エンパイアウォー⑩~この海渡すべからず
●風よ嵐よ大波よ。
強く風が吹いた。荒れ狂う波の中を船が行く。
それは大悪災『日野富子』のそのありあまる財力で作り上げた、『超巨大鉄甲船』の一隻。全長200m、全幅30mを誇るその姿は、海に浮かぶ鉄の城とでもいうべきか。
船上では禍々しき気を放つ悪鬼たちが群れを成し、怨霊たちが船を操る。
帆柱には〇の中に上と書かれた旗が掲げられていた。
●掲げよ、猟兵の旗。
「諸君! 関ヶ原までの戦い、見事であった! しかし、幕府軍の前には未だ多くの苦難が待ち受けている! 此度もまた、諸君の力を貸してくれたまえ!」
ゴッドオブザゴッド・ゴッドゴッドゴッド(黄金存在・f16449)が声をあげる。
「日野富子の事は知っているかね!? つい先日討たれた魔軍将の一人であるが、奴の残した企みはまだ残っている!」
と、そこで言葉を切るとゴッドは南海道を指し示す。幕府軍の一部が関ヶ原を出発した後、魔空安土城を目指して進む予定の海路だ。
「ここに待ち受けるは村上怨霊水軍! 日野富子は『超巨大鉄甲船』の大船団を建造していたのだ! これを放置しては幕府軍の船は悉く沈められ、海の藻屑と消えてしまうであろう! 諸君らにはこれを叩いてもらいたい!」
目的はこうだ。
猟兵たちは荒れ狂う波を越えて鉄甲船に乗り込み、その機能を奪う。
その為には必要な事が二つあった。
「まず第一に、船を守るオビリビオンどもが待ち受けている事! これを倒さぬ限り、船を止めることはできぬであろう!」
そこにあるのは冷徹非道の悪鬼。
血肉を貪り、人の絶望や断末魔を好む禍鬼(マガツミ)である。
「そして第二に、掲げられた村上水軍旗を奪う事だ!」
実は船を操るのは富子が呼び出した、大海賊『村上水軍』の怨霊たちである。
彼らは船を操ることだけに集中し、戦闘には加わってこない。しかし、村上水軍旗が掲げられている限り、その力により船は沈むことはなく、彼らは幕府軍の前に現れるのだ。
故に、禍鬼たちを倒した後はこれを引きずり降ろさなければならない。
そうする事で彼らは力を失い消滅する。後は沈みゆく船から脱出するだけだ。
「戦場は海上、奴らも海戦への備えはしていても、この状況で猟兵たちが乗り込んでこようとは思っていまい! うまく海を渡り不意を突けば、戦いを有利に進める事ができるであろう! 不慣れな者もいるかもしれんが、よく考え、事に当たってくれたまえ!」
ゴッドはそういうとばっ、と手を高く掲げる。
「では、準備の出来た者からテレポートを開始する! 油断なく、見事な勝利を期待している! よろしく頼むぞ!」
納斗河 蔵人
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
お世話になっております。納斗河蔵人です。
今回は今回はエンパイアウォー⑩、村上怨霊水軍との戦いです。
海を渡り、巨大鉄甲船にうまく乗り込み、待ち受けるオブリビオンを討伐してください。
その後、水軍旗を奪えば船を沈める事ができます。
プレイングをお待ちしています。よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼』
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POW : 伽日良の鐵
【サソリのようにうねる尻尾(毒属性)】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 欲欲欲
【血肉を求める渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ : 鳴神一閃
【全身から生じる紫色に光る霆(麻痺属性)】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:ヤマモハンペン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
悪鬼たちは海を見つめる。
その先にある蹂躙に、飢えた心を躍らせながら。
言葉を発する事は決してない口を大きく歪め、彼らはその時を待っていた。
緋月・透乃
※ファイン・スタッカートと共闘
水軍も鉄甲船もまだまだいっぱいいるねー。あの金欲ばばあは一体どれだけのお金を持っていたのかなぁ。
ま、いくらかけたのか知らないけれど、私に船上での戦いをさせてくれることには感謝してるよ。
まずは持っている食べ物を全て食べて【沢山食べよう!】を発動、ファインをしがみつかせて高速飛行で一気に船に近づくよ。
すぐには降りずにファインがユーベルコードを放ってから、敵に狙いを定めて急降下攻撃をしながら船に乗り込むよ。
あとは片っ端から接近して戦斧で叩き割っていくよ!やられる前にやる!それだけだね!
ファイン・スタッカート
※緋月透乃と共闘
鉄甲船を造り海賊の怨霊に操縦させるとは、敵ながらなかなかうまいこと考えマシタネ。しかし、最後にものをいうのは直接戦闘、すなわちカラテデス。乗り込まれることを想定していない時点で私達の勝利は確定的に明らかデース!
私は水上ダッシュや飛行はまだできないので、透乃にしがみついて船まで運んでもらいマス。
ある程度近づいたら足だけでしがみついたまま【多雷LR】で先制攻撃をお見舞いし、できるだけ高い所に飛び降りマス。そして、近づかれる前に【多雷LR】で更に攻撃していきマス。近づかれたらカラテで対処デスヨ。私に近づける奴がいるといいデスネ。
瀬戸内海を行く巨大な船たち。
それを眺めながら、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)はおにぎりをほおばる。辺りには肉やにんじん、おにぎりが積み上げられていた。
「水軍も鉄甲船もまだまだいっぱいいるねー」
「鉄甲船を造り海賊の怨霊に操縦させるとは、敵ながらなかなかうまいこと考えマシタネ」
それに答えたのはファイン・スタッカート(勘違いNinja・f02107)だ。
「しかし、最後にものをいうのは直接戦闘、すなわちカラテデス。乗り込まれることを想定していない時点で私達の勝利は確定的に明らかデース!」
「そうそう。それにしてもあの金欲ばばあは一体どれだけのお金を持っていたのかなぁ」
と、透乃は先の日野富子との戦いを思い浮かべる。豪華絢爛な花の御所を作り上げ、大船団の組織にも手を付けていたとは、流石の資金力である。
「ま、いくらかけたのか知らないけれど、私に船上での戦いをさせてくれることには感謝しておくよ。そろそろ準備いいかな?」
そういうと透乃は立ち上がる。いつの間にか、大量に積まれた食料はすっかり彼女の胃袋に収まったようだ。
ここで食事をしていたのは単なる腹ごしらえではない。
美味しそうな香りに包まれた彼女は『沢山食べよう!(タクサンタベヨウ)』の力により満腹感に比例した戦闘力増強と、高速での飛翔能力を得ていた。
この力によって海を渡り、鉄甲船に乗り込もうというのだ。
「私は水上ダッシュや飛行はまだできないデスカラネー」
ぴょん、と屈伸した姿勢から立ちあがるファイン。NINJAではあるがどうやらその辺りの術は身に着けていないようだ。
「よーし、それじゃ行くよ! しっかりつかまってるんだよ!」
言葉と共に二人は飛び立つ。目指すは巨大鉄甲船。
村上水軍の怨霊が行き交う船上で、血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼たちは戦いの時を静かに待つ。
決戦の時まではまだ数日の猶予がある。その事実は彼らをさらに飢えさせるが、同時にそれが自分たちの力を更に高める事も知っていた。
だからこそ、彼らは待ち続ける。
と、進路を監視していた水軍の一人が何かに気付く。
「なんだぁ……? 鳥……いや! あれは人だ! 人が飛んでやがる!」
慌てて駆けだそうとするが、傍にいた禍鬼は禍々しい気を纏いながらその行く手を阻む。
言葉は発さない。しかし、その姿は「邪魔をするな」といわんばかりである。
「わ、わかってるよ……俺たちは船を進める事に集中する。奴らの相手はあんたたちの仕事だ」
言うが早いか。鉄甲船に黒い電撃が降りそそいだ。
「一十百千万億兆京……雷いっぱいイラッシャーイ♪!」
飛翔する透乃に足だけでぶら下がりながら、ファインはそれっぽい手印を次々と組む。『多雷LR(ライトニングランページ)』はアホ毛から黒い電撃を放つ技。
その雷は遠距離からでも届き、禍鬼たちに襲い掛かる。
だが。
「やっぱりこれだけで倒せるほど甘くはないね」
船上からの反撃はない。しかし、距離の問題か相性の問題か。決定打と呼べるほどのダメージは見られない。
「やはり直接戦闘デスカ」
距離を取ったちまちまとした戦いは二人とも好まない。そして何よりこれで終わっては……面白くない。
「トウッ!」
凄まじい勢いで飛び回る透乃から、船上を通過する一瞬を狙ってファインは飛び降りる。その間も電撃を放つことは忘れない。
そして降り立ったのは鉄甲船の屋根の上。
高所からの攻撃ならば敵の攻撃も届くまい、という狙いであったが……
「おっとォ!?」
飢えに飢えた禍鬼たちはファインを目にするなり血肉を求める渇望を爆発させ、その姿を巨大化させる。
水軍旗がある限り船は壊れても修復される。それを知ってか知らずか、禍鬼たちは船への被害も恐れず巨大な金棒を振り下ろし続けた。
大振りゆえに一撃を受けてこそいないものの、くらえばひとたまりもない。
「ヨッ、ハッ、トウッ!」
しかしだからこそ、彼女の動きは囮になった。
どうん、と轟音が響く。
遥か天上より振り下ろされた一撃は、禍鬼の一体を完全に両断した。
船の床板まで爪痕を残した戦斧を担ぎ上げ、透乃は言う。
「さあ、あとは片っ端から叩き割るだけ! やられる前にやる! それだけだね!」
「ワタシのカラテもお忘れなくデスヨ!」
二人は船上で構えを取る。
巨大鉄甲船上での戦いの火蓋はこうして切って落とされた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月・影勝
…海か。であれば…この力を使う他はないのう
来たれ鰐鮫殿ら!
そして見よあの禍々しき水軍共を、あれらはかつて鮫を食料とし、次々に捉えては喰らった悪しき漁船どもなのじゃ!
許しておけぬか?許しておけぬじゃろう!故に儂は今よりあの棟梁と思しき悪鬼がおる船に乗り込む!皆共に闘おうぞ!
と、鰐鮫らを扇動し、儂は鮫の上に乗ってカチ込むのじゃ
…まあ、嘘なんじゃけど。
そして一番に儂が飛び込み、【櫂】でサソリのような尻尾と打ち合い、受け続けることで範囲攻撃を最低限に抑え込むのじゃ
数の有利で勝る戦術、鰐鮫らがやられてしまっては元も子も無しじゃからな
…代償もあるし正直気も役目が重いが…これも世のため人のためじゃて…
政木・葛葉
これだけの船団を秘密裏に用意するなんてすごいよね。……でも信長みたいに異世界から召喚、じゃなくてお金使って作ったんでしょ?オブリビオンっぽくないよね。
さて、まずは船に取り付く必要があるんだけど……【空中浮遊】で上空からふわーっと攻め込むよ。
泳いで渡るならまだしも空は多分意識してないはず。スカイダンサーの人みたいにびゅんびゅんは出来ないけどね。海戦の備えをしてるらしいから一応砲撃、弓矢は注意しよう。
上空から不意を打って【空中戦】といこうか。
上からそのまま【夜光野狐夜行】をぶつける。虚を突いたら大混乱のはずさ!旗も上から取りに行けば近いかもね!一緒に燃やしてもいいかな?
そんな船上の戦いが開幕する少し前。
「これだけの船団を秘密裏に用意するなんてすごいよね」
ふよふよと海上を浮遊しつつ鉄甲船を目指していたのは政木・葛葉(ひとひら溢れし伝説の紙片・f21008)であった。
「でも、なんだかオブリビオンっぽくないなぁ。お金使って作るなんて」
日野富子は財こそ力と、徴収した金を使って戦力を整えた。過去からの来訪者たるオブリビオンとしては、確かに変わった存在であったと言えよう。
そんなことを考えながらゆっくりと進んでいく。
砲撃や弓矢への警戒は怠らない。この機動力では気づかれれば狙い撃ちにされてしまう事はよく自覚していた。
と、ふと海上に白波が立っていることに気付く。
「ん、あれは……なに?」
その視線の先に居たものは……!
「見よ! あの禍々しき水軍どもを!」
海上を進むは月・影勝(かちかち山の玉兎・f19391)。
彼はびしりと彼方に見える鉄甲船を指さす。
「あれらはかつて鮫を食料とし、次々に捉えては喰らった悪しき漁船どもなのじゃ!」
村上水軍にそのような謂れはない。食べたかどうかは定かではないから冤罪とも言い切れないが……ともかく。
影勝が海を進む足として『鰐鮫殿よ、あやつがお主らを嘲っておったぞ!(ウソウサ)』の力によって呼び出した鰐鮫たちは、その言葉によって鉄甲船を目指していた。
「許しておけぬか? 許しておけぬじゃろう! 故に儂は今よりあの棟梁と思しき悪鬼がおる船に乗り込む! 皆共に闘おうぞ!」
なおも言葉をつづけ、煽る。煽る。
鰐鮫たちの勢いは増し、おびただしい数の群れが戦場へと向かう。
……まあ、本人も嘘だとわかった上で言っているのである。
因幡の白兎の伝承が残るのはちょうど陸地を挟んだ反対側の海(諸説アリ)。
戦いの後、彼に待ち受ける苦難はここでは語らない事とする。
先に乗り込んだ猟兵たちが戦闘を開始すると同時。
鉄甲船の後方にざばあと大きな波が立つ。
その波と共に戦場に乗り込んできたのは影勝。
「なははは! 覚悟せーい!」
鰐鮫たちの力を最大限に生かすため、真っ先に乗り込んできたのだ。
それに気付いた禍鬼たちはギラリとその目を光らせ、影勝目掛けてそのサソリのようにうねる尻尾を振り回す。
「よおーっと!」
が、彼も負けてはいない。長い櫂を巧みに操り、その毒を持った尾の先を届かせぬように捌いていく。
「これも世のため人のため、わしも力を尽くそうぞ!」
そんな騒動の中、葛葉もまた鉄甲船の上空へとたどり着いていた。
「どうやら注意はあっちに向いているみたいね」
先に乗り込んだ猟兵たちに気を取られ、禍鬼たちは彼女に気付いてはいない。
ここが好機、と葛葉は目を閉じる。
船上の喧騒とは違う静寂がその身を包む。
「野狐が通れば野狐夜行!」
その目を開けば辺りには狐火が漂う。『夜光野狐夜行』の炎が葛葉の姿をぼんやりと照らし出す。
「いけぇっ!」
そして言葉と共に狐火は禍鬼たちへと襲い掛かった。
「なんだ、船の上に火……? 不知火って奴か?」
船を操る村上水軍の一人がその火に気付く。
その熱に禍鬼もまた葛葉の存在を察知する。眼前の敵に相対しながらもその全身を震わせ、生じた紫色に光る霆(いかずち)が上空へと奔る。
「その距離なら当たらないよ!」
しかしその攻撃は届かない。当たればその身は海に落ちるかもしれないが、その射程ギリギリを葛葉は浮遊していた。
そうして、うまく距離を取り、狐火を操り、決定打ではなくとも葛葉は戦局に影響を与え続けた。
時折隙を見て村上水軍旗を狙っては見るものの
「さすがにそう簡単にはいかないか」
禍鬼たちにとっても村上水軍旗は最も重要なものでその守りは厚く、それに今燃えてしまっては船上の猟兵たちも共に沈んでしまう。
戦いが終わるまでは手出しはしない方がよさそうだ。
そして、そんな炎を標にするものもいる。
「おお、こいつは重畳!」
声をあげたのは影勝である。
葛葉への対応により、禍鬼の動きは少なからず鋭さを失いつつあった。
その隙を見逃す手はない。
「炎よ、儂らの未来を照らしておくれ!」
木製の櫂を掲げ、狐火を指し示す影勝。
次の瞬間、海中より飛び出した何かが戦場に影を作りだす。
それが通り過ぎた後、さっきまでそこにあったはずの一体の禍鬼の姿は消えていた。
巨大で鋭い歯の並ぶ顎門がその身を砕き、海中へと奪い去ったのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラビット・ビット
アドリブ・連携◎
推しがその場にいないそんな時は~薄くて高い本!
推しの描かれた本を大事に運搬するには立派で強い船が必要です
ってことで【推しを守る伝説の武器】発動
乗る船がない人は乗せてあげましょう
ろくろうさんをオート戦闘モードにセット
目立つ電気でビリビリでお願いします!
甲板ど真ん中に立って貰って正面から堂々と
ビットくんは大事な同人誌を抱えてそれを守る為の防具を身につけこっそりと
目立たないように全力を尽くします
ほら、かわいいうさちゃん(なお今は人型)ですから?
戦闘はできるだけ避けて
水軍旗を狙います
いやもうほんと
思い入れがありすぎて
この水軍旗大事に下ろすために来てますからね
できれば持ち帰りたいレベル!
五百雀・斗真
こっちから、かなり禍々しい気が流れてきてるようなので
急いで船を借りて巨大鉄甲船に乗り込み
禍鬼を倒す為に戦いに加わる
禍鬼から出てる紫色に光る霆
何だか嫌な予感する…
こっちに攻撃を放ってきたら【コードキャンセル】を発動させて
攻撃を打ち消して防ぎ切るのを頑張ってみよう
…うわ。
戦ってるとより一層禍々しい気を感じて肌がピリピリしてくるね
多分、いやきっと…反撃もくるだろうから
UDCの大田さんの触手で盾受けやオーラ防御をしつつ
再び無差別攻撃を仕掛けてくるのを察したら
コードキャンセルで相殺してなぎ払っていこう
もし敵に隙ができたら
大田さんに触手を伸ばしてもらって
旗を引きずり下ろせるかやってみるね
※アドリブ歓迎
「むむ、この禍々しい気……急いで巨大鉄甲船に乗り込まなくてはね」
五百雀・斗真(人間のUDCエージェント・f15207)は禍鬼の気を感じ、戦場へと急ぐ。
無論敵は海の上。たどり着く為の足……船を借りねば、と海辺を駆けた。
と、そんな彼に影が差す。よもや巨大鉄甲船が接岸したのか、と見上げてみれば、そこにあったのは……
「ややっ! お兄さんひょっとして船をお探しですか!」
巨大な、船! その船上より声をかけたのはラビット・ビット(中の人等いない!・f14052)であった。
「いやー、奇遇ですね! 僕も村上水軍の所に向かう所なのです! よかったら乗っていきませんか?」
これぞまさしく渡りに船か。乗せていってくれるというのならば断わる理由もない。斗真はありがたく船へと乗り込む。
「助かるよ。それにしてもこんな船、どうやって?」
当然の疑問。これだけの船、そうそう用意できるものではない。
その言葉にラビットは嬉しそうに微笑んだ。
「聞いてくれますか! 実はですね、この船は推しを大事に運搬するために僕が作ったのです!」
それは『推しを守る伝説の武器(ラブ・イズ・パワー)』。無敵の推し専用装備と、推しに振るためのうちわを想像から創造する強力な力だ。
能力に疑念を感じると大幅に弱体化するという弱点があるのだが……
「推しがその場にいない……でもそんなときは! 薄くて高い本! これがあればいつでも推しと一緒!」
ラビットのテンションは上がり続ける。疑念などひとかけらもない。推しは海を越える。
「そ、そうなんだ……すごいね」
そんな賑やかな船は巨大鉄甲船へと向けて漕ぎ出す。二人の猟兵と、推しを乗せて。
船上での戦いは続く。
禍鬼の数は多くない。不意をうった一撃や猟兵たちの連携によりその数は既に半減。
しかしその血肉を求める渇望はなおも増すばかり。
一進一退の攻防が続いていた。
そんな中、巨大鉄鋼船が大きく揺らぐ。大きく波が船上へと襲い来る。
その理由は……
「わーっ! 村上水軍! 本物! 本物ですよ!」
巨大鉄甲船の中ほどに突っ込んできた船。言うまでもなくラビットの作り出した船である。
彼にとってはどうやら本に描かれた存在だけでなく、村上水軍も推しのようだ。
ともあれ。
船上には新たな猟兵が現れ、戦いは決着へと向かっていく。
「ろくろうさんをオート戦闘モードにセット! 目立つ電気でビリビリでお願いします!」
ラビットは継ぎ接ぎのガジェット人形、ろくろうさんに指示を出す。2メートルの巨体が果敢に禍鬼へと向かっていく。
同時に船に降り立った斗真もまた自らのUDC、太田さんを活性化させ、敵と相対する。
「こうして目の前にしてみると、より一層禍々しい気を感じて肌がピリピリしてくるね」
斗真は太田さんの触手を伸ばし、禍鬼へと攻撃を試みる。
禍鬼もまた現れた敵を認め、向き直る。その言葉を発さない口が大きく歪む。
と、肌をはしる感覚が変わった。その禍々しさの質が違うのだ。斗真はその兆候を感じ取った。
「……その力を、打ち消そう」
次の瞬間、紫色に光る霆が飛び交う。鳴神一閃、その霆は辺りのものすべてに襲い掛かる。
禍鬼と、斗真の双方から放たれた霆はぶつかり合い、その背後にあるものを焦がす。
村上水軍の怨霊も巻き込まれ倒れ行くが、村上水軍旗の力によりすぐに復活する。
その威力は互角。互いにダメージを受けてこそいないものの、光が消えた後にはその残滓が漂っていた。
「これじゃあ技を止めても味方の援護は期待できないか……」
『コードキャンセル』は相手と正確に全く同じユーベルコードを放ち、相殺する技。故に敵の技の弱点も同時に背負う事となる。
逆にこれをうまく使う事ができれば、有利に事を運べるかもしれない。
「だったら、火中の栗を拾う、かな」
そこで斗真がとった手段は、敵の懐へと飛び込むこと。
数を減らしたとはいえ禍鬼はまだいる。敵の攻撃を誘い、同時に放たせれば……!
「ここだっ」
触手が禍鬼たちを苛立たせる。血肉を求める渇望は満たされていない。そこに無防備に見える斗真が現れれば……!
再び霆が奔る。しかし斗真にとっては既にみた攻撃、その特性も既に感じ取った。
だからこそ、正確に。放たれた霆は相殺される。そしてそれは禍鬼たちに大きな隙を作り出した。
「やるじゃん、これで簡単に近付けるね」
「鰐鮫どもが雷に打たれてはたまらんからの!」
「雷勝負は私の勝ちデース!」
「狐火よ、集まれ! 燃やし尽くすよ!」
当然、すでに乗り込んでいた猟兵たちは斗真の作り出したチャンスを見逃さない。
禍鬼たちは断たれ、海の藻屑と消え、雷に貫かれ、炎に焼かれた。
こうして巨大鉄甲船を巡る戦いは決着を迎えたのである。
――ところで。船に乗り込んで以来出番のなかったラビットが何をしていたかというと……
「はーーーーーいやもうほんと、思い入れがありすぎて! この水軍旗大事に下ろすために来てますからね」
彼は村上水軍旗を前に限界を迎えていた。
よくぞ禍鬼に気付かれずにたどり着いたものである。
ともあれ、戦いは終わった。後はこの旗を引きずり下ろすだけ。
なお、村上水軍旗の力は巨大鉄甲船に掲げられていなければ特に力を持たないようなので、持ち帰っても問題なさそうです。
夕暮れの中、超巨大鉄甲船が海へと沈みゆく。
こうして猟兵たちの活躍により、徳川軍に迫る苦難がまた一つ、取り除かれたのであった。
成功
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