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エンパイアウォー⑦~破れ、軍略!軍神車懸かりの陣!

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 世はサムライエンパイア、時はエンパイアウォー。
 信長打倒に打って出た時の将軍徳川家光率いる幕府軍は、関ケ原にて上杉謙信、弥助アレキサンダーの軍勢と対峙していた。
 上杉謙信は率いるオブリビオンを類稀なる統率力にて纏め、車懸かりの陣を形成。幕府軍を蹂躙せんと、攻撃を繰り返していた。

●検診の軍略
「皆様、エンパイアウォーでの勝利に力をお貸しくださいまし!」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が集まった猟兵達に向かって声をかけた。
「今回皆様に行って頂く戦場は、関ケ原。相手は上杉謙信率いる上杉軍精鋭部隊ですわ!」
 そう言うと、エリルが詳細を説明し始めた。
「上杉謙信とは、既に猟兵達による決戦が行われていますわ。謙信もまたオブリビオンの魔軍将。死んでも蘇生を繰り返すので、蘇生が不可能になるまで戦う必要があるのだけれど……」
 今回の相手は、最初に言った通り上杉謙信そのものではない。その謙信によって組織された精鋭部隊との戦いとなるのだ。
「上杉謙信は、その蘇生時間を稼ぐために、精鋭部隊を用いてある特殊な陣形を組んだそうなのですの」
 エリルはここで一呼吸して、猟兵達へ告げる。
「その名も、軍神車懸かりの陣!」
 軍神車懸かりの陣――。上杉謙信を中心に、オブリビオンが円陣を組んで敵陣に突入、まるで全軍が風車の如く回転しながら、最前線の兵士を目まぐるしく交代させるという陣形だ。
「これは上杉謙信の類稀な統率力の賜物といえますわ。この陣を用いることで、わたくし達は常に万全の上杉軍と戦わねばならないにも関わらず、上杉軍側は充分な回復の時間を得ることができる、というわけですわ」
 エリルが困ったような顔をした。
「この車懸かりの陣を破らない限り、上杉謙信に蘇生の時間を与えてしまいますわ。そうなればどれだけ上杉謙信を倒しても、この陣によって復活されてしまう。つまり、上杉謙信を倒すためには、この陣突破が必要不可欠ということなのですわ!」
 ひとしきり説明を終えたエリルは、続けて今回戦闘になる相手についての説明を始めた。
 車懸かりの陣はなにも上杉謙信の蘇生の為だけにあるのではない、ということだ。
「今回の相手は、異国の少女剣士達。信長が召喚した異邦人ということになるようですわね。人数は、10にも満たないとされているけれど……油断してはいけませんわよ」
 今回の敵は、車懸かりの陣によってその防御力が通常より遥かに高められている他、高い回復能力を備えているというのだ。
「生半可な攻撃では、受けきったうえで回復までされてしまう……。その防御を撃ち抜くだけの強力な攻撃で、各個撃破を狙う必要がございますわ!」
 車懸かりの陣はなにも、謙信蘇生の為の陣ではない、ということだ。
「けれど、ここまで戦い抜いた皆様ならば、きっと勝てますわ! ですから、しっかりばっちり、戦ってきてくださいまし!」
 そう言うと、エリルのグリモアが輝いた。

 関ケ原での決戦。このエンパイアウォーを勝利へ導くための大いなる戦いが、始まろうとしている。


G.Y.
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
 つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。

 こんにちは。G.Y.です。
 関ケ原において、一緒に上杉謙信の軍勢を討ち果たしましょう!
 ということで、今回はその一方、軍神車懸かりの陣突破を目指した作戦となります。
 基本的なルールはオープニングと上記説明にて説明が行われていますので、よく読んだうえでプレイングを提出して頂けますと幸いです。

●補足
 ・今回は集団戦ですが、敵は一体一体強敵です。複数を相手にするプレイングの場合、ボーナスが得られない場合があります。
 ・逆に、各個撃破を狙い、大ダメージを与えるための工夫がある場合はプレイングボーナスが発生する場合があります。

 それでは、皆様の力強いプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『異国の少女剣士』

POW   :    跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD   :    縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ   :    憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:ちーと

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

主・役
バトルゲーマーとしてルナティックモードを初回プレイ初見クリアするにはこういう瞬間移動や高速移動してくる敵を捉える先読み(第六感、野生の勘、見切り)技能は必須技能☆先読みした上で出現予想位置へと出現予想タイミングで先制攻撃を仕掛け、盗み攻撃で間合いや攻撃の機会を奪うよ。
ゲージ解放(封印を解く)から浸透剄(気属性攻撃、鎧無視攻撃)による二回攻撃の超☆必“エクストリームマーシャルアーツ”で18連蹴り技コンボだ♪超☆必のフィニッシュはクワドラブルツイストキックね。空中殺法的な要素もあるから空中戦、パフォーマンスも有効かな?
移動はパルクール(地形の利用、ダッシュ、ジャンプ、スライディング、空中戦)走法で



 サムライエンパイア、関ケ原。
 かつてこの世界でも、豊臣軍と徳川軍が天下分け目の決戦が行われた地である。
 長い時を経て、この平原では今再び、対立する二つの軍勢が東と西に分かれ、激突していた。
 此度の軍勢は、東に徳川。西に織田。西に布陣するのは、上杉謙信。
 猟兵とオブリビオンによる、世界の命運を賭けた戦であった。

 猟兵達の前へ、上杉軍の部隊が迫る。軍神車懸かりの陣により強化をされた異国の少女兵達である。
 彼女たちは少数ながら精鋭だ。猟兵達を視界に捉えると、一気に散開し速度を上げる。その速度は、目で捉えることすら困難な域となった。
「バトルゲーマーとしてルナティックモードを初回プレイ初見クリアするには……こういう瞬間移動や高速移動してくる敵を捉える先読み技能は必須技能☆」
 対する主・役(エクストリームアーティスト・f05138)はにこやかに笑いながら、行動を予測する。
「そっちだねっ!」
 役が頭上から迫る少女蹴り上げた。そのまま剣を奪うと、役は跳躍して距離を取る。
「ゲージMAX☆」
 役の周囲に様々なゲージが現れる。まるでゲーム画面のそれのように体力等が表示される中、いわゆる『必殺技ゲージ』がビキィン!と派手な音とともに満タンになった!
「いくよ!!エクストリームマーシャルアーツ!!」
 役の身体が輝き、戦場に役の天真爛漫な表情がカットインする!
 瞬時に少女へと接近すると、勢いよく蹴りが放たれた!
 少女はガードする暇もなく、一発、二発、と続けざまに蹴りを受け続ける。
 すると役の周囲に『1HIT!』『2HIT!』と攻撃数がカウントされ、みるみるうちに上昇していく!
「やぁっ、たぁ! てぇやー!!」
 役が跳躍と共に身体を捻る。そして大きく4回転しながら蹴りを放った。
『18HIT!!』
 その表示と共に、少女の体力ゲージがカラになる。
 一瞬、戦場がスローモーションになり、少女は草原に倒れ伏した。
「うぃん☆」
 ゲーム的な表示が消えていく。それは勝利の証であり、役は元気にピースサインを決めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

依神・零奈
……流石軍神、見事な統率力だね
攻守ともに優れためんどくさい陣形だ
……現世守護の務めの為、やるしかないね

防御力と回復力を備えた相手……複数相手なんてやってられない
確実に一体を仕留める為に狙いを定めよう
敵の斬撃はなかなかに厄介だけど……自分の技は自分がよくわかってる
他の敵が加勢してくる前に一気に狙いの敵に距離を詰め
UCを発動させるよ

禍言による【呪詛】で相手の体を蝕みながら【破魔】の力を
込めた無銘刀で連撃を加え、【フェイント】を繰り出しながら
【だまし討ち】や【カウンター】で相手の首を狙うよ

相手が私のUCの特性、禍言を利用してきたら自身の【破魔】の
力で対処を狙う、自分の毒で死ぬ奴なんてそうそういないよ



 散会した少女剣士の一人が疾る。
 対するは依神・零奈(忘れ去られた信仰・f16925)。
「……流石軍神、見事な統率力だね」
 零奈はそう呟くと、刀を抜いた。
「攻守ともに優れためんどくさい陣形だが……現世守護の務めの為、やるしかないね」
 そう言った零奈は、少女の一人へと狙いを定める。高い防御力と回復力では、複数相手にすることなど考えられない。一点集中、そして、確実に仕留める。
「敵の斬撃はなかなかに厄介だけど……自分の技は自分がよくわかってる」
 零奈の刀と少女の剣が鋭い音を立てて交差した。
「他の敵が加勢してくる前に、カタをつけるよ。……帰依の御霊、倦む惰性を絶て」
 その言葉に合わせ、零奈の姿が守護神霊の姿へ変わってゆく。刀に破魔の力を込め、刀を振るうと、少女は食らいつくように剣を打ち返した。
 そのまま 刀を斬り結びながら、零奈が禍言を唱える。その力が少女の身体を蝕むが、少女は顔色一つ変えないまま、執拗に斬撃を与えてくる。
「私の特性を奪おうってこと?」
 少女の斬撃一回一回に呪力が込められ、零奈は力が奪われていくことを感じていた。それどころか、零奈の身体が自身の唱えた禍言と同じ力によって蝕まれていくことを感じていた。
「なかなかに厄介だね……! けど……自分の技は自分がよくわかってる」
 零奈の身体に秘めた破魔の力が弾けるように膨らんだ。同時に纏わりつく禍言が身体から撥ねのけられる。
「自分の毒で死ぬ奴なんてそうそういないよ」
 そう言った瞬間。零奈の刃が少女の首元へと潜り込んでいだ。
「甘かったね」
 一閃。
 少女の首がゴロリと平原に転がった。同時に、身体と首が塵のように消えていくのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

水瀬・和奏
1発でダメなら10発、それでもダメなら……倒れるまで撃ち込むだけです!

威力重視のユーベルコードで少女剣士1人に対し集中砲火
相手の防御を破れるだけの威力を持つ武器を可能な限り準備し、
【一斉発射】で相手の回復が追い付かない量の弾丸を浴びせ撃破を狙います

相手がユーベルコードでジャンプして回避するようであれば、一点集中攻撃から【範囲攻撃】に切り替え
弾幕の中に相手を常に捉え続けられるよう【追跡】しながら射撃

攻撃中はロクに動けませんが覚悟の上です
万が一懐に入られた場合は内蔵武器や拳銃の【クイックドロウ】による【零距離射撃】で対処



 猟兵達の攻撃により、異国の少女剣士達は徐々に数を減らしていた。
 このまま部隊を壊滅させれば、車懸かりの陣の一翼を崩すことも可能であろう。
 いかに強化された敵といえど、各個撃破を狙った強力な攻撃を行えば撃破可能であるということは、今までの戦いで証明されていた。
「1発でだめなら10発、それでもダメなら……倒れるまで撃ち込むだけです!」
 水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)はそう言うと、機関銃を向けながら、ミサイルユニットを展開する。
「標を確認、安全装置解除」
 ミサイルのロックが解除され、照準が次々と少女に合わせられてゆく。
「……射撃始めます」
 その合図とともに、ミサイルが一斉に射出された。少女はそのミサイルを空中でジャンプしながらかわしていく。
 ミサイルの炎が尾を引きながら戦場中を駆ける。爆音を上げ、ミサイルが少女を捉えきれずに破裂する。
「一点集中で当たらないなら……こうです!」
 和奏は再びミサイルを射出。ミサイルの射線は広範囲に広がっていき、少女の移動経路を塞いでゆく。
(この攻撃……私はロクに動けませんが……覚悟の上です!)
 ミサイルの弾幕の中、少女の進行方向を予測する。数々の制限を与え、少女に許された道は絞られる。そして――。
「そこ!」
 捉えた。和奏は重機関銃を放ち、少女の身体へと銃弾が撃ち込まれる!
 直撃。少女の肉体が激しく爆ぜ、動きが止まる。そこに追尾していたミサイルが次々と爆裂し、轟音とともに熱風と爆炎が空中に広がった。
「やった……――!?」
 その言葉の直後、爆炎の中から、少女が和奏目掛けて一直線に飛び込んできた。
 少女は瀕死の状態ながら、いまだ斃れてはいなかったのだ。まさに最後の一撃が、和奏の首目掛けて振り下ろされようとしたその時。
 少女の胸を銃弾が貫いた。少女の剣は軌道を逸れ、大地にぐしゃりと倒れ伏した。
 咄嗟に握った和奏の拳銃が、今度こそ、少女にとどめをさしたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

レン・ランフォード
SPD

これが音に聞く軍神の車懸かり…
相手にするは大変ですが、越えがいがあるというものです!

狙うは各個撃破
ですが瞬間移動をどう攻略するか…
その時幽かに声が聞こえました【亡郷の守護霊】
敵の攻撃は至近距離からの刺突ではなく斬撃であると
斬撃とは剣を振らなければいけない事!
「第六感」と「野生の勘」を動員して飛んできた位置を「見切り」
そのまま一歩だけ相手の方に踏み込む!
そこから「カウンター」気味に「グラップル」で取り押さえ上で
「暗殺」と「医術」で見切った人体急所に刃を展開してない
オーガスラッシャーの柄で打突して怯ませ、そのまま刃を発生、零距離刺殺
更にリミッターカット【光線式斬撃兵装・童子切】をぶち込みます



「これが音に聞く軍神の車懸かり……相手にするは大変ですが、越えがいがあるというものです!」
 レン・ランフォード(近接忍術師・f00762)は車懸かりの陣を遠巻きに眺めながら、気を引き締める。
「狙うは各個撃破ですが……瞬間移動をどう攻略するか……」
 レンのもとへと少女が襲い掛かる。目で追おうにも、瞬間移動をするのでは捉えきれない。
 防戦一方の中、自然と、レンが記憶を失う前から身に着けていたお守りを手にした時……ふと、レンの耳に微かに声が聞こえたような気がした。
「……そうか。敵の攻撃は至近距離からの斬撃……剣を振る瞬間を見切れば!」
 その声は『亡郷の守護霊』。忘れてしまったレンの過去から届けられた声は確かに、レンを護る力となった。
 レンは距離を取り、精神を集中させる。少女は追い打ちをかけようと再び姿を消す。
「……今!!」
 少女が姿を現した瞬間、レンが一歩踏み込んだ。
 少女の勢いを利用して、間合いの内側に入り込むと、レンは少女の首を掴む。
「捉えた!!」
 そのままオーガスラッシャーの柄で打突する。少女の身体がぐらりと揺れ、思わず剣が大地に落ちる。そんな少女に対して、レンが追い打ちをかける!
「リミッターカット!!」
 オーガスラッシャーに翠の光が宿る。長く伸びた光は鋭い刃となり、少女目掛けて振り下ろされた。
「いくよ、科学の結晶!!」
 両断! 防御をする間もなく、少女の身体が焼かれ、消えてゆくのであった。

 部隊は徐々に数を減らしつつある。瓦解はもう、目前だろう。 

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美
「……車懸りの陣……ゲームとかでたまに聞くけど……実際にお目にかかるとはね」

とりあえず、敵攻撃をドラゴンランスによる【武器受け】でいなしつつ、行動パターンを【見切り】にかかる。
「……下準備は……十分ね」
相手の攻撃に対し、電脳魔術で空間を【ハッキング】して自身の姿をずらし、本来人のいないところに【残像】を作る。相手がそこを攻撃した隙に予め座標指定して【ステルスボム】で爆破するという【罠使い】的【だまし討ち】
「……どんなに早くても……動きを誘導できれば……問題ないわ」
残像に警戒させたら、更に残像を増やし、迷わせ、攻撃に躊躇する様子を見せれば、【早業】で相手の位置に座標指定して爆破



「……車懸りの陣……ゲームとかでたまに聞くけど……実際にお目にかかるとはね」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はぼそりと呟きながら、その陣形を眺める。陣形そのものはゲームや伝承とさほど変わりは無いようだ。だが、ゲームと違って厄介なのは、この陣形をより有効利用した、精鋭部隊の強化だろう。
「ひとまず、行動を……見切るわ」
 裕美の眼鏡の下の瞳が、部隊を構成する少女達の動き一つ一つを精細に捉えてゆく。少女の瞬間移動からの斬撃はドラゴンランスで受け止め、防戦に努めることで体力を温存する。そうして手に入れた情報は、裕美の武器となる。
「……下準備は……十分ね」
 突如、裕美の動きが止まった。その隙を狙い、少女が斬撃を繰り出す。
 斬撃は、裕美の胴をざっくりと切り裂く、致命的な一撃となった……はずであった。
「……?」
 裕美の身体が歪み、消えた。
 そしてその直後――。突然『何か』が爆発した。
 状況の判断が出来ていない少女を爆炎が包み込み、少女の身を容赦なく焼く。かろうじて致命傷とはならなかったが、非常に大きなダメージを与えることが出来たことは、誰の目から見ても明らかであった。
「……どんなに早くても……動きを誘導できれば……問題ないわ」
 少女に向かって、いくつもの角度から、裕美の声がする。気付けば、少女を囲むように裕美の姿が何人にもなっていた。
 これは、電脳魔術による『空間のハッキング』。自身の『像』の座標をずらし、少女を惑わせる残像を作り上げていたのだ。そして、残像の位置には見えない爆弾、ステルスボムが設置されている。
「攻撃……出来る? しないなら……」
 再び、少女の足元が爆発した。迂闊に攻撃できないと足を止めれば、それこそ裕美の思うつぼなのだ。
「……起爆」
 怯んだ少女の周囲を巻き込んで、一際大きな爆炎が上がった。
 炎の中に倒れた少女は、塵となって舞い上がる。
「戦いは……情報よ……」
 残像が消え、残ったたった一人の裕美は、そう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

チトセ・シロガネ
ケンシンの兵には異国の剣士も存在するのネ。
どんな太刀筋か、試させてもらうヨ。

まずはUC【破邪光芒】を発動。
【見切り・武器受け】で斬撃を受け止めるネ。
刃を交えてから見えるものもあるヨ。

【戦闘知識・第六感】でフォースセイバーの力を奪い取ってることに気づくヨ。
だから【属性攻撃・念動力・オーラ防御】で出力を上げてみるヨ。
【高出力の光刃】をどこまで奪い取れるか……我慢比べとシャレこもうネ!
さらに【怪力】で刃を押し込み、その剣ごと【鎧無視攻撃】でユーを叩き斬るつもりネ!



 猟兵達の活躍もあり、車懸りの陣を担う一部隊は、もはや壊滅寸前で会った。
 もう一押しという段階となって、部隊の動きに急に変化が現れる。
 部隊が徐々に下がり始めたのである。
 車懸りの陣とは、常に万全の部隊を敵にぶつけ、部隊が消耗する前に交代する防御型の陣形だ。猟兵達の相手する部隊も、常に戦い続けるのではなく、一度下がって傷の手当てや強化を受けることが前提となっているのだ。
 このままでは、折角崩壊寸前まで追い込んだ部隊も後方で回復されてしまう。
「逃がさないヨ!」
 そんな状況にチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)が疾る。
「ケンシンの兵の、異国の剣士! どんな太刀筋か、試させてもらうヨ!」
 チトセのフォースセイバーが煌めき、光の刃が少女を襲う。
 少女は剣でチトセの刃を受けると二人は鍔迫り合いの形となり足を止める。
「刃を交えてから、見えるものもあるヨ」
 その言葉通り、チトセは持ち前の勘と戦闘知識、そして刃を交える感覚から、自らのフォースセイバーの力が奪われていることを直感した。
 チトセはにやりと笑い、自信の得物、ヒメヅルストレートの出力を高めていく。念動力がオーラとなってチトセを包みながら、全身に備わったフォトンユニットが鳴動する。
「この刃、どこまで奪い取れるか……我慢比べとシャレこもうネ!」
 二人の間に激しい力場が発生する。チトセ自身もエネルギーに吹き飛ばされないよう、反重力機構で体勢を整え、少女へ向かって力を籠める。
 ――びしり。少女の剣に一筋のヒビが入った。
「己が魂に宿る星光よ、一筋の希望となりて、悪意を断ち切れ!」
 チトセの光刃が、剣にめり込んだ。その直後。チトセの刃が少女の身体を一瞬で袈裟斬りにしていた。
 二つに割れた少女の剣が宙を舞い、大地に突き刺さる。
 一拍おいて、少女の身体がどさりと倒れ伏した。
「ユーとの我慢比べは、ボクの勝ちでしたネー」
 光の刃が収束し、チトセは笑った。

 こうして、精鋭部隊の一つが壊滅した。これにより車懸りの陣は確実に弱体化し、謙信の軍を破る一手となっただろう。
 猟兵達はその手ごたえを感じつつ、帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月16日


挿絵イラスト