応が必要となるだろう。
「まず現れるのは屈強な毛利水軍だな……だが彼らはあくまで操られているだけの存在、可能であれば配慮して欲しい」
予知によれば猟兵たちを迎え撃つのはオブリビオンでは無く、一般人である毛利水軍の兵たち。
彼らは弥助が持つ渡来人の至宝――メガリス『大帝の剣』の能力によって洗脳されているのだ。
もちろん猟兵たちの安全が第一、だが一般人である彼らを皆殺しにしては後々の禍根となりかねない。
可能であれば皆殺しでは無く、無力化が望ましいだろう。
「次に現れるのは豊臣秀吉だな。奴の口ぶりからは義と忠に厚い、武将の鑑であることが伝わってくる……敵てあることがもったいないほどの武士(もののふ)だな」
秀吉は弥助が持つメガリス『逆賊の十字架』の能力によって異形強化されているという。
彼は関門海峡の海上を、ゴムマリのように飛び跳ねながら、あらゆる角度からの弥助への攻撃を超高速で受け止めているのだ。
つまりは秀吉を倒さない限りは、弥助に攻撃を加えることは出来ないだろう。
「秀吉を下せば、最後に相対するのは弥助アレキサンダーだ」
これまでにあがったメガリス――大帝の剣、逆賊の十字架に加え、弥助は闘神の独鈷杵というメガリスまで保有しているという。
彼は関門海峡の大渦を闘神の独鈷杵の力によって発生させ、その中心で浮遊しながら3つのメガリスの力を高めているようだ。
猟兵たちはその3つのメガリスを操り戦う弥助を打ち破る必要があるのだ。
「厳しい戦いになるだろう……皆、気を引き締めて臨んでくれ」
励ましの言葉を受けながら猟兵たちは向かう。
新たなる戦場――関門海峡へと。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
3章構成というこれまでとは違ったボスシナリオとなります。
オープニングや特殊ルールをご理解の上、ご参加下さい。
●シナリオについて
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
●プレイングについて
また、3章構成である関係上、通常通りの運営では完結までに時間を要することが予想されます。
その為、大変申し訳御座いませんが、基本的には最低人数での進行を考えております。採用されたらラッキーくらいに受け止めて頂けますと幸いです。
また、一章に採用した方を優先して採用というわけでは無く、その時その時の執筆タイミングでプレイングの内容を見て採用させて頂くことを考えておりますので、一章で採用されていなくとも負けじとプレイングを投げて頂けますと嬉しく思います。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エルネスト・ポラリス
弥助アレキサンダーと豊臣秀吉……戦争も佳境ですね!
フックつきワイヤーと『ロープワーク』を駆使して、船をどんどん飛び移っていきますよ!
相手は洗脳された一般人、猟兵の身体能力で動き回れば、敵の攻撃は十分『見切れ』るはず!
そして、一般人だからこそ手を出しにくいわけですが……
ええ、師より受け継いだ銀の剣。
ユーベルコードの洗脳だけを断ち切り、命を守るための剣はこの時のために!
何が大帝の剣ですか、こちとら全て取りこぼさないために来てるんです!!
もし、洗脳からすぐ立ち直る方が居れば、そうでない方の救護をお願いして先を急ぎましょう。
さあ、次です、片っ端から斬りますよ!
●
「さぁて、戦争も佳境ですね!」
その男――エルネスト・ポラリス(赤く錆びつく月の下・f00066)は気合いを新たに宙を進む。
その手から投げるはフック付きのワイヤー。
彼が巧みにロープを操れば、フックは器用に船上のマストへと引っ掛けられ、次から次へと飛び交っていた。
相手はあくまで洗脳されただけの一般人。
であれば猟兵の身体能力による動きには対応出来ないはず。
だが……
「一般人だからこそ手を出しにくいわけですが」
敵も上手い手を使う。
憎々し気に心のうちを吐露したエルネストは、敵陣の中央へと下り立った。
「命をすり抜け、痛みを越えて……奇跡を断ち切れ、銀の剣」
エルネストが振るうは彼の師から受け継いだ銀の剣。
彼の『奇跡の不在証明』は一般人である毛利水軍の将兵たちを決して傷つけず、大帝の剣による“洗脳”の力だけを斬り裂いてゆく。
「ユーベルコードの洗脳だけを断ち切り、命を守るための剣はこの時のために!」
一人、また一人と敵兵を切り捨てるエルネスト。
彼の銀の剣に胴を薙がれた兵は苦しそうに己の腹を抑える――その次の瞬間、無事な己が身体を不思議そうに触ると、正気に戻ったのか周囲の惨状に驚いていた。
戦えば、決して負ける相手では無い。
それこそ全力で殺しにかかれば、一人で軍を滅することすら可能だろう。
しかし相手を傷つけないように戦っている以上、敵の攻撃を避ける方法は限られ、致命傷とならずとも受ける傷は一つ、また一つと増えていく。
一人一人を正気に戻らせる作業。
その終わりの見えない戦いは、心身を摩耗させる茨の道だ。
それでも……
「何が大帝の剣ですか、こちとら全て取りこぼさないために来てるんです!!」
それでも、命の選択などしたくは無い。
エルネストは、どれだけの困難があろうとも己が道を行く――全てをその手で取りこぼさない為に。
「さあ、次です、片っ端から斬りますよ!」
その男は、一人敵軍の中雄々しく叫んでいた。
成功
🔵🔵🔴
坂上・貞信
キーラ(f05497)くんと参戦するよ。
【我が愛しき部下よ来たれ】を使用。
キーラくんの情報、そして自前の情報将校からの
情報を合わせ、狙うは穏やかな海流。
『属性攻撃』と『一斉射撃』で毛利水軍の船まで氷の橋を作れ。
辿り着けたならば乗り込みぬいぐるみ&死霊混合軍の数で制圧。
その後は、今宵ばかりのキャプテン・キーラ達に操舵を任せよう。
死霊兵よ、各員キャプテンの指示に従うように
あと、体当たりに備えて対ショック姿勢取っておけよ……!
思ったよりガチだ!
作戦後は『救助活動』もしておこう。
ほら部下達、救命具を撒け撒け。
こういうとこもちゃんと配信しないとだよキーラくん。
僕らバーチャルキャラはイメージ商売だからね。
冬晴・キーラ
坂上・貞信(f00110)ちゃんと参加するぜ☆
まずは毛利水軍だー☆
戦闘の様子は『グッドナイス・ブレイヴァー』でワールド全体に配信しとくね☆
海上戦の地形を利用するべく、現地の渦潮の様子とかをリスナーに聞いたり予め調べといて、孤立してて手薄な船を狙うぜ☆
貞信ちゃんが橋をかけたら、ぬいぐるみさんチームを亡霊と一緒に突っ込ませて、船を一隻奪うぜー☆
奪ったら、船をぬいぐるみさんチームに操縦させて、てきとーに他の兵士が乗ってる船に全速力で木っ端微塵になるまで体当たりさせる☆
海に落ちた兵士共は可哀想だからおぼれねーように浮き輪なげとくね☆
●
「さぁ、愚かで愛しき我が部下よ。僕の名を呼べ、高らかに!」
号令をかけるのは、白き軍服に身を包んだ男――坂上・貞信(バーチャル無能軍人・f00110)
号令により突撃するは、彼の『我が愛しき部下よ来たれ』により生み出された死霊兵たちだ。
「かっかれー!」
冬晴・キーラ(星空アジタート・f05497)は、貞信の死霊兵と共に自信の愛くるしいくも、弱く儚く柔らかいぬいぐるみの群れ、ぬいぐるみさんチームを送り込む。
彼らは事前情報により比較的穏やかな海流による侵攻ルートを選定していた。
その海を貞信とその配下の死霊兵の働きにより凍らせることで足場を作り、毛利水軍の船へと乗り込む為の足掛かりとしたのだ。
数と数がぶつかり合う死霊軍と毛利水軍。
相手を殺さぬよう刀の峰内で、そして銃床で敵兵を打ちのめす兵たち。
死者を出さずとも血を垂らし、骨を折るその戦いの迫力は、『グッドナイス・ブレイヴァー』による配信を見ていた視聴者たちを興奮させ、熱狂させた。
バイオレンスがちょっと苦手な視聴者たちも大丈夫。
足元を走り回り、毛利兵へと飛び掛かってポコポコと綿のつまったパンチを繰り出すぬいぐるみさんたちが、戦いの迫力にドン引きしかねない視聴者たちの心をそっと癒すからだ。
バイオレンス&ファンシーという相反する二属性を同時に織り込むことで、その配信映像は逆に万人受けするものとなったのだ……きっと。
「さーて、この船は何とか制圧出来たかな?」
貞信は己が配下の死霊兵により制圧された船へとゆっくりと乗り込んだ。
有能な配下に戦闘は任せきりな無能軍人(という設定のバーチャルキャラクター)である貞信は、決して己が手を汚すことは無い。
「よっしゃー! 奪ったどー☆」
楽しそうに船内を駆け回っていたキーラは、舵輪を見つけると嬉しそうに手を伸ばす。
キャプテンキーラ配下の可愛らしい水兵さんたちが、小さな体を上手に駆使して船を操縦し始めた。
「死霊兵よ、各員キャプテンの指示に従うように……あと、体当たりに備えて対ショック姿勢取っておけよ!」
配下の死霊兵へと指示を出していく貞信。
キーラと付き合いの長い彼は、彼女の次なる行動が手に取るように分かるのだ。
船の制御を手に入れた彼女の次なる行動は……体当たりだ。
「木っ端微塵だ☆」
嬉々として次なる毛利水軍の船へと制圧した船を全速力で突撃させるよう指示を出すキーラ。
海流の流れも利用しグングンと加速していったその船は、その勢いのまま敵船の側面へと船首をねじ込まれる。
衝撃と共に、耳をつんざくような爆音が響いた。
「思ったよりガチだ!」
想定以上の衝撃に全力でマストにしがみ付く貞信。
咄嗟にキーラへと視線をやると、楽しそうに舵輪を掴みながら身体を浮かす彼女の様子にほっと一息をつく。
目の端に宙を舞う死霊兵やぬいぐるみさんが映った気がしたが、貞信はそっと見なかったことにした。
へし折れ何処かへ吹き飛んだ船首を代償に、真っ二つになった敵船がゆっくりと沈んでいく。
海へと投げ出された敵兵や死霊兵、ぬいぐるみさんたちへ、貞信とキーラ、そしてなんとか投げ出されるのを耐えた配下たちが救命具を次々と撒いていく。
「こういうとこもちゃんと配信しないとだよキーラくん。僕らバーチャルキャラはイメージ商売だからね。」
世知辛いセリフを吐く貞信を尻目に楽しそうに救命具を投げるキーラ……その主旨は救命活動では無くいつのまにか的当てゲームと化していたが。
この戦いによって二人の人気が上がったのか下がったのかは、今はまだ誰も知らない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
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POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
冬晴・キーラ
坂上・貞信(f00110)ちゃんと参加デートだー☆
毛玉のモッフモフー! まー、志の高いモノノフは嫌いじゃねーけど、おめーがいると首級が取れねーんでな☆ 海に沈んでもらうぜ☆
弾性が高いなら、猛スピードで突っ込んできても水面でまあまあ弾かれるだろうから、地形を利用して水中から攻撃するぜー☆
つーわけで水着に着替えとこ☆
【バトルキャラクターズ】で水中戦用に合体させたでっかいイカのぬいぐるみさんに頼って水中で攻撃を凌ぐー☆
そんで、逆に触手で捕まえたりスミをぶっかけてとにかく行動を制限させるね☆
うまくいったら、海中の渦潮まで引きずり込んでやんぜ☆
後はやっちゃえ、貞信ちゃん☆
坂上・貞信
キーラ(f05497)くんと参戦デート。
キーラくんのイカで途中までは同行。
いいところで降ろして貰い、海中に飛び込む……
ああ、ああ。派手に怪獣大決戦だ。
海中ならば光線も減衰するのではないかな?
地形を利用し、更に属性攻撃で
海流を操り光線にぶつける。
さて、海ならば我々のステージだ。
僕らは骸の海産だけれど。
【我が愛しき部下よ来たれ】
愛しき部下達よ、
その身を水槍と化し一斉射撃で敵を穿て。
回天を命じる僕を恨め、呪え。
だが今ばかりは世界の為、無能な上官に力を貸してくれ。
キーラくんが縛り引きずり込んだ渦潮、
そこで蹲るあのモノノフのどてっぱらに穴を空けてやれ。
●
「フェン……」
その男……いや、その漢――豊臣秀吉は威風堂々と猟兵たちを正面から迎え撃つべく、関門海峡の海面を揺蕩っていた。
その言葉の端々からは敵でありながらも猟兵たちの雄姿を称える秀吉の気風が伝わってくる。
彼こそが正しく武士(もののふ)であると、誰しもが認めるほどの高潔ぶりだ。
「毛玉のモッフモフー! まー、志の高いモノノフは嫌いじゃねーけど、おめーがいると首級が取れねーんでな☆ 」
対し、可愛らしい水着にその身を包んだ冬晴・キーラ(星空アジタート・f05497)は秀吉の人格を認めながらも、正面から打倒すべく相対した。
「フェン! フェンフェン!」
「おう、海に沈んでもらうぜ☆」
戦いを前に無粋な会話は不要――両者は互いに捨て台詞を吐き捨てると、戦いへと身を躍らせた。
「フェン!」
秀吉はその身を膨らませ、球状に近い体形――バウンドモードへと変化する。
海上に浮かんだまま高速回転を始めると、突如宙へとその身を跳ね上げた。
海面を器用に跳ね、飛び交いながらキーラと共に立つ坂上・貞信(バーチャル無能軍人・f00110)の元へと向かう。
その速度は海上を進んでいるとは思えないほどの高速――その衝突による衝撃は想像を絶する破壊力を有するだろう。
「ちょ、あれやばくない?キーラくん……って、うぉっ!」
こちらへと飛来する秀吉を避けるべく、キーラは貞信の襟首をつかみ海中へと飛び込んだ。
次の瞬間、辺りを轟音と水しぶきが包む。
秀吉の体当たりによる衝撃は、二人が鹵獲し利用していた船を粉々に粉砕した。
しかしその残骸の中に二人の姿は……無い。
(予想通り、弾性が高いなら水面で弾かれたぜ☆)
水面を跳ねながら移動できるほどの浮力、であればこそ逆に水中に沈むことは出来まいという予想が見事的中した。
直撃すれば一たまりもないほどの破壊力を有そうとも、当たらなければどうということは無いのだ。
(さーって、水中戦水中戦☆)
敵は強力――であれば必要なのは数では無く、一騎当千の強者。
キーラは『バトルキャラクターズ』により生み出したぬいぐるみたちを合体させると、額に『44』と刻まれた巨大なイカさんぬいぐるみを生み出した。
「いっけー☆」
キーラを乗せたイカさんぬいぐるみは水上に上がると、水中から補足していたフェンフェン……では無かった、秀吉を触手で絡み取ると同時にスミを吐きかける。
加速を許せばその速度は脅威、であれば一度止めてしまえばその攻撃力は半減だ。
「ああ、ああ。派手に怪獣大決戦だ……って、キーラくん! 水中に戻って!」
その身に刻んだ紋様を不気味に光らせる秀吉の様子に危険を感じた貞信が、キーラに水中へ戻るように指示を出す。
イカさんぬいぐるみが秀吉を絡みとったまま水中へと潜った次の瞬間、彼の紋様から漆黒の光線が放たれた。
その光線は触れた水面を沸騰させるほどの高威力を有しながらも、水中、そして吐き出され続けているスミによって急激に減衰していく。
二人を守るイカさんにんぎょうに直撃したものの、その頃には貫通するほどの威力も有してはいなかった。
(やっちゃえ、貞信ちゃん☆)
イカさんにんぎょうにより海中に引きずられようとされつつも、その身の浮力によって水面に縛り付けられる秀吉をその視界に収める二人。
今がチャンスとばかりに、キーラの力強い視線を受けた貞信は『我が愛しき部下よ来たれ』を放つ。
(愛しき部下達よ、その身を水槍と化し一斉射撃で敵を穿て)
貞信によって生み出された死霊兵たちはその身を包む水を操り一つの槍と化すと、秀吉へと死兵となり突撃した。
その一発一発が捨て身の特攻であり、必殺の威力を持って秀吉の身を抉る。
(回天を命じる僕を恨め、呪え……だが今ばかりは世界の為、無能な上官に力を貸してくれ。)
貞信は特攻を命じなければならない己の不甲斐なさを心の内に詫びる。
彼が思い出すのは、己が滅んだ世界の特攻隊。
死して尚、再びその身を自ら捨て、骸の海へと還っていく部下を眺め――そしてゆっくりと海中へと沈んでいく確かな戦果を見据え、貞信は静かに海中へと僅かばかりの雫を足した。
ちなみに上記内容は全て貞信のバーチャルキャラクターとしての設定であることはここだけの秘密だ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
冬晴・キーラ
坂上・貞信(f00110)ちゃんと参加するぜ☆
モフモフはふっ飛ばした! 次はおめーだぜ、弥助! その楽しそうなメガリスってやつを全部よこせ☆
【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】ってことはー、触らなければ、まー平気だよな☆
つーわけで【バトルキャラクターズ】で、でっけー水鉄砲ぬいぐるみさんを召喚してー、全員まとめて星の彼方までふっ飛ばしてやんぜ☆
溜めに溜めてー、圧力ギリギリ全力全開ウォータービームだ☆
弾になる水は無限に足場にあっからなー☆
その間のフォローは貞信ちゃんに任せるね☆
スーパーウルトラミラクル夏の海空作戦・虹だ☆
坂上・貞信
キーラ(f05497)くんと参戦。
忠義は見上げたものだが、
退き際を誤った兵も見苦しいものだ。
老兵はただ去るのみだよ。
【銀翼よ舞え、高き空を】
戦闘機を召喚。5機編成で相対する。
その肉塊は、
スピード勝負に自信がおありかな?
「うち」の航空部隊も練度には自信があるよ。
高速機動で肉塊の攻撃を引きつけつつ攻撃を躱してみせる。
折を見て、戦闘機から飛び降り肉塊へと斬りかかる。
触れた者の闘志を奪うそうじゃないか。
奪えるものならば奪ってみせろ。
己が為で無く、次代の者の為。
闘う覚悟は一味違うぞ。
……あと、大事なキーラくんの頼みだしね。
足止めは十分為ったかな、
それじゃキーラくんお願い出来るかな。
こっちに当てないでよ!
●
「秀吉殿……全ては信長様の為に、決して秀吉殿の覚悟は無駄にしねぇ」
その男の名は、大帝剣・弥助アレキサンダー。
右手に大帝の剣、左手に闘神の独鈷杵、その背に逆賊の十字架を背負う。
その一つ一つがメガリスと呼ばれる強力な異能を発揮する渡来人の至宝だ。
「モフモフはふっ飛ばした! 次はおめーだぜ、弥助! その楽しそうなメガリスってやつを全部よこせ☆」
「忠義は見上げたものだが、退き際を誤った兵も見苦しいものだ……老兵はただ去るのみだよ」
冬晴・キーラ(星空アジタート・f05497)は意気揚々と、坂上・貞信(バーチャル無能軍人・f00110)は倦怠感を隠そうともせずに、それぞれ弥助に対し言葉を投げかける。
両者共に強者に対する萎縮は無く、正面から叩き潰す構えだ。
「秀吉殿の仇、討たせてもらうぜ!」
弥助の雄叫びと共に、その背に背負うメガリス――逆俗の十字架が光輝く。
めきり、めきりと骨の折れるような不快な異音を響かせながら弥助の右腕が動きを見せたか思えば、元々常人離れしていた太さのその腕は、身の丈を超えるほどの異形と化した。
「どんだけ強かろーと、触らなければ、まー平気だよな☆」
弥助の先手を――その強化を防ぐことば出来ない。
しかしその強化を許そうとも、接近さえ許さなければどうとでもなるのだ。
キーラが生み出したのは、水鉄砲を構えた巨大なぬいぐるみ。
その巨大ぬいぐるみが構える水鉄砲が膨れているのは、決してやわらか素材というだけでは無いのだろう。
「全員まとめて星の彼方までふっ飛ばしてやんぜ☆」
背後から伸ばされたホースによりぐいぐいと水を吸い込み、目に見えて圧縮されていく。
その様相から想像される水鉄砲の威力は、生易しいものでは無いだろう。
「やらせない!」
宙に浮かんでいた弥助は明らかに一撃を加えるつもりであろうキーラへと目掛けて水面を滑る。
人間離れした速度により迫り来る巨漢の男に対し、水をため込むキーラは焦ることなく仁王立ちしていた。
それは一重に――仲間への信頼故に。
「喝采を上げよ銀翼、望みのままに空を征け」
突如弥助の眼前を、爆発と煙が覆う。
その一撃は、貞信が『銀翼よ舞え、高き空を』により生み出された戦闘用航空機によるものだ。
5機の編隊を組んだ航空機は外敵の居ないエンパイアの空を自由に、そして鋭く飛び回る。
「その肉塊は、スピード勝負に自信がおありかな?」
航空機は弥助の捉えられぬ高度で、目にも止まらぬ速度で宙を舞う。
煙の尾を引きながら次々と放たれるミサイル。
攻撃を撃ち落とし、反撃を狙う弥助であったが……その飛び交う鋼の剣を砕くことは容易では無かった。
「面倒な奴らだ!」
爆発により巻き上げられた水しぶきを被り、忌々しげに声を漏らす弥助。
水を吸い、重たげに頭を垂れるアフロから覗く視線は、殺気に満ちていた。
その視線の先は明らかな準備をしている少女――キーラだ。
忌々しい妨害を抜け、早めに処理をしなければならない。
そう殺意に満ちた視線を受けた少女は軽やかに笑い、指を空へと向けた。
「しまっ!」
ふと眼下に落ちた影に気付き、とっさに見上げる弥助。
その眼前には、刀を逆手に“落ちて”来る貞信の姿が映った。
「己が為で無く、次代の者の為。闘う覚悟は一味違うぞ」
落ちる勢いのまま、弥助が咄嗟に構えた異形の掌を貫き、肩口へと刃をねじ込む貞信。
その瞳には躊躇は無く、一太刀浴びせるという確固たる意志を見せた。
「……あと、大事なキーラくんの頼みだしね」
突き刺した刀を残し、貞信は気だるげに身体を背後に投げ出した。
その顔は先ほどまでの圧力は無く……だが、やり切った男の表情をしていた。
「あ、キーラくん、こっちに当てないでよ!」
水面を揺蕩う貞信の気の抜けた声が持つ意味を理解した弥助は、勢い良く背後を振り返る。
その視線の先にはパンパンに膨れ上がった水鉄砲と、自信満々に笑う少女がいた。
「スーパーウルトラミラクル夏の海空作戦・虹だ☆」
巨大ぬいぐるみが構える水鉄砲へと限界まで加えられた圧力が解放される。
海中から加え続けられ圧縮されたその水の勢いは水鉄砲という範疇を超え、災害すら連想させるものだ。
水平に落ちる滝の如き濁流が、驚愕に顔を染めた弥助を勢いそのままに飲み込んでいく。
宙を舞う水しぶきが、爽やかな青空に虹をかけた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
オックスマン・ポジクラーシャ
遅れてすまない。状況は理解した。俺の立ち位置は破壊者だ。
オックスマンホールで波に乗ってきたのだが時間がかかったようだ。
しかしメガリスとやらがその力を発揮する前には間に合った。
その剣の重さ、俺のエタルゾにも劣らんか。
ならばあえて俺は攻撃の瞬間に合わせ、己の身を海へ投じよう。
破壊するがいい、自らが作り出した渦を。
そして見るがいい、俺が巻き起こす破壊の風を。
その忠義、信念……見上げたものだが過去は過去だ。
その力を示すには、お前は遅すぎた。
……遅れてすまない。俺がお前を破壊する!
『破壊者の登場』だ!
破壊の風に乗り、この剣をお前へと届かせよう。弥助アレキサンダー。
狙うは一点、その力の中心を破壊する!
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「遅れてすまない」
その男、オックスマン・ポジクラーシャ(遅れてきた破壊者・f12872)は渦潮により荒れ狂う海の上で仁王立ちをしていた。
その足元に浮かぶのは何ら変哲の無いマンホール……そう、マンホールだ。
そのマンホールの名は『オックスマンホール』
本来水に浮かばないはずの“それ”は、サーフボードさながらに波に乗り、時には船のように波を掻き分け、オックスマンをここまで運んで来たのだ。
もはやその働きは言葉では説明することは出来ない。
その不思議マンホールもさすがに高速で移動する事は出来ず、これまで時間がかかってしまったのだが。
「信長様の為……負けるわけにはいかねぇんだ!」
全身から水を滴り落とし、荒く方で息をするのは敵将・弥助アレキサンダー。
しかしその視線に宿る力は決して劣らず、彼の決死の覚悟を物語る。
「その忠義、信念……見上げたものだが過去は過去だ。その力を示すには、お前は遅すぎた」
しかしオックスマンは、その覚悟を否定する。
心意気は見事――しかし所詮は、過去の遺物だ。
故にオブリビオンには……骸の海へ還ってもらわなければならない。
「しゃらくせぇ!」
問答は無用。
怒りを胸に、弥助はその背に背負う大帝の剣を振るう。
常人であれば両の手でも持ち上げることが困難な大剣を片手で大きく振り上げると、風を斬り裂きながら力強くオックスマン目掛けて叩きつけた。
「ふっ……破壊するがいい、自らが作り出した渦を」
あえて直前まで引き付けた後、回避の為に身を投げ出すオックスマン。
その威力は直撃せずとも引き付けた鎧に傷を入れるほど驚異的なものだ。
しかし彼は見抜いている……その威力故にその一撃は大地すら破壊することを。
打ち砕かれるオックスマンホール、吹き上がる飛沫。
その一撃により巨大なクレーターが海上に生み出される。
しかしその穴が波により打ち消された後、そこには猛威を振るっていた渦潮の存在は無かった。
「破壊の風に乗り、この剣をお前へと届かせよう」
静寂を取り戻した海の中から、風を纏い浮かび上がるオックスマン。
彼が纏うは破壊の風。
その破壊の力を以って狙うは唯一つ。
「その力の中心を破壊する!」
黒き鎧を纏った破壊者は、超常の力をも破壊する。
成功
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